JPWO2006059573A1 - 色彩調整装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

色彩調整装置(100)は、画像特徴量取得手段(10)、特定色領域決定手段(20)、色補正手段(30)を備える。画像特徴量取得手段(10)は、入力画像の平均輝度又は付加情報から入力画像の画像特徴量を取得する。特定色領域決定手段(20)は、この画像特徴量に基づいて、特定色領域を決定する。色補正手段(30)は、特定色領域を参照して、入力画像の入力色と特定色との類似度を演算し、入力画像の入力色を少なくとも1つの特定色について色彩調整する。入力画像中の面積が比較的広く特定色と同系統の色を持った領域が、特定色の領域と誤認されることがない。

Description

本発明は、テレビジョン装置、携帯端末、コンピュータ画面、カラープリンタ等、カラー表示装置の色彩を調整する色彩調整装置及びその方法に関する。特に、入力された画像の色彩を特定色について調整する技術に関するものである。
従来の色彩調整装置(例えば、テレビジョン装置に搭載されているもの)では、アナログ映像信号のクロマの位相やレベル、あるいは、輝度のレベルを調整することで所望の色に合わせる全体的な色彩調整を行っている。
人間が記憶している肌色、青空等の色は、「記憶色」と呼ばれ、実物の色とは異なっていることが知られている。このような記憶色を表示するような、いわゆる「好ましい色再現」においては、例えば、肌色と青空色等を独立に所望の色へ調整することが必要となる。
本明細書において、「特定色」とは、記憶色のように、個別に色彩調整される色である。
色彩調整に関し、特許文献1は、色相成分と彩度成分とを示す色度平面内で、基準色度との差に応じて重み係数を決定し、重み係数に応じて色彩調整を行う技術を開示している。
また、特許文献2は、指定色相との近似度を表す特色度hcを求め、入力(R,G,B)に対する調整係数を(a1,a2,a3)とし、調整された出力を(R’,G’,B’)とすると、(R’,G’,B’)=(R,G,B)+hc×(a1,a2,a3)
となる色彩調整を行う技術を開示している(記号「×」は、乗算記号)。
特許文献1と特許文献2が開示する技術を用いて色彩調整を行う場合、特定色は予め固定値として設定されている。しかしながら、入力画像中の肌色、青空等の特定色は、照明や撮影シーンの条件(明るい照明か暗い照明か、昼の景色か夜の景色かなどの条件)により、色空間上での分布が異なる。したがって、固定的な特定色の設定では、照明や撮影シーンの条件が異なる入力画像に対して、すべてを所望の色へ調整することが困難である。
さらに、特許文献3は、図19に示す色補正装置1を開示している。図19に示す従来の色補正装置1は、代表色抽出手段2、色補正パラメータ決定手段3、色補正処理手段4、対象物色情報記憶メモリ5、色抽出パラメータ記憶メモリ6、及び、対象物選択手段7を備える。対象物色情報記憶メモリ5は、特定対象物の色分布可能範囲を分割して得られる分割色領域とその分布頻度を格納する。色抽出パラメータ記憶メモリ6は、分割色領域ごとに与えられる色補正パラメータを格納している。代表色抽出手段2は、対象物色情報記憶メモリ5に格納されている分割色領域を参照して、入力画像の代表色を抽出し、色補正パラメータ決定手段3は、色抽出パラメータ記憶メモリ6に格納されている色補正パラメータを参照して、入力画像に対する色補正パラメータを決定し、色補正処理手段4は色補正処理を行う。
図19に示す色補正装置1では、肌色を特定色として補正する場合、予め設定された特定色候補範囲の中に存在する画素の分布を色空間上にマッピングして、頻度が高い色を特定色とすることで、照明条件等の影響を少なくしている。しかし、肌色系統の色は自然界にいくらでも存在するため、面積の比較的大きい領域の肌色に近い色を、特定色と誤って識別するなどの問題点がある。
特開平6−78320号公報 特開平10−198795号公報 特開2001−92956号公報
そこで本発明は、照明や撮影シーンの条件が変化しても、撮影された入力画像を所望の色へ調整することができる色彩調整装置及び方法を提供することを目的とする。
第1の発明に係る色彩調整装置は、入力されたカラー画像から、カラー画像の特徴を表現する値を画像特徴量として取得する画像特徴量取得手段と、画像特徴量に基づいて、カラー画像に応じて定められる特定色を含む色空間における任意の領域を、特定色領域として求める特定色領域決定手段と、カラー画像の入力色の内、特定色領域中に存在する入力色を補正する色補正手段とを備える。
この構成によれば、入力画像の色分布に影響を与える画像特徴量に基づいて、肌色、青空色、緑色などの特定色領域が定められるので、画像中に特定色に近い色をした面積が比較的大きいオブジェクトがあっても、そのオブジェクトの色を特定色と誤認することが防止できる。その結果、どのようなカラー画像に対しても、画質が良好な色彩調整を実行できる。
第2の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量取得手段は、画像特徴量の算出対象となる色成分が色空間において分布可能な範囲を色空間分布可能範囲として格納する第1記憶手段と、入力色が第1記憶手段に格納されている色空間分布可能範囲に含まれるか否かを判定し、入力色が色空間分布可能範囲に含まれる場合は、入力色を選択して出力する選択手段と、選択手段が出力した入力色を用いて、画像特徴量を演算する特徴量演算手段とを有する。
この構成によれば、入力画像の入力色を、予め定めた画像特徴量の算出対象となる色成分の色空間における分布可能範囲と比較して、その結果から入力画像の特徴量を取得できる。したがって、入力画像の撮影条件などの付加情報がなくても、好適な色彩調整を実行できる。
第3の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量取得手段は、画像特徴量の算出対象となる画素が画面上において分布し得る範囲を画面分布可能範囲として格納する第2記憶手段と、画面上の被調整対象画素が、第2記憶手段に格納されている画面分布可能範囲に含まれるか否かを判定し、被調整対象画素が画面分布可能範囲に含まれる場合は、被調整対象画素の入力色を選択して出力する選択手段と、選択手段が出力した入力色を用いて、画像特徴量を演算する特徴量演算手段とを有する。
この構成によれば、入力画像の画面上の特定の領域の入力色から画像特徴量を演算できる。したがって、例えば、テレビ電話などの中央に顔が映し出される画像に対して、特定の領域を画面の中央付近に設定すれば、簡便にして好適な色彩調整を実行できる。
第4の発明に係る色彩調整装置では、特定色領域決定手段は、基準となる被調整対象物像の色空間における領域を特定色基準領域として格納する特定色基準領域記憶手段と、特定色基準領域記憶手段に格納されている特定色基準領域を、画像特徴量に基づいて、特定色領域に変換する特定色領域変換手段とを有する。
第5の発明に係る色彩調整装置では、特定色領域決定手段は、画像特徴量に基づいて、特定色を中心とした広がりのある領域に対して、特定色らしさを表す重み係数を用いて特定色領域を決定する。
これらの構成によれば、予め定められた基準となる特定色とその近傍の領域を、画像特徴量に基づいて特定色領域に変換することにより、入力画像の入力色を特定色についてのみ、誤認なく色彩調整できる。
第6の発明に係る色彩調整装置では、色補正手段は、入力色と特定色との類似度を示す類似度係数を、特定色領域決定手段が求めた特定色領域を表す重み係数を用いて演算し、特定色領域中に存在する入力色を、類似度係数と所定の調整量とを用いて補正する。
第7の発明に係る色彩調整装置では、所定の調整量は、輝度軸に沿った調整量と、彩度軸に沿った調整量と、色相軸に沿った調整量とで与えられ、色補正手段は、類似度係数を用いて、特定色領域中に存在する入力色を、輝度、彩度、及び、色相についてそれぞれ補正する。
これらの構成によれば、入力画像の入力色の特定色らしさを考慮して、入力画像を自然な形で色彩調整できる。
第8の発明に係る色彩調整装置では、色補正手段は、色補正手段の出力画像が表示される視環境に関する視環境情報に基づいて、入力色を補正する。
この構成によれば、出力画像が表示される視環境の状態、例えば、明るさの程度を、視環境情報として取り込み、その情報に基づいて、入力色を補正することができる。
第9の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量は、カラー画像の入力色の統計量に基づいて定められる。
第10の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量は、カラー画像の平均輝度と色温度のうちの少なくとも一つである。
これらの構成によれば、撮影条件、照明条件などによって輝度や色温度が変化している入力画像に対しても、入力色を統計処理することにより、適正な画像特徴量を抽出できる。その結果、どのようなカラー画像に対しても、画質が良好な色彩調整を実行できる。
第11の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量は、カラー画像の撮影情報や編集情報などの付加情報により変更される。
第12の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量は、カラー画像の放送、DVD、静止画などの種類を表すソース情報により変更される。
これらの構成によれば、与えられた付加情報またはソース情報を参照して、適正な画像特徴量を抽出できる。その結果、どのようなカラー画像に対しても、画質が良好な色彩調整を比較的簡便に実行できる。
第13の発明に係るの色彩調整装置では、重み係数は、色空間における特定色において最大値をとり、特定色から離れるにつれ最大値から減少する特性を有する。
第14の発明に係る色彩調整装置では、重み係数は、輝度軸に沿った重み係数と、彩度軸に沿った重み係数と、色相軸に沿った重み係数とで定められる。
これらの構成によれば、特定色を中心にした、理にかなった重み係数を用いることができる。
第15の発明に係る色彩調整装置は、ユーザが入力色の補正の程度を選択できる補正量選択手段をさらに備える。
第16の発明に係る色彩調整装置では、補正量選択手段は、特定色領域決定手段が求めた特定色領域の広がりの程度を変更する。
第17の発明に係る色彩調整装置では、補正量選択手段は、色補正手段が求めた入力色の補正の程度を変更する。
これらの構成によれば、ユーザの好みに合わせて色彩調整の程度を設定できるので、色彩調整後の画像に対して、ユーザの高い満足度が得られる。
第18の発明に係る色彩調整装置は、ユーザが、予め設定されている複数の指定地域の内の一つを選択して、特定色を指定地域との関連において調整できる地域指定手段をさらに備える。
この構成によれば、本発明の色彩調整装置が使用される地域を、ユーザが指定することにより、ユーザの民族性や地域性に合致した記憶色を特定色として指定することが可能となる。その結果、色彩調整後の画像に対して、世界各地のユーザのより高い満足度が得られる。
本発明によれば、照明や撮影シーンの条件が変化しても、撮影された入力画像を所望の色へ調整することが容易である。
