JPWO2006088199A1 - Nε−アシル−L−リジン特異的アミノアシラーゼ - Google Patents

Nε−アシル−L−リジン特異的アミノアシラーゼ Download PDF

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Abstract

本発明により、Lysのε−アミノ基を特異的にアシル化及びそれを加水分解する能力に優れたアミノアシラーゼ及びそれを用いたNε-アシル−リジンの製造法が提供される。本発明により、N末端にアミノ酸配列SERPXTTLLRNGDVH(Xは不明)を含むNε-アシル−リジン特異的アミノアシラーゼおよび、前記アミノアシラーゼをL-Lysおよびカルボン酸に作用させることを含む、Nε-アシル−リジン製造方法が提供される。

Description

本発明は、微生物由来の新規なNε-アシル-L-リジン特異的分解および合成酵素、およびその製造方法に関する。また、本発明は、前記酵素を用いたNε-アシル-L-リジンの製造方法にも関する。
Nε-アシル-L-リジンは、その構造からくる特性や自然界に排出された後の安全性、無公害性の面より、両性界面活性剤原料として一般洗浄剤はもとより、殺菌消毒剤、繊維柔軟材、防錆剤、浮遊選鉱剤、接着剤、清澄剤、染料固着剤、帯電防止剤、乳化剤、化粧品用界面活性剤などの広範な産業用途を有するものである。特に、水や通常の有機溶剤に極めて溶けにくく、かつ、撥水性、抗酸化性、滑沢性などの特長を活かして、有機系の新しい粉黛素材として、化粧品、潤滑剤などの分野での活用が拡大している(特開昭61-10503)。
このNε-アシル-L-リジンの製造には、従来、アミノ酸のアルカリ水溶液中にアシルハライドを滴下させるいわゆるショッテン・バウマン法が採用されてきた。しかしながら、リジンのような塩基性アミノ酸は、α−位及びω−位にアミノ基を有するために、このショッテン・バウマン法ではジアルキル塩基性アミノ酸が主生成物となり、ω−アシル塩基性アミノ酸は副生成物として少量でしか得られない。そのため、ω−アシル塩基性アミノ酸を製造するには、塩基性アミノ酸を塩基性アミノ酸銅塩とし、これをアシルクロライドにてアシル化した後、銅を脱離させる方法が知られている(薬学雑誌、89、531(1969))。これらの方法においては、製造工程、製造作業が煩雑であり、重金属である銅が使用され、脱銅工程で大量の硫化水素ガスが必要とされる。
それ故、酵素を使用したより温和な条件でNε-アシル-L-リジンを特異的かつ効率良く加水分解及び合成する酵素の存在とその工業的製造方法の開発が志向されている。
従来、Nε-アシル-L-リジン類を特異的に加水分解することができる酵素に関する報告は少なく、アクロモバクター・ペスチフェル(Achromobacter pestifer)(A.ペスチフェル)由来の酵素、ラット腎由来の酵素、シュードモナス(Pseudomonas) sp. KT-83由来の酵素などが報告されているが、それらの酵素によるNε-アシル-L-リジンの合成反応については報告はなされていない。また、リジンに存在する2つのアミノ基のうち、ε−アミノ基を特異的かつ効率的にアシル化する酵素は見出されていない。
また、従来の酵素によるNε-アシル-L-リジンの合成については、例えば、特開2003-210164記載のカプサイシン分解合成酵素がNε-アシル-L-リジンの合成反応をも触媒するとの報告がある。
特開2004-81107に記載されているように、特開2003-210164記載のカプサイシン分解合成酵素により収率95%でNε-ラウロイル-L-リジンが生成するという報告がある。しかし、反応時間が2日間という長時間を要し、また、このカプサイシン分解合成酵素はε−アミノ基のみならずα−アミノ基に対しても高い反応性を示すため、最終的には、Nα-ラウロイル-L-LysとNε-ラウロイル-L-Lysの混合物が生成する。
本発明は、Nε-アシル-L-リジンを特異的に加水分解能及び合成する能力に優れた新規な酵素およびその製造方法、並びに前記酵素を用いたNε-アシル-L-リジンの製造方法を提供する。
本発明者らは、ストレプトミセス(Streptomyces)属に属する微生物が、Nε-アシル-L-リジンを特異的に加水分解及び合成する能力に優れた酵素を生産することを見出した。
本発明の一側面は、以下の性質を有する酵素である:
1)Nε-アシル-L-リジンに作用し、カルボン酸とL-リジンを遊離させる反応を触媒し、かつ、その逆反応も触媒する。
