JPWO2006057339A1 - 抗体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

タンパク質の生理的条件下でループ構造をとる部位のアミノ酸配列を含み、かつ環状構造を有するペプチドで非ヒト哺乳動物を免疫することによって、タンパク質の生理的条件下でループ構造を形成する部位を特異的に認識する抗体を効率よく取得する。

Description

本発明は、タンパク質の生理的条件下でループ構造を形成する部位に対する抗体を効率よく製造する方法に関する。
タンパク質に対する抗体は、通常、その部分配列を有する直鎖状ペプチドあるいはwholeのタンパク質で非ヒト哺乳動物を免疫することによって作製される。タンパク質のある特定のドメインに対する抗体を取得したい場合は、通常はそのドメイン内の配列のペプチドを免疫する。しかし、タンパク質は生体内で複雑な3次元構造を形成しているため、直鎖状ペプチドの免疫ではタンパク質を立体的特異的に認識する抗体が得られない場合が多かった。さらに、タンパク質そのものを免疫した場合にはそのタンパク質を立体的に認識する抗体が得られることはあるが、ある特定のドメインのみを認識する抗体を得ることは困難であった。特に、抗体に対する抗体を取得する場合は相補性決定領域(CDR)以外の部分のホモロジーが非常に高いため、同動物種の他の抗体にはまったく反応性を示さず、特定の1種類の抗体のみを認識する抗体を取得することは困難であった。
本発明はタンパク質の生理的条件下でループ構造を形成する部位を特異的に認識できる抗体を効率よく取得できる方法を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った。その結果、タンパク質の生理的条件下でループ構造を形成する部位のアミノ酸配列を含み、かつ環状構造を有するペプチドで非ヒト哺乳動物を免疫することにより、生体内で複雑なループ構造を形成する部位を有するタンパク質に対する特異的抗体を効率よく取得できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)生理的条件下でループ構造を形成する部位を有するタンパク質に対する抗体を製造する方法であって、前記ループ構造を形成する部位のアミノ酸配列を含み、環状構造を有するペプチドで非ヒト哺乳動物を免疫するステップと、該非ヒト哺乳動物から抗体を回収するステップを含む方法。
(2)生理的条件下でループ構造を形成する部位を有するタンパク質に対する抗体を製造する方法であって、前記ループ構造を形成する部位のアミノ酸配列を含み、かつ環状構造を有するペプチドで非ヒト哺乳動物を免疫するステップと、該非ヒト哺乳動物からB細胞を回収しミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマを得るステップと、ハイブリドーマの培養上清から抗体を回収するステップを含む方法。
(3)生理的条件下でループ構造を形成する部位を有するタンパク質に対する抗体を製造する方法であって、前記ループ構造を形成する部位のアミノ酸配列を含み、かつ環状構造を有するペプチドで非ヒト哺乳動物を免疫するステップと、該非ヒト哺乳動物からB細胞を回収しEBVを感染させて不死化するステップと、その培養上清から抗体を回収するステップを含む方法。
(4)前記ペプチドが、前記アミノ酸配列に含まれる2個のシステイン残基のチオール基間のジスルフィド結合を介する環状構造を有するペプチドである、(1)〜(3)のいずれかの方法。
(5)タンパク質が抗体であり、ループ構造をとる部位がCDRである、(1)〜(4)のいずれかの方法。
マウス抗血清の力価測定の結果を示すグラフ図。 マウス抗血清によるwhole Ab 3-3とE2tagのcompetition assayの結果を示すグラフ図。各血清を競合させたときの反応性を吸光度で示した。 No.61株のサブクラス検定結果を示す図(写真)。 モノクローナル抗体61-11Fのwhole Ab3-3への反応性の結果を示すグラフ図。 抗体の立体構造の模式図。
本発明の抗体の製造方法は、生理的条件下でループ構造を形成する部位を有するタンパク質に対する抗体を製造する方法であって、前記部位のアミノ酸配列を含み、かつ環状構造を有するペプチドで非ヒト哺乳動物を免疫するステップと、該非ヒト哺乳動物から抗体を回収するステップを含む方法である。
生理的条件下でループ構造をとる部位を有するタンパク質としては特に制限されないが、抗体、増殖因子、酵素、受容体などが挙げられ、その中では抗体が特に好ましい。ループ構造は必ずしも環状になっている必要はなく、ステムアンドループ構造などであってもよい。ループ構造をとる部位の長さは特に制限されないが、1〜50アミノ酸が好ましく、1〜36アミノ酸がより好ましく、1〜18アミノ酸がさらに好ましい。なお、「生理的条件下」とは、細胞内や体液中などの生理的条件下を意味し、生理食塩水などの溶液中も含む。
