JPWO2006082894A1 - 送信装置及び無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

送信出力信号(S6)の電力レベルが大きくなる第1モードでは、掛算器(2)の出力が振幅変調信号増幅器(4)へ入力され、振幅変調信号増幅器(4)からの電源電圧によって高周波電力増幅器(5)で非線形領域を用いた高周波位相変調信号(S4)の振幅変調が行われる。送信出力信号(S6)の電力レベルが小さくなる第2モードでは、掛算器(2)の出力が可変利得増幅器(7)へ入力され、可変利得増幅器(7)において高周波位相変調信号(S4)の振幅変調が行われる。振幅変調された信号は、高周波電力増幅器(5)を通過することなく出力される。

Description

本発明は、送信信号を電力増幅して出力する送信装置、及びこの送信装置を用いた無線通信装置に関する。
従来、包絡線変動成分を含む変調信号を増幅する高周波電力増幅器には、包絡線変動成分を線形に増幅するために、A級又はAB級の線形増幅器が用いられてきた。このA級又はAB級の線形増幅器は、線形性に優れている反面、直流バイアス成分に伴う電力を常時消費しているために、C級〜E級等の非線形増幅器に比べて電力効率が低い。このため、このような電力消費量が多い高周波電力増幅器を、電池を電源とする携帯型の無線機に適用した場合、使用時間が短くなってしまうという問題があった。また、大電力の送信装置を複数設置する無線システムの基地局装置に適用した場合においては、装置の大型化や発熱量の増大を招いていた。
そこで、ポーラ変調を用いて高効率化を図る方法が従来より提案されている。図11は、ポーラ変調方式を用いた従来の送信装置の構成を示すブロック図である。図11において、この従来の送信装置は、振幅位相分離部61と、振幅変調信号増幅器62と、周波数シンセサイザ63と、非線形増幅器である高周波電力増幅器64とを備える。
振幅位相分離部61は、入力されるベースバンド変調信号S10を、ベースバンド振幅変調信号S11とベースバンド位相変調信号S12とに分離する。振幅変調信号増幅器62は、ベースバンド振幅変調信号S11に所定の増幅を行った後、電源電圧として高周波電力増幅器64に供給する。周波数シンセサイザ63は、ベースバンド位相変調信号S12で搬送波信号を位相変調することによって得られる高周波位相変調信号S13を、高周波電力増幅器64に送出する。これにより、高周波電力増幅器64は、ベースバンド振幅変調信号S11に応じた電源電圧のもとで、高周波位相変調信号S13を増幅して送信出力信号S14として出力する。
次に、このポーラ変調方式を用いた送信装置の動作を説明する。まず、ベースバンド変調信号S10をSi(t)とすると、Si(t)は、次式(1)で表される。なお、a(t)は振幅データを、exp[jφ(t)]は位相データを、それぞれ示す。
Si(t)=a(t)exp[jφ(t)] … (1)
振幅位相分離部61によって、Si(t)から振幅データa(t)と位相データexp[jφ(t)]とが抽出される。ここで、振幅データa(t)はベースバンド振幅変調信号S11に、位相データexp[jφ(t)]はベースバンド位相変調信号S12に、それぞれ対応する。振幅データa(t)は、振幅変調信号増幅器62で増幅されて高周波電力増幅器64に与えられる。これにより、高周波電力増幅器64の電源電圧値が、振幅データa(t)に基づいて設定される。
周波数シンセサイザ63は、搬送波角周波数ωcを位相データexp[jφ(t)]で変調した高周波位相変調信号S13を生成し、これが高周波電力増幅器64に入力される。ここで、高周波位相変調信号S13を信号Scとすると、信号Scは次式(2)で表される。
Sc=exp[ωct+φ(t)] … (2)
そして、高周波電力増幅器64に非線形増幅器を用いることで、この高周波電力増幅器64の電源電圧値a(t)と周波数シンセサイザ63の出力信号とを掛け合わせた信号が利得Gだけ増幅されて生成される送信出力信号S14が、高周波電力増幅器64から出力される。ここで、送信出力信号S14をRF信号Srfとすると、RF信号Srfは次式(3)で表される。
Srf=Ga(t)Sc=Ga(t)exp[ωct+φ(t)] … (3)
この高周波電力増幅器64に入力される信号は、振幅方向の変動成分を持たない位相変調信号であるため定包絡線信号となる。従って、高周波電力増幅器64として効率の良い非線形増幅器を使用できるので、高効率の送信装置を提供することができる。この種のポーラ変調方式を用いた技術は、例えば特許文献1又は特許文献2に記載されている。
特許第3207153号明細書 特開2001−156554号公報 米国特許第6191653号明細書
しかしながら、上述したポーラ変調方式を用いた従来の送信装置では、高周波電力増幅器64を非線形増幅器として使用し、電源電圧に応じた出力飽和状態で使用するため、高周波電力増幅器64の入力レベルをある程度大きくする必要がある。しかし、入力レベルを大きくした場合、高周波電力増幅器64の入力から出力にリークする電力や、低い電源電圧でのトランジスタの動作限界等により、特に低出力レベルの送信出力信号を得ることが困難になるという課題があった。
それ故に、本発明の目的は、電力効率が良好で、かつ、低出力レベルから高出力レベルまで送信出力レベルの制御範囲が広い、送信装置及びこの送信装置を用いた無線通信装置を提供することである。
本発明は、ポーラ変調を用いた送信装置、及び送信信号をアンテナから送信する無線通信装置に向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の送信装置は、振幅位相分離部、周波数シンセサイザ、掛算器、第1〜第4の切り替え部、振幅変調信号増幅器、可変利得増幅器、及び高周波電力増幅器を備えている。また、本発明の無線通信装置は、上記送信装置を備え、送信信号を電力増幅してアンテナに出力することを特徴とする。
振幅位相分離部は、入力するベースバンド変調信号を、ベースバンド振幅変調信号とベースバンド位相変調信号とに分離する。周波数シンセサイザは、ベースバンド位相変調信号によって高周波搬送信号に位相変調を施し、高周波位相変調信号を生成する。掛算器は、ベースバンド振幅変調信号に所定の値を掛ける。第1及び第2の切り替え部は、掛算器から出力される掛算されたベースバンド振幅変調信号と所定の直流電圧信号とをそれぞれ入力し、いずれか1つの信号を切り替えて出力する。振幅変調信号増幅器は、第1の切り替え部から出力される信号に基づいた電源電圧を供給する。可変利得増幅器は、第2の切り替え部から出力される信号に応じて、周波数シンセサイザで生成された高周波位相変調信号を増幅する。高周波電力増幅器は、可変利得増幅器で増幅された高周波位相変調信号を、振幅変調信号増幅器から供給される電源電圧を用いて電力増幅する。第3及び第4の切り替え部は、高周波電力増幅器の前後に配置され、可変利得増幅器で増幅された高周波位相変調信号を、高周波電力増幅器を通過させて出力させるか、通過させないで出力させるかを、切り替える。そして、これらの構成を用いて、第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルに応じて、第1〜第4の切り替え部の切り替えを制御する。
典型的には、第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルが、第1の所定値より大きくなる第1モードの場合には、第1の切り替え部が掛算されたベースバンド振幅変調信号の出力に、第2の切り替え部が直流電圧信号の出力に、かつ第3及び第4の切り替え部が高周波電力増幅器を通過させて出力させる経路に、それぞれ切り替える。また、第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルが、第2の所定値より小さくなる第2モードの場合には、第1の切り替え部が直流電圧信号の出力に、第2の切り替え部が掛算されたベースバンド振幅変調信号の出力に、かつ第3及び第4の切り替え部が高周波電力増幅器を通過させないで出力させる経路に、それぞれ切り替える。
好ましくは、第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルが、第1の所定値以下かつ第2の所定値以上になる第3モードの場合には、第1の切り替え部が直流電圧信号の出力に、第2の切り替え部が掛算されたベースバンド振幅変調信号の出力に、かつ第3及び第4の切り替え部が高周波電力増幅器を通過させて出力させる経路に、それぞれ切り替える。
なお、上述した可変利得増幅器は、周波数シンセサイザで生成された高周波位相変調信号を増幅する増幅器と、増幅器で増幅された高周波位相変調信号と第2の切り替え部から出力される信号とを乗算する掛算器とで、構成されてもよい。
また、モードの切り替え時に、信号位相及び信号振幅を連続的に変化させるための位相補正情報及び振幅補正情報を、第1〜第3モード毎に保持する位相補正部及び振幅補正部をさらに備えて、周波数シンセサイザにおいて位相補正情報に基づいた高周波位相変調信号の位相補正を、可変利得増幅器において振幅補正情報に基づいた高周波位相変調信号の振幅補正を行ってもよい。
