JPWO2006046674A1 - C型肝炎ウイルス感染症の予防および治療剤 - Google Patents
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Abstract
ヒメハギ属の植物の抽出物を有効成分として含有する、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療するための医薬組成物が開示される。好ましくは、本発明の医薬組成物は、オンジ(Polygala Tenuifolia Willdenowの根部)の抽出物またはセネガ(Polygala senega Linneの根部)の抽出物を含む。好ましくは抽出物はサポニン、例えば、オンジサポニンまたはポリガラサポニンである。
Description
本発明は、C型肝炎ウイルス感染症を予防および治療するための医薬組成物に関する。
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染者は世界中で約1−2億人、日本国内では200万人以上と推測されている。これらの感染者の約50%が慢性肝炎に移行し、そのうち約20%が感染後30年以上たって肝硬変や肝癌を発症する。肝癌の原因の約90%はC型肝炎であると言われている。日本国内では、毎年2万人以上の患者がHCV感染に伴う肝癌により死亡している。
C型肝炎ウイルスは、1本鎖RNAウイルスであり、コア蛋白、エンベロープ蛋白およびRNAで構成される直径55〜65nmの粒子である。この粒子は、ヒトの肝細胞に吸着、侵入したあと脱殻し、RNAを放出する。肝細胞内で、ウイルス自身が持つRNA依存性RNAポリメラーゼによってmRNAおよびウイルス遺伝子RNAの複製が合成される。mRNAの情報によって、ウイルスの構造蛋白やプロテアーゼ、ヘリカーゼ、RNAポリメラーゼなどが作られ、ウイルス粒子が形成され、ゴルジ装置を通って細胞膜に達し、肝細胞外へ放出され、ウイルスは増殖していく。
HCVは、いまだ明らかでない原因により宿主の免疫機構を回避するため、免疫機構の発達した成人に感染した場合でも持続感染が成立することが多い。持続感染は、慢性肝炎、肝硬変、肝癌へと進行し、手術により摘出しても、非癌部で引き続き起こる炎症のため、肝癌が再発する患者が多いことも知られている。
現在、HCV排除の唯一の有効な治療法としてインターフェロン治療が知られている。しかし、インターフェロン治療が有効な患者は、全患者の1/3程度である。特に、HCVゲノタイプ1bに対するインターフェロンの奏効率は非常に低い。また、インターフェロンとリバビリンとの併用によるC型肝炎の治療も行われているが、有効率は依然として低い。また、インターフェロンアゴニスト、インターロイキン−12アゴニスト等、患者の免疫力を増強させることによってウイルスを排除する手段も試みられているが、いまだ有効とされる薬剤は見いだされていない。
したがって、当該技術分野においては、HCVを排除しC型肝炎を治療する有効な治療方法および治療薬の開発が求められている。
本発明に関連する先行技術文献情報としては以下のものがある:V.Lohmann et al,Science:285,110−113,1999;S.Sakuma and J.Shoji,Chem.Pharm.Bull:29,2431−2441,1981;S.Sakuma and J.Shoji,Chem.Pharm.Bull:30,810−821,1982;Y.Shimizu and S.W.Pelletier,J.Am.Chem.Soc.,88,1544−1549,1966。
本発明は、C型肝炎ウイルス感染症を予防および治療するのに有効な化合物ならびにこの化合物を含む医薬組成物を提供することを目的とする。
C型肝炎ウイルスは、1本鎖RNAウイルスであり、コア蛋白、エンベロープ蛋白およびRNAで構成される直径55〜65nmの粒子である。この粒子は、ヒトの肝細胞に吸着、侵入したあと脱殻し、RNAを放出する。肝細胞内で、ウイルス自身が持つRNA依存性RNAポリメラーゼによってmRNAおよびウイルス遺伝子RNAの複製が合成される。mRNAの情報によって、ウイルスの構造蛋白やプロテアーゼ、ヘリカーゼ、RNAポリメラーゼなどが作られ、ウイルス粒子が形成され、ゴルジ装置を通って細胞膜に達し、肝細胞外へ放出され、ウイルスは増殖していく。
HCVは、いまだ明らかでない原因により宿主の免疫機構を回避するため、免疫機構の発達した成人に感染した場合でも持続感染が成立することが多い。持続感染は、慢性肝炎、肝硬変、肝癌へと進行し、手術により摘出しても、非癌部で引き続き起こる炎症のため、肝癌が再発する患者が多いことも知られている。
現在、HCV排除の唯一の有効な治療法としてインターフェロン治療が知られている。しかし、インターフェロン治療が有効な患者は、全患者の1/3程度である。特に、HCVゲノタイプ1bに対するインターフェロンの奏効率は非常に低い。また、インターフェロンとリバビリンとの併用によるC型肝炎の治療も行われているが、有効率は依然として低い。また、インターフェロンアゴニスト、インターロイキン−12アゴニスト等、患者の免疫力を増強させることによってウイルスを排除する手段も試みられているが、いまだ有効とされる薬剤は見いだされていない。
したがって、当該技術分野においては、HCVを排除しC型肝炎を治療する有効な治療方法および治療薬の開発が求められている。
本発明に関連する先行技術文献情報としては以下のものがある:V.Lohmann et al,Science:285,110−113,1999;S.Sakuma and J.Shoji,Chem.Pharm.Bull:29,2431−2441,1981;S.Sakuma and J.Shoji,Chem.Pharm.Bull:30,810−821,1982;Y.Shimizu and S.W.Pelletier,J.Am.Chem.Soc.,88,1544−1549,1966。
本発明は、C型肝炎ウイルス感染症を予防および治療するのに有効な化合物ならびにこの化合物を含む医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、広範な種類の植物および生薬について抗HCV活性を調べた結果、ヒメハギ属の植物のエタノール抽出物が強力な抗HCV活性を有することを見いだした。すなわち、本発明は、ヒメハギ属の植物の抽出物を有効成分として含有する、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療するための医薬組成物を提供する。
本発明において、「C型肝炎ウイルス感染症」とは、C型肝炎ウイルスの感染に関連する疾患を表し、例えば、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化および肝癌が挙げられる。C型肝炎ウイルス感染症の予防および治療には、これらの疾患の症状を軽減または排除すること、感染患者中のC型肝炎ウイルスの増殖を阻害すること、ウイルスの活性を低下させること、およびウイルスを消滅もしくは減少させることが含まれる。
本発明において、「ヒメハギ属の植物」とは、ヒメハギ科(Polygalaceae)のヒメハギ属(Polygala)に属する植物であり、その一部は従来より生薬として知られている。代表的なものとしては、オンジ(Polygala Tenuifolia Willdenowの根部)およびセネガ(Polygala senega Linneの根部)が挙げられる。
「抽出物」とは、ヒメハギ属の植物、例えばその茎、根、葉等を適当な溶媒で抽出し、必要に応じて濃縮・乾燥することにより得られる物質をいい、単離された化合物でもよく、複数の化合物の混合物でもよい。
本発明の1つの好ましい態様においては、ヒメハギ属の植物の抽出物はサポニンである。サポニンは、ステロイドやトリテルペノイドにオリゴ糖が結合した配糖体であり、植物界に広く分布する物質である。本発明において好ましいサポニンは、オンジサポニンまたはポリガラサポニンである。