抗体は可変領域と定常領域からなり、可変領域の中の超過変領域のCDR(相補性決定領域)がループ構造をとっている(図5)。したがって、抗体における生理的条件下でループ構造をとる部位としてはCDRが挙げられる。CDRに対する抗体を作製する場合、CDRのアミノ酸配列を有するペプチドをそのまま抗原として用いてもCDRを特異的に認識する抗体がほとんど得られない。本発明の製造法によれば、環状構造を有するペプチドがCDRのループ構造を模倣するため、CDRを特異的に認識する抗体が効率よく得られる。
その他のタンパク質についても、現在、X線結晶構造解析により、数多くのタンパク質について3次元構造が明らかになっており、それを参照することによりループ構造をとる部位を選択することができる。例えば、sbi.imim.es/cgi-bin/archdb/loops.plからアクセスすることができるArcDB(Nucleic Acids Res. 2004 Jan 1;32 Database issue:D185-8.)においてはX線結晶構造解析のされている蛋白質のループ構造を取る部分を検索することが可能である。上記データベースでは蛋白質のループ構造を取っている部分のペプチドの配列、すなわち本発明における免疫すべきペプチドを特定することが可能である。上記データベースをもとにループ状構造を検索すると、ミオシン2重鎖の264〜295アミノ酸の部分、ペプシンの48〜74アミノ酸部分、ヘモグロビンの21〜70アミノ酸部分などが検索される。
さらに、X線結晶構造解析のデータベースは種々存在するので(Protein Data Bank Japanなど)、それらを任意に用いて立体構造の推定およびループ構造の決定をすることも可能である。
また、蛋白質の立体構造の結晶解析が分かっていない場合でも立体構造予測データをもとにループ構造を推定しそのペプチド配列を免疫することも可能である。
また、3次元構造が明らかになっていないものでも、X線結晶構造解析などによって3次元構造を決定し、それに基づいて、ループ構造をとる部位を選択することができる。
本発明の抗体の製造方法においては、上記ループ構造を形成する部位のアミノ酸配列を含み、かつ環状構造を有するペプチドを用いる。ループ構造を形成する部位のアミノ酸配列としては、ループ全体のアミノ酸配列でもよいが、ループの一部のアミノ酸配列や好ましくはループの先端(折り返し点)のアミノ酸を含むループの一部のアミノ酸配列であってもよい。
本発明で用いるペプチドは上記部位のアミノ酸配列からなるものであってもよいが、上記部位のアミノ酸配列にさらに任意の数のアミノ酸が付加されたものであってもよい。本発明で用いるペプチドの長さは特に制限されないが、1〜50アミノ酸が好ましく、1〜36アミノ酸がより好ましく、さらに好ましくは1〜17アミノ酸がよい。なお、環状構造は本発明で用いるペプチドの一部に含まれていてもよいし、ペプチド全体が環状構造を形成していてもよい。
上記アミノ酸配列を含み、かつ環状構造を有するペプチドは、例えば、まず、上記アミノ酸配列を含む直鎖上のペプチドを合成し、以下のような方法で環状化することによって得ることができる。ただし、最初から環状構造を含むペプチドを合成してもよい。
1.ペプチド内に存在する2つのシステイン残基のチオール基間にジスルフィド結合を形成させることにより環状化する。
2.ペプチド内に存在するリジンのε−アミノ基などの側鎖アミノ基と、アスパラギン酸のβ−カルボキシル基、グルタミン酸のγ−カルボキシル基などの側鎖カルボキシル基とをペプチド結合させて環状化する。
3.ホモ二価架橋試薬、ヘテロ二価架橋試薬などの化学的架橋剤を用い、ペプチド内の側鎖間、例えば、アミノ基間、カルボキシル基間、アミノ基−カルボキシル基間、アミノ基−チオール基間等で架橋することにより環状化する。
4.ループ構造をとる部位のアミノ酸配列にシステインなどの架橋可能なアミノ酸を付加した配列を有するペプチドを合成し、付加されたアミノ酸を介して環状化することも可能である。例えばシステインのないペプチドの両末端にシステインを入れて架橋する。
以下に、生理的条件下でループ構造をとる部位のアミノ酸配列とそれを含む環状構造含有ペプチドの一例を挙げる。ただし、本発明に用いることのできるペプチドはこの例に限定されない。
Val Leu Arg Gly Tyr Cys Arg Arg Gly Ser Cys Tyr Asp Trp Leu Asp Pro(配列番号1)
