JPWO2006118055A1 - 無線送信装置、ポーラ変調送信装置及び無線通信装置 - Google Patents
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Abstract
電力効率が良好なマルチモード動作の無線送信装置を提供する。高周波信号処理回路101の無線GSM/EDGE(UB)信号形成回路101−3から出力された変調信号は、GSM変調信号出力時は高周波電力増幅器104に、EDGE変調信号出力時は高周波電力増幅器105に出力されるようにスイッチ115、117を切り替える。これにより、EDGE変調信号を、EDGE変調信号と最大出力電力や包絡線変動の有無に関して親和性のあるUMTS変調信号用の高周波電力増幅器105を使用して電力増幅するので、EDGE変調方式の無線信号を高効率で電力増幅できるようになる。
Description
本発明は、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式のような複数方式の無線信号を送信可能な無線送信装置、ポーラ変調送信装置及び無線通信装置に関する。
従来、携帯電話の通信方式として世界中でいくつかの異なる通信方式が存在しているが、昨今の携帯電話の世界レベルでの爆発的な普及を背景として、単一の通信方式ではなく複数の通信方式に対応する、いわゆるマルチモード端末への要求が急激に高まってきている。
マルチモード通信方式の一例として、UMTS変調方式とGSM−EDGE変調方式の両方の通信を可能としたマルチモード通信方式がある。UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式は、第3世代(3G)の移動体通信システムのひとつであり、主としてヨーロッパや日本(W−CDMA)で採用されている通信方式である。また、GSM(Global System for Mobile Communications)方式は、ヨーロッパやアジアを中心に100ヶ国以上で利用されており、ディジタル携帯電話の事実上の世界標準方式であり、周波数帯としては850MHz帯、900MHz帯、1.8GHz帯、1.9GHz帯などを利用する。また、EDGE(Enhanced Data GSM Environment)変調方式は、GSM方式の携帯電話網を使ったデータ伝送技術であり、GPRS(General Packet Radio Service)変調方式の後継技術に当たり、3Gのひとつとして扱われている。
上述のUMTS変調方式とGSM−EDGE変調方式の両方の変調方式で通信可能なマルチモード携帯端末は既に製品化されており、例えば非特許文献1に記載されている。
図1に、従来のUMTS方式/GSM−EDGE方式対応のマルチモード携帯電話機の送信系の構成例を示す。マルチモード携帯電話機100は、ベースバンド信号処理回路120のベースバンドGSM信号形成回路120−1、ベースバンドEDGE信号形成回路120−2、ベースバンドUMTS信号形成回路120−3において、各方式に対応したディジタル変調処理やフレーム組立てを行うことにより、ベースバンドのGSM信号、EDGE信号、UMTS信号を形成し、これらを高周波信号処理回路101に送出する。
高周波信号処理回路101は、ベースバンドのGSM信号、EDGE信号、UMTS信号により高周波搬送信号を変調することにより、無線信号を形成する。具体的には、高周波信号処理回路101は、無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1、無線UMTS(LB)信号形成回路101−2、無線GSM/EDGE(UB)信号形成回路101−3、無線UMTS(UB)信号形成回路101−4を有し、各回路101−1〜101−4の名前に対応したベースバンド信号を用いて異なる周波数の高周波搬送信号を変調するようになっている。この変調としては例えば直交変調が行われる。ここでベースバンド信号処理回路120から高周波信号処理回路101への1本の信号線はそれぞれI信号(同相信号)とQ信号(直交信号)から構成されている。各回路101−1〜101−4で直交変調を行う場合には、I信号(同相信号)とQ信号によってそれぞれ位相が互いに90度異なる搬送波を変調後に加算する。なお、LBは低周波帯を示し、UBは高周波帯を示す。
無線GSM/EDGE(LB)信号151、無線UMTS(LB)信号152、無線GSM/EDGE(UB)信号153、無線UMTS(UB)信号154は、それぞれ、対応する高周波電力増幅器102、103、104、105によって電力増幅される。
ここで各高周波電力増幅器102、103、104、105は入力される無線信号の変調方式や動作周波数に最適化した設計が個々になされている。つまり、高周波電力増幅器102はGSM−EDGE変調方式低周波帯(LB)用、高周波電力増幅器103はUMTS変調方式低周波帯(LB)用、高周波電力増幅器104はGSM−EDGE変調方式高周波帯(UB)用、高周波電力増幅器105はUMTS変調方式高周波帯(UB)用に最適設計されている。
無線UMTS(LB)信号形成回路101−2と高周波電力増幅器103との間、無線UMTS(UB)信号形成回路101−4と高周波電力増幅器105との間には、バンドパスフィルタ106、107が設けられており、各バンドパスフィルタ106、107によってUMTS変調方式の受信帯域のノイズをカットオフするようになっている。因みに、これと同様の目的のバンドパスフィルタはGSM変調方式では、無線GSM/EDGE信号形成回路101−1、101−3の回路形式によっては不要となる。
GSM/EDGE変調方式用の高周波電力増幅器102、104の出力側には高周波のスプリアス成分を抑制するためにローパスフィルタ108、110が設けられている。GSM/EDGE変調方式では、送信(Tx)と受信(Rx)はアンテナスイッチ112によって時間的に切り替えられる(TDD方式)。
一方、UMTS変調方式では、送信と受信が同時に行われる符号多重(CDMA)方式であり、送信と受信は周波数によって分離される(FDD方式)。このため、送受それぞれの帯域に対応した2つのバンドパスフィルタから構成されるデュプレクサ109、111がそれぞれ高周波電力増幅器103、105の後段に設けられている。デュプレクサ109、111はアンテナスイッチ112を介してアンテナ113と接続されている。
上述したように、EDGE変調方式を用いたデータ通信は携帯電話方式のGSM変調方式に付随したものであり、このため、EDGE変調方式ではGSM変調方式と同一の高周波電力増幅器102、104を共用している。
ノキア・ジャパン株式会社 2004年10月19日 プレスリリース
ノキア・ジャパン株式会社 2004年10月19日 プレスリリース
しかしながら、上記従来の無線送信装置においては、EDGE変調方式に対する電力効率の観点から以下に述べるような課題があった。
まず、第1に、GSM変調方式は周波数(位相)変調方式であり、高周波変調波の包絡線が(同一の出力電力設定において)時間的に変化しない変調方式であるのに対して、EDGE変調方式はベクトル(IQ)変調方式であり、高周波変調波の包絡線が(同一の出力電力設定においても)時間的に変化する変調方式である。このように包絡線が時々刻々と変化する高周波変調波を歪みなく増幅するためには高周波電力増幅器102、104を線形動作させる必要があり、そのためには高周波電力増幅器をいわゆるA級動作させる必要がある。A級動作では増幅の線形性は優れているが、バイアス電流による電力を常時消費するため電力効率としては低いものになってしまう。
また、第2に、EDGE変調方式においてはその出力電力レベルの最大値(例えば850MHz帯、パワークラス:E2では27dBm)がGSM変調方式での出力電力レベルの最大値(例えば850MHz帯、パワークラス:4では33dBm)(3GPP(3rd Generation Partnership Project)の標準規格参照)と比較して大幅に小さく、したがって高周波電力増幅器の設計は、高周波電力増幅器の飽和電力がGSM変調方式における最大電力程度になるように設計されることになる。
図2に、高周波電力増幅器における出力電力と電力効率の特性の一例を示す。このように、電力効率は出力電力の増加と共に高くなり、飽和電力付近で最大効率を示す。
図2を用いてEDGEで電力効率が低くなる理由を説明する。GSM方式においては、最大出力が大きいため高効率のポイント(Pg及びηg)で使用することになる(変調波が定包絡の信号であるため上記の図において1ポイントで使用)。一方、EDGE方式においては、最大出力がGSMに比べて小さく、かつ、変調波の包絡線が変動するため、相対的に低効率のポイント(Peu〜Pel及びηeu〜ηel)で使用することになり、このために電力効率が低下してしまう。
以上に述べた2つの理由により、従来の技術では、EDGE変調方式では電力効率は20%台の低い値しか得られないという課題を有していた。
本発明の目的は、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の信号を電力増幅して無線送信するマルチモード対応の無線送信装置、ポーラ変調送信装置及び無線通信装置において、EDGE変調方式信号の送信時においても電力効率を向上させることである。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の信号を電力増幅して無線送信する無線送信装置であって、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の無線信号を形成する高周波信号処理回路と、GSM変調方式の無線信号を電力増幅する第1の高周波電力増幅器と、UMTS変調方式及びEDGE変調方式の無線信号を電力増幅する第2の高周波電力増幅器と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、EDGE変調方式の無線信号を、EDGE変調方式の無線信号と最大出力電力や包絡線変動の有無に関して親和性のあるUMTS変調方式の無線信号用の高周波電力増幅器を使用して電力増幅するので、EDGE変調方式の無線信号を高効率で電力増幅できるようになる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、第1の高周波電力増幅器を非線形領域で増幅動作させると共に、第2の高周波電力増幅器を線形領域で増幅動作させる構成を採る。
この構成によれば、包絡線が変動しないGSM変調方式の無線信号は高周波電力増幅器を非線形領域(飽和領域)で動作させる一方、包絡線が変動するUMTS変調方式及びEDGE変調方式の無線信号は高周波電力増幅器を線形領域で動作させるので、各変調方式に適した高効率の電力増幅を行うことができるようになる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、第2の高周波電力増幅器から出力するEDGE変調方式の無線信号の出力電力レベルに応じて、EDGE変調方式の無線信号を電力増幅する高周波電力増幅器を、第2の高周波電力増幅器から第1の高周波電力増幅器に切り替える構成を採る。