別の観点においては、本発明は、オンジサポニンB、ポリガラサポニンXLIV、ポリガラサポニンXXXIIおよびオンジサポニンFからなる群より選択される化合物を有効成分として含有する、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療するための医薬組成物を提供する。
別の観点においては、本発明は、以下の式(I):
[式中、
R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、糖、糖鎖または水素であり;
R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、−H、−OHまたは−OR7であり、ここで、R7はC1−6の直鎖または分枝鎖のアルキル基である]
の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分として含む、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療するための医薬組成物を提供する。好ましくは、R7はC1−3の直鎖または分枝鎖のアルキル基である。
上記式中、糖とは単糖類を意味し、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、キシロース、アラビノース、ラムノース、アピオース、フコースなどが挙げられる。これらの単糖類が、R1、R2およびR3、すなわち残基として結合する場合、結合手が存在する位置としては、5単糖、6単糖といった糖の種類にもよるが、例えば、糖における1位(アノメリックポジション)、2位、3位、4位、5位および6位が挙げられる。中でも、1位(アノメリックポジション)に結合手が存在するのが好ましい。糖鎖とは、複数の単糖類、好ましくは2−10個の単糖類、より好ましくは2−4個の単糖類がグリコシド結合により互いに結合した成分を意味する。
薬学的に許容しうる塩としては、薬理学的に許容されるものであれば特に限定されず、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属等の塩、アンモニアや各種有機塩基等の塩類を挙げることができる。
特に好ましくは、式(I)の化合物は、式:
で表される化合物(オンジサポニンF)である。
別の観点においては、本発明は、C型肝炎ウイルスに感染した患者にヒメハギ属の植物の抽出物を投与することを含む、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療する方法を提供する。
本発明において、「C型肝炎ウイルス感染症」とは、C型肝炎ウイルスの感染に関連する疾患を表し、例えば、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化および肝癌が挙げられる。C型肝炎ウイルス感染症の予防および治療には、これらの疾患の症状を軽減または排除すること、感染患者中のC型肝炎ウイルスの増殖を阻害すること、ウイルスの活性を低下させること、およびウイルスを消滅もしくは減少させることが含まれる。
本発明において、「ヒメハギ属の植物」とは、ヒメハギ科(Polygalaceae)のヒメハギ属(Polygala)に属する植物であり、その一部は従来より生薬として知られている。代表的なものとしては、オンジ(Polygala Tenuifolia Willdenowの根部)およびセネガ(Polygala senega Linneの根部)が挙げられる。
「抽出物」とは、ヒメハギ属の植物、例えばその茎、根、葉等を適当な溶媒で抽出し、必要に応じて濃縮・乾燥することにより得られる物質をいい、単離された化合物でもよく、複数の化合物の混合物でもよい。
本発明の1つの好ましい態様においては、ヒメハギ属の植物の抽出物はサポニンである。サポニンは、ステロイドやトリテルペノイドにオリゴ糖が結合した配糖体であり、植物界に広く分布する物質である。本発明において好ましいサポニンは、オンジサポニンまたはポリガラサポニンである。
別の観点においては、本発明は、オンジサポニンB、ポリガラサポニンXLIV、ポリガラサポニンXXXIIおよびオンジサポニンFからなる群より選択される化合物を有効成分として含有する、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療するための医薬組成物を提供する。
別の観点においては、本発明は、以下の式(I):
[式中、
R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、糖、糖鎖または水素であり;
R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、−H、−OHまたは−OR7であり、ここで、R7はC1−6の直鎖または分枝鎖のアルキル基である]
の化合物またはその薬学的に許容しうる塩を有効成分として含む、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療するための医薬組成物を提供する。好ましくは、R7はC1−3の直鎖または分枝鎖のアルキル基である。
上記式中、糖とは単糖類を意味し、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、キシロース、アラビノース、ラムノース、アピオース、フコースなどが挙げられる。これらの単糖類が、R1、R2およびR3、すなわち残基として結合する場合、結合手が存在する位置としては、5単糖、6単糖といった糖の種類にもよるが、例えば、糖における1位(アノメリックポジション)、2位、3位、4位、5位および6位が挙げられる。中でも、1位(アノメリックポジション)に結合手が存在するのが好ましい。糖鎖とは、複数の単糖類、好ましくは2−10個の単糖類、より好ましくは2−4個の単糖類がグリコシド結合により互いに結合した成分を意味する。
薬学的に許容しうる塩としては、薬理学的に許容されるものであれば特に限定されず、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属等の塩、アンモニアや各種有機塩基等の塩類を挙げることができる。
特に好ましくは、式(I)の化合物は、式:
で表される化合物(オンジサポニンF)である。
別の観点においては、本発明は、C型肝炎ウイルスに感染した患者にヒメハギ属の植物の抽出物を投与することを含む、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療する方法を提供する。
図1は、オンジのLC−UV−MSクロマトグラムおよび微量分取フラクションの抗HCVレプリコン活性および細胞毒性を示す。
図2は、セネガのLC−UV−MSクロマトグラムおよび微量分取フラクションの抗HCVレプリコン活性および細胞毒性を示す。
図3は、ポリガラサポニンXXXIIおよびオンジサポニンFの構造を示す。
図4は、Fr.4(オンジサポニンF)の1H−NMR(500MHz)スペクトルを示す。
図5は、オンジより精製された物質およびリバビリンの抗HCVレプリコン活性および細胞毒性を示す。
図6は、ウェスタンブロット解析によるオンジサポニンのHCVタンパク質合成阻害の測定結果を示す。
図7は、ウエスタンブロット解析によるオンジサポニンの抗ウイルス効果を示す。
図8は、ノザンブロット解析によるオンジサポニンのHCV RNA複製阻害の測定結果を示す。
図9は、ノザンブロット解析によるオンジサポニンの抗ウイルス効果を示す。
発明の詳細な説明
HCVレプリコンアッセイを用いて、市販の生薬のエタノール抽出物280種についてスクリーニングしたところ、オンジ(S.Sakuma and J.Shoji,Chem.Pharm.Bull:29,2431−2441,1981;S.Sakuma and J.Shoji,Chem.Pharm.Bull:30,810−821,1982)およびセネガ(Y.Shimizu and S.W.Pelletier,J.Am.Chem.Soc.,88,1544−1549,1966)の抽出物が選択的かつ強い抗HCV活性を有することが見いだされた。生薬オンジおよびセネガは、去痰薬の配合剤原料として用いられており、抽出物には気道分泌亢進および利尿作用が知られている。しかし、オンジまたはセネガ由来の製剤および抽出成分に抗HCV活性あるいは肝炎に対する治療効果があることは全く知られていなかった。
