JPWO2003020929A1 - 新規なアミド加水分解酵素遺伝子 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、熱安定性に優れ、かつ、α−アミノ酸アミドを立体選択的に加水分解するアミド加水分解酵素、該酵素タンパク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含む新規な組換えベクター、該組換えベクターを含む形質転換体、該形質転換体を利用したL−α−アミノ酸の製造方法に関する。
背景技術
微生物あるいは微生物由来の酵素をα−アミノ酸アミドと接触させることにより光学活性L−α−アミノ酸を製造する方法が知られている(特開昭59−159789号公報、特開昭61−119199号公報、特開昭62−55097号公報、特開平1−277499号公報、特開平5−30992号公報参照)。上記の方法は、いずれも微生物が有するアミド加水分解酵素による反応を利用するものである。アミド加水分解酵素は、アミダーゼとも称され、酸アミド基を加水分解してカルボン酸とアミン又はアンモニアを生ずる反応を触媒する加水分解酵素である。微生物由来のアミド加水分解酵素は、α−アミノ酸アミドを立体選択的に加水分解して光学活性なL−α−アミノ酸を産生することを特徴とする。「光学活性なL−α−アミノ酸」とは、左旋性の鏡像異性体が他方の鏡像異性体より多く含まれているアミノ酸のこと、又は、左旋性の鏡像異性体のみからなるアミノ酸のことをいう。
しかしながら、これら微生物あるいは微生物由来の酵素を工業的物質生産に用いる場合、コスト面をクリアーするため、使用するアミド加水分解酵素の安定性および活性が十分に高められている必要がある。上記製法において使用される微生物は、何れも55℃以上の高温では増殖できない中温菌であるため、これらの微生物が有するアミド加水分解酵素は、常温以上の温度域では安定性が低い。従って、高温で反応を行うと酵素が不安定となり反応速度が停止又は低下するという問題があった。
発明の開示
本発明の目的は、熱安定性に優れたアミド加水分解酵素をコードする遺伝子を単離し、該遺伝子を任意の宿主に導入した形質転換体を作製することによって、光学活性L−α−アミノ酸の効率的な製造方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、55℃以上で生育可能な微生物から、熱安定性に優れたアミド加水分解酵素をコードする遺伝子を単離した。さらに、遺伝子組換え手法を用いて、任意の宿主に該遺伝子を多コピー存在させることにより、該酵素活性が向上した生体触媒を製造し得る技術の開発に成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)以下の(a)又は(b)のタンパク質。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつアミド加水分解酵素活性を有するタンパク質
(2)以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードするアミド加水分解酵素遺伝子。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつアミド加水分解酵素活性を有するタンパク質
(3)以下の(a)又は(b)のDNAを含む遺伝子。
(a)配列番号2で表される塩基配列からなるDNA
(b)配列番号2で表される塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつアミド加水分解酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA
(4)(2)又は(3)記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
(5)(4)記載の組換えベクターを含む形質転換体。
(6)(5)記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からアミド加水分解酵素タンパク質を採取することを特徴とするアミド加水分解酵素の製造方法。
(7)(5)記載の形質転換体を培養し、得られる培養物又はその処理物とα−アミノ酸アミドを接触させることを特徴とする光学活性L−α−アミノ酸の製造方法。
(8)55℃以上で生育可能で、熱安定性に優れたアミド加水分解酵素を産生する、Thermus属又はBacillus属に属する微生物。
(9)(8)に記載の微生物を培養し、得られる培養物又はその処理物とα−アミノ酸アミドを接触させることを特徴とする光学活性L−α−アミノ酸の製造方法。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願第2001−257736号の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
以下に、本発明を詳細に説明する。
1.天然の好熱菌による光学活性L−α−アミノ酸の製造
本発明者らは、55℃以上で生育可能で、熱安定性に優れたアミド加水分解酵素を産生する微生物を培養し、得られる培養物又はその処理物とα−アミノ酸アミドを接触させることより光学活性L−α−アミノ酸が効率的に製造できることを見出した。
この反応を媒介するアミド加水分解酵素は、生育上限温度が55℃以上の好熱菌に属する微生物由来のものであり、α−アミノ酸アミドを立体選択的に加水分解して光学活性L−α−アミノ酸を生成する能力があれば特に制限されるものではない。そのような酵素は、自然界から分離された菌株又はタイプカルチャーコレクションから入手される菌株から広く見いだされる。例えば、バチルス属やサーマス属に属する細菌、具体的には、例えば、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)NCIMB8923やサーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)NCIMB11243、が挙げられる。これらの菌株は、The National Collections of Industrial and Marine Bacteria(NCIMB)から容易に入手することができる。
