JPWO2006082919A1 - 乾燥剤原料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

水との急激な反応および高熱の発生を抑制することができると共に、高い吸湿性を有する乾燥剤原料およびその製造方法を提供する。200メッシュの篩を通過した粒径75μm以下の状態において、平均孔径が1.7μm以上4.2μm以下である孔を有し、また、0.04m2/g以上0.43m2/g以下の比表面積を有する。これにより、水と乾燥剤原料とが直接接触する面積が適性な大きさとなり、乾燥剤原料と水との急激な水和反応が抑制され、この水和反応による発熱と空冷による放熱とのバランスが保たれる。

Description

本発明は、炭酸カルシウムを含む混合物を焼成することにより得られる乾燥剤原料およびその製造方法に関する。
生石灰(CaO;酸化カルシウム)を含む乾燥剤は、乾燥能力が高く、値段も安価であることから、食品の保存など広く一般に用いられている。しかし、この乾燥剤に含まれる生石灰は水との急激な反応により高熱を発生する虞があることから、特に食品保存用として用いる場合にはより安全性の高いものが求められている。また、この乾燥剤を一般ゴミとして廃棄する場合にも発熱しないようにして廃棄する必要があるなどの取り扱い性の向上も求められている。
なお、生石灰の水との反応性を抑制する方法としては、例えば、生石灰を高温で焼成して気孔率が小さく粒径が大きい結晶に変質させる方法、生石灰粒子の表面を油類で被覆する方法、あるいは生石灰に塩類を添加する方法などがある。中でも、生石灰に塩類を添加する方法においては、塩類としてアルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩を用いることにより(例えば、非特許文献1,2参照)、高熱の発生を抑制できるとしている。
笠井 順一、塚田 精司、アルカリ金属酸化物を含む生石灰の水和に関する研究、「石膏と石灰」、1956年、第21号、p.1113−1116 エイ.エイチ.ホワイト(A.H.White) 、アール.エム.トゥルー(R.M.True)、"インダストリアル アンド エンジニアリング ケミストリー(INDUSTRIAL AND ENGINEERING CHEMISTRY)"、1925年、17巻5号、p.520−521
しかしながら、このような方法によって改質された生石灰は、水との急激な反応および高熱の発生については改善されてきているものの、乾燥剤原料としては、まだ十分ではなく、更なる発熱特性の向上が要求される。また、乾燥剤原料として用いる場合には、一定以上の吸湿性が要求されるものであり、少なくとも現状程度の吸湿性を保持しつつ発熱特性を大幅に改善できる乾燥剤原料(生石灰)の製造が望まれている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、水との急激な反応および高熱の発生を抑制することができると共に高い吸湿性を有する乾燥剤原料およびその製造方法を提供することにある。
本発明による乾燥剤原料は、30℃の環境下、質量が100g以上であるとき、その質量に対して18質量%の水との反応による発熱温度が65℃以下であるものである。
また、この乾燥剤原料は、200メッシュの篩を通過した粒径75μm以下の状態において、平均孔径が1.7μm以上4.2μm以下である孔を有するものである。
更に、この乾燥剤原料は、200メッシュの篩を通過する粒径75μm以下の状態において、0.04m/g以上0.43m/g以下の比表面積を有するものである。
本発明による乾燥剤原料の製造方法は、炭酸カルシウムを80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の塩、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の硫化物、アルカリ金属
の窒化物および銅の酸化物からなる群のうちの少なくとも1種を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を作製する混合物作製工程と、混合物を1050℃以上の温度で焼成する焼成工程とを含むものであり、これにより上記本発明の乾燥剤原料を得ることができる。
本発明の乾燥剤原料によれば、200メッシュの篩を通過した粒径75μm以下の状態において、この状態の乾燥剤原料が有する孔の平均孔径およびこの状態の乾燥剤原料の比表面積が適性値の範囲内であることにより、30℃の環境下、質量が100g以上であるとき、その質量に対して18質量%の水との反応による発熱温度を65℃以下の低温に抑えることができ、また、高い吸湿性を保持することができる。従って、例えば高い安全性が要求される食品保存用として好適に用いることができる。
また、本発明の乾燥剤原料の製造方法によれば、炭酸カルシウムを80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の塩、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の硫化物、アルカリ金属の窒化物および銅の酸化物からなる群のうちの少なくとも1種を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を作製する混合物作製工程と、混合物を1050℃以上の温度で焼成する焼成工程とを含むようにしたので、上述した乾燥剤原料を容易に製造することができる。
