JPWO2006033434A1 - 靴底及び靴 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドライパウダーが床面に散乱した作業環境においても、靴底3の耐滑性が十分かつ効果的に発揮され、作業能率を高めることができる。【解決手段】 弾性材料により構成された靴底本体9の下面全面に複数のクリート突起列11が満遍なく配設され、各クリート突起列11は、それぞれ、断面形状が二等辺三角形になるように構成されかつ縦方向に沿って並んだ複数の第1クリート突起13と、断面形状が第1クリート突起の断面形状よりも高さの低い台形又は長方形になるように構成されかつ複数の第1クリート突起13に挟まれるように縦方向に沿って並んだ適数の第2クリート突起15とを備えてあって、横方向に隣接する関係にあるクリート突起列11同士における第1クリート突起13の長手方向が異なるように構成されたこと。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばゴム工場内、食品工場内、製薬工場内、セメント工場内等、ドライパウダー(乾燥粉末)が床面に散乱した状態の作業環境において使用される作業靴、及びこの作業靴の構成要素の一つである靴底に関する。
作業靴の靴底については、耐滑性を有するように種々の改良がなされており、耐滑性を有した靴底の先行技術として特許文献1、2に示すものがある。即ち、先行技術に係わる前記靴底は、靴底本体を具備しており、この靴底本体は、発泡ウレタン、ゴム等の弾性材料により構成されている。そして、前記靴底本体の下面における爪先部及び踵部には、多数のクリート突起が満遍なく一体形成されており、各クリート突起は、それぞれ、発泡ウレタン、ゴム等の弾性材料により構成されている。
ところで、床面の状態は様々で、例えば、油や水のような流体がある床面と乾いた床面では靴底のすべりの現象が変わるため、靴底の材料や構造はそれらに応じて変える必要がある(特許文献1参照)。
また、地下足袋のように、足場不安定な作業に用いる靴では、足指のはさみ感覚を重視した底面意匠形状になっている(特許文献2参照)。
なお、本願明細書において、「意匠」とは靴底面のパターン形状、靴底に配置された床面と接地する「突起」の形状、若しくは当該「突起」そのものを表す用語として記載したものである。
特開2000−106903号公報 実開昭60−48701号公報
ところで、例えばゴム工場、食品工場、製薬工場、セメント工場等におけるドライパウダー(乾燥した粉)が散乱している床面108においては、接地前の状態を表す図7aのように靴底101におけるクリート突起103の接地面105が平面形状であると、接地面がドライパウダーを掻き分けるように食い込むことができない。すなわち、クリート突起103の接地面105を床面108に対して十分に押しつけることができず、耐滑性を発揮することができるように十分に接触させることができないということである。
また図7bに示す接地状態においては、ドライパウダー107が接地面105と床面108の間で圧縮されるように踏み固められ、接地面105が床面を捉えることができないので十分な摩擦力を発生させることが出来ず、耐滑性が阻害される(滑る)。その上、その結果、図7cに示すように靴底101を床面108から離しても、靴底101すなわち接地面105にドライパウダーが付着したままの堆積現象がおこり、接地面と床面の間にドライパウダーがいつまでも存在して図7dに示すように接地面105と床面108との接触が妨げられるので耐滑性が阻害される。
また、図8のようなノコギリ意匠(鋸の歯の形状をした突起)109では、荷重のかけ始めの時点では図8aのように一見するとクリート突起111の鋭角な先端部がドライパウダー107を掻き分けるように床面108に食い込み(強く接し)、耐滑性が継続発揮されるように靴の業界では考えられていた。
しかし、本願発明者の研究の結果ではクリート突起111には長い斜面111aが存在するので、さらに荷重が加わると図8bに示すように長い斜面の反対側(短い斜面111b側)にクリート突起111が倒れこんでしまう現象が起こり、床面を捉え続けることができない。
また倒れこんだクリート突起の長い斜面111aが、結果として図7に示す平面形状の接地面105と同じように平面形状の接地面となり、当該斜面111aにドライパウダーを付着させる堆積現象がおこる。その結果、接地面と床面の間にドライパウダーがいつまでも存在するので、耐滑性が阻害される(図8d参照)。
更に、実開昭60−48701号公報に示すような地下足袋にみられる意匠では、耐滑性よりも足指のはさみ感覚を重視するため指の曲がりにあわせた間隔で意匠が配置されており、角部分がないため全体的に引っ掛かりが少なく、特に横方向に対する耐滑性に乏しくなる。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13、27、29)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されていることを特徴とする。
本願請求項2記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13)と補助突起(15)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁(41)から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
前記補助突起(15)は、前記滑り止め突起(13、27、29)が有する稜線状の角縁(41)よりも低い高さとなる位置に、前記靴底本体下面とほぼ平行を成す平坦面を有するとともに、断面形状が矩形若しくは台形状に形成されていることを特徴とする。
本願請求項3記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13、27、29)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
少なくとも前記前足底領域(43)および踵部領域(44)には、前記凸条部(42)の長手方向が当該各領域(43、44)内を左右方向に分割する分割線(C1〜C5)に対して約30°乃至60°の角度を成して傾斜するように、前記滑り止め突起が規則的に配置されていることを特徴とする。
本願請求項4記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13)と補助突起(15)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁(41)から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
前記補助突起(15)は、前記滑り止め突起(13)が有する稜線状の角縁(41)よりも低い高さとなる位置に、前記靴底本体下面とほぼ平行を成す平坦面を有するとともに断面形状が矩形若しくは台形状に形成されており、前記滑り止め突起(15)に対して一定の割合で混在し前記滑り止め突起とともに規則的に配置されていることを特徴とする。
本願請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項記載の靴底を有する靴である。
本願請求項6記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、請求項1乃至4のいずれか一項記載の靴底若しくは当該靴底を有する靴であって、
前記靴底本体の下面には、細幅の無突起領域が前後方向に亘って複数条設けられていることを特徴とする。
本願請求項7記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13、27、29)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
少なくとも、前記前足底領域(43)および踵部領域(44)には、前記凸条部の長手方向を一致させた状態で並べて配置した2以上の滑り止め突起(27、29、80)を1単位とする小突起群(81)が規則的に配置されていることを特徴とする。
本願請求項8記載の発明は下記の構成を有する。すなわち、
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13、27、29)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
少なくとも、前記前足底領域(43)および踵部領域(44)には、前記凸条部の長手方向を靴底本体下面の縦方向と一致させた状態で並べて配置した2以上の滑り止め突起(27)を1単位とする縦向きの小突起群と、前記凸条部の長手方向を靴底本体下面の縦方向と直交する向きで並べて配置した2以上の滑り止め突起(29)を1単位とする横向きの小突起群とが交互に規則的に配置されていることを特徴とする。
本願請求項9記載の発明は、請求項7又は請求項8記載の靴底を有する靴である。
請求項10に記載の発明にあっては、作業靴の構成要素の1つである靴底において、
