JPWO2006073086A1 - ヘッド支持装置及びそれを備えたディスク装置及びそれを備えた携帯用電子機器 - Google Patents

ヘッド支持装置及びそれを備えたディスク装置及びそれを備えた携帯用電子機器 Download PDF

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Abstract

外部からの衝撃に対して、耐衝撃性能をより一層高めることができるヘッド支持装置及びそれを備えたディスク装置を提供する。柔軟な弾性を有するジンバル機構を介してヘッドが搭載されたヘッドスライダ(9)が配設されたヘッド支持アーム(8)を、回動軸(5)を水平回動軸として記録媒体の表面に水平な方向に回動可能に構成する。かつ、一対のピボットの頂点を結ぶ線を垂直回動軸(31)として記録媒体の表面に垂直な方向に回動可能な構成とし、さらに、垂直回動軸(31)の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダを除く部材の合計質量の重心位置を垂直回動軸(31)の近傍に設定した構成を有するヘッド支持アーム(8)を備えたヘッド支持装置であり、そのようなヘッド支持装置を備えたディスク装置である。

Description

本発明は、浮上型のヘッドを有するディスク装置、例えば磁気ディスク装置、光ディスク装置及び光磁気ディスク装置等に用いられるヘッド支持装置及びヘッド支持装置を用いたディスク装置及びヘッド支持装置を搭載した携帯用電子機器に関する。
従来、浮上型のヘッドを有するディスク装置のヘッド支持装置の一例として、ハードディスク装置等の磁気ディスク装置に用いられているヘッド支持装置について、図面を用いて説明する。
図16において、ヘッド支持装置161は、比較的剛性の低いサスペンション162、板ばね部163及び比較的剛性の高い支持アーム164を備える。サスペンション162の一端の下面には磁気ヘッド(図示せず)を搭載したヘッドスライダ165が設けられている。
磁気記録媒体166はスピンドルモータ167によって回転する。磁気ディスク装置の記録再生時には、磁気記録媒体166の回転に伴って発生する空気流によってヘッドスライダ165が受ける浮揚力と、ヘッドスライダ165を磁気記録媒体166側に付勢するヘッド支持装置161の板ばね部163による付勢力との釣り合いに応じて、ヘッドスライダ165は磁気記録媒体166から一定量浮上する。すなわちヘッドスライダ165に搭載された磁気ヘッドが磁気記録媒体166から一定量浮上するよう構成されている。
ヘッド支持装置161は、磁気記録再生装置の記録または再生時には、支持アーム164に設けられたボイスコイル168の作用によって、軸受部169を中心として回動する。ヘッドスライダ165に搭載された磁気ヘッドが磁気記録媒体166の希望するトラックに対して位置決めされ、記録または再生を行うよう構成されている。
図17を用いて、ヘッド支持装置161の構成及び作用について説明する。図17は、図16のヘッド支持装置161における磁気ヘッドが設けられた部分の要部斜視図である。
図17において、磁気ヘッド(図示せず)は、サスペンション162の一端の下面側に設けられたヘッドスライダ165の磁気記録媒体166(図17には図示せず)と対向した面に設けられている。一方、サスペンション162の他端は折り曲げられて板ばね部163が構成され、板ばね部163は支持アーム164に係止されている。磁気記録媒体の上下動(面振れ等による)や、量産時のヘッドスライダ165と磁気記録媒体166との距離の製造ばらつき等によるヘッドスライダ165の磁気記録媒体への荷重変化を小さく抑えるために、板ばね部163には切り欠き部171が設けられている。また、板ばね部163の剛性を下げると共に、ばね定数を小さくして、柔軟性を持たせるような構成となっている。
こうした構成を有するヘッド支持装置は、たとえば、日本特許、特許第2894262号公報、特許第3374846号公報、特許公開、特開平6−259905号公報、特開2004−30856号公報及び特開2004−62936号公報に紹介されている。
しかしながら、上記の従来構成のヘッド支持装置では、磁気ヘッドを搭載したヘッドスライダ165を磁気記録媒体166から安定して浮上させるためには、ヘッドスライダ165に必要とする荷重(ロード荷重)を掛けるに充分な反力を板ばね部163に、もたせなければならない。また、磁気記録媒体166の上下動や量産時のヘッドスライダ165と磁気記録媒体166との距離の製造ばらつき等によるヘッドスライダ165の磁気記録媒体166へのロード荷重の変化を小さく抑えるための柔軟性をもたせなければならない。
こうした反力と柔軟性はいわば、相反する要件である。このため、こうした相反する要件を満足させるためには、例えば、板ばね部163に切り欠き部171を設けたり、または、サスペンション162を薄板構造とすることによって、板ばね部163の剛性を下げることが考えられる。ばね定数を小さくして、柔軟性をもたせるような構成を採用するならば、ヘッド支持装置161が磁気ヘッドを目標のトラック位置まで、高速で移動させる際、共振周波数が低くなり、捩れ等の振動モードが発生して、オフトラックが発生する。このため、発生した振動モードを整定するのに時間を要し、アクセス時間を短縮するのに限界を生じることになる。
また、従来のヘッド支持装置においては、その重心は板ばね部163よりも磁気ヘッド寄りに位置させている。このために、磁気記録再生装置に外部から、強い衝撃等が加わった場合、磁気記録媒体166の回転によるヘッドスライダ165の部分に発生する空気流によって生じる浮揚力と、ヘッドスライダ165を磁気記録媒体166側に付勢する付勢力とのバランスが崩れてしまう。このため、ヘッドスライダ165が磁気記録媒体166から跳躍するという不所望な現象が発生する。また、ヘッドスライダ165が磁気記録媒体166に衝突し、磁気ヘッド(図示せず)や磁気記録媒体166に磁気的損傷または機械的損傷を与えてしまうという不具合も生じる。
こうした不具合は、磁気記録再生装置だけではなく、浮上型のヘッドを有するディスク装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等においても同様に発生する。
さらに、上記磁気記録再生装置等を搭載した携帯用電子機器に対して、外部から強い衝撃等が加わった場合、磁気ヘッド(図示せず)や磁気記録媒体166に磁気的損傷または機械的損傷が生じ、携帯用電子機器の機能が低下し、または実使用上において十分でない不具合が起こり得る。
こうした不具合を克服するために、携帯用電子機器に、磁気記録再生装置を搭載する際に緩衝材を設けたものが提案されている(たとえば、日本特許公開、特開2004−134036号公報)。しかし、携帯用電子機器の小型化に伴い、十分な緩衝材を設けることは、極めて難しく、耐衝撃性が十分に得られないという不具合が生じる。
また、上述のようなヘッド支持装置161では、耐衝撃性を向上させるために、いくつかの提案がなされている。例えば、ヘッド支持装置の主要部を剛性の高い材料で構成し、サスペンションの一端下面にヘッドスライダが取り付けられ、かつ、軸受部を回動中心として磁気記録媒体の半径方向に回動可能なヘッド支持アームを、他端側に設けられたボイスコイルとヘッドスライダとの間において設けられた支点(垂直回動軸)の周りに磁気記録媒体の表面の垂直方向に回動可能としている。併せて、その部分に荷重発生用の付勢力を付与する板ばね部が設けられた構成を有するヘッド支持装置が提案されている(例えば、日本特許第3374746号公報、日本特許公開、特開2004−30856号公報、特開2004−62936号公報)。
しかしながら、上述したようにヘッドスライダは、ロード荷重と浮揚力との釣り合い関係により、磁気記録媒体上を浮上するため、その釣り合い関係が崩れると、浮上が不安定となる。仮に、ロード荷重が無くなる程度の強い衝撃が外部から加わった場合、ヘッドスライダは浮揚力だけで浮上することになり、非常に不安定となる。少なくとも、垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除く部材の変動を抑制することは、ロード荷重の変動を抑制することになるので、ヘッドスライダの浮上が安定する。したがって、外力によるロード荷重の変動を抑制するために、垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除く部材の垂直回動軸に対する重心位置のずれ量を所定量以下に設定することが必要となる。
本発明は、ヘッド支持装置の耐衝撃性をさらに向上させることが可能なヘッド支持装置及びそれを備えたディスク装置及びヘッド支持装置を備えた携帯用電子機器を提供するものである。
また、本発明は、剛性を高めて共振周波数を非常に大きくし、共振特性の安定化を図るものである。また、高い柔軟性を有して安定したロード荷重を与えることができ、かつ、高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置を提供するものである。また、このようなヘッド支持装置を搭載することによって、ヘッド位置決め制御特性の向上を図り、磁気ヘッドを目標のトラックの位置まで高速で移動させることができる。これによって、アクセス時間を大幅に短縮した信頼性の高いディスク装置を提供するものである。
本発明のヘッド支持装置の具体的な構成は、たとえば、信号変換素子であるヘッド素子を有するヘッドスライダと、ヘッドスライダを一方の端部に連結したヘッド支持アームと、ヘッド支持アームを記録媒体表面に平行な方向に回動させる水平回動軸の中心を挟んでヘッドスライダ側とは反対側の端部に配設されたボイスコイルと、ヘッド支持アームを記録媒体表面に垂直な方向に回動させる垂直回動軸を形成する一対のピボットと、垂直回動軸を中心としてヘッドスライダを記録媒体表面の方向に付勢する荷重を発生させる弾性機構と、を備えたヘッド支持装置である。
また、ヘッド支持装置は、垂直回動軸の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心位置を垂直回動軸の位置に実質的に一致させる。
また、垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心位置δが式(1)を満足するように設定する。
Figure 2006073086
ここで、ヘッド支持アームに沿って、垂直回動軸を原点とし、ヘッドスライダ側を正(+)、ヘッドスライダと反対側を負(−)と定義して表わすものとする。
また、記録媒体に垂直で、かつ、ヘッドスライダが記録媒体に接近する方向にヘッド支持アームを回動させようとする方向の許容最大衝撃加速度を受けて生じるヘッドスライダの位置移動が、記録媒体の表面とヘッドスライダの記録媒体に対向する面(ABS面)との許容最小浮上間隔になる時のヘッドスライダを除く垂直回動軸周りに回動する部材の重心位置をδ 及びδ とする。
また、記録媒体に垂直で、かつ、ヘッドスライダが記録媒体から離間する方向にヘッド支持アームを回動させようとする方向の許容最大衝撃加速度を受けて生じるヘッドスライダの位置移動が、許容最小浮上間隔になる時の部材の重心位置をδ 及びδ とする。
また、σ とδ のうち小さい方をδ、δ とδ のうち大きい方をδとした場合、上記ヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心位置δを式(1)を満足させるように設定する。
式(1)を満足させるように上記ヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心位置δを設定すれば、ヘッドスライダを含んだときの垂直回動軸の周りに回動する部材の重心位置εは、垂直回動軸に対して、式(2)の関係を満たすことになる。
Figure 2006073086
なお、式(2)において式(1)と同様に、ヘッドスライダ側を正(+)、ヘッドスライダと反対側を負(−)と定義する。
また、記録媒体に垂直で、かつ、ヘッドスライダが記録媒体に接近する方向にヘッド支持アームを回動させようとする方向の許容最大衝撃加速度を受けて生じるヘッドスライダの位置変位が、記録媒体の表面とヘッドスライダの許容最大変位量になる時のヘッドスライダを除く垂直回動軸周りに回動する部材の重心位置δが正の場合をδ 、重心位置δが負の場合をδ と定義する。
また、記録媒体に垂直で、かつ、ヘッドスライダが記録媒体から離間する方向にヘッド支持アームを回動させようとする方向の許容最大衝撃加速度を受けて生じるヘッドスライダの位置変位が、最大許容変位量になる時の部材の重心位置δが負の場合をδ 、重心位置δが正の場合をδ と定義する。
また、前記δ と前記δ のうち小さい方をδ、前記δ と前記δ のうち大きい方をδとする。
垂直回動軸の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダを除いた部材の合計質量をmとし、ヘッドスライダの質量をmとする。
垂直回動軸からヘッドスライダの中心までのヘッド支持アームの長手方向における距離をlとする。
また、式(2)において、εは(m+mσ)/(m+m)で表される重心位置を、εは(m+mσ)/(m+m)で表される重心位置をそれぞれ表している。
上記式(1)及び式(2)を満足させる構成によって、剛体を有する部分と弾性を有する部分を一体的に形成することができる。また、弾性機構によるヘッドスライダへの付勢力を任意に設定することができ、外部からの衝撃が印加された場合、衝撃により生じるヘッド支持アームの回動を抑え、ヘッド支持アームの回動とヘッドスライダに働く衝撃によって、生じるヘッドスライダの移動をヘッドスライダが記録媒体の表面に当接することのない範囲内に抑えることができる。このため、耐衝撃性を向上させ、かつ共振周波数を高くすることができる。高い応答特性、高速アクセスが可能なヘッド支持装置を実現することができる。
また、ヘッド支持装置を記録媒体の表面に垂直な方向に回動自在に構成させることにより、記録媒体の停止時にはヘッドを記録媒体から離して保持することができるという効果も奏する。
また、本発明のヘッド支持装置は、重心位置をヘッド支持アームの長手方向の中心線と垂直回動軸との交点の近傍に設定している。
この構成によって、外部から衝撃等の力を受けた時、ヘッド支持アームの長手方向の中心線周りにヘッド支持アームを回動させようとする力を排除することができる。ヘッド支持アームの不要な振動を小さく抑えることができるという効果を奏する。
また、本発明のヘッド支持装置は、垂直回動軸が、水平回動軸の軸心方向及びヘッド支持アームの長手方向の中心線に垂直になるように構成している。
この構成によって、ヘッド支持アームの回動に対応し、ヘッドスライダの記録媒体に対向する面(ABS面)が、記録媒体の表面に対して平行に動くことになる。外部からの力例えば、衝撃や、記録媒体の回転による面振れ等によって、ヘッド支持アームが回動したとしても、ヘッドスライダは記録媒体の表面に平行な状態を維持したまま移動することになる。このため、ディスク装置としての記録または再生時に信号の欠落を防止することができるので、耐衝撃性に優れたヘッド支持装置を提供することができる。
また、本発明のヘッド支持装置は、垂直回動軸を形成する一対のピボットのそれぞれの頂点が、ヘッド支持アームの長手方向の中心線に対して対称な位置に設けた構成を採用している。
この構成によって、ヘッド支持アームの幅方向の重量バランスが良くなり、耐衝撃性に優れたヘッド支持装置を実現することができる。
また、本発明のヘッド支持装置は、垂直回動軸が、水平回動軸の回動中心を通るように構成している。この構成によって、仮に記録媒体の表面に垂直な方向に、外部からの衝撃等を受けた時であっても、衝撃による垂直回動軸の移動の発生を極めて小さく抑えることができるので、耐衝撃性に優れたヘッド支持装置を実現することができる。
また、本発明のヘッド支持装置は、ヘッド支持アームは、ロード荷重を発生させる弾性機構を一体的に形成している。水平回動軸の中心の周りに記録媒体表面に略平行な方向に回動するヘッド回動アームに弾性機構の一部を固着する。水平回動軸の中心の周りにヘッド支持アームを記録媒体表面に略平行な方向に回動可能なように構成されている。さらに、ヘッド支持アームを記録媒体表面に略垂直な方向に回動させる垂直回動軸が、水平回動軸の回動中心から離れているようにした構成している。
この構成によって、ヘッド支持アームを小型化、軽量化を図ることができる。また、ヘッド回動アームその他の部材を非常に剛性性に優れた材料で構成することができるため、耐衝撃性の高い優れたヘッド支持装置を実現することができる。
また、本発明のヘッド支持装置は、ヘッドスライダは、ヘッドスライダの浮上姿勢を制御するための柔軟な弾性を有するジンバル機構に固着され、ジンバル機構をヘッド支持アームの一端に連結するように構成されている。
この構成によって、ディスク装置の記録再生時に、ヘッドスライダをロール方向及びピッチ方向に自在に支持することができ、記録媒体に対するヘッドスライダのロール、ピッチ方向の不要な傾きを吸収することができる。
また、本発明のディスク装置は、スピンドルモータによって回転される記録媒体と、記録媒体に対向し、記録媒体に信号を記録または記録媒体から信号を再生する信号変換素子を有するヘッド支持装置を備えている。
この構成によって、非常に耐衝撃性が高く、かつ、ヘッド位置決め制御特性の向上を図り、ヘッドを目標のトラック位置に高速で移動させることができる。これにより、アクセス時間を大幅に短縮することができ、非常に高いアクセス速度を有する優れたディスク装置を実現することができる。
また、本発明の携帯用電子機器は、上記ディスク装置を搭載している。これにより、携帯用電子機器に外部から衝撃が加わった場合においても、ディスク装置の磁気ヘッドや磁気ディスクの損傷が生ぜず、携帯用電子機器の機能を損なうことがないという効果を奏する。
本発明は、記録媒体の表面に平行な方向に水平回動軸の周りに回動可能とする。また、ヘッドを搭載したヘッドスライダが非常に柔軟な弾性を有するジンバル機構によって連結されたヘッド支持アームを、一対のピボットの頂点を結ぶ線を垂直回動軸として記録媒体の表面に垂直な方向に回動可能とする。かつ、荷重発生用の付勢力を付与する弾性機構の1つである板ばね部が設けられ、さらに、垂直回動軸の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダを除く部分の部材の合計質量の重心位置を垂直回動軸の近傍に設定した構成を有するヘッド支持装置である。
このようなヘッド支持アームを構成することによって、ヘッド支持アームを高い剛性を有するように形成することができる。外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性を向上させることが可能であると共に、ヘッド支持アームの共振周波数を高くすることができる。ヘッド支持装置を高速で回動及び位置決めすることができるという効果を奏し、さらに、記録媒体の表面に垂直な方向の衝撃を外部から受けても、ヘッドを搭載したヘッドスライダが記録媒体に当接または衝突したときに、ヘッドまたは記録媒体の表面に損傷を与えるという不具合を排除し、非常に大きな耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
また、本発明のヘッド支持装置を備えることによって、非常に耐衝撃性に優れ、かつ、非常に高いアクセス速度を有するディスク装置を実現することができる。
さらに、本発明のヘッド支持装置を備えたディスク装置を携帯用電子機器に搭載することにより、非常に耐衝撃性に優れた携帯用電子機器を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる磁気ディスク装置の主要部を示す平面図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかるヘッド支持装置を示す平面図である。 図3は、本発明の実施の形態1にかかるヘッド支持装置の構成を示す側面図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかるヘッド支持装置の構成を示す分解斜視図である。 図5は、本発明の実施の形態1にかかるタブ部側から見たヘッド支持アームのリミッタ部とジンバル機構の位置関係を示す側面図である。 図6は、本発明の実施の形態1にかかるヘッド支持装置の一部を模式化して示した図である。 図7Aは、本発明の実施の形態1にかかる支点の周りに反時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の一例を示す概念模式図である。 図7Bは、本発明の実施の形態1にかかる支点の周りに反時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の他の一例を示す概念模式図である。 図8Aは、本発明の実施の形態1にかかる支点の周りに時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の一例を示す概念模式図である。 図8Bは、本発明の実施の形態1にかかる支点の周りに時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の他の一例を示す概念模式図である。 図9は、本発明の実施の形態1にかかる重心位置δと移動距離の関係の一例を示す図である。 図10は、本発明の実施の形態1にかかる重心位置δと記録媒体またはヘッドスライダに損傷を生じさせない衝撃加速度の関係を求めた実験結果を示す図である。 図11は、本発明の実施の形態1にかかる垂直回動軸の構成の他の一例を示すヘッド支持装置の側面図である。 図12は、本発明の実施の形態2にかかるヘッド支持装置の構成を示す平面図である。 図13は、本発明の実施の形態2にかかるヘッド支持装置の構成を示す側面図である。 図14は、本発明の実施の形態2にかかるヘッド支持アームを示す平面図である。 図15は、本発明の実施の形態3にかかる携帯電話の概略図である。 図16は、従来の磁気ディスク装置の構成を示す主要部の平面図である。 図17は、従来のヘッド支持装置の作用を説明するための要部斜視図である。