下記の実施例に記載されるように、オンジおよびセネガの抽出物をLC/MSで分析、同時に微量分取して各ピーク成分の活性を測定したところ、両生薬に共通する類似のサポニンのピーク群に抗HCV活性が認められた。そこで、オンジについて、この成分を明らかにすべく活性物質を精製・単離し、構造を同定したところ、オンジサポニンFなどのプレセネゲニンおよび桂皮酸誘導体をアグリコンとするサポニンを活性成分として分離することができた。オンジサポニンFは、0.17μMでHCVレプリコン活性を50%阻害したが、6μMでも細胞毒性は示さなかった。この活性は、サポニンを加水分解することにより消失した。
有効成分の抽出方法
本発明の医薬組成物は、ヒメハギ属の植物の根、茎、葉または種子から有用成分を抽出することにより製造することができる。ヒメハギ属の植物としては、好ましくは、オンジ(Polygala Tenuifolia Willdenowの根部)およびセネガ(Polygala senega Linneの根部)が用いられる。あるいは、これらを乾燥したものや粉末としたものを使用してもよい。
ヒメハギ属の植物の根、茎、葉または種子から抽出物を得るためには、これらの原料を細断し、5〜100倍量の抽出溶媒を加えて数時間から数日間放置または撹拌する。抽出溶媒としては、水、エタノール、メタノール、アセトン、プロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル等、またはこれらの混合物を用いることができる。抽出は、冷却または加熱しながら行ってもよく、加圧処理してもよい。
得られた根、茎、葉または種子からの抽出物は、必要に応じて、濾過により不溶性成分を除去した後に、抽出溶媒を除去して、本発明の抽出物を得る。この抽出物は、必要に応じて低温殺菌してもよく、さらに濃縮、乾燥してもよい。乾燥は慣用の噴霧乾燥または凍結乾燥などにより行うことができる。抽出物は室温、冷蔵または冷凍条件下で保存することができる。
このようにして分離された粗抽出物は、必要に応じて、さらに精製する工程に付することができる。精製は、生理活性物質の分離、精製に通常使用される方法によって行うことができ、例えば、シリカゲル、化学修飾されたシリカゲル、活性アルミナ、活性炭、吸着性樹脂等の担体を用いるカラムクロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法、ゲルろ過法等により行うことができる。シリカゲルを担体として用いるカラムクロマトグラフィー法を採用する場合は、溶出溶媒としては、例えば、クロロホルム、酢酸エチル、メタノール、水等を挙げることができ、これらは2種類以上を併用することができる。化学修飾されたシリカゲルを担体として用いるカラムクロマトグラフィー法を採用する場合は、溶出溶媒としては、例えば、含水メタノール、含水アセトニトリル等の水溶性有機溶媒の含水溶液等を使用することができる。高速液体クロマトグラフィー法を採用する場合は、担体として、例えば、オクタデシル基、オクチル基、フェニル基などが結合した化学修飾されたシリカゲル;ポリスチレン系ポーラスポリマーゲル等を挙げることができ、移動相としては、例えば、含水メタノール、含水アセトニトリル等の水溶性有機溶媒の含水溶液等を使用することができる。ゲルろ過法においては、セファデックスLH−20やG−10等のゲルろ過担体等を用いることができ、移動相としては、メタノールや水、含水メタノール等を使用することができる。
さらに、ヒメハギ属の植物の根、茎、葉または種子から上述のようにして抽出された物質を、さらに化学的に改変または修飾してもよい。そのような改変および修飾は、化学合成の分野においてよく知られる方法を用いて容易に行うことができる。
レプリコンアッセイ
本発明の医薬組成物の抗HCV活性は、レプリコンアッセイを使用して測定することができる。レプリコンアッセイは、C型肝炎ウイルス(HCV)のインビトロRNA複製系であり、細胞レベルでHCVの増殖能を予測するアッセイ系である。HCVはインビトロ細胞培養系が無いために、これまでは、抗HCV薬の評価をするにあたり他の近縁ウイルスを用いた代替ウイルスアッセイ法を用いなければならなかった。近年、Lohmannら(V.Lohmann et al,Science:285,110−113,1999)によりHCVの非構造領域部分を用いてインビトロでHCVの複製を観測することが可能になったことにより、レプリコンアッセイ法によって抗HCV薬の評価が容易となった。オリジナルの方法はHCV−RNA数をポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)で検出するものであるが、その代わりの方法としてHCV遺伝子中にレポーター遺伝子を導入する方法が一般的であり、より効率的なアッセイ法として評価に利用されている。
レポーター遺伝子としては、例えば、ホタル由来のルシフェラーゼ遺伝子を導入したものを用いることができる。具体的には、Kriegerら(N.Krieger et al.,J.Virology:75,4614−24,2001)の方法に従い、HCV遺伝子のInternal Ribosome Entry Site(IRES)の直下にネオマイシン耐性遺伝子と融合する形でルシフェラーゼ遺伝子を導入する。インビトロで当該RNAを合成後、エレクトロポレーション法等により適当な細胞に導入して、ホタル・ルシフェラーゼHCVレプリコン細胞を得る。この細胞を96穴プレートのウエルに蒔き、希釈した被検物質を加えて数日間培養する。次に基質を加えて、プレートリーダーでルミネッセンスを測定する。細胞未添加の値をバックグランドとして全ての値から差し引き、被検物質未添加の値を阻害0%として、被検物質のIC50(50%阻害濃度)を算出することができる。
細胞毒性試験(WST−8)
本発明の医薬組成物の細胞毒性は、例えば、市販のCell counting kit−8(Dojindo cat.no.CK04)を用いて測定することができる。上述のホタル・ルシフェラーゼHCVレプリコン細胞を96穴プレートのウエルに蒔き、希釈した被検物質を加えて数日間培養する。各ウエルにCell counting kit−8を添加し、吸光度を測定する。細胞未添加の値をバックグランドとして全ての値から差し引き、被検物質未添加の値を阻害0%として、被検物質のIC50(50%阻害濃度)を算出することができる。
医薬製剤
本発明の医薬組成物はC型肝炎ウイルス感染症の予防および/または治療に有用である。本発明の医薬組成物は、当業者に公知の方法で製剤化することができる。例えば、薬学的に許容しうる担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することができる。
経口投与用には、本発明の抽出物または化合物またはその塩を当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容しうる担体と混合することにより、錠剤、丸薬、糖衣剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等として処方することができる。担体としては、当該技術分野において従来公知のものを広く使用することができ、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、グルコース液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩壊剤;白糖、ステアリンカカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、澱粉等の保湿剤;澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の潤沢剤等を用いることができる。さらに錠剤は、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠、あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
