JPWO2006092995A1 - 音響再生装置 - Google Patents

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Abstract

直接音成分と残響成分の相関を高くすることによって効果的な臨場感を提供することができる音響再生装置を提供すること。
信号処理部200は、設定された残響制御係数に基づいて各チャンネル毎のオーディオ信号の残響成分を生成する残響制御回路240と、各チャンネルのオーディオ信号および生成された残響成分の各スピーカへの出力制御を行う出力制御部250と、システム制御部125の制御の下、信号処理部200内の各部を制御する信号処理制御部260と、を有し、予め定められたスピーカの出力先に伴い、各チャンネルのオーディオ信号および各残響成分を、当該該当するスピーカに出力するようになっている。

Description

本発明は、入力された音信号に残響成分を生成して拡声制御する音響再生装置の技術分野に属する。
近年、音楽などの音源を再生する際に、当該音源が再生される音場空間の音場補正を行うAVアンプなどの再生装置が実用に供されており、また、最近では、音源が再生される音場空間の特性に基づいて当該音源の残響特性を補正し、音場空間の残響制御を行う技術が注目されている。
特に、このような残響特性を補正する技術としては、当該残響特性を補正するために理想的な残響特性、例えば、残響時間が設定されると、設定された残響特性に基づいて、有限インパルス応答型フィルタ、すなわち、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いて、リスニングルームに拡声され、任意の聴取位置で取得された拡声音の残響特性を近似させる方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平2003−255955号公報
しかしながら、従来の音場補正システムにあっては、直接音成分として提供される残響成分の元になる音信号と、間接音成分として提供される当該残響成分を同じスピーカによって拡声するようになっていたため、拡声音における直接音成分と残響成分との相関が高くなり、効果的に臨場感を提供することができない場合がある。
本発明は、上記の課題の一例を解決するものとして、直接音成分と残響成分の相関を低くすることによって効果的な臨場感を提供することができる音響再生装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、入力された複数の音信号に基づいて当該各音信号の特性に応じた各スピーカである該当スピーカをそれぞれ拡声させる音響再生装置であって、音源として各音信号を取得する取得手段と、前記取得された各音信号における残響成分を生成する生成手段と、前記取得された各音信号を各該当スピーカから拡声させるとともに、前記生成された各残響成分を当該該当スピーカとは異なる非該当スピーカから出力させる出力制御手段と、を備える構成を有している。
本願に係るサラウンドシステムの第1実施形態の構成を示すブロック図である。 第1実施形態における信号処理部の構成を示すブロック図である。 各残響制御回路に入力されたオーディオ信号の該当するスピーカのチャンネルに対応させた出力先のスピーカを示す図である。 スピーカの決定方法を説明するための図である。 スピーカと(1−IACC〔E3〕)の関係を示す図である。 スピーカと(1−IACC〔L3〕)の関係を示す図である。 第1実施形態における信号処理部の残響制御回路の構成を示すブロック図である。
符号の説明
100 … サラウンドシステム
120 … 信号処理装置
130 … スピーカシステム
128 … 操作部
129 … システム制御部
200 … 信号処理部
240 … 残響制御回路
250 … 出力制御部 241 … フィルタ処理部
242 … 残響成分生成部
243 … 第1周波数合成部
244 … 第2周波数合成部
245 … 第3周波数合成部
246 … 分配器
247 … 第1生成部
248 … 第2生成部
249 … 成分混合調整部
次に、本願に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、5.1chのサラウンドシステム(以下、単に、サラウンドシステムという。)における信号処理装置に対して本願の音響再生装置を適用した場合の実施形態である。
まず、図1を用いて本実施形態におけるサラウンドシステムの構成について説明する。なお、図1は、本実施形態のサラウンドシステムの構成を示すブロック図である。
本実施形態のサラウンドシステム100は、図1に示すように、リスニングルーム10、すなわち、聴取者に対して再生される音を提供する音場空間に設置されるようになっており、音源の再生または取得を行うとともに、当該再生された音または取得された音に対して所定の信号処理を行うようになっている。そして、このサラウンドシステム100は、5.1chのスピーカシステム130によって、信号処理された音を各スピーカ毎に拡声し、聴取者に対して臨場感(サラウンド感)のある音場空間を提供するようになっている。
このサラウンドシステム100は、記録メディアなどの音源を再生することにより、または、テレビジョン信号などの外部から音源を取得することにより、各スピーカに対応するチャンネル(チャネルとも言う。)成分を有する一定の形式のビットストリームデータを出力する音源出力装置110と、当該音源出力装置110から出力されたビットストリームを各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードし、各チャンネルのオーディオ信号毎に信号処理を行うとともに、リスニングルーム10の残響特性その他の空間特性を解析する信号処理装置120と、各チャンネルに対応する、すなわち、各特性を有する各種のスピーカからなるスピーカシステム130と、から構成される。
なお、チャンネルとは、各スピーカに出力されるオーディオ信号の信号伝送路をいい、各チャンネルは、他のチャンネルと基本的には異なる特性を有するオーディオ信号を伝送するようになっている。