弾性材料により構成された靴底本体と;
前記靴底本体の下面における少なくとも爪先部及び踵部に満遍なく配設された複数のクリート突起列と;を具備してあって、
各クリート突起列は、それぞれ、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、一方向へ延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成され、縦方向に沿って並んだ複数の第1クリート突起と、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、断面形状が前記第1クリート突起の断面形状よりも高さの低い断面台形又は断面長方形になるように構成され、複数の前記第1クリート突起に挟まれるように縦方向に沿って並んだ適数の第2クリート突起と、を備えてあって、
更に、横方向に隣接する関係にある前記クリート突起列同士にあって、前記クリート突起列における前記1クリート突起の長手方向が異なるように構成されたことを特徴とする。
請求項10に記載の発明特定事項によると、前記靴底本体の下面における少なくとも前記爪先部、踏み付け部、及び前記踵部に杉綾模様状に複数の前記クリート突起列が満遍なく配設されてあって、各クリート突起列における複数の前記第1クリート突起は、断面形状が二等辺三角形になるように構成されているため、ドライパウダーが床面に散乱した作業環境において前記作業靴を使用する際に、前記第1クリート突起の先端付近が弾性変形しつつ、ドライパウダーを押え付けても、前記第1クリート突起の先端付近が元の形状に弾性復帰することによって、前記第1クリート突起の先端付近からドライパウダーを振り払うことができる。
これにより、前記散乱した作業環境において前記作業靴を使用しても、前記第1クリート突起の先端付近にドライパウダーが付着することを抑制することができるので、耐滑性を損なうことがない。
また、前記靴底は、横方向に隣接する関係にある前記クリート突起列同士における前記1クリート突起の長手方向が異なるように構成されているため、前記靴底の滑りにくい方向を拡げる。
更に、前記靴底本体の下面における少なくとも前記爪先部及び前記踵部に複数の前記クリート突起列が満遍なく配設されてあって、各クリート突起列における複数の前記第2クリート突起は、断面形状が前記第1クリート突起の断面形状よりも高さの低い台形又は長方形になるように構成されている。
前記第2クリート突起の先端は平面(平らな接地面)であって、前記散乱した作業環境において前記作業靴を使用する際に、前記第1クリート突起の先端付近が弾性変形しつつ、前記第2クリート突起の平らな接地面が床面に接地する。これにより、前記散乱した作業環境において前記作業靴を使用する際に、前記第1クリート突起が必要以上に変形しないようにすることができる。
請求項11に記載の発明にあっては、請求項10に記載の発明特定事項の他に、各クリート突起列における前記第2クリート突起は、同じクリート突起列における前記第1クリート突起の長手方向と同じ方向へ延びてあって、横方向に隣接する関係にある前記クリート突起列同士における複数の前記第1クリート突起及び複数の前記第2クリート突起によって杉綾模様を呈するように構成されたことを特徴とする。
請求項11に記載の発明特定事項によると、請求項10に記載の発明特定事項による作用と同様の作用を奏する他に、前記靴底は、横方向に隣接する関係にある前記クリート突起列同士における複数の前記第1クリート突起及び複数の前記第2クリート突起によって杉綾模様(herringbone)を呈するように構成されている。
換言すれば、横方向に隣接する関係にある一対の前記第1クリート突起、及び横方向に隣接する関係にある一対の前記第2クリート突起が、三角形の隣接する2辺のような屈曲した折れ線形状(日本語カタカナの「ハ」(HA)の字状)を呈するように構成されているため、前記靴底の滑りにくい方向を前後左右に拡げることができる。
請求項12に記載の発明にあっては、作業靴の構成要素の1つである靴底において、
弾性材料により構成された靴底本体と;
前記靴底本体の下面における少なくとも爪先部及び踵部に満遍なく配設された多数のクリート突起群と;を具備してあって、
各クリート突起群は、それぞれ、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、一方向へ延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成された適数の第1クリート突起と、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、前記第1クリート突起と異なる方向へ延びてあって、断面形状が前記第1クリート突起と同じ高さの二等辺三角形になるように構成された適数の第2クリート突起と、を備えていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明特定事項によると、前記靴底本体の下面における少なくとも前記爪先部及び前記踵部に多数の前記クリート突起群が満遍なく配設されてあって、各クリート突起群における適数の前記第1クリート突起及び適数の前記第2クリート突起は、断面形状が二等辺三角形になるように構成されているため、ドライパウダーが床面に散乱した作業環境において前記作業靴を使用する際に、前記第1クリート突起の先端付近及び前記第2クリート突起の先端付近が弾性変形しつつ、ドライパウダーを押え付けても、前記第1クリート突起の先端付近及び前記第2クリート突起の先端付近が元の形状に弾性復帰することによって、前記第1クリート突起の先端付近及び前記第2クリート突起からドライパウダーを振り払うことができる。これにより、前記散乱した作業環境において前記作業靴を使用しても、前記第1クリート突起の先端付近及び前記第2クリート突起の先端付近にドライパウダーが付着することを抑制することができる。
また、各クリート突起群における適数の前記第2クリート突起は、前記第1クリート突起と異なる方向へ延びているため、前記靴底の滑りにくい方向を拡げる。
請求項13に記載の発明にあっては、請求項12に記載の発明特定事項の他に、各クリート突起群における適数の前記第2クリート突起は、前記第1クリート突起の長手方向に対して直交する方向に延びていることを特徴とする。
請求項13に記載の発明特定事項によると、請求項12に記載の発明特定事項による作用の他に、各クリート突起群における適数の前記第2クリート突起は、前記第1クリート突起の長手方向に対して直交する方向に延びているため、前記靴底の耐滑性のある方向を前後左右に拡げることができる。
請求項14に記載の発明にあっては、請求項10から請求項13のうちのいずれかの請求項に記載の発明特定事項からなる靴底と;
前記靴底に設けられた甲皮と;
を具備したことを特徴とする。
請求項14に記載の発明特定事項によると、請求項8から請求項13のうちのいずれかの請求項に記載の発明特定事項による作用と同様の作用を奏する。
本願請求項1記載の発明は、第1に床面と接触する突起の先端が、鋭角な角縁(エッジ)部を有していることを特徴とする。第2に、前記床面との接触部となる突起は、荷重を受けても一方向に倒れるような変形を行わないように、前記角縁部を頂点とする断面が三角形状の弾性変形部を有していることを特徴とする。
当該突起は、微細な粉が散乱しているようなステンレス板、コンクリート、タイルといった表面が平滑な床面上においても、突起の稜線である所定幅の前記角縁部を、ナイフエッジのように床面に到達させ、粉を介在させない状態で床面と接触することができるものである。さらに、荷重により突起が変形すると、所定幅の角縁部を中心として当該角縁部を支えている側面部が粉を押しのけるように変形して床面と接触するので、突起と床面との接触面積を拡大させて、靴底の摩擦力を高めることができるという作用および効果を有するものである。
また、前記突起は、前述したように粉を押しのけるように床面と接触するので、当該突起による粉の押し固め作用が生じにくく、突起に対する粉の付着を軽減させることができるものである。さらに、突起の変形が復元する際には側面の伸縮によって、付着した粉を落下させるという自浄作用(self-cleaning)が生じ、継続的に靴の耐滑性を維持できるという効果を有している。
なお、前記弾性変形部は二等辺三角形以外の断面形状を有していてもよく、鋭角な角縁を頂点とする2斜面が、当該角部から垂下させた垂線に対して角度15°〜45°の傾斜面を有する三角形状であれば、突起の倒れを防止し耐滑性を発揮することができる。
本願請求項2記載の発明は、前述した鋭角な角縁(エッジ)部を有している突起の効果に加えて、次に述べる効果を有するものである。すなわち、当該発明は、前述した断面が三角形状の弾性変形部を有した突起を、主として耐滑性を発揮させる「滑り止め突起」として、当該「滑り止め突起」の機能を十分に発揮させる「補助突起」を有することを特徴とするものである。
