JPWO2006043555A1 - 生体高分子生成のための還元酵素変異体 - Google Patents
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Abstract
PhbB酵素の補酵素利用能力と触媒活性を改良する方法、該方法により改良されたPhbB酵素変異体、該変異体を用いることによるポリヒドロキシアルカン酸の製造方法を提供する。ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)由来の野生型PhbB酵素および該酵素と30%以上の配列相同性を持つ酵素に対して、該野生型PhbB酵素のアミノ酸残基部位、Met−12、Gly−13、Ala−32、Cys−34、Gly−35、Pro−36、Asn−37、Ser−38、Pro−39、Arg−40、Arg−41、Ala−57と立体構造上同等な位置を占めるアミノ酸残基に対して変異処理を行うことにより、該酵素の補酵素利用能力と触媒活性を改良する方法。該方法により得られるPhbB酵素変異体。該酵素変異体をコードするDNA、そのDNAを有するベクター、そのベクターにより形質転換された形質転換細胞。該酵素変異体を触媒として用いることによる3−ヒドロキシアシル−CoAおよび光学活性アルコールの製造方法。上記形質転換細胞を培養・増殖させる工程もしくは上記酵素変異体と3−ケトアシル−CoAとを反応させる工程を含む、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
Description
本発明は、種々の3−ケトアルカン酸−補酵素A複合体(以下、3−ケトアシル−CoAと称する)を還元することにより、生体高分子であるポリ−3−ヒドロキシアルカン酸(以下、ポリヒドロキシアルカン酸と称する)を構成するモノマーである種々の3−ヒドロキシアルカン酸−補酵素A複合体(以下、3−ヒドロキシアシル−CoAと称する)を与えることのできる3−ケトアシル−CoA還元酵素の補酵素利用能力を改変して、該還元酵素の触媒活性を制御するための酵素改変方法に関する。また、本発明は、該改変方法により得られる、野生型酵素に比して優れた酵素活性を有する3−ケトアシル−CoA還元酵素変異体、該酵素変異体をコードするDNA、このDNAを有するベクター、このベクターで形質転換された形質転換細胞、該酵素変異体の製造方法、ならびに、該酵素変異体または該形質転換細胞を用いるポリヒドロキシアルカン酸の製造方法に関する。
ポリヒドロキシアルカン酸は、微生物が生成するポリエステル型有機分子ポリマーとして発見され、近年では生分解性を有する環境調和型素材または生体適合型素材として工業的に生産され、かつ多様な産業へ利用する試みが行われている。そのポリヒドロキシアルカン酸を構成するモノマー単位は、一般名3−ヒドロキシアルカン酸であって、具体的には3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、あるいはよりアルキル鎖の長い3−ヒドロキシアルカン酸が、単重合もしくは共重合することにより、ポリマー分子が形成されている。ポリヒドロキシアルカン酸のポリマーとしての特性、すなわち融点、ガラス転移点、結晶化率、伸び強度といった物理化学的特性は、ポリマーを構成するモノマー種含有率の違いにより異なることが知られている(非特許文献1)。
微生物中においてポリヒドロキシアルカン酸が生合成される反応経路の一部はすでに解明されている。ポリヒドロキシアルカン酸生合成に特に関与する酵素の一群は、多様なヒドロキシアルカン酸モノマーを基質とするPha酵素群、および主としてヒドロキシ酪酸モノマーを基質とするPhb酵素群、の2群からなる。これら酵素群を構成する個々の酵素は、微生物種ごとに似通ったアミノ酸配列を持つ酵素ファミリーであるが、細部のアミノ酸配列は異なっている(非特許文献1)。
ポリヒドロキシアルカン酸を工業的に生産し活用するためには、微生物による生産量を増加させることについて、技術開発を行う必要がある。この要件においては、先述したポリエステル生合成経路を構成する酵素群を、他種微生物の対応する酵素と置換したり、あるいは野生型酵素に突然変異を加えることにより、ポリエステルの産生量を増加させる試みが行われ、一定の成果が得られている(特許文献1、非特許文献2、3)。
しかしながら、ポリヒドロキシアルカン酸の実用的な工業的生産を行うには、それら酵素群のさらなる改良による、微生物による生産量の向上と効率化が必要である。特にポリヒドロキシアルカン酸を構成するモノマー原料である3−ヒドロキシアシル−CoAを触媒的に生産する3−ケトアシル−CoA還元酵素(以下、PhbB酵素と称する)の改良により、生体内でのモノマー原料の生産量を向上させ、もってポリマー生産量を向上させることが必要である。
特開2002−199890号公報
日本油化学会誌、1999年、48巻、1353−1364頁
発酵ハンドブック(共立出版)、2001年、374−378頁
J.Bacteriol.、1998年、180巻、6459−6467頁
しかしながら、ポリヒドロキシアルカン酸の実用的な工業的生産を行うには、それら酵素群のさらなる改良による、微生物による生産量の向上と効率化が必要である。特にポリヒドロキシアルカン酸を構成するモノマー原料である3−ヒドロキシアシル−CoAを触媒的に生産する3−ケトアシル−CoA還元酵素(以下、PhbB酵素と称する)の改良により、生体内でのモノマー原料の生産量を向上させ、もってポリマー生産量を向上させることが必要である。
本発明は、PhbB酵素の補酵素利用能力と触媒活性を改良し、ポリヒドロキシアルカン酸の原料である3−ヒドロキシアシル−CoAの生産量を向上させるための合理的な酵素改変方法の提供を目的とする。また、本発明は、該改変方法により野生型酵素の触媒活性を改良したPhbB酵素変異体、該PhbB酵素変異体をコードするDNAおよびそれを導入した形質転換細胞を提供し、それら酵素変異体または形質転換細胞を用いた3−ヒドロキシアシル−CoAおよびポリヒドロキシアルカン酸の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、PhbB酵素の触媒活性を向上させうる酵素改変方法を新たに開発し、該改変方法によってポリヒドロキシアルカン酸の生体内原料である3−ヒドロキシアシル−CoAの生産を効率的に行いうるPhbB酵素変異体の作製に成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、酵素の触媒活性を変換させるための酵素改変方法であって、PhbB酵素のあらかじめ選択された部位の単数または複数の任意のアミノ酸残基を置換、挿入もしくは欠失またはそれらを組み合わせることにより、ニコチンアミド補酵素分子の結合エネルギーの大きさを制御し、かつ該酵素が触媒する還元反応活性を制御することを特徴とする酵素改変方法に関する。