音源出力装置110は、例えば、CD(Compact disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などのメディア再生装置またはデジタルテレビジョン放送を受信する受信装置から構成される。この音源出力装置110は、CDなどの音源を再生することにより、または、放送された音源を取得し、5.1chに対応する各チャンネル成分を有するビットストリームデータを信号処理装置120に出力するようになっている。
信号処理装置120には、音源出力装置110から出力された各チャンネル成分を有するビットストリームデータが入力されるようになっており、この信号処理装置120は、入力されたビットストリームデータを各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードするようになっている。
また、この信号処理装置120は、
(1)デコードされた各オーディオ信号に対して周波数特性の調整、
(2)デコードされた各オーディオ信号に対して予め設定された周波数帯域毎に残響成分の生成および当該生成された残響成分における拡声するスピーカへの出力制御、
(3)デコードされた各オーディオ信号における信号レベルおよび遅延量の調整、
を行うようになっており、当該信号処理された各オーディオ信号をアナログ信号に変換して音量レベルを調整するようになっている。そして、この信号処理装置120は、音量レベルが調整された各オーディオ信号をスピーカシステム130の各スピーカに出力するようになっている。
なお、本実施形態における信号処理装置120の構成およびその動作の詳細については、後述する。
スピーカシステム130は、聴取者の前方正面に配置されるセンタースピーカ131と、聴取者の前方に配置されるとともにセンタースピーカ131の右側または左側に配置されるフロント左スピーカ(以下、FLスピーカという。)132FLおよびフロント右スピーカ(以下、FRスピーカという。)132FRと、聴取者の後方に配置されるとともに、FLスピーカ132FLおよびFRスピーカ132FRのそれぞれの右側または左側に配置されるサラウンド左スピーカ(以下、SLスピーカという。)133SLおよびサラウンド右スピーカ(以下、SRスピーカという。)133SRと、任意の位置に配置される低域再生用スピーカ(以下、サブウーハという。)134と、を有している。
具体的には、センタースピーカ131、FLスピーカ132FLおよびFRスピーカ132FR、SLスピーカ133SLおよびSRスピーカ133SRは、オーディオ信号を拡声する際の周波数帯域のほぼ全域にわたって再生可能な周波数特性を有する全帯域型のスピーカにより構成されるとともに、その放射軸を聴取位置に向けて各信号を拡声するようになっている。また、サブウーハ134は、所定の低域の周波数帯域を拡声する際に用いられるようになっている。
次に、本実施形態の信号処理装置120の構成およびその動作について説明する。
本実施形態の信号処理装置120は、図1に示すように、各チャンネル成分を有する所定の形式のビットストリームデータが入力され、各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードする際に用いる信号形式のオーディオデータに変換する入力処理部121と、変換されたオーディオデータを各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードするとともに、各チャンネル毎に信号処理を行う信号処理部200と、各チャンネルのオーディオ信号に対してデジタル/アナログ(以下、D/Aという。)変換を行うD/A変換器122と、各チャンネル毎に各チャンネルの信号の再生レベルを増幅する電力増幅器123と、各部の設定およびその他の操作を行うための操作部124と、各部を制御するシステム制御部125と、を有している。
なお、例えば、本実施形態の入力処理部121は、本発明の取得手段を構成し、信号処理部200は、本発明の生成手段および出力制御手段を構成する。
入力処理部121には、各チャンネル成分を有する所定の形式のビットストリームデータが入力されるようになっており、この入力処理部121は、入力されたビットストリームデータを所定形式のオーディオデータに変換し、当該変換されたオーディオデータを信号処理部200に出力するようになっている。
信号処理部200には、入力処理部121から出力されたオーディオデータが入力されるようになっており、この信号処理部200は、入力されたオーディオデータを各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードするとともに、各チャンネル毎に所定の信号処理を行い、該当するチャンネルのオーディオ信号をそれぞれ各D/A変換器122に出力するようになっている。
具体的には、信号処理部200は、後述するように、入力された信号に対して、周波数特性の調整、遅延時間の制御、信号レベル制御、および、残響成分の生成などの各信号処理を行う際に必要となる係数を決定し、当該決定された各係数に基づいて各信号処理を行うとともに、入力された各信号および生成された各信号の残響成分の各スピーカへの出力制御を行い、各D/A変換器122に出力するようになっている。
なお、本実施形態における信号処理部200の構成およびその動作の詳細については、後述する。
D/A変換器122には、各チャンネル毎にそれぞれ信号処理が行われた各オーディオ信号が入力されるようになっており、このD/A変換器122は、入力されたデジタル信号である各オーディオ信号およびテスト信号をアナログ信号に変換して各電力増幅器123にそれぞれ出力するようになっている。
電力増幅器123には、各チャンネル毎に信号処理されたオーディオ信号が入力されるようになっており、この電力増幅器123は、システム制御部125の制御の下、操作部124によって指定された音量の指示に基づいて各チャンネル毎のオーディオ信号の再生レベルを増幅し、増幅された各オーディオ信号を各チャンネルに対応する各スピーカに出力するようになっている。