この配列は抗HCV(C型肝炎ウイルス)抗体のCDR3の配列である。
この配列を含む環状ペプチドとしては6番目と11番目のシステインをジスルフィド結合させることによって環状にした下記に示すようなペプチドが挙げられる。
Figure 2006057339
本発明の抗体の製造方法では、上述したような環状構造を有するペプチドで非ヒト哺乳動物を免疫する。非ヒト哺乳動物の種類は特に制限されないが、ウサギ、マウス、ラット、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ウシ、サルなどが好ましい。本発明の方法によって製造される抗体は抗血清、ポリクローナル抗体であってもよいし、モノクローナル抗体であってもよい。
免疫する方法は一般的な方法を採用することができ、たとえば、アジュバントを配合した環状構造含有ペプチドを、好ましくは2〜3回、非ヒト哺乳動物に注射することにより免疫する方法が挙げられる。
ポリクローナル抗体は、免疫された非ヒト哺乳動物の血清から、例えば、プロテインAカラムなどを用いて回収することができる。なお、ポリクローナル抗体は必ずしも精製されたものである必要はなく、ポリクローナル抗体を含む抗血清として回収されてもよい。回収されたポリクローナル抗体またはそれを含む血清が目的タンパク質を特異的に認識するかどうかの評価は、例えば、ウエスタンブロットやELISAによって行うことができる。
モノクローナル抗体は、例えば、環状構造含有ペプチドで免疫された非ヒト哺乳動物から単離されたリンパ球をミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマを作製し、得られたハイブリドーマが産生する抗体の中から、目的タンパク質を特異的に認識する抗体を選択することによって得ることができる。抗体の特異性の評価は、ウエスタンブロットやELISAなどによって確認することができる。
さらに、モノクローナル抗体は、例えば、環状構造含有ペプチドで免疫された非ヒト哺乳動物から単離されたリンパ球をEBV(エプスタインバーウイルス)で感染させて不死化細胞を作製し、得られた細胞が産生する抗体の中から、目的タンパク質を特異的に認識する抗体を選択することによって得ることもできる。抗体の特異性の評価は、ウエスタンブロットやELISAなどによって確認することができる。
さらに、本発明においては、抗血清、ポリクローナル抗体やハイブリドーマ細胞やEBV不死化細胞から得られたモノクローナル抗体を、抗体のフラグメント、例えば、F(ab’)2化抗体、F(ab’)化抗体、短鎖抗体(scFv)、ダイアボディ(Diabodies)およびミニボディ(Minibodies)などにしてもよい。また、ハイブリドーマ細胞によって得られたモノクローナル抗体を、キメラ化又はヒト化してもよい。具体的には、遺伝子組み換えによって抗体の定常領域をヒト由来のものとするキメラ抗体作成技術や、超可変領域以外をヒト由来とするヒト化抗体作成技術などを用いて、モノクローナル抗体をキメラ化又はヒト化することができる。
本発明の製造法によって得られる抗体は、抗体医薬、診断薬、研究用試薬などとして使用することができる。また、環状構造を有するペプチドが抗体のCDRに基づくペプチドである場合、抗CDR抗体が得られるが、抗CDR抗体は抗体医薬の薬物動態測定や同動物種由来抗体の識別などに好適に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]ポリクローナル抗体(抗血清)の作製と評価
<免疫用ペプチドの調製>
抗ペプチド抗体作製用として、Pioneer(Applied Biosystems 社)を用いて、F-moc固相合成法によりwhole Ab 3-3(完全抗HCV抗体;WO 03/014728に記載)のCDR3のアミノ酸配列である”VLRGYCRRGS CYDWLDP”のペプチド(配列番号1)を、80%の純度で合成し、精製を実施した。
ペプチド合成時に脱保護はTFA(4.5mL)、チオアニソール(0.25mL)、エタンジチオール(EDT)(0.15mL)、アニソール(0.1mL)の混液を用い3.5時間行った。樹脂をろ過で除き、エーテル(無水)を用いて遠沈により2回洗浄後、乾燥をした。水75mLとアセトニトリル5mLの混液に本品を溶解し分取用HPLC(Waters 600E; column u-Bondasphere 150×19mm)を用いて相当部分を分取した。分取部分を凍結乾燥し、精製直鎖状ペプチド(以下、VLR17SHフリーペプチドと呼ぶ)約48mgを得た。本品のうち8mgを分取しこれ以降の操作に使用した。