2)基質特異性:各種アシル基を有するNε-アシル-L-リジンに作用し、Nε-アシル-D-リジンに対する反応性は非常に低い。アシル基に対する特異性は広く、飽和または不飽和脂肪酸アシル、更には芳香族基カルボン酸アシルからなるNε-アシル-L-リジンを加水分解し、その逆反応も触媒する。逆反応については、L-リジンのε-アミノ基に作用するが、D-リジンのε-アミノ基に対する反応性は非常に低く、L-リジンのε-アミノ基に優先的に作用する。
3)至適pH:Nε-アシル-L-リジンを基質としたときの加水分解反応の至適pHは、37℃において、トリス−塩酸緩衝液中でpH8.0〜9.0の範囲である。
4)pH安定性:37℃、1時間のインキュベートにおいて、pH 6.5〜10.5の範囲で安定である。
5)至適温度:Nε-アセチル-L-リジンを基質としたときの加水分解反応の至適温度は、50 mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.2)中で、約55℃である。
6)熱安定性:50 mM トリス−塩酸緩衝液(pH8.2)中、40℃にて60分間処理しても全く失活しない。また、同じ緩衝液中で55℃にて60分間処理した後の残存活性は約80%(75〜85%)である。
7)活性はo-フェナンスロリンにより阻害を受ける。
8)コバルトイオンにより活性が増加する。
9)分子量はSDS-ポリアクリルアミド電気泳動による測定では分子量約60kである。
10)N末端にアミノ酸配列SERPXTTLLRNGDVH(Xは不明)を含む。
また、本発明の一側面は、Streptomyces属に属し、前記性質を有する酵素を生産する微生物、特に、ストレプトミセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)(S.モバラエンシス)を培養し、それらの培養物から前記酵素を分離および/または回収することを特徴とする本発明の酵素の製造方法である。
本発明の別の側面は、本発明の酵素をカルボン酸およびL-リジンまたはこれらの塩と接触させ、それによってNε-アシル-L-リジンを生成させることを含む、Nε-アシル-L-リジンの製造方法でもある。
本発明の更なる側面は、本発明の酵素を、炭素数5以上のアシル基を有するカルボン酸またはその塩と-L-リジンまたはその塩と接触させ、それによってNε-アシル-L-リジンを生成させることを含む、Nε-アシル-L-リジンの製造方法である。
本発明のより具体的な一実施態様では、上述したNε-アシル-L-リジンの製造方法において、カルボン酸はオクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、ケイ皮酸からなる群より選ばれる。
更に、本発明の別の側面は、本発明の酵素とカルボン酸またはその塩、およびL-リジンまたはその塩との接触が水溶性溶媒中で行われる、Nε-アシル-L-リジンの製造方法でもある。
本発明において使用される新規な酵素は、微生物を培養することによって生産することができる。その生産菌としては上記性質を有する酵素を生産する能力を有していれば特に限定されないが、Streptomyces属に属する微生物が好ましく、Streptomyces mobaraensisが特に好ましい。Streptomyces属に属する微生物の供給源は特に限定されないが、例えば、Streptomyces mobaraensisとしては(財)発酵研究所(Institute for Fermentation, Osaka, 〒532-8686 大阪市淀川区十三本町2丁目17-85)に寄託され、独立行政法人製品評価技術基盤機構(〒292-0818千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に移管されているNBRC(IFO) No.13819T、アメリカンタイプカルチャーコレククション(ATCC)から入手可能なATCC15003、ATCC25365、ATCC27441、ATCC27446およびATCC29032を使用することが出来る。これらの菌株の変種および/または変異株も、本発明の酵素を得るため、および/または、本発明のNε-アシル-L-リジン製造方法に使用することができる。