ここでニコチンアミド補酵素分子とは、β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、およびそれらの酸化体である(以下、特記の無い場合は、補酵素と称する)。
ここでニコチンアミド補酵素分子とは、β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、およびそれらの酸化体である(以下、特記の無い場合は、補酵素と称する)。
また、本発明は、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる3−ケトアシル−CoA還元酵素(PhbB酵素)および該酵素と30%以上の配列相同性を持つ酵素の酵素改変方法、該方法により改変された酵素変異体、該酵素変異体の利用法に関する。
さらに本発明は、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるPhbB酵素に対して30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上の配列相同性を有するPhbB酵素であって、かつ前記補酵素分子結合部位が、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるPhbB酵素のアミノ酸残基部位のうち、Met−12、Gly−13、Ala−32、Cys−34、Gly−35、Pro−36、Asn−37、Ser−38、Pro−39、Arg−40、Arg−41、Ala−57と立体構造上同等な位置を占めるアミノ酸残基に対して変異処理を行う、上記酵素改変方法に関する。
また本発明は、上記PhbB酵素が、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)由来の野生型PhbB酵素である上記酵素改変方法に関する。
さらに本発明は、野生型PhbB酵素から、アミノ酸残基の置換、挿入もしくは欠失またはそれらの組合せによって得られ、該野生型酵素が示す酵素活性よりも優れた酵素活性を持つPhbB酵素変異体に関し、さらに好ましくは、上記野生型PhbB酵素が、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)由来のPhbB酵素であるPhbB酵素変異体に関する。
さらに本発明は、野生型PhbB酵素から、アミノ酸残基の置換、挿入もしくは欠失またはそれらの組合せによって得られ、該野生型酵素が示す酵素活性よりも優れた酵素活性を持つPhbB酵素変異体に関し、さらに好ましくは、上記野生型PhbB酵素が、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)由来のPhbB酵素であるPhbB酵素変異体に関する。
さらに本発明は、上記酵素改変方法により得られたPhbB酵素変異体、その酵素変異体をコードするDNA、そのDNAを有するベクター、そのベクターにより形質転換された形質転換細胞に関する。
さらに本発明は、上記形質転換細胞を培養・増殖させる工程を含むPhbB酵素変異体の製造方法に関する。
さらに本発明は、上記酵素変異体と種々のケトンとを反応させる工程を含む光学活性アルコールの製造方法に関する。
さらに本発明は、上記酵素変異体または上記形質転換細胞と3−ケトアシル−CoAとを反応させる工程を含む3−ヒドロキシアシル−CoAの製造方法に関する。
さらに本発明は、上記形質転換細胞を培養・増殖させる工程もしくは上記酵素変異体と3−ケトアシル−CoAとを反応させる工程を含む、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法に関する。
さらに本発明は、上記酵素変異体と種々のケトンとを反応させる工程を含む光学活性アルコールの製造方法に関する。
さらに本発明は、上記酵素変異体または上記形質転換細胞と3−ケトアシル−CoAとを反応させる工程を含む3−ヒドロキシアシル−CoAの製造方法に関する。
さらに本発明は、上記形質転換細胞を培養・増殖させる工程もしくは上記酵素変異体と3−ケトアシル−CoAとを反応させる工程を含む、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本明細書において、「3−ケトアシル−CoA還元酵素(3−Ketoacyl−CoA Reductase)」とは、3−ケトアシル−CoAを反応基質とし、かつニコチンアミド補酵素を還元剤として、3−ケトアシル−CoAを対応する3−ヒドロキシアシル−CoAへと不斉還元する反応を触媒する酵素であって、一般にPhbB酵素と略称される酵素である。
まず、本明細書において、「3−ケトアシル−CoA還元酵素(3−Ketoacyl−CoA Reductase)」とは、3−ケトアシル−CoAを反応基質とし、かつニコチンアミド補酵素を還元剤として、3−ケトアシル−CoAを対応する3−ヒドロキシアシル−CoAへと不斉還元する反応を触媒する酵素であって、一般にPhbB酵素と略称される酵素である。
また、3−ケトアシル−CoAとは、3−ケトブタノイル−CoA、3−ケトペンタノイル−CoA、3−ケトヘキサノイル−CoA、あるいはよりアルキル鎖の長い3−ケト脂肪酸−CoA、おのおの単独の化合物もしくはそれら化合物の混合物である。
3−ヒドロキシアシル−CoAとは、3−ヒドロキシブタノイル−CoA、3−ヒドロキシペンタノイル−CoA、3−ヒドロキシヘキサノイル−CoA、あるいはよりアルキル鎖の長い3−ヒドロキシ脂肪酸−CoA、おのおの単独の化合物もしくはそれら化合物の混合物である。
3−ヒドロキシアシル−CoAとは、3−ヒドロキシブタノイル−CoA、3−ヒドロキシペンタノイル−CoA、3−ヒドロキシヘキサノイル−CoA、あるいはよりアルキル鎖の長い3−ヒドロキシ脂肪酸−CoA、おのおの単独の化合物もしくはそれら化合物の混合物である。
本明細書において、アミノ酸、ペプチド、タンパク質は下記に示すIUPAC−IUB生化学命名委員会(CBN)で採用された略号を用いて表される。また、特に明示しない限り、ペプチドおよびタンパク質のアミノ酸残基の配列は、左端から右端にかけてN末端からC末端となるように、またN末端が1番になるように表される。アミノ酸残基のつながりは“−”により表される。例えば、Ala−Gly−Leuのように示される。同じアミノ酸残基が連続する場合には、例えば(Ala)3と表され、これはAla−Ala−Alaと同義である。
A=Ala=アラニン、C=Cys=システイン、
D=Asp=アスパラギン酸、E=Glu=グルタミン酸、
F=Phe=フェニルアラニン、G=Gly=グリシン、
H=His=ヒスチジン、I=Ile=イソロイシン、
K=Lys=リシン、L=Leu=ロイシン、
M=Met=メチオニン、N=Asn=アスパラギン、
P=Pro=プロリン、Q=Gln=グルタミン、
R=Arg=アルギニン、S=Ser=セリン、
T=Thr=スレオニン、V=Val=バリン、
W=Trp=トリプトファン、Y=Tyr=チロシン、