また、モードの切り替えに、ヒステリシスを持たせて行ってもよい。
さらには、第3及び第4の切り替え部によって形成される、高周波位相変調信号を高周波電力増幅器を通過させないで出力させる経路上に、減衰器を挿入してもよい。
本発明の送信装置によれば、高周波電力増幅器の出力電力レベルに応じて複数の動作モードの中から最適な動作モードを選択し、高周波電力増幅器の入力から出力へのリークを最適に制御する。これにより、電力効率及び線形性の優れた電力増幅を行うことができ、送信出力電力の制御範囲を高レベルから低レベルまで広くとることができる。また、動作モードの切り替えに伴う出力信号の振幅及び位相の不連続変化を防いで連続的に変化させるので、切り替えに伴う過渡的なスペクトルの拡がり等の弊害を抑制することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る送信装置の概略構成を示すブロック図 図2は、本発明の送信装置によって切り替えられる動作モードの例を示す図 図3は、非線形増幅器として用いた高周波電力増幅器5の回路構成を説明する図 図4は、非線形増幅器として用いた高周波電力増幅器5の動作を説明する図 図5は、本発明の第2の実施形態に係る送信装置の概略構成を示すブロック図 図6は、第2の実施形態に係る送信装置が図2の動作モードを切り替える方法を示すフローチャート 図7は、第2の実施形態に係る送信装置が図2の動作モードを切り替える時のヒステレシス特性を示す図 図8Aは、本発明の送信装置による送信出力信号の振幅の連続的な変化を説明する図 図8Bは、本発明の送信装置による送信出力信号の位相の連続的な変化を説明する図 図9Aは、本発明の第2の実施形態に係る送信装置に基づいた他の概略構成を示すブロック図 図9Bは、本発明の第2の実施形態に係る送信装置に基づいた他の概略構成を示すブロック図 図10は、本発明の送信装置を含む無線通信装置の概略構成を示すブロック図 図11は、従来の送信装置の概略構成を示すブロック図
符号の説明
1、61 振幅位相分離部
2、17 掛算器
3、8、9、14 切り替え部
4、62 振幅変調信号増幅器
5、64 高周波電力増幅器
6、63 周波数シンセサイザ
7 可変利得増幅器
11 位相補正部
12 振幅補正部
15 制御部
16 増幅器
20 無線通信装置
21 送信装置
22 受信装置
23 送受切り替え部
24 アンテナ
50 非線形増幅器
51 寄生容量
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るポーラ変調方式を用いた送信装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、第1の実施形態に係る送信装置は、振幅位相分離部1と、掛算器2と、振幅変調信号増幅器4と、高周波電力増幅器5と、周波数シンセサイザ6と、可変利得増幅器7と、制御部15と、第1〜第4の切り替え部3、8、9及14とを備えている。
振幅位相分離部1は、入力するベースバンド変調信号S1を、ベースバンド振幅変調信号S2とベースバンド位相変調信号S3とに分離する。掛算器2は、ベースバンド振幅変調信号S2と、制御部15から与えられる平均出力レベル指定信号SLとを、乗算する。第1の切り替え部3は、制御部15から与えられるモード切替信号SMに基づいて、掛算器2の出力信号又は制御部15の直流電圧信号SVのいずれかを選択して、振幅変調信号増幅器4へ出力する。振幅変調信号増幅器4は、第1の切り替え部3で選択された信号に応じた電源電圧を、高周波電力増幅器5へ供給する。周波数シンセサイザ6は、搬送波信号をベースバンド位相変調信号S3で位相変調して、高周波位相変調信号S4を生成する。第2の切り替え部8は、モード切替信号SMに基づいて、掛算器2の出力信号又は制御部15の直流電圧信号SVのいずれかを選択して、利得制御信号S5として可変利得増幅器7へ出力する。可変利得増幅器7は、第2の切り替え部8が出力する利得制御信号S5に応じて、周波数シンセサイザ6で生成された高周波位相変調信号S4の利得制御を行う。高周波電力増幅器5は、振幅変調信号増幅器4から与えられる電源電圧に従って、可変利得増幅器7から入力する信号を電力増幅して、送信出力信号S6として出力する。第3及び第4の切り替え部9及び14は、モード切替信号SMに基づいて、可変利得増幅器7の出力信号を高周波電力増幅器5へ入力するか、入力せずに通過させるかを切り替える。この第4の切り替え部14は、スイッチ機能を有してさえいればその形態は問わない。例えば、FETスイッチやダイオードスイッチ等の他、分岐点から見たインピーダンスが高くなる伝送線路であってもよい。
制御部15は、高周波電力増幅器5の動作モードを決定し、この決定した動作モードに対応した回路になるように接続状態を制御する。この動作モードは、例えば無線基地局から指定される又は送信装置における受信信号の状態に基づく送信電力レベルと、高周波電力増幅器5の特性とに、応じて決定される。典型的には、電力効率の観点から、送信出力信号S6の電力レベルが大きくなる場合は、高周波電力増幅器5が非線形増幅器となる動作モードが、送信出力信号S6の電力レベルが小さくなる場合(高周波電力増幅器5が非線形増幅器として動作可能な範囲から外れる場合)は、高周波電力増幅器5が線形増幅器となる動作モードが、それぞれ望ましい。この動作モードを切り替えるための信号が、モード切替信号SMである。例えば、2ビットのモード切替信号を用いて、送信電力レベルが大である場合には「01」、送信電力レベルが小である場合には「10」を出力することが考えられる。平均出力レベル指定信号SLは、送信装置から出力される信号の平均電力レベルを指定するための信号である。直流電圧信号SVは、振幅変調信号増幅器4及び可変利得増幅器7の利得を制御するための固定電圧である。なお、この制御部15は、送信装置の内部又は外部のいずれに設けてもよい。
以下、上記構成による第1の実施形態に係る送信装置の動作を、送信出力信号S6の電力レベルが大(第1モード)、送信出力信号S6の電力レベルが中(第3モード)、送信出力信号S6の電力レベルが小(第2モード)の3つの動作モードがある場合を一例に挙げて、説明する(図2を参照)。
(1)第1モード
送信出力信号S6の電力レベルが大きくなる場合には、高周波電力増幅器5を飽和動作領域又はスイッチング動作領域の非線形増幅器として動作させるために、制御部15によって第1モードが選択される。この第1モードでは、第1及び第2の切り替え部3及び8がそれぞれ「端子b」に、第3及び第4の切り替え部9及14がそれぞれ「端子a」に接続される。また、掛算器2には、第1モードに応じた平均出力レベル指定信号SLが出力される。
まず、振幅位相分離部1において分離されたベースバンド振幅変調信号S2は、掛算器2において平均出力レベル指定信号SLと掛け合わされる。この掛け合わされた乗算信号は、第1の切り替え部3を通って振幅変調信号増幅器4へ出力される。振幅変調信号増幅器4は、入力される乗算信号を増幅した後、電源電圧として高周波電力増幅器5へ出力する。高周波電力増幅器5は、この電源電圧を用いて、入力される位相変調信号の振幅変調を行う。なお、高周波電力増幅器5に与える電源電圧をベースバンド振幅変調信号S2のレベルに応じて高効率に生成するためには、振幅変調信号増幅器4は、パルス幅で振幅情報を表すD級増幅器を用いることが好ましい。
一方、振幅位相分離部1において分離されたベースバンド位相変調信号S3は、周波数シンセサイザ6において搬送波信号を位相変調するために用いられる。この位相変調によって生成された高周波位相変調信号S4は、可変利得増幅器7へ出力される。可変利得増幅器7は、利得制御信号S5に基づいて、高周波位相変調信号S4を増幅(又は減衰)する。この利得制御信号S5は、第2の切り替え部8を介して供給される固定の直流電圧信号SVであるため、可変利得増幅器7から出力される信号は、振幅方向の変動成分を持たない位相変調信号である定包絡線信号となる。そして、この定包絡線信号は、第3の切り替え部9を通って、高周波電力増幅器5にて電源電圧による振幅変調が施された後、第4の切り替え部14を通って送信出力信号S6として出力される。
図3及び図4は、非線形増幅器として用いた高周波電力増幅器5の回路構成及び動作を説明する図である。図3に示すように、高周波電力増幅器5は、入出力間に寄生容量51が接続された非線形増幅器50と捉えることができる。この非線形増幅器50では、所定の電源電圧を越えると、電源電圧の二乗と出力電力とが比例することがわかる(横軸は対数軸である)。そして、この図3及び図4から、リーク電力の大きさが、寄生容量51と非線形増幅器50の入力信号のレベル(可変利得増幅器7の出力信号のレベル)とによって定められることが分かる。
ここで、可変利得増幅器7を設けない場合について考えると、周波数シンセサイザ6の出力はほぼ一定であるから、リーク電力も一定となる。その場合、送信出力信号S6のレベルを下げるためには、非線形増幅器50の電源電圧を下げればよいが、リーク電力に制限され、一定値よりレベルを下げることができない。