この構成によれば、第2の高周波電力増幅器の最大出力電力レベルが、UMTS変調方式の無線信号の最大出力電力レベルに合うように、第2の高周波電力増幅器が設計されている場合でも、第1の高周波電力増幅器を使ってEDGE変調方式の無線信号を形成できるようになる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、高周波信号処理回路の高周波変調信号出力端子は、EDGE変調信号とUMTS変調信号で出力端子を共用し、GSM変調信号は別の出力端子から出力する構成を採る。
この構成によれば、高周波信号処理回路の外付けのスイッチが不要となるので、装置サイズを小さくすることができ、また低コスト化が可能となる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、高周波信号処理回路の高周波変調信号出力端子は、GSM変調信号とEDGE変調信号で出力端子を共用し、UMTS変調信号は別の出力端子から出力する構成とされており、無線送信装置は、さらに、GSM変調信号とEDGE変調信号との共用出力端子から出力される信号を入力し、GSM変調信号を第1の高周波電力増幅器側に出力すると共にEDGE変調信号を第2の高周波電力増幅器側に出力する第1のスイッチと、共用出力端子とは別の出力端子から出力されるUMTS変調信号、及び第1のスイッチから出力されるEDGE変調信号を入力し、いずれか一方の変調信号を選択して第2の高周波電力増幅器に出力する第2のスイッチと、を具備する構成を採る。
この構成によれば、UMTS変調方式の無線信号とEDGE変調方式の無線信号に対して高周波電力増幅器を共用することができ、EDGE変調方式の無線信号に対する電力効率を向上させることができる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、高周波信号処理回路の高周波変調信号出力端子は、GSM変調信号とEDGE変調信号で出力端子を共用し、UMTS変調信号は別の出力端子から出力する構成とされており、無線送信装置は、さらに、GSM変調信号とEDGE変調信号との共用出力端子から出力される信号を入力し、GSM変調信号を第1の高周波電力増幅器側に出力すると共に、EDGE変調信号を第1の高周波電力増幅器側又は第2の高周波電力増幅器側に選択的に出力する第1のスイッチと、共用出力端子とは別の出力端子から出力されるUMTS変調信号、及び第1のスイッチから出力されるEDGE変調信号を入力し、いずれか一方の変調信号を選択して第2の高周波電力増幅器に出力する第2のスイッチと、を具備する構成を採る。
この構成によれば、UMTS変調方式の無線信号とEDGE変調方式の無線信号に対して高周波電力増幅器を共用することができ、EDGE変調方式の無線信号に対する電力効率を向上させることができる。加えて、第1のスイッチによって、EDGE変調信号を第1の高周波電力増幅器側又は第2の高周波電力増幅器側に選択的に出力するようにしたので、EDGE変調信号を第2の高周波電力増幅器により増幅することによる電力効率向上分と、EDGE変調信号を第2のスイッチを通過させることによる電力損失分とを加味して、EDGE変調信号を第1の高周波電力増幅器で増幅するか又は第2の高周波電力増幅器で増幅するかを選択できるようになるので、一段と消費電流を少なくすることができる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、第1と第2の高周波電力増幅器の後段に接続された出力切替用スイッチと、出力切替用スイッチの後段に接続されたデュプレクサと、出力切替用スイッチの後段に接続されたローパスフィルタと、を具備し、出力切替用スイッチは、第1及び第2の高周波電力増幅器の出力信号を入力し、当該出力信号の変調方式に応じて、当該出力信号をデュプレクサ又はローパスフィルタへ出力する構成を採る。
この構成によれば、EDGE変調方式の無線信号とUMTS変調方式の無線信号で高周波電力増幅器を共用した場合、これらの変調方式間で周波数帯が異なる場合でも高周波電力増幅器の後段のデュプレクサ又はローパスフィルタを増やす必要がなくなり、装置サイズやコストの増大を防ぐことができる。
本発明のポーラ変調送信装置の一つの態様は、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式のベースバンド信号から、当該各変調方式の信号についての振幅信号及び高周波位相変調信号を形成する高周波信号処理回路と、GSM変調方式の信号の振幅信号に応じた電圧を電源電圧として、GSM変調方式の信号の高周波位相変調信号を電力増幅する第1の高周波電力増幅器と、UMTS変調方式及びEDGE変調方式の信号の振幅信号に応じた電圧を電源電圧として、UMTS変調方式及びEDGE変調方式の信号の高周波位相変調信号を電力増幅する第2の高周波電力増幅器とを具備する構成を採る。
この構成によれば、UMTS変調方式及びEDGE変調方式の信号の電力増幅も非線形の高周波電力増幅器を用いて行うことができるようになるので、上記無線送信装置よりも一段と電力効率を向上させることができるようになる。また、GSM変調方式専用の高周波電力増幅器に対しては電源電圧を送信電力に応じた固定値とすることができ、ポーラ変調方式における振幅信号増幅器を狭帯域にできるという利点も有している。
本発明のポーラ変調送信装置の一つの態様は、第2の高周波電力増幅器から出力するEDGE変調方式の高周波位相変調信号の出力電力レベルに応じて、EDGE変調方式の高周波位相変調信号を電力増幅する高周波電力増幅器を、第2の高周波電力増幅器から第1の高周波電力増幅器に切り替える構成を採る。
この構成によれば、第2の高周波電力増幅器の最大出力電力レベルが、UMTS変調方式の無線信号の最大出力電力レベルに合うように、第2の高周波電力増幅器が設計されている場合でも、第1の高周波電力増幅器を使ってEDGE変調方式の無線信号を形成できるようになる。
本発明の無線通信装置の一つの態様は、上記いずれかの無線送信装置と、受信信号を復調する受信装置と、アンテナと、無線送信装置からアンテナへの送信信号の供給と、アンテナから受信装置への受信信号の供給とを切り替える送受切替部と、を具備する構成を採る。また本発明の無線通信装置の一つの態様は、上記ポーラ変調送信装置と、受信信号を復調する受信装置と、アンテナと、無線送信装置からアンテナへの送信信号の供給と、アンテナから受信装置への受信信号の供給とを切り替える送受切替部と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、送信装置の電力効率が高いため、搭載している電池電源の使用期間を延ばすことができると共に、送信装置の高周波電力増幅器を小型にできるため、無線通信装置のより一層の小型化を図ることができる。
このように本発明によれば、EDGE変調信号送信時においても電力効率が良好な無線送信装置、ポーラ変調送信装置及び無線通信装置を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図3に、本発明の実施の形態1に係る無線送信装置の構成を示す。なお、図3中で、図1と同一の機能を有するブロックには同一の符号を付しており、これらに対する説明は省略する。
図3に、本発明の実施の形態1に係る無線送信装置の構成を示す。なお、図3中で、図1と同一の機能を有するブロックには同一の符号を付しており、これらに対する説明は省略する。
無線送信装置200は、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の信号を無線送信するいわゆるマルチモード対応の無線送信装置である。
本実施の形態の無線送信装置200の送信周波数範囲は、低周波帯(LB)ではGSM/EDGE及びUMTS変調方式いずれにおいても824−849MHzであるが、高周波帯(UB)ではGSM−EDGE変調方式が1710−1785MHz、UMTS変調方式が1850−1910MHz(3GPPの標準規格参照)である。
無線送信装置200は、無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1から出力された無線GSM/EDGE(LB)信号151のうち、無線GSM(LB)信号を高周波電力増幅器102に、無線EDGE(LB)信号を高周波電力増幅器103に振り分ける1入力2出力の切替スイッチ114を有する。
また無線送信装置200は、無線GSM/EDGE(UB)信号形成回路101−3から出力された無線GSM/EDGE(UB)信号153のうち、無線GSM(UB)信号を高周波電力増幅器104に、無線EDGE(UB)信号を高周波電力増幅器105に振り分ける1入力2出力の切替スイッチ115を有する。
さらに無線送信装置200は、切替スイッチ114により振り分けられた無線EDGE(LB)信号と、無線UMTS(LB)信号形成回路101−2により形成された無線UMTS(LB)信号152とを入力とし、そのうちの一方を選択して高周波電力増幅器103に出力する切替スイッチ116と、切替スイッチ115により振り分けられた無線EDGE(UB)信号と、無線UMTS(UB)信号形成回路101−4により形成された無線UMTS(UB)信号154とを入力とし、そのうちの一方を選択して高周波電力増幅器105に出力する切替スイッチ117とを有する。
さらに無線送信装置200は、高周波電力増幅器104の出力信号157と、高周波電力増幅器105の出力信号158とを入力とし、これらの経路を切り換えてローパスフィルタ110とデュプレクサ111に出力するスイッチ119を有する。
本実施の形態の場合、高周波信号処理回路101中の無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1、無線UMTS(LB)信号形成回路101−2、無線GSM/EDGE(UB)信号形成回路101−3、無線UMTS(UB)信号形成回路101−4は、それぞれ、直交変調方式によって無線信号を形成するようになっている。
図4に、各回路101−1〜101−4の構成を示す。各回路101−1〜101−4の構成は同様なので、ここでは代表して無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1について説明する。EDGE信号を送信する場合、無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1は、ベースバンドEDGE信号形成回路120−2からのベースバンドEDGE信号のI信号とQ信号を入力し、これらに発振器211を用いて発生させた互いに90°位相が異なる2つの搬送波212、213を乗算器214、215でそれぞれ乗算した後、これらを加算器216で加え合わせて、可変増幅器217で増幅することで無線GSM/EDGE(LB)信号151を得る。無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1は、ベースバンドGSM信号形成回路120−1からのベースバンドGSM信号に対しても同様の処理を行う。
なお、図3では、各回路101−1〜101−4を別々のブロックで示しているが、基本的に各回路101−1〜101−4は同様の直交変調器構成なので、異なる変調方式間においても例えば周波数帯毎等で適当に共用することが可能である。また、GSM変調方式は、包絡線が一定の位相変調信号なので、PLLを用いた位相変調回路により構成してもよい。
次に、本実施の形態の無線送信装置200の動作について説明する。まず、高周波帯(UB)側の動作について説明する。