B=Asx=AspまたはAsn、Z=Glx=GluまたはGln、
X=Xaa=任意のアミノ酸。
D=Asp=アスパラギン酸、E=Glu=グルタミン酸、
F=Phe=フェニルアラニン、G=Gly=グリシン、
H=His=ヒスチジン、I=Ile=イソロイシン、
K=Lys=リシン、L=Leu=ロイシン、
M=Met=メチオニン、N=Asn=アスパラギン、
P=Pro=プロリン、Q=Gln=グルタミン、
R=Arg=アルギニン、S=Ser=セリン、
T=Thr=スレオニン、V=Val=バリン、
W=Trp=トリプトファン、Y=Tyr=チロシン、
B=Asx=AspまたはAsn、Z=Glx=GluまたはGln、
X=Xaa=任意のアミノ酸。
本明細書において、PhbB酵素変異体を記述するに際して、参照を容易にするため、(もとのアミノ酸;位置;置換したアミノ酸)の命名法を適用する。従って、例えば、位置64におけるチロシンのアスパラギン酸への置換は、Tyr64AspまたはY64Dと示される。多重変異については、スラッシュ記号(“/”)により分けることで表記する。例えば、S41A/Y64Dとは、位置41のセリンをアラニンへ、かつ、位置64のチロシンをアスパラギン酸へ置換することを示す。
本明細書において、酵素の「変異体」とは、酵素のアミノ酸配列に含まれるアミノ酸が少なくとも1つ以上置換、挿入もしくは欠失されたアミノ酸配列を有し、酵素の活性の少なくとも一部を保持する改変された酵素をいう。
変異体の設計に利用されるアミノ酸変異としては、アミノ酸の置換の他に、アミノ酸の挿入または欠失もまた挙げられる。アミノ酸の置換とは、もとのペプチドを1つ以上のアミノ酸で置換することをいう。アミノ酸の挿入とは、もとのペプチド鎖に1つ以上のアミノ酸を挿入することをいう。アミノ酸の欠失とは、もとのペプチドから1つ以上のアミノ酸を欠失させることをいう。
以下、所望の変異体を取得するための、タンパク質のアミノ酸の変異について説明する。
なお、アミノ酸の置換等を実施する方法は、化学合成、または遺伝子工学を利用する技術においてアミノ酸をコードするDNA配列のコドンを変化させることを含むが、これらに限定されない。
なお、アミノ酸の置換等を実施する方法は、化学合成、または遺伝子工学を利用する技術においてアミノ酸をコードするDNA配列のコドンを変化させることを含むが、これらに限定されない。
本発明者らは、PhbB酵素の触媒活性向上を図るために、該酵素と補酵素との結合能を増強しうるアミノ酸変異の設計を行った。この設計は、PhbB酵素の補酵素分子結合部位を特定する工程と、該結合部位近傍において補酵素分子と相互作用するアミノ酸残基を決定する工程と、該決定残基に対して補酵素分子の結合エネルギーの大きさを制御するための変異設計を行う工程を含む。
PhbB酵素の補酵素分子結合部位を特定する工程は、該酵素のアミノ酸配列と相同性が高く、かつ立体構造が既知である類縁酵素群のアミノ酸配列とをマルチプル・アラインメントした結果を分析することにより、また、該酵素の三次元構造をモデリングした結果を分析することにより、実施した。
PhbB酵素の補酵素分子と相互作用するアミノ酸残基を決定する工程は、該酵素の三次元構造をモデリングし、その立体構造を分析することにより実施した。
該決定残基に対して補酵素分子の結合エネルギーの大きさを制御するための変異設計を行う工程は、多重変異蛋白質アミノ酸配列の最適化解を算出する方法(特開2001−184381号公報)等の計算化学的分析により実施した。
PhbB酵素の補酵素分子と相互作用するアミノ酸残基を決定する工程は、該酵素の三次元構造をモデリングし、その立体構造を分析することにより実施した。
該決定残基に対して補酵素分子の結合エネルギーの大きさを制御するための変異設計を行う工程は、多重変異蛋白質アミノ酸配列の最適化解を算出する方法(特開2001−184381号公報)等の計算化学的分析により実施した。
これらの設計作業の結果として、野生型PhbB酵素の補酵素結合能を向上させ、もって酵素触媒活性が向上しうる、種々のPhbB酵素変異体のアミノ酸配列を決定した。当該アミノ酸配列を持つ種々のPhbB酵素変異体を遺伝子工学的手法により取得し、それら変異体の酵素活性を検証したところ、3−ヒドロキシアシル−CoAの生産を効率的に行いうるPhbB酵素変異体を得ることに成功した。
本発明の実施態様を具体的に以下に示す。
すなわち、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるPhbB酵素のアミノ酸残基部位のうち、Met−12、Gly−13、Ala−32、Cys−34、Gly−35、Pro−36、Asn−37、Ser−38、Pro−39、Arg−40、Arg−41、Ala−57において、単数または複数のアミノ酸を置換、挿入もしくは欠失またはそれらを組み合わせることにより、該酵素と補酵素との結合能を向上させ、触媒活性が向上したPhbB酵素変異体を得ることを特徴とする酵素改変方法である。
また、当該改変方法により得られてなるPhbB酵素変異体である。
すなわち、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるPhbB酵素のアミノ酸残基部位のうち、Met−12、Gly−13、Ala−32、Cys−34、Gly−35、Pro−36、Asn−37、Ser−38、Pro−39、Arg−40、Arg−41、Ala−57において、単数または複数のアミノ酸を置換、挿入もしくは欠失またはそれらを組み合わせることにより、該酵素と補酵素との結合能を向上させ、触媒活性が向上したPhbB酵素変異体を得ることを特徴とする酵素改変方法である。
また、当該改変方法により得られてなるPhbB酵素変異体である。
なお、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるPhbB酵素は、ラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)由来の野生型PhbB酵素である。
また、酵素の触媒活性は、例えば、アセトアセチルCoAを基質、NADPHまたはNADHを補酵素としてそれぞれ用いて酵素触媒反応を行い、反応過程での補酵素濃度変化を吸光度分析法により測定し、得られた測定実験データをミカエリス・メンテン式に当てはめることにより、求めることができる。
また、酵素の触媒活性は、例えば、アセトアセチルCoAを基質、NADPHまたはNADHを補酵素としてそれぞれ用いて酵素触媒反応を行い、反応過程での補酵素濃度変化を吸光度分析法により測定し、得られた測定実験データをミカエリス・メンテン式に当てはめることにより、求めることができる。