アルカリ金属の塩としては、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属の硝酸塩およびアルカリ金属の塩化物からなる群のうちの少なくとも1種を用いることができる。
具体的には、アルカリ金属の炭酸塩として炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素カリウムからなる群のうちの少なくとも1種を、アルカリ金属の硫酸塩として硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムのうちの少なくとも一方を、アルカリ金属の硝酸塩として硝酸ナトリウムおよび硝酸カリウムのうちの少なくとも一方を、アルカリ金属の塩としてケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムのうち少なくとも一方を、アルカリ金属の塩化物として塩化ナトリウムおよび塩化カリウムのうちの少なくとも一方を、アルカリ金属の水酸化物として水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのうちの少なくとも一方を、銅の酸化物として酸化銅(I)および酸化銅(II)のうちの少なくとも一方を、アルカリ金属の硫化物として硫化ナトリウムおよび硫化カリウムのうちの少なくとも一方を、アルカリ金属の窒化物として窒化リチウムを用いるようにすれば、より良質な乾燥剤原料を製造することができる。
本発明の実施例1−1〜1−3と比較例1とを対比して吸湿特性を表した図である。 本発明の実施例1−1〜1−3と比較例1とを対比して他の吸湿特性を表した図である。 本発明の実施例1−1〜1−3と比較例1とを対比して発熱特性を表した図である。 本発明の実施例2−1〜2−3と比較例2とを対比して吸湿特性を表した図である。 本発明の実施例2−1〜2−3と比較例2とを対比して他の吸湿特性を表した図である。 本発明の実施例2−1〜2−3と比較例2とを対比して発熱特性を表した図である。 本発明の実施例3−1〜3−3と比較例3とを対比して吸湿特性を表した図である。 本発明の実施例3−1〜3−3と比較例3とを対比して他の吸湿特性を表した図である。 本発明の実施例3−1〜3−3と比較例3とを対比して発熱特性を表した図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係る乾燥剤原料は、炭酸カルシウムとアルカリ金属の塩等との混合物を焼成することにより生成される生石灰(CaO)の結晶とカルシウムを含有する非晶質とを含むものである。この乾燥剤原料は、所定の状態において、その孔の平均孔径およびその比表面積が従来の乾燥剤原料(生石灰等)とは大きく異なっているものである。
すなわち、この乾燥剤原料では、200メッシュの篩を通過した粒径75μm以下の状態において、その平均孔径が1.7μm以上4.2μm以下である。ここでの平均孔径は、水銀圧入(ポロシメータ)法により得られるもので、乾燥剤原料の孔に圧入させた水銀量から求められるものである。
また、この乾燥剤原料は、上記の状態において、上記水銀圧入法により得られる比表面積1および窒素を用いたガス吸着法により得られる比表面積2により規定される比表面積を有するものである。なお、ここでの水銀圧入法による比表面積1とは、上記平均孔径と共に得られるものであり、一方、ガス吸着法による比表面積2とは、測定装置内をほぼ真空になるまで減圧したのち、この真空室内に窒素を導入して乾燥剤原料に吸着させ、そののち吸着した窒素を脱離させることにより得られる吸脱着等温線をBET吸着等温式を導入して解析することにより求められるものである。
具体的には、この乾燥剤原料は、上記の状態において、水銀圧入法による比表面積1が0.04m/g以上0.16m/g以下であるものあり、窒素を用いたガス吸着法による比表面積2が0.09m/g以上0.43m/g以下であるものであり、これにより、0.04m/g以上0.43m/g以下の比表面積を有するものである。
このように、本実施の形態の乾燥剤原料は、「200メッシュの篩を通過した粒径75μm以下の状態」において、上述した平均孔径および比表面積を有するものであるので、例えば、この乾燥剤原料を更に造粒加工して作製したものであっても、上記の状態にすることにより、同一のものと特定可能である。
また、この乾燥剤原料が、平均孔径が1.7μm以上4.2μm以下である孔を有し、0.04m/g以上0.43m/g以下の比表面積を有するものであるのに対し、例えば、炭酸カルシウムのみを焼成して得られる硬焼石灰あるいは炭酸カルシウムとアルカリ金属の塩等との混合物を1000℃以下で焼成して得られる従来の乾燥剤原料(生石灰等)では、平均孔径が0.2μm〜0.5μmである無数の孔を有し、その比表面積は0.84m/g〜6.56m/gである。このように、本実施の形態の乾燥剤原料は、従来の乾燥剤原料とその平均孔径および比表面積が大きく異なっているが、同等の吸湿性を有している。