本発明の新規な酵素を生産する微生物は、各微生物について発酵学の分野で公知の情報に従って培養することができる。使用する培地としては炭素源、窒素源、無機物およびその他の栄養素を適量含有する培地ならば、合成培地または天然培地のいずれでも使用可能であり、液体培地または固体培地を用いて培養することができる。具体的には炭素源として、グルコース、フラクトース、マルトース、ガラクトース、澱粉、澱粉加水分解物、糖蜜、廃糖蜜等の糖、麦、米などの天然炭水化物、グリセロール、メタノール、エタノール等のアルコール、酢酸、グルコン酸、ピルビン酸、クエン酸等の脂肪酸、ノルマルパラフィン等の炭化水素、グリシン、グルタミン、アスパラギン等のアミノ酸等の一般的な炭素源より使用する微生物の資化性を考慮して、一種または二種以上選択して使用すればよい。窒素源としては、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、大豆加水分解物、ミルクカゼイン、カザミノ酸、各種アミノ酸、コーンスティープリカー、その他の動物、植物、微生物の加水分解物等の有機窒素化合物、アンモニア、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム等の硝酸塩、尿素等の無機窒素化合物より使用微生物の資化性を考慮して、一種または二種以上選択して使用することができる。必要に応じて、無機塩として微量のマグネシウム、マンガン、カルシウム、ナトリウム、カリウム、銅、亜鉛等のリン酸塩、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等より一種または二種以上を選択して使用することができる。また、さらに植物油、界面活性剤等の消泡剤を添加してもよい。使用する微生物に応じて、当業者は各培地成分の種類及び濃度を適切に選択および調節することが出来るであろう。
培養は前記培地成分を含有する液体培地中で振盪培養、通気撹拌培養、連続培養などの通常の方法を用いて行うことができる。培養条件は、培地の種類、培養法により適宜選択すればよく、使用する微生物が増殖し、本発明の酵素を産生できる条件であればよい。一般には、培養開始時のpHを7に調節し、25〜35℃の温度条件下で微生物を培養することが望ましい。培養日数は、酵素の生産量、微生物の生育状態などを考慮すれば、2リットルの三角フラスコを用いて培養を行う場合、一般には3〜7日が好ましいが、特にこの期間に限定されるわけではない。このような条件で培養すれば、本発明の酵素が微生物によって産生され、培養物中に蓄積される。特に、ストレプトミセス属微生物、とりわけStreptomyces mobaraensisの培養に適した培地および条件は当業者によく知られたものである。
ストレプトミセス属微生物、とりわけStreptomyces mobaraensisを培養した場合、本酵素は菌体外に分泌されるので、培養終了後、菌体を瀘過、遠心分離等の方法で除去することによって粗酵素画分が容易に得られる。他の微生物を用いた場合であって、細胞外に放出されない場合は、それらの微生物についてよく知られた方法により微生物細胞を破砕し、さらに、瀘過、遠心分離等の方法で細胞および細胞破砕物を除去することによって本発明の酵素を粗酵素画分として得ることが出来る。以下では、このようにして得られた本発明の酵素の粗酵素画分を「粗アミノアシラーゼ」と呼ぶこともある。
得られた粗アミノアシラーゼは塩析、有機溶媒による分別沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル瀘過クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、色素クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等のクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および電気泳動を含む当業者によく知られたタンパク質精製のための方法を単独もしくは組み合わせて精製することができる。精製の各段階で、種々の純度の酵素が得られる。
本発明の酵素の活性は、Nε-アセチル-L-リジン加水分解活性を測定する方法に基づいて測定することが出来る。例えば、本発明の酵素の活性は、一定濃度のNε-アセチル-L-リジンを基質として37℃にて30分間インキュベート(50 mMトリス塩酸緩衝液、pH8.0)し、遊離したL-リジンを定量することによって測定することができる。なお、本発明の酵素1U(ユニット)は、4 mMのNε-アセチル-L-リジン溶液を基質として37℃にて30分間インキュベート(50 mMトリス塩酸緩衝液、pH8.0)し、遊離したL-リジンを酸性ニンヒドリン法により定量した場合に、1時間あたり1マイクロモルのNε-アセチル-L-リジンを加水分解するのに必要な酵素量と定義する。