非経口投与用には、本発明の抽出物または化合物またはその塩を当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容しうるベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射剤用の水溶性ベヒクルとしては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO−50と併用してもよい。
油性ベヒクルとしてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
本発明の医薬組成物の適当な投与経路には、限定されないが、経口、直腸内、経粘膜、または腸内投与、または筋肉内、皮下、骨髄内、鞘内、直接心室内、静脈内、硝子体内、腹腔内、鼻腔内、または眼内注射が含まれる。投与経路および投与方法は、患者の年齢、症状により適宜選択することができる。
本発明の医薬組成物の投与量としては、例えば、一回につき体重1kgあたり0.0001mgから1000mgの範囲で選ぶことが可能である。あるいは、例えば、患者あたり0.001〜100000mg/bodyの範囲で投与量を選ぶことができるが、これらの数値に必ずしも制限されるものではない。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
本明細書において明示的に引用される全ての特許および参考文献の内容は全て本明細書の一部としてここに引用する。また,本出願が有する優先権主張の基礎となる出願である日本特許出願2004−309196号の明細書および図面に記載の内容は全て本明細書の一部としてここに引用する。
図2は、セネガのLC−UV−MSクロマトグラムおよび微量分取フラクションの抗HCVレプリコン活性および細胞毒性を示す。
図3は、ポリガラサポニンXXXIIおよびオンジサポニンFの構造を示す。
図4は、Fr.4(オンジサポニンF)の1H−NMR(500MHz)スペクトルを示す。
図5は、オンジより精製された物質およびリバビリンの抗HCVレプリコン活性および細胞毒性を示す。
図6は、ウェスタンブロット解析によるオンジサポニンのHCVタンパク質合成阻害の測定結果を示す。
図7は、ウエスタンブロット解析によるオンジサポニンの抗ウイルス効果を示す。
図8は、ノザンブロット解析によるオンジサポニンのHCV RNA複製阻害の測定結果を示す。
図9は、ノザンブロット解析によるオンジサポニンの抗ウイルス効果を示す。
発明の詳細な説明
HCVレプリコンアッセイを用いて、市販の生薬のエタノール抽出物280種についてスクリーニングしたところ、オンジ(S.Sakuma and J.Shoji,Chem.Pharm.Bull:29,2431−2441,1981;S.Sakuma and J.Shoji,Chem.Pharm.Bull:30,810−821,1982)およびセネガ(Y.Shimizu and S.W.Pelletier,J.Am.Chem.Soc.,88,1544−1549,1966)の抽出物が選択的かつ強い抗HCV活性を有することが見いだされた。生薬オンジおよびセネガは、去痰薬の配合剤原料として用いられており、抽出物には気道分泌亢進および利尿作用が知られている。しかし、オンジまたはセネガ由来の製剤および抽出成分に抗HCV活性あるいは肝炎に対する治療効果があることは全く知られていなかった。
下記の実施例に記載されるように、オンジおよびセネガの抽出物をLC/MSで分析、同時に微量分取して各ピーク成分の活性を測定したところ、両生薬に共通する類似のサポニンのピーク群に抗HCV活性が認められた。そこで、オンジについて、この成分を明らかにすべく活性物質を精製・単離し、構造を同定したところ、オンジサポニンFなどのプレセネゲニンおよび桂皮酸誘導体をアグリコンとするサポニンを活性成分として分離することができた。オンジサポニンFは、0.17μMでHCVレプリコン活性を50%阻害したが、6μMでも細胞毒性は示さなかった。この活性は、サポニンを加水分解することにより消失した。
有効成分の抽出方法
本発明の医薬組成物は、ヒメハギ属の植物の根、茎、葉または種子から有用成分を抽出することにより製造することができる。ヒメハギ属の植物としては、好ましくは、オンジ(Polygala Tenuifolia Willdenowの根部)およびセネガ(Polygala senega Linneの根部)が用いられる。あるいは、これらを乾燥したものや粉末としたものを使用してもよい。
ヒメハギ属の植物の根、茎、葉または種子から抽出物を得るためには、これらの原料を細断し、5〜100倍量の抽出溶媒を加えて数時間から数日間放置または撹拌する。抽出溶媒としては、水、エタノール、メタノール、アセトン、プロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、ジエチルエーテル等、またはこれらの混合物を用いることができる。抽出は、冷却または加熱しながら行ってもよく、加圧処理してもよい。
得られた根、茎、葉または種子からの抽出物は、必要に応じて、濾過により不溶性成分を除去した後に、抽出溶媒を除去して、本発明の抽出物を得る。この抽出物は、必要に応じて低温殺菌してもよく、さらに濃縮、乾燥してもよい。乾燥は慣用の噴霧乾燥または凍結乾燥などにより行うことができる。抽出物は室温、冷蔵または冷凍条件下で保存することができる。
このようにして分離された粗抽出物は、必要に応じて、さらに精製する工程に付することができる。精製は、生理活性物質の分離、精製に通常使用される方法によって行うことができ、例えば、シリカゲル、化学修飾されたシリカゲル、活性アルミナ、活性炭、吸着性樹脂等の担体を用いるカラムクロマトグラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法、ゲルろ過法等により行うことができる。シリカゲルを担体として用いるカラムクロマトグラフィー法を採用する場合は、溶出溶媒としては、例えば、クロロホルム、酢酸エチル、メタノール、水等を挙げることができ、これらは2種類以上を併用することができる。化学修飾されたシリカゲルを担体として用いるカラムクロマトグラフィー法を採用する場合は、溶出溶媒としては、例えば、含水メタノール、含水アセトニトリル等の水溶性有機溶媒の含水溶液等を使用することができる。高速液体クロマトグラフィー法を採用する場合は、担体として、例えば、オクタデシル基、オクチル基、フェニル基などが結合した化学修飾されたシリカゲル;ポリスチレン系ポーラスポリマーゲル等を挙げることができ、移動相としては、例えば、含水メタノール、含水アセトニトリル等の水溶性有機溶媒の含水溶液等を使用することができる。ゲルろ過法においては、セファデックスLH−20やG−10等のゲルろ過担体等を用いることができ、移動相としては、メタノールや水、含水メタノール等を使用することができる。
さらに、ヒメハギ属の植物の根、茎、葉または種子から上述のようにして抽出された物質を、さらに化学的に改変または修飾してもよい。そのような改変および修飾は、化学合成の分野においてよく知られる方法を用いて容易に行うことができる。
レプリコンアッセイ
本発明の医薬組成物の抗HCV活性は、レプリコンアッセイを使用して測定することができる。レプリコンアッセイは、C型肝炎ウイルス(HCV)のインビトロRNA複製系であり、細胞レベルでHCVの増殖能を予測するアッセイ系である。HCVはインビトロ細胞培養系が無いために、これまでは、抗HCV薬の評価をするにあたり他の近縁ウイルスを用いた代替ウイルスアッセイ法を用いなければならなかった。近年、Lohmannら(V.Lohmann et al,Science:285,110−113,1999)によりHCVの非構造領域部分を用いてインビトロでHCVの複製を観測することが可能になったことにより、レプリコンアッセイ法によって抗HCV薬の評価が容易となった。オリジナルの方法はHCV−RNA数をポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)で検出するものであるが、その代わりの方法としてHCV遺伝子中にレポーター遺伝子を導入する方法が一般的であり、より効率的なアッセイ法として評価に利用されている。