更に、この乾燥剤原料は、水との急激な反応が抑制されているものであり、30℃の環境下、質量が100g以上であるとき、その質量に対して18質量%の水との反応による発熱温度が65℃以下であるものである。従来の乾燥剤原料では環境温度が高いほどあるいは水と反応する乾燥剤原料の量(質量)が多いほど発熱温度は著しく高くなるが、本実施の形態の乾燥剤原料は、その質量が上記範囲であると共に30℃の環境下であっても発熱温度を低く抑えることができるものであり、当然のことながら30℃以下の環境下であれば発熱温度をより低く抑えることができるものである。その理由は、明確には解明はされていないが、平均孔径および比表面積を比較して、以下のように考えられる。すなわち、従来の乾燥剤原料は多孔質であることから、その内部に水が容易に浸透して急激な発熱(水和)反応が起こり、100℃を優に超え、更には280℃以上の温度にまで達するが、本実施の形態の乾燥剤原料では、各粒子が中実な構造および滑らかな表面を有していると想定することができ、この粒子の外部から水が浸透して緩やかに水和反応が起こり、この水和反応による発熱と空冷による放熱とのバランスが保たれるからである。なお、「中実」とは、上記粒子を構成する更に小さな微粒子同士が、水の分子が進入することが困難な程度にまで密接している状態を表すものである。
この乾燥剤原料は、炭酸カルシウムとアルカリ金属の炭酸塩等とを混合して混合物を作製し(混合物作製工程)、次いで、この混合物を焼成する(焼成工程)ことにより製造することができる。
具体的には、まず、混合物作製工程では、炭酸カルシウム粉末と、アルカリ金属の塩、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の硫化物、アルカリ金属の窒化物および銅の酸化物からなる群のうちの少なくとも一種とを混合して混合物を調製する。その際、炭酸カルシウム粉末の含有量を、混合物に対して80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の炭酸塩等の含有量を、混合物に対して7質量%以上20質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、アルカリ金属の炭酸塩等の含有量は、10質量%以上20質量%以下である。この含有量の範囲において、より発熱温度を低くすることができるからである。そののち、この混合物を均一になるように攪拌する。その際、溶媒などを使用しない乾式によって混合物のみを攪拌するようにしてもよく、あるいはこの混合物に溶媒を加えた湿式よって攪拌するようにしてもよい。
アルカリ金属の塩としては、アルカリ金属の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩および塩化物(塩酸の塩)からなる群のうちの少なくとも1種を用いることができる。
アルカリ金属の塩等の具体的なものとしては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ケイ酸ナトリウム(NaO・nSiO・nHO)、ケイ酸カリウム(KO・nSiO)など、アルカリ金属の水酸化物としては水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムなど、銅の酸化物としては酸化銅(I)あるいは酸化銅(II)など、アルカリ金属の硫化物としては硫化ナトリウムあるいは硫化カリウムなど、アルカリ金属の窒化物としては窒化リチウムなどがそれぞれ挙げられ、これらのうちの少なくとも1種を用いることができる。
次いで、焼成工程において、この混合物を1050℃以上、好ましくは1050℃以上1300℃以下の高い温度で焼成する。1050℃よりも低い温度あるいは1300℃よりも高い温度で焼成すると、従来と同様に、水との反応による発熱温度が100℃よりも高温の乾燥剤原料が生成するからである。
なお、ここでの「焼成」とは、炭酸カルシウムとアルカリ金属の塩等とを混合した混合物を、上述した平均孔径および比表面積を有するものとなるように上記高い温度で熱処理する方法である。このような焼成法としては、公知の手法、例えば雰囲気焼成法あるいは反応焼成法が利用可能である。
この乾燥剤原料は、例えば、造粒加工したのち、透湿性フィルムなどからなる包材内に封入することにより、高い安全性が要求される食品保存用の乾燥剤として好適に用いることができる。
このような乾燥剤原料では、上述した状態において、この乾燥剤原料が有する孔の平均孔径は1.7μm以上4.2μm以下であり、また、乾燥剤原料の比表面積が0.04m/g以上0.43m/g以下であるため、水と乾燥剤原料とが直接接触する面積が適性な大きさとなる。従って、上述した状態の乾燥剤原料の一粒子と水との急激な水和反応が抑制され、この水和反応による発熱と空冷による放熱とのバランスが保たれることにより、発熱温度を65℃以下に抑えつつ、高い吸湿性が保持される。
以下、具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−3)
以下のようにして乾燥剤原料を作製した。
まず、炭酸カルシウム(CaCO)粉末と、アルカリ金属の炭酸塩である炭酸ナトリウム(NaCO)粉末とを混合して混合物を調製した。その際、炭酸カルシウムおよび炭酸ナトリウムの含有量を異ならせた。具体的には、実施例1−1では炭酸カルシウム93質量%および炭酸ナトリウム7質量%とし、実施例1−2では炭酸カルシウム90質量%および炭酸ナトリウム10質量%とし、実施例1−3では炭酸カルシウム80質量%