無線GSM/EDGE(UB)信号形成回路101−3から出力された無線GSM/EDGE(UB)信号153は、スイッチ115によって、GSM信号出力時には高周波電力増幅器104に、EDGE信号出力時は高周波電力増幅器105に供給される。また、スイッチ117は、無線EDGE信号又は無線UMTS信号のうちいずれかを選択出力する。また、スイッチ119は、GSM信号出力時は高周波電力増幅器104から出力される無線GSM信号をローパスフィルタ110に出力し、EDGE信号出力時は高周波電力増幅器105から出力される無線EDGE信号をローパスフィルタ110に出力し、UMTS信号出力時は高周波電力増幅器105から出力される無線UMTS信号をデュプレクサ111に出力する。
このようにEDGE信号出力時に、高周波電力増幅器105から出力される無線EDGE信号を高周波電力増幅器105側から高周波電力増幅器104側の経路に戻すのは、EDGE変調方式とUMTS変調方式の周波数帯域が異なるからであり、これらを同じ周波数帯域で使用する場合にはこのように経路を戻すことは必ずしも必要でない。
図5に、以上に述べた各変調方式の信号を出力(送信)する際のスイッチ115、117、119の切替の状態をまとめて示す。
次に、低周波帯(LB)側の動作について説明する。低周波帯(LB)側では、上述の高周波帯(UB)側と比較して、切替スイッチ119に相当する切替スイッチが無いところが異なっており、それ以外の部分は上述した高周波帯(UB)側の構成と同じである。低周波帯(LB)側では、EDGE変調方式とUMTS変調方式で周波数帯域が全く同じであるため、このような場合はEDGE変調方式の送受切替スイッチとしてデュプレクサ109を使用することができ、このようにスイッチ119に相当する切替スイッチを不要とすることができる。
3GPPの標準規格によれば、各変調方式における出力電力は周波数帯により異なるが、例えば850MHz帯におけるEDGE変調方式(パワークラス:E2)、850MHz帯におけるGSM変調方式(パワークラス:4)、全ての周波数帯でのUMTS変調方式(パワークラス:3)における最大出力はそれぞれ27dBm、33dBm、24dBmであり、EDGE変調方式の最大出力はGSM変調方式の最大出力よりもUMTS変調方式の最大出力の方に近い。
さらに、EDGE変調方式の最大出力はUMTS変調方式よりも大きいため、EDGE変調方式とUMTS変調方式で同一の高周波電力増幅器103を使用することにより、EDGE信号出力時の方が高周波電力増幅器103の飽和出力により近い状態で使用することになり、図2を用いて上述した理由により電力効率を高くすることができる。
また、EDGE変調方式はUMTS変調方式と同様に包絡線が時々刻々と変化する変調方式であるので、例えばA級増幅器のような線形増幅器を使用することが望ましい。
本実施の形態の無線送信装置200においては、このような点に着目して、EDGE変調信号を、GSM変調信号に合わせて最適設計された高周波電力増幅器102によって電力増幅するのではなく、EDGE変調信号とUMTS変調信号との間で線形の高周波電力増幅器103、105を共用するようにした。これにより、歪みが少なく、かつ、電力効率的にも最適設計された高周波電力増幅器を使用することができる。因みに、GSM変調信号用の高周波電力増幅器102、104は飽和領域で動作するように設計されており、電力効率が非常に良い。
以上述べたように、本実施の形態によれば、GSM変調方式の無線信号を電力増幅する第1の高周波電力増幅器102(104)と、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の無線信号を電力増幅する第2の高周波電力増幅器103(105)とを設け、EDGE変調方式の無線信号とUMTS変調方式の無線信号を同一の高周波電力増幅器103(105)で電力増幅するようにしたことにより、EDGE変調方式信号の送信時においても電力効率を向上させることができる無線送信装置200を実現できる。
実際上、本実施の形態の構成の無線送信装置200においては、EDGE変調信号に対する高周波電力増幅器103、105の電力を40%程度に高くすることが可能であり、高周波帯における後段のスイッチ114、116、115、117、119における電力損失を考慮しても従来の方式と比較して、EDGE変調信号出力時の電力効率を著しく高くすることができる大変有用なものである。
また、高周波電力増幅器102、104をGSM変調方式専用に用いることになるので、高周波電力増幅器102、104を非線形領域(飽和領域)でのみ使用することができる。これにより、特に線形領域での動作時に必要となる、電力増幅器の負荷変動の影響を抑制するアイソレータを削減できる。この結果、その分だけ、装置を小型化できると共にコストを削減できる。
なお、上述した実施の形態では、EDGE変調信号をスイッチ114、116(スイッチ115、117)を介して高周波電力増幅器103(105)に供給する場合について述べたが、EDGE変調信号の出力電力レベルに応じて、EDGE変調信号を増幅する高周波電力増幅器を切り替える構成とすることも好適である。これは、高周波電力増幅器103(105)の構成条件によっては、所望の出力電力レベルのEDGE変調方式の無線信号を形成できなくなってしまうためである。また、これは、出力電力レベルによっては、スイッチ116、117による電力損失がEDGE変調信号を高周波電力増幅器103(105)によって増幅することによる電力効率の向上分よりも大きい場合があるためである。このような場合は、EDGE変調信号をスイッチ114(115)を介して高周波電力増幅器102(104)側に出力するようにすることが望ましい。
その理由について説明する。通常はUMTSの最大出力はEDGEの最大出力よりも小さいため、UMTSの電力効率をEDGEの電力効率よりも重視する場合は、高周波電力増幅器103(105)の最大出力がUMTSの最大出力に合うように、高周波電力増幅器103(105)を設計するようになる。この場合、UMTSの最大出力以上のEDGE信号出力に対しては、高周波電力増幅器103(105)では所望の出力電力レベルのEDGE変調方式の無線信号を得ることができないので、高周波電力増幅器102(104)を使用する。これにより、高周波電力増幅器103(105)の最大出力電力レベルが、UMTS変調方式の無線信号の最大出力電力レベルに合うように、高周波電力増幅器103(105)が設計されている場合でも、高周波電力増幅器102(104)を使ってEDGE変調方式の無線信号を形成できるようになる。
(実施の形態2)
図3との対応部分に同一符号を付して示す図6に、実施の形態2に係るポーラ変調送信装置の構成を示す。
図3との対応部分に同一符号を付して示す図6に、実施の形態2に係るポーラ変調送信装置の構成を示す。
本実施の形態のポーラ変調送信装置300が、実施の形態1の無線送信装置200と異なる点は以下の2点である。
1点目は、実施の形態1では高周波信号処理回路101で直交変調を行ったのに対して、本実施の形態では高周波信号処理回路310がポーラ変調方式に基づく信号処理を行う点である。
2点目は、本実施の形態における送信周波数範囲は、GSM/EDGE及びUMTS変調方式いずれにおいても、低周波帯(LB)が824−849MHz、高周波帯(UB)が1850−1910MHz(3GPPの標準規格参照)である点である。
ポーラ変調方式は、ベースバンドのI信号とQ信号よりベースバンドの振幅信号と位相信号を抽出し、位相信号に基づいて搬送波を変調して得た高周波位相変調信号に振幅成分を乗算することによって振幅変調を加える方式であり、高周波電力増幅器を飽和モードで動作させることができるため、高電力効率でかつ線形性に優れた変調が可能な変調方式である。本実施の形態では、高周波位相変調信号と振幅成分との乗算は、高周波電力増幅器102、103、104、105で行われる。
高周波信号処理回路310は、複数の処理ユニット310−1〜310−4を有する。各処理ユニット310−1〜310−4の構成を、図7に示す。各処理ユニット310−1〜310−4の構成は同様なので、ここでは代表して処理ユニット310−2について説明する。
処理ユニット310−2は、振幅位相分離部21と、位相変調部22と、可変利得増幅器23とを有する。EDGE信号を送信する場合、振幅位相分離部21は、ベースバンドEDGE信号形成回路120−2からのベースバンドEDGE信号のI信号とQ信号を入力し、このI信号とQ信号とからその振幅成分である振幅信号162と位相成分である位相信号204を形成する。位相変調部22は、搬送波周波数信号を位相信号204で変調することにより、高周波位相変調信号152を形成する。位相変調部22は可変制御発信器(VCO)、位相比較器、低域通過フィルタから成るPLL回路等によって構成されている。
GSM変調方式は、周波数(位相)変調方式であるので高周波変調信号の包絡線のレベルすなわち振幅信号(GSM(LB)_PC、GSM(UB)_PC)161、163の大きさは一定値であるが、EDGE変調方式及びUMTS変調方式では包絡線のレベルすなわち振幅信号(UMTS/EDGE(LB)_AM、UMTS/EDGE(UB)_AM)162、164の大きさは時々刻々変化する。
EDGE変調信号及びUMTS変調信号については、この振幅信号(UMTS/EDGE(LB)_AM、UMTS/EDGE(UB)_AM)162、164が高周波信号処理回路310の出力端子から出力される。本実施の形態では、周波数帯毎にEDGE変調信号とUMTS変調信号で振幅信号の出力端子を共用しており、図6及び図7中の振幅信号(UMTS/EDGE(LB)_AM)162、振幅信号(UMTS/EDGE(UB)_AM)164がそれぞれ同一の端子から出力される。
高周波信号処理回路310から出力された振幅信号162、164は、振幅信号増幅器121、122によって送信電力制御信号に応じて増幅された後、高周波電力増幅器103、105の電源端子に入力される。これにより、高周波電力増幅器103、105にて、高周波位相変調信号152、154とベースバンドの振幅信号162、164との乗算が行われる。
また、GSM変調信号については、高周波信号処理回路310から一定値の振幅信号(GSM(LB)_PC、GSM(UB)_PC)161、163が出力され、この一定値の振幅信号161、163がDC(直流)増幅器123、124によって送信電力制御信号に応じて増幅された後、高周波電力増幅器102、104の電源端子に入力される。これにより、高周波電力増幅器102、104にて、高周波位相変調信号151、153と振幅信号161、163との乗算が行われる。
なお、上述した送信電力制御(具体的にはベースバンド振幅信号161〜164と送信電力制御信号との乗算)はベースバンド信号処理回路120からの制御信号に基づいて、高周波信号処理回路310で行ってもよい。
本実施の形態におけるポーラ変調方式の高周波信号処理回路310においては、GSM変調信号の出力端子をEDGE変調信号及びUMTS変調信号の出力端子と分離したことにより、増幅器123、124を直流増幅器とすることができる。これにより、増幅器123、124を狭帯域なものにすることができるために設計が容易になる、というポーラ変調特有の効果をもたらすことになる。
また高周波位相変調信号151、152、153、154は、高周波信号処理回路310の出力端から周波数及び変調方式毎(EDGE変調信号とUMTS変調信号は出力端子を共用)に出力される。