本発明のアミド加水分解酵素は、α−アミノ酸アミドを立体選択的に加水分解して、L−α−アミノ酸を生成する能力を有するものであり、その様な能力を有する酵素としては、種々のアミダーゼあるいはアミノペプチダーゼ等が知られている。
上記微生物を培養するための培地組成としては、通常これらの微生物が生育しうるものであれば何れのものでも使用できる。炭素源としては、例えば、グルコース、シュークロースやマルトース等の糖類、酢酸やクエン酸等の有機酸あるいはその塩、エタノールやグリセロール等のアルコール類等を使用できる。窒素源としては、例えば、ペプトン、肉エキス、酵母エキスやアミノ酸等の一般天然窒素源の他、各種無機、有機酸アンモニウム塩等が使用できる。その他、無機塩、微量金属塩、ビタミン等が必要に応じて適宜添加される。
上記微生物の培養は常法によればよく、例えば、pH4〜10、好ましくはpH5〜9、温度20〜80℃、好ましくは50〜70℃の範囲にて1〜100時間培養する。
本発明においては、上記微生物を培地中で培養して得られる培養物をそのままか、該培養物から遠心分離などの集菌操作によって得られる菌体、培養上清又はそれらの処理物を用いることができる。該処理物としては、菌体破砕物、菌体破砕物又は培養上清から調製した粗酵素、精製酵素等が挙げられる。また、常法により担体に固定化した菌体、該処理物、酵素等を用いることができる。
アミド加水分解反応は、通常、アミノ酸アミドを0.5〜50%(反応基質溶液はスラリー状であってもよい)の濃度になるように水性媒体・酵素源と混合して行う。酵素源である培養物、菌体、菌体処理物等の添加量は特に制限されないが、通常、乾燥菌体質量換算で0.01〜10%の範囲で添加すればよい。反応は通常、0〜80℃、好ましくは20〜70℃において、pH4〜11、好ましくはpH6〜10の範囲で行われる。
このようにして反応液中に生成、蓄積したL−α−アミノ酸は、イオン交換法、晶析法等、公知の方法を組み合わせて分離、精製し取得することができる。
本発明において、アミノ酸アミドとは、アミノ酸分子中のカルボキシル基が酸アミドになったもの意味し、式I:
で表される。式中、Rは、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、フェニル基又はハロゲンである。該アルキル基又はフェニル基は、メルカプト基、ヒロドキシル基、アミノ基、カルボキシル基、フェニル基、インドリル基、メチルチオ基、カルバモイル基、イミダゾリル基から選ばれる1個以上の基で置換されていてもよい。あるいは、RはNH2基と結合して環を形成していてもよい。α−アミノ酸アミドの具体例としては、フェニルアラニンアミド、トリプトファンアミド、ロイシンアミド、tert−ロイシンアミド、バリンアミド、メチオニンアミド、セリンアミド、ヒスチジンアミド、プロリンアミド等を挙げることができる。
本発明において、産生されるL−α−アミノ酸の具体例としては、例えば、L−フェニルアラニン、L−トリプトファン、L−ロイシン、L−tert−ロイシン、L−バリン、L−メチオニン、L−セリン、L−ヒスチジン、L−プロリン等を挙げることができる。また、反応に用いるアミノ酸アミドの光学純度に関しては特に制限はない。
2.アミド加水分解酵素遺伝子のクローニング
さらに本発明者らは、55℃以上で生育可能で、熱安定性に優れたアミド加水分解酵素を産生する微生物のうち、岐阜県の温泉水よりサーマス属(Thermus sp.)O−3−1株(以下、O−3−1株と称する)を単離し、該菌株からアミド加水分解酵素タンパク質及び該タンパク質をコードする遺伝子を単離した。本菌株は、ブタペスト条約に基づき、平成14年8月5日付けで、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM BP−8139として寄託されている。O−3−1株の菌学的な性質は以下に示される。
(1)O−3−1株の培養
O−3−1株を培養するための培地組成としては、通常これらの微生物が生育しうるものであれば何れのものでも使用できる。炭素源としては、例えば、グルコース、シュークロースやマルトース等の糖類、酢酸やクエン酸等の有機酸又はその塩、あるいはエタノールやグリセロール等のアルコール等を使用できる。窒素源としては、例えば、ペプトン、肉エキス、酵母エキスやアミノ酸等の一般天然窒素源の他、各種無機、有機酸アンモニウム塩等が使用できる。その他、無機塩、微量金属塩、ビタミン等が必要に応じて適宣添加される。また、O−3−1株の培養は常法に従えばよく、好気又は嫌気培養装置を用いて、例えば、pH4〜10、好ましくはpH5〜9、温度20〜80℃、好ましくは50〜70℃の範囲にて1〜100時間培養する。
(2)染色体DNAの調製
O−3−1株より染色体DNAを分離、調製する。染色体DNAの分離及び調製は、公知の方法の何れをも用いることができる。例えば、Saito and Miuraの方法(Biochem.Biophys.Acta,72,619(1963))が挙げられる。
(3)DNAライブラリーの作製