本発明の酵素の精製は例えば以下のように行うことができる。Streptomyces属微生物、例えばStreptomyces mobaraensisの培養終了後、遠心除菌し、さらにフィルター除菌により新規酵素が含有した上清を得る。その後、この上清を硫酸アンモニウム(2.8M)により沈殿分画後、CM セファデックス C-50、DEAE-セファデックスA-50イオン交換カラムクロマトグラフィー、オクチルセファロース CL-4B およびフェニルセファロース CL-4B カラムクロマトグラフィーを行うことによって、ポリアクリルアミドゲル電気泳動した場合にゲル上で単一バンドを呈する程度に本発明の酵素を精製することができる。
本発明の酵素は、Nε-アシル-L-リジンに作用し、Nε-アシル-D-リジンに対する反応性は非常に低い。アシル基に対する特異性は広く、飽和または不飽和脂肪酸アシル、更には芳香族基を含有するカルボン酸アシルからなるNε-アシル-L-リジンを加水分解し、その逆反応も触媒する。逆反応については、D-リジンのε-アミノ基に対する反応性は非常に低く、L-リジンのε-アミノ基に優先的に作用する。
本発明の別の側面は、本発明の酵素を用いたNε-アシル-L-リジンの製造方法である。この側面における一つの実施様態では、本発明の酵素をL-リジンまたはその塩、およびカルボン酸またはその塩と接触させ、それによって、Nε-アシル-L-リジンが製造される。この実施態様における、本発明の酵素の反応条件は、上述した本発明の酵素の特性、特に至適温度および安定温度、並びに、至適pHおよび安定pHを含む適切な条件に従って決定することができる。特に、前記カルボン酸が比較的長鎖であって、前記接触が水溶性溶媒中で行われる場合、生成するNε-アシル-L-リジンは水に不溶性または難溶性であるため析出して反応系から容易に除去され、従って、ε-アシル-L-リジンの合成反応が、その逆反応であるNε-アシル-L-リジンの分解反応よりも顕著に優先的かつ効率よく進む。また、このような場合、Nε-アシル-L-リジンは速やかに水相から分離してくるので非常に容易に回収することができる。例えば、分離したNε-アシル-L-リジンを直接回収する、または、有機溶媒によって容易にNε-アシル-L-リジンを水性反応系から抽出して回収することができる。本発明によってNε-アシル-L-リジンを製造する場合、使用する比較的長鎖のカルボン酸は、例えば使用する水溶性溶媒に対する溶解性を基準として選択することができる。このカルボン酸は、炭素数が多いほど水溶性溶媒に対する溶解性が低下するので、例えば長鎖であるほど好ましい。より具体的には、本発明において使用するカルボン酸は、好ましくは炭素数5以上、より好ましくは8以上のアシル基を有するカルボン酸である。しかしながら、炭素数が4以下のアシル基を有するカルボン酸を使用する場合であっても、本発明によりNε-アシル-L-リジンを製造することが可能である。
なお、本明細書において“水溶性溶媒”には水自身も含まれる。また、反応を水溶性溶媒中で行う場合であっても、別途油層(有機溶媒層)を重層し、水溶性溶媒/有機溶媒の2相反応とすることもできる。
本発明によるNε-アシル-L-リジンの製造において使用される「酵素」は、本発明の酵素を生産する微生物の培養物(場合により微生物細胞を破砕してもよい)、前記培養物から(必要により微生物の破砕後)遠心やろ過等により微生物または微生物破砕物を除去した培養液画分(即ち、「粗アミノアシラーゼ」)、前記培養液から種々の純度に部分精製された酵素(例えば、硫安沈殿により部分精製された酵素)、または、SDS-PAGEで単一バンドとなるまで高度に精製された酵素を含み、本発明の酵素活性を有する限りどのような形態であっても良い。
本発明の酵素を用いてNε-アシル-L-リジン製造を行う本発明の一態様においては、本発明の酵素0.5U〜50U、好ましくは1U〜20Uと、L-リジンまたはその塩50mM〜2M、好ましくは100mM〜1.0M、および、カルボン酸またはその塩5mM〜2M、好ましくは10mM〜150mMとを、適切な緩衝液、例えばトリス-塩酸緩衝液中、pH6.5〜10.5、好ましくはpH7.0〜10.0、特に好ましくはpH8.0〜9.0のpH範囲、30℃〜70℃、好ましくは45℃〜70℃の温度範囲にて、1〜48時間、好ましくは2〜24時間、特に好ましくは4〜24時間反応させる。適切な条件下では約80%またはそれ以上の収率でNε-アシル-L-リジンを得ることが出来る。あるいは、基質であるL-リジンまたはカルボン酸の一方が反応系に過剰量存在していてもよく、必要に応じて不足している基質を反応中に追加してもよい。
