JPWO2006098471A1 - 光ファイバおよび導波路 - Google Patents

光ファイバおよび導波路 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2006098471A1
JPWO2006098471A1 JP2007508246A JP2007508246A JPWO2006098471A1 JP WO2006098471 A1 JPWO2006098471 A1 JP WO2006098471A1 JP 2007508246 A JP2007508246 A JP 2007508246A JP 2007508246 A JP2007508246 A JP 2007508246A JP WO2006098471 A1 JPWO2006098471 A1 JP WO2006098471A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
fiber according
cladding
wavelength
cross
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007508246A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5065008B2 (ja
Inventor
亮 宮部
亮 宮部
杉崎 隆一
隆一 杉崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2007508246A priority Critical patent/JP5065008B2/ja
Publication of JPWO2006098471A1 publication Critical patent/JPWO2006098471A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5065008B2 publication Critical patent/JP5065008B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/02Optical fibres with cladding with or without a coating
    • G02B6/02295Microstructured optical fibre
    • G02B6/02314Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes
    • G02B6/02342Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes characterised by cladding features, i.e. light confining region
    • G02B6/02361Longitudinal structures forming multiple layers around the core, e.g. arranged in multiple rings with each ring having longitudinal elements at substantially the same radial distance from the core, having rotational symmetry about the fibre axis
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/02Optical fibres with cladding with or without a coating
    • G02B6/02295Microstructured optical fibre
    • G02B6/02314Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes
    • G02B6/02342Plurality of longitudinal structures extending along optical fibre axis, e.g. holes characterised by cladding features, i.e. light confining region
    • G02B6/02357Property of longitudinal structures or background material varies radially and/or azimuthally in the cladding, e.g. size, spacing, periodicity, shape, refractive index, graded index, quasiperiodic, quasicrystals
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/02Optical fibres with cladding with or without a coating
    • G02B6/02214Optical fibres with cladding with or without a coating tailored to obtain the desired dispersion, e.g. dispersion shifted, dispersion flattened
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/24Coupling light guides
    • G02B6/26Optical coupling means
    • G02B6/30Optical coupling means for use between fibre and thin-film device

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

MFDを大きく保ちながらさらに曲げ損失を低減させた光ファイバおよびこれを用いた導波路を提供する。本発明にかかる光ファイバ10は、不純物がドープされたコア部1と、コア部1の周囲に層状に形成された微細構造部である複数の空孔3を有する第1クラッド部2と、第1クラッド部2の周囲に層状に形成された均質な媒質の第2クラッド部4とを有する。この場合、コア部1と第2クラッド部4との比屈折率差△1は、0.01%以上、0.3%未満である。また、コア部1、第1クラッド部2および第2クラッド部4の総断面積に対する第1クラッド部2の空孔3の総断面積の比率は、20%未満である。このような光ファイバ10を用いて導波路を形成する。

Description

本発明は、微細構造を有する光ファイバおよびこの光ファイバを用いた導波路に関するものである。
一般に、光ファイバは、例えばゲルマニウムがドープされることで屈折率を高めたシリカガラスからなるコア部と、その周囲に層を形成するように取り囲み、コア部より屈折率が低いシリカガラスから成るクラッド部とから構成されている。そして、クラッド部とコア部との境界面における光の全反射の作用によりコア部内を光が導波する。しかしながら、従来、このコア部とクラッド部との比屈折率差は、大きくても3〜4%程度であった。