操作部124は、各種確認ボタン、選択ボタン及び数字キー等の多数のキーを含むリモートコントロール装置または各種キーボタンにより構成されており、所定の操作指示を入力するために用いられるようになっている。特に、本実施形態の操作部124は、各係数を直接設定することができるとともに、所定の残響時間に対応した後述する残響パラメータを設定することができるようになっている。
システム制御部125は、各スピーカよりオーディオ信号を拡声してオーディオ信号の拡声を行うための全般的な機能を総括的に制御するようになっている。特に、このシステム制御部125は、ユーザの操作に基づいてオーディオ信号を拡声する際の残響制御係数を設定する処理を行うようになっている。
例えば、本実施形態のシステム制御部125は、解析されたリスニングルーム10の残響特性によって算出された、または、操作部124を介して設定された残響パラメータ(後述するα)のデータに基づいて、残響制御係数を算出し、当該算出された各残響制御係数を、それぞれ、各残響制御回路240に設定するようになっている。
特に、本実施形態のシステム制御部125は、各残響パラメータを算出する場合には、リスニングルーム10の任意の聴取位置における各スピーカから拡声された拡声音を、図示しないマイクロホンなどの機器を用いて計測および解析させ、その残響減衰特性の近似直線からリスニングルーム10の残響時間を算出するようになっている。そして、このシステム制御部125は、残響時間に基づいて、残響付加量に比例し、一対一に対応するパラメータ.(残響パラメータ)を算出するようになっている。さらに、このシステム制御部125は、後述するように、当該残響パラメータに基づいて残響制御係数を算出するようになっている。
なお、この残響減衰特性とは、リスニングルーム10における任意の聴取位置において聴取する拡声音の振幅レベル(強度)の時間的な減衰を示す特性をいう。例えば、所定のテスト信号における集音信号に基づいて、各周波数帯域毎に、任意のスピーカから聴取位置において定常音の再生を停止させた時間を基準として、振幅レベルが60dB減衰するまでの時間を残響時間という。
次に、図2および図3を用いて本実施形態の信号処理部200の構成およびその動作について説明する。なお、図2は、本実施形態における信号処理部200の構成を示すブロック図であり、図3は、各残響制御回路240に入力されたオーディオ信号の該当するスピーカのチャンネルに対応させた出力先のスピーカを示す図である。
信号処理部200は、上述のように、入力されたオーディオデータを各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードするとともに、システム制御部125の制御の下、デコードされた各チャンネル毎のオーディオ信号に対して各チャンネル毎に所定の信号処理を行うようになっている。
具体的には、この信号処理部200は、入力されたオーディオデータに基づいて各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードするデコーダ210と、各チャンネル毎のオーディオ信号の周波数特性を調整する周波数特性調整回路220と、他のチャンネルとのチャンネル間における信号レベルを調整するとともに、各チャンネル毎に入力された信号を遅延させる信号レベル/遅延調整部230と、後述するように設定された残響制御係数に基づいて各チャンネル毎のオーディオ信号の残響成分を生成する残響制御回路240と、各チャンネルのオーディオ信号および生成された残響成分の各スピーカへの出力制御を行う出力制御部250と、システム制御部125の制御の下、信号処理部200内の各部を制御する信号処理制御部260と、を有している。
なお、この信号処理部200は、各チャンネル毎に、周波数特性調整回路220、信号レベル/遅延調整部230および残響制御回路240を有しており、信号処理制御部260と各部は、バスBにより接続されている。また、例えば、本実施形態の残響制御回路240は、本発明の生成手段を構成し、出力制御部250は、本発明の出力制御手段を構成する。
デコーダ210には、オーディオデータが入力されるようになっており、このデコーダ210は、入力されたオーディオデータを、各チャンネル毎のオーディオ信号にデコードし、各チャンネル毎に周波数特性調整回路220に出力するようになっている。
各周波数特性調整回路220には、信号処理制御部260の制御の下、各周波数帯域毎に、信号成分の利得(ゲイン)を調整するためのフィルタ係数が設定されるようになっている。また、この各周波数特性調整回路220には、入力された各チャンネル毎のオーディオ信号が入力されるようになっており、設定された各フィルタ係数に基づいて入力された信号に対して周波数特性の調整を行い、各信号レベル/遅延調整部230に出力するようになっている。
各信号レベル/遅延調整部230には、信号処理制御部260の制御の下、各チャンネル毎に、チャンネル間における減衰率を調整するための係数(以下、減衰係数という。)と、各チャンネルに該当するオーディオ信号またはテスト信号における遅延量(遅延時間)を調整するための係数(以下、遅延制御係数という。)と、が設定されるようになっている。また、この各信号レベル/遅延調整部230には、各周波数帯域毎に周波数特性が調整されたオーディオ信号が入力されるようになっており、この各信号レベル/遅延調整部230は、設定された減衰係数および遅延制御係数に基づいて、入力されたオーディオ信号に対してチャンネル間における減衰率および遅延量を調整し、当該減衰率および遅延量が調整されたオーディオ信号を各残響制御回路240に出力するようになっている。
各残響制御回路240には、信号処理制御部260によって後述するように決定された残響制御係数がそれぞれ設定されるようになっており、当該各残響制御回路240は、信号レベルが調整されたオーディオ信号に対して残響成分を生成し、出力制御部250に出力するようになっている。
具体的には、各残響制御回路240には、信号レベルおよび遅延量が調整されたオーディオ信号が入力されるようになっており、この各残響制御回路240は、各チャンネル毎に入力されたオーディオ信号を複数の周波数帯域毎に分割するようになっている。また、この各残響制御回路240は、後述する残響制御係数に基づいて入力されたオーディオ信号に各周波数帯域毎の残響成分を生成し、当該生成された残響成分と入力されたオーディオ信号(以下、直接音成分という。)を出力制御部250に出力するようになっている。