図1は本発明の実施の形態1における色彩調整装置のブロック図である。 図2は本発明の実施の形態1において用いる色空間(y、c、h)と特定色領域を表す図である。 図3(a)は本発明の実施の形態1の色相についての重み係数khの例示図である。図3(b)本発明の実施の形態1の彩度についての重み係数kcの例示図である。図3(c)本発明の実施の形態1の輝度についての重み係数khの例示図である。 図4は本発明の実施の形態1における重み係数khの中心P1、下限P2、上限P3と画像特徴量Qの関係図である。 図5は本発明の実施の形態1における特定色領域決定手段のブロック図である。 図6は本発明の実施の形態2における色彩調整装置のブロック図である。 図7は本発明の実施の形態2における色空間分布可能範囲AQを示す図である。 図8は本発明の実施の形態2における別の色空間分布可能範囲AQを示す図である。 図9は本発明の実施の形態3における色彩調整装置のブロック図である。 図10は本発明の実施の形態3における画面分布可能範囲BQを示す図である。 図11は本発明の実施の形態3における別の画面分布可能範囲BQを示す図である。 図12は本発明の実施の形態4における色彩調整装置のブロック図である。 図13は本発明の実施の形態4におけるソース情報と重み係数αの対応を示す図である。 図14は本発明の実施の形態4におけるユーザが選択した調整量と調整重み係数β、γの関係を示す図である。 図15は本発明の実施の形態5における色彩調整装置のブロック図である。 図16は本発明の実施の形態5における地域指定と特定色の関係図である。 図17は本発明の実施の形態6における色彩調整装置のブロック図である。 図18は本発明の実施の形態7における色彩調整装置試験用のカラーパッチの例示図である。 図19は従来の色補正装置のブロック図である。
符号の説明
1 色補正装置
2 代表色抽出手段
3 色補正パラメータ決定手段
4 色補正処理手段
5 対象物色情報記憶メモリ
6 色抽出パラメータ記憶メモリ
7 対象物選択手段
10 画像特徴量取得手段
11 選択手段
12 特徴量演算手段
13 第1記憶手段
14 第2記憶手段
20 特定色領域決定手段
21 特定色基準領域記憶手段
22 特定色領域変換手段
30 色補正手段
40 調整量選択手段
42 地域指定手段
50 画面
60a、60b、60c カラーパッチ
80 画像データ入力端子
81 付加情報入力端子
82 視環境情報入力端子
90 画像データ出力端子
100、200、300、400、500、600 色彩調整装置
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における色彩調整装置100のブロック図である。本形態の色彩調整装置100は、画像特徴量取得手段10、特定色領域決定手段20、及び、色補正手段30を備える。
画像データ入力端子80には入力画像が入力され、付加情報入力端子81には、入力画像の制作状況(照明条件、撮影条件、複写条件、記録再生条件など)を表現する付加情報が入力される。
画像特徴量取得手段10は、入力された入力画像それ自身から、入力画像の平均輝度、色温度などを画像特徴量として算出する。または、付加情報から、入力された入力画像の平均輝度、色温度などを画像特徴量として取得する。
特定色領域決定手段20は、画像特徴量取得手段10が出力した画像特徴量に基づいて、特定色領域を決定する。
色補正手段30は、特定色領域決定手段20が出力した特定色領域を参照して、入力画像の入力色と特定色との類似度を算出する。次に、算出した類似度に基づいて、入力画像の入力色を、特定色について色彩調整し、画像データ出力端子90に出力画像として出力する。
このように、本形態の色彩調整装置100は、カラー画像の入力色に対し、少なくとも1つの特定色についての色彩調整を実行する。
以下の説明において、本形態の色彩調整装置100では、入力画像のデータは、輝度信号と色差信号であるYCbCr信号を極座標表示した値(y,c,h)で与えられるものとする。すなわち、色空間(y、c、h)は、図2に示すように、輝度y、彩度c、色相hの3成分によって定義される。図2は、本発明の実施の形態1において用いる色空間(y、c、h)と特定色領域を表す図である。
また、本発明で言う「特定色」とは、色空間(y、c、h)上のある点(代表値)を表し、「特定色領域」とは、色空間(y、c、h)上で特定色の代表値を中心とした広がりを持った領域のことを指す。例えば、図2に示す領域SQが、これに相当する。
「画像特徴量」とは、入力画像の色分布に影響を与えている因子である。一般に、画像の色分布は、撮影条件(入力機器の種類や照明の明るさなど)、伝送条件、あるいは、記録再生条件により、実際の被写体の色分布とは異なっている。
例えば、屋内照明の明るさは数百ルクスであるが、屋外の明るさは数万ルクスにも達し、照明下における物体の明るさは、屋内照明の明るさの数千〜数万倍にもなり得る。従って、画像の明るさレベルは、通常、入力機器により入力ダイナミックレンジに正規化されている。また、照明の色温度により、入力画像の色分布は大きく変動し、入力機器により補正されることが多い。つまり、入力画像の明るさに対する正規化の程度や、色温度に対する補正の程度は、入力画像が制作されるときの条件により様々である。
従って、本発明では、被写体の色分布と入力画像の色分布との違いに影響を与える値、すなわち、カラー画像の色空間における特徴を、画像特徴量として取得し、取得した画像特徴量に基づいて、色彩調整の対象となる特定色を決定する。画像特徴量は、種々の量を取りうるが、本形態では、入力画像の平均輝度から求めている。
本形態の画像特徴量取得手段10は、入力画像の輝度yから入力画像の画像特徴量Qを計算する。画像特徴量Qは、(数1)の演算により、入力画像1フレームごとの統計量である平均輝度として求められる。ここで、定数「n」は、1フレームを構成する画素数、変数「yi」は、i番目の画素の輝度yである。
Figure 2006059573
図1に示す特定色領域決定手段20は、画像特徴量Qに基づいて、色空間において特定色を中心とした広がりのある領域を、特定色らしさを有する特定色領域として定義する。すなわち、特定色領域は、特定色らしさを表す重み係数kを用いて表現する。図3(a)は、本発明の実施の形態1の色相についての重み係数khの例示図であり、図3(b)は、同じく彩度についての重み係数kcの例示図であり、図3(c)は、同じく輝度についての重み係数kyの例示図である。図3(a)、(b)、(c)は、図2に示す色空間(y、c、h)の各主軸について示したものである。
本形態では、色相についての重み係数khが、色彩を調整する上で重要な意味を有する。本形態では、肌色を特定色(yx,cx,hx)としており、色相軸において、肌色に相当する中心P1(h=hx)において、重み係数khは、最大値「1」となり、色相軸において、この中心P1から離れた下限P2と上限P3において、重み係数khは、最小値「0」となる。
すなわち、特定色領域決定手段20は、色相が、特定色(yx,cx,hx)の色相hxと一致する場合は、重み係数kyを最大値「1」とし、特定色から下限P2側、あるいは、特定色から上限P3側に、離れるにつれて、重み係数khは、なだらかに減少するように定める。
図4は、本発明の実施の形態1における重み係数khの中心P1、下限P2、上限P3と画像特徴量Qの関係図である。重み係数khの中心P1、下限P2、上限P3は、画像特徴量Qの関数として、図4のように与えられる。すなわち、画像特徴量Qに対応して、重み係数khの中心P1、下限P2、上限P3が決定され、その結果、特定色領域が一意に決定される。図4に示すように、画像特徴量Qを有する入力画像の平均輝度が増すに従い、特定色領域は、より高い色相の領域に移動していることが分かる。
図1に示す特定色領域決定手段20は、色相hと同様に、彩度c及び輝度yについても、図3(b)及び図3(c)にそれぞれ示すように、彩度についての重み係数kcと輝度についての重み係数kyを定める。
特定色領域決定手段20は、以上のように、各重み係数ky,kc,khを定めた後、次の(数2)により、入力色の色補正に使用する出力重み係数kを定める。
Figure 2006059573
ここに、記号「×」は、乗算演算子である。
このように、特定色領域は、画像特徴量Qの関数としての、輝度軸に沿った重み係数kyと、彩度軸に沿った重み係数kcと、色相軸に沿った重み係数khとを用いて、決定される。
なお、特定色領域決定手段20は、特定色領域を決定する出力重み係数kとして、(数2)のような関数を必ずしも用いなくても良い。代わりに、特定色領域決定手段20は、出力重み係数kとして、特定色からの色空間における距離が離れるにつれて、その値が減少するような係数を与えることができれば実用上十分である。
また、肌色、青空色、緑色等の基準となる特定色領域の座標値と、それに対応する重み係数とを予めルックアップテーブルに記憶しておき、画像特徴量Qを考慮して、座標値を与えることにより、対応する重み係数を取得できる重み係数用のルックアップテーブルを採用することも可能である。この方法によれば、3次元色空間上で自由な形状の領域を特定色領域とすることができ、好適である。
図5は、本発明の実施の形態1における特定色領域決定手段20のブロック図である。図5に示すように、特定色領域決定手段20は、特定色基準領域記憶手段21と特定色領域変換手段22を有し、特定色領域決定手段20が行う処理内容を、特定色基準領域記憶手段21と特定色領域変換手段22とに、分担させることができる。
この場合、特定色基準領域記憶手段21は、図4に示す画像特徴量Qが、基準となる基準画像特徴量Q0の位置での重み係数khの基準中心P01、基準下限P02、基準上限P03の値を、色彩に関する特定色基準領域として格納している。同様に、特定色基準領域記憶手段21は、彩度c及び輝度yについての基準値をそれぞれ、彩度に関する特定色基準領域及び輝度に関する特定色基準領域として格納している。
また、特定色領域変換手段22は、特定色基準領域記憶手段21に格納されている特定色基準領域を参照しつつ、上述した特定色領域決定手段20が行うその他の機能を分担する。
次に、図1に示す色補正手段30は、まず、特定色領域を参照して、入力画像の入力色と特定色との類似度を算出する。すなわち、特定色に対する類似度を表す特定色類似度係数は、入力色が特定色と等しいとき最大値をとり、色空間上で入力色が特定色から離れるにつれ、特定色領域を定義している重み係数に従い減少し、特定色領域外では、「0」となる特性を有する。言い換えれば、特定色類似度係数は、入力色が特定色領域内にあるときは、特定色領域を定義している色相についての重み係数kh、彩度についての重み係数kc、及び、色相についての重み係数khによって与えられる出力重み係数k((数2))に比例し、特定色領域外では、「0」である。
色補正手段30は、特定色類似度係数に上述した出力重み係数kを用いて、入力色を特定色に関して補正する。(この場合、特定色類似度係数と出力重み係数kとは、1対1の比例関係にあるとしている。)すなわち、色補正手段30は、特定色に対する調整量を特定色調整量δ(δy,δc,δh)として設定して、入力色(y,c,h)に対する補正後の出力色(y’,c’,h’)を、次の3式((数3)〜(数5))にしたがって演算する。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
特定色類似度係数(本形態では、出力重み係数kに等しい)と特定色調整量δとは、上述したような演算で求めることもできるが、ルックアップテーブルを利用して求めた方が、処理を高速化でき、好適である。ルックアップテーブルを利用する場合、(数3)〜(数5)の演算は、それぞれ、(数6)〜(数8)に置き換える。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
(数6)〜(数8)において、kLUT(y、c、h)は、入力色(y,c,h)を引数として、特定色類似度係数kLUTがルックアップテーブルから求まることを表す。δyLUT(y、c、h)は、入力色(y,c,h)を引数として、特定色調整量δの輝度成分δyLUTがルックアップテーブルから求まることを表す。δcLUT(y、c、h)は、入力色(y,c,h)を引数として、特定色調整量δの彩度成分δcLUTがルックアップテーブルから求まることを表す。δhLUT(y、c、h)は、入力色(y,c,h)を引数として、特定色調整量δの色相成分δhLUTがルックアップテーブルから求まることを表す。
以上説明した実施の形態1の色彩調整装置100は、次の効果を有している。
(効果1)入力画像に照明条件の変動(明るい照明か、暗い照明か)や、撮影条件の変化(昼のシーンか、夜のシーンか)等がある場合でも、本形態の色彩調整装置100は、入力画像を容易に所望の色へ調整することができる。
(効果2)本形態の色彩調整装置100は、入力画像中の面積が比較的広く特定色と同系統の色を持った領域を、特定色の領域と誤認することがない。