これに対して、近年、このような構造の光ファイバより大きな比屈折率差を得ることができる光ファイバが報告されている。例えば、特許文献1によると、クラッド部のガラス中に、空孔に代表される微細構造を長手方向に設けることによってクラッド部の平均屈折率を大きく低減させる事ができることが報告されている。即ち、この構造によれば、コア部の実効屈折率を従来の光ファイバに比べて格段に大きくすることができる。
このようなこともあり、近年、通常のシングルモード光ファイバ(以下、SMFと呼ぶ)と同等の屈折率分布構造を有する光ファイバのコア部の周囲に空孔等の微細構造を形成した構造の光ファイバが注目されている。この光ファイバの利点は、コア部周囲に微細構造を設けることで、コア部とクラッド部との比屈折率差をSMFでは成し得ないほど大きくできることにある。それにより、光ファイバの曲げ損失を非常に小さくすることが可能となる。
例えば、微細構造を設けることで、15mm径の小径曲げに対する曲げ損失を0.04dB/mまで低減することができたという報告がなされている(例えば、非特許文献1参照)。さらにその後、0.01dB/m未満まで低減することができたという報告もされている(例えば、非特許文献2参照)。一方、従来、SMFとの接続を考慮して、モードフィールド径(以下、MFDと呼ぶ)を大きく保ちながら曲げ損失を低減させた光ファイバが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3306847号公報 T.Hasegawa他、Microoptics Conference(2003),K2 西岡大造 他、信学技法、OFT2003-63、P23〜 特開2004−220026号公報
このような光ファイバには高い信頼性と取り扱いの容易さが求められており、例えば、上記特許文献1で提案されているようなMFDと曲げ損失であっても、実際に使用するにはまだ不十分である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、MFDを大きく保ちながらさらに曲げ損失を低減させた光ファイバを提供することを目的とする。そして、この光ファイバを用いて、SMFと低損失にて接続可能で且つ曲率半径の小さい屈曲部が形成されても曲げ損失を小さくすることができる導波路を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の発明の光ファイバは、不純物がドープされたコア部と、コア部の周囲に層状に形成された微細構造を有する第1クラッド部と、第1クラッド部の周囲に層状に形成された均質な媒質の第2クラッド部とを有し、コア部と第2クラッド部との比屈折率差△1が0.01%以上0.3%未満であることを特徴とする。
この発明の第2の発明の光ファイバは、上記の発明において、コア部、第1クラッド部および第2クラッド部の総断面積に対する第1クラッド部の微細構造の総断面積の比率が20%未満であることを特徴とする。
この発明の第3の発明の光ファイバは、上記の発明において、第1クラッド部の微細構造の横断面配置形状が、中心軸に対して2回回転対称とされていることを特徴とする。
この発明の第4の発明の光ファイバは、上記の発明において、第1クラッド部の微細構造の横断面配置形状が、中心軸に対して6回回転対称とされていることを特徴とする。
この発明の第5の発明の光ファイバは、上記の発明において、第1クラッド部の微細構造の横断面配置形状が、中心軸に対して4回回転対称とされていることを特徴とする。
この発明の第6の発明の光ファイバは、上記の発明において、微細構造のうち少なくとも3つが、横断面にて同一円周上に配置されていることを特徴とする。
この発明の第7の発明の光ファイバは、上記の発明において、微細構造が、異なる2つ以上の径の同一円周上に配置されていることを特徴とする。
この発明の第8の発明の光ファイバは、上記の発明において、コア部が、ゲルマニウムおよびリンの少なくともいずれか一方が添加されたシリカガラスからなることを特徴とする。
この発明の第9の発明の光ファイバは、上記の発明において、第2クラッド部が、純粋なシリカガラスからなることを特徴とする。
この発明の第10の発明の光ファイバは、上記の発明において、第2クラッド部が、フッ素が添加されたシリカガラスからなることを特徴とする。
この発明の第11の発明の光ファイバは、上記の発明において、第1クラッド部の微細構造以外の媒質は、第2クラッド部と実質的に同じ媒質であることを特徴とする。
この発明の第12の発明の光ファイバは、上記の発明において、微細構造は、光ファイバの長手方向中心軸に平行に形成された空孔であることを特徴とする。
この発明の第13の発明の光ファイバは、上記の発明において、所定の波長を有する導波する光が、単一モードで導波することを特徴とする。
この発明の第14の発明の光ファイバは、上記の発明において、1500nm以上の波長を有する導波する光が、単一モードで導波することを特徴とする。
この発明の第15の発明の光ファイバは、上記の発明において、1250nm以上の波長を有する導波する光が、単一モードで導波することを特徴とする。
この発明の第16の発明の光ファイバは、上記の発明において、波長1550nmにおけるモードフィールド径をA[μm]、波長1550nmにおける曲率半径7.5mmにおける曲げ損失をB[dB/m]としたとき、B≦1であり、且つ以下の(1)式が成り立つことを特徴とする。
A≧log10B+8 ・・・(1)
この発明の第17の発明の光ファイバは、上記の発明において、AおよびBが、以下の(2)式をさらに満たすことを特徴とする。
A≧log10B+9 ・・・(2)
この発明の第18の発明の光ファイバは、上記の発明において、Aが7μm〜13μmであることを特徴とする。
この発明の第19の発明の光ファイバは、上記の発明において、Aが7μm〜12μmであることを特徴とする。
この発明の第20の発明の光ファイバは、上記の発明において、Aが7μm〜11μmであることを特徴とする。
この発明の第21の発明の光ファイバは、上記の発明において、Bが0.1dB/m以下であることを特徴とする。
この発明の第22の発明の光ファイバは、上記の発明において、波長1550nmにおける曲率半径7.5mmの曲げ損失が0.1dB/m以下であることを特徴とする。
この発明の第23の発明の光ファイバは、上記の発明において、波長1550nmにおける曲率半径5.0mmの曲げ損失が0.1dB/m以下であることを特徴とする。
この発明の第24の発明の光ファイバは、上記の発明において、微細構造が空孔であって、該空孔の内部空間を密封する密封手段が設けられていることを特徴とする。
この発明の第25の発明の光ファイバは、上記の発明において、密封手段は、空孔の両端部に設けられた隔壁であることを特徴とする。
この発明の第26の発明の光ファイバは、上記の発明において、密封手段は、長手方向に任意の間隔をおいて複数設けられ空孔を複数に区切って密封する隔壁であることを特徴とする。
この発明の第27の発明の光ファイバは、上記の発明において、密封手段は、接続端部の空孔に充填された屈折率整合材であり、この屈折率整合材が充填された接続端部に、他の光ファイバが接続されることを特徴とする。
この発明の第28の発明の光ファイバは、上記の発明において、密封手段は、接続端部の空孔が潰されて密封状態とされたものであり、この潰されて密封状態とされた接続端部に、他の光ファイバが接続されることを特徴とする。