レポーター遺伝子としては、例えば、ホタル由来のルシフェラーゼ遺伝子を導入したものを用いることができる。具体的には、Kriegerら(N.Krieger et al.,J.Virology:75,4614−24,2001)の方法に従い、HCV遺伝子のInternal Ribosome Entry Site(IRES)の直下にネオマイシン耐性遺伝子と融合する形でルシフェラーゼ遺伝子を導入する。インビトロで当該RNAを合成後、エレクトロポレーション法等により適当な細胞に導入して、ホタル・ルシフェラーゼHCVレプリコン細胞を得る。この細胞を96穴プレートのウエルに蒔き、希釈した被検物質を加えて数日間培養する。次に基質を加えて、プレートリーダーでルミネッセンスを測定する。細胞未添加の値をバックグランドとして全ての値から差し引き、被検物質未添加の値を阻害0%として、被検物質のIC50(50%阻害濃度)を算出することができる。
細胞毒性試験(WST−8)
本発明の医薬組成物の細胞毒性は、例えば、市販のCell counting kit−8(Dojindo cat.no.CK04)を用いて測定することができる。上述のホタル・ルシフェラーゼHCVレプリコン細胞を96穴プレートのウエルに蒔き、希釈した被検物質を加えて数日間培養する。各ウエルにCell counting kit−8を添加し、吸光度を測定する。細胞未添加の値をバックグランドとして全ての値から差し引き、被検物質未添加の値を阻害0%として、被検物質のIC50(50%阻害濃度)を算出することができる。
医薬製剤
本発明の医薬組成物はC型肝炎ウイルス感染症の予防および/または治療に有用である。本発明の医薬組成物は、当業者に公知の方法で製剤化することができる。例えば、薬学的に許容しうる担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することができる。
経口投与用には、本発明の抽出物または化合物またはその塩を当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容しうる担体と混合することにより、錠剤、丸薬、糖衣剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等として処方することができる。担体としては、当該技術分野において従来公知のものを広く使用することができ、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、グルコース液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩壊剤;白糖、ステアリンカカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、澱粉等の保湿剤;澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の潤沢剤等を用いることができる。さらに錠剤は、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠、あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
非経口投与用には、本発明の抽出物または化合物またはその塩を当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容しうるベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射剤用の水溶性ベヒクルとしては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO−50と併用してもよい。
油性ベヒクルとしてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
本発明の医薬組成物の適当な投与経路には、限定されないが、経口、直腸内、経粘膜、または腸内投与、または筋肉内、皮下、骨髄内、鞘内、直接心室内、静脈内、硝子体内、腹腔内、鼻腔内、または眼内注射が含まれる。投与経路および投与方法は、患者の年齢、症状により適宜選択することができる。
本発明の医薬組成物の投与量としては、例えば、一回につき体重1kgあたり0.0001mgから1000mgの範囲で選ぶことが可能である。あるいは、例えば、患者あたり0.001〜100000mg/bodyの範囲で投与量を選ぶことができるが、これらの数値に必ずしも制限されるものではない。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
本明細書において明示的に引用される全ての特許および参考文献の内容は全て本明細書の一部としてここに引用する。また,本出願が有する優先権主張の基礎となる出願である日本特許出願2004−309196号の明細書および図面に記載の内容は全て本明細書の一部としてここに引用する。
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
オンジおよびセネガの抽出物の抗HCV活性および細胞毒性のアッセイ
生薬:オンジ(Polygala Tenuifolia Willdenowの根部)およびセネガ(Polygala senega Linneの根部)は小西製薬から購入した。オンジまたはセネガを刻み、それぞれ70%エタノール水を用いて抽出し、乾燥して被検試料とした。
レプリコンアッセイ:Kriegerら(N.Krieger et al.、J.Virology:75、4614−24、2001)の方法に従い、HCV遺伝子のInternal Ribosome Entry Site(IRES)の直下にネオマイシン耐性遺伝子と融合する形でルシフェラーゼ遺伝子を導入した。インビトロで当該RNAを合成後、エレクトロポレーション法でHuh7細胞に導入しG418耐性クローンとして単離した。ホタル・ルシフェラーゼHCVレプリコン細胞(Huh7−3−1)を5%ウシ胎児血清(Hyclone cat.no.SH30071.03)を含むダルベッコMEM(Gibco cat.no.10569−010)に懸濁し96穴プレートに5000細胞/ウエルで蒔き、5%CO2、37℃で一夜培養した。約20時間後、希釈した化合物をウエルあたり10μL加え、さらに3日間培養した。
アッセイプレートは2系統用意し、1つは白色プレート、他はクリアープレートでアッセイを行った。培養終了後、白色プレートはSteady−Glo Luciferase Assay System(Promega cat.no.E2520)に用いた。すなわち、ウエルあたり100μLの試薬を入れ、3〜4回ピペットで混ぜ、5分間放置後に1450MicroBeta TRILUX(WALLAC)にてルミネッセンスを測定した。細胞未添加の値をバックグランドとして全ての値から差し引き、薬剤未添加の値を阻害0%として薬剤のIC50(50%阻害濃度)を算出した。
細胞毒性試験(WST−8):細胞毒性の測定にはCell counting kit−8(Dojindo cat.no.CK04)を用いた。すなわち、10μLのCell counting kit−8を上述のクリアープレートに添加し、37℃で30〜60分間保温した。96穴プレートリーダーにて波長450nm、対照波長630nmで吸光度を測定した。細胞未添加の値をバックグランドとして全ての値から差し引き、薬剤未添加の値を阻害0%として薬剤のIC50(50%阻害濃度)を算出した。