(効果3)本形態の色彩調整装置100は、入力画像に応じて、特定色領域を自動的に決定するため、動画像をリアルタイムに調整することができる。
(効果4)本形態の色彩調整装置100では、照明条件の変動等を強制的に抑制するために、あらかじめ入力画像のホワイトバランス校正、ゲインコントロール等を行う必要がない。従って、画像製作者の照明条件等の意図を保持したまま、記憶色等の特定色を所望の色へ調整できる。
なお、本形態の色彩調整装置100では、画像特徴量として輝度の平均値を用いたが、平均値ではなく、最大値、最頻出値、分散値等、輝度に関する他の統計情報を用いてもよい。
また、本形態の色彩調整装置100では、画像特徴量として輝度に関する統計量を用いたが、彩度、色相、色温度、RGB値等、入力色から変換可能な色情報であれば他の統計量を用いてもよい。たとえば、色温度を用いることにより、夕焼けなどのシーンの色温度に応じた特定色の調整が可能となる。また、輝度、色温度等、複数の統計量を画像特徴量として用いても良い。
本形態の色彩調整装置100では、画像特徴量は、画像1フレームごとに更新されているが、数フレームに1回更新してもよい。あるいは、画像特徴量は、フレームの変化に対し、緩やかに追従するように、再帰型フィルタ等を用いて更新してもよい。画像特徴量を緩やかに追従させることにより、調整量の急激な変化を抑え、調整による動画像のちらつきを抑制できる。
また、本形態の色彩調整装置100では、数フレームを先読みして画像特徴量を取得し、その中の1フレームのみが他と異なる画像特徴量を示す場合には、そのフレームに対して、特定色領域を変更しないようにすることもできる。この結果、調整量の急激な変化を抑え、調整による動画像のちらつきを抑制できる。
さらに、本形態の色彩調整装置100では、画像特徴量を再帰型フィルタ等を用いて更新するのではなく、特定色領域を再帰型フィルタ等を用いて更新しても良い。このようにしても、調整量の急激な変化を抑え、調整による動画像のちらつきを抑制できる。
本形態の色彩調整装置100では、色補正手段30は、少なくとも1フレーム分のバッファを持っていても良い。フレームバッファを持ち、色補正を1フレームだけ遅延させることにより、ある時点の特定色領域を決定する条件となったフレームと、色補正を行うフレームとを一致させることが可能となる。
本形態の特定色領域は、肌色だけであったが、特定色領域は、青空色や緑色等をさらに含む複数の領域であっても良い。
本形態の画像特徴量は、入力画像の統計情報より求めたが、入力画像の撮影情報や編集情報などの付加情報があれば、その付加情報を画像特徴量として用いても良い。
なお、本形態の色彩調整装置100は、色空間としてYCbCr色空間を用いたが、色空間は、RGB,CMYK,CIE−LAB,HSV等の他の色空間を用いても良い。例えば、CIE−LAB色空間を用いる場合、色空間における距離と人間が感じる色の差異の度合いが比例するため、特定色領域を決定するのが簡単になる。また、YCbCrやHSVなどの輝度、彩度、色相の3属性であらわされる色空間を用いる場合、ユーザにとって調整量が直感的であるので、調整量を決定するのが簡単になる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における色彩調整装置200のブロック図である。図6において、図1と同様な構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置200は、画像特徴量取得手段10、特定色領域決定手段20、及び、色補正手段30を備え、画像特徴量取得手段10は、選択手段11、特徴量演算手段12、及び、第1記憶手段13を有する。
本形態の色彩調整装置200の画像特徴量取得手段10について、以下に詳しく説明する。
第1記憶手段13は、画像特徴量の算出対象となる色成分が色空間(y、c、h)において分布し得る範囲を、色空間分布可能範囲として格納している。図7は、本発明の実施の形態2における色空間分布可能範囲AQを示す。図7に示す色空間分布可能範囲AQは、彩度が低く輝度が高い色空間の領域に設定されている。
選択手段11は、第1記憶手段13に格納されている色空間分布可能範囲AQを参照して、画像データ入力端子80から入力された入力画像の入力色が色空間分布可能範囲AQにあるかどうかを判定する。選択手段11は、その入力色が色空間分布可能範囲AQにあると判定した場合、その入力色を選択して、画像特徴量の算出対象の色成分として、特徴量演算手段12に出力する。
特徴量演算手段12は、選択手段11から出力された入力色の輝度成分をもちいて、画像特徴量Qを次式にしたがって演算する。
Figure 2006059573
ここで、変数「yi」は、選択手段11より出力された入力色を有しているi番目の画素の輝度であり、定数「m」は、選択手段11より出力された入力色を有している画素の総数である。
本形態の色彩調整装置200では、画像特徴量取得手段10は、上述したように、入力画像の入力色が色空間分布可能範囲AQにあるかどうかを判定して、色空間分布可能範囲AQにある入力色を用いて画像特徴量Qを求める。特定色領域決定手段20は、このようにして求めた画像特徴量Qを用いて、特定色領域を決定する。色補正手段30は、特定色領域決定手段20によって決定された特定色領域を参照して、入力画像の入力色と特定色との類似度を表す特定色類似度係数を算出し、入力色を特定色に関して補正する。特定色領域決定手段20と色補正手段30の動作は、本発明の実施の形態1と同様であり、詳しい説明は省略する。
本形態の色彩調整装置200では、入力画像の色分布に影響を与える色彩は、彩度が低く輝度が高いものと仮定して、色空間分布可能範囲AQを、図7に示すように、彩度が低く輝度が高い色空間の領域に設定している。従って、画像特徴量Qの算出には、色空間分布可能範囲AQの内部にある入力色のみを用いた統計情報((数9)により算出された平均値)を利用しており、その結果、画像特徴量Qの算出精度が向上し、良好な色彩調整を行うことが可能となっている。例えば、黒っぽい大きな被写体の像が画面の大半を占めている場合において、本形態の色彩調整装置200では、その像以外の明るい部分の画像のみから、画像特徴量Qを算出することができるので、画像特徴量Qの算出精度が向上する。
なお、本形態の色彩調整装置200では、入力画像の色分布に影響を与え色彩は、彩度が低く輝度が高いと仮定しているが、色空間分布可能範囲AQは、これに限定されるものではなく、画像特徴量Qの精度を向上させる他の仮定に基づいてもよい。例えば、図8に示すように、高輝度の色空間に彩度と色相に無関係に色空間分布可能範囲AQを設定することもできる。こうすることによって、画像特徴量取得手段10は、入力画像の入力色が、色空間分布可能範囲AQにあるかどうかの判定を、輝度成分のみを用いて行うことができ、処理が簡単になる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3における色彩調整装置300のブロック図である。図9において、図1と同様な構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置300は、画像特徴量取得手段10、特定色領域決定手段20、及び、色補正手段30を備え、画像特徴量取得手段10は、選択手段11、特徴量演算手段12、及び、第2記憶手段14を有する。
本形態の色彩調整装置300の画像特徴量取得手段10について、以下に詳しく説明する。
第2記憶手段14は、画像特徴量の算出対象となる画素が画面上において分布し得る範囲を、画面分布可能範囲として格納している。図10は、本発明の実施の形態3における画面分布可能範囲BQを示す。図10に示す例では、画面分布可能範囲BQは、画面50の中央部分の円形の領域に設定されている。この領域は、テレビ電話などの画像において、人物の顔の像が比較的多く位置する領域である。
選択手段11は、第2記憶手段14に格納されている画面分布可能範囲BQを参照して、画像データ入力端子80から入力された入力画像の画素が画像分布可能範囲BQにあるかどうかを判定し、入力画像の画素が画像分布可能範囲BQにあると判定された場合、その画素の入力色を選択して特徴量演算手段12に出力する。
特徴量演算手段12は、選択手段11から出力された入力色の輝度成分を用いて、画像特徴量Qを次の(数10)にしたがって算出する。
Figure 2006059573
ここで、変数「yi」は、選択手段11より出力された入力色を有しているi番目の画素の輝度であり、定数「m」は、選択手段11より出力された入力色を有している画素の総数、すなわち、画像分布可能範囲BQ内にある画素数である。
本形態の色彩調整装置300では、入力画像の色分布に影響を与える色彩は、画面50の中央付近に集中していると仮定している。従って、画像特徴量Qの算出には、画面分布可能範囲BQの内部にある画素のみの入力色を用いた統計情報((数10)により算出された平均値)を利用しており、その結果、画像特徴量Qの算出精度が向上し、良好な色彩調整を行うことが可能となっている。
なお、本形態の色彩調整装置300では、入力画像の色分布に影響を与える色彩は、画面50の中央付近の円形部分に集中していると仮定しているが、画面分布可能範囲は、これに限定されるものではなく、画像特徴量の精度を向上させる他の仮定に基づいてもよい。例えば、図11に示すように、画面50の中央部分の矩形の領域を画面分布可能範囲BQに設定することもできる。こうすれば、画面分布可能範囲BQに含まれる画素は、画素の番号のみで容易に認識できて便利である。
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4における色彩調整装置400のブロック図である。図12において、図1と同様な構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置400は、画像特徴量取得手段10、特定色領域決定手段20、色補正手段30、及び、調整量選択手段40を備える。
本形態の色彩調整装置400の付加情報入力端子81には、付加情報として、入力画像の種類(放送、DVD、静止画などの種類)を示すソース情報が入力される。本形態の色彩調整装置400は、このソース情報を利用して、画像特徴量Qを算定する。その具体例について以下に説明する。
ソース情報は、入力画像の種類を示している。入力画像の種類によって、画像特徴量Qを算定するための重み係数αが設定されている。図13は、ソース情報と重み係数αの対応を示す図である。入力画像のソースがDVDならば、α=1、Photo(写真)ならば、α=0、放送ならば、α=0.5である。
画像特徴量取得手段10は、先ず、入力画像を基に、本発明の実施の形態1と同様な方法で、入力画像の入力色の平均輝度を求め、画像特徴量Qを算定する。次に、画像特徴量取得手段10は、算定した画像特徴量Qと、平均画像特徴量Qaveと、ソース情報から求めた重み係数αとを用いて、修正画像特徴量Q’を、次式にしたがって演算する。
Figure 2006059573
ここに、平均画像特徴量Qaveは、多くの入力画像から経験的に求めた平均的な画像特徴量である。
このように、本形態の色彩調整装置400は、入力画像のソースがディジタルカメラ等の静止画(すなわち、photo)ならば、修正画像特徴量Q’を入力画像の画像特徴量Qと等しくし、入力画像のソースがDVDならば、修正画像特徴量Q’を平均画像特徴量Qaveに近い値に設定している。すなわち、本形態の色彩調整装置400は、入力画像のソースに応じて修正画像特徴量Q’の変化幅を制限することにより、特定色領域の変化量を抑制している。
次に、調整量選択手段40の動作について説明する。本形態の色彩調整装置400では、ユーザは、調整量選択手段40を使って、色彩調整の強弱を選択できる。
図14は、ユーザが選択した調整量と調整重み係数β及び調整重み係数γの関係を示す図である。ユーザが選択した色彩に関する調整量の「弱」、「中」、「強」に対応して、調整重み係数β及び調整重み係数γが図14に示すように設定される。
調整重み係数βは、調整量選択手段40から特定色領域決定手段20に送られ、調整重み係数γは、調整量選択手段40から色補正手段30に送られる。