工程(2)で得られたO−3−1株染色体DNAを適当な制限酵素(例えばEcoRI、BamHI、Hind III、Sau3AI、MboI、PstI等)で部分分解する。これを、制限酵素(例えばBamHI、BglII等)で切断し、アルカリホスファターゼ処理を行い脱リン酸化したベクターとライゲーションを行い、ライブラリーを作製する。用いることができるベクターとしては、宿主細胞で複製可能なものであれば特に限定されず、例えばプラスミドDNA、ファージDNA、コスミドDNA等が挙げられる。プラスミドDNAとしては、例えばpBR322、pSC101、pUC18、pUC19、pUC118、pUC119、pACYC117、pBluescript II SK(+)等が挙げられ、ファージDNAとしては、例えばλgt10、Charon 4A、EMBL−、M13mp18、M13mp19等が挙げられる。例えば大腸 菌を宿主とする場合、大腸菌中での自律複製可能な領域を有しているpBR322、pUC118、pUC18、pBluescript II SK(+)などが挙げられる。
(4)形質転換体の作製
DNA断片とベクター断片とを連結させるには、公知のDNAリガーゼを用いる。そして、DNA断片とベクター断片とをアニーリングさせた後連結させ、組換えベクターを作製する。形質転換の宿主は特に限定されるものではなく、例えば大腸菌を用いる場合、大腸菌DH1株、HB101株、C600株、MV1184株、TH2株、K12株、JM109株、XL1−Blue株などを挙げることができる。宿主に組換えベクターを導入するには、公知の方法により行うことができる。例えば大腸菌を宿主として用いる場合は、塩化カルシウム法(Journal of Molecular Biology,53,154(1970))やエレクトロポレーション法(Current Protocols in Molecular Biology,1,184(1994))を採用することができ、ファージの場合はインビトロ・パッケージング法(Current Protocols in Molecular Biology,1,571(1994))等を採用することができる。
(5)アミド加水分解酵素遺伝子を含む組換えDNAの選別
工程(4)で得られた形質転換体をα−アミノ酸アミドを唯一窒素源とする寒天培地上に接種する。α−アミノ酸アミドとしては、上記式Iで表されるものを使用できる。該寒天培地上で大きく出現したコロニーを選択し、適切な培地で液体培養を行う。培養に用いる培地としては、特に制限されないが、形質転換体の宿主として大腸菌を用いる場合、例えば、酵母エキス、トリプトン、ポリペプトン、コーンスティープリカー、大豆若しくは小麦ふすまの浸出液等の1種以上の窒素源に、塩化ナトリウム、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄若しくは硫酸マンガン等の無機塩類の1種以上を添加し、更に必要により糖質原料、ビタミン等を適宣添加したものが用いられる。また、必要に応じて、ベクターDNAを安定に維持させるための抗生物質や、遺伝子発現のための誘導剤を添加する。なお、培地の初発pHは7〜9に調整するのが適当である。また、培養は、25〜42℃で6〜24時間、通気攪拌深部培養、振盪培養、静置培養等により実施するのが好ましい。得られた培養物から遠心分離などによって集菌を行い、適当な緩衝液に懸濁する。この菌体懸濁液をα−アミノ酸アミド(例えば、DL−tert−ロイシンアミド等)を含む緩衝液に懸濁し、反応を行う。一定時間後、高速液体クロマトグラフィー等の分析手段により、対応するα−アミノ酸の生成量を定量する。α−アミノ酸を生成していた形質転換体をアミド加水分解酵素遺伝子保有候補株として選別する。
(6)制限酵素地図の作成とサブクローニング
工程(5)で選択された形質転換体より常法に従ってプラスミドを調製する。得られたプラスミドを種々の制限酵素を用いて切断し、電気泳動により分析を行う。泳動パターンから制限酵素地図を作成し、必要に応じて、より短い断片を有するサブクローンを作製する。
(7)サブクローンのアミド加水分解酵素活性確認
工程(6)で得られたサブクローンについて形質転換体を作製した後、工程(5)の培養および反応操作を行い、α−アミノ酸生成の有無によってプラスミド中にアミド加水分解酵素遺伝子が含まれているかどうかを判別する。
(8)塩基配列の決定とアミド加水分解酵素遺伝子の同定
得られたサブクローンのうち、なるべく挿入断片が小さく、かつ、アミド加水分解酵素活性を有する形質転換体よりプラスミドを調製し、該プラスミドの挿入断片について塩基配列を決定する。塩基配列の決定は、公知の方法、例えば、蛍光標識または放射標識を用いたジデオキシ法、マキサム・ギルバート法等により行うことができる。決定された塩基配列中からオープンリーディングフレームを検索し、適宣、公開されている塩基配列およびアミノ酸配列データベースとの比較を行う。
配列番号1に本発明のアミド加水分解酵素のアミノ酸配列を、配列番号2に本発明のアミド加水分解酵素遺伝子の塩基配列を例示するが、これらのアミノ酸配列を含むタンパク質がアミド加水分解酵素活性を有する限り、当該アミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸に欠失、置換、付加等の変異が生じてもよい。
例えば、配列番号1で表されるアミノ酸配列の1個、好ましくは、10〜20個、さらに好ましくは5〜10個のアミノ酸が欠失してもよく、又は配列番号1で表されるアミノ酸配列に1個、好ましくは、10〜20個、さらに好ましくは5〜10個のアミノ酸が付加してもよく、あるいは、配列番号1で表されるアミノ酸配列の1個、好ましくは、10〜20個、さらに好ましくは5〜10個のアミノ酸が他のアミノ酸に置換してもよい。また、本発明のアミド加水分解酵素遺伝子の塩基配列からなるDNAの全部又は一部の塩基配列からなるDNAに対し相補的な配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、アミド加水分解酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子も本発明の遺伝子に含まれる。ストリンジェントな条件とは、特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいい、すなわち、本発明のアミド加水分解酵素遺伝子に対し高い相同性(相同性が90%以上、好ましくは95%以上)を有するDNAがハイブリダイズする条件をいう。より具体的には、このような条件は、0.5〜1MのNaCl存在下42〜68℃で、又は50%ホルムアミド存在下42℃で、又は水溶液中65〜68℃で、ハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(saline sodium citrate)溶液を用いて室温〜68℃でフィルターを洗浄することにより達成できる。