本発明のNε-アシル-L-リジンの製造方法においては前述したように、本発明の酵素によりL-リジンとカルボン酸、またはそれらの塩との反応が触媒される。反応に使用されカルボン酸には、直鎖又は分枝した、飽和又は不飽和の脂肪酸、飽和または不飽和の側鎖を有する芳香族カルボン酸が含まれ、それらのカルボン酸は好ましくは炭素数が5以上、より好ましくは炭素数が8以上のアシル基を有するカルボン酸である。より具体的には、本発明のNε-アシル-L-リジンの製造方法において使用し得るカルボン酸は、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、ケイ皮酸などが好ましく、オクタン酸、ラウリン酸が特に好ましい。
以下の実施例により本発明を更に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を制限するものと解してはならない。
なお、下記実施例におけるパーセンテージは、特にことわらない限り「質量%」を意味する。
実施例1.本発明のアミノアシラーゼの産生および精製
可溶性澱粉4.0%、ポリペプトン2.0%、肉エキス 4.0%、リン酸水素カリウム 0.2%、硫酸マグネシウム 2.0%、pH7を含む培地2L(リットル)を5L容量のバッフル付き坂口フラスコに入れ、Streptomyces mobaraensisの胞子溶液0.1mlを接種し、30℃で3日から7日間培養した。計2リットルの本培養を行い、培養終了後、遠心して(10000 x g、30分間)除菌し、上清を回収した。得られた本酵素(上清中)の総活性は、2875U、比活性0.096 U/mgであった。なお、タンパクの定量は色素結合法によって行った。
本発明の酵素の活性は、一定濃度のNε-アセチル-L-リジンを基質として37℃にて30分間インキュベート(50 mMトリス塩酸緩衝液、pH8.0)し、遊離したL-リンを定量することによって測定した。本発明の酵素1U(ユニット)は、4 mMのNε-アセチル-L-リジン溶液を基質として37℃にて30分間インキュベート(50 mMトリス塩酸緩衝液、pH8.0)し、遊離したL-リジンを酸性ニンヒドリン法により定量した場合に、1時間あたり1マイクロモルのNε-アセチル-L-リジンを加水分解するのに必要な酵素量と定義した。
得られた培養上清に最終濃度60%になるように硫酸アンモニウムを添加した。生じた沈殿物を50 mM NaCl/25 mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.5)150 mlに溶解し、3Lの50 mM NaCl/25 mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.5)に対して透析を行った。このようにして得られた溶液中の酵素の総活性は947 U、比活性は0.43 U/mgであった。
この活性画分を50mM NaCl/25mM Tric-HCl緩衝液(pH7.5)で平衡化されたDEAE-セファデックスA-50カラム(φ26 x 350 mm)に供し、50 〜500 mMのNaCl濃度勾配により溶出した。その結果、活性画分は、NaCl濃度が約250 mMの条件で溶出された。総活性は613 U、比活性は2.1 U/mgであった。
この活性画分を 750 mM NaCl/25 mM トリス-塩酸バッファー (pH 7.5) で平衡化したオクチルセファロースCL-4B カラム(φ16 X 300 mm)、750〜0 mMのNaCl濃度勾配に供した。その結果、NaCl濃度が約 0 mM の条件で活性画分が溶出された。総活性は456 U、比活性は304 U/mgであった。
この活性画分を再度500 mM NaCl/25 mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.5)で平衡化されたフェニルセファロース CL-4B カラム(φ16 x 150 mm)、500〜0 mMのNaCl濃度勾配に供した。活性は 0 mM NaCl 濃度の条件で溶出された。総活性は169 U、比活性は3370 U/mg となった。
この活性画分をポリアクリルアミドゲル電気泳動に供したところ、分子量約60kの単一バンドになる程度に精製されたことが分かった(図1)。各工程における精製の結果を表1に示す。
上述のように精製された本酵素をプロテインシークエンサーに供したところ、N末端にアミノ酸配列SERPXTTLLRNGDVH(Xは不明)(配列番号1)が存在することが明らかになった。
表1.