この発明の第29の発明の導波路は、第1の発明から第28の発明のいずれか1つの光ファイバを、曲率半径3mm以上60mm以下の曲げを少なくとも1箇所設けて形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、MFDを大きく保ちながらさらに曲げ損失を低減させた光ファイバを得ることができ、また、この光ファイバを用いて、通常のSMFと低損失にて接続可能で且つ曲率半径の小さい屈曲部が形成されても曲げ損失を小さくすることができる導波路を得ることができる、という効果を奏する。
図1は、ファイバ例1−1にて使用した光ファイバの横断面図である。 図2は、ファイバ例2−1にて使用した光ファイバの横断面図である。 図3は、ファイバ例3−1にて使用した光ファイバの横断面図である。 図4は、ファイバ例4−1にて使用した光ファイバの横断面図である。 図5は、ファイバ例5−1に低使用した光ファイバの横断面図である。 図6は、接続例1による光ファイバの接続方法を示す縦断面図である。 図7は、接続例2による光ファイバの接続方法を示す縦断面図である。 図8は、本実施例にかかる光ファイバを導波路として使用した例を示す系統図である。
符号の説明
1 コア部
2 第1クラッド部
3 空孔
4 第2クラッド部
10,20,30,40,50 光ファイバ
60 被接続用光ファイバ
61 コア部
70 幹線系の光ファイバ
100 障害物
A,B 屈曲部
C1,C2接続部
以下に、本発明に係る光ファイバおよび導波路の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。以下では、本発明に係る光ファイバの構成上の特徴の概略を実施の形態として説明し、その後に実際の光ファイバおよび導波路に則したものを実施例として詳細に説明する。
[実施の形態]
従来、不純物がドープされるコア部と微細構造を有するクラッド部から構成される光ファイバのコア部と微細構造を有しないクラッド部(第2クラッド部)に対する比屈折率差はSMFとほぼ同じであり、この比屈折率差△1は0.3〜0.39%である。これに対し本実施の形態の光ファイバは、比屈折率差△1を小さくすることでMFDを大きくしている。また、比屈折率差△1を従来よりも小さくしてもコアとクラッドとの屈折率差は非常に大きいため、コア部への光の閉じ込めは強く、光ファイバの曲げに対する曲げ損失もまた非常に小さくすることができる。
ここで、比屈折率差△1は以下の式で定義される。ncore、ncladはそれぞれコア部の最大屈折率、及び第2クラッド部の屈折率である。
△={(ncore−nclad)/ncore}×100 % (3)
また、コア部にゲルマニウムを微量にドープすることによって、融着時にコア部を容易に探し出すことができるため、調芯のずれによる接続損失の発生を回避することができる。またシングルモードファイバとの融着接続時に接続部においてゲルマニウムが拡散することから接続損失を小さくすることができる。
微細構造領域が、20%を超えてしまうとファイバの強度が劣化してしまうため、20%以下に設定することによって、光ファイバ自体のガラスとしての強度を保つことができる。また、微細構造の断面積が20%を超えてしまうと、光ファイバの線引き時、光ファイバ母材から光ファイバに引き伸ばされるメニスカス部分において光ファイバ内部の微細構造近傍のガラス部分に大きな応力がかかり、断線する可能性が高くなるため好ましくない。
本発明の一実施形態の光ファイバは、光ファイバの中心軸に対し2回回転対称の微細構造を有する。このような構造をとることで光ファイバ断面において、X方向とY方向の屈折率分布に異方性が生じる。このためX軸方向とY軸方向の間に異方性が生じ、導波する光の偏波面を保持する効果が生じる。なお、ここでいう2回回転対称とは、2回回転についてのみに対称であるものを指し、4回回転対称、6回回転対称等は含まないものとする。
本発明の一実施形態の光ファイバは、光ファイバの中心軸に対し6回回転対称の微細構造を有する。このような構造をとることで光ファイバ断面における周方向に対する屈折率が比較的一定とすることができるので、偏波モード分散を低減させることができる。
本発明の一実施形態の光ファイバは、光ファイバの中心軸に対し4回回転対称の微細構造を有する。このような構造をとることで光ファイバ断面においてX方向とY方向の屈折率分布は等しいため、偏波モード分散を小さくすることができる。
また、各々の微細構造は光ファイバの中心軸に対し、2つ以上の異なる同一円周上に配置される。これにより光ファイバ中心軸から径方向に対して、微細構造の配置パターンにより自由に屈折率変化を設けることができる。
コア部にゲルマニウム(Ge)、リン(P)をドープする方法として、例えば、VAD(Vapor-phase Axial Deposition)法が挙げられる。この手法を用いることで、ドープ量の微調整が可能となる。その結果、クラッド部に対するコア部の屈折率差を0.01%刻みで調節することができる。
第2クラッド部の均質な媒質は、純粋なシリカガラス、若しくはフッ素が添加されたシリカガラスである。また、第1クラッド部の微細構造部以外の媒質は、第2クラッド部と同等であり、第1クラッド部に微細構造部を有しない場合の、第1クラッドと第2クラッドの屈折率は等しい。クラッド部を純粋なシリカガラス、若しくはフッ素が添加されたシリカガラスで構成されることで、コア部に対して屈折率差を設けることができる。
微細構造が空孔であることにより、第1クラッド部の平均屈折率を大きく低減することが可能である。また空孔であれば、例えば超音波ドリル等を用いて光ファイバ母材の長手方向に穿孔することが容易にできるため、シリカガラスと異なる屈折率を有する液体や固体を挿入する作業に比べ、低コストで製造することができる。
ここで、上述される単一モードで光伝播するとは、カットオフ波長λcが使用波長より短いことが必要とされる。そして、本実施の形態の光ファイバは1500nm以上の光波長において単一モードで伝播する。これにより、Cバンド、Lバンドを含む波長帯域に対して使用が可能となる。また好ましくは、光ファイバは1250nm以上の光波長において単一モードで伝播する。これにより、S、C、Lバンド、そしてEバンド、Oバンドを含めた広い波長帯域に対して使用が可能となる。
ここでカットオフ波長λcとは、ITU−T(国際電気通信連合)G.650.1で定義するファイバカットオフ波長λcをいう。その他、本明細書で特に定義しない用語についてはITU−T G.650.1またはG.650.2における定義及び測定方法に従うものとする。
本実施の形態の光ファイバはMFDを拡大する微細構造を有していても、小さな曲げ損失を確保することができる。その大きさは、例えば、波長1550nmにおいてMFDが7μmのファイバの曲げ損失は、0.1dB/m以下である。この2つのファイバ特性の関係は好ましくは、上記(1)式を満たし、さらに好ましくは、上記(2)式を満たす。
波長1550nmの光において、MFDは7〜13μm、好ましくは7〜12μm、さらに好ましくは7〜11μmである。これは、本実施の形態の光ファイバと例えばSMFとの接続を想定した場合、このMFDは約10μmであり、この値に近いMFDを有していればメカニカル接続における損失も低減できるためである。また通常のシングルモードファイバとの融着を考慮した場合、同様に両者の光ファイバのMFDが近い値であるため融着接続損失が小さく、融着作業もまた行い易くなる。
波長1550nmの光において、曲率半径7.5mm、好ましくは曲率半径5.0mmの曲げに対する曲げ損失が0.1dB/m以下である。このように曲げに対する光損失が小さいことで、屋内・ビル等における局所位置に曲率半径が小さい状態で敷設することが可能となる。