なお、本実施形態における残響制御回路240の構成およびその動作の詳細は、後述する。
出力制御部250には、各残響制御回路240から出力された各チャンネルのオーディオ信号および当該各残響制御回路240にて生成された残響成分が入力されるようになっている。この出力制御部250は、直接音成分を各チャンネル毎に定められたスピーカ(以下、該当スピーカともいう。)に出力するとともに、残響成分を、後述するように、予め定められたスピーカの出力先に伴い、該当スピーカとは異なるスピーカ(以下、非該当スピーカという。)に出力するようになっている。すなわち、この出力制御部250は、残響成分については、直接音成分が出力されないスピーカに出力するようになっている。
通常、各チャンネルのオーディオ信号に残響成分を付加し、当該残響成分が付加された各オーディオ信号を各チャンネルのスピーカから拡声させる場合に、残響成分が当該残響成分の元になるオーディオ信号と同じスピーカから拡声される。したがって、聴取者においては、オーディオ信号の拡声によって生じる残響成分が一方向のみからしか聴取することができないので、自然な残響感を提供することができない場合が多い。すなわち、コンサートホールなどの所定のリスニング環境においては、任意の音によって生ずる残響成分は、様々な方向から聴取者に到達するため、当該リスニング環境を再現するためには、残響成分を様々な方向から聴取者に提供すればよいとされる。
一方、残響成分を様々な方向から聴取者に提供したとしても、高い臨場感が得られるものでなく、高い臨場感を提供するためには、聴取者に到達する際に残響成分の相関性を考慮した一定の基準に基づいて当該残響成分を提供することが必要となる。
本実施形態では、出力制御部250は、当該基準となる指標に、任意のリスニングルーム10において聴取者に直接的に到達する直接音成分の指標となる(1−IACC(Interaural Cross-Correlation Coefficient)〔E3〕)と、当該聴取者に間接的に到達する間接音成分の指標となる(1−IACC〔L3〕)を用いて、残響成分を拡声するスピーカを予め決定し、当該決定されたスピーカ配置に基づいて、残響制御回路240にて生成された各チャンネルの残響成分の出力を制御するようになっている。
例えば、本実施形態では、所定の装置にて、この(1−IACC〔E3〕)と(1−IACC〔L3〕)との2つ指標の平均を予め算出し、図3に示すように、元のチャンネル、すなわち、各残響制御回路240に入力されたオーディオ信号の該当するスピーカのチャンネルに対応させた出力先のスピーカを決定するようになっている。そして、出力制御部250は、当該決定されたスピーカに対応するように、後述する第1残響成分および第2残響成分の各残響成分と、直接音成分と、を出力するようになっている。
ここで、各残響制御回路240に入力されたオーディオ信号の該当するスピーカのチャンネルに対応させた出力先のスピーカの決定方法について説明する。なお、図4は、スピーカの決定方法を説明するための図であり、図5は、スピーカと(1−IACC[E3])の関係を示す図である。また、図6は、スピーカと(1−IACC[L3])の関係を示す図である。
この(1−IACC〔E3〕)とは、別名BQI(Binaural Quality Index)といい、リスニングルーム10の主観的プリファレンスと極めて相関が高いことを示す指標である。また、このIACC〔E3〕は、リスニングルーム10において任意の場所における聴取者に直接音成分が届いてから80msecまでの(Early)成分において、中心周波数500Hz、1kHz、2kHzの三バンドの両耳間相関係数を平均化したものである。一方、(1−IACC〔L3〕)とは、聴取者における音の包まれ感を示し、LEV(Listener Envelopment )との関連性を示す指標である。また、このIACC〔L3〕は、リスニングルーム10において任意の場所における聴取者に直接音成分が届いてから80msecから1000msecまでの成分において、中心周波数500Hz、1kHz、2kHzの三バンドの両耳間相関係数を平均化したものである。
例えば、図4に示すように、基準となる任意のスピーカ(以下、基準スピーカという。)から直接音成分を出力した際に、残響成分を出力するFLスピーカとFRスピーカ、または、SLスピーカとSRスピーカなど左右対象となるスピーカの配設位置を、聴取位置を中心に360度回転させてみると、スピーカ1の配置角度、スピーカ2の配置角度における各両耳相関係数は、図5および図6に示すように、(1−IACC〔E3〕)と(1−IACC〔L3〕)の指標とも、スピーカ1の配置角度120度、スピーカ2の配置角度240度としたとき、または、スピーカ1とスピーカ2の配置角度を逆、具体的には、スピーカ1の配置角度240度、スピーカ2の配置角度120度としたときに高くなる。
すなわち、基準となるスピーカから直接音成分が拡声され、両耳相関係数が低い配置角度にて残響成分が拡声されると、直接音成分とは相関が無くなり、同じ周波数成分を有する信号であっても異なる成分の音と認識するようになる。
したがって、任意のスピーカから直接音成分を拡声した場合に、左右対称となるスピーカから残響成分を拡声すると、スピーカの配置角度が120度、および、250度の角度で両耳相関係数が高くなるので、本実施形態では、各チャンネルのオーディオ信号である直接音成分を拡声するスピーカに対してスピーカの配置角度が120度、および、250度の配置位置に配置されるであろうスピーカから残響成分を拡声させるように各残響成分の出力先のスピーカが決定されるようになっている。