および炭酸ナトリウム20質量%とした。
次いで、これらの混合物をそれぞれ均一になるように混ぜ合わせたあと、それぞれ1050℃で1焼成し、室温まで冷却することにより乾燥剤原料を得た。
また、実施例1−1〜1−3に対する比較例1として、炭酸カルシウム95質量%および炭酸ナトリウム5質量%としたことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして乾燥剤原料を作製した。
作製した実施例1−1〜1−3および比較例1の乾燥剤原料について、水銀圧入法により平均孔径および比表面積1を、また、窒素を用いたガス吸着法により比表面積2を測定した。その際、作製した乾燥剤原料を200メッシュの篩にかけてこの篩を通過した粒径75μm以下のもの(以降、本実施例において分粒物という)を用いた。これらの結果を表1に示す。
〈水銀圧入法〉
1gの分粒物を容器に入れ、この容器を測定装置(アムコ社製,ポロシメーター2000型)内にセットし、内部をほぼ真空になるまで減圧した。次いで、水銀圧入法により平均孔径および比表面積1を求めた。なお、測定装置としては、測定可能な孔径範囲が3.7nm〜7,500nmであるものを用いた。
〈窒素を用いたガス吸着法〉
1gの分粒物を専用容器に入れ、この容器を測定装置(島津製作所社製,トライスター3000型)内にセットした。次いで、窒素を用いたガス吸着法による比表面積2を求めた。なお、測定装置としては、測定可能な比表面積の範囲が0.01m/g〜4,000m/gであるものを用いた。
Figure 2006082919
表1に示した実施例1−1〜1−3の分粒物の水銀圧入法による比表面積1および窒素を用いたガス吸着法による比表面積2については、実施例1−1では、比表面積1は0.16m/g、比表面積2は0.43m/gであり、実施例1−2では、比表面積1は0.13m/g、比表面積2は0.41m/gであり、実施例1−3では、比表面積1は0.09m/g、比表面積2は0.12m/gであり、一方、比較例1の分粒物
の窒素を用いたガス吸着法による比表面積2は1.21m/gであった。
実施例1−1〜1−3の分粒物の水銀圧入法による平均孔径については、実施例1−1では平均孔径は1.7μmであり、実施例1−2では平均孔径は1.8μmであり、実施例1−3では平均孔径は3.3μmであり、一方、比較例1の分粒物の水銀圧入法による平均孔径は0.4μmであった。
また、実施例1−1〜1−3および比較例1の乾燥剤原料について、吸湿特性1および吸湿特性2を評価した。その際、作製した乾燥剤原料を2〜4mmの粒径に造粒したもの(以降、本実施例において造粒物という)を用いた。これらの結果を、吸湿特性1については図1に、吸湿特性2については図2に示す。
〈吸湿特性1〉
10gの造粒物を、透湿性フィルムからなる包材(8cm×10cm)に封入することにより乾燥剤パッケージを作製し、このときの質量(投入前の質量)を測定した。すなわち、この乾燥剤パッケージを温度25℃で湿度80%の恒温恒湿器中に投入し、24時間毎に乾燥剤パッケージの質量を測定し、毎回測定される質量から投入前の質量を差し引いて得られる吸湿量の経時変化を求めることにより、吸湿特性1の評価を行った。
〈吸湿特性2〉
10gの造粒物を和紙で包んだ乾燥剤パッケージと、温度および湿度を測定するためのデーターロガーとをポリプロピレン製の包材(8cm×10cm)に入れて密封した。次いで、この包材を温度25℃および湿度80%の恒温恒湿機内に投入し、包材内の湿度の経時変化を求めることにより、吸湿特性2の評価を行った。
炭酸カルシウムと炭酸ナトリウムとの混合物を1050℃で焼成して作製した実施例1−1〜1−3の造粒物では、図1に示したように、吸湿量の経時変化は比較例1のものと同様の傾向を示し、比較例1よりも吸湿量が上回る結果が得られた。
また、実施例1−1〜1−3では、図2に示したように、湿度の経時変化において、比較例1と同様の傾向が得られ、従来の乾燥剤原料と同等の吸湿特性を有していることが明らかとなった。
更に、実施例1−1〜1−3および比較例1の乾燥剤原料について、発熱特性を評価した。その際、吸湿特性1,2の評価に用いたものと同様のもの、すなわち、粒径2mm〜4mmの造粒物を用いた。これらの結果を図3に示し、発熱温度(発熱時の最高温度)を表1に合せて示す。
〈発熱特性〉
30℃の環境中において、100gの造粒物と水温30℃の水18g、すなわち、100gの造粒物(乾燥剤原料)に対して18質量%の水を鉄製の容器に入れて乾燥剤原料の温度を測定した。そののち、12時間経過するまで5分毎に造粒物の温度を測定し、その経時変化を求めることにより発熱特性の評価を行った。
80質量%以上93質量%以下の炭酸カルシウムと7質量%以上20質量%以下の炭酸ナトリウムとの混合物を1050℃で焼成して作製した実施例1−1〜1−3の造粒物では、図3に示したように、測定開始から360分までの最高温度は65℃以下に留まり、これ以降は30℃程度で一定に保たれた。これに対し、95質量%の炭酸カルシウムと5質量%の炭酸ナトリウムとの混合物を用いて作製した比較例1の乾燥剤原料では、発熱温度(発熱時の最高温度)は195℃にまで達した。