好ましくは、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるPhbB酵素のアミノ酸残基部位において、Met−12をSerに、Gly−13をArgに、Ala−32をValに、Cys−34をAspに、Gly−35をIleまたはArgに、Pro−36をSerに、Asn−37をLysに、Ser−38をGluに、Pro−39をAspに、Arg−40をAlaまたはGluに、Arg−41をAlaに、およびAla−57をTyrに、から選ばれるアミノ酸の置換を少なくとも1つ行うことにより、該酵素と補酵素との結合能を向上させ、触媒活性が向上したPhbB酵素変異体である。
より好ましくは、配列番号2、3、4、5および6それぞれで示されるアミノ酸配列からなるPhbB酵素またはPhbB酵素変異体が挙げられる。
なお、これら変異体において変異設計を行った部分のアミノ酸配列と、野生型PhbB酵素のアミノ酸配列の比較を表1に示す。
なお、これら変異体において変異設計を行った部分のアミノ酸配列と、野生型PhbB酵素のアミノ酸配列の比較を表1に示す。
また、本発明においては、配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるPhbB酵素に対して30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上の配列相同性を有する3−ケトアシル−CoA還元酵素の、Met−12、Gly−13、Ala−32、Cys−34、Gly−35、Pro−36、Asn−37、Ser−38、Pro−39、Arg−40、Arg−41、Ala−57のアミノ酸残基部位と立体構造上同等な位置を占めるアミノ酸残基において、単数または複数のアミノ酸を置換、挿入もしくは欠失またはそれらを組み合わせることにより、触媒活性が向上した3−ケトアシル−CoA還元酵素変異体を得ることを特徴とする酵素改変方法も挙げられる。
また、当該酵素改変方法により得られてなるPhbB酵素変異体も挙げられる。
また、当該酵素改変方法により得られてなるPhbB酵素変異体も挙げられる。
配列相同性は、プログラムFASTA(Perason W.R.et al.、Genomics、46、24−36(1997))やBLAST(Altschul、Stephen F. et al.、Nucleic Acids Res.25、3389−3402(1997))を用いたアミノ酸配列相同性解析により、決定することができる。配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるPhbB酵素に対して十分な配列相同性を有する酵素に対しても、本発明による触媒活性向上のためのアミノ酸変異は有効である。
さらに本発明の実施態様としては、前記酵素改変方法により得られたPhbB酵素変異体をコードするDNA、そのDNAを有するベクター、そのベクターにより形質転換された形質転換細胞が挙げられる。
本発明のPhbB酵素変異体をコードするDNAを取得するための、野生型PhbB酵素をコードするDNAへの部位特異的な変異の導入は、以下のように、組換えDNA技術、PCR法等を用いて行うことができる。
すなわち、組換えDNA技術による変異の導入は、例えば、野生型PhbB酵素遺伝子中の変異導入を希望する目的の部位の両側に適当な制限酵素認識配列が存在する場合に、そこを前記制限酵素で切断し、変異導入を希望する部位を含む領域を除去した後、化学合成等によって目的の部位のみに変異導入したDNA断片を挿入するカセット変異法によって行うことができる。
また、PCRによる部位特異的変異の導入は、野生型PhbB酵素遺伝子中の変異導入を希望する目的の部位に目的の変異を導入した変異用プライマーと、前記遺伝子の一方の末端部位の配列を含む変異を有しない増幅用プライマーとで、前記遺伝子の片側を増幅し、前記変異用プライマーに対して相補的な配列を有する変異用プライマーと、前記遺伝子のもう一方の末端部位の配列を含む変異を有しない増幅用プライマーで、もう片側を増幅し、得られた2つの増幅断片をアニーリング操作後、さらに前記2種類の増幅用プライマーでPCR操作することにより行うことができる。
すなわち、組換えDNA技術による変異の導入は、例えば、野生型PhbB酵素遺伝子中の変異導入を希望する目的の部位の両側に適当な制限酵素認識配列が存在する場合に、そこを前記制限酵素で切断し、変異導入を希望する部位を含む領域を除去した後、化学合成等によって目的の部位のみに変異導入したDNA断片を挿入するカセット変異法によって行うことができる。
また、PCRによる部位特異的変異の導入は、野生型PhbB酵素遺伝子中の変異導入を希望する目的の部位に目的の変異を導入した変異用プライマーと、前記遺伝子の一方の末端部位の配列を含む変異を有しない増幅用プライマーとで、前記遺伝子の片側を増幅し、前記変異用プライマーに対して相補的な配列を有する変異用プライマーと、前記遺伝子のもう一方の末端部位の配列を含む変異を有しない増幅用プライマーで、もう片側を増幅し、得られた2つの増幅断片をアニーリング操作後、さらに前記2種類の増幅用プライマーでPCR操作することにより行うことができる。
本発明のベクターは、前述したPhbB酵素変異体をコードするDNAを適当なベクターに連結(挿入)することにより得ることができる。
また、本発明の形質転換細胞は、本発明の組換えベクターを本発明の遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することにより得ることができる。
遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で自律複製可能なものであれば特に限定されず、プラスミドDNAやファージDNAをベクターとして用いることができる。例えば、大腸菌を宿主として用いる場合には、pBR322、pUC18、pBluescript II等のプラスミドDNA、EMBL3、M13、λgt11等のファージDNA等を;酵母を宿主として用いる場合は、YEp13、YCp50等を;植物細胞を宿主として用いる場合には、pBI121、pBI101等を;動物細胞を宿主として用いる場合は、pcDNAI、pcDNAI/Amp等をベクターとして用いることができる。
また、本発明の形質転換細胞は、本発明の組換えベクターを本発明の遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することにより得ることができる。
遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で自律複製可能なものであれば特に限定されず、プラスミドDNAやファージDNAをベクターとして用いることができる。例えば、大腸菌を宿主として用いる場合には、pBR322、pUC18、pBluescript II等のプラスミドDNA、EMBL3、M13、λgt11等のファージDNA等を;酵母を宿主として用いる場合は、YEp13、YCp50等を;植物細胞を宿主として用いる場合には、pBI121、pBI101等を;動物細胞を宿主として用いる場合は、pcDNAI、pcDNAI/Amp等をベクターとして用いることができる。
宿主としては、特に限定されないが、例えば、大腸菌等の細菌、酵母、植物細胞、動物細胞等が挙げられる。