特定色領域決定手段20は、調整量選択手段40から送られてきた調整重み係数βを用いて、特定色領域が定義される重み係数hkの中心P1、下限P2、上限P3を修正する。すなわち、特定色領域決定手段20は、本発明の実施の形態1の図4に示した画像特徴量Qを、本形態の画像特徴量取得手段10がソース情報を基に算出した修正画像特徴量Q’と読み替えて、重み係数hkの中心P1、下限P2、上限P3を、修正画像特徴量Q’の関数として決定する。さらに、特定色領域決定手段20は、決定された重み係数hkの中心P1、下限P2、上限P3を用いて、ユーザが選択した調整量を反映した新たな修正下限P2’と修正上限P3’をそれぞれ(数12)と(数13)にしたがって求める。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
本形態の色彩調整装置400では、ユーザが調整量として「弱」を選択すると、特定色領域が狭まり、「強」を選択すると特定色領域が広がることになる。
色補正手段30は、調整量選択手段40から送られてきた調整重み係数γと、本発明の実施の形態1で述べた特定色補正量δ(δy,δc,δh)とを用いて、(数14)〜(数16)にしたがって、新たな修正特定色補正量δ’(δy’,δc’,δh’)を求める。(数14)は、修正特定色補正量の輝度成分に関する式であり、(数15)は、修正特定色補正量の彩度成分に関する式であり、(数16)は、修正特定色補正量の色相成分に関する式である。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
本形態の色彩調整装置400では、ユーザが調整量として「弱」を選択すると、特定色補正量が減少し、「強」を選択すると特定色補正量が増加することになる。
さらに、色補正手段30は、上述したユーザの選択結果を反映した修正特定色領域を参照して、入力画像の入力色の特定色に対する類似度である特定色類似度係数としての修正出力重み係数k’を求める。そして、色補正手段30は、ユーザの選択結果を反映した、修正特定色補正量δ’(δy’,δc’,δh’)と修正出力重み係数k’とを用いて、(数17)〜(数19)にしたがって、入力色(y,c,h)を特定色に関して補正し、補正後の出力色(y’,c’,h’)を有する出力画像を画像データ出力端子90に出力する。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
以上説明したように、本形態の色彩調整装置400は、ソース情報を入力画像の付加情報として取得し、入力画像のソースの種類により画像特徴量Qの変化幅を制限することにより、特定色領域の変化量を抑制している。その結果、色彩調整装置400では、特定色領域の算出精度が向上し、良好な色彩調整を行うことができる。
さらに、本形態の色彩調整装置400では、ユーザの選択により、特定色補正量だけではなく、特定色領域も修正されることにより、特定色領域の境界付近の入力色に対しての補正が最適化され、より良好な色彩調整を行うことができる。
(実施の形態5)
図15は、本発明の実施の形態5における色彩調整装置500のブロック図である。図15において、図1と同様な構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置500は、画像特徴量取得手段10、特定色領域決定手段20、色補正手段30、及び、地域指定手段42を備える。
上述したように、本発明においては、「特定色」とは、記憶色のように、個別に色彩調整される色を指している。肌色に代表されるような記憶色は、民族や地域等によって異なることが知られている。
本形態の色彩調整装置500は、本装置が使用される地域を指定することにより、その地域で好まれる記憶色を特定色として指定できる。
図15と図16を参照して、本形態の色彩調整装置500の動作を概説する。
ユーザは、地域指定手段42を使って、ユーザのいる地域を選択する。地域指定手段42には、予め、図16に示すように、地域とその地域で好まれる特定色が関係付けられている。すなわち、ユーザが「地域1」を指定すると、「特定色1」が自動的に選択され、「特定色1」が地域指定手段42から特定色領域決定手段20に送られる。特定色領域決定手段20は、送られてきた「特定色1」に基づいて、特定色領域を決定する。
入力画像の入力色の補正に関するその後の動作は、本発明の実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
本形態の色彩調整装500を、例えばテレビに搭載すると、このテレビは、世界の各地でユーザの好む特定色を容易に設定できる。すなわち、ユーザは、本形態の地域指定手段42を介して、予め設定されている地域の中から、このテレビが使用される地域を指定すれば、その後は、このテレビは、各種の入力画像に対して、常にユーザに好まれる色補正を行って、画像を表示する。
このように、本形態の色彩調整装置500によれば、ユーザの民族性や地域性に合致した記憶色を特定色として指定することが可能となる。その結果、色彩調整後の画像に対して、世界各地のユーザのより高い満足度が得られる。
(実施の形態6)
図17は、本発明の実施の形態6における色彩調整装置500のブロック図である。図17において、図1と同様な構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置600は、本発明の実施の形態1で説明した色彩調整装置100に比べ、視環境情報入力端子82をさらに備える。
視環境情報入力端子82には、本形態の色彩調整装置600の出力画像が表示され視聴される環境に関する情報が、視環境情報として入力される。視環境情報は、具体的には、視聴される環境の照明の明るさや照明の色温度などである。
色補正手段30は、入力された視環境情報を基に、重み係数a(ay、ac、ah)を求める。
続いて、色補正手段30は、求めた重み係数a(ay、ac、ah)と、本発明の実施の形態1で述べた特定色補正量δ(δy,δc,δh)とを用いて、(数20)〜(数22)にしたがって、新たな修正特定色補正量ε(εy,εc,εh)を求める。(数20)は、修正特定色補正量の輝度成分に関する式であり、(数21)は、修正特定色補正量の彩度成分に関する式であり、(数22)は、修正特定色補正量の色相成分に関する式である。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
さらに、色補正手段30は、本発明の実施の形態1で述べた(数2)に示す入力色の色補正に使用する出力重み係数kと上述した修正特定色補正量εを用いて、(数23)〜(数25)にしたがって、入力色(y,c,h)を特定色に関して補正し、補正後の出力色(y’,c’,h’)を有する出力画像を画像データ出力端子90に出力する。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
以上述べたように、視環境により出力される画像の見え方が異なる場合、例えば、同じ物体の画像が電球照明下と蛍光灯照明下とで色の見え方が異なる場合でも、本形態の色彩調整装置600によれば、視環境情報を利用して入力画像の入力色を調整することにより、より自然な色に見えるようになる。
なお、視環境情報による入力色の調整においては、調整を行う色と調整を行わない色とを区別することも可能である。例えば、肌色は視環境情報にしたがって調整し、緑色と青空色は調整しないようにすることもできる。
(実施の形態7)
以上説明した、本発明の実施の形態1〜6の色彩調整装置において、色彩調整が正常に行われているかどうかを、簡便に試験できると好適である。
図18は、本発明の実施の形態7における色彩調整装置試験用のカラーパッチの例示図である。
図18において、領域61、62、63は、それぞれ色合いが異なる肌色1、肌色2、肌色3で塗られた領域である。領域64、65、66は、それぞれ色合いが異なる緑色1、緑色2、緑色3で塗られた領域である。領域67、68、69は、それぞれ色合いが異なる青空色1、青空色2、青空色3で塗られた領域である。
図18に示すカラーパッチ60a、60b、60cは、いずれも、前景に領域61〜69を有し、それぞれの背景が異なる明るさの色で塗られている。
本形態の色彩調整装置試験では、図18に示すカラーパッチ60a、60b、60cそれぞれを入力画像として、被試験色彩調整装置に順次入力する。試験の結果、カラーパッチ60a、60b、60cの順に背景の明るさ(すなわち、平均輝度)が変化することに伴って、色補正される領域(すなわち、特定色領域)が、領域61、62、63の順に変化することが観測できれば、色彩調整が正常に動作していることが確認できる。
本形態の色彩調整装置試験用のカラーパッチを用いれば、本発明の実施の形態1〜6の色彩調整装置100〜600が、正常に動作しているかどうかを簡便に確認できる。
以上説明したように、本発明の趣旨は、照明や撮影シーンの条件が変化しても、撮影された入力画像を所望の色へ容易に調整することでききる色彩調整装置及び色彩調整方法を提供することにあるのであって、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の適用が可能である。
本発明に係わる色彩調整装置は、例えば、テレビジョン装置、携帯端末、コンピュータ画面、カラープリンタ等が備えるカラー表示装置と、その応用分野において好適に利用できる。
本発明は、テレビジョン装置、携帯端末、コンピュータ画面、カラープリンタ等、カラー表示装置の色彩を調整する色彩調整装置及びその方法に関する。特に、入力された画像の色彩を特定色について調整する技術に関するものである。
従来の色彩調整装置(例えば、テレビジョン装置に搭載されているもの)では、アナログ映像信号のクロマの位相やレベル、あるいは、輝度のレベルを調整することで所望の色に合わせる全体的な色彩調整を行っている。
人間が記憶している肌色、青空等の色は、「記憶色」と呼ばれ、実物の色とは異なっていることが知られている。このような記憶色を表示するような、いわゆる「好ましい色再現」においては、例えば、肌色と青空色等を独立に所望の色へ調整することが必要となる。
本明細書において、「特定色」とは、記憶色のように、個別に色彩調整される色である。
色彩調整に関し、特許文献1は、色相成分と彩度成分とを示す色度平面内で、基準色度との差に応じて重み係数を決定し、重み係数に応じて色彩調整を行う技術を開示している。
また、特許文献2は、指定色相との近似度を表す特色度hcを求め、入力(R,G,B)に対する調整係数を(a1,a2,a3)とし、調整された出力を(R’,G’,B’)とすると、
(R’,G’,B’)=(R,G,B)+hc×(a1,a2,a3)
となる色彩調整を行う技術を開示している(記号「×」は、乗算記号)。
特許文献1と特許文献2が開示する技術を用いて色彩調整を行う場合、特定色は予め固定値として設定されている。しかしながら、入力画像中の肌色、青空等の特定色は、照明や撮影シーンの条件(明るい照明か暗い照明か、昼の景色か夜の景色かなどの条件)により、色空間上での分布が異なる。したがって、固定的な特定色の設定では、照明や撮影シーンの条件が異なる入力画像に対して、すべてを所望の色へ調整することが困難である。
さらに、特許文献3は、図19に示す色補正装置1を開示している。図19に示す従来の色補正装置1は、代表色抽出手段2、色補正パラメータ決定手段3、色補正処理手段4、対象物色情報記憶メモリ5、色抽出パラメータ記憶メモリ6、及び、対象物選択手段7を備える。対象物色情報記憶メモリ5は、特定対象物の色分布可能範囲を分割して得られる分割色領域とその分布頻度を格納する。色抽出パラメータ記憶メモリ6は、分割色領域ごとに与えられる色補正パラメータを格納している。代表色抽出手段2は、対象物色情報記憶メモリ5に格納されている分割色領域を参照して、入力画像の代表色を抽出し、色補正パラメータ決定手段3は、色抽出パラメータ記憶メモリ6に格納されている色補正パラメータを参照して、入力画像に対する色補正パラメータを決定し、色補正処理手段4は色補正処理を行う。