さらにペプチドを2つのシステインで分子内架橋した環状ペプチド(以下VLR17S−S環状ペプチドと呼ぶ)の合成を実施した。上記操作で得られたVLR17SHフリーペプチド40mgを脱気した水400mLに溶解しゆっくり撹拌を行った。3日後に溶液のうち10mLを分取し、凍結乾燥を行った。Ellman試薬を用いてSH基の測定を行い、0.005という値を得たので、環状化によりVLR17SHフリーペプチド中のフリーのSH基は十分少なくなったと考えた。翌日、溶媒を80mL程度に濃縮しHPLCにより分取を行い、得られた溶液を凍結乾燥した。本工程によりVLR17S−S環状ペプチドを取得した。
<免疫用F(ab’)2の作製>
whole Ab 3-3溶液をセントリコン30を用いて、0.1M NaCl, 0.1M Acetate buffer(pH 3.2)に置換した。最終濃度を12.6mg/mLとし、4℃で保存した。
以下の反応組成液を作製し、37℃で3時間インキュベートした。
(組成)
whole Ab 3-3 10.4mg
ペプシン 15μg/1.2mL 0.1M NaCl, 0.1M Acetate buffer(pH 3.2)

反応後、直ちに200μLづつに小分けし、1M Tris baseを25μL加えた後-80℃に保存した。
Gel濾過精製前に1本ずつ融解し、TOSOH TSKgel G3000SWXLにて精製およびPBSへの置換を実施した。Gelろ過により約120(kDa)のwhole Ab 3-3のF(ab’)2のみに精製し免疫用抗原とした。
さらに、ELISAの陰性対照として用いるヒト IgG1/kappaのF(ab’)2を作製した。
ヒト IgG1/kappa(THE BINDING SITE社より購入) 4mgをセントリコン30を用いて、0.1M NaCl, 0.1M Acetate buffer(pH 3.2)に置換する操作を4回行った。最終濃度を9.9mg/mLとし、4℃で保存した。
以下の反応組成液を2本作製し、37℃で3時間インキュベートした。
(組成)
ヒト IgG1/kappa 2mg
ペプシン 2.9μg/231μL 0.1M NaCl, 0.1M Acetate buffer(pH 3.2)

反応後、直ちに1M Tris baseを29μL加えた後-80℃に保存した。
Gel濾過精製前に1本づつ融解し、TOSOH TSKgel G3000SWXLにて精製およびPBSへの置換を実施した。Gelろ過により120(kDa)のヒト IgG1/kappaのF(ab’)2のみに精製した。
<ペプチドのKLHへの架橋>
(方法)
(1)マレイミド法によるSHフリーペプチドとKLH(keyhole limpet hemocyanin)の架橋
VLR17SHフリーペプチド 1mg粉末を500μlのマレイミドコンジュゲーションバーファー(80mMリン酸緩衝液(pH7)0.1M EDTA 0.15M NaCl)で溶解した。マレイミドKLH(ピアス社より購入) 1mg粉末を500μlの純水で溶解し、ペプチド溶液と直ちに混合した。室温(25℃)で3時間反応させた。反応後、100μlずつ6本に分注して、残りはひとまとめのまま−20℃で保存した。
(2)EDC(1-ethy-3-(3-dimethylaminopropyl) carbodiimide hydrochloride)法による環状ペプチドとKLHの架橋
VLR17S−S環状ペプチド 1mg粉末を500μlのEDCコンジュゲーションバーファー(0.1M MES緩衝液(pH4.7)0.9M NaCl 0.02%NaN3)で溶解した。KLH(粉末)(ピアス社より購入)は、純水で10mg/mlとして、そのうち100μl(1mg分)をペプチド溶液に添加した。EDC試薬(ピアス社より購入) 5mgを、500μlの純水で溶解し、そのうち50μlを、ペプチド・KLH混合溶液に添加し、室温(25℃)で3時間反応させた。反応後、透析チューブ(分子量10000カット)に移し、2LのPBSに対して一晩透析した。翌日、透析チューブよりマイクロチューブ内に取り出し、さらに100μlずつ6本に分注して、残りはひとまとめのまま−20℃で保存した。
<抗原のマウスへの免疫>
KLH架橋VLR17SHフリーペプチド、KLH架橋VLR17S−S環状ペプチド、whole Ab 3-3 F(ab’)2の3種類の抗原を用いて免疫作業を実施した。
一次免疫
マレイミド架橋物抗原(VLR17SHフリー−KLH)溶液100μl(ペプチド100μg相当)+PBS400μl+FCA(Difco社より購入) 500μlを混合し、エマルジョン化後、2匹のBALB/cマウス♀8週令の腹腔に500μlずつ投与した。