以上により、炭酸カルシウムの含有量を80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の炭酸塩の含有量を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を1050℃の温度で焼成して得られた実施例1−1〜1−3の乾燥剤原料は、所定の平均孔径の孔およびの比表面積を有していることにより、高い吸湿特性を有し、また、水との急激な反応および高熱の発生を抑制することができることが分かった。具体的には、30℃の環境下、乾燥剤原料の質量が100g以上であるとき、それに対して18質量%の水との反応による発熱温度を65℃以下に抑制することができることが分かった。
(実施例2−1〜2−3)
実施例2−1〜2−3として、実施例1−1〜1−3と同様の混合物を作製し、焼成温度を1150℃、焼成時間を1時間として、乾燥剤原料を作製した。また、実施例2−1〜2−3に対する比較例2として、95質量%の炭酸カルシウムと5質量%の炭酸ナトリウムとの混合物を用いたことを除き、他は実施例2−1〜2−3と同様にして乾燥剤原料を作製した。
作製した実施例2−1〜2−3および比較例2の乾燥剤原料について、実施例1−1〜1−3と同様に、水銀圧入法により平均孔径および比表面積1を、また、窒素を用いたガス吸着法により比表面積2を測定した。本実施例およびそれに対する比較例の乾燥剤原料についても、実施例1−1〜1−3と同様に、200メッシュの篩にかけてこの篩を通過した粒径75μm以下の状態のもの(以降、本実施例において分粒物という)を用いた。これらの結果を表2に示す。
Figure 2006082919
実施例2−1では、比表面積1は0.11m/g、比表面積2は0.39m/g、実施例2−2では、比表面積1は0.1m/g、比表面積2は0.37m/g、実施例2−3では、比表面積1は0.04m/g、比表面積2は0.11m/gであり、一方、比較例2の比表面積2は0.95m/gであった。
実施例2−1〜2−3の分粒物の水銀圧入法による平均孔径については、実施例2−1では1.8μm、実施例2−2では1.9μm、実施例2−3では3.6μmであった。一方、比較例2の分粒物の平均孔径は0.4μmであった。
また、実施例2−1〜2−3および比較例2の乾燥剤原料についも、実施例1−1〜1−3と同様に、吸湿特性1および吸湿特性2を評価した。本実施例およびそれに対する比較例の乾燥剤原料についても、実施例1−1〜1−3と同様に、粒径2mm〜4mmの造粒物を用いた。これらの結果を、吸湿特性1については図4に、吸湿特性2については図5に示す。
炭酸カルシウムと炭酸ナトリウムとの混合物を1150℃で焼成して作製した実施例2−1〜2−3の乾燥剤原料では、図4に示したように、吸湿量の経時変化は比較例2のものと同様の傾向を示し、比較例2よりも吸湿量が上回る結果が得られた。
また、実施例2−1〜2−3では、図5に示したように、湿度の経時変化において、比較例2と同様の傾向が得られ、従来の乾燥剤原料と同等の吸湿特性を有していることが明らかとなった。
更に、実施例2−1〜2−3および比較例2の乾燥剤原料について、実施例1−1〜1−3と同様に、発熱特性を評価した。その際、吸湿特性1,2の評価に用いたものと同様のもの、すなわち、粒径2mm〜4mmの造粒物を用いた。これらの結果を図6に示し、発熱温度(発熱時の最高温度)を表2に併せて示す。
80質量%以上93質量%以下の炭酸カルシウムと7質量%以上20質量%以下の炭酸ナトリウムとの混合物を1150℃で焼成して作製した実施例2−1〜2−3の造粒物では、図6に示したように、測定開始から30分までの最高温度は47℃以下に留まり、30℃程度で一定に保たれた。これに対し、95質量%の炭酸カルシウムと5質量%の炭酸ナトリウムとの混合物を用いて作製した比較例2の造粒物では、発熱温度(発熱時の最高温度)は186℃まで達した。
以上により、炭酸カルシウムの含有量を80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の炭酸塩の含有量を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を1150℃の温度で焼成して得られた実施例2−1〜2−3の乾燥剤原料は、所定の平均孔径の孔およびの比表面積を有していることにより、高い吸湿特性を有していることが分かり、また、水との急激な反応および高熱の発生を抑制、具体的には、30℃の環境下、乾燥剤原料の質量が100g以上であるとき、その質量に対して18質量%の水との反応による発熱温度を47℃以下に抑制することができることが分かった。
(実施例3−1〜3−3)
実施例3−1〜3−3として、実施例1−1〜1−3と同様の混合物を作製し、温度を1300℃、1時間焼成することにより、乾燥剤原料を作製した。また、実施例3−1〜3−3に対する比較例3として、95質量%の炭酸カルシウムと5質量%の炭酸ナトリウムとの混合物を用いたことを除き、他は実施例3−1〜3−3と同様にして乾燥剤原料を作製した。