図19に示す色補正装置1では、肌色を特定色として補正する場合、予め設定された特定色候補範囲の中に存在する画素の分布を色空間上にマッピングして、頻度が高い色を特定色とすることで、照明条件等の影響を少なくしている。しかし、肌色系統の色は自然界にいくらでも存在するため、面積の比較的大きい領域の肌色に近い色を、特定色と誤って識別するなどの問題点がある。
特開平6−78320号公報 特開平10−198795号公報 特開2001−92956号公報
そこで本発明は、照明や撮影シーンの条件が変化しても、撮影された入力画像を所望の色へ調整することができる色彩調整装置及び方法を提供することを目的とする。
第1の発明に係る色彩調整装置は、入力されたカラー画像から、カラー画像の特徴を表現する値を画像特徴量として取得する画像特徴量取得手段と、画像特徴量に基づいて、カラー画像に応じて定められる特定色を含む色空間における任意の領域を、特定色領域として求める特定色領域決定手段と、カラー画像の入力色の内、特定色領域中に存在する入力色を補正する色補正手段とを備える。
この構成によれば、入力画像の色分布に影響を与える画像特徴量に基づいて、肌色、青空色、緑色などの特定色領域が定められるので、画像中に特定色に近い色をした面積が比較的大きいオブジェクトがあっても、そのオブジェクトの色を特定色と誤認することが防止できる。その結果、どのようなカラー画像に対しても、画質が良好な色彩調整を実行できる。
第2の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量取得手段は、画像特徴量の算出対象となる色成分が色空間において分布可能な範囲を色空間分布可能範囲として格納する第1記憶手段と、入力色が第1記憶手段に格納されている色空間分布可能範囲に含まれるか否かを判定し、入力色が色空間分布可能範囲に含まれる場合は、入力色を選択して出力する選択手段と、選択手段が出力した入力色を用いて、画像特徴量を演算する特徴量演算手段とを有する。
この構成によれば、入力画像の入力色を、予め定めた画像特徴量の算出対象となる色成分の色空間における分布可能範囲と比較して、その結果から入力画像の特徴量を取得できる。したがって、入力画像の撮影条件などの付加情報がなくても、好適な色彩調整を実行できる。
第3の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量取得手段は、画像特徴量の算出対象となる画素が画面上において分布し得る範囲を画面分布可能範囲として格納する第2記憶手段と、画面上の被調整対象画素が、第2記憶手段に格納されている画面分布可能範囲に含まれるか否かを判定し、被調整対象画素が画面分布可能範囲に含まれる場合は、被調整対象画素の入力色を選択して出力する選択手段と、選択手段が出力した入力色を用いて、画像特徴量を演算する特徴量演算手段とを有する。
この構成によれば、入力画像の画面上の特定の領域の入力色から画像特徴量を演算できる。したがって、例えば、テレビ電話などの中央に顔が映し出される画像に対して、特定の領域を画面の中央付近に設定すれば、簡便にして好適な色彩調整を実行できる。
第4の発明に係る色彩調整装置では、特定色領域決定手段は、基準となる被調整対象物像の色空間における領域を特定色基準領域として格納する特定色基準領域記憶手段と、特定色基準領域記憶手段に格納されている特定色基準領域を、画像特徴量に基づいて、特定色領域に変換する特定色領域変換手段とを有する。
第5の発明に係る色彩調整装置では、特定色領域決定手段は、画像特徴量に基づいて、特定色を中心とした広がりのある領域に対して、特定色らしさを表す重み係数を用いて特定色領域を決定する。
これらの構成によれば、予め定められた基準となる特定色とその近傍の領域を、画像特徴量に基づいて特定色領域に変換することにより、入力画像の入力色を特定色についてのみ、誤認なく色彩調整できる。
第6の発明に係る色彩調整装置では、色補正手段は、入力色と特定色との類似度を示す類似度係数を、特定色領域決定手段が求めた特定色領域を表す重み係数を用いて演算し、特定色領域中に存在する入力色を、類似度係数と所定の調整量とを用いて補正する。
第7の発明に係る色彩調整装置では、所定の調整量は、輝度軸に沿った調整量と、彩度軸に沿った調整量と、色相軸に沿った調整量とで与えられ、色補正手段は、類似度係数を用いて、特定色領域中に存在する入力色を、輝度、彩度、及び、色相についてそれぞれ補正する。
これらの構成によれば、入力画像の入力色の特定色らしさを考慮して、入力画像を自然な形で色彩調整できる。
第8の発明に係る色彩調整装置では、色補正手段は、色補正手段の出力画像が表示される視環境に関する視環境情報に基づいて、入力色を補正する。
この構成によれば、出力画像が表示される視環境の状態、例えば、明るさの程度を、視環境情報として取り込み、その情報に基づいて、入力色を補正することができる。
第9の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量は、カラー画像の入力色の統計量に基づいて定められる。
第10の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量は、カラー画像の平均輝度と色温度のうちの少なくとも一つである。
これらの構成によれば、撮影条件、照明条件などによって輝度や色温度が変化している入力画像に対しても、入力色を統計処理することにより、適正な画像特徴量を抽出できる。その結果、どのようなカラー画像に対しても、画質が良好な色彩調整を実行できる。
第11の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量は、カラー画像の撮影情報や編集情報などの付加情報により変更される。
第12の発明に係る色彩調整装置では、画像特徴量は、カラー画像の放送、DVD、静止画などの種類を表すソース情報により変更される。
これらの構成によれば、与えられた付加情報またはソース情報を参照して、適正な画像特徴量を抽出できる。その結果、どのようなカラー画像に対しても、画質が良好な色彩調整を比較的簡便に実行できる。
第13の発明に係るの色彩調整装置では、重み係数は、色空間における特定色において最大値をとり、特定色から離れるにつれ最大値から減少する特性を有する。
第14の発明に係る色彩調整装置では、重み係数は、輝度軸に沿った重み係数と、彩度軸に沿った重み係数と、色相軸に沿った重み係数とで定められる。
これらの構成によれば、特定色を中心にした、理にかなった重み係数を用いることができる。
第15の発明に係る色彩調整装置は、ユーザが入力色の補正の程度を選択できる補正量選択手段をさらに備える。
第16の発明に係る色彩調整装置では、補正量選択手段は、特定色領域決定手段が求めた特定色領域の広がりの程度を変更する。
第17の発明に係る色彩調整装置では、補正量選択手段は、色補正手段が求めた入力色の補正の程度を変更する。
これらの構成によれば、ユーザの好みに合わせて色彩調整の程度を設定できるので、色彩調整後の画像に対して、ユーザの高い満足度が得られる。
第18の発明に係る色彩調整装置は、ユーザが、予め設定されている複数の指定地域の内の一つを選択して、特定色を指定地域との関連において調整できる地域指定手段をさらに備える。
この構成によれば、本発明の色彩調整装置が使用される地域を、ユーザが指定することにより、ユーザの民族性や地域性に合致した記憶色を特定色として指定することが可能となる。その結果、色彩調整後の画像に対して、世界各地のユーザのより高い満足度が得られる。
本発明によれば、照明や撮影シーンの条件が変化しても、撮影された入力画像を所望の色へ調整することが容易である。
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における色彩調整装置100のブロック図である。本形態の色彩調整装置100は、画像特徴量取得手段10、特定色領域決定手段20、及び、色補正手段30を備える。
画像データ入力端子80には入力画像が入力され、付加情報入力端子81には、入力画像の制作状況(照明条件、撮影条件、複写条件、記録再生条件など)を表現する付加情報が入力される。
画像特徴量取得手段10は、入力された入力画像それ自身から、入力画像の平均輝度、色温度などを画像特徴量として算出する。または、付加情報から、入力された入力画像の平均輝度、色温度などを画像特徴量として取得する。
特定色領域決定手段20は、画像特徴量取得手段10が出力した画像特徴量に基づいて、特定色領域を決定する。
色補正手段30は、特定色領域決定手段20が出力した特定色領域を参照して、入力画像の入力色と特定色との類似度を算出する。次に、算出した類似度に基づいて、入力画像の入力色を、特定色について色彩調整し、画像データ出力端子90に出力画像として出力する。
このように、本形態の色彩調整装置100は、カラー画像の入力色に対し、少なくとも1つの特定色についての色彩調整を実行する。
以下の説明において、本形態の色彩調整装置100では、入力画像のデータは、輝度信号と色差信号であるYCbCr信号を極座標表示した値(y,c,h)で与えられるものとする。すなわち、色空間(y、c、h)は、図2に示すように、輝度y、彩度c、色相hの3成分によって定義される。図2は、本発明の実施の形態1において用いる色空間(y、c、h)と特定色領域を表す図である。
また、本発明で言う「特定色」とは、色空間(y、c、h)上のある点(代表値)を表し、「特定色領域」とは、色空間(y、c、h)上で特定色の代表値を中心とした広がりを持った領域のことを指す。例えば、図2に示す領域SQが、これに相当する。
「画像特徴量」とは、入力画像の色分布に影響を与えている因子である。一般に、画像の色分布は、撮影条件(入力機器の種類や照明の明るさなど)、伝送条件、あるいは、記録再生条件により、実際の被写体の色分布とは異なっている。
例えば、屋内照明の明るさは数百ルクスであるが、屋外の明るさは数万ルクスにも達し、照明下における物体の明るさは、屋内照明の明るさの数千〜数万倍にもなり得る。従って、画像の明るさレベルは、通常、入力機器により入力ダイナミックレンジに正規化されている。また、照明の色温度により、入力画像の色分布は大きく変動し、入力機器により補正されることが多い。つまり、入力画像の明るさに対する正規化の程度や、色温度に対する補正の程度は、入力画像が制作されるときの条件により様々である。
従って、本発明では、被写体の色分布と入力画像の色分布との違いに影響を与える値、すなわち、カラー画像の色空間における特徴を、画像特徴量として取得し、取得した画像特徴量に基づいて、色彩調整の対象となる特定色を決定する。画像特徴量は、種々の量を取りうるが、本形態では、入力画像の平均輝度から求めている。
本形態の画像特徴量取得手段10は、入力画像の輝度yから入力画像の画像特徴量Qを計算する。画像特徴量Qは、(数1)の演算により、入力画像1フレームごとの統計量である平均輝度として求められる。ここで、定数「n」は、1フレームを構成する画素数、変数「yi」は、i番目の画素の輝度yである。
Figure 2006059573
図1に示す特定色領域決定手段20は、画像特徴量Qに基づいて、色空間において特定色を中心とした広がりのある領域を、特定色らしさを有する特定色領域として定義する。すなわち、特定色領域は、特定色らしさを表す重み係数kを用いて表現する。図3(a)は、本発明の実施の形態1の色相についての重み係数khの例示図であり、図3(b)は、同じく彩度についての重み係数kcの例示図であり、図3(c)は、同じく輝度についての重み係数kyの例示図である。図3(a)、(b)、(c)は、図2に示す色空間(y、c、h)の各主軸について示したものである。
本形態では、色相についての重み係数khが、色彩を調整する上で重要な意味を有する。本形態では、肌色を特定色(yx,cx,hx)としており、色相軸において、肌色に相当する中心P1(h=hx)において、重み係数khは、最大値「1」となり、色相軸において、この中心P1から離れた下限P2と上限P3において、重み係数khは、最小値「0」となる。