光ファイバ両端部の全ての空孔に対して壁を設けることにより、空孔内部への汚染物質の浸入を抑制することができる。これにより、空孔内汚染による伝送損失増加を抑えることができる。
さらに、汚染浸入を防ぐ隔壁を空孔一つ一つにおいて任意の位置に設けることにより、隔壁を設けたことによる長手方向における光ファイバ断面の構造変化が少ない。このため、光を伝送させた際の隔壁設置部におけるMFDの形状変動も少なくて済み、これに伴う伝送損失もまた少ない。
また、空孔端部に屈折率整合材を挿入することにより、本発明の光ファイバ端部とSMFとの接合において、光ファイバ同士のMFDを近似することが可能となり、接合端における接続損失を低減することができる。これにより、既存のSMF導波路に本発明の光ファイバを組み込むときに生じる、接続損失を抑えることができる。
従来の光ファイバは曲げ損失を小さくすべく、曲率半径が大きい曲げ径で光伝送媒体に使用されていたが、本発明の構造を有する光ファイバでは、曲げ損失が非常に小さい。そのため本発明の光ファイバの曲率半径を3mm以上60mm以下の径に屈曲した状態で光導波路に組み込んでも、伝送損失は小さく、例えば屋内における狭いスペースに配設することが可能である。
[ファイバ例1−1]
図1はファイバ例1−1にて使用した光ファイバの横断面図である。図1において、光ファイバ10は、コア部1と、このコア部の周囲に層状に形成された第1クラッド部2と、この第1クラッド部2の周囲に層状に形成された第2クラッド部4とを有している。第1クラッド部2には、微細構造として空孔3が多数形成されている。コア部1は、ゲルマニウムがドープされたシリカガラスにて作製されている。当該コア部1の純粋なシリカガラスに対する比屈折率差は0.28%である。一方、第1クラッド部2の空孔3以外の部分および第2クラッド部4は、純粋なシリカガラスにて作製されている。複数の空孔3は、光ファイバ10の長手中心軸方向に夫々平行に貫通している。また、空孔3の断面形状の長手中心軸方向の変化率は、面積比10%以下程である。断面における各空孔3相互の間隔は、空孔間隔Λ=6.0〜11.0μmである。さらに、光ファイバ断面積に対する18個の空孔3の総断面積比は10〜19%である。
尚、図1に示されるように、18個の空孔3はファイバ中心に対して、それぞれ6個ずつ3つの同心円上に形成されている。つまり、一番中心に近い同心円上に形成された空孔3aが、2番目の同心円上に空孔3bが、3番目の同心円上に空孔3cがそれぞれ形成されている。
光ファイバ10の特性を調べたところ、波長1550nmにおけるMFDは7.0〜10.0μmであり、曲げ損失は、波長1550nm、曲率半径7.5mmの曲げ径において0.0018dB/mであった。また、カットオフ波長は1100〜1240nmであった。尚、このファイバの波長1550nm、曲率半径5mmの曲げ径における曲げ損失は0.085dB/mであった。
また、光ファイバ10の空孔3の横断面配置形状は、中心軸に対し6回回転対称の位置に配置されている。このような配置形状をとることにより、偏波モード分散は0.5ps/km1/2以下の値を得ることができた。
[ファイバ例1−2]
上記ファイバ例1−1と同様に純粋なシリカガラスに対する比屈折率差が0.22〜0.27%となるようにゲルマニウムがドープされたコア部1と、図1の断面構造を有するクラッド部(第1クラッド部2および第2クラッド部4)から構成される光ファイバを作製した。第2クラッド部4は、純粋なシリカガラスからなる。ここで、空孔間隔Λは6.0〜10.0μmであり、ファイバ断面内における18箇所の空孔3の総断面積比は10〜18%である。この光ファイバの波長1550nmにおけるMFDは7.0〜7.6μmであり、曲げ損失は波長1550nm、曲率半径7.5mmの曲げ径において0.002dB/mである。カットオフ波長は1150〜1490nmである。また、この光ファイバの波長1550nm、曲率半径5mmの曲げ径における曲げ損失は、0.01〜0.09dB/mである。
[ファイバ例1−3]
図1に示される微細構造を有する第1クラッド部2に、純粋なシリカガラスに対する比屈折率差が−0.1%となるようにフッ素をドープし、コア部1の第2クラッド部4に対する比屈折率差が0.28%になるようゲルマニウムのドーパント量を調整した光ファイバを作製した。この場合も上記ファイバ例1−1のものとカットオフ波長、MFD、曲げ損失がほとんど変わらないことを確認した。
[ファイバ例2−1]
図2はファイバ例2−1の光ファイバの横断面図である。図2に示す光ファイバ20においても、ファイバ例1−1の光ファイバ10と同様に、コア部1はゲルマニウムがドープされたシリカガラスからなり、第1クラッド部2の空孔3以外の部分および第2クラッド部4は、純粋なシリカガラスにて作製されている。当該コア部1の純粋なシリカガラスに対する比屈折率差は0.28%である。図2に示される光ファイバ20は、中心軸に対して空孔3が2回回転対称の横断面配置形状となっている。つまり、一番中心に近い同心円上に形成された大空孔3eと小空孔3dの配置が線対称の関係にある。2番目の同心円上に6個の小空孔3fが形成され、3番目の同心円上に6個の小空孔3gが形成されている。このファイバ20の特徴として、長手中心軸方向をZ軸方向とした場合に、ファイバ断面においてX軸方向とY軸方向の屈折率分布が大きく異なり、導波する光の偏波面を保持する作用が発生する。
[ファイバ例2−2]
ファイバ例2−1と同様、図2に示される微細構造を有する光ファイバを作製した。ファイバ例1−1の光ファイバ10と同様に、コア部1はゲルマニウムがドープされたシリカガラスからなり、第1クラッド部2の空孔3以外の部分および第2クラッド部4は、純粋なシリカガラスにて作製されている。当該コア部1の純粋なシリカガラスに対する比屈折率差は0.28%である。また、コア部1と大空孔部3eとの間隔は0.5μm以下と非常に近い距離に位置する。このときのモード複屈折は2.0×10-4であった。
[ファイバ例3−1]
図3はファイバ例3−1の光ファイバの横断面図である。図3に示す光ファイバ30においても、ファイバ例1−1の光ファイバ10と同様に、コア部1はゲルマニウムがドープされたシリカガラスからなり、第1クラッド部2の空孔3以外の部分および第2クラッド部4は、純粋なシリカガラスにて作製されている。当該コア部1の純粋なシリカガラスに対する比屈折率差は0.28%である。光ファイバ30は、空孔3の配置を図3に示されるように中心軸に対し、4回回転対称の位置に配置した。つまり、一番中心に近い同心円上に4個の空孔3aが、4個の空孔3aに対して90度回転した位置にて、2番目の同心円上に4個の空孔3bがそれぞれ形成され、さらに90度回転し、中心に対して空孔3aの放射線上の3番目の同心円上に4個の空孔3cが形成されている。このような配置形状の光ファイバ30においては、偏波モード分散は0.3ps/km1/2以下の値が得られた。
[ファイバ例4−1]