作製した実施例3−1〜3−3および比較例3の乾燥剤原料について、実施例1−1〜1−3と同様に、水銀圧入法により平均孔径および比表面積1を、また、窒素を用いたガス吸着法により比表面積2を測定した。本実施例およびそれに対する比較例の乾燥剤原料についても、実施例1−1〜1−3と同様に、200メッシュの篩にかけてこの篩を通過した粒径75μm以下の状態のもの(以降、本実施例において分粒物という)を用いた。これらの結果を表3に示す。
Figure 2006082919
実施例3−1では、比表面積1は0.13m/g、比表面積2は0.33m/g、実施例3−2では、比表面積1は0.11m/g、比表面積2は0.3m/g、実施例3−3では、比表面積1は0.06m/g、比表面積2は0.09m/gであり、一方、比較例3の比表面積2は0.84m/gであった。
実施例3−1〜3−3の分粒物の水銀圧入法による平均孔径については、実施例3−1では1.9μm、実施例3−2では2.1μm、実施例3−3では4.2μmであった。一方、比較例3の分粒物の平均孔径は0.5μmであった。
また、作製した実施例3−1〜3−3および比較例3の乾燥剤原料についも、実施例1−1〜1−3と同様に、吸湿特性1および吸湿特性2を評価した。本実施例およびそれに対する比較例の乾燥剤原料についても、実施例1−1〜1−3と同様に、粒径2mm〜4mmの造粒物を用いた。これらの結果を、吸湿特性1については図7に、吸湿特性2については図8に示す。
炭酸カルシウムと炭酸ナトリウムとの混合物を1300℃で焼成して作製した実施例3−1〜3−3の造粒物では、図7に示したように、吸湿量の経時変化は比較例3のものと同様の傾向を示した。
また、実施例3−1〜3−3では、図8に示したように、湿度の経時変化において、比較例3の特性に徐々に近づく傾向が見られた。
更に、作製した実施例3−1〜3−3および比較例3の乾燥剤原料について、実施例1−1〜1−3と同様に、発熱特性を評価した。その際、吸湿特性1,2の評価に用いたものと同様のもの、すなわち、粒径2mm〜4mmの造粒物を用いた。これらの結果を図9に示し、発熱温度(発熱時の最高温度)を表3に併せて示す。
80質量%以上93質量%以下の炭酸カルシウムと7質量%以上20質量%以下の炭酸ナトリウムとの混合物を1300℃で焼成して作製した実施例3−1〜3−3の造粒物では、図9に示したように、測定開始から390分までの最高温度は63℃以下に留まり、これ以降は30℃程度で一定に保たれた。これに対し、95質量%の炭酸カルシウムと5質量%の炭酸ナトリウムとの混合物を用いて作製した比較例3の乾燥剤原料では、発熱温度(発熱時の最高温度)は221℃にまで達した。
以上により、炭酸カルシウムの含有量を80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の炭酸塩の含有量を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を1300℃の温度で焼成して得られた実施例3−1〜3−3の乾燥剤原料は、所定の平均孔径の孔およびの比表面積を有していることにより、高い吸湿特性を有していることが分かり、また、水との急激な反応および高熱の発生を抑制、具体的には、30℃の環境下、乾燥剤原料の質量が100g以上であるとき、その質量に対して18質量%の水との反応による発熱温度を63℃以下に抑制することができることが分かった。
(実施例1−1〜1−3、実施例2−1〜2−3および実施例3−1〜3−3の総括)
また、実施例1−1〜1−3、実施例2−1〜2−3および実施例3−1〜3−3に対する比較例4−1〜4−4として、焼成温度を1000℃としたことを除き、比較例4−1〜4−3については実施例1−1〜1−3と同様にして乾燥剤原料を作製し、比較例4−4については比較例1と同様にして乾燥剤原料を作製した。
作製した比較例4−1〜4−4の乾燥剤原料について、実施例1−1〜1−3と同様に、水銀圧入法により比表面積1(比較例4−2については平均孔径も測定)を、また、窒素を用いたガス吸着法により比表面積2を測定した。比較例4−1〜4−4の乾燥剤原料についても、実施例1−1〜1−3と同様に、200メッシュの篩にかけてこの篩を通過した粒径75μm以下の状態のもの(以降、本実施例において分粒物という)を用いた。これらの結果を表4に示す。
Figure 2006082919
表1ないし表3と表4とを比較すると明らかなように、実施例1−1〜1−3、実施例2−1〜2−3および実施例3−1〜3−3の分粒物、すなわち本発明の分粒物の比表面積1は0.04m/g以上0.16m/g以下、比表面積2は0.09m/g以上0.43m/g以下であることから、本発明の分粒物は、0.04m/g以上0.43m/g以下の比表面積を有し、一方、比較例1ないし比較例3および比較例4−1〜4−4の分粒物の比表面積2は、いずれも本発明の分粒物の比表面積よりも遥かに大きいことが分かった。
本発明の分粒物の平均孔径については、1.7μm以上4.2μm以下であり、一方、比較例1ないし比較例3および比較例4−1〜4−4の分粒物の平均孔径は、いずれも本発明の分粒物の平均孔径よりも遥かに小さいことが分かった。
また、作製した比較例4−1〜4−4の乾燥剤原料について、実施例1−1〜1−3と同様に発熱特性を評価した。その際、粒径2mm〜4mmの造粒物を用いた。このときの発熱温度(発熱時の最高温度)を表4に併せて示す。
炭酸カルシウムと炭酸ナトリウムとの混合物を1000℃で焼成して作製した比較例4−1〜4−4の乾燥剤原料では、表4に示したように、炭酸ナトリウム等の含有量に関係なく、発熱時の最高温度は174℃〜284℃まで達した。