本発明の形質転換細胞は、宿主となる細胞へ前記ベクターを導入することにより得ることができる。細菌への組換えベクターの導入方法としては、例えばカルシウムイオンを用いる方法やエレクトロポレーション法等が挙げられる。酵母への組換えベクターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。植物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばアグロバクテリウム感染法、パーティクルガン法、ポリエチレングリコール法等が挙げられる。動物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法等が挙げられる。
より具体的には、大腸菌を形質転換する方法(特開2002−199890号公報)、酵母を形質転換する方法(WO03/033707)に記載された方法により、ポリヒドロキシアルカン酸を生産する形質転換細胞を得ることができる。
より具体的には、大腸菌を形質転換する方法(特開2002−199890号公報)、酵母を形質転換する方法(WO03/033707)に記載された方法により、ポリヒドロキシアルカン酸を生産する形質転換細胞を得ることができる。
次に、本発明のPhbB酵素変異体の製造方法は、上記形質転換細胞を用いる、つまり、上記形質転換細胞を培養・増殖させる工程を含むものである。
具体的には、上記形質転換細胞を培地で培養し、培養物(培養菌体または培養上清)中に本発明の酵素変異体を生成蓄積させ、該培養物から前記酵素変異体を採取することにより、本発明のPhbB酵素変異体を製造することができる。
具体的には、上記形質転換細胞を培地で培養し、培養物(培養菌体または培養上清)中に本発明の酵素変異体を生成蓄積させ、該培養物から前記酵素変異体を採取することにより、本発明のPhbB酵素変異体を製造することができる。
本発明の形質転換細胞を培地で培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。大腸菌等の細菌を宿主として得られた形質転換細胞を培養する培地としては、完全培地または合成培地、例えばLB培地、M9培地等が挙げられる。また、培養温度20〜40℃で、好気的に6〜24時間培養することにより、本発明の酵素変異体を菌体内に蓄積させることができる。
次いで、前述した培養法により得られた培養物を遠心する(細胞についてはソニケーター等にて破砕する)等により、酵素変異体を回収することができる。
次いで、前述した培養法により得られた培養物を遠心する(細胞についてはソニケーター等にて破砕する)等により、酵素変異体を回収することができる。
本発明の酵素変異体の精製は、上記回収した酵素変異体を、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオンまたは陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過等を、単独でまたは適宜組み合わせることによって行うことができる。
得られた精製物質が目的の酵素であることの確認は、通常の方法、例えばSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、ウエスタンブロッティング等により行うことができる。
得られた精製物質が目的の酵素であることの確認は、通常の方法、例えばSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、ウエスタンブロッティング等により行うことができる。
次に、本発明の光学活性アルコールの製造方法は、上記酵素変異体を用いるものであり、具体的には、上記酵素変異体と種々の非対称ケトンを適切な条件下にて反応させる工程を含む方法である。
なお、適切な反応条件としては、例えば、酵素改変方法および酸化還元酵素変異体(特開2003−804653号公報)に記載された反応条件等が挙げられる。
なお、適切な反応条件としては、例えば、酵素改変方法および酸化還元酵素変異体(特開2003−804653号公報)に記載された反応条件等が挙げられる。
また、3−ヒドロキシアシル−CoAの製造方法は、上記酵素変異体または形質転換細胞を用いるものであり、具体的には、上記酵素変異体または形質転換細胞と、3−ケトアシル−CoAとを適切な条件下にて反応させる工程を含む方法である。当該方法においては、酵素反応生成物として3−ヒドロキシアシル−CoAを製造しうる。
なお、適切な反応条件としては、例えば、アセトアセチルCoA還元酵素に関する文献(FEMS Microbiology Letters vol.52 (1988) pp.259−264)に記載された反応条件等が挙げられる。
なお、適切な反応条件としては、例えば、アセトアセチルCoA還元酵素に関する文献(FEMS Microbiology Letters vol.52 (1988) pp.259−264)に記載された反応条件等が挙げられる。
さらに、本発明のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法は、上記形質転換細胞を用いる、つまり、上記形質転換細胞を培養・増殖させる工程を含むものである。
具体的には、当該ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法においては、前述した方法によって得られた形質転換細胞を、適切な培地、すなわちグルコース等の糖や飽和脂肪酸グリセリド等を十分な量だけ含む培地にて、培養することによって、ポリエステルであるポリヒドロキシアルカン酸を製造することができる。
より具体的には、例えば、形質転換した大腸菌を用いる方法(特開平11−243956号公報)、形質転換した酵母を用いる方法(特開2003−833707号公報)に記載された方法等により、ポリヒドロキシアルカン酸を製造することができる。
具体的には、当該ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法においては、前述した方法によって得られた形質転換細胞を、適切な培地、すなわちグルコース等の糖や飽和脂肪酸グリセリド等を十分な量だけ含む培地にて、培養することによって、ポリエステルであるポリヒドロキシアルカン酸を製造することができる。
より具体的には、例えば、形質転換した大腸菌を用いる方法(特開平11−243956号公報)、形質転換した酵母を用いる方法(特開2003−833707号公報)に記載された方法等により、ポリヒドロキシアルカン酸を製造することができる。
なお、当該ポリヒドロキシアルカン酸が、下記一般式(1):
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表し、nは該ポリマーのモノマー単位数を表す。なお、アルキル基の炭素数は該ポリマー中で同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物であることが好ましい。