ポーラ変調方式においては、受信帯域のノイズが、上述した位相変調部22の低域通過フィルタ等で帯域制限されるため、バンドパスフィルタ106、107を削除する構成としてもよい。また、本実施の形態では、送信周波数範囲が低周波帯(LB)及び高周波帯(UB)共に同じであるため、実施の形態1で用いたような切替スイッチ119は不要となる。
次に、本実施の形態のポーラ変調送信装置300の動作について、数式を用いて詳細に説明する。
ベースバンド信号を複素表示でSi(t)とすると、ベースバンド信号Si(t)は、次式で表される。
Si(t)=a(t)exp[jφ(t)] ………(1)
但し、a(t)は振幅データ、exp[jφ(t)]は位相データをそれぞれ示す。
Si(t)=a(t)exp[jφ(t)] ………(1)
但し、a(t)は振幅データ、exp[jφ(t)]は位相データをそれぞれ示す。
振幅位相分離部21によりSi(t)から振幅データa(t)と位相データexp[jφ(t)]が抽出される。ここで、振幅データa(t)はベースバンド振幅信号162(161、163、164)に、位相データexp[jφ(t)]はベースバンド位相信号152(151、153、154)に、それぞれ対応する。
振幅データa(t)は、EDGE変調信号及びUMTS変調信号に関して、振幅信号増幅器121、122で増幅されて高周波電力増幅器103、105に与えられる。これにより、高周波電力増幅器103、105の電源電圧値が振幅データa(t)に基づいて設定される。一方、GSM変調信号に関しては、高周波変調信号の包絡線のレベルすなわち振幅信号の大きさが一定なので、高周波電力増幅器102、104の電源端子はそれぞれの送信電力に応じた固定電圧値で駆動される。
位相変調部22は、搬送波角周波数ωcを位相データexp[jφ(t)]で変調した高周波位相変調信号152(151、153、154)を生成する。そして、この高周波位相変調信号151〜154が高周波電力増幅器102〜105に入力される。ここで、高周波位相変調信号151〜154を信号Scとすると、高周波位相変調信号Scは、次式で表される。
Sc=exp[ωct+φ(t)] ………(2)
Sc=exp[ωct+φ(t)] ………(2)
そして、高周波電力増幅器102〜105によって、高周波電力増幅器102〜105の電源電圧値a(t)と高周波位相変調信号151〜154とを掛け合わせた送信出力信号が高周波電力増幅器102〜105から出力される。
ここで、送信出力信号をRF信号Srfとすると、Srfは次式で表すことができる。
Srf=a(t)Sc=a(t)exp[ωct+φ(t)] ………(3)
Srf=a(t)Sc=a(t)exp[ωct+φ(t)] ………(3)
以上のように、ポーラ変調送信装置300においては、高周波電力増幅器102〜105に入力される信号は、振幅方向の変動成分を持たない高周波位相変調信号151〜154であるため定包絡線信号となる。したがって、高周波電力増幅器102〜105として効率の良い非線形増幅器を使用できるので、電力効率を向上させることができる。
実施の形態1の無線送信装置200と本実施の形態のポーラ変調送信装置300を電力効率の点で比較すると、GSM変調信号を電力増幅する高周波電力増幅器102、104については無線送信装置200でも飽和領域で動作させるので本実施の形態と同程度の電力効率を得ることができる。一方、UMTS変調信号及びEDGE変調信号を電力増幅する高周波電力増幅器103、105については、無線送信装置200では線形動作させていたのに対して、本実施の形態のポーラ変調送信装置300では飽和動作(非線形動作)させているので、本実施の形態のポーラ変調送信装置300の方が電力効率が良い。したがって、本実施の形態のポーラ変調送信装置300は、実施の形態1の無線送信装置200よりも一段と電力効率を向上させることができる。
また、本実施の形態では、高周波信号処理回路310の高周波変調信号出力端子は、EDGE変調信号とUMTS変調信号で出力端子を共用し、GSM変調信号は別の出力端子から出力しているので、図3の切替スイッチ114〜117を設ける必要がない。この結果、装置構成を簡単化でき、低コストの装置を実現できる。
なお、GSM変調信号については、図7に示したようにベースバンドのI信号とQ信号から振幅位相分離部21を経由して位相信号を抽出するのではなく、ベースバンドGSM信号形成回路120−1から直接位相信号を受け取って振幅位相分離部21を介さずにそのまま位相変調部22に入力して位相変調を加える構成も考えられる。この場合、図7中の振幅信号161、163は一定値となるが、この場合においても上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図6では、各回路310−1〜310−4を別々のブロックで示しているが、基本的に各回路310−1〜310−4は同様のポーラ変調器構成なので、異なる変調方式間においても例えば周波数帯毎等で適当に共用することが可能である。
(他の実施の形態)
なお、実施の形態1の無線送信装置200や、実施の形態2のポーラ変調送信装置300を無線通信装置に適用することも可能である。図8に、無線送信装置200やポーラ変調送信装置300を搭載した無線通信装置30の概略構成を示す。無線通信装置30は、無線送信装置200やポーラ変調送信装置300を搭載した送信装置31と、受信装置32とを有し、これらは送受切替部33を介してアンテナ34と接続されている。ここで、無線通信装置30は、例えば携帯電話機や、通信機能を備えた携帯情報端末等の携帯無線端末装置や、無線基地局等である。
なお、実施の形態1の無線送信装置200や、実施の形態2のポーラ変調送信装置300を無線通信装置に適用することも可能である。図8に、無線送信装置200やポーラ変調送信装置300を搭載した無線通信装置30の概略構成を示す。無線通信装置30は、無線送信装置200やポーラ変調送信装置300を搭載した送信装置31と、受信装置32とを有し、これらは送受切替部33を介してアンテナ34と接続されている。ここで、無線通信装置30は、例えば携帯電話機や、通信機能を備えた携帯情報端末等の携帯無線端末装置や、無線基地局等である。
無線通信装置30は、送信時には、送信装置31によって電力増幅した送信出力信号を生成し、これを送受切替部33を介してアンテナ34から放射する。一方、受信時には、アンテナ34で受信した受信信号を送受切替部33を介して受信装置32に入力し、受信装置32によって受信信号を復調する。
このように、実施の形態1の無線送信装置200又は実施の形態2のポーラ変調送信装置300を搭載した無線通信装置30によれば、EDGE変調方式とUMTS変調方式で高周波電力増幅器を共用することにより、EDGE変調方式における電力効率を向上させることができるようになる。この結果、携帯無線端末装置等においては電池の消耗を防止でき、その分、送信装置や通信装置の使用時間を延ばすことができる。また、高周波電力増幅器は電力効率が向上された分、小型化でき、また、発熱量も低減できるため、これを搭載する無線通信装置の小型化を図ることができる。
また、本発明の無線送信装置又はポーラ変調送信装置を、大電力の送信装置を複数設置する無線システムの基地局装置に適用すれば、高周波電力増幅器の高出力電力時の電力効率が向上するため、高周波電力増幅器を小型にできると共に発熱量を低減できる。この結果、設備の大型化を防止でき、省スペース性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態では、EDGE変調方式、UMTS変調方式及びGSM変調方式の場合について述べたが、本発明の効果はこれら特定の変調方式にのみ奏されるものではない。最大出力電力値の大小関係と変調方式による包絡線変動の有無の関係が上述したような関係を有している場合は、上述した実施形態の変調方式に限定されず、本発明を適用することができる。
また、各変調方式の周波数帯も本実施の形態で述べた帯域に限定されるものではなく、UMTS変調方式とEDGE変調方式で高周波電力増幅器を共用することにより、同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。
本明細書は、2005年4月27日出願の特願2005−130538に基づく。その内容は、全てここに含めておく。
本発明は、マルチモードの送信装置において電力効率を向上させる効果を有し、携帯電話機や携帯情報端末等の携帯端末装置や、無線基地局等の無線通信装置等に有用である。
本発明は、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式のような複数方式の無線信号を送信可能な無線送信装置、ポーラ変調送信装置及び無線通信装置に関する。
従来、携帯電話の通信方式として世界中でいくつかの異なる通信方式が存在しているが、昨今の携帯電話の世界レベルでの爆発的な普及を背景として、単一の通信方式ではなく複数の通信方式に対応する、いわゆるマルチモード端末への要求が急激に高まってきている。
マルチモード通信方式の一例として、UMTS変調方式とGSM−EDGE変調方式の両方の通信を可能としたマルチモード通信方式がある。UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式は、第3世代(3G)の移動体通信システムのひとつであり、主としてヨーロッパや日本(W−CDMA)で採用されている通信方式である。また、GSM(Global System for Mobile Communications)方式は、ヨーロッパやアジアを中心に100ヶ国以上で利用されており、ディジタル携帯電話の事実上の世界標準方式であり、周波数帯としては850MHz帯、900MHz帯、1.8GHz帯、1.9GHz帯などを利用する。また、EDGE(Enhanced Data GSM Environment)変調方式は、GSM方式の携帯電話網を使ったデータ伝送技術であり、GPRS(General Packet Radio Service)変調方式の後継技術に当たり、3Gのひとつとして扱われている。
上述のUMTS変調方式とGSM−EDGE変調方式の両方の変調方式で通信可能なマルチモード携帯端末は既に製品化されており、例えば非特許文献1に記載されている。
図1に、従来のUMTS方式/GSM−EDGE方式対応のマルチモード携帯電話機の送信系の構成例を示す。マルチモード携帯電話機100は、ベースバンド信号処理回路120のベースバンドGSM信号形成回路120−1、ベースバンドEDGE信号形成回路120−2、ベースバンドUMTS信号形成回路120−3において、各方式に対応したディジタル変調処理やフレーム組立てを行うことにより、ベースバンドのGSM信号、EDGE信号、UMTS信号を形成し、これらを高周波信号処理回路101に送出する。
高周波信号処理回路101は、ベースバンドのGSM信号、EDGE信号、UMTS信号により高周波搬送信号を変調することにより、無線信号を形成する。具体的には、高周波信号処理回路101は、無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1、無線UMTS(LB)信号形成回路101−2、無線GSM/EDGE(UB)信号形成回路101−3、無線UMTS(UB)信号形成回路101−4を有し、各回路101−1〜101−4の名前に対応したベースバンド信号を用いて異なる周波数の高周波搬送信号を変調するようになっている。この変調としては例えば直交変調が行われる。ここでベースバンド信号処理回路120から高周波信号処理回路101への1本の信号線はそれぞれI信号(同相信号)とQ信号(直交信号)から構成されている。各回路101−1〜101−4で直交変調を行う場合には、I信号(同相信号)とQ信号によってそれぞれ位相が互いに90度異なる搬送波を変調後に加算する。なお、LBは低周波帯を示し、UBは高周波帯を示す。