また、非特許文献1との比較のために、実施例1−1〜1−3、実施例2−1〜2−3および実施例3−1〜3−3に対する比較例5−1〜5−3として、ベースとなる消石灰に、比較例5−1では硝酸カリウム(KNO)10質量%、比較例5−2では水酸化ナトリウム(NaOH)5質量%、比較例5−3では炭酸ナトリウム(NaCO)5質量%を添加した混合物を使用し、焼成温度を1000℃に設定したことを除き、上記実施例と同様にして乾燥剤原料を作製した。比較例5−1〜5−3の乾燥剤原料を用いて造粒物を作製し、100gの造粒物に対して水18gを加えた場合の発熱時の最高温度と20gの造粒物に対して水20gを加えた場合の発熱時の最高温度を測定し、結果を表5に示した。また、非特許文献1に記載の結果(5gの造粒物に対して10gの水を加えた場合の発熱時の最高温度)についても示した。
Figure 2006082919
表5に示したように、従来からよく用いられている消石灰をベースとして1000℃で焼成した場合は、100gの造粒物に対して水18gを加えた場合、106℃〜174℃にまで最高温度が達してしまうことがわかる。また、20gの造粒物に対して水20gを加えた場合では、86℃〜102℃となり、非特許文献1に記載の結果よりも大幅に上昇してしまうことがわかる。これは、乾燥剤原料に対する水の比率が、発熱に大きく影響することを示している。すなわち、乾燥剤原料は、水と反応する乾燥剤原料の量(質量)が多いほど発熱温度が著しく高くなり、特に乾燥剤原料100gに対して水18gが添加されるという条件下では、非常に発熱し易いということを示している。
さらに、非特許文献2との比較のために、上記実施例に対する参考例1−1〜1−3として、95質量%の炭酸カルシウムに、参考例1−1では硝酸ナトリウム(NaNO3 )5質量%、参考例1−2では硫酸ナトリウム(NaSO4 )5質量%、参考例1−3では炭酸ナトリウム5質量%をそれぞれ添加した混合物を使用し、焼成温度を900℃に設定したことを除き、上記実施例と同様にして乾燥剤原料を作製した。参考例1−1〜1−3の乾燥剤原料を用いて造粒物を作製し、100gの造粒物に対して水18gを加えた場合の発熱時の最高温度に達するまでの時間と、20gの造粒物に対して水20gを加えた場合の発熱時の最高温度に達するまでの時間を求め、結果を表6に示した。また、非特許文献2に記載の結果(10gの造粒物に対して50gの水を加えた場合の発熱時の最高温度に達するまでの時間)についても示した。
Figure 2006082919
表6に示したように、100gの造粒物に対して水18gを加えた場合、20gの造粒物に対して水20gを加えた場合には、最高温度に達するまでの時間は10〜15分となり、非特許文献2に記載の結果よりも非常に短くなることがわかった。この結果から、乾燥剤原料は、水と反応する乾燥剤原料の量(質量)が多いほど短時間で急激に温度が上昇することがわかり、乾燥剤原料に対する水の比率が発熱に大きく影響することが示された。
以上により、炭酸カルシウムの含有量を80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の炭酸塩の含有量を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を、1050℃以上、好ましくは1050℃以上1300℃以下の温度で焼成することにより、200メッシュの篩を通過した粒径75μm以下の状態において、比表面積が0.04m/g以上0.43m/g以下、平均孔径が1.7μm以上4.2μm以下である乾燥剤原料を作製することができることが分かり、また、この乾燥剤原料は、高い吸湿特性を有すると共に、水との急激な反応および高熱の発生を抑制、具体的には、30℃の環境下、乾燥剤原料の質量が100g以上であるとき、その質量に対して18質量%の水との反応による発熱温度を65℃以下に抑制することができることが分かり、食品保存用の乾燥剤原料として安心して使用することができるものであることが分かった。
本発明による乾燥剤原料は、炭酸カルシウムを80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の化合物を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を、1050℃以上の温度で焼成することにより得られたもので、30℃の環境下、質量が100gであるとき、前記質量に対して18質量%の水との反応による発熱温度が65℃以下であるものである。
本発明による乾燥剤原料の製造方法は、炭酸カルシウムを80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の化合物を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を作製する混合物作製工程と、前記混合物を1050℃以上の温度で焼成する焼成工程とを含むものであり、これにより上記本発明の乾燥剤原料を得ることができる。