符号の説明
1 回転中心
2 回転軸
3 ロータハブ部
4,166 記録媒体
5 回動軸
6 ベアリング
7,120,161 ヘッド支持装置
8,111,121 ヘッド支持アーム
8a タブ部
8b,22a,27c 穴部
8c,121e ディンプル
8d,121f リミッタ部
9,165 ヘッドスライダ
10,168 ボイスコイル
11 マグネット
12 上側ヨーク
13 下側ヨーク
14 ランプ部
15 ランプブロック
16,17 クラッシュストップ
18,144 中心線
21 ジンバル機構
22 ボイスコイルホルダ
23,124 バランサ
24 ボイスコイル部
25,121a,163 板ばね部
26 ばね固定部材
27 ピボット軸受
27a,27b,111a,111b,121c,121d ピボット
28,112,123,169 軸受部
28a,112a フランジ
28b ねじ部
28c 円筒部
29 カラー
29a 突出部
29b 上面
30 ナット
31,121g 垂直回動軸
61 支点
61a 頂点
62 梁
62a 梁部
62b 部材
62c 突起部
63,64,65 ばね
66 矢印
101 曲線
121b 固定部
122 ヘッド回動アーム
122a 凹部
141 折曲部
142 スリット部
143 切除部
143a,143b,143c 側面
150 携帯電話
152 基板
151 磁気ディスク装置
153 液晶ディスプレイ
154 スピーカ
155 マイク
156 下ケース
157 上ケース
162 サスペンション
164 支持アーム
167 スピンドルモータ
171 切り欠き部
A 点(重心位置)
,P,Q,Q,R,R 当接点
以下、本発明の実施の形態について、磁気ディスク装置を例示し、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図11は、本発明の実施の形態1にかかるヘッド支持装置及びそれを備えたディスク装置を説明するための図である。図1は磁気ディスク装置の主要部を示す平面図、図2はヘッド支持装置を示す平面図、図3はヘッド支持装置の構成を示す側面図、図4はヘッド支持装置の構成を示す分解斜視図、図5はタブ部側から見たヘッド支持アームのリミッタ部とジンバル機構の位置関係を示す側面図、図6はヘッド支持装置の一部を模式化して示した図、図7Aは支点の周りに反時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の一例を示す概念模式図、図7Bは支点の周りに反時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の他の一例を示す概念模式図、図8Aは支点の周りに時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の一例を示す概念模式図、図8Bは支点の周りに時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の他の一例を示す概念模式図、図9は衝撃加速度を受けた時の梁の垂直回動軸に対する重心位置δとヘッドスライダが移動する距離の最大値(xmaxの関係の一例を示す図、図10は重心位置δと記録媒体またはヘッドスライダに損傷を生じさせない衝撃加速度の関係を求めた実験結果を示す図、図11は垂直回動軸の構成の他の一例を示すヘッド支持装置の側面図である。なお、図1においては、上蓋を取り外し、上側ヨークを一部省略した状態を図示している。
図1において、回転中心1の周りに回転するスピンドルモータ(図示せず)の回転軸2に固着されたロータハブ部3に、記録媒体層が表面上に形成された記録媒体4が載置されている。
一方、回動軸5の周りにベアリング6を介して回動自在に信号変換素子揺動アームであるヘッド支持装置7が軸支されている。ヘッド支持装置7は回動軸5の中心軸がヘッド支持装置7の水平回動中心となって記録媒体4の表面と略平行な方向に水平回動可能な構成となっている。
ヘッド支持装置7には、ヘッド支持アーム8の一端にタブ部8aが形成され、タブ部8aより回動軸5側にジンバル機構(図示せず)を介して信号変換素子である磁気ヘッド(図示せず)を搭載したヘッドスライダ9が配設されている。
ヘッド支持アーム8の他端にはボイスコイル10が配設されており、回動軸5の周りに記録媒体4の半径方向に表面と平行な方向に回動する。また、ボイスコイル10に対向するようにボイスコイル10の上方に、すなわちボイスコイル10が設けられたヘッド支持装置7に対して記録媒体4とは反対側にマグネット11を固着した上側ヨーク12がシャーシまたは他の筐体(図示せず)に取り付けられている。
また、ボイスコイル10を挟むようにしてボイスコイル10に対向させて、その下方に下側ヨーク13がシャーシまたは他の筐体に取り付けられている。ボイスコイル10、ボイスコイル10に対向するマグネット11、マグネット11が固着された上側ヨーク12及び下側ヨーク13によってボイスコイルモータ(以下、VCMと言う)が構成されている。また、ヘッド支持装置7に設けられたタブ部8aに当接してヘッド支持装置7を上下にガイドするように、ガイド部が設けられたランプ部14を有するヘッド保持部材であるランプブロック15がシャーシまたは他の筐体に取り付けられている。
マグネット11に対向したボイスコイル10に電流を供給することによって、VCMが作動し、ヘッド支持装置7が記録媒体4の半径方向に回動する。磁気ディスク装置の動作時は、ヘッド支持装置7が回動軸5の周りに回動して回転中の記録媒体4のデータ記録領域上を移動する。磁気ディスク装置の非動作時には、ヘッド支持装置7を時計回り方向に回動する。この時、ヘッド支持装置7を待避位置であるランプ部14の所定の位置まで回動する。なお、周知のように、ヘッド支持装置7が時計回り方向または反時計回り方向への過度な揺動を阻止するためにクラッシュストップ16及びクラッシュストップ17がシャーシまたは筐体その他の構造部材に設けられている。
ヘッド支持装置7の構成について図2〜図4を用いて説明する。図2、図3及び図4において、一方の端部にタブ部8a及び他方に穴部8bを有するヘッド支持アーム8には、そのタブ部8a側にジンバル機構21を介して磁気ヘッド(図示せず)を搭載したヘッドスライダ9が配設されている。
なお、ヘッドスライダ9の中心部分の近傍に当接するようにディンプル8cをヘッド支持アーム8の下面に設け、ジンバル機構21を介してヘッドスライダ9がヘッド支持アーム8に取り付けられている。
また、そのディンプル8cをジンバル機構21またはヘッドスライダ9の上面(磁気ヘッドが搭載された面とは反対側の面)の略中心部に当接させているので、磁気ディスク装置の作動時におけるヘッドスライダ9の記録媒体4に対するロールまたはピッチ方向の不要な振動等にも柔軟性良く追従させることができる。また、ヘッド支持装置7のアンロード動作時に、ヘッドスライダ9が受ける負圧によりジンバル機構21に固着されたヘッドスライダ9がヘッド支持アーム8のディンプル8cから大きく離れ、ジンバル機構21を変形させることを防止する。
このために、後述の図5に示すように、ヘッドスライダ9が固着されたジンバル機構21と所定の隙間dを有するように、ヘッド支持アーム8にリミッタ部8dを設ける。ジンバル機構21がディンプル8cから所定の距離離れた時に、リミッタ部8dがジンバル機構21に当接して、ディンプル8cからのジンバル機構21の離間距離を規制するようになされている。
さらに、ボイスコイル10が穴部22aを有するボイスコイルホルダ22に取り付けられている。ボイスコイル10を挟んで穴部22aの反対側にバランサ23が固着されたボイスコイル部24をヘッド支持アーム8に固着している。なお、ヘッド支持アーム8とボイスコイル部24は別部材の構成を例示した。しかし、何らこれに限るものではなく、これらを一体化して1つのユニットとしても良い。また、バランサ23は別部材として設けなくても良く、ボイスコイルホルダ22の外形形状を大きくして、ボイスコイルホルダ22にバランス調整の機能を付加しても良い。
弾性機構の1つである略環状の板ばね部25の一端がヘッド支持アーム8の下面(スライダ9が配設されている側の面)に固着され、また、板ばね部25の他端側上面(ヘッド支持アーム8に固着されている側の面)には略半円環形状のばね固定部材26が固着されている。
図4は、支持装置7の分解斜視図である。ビボット軸受27はその両端部に一対のビボット27a及び27bを有し、その中央部に穴部27cを有する。
軸受部28はフランジ28a、ねじ部28bを有する。さらに円筒部28cがフランジ28aとねじ部28bとの間に設けられている。軸受部28の外観形状は中空つば付の円筒状を成す。フランジ28aの外径は穴部27cの内径よりも大きく、かつ、ねじ部28bの外径は穴部27cの内径よりも小さい。円筒部28cは穴部27cと嵌合できる大きさの外径を有する。
軸受部28をビボット軸受27の穴部27c、半円環形状のばね固定部材26の内側、環状の板ばね部25の内側及びボイスコイルホルダ22の穴部22aを貫通させる。
ボイスコイル部24は前に述べたように、ボイスコイル10が穴部22aを有するボイスコイルホルダ22に取り付けられている。ボイスコイル10を挟んで穴部22aの反対側にバランサ23が固着されたヘッド支持アーム8に固着している。
一方、フランジ28aとは反対側から中空のカラー29を、突出部29aが軸受部28のフランジ28a側となるようにして軸受部28の円筒部28cに嵌合させて挿入する。
中空のカラー29は円筒部28cに嵌合する内径とボイスコイルホルダ22の穴部22aを貫通する外径を有する。また、カラー29には、略環状の板ばね部25に固着されたばね固定部材26と略同じような形状を有する半円環形状の突出部29aが設けられている。
突出部29aの上面29bが板ばね部25に固着されたばね固定部材26の略半円環状の平面部分に当接する。カラー29をばね固定部材26とそのばね固定部材26が固着当接している板ばね部25の平面部分と共に軸受部28のフランジ28aとナット30によって狭持して一体化された構成となされ、ヘッド支持装置7が構成されている。
また、カラー29及びばね固定部材26を介してヘッド支持アーム8に固着された板ばね部25を軸受部28のフランジ28aとナット30によって狭持する。ピボット軸受部27に設けられた一対のピボット27a及び27bの頂点がヘッド支持アーム8の上面(ヘッドスライダ9が配設されていない側の面)に当接する。
板ばね部25と一対のピボット27a及び27bを介してヘッド支持アーム8とピボット軸受部27が弾性機構の1つである板ばね部25によって弾性的に接続される。こうした構成によって、ピボット軸受27の一対のピボット27a及び27bとヘッド支持アーム8の上面とのそれぞれの当接点P及びPを結ぶ線を支点としてヘッド支持アーム8をそのタブ部8a側が下方に押し下げられるように、板ばね部25が作用する。
すなわち、ヘッド支持アーム8は当接点P及びPを結ぶ線を垂直回動軸31として記録媒体4の表面と垂直な方向に回動可能な構成となっている。したがって、磁気ディスク装置の作動時は、ヘッド支持アーム8にジンバル機構21を介して取り付けられたヘッドスライダ9が記録媒体4の表面に対して浮上する。
この時のヘッドスライダ9のロード荷重は、ピボット軸受27の一対のピボット27a及び27bのそれぞれの当接点P及びPによるヘッド支持アーム8に対する板ばね部25の変形による反力としての記録媒体4方向への圧縮応力によって生じる。ヘッドスライダ9にかかる記録媒体4の方向への付勢力とその逆方向の浮揚力との関係によってヘッドスライダ9が浮上する。ヘッドスライダ9すなわち磁気ヘッドと記録媒体4との間に一定の空隙を保って磁気ディスク装置の記録再生が行われる。
次に、ヘッド支持装置7を構成するピボット軸受27に設けられた一対のピボット27a及び27bの位置について説明する。ピボット27aとピボット27bがヘッド支持アーム8の上面に当接するそれぞれの当接点Pと当接点Pを結ぶ線、すなわち垂直回動軸31が、図1に示すヘッド支持装置7の回動軸5の軸心を通る。かつ、図1に示すヘッド支持装置7の長手方向の中心線18に垂直になるように形成されている。なお、当接点Pと当接点Pをヘッド支持装置7の回動軸5の軸心に対して互いに対称的になるように配置して、当接点Pと当接点Pを結ぶ線の中点を回動軸5の軸心に略一致させることが望ましい。このように構成することによって、ヘッド支持装置7を構成するヘッド支持アーム8はピボット27a及びピボット27bの当接点Pと当接点Pを結ぶ線の周りに記録媒体4の表面に垂直な方向に回動させることが可能になる。板ばね部25の弾性力によって、ヘッド支持アーム8に搭載されたヘッドスライダ9側が記録媒体4の方向に付勢されることになる。
ヘッド支持装置7を上述のように構成することにより、ヘッド支持装置7を構成するヘッド支持アーム8を剛性の高い材料で形成することができる。外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性を向上させることが可能であるので、ヘッド支持アーム8の共振周波数を高くすることができる。
従来、問題になっていた振動モードの発生を排除することができるため、セトリング動作を行う必要がなくなる。これによって、ヘッド支持装置7を高速で回動及び位置決めすることができる。また、磁気ディスク装置のアクセス速度を向上することができる。また、弾性機構の1つである板ばね部25は、ヘッド支持アーム8として1つの部材で一体的に形成したものではなく、ヘッド支持アーム8とは独立した別個の部材として設けている。このため、ヘッドスライダ9へのロード荷重を大きくし、かつ、柔軟性を高く、かつ、構造体の剛性を高くするという、いわば、相反する条件を、一挙に満足させることができる。これにより、ヘッド支持装置7の設計の簡便化が図れ、また、その設計の自由度を飛躍的に広げることができる。
また、従来のヘッド支持アームにおいては、非常に精密な板ばね部のフォーミング加工が必要であった。しかし本願発明においては、比較的簡易にヘッド支持アームを形成することができる。さらに、板ばね部25の厚み、材質等を単独で設定することができるので、板ばね部25の強度及びばね定数を所望の大きさに設定することができる。
さらに、ヘッド支持装置7を構成するヘッド支持アーム8、ボイスコイル部25及び板ばね部25のうちヘッド支持アーム8に当接している部分、ヘッドスライダ9を固着してヘッド支持アーム8に連結するためのジンバル機構21及びバランサ23の合計重心位置が所定の位置になるようにバランサ23の質量(重量)を調整して、ボイスコイル部24を構成するボイスコイルホルダ22の一端にバランサ23を固着する。なお、バランサ23はボイスコイルホルダ22の一端に固着するものとした。しかし、ヘッド支持装置7を構成するそれぞれの構成部品の質量(重量)配分によっては、ヘッド支持アーム8のヘッドスライダ9側に設けるのが好ましい場合もある。
次に、上述のように構成されたヘッド支持装置7が外部から水平回動軸心である回動軸5の軸心方向(記録媒体4の表面に垂直な方向)に衝撃を受けた時のヘッド支持アーム8とヘッドスライダ9の挙動について図6を用いて説明する。
図6において、支点61の頂点61aは、図3に示されたピボット軸受27の一対のピボット27a及び27bとヘッド支持アーム8の上面とのそれぞれの当接点P及びPを結ぶ線すなわち垂直回動軸31(図2参照)を示す。梁62は、図3において、ヘッドスライダ9を除いた弾性機構である板ばね部25によって保持された部分である。すなわち、図3に示されたヘッド支持装置7を構成するヘッド支持アーム8、ボイスコイルホルダ22、板ばね部25のうちヘッド支持アーム8に当接している部分及びジンバル機構21を一体化してなる梁部62aと、ボイスコイル10及びバランサ23を一体化してなる部材62bとから構成されている。
梁62は図3に示したヘッド支持アーム8のディンプル8cに対応する突起部62cを有し、ヘッドスライダ9と当接している。ばね63は、非常に柔軟性のある材料で形成されたジンバル機構21を模式化したものである。ヘッド支持アーム8に固着された部分とヘッドスライダ9が固着された部分を連結する部分の弾性力を示している。なお、通常はジンバル機構21を介してディンプル8cにヘッドスライダ9が非常に小さな予圧をもって当接している。ばね64は記録媒体4の回転によりヘッドスライダ9に発生する正圧と負圧との差圧すなわちヘッドスライダ9に発生する浮上力を示す。
ばね65はヘッドスライダ9にロード荷重を付与するための板ばね部25の弾性力を示す。磁気ディスク装置が正常に作動している場合には、ばね部65によるロード荷重とばね64にて示される浮上力によって釣り合い、記録媒体4から浮上した状態となっている。
また、梁62の合計質量をm、その重心位置を点A、支点61の頂点61aよりヘッドスライダ9側にある梁62の質量をm、支点61よりヘッドスライダ9側とは反対側にある梁62の質量をm、及びヘッドスライダ9の質量をmで示している。このような梁62及びヘッドスライダ9に記録媒体4に垂直な方向すなわち矢印で示した方向66に衝撃が加わり、梁62が支点61の頂点61aの周りに回動させられる時には、ばね65により付与されているロード荷重が変動することになる。
また、他方では、ヘッドスライダ9は梁62と同様に矢印で示した方向66に衝撃が加わる。しかし、記録媒体4の回転によって負圧と正圧が発生しているため、梁62の挙動と非常に柔軟なばね63によって梁62に連結されたヘッドスライダ9の挙動とは必ずしも完全には一致しない。
しかしながら、ヘッドスライダ9は、ロード荷重と浮上力との釣り合い関係により、記録媒体4上を浮上するため、その釣り合いの関係が大きく崩れると、浮上が不安定となる。仮に、ロード荷重が無くなる程度の強い衝撃が外部から加わった場合、ヘッドスライダ9は浮上力の大きさに応じて浮上することになり、非常に不安定となる。外力によるロード荷重の変動を抑制することによって、ヘッドスライダ9の浮上を安定に維持することができる。
外部からの衝撃を受けた時には、梁62の挙動とヘッドスライダ9の挙動を分離して考えることができる。また、梁62に衝撃が加わった時には、梁62は支点61の周りに回動させるような回転モーメントが働く。梁62を回動させる回転モーメントの方向は、梁62に働く衝撃力の方向と支点61に対する梁62の重心位置Aによって決まる。梁62に衝撃力が働く方向と梁62の重心位置のそれぞれの組み合わせに対する模式図をそれぞれ図7A、図7B、図8A及び図8Bに示す。
次に、梁62に働く衝撃力の方向と支点61に対する梁62の重心位置Aのそれぞれの組み合せに対する、梁62の挙動とヘッドスライダ9の挙動について説明する。
図7Aは、支点61に対する梁62の重心位置Aがヘッドスライダ9側にある状態を示す。また、梁62に垂直で、かつ、梁62側からスライダ9側への方向の衝撃力を受けた場合を示す。
図7Bは、支点61に対する梁62の重心位置Aが部材62b側(ヘッドスライダ9側とは反対側)にある。また、梁62に垂直で、かつ、スライダ9側から梁62側への方向の衝撃力を受けた場合で、梁62のそれぞれの挙動は、支点61の頂点61aの周りに反時計回り方向、すなわちヘッドスライダ9が記録媒体4に接近する方向にそれぞれ回動する。
図8Aは、支点61に対する梁62の重心位置Aが部材62b側(ヘッドスライダ9側とは反対側)にあり、梁62に垂直で、かつ、梁62側からスライダ9側への方向の衝撃力を受けた場合を示す。
図8Bは、支点61に対する梁62の重心位置Aがヘッドスライダ9側にある。かつ、梁62に垂直で、かつ、スライダ9側から梁62側への方向の衝撃力を受けた場合を示す。梁62のそれぞれの挙動は、支点61の頂点61aの周りに時計回り方向すなわちヘッドスライダ9が記録媒体4から離間する方向にそれぞれ回動することになる。
一方、外部からの衝撃力は梁62の重心に作用すると同時に、ヘッドスライダ9の重心にも作用することになる。梁62側からスライダ9側の方向に衝撃力を受けた場合と、スライダ9側から梁62側の方向に衝撃力を受けた場合とでは、ヘッドスライダ9に働く衝撃力の方向が異なる。
なお、図7A、図7B、図8A及び図8Bに示した各記号,各符号は次のように定義する。
m=垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除いた部材の合計質量
=ヘッドスライダ9の質量
=垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心周りの慣性モーメント
δ=支点61の頂点61aを原点とする梁62の重心位置A
=支点61の頂点61aからばね71(ロード荷重付加ばね)までの距離
=支点61の頂点61aからヘッドスライダ9の中心までの距離
=ばね71のばね定数
=ばね72(ヘッドスライダ9と梁62を結ぶジンバル機構部分)のばね定数
=ばね73(スライダ9が受ける浮上力に相当)のばね定数
g=重力加速度
α(t)=外部から加えられる衝撃の衝撃加速度
θ=衝撃加速度α(t)を受けた時に生じる梁62の正常動作位置からの回動角
=衝撃加速度α(t)によるばね73の正常動作位置からの伸び変化量
=ヘッドスライダ9の正常動作位置からの変位量
さらに、δ、α(t)、θ及びxをそれぞれ次のように定義する。すなわち、σは、梁61に沿って、支点61の頂点61aを原点とし、ヘッドスライダ側を正(+)、部材62b側を負(−)とする。α(t)は梁62側からスライダ9側への方向を正(+)、スライダ9側から梁62側の方向を負(−)とする。
θは、支点61の頂点61aを回転中心として、反時計回り方向を正(+)、時計回り方向を負(−)とする。
は、梁62側とは反対側(記録媒体4側)の方向を正(+)、梁62側の方向を負(−)としてそれぞれ符号化する。
また、衝撃加速度αを受けた時に生じる梁62の回転トルクTについては、Tが反時計回り方向を正(+)、時計回り方向を負(−)であるように符号化する。この時、衝撃加速度α(t)を受けた時に生じる梁62の回動角θ及びヘッドスライダ9の移動量xは非常に微小な値となる。
図7A、図7B、図8A及び図8Bにおいて、梁62及びヘッドスライダ9の運動方程式は式(3)及び式(4)となる。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
式(3)を整理すると、式(3−1)となる。
Figure 2006073086
また、式(4)を整理すると、式(4−1)を得る。
Figure 2006073086
それぞれの運動方程式である式(3−1)及び式(4−1)を解くことによって、梁62及びヘッドスライダ9のそれぞれの挙動を知ることができる。
梁62及びヘッドスライダ9が受ける外力の加速度α(t)が式(5)で表される外力が働くものとし、式(3−1)を整理すると、式(3−2)となる。ただし、式(3−2)の各因子は式(3a)、(3b)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
時間t=0でθ=0であるから、式(4−2)を解くと、式(6)を得る。ただし、式(6)の各因子はそれぞれ式(6a)、(6b)及び(6c)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
さらに、時間t=0で、回動角θの角速度は0であるので、次の式(6d)で示す関係式が成立する。
Figure 2006073086
したがって、式(6−1)を得る。
Figure 2006073086
次に、式(6−1)で得られたθ及び式(5)を式(4−1)に代入して、xの解を求めると、式(7)を得る。このxがヘッドスライダ9の挙動を表す。ただし、式(7)の各因子はそれぞれ、式(7a)、(7b)、(7c)及び(7d)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
t=0のとき、ヘッドスライダ9の速度が0であることから、次の式(7e)に示す関係式が成立する。
Figure 2006073086
また、式(7)及び式(7a)〜式(7e)より、式7bは、式(7−1)で表される。ただし、Cは式(7b−1)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
式(7−1)を整理すると、式(7−2)を得ることができる。
Figure 2006073086
式(7−2)を用いることにより、梁62、ヘッドスライダ9に外部から衝撃が加えられた時のヘッドスライダ9の正常動作位置を原点とヘッドスライダ9位置を求めることができる。式(7−2)、(7a)、(7b)、(7c)、(7d)及び式(6a)において、(δ>0、α>0)は図7Aに、(δ<0、α<0)は図7Bに、(δ<0、α>0)は図8Aに、(δ>0、α<0)は図8Bにそれぞれ対応する。
式(7−3)において、x(t)が最大値(xmaxとなる時間tをtとすると、式(8−1)が得られる。
Figure 2006073086
式(8−1)の右辺におけるC及びCは、距離δのそれぞれ関数であるω及びAを含む。故に、C及びCすなわち(xmaxはそれぞれδの関数となり、垂直回動軸の周りに回動する部材のうち前記ヘッドスライダを除いた部材の合計質量及びヘッドスライダ9のそれぞれの質量m及びm、垂直回動軸の周りに回動する部材のうち前記ヘッドスライダを除いた部材の重心周りの慣性モーメントJ、各ばねのばね定数k、k及びk、支点61の頂点61aから各ばねの作用点までの距離l及びl、外部からの衝撃加速度αをパラメータとしている。したがって、式(8−1)はδの関数として式(9−1)のように表すことができる。
Figure 2006073086
一例として、外部から加えられる衝撃の衝撃加速度を、次の式(9−2)の関係で示す。
Figure 2006073086
衝撃加速度α(t)を受けた時のδに対する(xmaxのシミュレーション結果を図9に示す。この時に用いた各要素の設計仕様はたとえば、次のとおりである。
m・g=48(mgf)=4.8×10−6(kgf)
・g=0.6(mgf)=6×10−7(kgf)
=0.85(gfmm)=8.5×10−10(kgm
=0.2(mm)=2×10−4(m)
=11.8(mm)=1.18×10−2(m)
=70.8(gf/mm)=6.943×10(N/m)
=0.04(gf/mm)=3.92×10−1(N/m)
=51000(gf/mm)=5.0×10(N/m)
ω=100π(rad/s)=3.14159×10(rad/s)
梁62の回動方向は、力の加わる方向と垂直回動軸に対する重心位置δの方向によって決まる(図7A,図7B,図8A及び図8B)。したがって、図9において、重臣位置δの正(+)側及び負(−)側のそれぞれの領域において、梁62の回動方向が+側及び−側が存在する。
このため、δの正(+)側及び負(−)側のヘッドスライダ9の位置をx 、x とすると、それぞれの領域に(x max及び(x maxの曲線が存在する。但し、(x max及び(x maxは、梁62の回動方向が+側及び−側の時のそれぞれの最大値(xmaxを示す。
図9から、明らかになるように重心位置δに対する(xmaxの曲線は、略V字状になっている。梁62の重心位置Aが支点61の頂点61aから離れるにつれて、ヘッドスライダ9の移動量(xmaxは大きくなる。
一方、磁気ディスク装置が正常に作動している時のヘッドスライダ9のABS面と記録媒体4の表面との間の浮上間隔は、記録媒体4の回転による面振れや製造ばらつきまたは周囲環境(例えば、気圧等)等によって変動する。また、記録媒体4には、これ以上の高さでヘッドスライダ9を浮上させれば、ヘッドスライダ9と記録媒体4との接触による障害を起こさない安定な浮上を保証する浮上保証高さ(以下、グライドハイトと言う)と称する値が決められている。
したがって、浮上間隔から上述のような変動量とグライドハイト量を除いたものが許容されるxの最大許容変位量となる。また、ヘッドスライダ9の移動量(xmaxが最大許容変位量x0s以下になるようなδの範囲内に梁62の重心位置を設定すれば、外部から仮に衝撃を受けてもヘッドスライダ9が記録媒体4に当接するという不具合を排除することができる。また、ヘッドスライダ9及び記録媒体4に損傷を与えるという不具合を排除することができる。一般的には、グライドハイトを除いた浮上間隔xの20%程度が最大許容変位量x0sである。
図9において、磁気ディスク装置が正常に作動している時のヘッドスライダ9のABS面と記録媒体4の表面との間の浮上間隔x=9(nm)に対し、記録媒体4の回転による面振れその他の変動を見込み、ヘッドスライダ9は記録媒体4に当接することのない最大許容変位量x0s=2(nm)とした場合、式(9−3)で表される直線と、(x max及び(x maxの曲線とのそれぞれの交点M、N、M及びNにおけるそれぞれのδ座標の数値δ 、δ 、δ 及びδ を求めることができる。
Figure 2006073086
また、(x max及び(x maxの曲線とのそれぞれの交点M、N、M及びNにおけるそれぞれのδ座標の数値δ 、δ 、δ 及びδ は、δ ≒0.27(mm)、δ ≒0.26(mm)、δ ≒−0.27(mm)、δ ≒−0.26(mm)となる。
また、式(9−4)及び式(9−5)の関係が成立している。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
式(9−4)及び式(9−5)の関係が成立している時、式(9−6−1)、式(9−6−2)で表される重心位置δの領域内に、垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除いた部材の重心位置Aを設定する。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
式(9−6−1)、式(9−6−2)で表される領域内に重心位置δを設定すれば、加速度α(t)は、式(9−7)で示される衝撃を外部から受ける。
Figure 2006073086
しかし、外部から式(9−7)で示す衝撃を受けても、ヘッドスライダ9は記録媒体4に当接することはない。すなわち、許容最大衝撃加速度α(t)を設定し、上述の一例のように、各要素の設計仕様を用いてδの領域を求めて、梁62の重心位置Aをその重心位置δの領域内に位置するように設定する。これによって、許容最大衝撃加速度α(t)以下の衝撃加速度を有する外部からの力が加わったとしても、ヘッドスライダ9の移動は最大許容変位量x0s以下に抑えることができる。このため、ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接するという不具合を排除して、ヘッド支持装置として高い耐衝撃性を備えることができる。
次に、上述の各要素の設計仕様を有するヘッド支持装置を用いて、落下衝撃について検討してみた。具体的には、ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接することによる損傷がこれらの少なくとも一方に生じさせることがない衝撃加速度の大きさを求めた。その結果を図10に示す。
図10は、梁62に対応する部材(すなわち、垂直回動軸31の周りに回動する部材のうちヘッドスライダ9を除いた部材)の重心位置δを変化させたヘッド支持装置に対して、加える衝撃加速度を変えて記録媒体4に垂直な方向に落下させた時に、記録媒体4またはヘッドスライダ9の少なくともいずれか一方に損傷を生じさせることがない衝撃加速度の最大値を求めた検討結果である。
図10の横軸は、図9に示したものと同じであり、梁62の合計質量の頂点61aに対する重心位置を示す。縦軸は記録媒体4またはヘッドスライダ9の少なくともいずれか一方に損傷を発生させない落下衝撃加速度の最大値を示す。
図10から分かるように、重心位置δに対する記録媒体4またはヘッドスライダ9に損傷を発生させない落下衝撃加速度の最大値の曲線101は上方に向かって凸の曲線である。かつ、衝撃加速度の最大値αmaxを示す横軸の重心位置はδ=0と略一致している。このことは、頂点61aの周りに回動する部材の合計質量(m+m)の重心位置を頂点61aに略一致させるよりも、梁62のみの合計質量(m)の重心位置を頂点61aに略一致させた方が、記録媒体4及びヘッドスライダ9の少なくともいずれか一方に損傷を生じさせない衝撃加速度の最大値を得ることができ、より大きな落下衝撃に耐え得ることを示唆する。すなわち、耐衝撃性という観点から、支点61の頂点61aの周りに回動する部材の合計質量の重心位置を考える場合、梁62とヘッドスライダ9のそれぞれの質量を分離して考えた方が、より合理的な考え方ができるということが、図10に示した検討結果より推察することができる。
したがって、ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接することによる損傷を記録媒体4及びヘッドスライダ9の少なくともいずれか一方に生じないようにするためには、垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除いた部材の重心位置Aと、支点61の頂点61aとの間をδとして、最大許容変位量x0sに対し、式(9−1)から導かれる式(10−1)を常に満足する重心位置δの領域を求めれば良い。
Figure 2006073086
式(10−1)を求めるには、まず式(11)で表される直線を求める。
Figure 2006073086
次に式(11)と式(9−1)との交点を求める。すなわち、式(11−1)を重心位置σについて解けば良い。
Figure 2006073086
式(11−1)の解は、上述したように、4つ存在する。ここで、それらδ 、δ 、δ 及びδ を次のように定義する。すなわち、
δ は、梁62の回動方向が正(+)でδが正(+)のときの重心位置
δ は、梁62の回動方向が正(+)でδが負(−)のときの重心位置
δ は、梁62の回動方向が負(−)でδが正(+)のときの重心位置
δ は、梁62の回動方向が負(−)でδが負(−)のときの重心位置
また、δ 、δ 、δ 及びδ は、それぞれ、式(12−1、(12−2、(12−3)及び(12−4)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
次に、式(10−1)を常に満足する重心位置δの領域を決める。δが正の場合における式(11−1)を満たす解δ 、δ のうち小さい方をδ、δが負の場合におけるδ 、δ のうち、大きい方をδとする。すなわち、δ 、δ のうち、小さい方をmin(δ 、δ )として表記し、δ 、δ のうち、大きい方をmax(δ 、δ )と表記すると、重心位置δが式(13)を満足させるように設定する。なお、重心位置σ1、σ2はそれぞれ、式(13−1)、(13−2)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
式(13)を満足させれば、外部から許容最大衝撃加速度α(t)以下の衝撃加速度を有する衝撃を受けても、ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接するという不具合を防止することができる。これにより、ヘッドスライダ9及び記録媒体4に損傷を与えるという不具合を未然に防止することができる。
換言すれば、図2,3に示されるヘッド支持装置7において、垂直回動軸31の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダ9を除いた部材,すなわちヘッド支持アーム8、ボイスコイル部24、板ばね部25のうちヘッド支持アーム8に当接している部分、ジンバル機構21及びバランサ23の合計質量の重心位置を、ヘッド支持アーム8の上面に当接するピボット軸受27に設けられた一対のピボット27a及び27bのそれぞれの当接点P及びPを結ぶ線すなわち垂直回動軸31に対し、その垂直回動軸31の近傍すなわち上述の式(13)におけるδの領域内に位置するように構成する。
こうした構成によって、外部からの衝撃によるヘッド支持アーム8の回動を極力抑え、ヘッドスライダ9に対するロード荷重の極度の減少を回避することができる。安定したヘッドスライダ9の浮上バランスが得られ、ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接して記録媒体4を損傷することを防止することができ、非常に高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
なお、重心位置δ1,δ2は、上述したように、計算でも求めることはできるが、実際の系においては外部衝撃は式(5)で与えられるような単純な波形ではない。
また、摩擦などにより実際には、梁62やスライダ9の運動は減衰させられるので、図10で示したように実験的に重心位置δ1,δ2を求めることが好ましい。
垂直回動軸31の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダ9を除いた部材の重心位置が、垂直回動軸31に対して式(13)を満たすように設定された時、ヘッドスライダ9を含む垂直回動軸31の周りに回動する部材の重心位置は、垂直回動軸31に対して式(14)にて示される領域εとなる。
Figure 2006073086
なお、実施の形態1においては、ビボット軸受27に設けた一対のピボット27a及び27bの頂点がヘッド支持アーム8の上面に当接させるものを例示した。しかし、何らこれに限ることはなく、たとえば、図11に示すように、ヘッド支持アーム111に設けたピボット111a及び111bの頂点が軸受部112のフランジ112aの下面に当接するような構成としても良い。
このような構成においても、ピボット111aとピボット111bが軸受部112のフランジ112aの下面に当接するそれぞれの当接点Qと当接点Qを回動軸5(図示せず)の軸心に対して互いに対称的な位置になるように配置する。かつ、当接点Qと当接点Qを結ぶ線すなわち垂直回動軸が、回動軸5の軸心を通り、ヘッド支持アーム111の長手方向の中心線に垂直になるように構成する。かつ、当接点Qと当接点Qを結ぶ線の中点を回動軸5の軸心に略一致させるように構成する。
実施の形態1によれば、ヘッド支持装置を構成するヘッド支持アームを剛性の高い材料で形成することができるため、外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性を向上させることが可能である。併せて、ヘッド支持アームの共振周波数を高くすることができ、従来、問題になっていた振動モードが発生せず、セトリング動作の必要がないため、ヘッド支持装置を高速で回動及び位置決めすることができる。
また、弾性機構の1つである板ばね部はヘッド支持アームとは独立した別個の部材として設けた。このため、ヘッドスライダへのロード荷重を所定の大きさに比較的容易に設定することができ、設計の自由度を広げることができる。
さらに、ヘッド支持アームの上面とピボット軸受に設けられた一対のピボットとのそれぞれの当接点P及びPを結ぶ線(垂直回動軸)の周りにヘッド支持アームを回動可能にしている。
また、垂直回動軸の周りに回動する部材すなわちヘッド支持アーム、ボイスコイル部、板ばね部のうちヘッド支持アームに当接している部分、ジンバル機構、ジンバル機構に固着されたヘッドスライダ及びバランサのうち、ヘッドスライダを除く他の部材の重心位置を垂直回動軸の近傍に設定する。これにより、仮に外部から大きな衝撃を受けても、ヘッドスライダが記録媒体に衝突して記録媒体の表面に損傷与えるという不具合を未然に防止し、非常に高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
また、このように構成されたヘッド支持装置を磁気ディスク装置に用いることにより、非常に耐衝撃性が高く、かつ、非常に高いアクセス速度を有する磁気ディスク装置を実現することができる。
(実施の形態2)
図12〜図14は、本発明の実施の形態2にかかるヘッド支持装置を説明するための図である。図12はヘッド支持装置の構成を示す平面図、図13はヘッド支持装置の構成を示す側面図、図14はヘッド支持装置におけるヘッド支持アームを示す平面図である。なお、図12及び図13において、実施の形態1で用いた図2及び図3と同じ箇所に対応する要素には、図2及び図3における符号と同じ符号を付している。
本発明の実施の形態2にかかるヘッド支持装置120は、一方の先端部にジンバル機構21を介して磁気ヘッド(図示せず)を搭載したヘッドスライダ9が配設されたヘッド支持アーム121には板ばね部121aが設けられている。板バネ部121aに連結した固定部121bはヘッド回動アーム122に固着されている。
また、ヘッド支持アーム121に設けられた一対のピボット121c及び121dの頂点がそれぞれヘッド回動アーム122の下面(記録媒体4側の面)に当接している。板ばね部121aと一対のピボット121c及び121dを介してヘッド支持アーム121とヘッド回動アーム122が弾性機構の1つである板ばね部121aによって弾性的に接続されている。また、ヘッド回動アーム122にはヘッド支持アーム121が固着された側とは反対側にベアリング6が内蔵された軸受部123が配設されている。なお、ヘッド回動アーム122と軸受部123とは一体的に形成されたものであっても良い。
さらに、ボイスコイル10がボイスコイルホルダ22に取り付けられて構成されたボイスコイル部24が、ヘッド回動アーム122に固着された軸受部123を挟んでヘッド支持アーム121とは反対側にヘッド回動アーム122に固着されている。軸受部123が固着されたヘッド回動アーム122にジンバル機構21を介してヘッドスライダ9が配設されたヘッド支持アーム121及びボイスコイル部24が配設されることによってヘッド支持装置120が構成されている。また、ヘッド支持装置120はベアリング6を介して回動軸5の周りに水平方向に回動自在に軸支されている。
実施の形態2は、実施の形態1と同様に、回動軸5の中心軸を水平回動中心として記録媒体4の表面と略平行な面の方向に水平回動可能な構成となっている。ボイスコイル10に電流を供給することによって、VCMが作動し、ヘッド支持装置120が記録媒体4の半径方向に回動する。
なお、ヘッド回動アーム122とボイスコイル部24は別部材として構成しても良く、また、これらが一体化された1つのユニットであっても良い。
次に、ヘッド支持アーム121について、図14を用いて説明する。ヘッド支持アーム121は非磁性金属製薄板材料を用いてプレス加工またはエッチング加工等の周知の技術により形成され、その表面形状は、略二等辺三角形の外形形状を有する。
その長手方向の略二等辺三角形の両側斜面に相当する両側側面には、それぞれ折曲部141を形成して、ヘッド支持アーム121の長手方向の剛性を高めている。そして、両側に形成された折曲部141に挟まれた部分の中央部分にはU字状のスリット部142を形成する。さらに、スリット部142の内側に位置する舌片状の内部には略矩形状の切除部143が形成されている。切除部143の両側側面143a及び143bとスリット部142の間の部分が板ばね部121aを構成している。
切除部143の両側側面143a及び143bに挟まれた側面143cとスリット部142の間の部分がヘッド回動アーム122に固着するための固定部121bを構成する。
また、ヘッド支持アーム121には、切除部143の両側側面143a及び143bとそれらに対向するそれぞれのスリット部142を挟んだ両側であって、ヘッド支持アーム121の長手方向中心線144に対して対称の位置に、ピボット121c及び121dが形成されている。かつ、ビボット121c及び121dはヘッドスライダ9がジンバル機構21(図14には図示せず)を介して固着される側とは反対側に突起させて形成されている。
また、実施の形態2においては、実施の形態1と同じように、ヘッドスライダ9の中心部分の近傍に当接するようにディンプル121eをヘッド支持アーム121の下面に設ける。また、ジンバル機構21を介してヘッドスライダ9をヘッド支持アーム121に取り付けた時、そのディンプル121eをジンバル機構21またはヘッドスライダ9の上面(磁気ヘッドが搭載された面とは反対側の面)の略中心部に当接させる。
これによって、磁気ディスク装置の動作時におけるヘッドスライダ9の記録媒体4に対するロールまたはピッチ方向の不要な振動等にも柔軟性良く追従させることができる。また、ヘッドスライダ9が固着されたジンバル機構21と所定の隙間dを有するように(実施の形態1、図5参照)、ヘッド支持アーム121にリミッタ部121fを設け、ジンバル機構21がディンプル121eから、所定の距離だけ離れた時に、リミッタ部121fがジンバル機構21に当接して、ディンプル121eからのジンバル機構21の離間距離を規制するようにしたことも実施の形態1と同様である。
さらに、ヘッド支持アーム121の板ばね部121a及び固定部121bを除くヘッド支持アーム121、ジンバル機構21及びバランサ124の合計重心位置が所定の位置になるようにバランサ124の質量(重量)を設定して、ヘッド支持アーム121の一端にバランサ124を固着している。なお、図12〜図14において、バランサ124をヘッド支持アーム121のヘッドスライダ9側に固着したものを例示した。しかし、なんらこれに限ることはない。質量の合計重心位置が所定の位置になるようにヘッド支持アーム121の位置に固着されていれば良い。
図13に示すように、ヘッド支持アーム121の固定部121bをヘッド回動アーム122の一端側に固着して、ヘッド支持アーム121に設けられた一対のピボット121c及び121dの頂点がそれぞれヘッド回動アーム122の下面に当接させる。板ばね部121aと一対のピボット121c及び121dを介してヘッド支持アーム121とヘッド回動アーム122が弾性機構の1つである板ばね部121aによって弾性的に接続されることになる。
ヘッド支持アーム121はヘッド支持アーム121の一対のピボット121c及び121dとヘッド回動アーム122の下面とのそれぞれの当接点R及びRを結ぶ線の周りに回動可能となる。すなわち、実施の形態1と同様に、ヘッド支持アーム121は当接点R及びRを結ぶ線を垂直回動軸121g(図12参照)として記録媒体4の表面と垂直な方向に回動可能な構成となっている。
ヘッド支持アーム121の一対のピボット121c及び121dとヘッド回動アーム122の下面とのそれぞれの当接点R及びRを結ぶ線を支点として、ヘッド支持アーム121の板ばね部121aの弾性力によってヘッド支持アーム121をそのヘッドスライダ9が固着された側が下方向(記録媒体4側の方向)に押し下げられるように回動する構成は実施の形態1と同様である。
なお、ヘッド支持アーム121の板ばね部121aによってヘッド支持アーム121をそのヘッドスライダ9が固着された側が下方向に押し下げられる。この時、ヘッド支持アーム121におけるヘッドスライダ9が取り付けられた側とは反対側の端部がヘッド回動アーム122の下面に当接してヘッド支持アーム121の回動を干渉するのを防止する。このために、ヘッド支持アーム121の端部外形を包含する領域に凹部122aが形成されている。また、凹部122aは凹部に限ることはなく、貫通した穴部であっても良い。
したがって、実施の形態2においては、実施の形態1と同様に、磁気ディスク装置の動作時、ヘッド支持アーム121にジンバル機構21を介して取り付けられたヘッドスライダ9が記録媒体4の表面に対して浮上する。
この時のヘッドスライダ9のロード荷重は、ヘッド回動アーム122とヘッド支持アーム121の一対のピボット121c及び121dのそれぞれの当接点R及びRによるヘッド支持アーム121に対する板ばね部121aの変形による反力としての記録媒体4方向への圧縮応力によって生じる。ヘッドスライダ9にかかる記録媒体4方向の付勢力とその逆方向の浮揚力との関係によってヘッドスライダ9が浮上し、ヘッドスライダ9すなわち磁気ヘッドと記録媒体4との間に一定の空隙を保って磁気ディスク装置の記録再生が行われる。
ヘッド支持装置120を上述のように構成することによって、ヘッドスライダ9の記録媒体4に対するロード荷重は、ヘッド回動アーム122とヘッド支持アーム121の一対のピボット121c及び121dのそれぞれの当接点R及びRによるヘッド支持アーム121に対する板ばね部121aの変形による反力としての記録媒体4の方向への圧縮応力によって生じる。記録媒体4へのロード荷重はヘッド支持アーム121に形成される一対のピボット121c及び121dの突出高さ及び板ばね部121aの弾性係数によって所定値に設定することができる。
また、ヘッドスライダ9側に近いヘッド回動アーム122の先端側の一部分に板ばね部121aによってヘッド回動アーム122に連結され、一対のピボット121c及び121dがヘッド回動アーム122に当接させる。ジンバル機構21を介してヘッドスライダ9が固着されたヘッド支持アーム121が記録媒体4の表面に垂直な方向に回動するような構成としている。ヘッド支持アーム121、ジンバル機構21、ヘッドスライダ9及び合計重心位置を所定の位置に設定するためのバランサ124の合計質量を低減することができる。
これによって、記録媒体4の表面に垂直な方向の衝撃が加えられた時のヘッド支持アーム121に加わる衝撃力は非常に小さくすることができる。さらに、ヘッド支持アーム121、ジンバル機構21及びバランサ124の合計質量を小さくすることとその、重心位置を上述の垂直回動軸121g(ヘッド回動アーム122とヘッド支持アーム121の一対のピボット121c及び121dとのそれぞれの当接点R及びRを結ぶ線)に実質的に同一に設定することによって、ヘッド支持アーム121を回動しようとする回転モーメントを小さくすることができる。また、記録媒体4の表面に垂直な方向の衝撃に対する耐衝撃性を大きく高めることができる。
記録媒体4の表面に垂直な方向の衝撃が、上述のように構成されたヘッド支持装置120に加わった場合、垂直回動軸121gから弾性機構の1つである板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分、すなわち、板ばね部121a及び固定部121bを除くヘッド支持アーム121、ジンバル機構21及びバランサ124の合計質量の重心位置までの距離に関係する回転モーメントが働く。垂直回動軸121gの周りにヘッド支持アーム121が回動しようとすることによって、ヘッド支持アーム121に設けられた板ばね部121aにより付与されているロード荷重が変動することになる。しかし、他方では、ヘッドスライダ9には記録媒体4の回転によって負圧と正圧が発生しているため、ヘッド支持アーム121の挙動と非常に柔軟なジンバル機構21によってヘッド支持アーム121に連結されたヘッドスライダ9の挙動とは必ずしも完全に一致しない。
また、ヘッドスライダ9は、ロード荷重と浮揚力との力の釣り合い関係により、記録媒体4上を浮上するため,その釣り合い関係が大きく崩れると、浮上が不安定となる。仮に、ロード荷重が無くなる程度の強い衝撃が外部から加わった場合、ヘッドスライダ9は浮揚力だけで浮上することになり、非常に不安定となる。このため、外力によるロード荷重の変動を少なくとも抑制することによって、ヘッドスライダ9の浮上が安定することになるということは、実施の形態1と同じである。
実施の形態2におけるヘッド支持アーム121についても、実施の形態1における図6から図8を用いて記述した内容を適用することができる。ただし、実施の形態2にかかる弾性機構の1つである板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分、すなわち、板ばね部121a及び固定部121bを除くヘッド支持アーム121、ジンバル機構21及びバランサ124は、実施の形態1において記述された梁62に相当する。
実施の形態2における梁62の合計質量mは、弾性機構の1つである板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分、すなわち、板ばね部121a及び固定部121bを除くヘッド支持アーム121、ジンバル機構21及びバランサ124の合計質量を示す。
すなわち、弾性機構の1つである板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分及びヘッドスライダ9それぞれの運動方程式は、実施の形態1における運動方程式と同じ方程式で表すことができる。すなわち、それぞれ式(3)及び式(4)で表される。その他の符号、記号についても、実施の形態1と同様のものを用いることができる。
したがって、実施の形態1における式(13)が成り立ち、板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分の合計質量の重心位置を、上述の垂直回動軸121gすなわちヘッド回動アーム122の下面に当接するヘッド支持アーム121のピボット121c及び121dのそれぞれの当接点R及びRを結ぶ線に対して実施の形態1における式(13)で表されるδの領域内に位置させる。これにより、外部からの衝撃が加わってもヘッドスライダ9と記録媒体4とが当接するという不具合を排除することができる。ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接して記録媒体4に損傷を与えるという不具合を排除することができ、非常に高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
なお、実施の形態2において、一対のピボット121c及び121dはヘッド支持アーム121に設けられ、それらのピボット121c及び121dの頂点がヘッド回動アーム122の下面に当接するような構成について説明した。しかし、何らこれに限ることはなく、図示はしていないが一対のピボットをヘッド回動アームに設け、それらの一対のピボットの頂点がヘッド支持アーム121の上面に当接するような構成としても良い。
また、実施の形態2においては、板ばね部121aはヘッド支持アーム121に一体的に形成されるものを例示した。しかし、実施の形態1でも説明したように、ヘッド支持アーム121とは別の部材で板ばね部121aを構成しても良い。
ヘッド支持アーム121と板ばね部121aを別の部材で構成することによって、ヘッド支持アーム121を剛性の高い材料で形成し、板ばね部121aを柔軟性の高い弾性材料で形成することができ、その設計の自由度を飛躍的に広げることができる。
また、実施の形態1及び実施の形態2においては、磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置のヘッド支持装置について説明した。しかし、本発明のヘッド支持装置は非接触型のディスク装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等のヘッド支持装置として用いた場合も同様の効果を奏する。
以上のように実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、ヘッド支持装置を構成するヘッド支持アームを軽量化することができる。かつ、剛性を高めるように形成することができる。外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性を向上させることが可能であると共に、ヘッド支持装置を高速で回動及び位置決めすることができる。
さらに、ヘッド回動アームの下面とヘッド支持アームに設けられた一対のピボットとのそれぞれの当接点Q及びQを結ぶ線(すなわち、垂直回動軸)の周りにヘッド支持アームを回動可能とし、垂直回動軸の周りに回動する部材すなわち弾性機構である板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分の合計質量の重心位置を垂直回動軸の近傍に設定する。外部から大きな衝撃を受けた場合に対しても、ヘッドスライダが記録媒体に衝突して記録媒体の表面に損傷を与えるという不具合を排除して、非常に高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
また、このように構成されたヘッド支持装置を磁気ディスク装置に用いることにより、実施の形態1と同様に、非常に耐衝撃性に優れ、かつ、非常に高いアクセス速度を有する磁気ディスク装置を実現することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3にかかる携帯用電子機器の1つである携帯電話について図15を用いて説明する。
図15において、携帯電話150には、基板152の下部に磁気ディスク装置151が配置され、基板152の上部に液晶ディスプレイ153、スピーカ154,マイク155が配置されている。基板152は下ケース156と上ケース157からなる筐体内に収納されており、携帯電話150を構成する。
磁気ディスク151は、実施の形態1または実施の形態2で説明したヘッド支持装置を有する磁気ディスク装置であるので詳細な説明は省略する。磁気ディスク装置151は、例えば実施の形態1に示したように、高い耐衝撃性を有しているので、携帯電話150に搭載する際に、緩衝材などを必要とせず、磁気ディスク装置を搭載する携帯電話の小型化をすることができる。
また、本発明のヘッド支持装置と緩衝材を用いることにより、さらにより高い耐衝撃性を得ることができる。
実施の形態3において、磁気ディスクは基板151を挟んで液晶ディスプレイ153の裏側に配置した。しかし、磁気ディスク装置151の配置場所はこれに限られるわけではなく、任意の場所であっても高い耐衝撃性能を有する。
さらに、実施の形態3においては、携帯用電子機器として携帯電話を例示した。何らこれに制限されることはない。例えば、ノート型パーソナルコンピュータやPDAのような情報携帯端末、映像や音楽を保存したムービーやカメラ、音楽プレーヤなど、携帯用電子機器であって、高容量の記録装置を必要とするものに対して高い耐衝撃性を付与することができる。
以上のように本発明は、記録媒体の表面に平行な方向に水平回動軸の周りに回動可能とすると共に、ヘッドを搭載したヘッドスライダが非常に柔軟な弾性を有するジンバル機構によって連結されたヘッド支持アームを、一対のピボットの頂点を結ぶ線を垂直回動軸として記録媒体の表面に垂直な方向に回動可能とし、かつ、荷重発生用の付勢力を付与する弾性機構である板ばね部が設けられた構成を有するヘッド支持装置である。
このようなヘッド支持アーム構成とすることによって、ヘッド支持アームを高い剛性を有するように形成することができる。外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性を向上させることが可能である。併せて、ヘッド支持アームの共振周波数を高くすることができ、ヘッド支持装置を高速で回動及び位置決めすることができるという効果を奏する。
さらに、垂直解動軸の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダを除く部分の部材の合計質量の重心位置を垂直回動軸の近傍に設定した構成とする。記録媒体の表面に垂直な方向の衝撃を外部から受けても、ヘッドを搭載したヘッドスライダが記録媒体に当接または衝突して記録媒体の表面に損傷を生じることもなく、非常に大きな耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができるという効果を奏する。
したがって、本発明は磁気ディスク装置や非接触型のディスク装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等に用いられるヘッド支持装置等に有用である。
また、本発明のヘッド支持装置を搭載した磁気ディスク装置や非接触型のディスク装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等を携帯用電子機器装置に用いることにより、携帯用電子機器装置に高い耐衝撃性をもたせることができるので、その産業上の利用可能性は高い。
本発明は、浮上型のヘッドを有するディスク装置、例えば磁気ディスク装置、光ディスク装置及び光磁気ディスク装置等に用いられるヘッド支持装置及びヘッド支持装置を用いたディスク装置及びヘッド支持装置を搭載した携帯用電子機器に関する。
従来、浮上型のヘッドを有するディスク装置のヘッド支持装置の一例として、ハードディスク装置等の磁気ディスク装置に用いられているヘッド支持装置について、図面を用いて説明する。
図16において、ヘッド支持装置161は、比較的剛性の低いサスペンション162、板ばね部163及び比較的剛性の高い支持アーム164を備える。サスペンション162の一端の下面には磁気ヘッド(図示せず)を搭載したヘッドスライダ165が設けられている。
磁気記録媒体166はスピンドルモータ167によって回転する。磁気ディスク装置の記録再生時には、磁気記録媒体166の回転に伴って発生する空気流によってヘッドスライダ165が受ける浮揚力と、ヘッドスライダ165を磁気記録媒体166側に付勢するヘッド支持装置161の板ばね部163による付勢力との釣り合いに応じて、ヘッドスライダ165は磁気記録媒体166から一定量浮上する。すなわちヘッドスライダ165に搭載された磁気ヘッドが磁気記録媒体166から一定量浮上するよう構成されている。
ヘッド支持装置161は、磁気記録再生装置の記録または再生時には、支持アーム164に設けられたボイスコイル168の作用によって、軸受部169を中心として回動する。ヘッドスライダ165に搭載された磁気ヘッドが磁気記録媒体166の希望するトラックに対して位置決めされ、記録または再生を行うよう構成されている。
図17を用いて、ヘッド支持装置161の構成及び作用について説明する。図17は、図16のヘッド支持装置161における磁気ヘッドが設けられた部分の要部斜視図である。
図17において、磁気ヘッド(図示せず)は、サスペンション162の一端の下面側に設けられたヘッドスライダ165の磁気記録媒体166(図17には図示せず)と対向した面に設けられている。一方、サスペンション162の他端は折り曲げられて板ばね部163が構成され、板ばね部163は支持アーム164に係止されている。磁気記録媒体の上下動(面振れ等による)や、量産時のヘッドスライダ165と磁気記録媒体166との距離の製造ばらつき等によるヘッドスライダ165の磁気記録媒体への荷重変化を小さく抑えるために、板ばね部163には切り欠き部171が設けられている。また、板ばね部163の剛性を下げると共に、ばね定数を小さくして、柔軟性を持たせるような構成となっている。
こうした構成を有するヘッド支持装置は、たとえば、日本特許、特許第2894262号公報、特許第3374846号公報、特許公開、特開平6−259905号公報、特開2004−30856号公報及び特開2004−62936号公報に紹介されている。
しかしながら、上記の従来構成のヘッド支持装置では、磁気ヘッドを搭載したヘッドスライダ165を磁気記録媒体166から安定して浮上させるためには、ヘッドスライダ165に必要とする荷重(ロード荷重)を掛けるに充分な反力を板ばね部163に、もたせなければならない。また、磁気記録媒体166の上下動や量産時のヘッドスライダ165と磁気記録媒体166との距離の製造ばらつき等によるヘッドスライダ165の磁気記録媒体166へのロード荷重の変化を小さく抑えるための柔軟性をもたせなければならない。
こうした反力と柔軟性はいわば、相反する要件である。このため、こうした相反する要件を満足させるためには、例えば、板ばね部163に切り欠き部171を設けたり、または、サスペンション162を薄板構造とすることによって、板ばね部163の剛性を下げることが考えられる。ばね定数を小さくして、柔軟性をもたせるような構成を採用するならば、ヘッド支持装置161が磁気ヘッドを目標のトラック位置まで、高速で移動させる際、共振周波数が低くなり、捩れ等の振動モードが発生して、オフトラックが発生する。このため、発生した振動モードを整定するのに時間を要し、アクセス時間を短縮するのに限界を生じることになる。
また、従来のヘッド支持装置においては、その重心は板ばね部163よりも磁気ヘッド寄りに位置させている。このために、磁気記録再生装置に外部から、強い衝撃等が加わった場合、磁気記録媒体166の回転によるヘッドスライダ165の部分に発生する空気流によって生じる浮揚力と、ヘッドスライダ165を磁気記録媒体166側に付勢する付勢力とのバランスが崩れてしまう。このため、ヘッドスライダ165が磁気記録媒体166から跳躍するという不所望な現象が発生する。また、ヘッドスライダ165が磁気記録媒体166に衝突し、磁気ヘッド(図示せず)や磁気記録媒体166に磁気的損傷または機械的損傷を与えてしまうという不具合も生じる。
こうした不具合は、磁気記録再生装置だけではなく、浮上型のヘッドを有するディスク装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等においても同様に発生する。
さらに、上記磁気記録再生装置等を搭載した携帯用電子機器に対して、外部から強い衝撃等が加わった場合、磁気ヘッド(図示せず)や磁気記録媒体166に磁気的損傷または機械的損傷が生じ、携帯用電子機器の機能が低下し、または実使用上において十分でない不具合が起こり得る。
こうした不具合を克服するために、携帯用電子機器に、磁気記録再生装置を搭載する際に緩衝材を設けたものが提案されている(たとえば、日本特許公開、特開2004−134036号公報)。しかし、携帯用電子機器の小型化に伴い、十分な緩衝材を設けることは、極めて難しく、耐衝撃性が十分に得られないという不具合が生じる。
また、上述のようなヘッド支持装置161では、耐衝撃性を向上させるために、いくつかの提案がなされている。例えば、ヘッド支持装置の主要部を剛性の高い材料で構成し、サスペンションの一端下面にヘッドスライダが取り付けられ、かつ、軸受部を回動中心として磁気記録媒体の半径方向に回動可能なヘッド支持アームを、他端側に設けられたボイスコイルとヘッドスライダとの間において設けられた支点(垂直回動軸)の周りに磁気記録媒体の表面の垂直方向に回動可能としている。併せて、その部分に荷重発生用の付勢力を付与する板ばね部が設けられた構成を有するヘッド支持装置が提案されている(例えば、日本特許第3374746号公報、日本特許公開、特開2004-30856号公報、特開2004-62936号公報)。
しかしながら、上述したようにヘッドスライダは、ロード荷重と浮揚力との釣り合い関係により、磁気記録媒体上を浮上するため、その釣り合い関係が崩れると、浮上が不安定となる。仮に、ロード荷重が無くなる程度の強い衝撃が外部から加わった場合、ヘッドスライダは浮揚力だけで浮上することになり、非常に不安定となる。少なくとも、垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除く部材の変動を抑制することは、ロード荷重の変動を抑制することになるので、ヘッドスライダの浮上が安定する。したがって、外力によるロード荷重の変動を抑制するために、垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除く部材の垂直回動軸に対する重心位置のずれ量を所定量以下に設定することが必要となる。
本発明は、ヘッド支持装置の耐衝撃性をさらに向上させることが可能なヘッド支持装置及びそれを備えたディスク装置及びヘッド支持装置を備えた携帯用電子機器を提供するものである。
また、本発明は、剛性を高めて共振周波数を非常に大きくし、共振特性の安定化を図るものである。また、高い柔軟性を有して安定したロード荷重を与えることができ、かつ、高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置を提供するものである。また、このようなヘッド支持装置を搭載することによって、ヘッド位置決め制御特性の向上を図り、磁気ヘッドを目標のトラックの位置まで高速で移動させることができる。これによって、アクセス時間を大幅に短縮した信頼性の高いディスク装置を提供するものである。
本発明のヘッド支持装置の具体的な構成は、たとえば、信号変換素子であるヘッド素子を有するヘッドスライダと、ヘッドスライダを一方の端部に連結したヘッド支持アームと、ヘッド支持アームを記録媒体表面に平行な方向に回動させる水平回動軸の中心を挟んでヘッドスライダ側とは反対側の端部に配設されたボイスコイルと、ヘッド支持アームを記録媒体表面に垂直な方向に回動させる垂直回動軸を形成する一対のピボットと、垂直回動軸を中心としてヘッドスライダを記録媒体表面の方向に付勢する荷重を発生させる弾性機構と、を備えたヘッド支持装置である。
また、ヘッド支持装置は、垂直回動軸の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心位置を垂直回動軸の位置に実質的に一致させる。
また、垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心位置δが式(1)を満足するように設定する。
Figure 2006073086
ここで、ヘッド支持アームに沿って、垂直回動軸を原点とし、ヘッドスライダ側を正(+)、ヘッドスライダと反対側を負(−)と定義して表わすものとする。
また、記録媒体に垂直で、かつ、ヘッドスライダが記録媒体に接近する方向にヘッド支持アームを回動させようとする方向の許容最大衝撃加速度を受けて生じるヘッドスライダの位置移動が、記録媒体の表面とヘッドスライダの記録媒体に対向する面(ABS面)との許容最小浮上間隔になる時のヘッドスライダを除く垂直回動軸周りに回動する部材の重心位置をδ 及びδ とする。
また、記録媒体に垂直で、かつ、ヘッドスライダが記録媒体から離間する方向にヘッド支持アームを回動させようとする方向の許容最大衝撃加速度を受けて生じるヘッドスライダの位置移動が、許容最小浮上間隔になる時の部材の重心位置をδ 及びδ とする。
また、σ とδ のうち小さい方をδ、δ とδ のうち大きい方をδとした場合、上記ヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心位置δを式(1)を満足させるように設定する。
式(1)を満足させるように上記ヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心位置δを設定すれば、ヘッドスライダを含んだときの垂直回動軸の周りに回動する部材の重心位置εは、垂直回動軸に対して、式(2)の関係を満たすことになる。
Figure 2006073086
なお、式(2)において式(1)と同様に、ヘッドスライダ側を正(+)、ヘッドスライダと反対側を負(−)と定義する。
また、記録媒体に垂直で、かつ、ヘッドスライダが記録媒体に接近する方向にヘッド支持アームを回動させようとする方向の許容最大衝撃加速度を受けて生じるヘッドスライダの位置変位が、記録媒体の表面とヘッドスライダの許容最大変位量になる時のヘッドスライダを除く垂直回動軸周りに回動する部材の重心位置δが正の場合をδ 、重心位置δが負の場合をδ と定義する。
また、記録媒体に垂直で、かつ、ヘッドスライダが記録媒体から離間する方向にヘッド支持アームを回動させようとする方向の許容最大衝撃加速度を受けて生じるヘッドスライダの位置変位が、最大許容変位量になる時の部材の重心位置δが負の場合をδ 、重心位置δが正の場合をδ と定義する。
また、前記δ と前記δ のうち小さい方をδ、前記δ と前記δ のうち大きい方をδとする。
垂直回動軸の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダを除いた部材の合計質量をmとし、ヘッドスライダの質量をmとする。
垂直回動軸からヘッドスライダの中心までのヘッド支持アームの長手方向における距離をlとする。
また、式(2)において、ε は(m+mσ)/(m+m)で表される重心位置を、εは(m+mσ)/(m+m)で表される重心位置をそれぞれ表している。
上記式(1)及び式(2)を満足させる構成によって、剛体を有する部分と弾性を有する部分を一体的に形成することができる。また、弾性機構によるヘッドスライダへの付勢力を任意に設定することができ、外部からの衝撃が印加された場合、衝撃により生じるヘッド支持アームの回動を抑え、ヘッド支持アームの回動とヘッドスライダに働く衝撃によって、生じるヘッドスライダの移動をヘッドスライダが記録媒体の表面に当接することのない範囲内に抑えることができる。このため、耐衝撃性を向上させ、かつ共振周波数を高くすることができる。高い応答特性、高速アクセスが可能なヘッド支持装置を実現することができる。
また、ヘッド支持装置を記録媒体の表面に垂直な方向に回動自在に構成させることにより、記録媒体の停止時にはヘッドを記録媒体から離して保持することができるという効果も奏する。
また、本発明のヘッド支持装置は、重心位置をヘッド支持アームの長手方向の中心線と垂直回動軸との交点の近傍に設定している。
この構成によって、外部から衝撃等の力を受けた時、ヘッド支持アームの長手方向の中心線周りにヘッド支持アームを回動させようとする力を排除することができる。ヘッド支持アームの不要な振動を小さく抑えることができるという効果を奏する。
また、本発明のヘッド支持装置は、垂直回動軸が、水平回動軸の軸心方向及びヘッド支持アームの長手方向の中心線に垂直になるように構成している。
この構成によって、ヘッド支持アームの回動に対応し、ヘッドスライダの記録媒体に対向する面(ABS面)が、記録媒体の表面に対して平行に動くことになる。外部からの力例えば、衝撃や、記録媒体の回転による面振れ等によって、ヘッド支持アームが回動したとしても、ヘッドスライダは記録媒体の表面に平行な状態を維持したまま移動することになる。このため、ディスク装置としての記録または再生時に信号の欠落を防止することができるので、耐衝撃性に優れたヘッド支持装置を提供することができる。
また、本発明のヘッド支持装置は、垂直回動軸を形成する一対のピボットのそれぞれの頂点が、ヘッド支持アームの長手方向の中心線に対して対称な位置に設けた構成を採用している。
この構成によって、ヘッド支持アームの幅方向の重量バランスが良くなり、耐衝撃性に優れたヘッド支持装置を実現することができる。
また、本発明のヘッド支持装置は、垂直回動軸が、水平回動軸の回動中心を通るように構成している。この構成によって、仮に記録媒体の表面に垂直な方向に、外部からの衝撃等を受けた時であっても、衝撃による垂直回動軸の移動の発生を極めて小さく抑えることができるので、耐衝撃性に優れたヘッド支持装置を実現することができる。
また、本発明のヘッド支持装置は、ヘッド支持アームは、ロード荷重を発生させる弾性機構を一体的に形成している。水平回動軸の中心の周りに記録媒体表面に略平行な方向に回動するヘッド回動アームに弾性機構の一部を固着する。水平回動軸の中心の周りにヘッド支持アームを記録媒体表面に略平行な方向に回動可能なように構成されている。さらに、ヘッド支持アームを記録媒体表面に略垂直な方向に回動させる垂直回動軸が、水平回動軸の回動中心から離れているようにした構成している。
この構成によって、ヘッド支持アームを小型化、軽量化を図ることができる。また、ヘッド回動アームその他の部材を非常に剛性性に優れた材料で構成することができるため、耐衝撃性の高い優れたヘッド支持装置を実現することができる。
また、本発明のヘッド支持装置は、ヘッドスライダは、ヘッドスライダの浮上姿勢を制御するための柔軟な弾性を有するジンバル機構に固着され、ジンバル機構をヘッド支持アームの一端に連結するように構成されている。
この構成によって、ディスク装置の記録再生時に、ヘッドスライダをロール方向及びピッチ方向に自在に支持することができ、記録媒体に対するヘッドスライダのロール、ピッチ方向の不要な傾きを吸収することができる。
また、本発明のディスク装置は、スピンドルモータによって回転される記録媒体と、記録媒体に対向し、記録媒体に信号を記録または記録媒体から信号を再生する信号変換素子を有するヘッド支持装置を備えている。
この構成によって、非常に耐衝撃性が高く、かつ、ヘッド位置決め制御特性の向上を図り、ヘッドを目標のトラック位置に高速で移動させることができる。これにより、アクセス時間を大幅に短縮することができ、非常に高いアクセス速度を有する優れたディスク装置を実現することができる。
また、本発明の携帯用電子機器は、上記ディスク装置を搭載している。これにより、携帯用電子機器に外部から衝撃が加わった場合においても、ディスク装置の磁気ヘッドや磁気ディスクの損傷が生ぜず、携帯用電子機器の機能を損なうことがないという効果を奏する。
本発明は、記録媒体の表面に平行な方向に水平回動軸の周りに回動可能とする。また、ヘッドを搭載したヘッドスライダが非常に柔軟な弾性を有するジンバル機構によって連結されたヘッド支持アームを、一対のピボットの頂点を結ぶ線を垂直回動軸として記録媒体の表面に垂直な方向に回動可能とする。かつ、荷重発生用の付勢力を付与する弾性機構の1つである板ばね部が設けられ、さらに、垂直回動軸の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダを除く部分の部材の合計質量の重心位置を垂直回動軸の近傍に設定した構成を有するヘッド支持装置である。
このようなヘッド支持アームを構成することによって、ヘッド支持アームを高い剛性を有するように形成することができる。外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性を向上させることが可能であると共に、ヘッド支持アームの共振周波数を高くすることができる。ヘッド支持装置を高速で回動及び位置決めすることができるという効果を奏し、さらに、記録媒体の表面に垂直な方向の衝撃を外部から受けても、ヘッドを搭載したヘッドスライダが記録媒体に当接または衝突したときに、ヘッドまたは記録媒体の表面に損傷を与えるという不具合を排除し、非常に大きな耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
また、本発明のヘッド支持装置を備えることによって、非常に耐衝撃性に優れ、かつ、非常に高いアクセス速度を有するディスク装置を実現することができる。
さらに、本発明のヘッド支持装置を備えたディスク装置を携帯用電子機器に搭載することにより、非常に耐衝撃性に優れた携帯用電子機器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、磁気ディスク装置を例示し、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図11は、本発明の実施の形態1にかかるヘッド支持装置及びそれを備えたディスク装置を説明するための図である。図1は磁気ディスク装置の主要部を示す平面図、図2はヘッド支持装置を示す平面図、図3はヘッド支持装置の構成を示す側面図、図4はヘッド支持装置の構成を示す分解斜視図、図5はタブ部側から見たヘッド支持アームのリミッタ部とジンバル機構の位置関係を示す側面図、図6はヘッド支持装置の一部を模式化して示した図、図7Aは支点の周りに反時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の一例を示す概念模式図、図7Bは支点の周りに反時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の他の一例を示す概念模式図、図8Aは支点の周りに時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の一例を示す概念模式図、図8Bは支点の周りに時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の他の一例を示す概念模式図、図9は衝撃加速度を受けた時の梁の垂直回動軸に対する重心位置δとヘッドスライダが移動する距離の最大値(xmaxの関係の一例を示す図、図10は重心位置δと記録媒体またはヘッドスライダに損傷を生じさせない衝撃加速度の関係を求めた実験結果を示す図、図11は垂直回動軸の構成の他の一例を示すヘッド支持装置の側面図である。なお、図1においては、上蓋を取り外し、上側ヨークを一部省略した状態を図示している。
図1において、回転中心1の周りに回転するスピンドルモータ(図示せず)の回転軸2に固着されたロータハブ部3に、記録媒体層が表面上に形成された記録媒体4が載置されている。
一方、回動軸5の周りにベアリング6を介して回動自在に信号変換素子揺動アームであるヘッド支持装置7が軸支されている。ヘッド支持装置7は回動軸5の中心軸がヘッド支持装置7の水平回動中心となって記録媒体4の表面と略平行な方向に水平回動可能な構成となっている。
ヘッド支持装置7には、ヘッド支持アーム8の一端にタブ部8aが形成され、タブ部8aより回動軸5側にジンバル機構(図示せず)を介して信号変換素子である磁気ヘッド(図示せず)を搭載したヘッドスライダ9が配設されている。
ヘッド支持アーム8の他端にはボイスコイル10が配設されており、回動軸5の周りに記録媒体4の半径方向に表面と平行な方向に回動する。また、ボイスコイル10に対向するようにボイスコイル10の上方に、すなわちボイスコイル10が設けられたヘッド支持装置7に対して記録媒体4とは反対側にマグネット11を固着した上側ヨーク12がシャーシまたは他の筐体(図示せず)に取り付けられている。
また、ボイスコイル10を挟むようにしてボイスコイル10に対向させて、その下方に下側ヨーク13がシャーシまたは他の筐体に取り付けられている。ボイスコイル10、ボイスコイル10に対向するマグネット11、マグネット11が固着された上側ヨーク12及び下側ヨーク13によってボイスコイルモータ(以下、VCMと言う)が構成されている。また、ヘッド支持装置7に設けられたタブ部8aに当接してヘッド支持装置7を上下にガイドするように、ガイド部が設けられたランプ部14を有するヘッド保持部材であるランプブロック15がシャーシまたは他の筐体に取り付けられている。
マグネット11に対向したボイスコイル10に電流を供給することによって、VCMが作動し、ヘッド支持装置7が記録媒体4の半径方向に回動する。磁気ディスク装置の動作時は、ヘッド支持装置7が回動軸5の周りに回動して回転中の記録媒体4のデータ記録領域上を移動する。磁気ディスク装置の非動作時には、ヘッド支持装置7を時計回り方向に回動する。この時、ヘッド支持装置7を待避位置であるランプ部14の所定の位置まで回動する。なお、周知のように、ヘッド支持装置7が時計回り方向または反時計回り方向への過度な揺動を阻止するためにクラッシュストップ16及びクラッシュストップ17がシャーシまたは筐体その他の構造部材に設けられている。
ヘッド支持装置7の構成について図2〜図4を用いて説明する。図2、図3及び図4において、一方の端部にタブ部8a及び他方に穴部8bを有するヘッド支持アーム8には、そのタブ部8a側にジンバル機構21を介して磁気ヘッド(図示せず)を搭載したヘッドスライダ9が配設されている。
なお、ヘッドスライダ9の中心部分の近傍に当接するようにディンプル8cをヘッド支持アーム8の下面に設け、ジンバル機構21を介してヘッドスライダ9がヘッド支持アーム8に取り付けられている。
また、そのディンプル8cをジンバル機構21またはヘッドスライダ9の上面(磁気ヘッドが搭載された面とは反対側の面)の略中心部に当接させているので、磁気ディスク装置の作動時におけるヘッドスライダ9の記録媒体4に対するロールまたはピッチ方向の不要な振動等にも柔軟性良く追従させることができる。また、ヘッド支持装置7のアンロード動作時に、ヘッドスライダ9が受ける負圧によりジンバル機構21に固着されたヘッドスライダ9がヘッド支持アーム8のディンプル8cから大きく離れ、ジンバル機構21を変形させることを防止する。
このために、後述の図5に示すように、ヘッドスライダ9が固着されたジンバル機構21と所定の隙間dを有するように、ヘッド支持アーム8にリミッタ部8dを設ける。ジンバル機構21がディンプル8cから所定の距離離れた時に、リミッタ部8dがジンバル機構21に当接して、ディンプル8cからのジンバル機構21の離間距離を規制するようになされている。
さらに、ボイスコイル10が穴部22aを有するボイスコイルホルダ22に取り付けられている。ボイスコイル10を挟んで穴部22aの反対側にバランサ23が固着されたボイスコイル部24をヘッド支持アーム8に固着している。なお、ヘッド支持アーム8とボイスコイル部24は別部材の構成を例示した。しかし、何らこれに限るものではなく、これらを一体化して1つのユニットとしても良い。また、バランサ23は別部材として設けなくても良く、ボイスコイルホルダ22の外形形状を大きくして、ボイスコイルホルダ22にバランス調整の機能を付加しても良い。
弾性機構の1つである略環状の板ばね部25の一端がヘッド支持アーム8の下面(スライダ9が配設されている側の面)に固着され、また、板ばね部25の他端側上面(ヘッド支持アーム8に固着されている側の面)には略半円環形状のばね固定部材26が固着されている。
図4は、支持装置7の分解斜視図である。ビボット軸受27はその両端部に一対のビボット27a及び27bを有し、その中央部に穴部27cを有する。
軸受部28はフランジ28a、ねじ部28bを有する。さらに円筒部28cがフランジ28aとねじ部28bとの間に設けられている。軸受部28の外観形状は中空つば付の円筒状を成す。フランジ28aの外径は穴部27cの内径よりも大きく、かつ、ねじ部28bの外径は穴部27cの内径よりも小さい。円筒部28cは穴部27cと嵌合できる大きさの外径を有する。
軸受部28をビボット軸受27の穴部27c、半円環形状のばね固定部材26の内側、環状の板ばね部25の内側及びボイスコイルホルダ22の穴部22aを貫通させる。
ボイスコイル部24は前に述べたように、ボイスコイル10が穴部22aを有するボイスコイルホルダ22に取り付けられている。ボイスコイル10を挟んで穴部22aの反対側にバランサ23が固着されたヘッド支持アーム8に固着している。
一方、フランジ28aとは反対側から中空のカラー29を、突出部29aが軸受部28のフランジ28a側となるようにして軸受部28の円筒部28cに嵌合させて挿入する。
中空のカラー29は円筒部28cに嵌合する内径とボイスコイルホルダ22の穴部22aを貫通する外径を有する。また、カラー29には、略環状の板ばね部25に固着されたばね固定部材26と略同じような形状を有する半円環形状の突出部29aが設けられている。
突出部29aの上面29bが板ばね部25に固着されたばね固定部材26の略半円環状の平面部分に当接する。カラー29をばね固定部材26とそのばね固定部材26が固着当接している板ばね部25の平面部分と共に軸受部28のフランジ28aとナット30によって狭持して一体化された構成となされ、ヘッド支持装置7が構成されている。
また、カラー29及びばね固定部材26を介してヘッド支持アーム8に固着された板ばね部25を軸受部28のフランジ28aとナット30によって狭持する。ピボット軸受部27に設けられた一対のピボット27a及び27bの頂点がヘッド支持アーム8の上面(ヘッドスライダ9が配設されていない側の面)に当接する。
板ばね部25と一対のピボット27a及び27bを介してヘッド支持アーム8とピボット軸受部27が弾性機構の1つである板ばね部25によって弾性的に接続される。こうした構成によって、ピボット軸受27の一対のピボット27a及び27bとヘッド支持アーム8の上面とのそれぞれの当接点P及びPを結ぶ線を支点としてヘッド支持アーム8をそのタブ部8a側が下方に押し下げられるように、板ばね部25が作用する。
すなわち、ヘッド支持アーム8は当接点P及びPを結ぶ線を垂直回動軸31として記録媒体4の表面と垂直な方向に回動可能な構成となっている。したがって、磁気ディスク装置の作動時は、ヘッド支持アーム8にジンバル機構21を介して取り付けられたヘッドスライダ9が記録媒体4の表面に対して浮上する。
この時のヘッドスライダ9のロード荷重は、ピボット軸受27の一対のピボット27a及び27bのそれぞれの当接点P及びPによるヘッド支持アーム8に対する板ばね部25の変形による反力としての記録媒体4方向への圧縮応力によって生じる。ヘッドスライダ9にかかる記録媒体4の方向への付勢力とその逆方向の浮揚力との関係によってヘッドスライダ9が浮上する。ヘッドスライダ9すなわち磁気ヘッドと記録媒体4との間に一定の空隙を保って磁気ディスク装置の記録再生が行われる。
次に、ヘッド支持装置7を構成するピボット軸受27に設けられた一対のピボット27a及び27bの位置について説明する。ピボット27aとピボット27bがヘッド支持アーム8の上面に当接するそれぞれの当接点Pと当接点Pを結ぶ線、すなわち垂直回動軸31が、図1に示すヘッド支持装置7の回動軸5の軸心を通る。かつ、図1に示すヘッド支持装置7の長手方向の中心線18に垂直になるように形成されている。なお、当接点Pと当接点Pをヘッド支持装置7の回動軸5の軸心に対して互いに対称的になるように配置して、当接点Pと当接点Pを結ぶ線の中点を回動軸5の軸心に略一致させることが望ましい。このように構成することによって、ヘッド支持装置7を構成するヘッド支持アーム8はピボット27a及びピボット27bの当接点Pと当接点Pを結ぶ線の周りに記録媒体4の表面に垂直な方向に回動させることが可能になる。板ばね部25の弾性力によって、ヘッド支持アーム8に搭載されたヘッドスライダ9側が記録媒体4の方向に付勢されることになる。
ヘッド支持装置7を上述のように構成することにより、ヘッド支持装置7を構成するヘッド支持アーム8を剛性の高い材料で形成することができる。外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性を向上させることが可能であるので、ヘッド支持アーム8の共振周波数を高くすることができる。
従来、問題になっていた振動モードの発生を排除することができるため、セトリング動作を行う必要がなくなる。これによって、ヘッド支持装置7を高速で回動及び位置決めすることができる。また、磁気ディスク装置のアクセス速度を向上することができる。また、弾性機構の1つである板ばね部25は、ヘッド支持アーム8として1つの部材で一体的に形成したものではなく、ヘッド支持アーム8とは独立した別個の部材として設けている。このため、ヘッドスライダ9へのロード荷重を大きくし、かつ、柔軟性を高く、かつ、構造体の剛性を高くするという、いわば、相反する条件を、一挙に満足させることができる。これにより、ヘッド支持装置7の設計の簡便化が図れ、また、その設計の自由度を飛躍的に広げることができる。
また、従来のヘッド支持アームにおいては、非常に精密な板ばね部のフォーミング加工が必要であった。しかし本願発明においては、比較的簡易にヘッド支持アームを形成することができる。さらに、板ばね部25の厚み、材質等を単独で設定することができるので、板ばね部25の強度及びばね定数を所望の大きさに設定することができる。
さらに、ヘッド支持装置7を構成するヘッド支持アーム8、ボイスコイル部25及び板ばね部25のうちヘッド支持アーム8に当接している部分、ヘッドスライダ9を固着してヘッド支持アーム8に連結するためのジンバル機構21及びバランサ23の合計重心位置が所定の位置になるようにバランサ23の質量(重量)を調整して、ボイスコイル部24を構成するボイスコイルホルダ22の一端にバランサ23を固着する。なお、バランサ23はボイスコイルホルダ22の一端に固着するものとした。しかし、ヘッド支持装置7を構成するそれぞれの構成部品の質量(重量)配分によっては、ヘッド支持アーム8のヘッドスライダ9側に設けるのが好ましい場合もある。
次に、上述のように構成されたヘッド支持装置7が外部から水平回動軸心である回動軸5の軸心方向(記録媒体4の表面に垂直な方向)に衝撃を受けた時のヘッド支持アーム8とヘッドスライダ9の挙動について図6を用いて説明する。
図6において、支点61の頂点61aは、図3に示されたピボット軸受27の一対のピボット27a及び27bとヘッド支持アーム8の上面とのそれぞれの当接点P及びPを結ぶ線すなわち垂直回動軸31(図2参照)を示す。梁62は、図3において、ヘッドスライダ9を除いた弾性機構である板ばね部25によって保持された部分である。すなわち、図3に示されたヘッド支持装置7を構成するヘッド支持アーム8、ボイスコイルホルダ22、板ばね部25のうちヘッド支持アーム8に当接している部分及びジンバル機構21を一体化してなる梁部62aと、ボイスコイル10及びバランサ23を一体化してなる部材62bとから構成されている。
梁62は図3に示したヘッド支持アーム8のディンプル8cに対応する突起部62cを有し、ヘッドスライダ9と当接している。ばね63は、非常に柔軟性のある材料で形成されたジンバル機構21を模式化したものである。ヘッド支持アーム8に固着された部分とヘッドスライダ9が固着された部分を連結する部分の弾性力を示している。なお、通常はジンバル機構21を介してディンプル8cにヘッドスライダ9が非常に小さな予圧をもって当接している。ばね64は記録媒体4の回転によりヘッドスライダ9に発生する正圧と負圧との差圧すなわちヘッドスライダ9に発生する浮上力を示す。
ばね65はヘッドスライダ9にロード荷重を付与するための板ばね部25の弾性力を示す。磁気ディスク装置が正常に作動している場合には、ばね部65によるロード荷重とばね64にて示される浮上力によって釣り合い、記録媒体4から浮上した状態となっている。
また、梁62の合計質量をm、その重心位置を点A、支点61の頂点61aよりヘッドスライダ9側にある梁62の質量をm、支点61よりヘッドスライダ9側とは反対側にある梁62の質量をm、及びヘッドスライダ9の質量をmで示している。このような梁62及びヘッドスライダ9に記録媒体4に垂直な方向すなわち矢印で示した方向66に衝撃が加わり、梁62が支点61の頂点61aの周りに回動させられる時には、ばね65により付与されているロード荷重が変動することになる。
また、他方では、ヘッドスライダ9は梁62と同様に矢印で示した方向66に衝撃が加わる。しかし、記録媒体4の回転によって負圧と正圧が発生しているため、梁62の挙動と非常に柔軟なばね63によって梁62に連結されたヘッドスライダ9の挙動とは必ずしも完全には一致しない。
しかしながら、ヘッドスライダ9は、ロード荷重と浮上力との釣り合い関係により、記録媒体4上を浮上するため、その釣り合いの関係が大きく崩れると、浮上が不安定となる。仮に、ロード荷重が無くなる程度の強い衝撃が外部から加わった場合、ヘッドスライダ9は浮上力の大きさに応じて浮上することになり、非常に不安定となる。外力によるロード荷重の変動を抑制することによって、ヘッドスライダ9の浮上を安定に維持することができる。
外部からの衝撃を受けた時には、梁62の挙動とヘッドスライダ9の挙動を分離して考えることができる。また、梁62に衝撃が加わった時には、梁62は支点61の周りに回動させるような回転モーメントが働く。梁62を回動させる回転モーメントの方向は、梁62に働く衝撃力の方向と支点61に対する梁62の重心位置Aによって決まる。梁62に衝撃力が働く方向と梁62の重心位置のそれぞれの組み合わせに対する模式図をそれぞれ図7A、図7B、図8A及び図8Bに示す。
次に、梁62に働く衝撃力の方向と支点61に対する梁62の重心位置Aのそれぞれの組み合せに対する、梁62の挙動とヘッドスライダ9の挙動について説明する。
図7Aは、支点61に対する梁62の重心位置Aがヘッドスライダ9側にある状態を示す。また、梁62に垂直で、かつ、梁62側からスライダ9側への方向の衝撃力を受けた場合を示す。
図7Bは、支点61に対する梁62の重心位置Aが部材62b側(ヘッドスライダ9側とは反対側)にある。また、梁62に垂直で、かつ、スライダ9側から梁62側への方向の衝撃力を受けた場合で、梁62のそれぞれの挙動は、支点61の頂点61aの周りに反時計回り方向、すなわちヘッドスライダ9が記録媒体4に接近する方向にそれぞれ回動する。
図8Aは、支点61に対する梁62の重心位置Aが部材62b側(ヘッドスライダ9側とは反対側)にあり、梁62に垂直で、かつ、梁62側からスライダ9側への方向の衝撃力を受けた場合を示す。
図8Bは、支点61に対する梁62の重心位置Aがヘッドスライダ9側にある。かつ、梁62に垂直で、かつ、スライダ9側から梁62側への方向の衝撃力を受けた場合を示す。梁62のそれぞれの挙動は、支点61の頂点61aの周りに時計回り方向すなわちヘッドスライダ9が記録媒体4から離間する方向にそれぞれ回動することになる。
一方、外部からの衝撃力は梁62の重心に作用すると同時に、ヘッドスライダ9の重心にも作用することになる。梁62側からスライダ9側の方向に衝撃力を受けた場合と、スライダ9側から梁62側の方向に衝撃力を受けた場合とでは、ヘッドスライダ9に働く衝撃力の方向が異なる。
なお、図7A、図7B、図8A及び図8Bに示した各記号,各符号は次のように定義する。
m=垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除いた部材の合計質量
=ヘッドスライダ9の質量
=垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心周りの慣性モーメント
δ=支点61の頂点61aを原点とする梁62の重心位置A
=支点61の頂点61aからばね71(ロード荷重付加ばね)までの距離
=支点61の頂点61aからヘッドスライダ9の中心までの距離
=ばね71のばね定数
=ばね72(ヘッドスライダ9と梁62を結ぶジンバル機構部分)のばね定数
=ばね73(スライダ9が受ける浮上力に相当)のばね定数
g=重力加速度
α(t)=外部から加えられる衝撃の衝撃加速度
θ=衝撃加速度α(t)を受けた時に生じる梁62の正常動作位置からの回動角
=衝撃加速度α(t)によるばね73の正常動作位置からの伸び変化量
=ヘッドスライダ9の正常動作位置からの変位量
さらに、δ、α(t)、θ及びxをそれぞれ次のように定義する。すなわち、σは、梁61に沿って、支点61の頂点61aを原点とし、ヘッドスライダ側を正(+)、部材62b側を負(−)とする。α(t)は梁62側からスライダ9側への方向を正(+)、スライダ9側から梁62側の方向を負(−)とする。
θは、支点61の頂点61aを回転中心として、反時計回り方向を正(+)、時計回り方向を負(−)とする。
は、梁62側とは反対側(記録媒体4側)の方向を正(+)、梁62側の方向を負(−)としてそれぞれ符号化する。
また、衝撃加速度αを受けた時に生じる梁62の回転トルクTについては、Tが反時計回り方向を正(+)、時計回り方向を負(−)であるように符号化する。この時、衝撃加速度α(t)を受けた時に生じる梁62の回動角θ及びヘッドスライダ9の移動量xは非常に微小な値となる。
図7A、図7B、図8A及び図8Bにおいて、梁62及びヘッドスライダ9の運動方程式は式(3)及び式(4)となる。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
式(3)を整理すると、式(3−1)となる。
Figure 2006073086
また、式(4)を整理すると、式(4−1)を得る。
Figure 2006073086
それぞれの運動方程式である式(3−1)及び式(4−1)を解くことによって、梁62及びヘッドスライダ9のそれぞれの挙動を知ることができる。
梁62及びヘッドスライダ9が受ける外力の加速度α(t)が式(5)で表される外力が働くものとし、式(3−1)を整理すると、式(3−2)となる。ただし、式(3−2)の各因子は式(3a)、(3b)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
時間t=0でθ=0であるから、式(4−2)を解くと、式(6)を得る。ただし、式(6)の各因子はそれぞれ式(6a)、(6b)及び(6c)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
さらに、時間t=0で、回動角θの角速度は0であるので、次の式(6d)で示す関係式が成立する。
Figure 2006073086
したがって、式(6−1)を得る。
Figure 2006073086
次に、式(6−1)で得られたθ及び式(5)を式(4−1)に代入して、xの解を求めると、式(7)を得る。このxがヘッドスライダ9の挙動を表す。ただし、式(7)の各因子はそれぞれ、式(7a)、(7b)、(7c)及び(7d)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
t=0のとき、ヘッドスライダ9の速度が0であることから、次の式(7e)に示す関係式が成立する。
Figure 2006073086
また、式(7)及び式(7a)〜式(7e)より、式7bは、式(7−1)で表される。ただし、C は式(7b−1)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
式(7−1)を整理すると、式(7−2)を得ることができる。
Figure 2006073086
式(7−2)を用いることにより、梁62、ヘッドスライダ9に外部から衝撃が加えられた時のヘッドスライダ9の正常動作位置を原点とヘッドスライダ9位置を求めることができる。式(7−2)、(7a)、(7b)、(7c)、(7d)及び式(6a)において、(δ>0、α>0)は図7Aに、(δ<0、α<0)は図7Bに、(δ<0、α>0)は図8Aに、(δ>0、α<0)は図8Bにそれぞれ対応する。
(7−2)において、x(t)が最大値(xmaxとなる時間tをtとすると、式(8−1)が得られる。
Figure 2006073086
式(8−1)の右辺におけるC及びCは、距離δのそれぞれ関数であるω及びAを含む。故に、C及びCすなわち(xmaxはそれぞれδの関数となり、垂直回動軸の周りに回動する部材のうち前記ヘッドスライダを除いた部材の合計質量及びヘッドスライダ9のそれぞれの質量m及びm、垂直回動軸の周りに回動する部材のうち前記ヘッドスライダを除いた部材の重心周りの慣性モーメントJ、各ばねのばね定数k、k及びk、支点61の頂点61aから各ばねの作用点までの距離l及びl、外部からの衝撃加速度αをパラメータとしている。したがって、式(8−1)はδの関数として式(9−1)のように表すことができる。
Figure 2006073086
一例として、外部から加えられる衝撃の衝撃加速度を、次の式(9−2)の関係で示す。
Figure 2006073086
衝撃加速度α(t)を受けた時のδに対する(xmaxのシミュレーション結果を図9に示す。この時に用いた各要素の設計仕様はたとえば、次のとおりである。
m・g=48(mgf)=4.8×10−6(kgf)
・g=0.6(mgf)=6×10−7(kgf)
=0.85(gfmm)=8.5×10−10(kgm
=0.2(mm)=2×10−4(m)
=11.8(mm)=1.18×10−2(m)
=70.8(gf/mm)=6.943×10(N/m)
=0.04(gf/mm)=3.92×10−1(N/m)
=51000(gf/mm)=5.0×10(N/m)
ω=100π(rad/s)=3.14159×10(rad/s)
梁62の回動方向は、力の加わる方向と垂直回動軸に対する重心位置δの方向によって決まる(図7A,図7B,図8A及び図8B)。したがって、図9において、重臣位置δの正(+)側及び負(−)側のそれぞれの領域において、梁62の回動方向が+側及び−側が存在する。
このため、δの正(+)側及び負(−)側のヘッドスライダ9の位置をx 、x とすると、それぞれの領域に(x max及び(x maxの曲線が存在する。但し、(x max及び(x maxは、梁62の回動方向が+側及び−側の時のそれぞれの最大値(xmaxを示す。
図9から、明らかになるように重心位置δに対する(xmaxの曲線は、略V字状になっている。梁62の重心位置Aが支点61の頂点61aから離れるにつれて、ヘッドスライダ9の移動量(xmaxは大きくなる。
一方、磁気ディスク装置が正常に作動している時のヘッドスライダ9のABS面と記録媒体4の表面との間の浮上間隔は、記録媒体4の回転による面振れや製造ばらつきまたは周囲環境(例えば、気圧等)等によって変動する。また、記録媒体4には、これ以上の高さでヘッドスライダ9を浮上させれば、ヘッドスライダ9と記録媒体4との接触による障害を起こさない安定な浮上を保証する浮上保証高さ(以下、グライドハイトと言う)と称する値が決められている。
したがって、浮上間隔から上述のような変動量とグライドハイト量を除いたものが許容されるxの最大許容変位量となる。また、ヘッドスライダ9の移動量(xmaxが最大許容変位量x0s以下になるようなδの範囲内に梁62の重心位置を設定すれば、外部から仮に衝撃を受けてもヘッドスライダ9が記録媒体4に当接するという不具合を排除することができる。また、ヘッドスライダ9及び記録媒体4に損傷を与えるという不具合を排除することができる。一般的には、グライドハイトを除いた浮上間隔xの20%程度が最大許容変位量x0sである。
図9において、磁気ディスク装置が正常に作動している時のヘッドスライダ9のABS面と記録媒体4の表面との間の浮上間隔x=9(nm)に対し、記録媒体4の回転による面振れその他の変動を見込み、ヘッドスライダ9は記録媒体4に当接することのない最大許容変位量x0s=2(nm)とした場合、式(9−3)で表される直線と、(x max及び(x maxの曲線とのそれぞれの交点M、N、M及びNにおけるそれぞれのδ座標の数値δ 、δ 、δ 及びδ を求めることができる。
Figure 2006073086
また、(x max及び(x maxの曲線とのそれぞれの交点M、N、M及びNにおけるそれぞれのδ座標の数値δ 、δ 、δ 及びδ は、δ ≒0.27(mm)、δ ≒0.26(mm)、δ ≒−0.27(mm)、δ ≒−0.26(mm)となる。
また、式(9−4)及び式(9−5)の関係が成立している。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
式(9-4)及び式(9-5)の関係が成立している時、式(9−6−1)、式(9−6−2)で表される重心位置δの領域内に、垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除いた部材の重心位置Aを設定する。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
式(9−6−1)、式(9−6−2)で表される領域内に重心位置δを設定すれば、加速度α(t)は、式(9−7)で示される衝撃を外部から受ける。
Figure 2006073086
しかし、外部から式(9−7)で示す衝撃を受けても、ヘッドスライダ9は記録媒体4に当接することはない。すなわち、許容最大衝撃加速度α(t)を設定し、上述の一例のように、各要素の設計仕様を用いてδの領域を求めて、梁62の重心位置Aをその重心位置δの領域内に位置するように設定する。これによって、許容最大衝撃加速度α(t)以下の衝撃加速度を有する外部からの力が加わったとしても、ヘッドスライダ9の移動は最大許容変位量x0s以下に抑えることができる。このため、ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接するという不具合を排除して、ヘッド支持装置として高い耐衝撃性を備えることができる。
次に、上述の各要素の設計仕様を有するヘッド支持装置を用いて、落下衝撃について検討してみた。具体的には、ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接することによる損傷がこれらの少なくとも一方に生じさせることがない衝撃加速度の大きさを求めた。その結果を図10に示す。
図10は、梁62に対応する部材(すなわち、垂直回動軸31の周りに回動する部材のうちヘッドスライダ9を除いた部材)の重心位置δを変化させたヘッド支持装置に対して、加える衝撃加速度を変えて記録媒体4に垂直な方向に落下させた時に、記録媒体4またはヘッドスライダ9の少なくともいずれか一方に損傷を生じさせることがない衝撃加速度の最大値を求めた検討結果である。
図10の横軸は、図9に示したものと同じであり、梁62の合計質量の頂点61aに対する重心位置を示す。縦軸は記録媒体4またはヘッドスライダ9の少なくともいずれか一方に損傷を発生させない落下衝撃加速度の最大値を示す。
図10から分かるように、重心位置δに対する記録媒体4またはヘッドスライダ9に損傷を発生させない落下衝撃加速度の最大値の曲線101は上方に向かって凸の曲線である。かつ、衝撃加速度の最大値αmaxを示す横軸の重心位置はδ=0と略一致している。このことは、頂点61aの周りに回動する部材の合計質量(m+m)の重心位置を頂点61aに略一致させるよりも、梁62のみの合計質量(m)の重心位置を頂点61aに略一致させた方が、記録媒体4及びヘッドスライダ9の少なくともいずれか一方に損傷を生じさせない衝撃加速度の最大値を得ることができ、より大きな落下衝撃に耐え得ることを示唆する。すなわち、耐衝撃性という観点から、支点61の頂点61aの周りに回動する部材の合計質量の重心位置を考える場合、梁62とヘッドスライダ9のそれぞれの質量を分離して考えた方が、より合理的な考え方ができるということが、図10に示した検討結果より推察することができる。
したがって、ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接することによる損傷を記録媒体4及びヘッドスライダ9の少なくともいずれか一方に生じないようにするためには、垂直回動軸の周りに回動する部材のうちヘッドスライダを除いた部材の重心位置Aと、支点61の頂点61aとの間をδとして、最大許容変位量x0sに対し、式(9−1)から導かれる式(10−1)を常に満足する重心位置δの領域を求めれば良い。
Figure 2006073086
式(10-1)を求めるには、まず式(11)で表される直線を求める。
Figure 2006073086
次に式(11)と式(9−1)との交点を求める。すなわち、式(11−1)を重心位置σについて解けば良い。
Figure 2006073086
式(11−1)の解は、上述したように、4つ存在する。ここで、それらδ 、δ 、δ 及びδ を次のように定義する。すなわち、
δ は、梁62の回動方向が正(+)でδが正(+)のときの重心位置
δ は、梁62の回動方向が正(+)でδが負(−)のときの重心位置
δ は、梁62の回動方向が負(−)でδが正(+)のときの重心位置
δ は、梁62の回動方向が負(−)でδが負(−)のときの重心位置
また、δ 、δ 、δ 及びδ は、それぞれ、式(12−1、(12−2、(12−3)及び(12−4)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
次に、式(10−1)を常に満足する重心位置δの領域を決める。δが正の場合における式(11−1)を満たす解δ 、δ のうち小さい方をδ、δが負の場合におけるδ 、δ のうち、大きい方をδとする。すなわち、δ 、δ のうち、小さい方をmin(δ 、δ )として表記し、δ 、δ のうち、大きい方をmax(δ 、δ )と表記すると、重心位置δが式(13)を満足させるように設定する。なお、重心位置σ1、σ2はそれぞれ、式(13−1)、(13−2)で表される。
Figure 2006073086
Figure 2006073086
Figure 2006073086
式(13)を満足させれば、外部から許容最大衝撃加速度α(t)以下の衝撃加速度を有する衝撃を受けても、ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接するという不具合を防止することができる。これにより、ヘッドスライダ9及び記録媒体4に損傷を与えるという不具合を未然に防止することができる。
換言すれば、図2,3に示されるヘッド支持装置7において、垂直回動軸31の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダ9を除いた部材,すなわちヘッド支持アーム8、ボイスコイル部24、板ばね部25のうちヘッド支持アーム8に当接している部分、ジンバル機構21及びバランサ23の合計質量の重心位置を、ヘッド支持アーム8の上面に当接するピボット軸受27に設けられた一対のピボット27a及び27bのそれぞれの当接点P及びPを結ぶ線すなわち垂直回動軸31に対し、その垂直回動軸31の近傍すなわち上述の式(13)におけるδの領域内に位置するように構成する。
こうした構成によって、外部からの衝撃によるヘッド支持アーム8の回動を極力抑え、ヘッドスライダ9に対するロード荷重の極度の減少を回避することができる。安定したヘッドスライダ9の浮上バランスが得られ、ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接して記録媒体4を損傷することを防止することができ、非常に高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
なお、重心位置δ1,δ2は、上述したように、計算でも求めることはできるが、実際の系においては外部衝撃は式(5)で与えられるような単純な波形ではない。
また、摩擦などにより実際には、梁62やスライダ9の運動は減衰させられるので、図10で示したように実験的に重心位置δ1,δ2を求めることが好ましい。
垂直回動軸31の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダ9を除いた部材の重心位置が、垂直回動軸31に対して式(13)を満たすように設定された時、ヘッドスライダ9を含む垂直回動軸31の周りに回動する部材の重心位置は、垂直回動軸31に対して式(14)にて示される領域εとなる。
Figure 2006073086
なお、実施の形態1においては、ビボット軸受27に設けた一対のピボット27a及び27bの頂点がヘッド支持アーム8の上面に当接させるものを例示した。しかし、何らこれに限ることはなく、たとえば、図11に示すように、ヘッド支持アーム111に設けたピボット111a及び111bの頂点が軸受部112のフランジ112aの下面に当接するような構成としても良い。
このような構成においても、ピボット111aとピボット111bが軸受部112のフランジ112aの下面に当接するそれぞれの当接点Qと当接点Qを回動軸5(図示せず)の軸心に対して互いに対称的な位置になるように配置する。かつ、当接点Qと当接点Qを結ぶ線すなわち垂直回動軸が、回動軸5の軸心を通り、ヘッド支持アーム111の長手方向の中心線に垂直になるように構成する。かつ、当接点Qと当接点Qを結ぶ線の中点を回動軸5の軸心に略一致させるように構成する。
実施の形態1によれば、ヘッド支持装置を構成するヘッド支持アームを剛性の高い材料で形成することができるため、外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性を向上させることが可能である。併せて、ヘッド支持アームの共振周波数を高くすることができ、従来、問題になっていた振動モードが発生せず、セトリング動作の必要がないため、ヘッド支持装置を高速で回動及び位置決めすることができる。
また、弾性機構の1つである板ばね部はヘッド支持アームとは独立した別個の部材として設けた。このため、ヘッドスライダへのロード荷重を所定の大きさに比較的容易に設定することができ、設計の自由度を広げることができる。
さらに、ヘッド支持アームの上面とピボット軸受に設けられた一対のピボットとのそれぞれの当接点P及びPを結ぶ線(垂直回動軸)の周りにヘッド支持アームを回動可能にしている。
また、垂直回動軸の周りに回動する部材すなわちヘッド支持アーム、ボイスコイル部、板ばね部のうちヘッド支持アームに当接している部分、ジンバル機構、ジンバル機構に固着されたヘッドスライダ及びバランサのうち、ヘッドスライダを除く他の部材の重心位置を垂直回動軸の近傍に設定する。これにより、仮に外部から大きな衝撃を受けても、ヘッドスライダが記録媒体に衝突して記録媒体の表面に損傷与えるという不具合を未然に防止し、非常に高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
また、このように構成されたヘッド支持装置を磁気ディスク装置に用いることにより、非常に耐衝撃性が高く、かつ、非常に高いアクセス速度を有する磁気ディスク装置を実現することができる。
(実施の形態2)
図12〜図14は、本発明の実施の形態2にかかるヘッド支持装置を説明するための図である。図12はヘッド支持装置の構成を示す平面図、図13はヘッド支持装置の構成を示す側面図、図14はヘッド支持装置におけるヘッド支持アームを示す平面図である。なお、図12及び図13において、実施の形態1で用いた図2及び図3と同じ箇所に対応する要素には、図2及び図3における符号と同じ符号を付している。
本発明の実施の形態2にかかるヘッド支持装置120は、一方の先端部にジンバル機構21を介して磁気ヘッド(図示せず)を搭載したヘッドスライダ9が配設されたヘッド支持アーム121には板ばね部121aが設けられている。板バネ部121aに連結した固定部121bはヘッド回動アーム122に固着されている。
また、ヘッド支持アーム121に設けられた一対のピボット121c及び121dの頂点がそれぞれヘッド回動アーム122の下面(記録媒体4側の面)に当接している。板ばね部121aと一対のピボット121c及び121dを介してヘッド支持アーム121とヘッド回動アーム122が弾性機構の1つである板ばね部121aによって弾性的に接続されている。また、ヘッド回動アーム122にはヘッド支持アーム121が固着された側とは反対側にベアリング6が内蔵された軸受部123が配設されている。なお、ヘッド回動アーム122と軸受部123とは一体的に形成されたものであっても良い。
さらに、ボイスコイル10がボイスコイルホルダ22に取り付けられて構成されたボイスコイル部24が、ヘッド回動アーム122に固着された軸受部123を挟んでヘッド支持アーム121とは反対側にヘッド回動アーム122に固着されている。軸受部123が固着されたヘッド回動アーム122にジンバル機構21を介してヘッドスライダ9が配設されたヘッド支持アーム121及びボイスコイル部24が配設されることによってヘッド支持装置120が構成されている。また、ヘッド支持装置120はベアリング6を介して回動軸5の周りに水平方向に回動自在に軸支されている。
実施の形態2は、実施の形態1と同様に、回動軸5の中心軸を水平回動中心として記録媒体4の表面と略平行な面の方向に水平回動可能な構成となっている。ボイスコイル10に電流を供給することによって、VCMが作動し、ヘッド支持装置120が記録媒体4の半径方向に回動する。
なお、ヘッド回動アーム122とボイスコイル部24は別部材として構成しても良く、また、これらが一体化された1つのユニットであっても良い。
次に、ヘッド支持アーム121について、図14を用いて説明する。ヘッド支持アーム121は非磁性金属製薄板材料を用いてプレス加工またはエッチング加工等の周知の技術により形成され、その表面形状は、略二等辺三角形の外形形状を有する。
その長手方向の略二等辺三角形の両側斜面に相当する両側側面には、それぞれ折曲部141を形成して、ヘッド支持アーム121の長手方向の剛性を高めている。そして、両側に形成された折曲部141に挟まれた部分の中央部分にはU字状のスリット部142を形成する。さらに、スリット部142の内側に位置する舌片状の内部には略矩形状の切除部143が形成されている。切除部143の両側側面143a及び143bとスリット部142の間の部分が板ばね部121aを構成している。
切除部143の両側側面143a及び143bに挟まれた側面143cとスリット部142の間の部分がヘッド回動アーム122に固着するための固定部121bを構成する。
また、ヘッド支持アーム121には、切除部143の両側側面143a及び143bとそれらに対向するそれぞれのスリット部142を挟んだ両側であって、ヘッド支持アーム121の長手方向中心線144に対して対称の位置に、ピボット121c及び121dが形成されている。かつ、ビボット121c及び121dはヘッドスライダ9がジンバル機構21(図14には図示せず)を介して固着される側とは反対側に突起させて形成されている。
また、実施の形態2においては、実施の形態1と同じように、ヘッドスライダ9の中心部分の近傍に当接するようにディンプル121eをヘッド支持アーム121の下面に設ける。また、ジンバル機構21を介してヘッドスライダ9をヘッド支持アーム121に取り付けた時、そのディンプル121eをジンバル機構21またはヘッドスライダ9の上面(磁気ヘッドが搭載された面とは反対側の面)の略中心部に当接させる。
これによって、磁気ディスク装置の動作時におけるヘッドスライダ9の記録媒体4に対するロールまたはピッチ方向の不要な振動等にも柔軟性良く追従させることができる。また、ヘッドスライダ9が固着されたジンバル機構21と所定の隙間dを有するように(実施の形態1、図5参照)、ヘッド支持アーム121にリミッタ部121fを設け、ジンバル機構21がディンプル121eから、所定の距離だけ離れた時に、リミッタ部121fがジンバル機構21に当接して、ディンプル121eからのジンバル機構21の離間距離を規制するようにしたことも実施の形態1と同様である。
さらに、ヘッド支持アーム121の板ばね部121a及び固定部121bを除くヘッド支持アーム121、ジンバル機構21及びバランサ124の合計重心位置が所定の位置になるようにバランサ124の質量(重量)を設定して、ヘッド支持アーム121の一端にバランサ124を固着している。なお、図12〜図14において、バランサ124をヘッド支持アーム121のヘッドスライダ9側に固着したものを例示した。しかし、なんらこれに限ることはない。質量の合計重心位置が所定の位置になるようにヘッド支持アーム121の位置に固着されていれば良い。
図13に示すように、ヘッド支持アーム121の固定部121bをヘッド回動アーム122の一端側に固着して、ヘッド支持アーム121に設けられた一対のピボット121c及び121dの頂点がそれぞれヘッド回動アーム122の下面に当接させる。板ばね部121aと一対のピボット121c及び121dを介してヘッド支持アーム121とヘッド回動アーム122が弾性機構の1つである板ばね部121aによって弾性的に接続されることになる。
ヘッド支持アーム121はヘッド支持アーム121の一対のピボット121c及び121dとヘッド回動アーム122の下面とのそれぞれの当接点R及びRを結ぶ線の周りに回動可能となる。すなわち、実施の形態1と同様に、ヘッド支持アーム121は当接点R及びRを結ぶ線を垂直回動軸121g(図12参照)として記録媒体4の表面と垂直な方向に回動可能な構成となっている。
ヘッド支持アーム121の一対のピボット121c及び121dとヘッド回動アーム122の下面とのそれぞれの当接点R及びRを結ぶ線を支点として、ヘッド支持アーム121の板ばね部121aの弾性力によってヘッド支持アーム121をそのヘッドスライダ9が固着された側が下方向(記録媒体4側の方向)に押し下げられるように回動する構成は実施の形態1と同様である。
なお、ヘッド支持アーム121の板ばね部121aによってヘッド支持アーム121をそのヘッドスライダ9が固着された側が下方向に押し下げられる。この時、ヘッド支持アーム121におけるヘッドスライダ9が取り付けられた側とは反対側の端部がヘッド回動アーム122の下面に当接してヘッド支持アーム121の回動を干渉するのを防止する。このために、ヘッド支持アーム121の端部外形を包含する領域に凹部122aが形成されている。また、凹部122aは凹部に限ることはなく、貫通した穴部であっても良い。
したがって、実施の形態2においては、実施の形態1と同様に、磁気ディスク装置の動作時、ヘッド支持アーム121にジンバル機構21を介して取り付けられたヘッドスライダ9が記録媒体4の表面に対して浮上する。
この時のヘッドスライダ9のロード荷重は、ヘッド回動アーム122とヘッド支持アーム121の一対のピボット121c及び121dのそれぞれの当接点R及びRによるヘッド支持アーム121に対する板ばね部121aの変形による反力としての記録媒体4方向への圧縮応力によって生じる。ヘッドスライダ9にかかる記録媒体4方向の付勢力とその逆方向の浮揚力との関係によってヘッドスライダ9が浮上し、ヘッドスライダ9すなわち磁気ヘッドと記録媒体4との間に一定の空隙を保って磁気ディスク装置の記録再生が行われる。
ヘッド支持装置120を上述のように構成することによって、ヘッドスライダ9の記録媒体4に対するロード荷重は、ヘッド回動アーム122とヘッド支持アーム121の一対のピボット121c及び121dのそれぞれの当接点R及びRによるヘッド支持アーム121に対する板ばね部121aの変形による反力としての記録媒体4の方向への圧縮応力によって生じる。記録媒体4へのロード荷重はヘッド支持アーム121に形成される一対のピボット121c及び121dの突出高さ及び板ばね部121aの弾性係数によって所定値に設定することができる。
また、ヘッドスライダ9側に近いヘッド回動アーム122の先端側の一部分に板ばね部121aによってヘッド回動アーム122に連結され、一対のピボット121c及び121dがヘッド回動アーム122に当接させる。ジンバル機構21を介してヘッドスライダ9が固着されたヘッド支持アーム121が記録媒体4の表面に垂直な方向に回動するような構成としている。ヘッド支持アーム121、ジンバル機構21、ヘッドスライダ9及び合計重心位置を所定の位置に設定するためのバランサ124の合計質量を低減することができる。
これによって、記録媒体4の表面に垂直な方向の衝撃が加えられた時のヘッド支持アーム121に加わる衝撃力は非常に小さくすることができる。さらに、ヘッド支持アーム121、ジンバル機構21及びバランサ124の合計質量を小さくすることとその、重心位置を上述の垂直回動軸121g(ヘッド回動アーム122とヘッド支持アーム121の一対のピボット121c及び121dとのそれぞれの当接点R及びRを結ぶ線)に実質的に同一に設定することによって、ヘッド支持アーム121を回動しようとする回転モーメントを小さくすることができる。また、記録媒体4の表面に垂直な方向の衝撃に対する耐衝撃性を大きく高めることができる。
記録媒体4の表面に垂直な方向の衝撃が、上述のように構成されたヘッド支持装置120に加わった場合、垂直回動軸121gから弾性機構の1つである板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分、すなわち、板ばね部121a及び固定部121bを除くヘッド支持アーム121、ジンバル機構21及びバランサ124の合計質量の重心位置までの距離に関係する回転モーメントが働く。垂直回動軸121gの周りにヘッド支持アーム121が回動しようとすることによって、ヘッド支持アーム121に設けられた板ばね部121aにより付与されているロード荷重が変動することになる。しかし、他方では、ヘッドスライダ9には記録媒体4の回転によって負圧と正圧が発生しているため、ヘッド支持アーム121の挙動と非常に柔軟なジンバル機構21によってヘッド支持アーム121に連結されたヘッドスライダ9の挙動とは必ずしも完全に一致しない。
また、ヘッドスライダ9は、ロード荷重と浮揚力との力の釣り合い関係により、記録媒体4上を浮上するため,その釣り合い関係が大きく崩れると、浮上が不安定となる。仮に、ロード荷重が無くなる程度の強い衝撃が外部から加わった場合、ヘッドスライダ9は浮揚力だけで浮上することになり、非常に不安定となる。このため、外力によるロード荷重の変動を少なくとも抑制することによって、ヘッドスライダ9の浮上が安定することになるということは、実施の形態1と同じである。
実施の形態2におけるヘッド支持アーム121についても、実施の形態1における図6から図8を用いて記述した内容を適用することができる。ただし、実施の形態2にかかる弾性機構の1つである板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分、すなわち、板ばね部121a及び固定部121bを除くヘッド支持アーム121、ジンバル機構21及びバランサ124は、実施の形態1において記述された梁62に相当する。
実施の形態2における梁62の合計質量mは、弾性機構の1つである板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分、すなわち、板ばね部121a及び固定部121bを除くヘッド支持アーム121、ジンバル機構21及びバランサ124の合計質量を示す。
すなわち、弾性機構の1つである板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分及びヘッドスライダ9それぞれの運動方程式は、実施の形態1における運動方程式と同じ方程式で表すことができる。すなわち、それぞれ式(3)及び式(4)で表される。その他の符号、記号についても、実施の形態1と同様のものを用いることができる。
したがって、実施の形態1における式(13)が成り立ち、板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分の合計質量の重心位置を、上述の垂直回動軸121gすなわちヘッド回動アーム122の下面に当接するヘッド支持アーム121のピボット121c及び121dのそれぞれの当接点R及びRを結ぶ線に対して実施の形態1における式(13)で表されるδの領域内に位置させる。これにより、外部からの衝撃が加わってもヘッドスライダ9と記録媒体4とが当接するという不具合を排除することができる。ヘッドスライダ9が記録媒体4に当接して記録媒体4に損傷を与えるという不具合を排除することができ、非常に高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
なお、実施の形態2において、一対のピボット121c及び121dはヘッド支持アーム121に設けられ、それらのピボット121c及び121dの頂点がヘッド回動アーム122の下面に当接するような構成について説明した。しかし、何らこれに限ることはなく、図示はしていないが一対のピボットをヘッド回動アームに設け、それらの一対のピボットの頂点がヘッド支持アーム121の上面に当接するような構成としても良い。
また、実施の形態2においては、板ばね部121aはヘッド支持アーム121に一体的に形成されるものを例示した。しかし、実施の形態1でも説明したように、ヘッド支持アーム121とは別の部材で板ばね部121aを構成しても良い。
ヘッド支持アーム121と板ばね部121aを別の部材で構成することによって、ヘッド支持アーム121を剛性の高い材料で形成し、板ばね部121aを柔軟性の高い弾性材料で形成することができ、その設計の自由度を飛躍的に広げることができる。
また、実施の形態1及び実施の形態2においては、磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置のヘッド支持装置について説明した。しかし、本発明のヘッド支持装置は非接触型のディスク装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等のヘッド支持装置として用いた場合も同様の効果を奏する。
以上のように実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、ヘッド支持装置を構成するヘッド支持アームを軽量化することができる。かつ、剛性を高めるように形成することができる。外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性を向上させることが可能であると共に、ヘッド支持装置を高速で回動及び位置決めすることができる。
さらに、ヘッド回動アームの下面とヘッド支持アームに設けられた一対のピボットとのそれぞれの当接点Q及びQを結ぶ線(すなわち、垂直回動軸)の周りにヘッド支持アームを回動可能とし、垂直回動軸の周りに回動する部材すなわち弾性機構である板ばね部121aによって保持された部分のうちヘッドスライダ9を除いた部分の合計質量の重心位置を垂直回動軸の近傍に設定する。外部から大きな衝撃を受けた場合に対しても、ヘッドスライダが記録媒体に衝突して記録媒体の表面に損傷を与えるという不具合を排除して、非常に高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができる。
また、このように構成されたヘッド支持装置を磁気ディスク装置に用いることにより、実施の形態1と同様に、非常に耐衝撃性に優れ、かつ、非常に高いアクセス速度を有する磁気ディスク装置を実現することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3にかかる携帯用電子機器の1つである携帯電話について図15を用いて説明する。
図15において、携帯電話150には、基板152の下部に磁気ディスク装置151が配置され、基板152の上部に液晶ディスプレイ153、スピーカ154,マイク155が配置されている。基板152は下ケース156と上ケース157からなる筐体内に収納されており、携帯電話150を構成する。
磁気ディスク151は、実施の形態1または実施の形態2で説明したヘッド支持装置を有する磁気ディスク装置であるので詳細な説明は省略する。磁気ディスク装置151は、例えば実施の形態1に示したように、高い耐衝撃性を有しているので、携帯電話150に搭載する際に、緩衝材などを必要とせず、磁気ディスク装置を搭載する携帯電話の小型化をすることができる。
また、本発明のヘッド支持装置と緩衝材を用いることにより、さらにより高い耐衝撃性を得ることができる。
実施の形態3において、磁気ディスクは基板151を挟んで液晶ディスプレイ153の裏側に配置した。しかし、磁気ディスク装置151の配置場所はこれに限られるわけではなく、任意の場所であっても高い耐衝撃性能を有する。
さらに、実施の形態3においては、携帯用電子機器として携帯電話を例示した。何らこれに制限されることはない。例えば、ノート型パーソナルコンピュータやPDAのような情報携帯端末、映像や音楽を保存したムービーやカメラ、音楽プレーヤなど、携帯用電子機器であって、高容量の記録装置を必要とするものに対して高い耐衝撃性を付与することができる。
以上のように本発明は、記録媒体の表面に平行な方向に水平回動軸の周りに回動可能とすると共に、ヘッドを搭載したヘッドスライダが非常に柔軟な弾性を有するジンバル機構によって連結されたヘッド支持アームを、一対のピボットの頂点を結ぶ線を垂直回動軸として記録媒体の表面に垂直な方向に回動可能とし、かつ、荷重発生用の付勢力を付与する弾性機構である板ばね部が設けられた構成を有するヘッド支持装置である。
このようなヘッド支持アーム構成とすることによって、ヘッド支持アームを高い剛性を有するように形成することができる。外部からの大きな衝撃等に対する耐衝撃性を向上させることが可能である。併せて、ヘッド支持アームの共振周波数を高くすることができ、ヘッド支持装置を高速で回動及び位置決めすることができるという効果を奏する。
さらに、垂直解動軸の周りに回動する部材のうち、ヘッドスライダを除く部分の部材の合計質量の重心位置を垂直回動軸の近傍に設定した構成とする。記録媒体の表面に垂直な方向の衝撃を外部から受けても、ヘッドを搭載したヘッドスライダが記録媒体に当接または衝突して記録媒体の表面に損傷を生じることもなく、非常に大きな耐衝撃性を有するヘッド支持装置を実現することができるという効果を奏する。
したがって、本発明は磁気ディスク装置や非接触型のディスク装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等に用いられるヘッド支持装置等に有用である。
また、本発明のヘッド支持装置を搭載した磁気ディスク装置や非接触型のディスク装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等を携帯用電子機器装置に用いることにより、携帯用電子機器装置に高い耐衝撃性をもたせることができるので、その産業上の利用可能性は高い。
本発明の実施の形態1にかかる磁気ディスク装置の主要部を示す平面図 本発明の実施の形態1にかかるヘッド支持装置を示す平面図 本発明の実施の形態1にかかるヘッド支持装置の構成を示す側面図 本発明の実施の形態1にかかるヘッド支持装置の構成を示す分解斜視図 本発明の実施の形態1にかかるタブ部側から見たヘッド支持アームのリミッタ部とジンバル機構の位置関係を示す側面図 本発明の実施の形態1にかかるヘッド支持装置の一部を模式化して示した図 本発明の実施の形態1にかかる支点の周りに反時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の一例を示す概念模式図 本発明の実施の形態1にかかる支点の周りに反時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の他の一例を示す概念模式図 本発明の実施の形態1にかかる支点の周りに時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の一例を示す概念模式図 本発明の実施の形態1にかかる支点の周りに時計回り方向に回動する梁に加わる衝撃と梁の移動量の関係の他の一例を示す概念模式図 本発明の実施の形態1にかかる重心位置δと移動距離の関係の一例を示す図 本発明の実施の形態1にかかる重心位置δと記録媒体またはヘッドスライダに損傷を生じさせない衝撃加速度の関係を求めた実験結果を示す図 本発明の実施の形態1にかかる垂直回動軸の構成の他の一例を示すヘッド支持装置の側面図 本発明の実施の形態2にかかるヘッド支持装置の構成を示す平面図 本発明の実施の形態2にかかるヘッド支持装置の構成を示す側面図 本発明の実施の形態2にかかるヘッド支持アームを示す平面図 本発明の実施の形態3にかかる携帯電話の概略図 従来の磁気ディスク装置の構成を示す主要部の平面図 従来のヘッド支持装置の作用を説明するための要部斜視図
符号の説明
1 回転中心
2 回転軸
3 ロータハブ部
4,166 記録媒体
5 回動軸
6 ベアリング
7,120,161 ヘッド支持装置
8,111,121 ヘッド支持アーム
8a タブ部
8b,22a,27c 穴部
8c,121e ディンプル
8d,121f リミッタ部
9,165 ヘッドスライダ
10,168 ボイスコイル
11 マグネット
12 上側ヨーク
13 下側ヨーク
14 ランプ部
15 ランプブロック
16,17 クラッシュストップ
18,144 中心線
21 ジンバル機構
22 ボイスコイルホルダ
23,124 バランサ
24 ボイスコイル部
25,121a,163 板ばね部
26 ばね固定部材
27 ピボット軸受
27a,27b,111a,111b,121c,121d ピボット
28,112,123,169 軸受部
28a,112a フランジ
28b ねじ部
28c 円筒部
29 カラー
29a 突出部
29b 上面
30 ナット
31,121g 垂直回動軸
61 支点
61a 頂点
62 梁
62a 梁部
62b 部材
62c 突起部
63,64,65 ばね
66 矢印
101 曲線
121b 固定部
122 ヘッド回動アーム
122a 凹部
141 折曲部
142 スリット部
143 切除部
143a,143b,143c 側面
150 携帯電話
152 基板
151 磁気ディスク装置
153 液晶ディスプレイ
154 スピーカ
155 マイク
156 下ケース
157 上ケース
162 サスペンション
164 支持アーム
167 スピンドルモータ
171 切り欠き部
A 点(重心位置)
,P,Q,Q,R,R 当接点

Claims (12)

  1. 信号変換素子を有するヘッドスライダと、
    前記ヘッドスライダを一方の端部に連結したヘッド支持アームと、
    前記ヘッド支持アームを記録媒体表面に平行な方向に回動させる水平回動軸の中心を挟んで前記ヘッドスライダ側とは反対側の端部に配設されたボイスコイルと、
    前記ヘッド支持アームを前記記録媒体表面に垂直な方向に回動させる垂直回動軸を形成する一対のピボットと、
    前記垂直回動軸を中心として前記ヘッドスライダを前記記録媒体表面の方向に付勢する荷重を発生させる弾性機構とを備えたヘッド支持装置であって、
    前記垂直回動軸の周りに回動する部材のうち、前記ヘッドスライダを除いた前記部材の合計質量の重心位置が前記垂直回動軸の位置に実質的に一致することを特徴とするヘッド支持装置。
  2. 前記重心位置が前記ヘッド支持アームの長手方向の中心線と前記垂直回動軸との交点に実質的に一致することを特徴とする請求項1に記載のヘッド支持装置。
  3. 前記垂直回動軸の周りに回動する前記部材のうち前記ヘッドスライダを除いた前記部材の合計質量の重心位置δを、前記ヘッド支持アームに沿って、前記垂直回動軸を原点とし、前記ヘッドスライダ側を正、前記ヘッドスライダと反対側を負と定義するとき、
    前記記録媒体に垂直で、かつ、前記ヘッドスライダが前記記録媒体に接近する方向に前記ヘッド支持アームを回動させようとする方向の許容最大衝撃加速度を受けて生じる前記ヘッドスライダの位置変位が、前記記録媒体の表面と前記ヘッドスライダの許容最大変位量になる時の前記ヘッドスライダを除く前記垂直回動軸周りに回動する前記部材の前記重心位置δが正であるときをδ 、前記重心位置δが負であるときをδ とし、かつ、前記記録媒体に垂直で、かつ、前記ヘッドスライダが前記記録媒体から離間する方向に前記ヘッド支持アームを回動させようとする方向の前記許容最大衝撃加速度を受けて生じる前記ヘッドスライダの位置変位が、前記最大許容変位量になる時の前記部材の前記重心位置δが負であるときをδ 、前記重心位置δが正であるときをδ とし、かつ、
    δ とδ のうち小さい方をδ、δ とδ のうち大きい方をδとした場合、
    前記合計質量の重心位置δを前記垂直回動軸の位置に一致させる範囲は、前記垂直回動軸に対して、式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のヘッド支持装置。
    Figure 2006073086
  4. 前記垂直回動軸の周りに回動する前記部材のうち前記ヘッドスライダを除いた部材の合計質量の重心位置δを、前記ヘッド支持アームに沿って、前記垂直回動軸を原点とし、前記ヘッドスライダ側を正、前記ヘッドスライダと反対側を負と定義するとき、
    前記記録媒体に垂直で、かつ、前記ヘッドスライダが前記記録媒体に接近する方向に前記ヘッド支持アームを回動させようとする方向の前記許容最大衝撃加速度を受けて生じる前記ヘッドスライダの位置変位が、前記記録媒体の表面と前記ヘッドスライダの前記許容最大変位量になる時の前記ヘッドスライダを除く前記垂直回動軸周りに回動する部材の重心位置δが正であるときをδ 、前記重心位置δが負であるときをδ とし、かつ、
    前記記録媒体に垂直で、かつ、前記ヘッドスライダが前記記録媒体から離間する方向に前記ヘッド支持アームを回動させようとする方向の前記許容最大衝撃加速度を受けて生じる前記ヘッドスライダの位置変位が、前記最大許容変位量になる時の前記部材の重心位置δが負であるときをδ 、前記重心位置δが正であるときをδ とし、
    δ とδ のうち小さい方をδ、δ とδ のうち大きい方をδとしたときに、
    前記垂直回動軸の周りに回動する前記部材のうち前記ヘッドスライダを除いた前記部材の合計質量をm、前記ヘッドスライダの質量をm、前記垂直回動軸から前記ヘッドスライダの中心までの前記ヘッド支持アームの長手方向における距離をlとすると、前記ヘッドスライダを含む前記垂直回動軸の周りに回動する部材の重心位置εが、前記垂直回動軸に対して、式(2)の関係を満たす領域内にあることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッド支持装置。
    Figure 2006073086
  5. 前記垂直回動軸が、前記水平回動軸の軸心方向及び前記ヘッド支持アームの長手方向の中心線に垂直であることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッド支持装置。
  6. 前記垂直回動軸を形成する一対のピボットのそれぞれの頂点が、前記ヘッド支持アームの長手方向の中心線に対して対称な位置に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のヘッド支持装置。
  7. 前記垂直回動軸が、前記水平回動軸の回動中心を通ることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッド支持装置。
  8. 前記ヘッド支持アームは、ロード荷重を発生させる前記弾性機構を一体に形成し、前記水平回動軸の中心の周りに記録媒体表面に平行な方向に回動するヘッド回動アームに、前記弾性機構の一部を固着することによって、前記水平回動軸の中心の周りに前記ヘッド支持アームを前記記録媒体表面に平行な方向に回動可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載のヘッド支持装置。
  9. 前記ヘッド支持アームを前記記録媒体表面に垂直な方向に回動させる前記垂直回動軸が、前記水平回動軸の回動中心から離れていることを特徴とする請求項8に記載のヘッド支持装置。
  10. 前記ヘッドスライダは、前記ヘッドスライダの浮上姿勢を制御するための柔軟な弾性を有するジンバル機構に固着され、前記ジンバル機構を前記ヘッド支持アームの一端に連結したことを特徴とする請求項1または2に記載のヘッド支持装置。
  11. スピンドルモータによって回転される記録媒体と、
    前記記録媒体に対向し、前記記録媒体に信号を記録または前記記録媒体から信号を再生する信号変換素子を有するヘッド支持装置と、
    からなり、
    前記ヘッド支持装置が請求項1または2に記載のヘッド支持装置であることを特徴とするディスク装置。
  12. スピンドルモータによって回転される記録媒体と、
    前記記録媒体に対向し、前記記録媒体に信号を記録または前記記録媒体から信号を再生する信号変換素子を有するヘッド支持装置とからなり、
    前記ヘッド支持装置が請求項1または2に記載のヘッド支持装置を有するディスク装置を搭載したことを特徴とする携帯用電子機器。
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