Rの炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基またはn−プロピル基である。
細胞内に蓄積されたポリエステルの細胞内含量およびポリエステルの組成は、加藤らの方法(Appl.Microbiol.Biotechnol.,45巻、363ページ(1996);Bull.Chem.Soc.,69巻、515ページ(1996))に従い、培養細胞からクロロホルム等の有機溶媒を用いて抽出後、抽出物をガスクロマトグラフィー、NMR等に供試することにより測定分析することができる。
本発明の酵素変異体を触媒として用いることにより、3−ヒドロキシアシル−CoAおよび光学活性アルコールを高い効率で製造することが可能となる。また、本発明の酵素変異体または形質転換細胞を用いることにより、ポリヒドロキシアルカン酸を高い効率で製造することが可能となる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)PhbB酵素立体構造のモデリングと、補酵素結合部位の解析
配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)由来の野生型PhbB酵素のアミノ酸配列をクエリーとして、プログラムBLAST(Altschul、Stephen F.et al.、Nucleic Acids Res.25、3389−3402(1997))を用いて、プロテイン・データ・バンク(PDB)に収載の蛋白質一次構造データから、相同性の高いアミノ酸配列を検索抽出した。得られたアミノ酸配列のうち、野生型PhbB酵素と最も相同性の高い配列としてグルコース脱水素酵素(PDBコード:1GCO)を選択し、PDBに収載されている該酵素(1GCO)の原子座標データを雛型として、プログラムSwiss−PDBViewer(Swiss Institute of Bioinformatics(SIB)、ExPASy Molecular Biology Server(http://www.expasy.ch/より入手可能))を用いて、アミノ酸残基の置換、挿入、および欠失の各操作を行い、野生型PhbB酵素の立体構造モデル(原子座標データと同義)を得た。次に、補酵素であるNADHまたはNADPHを前記の立体構造モデルに埋め込む操作を行い、野生型PhbB酵素と補酵素(NADHまたはNADPH)との複合体の立体構造モデルを得た。得られたPhbB酵素−補酵素複合体立体構造モデル(原子座標データ)を用いて、NADHのリボース2’−OHまたはNADPHのリボース2’−リン酸エステルの近傍に存在するアミノ酸残基が、残基番号11〜17、残基番号32〜44、および残基番号57であることを特定した。多重変異蛋白質アミノ酸配列の最適化解を算出する方法(特開2001−184381号公報)を用いて、それら特定されたアミノ酸残基位置の中から、NADH結合能が向上すると見込めるアミノ酸残基位置と残基種、およびNADPH結合能が向上すると見込めるアミノ酸残基位置と残基種をそれぞれ選出し、PhbB酵素変異体のアミノ酸配列とした。当該PhbB酵素変異アミノ酸配列は、配列番号2〜6に示したとおりであり、該変異アミノ酸配列群と野生型アミノ酸配列の比較は、前述の表1に示したとおりである。
配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるラルストニア・ユートロファ(Ralstonia eutropha)由来の野生型PhbB酵素のアミノ酸配列をクエリーとして、プログラムBLAST(Altschul、Stephen F.et al.、Nucleic Acids Res.25、3389−3402(1997))を用いて、プロテイン・データ・バンク(PDB)に収載の蛋白質一次構造データから、相同性の高いアミノ酸配列を検索抽出した。得られたアミノ酸配列のうち、野生型PhbB酵素と最も相同性の高い配列としてグルコース脱水素酵素(PDBコード:1GCO)を選択し、PDBに収載されている該酵素(1GCO)の原子座標データを雛型として、プログラムSwiss−PDBViewer(Swiss Institute of Bioinformatics(SIB)、ExPASy Molecular Biology Server(http://www.expasy.ch/より入手可能))を用いて、アミノ酸残基の置換、挿入、および欠失の各操作を行い、野生型PhbB酵素の立体構造モデル(原子座標データと同義)を得た。次に、補酵素であるNADHまたはNADPHを前記の立体構造モデルに埋め込む操作を行い、野生型PhbB酵素と補酵素(NADHまたはNADPH)との複合体の立体構造モデルを得た。得られたPhbB酵素−補酵素複合体立体構造モデル(原子座標データ)を用いて、NADHのリボース2’−OHまたはNADPHのリボース2’−リン酸エステルの近傍に存在するアミノ酸残基が、残基番号11〜17、残基番号32〜44、および残基番号57であることを特定した。多重変異蛋白質アミノ酸配列の最適化解を算出する方法(特開2001−184381号公報)を用いて、それら特定されたアミノ酸残基位置の中から、NADH結合能が向上すると見込めるアミノ酸残基位置と残基種、およびNADPH結合能が向上すると見込めるアミノ酸残基位置と残基種をそれぞれ選出し、PhbB酵素変異体のアミノ酸配列とした。当該PhbB酵素変異アミノ酸配列は、配列番号2〜6に示したとおりであり、該変異アミノ酸配列群と野生型アミノ酸配列の比較は、前述の表1に示したとおりである。
(実施例2)野生型PhbB酵素(配列番号1)をコードする遺伝子
配列番号7に記載の塩基配列からなる野生型phbB遺伝子を全合成し、配列番号8および9に記載の塩基配列からなるプライマーで増幅した。プラスミドpUCNT(WO94/03613に記載)のマルチクーニングサイト中のHindIIIサイトをブラントエンド法で破壊したプラスミドpUCNT−2のNdeI/PstIサイトに、野生型phbB遺伝子をクローニングした。
配列番号7に記載の塩基配列からなる野生型phbB遺伝子を全合成し、配列番号8および9に記載の塩基配列からなるプライマーで増幅した。プラスミドpUCNT(WO94/03613に記載)のマルチクーニングサイト中のHindIIIサイトをブラントエンド法で破壊したプラスミドpUCNT−2のNdeI/PstIサイトに、野生型phbB遺伝子をクローニングした。
(実施例3)変異体M−3(配列番号2)をコードする遺伝子
配列番号10および11に記載の塩基配列からなる合成遺伝子150ピコモルを混合し、オーバーラップPCR反応を行った。ポリメラーゼにはTakara社製pyrobestを用い、添付のバッファーとdNTPを用いた。反応液量は0.03mlとした。反応条件は96℃×5分1回、96℃×2分・60℃×30秒・72℃×30秒のサイクルを12回とした。約150bpのDNAをアガロース電気泳動より切り出し、NdeIとHindIIIにより切断した。この遺伝子断片を、同酵素で切断処理した野生型遺伝子を含むpUCNT−2にクローニングして変異体M−3遺伝子を作成した。