これに対して、第1の実施形態では、利得制御信号S5によって可変利得増幅器7の利得を制御して、高周波電力増幅器5に入力される位相変調信号のレベルを制御する。これにより、リーク電力を低減させることが可能となる。従って、高周波電力増幅器5において、電源電圧による出力電力の制御範囲(ダイナミックレンジ)を拡大させることができる。
(2)第2モード
送信出力信号S6の電力レベルが小さくなる場合には、高周波電力増幅器5を非飽和動作領域の線形増幅器として動作させるために、制御部15によって第2モードが選択される。この第2モードでは、第1及び第2の切り替え部3及び8がそれぞれ「端子a」に、第3及び第4の切り替え部9及14がそれぞれ「端子b」に接続される。また、掛算器2には、第2モードに応じた平均出力レベル指定信号SLが出力される。
振幅位相分離部1において分離されたベースバンド位相変調信号S3は、周波数シンセサイザ6において搬送波信号を位相変調するために用いられる。この位相変調によって生成された高周波位相変調信号S4は、可変利得増幅器7へ出力される。また、振幅位相分離部1において分離されたベースバンド振幅変調信号S2は、掛算器2において平均出力レベル指定信号SLと掛け合わされる。この掛け合わされた乗算信号、すなわちベースバンド振幅変調信号S2と平均出力レベル指定信号SLとの乗算値に比例した包絡線成分(振幅信号)を有する信号は、第2の切り替え部8を通って利得制御信号S5として可変利得増幅器7へ出力される。可変利得増幅器7は、この利得制御信号S5に基づいて、高周波位相変調信号S4を振幅変調する。そして、可変利得増幅器7で振幅変調された信号は、第3及び第4の切り替え部9及び14を通って、高周波電力増幅器5を通過せずにそのまま送信出力信号S6として出力される。
この第2モードでは、高周波電力増幅器5による増幅を行わないため、振幅変調信号増幅器4から高周波電力増幅器5へ電源供給を行わないようにして、消費電力を抑制させている。よって、消費電力を大幅に減少させつつ、特に低電力レベルの送信出力信号S6を出力でき、低レベルまで出力電力の制御範囲の広い送信装置を提供することができる。なお、消費電力抑制の方法としては、0Vの直流電圧信号SVを第1の切り替え部3を介して振幅変調信号増幅器4へ与えることや、振幅変調信号増幅器4と高周波電力増幅器5との間に第5の切り替え部(図示せず)を設けて、その間を非導通に切り替えること等が考えられる。
(3)第3モード
送信出力信号S6の電力レベルが中程度になる場合には、制御部15によって第3モードが選択される。この第3モードでは、第1〜第4の切り替え部3、8、9及び14がそれぞれ「端子a」に接続される。また、掛算器2には、第3モードに応じた平均出力レベル指定信号SLが出力される。この第3モードでは、高周波電力増幅器5は、入出力関係が線形な線形増幅器として動作する。
まず、振幅位相分離部1において分離されたベースバンド振幅変調信号S2は、掛算器2において平均出力レベル指定信号SLと掛け合わされる。この掛け合わされた信号は、第2の切り替え部8を通って利得制御信号S5として可変利得増幅器7へ出力される。振幅変調信号増幅器4は、第1の切り替え部3を介して直流電圧信号SVを入力し、一定の電源電圧を高周波電力増幅器5へ出力する。
一方、振幅位相分離部1において分離されたベースバンド位相変調信号S3は、周波数シンセサイザ6において搬送波信号を位相変調するために用いられる。この位相変調によって生成された高周波位相変調信号S4は、可変利得増幅器7へ出力される。可変利得増幅器7は、上述した利得制御信号S5に基づいて、高周波位相変調信号S4を振幅変調する。
送信出力信号S6の電力レベルが中程度の場合、高周波電力増幅器5の動作が非線形動作領域から外れる可能性がある、すなわち電源電圧の変化に対する出力電力の線形性が悪化する可能性がある。しかし、このような場合においても、第3モードでは、高周波電力増幅器5を線形増幅器として動作させることにより、入力信号に対する出力信号の線形性を保つと共に、出力電力レベルの制御範囲を広げることができる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る送信装置によれば、高周波電力増幅器の出力電力レベルに応じて複数の動作モードの中から最適な動作モードを選択し、高周波電力増幅器の入力から出力へのリークを最適に制御する。これにより、電力効率及び線形性の優れた電力増幅を行うことができ、送信出力電力の制御範囲を高レベルから低レベルまで広くとることができる。
なお、上記第1の実施形態では、第1モードにおいて、可変利得増幅器7への利得制御信号S5は、固定の直流電圧信号SVであるとした。しかし、高周波電力増幅器5を非線形増幅器として動作させれば、第2又は第3のモードと同様に、振幅変調信号に応じて変化させて、高周波電力増幅器5の入力を瞬時出力電力に応じて変化させても同様の効果が得られる。
また、可変利得増幅器7が、利得制御信号S5に対して非線形に変化する(例えば、入出力特性が指数特性になる)タイプの増幅器である場合には、この非線形を線形へ補正する機能を持った構成(図示せず)を、可変利得増幅器7の前後に挿入することになる。
また、出力電力レベルが低い第2モードでの動作時に切り替えられる、第3及び第4の切り替え部9及び14の両方の端子bを繋いだ伝送線路に、減衰器を挿入してもよい。減衰器を用いた構成により、送信出力信号のレベルをさらに減衰させて極めて低レベルの出力信号を送信することができ、送信電力の制御範囲をさらに広げることができる。
また、第2の切り替え部8の出力端子cと可変利得増幅器7との間、すなわち利得制御信号S5が流れるパス上に、振幅変調信号増幅器4と同等の増幅器が挿入されていても構わない。
さらに、第1モード(高周波電力増幅器5で振幅変調)と第2モード及び第3モード(可変利得増幅器7で振幅変調)とでは、振幅経路と位相経路の間の遅延差が異なるので、この遅延差を補正するための機能ブロックを必要に応じて適宜追加することになる(図示せず)。
〔第2の実施形態〕
上述した3つの動作モードは、高周波送信信号の経路がそれぞれ異なるので、各経路の利得及び位相特性も異なる。このため、動作モード切り換え時に、送信出力信号の振幅や位相に急激な変化が生じる。例えば、第3モードから第2モードに動作モードが切り換わる場合、第3モードでは高周波送信信号が高周波電力増幅器5を通過するが、第2モードでは高周波送信信号が高周波電力増幅器5を通過しない(第3の切り替え部の端子b〜第4の切り替え部の端子b間の伝送線路を通過する)ので、この2経路の通過特性の違いにより送信出力信号の振幅及び位相が急激に変化するのである。
そこで、本第2の実施形態では、動作モードの切り替え時に、信号の急激な変化が生じないように(信号の連続性が確保されるように)、送信出力信号の振幅及び位相を補正することを行う。また、基準位相の連続性やACLR特性が3GPP(3rd Generation Partnership Project)の標準規格を満足するように、送信出力信号の振幅及び位相を補正することを行う。この第2の実施形態で説明する送信出力信号の振幅及び位相の補正処理は、ポーラ変調方式に必要不可欠である周知の歪み補償処理(特許文献3を参照)と並行して行われるものである。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るポーラ変調方式を用いた送信装置の概略構成を示すブロック図である。図5において、第2の実施形態に係る送信装置は、振幅位相分離部1と、掛算器2と、振幅変調信号増幅器4と、高周波電力増幅器5と、周波数シンセサイザ6と、可変利得増幅器7と、位相補正部11と、振幅補正部12と、制御部15と、第1〜第4の切り替え部3、8、9及14とを備えている。図5で示すように、第2の実施形態に係る送信装置は、上記第1の実施形態に係る送信装置に位相補正部11及び振幅補正部12を加えた構成である。
以下、この位相補正部11及び振幅補正部12を中心に第2の実施形態に係る送信装置を説明する。
位相補正部11には、周波数シンセサイザ6においてベースバンド位相変調信号S3の位相を補正するための位相補正情報が、各動作モードに対応させて格納されている。また、振幅補正部12には、可変利得増幅器7において高周波位相変調信号S4の振幅を補正するための振幅補正情報が、各動作モードに対応させて格納されている。なお、この位相補正情報及び振幅補正情報は、テーブル形式で持たせることが考えられる。
図6は、第2の実施形態に係る送信装置が、上記第1の実施形態で説明した3つの動作モード(図2)を切り替える方法を示すフローチャートである。
ポーラ変調送信処理を開始すると、制御部15に平均出力レベル指定信号SLが入力される(ステップS11)。次に、制御部15は、この平均出力レベル指定信号SLをチェックして、動作モードの切り替えが必要か否かを判断する(ステップS12)。この時、動作モードの切り替えポイントは、平均出力レベルの値だけで決まるのではなく、平均出力レベルが増加するのか減少するのかによって異なる。すなわち、動作モードの切り換えポイントはヒステリシスを有している。