「補助突起」とは、床面に対して面で接触するように形成された突起であり、当該接触面が「滑り止め突起」の先端よりも低い位置に形成されたものである。「補助突起」は、断面が正方形、台形となる細長の突起であるから、頂部が鋭角な「滑り止め突起」よりも荷重に対する変形量(沈み込み量)が少く、適切に配置することにより「滑り止め突起」を一定量以上変形させないようにすることができる。
「滑り止め突起」の耐滑性を有効に機能させ、しかもある一定期間以上の耐摩耗性を発揮させるためには、用いる素材の性質や想定荷重に応じて、「滑り止め突起」の変形量を一定値以下にする必要がある。「補助突起」は、「滑り止め突起」の変形量を制限することにより、当該「滑り止め突起」の機能を十分に発揮させることができるという効果を有するものである。
本願請求項3記載の発明は、前述した請求項1記載の発明の効果に加えて、次に述べる効果を有するものである。「滑り止め突起」は、断面が三角形の細長の突起であり、頂部である鋭角な稜線部分を床面との接触部としたものである。そして、当該突起の耐滑性は、線状の稜線部分に対して直交する方向に対して最も効果が発揮されるものである。したがって、靴の前後方向にのみ耐滑性を発揮させようとすれば、突起の長手方向を靴の前後方向に対して直交する向き(左右方向)に配列することになる。
しかし、実際の靴の場合には前後方向のみならず左右方向に対しても耐滑性が要求されるものであるから、本願発明は、「滑り止め突起」を、その長手方向が前後方向および左右方向に対してそれぞれ傾斜するように配置することで、前後・左右方向に対する耐滑性を得ることが出来るという効果を有している。
本願請求項4記載の発明は、前述した請求項2記載の発明の効果に加えて次に述べる効果を有するものである。
すなわち、「滑り止め突起」と「補助突起」がほぼ均等に分散するように規則的に配置し、「滑り止め突起」が2個に対して「補助突起」が1個、若しくはその他適切な割合で「滑り止め突起」と「補助突起」を設けることにより、「滑り止め突起」の局部的な摩耗を防止することができるようになっている。また、長期的に安定した耐滑性を発揮することができるという効果を有している。
なお、「滑り止め突起」と「補助突起」の割合は、靴底面に対する荷重の分布に応じて変えてもよい。例えば、靴底面に作用する荷重は、一般的に前足底領域よりも踵部領域が大きくなる。このような場合、前足底領域と比較して踵部領域の「補助突起」に対する「滑り止め突起」の割合を小さくすることにより、踵部領域の耐摩耗性を高めることができる。その結果、靴全体としての耐滑性能を長期にわたり維持することが出来る。
本願請求項5記載の発明は、前述した請求項1乃至請求項4記載の発明と同様の効果を有するものである。
また、本願請求項6記載の発明は、前述した請求項1乃至請求項4記載の発明の効果に加えて次に述べる効果を有するものである。
無突起領域は、「滑り止め突起」によって排除された粉を逃がす空間としての作用を有している。本願発明では、当該粉の逃げ領域としての空間が前後方向にわたって直線状に設けられているので、当該無突起領域に排出された粉の移動が比較的容易になっている。したがって、加圧されて無突起領域に入り込んだ粉が詰め込まれて固まるという現象を低減させることができるという効果を有している。
また、無突起領域に粉が詰まって固まった場合や、ゴミ等の異物が詰まった場合であっても、棒状のような物の先端を当該無突起領域に沿って前後に動かして清掃することで、容易に取り除くことが出来るという効果を有している。また、無突起領域と前記各「滑り止め突起」および「補助突起」との間の凹部は互いに連通しているので、前記棒状物による無突起領域の清掃を行うと、各突起間の凹部に詰まった異物もある程度一緒に取り除くことが出来るという効果を有している。
本願請求項7乃至請求項9の内のいずれか一項記載の発明は、複数の滑り止め突起を纏めて一つの小突起群として、当該小突起群を複数配置したことを主な特徴とするものである。各滑り止め突起の作用および効果は、前述した各発明に用いたものと同様である。
請求項10、請求項11、及び請求項14のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、ドライパウダーが床面に散乱した作業環境において前記作業靴を使用しても、図10aに示すように、靴底意匠のほぼ左右対称形な第1クリート突起13の鋭角部(先端部)が床に押し付けられる時にドライパウダー107を掻き分けて床面108に接触して床面を捉える。より荷重が加わると図10bに示すように、鋭角な先端部が接地状態のままで突起内にめり込むように変形する。両側の斜辺がそれを受けて大きく変形する。その後に図10cに示すように、靴に加わる荷重が抜けたときに、第1クリート13が、急激に変形が元に戻る動きをし、そのときにクリート斜辺に付着したドライパウダーが弾き落とされる。このため耐滑性能が持続する。すなわち、変形によるセルフクリーンの効果が発揮される。
ここで、意匠の形状(二等辺三角形)と靴底の硬さとの関係で、柔らかすぎるとそれだけで付着量が大きくなる傾向があるとともに、変形が大きくなり、付着量もそれに応じて多くなるので堆積量が多くなりセルフクリーンの効果が半減される。また、実用上、柔らかい靴底は底材の摩耗量も多くなるので耐久性が低下する。
硬いと変形は少なく付着量がそれにともない少なくなるが、変形量が小さくなるために反発も小さくなるのでセルフクリーンの効果が出にくい。また、図9a、b、c、d,eに示すような意匠も同様にセルフクリーンの効果がある耐滑性を有する靴底とはならない。
例えば、図9aのように鋭角過ぎたり鈍角過ぎたりする意匠、
図9bのように下膨れの鈍角クリート意匠、
図9cのこぎり意匠の長い斜面が湾曲して鈍角となった意匠、
図9d左右非対称ののこぎり意匠、
図9eのように鋭角過ぎたり鈍角過ぎたりする角錐意匠などである。
また、請求項10、請求項11、及び請求項15のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記第1クリート突起の先端付近にドライパウダーが付着して、耐滑性を阻害することを防止することができると共に、前記靴底の縦(前後)方向、横(左右)方向の滑りに対しての耐滑性を向上することができるため、前記ドライパウダーが散乱した作業環境においても、前記靴底の耐滑性が十分かつ効果的に発揮され、作業能率を高めることができる。特に、請求項11又は請求項14に記載の発明にあっては、前記靴底の滑りにくい方向を前後左右に拡げることができるため、前記靴底の耐滑性がより効果的に発揮され、作業能率をより高めることができる。
なお、前記意匠(突起)の形状における二等辺三角形断面の頂点の角度は、30°〜90°(図2b参照)、ゴムの硬さは55°〜70°(JIS K6301 スプリング式硬度計A形20℃)が、前記理由からよい。
また、図3bに示すように、三角形形状の突起13と隣り合う突起15を、前記三角形状の突起よりも高さの低い平面状の接地面を有する立方体状若しくは直方体状等の台形形状断面の突起とすることによって、前記三角形状の突起13の支えにすることができる。これにより、三角形の突起の摩耗を防止するとともに、前記台形形状突起の高さを適切に設定することで三角形状の突起13の荷重による変形量を規制し、耐滑性能を変化させたり耐滑寿命を向上させることができる。これらの突起の配列は、図2dに示した形状の突起の場合、三角形状の突起の数が2個に対して台形状の突起の数が1個の割合で、三角形状の突起と台形状の突起とを交互に設けることが望ましい。これにより、ドライパウダーの散乱した作業環境下では、前述の効果を発揮する。さらに油・水などでぬれた作業環境下では、耐滑性が低下する三角形の突起の耐滑性能を補うように、台形の突起の角部分が接地面から油・水等を排除するとともに、接地面が床面を捉えて滑りにくくする波及効果も併せ持つ。
また、前記散乱した作業環境において前記作業靴を使用する際に、前記第1クリート突起である三角形の突起が必要以上に変形しないため、耐滑性を発揮すると共に、前記第1クリート突起の摩耗を抑えて、前記作業靴の寿命と耐滑性能を延ばすことができる。
請求項12から請求項14のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、ドライパウダーが床面に散乱した作業環境において前記作業靴を使用しても、前記第1クリート突起の先端付近及び前記第2クリート突起の先端付近にドライパウダーが付着することを抑制することができると共に、前記靴底の滑りにくい方向を拡げることできるため、前記散乱した作業環境においても、前記靴底の耐滑性が十分かつ効果的に発揮され、作業能率を高めることができる。特に、請求項13又は請求項14に記載の発明にあっては、前記靴底の滑りにくい方向を前後左右など靴の全方向に拡げることができるため、前記靴底の耐滑性がより効果的に発揮され、作業能率をより高めることができる。