すなわち、特定色領域決定手段20は、色相が、特定色(yx,cx,hx)の色相hxと一致する場合は、重み係数kyを最大値「1」とし、特定色から下限P2側、あるいは、特定色から上限P3側に、離れるにつれて、重み係数khは、なだらかに減少するように定める。
図4は、本発明の実施の形態1における重み係数khの中心P1、下限P2、上限P3と画像特徴量Qの関係図である。重み係数khの中心P1、下限P2、上限P3は、画像特徴量Qの関数として、図4のように与えられる。すなわち、画像特徴量Qに対応して、重み係数khの中心P1、下限P2、上限P3が決定され、その結果、特定色領域が一意に決定される。図4に示すように、画像特徴量Qを有する入力画像の平均輝度が増すに従い、特定色領域は、より高い色相の領域に移動していることが分かる。
図1に示す特定色領域決定手段20は、色相hと同様に、彩度c及び輝度yについても、図3(b)及び図3(c)にそれぞれ示すように、彩度についての重み係数kcと輝度についての重み係数kyを定める。
特定色領域決定手段20は、以上のように、各重み係数ky,kc,khを定めた後、次の(数2)により、入力色の色補正に使用する出力重み係数kを定める。
Figure 2006059573
ここに、記号「×」は、乗算演算子である。
このように、特定色領域は、画像特徴量Qの関数としての、輝度軸に沿った重み係数kyと、彩度軸に沿った重み係数kcと、色相軸に沿った重み係数khとを用いて、決定される。
なお、特定色領域決定手段20は、特定色領域を決定する出力重み係数kとして、(数2)のような関数を必ずしも用いなくても良い。代わりに、特定色領域決定手段20は、出力重み係数kとして、特定色からの色空間における距離が離れるにつれて、その値が減少するような係数を与えることができれば実用上十分である。
また、肌色、青空色、緑色等の基準となる特定色領域の座標値と、それに対応する重み係数とを予めルックアップテーブルに記憶しておき、画像特徴量Qを考慮して、座標値を与えることにより、対応する重み係数を取得できる重み係数用のルックアップテーブルを採用することも可能である。この方法によれば、3次元色空間上で自由な形状の領域を特定色領域とすることができ、好適である。
図5は、本発明の実施の形態1における特定色領域決定手段20のブロック図である。図5に示すように、特定色領域決定手段20は、特定色基準領域記憶手段21と特定色領域変換手段22を有し、特定色領域決定手段20が行う処理内容を、特定色基準領域記憶手段21と特定色領域変換手段22とに、分担させることができる。
この場合、特定色基準領域記憶手段21は、図4に示す画像特徴量Qが、基準となる基準画像特徴量Q0の位置での重み係数khの基準中心P01、基準下限P02、基準上限P03の値を、色彩に関する特定色基準領域として格納している。同様に、特定色基準領域記憶手段21は、彩度c及び輝度yについての基準値をそれぞれ、彩度に関する特定色基準領域及び輝度に関する特定色基準領域として格納している。
また、特定色領域変換手段22は、特定色基準領域記憶手段21に格納されている特定色基準領域を参照しつつ、上述した特定色領域決定手段20が行うその他の機能を分担する。
次に、図1に示す色補正手段30は、まず、特定色領域を参照して、入力画像の入力色と特定色との類似度を算出する。すなわち、特定色に対する類似度を表す特定色類似度係数は、入力色が特定色と等しいとき最大値をとり、色空間上で入力色が特定色から離れるにつれ、特定色領域を定義している重み係数に従い減少し、特定色領域外では、「0」となる特性を有する。言い換えれば、特定色類似度係数は、入力色が特定色領域内にあるときは、特定色領域を定義している色相についての重み係数kh、彩度についての重み係数kc、及び、輝度についての重み係数kyによって与えられる出力重み係数k((数2))に比例し、特定色領域外では、「0」である。
色補正手段30は、特定色類似度係数に上述した出力重み係数kを用いて、入力色を特定色に関して補正する。(この場合、特定色類似度係数と出力重み係数kとは、1対1の比例関係にあるとしている。)すなわち、色補正手段30は、特定色に対する調整量を特定色調整量δ(δy,δc,δh)として設定して、入力色(y,c,h)に対する補正後の出力色(y’,c’,h’)を、次の3式((数3)〜(数5))にしたがって演算する。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
特定色類似度係数(本形態では、出力重み係数kに等しい)と特定色調整量δとは、上述したような演算で求めることもできるが、ルックアップテーブルを利用して求めた方が、処理を高速化でき、好適である。ルックアップテーブルを利用する場合、(数3)〜(数5)の演算は、それぞれ、(数6)〜(数8)に置き換える。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
(数6)〜(数8)において、kLUT(y、c、h)は、入力色(y,c,h)を引数として、特定色類似度係数kLUTがルックアップテーブルから求まることを表す。δyLUT(y、c、h)は、入力色(y,c,h)を引数として、特定色調整量δの輝度成分δyLUTがルックアップテーブルから求まることを表す。δcLUT(y、c、h)は、入力色(y,c,h)を引数として、特定色調整量δの彩度成分δcLUTがルックアップテーブルから求まることを表す。δhLUT(y、c、h)は、入力色(y,c,h)を引数として、特定色調整量δの色相成分δhLUTがルックアップテーブルから求まることを表す。
以上説明した実施の形態1の色彩調整装置100は、次の効果を有している。
(効果1)入力画像に照明条件の変動(明るい照明か、暗い照明か)や、撮影条件の変化(昼のシーンか、夜のシーンか)等がある場合でも、本形態の色彩調整装置100は、入力画像を容易に所望の色へ調整することができる。
(効果2)本形態の色彩調整装置100は、入力画像中の面積が比較的広く特定色と同系統の色を持った領域を、特定色の領域と誤認することがない。
(効果3)本形態の色彩調整装置100は、入力画像に応じて、特定色領域を自動的に決定するため、動画像をリアルタイムに調整することができる。
(効果4)本形態の色彩調整装置100では、照明条件の変動等を強制的に抑制するために、あらかじめ入力画像のホワイトバランス校正、ゲインコントロール等を行う必要がない。従って、画像製作者の照明条件等の意図を保持したまま、記憶色等の特定色を所望の色へ調整できる。
なお、本形態の色彩調整装置100では、画像特徴量として輝度の平均値を用いたが、平均値ではなく、最大値、最頻出値、分散値等、輝度に関する他の統計情報を用いてもよい。
また、本形態の色彩調整装置100では、画像特徴量として輝度に関する統計量を用いたが、彩度、色相、色温度、RGB値等、入力色から変換可能な色情報であれば他の統計量を用いてもよい。たとえば、色温度を用いることにより、夕焼けなどのシーンの色温度に応じた特定色の調整が可能となる。また、輝度、色温度等、複数の統計量を画像特徴量として用いても良い。
本形態の色彩調整装置100では、画像特徴量は、画像1フレームごとに更新されているが、数フレームに1回更新してもよい。あるいは、画像特徴量は、フレームの変化に対し、緩やかに追従するように、再帰型フィルタ等を用いて更新してもよい。画像特徴量を緩やかに追従させることにより、調整量の急激な変化を抑え、調整による動画像のちらつきを抑制できる。
また、本形態の色彩調整装置100では、数フレームを先読みして画像特徴量を取得し、その中の1フレームのみが他と異なる画像特徴量を示す場合には、そのフレームに対して、特定色領域を変更しないようにすることもできる。この結果、調整量の急激な変化を抑え、調整による動画像のちらつきを抑制できる。
さらに、本形態の色彩調整装置100では、画像特徴量を再帰型フィルタ等を用いて更新するのではなく、特定色領域を再帰型フィルタ等を用いて更新しても良い。このようにしても、調整量の急激な変化を抑え、調整による動画像のちらつきを抑制できる。
本形態の色彩調整装置100では、色補正手段30は、少なくとも1フレーム分のバッファを持っていても良い。フレームバッファを持ち、色補正を1フレームだけ遅延させることにより、ある時点の特定色領域を決定する条件となったフレームと、色補正を行うフレームとを一致させることが可能となる。
本形態の特定色領域は、肌色だけであったが、特定色領域は、青空色や緑色等をさらに含む複数の領域であっても良い。
本形態の画像特徴量は、入力画像の統計情報より求めたが、入力画像の撮影情報や編集情報などの付加情報があれば、その付加情報を画像特徴量として用いても良い。
なお、本形態の色彩調整装置100は、色空間としてYCbCr色空間を用いたが、色空間は、RGB,CMYK,CIE−LAB,HSV等の他の色空間を用いても良い。例えば、CIE−LAB色空間を用いる場合、色空間における距離と人間が感じる色の差異の度合いが比例するため、特定色領域を決定するのが簡単になる。また、YCbCrやHSVなどの輝度、彩度、色相の3属性であらわされる色空間を用いる場合、ユーザにとって調整量が直感的であるので、調整量を決定するのが簡単になる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における色彩調整装置200のブロック図である。図6において、 図1と同様な構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置200は、画像特徴量取得手段10、特定色領域決定手段20、及び、色補正手段30を備え、画像特徴量取得手段10は、選択手段11、特徴量演算手段12、及び、第1記憶手段13を有する。
本形態の色彩調整装置200の画像特徴量取得手段10について、以下に詳しく説明する。
第1記憶手段13は、画像特徴量の算出対象となる色成分が色空間(y、c、h)において分布し得る範囲を、色空間分布可能範囲として格納している。図7は、本発明の実施の形態2における色空間分布可能範囲AQを示す。図7に示す色空間分布可能範囲AQは、彩度が低く輝度が高い色空間の領域に設定されている。
選択手段11は、第1記憶手段13に格納されている色空間分布可能範囲AQを参照して、画像データ入力端子80から入力された入力画像の入力色が色空間分布可能範囲AQにあるかどうかを判定する。選択手段11は、その入力色が色空間分布可能範囲AQにあると判定した場合、その入力色を選択して、画像特徴量の算出対象の色成分として、特徴量演算手段12に出力する。
特徴量演算手段12は、選択手段11から出力された入力色の輝度成分をもちいて、画像特徴量Qを次式にしたがって演算する。
Figure 2006059573
ここで、変数「yi」は、選択手段11より出力された入力色を有しているi番目の画素の輝度であり、定数「m」は、選択手段11より出力された入力色を有している画素の総数である。
本形態の色彩調整装置200では、画像特徴量取得手段10は、上述したように、入力画像の入力色が色空間分布可能範囲AQにあるかどうかを判定して、色空間分布可能範囲AQにある入力色を用いて画像特徴量Qを求める。特定色領域決定手段20は、このようにして求めた画像特徴量Qを用いて、特定色領域を決定する。色補正手段30は、特定色領域決定手段20によって決定された特定色領域を参照して、入力画像の入力色と特定色との類似度を表す特定色類似度係数を算出し、入力色を特定色に関して補正する。特定色領域決定手段20と色補正手段30の動作は、本発明の実施の形態1と同様であり、詳しい説明は省略する。
本形態の色彩調整装置200では、入力画像の色分布に影響を与える色彩は、彩度が低く輝度が高いものと仮定して、色空間分布可能範囲AQを、図7に示すように、彩度が低く輝度が高い色空間の領域に設定している。従って、画像特徴量Qの算出には、色空間分布可能範囲AQの内部にある入力色のみを用いた統計情報((数9)により算出された平均値)を利用しており、その結果、画像特徴量Qの算出精度が向上し、良好な色彩調整を行うことが可能となっている。例えば、黒っぽい大きな被写体の像が画面の大半を占めている場合において、本形態の色彩調整装置200では、その像以外の明るい部分の画像のみから、画像特徴量Qを算出することができるので、画像特徴量Qの算出精度が向上する。