EDC架橋物抗原(VLR17S−S環状−KLH)溶液100μl(ペプチド125μg相当)+PBS400μl+FCA 500μlを混合し、エマルジョン化後、2匹のBALB/cマウス♀8週令の腹腔に500μlずつ投与した。
whole Ab 3-3 F(ab’)2溶液(0.869mg/ml)250μl(86.9μg相当)+PBS750μl+FCA1.0mlを混合し、エマルジョン化後、4匹のBALB/cマウス♀8週令の腹腔に500μlずつ投与した。
二次免疫から三次免疫
一次免疫から2週間後、二次免疫を行った。
マレイミド架橋物抗原(VLR17SHフリー−KLH)溶液100μl(ペプチド100μg相当)+PBS800μl+リビアジュバント(RIBI/Corixa社より購入)100μlを混合し、既免疫2匹のBALB/cマウス♀10週令の腹腔に500μlずつ投与した。
EDC架橋物抗原(VLR17S−S環状−KLH)溶液100μl(ペプチド125μg相当)+PBS800μl+リビアジュバント100μlを混合し、既免疫2匹のBALB/cマウス♀10週令の腹腔に500μlずつ投与した。
whole Ab 3-3 F(ab’)2溶液(0.869 mg/ml)250μl(86.9μg相当)+PBS650μl+リビアジュバント(RIBI:67060-121801004)100μlを混合し、既免疫4匹のBALB/cマウス♀10週令の腹腔に250μlずつ投与した。
二次免疫より2週間の間隔をあけて三次免疫を行った。
<血清の採取>
3次免疫の一週間後に、各マウスにナンバリング(耳パンチを施す)を実施し、キャピラリー採血管を用いて、眼窩静脈より40〜50μl採血する操作を3回実施し血液を集めた。室温1時間放置後、遠心機(10000rpm、5分)により血清を分離した。
<力価測定>
力価測定のため、環状ペプチド、直鎖ペプチド、whole Ab 3-3、陰性対象用ヒト IgG1/kappa F(ab’)2をそれぞれ固定化したELISAプレートを調製した。
(1)VLR17S−S環状ペプチド固定化プレート
(i)VLR17S-S環状ぺプチド、600μg粉末を秤量してオートクレーブ滅菌水600μlを加えて1mg/mlのペプチド溶解液とした。
(ii)アミノプレート(住友ベークライド社より購入)を用意し、0.1MMES緩衝液(pH4.7)により、ぺプチド濃度が5μg/mlとなるように希釈し、50μl/ウェルで投入した。
(iii)純水で1mg/mlの濃度に調製したEDC試薬(ピアス社より購入)を10μl/ウェルで(ii)で調製したアミノプレートに添加し、4℃一晩架橋反応した。
(iv)翌日、PBSにて各ウェルを3回洗浄後、防腐剤入りブロックエースTM(大日本製薬より購入)を、200μl/ウェルで投入し、使用まで、低温室4℃保管した。
(2)VLR17SHフリーペプチド固定化プレート
(i)VLR17 SHフリーぺプチド、600μg粉末を秤量してオートクレーブ滅菌水600μlを加えて1mg/mlのペプチド溶解液とした。
(ii)アミノプレート(住友ベークライド社より購入)を用意し、PBSで希釈して調製した2%グルタルアルデヒド(ナカライテスクより購入)を50μl/ウェル投入し、室温で1時間反応させ、アルデヒド化した。
(iii)PBSにて各ウェルを3回洗浄後、0.2M炭酸緩衝液(pH9.5)で5μg/mlに希釈したSHフリーペプチドを50μl/ウェルで投入し、4℃一晩架橋反応した。
(iv)翌日、PBSにて各ウェルを3回洗浄後、防腐剤入りブロックエースTM(大日本製薬より購入)を、200μl/ウェルで投入し、使用まで4℃保管した。
(3)whole Ab 3-3 F(ab’)2自然吸着プレート
(i)whole Ab 3-3 F(ab’)2 869μg/mlをPBSにて、5μg/mlに希釈し、50μl/ウェルでイムノプレート(ナルジェヌンクより購入)に投入し、4℃一晩放置した。
(ii)翌日、PBSにて各ウェルを3回洗浄後、防腐剤入りブロックエースTM(大日本製薬より購入)を、200μl/ウェルで投入し、使用まで4℃保管した。
(4)ヒト IgG1/kappa/F(ab’)2 自然吸着プレート
(i)ヒト IgG1/kappa F(ab’)2 728μg/mlをPBSにて、5μg/mlに希釈し、50μl/ウェルでイムノプレート(ナルジェヌンクより購入)に投入し、4℃一晩放置した。
(ii)翌日、PBSにて各ウェルを3回洗浄後、防腐剤入りブロックエースTM(大日本製薬より購入)を、200μl/ウェルで投入し、使用まで4℃保管した。
(5)ブランクプレート
(i)アミノプレートに防腐剤入りブロックエースTM(大日本製薬より購入)を、200μl/ウェルで投入し、使用まで4℃保管した。
力価測定は以下の方法で実施した。