図4はファイバ例4−1の光ファイバの横断面図である。図4に示す光ファイバ40は、コア部1と、このコア部1の周囲に層状に形成された第1クラッド部2と、この第1クラッド部2の周囲に層状に形成された第2クラッド部4とを有している。第1クラッド部2には、微細構造部として空孔3が多数形成されている。コア部1は、ゲルマニウムがドープされたシリカガラスにて作製されている。ここで作製した2通りの光ファイバにおける、コア部1の純粋なシリカガラスに対する比屈折率差Δ1はそれぞれ0.28%、0.29%であり、コア部1の直径は7.4μmである。一方、第1クラッド部2の空孔3以外の部分および第2クラッド部4は、純粋なシリカガラスにて作製されている。複数の空孔3は、光ファイバ40の長手中心軸方向に平行に貫通している。また、空孔3の断面形状の長手中心軸方向の変化率は、面積比5%以下である。また、光ファイバ断面積に対する12個の空孔3の総断面積比は8.67%である。
複数の空孔3は、ファイバ断面においてそれぞれ、ほぼ円形で、全ての空孔3の断面積は同じであり、そして各々の空孔3の直径dは6.8μmである。第1クラッド部2において中心に近い同心円上に4個の空孔3aが配置され、各空孔3aの中心から光ファイバの断面中心の距離(L1)が7.7μmであり、それぞれ空孔3aが4回回転対称の位置関係にある。また、第1クラッド部2において光ファイバの中心から外側には8個の空孔3bが配置され、それぞれの空孔3bは、空孔部の中心から光ファイバの断面中心の距離(L2)が16.435μmであり、かつ第1クラッド部2の内側に配置される、隣り合う2つの空孔3aを結ぶ直線上に位置する。
この例に示される光ファイバの作製方法は以下のとおりである。まず、VAD法によりゲルマニウムドープされたコア部を含むシリカガラスを作製する。次に、このシリカガラスの外側に純シリカ層をOVD法により外付けし、外径40mm、コア径が3.7mmである母材を作製した。この母材に対し機械式ドリルにより、仕上がり直径が3.4mmに形成されるよう穿孔し、そして空孔内面の研磨を行った。そしてこの母材をファイバクラッド外径が80μmとなるよう線引きした。上記の方法で作製した光ファイバ、Sample.1及びSample.2の特性を表1に示す。
Figure 2006098471
表1に示すように、カットオフ波長λcは、何れも1200nm以下であり、波長1.3μm帯域(1280〜1330nm)及び1.55μm帯域(1530〜1565nm)においてシングルモード動作する。波長1550nmにおけるMFDは7.0μm以上であり、一般的なSMFとのメカニカル接続において、その接続損失は小さい。また、ファイバ内で生じる非線形現象も小さく抑えられる。波長1550nm、曲率半径7.5mmにおけるマクロベンディングロスは0.1dB/m以下であり、小径曲げ環境に充分適したファイバであるといえる。また、上述したように、この光ファイバ40の空孔3の横断面配置形状は4回回転対称であり、偏波モード分散は0.1ps/km1/2以下の値が得られた。
[ファイバ例4−2]
図4に示すファイバ例4−1のサンプル例に対し、空孔位置及び空孔径を変えたSample.3、4をシミュレーションにより検討した。尚、ファイバ例4−1にて実際に製造したSample.1、2の光ファイバに関して本シミュレーションを行った結果は、実際に得られた光ファイバの特性とほぼ一致することを確認している。
コア径及びコア部と空孔との間の距離は、コア径=7.6μm、内側に位置する空孔3aの中心とコア中心との距離L1=11μm、外側に位置する空孔3bの中心とコア中心との距離L2=22μmとした。本検討における空孔3の直径d(すなわち空孔径)は10.4μm、ファイバ外径は90μmであり、光ファイバ断面積に対する12個の空孔3の総断面積比は16%である。この検討結果を表2に示す。
Figure 2006098471
表2に示すように、カットオフ波長は1350nm以下であり、曲げ損失も十分に小さく、波長1.55μm帯域(1530〜1565nm)での耐曲げ対応ファイバとして充分に機能する特性を有する。そしてまたMFDは8.0μm以上であり、一般的なシングルモードファイバとの接続を考えた場合、MFDミスマッチが非常に小さく、低損失でのメカニカル接続が可能である。また、MFDを拡大したことで上記ファイバ例4−1に対して非線形性を大幅に抑制することができる。
[ファイバ例4−3]
図4に示される微細構造を有する第1クラッド部2に、純粋なシリカガラスに対する比屈折率差が−0.1%となるようにフッ素をドープし、コア部1の第2クラッド部4に対する比屈折率差が0.28%になるようゲルマニウムのドープ量を調整した光ファイバを作製した。この場合も上記ファイバ例1のSample.1とカットオフ波長、MFD、曲げ損失がほとんど変わらないことを確認した。
[ファイバ例5−1]
図5はファイバ例5−1の光ファイバの横断面図である。図5において、光ファイバ50は、光ファイバ10と同様にコア部1と、このコア部1の周囲に層状に形成された第1クラッド部2と、この第1クラッド部2の周囲に層状に形成された第2クラッド部4とを有している。第1クラッド部2には、微細構造部として空孔3が多数形成されている。コア部1は、ゲルマニウムがドープされたシリカガラスにて作製されている。ここで作製した2通りの光ファイバにおける、コア部1の純粋なシリカガラスに対する比屈折率差Δ1はそれぞれ0.28%、0.29%であり、コア径は7.4μmである。一方、第1クラッド部2の空孔3以外の部分および第2クラッド部4は、純粋なシリカガラスにて作製されている。複数の空孔3は、光ファイバ長手中心軸方向に平行に貫通している。また、空孔3の断面形状の長手中心軸方向の変化率は、面積比5%以下である。また、光ファイバ断面積に対する12個の空孔3の総断面積比は6.8%である。
ここで、第1クラッド部2に配置される空孔3の断面形状は、ほぼ真円である。図5において第1クラッド部2の内側の内部領域に配置される、比較的断面積の小さな空孔3aの直径をd1、第1クラッド部2の外側の内部領域に含まれる比較的断面積の大きな空孔部3bの直径をd2とすると、それぞれ、d1=3μm、d2=8μmである。また、各々同径の空孔部は同一円周上に配置され、比較的断面積の小さな空孔3aの中心部とファイバ断面中心部との距離をL1とするとL1=6μmであり、また、これらの隣り合う位置に配置される各空孔中心の間隔は6μmである。また、比較的断面積の大きな空孔3bの中心部とファイバ断面中心部との距離をL2とするとL2=13.15μmであり、これらの隣り合う位置に配置される各空孔中心の間隔は13.15μmである。また、各々同一径を有する空孔3a,3bは、それぞれファイバ断面中心に対して6回回転対称に配置される。そして最も近くに配置される比較的断面積の小さな空孔3aと比較的断面積の大きな空孔3bとの位置は、ファイバ断面中心と第1クラッド部2の内側の内部領域に配置される空孔3aの中心部とを結ぶ直線と、ファイバ断面中心と第1クラッド部の外側の内部領域に配置される空孔3bの中心部とを結ぶ直線とが30度の角度を成す。この光ファイバ作製方法はファイバ例1−1と同様であり、実際に作製したSample.5及びSample.6の特性を表3に示す。
Figure 2006098471
表3に示すように、カットオフ波長は、それぞれ1310nm及び1320nmである。したがって、光ファイバ50は、波長1.55μm帯域(1530〜1565nm)においてシングルモード動作する。また、波長1550nmにおけるMFDは7.0μm以上であり、一般的なSMFとのメカニカル接続において、その接続損失は小さい。さらに、光ファイバ50の内部で生じる非線形現象も小さく抑えられる。波長1550nm、曲率半径7.5mmにおけるマクロベンディングロスは0.1dB/m以下であり、小径曲げ環境に十分適したファイバであるといえる。また、上述したように、この光ファイバ50の空孔3a及び3bの横断面配置形状はそれぞれ6回回転対称であり、偏波モード分散は0.3ps/km1/2以下の値が得られた。