配列番号10および11に記載の塩基配列からなる合成遺伝子150ピコモルを混合し、オーバーラップPCR反応を行った。ポリメラーゼにはTakara社製pyrobestを用い、添付のバッファーとdNTPを用いた。反応液量は0.03mlとした。反応条件は96℃×5分1回、96℃×2分・60℃×30秒・72℃×30秒のサイクルを12回とした。約150bpのDNAをアガロース電気泳動より切り出し、NdeIとHindIIIにより切断した。この遺伝子断片を、同酵素で切断処理した野生型遺伝子を含むpUCNT−2にクローニングして変異体M−3遺伝子を作成した。
(実施例4)変異体M−4(配列番号3)をコードする遺伝子
配列番号10および12に記載の塩基配列からなる合成遺伝子を用いて、変異体M−3遺伝子を作成したときと同一の方法にて、変異体M−4遺伝子を作成した。
配列番号10および12に記載の塩基配列からなる合成遺伝子を用いて、変異体M−3遺伝子を作成したときと同一の方法にて、変異体M−4遺伝子を作成した。
(実施例5)変異体M−8(配列番号4)をコードする遺伝子
配列番号13および12に記載の塩基配列からなる合成遺伝子を用いて、変異体M−3遺伝子を作成したときと同一の方法にて、変異体M−8遺伝子を作成した。
配列番号13および12に記載の塩基配列からなる合成遺伝子を用いて、変異体M−3遺伝子を作成したときと同一の方法にて、変異体M−8遺伝子を作成した。
(実施例6)変異体M−9(配列番号5)をコードする遺伝子
配列番号10および14に記載の塩基配列からなる合成遺伝子を用いて、変異体M−3遺伝子を作成したときと同一の方法にて、変異体M−2遺伝子を作成した。この変異体M−2遺伝子を含むpUCNT−2に対して、配列番号15および16に記載の塩基配列からなるプライマーを用い、クイックチェンジ法で前記変異体M−2のアミノ酸配列57番のアラニンをチロシンに変換した変異体M−9遺伝子を作成した。クイックチェンジ法はStratagene社のプロトコールに従った。
配列番号10および14に記載の塩基配列からなる合成遺伝子を用いて、変異体M−3遺伝子を作成したときと同一の方法にて、変異体M−2遺伝子を作成した。この変異体M−2遺伝子を含むpUCNT−2に対して、配列番号15および16に記載の塩基配列からなるプライマーを用い、クイックチェンジ法で前記変異体M−2のアミノ酸配列57番のアラニンをチロシンに変換した変異体M−9遺伝子を作成した。クイックチェンジ法はStratagene社のプロトコールに従った。
(実施例7)変異体M−11(配列番号6)をコードする遺伝子
変異体M−4遺伝子を含むpUCNT−2に対して、配列番号15および16に記載の塩基配列からなるプライマーを用い、クイックチェンジ法で前記変異体M−4のアミノ酸配列57番のアラニンがチロシンに変換された変異体M−11遺伝子を作成した。
変異体M−4遺伝子を含むpUCNT−2に対して、配列番号15および16に記載の塩基配列からなるプライマーを用い、クイックチェンジ法で前記変異体M−4のアミノ酸配列57番のアラニンがチロシンに変換された変異体M−11遺伝子を作成した。
(実施例8)遺伝子の配列確認
前記の変異体遺伝子は、全て配列確認をPERIKIN ELMER APPLIED BIOSYSTEMS社製のDNAシークエンサー310 Genetic Analyzerを用いて行った。
前記の変異体遺伝子は、全て配列確認をPERIKIN ELMER APPLIED BIOSYSTEMS社製のDNAシークエンサー310 Genetic Analyzerを用いて行った。
(実施例9)遺伝子の発現と酵素の精製
上記で作成したプラスミドをそれぞれ用いて、大腸菌JM−109細胞(Takara社製)の形質転換を行った。得られた上記野生型phbB遺伝子またはphbB変異体遺伝子のいずれかを含むJM−109細胞をそれぞれ、アンピシリンを含むLB培地にて終夜培養した。本培養液1mlを、イソプロピル 1−チオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)(0.2mM)を含む2YT培地(10ml、アンピシリン含有)に接種し、30℃にて8時間培養した。培養終了後、遠心にて集菌し、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)(0.5mM)とジチオトレイトール(DTT)(1mM)を含むリン酸カリウム緩衝液(10mM、pH7.0)0.5mlに再懸濁した。超音波破砕にて細胞を破砕し、遠心分離して上清画分と不溶性画分に分画した。それぞれの画分をSDS電気泳動にて分析したところ、変異体M−3,4,8,9,11それぞれの遺伝子を導入した細胞の上清画分すべてに、野生型PhbB酵素とほぼ同一の分子量2万5千の位置にIPTGにより誘導されたと考えられる蛋白質発現を認めた。発現量は野生型とほぼ同程度であった。不溶性画分への蓄積は、全ての変異体で認められなかった。
上記で作成したプラスミドをそれぞれ用いて、大腸菌JM−109細胞(Takara社製)の形質転換を行った。得られた上記野生型phbB遺伝子またはphbB変異体遺伝子のいずれかを含むJM−109細胞をそれぞれ、アンピシリンを含むLB培地にて終夜培養した。本培養液1mlを、イソプロピル 1−チオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)(0.2mM)を含む2YT培地(10ml、アンピシリン含有)に接種し、30℃にて8時間培養した。培養終了後、遠心にて集菌し、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)(0.5mM)とジチオトレイトール(DTT)(1mM)を含むリン酸カリウム緩衝液(10mM、pH7.0)0.5mlに再懸濁した。超音波破砕にて細胞を破砕し、遠心分離して上清画分と不溶性画分に分画した。それぞれの画分をSDS電気泳動にて分析したところ、変異体M−3,4,8,9,11それぞれの遺伝子を導入した細胞の上清画分すべてに、野生型PhbB酵素とほぼ同一の分子量2万5千の位置にIPTGにより誘導されたと考えられる蛋白質発現を認めた。発現量は野生型とほぼ同程度であった。不溶性画分への蓄積は、全ての変異体で認められなかった。
(実施例10)変異体の活性測定
これら変異体の活性について、アセトアセチルCoA(シグマ社製)の還元反応における活性および補酵素特性を測定した。反応液の組成は、補酵素として0.02mMから0.5mM濃度のNADHあるいはNADPH(いずれもオリエンタル酵母社製)と、基質としてアセトアセチルCoA(0.05mM)とを含むトリス塩酸緩衝液(50mM、pH8.0)0.5mlとし、適当に希釈された菌体破砕液を0.01ml添加し、反応を開始した。菌体破砕液の希釈量は、予備実験により十分に反応の初速度を求められる量として決定した。おおむね20倍から250倍希釈であった。反応は分光光度計を用いて波長340nmにおける吸光度の減少を3分間追跡し、反応の初速度を測定した。分光光度計のセルは光路長約0.4cmのものを用いた。補酵素濃度を4ないし5点変化させたときの反応初速度をプロットし、ミカエリス・メンテン式に最小二乗法によりフィットさせて、各種パラメーターを求めた。結果を表2に示した。