信号処理制御部260は、システム制御部125の指示の下、解析されたリスニングルーム10の空間特性または操作部124を介して設定された値に基づいて、各周波数特性調整回路220、各信号レベル/遅延調整部230および各残響制御回路240のフィルタ係数、減衰係数、遅延制御係数の各係数の決定およびその設定を行うようになっている。また、この信号処理制御部260は、解析されたリスニングルーム10の残響特性によって算出された、または、操作部124を介して設定された残響パラメータのデータに基づいて、各残響制御回路240における各残響成分の生成制御を行うための残響制御係数を各周波数帯域毎に算出し、当該算出された各残響制御係数を、それぞれ、各残響制御回路240に設定するようになっている。
例えば、本実施形態の信号処理制御部260260は、残響時間を示す残響付加量と一対一に対応する残響パラメータに基づいて残響制御係数g1およびg2を各残響制御回路240毎に、かつ、各周波数帯域毎に算出するようになっている。
ここで、パラメータg1は、残響パラメータをαとすると、g1=α(m1)にて算出されるものである。また、パラメータg1は、g1<1を満足させる値であるとともに、パラメータ(m1)は、予め定められた自然数を示す。ただし、(m1)は各残響制御回路240毎および各周波数帯域毎に異なる値を用いることが望ましいが、各残響制御回路240毎または各周波数帯域毎に同一の値を示すようにしてもよい。
一方、パラメータg2は、パラメータg1と同様に、残響パラメータをαとすると、g2=α(m2)にて算出されるものである。また、パラメータg2は、g2<1を満足させる値であるとともに、パラメータ(m2)は、予め定められた自然数を示す。ただし、(m2)は各残響制御回路240毎および各周波数帯域毎に異なる値を示すことが望ましいが、各残響制御回路240毎または各周波数帯域毎に同一の値を示すようにしてもよい。
次に、図7を用いて本実施形態における各残響制御回路240の構成およびその動作について説明する。なお、図7は、本実施形態における残響制御回路240の構成を示すブロック図である。また、本実施形態における各残響制御回路240は同様の構成を有している。
各残響制御回路240には、信号レベルおよび遅延量が調整された各チャンネルのオーディオ信号が入力されるようになっている。この各残響制御回路240は、オーディオ信号が入力されると、当該入力されたオーディオ信号を複数の周波数帯域毎に分割するようになっており、信号処理制御部260によって設定された残響制御係数に基づいて入力されたオーディオ信号に対して各周波数帯域毎に残響成分を生成するようになっている。そして、各残響制御回路240は、周波数帯域毎に生成された残響成分と周波数帯域毎に分割されたオーディオ信号を合成して各D/A変換器122に出力するようになっている。
また、各残響制御回路240には、信号処理制御部260の制御の下、当該信号処理制御部260によって上述のように算出された残響制御係数が設定されるようになっている。
具体的には、この各残響制御回路240は、図7に示すように、入力されたオーディオ信号を予め定められた周波数帯域毎に分割するフィルタ処理部241と、信号処理制御部260によって残響制御係数が設定されるとともに、当該設定された残響制御係数に基づいて分割された各周波数帯域毎に残響成分を生成する残響成分生成部242と、各周波数帯域毎に生成された残響成分を合成する第1周波数合成部243および第2周波数合成部244と、周波数帯域毎に分割されたオーディオ信号を合成する第3周波数合成部245と、を有している。
なお、この残響成分生成部242に設定される残響制御係数は、各チャンネル毎および各周波数帯域毎にそれぞれ設定されるようになっている。
フィルタ処理部241には、当該フィルタ処理部241に接続された信号レベル/遅延調整部230から出力された一のチャンネルにおけるオーディオ信号が入力されるようになっている。また、このフィルタ処理部241、一のチャンネルにおけるオーディオ信号が入力されると、入力されたオーディオ信号を予め定められた周波数帯域毎の信号成分に分割し、当該分割された各信号成分をそれぞれ各残響成分生成部242に出力するようになっている。
例えば、本実施形態のフィルタ処理部241は、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHzおよび16kHzの各周波数を中心周波数とする周波数帯域に分割するようになっており、分割された各信号成分をそれぞれ各残響成分生成部242に出力するようになっている。
各残響成分生成部242は、信号処理制御部260によって当該各残響成分生成部242に対応する残響制御係数が設定されるようになっている。また、各残響成分生成部242は、分割されたオーディオ信号の一の信号成分に対して、設定された残響制御係数に基づいて残響成分を生成するようになっており、生成された残響成分と入力された信号成分を第1周波数合成部243、第2周波数合成部244および第3周波数合成部245に出力するようになっている。
具体的には、各残響成分生成部242は、入力されたオーディオ信号に対して各周波数帯域毎に予め定められた周波数帯域の成分に複数に分配する分配器246と、残響制御係数が設定され、当該設定された残響制御係数に基づいて分配された一の成分に対して第1の残響成分である第1残響成分を生成する第1生成部247と、残響制御係数が設定され、当該設定された残響制御係数に基づいて分配された一の成分に対して第2の残響成分である第2残響成分を生成する第2生成部248と、第1残響成分と第2残響成分に基づいて第1生成部247及び第2生成部248に帰還させる残響成分(以下、帰還残響成分という。)を生成する成分混合調整部249と、を有している。
なお、図6には、各残響成分生成部242が周波数帯域毎に第1残響成分生成部242から第n残響成分生成部242までの各残響成分生成部242が示されているが、例えば、本実施形態では、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHzおよび16kHzの各周波数を中心周波数とする周波数帯域毎に低域の周波数帯域から順に第1残響成分生成部242252から第6残響成分生成部242まで設けられている。また、例えば、本実施形態の残響成分生成部242は、本発明の生成手段を構成する。
各分配器246には、フィルタ処理部241から出力された該当する一の信号成分が入力されるようになっており、この各分配器246は、入力された信号成分を、第1生成部247、第2生成部248および第3周波数合成部245にそれぞれ分配するようになっている。