LC/MS分析:送液モジュール(ポンプおよびオートサンプラー)にはウォーターズ社2790、UV検出器に同996、MS検出器に同ZMD2000を用いた。カラムには、Develosil Combi−RP5(C30、4.6mmID x 50mm、5μm、野村化学)を用いた。送液は、0.1%のギ酸を含むアセトニトリル−水グラジエント(アセトニトリルの割合:15−98%、16分間)を用い、1.5mL/分で送液した。微量フラクションの分取には、フラクションコレクターFC−203(ギルソン社製)を用い、0.4分間毎に1フラクション、合計40フラクションを得た。なお、コントロールとして、フラクションの1番には、HPLC分画前のサンプル、すなわちエタノール抽出物を置いた。フラクションを濃縮乾固した後、レプリコンおよびWST−8アッセイに供した。MSでの分析は、Electro Spray Ionization(ESI)のNegativeモードを用いた。
LC/MSによるオンジおよびセネガの分析と微量分取フラクションの活性:オンジおよびセネガのエタノール抽出物を、LC/MSで分析、同時に微量の分取フラクションを調製、HCVレプリコンおよびWST−8アッセイに供した。オンジのLC−UV−MSクロマトグラムと、微量分取フラクションの抗HCVレプリコン活性および細胞毒性を図1に、セネガのLC−UV−MSクロマトグラムと、微量分取フラクションの抗HCVレプリコン活性および細胞毒性を図2に示す。図中、クロマトグラムはUV320nmのものであり、フラクションは0.4分間毎に1フラクションである。各フラクションの500倍および4500倍希釈物について、レプリコン(Rep)および細胞毒性(WST)を測定し、その%阻害をグラフに示した。図1右上のパネルは、保持時間7.82分のピークのESI−MSスペクトルを、図2右上のパネルは、保持時間7.92分のピークのUVスペクトルを、それぞれ示す。
その結果、オンジおよびセネガは類似のクロマトパターンを示し、ピークは、保持時間3−4分付近と7−9分付近のピーク群に別れ、抗HCVレプリコン活性は、7−9分のピーク群に観察された。これら活性は、オンジ、セネガとも、500倍希釈で細胞毒性を示さなかったが(WST−8)、4500倍に希釈しても強い抗HCV活性が観察された。
これら活性ピークは、ESI+では明瞭なスペクトルを与えなかったが、ESI−分析においては、m/z 1400〜1800の比較的大きな擬似分子イオンピークをあたえた。また、これら活性ピークは、UV 320nm付近に吸収極大を示す特徴的なUVスペクトルを有していた。これらより、オンジおよびセネガは、構造類似の活性成分を含むと考えられた。
実施例2
オンジサポニンの精製および構造解析
オンジサポニンの精製:100gのオンジ(刻み)より1000mLの70%エタノール水を用いて抽出し、これを濃縮後、ブタノールで抽出・乾固し、粗抽出物20gを得た。この一部を、分取HPLCにより5つの分画を得た(Fr.1〜5)。
分取HPLCは以下の条件で行った。HPLCには、ギルソン社306ポンプおよびアジレントテクノロジー1100 PDA検出器を、フラクションコレクターに215リキッドハンドラーを用い、ギルソン社ユニポイントシステムで制御した。カラムには、Pegasil ODS(20mmID x 250mm、センシュー科学)を用いた。0.01%のTFA(トリフルオロ酢酸)を含むアセトニトリル−水グラジエント(アセトニトリルの割合:40−50%、17分間)により、15mL/分で送液し、UV320nmの吸収を指標にピーク分取した。加水分解物の分取には、カラムにMightysil ODS(20mmID x 50mm、関東科学)を用い、0.01%のTFA(トリフルオロ酢酸)を含むアセトニトリル−水グラジエント(アセトニトリルの割合:40%、1分間;40−50%、16分間;50%、3分間)により、15mL/分で送液し、フラクションを時間で分取した。
物質の構造解析は、LC/MSによる解析に加えて、NMR(A−500、日本電子)により行った。Fr.1は、LC/MS ESI−スペクトルにおいて、m/z1571(M−H)および1617(M−H)を与え(混合物)、それぞれオンジサポニンBとポリガラサポニンXLIVと推定された。Fr.2は、ESI−m/z1673(M−H)を与え、ポリガラサポニンXXXII(図3a、分子量1675.80、分子式C79H118O38)と推定された。Fr.3は、ESI−m/z1817(M−H)を与えた。Fr.4は、ESI−m/z1587を与え、オンジサポニンF(図3b、分子量1589.71、分子式C75H112O36)と推定され、さらに1H−NMR(図4)により確認された(1H−NMR(500MHz)スペクトル:測定溶媒は重メタノール)。Fr.5は、ESI−m/z1731を与えた。
実施例1と同様にして、オンジより精製されたFr.1〜5の抗レプリコン活性および細胞毒性(WST−8およびThd)を測定した。結果を図5および表1に示す(図中、1.Fr.1、2.Fr.2、3.Fr.3、4.Fr.4、5.Fr.5、6.リバビリン(陽性対照))。
Fr.1〜5のIC50値は、それぞれ、0.38、0.021、0.45、0.27および0.90μg/mL(0.24、0.013、0.25、0.17および0.52μM)であった。これに対して、細胞毒性のIC50値はWST−8法にて10μg/mL以上であった。Fr.2は、50%以上の増殖阻害にはいたらないものの、弱い細胞毒性が比較的低濃度より観測された。
実施例3
ウェスタンブロット解析によるオンジサポニンのHCVタンパク質合成阻害の測定
ウェスタン解析は以下の方法でおこなった。実施例2で得られたオンジサポニンF(Fr.4)を10nMから1000nMの範囲でレプリコン細胞Huh−3−1に与え、5%CO2存在下、37℃にて培養した。72時間後に培地を捨て、PBS(Phosphate buffered saline Sigma cat.no.P3813)を加え、ピペッティングにより細胞をはがし、遠心により細胞を回収した。6穴プレートの細胞当たり200μLのCelLyticTM−M(Sigma cat.no.C2978)と2μLのプロテアーゼインヒビターカクテル(Sigma cat.no.P8340)を加え、室温で15分間振とうした。遠心分離(15000回転、15分間)後、上清のタンパク定量をDye Reagent(nacalai tesque cat.no.074−27)にておこなった(ウシγグロブリン標準液、BIO−RAD cat.no.500−0005)。得られたタンパク質5μgを9−11%グラジエントゲル(第一化学薬品cat.no.317552)でトリス−グリシン−SDS緩衝液(BIO−RAD cat.no.161−0772)を用いて電気泳動した。分子量サイズマーカーはRainbow molecular weight markers(AmershamBioscience cat.no.RPN756)を用いた。電気泳動したタンパク質をミニトランスブロットセル(BIO−RAD cat.no.170−3930)にてメンブレン(Immobilon−FL、ミリポアcat.no.IPFL00010)に転写した。以下、オデッセイ(アロカ)のプロトコールに従い、一次抗体にHCVタンパク質由来の抗NS3ウサギ抗体(Nature chemical biology,16 October 2005;doi:10.1038/nchembio742)を用いてウエスタン解析を行った。内部標準として抗アクチンウサギ抗体(Cell Signaling Technology cat.no.7074)、二次抗体に抗ウサギIgG(Alexa680:A21074)を用い、オデッセイで検出した。その結果、オンジサポニンによるHCVタンパク質合成の阻害の濃度依存性が確認された(図6)。各バンドの強度を定量し、HCVタンパク質の発現を50%減少させる薬剤濃度(IC50)を計算したところ、55.4nMであった(図7)。
実施例4
ノザンブロット解析によるオンジサポニンのHCV RNA複製阻害活性の測定
実施例2で得られたオンジサポニンF(Fr.4)を12nMから1000nMの範囲でレプリコン細胞Huh−3−1に与え、5%CO2存在下、37℃にて培養した。72時間後に細胞を回収し、全RNAを抽出した後で、Ambion社のノザンマックスキットの方法に従い、ネオマイシン耐性遺伝子をプローブとしてノザン解析を行った。