本発明の第1実施形態について図1から図4を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係わる靴底を示す図であって、図2aは、本発明の第1実施形態の第1クリート突起(滑り止め突起)の平面図であって、図2bは、本発明の第1実施形態の第1クリート突起の側面図であって、図2cは、本発明の第1実施形態の第1クリート突起の断面図であって、図3aは、本発明の第2実施形態の第1クリート突起の平面図であって、図3bは、本発明の第1実施形態の第2クリート突起(補助突起)の側面図であって、図3cは、本発明の第1実施形態の第2クリート突起の断面図であって、図4は、本発明の実施形態に係わる作業靴の側面図である。
なお、「上下」とは、特許公報掲載時の図面の向きを基準として、図1,図2a,図3aにおいて紙面に向かって裏表のことであって、図4,図2b,図3bにおいて左右のことであって、図2c,図3cにおいて上下のことである。
図4に示すように、本発明の第1実施形態に係わる作業靴1は、例えばゴム工場内、食品工場内、製薬工場内、セメント工場内等、ドライパウダー(乾燥粉末)が床面に散乱した状態の作業環境において使用されるものであって、靴底3と、この靴底3に設けられた甲皮5と、この靴底3の上面に着脱可能に設けられた中敷き7とを具備している
また、図1に示すように、作業靴1の主要な構成要素である靴底3は、基部として靴底本体9を具備しており、この靴底本体9の下面40全面(爪先部9a、踵部9b、土踏まず部9c)には、滑り止め突起としての複数個の第1クリート突起13と補助突起としての複数個の第2クリート突起15が満遍なく設けられている。当該第1クリート突起13と第2クリート突起15によって、複数のクリート突起列11が構成されている。そして、各クリート突起列11の詳細な構成は、次のようになる。
即ち、図1及び図2a、b、c、dに示すように、靴底本体9の下面40には、縦方向(図1において上下方向)に並んだ複数の第1クリート突起(滑り止め突起)13が一体形成されており、当該複数の第1クリート突起13は、発泡ウレタン、ゴム等の弾性材料により構成されている。
また、複数の第1クリート突起13は、横倒しにした三角柱のように、稜線状の角縁(エッジ)(41)を形成した凸条部42を有するとともに、当該角縁41が一方向へ延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成されている。なお、本実施の形態では、第1クリート突起13と凸条部42とは同一の構成となっている。
更に、外周部と接触するものを除く複数の第1クリート突起13は、側方(長手方向に対して直交する横方向)から見ると台形状になるように構成されている。
前記クリート突起は、好ましくは頂上部の角度が30°〜90°の二等辺三角形断面を有し、かつ素材がゴムの場合には硬度が55°〜70°(JIS K6301 スプリング式硬度計A形20℃)であることが好ましい。
また、図1及び図3a、図3b、図3cに示すように、靴底本体9の下面40には、複数の第1クリート突起13に挟まれるように、縦方向に沿って並んだ複数の第2クリート突起(補助突起)15が一体形成されている。当該複数の第2クリート突起15も、発泡ウレタン、ゴム等の弾性材料により構成されている。また、前記第2クリート突起15は、断面形状が第1クリート突起13の高さh1よりも低い高さh2の台形形状を成すように構成されている。また、当該第2クリート突起15の頂部は、細幅Wの平坦面となっている。
そして、当該第2クリート突起15は、主として第1クリート突起13を縦方向に沿って向きをそろえて配列したクリート突起列11の中に、当該第1クリート突起13と長手方向の向きを揃えて混在するように設けられている。
なお、前記第2クリート突起15は、断面形状を台形に変えて長方形等の矩形形状となるように構成してもよい。
更に、図1に示すように、靴底3は、横方向(図1において左右方向)に隣接する関係にあるクリート突起列11同士における第1クリート突起13の長手方向の向きが異なるように構成されている。より具体的に、靴底3は、横方向に隣接する関係にあるクリート突起列11同士における複数の第1クリート突起13及び複数の第2クリート突起15によって杉綾模様(herringbone )を呈するように構成されている。
靴底本体9の下面40は、主として爪先部9aから土踏まず9c前部までの領域となる前足底領域43、土踏まず9c後端部から踵部9bまでの踵部領域44に分けられ、主として歩行時の荷重は、前足底領域43と踵部領域44に多く作用する。
そして、前足底領域43は爪先部9a先端と土踏まず9cの略中央を結ぶ縦方向の中心線C1を中心として左右に約二等分され、当該二等分された左右の各領域は、中心線C1と平行な二等分線C2、C3によってさらに二分されている。すなわち、前足底領域43は、中心線C1と平行に縦方向に約4等分されており、当該約4等分された縦方向の各領域に、中心線C1に対して所定の角度(30°乃至60°)を成すように第1クリート突起13と第2クリート突起15が所定の割合で平行に配列されている。当該4等分された各領域に規則的に配列された突起群が前記クリート突起列11である。また、中心線C1および二等分線C2、C3となる部分は、それぞれ各クリート突起の長手方向の端部付近となっており、縦方向に亘る細幅の無突起領域を形成している。当該無突起領域は、突起によって押しのけられた粉の逃げ場所として作用するとともに、靴底面の屈曲部位ともなる部分である。また、当該無突起領域を使用して、靴底面にこびり付いた粉やゴミが取り除きやすくなるというという作用を有する部分である。
さらに、踵部領域44は、土踏まず9c後端部から踵部9b後端に向かう分割線C4、C5によって縦方向に三等分した領域を形成しており、当該各領域に前記クリート突起列11と同様のクリート突起列を形成している。当該クリート突起列を構成する第1クリート突起13と第2クリート突起15は、分割線C4、C5に対して30°乃至60°の角度を成すように、各クリート突起列内においてそれぞれが平行を成すように配列されている。
なお、前記説明した縦に分割された各領域の靴底本体9の下面40の輪郭部と接する部分については、当該下面40の輪郭が各領域の外形となっている。
図4に示すように、靴底本体9の上面には、ミッドソール17が設けられている。なお、靴底3の構成からミッドソール17を省略しても差し支えない。また、靴底本体内に空間を形成するように肉ぬすみ構造(内部に空間を形成した構造)をもつものでも差し支えない。
なお、靴底本体9の下面40を構成する肉厚の底板部分は、床面との接地部を構成する第1クリート突起13および第2クリート突起15等の各突起を支える基部となるものである。したがって、接地部を構成する各突起がその姿勢を保つことができるように、基部としての最低限の剛性が必要であり、本実施の形態におけるゴムを素材とした靴底の場合、最低限の肉厚として1.5mm以上の肉厚であることが好ましい。その他、使用する素材の種類や硬度等の物性に応じて突起の大きさや、基部の厚さに変更が加えられる。
次に、第1実施形態の作用について説明する。
前述した靴底本体9の下面全面には、第1クリート突起13と第2クリート突起15を前後方向(縦方向)に沿って規則的に複数配列することにより構成したクリート突起列11が満遍なく配設されている。
また、各クリート突起列11における複数の第1クリート突起13は、断面形状が二等辺三角形になるように構成されている。そのため、ドライパウダーが床面に散乱した作業環境において作業靴を使用する際、第1クリート突起13の先端付近が偏り無くある程度均一に弾性変形しつつ、ドライパウダーを掻き分けるように接地面に到達する。この作用により、突起と床面との間に粉が存在しても、突起と床面を接触させることができ所定の耐滑性を得ることができるようになっている。
また、仮に突起がドライパウダーを押え付けても、第1クリート突起13の先端付近が元の形状に弾性復帰することによって、第1クリート突起13の先端付近からドライパウダーを振り払うことができる。これにより、前記散乱した作業環境において作業靴1を使用しても、第1クリート突起13の先端付近にドライパウダーが付着することを抑制することができる。
従来、垂直荷重をかけながら床面上を移動させて動摩擦係数の測定を行う方法がある。しかし、ドライパウダーが散乱している床面に対する靴底の耐滑性の評価方法としては適切ではなく、ドライパウダー用耐滑靴の場合の数値的な評価が難しい。しかし、実際に当該靴底を装着した靴を履いて床面を歩行するという人間の体感による評価方法においては、靴を接地させる度に床面に対する高いグリップ感を感じることができる。
また、靴底3は、横方向に隣接する関係にあるクリート突起列11同士における複数の第1クリート突起13及び複数の第2クリート突起15によって杉綾(herringbone )模様を呈するように構成されているため、換言すれば、横方向に隣接する関係にある一対の第1クリート突起13、及び横方向に隣接する関係にある一対の第2クリート突起15が日本語のカタカナ文字である「ハ」(ha)の字状を呈するように構成されているため、靴底3の滑りにくい方向を前後左右など靴の全方向に拡げることができる。