図7は、第2モード〜第3モード〜第1モードの遷移時におけるヒステリシス特性を示す図である。平均出力レベルが低出力レベルから中出力レベルに変化するときは、動作モードは図のB点において第2モードから第3モードに遷移し、逆に平均出力レベルが中出力レベルから低出力レベルに変化するときは、動作モードは図のA点において第3モードから第2モードに遷移する。このようなヒステリシス特性を持たせることにより、動作モードの切り替えポイント付近で平均出力レベルが頻繁に変化する場合でも、動作モードの切り替え回数を最小限に抑制し、振幅や位相の連続性をより確実に実現することができる。このことは、第3モードから第1モードへの遷移時においても同様である(D点及びE点)。
ステップS12において動作モードの切り換えが必要と判断した場合、制御部15は、位相補正部11及び振幅補正部12へモード切替信号SMを出力する。位相補正部11は、このモード切替信号SMに従って、対応する位相補正情報を選択して周波数シンセサイザ6へ出力する(ステップS13)。また、振幅補正部12は、このモード切替信号SMに従って、対応する振幅補正情報を選択して可変利得増幅器7へ出力する(ステップS13)。そして、周波数シンセサイザ6及び可変利得増幅器7では、これらの補正情報を用いて処理動作が行われる。
この補正情報を用いた処理動作によって、動作モードの切り換えの前後で送信出力信号の振幅や位相の急激な変化を生じさせることなく、振幅及び位相を連続的に変化させることが可能となる。図8A及び図8Bは、本発明の送信装置によって実現される、送信出力信号の振幅及び位相の連続的な変化を説明するための図である。
そして、ステップS13におけるモード切り替え処理が終了するか、ステップS12において動作モードの切り替えが不要と判断された場合には、送信を終了するか否かが判断される(ステップS14)。ここで、送信を終了しない場合は、次の信号送信の開始でステップS11に戻り、ステップS12〜S14を繰り返し行われる。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る送信装置によれば、高周波電力増幅器の出力電力レベルに応じて複数の動作モードの中から最適な動作モードを選択し、高周波電力増幅器の入力から出力へのリークを最適に制御する。これにより、電力効率及び線形性の優れた電力増幅を行うことができ、送信出力電力の制御範囲を高レベルから低レベルまで広くとることができる。また、動作モードの切り替えに伴う出力信号の振幅及び位相の不連続変化を防いで連続的に変化させるので、切り替えに伴う過渡的なスペクトルの拡がり等の弊害を抑制することができる。
なお、上記第2の実施形態では、位相補正部11及び振幅補正部12が、位相補正情報及び振幅補正情報を周波数シンセサイザ6及び可変利得増幅器7へそれぞれ出力する場合を説明した。しかし、これらの位相補正情報及び振幅補正情報を制御部15が持つ場合には、制御部が周波数シンセサイザ6及び可変利得増幅器7を直接制御する構成にしても構わない。また、高周波電力増幅器5の送信出力信号S6を検波して、検波の結果を制御部15にフィードバックさせれば、送信出力信号の振幅及び位相の連続性をより正確に実現させることができる。
また、上記第2の実施形態で説明した可変利得増幅器7は、図9Aに示すように増幅器16と掛算器17とに分けて構成することも可能である。この場合には、第2の切り替え部8から出力される利得制御信号S5は、掛算器17に入力される。さらに、図9Bに示すように、第2の切り替え部8の端子aに、ベースバンド振幅変調信号S2と平均出力レベル指定信号SLとの乗算値ではなく、ベースバンド振幅変調信号S2を直接入力する構成にすることも可能である。この構成では、第2モード及び第3モードの場合、増幅器16で振幅補正情報に基づいた平均出力レベルの制御が行われ、掛算器17で振幅変調が行われる。掛算器17で振幅変調を行うことにより、振幅信号に対して出力信号の包絡線を線形に変化させることができる。
なお、平均出力レベルの制御は、次のような様々な位置で行うことが可能である。例えば、平均出力レベルの制御を第2の切り替え部8の出力で行う場合には、平均出力レベル指定信号SLとベースバンド振幅変調信号S2との乗算値を、入力信号S5として掛算器17へ入力すればよい。また、平均出力レベルの制御を掛算器17の後段で行う場合には、別の可変利得増幅器を新たに設けて行えばよい。また、高周波電力増幅器5で振幅変調を行う場合は、第2の切り替え部8の端子bを選択して、端子bに印加される直流電圧信号SVを掛算器17へ出力してもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態では、掛算器2を構成に含む送信装置を説明した。しかし、平均出力レベル指定信号SLに基づいた平均出力レベル制御がなされたベースバンド振幅変調信号S2が、振幅位相分離部1から出力できるのであれば、掛算器2を省略することができる。
〔本発明の送信装置を含む無線通信装置の実施例〕
図10は、上述した第1及び第2の実施形態に係る送信装置を含む無線通信装置20の概略構成を示したブロック図である。図10において、無線通信装置20は、送信装置21と受信装置22とから構成され、送信装置21及び受信装置22は送受切り替え部23を介してアンテナ24と接続されている。送信装置21には、第1及び第2の実施形態に係る送信装置が用いられる。この無線通信装置20には、携帯電話機や通信機能を備えた携帯情報端末等の携帯無線端末装置や無線基地局等が含まれる。
この無線通信装置20では、送信時には、送信装置21が、送信出力信号S6を送受切り替え部23を介してアンテナ24から放射し、受信時には、受信装置22が、送受切り替え部23を介してアンテナ24から受信信号を入力して復調する。送信装置21内の高周波電力増幅器が高出力電力時には非線形増幅器として動作することにより、電力効率を向上させることができる。よって、携帯無線端末装置等においては、電池の消耗速度が遅くなるので使用時間を延ばすことができる。また、高周波電力増幅器は、電力効率が向上された分だけ小型化が可能で、また発熱量も低減できる。このため、この高周波電力増幅器を搭載する無線通信装置は、小型化を図ることができる。また、低出力電力時には高周波電力増幅器を線形増幅器として使用するか、又は高周波電力増幅器を使用せずに伝送線路や減衰器を通過させることにより、低出力側の出力レベルの範囲を拡大することができる。
また、本発明の送信装置を、大電力の送信装置を複数設置する無線システムの基地局装置に適用すれば、高周波電力増幅器の高出力電力時の電力効率が向上する。これにより、高周波電力増幅器の小型化、発熱量の低減、設備の小型化、及び省スペース性の向上を実現することができる。
本発明は、携帯電話機や携帯情報端末等の携帯端末装置及び無線基地局等の無線通信装置等に利用可能であり、電力効率が良好でかつ広い範囲にわたって送信出力電力を制御したい場合等に有用である。
本発明は、送信信号を電力増幅して出力する送信装置、及びこの送信装置を用いた無線通信装置に関する。
従来、包絡線変動成分を含む変調信号を増幅する高周波電力増幅器には、包絡線変動成分を線形に増幅するために、A級又はAB級の線形増幅器が用いられてきた。このA級又はAB級の線形増幅器は、線形性に優れている反面、直流バイアス成分に伴う電力を常時消費しているために、C級〜E級等の非線形増幅器に比べて電力効率が低い。このため、このような電力消費量が多い高周波電力増幅器を、電池を電源とする携帯型の無線機に適用した場合、使用時間が短くなってしまうという問題があった。また、大電力の送信装置を複数設置する無線システムの基地局装置に適用した場合においては、装置の大型化や発熱量の増大を招いていた。
そこで、ポーラ変調を用いて高効率化を図る方法が従来より提案されている。図11は、ポーラ変調方式を用いた従来の送信装置の構成を示すブロック図である。図11において、この従来の送信装置は、振幅位相分離部61と、振幅変調信号増幅器62と、周波数シンセサイザ63と、非線形増幅器である高周波電力増幅器64とを備える。
振幅位相分離部61は、入力されるベースバンド変調信号S10を、ベースバンド振幅変調信号S11とベースバンド位相変調信号S12とに分離する。振幅変調信号増幅器62は、ベースバンド振幅変調信号S11に所定の増幅を行った後、電源電圧として高周波電力増幅器64に供給する。周波数シンセサイザ63は、ベースバンド位相変調信号S12で搬送波信号を位相変調することによって得られる高周波位相変調信号S13を、高周波電力増幅器64に送出する。これにより、高周波電力増幅器64は、ベースバンド振幅変調信号S11に応じた電源電圧のもとで、高周波位相変調信号S13を増幅して送信出力信号S14として出力する。
次に、このポーラ変調方式を用いた送信装置の動作を説明する。まず、ベースバンド変調信号S10をSi(t)とすると、Si(t)は、次式(1)で表される。なお、a(t)は振幅データを、exp[jφ(t)]は位相データを、それぞれ示す。
Si(t)=a(t)exp[jφ(t)] … (1)