上述のファイバ例1〜5にて使用した光ファイバに対し、ファイバ両端を加熱することでクラッド部分を溶かし、空孔部分を潰して、隔壁を設けた。また、同様にファイバ長手の任意位置の空孔に対し選択的に加熱することによっても隔壁を設けた。これにより、空孔内部への汚染物質等の浸入を防ぐことができる。
[ファイバ接続例]
ファイバ例1−1にて図1により示した波長1550nmでのMFDが約7〜8μmの光ファイバ10と、波長1550nmでのMFDが10.4μmであるSMFの被接続用光ファイバ(ITU規格G.652準拠の光ファイバ;以下、非接続光ファイバ60と呼ぶ。)とを以下の3つの方法によって接続した。そしてこれらの接続部における波長1550nmの光による接続損失を測定した。
[接続例1]
図6は接続例1による光ファイバの接続方法を示す縦断面図である。本接続例においては、光ファイバ10の空孔3端部の空隙内に、屈折率整合剤13を充填した。その後、この屈折率整合剤13を充填した状態の光ファイバ10と被接続用光ファイバ60とを、各々のコア部1、61の中心軸が一致するように突合せて接続した。ここで、屈折率整合剤13は、波長1550nmの光に対する屈折率が約1.44である粘性が高いグリスである。
このように光ファイバ10の空孔3内に屈折率整合剤13を充填することによって、光ファイバ10の端部において、第1クラッド部2の屈折率が第2クラッド部4の屈折率に近づく。これにより光ファイバ10のMFDが広がり、被接続用光ファイバ60のMFDの値に近づく。また、ファイバ接続端部においてクラッド部の屈折率がほぼ一様になるため、フレネル反射による接続損失も抑えることができる。ここで、光ファイバ接続端部における、接続損失を測定してみたところ0.1dB以下であった。
[接続例2]
図7は接続例2による光ファイバの接続方法を示す縦断面図である。本接続例においては、光ファイバ10の端部の空孔3が熱によって潰されて、被接続用光ファイバ60と、コア部1、61の中心軸が一致するように突合せて接続した。
空孔3が潰されることによって閉塞部16が形成され、光ファイバ10端部の第1クラッド部2の屈折率が第2クラッド部4の屈折率とほぼ等しくなる。そのため、接続例1と同様な効果が得られた。光ファイバ端部に対し何も処理をせずに突合せ接続をした場合に比べ、接続損失が幾らか低減した。上記接続例2による光ファイバ接続端部と同様に接続損失を測定してみたところ0.1dB以下であった。
[接続例3]
接続例2に示されるように光ファイバ10の端部の空孔を潰しつつ、被接続用光ファイバ60と融着により接続を行った。融着条件に関して、急激に強いパワーで放電すると空孔が膨張し、時には破裂して、融着部に大きな空洞や欠損部分が生じてしまう。そのため、本接続例においては、放電強度をかなり弱く、放電時間を長めに設定して、空孔を徐々に潰して融着を行った。
ここで、接続部における屈折率分布は、上記接続例と同様にほぼ一様になった。そして接続部におけるMFDは大きくなり、被接続用光ファイバのMFDに近づいた。また、融着することにより、双方の光ファイバのコア部に夫々ドープされたゲルマニウムが相互に拡散するため、上記接続例1、2に比べ、接続部における両光ファイバMFDは互いに近づく結果となり接続損失はさらに小さくなった。上記接続例と同様に、上記接続例3によるファイバ接続端部の接続損失を測定してみたところ0.05dB以下であった。
[ファイバ使用例]
図8は本発実施例にかかる光ファイバを導波路として使用した例を示す系統図である。図8において、[ファイバ例1]にて示した光ファイバ10は、前端と後端の両接続部C1、C2に、それぞれ格G.652の幹線系の光ファイバ70、70が接続されている。本使用例は、障害物100によって系統の2箇所にて直角に曲がらなければならない場合を想定している。2箇所の屈曲部A、Bは、それぞれ曲率半径7.5mmに曲げられている。
図8に示される系統を幹線系の光ファイバ70のみを使用して敷設した場合、屈曲部A、Bの2箇所で約10dBと大きな曲げ損失が生じ、幹線系トータルでの伝送損失が非常に大きくなってしまった。
しかしながら、図8に示されるように障害物100に上述の光ファイバ10を使用したところ、屈曲部A、Bに生じる曲げ損失は非常に小さく抑えられ、この場合、その損失は0.1dB以下であった。また、光ファイバ10のMFDは従来の空孔を有する曲げに強い光ファイバよりも大きく、上記接続例の手段を用いれば、接続部1箇所に生じる損失は0.1dB以下であった。以上を考慮すると、幹線系ファイバのみを敷設した場合に比べ、幹線系トータルでの伝送損失を非常に小さく抑えることができた。
以上のように、本発明にかかる光ファイバおよび導波路は、引き回し時に屈曲部が形成される系統の光ファイバケーブルに用いられて有用なものであり、特にオフィスや家庭或いはマンションへの光ファイバケーブルの導入時等に用いられるドロップ光ファイバケーブル、インドア光ファイバケーブル、及び宅内配線用光ファイバケーブル等の光ファイバケーブルに最適なものである。
以上のように、本発明にかかる光ファイバおよび導波路は、SMFに接続する際に生じる接続損失の低減と曲率半径の小さい屈曲部が形成された際に生じる曲げ損失の低減との両立に有用であり、特に、オフィスや家庭或いはマンションへの光ファイバケーブルの導入時等に用いられるドロップ光ファイバケーブル、インドア光ファイバケーブル、及び宅内配線用光ファイバケーブル等の各種光ファイバケーブルおよびこれを用いて形成される導波路に適している。

Claims (29)

  1. 不純物がドープされたコア部と、前記コア部の周囲に層状に形成された微細構造を有する第1クラッド部と、前記第1クラッド部の周囲に層状に形成された均質な媒質の第2クラッド部とを有し、前記コア部と第2クラッド部との比屈折率差△1が0.01%以上0.3%未満であることを特徴とする光ファイバ。
  2. 前記コア部、前記第1クラッド部および前記第2クラッド部の総断面積に対する前記第1クラッド部の前記微細構造の総断面積の比率が20%未満であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ。
  3. 前記第1クラッド部の前記微細構造の横断面配置形状が、中心軸に対して2回回転対称とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ。
  4. 前記第1クラッド部の前記微細構造の横断面配置形状が、中心軸に対して6回回転対称とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ。
  5. 前記第1クラッド部の前記微細構造の横断面配置形状が、中心軸に対して4回回転対称とされていることを特徴とする、請求項1または2に記載の光ファイバ。