ここで、「一部の配列」とは、上記アミド加水分解酵素遺伝子の塩基配列の一部分を含むDNAの塩基配列であって、該DNAがアミド加水分解能を有するタンパク質をコードするものを指す。また「一部の配列」は、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズさせるのに十分な塩基配列の長さを有するもの、例えば、少なくとも10塩基、好ましくは少なくとも50塩基、より好ましくは少なくとも200塩基の配列である。
なお、遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法、Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法により、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutan−K(TAKARA社製)、Mutan−G(TAKARA社製))などを用いて、あるいは、TAKARA社のLA PCR in vitro Mutagenesisシリーズキットを用いて行うことができる。なお、上記手法により塩基配列が決定された後は、化学合成によって、又は染色体DNAを鋳型としたPCR法によって、あるいは該塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさせることにより、本発明の遺伝子を得ることができる。
3.組換えベクター及び形質転換体の作製
本発明の組換えベクターは本発明の遺伝子又はその一部を適当なベクターに連結することにより得ることができ、また、本発明の形質転換体は本発明の組換えベクターを本発明の遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することにより得ることができる。「一部」とは、宿主中に導入されて本発明のアミド加水分解酵素を発現することができるアミド加水分解酵素遺伝子の一部分を指す。
本発明の遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主細胞で複製可能なものであれば特に限定されず、例えばプラスミドDNA、ファージDNA、コスミドDNA等が挙げられる。プラスミドDNAとしては、例えばpBR322、pSC101、pUC18、pUC19、pUC118、pUC119、pACYC117、pBluescript II SK(+)等が挙げられ、ファージDNAとしては、例えばλgt10、Charon 4A、EMBL−、M13mp18、M13mp19等が挙げられる。
宿主としては、目的とする遺伝子を発現できるものであれば特に限定されず、例えば、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)などのラルストニア属に属する細菌、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)などのシュードモナス属に属する細菌、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)などのバチルス(Bacillus)属に属する細菌、大腸菌(Escherichia coli)などのエッシェリヒア属に属する細菌、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などのサッカロミセス(Saccharomyces)属に属する酵母、カンジダ・マルトーサ(Candida maltosa)などのカンジダ(Candida)属に属する酵母、COS細胞、CHO細胞、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などの動物細胞、SF9細胞などの昆虫細胞などが挙げられる。
大腸菌等の細菌を宿主として用いる場合は、本発明の組換えベクターが該宿主中で自立複製可能であると同時に、プロモーター、本発明のDNA、転写終結配列を含む構成であることが好ましい。発現ベクターとしては、広範囲の宿主において複製・保持されるRK2複製起点を有するpLA2917(ATCC 37355)やRSF1010複製起点を有するpJRD215(ATCC 37533)等が挙げられる。
プロモーターとしては、宿主中で発現できるものであればいずれを用いてもよい。例えば、trpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモーター、PRプロモーター、T7プロモーターなどの大腸菌やファージ等に由来するプロモーターが用いられる。細菌への組換えベクターの導入方法としては、特に限定されないが、例えばカルシウムイオンを用いる方法(Current Protocols in Molecular Biology,1,181(1994))やエレクトロポレーション法等が挙げられる。
酵母を宿主として用いる場合は、発現ベクターとして、例えばYEp13、YCp50等が挙げられる。プロモーターとしては、例えばgal 1プロモーター、gal 10プロモーター、ヒートショックタンパク質プロモーター、GAPプロモーター等が挙げられる。酵母への組換えベクターの導入方法としては、特に限定されないが、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,84,192,9−1933(1978))、酢酸リチウム法(J.Bacteriol.,153,163−168(1983))等が挙げられる。