振幅位相分離部61によって、Si(t)から振幅データa(t)と位相データexp[jφ(t)]とが抽出される。ここで、振幅データa(t)はベースバンド振幅変調信号S11に、位相データexp[jφ(t)]はベースバンド位相変調信号S12に、それぞれ対応する。振幅データa(t)は、振幅変調信号増幅器62で増幅されて高周波電力増幅器64に与えられる。これにより、高周波電力増幅器64の電源電圧値が、振幅データa(t)に基づいて設定される。
周波数シンセサイザ63は、搬送波角周波数ωcを位相データexp[jφ(t)]で変調した高周波位相変調信号S13を生成し、これが高周波電力増幅器64に入力される。ここで、高周波位相変調信号S13を信号Scとすると、信号Scは次式(2)で表される。
Sc=exp[ωct+φ(t)] … (2)
そして、高周波電力増幅器64に非線形増幅器を用いることで、この高周波電力増幅器64の電源電圧値a(t)と周波数シンセサイザ63の出力信号とを掛け合わせた信号が利得Gだけ増幅されて生成される送信出力信号S14が、高周波電力増幅器64から出力される。ここで、送信出力信号S14をRF信号Srfとすると、RF信号Srfは次式(3)で表される。
Srf=Ga(t)Sc=Ga(t)exp[ωct+φ(t)] … (3)
この高周波電力増幅器64に入力される信号は、振幅方向の変動成分を持たない位相変調信号であるため定包絡線信号となる。従って、高周波電力増幅器64として効率の良い非線形増幅器を使用できるので、高効率の送信装置を提供することができる。この種のポーラ変調方式を用いた技術は、例えば特許文献1又は特許文献2に記載されている。
特許第3207153号明細書 特開2001−156554号公報 米国特許第6191653号明細書
しかしながら、上述したポーラ変調方式を用いた従来の送信装置では、高周波電力増幅器64を非線形増幅器として使用し、電源電圧に応じた出力飽和状態で使用するため、高周波電力増幅器64の入力レベルをある程度大きくする必要がある。しかし、入力レベルを大きくした場合、高周波電力増幅器64の入力から出力にリークする電力や、低い電源電圧でのトランジスタの動作限界等により、特に低出力レベルの送信出力信号を得ることが困難になるという課題があった。
それ故に、本発明の目的は、電力効率が良好で、かつ、低出力レベルから高出力レベルまで送信出力レベルの制御範囲が広い、送信装置及びこの送信装置を用いた無線通信装置を提供することである。
本発明は、ポーラ変調を用いた送信装置、及び送信信号をアンテナから送信する無線通信装置に向けられている。そして、上記目的を達成するために、本発明の送信装置は、振幅位相分離部、周波数シンセサイザ、掛算器、第1〜第4の切り替え部、振幅変調信号増幅器、可変利得増幅器、及び高周波電力増幅器を備えている。また、本発明の無線通信装置は、上記送信装置を備え、送信信号を電力増幅してアンテナに出力することを特徴とする。
振幅位相分離部は、入力するベースバンド変調信号を、ベースバンド振幅変調信号とベースバンド位相変調信号とに分離する。周波数シンセサイザは、ベースバンド位相変調信号によって高周波搬送信号に位相変調を施し、高周波位相変調信号を生成する。掛算器は、ベースバンド振幅変調信号に所定の値を掛ける。第1及び第2の切り替え部は、掛算器から出力される掛算されたベースバンド振幅変調信号と所定の直流電圧信号とをそれぞれ入力し、いずれか1つの信号を切り替えて出力する。振幅変調信号増幅器は、第1の切り替え部から出力される信号に基づいた電源電圧を供給する。可変利得増幅器は、第2の切り替え部から出力される信号に応じて、周波数シンセサイザで生成された高周波位相変調信号を増幅する。高周波電力増幅器は、可変利得増幅器で増幅された高周波位相変調信号を、振幅変調信号増幅器から供給される電源電圧を用いて電力増幅する。第3及び第4の切り替え部は、高周波電力増幅器の前後に配置され、可変利得増幅器で増幅された高周波位相変調信号を、高周波電力増幅器を通過させて出力させるか、通過させないで出力させるかを、切り替える。そして、これらの構成を用いて、第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルに応じて、第1〜第4の切り替え部の切り替えを制御する。
典型的には、第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルが、第1の所定値より大きくなる第1モードの場合には、第1の切り替え部が掛算されたベースバンド振幅変調信号の出力に、第2の切り替え部が直流電圧信号の出力に、かつ第3及び第4の切り替え部が高周波電力増幅器を通過させて出力させる経路に、それぞれ切り替える。また、第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルが、第2の所定値より小さくなる第2モードの場合には、第1の切り替え部が直流電圧信号の出力に、第2の切り替え部が掛算されたベースバンド振幅変調信号の出力に、かつ第3及び第4の切り替え部が高周波電力増幅器を通過させないで出力させる経路に、それぞれ切り替える。
好ましくは、第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルが、第1の所定値以下かつ第2の所定値以上になる第3モードの場合には、第1の切り替え部が直流電圧信号の出力に、第2の切り替え部が掛算されたベースバンド振幅変調信号の出力に、かつ第3及び第4の切り替え部が高周波電力増幅器を通過させて出力させる経路に、それぞれ切り替える。
なお、上述した可変利得増幅器は、周波数シンセサイザで生成された高周波位相変調信号を増幅する増幅器と、増幅器で増幅された高周波位相変調信号と第2の切り替え部から出力される信号とを乗算する掛算器とで、構成されてもよい。
また、モードの切り替え時に、信号位相及び信号振幅を連続的に変化させるための位相補正情報及び振幅補正情報を、第1〜第3モード毎に保持する位相補正部及び振幅補正部をさらに備えて、周波数シンセサイザにおいて位相補正情報に基づいた高周波位相変調信号の位相補正を、可変利得増幅器において振幅補正情報に基づいた高周波位相変調信号の振幅補正を行ってもよい。
また、モードの切り替えに、ヒステリシスを持たせて行ってもよい。
さらには、第3及び第4の切り替え部によって形成される、高周波位相変調信号を高周波電力増幅器を通過させないで出力させる経路上に、減衰器を挿入してもよい。
本発明の送信装置によれば、高周波電力増幅器の出力電力レベルに応じて複数の動作モードの中から最適な動作モードを選択し、高周波電力増幅器の入力から出力へのリークを最適に制御する。これにより、電力効率及び線形性の優れた電力増幅を行うことができ、送信出力電力の制御範囲を高レベルから低レベルまで広くとることができる。また、動作モードの切り替えに伴う出力信号の振幅及び位相の不連続変化を防いで連続的に変化させるので、切り替えに伴う過渡的なスペクトルの拡がり等の弊害を抑制することができる。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係るポーラ変調方式を用いた送信装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、第1の実施形態に係る送信装置は、振幅位相分離部1と、掛算器2と、振幅変調信号増幅器4と、高周波電力増幅器5と、周波数シンセサイザ6と、可変利得増幅器7と、制御部15と、第1〜第4の切り替え部3、8、9及14とを備えている。
振幅位相分離部1は、入力するベースバンド変調信号S1を、ベースバンド振幅変調信号S2とベースバンド位相変調信号S3とに分離する。掛算器2は、ベースバンド振幅変調信号S2と、制御部15から与えられる平均出力レベル指定信号SLとを、乗算する。第1の切り替え部3は、制御部15から与えられるモード切替信号SMに基づいて、掛算器2の出力信号又は制御部15の直流電圧信号SVのいずれかを選択して、振幅変調信号増幅器4へ出力する。振幅変調信号増幅器4は、第1の切り替え部3で選択された信号に応じた電源電圧を、高周波電力増幅器5へ供給する。周波数シンセサイザ6は、搬送波信号をベースバンド位相変調信号S3で位相変調して、高周波位相変調信号S4を生成する。第2の切り替え部8は、モード切替信号SMに基づいて、掛算器2の出力信号又は制御部15の直流電圧信号SVのいずれかを選択して、利得制御信号S5として可変利得増幅器7へ出力する。可変利得増幅器7は、第2の切り替え部8が出力する利得制御信号S5に応じて、周波数シンセサイザ6で生成された高周波位相変調信号S4の利得制御を行う。高周波電力増幅器5は、振幅変調信号増幅器4から与えられる電源電圧に従って、可変利得増幅器7から入力する信号を電力増幅して、送信出力信号S6として出力する。第3及び第4の切り替え部9及び14は、モード切替信号SMに基づいて、可変利得増幅器7の出力信号を高周波電力増幅器5へ入力するか、入力せずに通過させるかを切り替える。この第4の切り替え部14は、スイッチ機能を有してさえいればその形態は問わない。例えば、FETスイッチやダイオードスイッチ等の他、分岐点から見たインピーダンスが高くなる伝送線路であってもよい。