滑り止め突起である第1クリート突起は、最初に先端の角縁41が床面に当接し、荷重の付加とともに凸条部42が変形しながら斜面が接し、床面との摩擦力が得られるようになっている。そして、当該突起による摩擦力は、角縁41の長手方向と同方向に対して最も弱く、長手方向と直角を成す方向に対して最も強い。したがって、滑り止め突起を縦方向(前後方向)に対して直角を成すように配置した場合には、前後方向に対する耐滑性は高くなるが、横方向に対する耐滑性は低くなる。また、滑り止め突起を縦方向(前後方向)に対して平行に配置した場合には、横方向に対する耐滑性は高くなるが、前後方向に対する耐滑性は低くなる。すなわち、耐滑性は角縁41の長さが最も長く見える方向に対して強く、最も短く見える方向に対して弱くなる。滑り止め突起はこのような性質を有しているので、前述したように、各滑り止め突起を縦方向(中心線C1および二等分線C2、C3および分割線C4、C5)に対して所定の角度で配置し、しかも各滑り止め突起が同一方向を向かないようにherringbone模様を呈するように配置することで、前後および左右方向に対しても耐滑性を発揮できるようになっている。
更に、靴底本体9の下面40全面には複数のクリート突起列11が満遍なく配設されており、かつ、各クリート突起列11の一部を構成する複数の第2クリート突起15は、断面形状が第1クリート突起13よりも高さの低い台形又は長方形になるように構成されている。
そのため、前記散乱した作業環境において作業靴1を使用する際に、第1クリート突起13の先端付近(角縁41周辺)が弾性変形しつつ、第2クリート突起15の平らな接地面が床面に接地する。
すなわち、第1クリート突起13がある程度変形した後に、第1クリート突起13に比べて変形しにくい第2クリート突起15が床面と接する構造になっているので、当該第2クリート突起15が床面と接することによって荷重を支え、一定量以上の第1クリート突起13の変形を防止するようになっている。
これにより、前記散乱した作業環境において作業靴1を使用する際に、最も耐滑性を発揮する状態に第1クリート突起13を床面に密着させ、かつ粉の除去が効率的に行われる変形が生じるように、第1クリート突起13の先端付近と床面との接触圧を制御して変形の程度を調節することができる。
また、繰り返しになるが、本発明の第1実施形態によれば、ドライパウダーが床面に散乱した作業環境において作業靴1を使用しても、第1クリート突起13の先端付近にドライパウダーが付着することを抑制することができると共に、靴底3の滑りにくい方向を前後左右に拡げることできるため、前記散乱した作業環境においても、靴底3の耐滑性が十分かつ効果的に発揮され、作業能率を高めることができる。
また、本実施の形態に係る靴底は、主として耐滑性を発揮する滑り止め突起に加えて、当該滑り止め突起の変形を規制する補助突起を有するものである。したがって、前記ドライパウダーが散乱した作業環境において作業靴1を使用する際に、第1クリート突起13の先端付近と床面との接触圧を制御できるため、第1クリート突起13の変形量を規制するとともに、摩耗を抑えて、作業靴1の寿命を延ばすことができる。
さらに、当該滑り止め突起と補助突起を用いる手法は、補助突起の高さを任意に設定した設計を行うことができるので、選択した素材や当該素材の硬度等に応じて、有効に耐滑性を発揮させるための最適な設定値を得やすいという効果を有している。
次に、本発明の第2実施形態について図4から図6を参照して説明する。
図4は、前述のように、本発明の実施形態に係わる作業靴の側面図であって、図5は、本発明の第2実施形態に係わる靴底を示す図であって、図6aは、本発明の第2実施形態の第1,第2クリート突起の平面図であって、図6bは、本発明の第2実施形態の第1,第2クリート突起の側面図であって、図6cは、本発明の第2実施形態の第1,第2クリート突起の断面図である。
当該第2の実施の形態における各第1および第2クリート突起は、ともに滑り止め突起として作用するものである。
なお、「上下」とは、特許公報掲載時の図面の向きを基準として、図4,図6bにおいて左右のことであって、図5,図6aにおいて紙面に向かって裏表のことであって、図6cにおいて上下のことである。
図4に示すように、本発明の第2実施形態に係わる作業靴19は、本発明の第1実施形態に係わる作業靴1と同様に、靴底21と、この靴底21に設けられた甲皮5と、この靴底21の上面に着脱可能に設けられた中敷きとを具備している。また、靴底本体23の上面には、ミッドソール31が設けられている。なお、靴底21の構成からミッドソール31を省略しても差し支えない。
また、図5に示すように、作業靴19の主要な構成要素である靴底21は、靴底本体23を具備しており、この靴底本体23の下面全面(爪先部23a、踵部23b、土踏まず部23c)には、複数のクリート突起群25が満遍なく配設されている。なお、靴底本体23の下面全面でなく、靴底本体23の下面における爪先部23a及び踵部23bに、複数のクリート突起群25が満遍なく配設されるようにしても差し支えない。そして、各クリート突起群25の詳細な構成は、次のようになる。
即ち、図5及び図6a、図6b、図6cに示すように、靴底本体23の下面には、横方向(図5において左右方向)に並んだ滑り止め突起である第1クリート突起27を二個で一対の小突起群として一体形成されており、一対の第1クリート突起27は、発泡ウレタン、ゴム等の弾性材料により構成されている。また、一対の第1クリート突起27は、縦方向(図5において上下方向)に延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成されている。更に、複数の第1クリート突起27は、側方から見ると台形状になるように構成されている。個々の滑り止め突起27、29は、前述した実施の形態における凸条部42と同様の形状および性質を有するものである。
また、靴底本体23の下面には、縦方向に並んだ滑り止め突起である第2クリート突起29が二個で一対の小突起群として一体形成されており、一対の第2クリート突起29は、発泡ウレタン、ゴム等の弾性材料により構成されている。当該第2クリート突起29も前述した実施の形態における凸条部42と同様の形状および性質を有するものであり、滑り止め突起として機能するものである。
また、一対の第2クリート突起29は、第1クリート突起27の長手方向に直交する横方向(図5において上下方向)に延びてあって、断面形状が第1クリート突起27の断面形状と同じ二等辺三角形になるように構成されている。更に、複数の第2クリート突起29は、側方から見ると台形状になるように構成されている。
そして、前記滑り止め突起である第1クリート突起27を2個一対として構成した小突起群と、同様に滑り止め突起である第2クリート突起29を2個一対として構成した小突起群とによって、一個のクリート突起群25を構成している。なお、本実施の形態においては、滑り止め突起が二個で一つの小突起群を構成する例について説明したが、三個を一組として構成しても良く、滑り止め突起がほぼ均一にバランス良く配置されるのであれば、二個以外でも構わない。
次に、本発明の第2実施形態の作用について説明する。
靴底本体23の下面全面に多数の前記クリート突起群25が満遍なく配設されている。各クリート突起群25における一対の第1クリート突起27及び一対の第2クリート突起29は、断面形状が同じ二等辺三角形になるように構成されているため、ドライパウダーが床面に散乱した作業環境において作業靴19を使用する際に、第1クリート突起27の先端付近及び第2クリート突起29の先端付近が弾性変形しつつ、ドライパウダーを押え付けても、第1クリート突起27の先端付近及び第2クリート突起29の先端付近が元の形状に弾性復帰することによって、第1クリート突起27の先端付近及び第2クリート突起29からドライパウダーを振り払うことができる。これにより、前記散乱した作業環境において作業靴19を使用しても、第1クリート突起27の先端付近及び第2クリート突起29の先端付近にドライパウダーが付着することを抑制することができる。
また、各クリート突起群25における一対の第2クリート突起29は、第1クリート突起27の長手方向と直交する横方向へ延びているため、靴底21の耐滑性のある方向を前後左右に拡げることができる。
以上の如き、本発明の第2実施形態によれば、ドライパウダーが床面に散乱した作業環境において作業靴19を使用しても、第1クリート突起27の先端付近及び第2クリート突起29の先端付近にドライパウダーが付着することを抑制することができると共に、靴底21の滑りにくい方向を前後左右に拡げることできるため、前記散乱した作業環境においても、靴底21の耐滑性が十分かつ効果的に発揮され、作業能率を高めることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、その他種々の態様で実施可能である。
次に、図11を用いて、クリート突起の他の実施例を説明する。図11aは、クリート突起の平面図(底面側から見た図)、図11bは端部側から見た側面の部分断面図、図11cは長手方向を横から見た部分断面図である。