動物細胞を宿主として用いる場合は、発現ベクターとして例えばpcDNAI、pcDNAI/Amp(インビトロジェン社)等が用いられる。プロモーターとしては、例えば、SRαプロモーター、SV40プロモーター、CMVプロモーター等が挙げられる。動物細胞への組換えベクターの導入方法としては、特に限定されないが、例えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられる。
4.アミド加水分解酵素の製造
本発明のアミド加水分解酵素は、本発明の形質転換体を培地で培養し、培養物(培養菌体又は培養上清)中に本発明のアミド加水分解酵素を生成蓄積させ、該培養物からアミド加水分解酵素を採取することにより行われる。本発明の形質転換体を培地で培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。大腸菌等の細菌を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、完全培地又は合成培地、例えばLB培地、M9培地等が挙げられる。また、培養温度は0〜70℃の範囲で好気的に1〜80時間培養することによりアミド加水分解酵素を菌体内に蓄積させ、回収する。培養期間中pHは7付近に保持する。pHの調整は、無機酸又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。
炭素源は微生物の増殖に必要であり、例えばグルコース、フラクトース、スクロース、マルトース等の炭水化物が挙げられる。窒素源としては、例えば、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩の他、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー等が挙げられる。また、無機物としては、例えば、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。
培養中は、カナマイシン、アンピシリン、テトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、インデューサーを培地に添加することもできる。例えば、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)、インドールアクリル酸(IAA)等を培地に添加することができる。
動物細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、例えばRPMI−1640、DMEM培地又はこれらの培地にウシ胎児血清を添加した培地が用いられる。培養は、通常5%CO2存在下、30〜40℃で1〜7日間行う。培養中はカナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。アミド加水分解酵素の精製は、得られる培養物を遠心して回収し(細胞についてはソニケーターにて破砕する)、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオン又は陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過等を単独で又は適宜組み合わせることによって行うことができる。得られた精製物質が目的の酵素であることの確認は、通常の方法、例えばSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、ウエスタンブロッティング等により行う。
5.形質転換体又はその処理物による光学活性L−α−アミノ酸の製造
上記において得られた形質転換体の培養物から遠心分離などによって集菌を行い、適当な緩衝液に懸濁する。この菌体懸濁液をα−アミノ酸アミドを含む緩衝液に懸濁し、反応を行うことによって、光学活性L−α−アミノ酸を製造することができる。反応の条件は、例えば、反応温度は0〜80℃、好ましくは10〜70℃、反応時間は0.1〜100時間、好ましくは0.5〜80時間、pHは4〜11程度である。
また、該培養物の処理物を用いて反応を行うこともできる。該処理物としては、菌体破砕物、菌体破砕物又は培養上清から調製した粗酵素、精製酵素等が挙げられる。また、常法により担体に固定化した菌体、該処理物、酵素等を用いることができる。
生成したL−α−アミノ酸の細胞内含量及び光学純度は、遠心分離などの方法によって菌体又は酵素を除去した後、高速液体クロマトグラフィー、NMRなどに供試することにより測定・分析することができる。
本発明の形質転換体又はアミド加水分解酵素は高温でもアミド加水分解活性が維持されるとともに、従来の微生物又は微生物由来酵素を用いる場合に比べ、効率的に光学活性L−α−アミノ酸を合成できることが明らかとなった。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
ポリペプトン0.8%、酵母エキス0.4%、NaCl 0.2%、CaCl2・2H2O 0.005%、MgCl2・6H2O 0.008%からなる培地(pH7.5)100mlを三角フラスコ(500ml容)に入れ、オートクレーブ滅菌した。この培地にThermus aquaticus NCIMB11243株を接種して、70℃にて3日間培養した。
培養終了後、培養物から菌体を遠心分離にて集菌し、培養物と同量の50mM NH4Cl−NH4OH緩衝液(pH9.0)にて1回菌体を洗浄した後、同緩衝液5mlに菌体を懸濁した。
上記菌体懸濁液1.5mlに2%のフェニルアラニンアミド溶液1.5mlを添加して、70℃にて1時間反応を行った。反応終了後、反応液から遠心分離にて菌体を除去後、高速液体クロマトグラフィーにて定量、光学純度を分析した。 結果、0.28%のL−フェニルアラニンが生成していた。光学純度は100%eeであった。