Figure 2006088199
U:ユニット
実施例2.本発明のアミノアシラーゼの至適pHおよびpH安定性
実施例1に記載の方法によって得られた最終精製酵素を用いて、Nε-アシル-L-リジンを基質にした場合の酵素の至適pHおよびpH安定性を測定した。
37℃、各種緩衝液(pH3.8〜9.7:トリス−塩酸緩衝液、pH8.6〜10.6:CAPS緩衝液)を用いて種々のpHにおける活性を測定した。その結果を図2に示す。図2中、活性は最高値における活性値を100としたときの相対活性(%)で表した。これらの結果から分かるように、本酵素の至適pHはpH8.0〜9.0の範囲であった。
また、pH安定性についても調べた。本発明の酵素は37℃、1時間のインキュベート中、pH 6.5〜10.5の範囲で安定であった(図3)。
さらに、前記精製酵素を用いて、Nε-アシル-L-リジンを基質としたときの酵素の反応至適温度と熱安定性を測定した。その結果を図4及び図5に示す。図4および5において、最高値における活性値を100としたときの相対活性(%)を示した。
横軸に示された各温度で酵素液(50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.2))の活性を測定して本酵素の至適温度を調べた(図4)。また、温度安定性を調べるため、各温度で酵素液(50mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.2))を60分間インキュベートした後、前述した活性測定法に従い、残存活性を求めた(図5)。
至適温度は55℃であった。
温度安定性については、各温度で60分間インキュベートした場合、少なくとも40℃付近まで活性の低下が認められず、55℃でも80%の残存活性を有することが示された(図5)。Nε-アシル-L-リジンに対して加水分解活性を示すAchromobacter pestifer由来の酵素は37℃において、1時間インキュベーション後に活性が25%にまで低下することからも分かるように、熱に対して極めて不安定であるが、本酵素はそれよりもはるかに安定であることが示された。
実施例3.各種阻害剤の本発明のアミノアシラーゼの分解活性に与える影響
実施例2に準じて得られた精製酵素を用い、前述した活性測定法を用いて各種阻害剤の分解活性に与える影響を比較した。その結果の一例を表2に示す。表2中、酵素活性は無添加の分解活性を100とした相対活性(%)で表した。これらの結果から、本発明の酵素はO-フェナンスロリンにより活性が低下する、金属酵素であることが示された。
表2.
Figure 2006088199
実施例4.金属イオンの影響
O-フェナンスロリン溶液で透析した酵素を用いて、金属イオンの影響について検討を行った。その結果を表3に示す。表3中、酵素活性は、無添加の分解活性を100とした相対活性(%)で表した。コバルト、亜鉛、マンガン、カルシウム、カリウム、マグネシウムを含む金属イオンによって活性が上昇し、特にコバルトイオンによって大きく活性が上昇することが示された。
表3.