当該クリート突起の取り付け部位となる基部は、前述した各実施例と同様に靴底本体9(下面40)であり、床面と接する部分は凸条部42の角縁41である。本実施の形態では、凸条部42と靴底本体9の下面40との間に、凸条部42の底辺と同一もしくは当該底辺よりも大きい外形で所定の肉厚の基礎部45が設けられている。当該基礎部45は、凸条部42単体のみでは強度が不足して変形量が大きくなる場合や、踵部等のように特に荷重が集中する部位において凸条部42が変形しすぎて耐滑性が発揮できない場合などに、変形部位を少なくすることと補強の目的で設けられるものである。
なお、後述する図13aで説明するように、クリート突起を野球のホームベース型にしてもよい。この場合、三角形状の先端を有する部分が凸条部42となり、その下の四角形状部分が前記の説明による基礎部45となる。
また、図12を用いて、クリート突起の凸条部42の形状のさらに他の実施例を説明する。図12aは、先に説明した実施の形態における凸条部42の断面を表している。当該凸条部42は、先端の内角を約30°とする二等辺三角形の断面を有している。
また、図12bは、先端の内角を約60°とした二等辺三角形の断面を有する凸条部42、図12cは、先端の内角を約90°とした二等辺三角形の断面を有する凸条部42を表している。前記各突起は、先端の内角が鋭角になる程床面と鋭く接触しドライパウダーを掻き分ける能力に優れるが、荷重に対する変形量が多くなると共に耐久性が劣り、先端の内角が鈍角になる程床面との接触はしにくくなるが荷重に対する変形量が少なくなると共に耐久性にすぐれるという特徴がある。現在のところ、種々試験の結果、耐滑性と耐久性の双方から、ゴムを素材とした靴底の場合、先端の内角が30°乃至90°である場合に双方の条件を満たす。なお、耐滑性に重点をおいた場合、先端の内角は30°乃至60°であることが好ましい。
また、図12d乃至図12fは、凸条部42の断面形状が二等辺三角形ではない例を示している。しかし、当該各例は、共に先端の内角が30°乃至90°であり、かつ、両側面を構成する傾斜面46、47の角度は、頂点から下面40に対して垂下した中心線CLに対して少なくとも15°以上45°以内の角度を成すようになっている。凸条部42としては、前述した断面が二等辺三角形である場合が理想であるが、当該実施例のように角度の条件を満たせば、耐滑性を発揮することができる。とくに、荷重が特定の方向に偏って作用するような部位については、当該荷重方向と反対側の斜面の角度を大きくすることで、荷重による凸条部42の極端な変形を防止し、耐滑性を低下させないようになっている。
次に、図13を用いて前述した凸条部42を有する滑り止め突起の更に他の例を説明する。
図13aは、滑り止め突起として作用させる突起50を所謂野球のホームベース型に形成し、補助突起51とともに配列した例を表している。また、ホームベース型の突起50を2個連結した連結突起52の例を表している。各滑り止め突起50、52は共に先端部に三角形状断面の凸条部を有しており、前述した滑り止め突起13、27、29と同様に耐滑性能を発揮するものである。
図13bは、滑り止め突起として作用させる三角形状の凸条部55を基礎部56において2個連結して、補助突起57とともに配列した例を表している。基礎部56は靴底本体の下面40と一体的に形成された凸条部55の底面よりも面積の広い肉厚部であるため、変形しにくい部分となっている。
図13cは、滑り止め突起として作用する凸条部60の先端61を尖塔状に形成した例を表している。当該先端61は、三角形状と近似した形状を有しており、先端を頂点とする傾斜面62が内側に向かって凹んだ湾曲面となっているものである。なお、当該傾斜面62を湾曲面とした凸条部60の先端61は、前述した三角形状を成す凸条部と同様に内角が30°以上と90°以下となるように形成される。また、図13cは、当該傾斜面62を湾曲面とした凸条部60を形成した突起を2個連結した連結突起63を表している。
図13dは、滑り止め突起と補助突起の形状に関する他の例を表している。図1に示した滑り止め突起13および補助突起15は、長手方向に対して直線状を成した形状に形成されたものである。これに対して図13dに示した滑り止め突起70および補助突起71は数カ所において屈曲した形状に形成されている。このように、一つの突起を長手方向に亘って屈曲させることで、直線状の凸条を形成した場合と比較して、長手方向に対する耐滑性を向上させることができるようなっている。
図14は、靴底面の滑り止め突起の配置に関する他の例を表している。前述した図5に示した例は、二個で一対の小突起群を、長手方向が互いに直交するような配置で交互に満遍なく設けた例を示したものであり、各突起の長手方向が前後方向および横方向を向くような配置で設けたものである。これに対して図14に示した例は、滑り止め突起80を二個で一対として小突起群81を構成し、各滑り止め突起80の長手方向が前後方向および横方向に対して傾斜した配置で設けたものである点で図5の例と相違する。すなわち、当該実施の形態の場合、各突起の傾斜角は前後方向および横方向に対して約45°程度の角度を成すように形成したものである。当該図14に示すように小突起群81を複数配置しても、図5に示した例と同様の耐滑性を発揮することができるものである。なお、前記各滑り止め突起80の傾斜角度は、前記45°に限ることなく、適宜変更しても構わない。
また、図1において43、44で示した領域に相当する前足底領域と踵部領域にのみ、小突起群81を設ける構成としてもよい。
次に、図1に示した靴底を有する靴についての耐滑性を表す評価値の一つである動摩擦係数の測定結果と、当該動摩擦係数の測定方法を説明する。
図15は、動摩擦係数の測定を行った靴底形状の異なる各種サンプル(S1、S2、S3、S4)を撮影した写真である。当該図15は、上欄が靴の種別S1、S2、S3、S4を表し、中欄が各靴の靴底面全体を表す写真であり、下欄が靴底に設けられた突起を斜め方向から撮影した写真を表している。
靴S1は、本願明細書において前述した図1記載の靴底を使用した形式「CG600」と称している靴である。突起の形状やその他の詳細な説明については前述した通りである。なお、ゴムの硬度は57〜58(JIS K6301準拠のスプリング式A形ゴム硬度計(高分子計器株式会社製ASKER JA型)を用いて温度20℃で測定)である。
靴S2は、本件特許出願人の製造する型式「H100N」と称している靴である。当該靴は、先端が平坦な細幅の突起を複数配列したものであり、油や水がある床面に対して高い動摩擦係数を発揮するように設計された靴である。前記図7に示したクリート突起と近似した形状の突起を有する靴となっている。当該靴S2の材質は、前記靴S1と同様にゴム(加硫ゴム)であり硬度もほぼ同等である。
靴S3は、本件特許出願人の製造する型式「IP110」と称している靴である。当該靴は、床面との接触面積が比較的大きい接触面を有した接地ブロックを有したものであり、材質は発泡ウレタンとなっている。
靴S4は、メーカー不明の靴であり、図9dに示した鋸歯状の小突起を配列方向が互い違いとなるように複数設けたものである。
図16は、後述する測定装置を用いた動摩擦係数の測定結果を表した表である。当該測定は、1991年3月に日本国の労働省産業安全研究所が発行した「産業安全研究所技術指針」(以下単に「技術指針」という)に示された方法および条件に準じて行ったものである。なお、当該技術指針による動摩擦係数の測定は、床面にオイルが存在する場合の試験を前提としているものであるが、今回の試験ではオイルの代わりに粉を床面にまいて試験を行った。
各靴について5回ずつ測定を行った平均値では、図16に示すように靴S1が0.3723であり、他の靴S2〜S4(0.2584〜0.2872)に対して数値が顕著に高いことが認められた。なお、オイルを使用した耐滑性試験とは異なり、試験床上にまいた粉は靴底の通過によって排除されてしまうため、試験開始時と試験中では取得されるデータに変動が生じてしまう。また、実際の歩行時には、靴が床に接地した直後の耐滑性が最も要求されるものである。当該観点から、図16に示した各データは、歩行時を想定して、試験開始直後付近のデータを表している。
また、当該試験に用いた粉は天花粉であり、皮膚に生じるあせも等を防ぐために皮膚につける微細な粉として市販されているものである。当該試験では、天花粉として販売されている和光堂株式会社製の「シッカロール・ハイ」を使用した。
図16に示した測定結果は、前述した技術指針に示された方法および条件に準じて行ったものである。当該技術指針の第16頁乃至第18頁には、試験装置、試験体、試験方法等についての記載がある。図17は当該「産業安全研究所技術指針」の第17頁に示された試験装置の図4-8であり、図18は図4-9を表している。当該「産業安全研究所技術指針」の記載内容は以下の通りである。
「4.2 耐滑性試験
(1)試験装置