作製した5種の抗原固定化プレートのブロッキング液を捨て、キムタオルで液をよく切った。採取したマウス部分血清をそれぞれ、ブロックエースTM原液で10倍希釈した。各ウェルに40μlずつ、希釈した血清を投入し、室温(20℃)1時間反応させた。PBSで各ウェル3回洗浄した。キムタオルで液をよく切った。抗マウスIgG−POD標識抗体(Zymed社より購入)をブロックエースTMで500倍希釈して50μl/ウェルで投入し、室温(20℃)1時間反応させた。PBSで各ウェル3回洗浄した。キムタオルで液をよく切った。発色基質:ABTSを50μl/ウェルで投入し、室温にて10分発色反応させた。150mMシュウ酸溶液を50μl/ウェルで添加し、反応を停止させ、モレキュラーデバイス社のM-Tmax(機体番号UVT06000)を用いてA405nmの吸光度を測定した。
吸光度測定結果を図1に示す。
VLR17S-S環状ぺプチド免疫マウス血清2例はともに陰性対象であるヒト IgG1/kappaには反応性を示さずwhole Ab 3-3にのみ反応性を示した。
VLR17 SHフリーペプチド免疫マウス血清2例はともにwhole Ab 3-3にもヒト IgG1/kappaにも反応性を示さなかった。
whole Ab 3-3免疫マウス血清4例は2例がwhole Ab 3-3に反応性を示したがそのうちの1例はヒト IgG1/kappaにも反応性を示した。
ゆえに、VLR17S-S環状ペプチドを免疫したマウスではwhole Ab 3-3のみに反応性を示す血清が効率的に取得できた。
<マウス抗血清によるwhole Ab 3-3とE2tagのcompetition assay>
E2tag溶液(WO 03/014728に作製法を記載)を0.05M Bicarbonate buffer(pH9.6)で3.3μg/mLに希釈し、50μL/wellにて96wellプレートに加え、37℃で1時間インキュベートした。各wellの溶液をデカンテーションで廃棄し、各wellに250μLの5% BSAを含むPBSを加え、4℃で16時間以上保温した。溶液除去後、0.05% Tween20を含むPBSで各wellを5回づつ洗浄した。同時に各免疫マウス血清を5% BSAを含むPBSを用いて50倍、500倍、5000倍希釈した溶液50μLと50ng/mLのwhole Ab 3-3溶液50μLを混合し37℃で1時間インキュベートした。本溶液50μLを各wellにて加え、37℃で1時間インキュベートした。溶液除去、0.05% Tween20を含むPBSで5回洗浄後、5% BSAを含むPBS を用いてHRP標識抗ヒト IgG(Fc)を2000倍希釈した溶液を各wellに50μL加え、室温で1時間保温した。液除去、PBSで5回洗浄後、o-フェニレンジアミン(SIGMAより購入)20mgと30%%H2O2 20μLを加えたPhosphate Citrate Buffer(クエン酸(無水)4.7g、Na2HPO4 7.3gをMilliQ水1Lに溶解したbuffer(pH5.0)) 50μLを各wellに加え室温で遮光して約5分間反応させた。等量の10%硫酸を加えて反応を停止させた後、イムノリーダーを用いて各wellの波長1(490nm)における吸光度A1及び波長2(650nm)における吸光度A2を測定し、(A1-A2)を求めた。
結果を図2に示す。
VLR17環状ペプチド免疫マウス血清は2例ともにwhole Ab 3-3とE2tagのinteractionを阻害した。
また、whole Ab 3-3免疫マウス血清はwhole Ab 3-3に反応性を示した血清2例ともにwhole Ab 3-3とE2tagのinteractionを阻害した。しかし、そのうち1例はwhole Ab 3-3のみを特異的に認識する抗体ではなかった。
以上の結果より、目的抗体のCDR3を環状化したペプチドを免疫したマウスにおいて効率よく目的抗体に対するイデオタイプ抗血清が取得された。さらに、得られた抗血清は目的抗体と抗原の結合を効率よく阻害した。
[実施例2]モノクローナル抗体の作製と評価
さらにCDR3を環状化したペプチドを免疫したマウスから脾臓を摘出しハイブリドーマおよびモノクローナル抗体の作製を試みた。
<抗原のマウスへの免疫II>
四次免疫から五次免疫
三次免疫から1ヶ月の間隔をあけて四次免疫を実施した。
さらに、脾臓摘出前の追加免疫として四次免疫の二週間後にEDC架橋物抗原(VLR17環状−KLH)溶液100μl(ペプチド125μg相当)+PBS800μl+リビアジュバント(RIBI:67060-121801004)100μlを混合し、EDC架橋物抗原既免疫2匹のBALB/cマウス♀10週令の腹腔に500μlずつ投与し五次免疫を実施した。
<ハイブリドーマ作製と抗体の機能解析>