また、本発明の乾燥剤原料の製造方法によれば、炭酸カルシウムを80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の化合物を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を作製する混合物作製工程と、前記混合物を1050℃以上の温度で焼成する焼成工程とを含むようにしたので、上記した本発明の乾燥剤原料を容易に製造することができる。
アルカリ金属の化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのうちの少なくとも1種を用いることができる。
本発明による乾燥剤原料は、炭酸カルシウムを80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の塩またはアルカリ金属の水酸化物を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を、1050℃以上の温度で焼成することにより得られたもので、30℃の環境下、質量が100gであるとき、前記質量に対して18質量%の水との反応による発熱温度が65℃以下であるものである。
本発明による乾燥剤原料の製造方法は、炭酸カルシウムを80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の塩またはアルカリ金属の水酸化物を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を作製する混合物作製工程と、前記混合物を1050℃以上の温度で焼成する焼成工程とを含むものであり、これにより上記本発明の乾燥剤原料を得ることができる。
また、本発明の乾燥剤原料の製造方法によれば、炭酸カルシウムを80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の塩またはアルカリ金属の水酸化物を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を作製する混合物作製工程と、前記混合物を1050℃以上の温度で焼成する焼成工程とを含むようにしたので、上記した本発明の乾燥剤原料を容易に製造することができる。
アルカリ金属のとしては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムのうちの少なくとも1種、アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのうちの少なくとも1種を用いることができる。

Claims (10)

  1. 30℃の環境下、質量が100g以上であるとき、前記質量に対して18質量%の水との反応による発熱温度が65℃以下である
    ことを特徴とする乾燥剤原料。
  2. 200メッシュの篩を通過する粒径75μm以下の状態において、平均孔径が1.7μm以上4.2μm以下である孔を有する
    ことを特徴とする乾燥剤原料。
  3. 200メッシュの篩を通過する粒径75μm以下の状態において、0.04m/g以上0.43m/g以下の比表面積を有する
    ことを特徴とする乾燥剤原料。
  4. 炭酸カルシウムを80質量%以上93質量%以下、アルカリ金属の塩、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の硫化物、アルカリ金属の窒化物および銅の酸化物からなる群のうちの少なくとも1種を7質量%以上20質量%以下で含む混合物を作製する混合物作製工程と、
    前記混合物を1050℃以上の温度で焼成する焼成工程と
    を含むことを特徴とする乾燥剤原料の製造方法。
  5. 前記アルカリ金属の塩は、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ金属の硝酸塩およびアルカリ金属の塩化物からなる群のうちの少なくとも1種を含む
    ことを特徴とする請求項4記載の乾燥剤原料の製造方法。
  6. 前記アルカリ金属の塩は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムからなる群のうちの少なくとも1種を含む
    ことを特徴とする請求項4記載の乾燥剤原料の製造方法。
  7. 前記アルカリ金属の水酸化物は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのうちの少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする請求項4記載の乾燥剤原料の製造方法。
  8. 前記銅の酸化物として酸化銅(I)および酸化銅(II)のうちの少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする請求項4記載の乾燥剤原料の製造方法。
  9. 前記アルカリ金属の硫化物として硫化ナトリウムおよび硫化カリウムのうちの少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする請求項4記載の乾燥剤原料の製造方法。
  10. 前記アルカリ金属の窒化物として窒化リチウムを含む
    ことを特徴とする請求項4記載の乾燥剤原料の製造方法。
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