〔HPLC分析条件〕
(定量分析)
カラム; イナートシルODS−3V(4.6φ×250mm)
移動層; 0.1%リン酸水溶液:アセトニトリル(80:20)
流速; 1ml/min
検出; UV(254nm)
(光学純度分析)
カラム; SUMICHIRAL OA−5000(4.6φ×150mm)
移動層; 2mM硫酸銅:メタノール(70:30)
流速; 1ml/min
検出; UV(254nm)
〔実施例2〕
ポリペプトン0.5%、肉エキス0.3%、NaCl 0.8%からなる培地(pH7.3)100mlを三角フラスコ(500ml容)に入れ、オートクレーブ滅菌した。この培地にBacillus stearothermophilus NCIMB8923株を接種して、55℃にて3日間培養した。
培養終了後、培養物から菌体を遠心分離にて集菌し、培養物と同量の50mM
NH4Cl−NH4OH緩衝液(pH9.0)にて1回菌体を洗浄した後、同緩衝液5mlに菌体を懸濁した。
上記菌体懸濁液1.5mlに2%のフェニルアラニンアミド溶液1.5mlを添加して、55℃にて1時間反応を行った。反応液から遠心分離にて菌体を除去後、実施例1と同一条件で、高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、0.49%のL−フェニルアラニンが生成していた。光学純度は100%eeであった。
〔実施例3〕
実施例1と同様に調製した菌体懸濁液1.5mlに2%のtert−ロイシンアミド溶液1.5mlを添加して、70℃にて70時間反応を行った。反応液から遠心分離にて菌体を除去後、高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、0.38%のL−tert−ロイシンが生成していた。光学純度は100%eeであった。
〔HPLC分析条件〕
(定量分析)
カラム; イナートシルODS−3V(4.6φ×250mm)
移動層; 0.1%リン酸水溶液
流速; 1ml/min
検出; RI
(光学純度分析)
カラム; SUMICHIRAL OA−5000(4.6φ×150mm)
移動層; 2mM硫酸銅:メタノール(85:15)
流速; 1ml/min
検出; UV(254nm)
〔実施例4〕
実施例2と同様に調製した菌体懸濁液1.5mlに2%のtert−ロイシンアミド溶液1.5mlを添加して、70℃にて70時間反応を行った。反応液から遠心分離にて菌体を除去後、高速液体クロマトグラフィーにて分析したところ、0.31%のL−tert−ロイシンが生成していた。光学純度は100%eeであった。
〔実施例5〕
(1)O−3−1株の培養
O−3−1株を100mlの栄養培地(0.2%ポリペプトン、0.1%酵母エキス、0.2% NaCl、0.005% CaCl2・2H2O、0.008% MgCl2・6H2O、pH7.5)に接種し、70℃にて3日間培養した。
(2)染色体DNAの調製
培養終了後、遠心分離により集菌し、滅菌蒸留水にて洗浄した後、Saline−EDTA溶液(0.1M EDTA、0.15M NaCl)2mlに懸濁した。リゾチーム10mgを加えて37℃で1時間振盪した後、10mlのTris−SDS液(1% SDS、0.1M NaCl、0.1M Tris、pH9.0)を穏やかに振盪しながら加え、さらにプロテイナーゼK(メルク社製)を終濃度1mgとなるように加え、37℃で1時間振盪した。次に、等量のTE飽和フェノール(TE:10mM Tris、1mM EDTA、pH8.0)を加えて撹拌後遠心し、上層を採り2倍量のエタノールを加えた後ガラス棒でDNAを巻きとり、90%、80%、70%のエタノールで順次フェノールを取り除いた。次に、DNAを5mlのTE緩衝液に溶解させ、リボヌクレアーゼA溶液(100℃、15分間の熱処理済み)を10mg/mlになるように加え37℃で30分間振盪した。さらにプロテイナーゼKを終濃度1mgとなるように加えて37℃で30分間振盪した後、等量のTE飽和フェノールを加え遠心し上層と下層に分離させ上層を採取した(以後この操作をフェノール抽出と呼ぶ)。フェノール抽出を2回繰り返した後、同量のクロロフォルム(4%イソアミルアルコール含有)を加え同様の抽出操作を繰り返した(以後この操作をクロロホルム抽出と呼ぶ)。その後上層に2倍量のエタノールを加えガラス棒でDNAを巻き取り回収し、滅菌水1mlに溶解して染色体DNA標品を得た。
(3)DNAライブラリーの作製
工程(2)で得られたO−3−1株染色体DNA 200μlに10倍濃度制限酵素反応用緩衝液40μl、滅菌水160μl、制限酵素Sau3AI 2μlを加え、37℃にて2分間インキュベートした後、エタノール沈殿によりDNAを回収した。アガロースゲル電気泳動を行い、約4〜7kbのDNA断片をゲルから切り出し、DNA PREP(ダイアトロン社製)を用いて回収した。このDNA断片をDNA Ligation Kit Ver.1(宝酒造社製)を用いて大腸菌ベクターpUC118のBamHI部位に挿入し、組換えDNAライブラリーを作製した。ライゲーションに用いたpUC118断片は次のように作製した。pUC118保存液2μlに対し、10倍濃度制限酵素用緩衝液5μl、滅菌水40μl、制限酵素BamHI 3μlを加え、37℃で2時間反応後、フェノール抽出およびクロロホルム抽出を行い、エタノール沈殿させた後乾燥して50μlの滅菌水に溶解させた。さらにアルカリフォスファターゼ(宝酒造社製)1μl、10倍濃度緩衝液10μl、滅菌水39μlを加え65℃で反応後、フェノール抽出およびクロロホルム抽出を行い、エタノール沈殿後乾燥して滅菌水に溶解させた。
(4)形質転換体の作製