これら変異体の活性について、アセトアセチルCoA(シグマ社製)の還元反応における活性および補酵素特性を測定した。反応液の組成は、補酵素として0.02mMから0.5mM濃度のNADHあるいはNADPH(いずれもオリエンタル酵母社製)と、基質としてアセトアセチルCoA(0.05mM)とを含むトリス塩酸緩衝液(50mM、pH8.0)0.5mlとし、適当に希釈された菌体破砕液を0.01ml添加し、反応を開始した。菌体破砕液の希釈量は、予備実験により十分に反応の初速度を求められる量として決定した。おおむね20倍から250倍希釈であった。反応は分光光度計を用いて波長340nmにおける吸光度の減少を3分間追跡し、反応の初速度を測定した。分光光度計のセルは光路長約0.4cmのものを用いた。補酵素濃度を4ないし5点変化させたときの反応初速度をプロットし、ミカエリス・メンテン式に最小二乗法によりフィットさせて、各種パラメーターを求めた。結果を表2に示した。
表2において、VmaxおよびKmは、ミカエリス・メンテン式による酵素触媒定数であり、補酵素としてNADPHまたはNADHを、基質としてアセトアセチルCoAを用いたときの、野生型PhbB酵素(配列番号1)およびPhbB酵素変異体(配列番号2〜6)の最大反応速度と補酵素結合定数をそれぞれ表す。活性の値(Vmax/Km)は、本反応条件における、酵素液1ml当たりの1分間における吸光度(OD)340nmの変化量から、ミカエリス・メンテン式を用いた上記方法により算出した。
また、N.S.は、測定濃度域において飽和に達しなかったことを示す。
また、N.S.は、測定濃度域において飽和に達しなかったことを示す。
野生型酵素と酵素変異体との活性比較:
表2の結果に示されるように、変異体M−4、M−8およびM−11は、NADPHを補酵素としたときの活性が野生型に比べて向上した。また、変異体M−3、M−4、M−9およびM−11は、NADHを補酵素としたときの活性が野生型に比べて向上した。
表2の結果に示されるように、変異体M−4、M−8およびM−11は、NADPHを補酵素としたときの活性が野生型に比べて向上した。また、変異体M−3、M−4、M−9およびM−11は、NADHを補酵素としたときの活性が野生型に比べて向上した。
本発明の酵素変異体を触媒として用いることにより、3−ヒドロキシアシル−CoAおよび光学活性アルコールを高い効率で製造することが可能となる。また、本発明の酵素変異体または形質転換細胞を用いることにより、ポリヒドロキシアルカン酸を高い効率で製造することが可能となる。
Claims (20)
- 配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる3−ケトアシル−CoA還元酵素のアミノ酸残基部位のうち、Met−12、Gly−13、Ala−32、Cys−34、Gly−35、Pro−36、Asn−37、Ser−38、Pro−39、Arg−40、Arg−41、Ala−57において、単数または複数のアミノ酸を置換、挿入もしくは欠失またはそれらを組み合わせることにより、触媒活性が向上した3−ケトアシル−CoA還元酵素変異体を得ることを特徴とする酵素改変方法。
- 配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる3−ケトアシル−CoA還元酵素に対して30%以上の配列相同性を有する3−ケトアシル−CoA還元酵素の、請求項1に記載のアミノ酸残基部位と立体構造上同等な位置を占めるアミノ酸残基において、単数または複数のアミノ酸を置換、挿入もしくは欠失またはそれらを組み合わせることにより、触媒活性が向上した3−ケトアシル−CoA還元酵素変異体を得ることを特徴とする酵素改変方法。
- 請求項1に記載の改変方法により得られてなる3−ケトアシル−CoA還元酵素変異体。
- 請求項2に記載の改変方法により得られてなる3−ケトアシル−CoA還元酵素変異体。
- 配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる3−ケトアシル−CoA還元酵素のアミノ酸残基部位において、Met−12をSerに、Gly−13をArgに、Ala−32をValに、Cys−34をAspに、Gly−35をIleまたはArgに、Pro−36をSerに、Asn−37をLysに、Ser−38をGluに、Pro−39をAspに、Arg−40をAlaまたはGluに、Arg−41をAlaに、およびAla−57をTyrに、から選ばれるアミノ酸の置換を少なくとも1つ行うことにより得られてなる3−ケトアシル−CoA還元酵素変異体。
- 配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる3−ケトアシル−CoA還元酵素。
- 配列番号3で示されるアミノ酸配列からなる3−ケトアシル−CoA還元酵素。
- 配列番号4で示されるアミノ酸配列からなる3−ケトアシル−CoA還元酵素。
- 配列番号5で示されるアミノ酸配列からなる3−ケトアシル−CoA還元酵素。
- 配列番号6で示されるアミノ酸配列からなる3−ケトアシル−CoA還元酵素。
- 請求項3〜5のいずれかに記載の酵素変異体または請求項6〜10のいずれかに記載の酵素をコードするDNA。
- 請求項11に記載のDNAを有してなるベクター。
- 請求項12に記載のベクターにより形質転換されてなる形質転換細胞。
- 請求項13に記載の形質転換細胞を用いた、請求項3〜5のいずれかに記載の3−ケトアシル−CoA還元酵素変異体または請求項6〜10のいずれかに記載の酵素の製造方法。
- 請求項3〜5のいずれかに記載の酵素変異体または請求項6〜10のいずれかに記載の酵素を用いた、光学活性アルコールの製造方法。
- 請求項3〜5のいずれかに記載の酵素変異体または請求項6〜10のいずれかに記載の酵素を用いた、3−ヒドロキシアシル−CoAの製造方法。
- 請求項13に記載の形質転換細胞を用いた、3−ヒドロキシアシル−CoAの製造方法。
- 請求項13に記載の形質転換細胞を用いた、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
- 前記ポリヒドロキシアルカン酸が、前記式(1)においてRがメチル基またはn−プロピル基である化合物である請求項19に記載のポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
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