無線GSM/EDGE(LB)信号151、無線UMTS(LB)信号152、無線GSM/EDGE(UB)信号153、無線UMTS(UB)信号154は、それぞれ、対応する高周波電力増幅器102、103、104、105によって電力増幅される。
ここで各高周波電力増幅器102、103、104、105は入力される無線信号の変調方式や動作周波数に最適化した設計が個々になされている。つまり、高周波電力増幅器102はGSM−EDGE変調方式低周波帯(LB)用、高周波電力増幅器103はUMTS変調方式低周波帯(LB)用、高周波電力増幅器104はGSM−EDGE変調方式高周波帯(UB)用、高周波電力増幅器105はUMTS変調方式高周波帯(UB)用に最適設計されている。
無線UMTS(LB)信号形成回路101−2と高周波電力増幅器103との間、無線UMTS(UB)信号形成回路101−4と高周波電力増幅器105との間には、バンドパスフィルタ106、107が設けられており、各バンドパスフィルタ106、107によってUMTS変調方式の受信帯域のノイズをカットオフするようになっている。因みに、これと同様の目的のバンドパスフィルタはGSM変調方式では、無線GSM/EDGE信号形成回路101−1、101−3の回路形式によっては不要となる。
GSM/EDGE変調方式用の高周波電力増幅器102、104の出力側には高周波のスプリアス成分を抑制するためにローパスフィルタ108、110が設けられている。GSM/EDGE変調方式では、送信(Tx)と受信(Rx)はアンテナスイッチ112によって時間的に切り替えられる(TDD方式)。
一方、UMTS変調方式では、送信と受信が同時に行われる符号多重(CDMA)方式であり、送信と受信は周波数によって分離される(FDD方式)。このため、送受それぞれの帯域に対応した2つのバンドパスフィルタから構成されるデュプレクサ109、111がそれぞれ高周波電力増幅器103、105の後段に設けられている。デュプレクサ109、111はアンテナスイッチ112を介してアンテナ113と接続されている。
上述したように、EDGE変調方式を用いたデータ通信は携帯電話方式のGSM変調方式に付随したものであり、このため、EDGE変調方式ではGSM変調方式と同一の高周波電力増幅器102、104を共用している。
ノキア・ジャパン株式会社 2004年10月19日 プレスリリース
ノキア・ジャパン株式会社 2004年10月19日 プレスリリース
しかしながら、上記従来の無線送信装置においては、EDGE変調方式に対する電力効率の観点から以下に述べるような課題があった。
まず、第1に、GSM変調方式は周波数(位相)変調方式であり、高周波変調波の包絡線が(同一の出力電力設定において)時間的に変化しない変調方式であるのに対して、EDGE変調方式はベクトル(IQ)変調方式であり、高周波変調波の包絡線が(同一の出力電力設定においても)時間的に変化する変調方式である。このように包絡線が時々刻々と変化する高周波変調波を歪みなく増幅するためには高周波電力増幅器102、104を線形動作させる必要があり、そのためには高周波電力増幅器をいわゆるA級動作させる必要がある。A級動作では増幅の線形性は優れているが、バイアス電流による電力を常時消費するため電力効率としては低いものになってしまう。
また、第2に、EDGE変調方式においてはその出力電力レベルの最大値(例えば850MHz帯、パワークラス:E2では27dBm)がGSM変調方式での出力電力レベルの最大値(例えば850MHz帯、パワークラス:4では33dBm)(3GPP(3rd Generation Partnership Project)の標準規格参照)と比較して大幅に小さく、したがって高周波電力増幅器の設計は、高周波電力増幅器の飽和電力がGSM変調方式における最
大電力程度になるように設計されることになる。
大電力程度になるように設計されることになる。
図2に、高周波電力増幅器における出力電力と電力効率の特性の一例を示す。このように、電力効率は出力電力の増加と共に高くなり、飽和電力付近で最大効率を示す。
図2を用いてEDGEで電力効率が低くなる理由を説明する。GSM方式においては、最大出力が大きいため高効率のポイント(Pg及びηg)で使用することになる(変調波が定包絡の信号であるため上記の図において1ポイントで使用)。一方、EDGE方式においては、最大出力がGSMに比べて小さく、かつ、変調波の包絡線が変動するため、相対的に低効率のポイント(Peu〜Pel及びηeu〜ηel)で使用することになり、このために電力効率が低下してしまう。
以上に述べた2つの理由により、従来の技術では、EDGE変調方式では電力効率は20%台の低い値しか得られないという課題を有していた。
本発明の目的は、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の信号を電力増幅して無線送信するマルチモード対応の無線送信装置、ポーラ変調送信装置及び無線通信装置において、EDGE変調方式信号の送信時においても電力効率を向上させることである。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の信号を電力増幅して無線送信する無線送信装置であって、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の無線信号を形成する高周波信号処理回路と、GSM変調方式の無線信号を電力増幅する第1の高周波電力増幅器と、UMTS変調方式及びEDGE変調方式の無線信号を電力増幅する第2の高周波電力増幅器と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、EDGE変調方式の無線信号を、EDGE変調方式の無線信号と最大出力電力や包絡線変動の有無に関して親和性のあるUMTS変調方式の無線信号用の高周波電力増幅器を使用して電力増幅するので、EDGE変調方式の無線信号を高効率で電力増幅できるようになる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、第1の高周波電力増幅器を非線形領域で増幅動作させると共に、第2の高周波電力増幅器を線形領域で増幅動作させる構成を採る。
この構成によれば、包絡線が変動しないGSM変調方式の無線信号は高周波電力増幅器を非線形領域(飽和領域)で動作させる一方、包絡線が変動するUMTS変調方式及びEDGE変調方式の無線信号は高周波電力増幅器を線形領域で動作させるので、各変調方式に適した高効率の電力増幅を行うことができるようになる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、第2の高周波電力増幅器から出力するEDGE変調方式の無線信号の出力電力レベルに応じて、EDGE変調方式の無線信号を電力増幅する高周波電力増幅器を、第2の高周波電力増幅器から第1の高周波電力増幅器に切り替える構成を採る。
この構成によれば、第2の高周波電力増幅器の最大出力電力レベルが、UMTS変調方式の無線信号の最大出力電力レベルに合うように、第2の高周波電力増幅器が設計されている場合でも、第1の高周波電力増幅器を使ってEDGE変調方式の無線信号を形成できるようになる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、高周波信号処理回路の高周波変調信号出力端子は、EDGE変調信号とUMTS変調信号で出力端子を共用し、GSM変調信号は別の出力端子から出力する構成を採る。
この構成によれば、高周波信号処理回路の外付けのスイッチが不要となるので、装置サイズを小さくすることができ、また低コスト化が可能となる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、高周波信号処理回路の高周波変調信号出力端子は、GSM変調信号とEDGE変調信号で出力端子を共用し、UMTS変調信号は別の出力端子から出力する構成とされており、無線送信装置は、さらに、GSM変調信号とEDGE変調信号との共用出力端子から出力される信号を入力し、GSM変調信号を第1の高周波電力増幅器側に出力すると共にEDGE変調信号を第2の高周波電力増幅器側に出力する第1のスイッチと、共用出力端子とは別の出力端子から出力されるUMTS変調信号、及び第1のスイッチから出力されるEDGE変調信号を入力し、いずれか一方の変調信号を選択して第2の高周波電力増幅器に出力する第2のスイッチと、を具備する構成を採る。
この構成によれば、UMTS変調方式の無線信号とEDGE変調方式の無線信号に対して高周波電力増幅器を共用することができ、EDGE変調方式の無線信号に対する電力効率を向上させることができる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、高周波信号処理回路の高周波変調信号出力端子は、GSM変調信号とEDGE変調信号で出力端子を共用し、UMTS変調信号は別の出力端子から出力する構成とされており、無線送信装置は、さらに、GSM変調信号とEDGE変調信号との共用出力端子から出力される信号を入力し、GSM変調信号を第1の高周波電力増幅器側に出力すると共に、EDGE変調信号を第1の高周波電力増幅器側又は第2の高周波電力増幅器側に選択的に出力する第1のスイッチと、共用出力端子とは別の出力端子から出力されるUMTS変調信号、及び第1のスイッチから出力されるEDGE変調信号を入力し、いずれか一方の変調信号を選択して第2の高周波電力増幅器に出力する第2のスイッチと、を具備する構成を採る。
この構成によれば、UMTS変調方式の無線信号とEDGE変調方式の無線信号に対して高周波電力増幅器を共用することができ、EDGE変調方式の無線信号に対する電力効率を向上させることができる。加えて、第1のスイッチによって、EDGE変調信号を第1の高周波電力増幅器側又は第2の高周波電力増幅器側に選択的に出力するようにしたので、EDGE変調信号を第2の高周波電力増幅器により増幅することによる電力効率向上分と、EDGE変調信号を第2のスイッチを通過させることによる電力損失分とを加味して、EDGE変調信号を第1の高周波電力増幅器で増幅するか又は第2の高周波電力増幅器で増幅するかを選択できるようになるので、一段と消費電流を少なくすることができる。
本発明の無線送信装置の一つの態様は、第1と第2の高周波電力増幅器の後段に接続された出力切替用スイッチと、出力切替用スイッチの後段に接続されたデュプレクサと、出力切替用スイッチの後段に接続されたローパスフィルタと、を具備し、出力切替用スイッチは、第1及び第2の高周波電力増幅器の出力信号を入力し、当該出力信号の変調方式に応じて、当該出力信号をデュプレクサ又はローパスフィルタへ出力する構成を採る。
この構成によれば、EDGE変調方式の無線信号とUMTS変調方式の無線信号で高周波電力増幅器を共用した場合、これらの変調方式間で周波数帯が異なる場合でも高周波電