  6. 前記微細構造のうち少なくとも3つが、横断面にて同一円周上に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  7. 前記微細構造が、異なる2つ以上の径の同一円周上に配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  8. 前記コア部が、ゲルマニウムおよびリンの少なくともいずれか一方が添加されたシリカガラスからなることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  9. 前記第2クラッド部が、純粋なシリカガラスからなることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  10. 前記第2クラッド部が、フッ素が添加されたシリカガラスからなることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  11. 前記第1クラッド部の微細構造以外の媒質は、前記第2クラッド部と実質的に同じ媒質であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  12. 前記微細構造は、光ファイバの長手方向中心軸に平行に形成された空孔であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  13. 所定の波長を有する導波する光が、単一モードで導波することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  14. 1500nm以上の波長を有する導波する光が、単一モードで導波することを特徴とする請求項13に記載の光ファイバ。
  15. 1250nm以上の波長を有する導波する光が、単一モードで導波することを特徴とする請求項13に記載の光ファイバ。
  16. 波長1550nmにおけるモードフィールド径をA[μm]、波長1550nmにおける曲率半径7.5mmにおける曲げ損失をB[dB/m]としたとき、B≦1であり、且つ以下の(1)式が成り立つことを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の光ファイバ。
    A≧log10B+8 ・・・(1)
  17. 前記AおよびBが、以下の(2)式をさらに満たすことを特徴とする請求項16に記載の光ファイバ。
    A≧log10B+9 ・・・(2)
  18. 前記Aが7μm〜13μmであることを特徴とする請求項16または17に記載の光ファイバ。
  19. 前記Aが7μm〜12μmであることを特徴とする請求項16または17に記載の光ファイバ。
  20. 前記Aが7μm〜11μmであることを特徴とする請求項16または17に記載の光ファイバ。
  21. 前記Bが0.1dB/m以下であることを特徴とする請求項16または17に記載の光ファイバ。
  22. 波長1550nmにおける曲率半径7.5mmの曲げ損失が0.1dB/m以下であることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  23. 波長1550nmにおける曲率半径5.0mmの曲げ損失が0.1dB/m以下であることを特徴とする、請求項1から15のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  24. 前記微細構造が空孔であり、該空孔の内部空間を密封する密封手段が設けられていることを特徴とする請求項1から23のいずれか1項に記載の光ファイバ。
  25. 前記密封手段は、前記空孔の両端部に設けられた隔壁であることを特徴とする請求項24に記載の光ファイバ。
  26. 前記密封手段は、長手方向に任意の間隔をおいて複数設けられ前記空孔を複数に区切って密封する隔壁であることを特徴とする請求項24に記載の光ファイバ。
  27. 前記密封手段は、接続端部の前記空孔に充填された屈折率整合材であり、該屈折率整合材が充填された接続端部に、他の光ファイバが接続されることを特徴とする請求項24に記載の光ファイバ。
  28. 前記密封手段は、接続端部の前記空孔が潰されて密封状態とされたものであり、該潰されて密封状態とされた接続端部に、他の光ファイバが接続されることを特徴とする請求項24に記載の光ファイバ。
  29. 請求項1から28のいずれか1項に記載の光ファイバを、曲率半径3mm以上60mm以下の曲げを少なくとも1箇所設けて形成することを特徴とする導波路。
JP2007508246A 2005-03-18 2006-03-20 光ファイバおよび導波路 Expired - Fee Related JP5065008B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007508246A JP5065008B2 (ja) 2005-03-18 2006-03-20 光ファイバおよび導波路

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005080295 2005-03-18
JP2005080295 2005-03-18
PCT/JP2006/305521 WO2006098471A1 (ja) 2005-03-18 2006-03-20 光ファイバおよび導波路
JP2007508246A JP5065008B2 (ja) 2005-03-18 2006-03-20 光ファイバおよび導波路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006098471A1 true JPWO2006098471A1 (ja) 2008-08-28
JP5065008B2 JP5065008B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=36991815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007508246A Expired - Fee Related JP5065008B2 (ja) 2005-03-18 2006-03-20 光ファイバおよび導波路

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7715674B2 (ja)
JP (1) JP5065008B2 (ja)
WO (1) WO2006098471A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7458734B2 (en) 2006-11-09 2008-12-02 Corning Incorporated Method of splicing an optical fiber with holes in the cladding
JP4949997B2 (ja) * 2007-11-02 2012-06-13 日本電信電話株式会社 波長可変光フィルタ
JP5228038B2 (ja) * 2008-04-30 2013-07-03 古河電気工業株式会社 光ファイバおよび光学デバイス
JP4619424B2 (ja) * 2008-06-30 2011-01-26 日本電信電話株式会社 光ファイバケーブル
JP5235125B2 (ja) * 2008-11-13 2013-07-10 日本電信電話株式会社 光ファイバテープ及び光ファイバケーブル
CN102057309B (zh) 2008-06-30 2014-04-16 日本电信电话株式会社 光纤缆线以及光纤带
JP5306898B2 (ja) * 2009-03-16 2013-10-02 古河電気工業株式会社 光ファイバ
JP5216722B2 (ja) * 2009-08-28 2013-06-19 日本電信電話株式会社 光ファイバ
JP2011123398A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Hitachi Cable Ltd 光ファイバおよびその製造方法、並びに光ファイバの端部加工方法