制御部15は、高周波電力増幅器5の動作モードを決定し、この決定した動作モードに対応した回路になるように接続状態を制御する。この動作モードは、例えば無線基地局から指定される又は送信装置における受信信号の状態に基づく送信電力レベルと、高周波電力増幅器5の特性とに、応じて決定される。典型的には、電力効率の観点から、送信出力信号S6の電力レベルが大きくなる場合は、高周波電力増幅器5が非線形増幅器となる動作モードが、送信出力信号S6の電力レベルが小さくなる場合(高周波電力増幅器5が非線形増幅器として動作可能な範囲から外れる場合)は、高周波電力増幅器5が線形増幅器となる動作モードが、それぞれ望ましい。この動作モードを切り替えるための信号が、モード切替信号SMである。例えば、2ビットのモード切替信号を用いて、送信電力レベルが大である場合には「01」、送信電力レベルが小である場合には「10」を出力することが考えられる。平均出力レベル指定信号SLは、送信装置から出力される信号の平均電力レベルを指定するための信号である。直流電圧信号SVは、振幅変調信号増幅器4及び可変利得増幅器7の利得を制御するための固定電圧である。なお、この制御部15は、送信装置の内部又は外部のいずれに設けてもよい。
以下、上記構成による第1の実施形態に係る送信装置の動作を、送信出力信号S6の電力レベルが大(第1モード)、送信出力信号S6の電力レベルが中(第3モード)、送信出力信号S6の電力レベルが小(第2モード)の3つの動作モードがある場合を一例に挙げて、説明する(図2を参照)。
(1)第1モード
送信出力信号S6の電力レベルが大きくなる場合には、高周波電力増幅器5を飽和動作領域又はスイッチング動作領域の非線形増幅器として動作させるために、制御部15によって第1モードが選択される。この第1モードでは、第1及び第2の切り替え部3及び8がそれぞれ「端子b」に、第3及び第4の切り替え部9及14がそれぞれ「端子a」に接続される。また、掛算器2には、第1モードに応じた平均出力レベル指定信号SLが出力される。
まず、振幅位相分離部1において分離されたベースバンド振幅変調信号S2は、掛算器2において平均出力レベル指定信号SLと掛け合わされる。この掛け合わされた乗算信号は、第1の切り替え部3を通って振幅変調信号増幅器4へ出力される。振幅変調信号増幅器4は、入力される乗算信号を増幅した後、電源電圧として高周波電力増幅器5へ出力する。高周波電力増幅器5は、この電源電圧を用いて、入力される位相変調信号の振幅変調を行う。なお、高周波電力増幅器5に与える電源電圧をベースバンド振幅変調信号S2のレベルに応じて高効率に生成するためには、振幅変調信号増幅器4は、パルス幅で振幅情報を表すD級増幅器を用いることが好ましい。
一方、振幅位相分離部1において分離されたベースバンド位相変調信号S3は、周波数シンセサイザ6において搬送波信号を位相変調するために用いられる。この位相変調によって生成された高周波位相変調信号S4は、可変利得増幅器7へ出力される。可変利得増幅器7は、利得制御信号S5に基づいて、高周波位相変調信号S4を増幅(又は減衰)する。この利得制御信号S5は、第2の切り替え部8を介して供給される固定の直流電圧信号SVであるため、可変利得増幅器7から出力される信号は、振幅方向の変動成分を持たない位相変調信号である定包絡線信号となる。そして、この定包絡線信号は、第3の切り替え部9を通って、高周波電力増幅器5にて電源電圧による振幅変調が施された後、第4の切り替え部14を通って送信出力信号S6として出力される。
図3及び図4は、非線形増幅器として用いた高周波電力増幅器5の回路構成及び動作を説明する図である。図3に示すように、高周波電力増幅器5は、入出力間に寄生容量51が接続された非線形増幅器50と捉えることができる。この非線形増幅器50では、所定の電源電圧を越えると、電源電圧の二乗と出力電力とが比例することがわかる(横軸は対数軸である)。そして、この図3及び図4から、リーク電力の大きさが、寄生容量51と非線形増幅器50の入力信号のレベル(可変利得増幅器7の出力信号のレベル)とによって定められることが分かる。
ここで、可変利得増幅器7を設けない場合について考えると、周波数シンセサイザ6の出力はほぼ一定であるから、リーク電力も一定となる。その場合、送信出力信号S6のレベルを下げるためには、非線形増幅器50の電源電圧を下げればよいが、リーク電力に制限され、一定値よりレベルを下げることができない。
これに対して、第1の実施形態では、利得制御信号S5によって可変利得増幅器7の利得を制御して、高周波電力増幅器5に入力される位相変調信号のレベルを制御する。これにより、リーク電力を低減させることが可能となる。従って、高周波電力増幅器5において、電源電圧による出力電力の制御範囲(ダイナミックレンジ)を拡大させることができる。
(2)第2モード
送信出力信号S6の電力レベルが小さくなる場合には、高周波電力増幅器5を非飽和動作領域の線形増幅器として動作させるために、制御部15によって第2モードが選択される。この第2モードでは、第1及び第2の切り替え部3及び8がそれぞれ「端子a」に、第3及び第4の切り替え部9及14がそれぞれ「端子b」に接続される。また、掛算器2には、第2モードに応じた平均出力レベル指定信号SLが出力される。
振幅位相分離部1において分離されたベースバンド位相変調信号S3は、周波数シンセサイザ6において搬送波信号を位相変調するために用いられる。この位相変調によって生成された高周波位相変調信号S4は、可変利得増幅器7へ出力される。また、振幅位相分離部1において分離されたベースバンド振幅変調信号S2は、掛算器2において平均出力レベル指定信号SLと掛け合わされる。この掛け合わされた乗算信号、すなわちベースバンド振幅変調信号S2と平均出力レベル指定信号SLとの乗算値に比例した包絡線成分(振幅信号)を有する信号は、第2の切り替え部8を通って利得制御信号S5として可変利得増幅器7へ出力される。可変利得増幅器7は、この利得制御信号S5に基づいて、高周波位相変調信号S4を振幅変調する。そして、可変利得増幅器7で振幅変調された信号は、第3及び第4の切り替え部9及び14を通って、高周波電力増幅器5を通過せずにそのまま送信出力信号S6として出力される。
この第2モードでは、高周波電力増幅器5による増幅を行わないため、振幅変調信号増幅器4から高周波電力増幅器5へ電源供給を行わないようにして、消費電力を抑制させている。よって、消費電力を大幅に減少させつつ、特に低電力レベルの送信出力信号S6を出力でき、低レベルまで出力電力の制御範囲の広い送信装置を提供することができる。なお、消費電力抑制の方法としては、0Vの直流電圧信号SVを第1の切り替え部3を介して振幅変調信号増幅器4へ与えることや、振幅変調信号増幅器4と高周波電力増幅器5との間に第5の切り替え部(図示せず)を設けて、その間を非導通に切り替えること等が考えられる。
(3)第3モード
送信出力信号S6の電力レベルが中程度になる場合には、制御部15によって第3モードが選択される。この第3モードでは、第1〜第4の切り替え部3、8、9及び14がそれぞれ「端子a」に接続される。また、掛算器2には、第3モードに応じた平均出力レベル指定信号SLが出力される。この第3モードでは、高周波電力増幅器5は、入出力関係が線形な線形増幅器として動作する。
まず、振幅位相分離部1において分離されたベースバンド振幅変調信号S2は、掛算器2において平均出力レベル指定信号SLと掛け合わされる。この掛け合わされた信号は、第2の切り替え部8を通って利得制御信号S5として可変利得増幅器7へ出力される。振幅変調信号増幅器4は、第1の切り替え部3を介して直流電圧信号SVを入力し、一定の電源電圧を高周波電力増幅器5へ出力する。
一方、振幅位相分離部1において分離されたベースバンド位相変調信号S3は、周波数シンセサイザ6において搬送波信号を位相変調するために用いられる。この位相変調によって生成された高周波位相変調信号S4は、可変利得増幅器7へ出力される。可変利得増幅器7は、上述した利得制御信号S5に基づいて、高周波位相変調信号S4を振幅変調する。
送信出力信号S6の電力レベルが中程度の場合、高周波電力増幅器5の動作が非線形動作領域から外れる可能性がある、すなわち電源電圧の変化に対する出力電力の線形性が悪化する可能性がある。しかし、このような場合においても、第3モードでは、高周波電力増幅器5を線形増幅器として動作させることにより、入力信号に対する出力信号の線形性を保つと共に、出力電力レベルの制御範囲を広げることができる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る送信装置によれば、高周波電力増幅器の出力電力レベルに応じて複数の動作モードの中から最適な動作モードを選択し、高周波電力増幅器の入力から出力へのリークを最適に制御する。これにより、電力効率及び線形性の優れた電力増幅を行うことができ、送信出力電力の制御範囲を高レベルから低レベルまで広くとることができる。