なお、本形態の色彩調整装置200では、入力画像の色分布に影響を与え色彩は、彩度が低く輝度が高いと仮定しているが、色空間分布可能範囲AQは、これに限定されるものではなく、画像特徴量Qの精度を向上させる他の仮定に基づいてもよい。例えば、図8に示すように、高輝度の色空間に彩度と色相に無関係に色空間分布可能範囲AQを設定することもできる。こうすることによって、画像特徴量取得手段10は、入力画像の入力色が、色空間分布可能範囲AQにあるかどうかの判定を、輝度成分のみを用いて行うことができ、処理が簡単になる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3における色彩調整装置300のブロック図である。図9において、 図1と同様な構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置300は、画像特徴量取得手段10、特定色領域決定手段20、及び、色補正手段30を備え、画像特徴量取得手段10は、選択手段11、特徴量演算手段12、及び、第2記憶手段14を有する。
本形態の色彩調整装置300の画像特徴量取得手段10について、以下に詳しく説明する。
第2記憶手段14は、画像特徴量の算出対象となる画素が画面上において分布し得る範囲を、画面分布可能範囲として格納している。図10は、本発明の実施の形態3における画面分布可能範囲BQを示す。図10に示す例では、画面分布可能範囲BQは、画面50の中央部分の円形の領域に設定されている。この領域は、テレビ電話などの画像において、人物の顔の像が比較的多く位置する領域である。
選択手段11は、第2記憶手段14に格納されている画面分布可能範囲BQを参照して、画像データ入力端子80から入力された入力画像の画素が画面分布可能範囲BQにあるかどうかを判定し、入力画像の画素が画面分布可能範囲BQにあると判定された場合、その画素の入力色を選択して特徴量演算手段12に出力する。
特徴量演算手段12は、選択手段11から出力された入力色の輝度成分を用いて、画像特徴量Qを次の(数10)にしたがって算出する。
Figure 2006059573
ここで、変数「yi」は、選択手段11より出力された入力色を有しているi番目の画素の輝度であり、定数「s」は、選択手段11より出力された入力色を有している画素の総数、すなわち、画面分布可能範囲BQ内にある画素数である。
本形態の色彩調整装置300では、入力画像の色分布に影響を与える色彩は、画面50の中央付近に集中していると仮定している。従って、画像特徴量Qの算出には、画面分布可能範囲BQの内部にある画素のみの入力色を用いた統計情報((数10)により算出された平均値)を利用しており、その結果、画像特徴量Qの算出精度が向上し、良好な色彩調整を行うことが可能となっている。
なお、本形態の色彩調整装置300では、入力画像の色分布に影響を与える色彩は、画面50の中央付近の円形部分に集中していると仮定しているが、画面分布可能範囲は、これに限定されるものではなく、画像特徴量の精度を向上させる他の仮定に基づいてもよい。例えば、図11に示すように、画面50の中央部分の矩形の領域を画面分布可能範囲BQに設定することもできる。こうすれば、画面分布可能範囲BQに含まれる画素は、画素の番号のみで容易に認識できて便利である。
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4における色彩調整装置400のブロック図である。図12において、 図1と同様な構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置400は、画像特徴量取得手段10、特定色領域決定手段20、色補正手段30、及び、調整量選択手段40を備える。
本形態の色彩調整装置400の付加情報入力端子81には、付加情報として、入力画像の種類(放送、DVD、静止画などの種類)を示すソース情報が入力される。本形態の色彩調整装置400は、このソース情報を利用して、画像特徴量Qを算定する。その具体例について以下に説明する。
ソース情報は、入力画像の種類を示している。入力画像の種類によって、画像特徴量Qを算定するための重み係数αが設定されている。図13は、ソース情報と重み係数αの対応を示す図である。入力画像のソースがDVDならば、α=0.8、Photo(写真)ならば、α=0、放送ならば、α=0.5である。
画像特徴量取得手段10は、先ず、入力画像を基に、本発明の実施の形態1と同様な方法で、入力画像の入力色の平均輝度を求め、画像特徴量Qを算定する。次に、画像特徴量取得手段10は、算定した画像特徴量Qと、平均画像特徴量Qaveと、ソース情報から求めた重み係数αとを用いて、修正画像特徴量Q’を、次式にしたがって演算する。
Figure 2006059573
ここに、平均画像特徴量Qaveは、多くの入力画像から経験的に求めた平均的な画像特徴量である。
このように、本形態の色彩調整装置400は、入力画像のソースがディジタルカメラ等の静止画(すなわち、photo)ならば、修正画像特徴量Q’を入力画像の画像特徴量Qと等しくし、入力画像のソースがDVDならば、修正画像特徴量Q’を平均画像特徴量Qaveに近い値に設定している。すなわち、本形態の色彩調整装置400は、入力画像のソースに応じて修正画像特徴量Q’の変化幅を制限することにより、特定色領域の変化量を抑制している。
次に、調整量選択手段40の動作について説明する。本形態の色彩調整装置400では、ユーザは、調整量選択手段40を使って、色彩調整の強弱を選択できる。
図14は、ユーザが選択した調整量と調整重み係数β及び調整重み係数γの関係を示す図である。ユーザが選択した色彩に関する調整量の「弱」、「中」、「強」に対応して、調整重み係数β及び調整重み係数γが図14に示すように設定される。
調整重み係数βは、調整量選択手段40から特定色領域決定手段20に送られ、調整重み係数γは、調整量選択手段40から色補正手段30に送られる。
特定色領域決定手段20は、調整量選択手段40から送られてきた調整重み係数βを用いて、特定色領域が定義される重み係数hkの中心P1、下限P2、上限P3を修正する。すなわち、特定色領域決定手段20は、本発明の実施の形態1の図4に示した画像特徴量Qを、本形態の画像特徴量取得手段10がソース情報を基に算出した修正画像特徴量Q’と読み替えて、重み係数hkの中心P1、下限P2、上限P3を、修正画像特徴量Q’の関数として決定する。さらに、特定色領域決定手段20は、決定された重み係数hkの中心P1、下限P2、上限P3を用いて、ユーザが選択した調整量を反映した新たな修正下限P2’と修正上限P3’をそれぞれ(数12)と(数13)にしたがって求める。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
本形態の色彩調整装置400では、ユーザが調整量として「弱」を選択すると、特定色領域が狭まり、「強」を選択すると特定色領域が広がることになる。
色補正手段30は、調整量選択手段40から送られてきた調整重み係数γと、本発明の実施の形態1で述べた特定色補正量δ(δy,δc,δh)とを用いて、(数14)〜(数16)にしたがって、新たな修正特定色補正量δ’(δy’,δc’,δh’)を求める。(数14)は、修正特定色補正量の輝度成分に関する式であり、(数15)は、修正特定色補正量の彩度成分に関する式であり、(数16)は、修正特定色補正量の色相成分に関する式である。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
本形態の色彩調整装置400では、ユーザが調整量として「弱」を選択すると、特定色補正量が減少し、「強」を選択すると特定色補正量が増加することになる。
さらに、色補正手段30は、上述したユーザの選択結果を反映した修正特定色領域を参照して、入力画像の入力色の特定色に対する類似度である特定色類似度係数としての修正出力重み係数k’を求める。そして、色補正手段30は、ユーザの選択結果を反映した、修正特定色補正量δ’(δy’,δc’,δh’)と修正出力重み係数k’とを用いて、(数17)〜(数19)にしたがって、入力色(y,c,h)を特定色に関して補正し、補正後の出力色(y’,c’,h’)を有する出力画像を画像データ出力端子90に出力する。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
以上説明したように、本形態の色彩調整装置400は、ソース情報を入力画像の付加情報として取得し、入力画像のソースの種類により画像特徴量Qの変化幅を制限することにより、特定色領域の変化量を抑制している。その結果、色彩調整装置400では、特定色領域の算出精度が向上し、良好な色彩調整を行うことができる。
さらに、本形態の色彩調整装置400では、ユーザの選択により、特定色補正量だけではなく、特定色領域も修正されることにより、特定色領域の境界付近の入力色に対しての補正が最適化され、より良好な色彩調整を行うことができる。
(実施の形態5)
図15は、本発明の実施の形態5における色彩調整装置500のブロック図である。図15において、 図1と同様な構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置500は、画像特徴量取得手段10、特定色領域決定手段20、色補正手段30、及び、地域指定手段42を備える。
上述したように、本発明においては、「特定色」とは、記憶色のように、個別に色彩調整される色を指している。肌色に代表されるような記憶色は、民族や地域等によって異なることが知られている。
本形態の色彩調整装置500は、本装置が使用される地域を指定することにより、その地域で好まれる記憶色を特定色として指定できる。
図15と図16を参照して、本形態の色彩調整装置500の動作を概説する。
ユーザは、地域指定手段42を使って、ユーザのいる地域を選択する。地域指定手段42には、予め、図16に示すように、地域とその地域で好まれる特定色が関係付けられている。すなわち、ユーザが「地域1」を指定すると、「特定色1」が自動的に選択され、「特定色1」が地域指定手段42から特定色領域決定手段20に送られる。特定色領域決定手段20は、送られてきた「特定色1」に基づいて、特定色領域を決定する。
入力画像の入力色の補正に関するその後の動作は、本発明の実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置500を、例えばテレビに搭載すると、このテレビは、世界の各地でユーザの好む特定色を容易に設定できる。すなわち、ユーザは、本形態の地域指定手段42を介して、予め設定されている地域の中から、このテレビが使用される地域を指定すれば、その後は、このテレビは、各種の入力画像に対して、常にユーザに好まれる色補正を行って、画像を表示する。
このように、本形態の色彩調整装置500によれば、ユーザの民族性や地域性に合致した記憶色を特定色として指定することが可能となる。その結果、色彩調整後の画像に対して、世界各地のユーザのより高い満足度が得られる。
(実施の形態6)
図17は、本発明の実施の形態6における色彩調整装置600のブロック図である。図17において、 図1と同様な構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
本形態の色彩調整装置600は、本発明の実施の形態1で説明した色彩調整装置100に比べ、視環境情報入力端子82をさらに備える。
視環境情報入力端子82には、本形態の色彩調整装置600の出力画像が表示され視聴される環境に関する情報が、視環境情報として入力される。視環境情報は、具体的には、視聴される環境の照明の明るさや照明の色温度などである。
色補正手段30は、入力された視環境情報を基に、重み係数a(ay、ac、ah)を求める。
続いて、色補正手段30は、求めた重み係数a(ay、ac、ah)と、本発明の実施の形態1で述べた特定色補正量δ(δy,δc,δh)とを用いて、(数20)〜(数22)にしたがって、新たな修正特定色補正量ε(εy,εc,εh)を求める。(数20)は、修正特定色補正量の輝度成分に関する式であり、(数21)は、修正特定色補正量の彩度成分に関する式であり、(数22)は、修正特定色補正量の色相成分に関する式である。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