Figure 2006088199
実施例5.本発明のアミノアシラーゼの分子量
実施例1に記載の方法によって得られた最終精製酵素をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動に供したところ、単一のバンドを示し、その分子量は約60kであった(図1)。また、精製された本酵素をゲルろ過クロマトグラフィーおよび非変性-PAGEに供しても分子量57〜60kを示した。従って、本酵素は単量体で存在すると考えられる。
実施例6.種々の.N-アセチル-L-アミノ酸に対する本発明の酵素の反応性
本酵素の基質特異性を見るために、数種類のN-アセチル-L-アミノ酸(終濃度4mM)に対する本発明の酵素の反応性を調べた。結果の一覧を表4に示す。以下の表4および5中、37℃、50 mM Tris-HCl緩衝液(pH 8.2)中で、1時間の反応において、酵素タンパク質1mgあたりに加水分解された基質(アセチル-L-アミノ酸)の量(μmole)を比活性として示してある。
本酵素は、Nε-アセチル-L-リジンに高い加水分解活性を示した。しかしながら、Nα-アセチル-L-リジンを除くNα-アセチル-L-アミノ酸には活性を示さなかった。すなわち、本酵素はNε-アセチル-L-リジンに対して極めて特異性の高い酵素であることが示された。
表4.N-アセチル-L-アミノ酸に対する基質特異性
Figure 2006088199
ND:検出限界未満
実施例7.本発明の酵素の基質特異性
各種アシル基からなるNε-アシル-L-リジンの加水分解活性から基質特異性について検討したところ、本発明の酵素はNε-アセチル-L-リジンに最も高い比活性を有することがわかったが,クロロアセチル基やベンゾイル基を有する他のNε-アシル-L-リジンなどにも高い活性が認められた(表5)。Nε-アシル-L-リジンに対して高い加水分解活性を示すA.ペスチフェルの酵素はNε-ラウロイル-L-リジンに対してほとんど分解活性を示さないのに対して、本発明の酵素はNε-ラウロイル-L-リジンに対しても分解活性を示した(表5)。一方、本発明の酵素は、Nα-ラウロイル-L-リジンに対しては全く加水分解活性を示さなかった。
表5.Nε-アシル-L-リジンのアシル基に対する活性の比較
Figure 2006088199
* Chibataら、(1970) Methods Enzymol. 19, 756-562より。
実施例8.Nε-ラウロイル-L-リジンの生成
L-リジン塩酸塩(終濃度1M)とラウリン酸 (終濃度 15mM)に対して、100 mM Tris塩酸緩衝液, pH 7.0)中で本発明の酵素10Uを添加し、45℃で3時間反応を行った。反応溶液をHPLC(YMC-Pack ODS 150 x 4.6 mm、溶出液:35 %アセトニトリル溶液pH 2.8, 流速;0.8 mL/min)で分析した。合成収率は脂肪酸を基準として約88%であった。
反応が進行するにつれ、水に不溶であるNε-ラウロイル-L-リジンが析出してきた。析出したNε-ラウロイル-L-リジンをろ過又は遠心分離により回収し、水洗することによって精製されたNε-ラウロイル-L-リジンが得られた。
実施例9.既知のカプサイシン分解合成酵素および本発明の酵素のNε-ラウロイル-L-リジン合成能の比較
特開2004-81107記載のカプサイシン分解合成酵素および本発明の酵素のNε-ラウロイル-L-リジン合成能を比較した。
15 mMラウリン酸と200 mM-L-リジン塩酸塩を100 mM Tris塩酸緩衝液 (pH 7.5、0.5 mM CoCl2) 中で、カプサイシン分解合成酵素(10U/ml;37℃、pH7.7にて1時間に1マイクロモルのカプサイシンを加水分解する量を1Uとする)および本発明の酵素(10U/ml)を45 ℃にて作用させ、Nε-ラウロイル-L-リジンの生成量を比較した(図6)。4時間反応させた結果では、カプサイシン合成酵素を用いた場合は、Nε-ラウロイル-L-リジン合成収率は10%程度で、Nα-ラウロイル-L-リジンもほぼ等量生成した。一方、本発明の酵素を用いた場合は、反応時間3時間でNε-ラウロイル-L-リジン合成の収率が90%程度に達し、かつ、Nα-ラウロイル-L-リジンの生成は検出されなかった。