なお、上記第1の実施形態では、第1モードにおいて、可変利得増幅器7への利得制御信号S5は、固定の直流電圧信号SVであるとした。しかし、高周波電力増幅器5を非線形増幅器として動作させれば、第2又は第3のモードと同様に、振幅変調信号に応じて変化させて、高周波電力増幅器5の入力を瞬時出力電力に応じて変化させても同様の効果が得られる。
また、可変利得増幅器7が、利得制御信号S5に対して非線形に変化する(例えば、入出力特性が指数特性になる)タイプの増幅器である場合には、この非線形を線形へ補正する機能を持った構成(図示せず)を、可変利得増幅器7の前後に挿入することになる。
また、出力電力レベルが低い第2モードでの動作時に切り替えられる、第3及び第4の切り替え部9及び14の両方の端子bを繋いだ伝送線路に、減衰器を挿入してもよい。減衰器を用いた構成により、送信出力信号のレベルをさらに減衰させて極めて低レベルの出力信号を送信することができ、送信電力の制御範囲をさらに広げることができる。
また、第2の切り替え部8の出力端子cと可変利得増幅器7との間、すなわち利得制御信号S5が流れるパス上に、振幅変調信号増幅器4と同等の増幅器が挿入されていても構わない。
さらに、第1モード(高周波電力増幅器5で振幅変調)と第2モード及び第3モード(可変利得増幅器7で振幅変調)とでは、振幅経路と位相経路の間の遅延差が異なるので、この遅延差を補正するための機能ブロックを必要に応じて適宜追加することになる(図示せず)。
〔第2の実施形態〕
上述した3つの動作モードは、高周波送信信号の経路がそれぞれ異なるので、各経路の利得及び位相特性も異なる。このため、動作モード切り換え時に、送信出力信号の振幅や位相に急激な変化が生じる。例えば、第3モードから第2モードに動作モードが切り換わる場合、第3モードでは高周波送信信号が高周波電力増幅器5を通過するが、第2モードでは高周波送信信号が高周波電力増幅器5を通過しない(第3の切り替え部の端子b〜第4の切り替え部の端子b間の伝送線路を通過する)ので、この2経路の通過特性の違いにより送信出力信号の振幅及び位相が急激に変化するのである。
そこで、本第2の実施形態では、動作モードの切り替え時に、信号の急激な変化が生じないように(信号の連続性が確保されるように)、送信出力信号の振幅及び位相を補正することを行う。また、基準位相の連続性やACLR特性が3GPP(3rd Generation Partnership Project)の標準規格を満足するように、送信出力信号の振幅及び位相を補正することを行う。この第2の実施形態で説明する送信出力信号の振幅及び位相の補正処理は、ポーラ変調方式に必要不可欠である周知の歪み補償処理(特許文献3を参照)と並行して行われるものである。
図5は、本発明の第2の実施形態に係るポーラ変調方式を用いた送信装置の概略構成を示すブロック図である。図5において、第2の実施形態に係る送信装置は、振幅位相分離部1と、掛算器2と、振幅変調信号増幅器4と、高周波電力増幅器5と、周波数シンセサイザ6と、可変利得増幅器7と、位相補正部11と、振幅補正部12と、制御部15と、第1〜第4の切り替え部3、8、9及14とを備えている。図5で示すように、第2の実施形態に係る送信装置は、上記第1の実施形態に係る送信装置に位相補正部11及び振幅補正部12を加えた構成である。
以下、この位相補正部11及び振幅補正部12を中心に第2の実施形態に係る送信装置を説明する。
位相補正部11には、周波数シンセサイザ6においてベースバンド位相変調信号S3の位相を補正するための位相補正情報が、各動作モードに対応させて格納されている。また、振幅補正部12には、可変利得増幅器7において高周波位相変調信号S4の振幅を補正するための振幅補正情報が、各動作モードに対応させて格納されている。なお、この位相補正情報及び振幅補正情報は、テーブル形式で持たせることが考えられる。
図6は、第2の実施形態に係る送信装置が、上記第1の実施形態で説明した3つの動作モード(図2)を切り替える方法を示すフローチャートである。
ポーラ変調送信処理を開始すると、制御部15に平均出力レベル指定信号SLが入力される(ステップS11)。次に、制御部15は、この平均出力レベル指定信号SLをチェックして、動作モードの切り替えが必要か否かを判断する(ステップS12)。この時、動作モードの切り替えポイントは、平均出力レベルの値だけで決まるのではなく、平均出力レベルが増加するのか減少するのかによって異なる。すなわち、動作モードの切り換えポイントはヒステリシスを有している。
図7は、第2モード〜第3モード〜第1モードの遷移時におけるヒステリシス特性を示す図である。平均出力レベルが低出力レベルから中出力レベルに変化するときは、動作モードは図のB点において第2モードから第3モードに遷移し、逆に平均出力レベルが中出力レベルから低出力レベルに変化するときは、動作モードは図のA点において第3モードから第2モードに遷移する。このようなヒステリシス特性を持たせることにより、動作モードの切り替えポイント付近で平均出力レベルが頻繁に変化する場合でも、動作モードの切り替え回数を最小限に抑制し、振幅や位相の連続性をより確実に実現することができる。このことは、第3モードから第1モードへの遷移時においても同様である(D点及びE点)。
ステップS12において動作モードの切り換えが必要と判断した場合、制御部15は、位相補正部11及び振幅補正部12へモード切替信号SMを出力する。位相補正部11は、このモード切替信号SMに従って、対応する位相補正情報を選択して周波数シンセサイザ6へ出力する(ステップS13)。また、振幅補正部12は、このモード切替信号SMに従って、対応する振幅補正情報を選択して可変利得増幅器7へ出力する(ステップS13)。そして、周波数シンセサイザ6及び可変利得増幅器7では、これらの補正情報を用いて処理動作が行われる。
この補正情報を用いた処理動作によって、動作モードの切り換えの前後で送信出力信号の振幅や位相の急激な変化を生じさせることなく、振幅及び位相を連続的に変化させることが可能となる。図8A及び図8Bは、本発明の送信装置によって実現される、送信出力信号の振幅及び位相の連続的な変化を説明するための図である。
そして、ステップS13におけるモード切り替え処理が終了するか、ステップS12において動作モードの切り替えが不要と判断された場合には、送信を終了するか否かが判断される(ステップS14)。ここで、送信を終了しない場合は、次の信号送信の開始でステップS11に戻り、ステップS12〜S14を繰り返し行われる。
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る送信装置によれば、高周波電力増幅器の出力電力レベルに応じて複数の動作モードの中から最適な動作モードを選択し、高周波電力増幅器の入力から出力へのリークを最適に制御する。これにより、電力効率及び線形性の優れた電力増幅を行うことができ、送信出力電力の制御範囲を高レベルから低レベルまで広くとることができる。また、動作モードの切り替えに伴う出力信号の振幅及び位相の不連続変化を防いで連続的に変化させるので、切り替えに伴う過渡的なスペクトルの拡がり等の弊害を抑制することができる。
なお、上記第2の実施形態では、位相補正部11及び振幅補正部12が、位相補正情報及び振幅補正情報を周波数シンセサイザ6及び可変利得増幅器7へそれぞれ出力する場合を説明した。しかし、これらの位相補正情報及び振幅補正情報を制御部15が持つ場合には、制御部が周波数シンセサイザ6及び可変利得増幅器7を直接制御する構成にしても構わない。また、高周波電力増幅器5の送信出力信号S6を検波して、検波の結果を制御部15にフィードバックさせれば、送信出力信号の振幅及び位相の連続性をより正確に実現させることができる。
また、上記第2の実施形態で説明した可変利得増幅器7は、図9Aに示すように増幅器16と掛算器17とに分けて構成することも可能である。この場合には、第2の切り替え部8から出力される利得制御信号S5は、掛算器17に入力される。さらに、図9Bに示すように、第2の切り替え部8の端子aに、ベースバンド振幅変調信号S2と平均出力レベル指定信号SLとの乗算値ではなく、ベースバンド振幅変調信号S2を直接入力する構成にすることも可能である。この構成では、第2モード及び第3モードの場合、増幅器16で振幅補正情報に基づいた平均出力レベルの制御が行われ、掛算器17で振幅変調が行われる。掛算器17で振幅変調を行うことにより、振幅信号に対して出力信号の包絡線を線形に変化させることができる。
なお、平均出力レベルの制御は、次のような様々な位置で行うことが可能である。例えば、平均出力レベルの制御を第2の切り替え部8の出力で行う場合には、平均出力レベル指定信号SLとベースバンド振幅変調信号S2との乗算値を、入力信号S5として掛算器17へ入力すればよい。また、平均出力レベルの制御を掛算器17の後段で行う場合には、別の可変利得増幅器を新たに設けて行えばよい。また、高周波電力増幅器5で振幅変調を行う場合は、第2の切り替え部8の端子bを選択して、端子bに印加される直流電圧信号SVを掛算器17へ出力してもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態では、掛算器2を構成に含む送信装置を説明した。しかし、平均出力レベル指定信号SLに基づいた平均出力レベル制御がなされたベースバンド振幅変調信号S2が、振幅位相分離部1から出力できるのであれば、掛算器2を省略することができる。