さらに、色補正手段30は、本発明の実施の形態1で述べた(数2)に示す入力色の色補正に使用する出力重み係数kと上述した修正特定色補正量εを用いて、(数23)〜(数25)にしたがって、入力色(y,c,h)を特定色に関して補正し、補正後の出力色(y’,c’,h’)を有する出力画像を画像データ出力端子90に出力する。
Figure 2006059573
Figure 2006059573
Figure 2006059573
以上述べたように、視環境により出力される画像の見え方が異なる場合、例えば、同じ物体の画像が電球照明下と蛍光灯照明下とで色の見え方が異なる場合でも、本形態の色彩調整装置600によれば、視環境情報を利用して入力画像の入力色を調整することにより、より自然な色に見えるようになる。
なお、視環境情報による入力色の調整においては、調整を行う色と調整を行わない色とを区別することも可能である。例えば、肌色は視環境情報にしたがって調整し、緑色と青空色は調整しないようにすることもできる。
(実施の形態7)
以上説明した、本発明の実施の形態1〜6の色彩調整装置において、色彩調整が正常に行われているかどうかを、簡便に試験できると好適である。
図18は、本発明の実施の形態7における色彩調整装置試験用のカラーパッチの例示図である。
図18において、領域61、62、63は、それぞれ色合いが異なる肌色1、肌色2、肌色3で塗られた領域である。領域64、65、66は、それぞれ色合いが異なる緑色1、緑色2、緑色3で塗られた領域である。領域67、68、69は、それぞれ色合いが異なる青空色1、青空色2、青空色3で塗られた領域である。
図18に示すカラーパッチ60a、60b、60cは、いずれも、前景に領域61〜69を有し、それぞれの背景が異なる明るさの色で塗られている。
本形態の色彩調整装置試験では、図18に示すカラーパッチ60a、60b、60cそれぞれを入力画像として、被試験色彩調整装置に順次入力する。試験の結果、カラーパッチ60a、60b、60cの順に背景の明るさ(すなわち、平均輝度)が変化することに伴って、色補正される領域(すなわち、特定色領域)が、領域61、62、63の順に変化することが観測できれば、色彩調整が正常に動作していることが確認できる。
本形態の色彩調整装置試験用のカラーパッチを用いれば、本発明の実施の形態1〜6の色彩調整装置100〜600が、正常に動作しているかどうかを簡便に確認できる。
以上説明したように、本発明の趣旨は、照明や撮影シーンの条件が変化しても、撮影された入力画像を所望の色へ容易に調整することでききる色彩調整装置及び色彩調整方法を提供することにあるのであって、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の適用が可能である。
本発明に係わる色彩調整装置は、例えば、テレビジョン装置、携帯端末、コンピュータ画面、カラープリンタ等が備えるカラー表示装置と、その応用分野において好適に利用できる。
図1は本発明の実施の形態1における色彩調整装置のブロック図である。 図2は本発明の実施の形態1において用いる色空間(y、c、h)と特定色領域を表す図である。 図3(a)は本発明の実施の形態1の色相についての重み係数khの例示図である。図3(b)本発明の実施の形態1の彩度についての重み係数kcの例示図である。図3(c)本発明の実施の形態1の輝度についての重み係数kyの例示図である。 図4は本発明の実施の形態1における重み係数khの中心P1、下限P2、上限P3と画像特徴量Qの関係図である。 図5は本発明の実施の形態1における特定色領域決定手段のブロック図である。 図6は本発明の実施の形態2における色彩調整装置のブロック図である。 図7は本発明の実施の形態2における色空間分布可能範囲AQを示す図である。 図8は本発明の実施の形態2における別の色空間分布可能範囲AQを示す図である。 図9は本発明の実施の形態3における色彩調整装置のブロック図である。 図10は本発明の実施の形態3における画面分布可能範囲BQを示す図である。 図11は本発明の実施の形態3における別の画面分布可能範囲BQを示す図である。 図12は本発明の実施の形態4における色彩調整装置のブロック図である。 図13は本発明の実施の形態4におけるソース情報と重み係数αの対応を示す図である。 図14は本発明の実施の形態4におけるユーザが選択した調整量と調整重み係数β、γの関係を示す図である。 図15は本発明の実施の形態5における色彩調整装置のブロック図である。 図16は本発明の実施の形態5における地域指定と特定色の関係図である。 図17は本発明の実施の形態6における色彩調整装置のブロック図である。 図18は本発明の実施の形態7における色彩調整装置試験用のカラーパッチの例示図である。 図19は従来の色補正装置のブロック図である。
符号の説明
1 色補正装置
2 代表色抽出手段
3 色補正パラメータ決定手段
4 色補正処理手段
5 対象物色情報記憶メモリ
6 色抽出パラメータ記憶メモリ
7 対象物選択手段
10 画像特徴量取得手段
11 選択手段
12 特徴量演算手段
13 第1記憶手段
14 第2記憶手段
20 特定色領域決定手段
21 特定色基準領域記憶手段
22 特定色領域変換手段
30 色補正手段
40 調整量選択手段
42 地域指定手段
50 画面
60a、60b、60c カラーパッチ
80 画像データ入力端子
81 付加情報入力端子
82 視環境情報入力端子
90 画像データ出力端子
100、200、300、400、500、600 色彩調整装置

Claims (20)

  1. 入力されたカラー画像から、前記カラー画像の特徴を表現する値を画像特徴量として取得する画像特徴量取得手段と、
    前記画像特徴量に基づいて、前記カラー画像に応じて定められる特定色を含む色空間における任意の領域を、特定色領域として求める特定色領域決定手段と、
    前記カラー画像の入力色の内、前記特定色領域中に存在する入力色を補正する色補正手段とを備える色彩調整装置。
  2. 前記画像特徴量取得手段は、前記画像特徴量の算出対象となる色成分が色空間において分布し得る範囲を色空間分布可能範囲として格納する第1記憶手段と、
    前記入力色が前記第1記憶手段に格納されている前記色空間分布可能範囲に含まれるか否かを判定し、前記入力色が前記色空間分布可能範囲に含まれる場合は、前記入力色を選択して出力する選択手段と、
    前記選択手段が出力した前記入力色を用いて、前記画像特徴量を演算する特徴量演算手段とを有する、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  3. 前記画像特徴量取得手段は、前記画像特徴量の算出対象となる画素が画面上において分布し得る範囲を画面分布可能範囲として格納する第2記憶手段と、
    前記画面上の被調整対象画素が、前記第2記憶手段に格納されている前記画面分布可能範囲に含まれるか否かを判定し、前記被調整対象画素が前記画面分布可能範囲に含まれる場合は、前記被調整対象画素の入力色を選択して出力する選択手段と、
    前記選択手段が出力した前記入力色を用いて、前記画像特徴量を演算する特徴量演算手段とを有する、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  4. 前記特定色領域決定手段は、基準となる被調整対象物像の色空間における領域を特定色基準領域として格納する特定色基準領域記憶手段と、
    前記特定色基準領域記憶手段に格納されている前記特定色基準領域を、前記画像特徴量に基づいて、前記特定色領域に変換する特定色領域変換手段とを有する、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  5. 前記特定色領域決定手段は、前記画像特徴量に基づいて、特定色を中心とした広がりのある領域に対して、特定色らしさを表す重み係数を用いて前記特定色領域を決定する、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  6. 前記色補正手段は、前記入力色と前記特定色との類似度を示す類似度係数を、前記特定色領域決定手段が求めた前記特定色領域を表す重み係数を用いて演算し、前記特定色領域中に存在する前記入力色を、前記類似度係数と所定の調整量とを用いて補正する、請求の範囲第5項記載の色彩調整装置。
  7. 前記所定の調整量は、輝度軸に沿った調整量と、彩度軸に沿った調整量と、色相軸に沿った調整量とで与えられ、前記色補正手段は、前記類似度係数を用いて、前記特定色領域中に存在する前記入力色を、輝度、彩度、及び、色相についてそれぞれ補正する、請求の範囲第6項記載の色彩調整装置。
  8. 前記色補正手段は、前記色補正手段の出力画像が表示される視環境に関する視環境情報に基づいて、前記入力色を補正する、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  9. 前記画像特徴量は、前記カラー画像の入力色の統計量に基づいて定められる、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  10. 前記画像特徴量は、前記カラー画像の平均輝度と色温度のうちの少なくとも一つである、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  11. 前記画像特徴量は、前記カラー画像の撮影情報や編集情報などの付加情報により変更される、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  12. 前記画像特徴量は、前記カラー画像の放送、DVD、静止画などの種類を表すソース情報により変更される、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  13. 前記重み係数は、色空間における前記特定色において最大値をとり、前記特定色から離れるにつれ前記最大値から減少する特性を有する、請求の範囲第5項記載の色彩調整装置。
  14. 前記重み係数は、輝度軸に沿った重み係数と、彩度軸に沿った重み係数と、色相軸に沿った重み係数とで定められる、請求の範囲第5項記載の色彩調整装置。
  15. ユーザが前記入力色の補正の程度を選択できる補正量選択手段をさらに備える、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  16. 前記補正量選択手段は、前記特定色領域決定手段が求めた前記特定色領域の広がりの程度を変更する、請求の範囲第15項記載の色彩調整装置。
  17. 前記補正量選択手段は、前記色補正手段が求めた前記入力色の補正の程度を変更する、請求の範囲第15項記載の色彩調整装置。
  18. ユーザが、予め設定されている複数の指定地域の内の一つを選択して、前記特定色を前記指定地域との関連において調整できる地域指定手段をさらに備える、請求の範囲第1項記載の色彩調整装置。
  19. 入力されたカラー画像から、前記カラー画像の特徴を表現する値を画像特徴量として取得する画像特徴量取得ステップと、
    前記画像特徴量に基づいて、前記カラー画像に応じて定められる特定色を含む色空間における任意の領域を、特定色領域として求める特定色領域決定ステップと、
    前記カラー画像の入力色の内、前記特定色領域中に存在する入力色を補正する色補正ステップとを含む色彩調整方法。
  20. ユーザが前記入力色の補正の程度を選択できる選択ステップと、ユーザが、予め設定されている複数の指定地域の内の一つを選択して、前記特定色を前記指定地域との関連において調整できる地域指定ステップの内の少なくとも一方をさらに含む、請求の範囲第19項記載の色彩調整方法。
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