大腸菌JM109株をLBAmp培地(1%バクトトリプトン、0.5%バクトイーストエキス、0.5% NaCl、0.01%アンピシリン)1mlに接種し37℃、5時間好気的に前培養し、この培養物0.4mlをSOB培地40ml(2%バクトトリプトン、0.5%バクトイーストエキス、10mM NaCl、2.5mM KCl、1mM MgSO4、1mM MgCl2)に加え、18℃で20時間培養した。この培養物を遠心分離により集菌した後、冷TF溶液(20mM PIPES−KOH(pH6.0)、200mM KCl、10mM CaCl2、40mM MnCl2)を13ml加え、0℃で10分間放置後、再度遠心し、上澄を除いた後、沈殿した大腸菌を冷TF溶液3.2mlに懸濁し、0.22mlのジメチルスルフォキシドを加え0℃で10分間放置した。こうして作製したコンピテントセル200μlに工程(3)で作製した組換えプラスミドを含有する溶液(DNAライブラリー)を10μl加え、0℃で30分放置後、42℃で30秒間ヒートショックを与え、0℃で2分間冷却後、SOC培地(20mMグルコース、2%バクトトリプトン、0.5%バクトイーストエキス、10mM NaCl、2.5mM KCl、1mM MgSO4、1mM MgCl2)1mlを添加して37℃にて1時間振盪培養した。これを200μlずつLBAmp寒天培地(1.5%寒天を含むLBAmp培地)にまき、37℃で一晩培養し、形質転換体を得た。
(5)アミド加水分解酵素遺伝子を含む組換えDNAの選別
工程(4)で得られた形質転換体コロニーを、乳酸アミド含有寒天培地に接種した。乳酸アミド含有寒天培地は、滅菌シャーレに20mlずつ固化させた寒天培地(0.2%グリセロール、0.05% NaCl、0.002%チアミン塩酸塩、0.6% Na2HPO4、0.3% KH2PO4、0.001% ZnSO4・7H2O、0.0025% MgSO4・7H2O、0.001% MnSO4・4〜6H2O、0.0001% CaCl2・2H2O、1.5%寒天)に、フィルター除菌済みの20% DL−ラクトアミド溶液をプレート一枚あたり100μl塗布して作製した。37℃にて3日間培養した後、大きく出現したコロニー12個を1mM IPTG含有LBAmp培地1.5mlに接種し、37℃にて一晩培養した。培養後、遠心分離により集菌し、菌体を50mM
NH4Cl−NH4OH4緩衝液(pH9.0)で洗浄し、0.7mlの同緩衝液に懸濁した。この菌体懸濁液0.5mlを70℃で5〜10分間前処理した後、2% DL−tert−ロイシンアミドを含む50mM NH4Cl−NH4OH4緩衝液(pH9.0)0.5mlと混合し、70℃で24時間インキュベートした。インキュベーション後、遠心分離により菌体を除去した後、高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った。分析条件を下記に記す。
(定量分析)
カラム; イナートシルODS−3V(4.6φ×250mm)
移動層; 0.1%リン酸水溶液:アセトニトリル(80:20)
流速; 1ml/min
検出; UV(254nm)
(光学純度分析)
カラム; SUMICHIRAL OA−5000(4.6φ×150mm)
移動層; 2mM硫酸銅:メタノール(70:30)
流速; 1ml/min
検出; UV(254nm)
その結果、5クローンについて0.47〜0.63%のL−tert−ロイシンの生成が見られた。光学純度はいずれも100%eeであった。
(6)制限酵素地図の作成とサブクローニング
工程(5)で選別された5クローンのうちの一つ(M5と命名する)より、Flexi Prep(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いてプラスミドを精製した。得られたプラスミド(pM5)を種々の制限酵素を用いて切断し、0.7%アガロースゲル電気泳動により解析を行った結果、図1に示される約8kbの挿入断片の制限酵素地図が得られた。次いで、pM5の挿入断片中、約2kbのKpnI断片、および約3.5kbのHindIII断片を取り除いて自己連結させたサブクローンpM501(図2)を作製した。さらに、挿入断片中のNcoIサイトおよびPstIサイトを利用してサブクローニングを行った。すなわち、pM501をNcoIと挿入断片C末端側のHindIIIで切断して、約0.7kbのNcoI−HindIII断片を除去した後、両切断末端を平滑化して自己連結させ、pM501KNとした(図3)。また、PstIと挿入断片N末端側マルチクローニングサイトのEcoRIで切断して、約1kbのEcoRI−PstI断片を除去した後、両切断末端を平滑化して自己連結させたプラスミドpM501PHを作製した(図4)。
(7)サブクローンのアミド加水分解酵素活性確認
工程(6)にて作製されたプラスミド、pM501、pM501KN、pM501PH、およびポジティブコントロールとしてpM5を用い、工程(4)の方法により大腸菌JM109株を形質転換した。得られた形質転換体(JM109/pM501、JM109/pM501KN、JM109/pM501PH、JM109/pM5)のコロニーを1mM IPTG含有LBAmp培地1.5mlに接種し、37℃にて一晩培養した。培養後、遠心分離により集菌し、菌体を50mM NH4Cl−NH4OH4緩衝液(pH9.0)で洗浄し、0.7mlの同緩衝液に懸濁した。この菌体懸濁液0.5mlを70℃で5〜10分間前処理した後、2% DL−tert−ロイシンアミドを含む50mM NH4Cl−NH4OH4緩衝液(pH9.0)0.5mlと混合し、70℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、遠心分離により菌体を除去した後、工程(5)に記載の高速液体クロマトグラフィー条件にて分析を行った。その結果、JM109/pM501、JM109/pM501KNおよびJM109/pM5では、ぞれぞれ0.14%、0.13%、0.14%のL−tert−ロイシンの生成が見られたが、JM109/pM501PHではL−tert−ロイシンの生成はまったく見られなかった。従って、pM501KNの約1.2kbの挿入断片中に目的とするアミド加水分解酵素遺伝子が存在することが明らかになった。