(1)細胞融合
五次免疫を施し、3日後のマウスより脾臓を摘出し、同時に心臓より採血を実施し、のちほど小型冷却遠心機にて(10000rpm、5分)血清を採取した。摘出した脾臓は、乾熱滅菌した金属メッシュ上で、無血清培地10mlを加えながら、乾熱滅菌したガラス棒により脾臓をつぶした。50ml遠心チューブに入れ、無血清培地でのべ3回の洗浄・遠心を行った。一方、融合パートナーとしてマウス骨髄腫細胞P3U1を9cmシャーレ6枚分培養したものを回収し、同じく無血清培地でのべ3回の洗浄を行い、両者を混合して50%PEG(ナカライテスク:code.28219-55、オートクレーブにて滅菌)/RPMI1640(無血清)存在下で、細胞融合を実施した。
融合細胞は、血清培地100mlに懸濁し、100μl/ウェルずつ96穴培養プレート(Falcon :code.3072)、10枚分にまきこみ、37℃、5%COで培養を開始した。10枚目の最終ウェル1つは、陽性コントロールとしての抗血清用に細胞懸濁液は未投入としておいた。
(2)HAT選択
細胞融合の翌日より、HAT培地(ICN:16-808-49と三光純薬:CM-B)を100μl/ウェルで添加し、融合した細胞のみの選択培養を開始した。翌日から、培地交換を実施した。
途中、顕微鏡観察によりコロニーの増殖を観察し、細胞融合の成功を確認した。
(3)ハイブリドーマスクリーニング
(i)抗原プレートの作製
whole Ab 3-3 F(ab’)2抗体とブランク抗体をそれぞれPBS溶液により 10μg/ml、50μl/ウェルで、イムノプレート(ナルジェヌンク:code.468667)各13枚に投入し、抗原プレートを作製した。
(ii)翌日、ブロックエースTM(大日本製薬:code.UK-B25)原液を、200μl/ウェルで投入し、4℃一晩放置しブロッキング操作を実施した。
(iii)翌日、融合細胞959株の培養上清を無菌下で、110μlずつ全ウェルについて回収した。回収した上清を、whole Ab 3-3 F(ab’)2抗体とブランク抗体プレートのそれぞれに50μlずつ投入し、室温で1時間放置して、一次反応を実施した。
(iv)PBSで各ウェルを3回洗浄後、抗マウスIgG−POD標識抗体(Zymed:61-6520)をブロックエースTMにて500倍希釈し、50μl/ウェルで投入し、室温で1時間放置して、二次反応を実施した。
(v)PBSで各ウェルを4回洗浄後、ABTS(ナカライテスク試薬を使用した自家調製品)を100μl/ウェルで投入し、室温で5〜10分程度放置して、発色反応を実施した。
吸光度測定を行い発色が強かった63株について二次スクリーニングを実施した。
一次スクリーニングで陽性と思われた63株について、再度、両抗原とあらたに環状ペプチド抗原に対しての反応を調べた。二次スクリーニングでは二次抗体のバックグラウンドを回避するために環状ペプチド抗原を抗原としたスクリーニングを実施した。環状ペプチドとwhole Ab 3-3 F(ab’)2抗体に反応し、ブランク抗体に反応しないNo.61を選抜した。
(4)陽性株のクローニング
限界希釈法により、陽性株(No.61)のクローニングを実施した。競合する細胞群と分離するために、顕微鏡下でコロニーをピックアップした。ピックアップにより分離した細胞群の活性を再度確認し、反応陽性の群からクローニングを開始した。クローニングは、あらかじめクローニングメディウム100μlを入れた96穴培養プレートに、1穴あたり2細胞、1細胞、0.5細胞となるように、希釈した細胞液100μlを加えて定法どおり行った。
(5)サブクラス検定
陽性株(クローニング前のNo.61)の培養上清を用いて、ID/SP KIT(Zymed 93-6550)の説明書にしたがって、検定したところIgG2aと判断された。(図3)
(6)クローニングアッセイとリクローニング
希釈培養したウェルに対して、VLR17S−S環状ペプチドプレートを作製してクローニングアッセイを実施した。
完全なシングルセルになるまで、限界希釈クローニングとアッセイを繰り返した。
(7)シングルクローン樹立
シングルクローンを3種独立して取得し、増殖してきた順に 本株1種(61−11F)、亜株2種(61−12H、61−9G)と名づけ、拡大培養を実施し凍結保存した。
(8)培養上清の精製
61−11F株を培養し得られた培養上清をProteinAカラムを用いて精製した。