本発明により、新規の酵素(アミノアシラーゼ)、その製造方法、及び前記酵素によるNε-アシル-L-リジン特異的分解および合成酵素の製造方法が提供され、該酵素を用いることにより、Nε-アシル-L-リジンを効率よく分解及び合成することが可能となる。
参考文献
1.特開2003-210164
2.特開2004-81107
精製された本発明の酵素を還元剤2-メルカプトエタノール存在下でSDS-PAGEを行い、クマシーブリリアントブルー染色した結果である。レーン1、7:分子量マーカー、レーン2:培養上清、レーン3:60%硫安沈殿画分、レーン4:DEAE セファデックス A-50カラムクロマトグラフィー溶出画分、レーン5:オクチルセファロース CL-4B カラムクロマトグラフィー溶出画分。レーン6:フェニルセファロースCL-4Bカラムクロマトグラフィー溶出画分。矢印は本発明の酵素の位置を示す。 本発明の酵素の至適pHプロファイルを示した図である。 本発明の酵素のpH安定性プロファイルを示した図である。 本発明の酵素の至適温度プロファイルを示した図である。 本発明の酵素の熱安定性プロファイルを示した図である。 本発明の酵素と既知の酵素(特開2004-81107)のNε-ラウロイル-L-リジンの合成能および特異性を比較した図である。(A)カプサイシン分解合成酵素、(B)本発明の酵素。いずれも縦軸は収率(%)、横軸は反応時間(時間)である。■はNε-ラウロイル-L-リジン、●はNα-ラウロイル-L-リジンを表す。

Claims (10)

  1. 以下の性質を有する酵素:
    1)Nε-アシル-L-リジンに作用し、カルボン酸とリジンを遊離させる反応、および、その逆反応を触媒する;
    2)L-Lysのε−アミノ基に作用する;
    3)Nε-アセチル-L-リジンを基質とした場合に、加水分解反応の至適pHが、37℃ において、トリス−塩酸緩衝液中で、8.0〜9.0の範囲にある;
    4)トリス−塩酸緩衝液中で、37℃、1時間のインキュベートした場合、pH 6.5〜10.5の範囲で安定である;
    5)Nε-アセチル-L-リジンを基質としたときの加水分解反応における至適温度が、トリス−塩酸緩衝液(pH8.2)中で、55℃付近である;
    6)トリス−塩酸緩衝液(pH8.2)中、40℃、60分処理において失活せず、55℃、60分処理後の残存活性は75〜85%である;
    7)o-フェナンスロリンにより阻害を受ける。
    8)コバルトイオンにより活性が増加する;
    9)分子量はSDS-ポリアクリルアミド電気泳動測定によれば約60kである;
    10)N末端にアミノ酸配列SERPXTTLLRNGDVH(Xは不明)が存在する。
  2. ストレプトミセス属に属する微生物から得られる、請求項1記載の酵素。
  3. ストレプトミセス属に属する微生物が、ストレプトミセス・モバラエンシスである、請求項2に記載の酵素。
  4. 請ストレプトミセス属に属する微生物を培養し、前記微生物の培養物から請求項1記載の酵素を分離、回収することを特徴とする前記酵素の製造方法。
  5. ストレプトミセス属に属する微生物がストレプトミセス・モバラエンシスである、請求項4記載の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項記載の酵素を、カルボン酸またはその塩およびL-リジンまたはその塩と接触させ、それによってNε-アシル-L-リジンを生成させることを含む、Nε-アシル-L-リジンの製造方法。
  7. カルボン酸が、炭素数5以上のアシル基を有するカルボン酸である、請求項6記載の方法。
  8. カルボン酸がオクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、ケイ皮酸からなる群より選ばれる、請求項6記載の製造方法。
  9. カルボン酸がラウリン酸であり、Nε-アシル-L-リジンがNε-ラウロイル-L-リジンである、請求項6記載の製造方法。
  10. 接触が水溶性溶媒で行われることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項記載の製造方法。
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