力増幅器の後段のデュプレクサ又はローパスフィルタを増やす必要がなくなり、装置サイズやコストの増大を防ぐことができる。
力増幅器の後段のデュプレクサ又はローパスフィルタを増やす必要がなくなり、装置サイズやコストの増大を防ぐことができる。
本発明のポーラ変調送信装置の一つの態様は、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式のベースバンド信号から、当該各変調方式の信号についての振幅信号及び高周波位相変調信号を形成する高周波信号処理回路と、GSM変調方式の信号の振幅信号に応じた電圧を電源電圧として、GSM変調方式の信号の高周波位相変調信号を電力増幅する第1の高周波電力増幅器と、UMTS変調方式及びEDGE変調方式の信号の振幅信号に応じた電圧を電源電圧として、UMTS変調方式及びEDGE変調方式の信号の高周波位相変調信号を電力増幅する第2の高周波電力増幅器とを具備する構成を採る。
この構成によれば、UMTS変調方式及びEDGE変調方式の信号の電力増幅も非線形の高周波電力増幅器を用いて行うことができるようになるので、上記無線送信装置よりも一段と電力効率を向上させることができるようになる。また、GSM変調方式専用の高周波電力増幅器に対しては電源電圧を送信電力に応じた固定値とすることができ、ポーラ変調方式における振幅信号増幅器を狭帯域にできるという利点も有している。
本発明のポーラ変調送信装置の一つの態様は、第2の高周波電力増幅器から出力するEDGE変調方式の高周波位相変調信号の出力電力レベルに応じて、EDGE変調方式の高周波位相変調信号を電力増幅する高周波電力増幅器を、第2の高周波電力増幅器から第1の高周波電力増幅器に切り替える構成を採る。
この構成によれば、第2の高周波電力増幅器の最大出力電力レベルが、UMTS変調方式の無線信号の最大出力電力レベルに合うように、第2の高周波電力増幅器が設計されている場合でも、第1の高周波電力増幅器を使ってEDGE変調方式の無線信号を形成できるようになる。
本発明の無線通信装置の一つの態様は、上記いずれかの無線送信装置と、受信信号を復調する受信装置と、アンテナと、無線送信装置からアンテナへの送信信号の供給と、アンテナから受信装置への受信信号の供給とを切り替える送受切替部と、を具備する構成を採る。また本発明の無線通信装置の一つの態様は、上記ポーラ変調送信装置と、受信信号を復調する受信装置と、アンテナと、無線送信装置からアンテナへの送信信号の供給と、アンテナから受信装置への受信信号の供給とを切り替える送受切替部と、を具備する構成を採る。
この構成によれば、送信装置の電力効率が高いため、搭載している電池電源の使用期間を延ばすことができると共に、送信装置の高周波電力増幅器を小型にできるため、無線通信装置のより一層の小型化を図ることができる。
このように本発明によれば、EDGE変調信号送信時においても電力効率が良好な無線送信装置、ポーラ変調送信装置及び無線通信装置を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図3に、本発明の実施の形態1に係る無線送信装置の構成を示す。なお、図3中で、図1と同一の機能を有するブロックには同一の符号を付しており、これらに対する説明は省略する。
図3に、本発明の実施の形態1に係る無線送信装置の構成を示す。なお、図3中で、図1と同一の機能を有するブロックには同一の符号を付しており、これらに対する説明は省略する。
無線送信装置200は、GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の信号を無線送信するいわゆるマルチモード対応の無線送信装置である。
本実施の形態の無線送信装置200の送信周波数範囲は、低周波帯(LB)ではGSM/EDGE及びUMTS変調方式いずれにおいても824−849MHzであるが、高周波帯(UB)ではGSM−EDGE変調方式が1710−1785MHz、UMTS変調方式が1850−1910MHz(3GPPの標準規格参照)である。
無線送信装置200は、無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1から出力された無線GSM/EDGE(LB)信号151のうち、無線GSM(LB)信号を高周波電力増幅器102に、無線EDGE(LB)信号を高周波電力増幅器103に振り分ける1入力2出力の切替スイッチ114を有する。
また無線送信装置200は、無線GSM/EDGE(UB)信号形成回路101−3から出力された無線GSM/EDGE(UB)信号153のうち、無線GSM(UB)信号を高周波電力増幅器104に、無線EDGE(UB)信号を高周波電力増幅器105に振り分ける1入力2出力の切替スイッチ115を有する。
さらに無線送信装置200は、切替スイッチ114により振り分けられた無線EDGE(LB)信号と、無線UMTS(LB)信号形成回路101−2により形成された無線UMTS(LB)信号152とを入力とし、そのうちの一方を選択して高周波電力増幅器103に出力する切替スイッチ116と、切替スイッチ115により振り分けられた無線EDGE(UB)信号と、無線UMTS(UB)信号形成回路101−4により形成された無線UMTS(UB)信号154とを入力とし、そのうちの一方を選択して高周波電力増幅器105に出力する切替スイッチ117とを有する。
さらに無線送信装置200は、高周波電力増幅器104の出力信号157と、高周波電力増幅器105の出力信号158とを入力とし、これらの経路を切り換えてローパスフィルタ110とデュプレクサ111に出力するスイッチ119を有する。
本実施の形態の場合、高周波信号処理回路101中の無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1、無線UMTS(LB)信号形成回路101−2、無線GSM/EDGE(UB)信号形成回路101−3、無線UMTS(UB)信号形成回路101−4は、それぞれ、直交変調方式によって無線信号を形成するようになっている。
図4に、各回路101−1〜101−4の構成を示す。各回路101−1〜101−4の構成は同様なので、ここでは代表して無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1について説明する。EDGE信号を送信する場合、無線GSM/EDGE(LB)
信号形成回路101−1は、ベースバンドEDGE信号形成回路120−2からのベースバンドEDGE信号のI信号とQ信号を入力し、これらに発振器211を用いて発生させた互いに90°位相が異なる2つの搬送波212、213を乗算器214、215でそれぞれ乗算した後、これらを加算器216で加え合わせて、可変増幅器217で増幅することで無線GSM/EDGE(LB)信号151を得る。無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1は、ベースバンドGSM信号形成回路120−1からのベースバンドGSM信号に対しても同様の処理を行う。
信号形成回路101−1は、ベースバンドEDGE信号形成回路120−2からのベースバンドEDGE信号のI信号とQ信号を入力し、これらに発振器211を用いて発生させた互いに90°位相が異なる2つの搬送波212、213を乗算器214、215でそれぞれ乗算した後、これらを加算器216で加え合わせて、可変増幅器217で増幅することで無線GSM/EDGE(LB)信号151を得る。無線GSM/EDGE(LB)信号形成回路101−1は、ベースバンドGSM信号形成回路120−1からのベースバンドGSM信号に対しても同様の処理を行う。
なお、図3では、各回路101−1〜101−4を別々のブロックで示しているが、基本的に各回路101−1〜101−4は同様の直交変調器構成なので、異なる変調方式間においても例えば周波数帯毎等で適当に共用することが可能である。また、GSM変調方式は、包絡線が一定の位相変調信号なので、PLLを用いた位相変調回路により構成してもよい。
次に、本実施の形態の無線送信装置200の動作について説明する。まず、高周波帯(UB)側の動作について説明する。
無線GSM/EDGE(UB)信号形成回路101−3から出力された無線GSM/EDGE(UB)信号153は、スイッチ115によって、GSM信号出力時には高周波電力増幅器104に、EDGE信号出力時は高周波電力増幅器105に供給される。また、スイッチ117は、無線EDGE信号又は無線UMTS信号のうちいずれかを選択出力する。また、スイッチ119は、GSM信号出力時は高周波電力増幅器104から出力される無線GSM信号をローパスフィルタ110に出力し、EDGE信号出力時は高周波電力増幅器105から出力される無線EDGE信号をローパスフィルタ110に出力し、UMTS信号出力時は高周波電力増幅器105から出力される無線UMTS信号をデュプレクサ111に出力する。
このようにEDGE信号出力時に、高周波電力増幅器105から出力される無線EDGE信号を高周波電力増幅器105側から高周波電力増幅器104側の経路に戻すのは、EDGE変調方式とUMTS変調方式の周波数帯域が異なるからであり、これらを同じ周波数帯域で使用する場合にはこのように経路を戻すことは必ずしも必要でない。
図5に、以上に述べた各変調方式の信号を出力(送信)する際のスイッチ115、117、119の切替の状態をまとめて示す。
次に、低周波帯(LB)側の動作について説明する。低周波帯(LB)側では、上述の高周波帯(UB)側と比較して、切替スイッチ119に相当する切替スイッチが無いところが異なっており、それ以外の部分は上述した高周波帯(UB)側の構成と同じである。低周波帯(LB)側では、EDGE変調方式とUMTS変調方式で周波数帯域が全く同じであるため、このような場合はEDGE変調方式の送受切替スイッチとしてデュプレクサ109を使用することができ、このようにスイッチ119に相当する切替スイッチを不要とすることができる。
3GPPの標準規格によれば、各変調方式における出力電力は周波数帯により異なるが、例えば850MHz帯におけるEDGE変調方式(パワークラス:E2)、850MHz帯におけるGSM変調方式(パワークラス:4)、全ての周波数帯でのUMTS変調方式(パワークラス:3)における最大出力はそれぞれ27dBm、33dBm、24dBmであり、EDGE変調方式の最大出力はGSM変調方式の最大出力よりもUMTS変調方式の最大出力の方に近い。
さらに、EDGE変調方式の最大出力はUMTS変調方式よりも大きいため、EDGE変調方式とUMTS変調方式で同一の高周波電力増幅器103を使用することにより、EDGE信号出力時の方が高周波電力増幅器103の飽和出力により近い状態で使用することになり、図2を用いて上述した理由により電力効率を高くすることができる。
また、EDGE変調方式はUMTS変調方式と同様に包絡線が時々刻々と変化する変調方式であるので、例えばA級増幅器のような線形増幅器を使用することが望ましい。
本実施の形態の無線送信装置200においては、このような点に着目して、EDGE変調信号を、GSM変調信号に合わせて最適設計された高周波電力増幅器102によって電力増幅するのではなく、EDGE変調信号とUMTS変調信号との間で線形の高周波電力増幅器103、105を共用するようにした。これにより、歪みが少なく、かつ、電力効率的にも最適設計された高周波電力増幅器を使用することができる。因みに、GSM変調信号用の高周波電力増幅器102、104は飽和領域で動作するように設計されており、電力効率が非常に良い。