具体的には、この各分配器246は、入力された信号成分に対してそれぞれ異なる係数を乗算することによって、第1の信号成分(以下、第1信号成分という。)および第2の信号成分(以下、第2信号成分という。)を生成し、当該生成された第1信号成分および第2信号成分を第1生成部247または第2生成部248にそれぞれ出力するようになっている。一方、この各分配器246は、第1周波数合成部243に対しては、そのままの信号成分(上述の直接音成分)を直接出力するようになっている。
なお、この各分配器246は、第1生成部247および第2生成部248において残響成分を生成する際の帰還補償を行うために分配する信号成分に、それぞれ、予め設定された係数b1またはb2(以下、初期係数という。)を乗算するようになっている。
第1生成部247には、信号処理制御部260によって当該残響制御回路240でかつ当該周波数帯域に該当する残響制御係数が設定されるようになっており、例えば、本実施形態では、第1生成部247の内部に設けられたメモリ(図示せず)に設定されるようになっている。
また、この第1生成部247には、分配器246から出力され、初期係数が乗算された第1信号成分と、後述するように、成分混合調整部249から出力され、予め定められた遅延時間を有する帰還残響成分と、が入力されるようになっている。そして、この第1生成部247は、入力された第1信号成分に予め定められた遅延時間を有する帰還残響成分を加算するとともに、設定された残響制御係数に基づいて、加算された第1信号成分における予め定められた遅延時間を有する残響成分を生成し、生成された残響成分を第1残響成分として第1周波数合成部243および成分混合調整部249に出力するようになっている。
例えば、この第1生成部247は、オーディオ信号の一の信号成分が残響制御回路240に入力されると、内部のメモリに設定された残響制御係数に基づいて第1信号成分に対して(式1)に示す演算を行い、第1残響成分を生成するようになっており、生成された第1残響成分を第1周波数合成部243および成分混合調整部249に出力するようになっている。
Figure 2006092995
ただし、パラメータg1は、上述したように、信号処理制御部260にて算出され、設定された残響制御係数の一つである。また、(m1)は各残響制御回路240毎および各第1生成部247毎に異なる値を示すことが望ましいが、各残響制御回路240毎または各第1生成部247毎に同一の値を示すようにしてもよい。
なお、第1生成部247において生成される第1残響成分は、(式1)に示すように、パラメータαが大きくなれば残響時間が増加し、パラメータαが減少すれば残響時間が減少するようになっている。また、成分混合調整部249から出力され、予め定められた遅延時間を有する帰還残響成分は、後述するように、第1残響成分および第2残響成分が混合されている残響成分である。
第2生成部248には、第1生成部247と同様に、信号処理制御部260によって当該残響制御回路240でかつ当該周波数帯域に該当する残響制御係数が設定されるようになっており、例えば、本実施形態では、第2生成部248の内部に設けられたメモリ(図示せず)に設定されるようになっている。
また、この第2生成部248には、分配器246から出力され、初期係数が乗算された第2信号成分と、後述するように、成分混合調整部249から出力され、予め定められた遅延時間を有する帰還残響成分と、が入力されるようになっている。そして、この第2生成部248は、入力された第2信号成分に予め定められた遅延時間を有する帰還残響成分を加算するとともに、設定された残響制御係数に基づいて、加算された第1信号成分における予め定められた遅延時間を有する残響成分を生成し、生成された残響成分を第2残響成分として第2周波数合成部244および成分混合調整部249に出力するようになっている。
例えば、この第2生成部248は、オーディオ信号の一の信号成分が残響制御回路240に入力されると、内部のメモリに設定された残響制御係数に基づいて第2信号成分に対して(式2)に示す演算を行い、第2残響成分を生成するようになっており、生成された第2残響成分を第2周波数合成部244および成分混合調整部249に出力するようになっている。
Figure 2006092995
ただし、パラメータg2は、上述したように、パラメータg1と同様に、信号処理制御部260にて算出され、設定された残響制御係数の一つである。また、(m2)は各残響制御回路240毎および各第2生成部248毎に異なる値を示すことが望ましいが、各残響制御回路240毎または各第2生成部248毎に同一の値を示すようにしてもよい。
なお、第1生成部247と同様に、第2生成部248において生成される第2残響成分は、(式2)に示すように、パラメータαが大きくなれば残響時間が増加し、パラメータαが減少すれば残響時間が減少するようになっている。また、成分混合調整部249から出力され、予め定められた遅延時間を有する帰還残響成分は、後述するように、第1残響成分および第2残響成分が混合されている残響成分である。
成分混合調整部249には、第1生成部247から出力された第1残響成分と第2生成部248から出力された第2残響成分とが入力されるようになっており、この成分混合調整部249は、入力された第1残響成分および第2残響成分に基づいて帰還残響成分を生成し、生成された帰還残響成分を第1生成部247および第2生成部248に出力、すなわち、帰還させるようになっている。
例えば、成分混合調整部249は、入力された第1残響成分と第2残響成分を用いて(式3)に示す演算をし、第1残響成分と第2残響成分を混合するようになっており、(式3)の行列式を用いて生成された残響成分を帰還残響成分として第1生成部247および第2生成部248に出力するようになっている。
Figure 2006092995
ただし、B1およびB2は帰還残響成分を示し、成分混合調整部249は、第1帰還残響成分B1は第1生成部247255に帰還させ、第2帰還残響成分B2は第2生成部248256に帰還させる。また、(式3)に示す行列Aは、(式4)によって示され、当該行列Aはユニタリ行列である。