ノザン解析は以下のものを用いた。すなわち、NorthernMax transfer buffer(Ambion cat.no.8672),転写膜(オデッセイcat.no.926−10000)、ろ紙(Sigma cat.no.P−6664)、ULTRAhyb(Ambion cat.no.8670)。プローブの標識はBiotin−16−2’−deoxy−uridin−5’−triphosphate(Roche cat.no.11 093 070 910)を用いてPCR(Gene Amp Core Reagents,Applied Biosystems cat.no.N808−0009)にて行った。High Stringency buffer(Amibion cat.no.8674)、Blocking buffer(1%SDS、Aloka cat.no.ODY−927−40000)、Alexa Fluor680conjugate Streptavidin(アロカcat.no.S21378)。
1%アガロースゲルで1μgのトータルRNAを泳動し、泳動後エチジウムブロミドでRNAを染色して写真をとり、脱色後NorthernMax transfer bufferを用いて転写膜に2時間転写した。湿ったままの状態でUVクロスリンカーにてRNAを転写膜に固定化した。ハイブリローターを用いて、ULTRAhybにて42℃、30分間の回転前処理の後、前処理液を捨て、上記PCR法にて作製したビオチン化ネオマイシン耐性遺伝子と10mLのULTRAhyb液を加えて42℃で一夜振とう処理した。
ULTRAhyb液を捨て、50℃に保温したHigh Stringency bufferを15mL加え50℃で30分間振とうした。同様の操作をもう一度繰り返した。以下、オデッセイ(アロカ)のプロトコールに従い、RNAのバンドを検出した(図8)。その結果、オンジサポニンによるHCV RNA複製の阻害の濃度依存性が確認された。各バンドの強度を定量し、HCV RNAの複製を50%減少させる薬剤濃度(IC50)を計算したところ、59.6nMであった(図9)。
実施例1
オンジおよびセネガの抽出物の抗HCV活性および細胞毒性のアッセイ
生薬:オンジ(Polygala Tenuifolia Willdenowの根部)およびセネガ(Polygala senega Linneの根部)は小西製薬から購入した。オンジまたはセネガを刻み、それぞれ70%エタノール水を用いて抽出し、乾燥して被検試料とした。
レプリコンアッセイ:Kriegerら(N.Krieger et al.、J.Virology:75、4614−24、2001)の方法に従い、HCV遺伝子のInternal Ribosome Entry Site(IRES)の直下にネオマイシン耐性遺伝子と融合する形でルシフェラーゼ遺伝子を導入した。インビトロで当該RNAを合成後、エレクトロポレーション法でHuh7細胞に導入しG418耐性クローンとして単離した。ホタル・ルシフェラーゼHCVレプリコン細胞(Huh7−3−1)を5%ウシ胎児血清(Hyclone cat.no.SH30071.03)を含むダルベッコMEM(Gibco cat.no.10569−010)に懸濁し96穴プレートに5000細胞/ウエルで蒔き、5%CO2、37℃で一夜培養した。約20時間後、希釈した化合物をウエルあたり10μL加え、さらに3日間培養した。
アッセイプレートは2系統用意し、1つは白色プレート、他はクリアープレートでアッセイを行った。培養終了後、白色プレートはSteady−Glo Luciferase Assay System(Promega cat.no.E2520)に用いた。すなわち、ウエルあたり100μLの試薬を入れ、3〜4回ピペットで混ぜ、5分間放置後に1450MicroBeta TRILUX(WALLAC)にてルミネッセンスを測定した。細胞未添加の値をバックグランドとして全ての値から差し引き、薬剤未添加の値を阻害0%として薬剤のIC50(50%阻害濃度)を算出した。
細胞毒性試験(WST−8):細胞毒性の測定にはCell counting kit−8(Dojindo cat.no.CK04)を用いた。すなわち、10μLのCell counting kit−8を上述のクリアープレートに添加し、37℃で30〜60分間保温した。96穴プレートリーダーにて波長450nm、対照波長630nmで吸光度を測定した。細胞未添加の値をバックグランドとして全ての値から差し引き、薬剤未添加の値を阻害0%として薬剤のIC50(50%阻害濃度)を算出した。
LC/MS分析:送液モジュール(ポンプおよびオートサンプラー)にはウォーターズ社2790、UV検出器に同996、MS検出器に同ZMD2000を用いた。カラムには、Develosil Combi−RP5(C30、4.6mmID x 50mm、5μm、野村化学)を用いた。送液は、0.1%のギ酸を含むアセトニトリル−水グラジエント(アセトニトリルの割合:15−98%、16分間)を用い、1.5mL/分で送液した。微量フラクションの分取には、フラクションコレクターFC−203(ギルソン社製)を用い、0.4分間毎に1フラクション、合計40フラクションを得た。なお、コントロールとして、フラクションの1番には、HPLC分画前のサンプル、すなわちエタノール抽出物を置いた。フラクションを濃縮乾固した後、レプリコンおよびWST−8アッセイに供した。MSでの分析は、Electro Spray Ionization(ESI)のNegativeモードを用いた。
LC/MSによるオンジおよびセネガの分析と微量分取フラクションの活性:オンジおよびセネガのエタノール抽出物を、LC/MSで分析、同時に微量の分取フラクションを調製、HCVレプリコンおよびWST−8アッセイに供した。オンジのLC−UV−MSクロマトグラムと、微量分取フラクションの抗HCVレプリコン活性および細胞毒性を図1に、セネガのLC−UV−MSクロマトグラムと、微量分取フラクションの抗HCVレプリコン活性および細胞毒性を図2に示す。図中、クロマトグラムはUV320nmのものであり、フラクションは0.4分間毎に1フラクションである。各フラクションの500倍および4500倍希釈物について、レプリコン(Rep)および細胞毒性(WST)を測定し、その%阻害をグラフに示した。図1右上のパネルは、保持時間7.82分のピークのESI−MSスペクトルを、図2右上のパネルは、保持時間7.92分のピークのUVスペクトルを、それぞれ示す。
その結果、オンジおよびセネガは類似のクロマトパターンを示し、ピークは、保持時間3−4分付近と7−9分付近のピーク群に別れ、抗HCVレプリコン活性は、7−9分のピーク群に観察された。これら活性は、オンジ、セネガとも、500倍希釈で細胞毒性を示さなかったが(WST−8)、4500倍に希釈しても強い抗HCV活性が観察された。
これら活性ピークは、ESI+では明瞭なスペクトルを与えなかったが、ESI−分析においては、m/z 1400〜1800の比較的大きな擬似分子イオンピークをあたえた。また、これら活性ピークは、UV 320nm付近に吸収極大を示す特徴的なUVスペクトルを有していた。これらより、オンジおよびセネガは、構造類似の活性成分を含むと考えられた。
実施例2
オンジサポニンの精製および構造解析
オンジサポニンの精製:100gのオンジ(刻み)より1000mLの70%エタノール水を用いて抽出し、これを濃縮後、ブタノールで抽出・乾固し、粗抽出物20gを得た。この一部を、分取HPLCにより5つの分画を得た(Fr.1〜5)。
分取HPLCは以下の条件で行った。HPLCには、ギルソン社306ポンプおよびアジレントテクノロジー1100 PDA検出器を、フラクションコレクターに215リキッドハンドラーを用い、ギルソン社ユニポイントシステムで制御した。カラムには、Pegasil ODS(20mmID x 250mm、センシュー科学)を用いた。0.01%のTFA(トリフルオロ酢酸)を含むアセトニトリル−水グラジエント(アセトニトリルの割合:40−50%、17分間)により、15mL/分で送液し、UV320nmの吸収を指標にピーク分取した。加水分解物の分取には、カラムにMightysil ODS(20mmID x 50mm、関東科学)を用い、0.01%のTFA(トリフルオロ酢酸)を含むアセトニトリル−水グラジエント(アセトニトリルの割合:40%、1分間;40−50%、16分間;50%、3分間)により、15mL/分で送液し、フラクションを時間で分取した。