(8)塩基配列の決定
工程(6)で得られたプラスミドpM501KN挿入断片中のKpnI−NcoI断片(約1.2kb)の塩基配列を、ジデオキシ法により蛍光シークエンサーALFII(ファルマシア社製)を用いて決定した。その結果、配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレーム(配列番号2)が見出された。日本DNAデータバンクのBLAST(blastp)により、配列番号1に示されるアミノ酸配列と相同性を持つ既知のアミノ酸配列を検索した結果、Sulfolobus fataricusの推定タンパク質(pirB90458)と41%の相同性、Sulfolobus tokodaiiの推定アセトアミド加水分解酵素(dadAP000981−165)と42%の相同性、Aeropyrum pernixの推定アセトアミド加水分解酵素(dadAP000059−268)と36%の相同性をそれぞれ示したが、いずれもその相同性は低く、これら相同性を示したタンパク質はいずれもその機能が明らかになっていないこと、α−アミノ酸アミドを立体選択的に加水分解する作用を有していないことなどから、本アミド加水分解酵素は熱安定性に優れた新規なアミド加水分解酵素であると考えられた。
〔実施例6〕
(1)大腸菌JM109/pM501KNを用いた光学活性L−α−アミノ酸の製造
pM501KNを保持する大腸菌形質転換体を用いて光学活性L−α−アミノ酸の製造を行った。すなわち、JM109/pM501KNをLBAmp培地1.5mlに接種し、37℃にて6時間培養した。得られた培養物を1mM IPTG含有LBAmp培地40mlに接種し、37℃にて17時間振盪培養した。得られた培養物より5mlを採取して遠心分離により集菌した後、菌体を50mM NH4Cl−NH4OH4緩衝液(pH9.0)で洗浄し、2mlの同緩衝液に懸濁した。この菌体懸濁液を70℃で30分間熱処理した後0.5mlを取り、2% DL−tert−ロイシンアミドを含む50mM NH4Cl−NH4OH4緩衝液(pH9.0)0.5mlと混合して、70℃で3時間インキュベートした。インキュベーション後、遠心分離により菌体を除去した後、工程(5)に記載の高速液体クロマトグラフィー条件にて分析を行った。その結果、0.55%のL−tert−ロイシンの生成が見られ、光学純度は100%eeであった。なお、pM501KNは、ブタペスト条約に基づき、平成14年8月5日付けで、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に受託番号FERM BP−8138として寄託されている。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願は、そのまま参考として本明細書に取り入れるものとする。
産業上の利用可能性
本発明によれば、熱安定性に優れたアミド加水分解酵素を遺伝子組換えの手法によって宿主内に多数存在させることができるため、従来の方法に比較して飛躍的に熱安定性・活性を増大させた生体触媒の提供が可能となり、工業的に極めて効率的な光学活性L−α−アミノ酸の製造方法を提供することができる。
配列表フリーテキスト
配列番号1:ペプチド
配列番号2:DNA
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図1は、組換えプラスミドpM5の制限酵素地図である。
図2は、組換えプラスミドpM501の制限酵素地図である。
図3は、組換えプラスミドpM501KNの制限酵素地図である。
図4は、組換えプラスミドpM501PHの制限酵素地図である。
Claims (9)
- 以下の(a)又は(b)のタンパク質。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつアミド加水分解酵素活性を有するタンパク質 - 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコードするアミド加水分解酵素遺伝子。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むタンパク質
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつアミド加水分解酵素活性を有するタンパク質 - 以下の(a)又は(b)のDNAを含む遺伝子。
(a)配列番号2で表される塩基配列からなるDNA
(b)配列番号2で表される塩基配列の全部又は一部からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつアミド加水分解酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA - 請求の範囲第2項又は第3項記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
- 請求の範囲第4項記載の組換えベクターを含む形質転換体。
- 請求の範囲第5項記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からアミド加水分解酵素タンパク質を採取することを特徴とするアミド加水分解酵素の製造方法。
- 請求の範囲第5項記載の形質転換体を培養し、得られる培養物又はその処理物とα−アミノ酸アミドを接触させることを特徴とする光学活性L−α−アミノ酸の製造方法。
- 55℃以上で生育可能で、熱安定性に優れたアミド加水分解酵素を産生する、Thermus属又はBacillus属に属する微生物。
- 請求の範囲第8項に記載の微生物を培養し、得られる培養物又はその処理物とα−アミノ酸アミドを接触させることを特徴とする光学活性L−α−アミノ酸の製造方法。
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