〔本発明の送信装置を含む無線通信装置の実施例〕
図10は、上述した第1及び第2の実施形態に係る送信装置を含む無線通信装置20の概略構成を示したブロック図である。図10において、無線通信装置20は、送信装置21と受信装置22とから構成され、送信装置21及び受信装置22は送受切り替え部23を介してアンテナ24と接続されている。送信装置21には、第1及び第2の実施形態に係る送信装置が用いられる。この無線通信装置20には、携帯電話機や通信機能を備えた携帯情報端末等の携帯無線端末装置や無線基地局等が含まれる。
この無線通信装置20では、送信時には、送信装置21が、送信出力信号S6を送受切り替え部23を介してアンテナ24から放射し、受信時には、受信装置22が、送受切り替え部23を介してアンテナ24から受信信号を入力して復調する。送信装置21内の高周波電力増幅器が高出力電力時には非線形増幅器として動作することにより、電力効率を向上させることができる。よって、携帯無線端末装置等においては、電池の消耗速度が遅くなるので使用時間を延ばすことができる。また、高周波電力増幅器は、電力効率が向上された分だけ小型化が可能で、また発熱量も低減できる。このため、この高周波電力増幅器を搭載する無線通信装置は、小型化を図ることができる。また、低出力電力時には高周波電力増幅器を線形増幅器として使用するか、又は高周波電力増幅器を使用せずに伝送線路や減衰器を通過させることにより、低出力側の出力レベルの範囲を拡大することができる。
また、本発明の送信装置を、大電力の送信装置を複数設置する無線システムの基地局装置に適用すれば、高周波電力増幅器の高出力電力時の電力効率が向上する。これにより、高周波電力増幅器の小型化、発熱量の低減、設備の小型化、及び省スペース性の向上を実現することができる。
本発明は、携帯電話機や携帯情報端末等の携帯端末装置及び無線基地局等の無線通信装置等に利用可能であり、電力効率が良好でかつ広い範囲にわたって送信出力電力を制御したい場合等に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る送信装置の概略構成を示すブロック図 本発明の送信装置によって切り替えられる動作モードの例を示す図 非線形増幅器として用いた高周波電力増幅器5の回路構成を説明する図 非線形増幅器として用いた高周波電力増幅器5の動作を説明する図 本発明の第2の実施形態に係る送信装置の概略構成を示すブロック図 第2の実施形態に係る送信装置が図2の動作モードを切り替える方法を示すフローチャート 第2の実施形態に係る送信装置が図2の動作モードを切り替える時のヒステレシス特性を示す図 本発明の送信装置による送信出力信号の振幅の連続的な変化を説明する図 本発明の送信装置による送信出力信号の位相の連続的な変化を説明する図 本発明の第2の実施形態に係る送信装置に基づいた他の概略構成を示すブロック図 本発明の第2の実施形態に係る送信装置に基づいた他の概略構成を示すブロック図 本発明の送信装置を含む無線通信装置の概略構成を示すブロック図 従来の送信装置の概略構成を示すブロック図
符号の説明
1、61 振幅位相分離部
2、17 掛算器
3、8、9、14 切り替え部
4、62 振幅変調信号増幅器
5、64 高周波電力増幅器
6、63 周波数シンセサイザ
7 可変利得増幅器
11 位相補正部
12 振幅補正部
15 制御部
16 増幅器
20 無線通信装置
21 送信装置
22 受信装置
23 送受切り替え部
24 アンテナ
50 非線形増幅器
51 寄生容量

Claims (9)

  1. ポーラ変調を用いた送信装置であって、
    入力するベースバンド変調信号を、ベースバンド振幅変調信号とベースバンド位相変調信号とに分離する振幅位相分離部と、
    前記ベースバンド位相変調信号によって高周波搬送信号に位相変調を施し、高周波位相変調信号を生成する周波数シンセサイザと、
    前記ベースバンド振幅変調信号に所定の値を掛ける掛算器と、
    前記掛算器から出力される掛算されたベースバンド振幅変調信号と所定の直流電圧信号とをそれぞれ入力し、いずれか1つの信号を切り替えて出力する第1及び第2の切り替え部と、
    前記第1の切り替え部から出力される信号に基づいた電源電圧を供給する振幅変調信号増幅器と、
    前記第2の切り替え部から出力される信号に応じて、前記周波数シンセサイザで生成された高周波位相変調信号を増幅する可変利得増幅器と、
    前記可変利得増幅器で増幅された高周波位相変調信号を、前記振幅変調信号増幅器から供給される電源電圧を用いて電力増幅する高周波電力増幅器と、
    前記高周波電力増幅器の前後に配置され、前記可変利得増幅器で増幅された高周波位相変調信号を、前記高周波電力増幅器を通過させて出力させるか、通過させないで出力させるかを、切り替える第3及び第4の切り替え部とを備え、
    前記第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルに応じて、前記第1〜第4の切り替え部の切り替えを制御することを特徴とする、送信装置。
  2. 前記第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルが、第1の所定値より大きくなる第1モードの場合には、前記第1の切り替え部が前記掛算されたベースバンド振幅変調信号の出力に、前記第2の切り替え部が前記直流電圧信号の出力に、かつ前記第3及び第4の切り替え部が前記高周波電力増幅器を通過させて出力させる経路に、それぞれ切り替え、
    前記第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルが、第2の所定値より小さくなる第2モードの場合には、前記第1の切り替え部が前記直流電圧信号の出力に、前記第2の切り替え部が前記掛算されたベースバンド振幅変調信号の出力に、かつ前記第3及び第4の切り替え部が前記高周波電力増幅器を通過させないで出力させる経路に、それぞれ切り替えることを特徴とする、請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記第4の切り替え部から出力される信号の電力レベルが、前記第1の所定値以下かつ前記第2の所定値以上になる第3モードの場合には、前記第1の切り替え部が前記直流電圧信号の出力に、前記第2の切り替え部が前記掛算されたベースバンド振幅変調信号の出力に、かつ前記第3及び第4の切り替え部が前記高周波電力増幅器を通過させて出力させる経路に、それぞれ切り替えることを特徴とする、請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記可変利得増幅器が、
    前記周波数シンセサイザで生成された高周波位相変調信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器で増幅された高周波位相変調信号と前記第2の切り替え部から出力される信号とを乗算する掛算器とで、構成されることを特徴とする、請求項2に記載の送信装置。
  5. 前記可変利得増幅器が、
    前記周波数シンセサイザで生成された高周波位相変調信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器で増幅された高周波位相変調信号と前記第2の切り替え部から出力される信号とを乗算する掛算器とで、構成されることを特徴とする、請求項3に記載の送信装置。
  6. モードの切り替え時に信号位相を連続的に変化させるための位相補正情報を、前記第1〜第3モード毎に保持する位相補正部と、
    モードの切り替え時に信号振幅を連続的に変化させるための振幅補正情報を、前記第1〜第3モード毎に保持する振幅補正部とをさらに備え、
    前記周波数シンセサイザは、前記位相補正情報に基づいて前記高周波位相変調信号の位相を補正し、
    前記可変利得増幅器は、前記振幅補正情報に基づいて前記高周波位相変調信号の振幅を補正することを特徴とする、請求項1に記載の送信装置。
  7. モードの切り替えが、ヒステリシスを持たせて行われることを特徴とする、請求項1に記載の送信装置。
  8. 前記第3及び第4の切り替え部によって形成される、前記高周波位相変調信号を高周波電力増幅器を通過させないで出力させる経路上に、減衰器を挿入したことを特徴とする、請求項1に記載の送信装置。
  9. 送信信号をアンテナから送信する無線通信装置であって、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の送信装置を備え、前記送信信号を電力増幅して前記アンテナに出力することを特徴とする、無線通信装置。
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