JP2012083635A (ja) * 2010-10-14 2012-04-26 Sei Optifrontier Co Ltd 光ファイバ融着接続方法
JP5342678B2 (ja) * 2012-06-25 2013-11-13 古河電気工業株式会社 コネクタ
JP5808767B2 (ja) * 2013-02-27 2015-11-10 株式会社フジクラ マルチコアファイバ
JP6659565B2 (ja) * 2014-03-25 2020-03-04 エヌケイティー フォトニクス アクティーゼルスカブNkt Photonics A/S 微細構造ファイバおよびスーパーコンティニューム光源
US10031286B1 (en) 2016-06-14 2018-07-24 Onyx Optics, Inc. Waveguide structures in anisotropic lasing and nonlinear optical media
KR102402464B1 (ko) 2016-12-23 2022-05-25 매직 립, 인코포레이티드 섬유 스캐너용 미세구조 광섬유 발진기 및 도파관
CN108088798B (zh) * 2018-01-25 2023-11-24 燕山大学 一种微结构光纤

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0810453B1 (en) 1996-05-31 2001-10-10 Lucent Technologies Inc. Article comprising a micro-structured optical fiber, and method of making such fiber
JP4759816B2 (ja) * 2001-02-21 2011-08-31 住友電気工業株式会社 光ファイバの製造方法
FR2822243B1 (fr) * 2001-03-16 2003-06-20 Cit Alcatel Fibre optique photonique a double gaine
WO2002084350A1 (en) * 2001-04-11 2002-10-24 Crystal Fibre A/S Dual core photonic crystal fibers (pcf) with special dispersion properties
JP3870713B2 (ja) 2001-04-25 2007-01-24 住友電気工業株式会社 光ファイバの端部構造および光ファイバ
US6901197B2 (en) * 2003-01-13 2005-05-31 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Microstructured optical fiber
JP3802875B2 (ja) 2003-01-21 2006-07-26 正隆 中沢 高耐応力光ファイバ
WO2004092793A1 (ja) * 2003-04-17 2004-10-28 Nippon Telegraph And Telephone Corporation 空孔付き単一モード光ファイバ
JP3871053B2 (ja) * 2003-05-21 2007-01-24 日本電信電話株式会社 分散フラットファイバ
JP4677208B2 (ja) * 2003-07-29 2011-04-27 オリンパス株式会社 共焦点顕微鏡
WO2005015303A1 (ja) 2003-08-07 2005-02-17 The Furukawa Electric Co., Ltd. 非線形光ファイバ及びこの光ファイバを用いた光信号処理装置
US7085464B2 (en) 2004-01-26 2006-08-01 The Furukawa Electric Co., Ltd. Optical fiber having high nonlinearity
JP4383377B2 (ja) 2005-03-22 2009-12-16 古河電気工業株式会社 微細構造光ファイバの作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20090052854A1 (en) 2009-02-26
WO2006098471A1 (ja) 2006-09-21
JP5065008B2 (ja) 2012-10-31
US7715674B2 (en) 2010-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5065008B2 (ja) 光ファイバおよび導波路
JP5390741B2 (ja) 光ファイバおよび光伝送媒体
JP5224371B2 (ja) マルチコア光ファイバ
AU2004200003B2 (en) Microstructured optical fiber
JP7371828B2 (ja) 光導波路アダプタ組立体
JP3786010B2 (ja) 光ファイバ
JPWO2010073821A1 (ja) マルチコア光ファイバ
JP5065007B2 (ja) 光ファイバおよび導波路
JP2011118392A (ja) 曲げ損失が低減された高帯域幅マルチモード光ファイバ
JP2011523721A (ja) シングル・モード光ファイバにおける曲げに対する敏感性および破局的な曲げ損失の低減ならびにその作製方法
US7502540B2 (en) Optical fiber and optical transmission medium
EP2056135B1 (en) Optical fiber and light guide
CN100371747C (zh) 具有波导结构的弯曲不敏感光纤
WO2006006604A1 (ja) 孔アシスト型ホーリーファイバおよび低曲げ損失マルチモードホーリーファイバ
US20050084223A1 (en) Polarization retaining photonic crystal fiber
JP2019152866A (ja) マルチコアファイバ、光コネクタ、ファンイン/ファンアウトデバイス
JP2019152865A (ja) マルチコアファイバ、光コネクタ、ファンイン/ファンアウトデバイス
JP2006317692A (ja) 光ファイバ
JP2003222740A (ja) 偏波保持フォトニッククリスタルファイバ
EP1939656B1 (en) Optical fiber and optical transmission medium
WO2023090174A1 (ja) マルチコアファイバおよびその製造方法
WO2024025794A1 (en) Hollow-core optical fibers
JP2003029072A (ja) 偏波面保存型光ファイバ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120409

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120809

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5065008

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees