JPWO2006062082A1 - 薄膜弾性波共振子 - Google Patents

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慶治 大西
中塚 宏
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Abstract

上部電極(50)は、円形状に形成された第1の電極部(51)と、第1の電極部(51)の外側に扇形状で形成された第2の電極部(52)及び第3の電極部(53)とで構成される。第1〜第3の電極部(51〜53)は、相互に絶縁領域を介して電気的に分離されている。下部電極(30)は、円形状に形成された第4の電極部(31)と、第4の電極部(31)の外側に扇形状で形成された第5の電極部(32)及び第6の電極部(33)とで構成される。第4〜第6の電極部(31〜33)も同様に、相互に絶縁領域を介して電気的に分離されている。さらに、第4の電極部(31)、第5の電極部(32)及び第6の電極部(33)が、圧電体(40)を介してそれぞれ第1の電極部(51)、第2の電極部(52)及び第3の電極部(53)と対向する位置に設けられる。

Description

本発明は、薄膜弾性波共振子に関し、より特定的には、単一の共振子でバンドパスフィルタを構成することが可能、且つバランス−アンバランス変換を実現する薄膜弾性波共振子、及び当該薄膜弾性波共振子を用いたフィルタや通信機器に関する。
携帯機器等の電子機器に内蔵される部品は、より小型化及び軽量化されることが要求されている。例えば、携帯機器に使用されるフィルタには、小型化が要求されると共に、周波数特性の精密な調整が可能であることが要求される。これらの要求を満たすフィルタの1つとして、薄膜弾性波共振子を用いたフィルタが知られている(特許文献1を参照)。
以下、図23を参照して、従来の薄膜弾性波共振子を説明する。
図23(a)は、従来の薄膜弾性波共振子500の基本構造を示した断面図である。薄膜弾性波共振子500は、圧電体501を上部電極部502と下部電極部503とで挟んだ構造である。この薄膜弾性波共振子500は、キャビティ504が形成された半導体基板505の上に載置されて使用される。キャビティ504は、微細加工法を用いて、半導体基板505の裏面から部分的にエッチングすることによって形成可能である。この薄膜弾性波共振子500は、上部電極部502及び下部電極部503によって、厚さ方向に電界が印加され、厚さ方向の振動を生じる。次に、薄膜弾性波共振子500の動作説明を、無限平板の厚み縦振動を用いて行う。
図23(b)は、従来の薄膜弾性波共振子500の動作を説明するための概略的な斜視図である。薄膜弾性波共振子500は、上部電極部502と下部電極部503との間に電界が加えられると、圧電体501で電気エネルギーが機械エネルギーに変換される。誘起された機械振動は厚さ方向伸び振動であり、電界と同じ方向に伸び縮みを行う。一般に、薄膜弾性波共振子500は、圧電体501の厚さ方向の共振振動を利用し、厚さが半波長に等しくなる周波数の共振で動作する。図23(a)に示したキャビティ504は、この圧電体501の厚み縦振動を確保するために利用される。
この薄膜弾性波共振子500の等価回路は、図23(d)に示すように、直列共振と並列共振とを合わせ持った等価回路となる。この等価回路は、コンデンサC1、インダクタL1及び抵抗R1からなる直列共振部と、直列共振部に並列接続されたコンデンサC0とで構成される。この回路構成によって、等価回路のアドミッタンス周波数特性は、図23(c)に示すように、共振周波数frでアドミッタンスが極大となり、反共振周波数faでアドミッタンスが極小となる。ここで、共振周波数frと反共振周波数faとは、次の関係にある。
fr=1/{2π√(L1×C1)}
fa=fr√(1+C1/C0)
このようなアドミッタンス周波数特性を有する薄膜弾性波共振子500をフィルタとして応用した場合、圧電体501の共振振動を利用するため、小型で低損失のフィルタを実現することが可能となる。2つの薄膜弾性波共振子を直列と並列に接続すれば(図24(a))、バンドパスフィルタを容易に構成することができる(図24(b))。
なお、実際には、薄膜弾性波共振子は必ず基板に固定されているため、振動部で生じる厚み縦振動の全てが主共振振動として励振されるわけではなく、一部の振動が基板に漏れてしまう。この基板への振動漏れ(不要振動)は、本来圧電体内部で振動の励振に使用されるエネルギーの一部が損失として扱われることを意味する。そこで、エネルギー損失の低減を図った発明が、特許文献2等で開示されている。
また、高周波帯を利用する通信機器では、各種電子部品を接続する基板上の伝送線路(配線)に雑音が発生するため、バランス型(差動型)伝送線路を採用する対策が採られている。ここで、バランス型伝送線路とは、同振幅かつ逆位相の2つの信号を取り扱う平行伝送線路である。これに伴い、薄膜弾性波共振子又は薄膜弾性波共振子を利用したバンドパスフィルタには、バランス−アンバランス変換機能の付加が求められている。バランス変換型の薄膜弾性波共振子については、圧電体を共通にするように2つの薄膜弾性波共振子を隣接して配置し、振動部で発生した横モード振動の伝搬(結合)を利用した構造が、しばしば採用されている。薄膜弾性波共振子は、基本的に厚さが半波長に等しくなる周波数の共振で動作するため、上下電極間で、位相差が理想的に180度となり、バランス変換を実現することは公知である。
特開昭60−68711号公報 特許第2644855号明細書
上述した特許文献2に開示されている発明では、上部電極を弾性波の伝搬方向と直角な方向に分離して振動部で発生した横モード振動の伝搬を防止することで、振動部から基板への振動漏れを抑えている。従って、薄膜弾性波共振子単体での良好なフィルタ特性が期待できる。
しかしながら、特許文献2に開示の薄膜弾性波共振子を用いて、ある程度広い通過帯域幅を持ったバンドパスフィルタを構成する場合、上述したように独立した2つの薄膜弾性波共振子が必要不可欠となる(図24(a))。このため、フィルタの半導体チップ占有面積が大きくなりコストが高くなるという問題がある。
また、複数の薄膜弾性波共振子を隣接して配置した場合、薄膜弾性波共振子間のモード結合度が低いためにエネルギー損失が大きいという問題がある。
また、従来の薄膜弾性波共振子を横方向に隣接して配置したバランス−アンバランス変換型薄膜弾性波共振子は、同様に結合度が低いためエネルギー損失が大きく、且つバンドパスフィルタ機能も同時に実現するのは困難であった。
それ故に、本発明の目的は、薄膜弾性波共振子間のモード結合度を向上させてエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを、単体で実現させ、且つバランス−アンバランス変換を実現させた薄膜弾性波共振子を提供することである。
本発明は、所定の周波数で振動する薄膜弾性波共振子、その薄膜弾性波共振子を用いたフィルタ及び通信機器に向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明の薄膜弾性波共振子は、圧電体と、圧電体の一方面上に形成された第1の電極部と、第1の電極部の外側に第1の電極部と絶縁された位置で、圧電体の一方面上に形成された第2の電極部と、第1の電極部の外側に第1の電極部及び第2の電極部と絶縁された位置で、圧電体の一方面上に形成された第3の電極部と、圧電体の一方面と対向する他方面上に形成された第4の電極部と、第4の電極部の外側に第4の電極部と絶縁された位置で、圧電体の他方面上に形成された第5の電極部と、第4の電極部の外側に第4の電極部及び第5の電極部と絶縁された位置で、圧電体の他方面上に形成された第6の電極部と、基板を少なくとも構成に含み圧電体及び第1〜第6の電極部で形成される構成を支持する支持部とを備える。そして、この構成による薄膜弾性波共振子は、第1の電極部又は第4の電極部に電気信号が入力され、第2の電極部と第6の電極部又は第3の電極部と第5の電極部から電気信号が出力されるか、或いは第2の電極部と第6の電極部又は第3の電極部と第5の電極部に電気信号が入力され、第1の電極部と第4の電極部との間から電気信号が出力されることを特徴とする。
各電極部は、第1の電極部の面積と第4の電極部の面積とが略等しく、かつ、第2の電極部の面積と第5の電極部の面積とが略等しく、かつ、第3の電極部の面積と第6の電極部の面積とが略等しく形成される。また、第2の電極部と第5の電極部とが、及び第3の電極部と第6の電極部とが、それぞれ圧電体を介して対称的な位置に設けられる。好ましい電極部の形状は、第1及び第4の電極部が円形状であり、かつ、第2、第3、第5及び第6の電極部が扇形状である。この場合、第1の電極部の円中心と第2及び第3の電極部の円弧中心とが一致し、かつ、第4の電極部の円中心と第5及び第6の電極部の円弧中心とが一致していることが望ましい。また、第1の電極部と第2の電極部との間隔及び第1の電極部と第3の電極部との間隔は、圧電体の厚さ以上であることが好ましい。これ以外に、第1から第6の電極部がすべて多角形状であってもよい。
典型的な支持部は、キャビティが設けられた基板で構成されるか、基板と基板上にキャビティを形成するために積層された支持層とで構成されるか、基板と音響的に高インピーダンスとなる層と低インピーダンスとなる層とが交互に積層されてなる音響ミラーとで構成される。そして、第4から第6の電極部が、キャビティ又は音響ミラーの上に配置される。なお、第4の電極部と第5の電極部とを又は第4の電極部と第6の電極部とを一体で形成することも可能である。
上述した本発明の薄膜弾性波共振子によれば、単体共振子の構造で、薄膜弾性波共振子間のモード結合度を向上させてエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを実現し、且つ、バランス−アンバランス変換を実現することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造上面図 図2Aは、本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造断面図(図1のa−a断面図) 図2Bは、本発明の薄膜弾性波共振子の基本的な構造断面図 図3は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の回路記号例 図4は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の等価回路図 図5は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子が発生する2つの振動モードを説明する図 図6は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子がバンドパスフィルタを構成する原理を説明する図 図7は、本発明の第1の実施形態に係る他の薄膜弾性波共振子の構造上面図 図8は、本発明の第1の実施形態に係る他の薄膜弾性波共振子の構造断面図(図7のb−b断面図) 図9は、本発明の第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造上面図 図10Aは、本発明の第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造断面図(図9のc−c断面図) 図10Bは、本発明の第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の他の構造断面図 図11は、本発明の第2の実施形態に係る他の薄膜弾性波共振子の構造上面図 図12Aは、本発明の第2の実施形態に係る他の薄膜弾性波共振子の構造断面図(図11のd−d断面図) 図12Bは、本発明の第2の実施形態に係る他の薄膜弾性波共振子の他の構造断面図 図13は、本発明の第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造上面図 図14は、本発明の第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造断面図(図13のe−e断面図) 図15は、本発明の第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子が発生する2つの振動モードを説明する図 図16は、本発明の第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造上面図 図17Aは、本発明の第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造断面図(図16のf−f断面図) 図17Bは、本発明の第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の他の構造断面図 図18は、本発明の薄膜弾性波共振子を用いたラダー型フィルタの構成例を示す図 図19は、本発明の薄膜弾性波共振子を用いたインピーダンス変換を説明する図 図20は、第2の電極部と第3の電極部との接続例を示す図 図21は、本発明の第1〜第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子を応用した他の構造断面図 図22は、本発明の薄膜弾性波共振子を用いた通信機器の構成例を示す図 図23は、従来の薄膜弾性波共振子を説明するための図 図24は、従来の薄膜弾性波共振子を用いたフィルタの構成図
符号の説明
1〜4、500 薄膜弾性波共振子
10、505 半導体基板
11、504 キャビティ
20 音響ミラー
21、22 音響インピーダンス層
30 下部電極
31〜36、51〜56、502、503 電極部
40、501 圧電体
50 上部電極
60 振動部
111、112 アンテナ
113 スイッチ
114 フィルタ
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1の構造例を示す上面図である。図1に示した薄膜弾性波共振子1のa−a線に沿った最も基本的な構造断面は、図2Bに示すものであるが、この第1の実施形態では、薄膜弾性波共振子1が図2Aに示す構造断面を有する場合を例に挙げて説明する。図1及び図2Aにおいて、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1は、半導体基板10の上に、音響ミラー20、下部電極30、圧電体40及び上部電極50が順に形成された構造である。下部電極30、圧電体40及び上部電極50によって、振動部60が構成される。下部電極30及び上部電極50は、例えばモリブデン(Mo)で形成される。圧電体40は、例えば窒化アルミニウム(AlN)等の圧電材料で形成される。図3は、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1を回路記号で表した場合の一例を示している。
まず、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1の構造の詳細を説明する。
音響ミラー20は、振動部60の共振振動を振動部60内に閉じ込めるために設けられる。この音響ミラー20は、少なくとも異なる音響インピーダンスを有する2種類の層、この例では高音響インピーダンス層21と低音響インピーダンス層22とを、交互に積層することによって構成される。高音響インピーダンス層21及び低音響インピーダンス層22の厚さは、それぞれに対応した音響波長の1/4の厚さである。下部電極30の下には、低音響インピーダンス層22が配置される。
上部電極50は、円形状に形成された第1の電極部51と、第1の電極部51の外側に扇形状で形成された第2の電極部52及び第3の電極部53とで構成される。第1の電極部51、第2の電極部52及び第3の電極部53は、相互に絶縁領域を介して電気的に分離されている。第2の電極部52及び第3の電極部53は、図1に示すように内縁線、外縁線及びこの内縁線と外縁線とを結ぶ2つの線で囲まれた扇形である。このとき、第2の電極部52及び第3の電極部53の内縁線及び外縁線の中心が、第1の電極部51の中心と一致していることが好ましい。また、第1の電極部51と第2の電極部52との間隔及び第1の電極部51と第3の電極部53との間隔は、それぞれ圧電体40の厚さ以上であることが好ましい。
同様に、下部電極30は、円形状に形成された第4の電極部31と、第4の電極部31の外側に扇形状で形成された第5の電極部32及び第6の電極部33とで構成される。第4の電極部31、第5の電極部32及び第6の電極部33は、相互に絶縁領域を介して電気的に分離されている。第5の電極部32及び第6の電極部33は、図1に示すように内縁線、外縁線及びこの内縁線と外縁線とを結ぶ2つの線で囲まれた扇形である。このとき、第5の電極部32及び第6の電極部33の内縁線及び外縁線の中心が、第4の電極部31の中心と一致していることが好ましい。また、第4の電極部31と第5の電極部32との間隔及び第4の電極部31と第6の電極部33との間隔は、それぞれ圧電体40の厚さ以上であることが好ましい。さらに、第4の電極部31が圧電体40を介して第1の電極部51と対向する位置に、第5の電極部32が圧電体40を介して第2の電極部52と対向する位置に、第6の電極部33が圧電体40を介して第3の電極部53と対向する位置に、それぞれ設けられることが特性上最も好ましい。
次に、上記構造による第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1によって、バランス−アンバランス変換機能を備えたバンドパスフィルタを実現できる原理を説明する。図4は、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1の等価回路を示した図である。図5は、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1が発生する2つの振動モードを説明する図である。図6は、図5で示した2つの振動モードによって、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1がバンドパスフィルタを構成することとなる原理を説明する図である。
薄膜弾性波共振子1を振動させるための電気信号は、第1の電極部51又は第4の電極部31に印加される。印加された電気信号は、逆圧電効果によって機械振動を励振させる。この励振された振動は、圧電体40を伝搬して、第2の電極部52と第5の電極部32とで挟まれた領域及び第3の電極部53と第6の電極部33とで挟まれた領域に、それぞれ伝えられる。そして、伝搬された振動は、圧電効果によって、第2の電極部52と第5の電極部32との間、又は第3の電極部53と第5の電極部32との間から、電気信号に変換されて取り出される。ここで、第2の電極部52と第5の電極部32との間、及び第3の電極部53と第6の電極部33との間は、基本的に厚さが半波長に等しくなる周波数の共振で動作するため、第2の電極部52及び第6の電極部33から出力される電気信号、又は第3の電極部53及び第5の電極部32から出力される電気信号は、理想的に同振幅かつ逆位相のバランス信号となる。
このとき、第1の電極部51と第4の電極部31とで励振される機械振動には、下記で説明するように、異なる振動パターンの2つの振動モードが存在する。
なお、電気信号の印加は、第2の電極部52と第6の電極部33、又は第3の電極部53と第5の電極部32でもよく、この場合には上記と逆に第1の電極部51と第4の電極部31から電気信号が取り出されることになる。
薄膜弾性波共振子1の構造を等価回路で表現すると、図4に示すように2つの共振回路が存在することになる。この2つの共振回路は、電極の位置に対応して次のようにそれぞれ異なるパターンで振動する。第1のパターンは、第1の電極部51及び第4の電極部31の中心を正振動のピークとし、かつ、第2の電極部52及び第5の電極部32も第3の電極部53及び第6の電極部33も正振動となる振動をするパターンである(図5の振動モードA)。第2のパターンは、第1の電極部51及び第4の電極部31の中心を正振動のピークとし、かつ、第2の電極部52、第3の電極部53、第5の電極部32及び第6の電極部33の幅の中心を負振動のピークとして振動するパターンである(図5の振動モードB)。すなわち、第1の電極部51、第2の電極部52及び第3の電極部53と、第4の電極部31、第5の電極部32及び第6の電極部33との間の、全てで振動するパターンである。
振動モードAでは、振幅による発生する電荷は、共振周波数fr(A)で最大となり、反共振周波数fa(A)で最小となる。一方、振動モードBでは、振幅により発生する電荷は、共振周波数fr(A)とは異なる共振周波数fr(B)で最大となり、反共振周波数fa(A)とは異なる反共振周波数fa(B)で最小となる。よって、振動モードAの反共振周波数fa(A)と振動モードBの共振周波数fr(B)とが近接した周波数領域では、薄膜弾性波共振子1の通過損失が小さくなり、かつ、その両側周波数領域においてプラス電荷とマイナス電荷のキャンセルが見られ、図6に示すような広い通過帯域を持ったフィルタ特性を実現することができる。
また、このとき、振動モードAの反共振周波数fa(A)と振動モードBの共振周波数fr(B)とが略一致するように各電極及び圧電体をそれぞれ適切に設定してやれば、通過帯域での損失をさらに小さくすることが可能であり、薄膜弾性波共振子1の低損失化を図ることができる。
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1によれば、単体共振子の構造で、モード結合度の向上によりエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを実現することができる。また、対角位置にある上部電極及び下部電極(第2の電極部52と第6の電極部33、第3の電極部53と第5の電極部32)から電気信号を入出力することによって、バランス変換を実現することができる。
なお、第1の実施形態の薄膜弾性波共振子1では、下部電極30に第4の電極部31、第5の電極部32及び第6の電極部33の3つを形成する例を説明したが、図7及び図8に示すように下部電極30に形成する電極部は2つであっても構わない。この構造による薄膜弾性波共振子は、上記と同様の効果を奏することができる。
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子2の構造例を示す上面図である。図10Aは、図9に示した薄膜弾性波共振子2のc−c線に沿った断面図である。図9及び図10Aにおいて、第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子2は、キャビティ11が形成された半導体基板10の上に、下部電極30、圧電体40及び上部電極50が順に形成された構造である。下部電極30、圧電体40及び上部電極50は、振動部60を構成する。
図10Aでわかるように、第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子2は、上記第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1の音響ミラー20に代えて、半導体基板10にキャビティ11を設けた構造である。このキャビティ11は、音響ミラー20と同様に、振動部60の共振振動を振動部60内に閉じ込めるために設けられる。
よって、第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子2も上記第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1と同様に、単体共振子の構造で、モード結合度の向上によりエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを実現することができる。また、対角位置にある上部電極及び下部電極から電気信号を入出力することによって、バランス変換を実現することができる。なお、図10Aでは、半導体基板10の一部をエッチング等により陥没させてキャビティ11を形成しているが、図10Bのように半導体基板10の上に支持層70を積層してキャビティ11を形成してもよい。
また、第2の実施形態の薄膜弾性波共振子2では、下部電極30に第4の電極部31、第5の電極部32及び第6の電極部33の3つを形成する例を説明したが、図11及び図12Aに示すように下部電極30に形成する電極部は2つであっても構わない。この構造による薄膜弾性波共振子でも、上記と同様の効果を奏することができる。なお、この構造の場合でも、図12Bのように半導体基板の上に支持層を積層してキャビティを形成してもよい。
(第3の実施形態)
図13は、本発明の第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3の構造例を示す上面図である。図14は、図13に示した薄膜弾性波共振子3のe−e線に沿った断面図である。図13及び図14において、第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3は、半導体基板10の上に、音響ミラー20、下部電極30、圧電体40及び上部電極50が順に形成された構造である。この構造は、上述した第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1と同様であるが、下部電極30及び上部電極50に形成される電極の形状が以下のように異なる。
上部電極50は、多角形状に形成された第1の電極部54と、第1の電極部54の外側に多角形状に形成された第2の電極部55及び第3の電極部56とで構成される。第1の電極部54、第2の電極部55及び第3の電極部56は、相互に絶縁領域を介して電気的に分離されている。第2の電極部55及び第3の電極部56は、図13に示すように内辺、外辺及びこの内辺と外辺とを結ぶ2つの線で囲まれた多角形である。この第2の電極部55と第3の電極部56とを絶縁領域部分で結んだ図形(多辺環)の外辺及び内辺の形状は、第1の電極部54の多角形状の外辺縁と相似形である。このとき、多辺環の中心が、第1の電極部54の中心と一致していることが好ましい。また、第1の電極部54と第2の電極部55との間隔及び第1の電極部54と第3の電極部56との間隔は、それぞれ圧電体40の厚さ以上であることが好ましい。図13は、第1の電極部54の多角形として正方形を用いた例を示す。
同様に、下部電極30は、多角形状に形成された第4の電極部34と、第4の電極部34の外側に多角形状に形成された第5の電極部35及び第6の電極部36とで構成される。第4の電極部34、第5の電極部35及び第6の電極部36は、相互に絶縁領域を介して電気的に分離されている。第5の電極部35及び第6の電極部36は、内辺、外辺及びこの内辺と外辺とを結ぶ2つの線で囲まれた多角形である。この第5の電極部35と第6の電極部36とを絶縁領域部分で結んだ図形(多辺環)の外辺及び内辺の形状は、第4の電極部34の多角形状の外辺縁と相似形である。このとき、多辺環の中心が、第4の電極部34の中心と一致していることが好ましい。また、第4の電極部34と第5の電極部35との間隔及び第4の電極部34と第6の電極部36との間隔は、それぞれ圧電体40の厚さ以上であることが好ましい。さらに、第4の電極部34が圧電体40を介して第1の電極部54と対向する位置に、第5の電極部35が圧電体40を介して第2の電極部36と対向する位置に、第6の電極部36が圧電体40を介して第3の電極部56と対向する位置に、それぞれ設けられることが特性上最も好ましい。
上記構造による第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3でも、第1の電極部54と第4の電極部34との間(又は、第2の電極部55と第6の電極部36との間、あるいは第3の電極部56と第5の電極部35との間)に電気信号が印加されると、図15に示すように振動パターンの異なる振動モードA及び振動モードBによる振動が生じる。よって、振動モードAの反共振周波数fa(A)と振動モードBの共振周波数fr(B)とが略一致するように各電極及び圧電体をそれぞれ適切に設定してやれば、広い通過帯域を持ったフィルタ特性を実現することができる(図6を参照)。
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3によれば、単体共振子の構造で、モード結合度の向上によりエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを実現することができる。また、対角位置にある上部電極及び下部電極から電気信号を入出力することによって、バランス変換を実現することができる。
(第4の実施形態)
図16は、本発明の第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子4の構造例を示す上面図である。図17Aは、図16に示した薄膜弾性波共振子4のf−f線に沿った断面図である。図16及び図17Aにおいて、第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子4は、キャビティ11が形成された半導体基板10の上に、下部電極30、圧電体40及び上部電極50が順に形成された構造である。下部電極30、圧電体40及び上部電極50は、振動部60を構成する。
図17Aでわかるように、第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子4は、上記第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3の音響ミラー20に代えて、半導体基板10にキャビティ11を設けた構造である。このキャビティ11は、音響ミラー20と同様に、振動部60の共振振動を振動部60内に閉じ込めるために設けられる。
よって、第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子4も上記第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3と同様に、単体共振子の構造で、モード結合度の向上によりエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを実現することができる。また、対角位置にある上部電極及び下部電極から電気信号を入出力することによって、バランス変換を実現することができる。なお、図17Aでは、半導体基板10の一部をエッチング等により陥没させてキャビティ11を形成しているが、図17Bのように半導体基板10の上に支持層70を積層してキャビティ11を形成してもよい。
なお、本発明の薄膜弾性波共振子1〜4は、上述したように単独でフィルタとして使用される以外にも、他の薄膜弾性波共振子と任意に組み合わせて使用することができる。例えば、図18に示すように、本発明の薄膜弾性波共振子1〜4をラダー型フィルタの最後段に挿入することができる。
また、本発明の薄膜弾性波共振子1〜4は、入力された電気信号を一旦振動に変換した後で再び電気信号に再変換して取り出す構造であるため、入力側の容量値Cinと出力側の容量値Coutとを変えることで、インピーダンス変換を行うことも可能となる(図19を参照)。容量値Cは、誘電率ε、電極面積S及び圧電体厚さtとすると、C=εS/tで求められる。
また、上記第1〜第4の実施形態で説明したように、本発明の薄膜弾性波共振子では、第2の電極部と第3の電極部とが、第5の電極部と第6の電極部とが、それぞれ絶縁されていることが特性上最も好ましい。しかしながら、図20に示すような配線を用いて、第2の電極部と第3の電極部とを、第5の電極部と第6の電極部とを、それぞれ接続しても構わない。
さらに、上記第1〜第4の実施形態において、下部電極30と上部電極50とで挟まれる圧電体40は、一体で成膜されるため厚みは一定となる。その結果、第1の電極部と第3の電極部との間では、下部電極30の厚さ分だけ圧電体40の上面が窪んだ構造となる。しかし、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の平坦化プロセスを用いることで、図21のように、圧電体40の上面をフラットにすることも可能である。この場合、第1の電極部と第3の電極部、及びその間の部分での共振周波数が近接するため、所望の振動(振動モードA及び振動モードB)がより励振しやすい等、使用上の利点も大きい。
(薄膜弾性波共振子を用いた通信機器の実施例)
図22は、本発明の薄膜弾性波共振子を用いた通信機器の構成例を示す図である。図22に示す通信装置は、第1〜第4の実施形態で説明した薄膜弾性波共振子1〜4をフィルタに用いた装置である。この通信機器は、少なくともアンテナと、送受信の周波数を切り替えるスイッチ素子又は共用器と、アンバランス信号をバランス信号へと変換しかつフィルタ機能を備えたフィルタとで構成される。
本発明の薄膜弾性波共振子は、エネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを、単体で実現させたい場合等の利用に適している。
【書類名】明細書
【発明の名称】薄膜弾性波共振子
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜弾性波共振子に関し、より特定的には、単一の共振子でバンドパスフィルタを構成することが可能、且つバランス−アンバランス変換を実現する薄膜弾性波共振子、及び当該薄膜弾性波共振子を用いたフィルタや通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器等の電子機器に内蔵される部品は、より小型化及び軽量化されることが要求されている。例えば、携帯機器に使用されるフィルタには、小型化が要求されると共に、周波数特性の精密な調整が可能であることが要求される。これらの要求を満たすフィルタの1つとして、薄膜弾性波共振子を用いたフィルタが知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
以下、図23を参照して、従来の薄膜弾性波共振子を説明する。
図23(a)は、従来の薄膜弾性波共振子500の基本構造を示した断面図である。薄膜弾性波共振子500は、圧電体501を上部電極部502と下部電極部503とで挟んだ構造である。この薄膜弾性波共振子500は、キャビティ504が形成された半導体基板505の上に載置されて使用される。キャビティ504は、微細加工法を用いて、半導体基板505の裏面から部分的にエッチングすることによって形成可能である。この薄膜弾性波共振子500は、上部電極部502及び下部電極部503によって、厚さ方向に電界が印加され、厚さ方向の振動を生じる。次に、薄膜弾性波共振子500の動作説明を、無限平板の厚み縦振動を用いて行う。
【0004】
図23(b)は、従来の薄膜弾性波共振子500の動作を説明するための概略的な斜視図である。薄膜弾性波共振子500は、上部電極部502と下部電極部503との間に電界が加えられると、圧電体501で電気エネルギーが機械エネルギーに変換される。誘起された機械振動は厚さ方向伸び振動であり、電界と同じ方向に伸び縮みを行う。一般に、薄膜弾性波共振子500は、圧電体501の厚さ方向の共振振動を利用し、厚さが半波長に等しくなる周波数の共振で動作する。図23(a)に示したキャビティ504は、この圧電体501の厚み縦振動を確保するために利用される。
【0005】
この薄膜弾性波共振子500の等価回路は、図23(d)に示すように、直列共振と並列共振とを合わせ持った等価回路となる。この等価回路は、コンデンサC1、インダクタL1及び抵抗R1からなる直列共振部と、直列共振部に並列接続されたコンデンサC0とで構成される。この回路構成によって、等価回路のアドミッタンス周波数特性は、図23(c)に示すように、共振周波数frでアドミッタンスが極大となり、反共振周波数faでアドミッタンスが極小となる。ここで、共振周波数frと反共振周波数faとは、次の関係にある。
fr=1/{2π√(L1×C1)}
fa=fr√(1+C1/C0)
【0006】
このようなアドミッタンス周波数特性を有する薄膜弾性波共振子500をフィルタとして応用した場合、圧電体501の共振振動を利用するため、小型で低損失のフィルタを実現することが可能となる。2つの薄膜弾性波共振子を直列と並列に接続すれば(図24(a))、バンドパスフィルタを容易に構成することができる(図24(b))。
【0007】
なお、実際には、薄膜弾性波共振子は必ず基板に固定されているため、振動部で生じる厚み縦振動の全てが主共振振動として励振されるわけではなく、一部の振動が基板に漏れてしまう。この基板への振動漏れ(不要振動)は、本来圧電体内部で振動の励振に使用されるエネルギーの一部が損失として扱われることを意味する。そこで、エネルギー損失の低減を図った発明が、特許文献2等で開示されている。
また、高周波帯を利用する通信機器では、各種電子部品を接続する基板上の伝送線路(配線)に雑音が発生するため、バランス型(差動型)伝送線路を採用する対策が採られている。ここで、バランス型伝送線路とは、同振幅かつ逆位相の2つの信号を取り扱う平行伝送線路である。これに伴い、薄膜弾性波共振子又は薄膜弾性波共振子を利用したバンドパスフィルタには、バランス−アンバランス変換機能の付加が求められている。バランス変換型の薄膜弾性波共振子については、圧電体を共通にするように2つの薄膜弾性波共振子を隣接して配置し、振動部で発生した横モード振動の伝搬(結合)を利用した構造が、しばしば採用されている。薄膜弾性波共振子は、基本的に厚さが半波長に等しくなる周波数の共振で動作するため、上下電極間で、位相差が理想的に180度となり、バランス変換を実現することは公知である。
【特許文献1】特開昭60−68711号公報
【特許文献2】特許第2644855号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献2に開示されている発明では、上部電極を弾性波の伝搬方向と直角な方向に分離して振動部で発生した横モード振動の伝搬を防止することで、振動部から基板への振動漏れを抑えている。従って、薄膜弾性波共振子単体での良好なフィルタ特性が期待できる。
【0009】
しかしながら、特許文献2に開示の薄膜弾性波共振子を用いて、ある程度広い通過帯域幅を持ったバンドパスフィルタを構成する場合、上述したように独立した2つの薄膜弾性波共振子が必要不可欠となる(図24(a))。このため、フィルタの半導体チップ占有面積が大きくなりコストが高くなるという問題がある。
また、複数の薄膜弾性波共振子を隣接して配置した場合、薄膜弾性波共振子間のモード結合度が低いためにエネルギー損失が大きいという問題がある。
また、従来の薄膜弾性波共振子を横方向に隣接して配置したバランス−アンバランス変換型薄膜弾性波共振子は、同様に結合度が低いためエネルギー損失が大きく、且つバンドパスフィルタ機能も同時に実現するのは困難であった。
【0010】
それ故に、本発明の目的は、薄膜弾性波共振子間のモード結合度を向上させてエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを、単体で実現させ、且つバランス−アンバランス変換を実現させた薄膜弾性波共振子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、所定の周波数で振動する薄膜弾性波共振子、その薄膜弾性波共振子を用いたフィルタ及び通信機器に向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明の薄膜弾性波共振子は、圧電体と、圧電体の一方面上に形成された第1の電極部と、圧電体の一方面上の第1の電極部と絶縁された位置に、第1の電極部の外周部を取り囲むように延在して形成された第2の電極部と、圧電体の一方面上の第1の電極部及び第2の電極部と絶縁された位置に、第1の電極部の外周部を取り囲むように延在して形成された第3の電極部と、圧電体の一方面と対向する他方面上に形成された第4の電極部と、圧電体の他方面上の第4の電極部と絶縁された位置に、第4の電極部の外周部を取り囲むように延在して形成された第5の電極部と、圧電体の他方面上の第4の電極部及び第5の電極部と絶縁された位置に、第4の電極部の外周部を取り囲むように延在して形成された第6の電極部と、基板を少なくとも構成に含み、圧電体及び第1〜第6の電極部で形成される構成を支持する支持部とを備える。第1の電極部は、第2の電極部と第3の電極部とにより取り囲まれており、第4の電極部は、第5の電極部と第6の電極部とにより取り囲まれており、第1の電極部と第4の電極部とは、圧電体を挟んで対向して配置されており、第2の電極部と第5の電極部とは、圧電体を挟んで対向して配置されており、第3の電極部と第6の電極部とは、圧電体を挟んで対向して配置されている。そして、この構成による薄膜弾性波共振子は、第1の電極部又は第4の電極部に電気信号が入力され、第2の電極部と第6の電極部又は第3の電極部と第5の電極部から電気信号が出力されるか、或いは第2の電極部と第6の電極部又は第3の電極部と第5の電極部に電気信号が入力され、第1の電極部と第4の電極部との間から電気信号が出力されることを特徴とする。
【0012】
各電極部は、第1の電極部の面積と第4の電極部の面積とが略等しく、かつ、第2の電極部の面積と第5の電極部の面積とが略等しく、かつ、第3の電極部の面積と第6の電極部の面積とが略等しく形成される。また、第2の電極部と第5の電極部とが、及び第3の電極部と第6の電極部とが、それぞれ圧電体を介して対称的な位置に設けられる。好ましい電極部の形状は、第1及び第4の電極部が円形状であり、かつ、第2、第3、第5及び第6の電極部が扇形状である。この場合、第1の電極部の円中心と第2及び第3の電極部の円弧中心とが一致し、かつ、第4の電極部の円中心と第5及び第6の電極部の円弧中心とが一致していることが望ましい。また、第1の電極部と第2の電極部との間隔及び第1の電極部と第3の電極部との間隔は、圧電体の厚さ以上であることが好ましい。これ以外に、第1から第6の電極部がすべて多角形状であってもよい。
【0013】
典型的な支持部は、キャビティが設けられた基板で構成されるか、基板と基板上にキャビティを形成するために積層された支持層とで構成されるか、基板と音響的に高インピーダンスとなる層と低インピーダンスとなる層とが交互に積層されてなる音響ミラーとで構成される。そして、第4から第6の電極部が、キャビティ又は音響ミラーの上に配置される。なお、第4の電極部と第5の電極部とを又は第4の電極部と第6の電極部とを一体で形成することも可能である。
【発明の効果】
【0014】
上述した本発明の薄膜弾性波共振子によれば、単体共振子の構造で、薄膜弾性波共振子間のモード結合度を向上させてエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを実現し、且つ、バランス−アンバランス変換を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1の構造例を示す上面図である。図1に示した薄膜弾性波共振子1のa−a線に沿った最も基本的な構造断面は、図2Bに示すものであるが、この第1の実施形態では、薄膜弾性波共振子1が図2Aに示す構造断面を有する場合を例に挙げて説明する。図1及び図2Aにおいて、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1は、半導体基板10の上に、音響ミラー20、下部電極30、圧電体40及び上部電極50が順に形成された構造である。下部電極30、圧電体40及び上部電極50によって、振動部60が構成される。下部電極30及び上部電極50は、例えばモリブデン(Mo)で形成される。圧電体40は、例えば窒化アルミニウム(AlN)等の圧電材料で形成される。図3は、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1を回路記号で表した場合の一例を示している。
【0018】
まず、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1の構造の詳細を説明する。
音響ミラー20は、振動部60の共振振動を振動部60内に閉じ込めるために設けられる。この音響ミラー20は、少なくとも異なる音響インピーダンスを有する2種類の層、この例では高音響インピーダンス層21と低音響インピーダンス層22とを、交互に積層することによって構成される。高音響インピーダンス層21及び低音響インピーダンス層22の厚さは、それぞれに対応した音響波長の1/4の厚さである。下部電極30の下には、低音響インピーダンス層22が配置される。
【0019】
上部電極50は、円形状に形成された第1の電極部51と、第1の電極部51の外側に扇形状で形成された第2の電極部52及び第3の電極部53とで構成される。第1の電極部51、第2の電極部52及び第3の電極部53は、相互に絶縁領域を介して電気的に分離されている。第2の電極部52及び第3の電極部53は、図1に示すように内縁線、外縁線及びこの内縁線と外縁線とを結ぶ2つの線で囲まれた扇形である。このとき、第2の電極部52及び第3の電極部53の内縁線及び外縁線の中心が、第1の電極部51の中心と一致していることが好ましい。また、第1の電極部51と第2の電極部52との間隔及び第1の電極部51と第3の電極部53との間隔は、それぞれ圧電体40の厚さ以上であることが好ましい。
【0020】
同様に、下部電極30は、円形状に形成された第4の電極部31と、第4の電極部31の外側に扇形状で形成された第5の電極部32及び第6の電極部33とで構成される。第4の電極部31、第5の電極部32及び第6の電極部33は、相互に絶縁領域を介して電気的に分離されている。第5の電極部32及び第6の電極部33は、図1に示すように内縁線、外縁線及びこの内縁線と外縁線とを結ぶ2つの線で囲まれた扇形である。このとき、第5の電極部32及び第6の電極部33の内縁線及び外縁線の中心が、第4の電極部31の中心と一致していることが好ましい。また、第4の電極部31と第5の電極部32との間隔及び第4の電極部31と第6の電極部33との間隔は、それぞれ圧電体40の厚さ以上であることが好ましい。さらに、第4の電極部31が圧電体40を介して第1の電極部51と対向する位置に、第5の電極部32が圧電体40を介して第2の電極部52と対向する位置に、第6の電極部33が圧電体40を介して第3の電極部53と対向する位置に、それぞれ設けられることが特性上最も好ましい。
【0021】
次に、上記構造による第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1によって、バランス−アンバランス変換機能を備えたバンドパスフィルタを実現できる原理を説明する。図4は、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1の等価回路を示した図である。図5は、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1が発生する2つの振動モードを説明する図である。図6は、図5で示した2つの振動モードによって、第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1がバンドパスフィルタを構成することとなる原理を説明する図である。
【0022】
薄膜弾性波共振子1を振動させるための電気信号は、第1の電極部51又は第4の電極部31に印加される。印加された電気信号は、逆圧電効果によって機械振動を励振させる。この励振された振動は、圧電体40を伝搬して、第2の電極部52と第5の電極部32とで挟まれた領域及び第3の電極部53と第6の電極部33とで挟まれた領域に、それぞれ伝えられる。そして、伝搬された振動は、圧電効果によって、第2の電極部52と第5の電極部32との間、又は第3の電極部53と第5の電極部32との間から、電気信号に変換されて取り出される。ここで、第2の電極部52と第5の電極部32との間、及び第3の電極部53と第6の電極部33との間は、基本的に厚さが半波長に等しくなる周波数の共振で動作するため、第2の電極部52及び第6の電極部33から出力される電気信号、又は第3の電極部53及び第5の電極部32から出力される電気信号は、理想的に同振幅かつ逆位相のバランス信号となる。
このとき、第1の電極部51と第4の電極部31とで励振される機械振動には、下記で説明するように、異なる振動パターンの2つの振動モードが存在する。
なお、電気信号の印加は、第2の電極部52と第6の電極部33、又は第3の電極部53と第5の電極部32でもよく、この場合には上記と逆に第1の電極部51と第4の電極部31から電気信号が取り出されることになる。
【0023】
薄膜弾性波共振子1の構造を等価回路で表現すると、図4に示すように2つの共振回路が存在することになる。この2つの共振回路は、電極の位置に対応して次のようにそれぞれ異なるパターンで振動する。第1のパターンは、第1の電極部51及び第4の電極部31の中心を正振動のピークとし、かつ、第2の電極部52及び第5の電極部32も第3の電極部53及び第6の電極部33も正振動となる振動をするパターンである(図5の振動モードA)。第2のパターンは、第1の電極部51及び第4の電極部31の中心を正振動のピークとし、かつ、第2の電極部52、第3の電極部53、第5の電極部32及び第6の電極部33の幅の中心を負振動のピークとして振動するパターンである(図5の振動モードB)。すなわち、第1の電極部51、第2の電極部52及び第3の電極部53と、第4の電極部31、第5の電極部32及び第6の電極部33との間の、全てで振動するパターンである。
【0024】
振動モードAでは、振動により発生する電荷は、共振周波数fr(A)で最大となり、反共振周波数fa(A)で最小となる。一方、振動モードBでは、振動により発生する電荷は、共振周波数fr(A)とは異なる共振周波数fr(B)で最大となり、反共振周波数fa(A)とは異なる反共振周波数fa(B)で最小となる。よって、振動モードAの反共振周波数fa(A)と振動モードBの共振周波数fr(B)とが近接した周波数領域では、薄膜弾性波共振子1の通過損失が小さくなり、かつ、その両側周波数領域においてプラス電荷とマイナス電荷のキャンセルが見られ、図6に示すような広い通過帯域を持ったフィルタ特性を実現することができる。
また、このとき、振動モードAの反共振周波数fa(A)と振動モードBの共振周波数fr(B)とが略一致するように各電極及び圧電体をそれぞれ適切に設定してやれば、通過帯域での損失をさらに小さくすることが可能であり、薄膜弾性波共振子1の低損失化を図ることができる。
【0025】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1によれば、単体共振子の構造で、モード結合度の向上によりエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを実現することができる。また、対角位置にある上部電極及び下部電極(第2の電極部52と第6の電極部33、第3の電極部53と第5の電極部32)から電気信号を入出力することによって、バランス変換を実現することができる。
なお、第1の実施形態の薄膜弾性波共振子1では、下部電極30に第4の電極部31、第5の電極部32及び第6の電極部33の3つを形成する例を説明したが、図7及び図8に示すように下部電極30に形成する電極部は2つであっても構わない。この構造による薄膜弾性波共振子は、上記と同様の効果を奏することができる。
【0026】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子2の構造例を示す上面図である。図10Aは、図9に示した薄膜弾性波共振子2のc−c線に沿った断面図である。図9及び図10Aにおいて、第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子2は、キャビティ11が形成された半導体基板10の上に、下部電極30、圧電体40及び上部電極50が順に形成された構造である。下部電極30、圧電体40及び上部電極50は、振動部60を構成する。
【0027】
図10Aでわかるように、第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子2は、上記第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1の音響ミラー20に代えて、半導体基板10にキャビティ11を設けた構造である。このキャビティ11は、音響ミラー20と同様に、振動部60の共振振動を振動部60内に閉じ込めるために設けられる。
【0028】
よって、第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子2も上記第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1と同様に、単体共振子の構造で、モード結合度の向上によりエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを実現することができる。また、対角位置にある上部電極及び下部電極から電気信号を入出力することによって、バランス変換を実現することができる。なお、図10Aでは、半導体基板10の一部をエッチング等により陥没させてキャビティ11を形成しているが、図10Bのように半導体基板10の上に支持層70を積層してキャビティ11を形成してもよい。
【0029】
また、第2の実施形態の薄膜弾性波共振子2では、下部電極30に第4の電極部31、第5の電極部32及び第6の電極部33の3つを形成する例を説明したが、図11及び図12Aに示すように下部電極30に形成する電極部は2つであっても構わない。この構造による薄膜弾性波共振子でも、上記と同様の効果を奏することができる。なお、この構造の場合でも、図12Bのように半導体基板の上に支持層を積層してキャビティを形成してもよい。
【0030】
(第3の実施形態)
図13は、本発明の第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3の構造例を示す上面図である。図14は、図13に示した薄膜弾性波共振子3のe−e線に沿った断面図である。図13及び図14において、第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3は、半導体基板10の上に、音響ミラー20、下部電極30、圧電体40及び上部電極50が順に形成された構造である。この構造は、上述した第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子1と同様であるが、下部電極30及び上部電極50に形成される電極の形状が以下のように異なる。
【0031】
上部電極50は、多角形状に形成された第1の電極部54と、第1の電極部54の外側に多角形状に形成された第2の電極部55及び第3の電極部56とで構成される。第1の電極部54、第2の電極部55及び第3の電極部56は、相互に絶縁領域を介して電気的に分離されている。第2の電極部55及び第3の電極部56は、図13に示すように内辺、外辺及びこの内辺と外辺とを結ぶ2つの線で囲まれた多角形である。この第2の電極部55と第3の電極部56とを絶縁領域部分で結んだ図形(多辺環)の外辺及び内辺の形状は、第1の電極部54の多角形状の外辺縁と相似形である。このとき、多辺環の中心が、第1の電極部54の中心と一致していることが好ましい。また、第1の電極部54と第2の電極部55との間隔及び第1の電極部54と第3の電極部56との間隔は、それぞれ圧電体40の厚さ以上であることが好ましい。図13は、第1の電極部54の多角形として正方形を用いた例を示す。
【0032】
同様に、下部電極30は、多角形状に形成された第4の電極部34と、第4の電極部34の外側に多角形状に形成された第5の電極部35及び第6の電極部36とで構成される。第4の電極部34、第5の電極部35及び第6の電極部36は、相互に絶縁領域を介して電気的に分離されている。第5の電極部35及び第6の電極部36は、内辺、外辺及びこの内辺と外辺とを結ぶ2つの線で囲まれた多角形である。この第5の電極部35と第6の電極部36とを絶縁領域部分で結んだ図形(多辺環)の外辺及び内辺の形状は、第4の電極部34の多角形状の外辺縁と相似形である。このとき、多辺環の中心が、第4の電極部34の中心と一致していることが好ましい。また、第4の電極部34と第5の電極部35との間隔及び第4の電極部34と第6の電極部36との間隔は、それぞれ圧電体40の厚さ以上であることが好ましい。さらに、第4の電極部34が圧電体40を介して第1の電極部54と対向する位置に、第5の電極部35が圧電体40を介して第2の電極部55と対向する位置に、第6の電極部36が圧電体40を介して第3の電極部56と対向する位置に、それぞれ設けられることが特性上最も好ましい。
【0033】
上記構造による第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3でも、第1の電極部54と第4の電極部34との間(又は、第2の電極部55と第6の電極部36との間、あるいは第3の電極部56と第5の電極部35との間)に電気信号が印加されると、図15に示すように振動パターンの異なる振動モードA及び振動モードBによる振動が生じる。よって、振動モードAの反共振周波数fa(A)と振動モードBの共振周波数fr(B)とが略一致するように各電極及び圧電体をそれぞれ適切に設定してやれば、広い通過帯域を持ったフィルタ特性を実現することができる(図6を参照)。
【0034】
以上のように、本発明の第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3によれば、単体共振子の構造で、モード結合度の向上によりエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを実現することができる。また、対角位置にある上部電極及び下部電極から電気信号を入出力することによって、バランス変換を実現することができる。
【0035】
(第4の実施形態)
図16は、本発明の第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子4の構造例を示す上面図である。図17Aは、図16に示した薄膜弾性波共振子4のf−f線に沿った断面図である。図16及び図17Aにおいて、第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子4は、キャビティ11が形成された半導体基板10の上に、下部電極30、圧電体40及び上部電極50が順に形成された構造である。下部電極30、圧電体40及び上部電極50は、振動部60を構成する。
【0036】
図17Aでわかるように、第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子4は、上記第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3の音響ミラー20に代えて、半導体基板10にキャビティ11を設けた構造である。このキャビティ11は、音響ミラー20と同様に、振動部60の共振振動を振動部60内に閉じ込めるために設けられる。
【0037】
よって、第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子4も上記第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子3と同様に、単体共振子の構造で、モード結合度の向上によりエネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを実現することができる。また、対角位置にある上部電極及び下部電極から電気信号を入出力することによって、バランス変換を実現することができる。なお、図17Aでは、半導体基板10の一部をエッチング等により陥没させてキャビティ11を形成しているが、図17Bのように半導体基板10の上に支持層70を積層してキャビティ11を形成してもよい。
【0038】
なお、本発明の薄膜弾性波共振子1〜4は、上述したように単独でフィルタとして使用される以外にも、他の薄膜弾性波共振子と任意に組み合わせて使用することができる。例えば、図18に示すように、本発明の薄膜弾性波共振子1〜4をラダー型フィルタの最後段に挿入することができる。
【0039】
また、本発明の薄膜弾性波共振子1〜4は、入力された電気信号を一旦振動に変換した後で再び電気信号に再変換して取り出す構造であるため、入力側の容量値Cinと出力側の容量値Coutとを変えることで、インピーダンス変換を行うことも可能となる(図19を参照)。容量値Cは、誘電率ε、電極面積S及び圧電体厚さtとすると、C=εS/tで求められる。
【0040】
また、上記第1〜第4の実施形態で説明したように、本発明の薄膜弾性波共振子では、第2の電極部と第3の電極部とが、第5の電極部と第6の電極部とが、それぞれ絶縁されていることが特性上最も好ましい。しかしながら、図20に示すような配線を用いて、第2の電極部と第3の電極部とを、第5の電極部と第6の電極部とを、それぞれ接続しても構わない。
【0041】
さらに、上記第1〜第4の実施形態において、下部電極30と上部電極50とで挟まれる圧電体40は、一体で成膜されるため厚みは一定となる。その結果、第1の電極部と第3の電極部との間では、下部電極30の厚さ分だけ圧電体40の上面が窪んだ構造となる。しかし、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)等の平坦化プロセスを用いることで、図21のように、圧電体40の上面をフラットにすることも可能である。この場合、第1の電極部と第3の電極部、及びその間の部分での共振周波数が近接するため、所望の振動(振動モードA及び振動モードB)がより励振しやすい等、使用上の利点も大きい。
【0042】
(薄膜弾性波共振子を用いた通信機器の実施例)
図22は、本発明の薄膜弾性波共振子を用いた通信機器の構成例を示す図である。図22に示す通信装置は、第1〜第4の実施形態で説明した薄膜弾性波共振子1〜4をフィルタに用いた装置である。この通信機器は、少なくともアンテナと、送受信の周波数を切り替えるスイッチ素子又は共用器と、アンバランス信号をバランス信号へと変換しかつフィルタ機能を備えたフィルタとで構成される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の薄膜弾性波共振子は、エネルギー損失の低減を図り、かつ、広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを、単体で実現させたい場合等の利用に適している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造上面図
【図2A】本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造断面図(図1のa−a断面図)
【図2B】本発明の薄膜弾性波共振子の基本的な構造断面図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の回路記号例
【図4】本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の等価回路図
【図5】本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子が発生する2つの振動モードを説明する図
【図6】本発明の第1の実施形態に係る薄膜弾性波共振子がバンドパスフィルタを構成する原理を説明する図
【図7】本発明の第1の実施形態に係る他の薄膜弾性波共振子の構造上面図
【図8】本発明の第1の実施形態に係る他の薄膜弾性波共振子の構造断面図(図7のb−b断面図)
【図9】本発明の第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造上面図
【図10A】本発明の第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造断面図(図9のc−c断面図)
【図10B】本発明の第2の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の他の構造断面図
【図11】本発明の第2の実施形態に係る他の薄膜弾性波共振子の構造上面図
【図12A】本発明の第2の実施形態に係る他の薄膜弾性波共振子の構造断面図(図11のd−d断面図)
【図12B】本発明の第2の実施形態に係る他の薄膜弾性波共振子の他の構造断面図
【図13】本発明の第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造上面図
【図14】本発明の第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造断面図(図13のe−e断面図)
【図15】本発明の第3の実施形態に係る薄膜弾性波共振子が発生する2つの振動モードを説明する図
【図16】本発明の第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造上面図
【図17A】本発明の第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の構造断面図(図16のf−f断面図)
【図17B】本発明の第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子の他の構造断面図
【図18】本発明の薄膜弾性波共振子を用いたラダー型フィルタの構成例を示す図
【図19】本発明の薄膜弾性波共振子を用いたインピーダンス変換を説明する図
【図20】第2の電極部と第3の電極部との接続例を示す図
【図21】本発明の第1〜第4の実施形態に係る薄膜弾性波共振子を応用した他の構造断面図
【図22】本発明の薄膜弾性波共振子を用いた通信機器の構成例を示す図
【図23】従来の薄膜弾性波共振子を説明するための図
【図24】従来の薄膜弾性波共振子を用いたフィルタの構成図
【符号の説明】
【0016】
1〜4、500 薄膜弾性波共振子
10、505 半導体基板
11、504 キャビティ
20 音響ミラー
21、22 音響インピーダンス層
30 下部電極
31〜36、51〜56、502、503 電極部
40、501 圧電体
50 上部電極
60 振動部
111、112 アンテナ
113 スイッチ
114 フィルタ

Claims (23)

  1. 所定の周波数で振動する薄膜弾性波共振子であって、
    圧電体と、
    前記圧電体の一方面上に形成された第1の電極部と、
    前記第1の電極部の外側に前記第1の電極部と絶縁された位置で、前記圧電体の一方面上に形成された第2の電極部と、
    前記第1の電極部の外側に前記第1の電極部及び前記第2の電極部と絶縁された位置で、前記圧電体の一方面上に形成された第3の電極部と、
    前記圧電体の一方面と対向する他方面上に形成された第4の電極部と、
    前記第4の電極部の外側に前記第4の電極部と絶縁された位置で、前記圧電体の他方面上に形成された第5の電極部と、
    前記第4の電極部の外側に前記第4の電極部及び前記第5の電極部と絶縁された位置で、前記圧電体の他方面上に形成された第6の電極部と、
    基板を少なくとも構成に含み、前記圧電体及び前記第1〜第6の電極部で形成される構成を支持する支持部とを備え、
    前記第1の電極部又は前記第4の電極部に電気信号が入力され、前記第2の電極部と前記第6の電極部又は前記第3の電極部と前記第5の電極部から電気信号が出力されるか、或いは前記第2の電極部と前記第6の電極部又は前記第3の電極部と前記第5の電極部に電気信号が入力され、前記第1の電極部又は前記第4の電極部から電気信号が出力されることを特徴とする、薄膜弾性波共振子。
  2. 前記第1の電極部の面積と前記第4の電極部の面積とが略等しく、かつ、前記第2の電極部の面積と前記第5の電極部の面積とが略等しく、かつ、前記第3の電極部の面積と前記第6の電極部の面積とが略等しいことを特徴とする、請求項1に記載の薄膜弾性波共振子。
  3. 前記第2の電極部と前記第5の電極部とが、及び前記第3の電極部と前記第6の電極部とが、それぞれ前記圧電体を介して対称的な位置に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の薄膜弾性波共振子。
  4. 前記第1及び第4の電極部が円形状であり、かつ、前記第2、第3、第5及び第6の電極部が扇形状であることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜弾性波共振子。
  5. 前記第1及び第4の電極部が円形状であり、かつ、前記第2、第3、第5及び第6の電極部が扇形状であることを特徴とする、請求項2に記載の薄膜弾性波共振子。
  6. 前記第1から第6の電極部がすべて多角形状であることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜弾性波共振子。
  7. 前記第1から第6の電極部がすべて多角形状であることを特徴とする、請求項2に記載の薄膜弾性波共振子。
  8. 前記第1の電極部の円中心と前記第2及び第3の電極部の円弧中心とが一致し、かつ、前記第4の電極部の円中心と前記第5及び第6の電極部の円弧中心とが一致していることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜弾性波共振子。
  9. 前記第1の電極部の円中心と前記第2及び第3の電極部の円弧中心とが一致し、かつ、前記第4の電極部の円中心と前記第5及び第6の電極部の円弧中心とが一致していることを特徴とする、請求項2に記載の薄膜弾性波共振子。
  10. 前記支持部は、キャビティが設けられた基板で構成され、当該キャビティの上に前記第4から第6の電極部が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜弾性波共振子。
  11. 前記支持部は、基板と、基板上にキャビティを形成するために積層された支持層とで構成され、当該キャビティの上に前記第4から第6の電極部が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜弾性波共振子。
  12. 前記支持部は、基板と、音響的に高インピーダンスとなる層と低インピーダンスとなる層とが交互に積層されてなる音響ミラーとで構成され、当該音響ミラーの上に前記第4から第6の電極部が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜弾性波共振子。
  13. 前記第1の電極部と前記第2の電極部との間隔及び前記第1の電極部と前記第3の電極部との間隔は、前記圧電体の厚さ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜弾性波共振子。
  14. 所定の周波数で振動する薄膜弾性波共振子であって、
    圧電体と、
    前記圧電体の一方面上に形成された第1の電極部と、
    前記第1の電極部の外側に前記第1の電極部と絶縁された位置で、前記圧電体の一方面上に形成された第2の電極部と、
    前記第1の電極部の外側に前記第1の電極部及び前記第2の電極部と絶縁された位置で、前記圧電体の一方面上に形成された第3の電極部と、
    前記圧電体の一方面と対向する他方面上に、前記第1の電極部及び前記第3の電極部と対称的な位置に形成された第4の電極部と、
    前記第4の電極部と絶縁され、かつ、前記第2の電極部と対称的な位置で、前記圧電体の他方面上に形成された第5の電極部と、
    基板を少なくとも構成に含み、前記圧電体及び前記第1〜第5の電極部で形成される構成を支持する支持部とを備え、
    前記第1の電極部に電気信号が入力され、前記第3の電極部と前記第5の電極部から電気信号が出力されるか、又は前記第3の電極部と前記第5の電極部に電気信号が入力され、前記第1の電極部から電気信号が出力されることを特徴とする、薄膜弾性波共振子。
  15. 前記第1の電極部が円形状であり、かつ、前記第2及び第3の電極部が扇形状であることを特徴とする、請求項14に記載の薄膜弾性波共振子。
  16. 前記第1から第3の電極部が多角形状であることを特徴とする、請求項14に記載の薄膜弾性波共振子。
  17. 前記第1の電極部の中心と前記第2及び第3の電極部の中心とが一致していることを特徴とする、請求項14に記載の薄膜弾性波共振子。
  18. 前記支持部は、キャビティが設けられた基板で構成され、当該キャビティの上に前記第4及び第5の電極部が配置されていることを特徴とする、請求項14に記載の薄膜弾性波共振子。
  19. 前記支持部は、基板と、基板上にキャビティを形成するために積層された支持層とで構成され、当該キャビティの上に前記第4及び第5の電極部が配置されていることを特徴とする、請求項14に記載の薄膜弾性波共振子。
  20. 前記支持部は、基板と、音響的に高インピーダンスとなる層と低インピーダンスとなる層とが交互に積層されてなる音響ミラーとで構成され、当該音響ミラーの上に前記第4及び第5の電極部が配置されていることを特徴とする、請求項14に記載の薄膜弾性波共振子。
  21. 前記第1の電極部と前記第2及び第3の電極部との間隔は、前記圧電体の厚さ以上であることを特徴とする、請求項14に記載の薄膜弾性波共振子。
  22. 複数の薄膜弾性波共振子からなるフィルタであって、
    前記複数の薄膜弾性波共振子のうち少なくとも1つが、請求項1〜21のいずれか1項に記載の薄膜弾性波共振子である、フィルタ。
  23. 請求項22に記載のフィルタを備えた、通信機器。
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