以上述べたように、本実施の形態によれば、GSM変調方式の無線信号を電力増幅する第1の高周波電力増幅器102(104)と、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の無線信号を電力増幅する第2の高周波電力増幅器103(105)とを設け、EDGE変調方式の無線信号とUMTS変調方式の無線信号を同一の高周波電力増幅器103(105)で電力増幅するようにしたことにより、EDGE変調方式信号の送信時においても電力効率を向上させることができる無線送信装置200を実現できる。
実際上、本実施の形態の構成の無線送信装置200においては、EDGE変調信号に対する高周波電力増幅器103、105の電力を40%程度に高くすることが可能であり、高周波帯における後段のスイッチ114、116、115、117、119における電力損失を考慮しても従来の方式と比較して、EDGE変調信号出力時の電力効率を著しく高くすることができる大変有用なものである。
また、高周波電力増幅器102、104をGSM変調方式専用に用いることになるので、高周波電力増幅器102、104を非線形領域(飽和領域)でのみ使用することができる。これにより、特に線形領域での動作時に必要となる、電力増幅器の負荷変動の影響を抑制するアイソレータを削減できる。この結果、その分だけ、装置を小型化できると共にコストを削減できる。
なお、上述した実施の形態では、EDGE変調信号をスイッチ114、116(スイッチ115、117)を介して高周波電力増幅器103(105)に供給する場合について述べたが、EDGE変調信号の出力電力レベルに応じて、EDGE変調信号を増幅する高周波電力増幅器を切り替える構成とすることも好適である。これは、高周波電力増幅器103(105)の構成条件によっては、所望の出力電力レベルのEDGE変調方式の無線信号を形成できなくなってしまうためである。また、これは、出力電力レベルによっては、スイッチ116、117による電力損失がEDGE変調信号を高周波電力増幅器103(105)によって増幅することによる電力効率の向上分よりも大きい場合があるためである。このような場合は、EDGE変調信号をスイッチ114(115)を介して高周波電力増幅器102(104)側に出力するようにすることが望ましい。
その理由について説明する。通常はUMTSの最大出力はEDGEの最大出力よりも小さいため、UMTSの電力効率をEDGEの電力効率よりも重視する場合は、高周波電力増幅器103(105)の最大出力がUMTSの最大出力に合うように、高周波電力増幅器103(105)を設計するようになる。この場合、UMTSの最大出力以上のEDG
E信号出力に対しては、高周波電力増幅器103(105)では所望の出力電力レベルのEDGE変調方式の無線信号を得ることができないので、高周波電力増幅器102(104)を使用する。これにより、高周波電力増幅器103(105)の最大出力電力レベルが、UMTS変調方式の無線信号の最大出力電力レベルに合うように、高周波電力増幅器103(105)が設計されている場合でも、高周波電力増幅器102(104)を使ってEDGE変調方式の無線信号を形成できるようになる。
E信号出力に対しては、高周波電力増幅器103(105)では所望の出力電力レベルのEDGE変調方式の無線信号を得ることができないので、高周波電力増幅器102(104)を使用する。これにより、高周波電力増幅器103(105)の最大出力電力レベルが、UMTS変調方式の無線信号の最大出力電力レベルに合うように、高周波電力増幅器103(105)が設計されている場合でも、高周波電力増幅器102(104)を使ってEDGE変調方式の無線信号を形成できるようになる。
(実施の形態2)
図3との対応部分に同一符号を付して示す図6に、実施の形態2に係るポーラ変調送信装置の構成を示す。
図3との対応部分に同一符号を付して示す図6に、実施の形態2に係るポーラ変調送信装置の構成を示す。
本実施の形態のポーラ変調送信装置300が、実施の形態1の無線送信装置200と異なる点は以下の2点である。
1点目は、実施の形態1では高周波信号処理回路101で直交変調を行ったのに対して、本実施の形態では高周波信号処理回路310がポーラ変調方式に基づく信号処理を行う点である。
2点目は、本実施の形態における送信周波数範囲は、GSM/EDGE及びUMTS変調方式いずれにおいても、低周波帯(LB)が824−849MHz、高周波帯(UB)が1850−1910MHz(3GPPの標準規格参照)である点である。
ポーラ変調方式は、ベースバンドのI信号とQ信号よりベースバンドの振幅信号と位相信号を抽出し、位相信号に基づいて搬送波を変調して得た高周波位相変調信号に振幅成分を乗算することによって振幅変調を加える方式であり、高周波電力増幅器を飽和モードで動作させることができるため、高電力効率でかつ線形性に優れた変調が可能な変調方式である。本実施の形態では、高周波位相変調信号と振幅成分との乗算は、高周波電力増幅器102、103、104、105で行われる。
高周波信号処理回路310は、複数の処理ユニット310−1〜310−4を有する。各処理ユニット310−1〜310−4の構成を、図7に示す。各処理ユニット310−1〜310−4の構成は同様なので、ここでは代表して処理ユニット310−2について説明する。
処理ユニット310−2は、振幅位相分離部21と、位相変調部22と、可変利得増幅器23とを有する。EDGE信号を送信する場合、振幅位相分離部21は、ベースバンドEDGE信号形成回路120−2からのベースバンドEDGE信号のI信号とQ信号を入力し、このI信号とQ信号とからその振幅成分である振幅信号162と位相成分である位相信号204を形成する。位相変調部22は、搬送波周波数信号を位相信号204で変調することにより、高周波位相変調信号152を形成する。位相変調部22は可変制御発信器(VCO)、位相比較器、低域通過フィルタから成るPLL回路等によって構成されている。
GSM変調方式は、周波数(位相)変調方式であるので高周波変調信号の包絡線のレベルすなわち振幅信号(GSM(LB)_PC、GSM(UB)_PC)161、163の大きさは一定値であるが、EDGE変調方式及びUMTS変調方式では包絡線のレベルすなわち振幅信号(UMTS/EDGE(LB)_AM、UMTS/EDGE(UB)_AM)162、164の大きさは時々刻々変化する。
EDGE変調信号及びUMTS変調信号については、この振幅信号(UMTS/EDG
E(LB)_AM、UMTS/EDGE(UB)_AM)162、164が高周波信号処理回路310の出力端子から出力される。本実施の形態では、周波数帯毎にEDGE変調信号とUMTS変調信号で振幅信号の出力端子を共用しており、図6及び図7中の振幅信号(UMTS/EDGE(LB)_AM)162、振幅信号(UMTS/EDGE(UB)_AM)164がそれぞれ同一の端子から出力される。
E(LB)_AM、UMTS/EDGE(UB)_AM)162、164が高周波信号処理回路310の出力端子から出力される。本実施の形態では、周波数帯毎にEDGE変調信号とUMTS変調信号で振幅信号の出力端子を共用しており、図6及び図7中の振幅信号(UMTS/EDGE(LB)_AM)162、振幅信号(UMTS/EDGE(UB)_AM)164がそれぞれ同一の端子から出力される。
高周波信号処理回路310から出力された振幅信号162、164は、振幅信号増幅器121、122によって送信電力制御信号に応じて増幅された後、高周波電力増幅器103、105の電源端子に入力される。これにより、高周波電力増幅器103、105にて、高周波位相変調信号152、154とベースバンドの振幅信号162、164との乗算が行われる。
また、GSM変調信号については、高周波信号処理回路310から一定値の振幅信号(GSM(LB)_PC、GSM(UB)_PC)161、163が出力され、この一定値の振幅信号161、163がDC(直流)増幅器123、124によって送信電力制御信号に応じて増幅された後、高周波電力増幅器102、104の電源端子に入力される。これにより、高周波電力増幅器102、104にて、高周波位相変調信号151、153と振幅信号161、163との乗算が行われる。
なお、上述した送信電力制御(具体的にはベースバンド振幅信号161〜164と送信電力制御信号との乗算)はベースバンド信号処理回路120からの制御信号に基づいて、高周波信号処理回路310で行ってもよい。
本実施の形態におけるポーラ変調方式の高周波信号処理回路310においては、GSM変調信号の出力端子をEDGE変調信号及びUMTS変調信号の出力端子と分離したことにより、増幅器123、124を直流増幅器とすることができる。これにより、増幅器123、124を狭帯域なものにすることができるために設計が容易になる、というポーラ変調特有の効果をもたらすことになる。
また高周波位相変調信号151、152、153、154は、高周波信号処理回路310の出力端から周波数及び変調方式毎(EDGE変調信号とUMTS変調信号は出力端子を共用)に出力される。
ポーラ変調方式においては、受信帯域のノイズが、上述した位相変調部22の低域通過フィルタ等で帯域制限されるため、バンドパスフィルタ106、107を削除する構成としてもよい。また、本実施の形態では、送信周波数範囲が低周波帯(LB)及び高周波帯(UB)共に同じであるため、実施の形態1で用いたような切替スイッチ119は不要となる。
次に、本実施の形態のポーラ変調送信装置300の動作について、数式を用いて詳細に説明する。
ベースバンド信号を複素表示でSi(t)とすると、ベースバンド信号Si(t)は、次式で表される。
Si(t)=a(t)exp[jφ(t)] ………(1)
但し、a(t)は振幅データ、exp[jφ(t)]は位相データをそれぞれ示す。
Si(t)=a(t)exp[jφ(t)] ………(1)
但し、a(t)は振幅データ、exp[jφ(t)]は位相データをそれぞれ示す。
振幅位相分離部21によりSi(t)から振幅データa(t)と位相データexp[jφ(t)]が抽出される。ここで、振幅データa(t)はベースバンド振幅信号162(161、163、164)に、位相データexp[jφ(t)]はベースバンド位相信号
152(151、153、154)に、それぞれ対応する。
152(151、153、154)に、それぞれ対応する。
振幅データa(t)は、EDGE変調信号及びUMTS変調信号に関して、振幅信号増幅器121、122で増幅されて高周波電力増幅器103、105に与えられる。これにより、高周波電力増幅器103、105の電源電圧値が振幅データa(t)に基づいて設定される。一方、GSM変調信号に関しては、高周波変調信号の包絡線のレベルすなわち振幅信号の大きさが一定なので、高周波電力増幅器102、104の電源端子はそれぞれの送信電力に応じた固定電圧値で駆動される。
位相変調部22は、搬送波角周波数ωcを位相データexp[jφ(t)]で変調した高周波位相変調信号152(151、153、154)を生成する。そして、この高周波位相変調信号151〜154が高周波電力増幅器102〜105に入力される。ここで、高周波位相変調信号151〜154を信号Scとすると、高周波位相変調信号Scは、次式で表される。
Sc=exp[ωct+φ(t)] ………(2)