Figure 2006092995
なお、行列Aがユニタリ行列(A−1=AT)であると、上述のg1<1およびg2<1の条件とともに、当該残響成分生成部242の帰還回路は安定することとなる。
第1周波数合成部243には、各残響成分生成部242において生成された第1残響成分が入力されるようになっており、この第1周波数合成部243は、入力された各第1残響成分を合成し、当該チャンネルの第1残響成分におけるオーディオ信号を再生成し、出力制御部250に出力するようになっている。
第2周波数合成部244には、各残響成分生成部242において生成された第2残響成分が入力されるようになっており、この第2周波数合成部244は、入力された各第2残響成分を合成し、当該チャンネルの第2残響成分におけるオーディオ信号を再生成し、出力制御部250に出力するようになっている。
第3周波数合成部245には、各周波数帯域に分割されたオーディオ信号の一信号成分が入力されるようになっており、この第3周波数合成部245は、入力された各周波数帯域に分割されたオーディオ信号の一信号成分を合成し、当該チャンネルのオーディオ信号を再生成し、出力制御部250に出力するようになっている。
なお、本実施形態の残響成分生成部242では、第1生成部247、第2生成部248および成分混合調整部249によって、フィードバックディレイネットワーク(FDN:Feedback Delay Network)を構成するようになっており、本実施形態の残響成分生成部242は、当該フィードバックディレイネットワークを用いて残響成分を生成するようになっている。
以上本実施形態によれば、入力された複数のオーディオ信号に基づいて当該各オーディオ信号の特性に応じた各スピーカである該当スピーカをそれぞれ拡声させる信号処理装置120であって、音源として各オーディオ信号を取得する入力処理装置121と、取得された各オーディオ信号における残響成分を生成する残響制御回路240と、取得された各オーディオ信号を各該当スピーカから拡声させるとともに、生成された各残響成分を当該該当スピーカとは異なる非該当スピーカから出力させる出力制御部250と、を備える構成を有している。
この構成により、本実施形態の信号処理装置120は、得られた各オーディオ信号を各該当スピーカから拡声させるとともに、生成された各残響成分を当該該当スピーカとは異なる非該当スピーカから出力させるので、直接音成分と残響成分の相関を高くすることができるとともに、効果的な臨場感を提供することができる。
また、本実施形態の信号処理装置120は、残響制御回路240が、各オーディオ信号毎に少なくとも2種類の残響成分を生成するとともに、出力制御部250が、各オーディオ信号における各残響成分を、それぞれ、聴取者に対して対称的に配置されるスピーカから出力させる構成を有している。
この構成により、本実施形態の信号処理装置120は、各オーディオ信号における各残響成分を、それぞれ、聴取者に対して対称的に配置されるスピーカから出力させるので、直接音成分と残響成分の相関を低くすることができるとともに、効果的な臨場感を提供することができる。
また、本実施形態の信号処理装置120は、残響制御回路240が、パラメータαを変化させることによって、少なくとも2種類の残響成分の付加量を調整する。この構成により、容易にかつ的確にオーディオ信号に対して残響成分を生成することができるとともに、直接音成分と残響成分の相関を低くすることができる。
また、本実施形態の信号処理装置120は、残響制御回路240が、一のパラメータに基づいて少なくとも2種類の残響成分を生成する構成を有しているので、容易にかつ的確にオーディオ信号に対して複数の残響成分を生成することができる。
また、本実施形態の信号処理装置120は、出力制御部250が、スピーカから拡声された際に聴取者に直接的に到達する直接音成分の両耳相関係数と当該スピーカから拡声された際に聴取者に間接的に到達する間接音成分の両耳相関係数の2種類の相関係数に基づいて残響成分を出力するスピーカを定める構成を有している。
この構成により、本実施形態の信号処理装置120は、直接音成分の両耳相関係数、例えば、IACC(Interaural Cross-Correction Coefficient)(E3)と間接音成分の両耳相関係数、例えば、IACC(Interaural Cross-Correction Coefficient)(L3)の2種類の相関係数に基づいて残響成分を出力するスピーカを定めるので、直接音成分と残響成分の相関を低くすることができるとともに、効果的な臨場感を提供することができる。
なお、本実施形態では、各チャンネル毎および予め設定された周波数帯域毎に残響パラメータを算出し、残響制御回路240に各周波数帯域毎に残響時間係数を設定するようになっているが、予め設定された周波数帯域毎に分割せずに、各チャンネル毎に全周波数帯域における残響パラメータを算出するとともに、当該算出された残響パラメータに基づいて残響制御係数を算出し、当該算出された残響制御係数を各チャンネル毎の残響制御回路240に設定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、各チャンネル毎に残響パラメータを算出し、残響制御回路240に各周波数帯域毎に残響時間係数を設定するようになっているが、全チャンネル一度に残響パラメータを算出するようにしてもよいし、全チャンネル唯一の残響パラメータを算出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、各残響制御回路240は、2系統のパスにおける各残響成分を混合し、残響制御係数データに基づいて残響成分を生成するようになっているが、1系統または3系統以上のパスよって残響成分を生成してもよい。
また、本実施形態では、各残響制御回路240は、予め定められた周波数帯域毎に残響成分を生成するようになっているが、入力されたオーディオ信号を複数の周波数帯域毎に分割せずに、当該残響成分を生成してもよい。