試験機は試験床と試験体を保持する支持部とから成り、試験床又は靴のいずれか一方を静止させた状態で他方を動かす方式により滑りを発生させる。試験機は、靴を試験床面に定められた鉛直力で押しつけ、定められた速度で滑らかに動かすことのできる構造とする。水平方向の力の検出のために、センサーを静止している側の靴支持部又は試験床面部に取り付ける。靴を履かせる人工足は、図4-8に示すような形状とし、前後それぞれ2個の、直径が男性用にあっては55mm、女性用にあっては40mmの接触円盤を備える。人工足が靴の内部で滑るのを防止するために、円盤の下に凹凸加工又は滑り止めテープなどをはり付ける。人工足の中心軸から前後の2個の円盤間の中央までの距離は、それぞれ靴のサイズに応じて調節できる構造とし、男性用の靴については60mm±3mm、女性用の靴については55mm±3mmとする。試験床の表面には、中心線平均粗さ1.6μm(JISB0601)以下の滑らかなステンレス板を使用する。
(2)試験体
試験体は,男性用、女性用とも標準供試品の靴の左又は右の片方とし、数量は1つの型式につき3個(1足半)とする。測定前に試験体の靴底を50%±5%のエタノール液で洗浄し、室温で自然乾燥させる。
(3)試験条件
試験場所の温度 23℃±2℃
試験場所の湿度 50%±20%RH
潤滑液 自動車用エンジンオイルSAE10W30(SAEJ300)
測定方向 靴の前方向へのすべりについて計測する。
足の接地角 0°(水平)
鉛直力 500N±30N
滑り速度 30cm/s±5cm/s
(4)試験方法
互いに接する試験体と試験床面とのいずれかを動かしてすベりを発生させ、そのときの摩擦面に働く鉛直力と水平力とを計測し、動摩擦係数を算定する。床面には少なくとも厚さ0.1mm(1ml/100cm2)の潤滑膜が形成されるように潤滑液をまく。試験中に潤滑液に靴底の摩耗材やほこり等の不純物を含んだ場合は潤滑液を交換する。
潤滑液は試験体ごとに交換することが望ましい。試験体を人工足に履かせ、しっかりと固定する。試験条件を整えた後、測定開始前に10回ほど予備テストを行う。測定前に試験床面上の潤滑液が一様に分布するようにする。試験体を試験床に押しつけてから水平に滑らせて、そのときの水平力と鉛直力との比から動摩擦係数を求める。(図4-9参照)この測定を5回行う。5回の測定のうち最大値と最小値とを除き、平均動摩擦係数を算定する。(以降省略)」
次に、ゴムや発泡ウレタン等の硬度について説明する。尚、単にゴムと称する場合は「加硫ゴム」を意味している。
本願明細書中に記載した硬度は、全てゴムについては日本の旧JIS規格である「JIS K 6301」に準拠したスプリング式A硬度計(高分子計器株式会社製:ASKER JA型)を用いて20℃の温度環境で測定した値を記載している。また、軟質のゴムや発泡ウレタンや発泡EVAといった発泡素材によって形成した靴底の場合には、JIS K7312に準拠したスプリング式C形硬度計(高分子計器株式会社製:ASKER C型)によって測定した値を記載している。ゴム系の素材と発泡系の素材は、組成や性質が異なるものであるから、業界では、上記のようにスプリング式A形ゴム硬度計とスプリング式C形硬度計とを使い分けている。
図19を用いて、簡単にDurometerと称されているスプリング式硬度計(以下「硬度計」という)について説明する。
図に示したM1、M2、M3は、それぞれ同一の硬度計200の静止状態および動作状態を表している。硬度計200は、規定の表面積を有する平らな加圧面201を有しており、当該加圧面201の中央からバネ202によって加圧された押し針203が突出し、当該押し針の後退量に比例して指針204を動作させることにより、0〜100の範囲の数値を硬度として表すものである。
当該硬度計の性質を決定する要素は、主として押し針203の先端形状と、押し針を加圧するバネ202の設定(バネ定数および押し針が後退を開始する際の初期荷重)と、押し針のストローク(先端が加圧面201と同一面に至るまでの距離)である。
前記硬度計200は、M1の状態(測定開始前の状態)において、指針204は「0」を指し示している。また、この状態で押し針203には、バネ202の弾性によって初期荷重が加わっている。例えば、図20に示したJIS K6301に準拠した硬度計の場合、初期荷重は539mNである。
また、硬度計200を硬いものに押し当てて、押し針203を加圧面201と同一面まで押し上げた状態(図19のM3)が、硬度100として指針204が「100」を指す状態である。例えば、図20に示したJIS K6301に準拠した硬度計の場合、硬度100を示した場合の押し針203の荷重は8379mNである。
図19のM2は、実際の測定時の状態を表している。硬度計200を、加圧面201が試験体205の表面に押しつけられるまで押すと、試験体205の変形とともに押し針203が上昇する。このときの押し針203に作用している荷重と比例して、指針204が所定の数値を指すようになっている。この時に示された数値が硬度である。
また、図19のM4は、スプリング式A形硬度計の押し針の形状を表した図であり、旧JIS規格および現行のISO規格に準じた新JIS規格とも共通の形状となっている。図19のM5は、スプリング式C形硬度計の押し針の形状を表した図である。
図20は、本願明細書中の硬度として記載した旧JIS規格に係るスプリング式A形硬度計の主要要素と、現行の規格であるISO7619と同一のJIS K6253に係るスプリング式A形硬度計の主要要素との対比表である。当該2つの規格は、前述した押し針を加圧するバネの設定(バネ定数および押し針が後退を開始するときの荷重)と、押し針のストローク(先端が加圧面と同一面となるまでの距離)が若干異なるものとなっている。
図21は、本願明細書中における発泡ウレタンや発泡EVAといった発泡素材や軟質のゴム等により形成した靴底の硬度を表す場合に使用するスプリング式C形硬度計の主要要素を表した表である。図21と前記図20のJIS K6301の内容を比較すると解るように、両者の相違点は押し針の先端形状のみである。
本願発明の靴底に用いる素材は、主としてゴム(加硫ゴム)等の比較的剛性の高い素材と、発泡ウレタンや発泡EVAといった軟質系の素材に分けられる。そして、本願明細書で説明したゴム(加硫ゴム)の硬度測定には、前述した旧JIS規格に係るスプリング式A形硬度計を使用し、軟質系の素材の硬度測定には、JIS K7312に準拠したスプリング式C形硬度計を使用している。
以上説明した靴底の硬度は、他の一般的な靴よりも滑らないと明らかに認識できる程度の耐滑性を発揮する条件の一つとして重要である。なお、測定機器は異なるものの、ゴム(加硫ゴム)の硬度も軟質系の素材の硬度も数値的に表された結果としては約45乃至75の範囲の場合に耐滑性を有することが認められている。また、硬度を55乃至70程度にすると、顕著に耐滑性を体感できるものである。
本願発明は、例えばゴム工場内、食品工場内、製薬工場内、セメント工場内等、ドライパウダー(乾燥粉末)が床面に散乱した状態の作業環境において使用される作業靴、及びこの作業靴の構成要素の一つである靴底に利用可能である。
本発明の第1実施形態に係わる靴底を示す図である。 図2aは、本発明の第1実施形態の第1クリート突起の平面図であって、図2bは、本発明の第1実施形態の第1クリート突起の側面図であって、図2cは、本発明の第1実施形態の第1クリート突起の断面図である。 図3aは、本発明の第2実施形態の第1クリート突起の平面図であって、図3bは、本発明の第1実施形態の第2クリート突起の側面図であって、図3cは、本発明の第1実施形態の第2クリート突起の断面図である。 本発明の実施形態に係わる作業靴の側面図である。 本発明の第2実施形態に係わる靴底を示す図である。 図6aは、本発明の第2実施形態の第1,第2クリート突起の平面図であって、図6bは、本発明の第2実施形態の第1,第2クリート突起の側面図であって、図6cは、本発明の第2実施形態の第1,第2クリート突起の断面図である。 従来の作業靴の靴底を示す図である。 従来の作業靴の靴底を示す図である。 耐滑性が低下する意匠を示す図である。 本発明の実施形態に関わる靴底の断面を示す図である。 クリート突起の他の例の説明図である。 クリート突起形状の他の例の説明図である。 クリート突起形状の他の例の説明図である。 本発明の他の実施形態に係わる靴底を示す図である。 耐滑性試験を行ったサンプルを表す写真である。 耐滑性試験の測定結果を表す表である。 耐滑性試験の測定装置の一部を表す図面である。 耐滑性試験の測定装置の外観を表す図面である。 硬度計の説明図である。 スプリング式A型硬度計の主要素を表した表である。 スプリング式C型硬度計の主要素を表した表である。
符号の説明
1 作業靴
3 靴底
5 甲皮
9 靴底本体
9a 爪先部
9b 踵部
11 クリート突起列
13 第1クリート突起
15 第2クリート突起
19 作業靴
21 靴底
23 靴底本体
23a 爪先部
23b 踵部
25 クリート突起群
27 第1クリート突起
29 第2クリート突起
40 下面
41 角縁
42 凸条部
43 前足底領域
44 踵部領域
45 基礎部
46、47 傾斜面
50 突起
51 補助突起
52 連結突起
55 凸条部
56 基礎部
57 補助突起
60 凸条部
61 先端
62 傾斜面
70 滑り止め突起
71 補助突起

Claims (14)

  1. 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
    ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
    少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起が一体的に形成されており、
    前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
    前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されていることを特徴とする靴底。
  2. 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
    ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
    少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起と補助突起が一体的に形成されており、
    前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
    前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
    前記補助突起は、前記滑り止め突起が有する稜線状の角縁よりも低い高さとなる位置に、前記靴底本体下面とほぼ平行を成す平坦面を有するとともに、断面形状が矩形若しくは台形状に形成されていることを特徴とする靴底。
  3. 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
    ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
    少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起が一体的に形成されており、
    前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
    前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
    少なくとも前記前足底領域および踵部領域には、当該各領域内を左右方向に分割する分割線に対する前記凸条部の長手方向の狭い方の角度が約30°乃至60°を成して傾斜するように、前記滑り止め突起が規則的に配置されていることを特徴とする靴底。
  4. 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
    ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
    少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起と補助突起が一体的に形成されており、
    前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
    前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
    前記補助突起は、前記滑り止め突起が有する稜線状の角縁よりも低い高さとなる位置に、前記靴底本体下面とほぼ平行を成す平坦面を有するとともに断面形状が矩形若しくは台形状に形成されており、前記滑り止め突起に対して一定の割合で混在し前記滑り止め突起とともに規則的に配置されていることを特徴とする靴底。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれか一項記載の靴底を有したことを特徴とした靴。
  6. 前記靴底本体の下面には、細幅の無突起領域が前後方向に亘って複数条設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の靴底又は靴。
  7. 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
    ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
    少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起が一体的に形成されており、
    前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
    前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
    少なくとも、前記前足底領域および踵部領域には、前記凸条部の長手方向を一致させた状態で並べて配置した2以上の滑り止め突起を1単位とする小突起群が規則的に配置されていることを特徴とする靴底。
  8. 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
    ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
    少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起が一体的に形成されており、
    前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
    前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
    少なくとも、前記前足底領域および踵部領域には、前記凸条部の長手方向を靴底本体下面の縦方向と一致させた状態で並べて配置した2以上の滑り止め突起を1単位とする縦向きの小突起群と、前記凸条部の長手方向を靴底本体下面の縦方向と直交する向きで並べて配置した2以上の滑り止め突起を1単位とする横向きの小突起群とが交互に規則的に配置されていることを特徴とする靴底。
  9. 前記請求項7又は請求項8記載の靴底を有したことを特徴とした靴。
  10. 作業靴の構成要素の1つである靴底において、
    弾性材料により構成された靴底本体と;
    前記靴底本体の下面における少なくとも爪先部及び踵部に満遍なく配設された複数のクリート突起列と;を具備してあって、
    各クリート突起列は、それぞれ、
    前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、一方向へ延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成され、縦方向に沿って並んだ複数の第1クリート突起と、
    前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、断面形状が前記第1クリート突起の断面形状よりも高さの低い断面形状が台形又は長方形になるように構成され、複数の前記第1クリート突起に挟まれるように縦方向に沿って並んだ適数の第2クリート突起と、を備えてあって、
    更に、横方向に隣接する関係にある前記クリート突起列同士における前記1クリート突起の長手方向が異なるように構成されたことを特徴とする靴底。
  11. 各クリート突起列における前記第2クリート突起は、同じクリート突起列における前記第1クリート突起の長手方向と同じ方向へ延びてあって、横方向に隣接する関係にある前記クリート突起列同士における複数の前記第1クリート突起及び複数の前記第2クリート突起によって杉綾模様を呈するように構成されたことを特徴とする請求項10に記載の靴底。
  12. 作業靴の構成要素の1つである靴底において、
    弾性材料により構成された靴底本体と;
    前記靴底本体の下面における少なくとも爪先部及び踵部に満遍なく配設された多数のクリート突起群と;を具備してあって、
    各クリート突起群は、それぞれ、
    前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、一方向へ延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成された適数の第1クリート突起と、
    前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、前記第1クリート突起と異なる方向へ延びてあって、断面形状が前記第1クリート突起と同じ高さの二等辺三角形になるように構成された適数の第2クリート突起と、を備えていることを特徴とする靴底。
  13. 各クリート突起群にける適数の前記第2クリート突起は、前記第1クリート突起の長手方向に対して直交する方向に延びていることを特徴とする請求項10に記載の靴底。
  14. 請求項10から請求項13のうちのいずれかの請求項に記載の発明特定事項からなる靴底と;
    前記靴底に設けられた甲皮と;
    を具備したことを特徴とする作業靴。
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