Sc=exp[ωct+φ(t)] ………(2)
そして、高周波電力増幅器102〜105によって、高周波電力増幅器102〜105の電源電圧値a(t)と高周波位相変調信号151〜154とを掛け合わせた送信出力信号が高周波電力増幅器102〜105から出力される。
ここで、送信出力信号をRF信号Srfとすると、Srfは次式で表すことができる。
Srf=a(t)Sc=a(t)exp[ωct+φ(t)] ………(3)
Srf=a(t)Sc=a(t)exp[ωct+φ(t)] ………(3)
以上のように、ポーラ変調送信装置300においては、高周波電力増幅器102〜105に入力される信号は、振幅方向の変動成分を持たない高周波位相変調信号151〜154であるため定包絡線信号となる。したがって、高周波電力増幅器102〜105として効率の良い非線形増幅器を使用できるので、電力効率を向上させることができる。
実施の形態1の無線送信装置200と本実施の形態のポーラ変調送信装置300を電力効率の点で比較すると、GSM変調信号を電力増幅する高周波電力増幅器102、104については無線送信装置200でも飽和領域で動作させるので本実施の形態と同程度の電力効率を得ることができる。一方、UMTS変調信号及びEDGE変調信号を電力増幅する高周波電力増幅器103、105については、無線送信装置200では線形動作させていたのに対して、本実施の形態のポーラ変調送信装置300では飽和動作(非線形動作)させているので、本実施の形態のポーラ変調送信装置300の方が電力効率が良い。したがって、本実施の形態のポーラ変調送信装置300は、実施の形態1の無線送信装置200よりも一段と電力効率を向上させることができる。
また、本実施の形態では、高周波信号処理回路310の高周波変調信号出力端子は、EDGE変調信号とUMTS変調信号で出力端子を共用し、GSM変調信号は別の出力端子から出力しているので、図3の切替スイッチ114〜117を設ける必要がない。この結果、装置構成を簡単化でき、低コストの装置を実現できる。
なお、GSM変調信号については、図7に示したようにベースバンドのI信号とQ信号から振幅位相分離部21を経由して位相信号を抽出するのではなく、ベースバンドGSM信号形成回路120−1から直接位相信号を受け取って振幅位相分離部21を介さずにそのまま位相変調部22に入力して位相変調を加える構成も考えられる。この場合、図7中の振幅信号161、163は一定値となるが、この場合においても上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図6では、各回路310−1〜310−4を別々のブロックで示しているが、基本的に各回路310−1〜310−4は同様のポーラ変調器構成なので、異なる変調方式間においても例えば周波数帯毎等で適当に共用することが可能である。
(他の実施の形態)
なお、実施の形態1の無線送信装置200や、実施の形態2のポーラ変調送信装置300を無線通信装置に適用することも可能である。図8に、無線送信装置200やポーラ変調送信装置300を搭載した無線通信装置30の概略構成を示す。無線通信装置30は、無線送信装置200やポーラ変調送信装置300を搭載した送信装置31と、受信装置32とを有し、これらは送受切替部33を介してアンテナ34と接続されている。ここで、無線通信装置30は、例えば携帯電話機や、通信機能を備えた携帯情報端末等の携帯無線端末装置や、無線基地局等である。
なお、実施の形態1の無線送信装置200や、実施の形態2のポーラ変調送信装置300を無線通信装置に適用することも可能である。図8に、無線送信装置200やポーラ変調送信装置300を搭載した無線通信装置30の概略構成を示す。無線通信装置30は、無線送信装置200やポーラ変調送信装置300を搭載した送信装置31と、受信装置32とを有し、これらは送受切替部33を介してアンテナ34と接続されている。ここで、無線通信装置30は、例えば携帯電話機や、通信機能を備えた携帯情報端末等の携帯無線端末装置や、無線基地局等である。
無線通信装置30は、送信時には、送信装置31によって電力増幅した送信出力信号を生成し、これを送受切替部33を介してアンテナ34から放射する。一方、受信時には、アンテナ34で受信した受信信号を送受切替部33を介して受信装置32に入力し、受信装置32によって受信信号を復調する。
このように、実施の形態1の無線送信装置200又は実施の形態2のポーラ変調送信装置300を搭載した無線通信装置30によれば、EDGE変調方式とUMTS変調方式で高周波電力増幅器を共用することにより、EDGE変調方式における電力効率を向上させることができるようになる。この結果、携帯無線端末装置等においては電池の消耗を防止でき、その分、送信装置や通信装置の使用時間を延ばすことができる。また、高周波電力増幅器は電力効率が向上された分、小型化でき、また、発熱量も低減できるため、これを搭載する無線通信装置の小型化を図ることができる。
また、本発明の無線送信装置又はポーラ変調送信装置を、大電力の送信装置を複数設置する無線システムの基地局装置に適用すれば、高周波電力増幅器の高出力電力時の電力効率が向上するため、高周波電力増幅器を小型にできると共に発熱量を低減できる。この結果、設備の大型化を防止でき、省スペース性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態では、EDGE変調方式、UMTS変調方式及びGSM変調方式の場合について述べたが、本発明の効果はこれら特定の変調方式にのみ奏されるものではない。最大出力電力値の大小関係と変調方式による包絡線変動の有無の関係が上述したような関係を有している場合は、上述した実施形態の変調方式に限定されず、本発明を適用することができる。
また、各変調方式の周波数帯も本実施の形態で述べた帯域に限定されるものではなく、UMTS変調方式とEDGE変調方式で高周波電力増幅器を共用することにより、同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。
本明細書は、2005年4月27日出願の特願2005−130538に基づく。その内容は、全てここに含めておく。
本発明は、マルチモードの送信装置において電力効率を向上させる効果を有し、携帯電
話機や携帯情報端末等の携帯端末装置や、無線基地局等の無線通信装置等に有用である。
話機や携帯情報端末等の携帯端末装置や、無線基地局等の無線通信装置等に有用である。
Claims (11)
- GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の信号を電力増幅して無線送信する無線送信装置であって、
GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式の無線信号を形成する高周波信号処理回路と、
前記GSM変調方式の無線信号を電力増幅する第1の高周波電力増幅器と、
前記UMTS変調方式及び前記EDGE変調方式の無線信号を電力増幅する第2の高周波電力増幅器と、
を具備する無線送信装置。 - 前記第1の高周波電力増幅器を非線形領域で増幅動作させると共に、前記第2の高周波電力増幅器を線形領域で増幅動作させる
請求項1に記載の無線送信装置。 - 前記第2の高周波電力増幅器から出力する前記EDGE変調方式の無線信号の出力電力レベルに応じて、前記EDGE変調方式の無線信号を電力増幅する高周波電力増幅器を、前記第2の高周波電力増幅器から前記第1の高周波電力増幅器に切り替える
請求項1に記載の無線送信装置。 - 前記高周波信号処理回路の高周波変調信号出力端子は、GSM変調信号とEDGE変調信号で出力端子を共用し、UMTS変調信号は別の出力端子から出力する
請求項1に記載の無線送信装置。 - 前記高周波信号処理回路の高周波変調信号出力端子は、GSM変調信号とEDGE変調信号で出力端子を共用し、UMTS変調信号は別の出力端子から出力する構成とされており、
前記無線送信装置は、さらに、
GSM変調信号とEDGE変調信号との前記共用出力端子から出力される信号を入力し、GSM変調信号を前記第1の高周波電力増幅器側に出力すると共にEDGE変調信号を第2の高周波電力増幅器側に出力する第1のスイッチと、
前記共用出力端子とは別の出力端子から出力されるUMTS変調信号、及び前記第1のスイッチから出力されるEDGE変調信号を入力し、いずれか一方の変調信号を選択して前記第2の高周波電力増幅器に出力する第2のスイッチと、
を具備する請求項1に記載の無線送信装置。 - 前記高周波信号処理回路の高周波変調信号出力端子は、GSM変調信号とEDGE変調信号で出力端子を共用し、UMTS変調信号は別の出力端子から出力する構成とされており、
前記無線送信装置は、さらに、
GSM変調信号とEDGE変調信号との前記共用出力端子から出力される信号を入力し、GSM変調信号を前記第1の高周波電力増幅器側に出力すると共に、EDGE変調信号を前記第1の高周波電力増幅器側又は前記第2の高周波電力増幅器側に選択的に出力する第1のスイッチと、
前記共用出力端子とは別の出力端子から出力されるUMTS変調信号、及び前記第1のスイッチから出力されるEDGE変調信号を入力し、いずれか一方の変調信号を選択して前記第2の高周波電力増幅器に出力する第2のスイッチと、
を具備する請求項3に記載の無線送信装置。 - 前記第1と第2の高周波電力増幅器の後段に接続された出力切替用スイッチと、
前記出力切替用スイッチの後段に接続されたデュプレクサと、
前記出力切替用スイッチの後段に接続されたローパスフィルタと、
を具備し、
前記出力切替用スイッチは、前記第1及び第2の高周波電力増幅器の出力信号を入力し、当該出力信号の変調方式に応じて、当該出力信号を前記デュプレクサ又は前記ローパスフィルタへ出力する
請求項1に記載の無線送信装置。 - GSM変調方式、EDGE変調方式及びUMTS変調方式のベースバンド信号から、当該各変調方式の信号についての振幅信号及び高周波位相変調信号を形成する高周波信号処理回路と、
前記GSM変調方式の信号の振幅信号に応じた電圧を電源電圧として、前記GSM変調方式の信号の高周波位相変調信号を電力増幅する第1の高周波電力増幅器と、
前記UMTS変調方式及び前記EDGE変調方式の信号の振幅信号に応じた電圧を電源電圧として、前記UMTS変調方式及び前記EDGE変調方式の信号の高周波位相変調信号を電力増幅する第2の高周波電力増幅器と、
を具備するポーラ変調送信装置。 - 前記第2の高周波電力増幅器から出力する前記EDGE変調方式の高周波位相変調信号の出力電力レベルに応じて、前記EDGE変調方式の高周波位相変調信号を電力増幅する高周波電力増幅器を、前記第2の高周波電力増幅器から前記第1の高周波電力増幅器に切り替える
請求項8に記載のポーラ変調送信装置。 - 請求項1に記載の無線送信装置と、
受信信号を復調する受信装置と、
アンテナと、
前記無線送信装置から前記アンテナへの送信信号の供給と、前記アンテナから前記受信装置への受信信号の供給とを切り替える送受切替部と、
を具備する無線通信装置。 - 請求項8に記載のポーラ変調送信装置と、
受信信号を復調する受信装置と、
アンテナと、
前記無線送信装置から前記アンテナへの送信信号の供給と、前記アンテナから前記受信装置への受信信号の供給とを切り替える送受切替部と、
を具備する無線通信装置。
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