ProteinAカラム(カラム高 1cm、カラム径 1cm)に線速0.5cm/minで培養上清をapplyした。その後、PBSを線速0.5cm/minで50ml流しカラムを洗浄した。次にElution溶液、0.1M Acetate buffer(pH3.0)を線速0.5cm/minで約30ml流した。Elution溶液を2mlづつフラコレチューブ14本に分注した。分注したElution溶液のAbs280nmを分光光度計(日立製作所製、ダブルビーム分光光度計 U-2001)を用いてを測定した。ピークの範囲で吸光度があったフラコレチューブのElution溶液を1つにまとめて抗体sampleとした。
得られた抗体sampleはセントリコン50を用いて定法により0.1%のアザイドを含むPBSに置換した。
(9)モノクローナル抗体の活性測定
whole Ab 3-3 F(ab’)2溶液およびヒト IgG1/kappa F(ab’)2溶液(溶液1で10μg/mlに希釈)を50μL/wellで96wellプレートに加え、37℃で2時間処理した。その後、wellの溶液をすて、各wellに250μlの溶液2を加え、4℃で16時間以上保温した。溶液除去後、溶液3で各wellを5回ずつ洗浄し、溶液4で100, 50, 25, 12.5, 6.25, 3.125(ng/mL)に希釈した61-11F上清由来のモノクローナル抗体溶液を50μL/wellで加えて、37℃で1時間保温した。溶液除去、溶液3で5回洗浄後、溶液5を50μL/wellで加え、室温で1時間保温した。液除去、PBSで5回洗浄後、溶液9を100μL/wellで加えて室温で遮光して約5分間反応させた。等量の10%硫酸を加えて反応を停止させた後、イムノリーダー(Inter Med社製、Immuno Reader NJ-2000)を用いて各wellの波長1(490nm)及び波長2(650nm)における吸光度A1及びA2を測定し、(A1-A2)を求めた。その結果、61-11F由来のモノクローナル抗体はwhole Ab 3-3のみに特異的に結合することが示された(図4)。
なお、各溶液の組成は以下の通りである。
溶液1:0.1% Sodium Azideを含むPBS
溶液2:1% BSA、0.1% Sodium Azideを含むPBS
溶液3:0.05%のTween20を含むPBS
溶液4:1% BSAを含むPBS
溶液5:HRP標識抗マウス免疫グロブリンヤギ抗体(Zymed社より購入)原液2μLを10mlの溶液4に溶かしたもの(用時調製)
溶液6:リン酸−水素ナトリウム14.2gを取り、水を加えて500mlとする
溶液7:クエン酸1水和物10.5gを取り水を加えて500mlとする
溶液8:溶液5 257mlに溶液6を243ml加え、水を加えて1000mlとする
溶液9:O-フェニレンジアミン(和光純薬より購入)4.0mgを取り、溶液7を10ml及び30%(v/v)過酸化水素溶液5マイクロリットルを加えて溶かす(調製後10分以内に用いた)
産業上の利用の可能性
本発明の方法によれば、生体内で複雑なループ構造を形成する部位を有するタンパク質に対する特異的抗体を効率よく製造することができる。

Claims (5)

  1. 生理的条件下でループ構造を形成する部位を有するタンパク質に対する抗体を製造する方法であって、前記ループ構造を形成する部位のアミノ酸配列を含み、かつ環状構造を有するペプチドで非ヒト哺乳動物を免疫するステップと、該非ヒト哺乳動物から抗体を回収するステップを含む方法。
  2. 生理的条件下でループ構造を形成する部位を有するタンパク質に対する抗体を製造する方法であって、前記ループ構造を形成する部位のアミノ酸配列を含み、かつ環状構造を有するペプチドで非ヒト哺乳動物を免疫するステップと、該非ヒト哺乳動物からB細胞を回収しミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマを得るステップと、ハイブリドーマの培養上清から抗体を回収するステップを含む方法。
  3. 生理的条件下でループ構造を形成する部位を有するタンパク質に対する抗体を製造する方法であって、前記ループ構造を形成する部位のアミノ酸配列を含み、かつ環状構造を有するペプチドで非ヒト哺乳動物を免疫するステップと、該非ヒト哺乳動物からB細胞を回収しエプスタインバーウイルスを感染させて不死化するステップと、その培養上清から抗体を回収するステップを含む方法。
  4. 前記ペプチドが、前記アミノ酸配列に含まれる2個のシステイン残基のチオール基間のジスルフィド結合を介する環状構造を有するペプチドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. タンパク質が抗体であり、ループ構造をとる部位がCDRである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
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