この場合に、各残響制御回路240において、オーディオ信号およびテスト信号の全周波数帯域に対して残響成分の生成および付加を行う残響成分生成部242を設けることによって、または、予め定められた各周波数帯域毎に残響成分を生成する残響成分生成部242を縦列に設けることによって、当該残響成分を生成してもよい。
また、本実施形態では、各残響制御回路240は、2系統のパスにおける各残響成分を混合し、残響制御係数データに基づいて残響成分を生成するようになっているが、残響制御係数データを用いて生成すべき残響成分の遅延時間を生成すればよく、上述以外の方法によって残響成分を生成することも可能である。
また、本実施形態では、5.1chのサラウンドシステム100を用いて残響時間の設定処理について説明しているが、勿論、7.1chのサラウンドシステム100についても、または、擬似的なサラウンド効果を適用する装置を備えることにより、AVアンプなどのステレオ用音響再生装置などの他の音響再生装置についても、適用することができる。
また、本実施形態では、信号処理装置120において、音源出力装置110において出力されたデジタル信号に基づいて残響成分の付加その他の信号処理を行うようになっているが、勿論、当該信号処理装置120において、音源出力装置110から出力されたアナログ信号またはその他の外部から入力されたアナログ信号に基づいて信号処理を行うようにしてもよい。
また、2005年3月1日に出願された明細書、特許請求の範囲、図面、要約を含む日本の特許出願(No. 2005-56356)の全ての開示は、その全てを参照することよって、ここに組み込まれる。
【0002】
号に基づいて当該各音信号の特性に応じた各スピーカである該当スピーカをそれぞれ拡声させる音響再生装置であって、音源として各音信号を取得する取得手段と、前記取得された各音信号における残響成分を、残響時間を示す残響付加量に対応する残響パラメータに基づいて生成する生成手段と、前記取得された各音信号を各該当スピーカから拡声させるとともに、前記生成された各残響成分を当該該当スピーカとは異なる非該当スピーカから出力させる出力制御手段と、を備える構成を有している。
【図面の簡単な説明】
[0007]
[図1]本願に係るサラウンドシステムの第1実施形態の構成を示すブロック図である。
[図2]第1実施形態における信号処理部の構成を示すブロック図である。
[図3]各残響制御回路に入力されたオーディオ信号の該当するスピーカのチャンネルに対応させた出力先のスピーカを示す図である。
[図4]スピーカの決定方法を説明するための図である。
[図5]スピーカと(1−IACC〔E3〕)の関係を示す図である。
[図6]スピーカと(1−IACC〔L3〕)の関係を示す図である。
[図7]第1実施形態における信号処理部の残響制御回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
[0008]
100 … サラウンドシステム
120 … 信号処理装置
130 … スピーカシステム
128 … 操作部
129 … システム制御部
200 … 信号処理部
240 … 残響制御回路
250 … 出力制御部 241 … フィルタ処理部
242 … 残響成分生成部
243 … 第1周波数合成部
244 … 第2周波数合成部

Claims (8)

  1. 入力された複数の音信号に基づいて当該各音信号の特性に応じた各スピーカである該当スピーカをそれぞれ拡声させる音響再生装置であって、
    音源として各音信号を取得する取得手段と、
    前記取得された各音信号における残響成分を生成する生成手段と、
    前記取得された各音信号を各該当スピーカから拡声させるとともに、前記生成された各残響成分を当該該当スピーカとは異なる非該当スピーカから出力させる出力制御手段と、
    を備えることを特徴とする音響再生装置。
  2. 請求項1に記載の音響再生装置において、
    前記生成手段が、前記各音信号毎に少なくとも2種類の残響成分を生成するとともに、
    前記出力制御手段が、各音信号における各残響成分を、それぞれ、聴取者に対して対称的に配置される該当スピーカから出力させることを特徴とする音響再生装置。
  3. 請求項2に記載の音響再生装置において、
    前記生成手段が、残響付加量に対応したパラメータを変化させることによって、少なくとも2種類の残響成分を生成することを特徴とする音響再生装置。
  4. 請求項3に記載の音響再生装置において、
    前記生成手段が、一のパラメータに基づいて少なくとも2種類の残響成分を生成することを特徴とする音響再生装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の音響再生装置において、
    前記出力制御手段が、所定の両耳相関係数に基づいて前記残響成分を出力するスピーカを定めることを特徴とする音響再生装置。
  6. 請求項5に記載の音響再生装置において、
    前記出力制御手段が、スピーカから拡声された際に聴取者に直接的に到達する直接音成分の両耳相関係数と当該スピーカから拡声された際に聴取者に間接的に到達する間接音成分の両耳相関係数の2種類の相関係数に基づいて前記残響成分を出力するスピーカを定めることを特徴とする音響再生装置。
  7. 請求項6に記載の音響再生装置において、
    前記出力制御手段が、前記直接音成分の両耳相関係数としてIACC(Interaural Cross-Correction Coefficient)(E3)を用いるとともに、前記間接音成分の両耳相関係
    数としてIACC(Interaural Cross-Correction Coefficient)(L3)を用い、当該
    IACC(E3)とIACC(L3)の2種類の相関係数に基づいて前記残響成分を出力するスピーカを定めることを特徴とする音響再生装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の音響再生装置において、
    前記生成手段が、予め定められた周波数帯域毎に前記残響成分を生成することを特徴とする音響再生装置。
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