物質の構造解析は、LC/MSによる解析に加えて、NMR(A−500、日本電子)により行った。Fr.1は、LC/MS ESI−スペクトルにおいて、m/z1571(M−H)および1617(M−H)を与え(混合物)、それぞれオンジサポニンBとポリガラサポニンXLIVと推定された。Fr.2は、ESI−m/z1673(M−H)を与え、ポリガラサポニンXXXII(図3a、分子量1675.80、分子式C79H118O38)と推定された。Fr.3は、ESI−m/z1817(M−H)を与えた。Fr.4は、ESI−m/z1587を与え、オンジサポニンF(図3b、分子量1589.71、分子式C75H112O36)と推定され、さらに1H−NMR(図4)により確認された(1H−NMR(500MHz)スペクトル:測定溶媒は重メタノール)。Fr.5は、ESI−m/z1731を与えた。
実施例1と同様にして、オンジより精製されたFr.1〜5の抗レプリコン活性および細胞毒性(WST−8およびThd)を測定した。結果を図5および表1に示す(図中、1.Fr.1、2.Fr.2、3.Fr.3、4.Fr.4、5.Fr.5、6.リバビリン(陽性対照))。
実施例3
ウェスタンブロット解析によるオンジサポニンのHCVタンパク質合成阻害の測定
ウェスタン解析は以下の方法でおこなった。実施例2で得られたオンジサポニンF(Fr.4)を10nMから1000nMの範囲でレプリコン細胞Huh−3−1に与え、5%CO2存在下、37℃にて培養した。72時間後に培地を捨て、PBS(Phosphate buffered saline Sigma cat.no.P3813)を加え、ピペッティングにより細胞をはがし、遠心により細胞を回収した。6穴プレートの細胞当たり200μLのCelLyticTM−M(Sigma cat.no.C2978)と2μLのプロテアーゼインヒビターカクテル(Sigma cat.no.P8340)を加え、室温で15分間振とうした。遠心分離(15000回転、15分間)後、上清のタンパク定量をDye Reagent(nacalai tesque cat.no.074−27)にておこなった(ウシγグロブリン標準液、BIO−RAD cat.no.500−0005)。得られたタンパク質5μgを9−11%グラジエントゲル(第一化学薬品cat.no.317552)でトリス−グリシン−SDS緩衝液(BIO−RAD cat.no.161−0772)を用いて電気泳動した。分子量サイズマーカーはRainbow molecular weight markers(AmershamBioscience cat.no.RPN756)を用いた。電気泳動したタンパク質をミニトランスブロットセル(BIO−RAD cat.no.170−3930)にてメンブレン(Immobilon−FL、ミリポアcat.no.IPFL00010)に転写した。以下、オデッセイ(アロカ)のプロトコールに従い、一次抗体にHCVタンパク質由来の抗NS3ウサギ抗体(Nature chemical biology,16 October 2005;doi:10.1038/nchembio742)を用いてウエスタン解析を行った。内部標準として抗アクチンウサギ抗体(Cell Signaling Technology cat.no.7074)、二次抗体に抗ウサギIgG(Alexa680:A21074)を用い、オデッセイで検出した。その結果、オンジサポニンによるHCVタンパク質合成の阻害の濃度依存性が確認された(図6)。各バンドの強度を定量し、HCVタンパク質の発現を50%減少させる薬剤濃度(IC50)を計算したところ、55.4nMであった(図7)。
実施例4
ノザンブロット解析によるオンジサポニンのHCV RNA複製阻害活性の測定
実施例2で得られたオンジサポニンF(Fr.4)を12nMから1000nMの範囲でレプリコン細胞Huh−3−1に与え、5%CO2存在下、37℃にて培養した。72時間後に細胞を回収し、全RNAを抽出した後で、Ambion社のノザンマックスキットの方法に従い、ネオマイシン耐性遺伝子をプローブとしてノザン解析を行った。
ノザン解析は以下のものを用いた。すなわち、NorthernMax transfer buffer(Ambion cat.no.8672),転写膜(オデッセイcat.no.926−10000)、ろ紙(Sigma cat.no.P−6664)、ULTRAhyb(Ambion cat.no.8670)。プローブの標識はBiotin−16−2’−deoxy−uridin−5’−triphosphate(Roche cat.no.11 093 070 910)を用いてPCR(Gene Amp Core Reagents,Applied Biosystems cat.no.N808−0009)にて行った。High Stringency buffer(Amibion cat.no.8674)、Blocking buffer(1%SDS、Aloka cat.no.ODY−927−40000)、Alexa Fluor680conjugate Streptavidin(アロカcat.no.S21378)。
1%アガロースゲルで1μgのトータルRNAを泳動し、泳動後エチジウムブロミドでRNAを染色して写真をとり、脱色後NorthernMax transfer bufferを用いて転写膜に2時間転写した。湿ったままの状態でUVクロスリンカーにてRNAを転写膜に固定化した。ハイブリローターを用いて、ULTRAhybにて42℃、30分間の回転前処理の後、前処理液を捨て、上記PCR法にて作製したビオチン化ネオマイシン耐性遺伝子と10mLのULTRAhyb液を加えて42℃で一夜振とう処理した。
ULTRAhyb液を捨て、50℃に保温したHigh Stringency bufferを15mL加え50℃で30分間振とうした。同様の操作をもう一度繰り返した。以下、オデッセイ(アロカ)のプロトコールに従い、RNAのバンドを検出した(図8)。その結果、オンジサポニンによるHCV RNA複製の阻害の濃度依存性が確認された。各バンドの強度を定量し、HCV RNAの複製を50%減少させる薬剤濃度(IC50)を計算したところ、59.6nMであった(図9)。
本発明の医薬組成物は、C型肝炎ウイルス感染症、例えば、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化および肝癌の予防および/または治療に有用である。
Claims (12)
- ヒメハギ属の植物の抽出物を有効成分として含有する、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療するための医薬組成物。
- ヒメハギ属の植物の抽出物がオンジの抽出物またはセネガの抽出物である、請求項1記載の医薬組成物。
- ヒメハギ属の植物の抽出物がサポニンである、請求項1または2に記載の医薬組成物。
- サポニンが、オンジサポニンまたはポリガラサポニンである、請求項3記載の医薬組成物。
- オンジサポニンB、ポリガラサポニンXLIV、ポリガラサポニンXXXIIおよびオンジサポニンFからなる群より選択される化合物を有効成分として含有する、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療するための医薬組成物。
- C型肝炎ウイルス感染症が、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化および肝癌からなる群より選択される、請求項1−7のいずれかに記載の医薬組成物。
- C型肝炎ウイルスに感染した患者にヒメハギ属の植物の抽出物を投与することを含む、C型肝炎ウイルス感染症を予防または治療する方法。
- C型肝炎ウイルス感染症が、C型肝炎、肝硬変、肝繊維化および肝癌からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
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