JPWO2006033434A1 - 靴底及び靴 - Google Patents
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Abstract
Description
また、地下足袋のように、足場不安定な作業に用いる靴では、足指のはさみ感覚を重視した底面意匠形状になっている(特許文献2参照)。
なお、本願明細書において、「意匠」とは靴底面のパターン形状、靴底に配置された床面と接地する「突起」の形状、若しくは当該「突起」そのものを表す用語として記載したものである。
また図7bに示す接地状態においては、ドライパウダー107が接地面105と床面108の間で圧縮されるように踏み固められ、接地面105が床面を捉えることができないので十分な摩擦力を発生させることが出来ず、耐滑性が阻害される(滑る)。その上、その結果、図7cに示すように靴底101を床面108から離しても、靴底101すなわち接地面105にドライパウダーが付着したままの堆積現象がおこり、接地面と床面の間にドライパウダーがいつまでも存在して図7dに示すように接地面105と床面108との接触が妨げられるので耐滑性が阻害される。
また、図8のようなノコギリ意匠(鋸の歯の形状をした突起)109では、荷重のかけ始めの時点では図8aのように一見するとクリート突起111の鋭角な先端部がドライパウダー107を掻き分けるように床面108に食い込み(強く接し)、耐滑性が継続発揮されるように靴の業界では考えられていた。
しかし、本願発明者の研究の結果ではクリート突起111には長い斜面111aが存在するので、さらに荷重が加わると図8bに示すように長い斜面の反対側(短い斜面111b側)にクリート突起111が倒れこんでしまう現象が起こり、床面を捉え続けることができない。
また倒れこんだクリート突起の長い斜面111aが、結果として図7に示す平面形状の接地面105と同じように平面形状の接地面となり、当該斜面111aにドライパウダーを付着させる堆積現象がおこる。その結果、接地面と床面の間にドライパウダーがいつまでも存在するので、耐滑性が阻害される(図8d参照)。
更に、実開昭60−48701号公報に示すような地下足袋にみられる意匠では、耐滑性よりも足指のはさみ感覚を重視するため指の曲がりにあわせた間隔で意匠が配置されており、角部分がないため全体的に引っ掛かりが少なく、特に横方向に対する耐滑性に乏しくなる。
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13、27、29)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されていることを特徴とする。
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13)と補助突起(15)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁(41)から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
前記補助突起(15)は、前記滑り止め突起(13、27、29)が有する稜線状の角縁(41)よりも低い高さとなる位置に、前記靴底本体下面とほぼ平行を成す平坦面を有するとともに、断面形状が矩形若しくは台形状に形成されていることを特徴とする。
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13、27、29)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
少なくとも前記前足底領域(43)および踵部領域(44)には、前記凸条部(42)の長手方向が当該各領域(43、44)内を左右方向に分割する分割線(C1〜C5)に対して約30°乃至60°の角度を成して傾斜するように、前記滑り止め突起が規則的に配置されていることを特徴とする。
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13)と補助突起(15)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁(41)から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
前記補助突起(15)は、前記滑り止め突起(13)が有する稜線状の角縁(41)よりも低い高さとなる位置に、前記靴底本体下面とほぼ平行を成す平坦面を有するとともに断面形状が矩形若しくは台形状に形成されており、前記滑り止め突起(15)に対して一定の割合で混在し前記滑り止め突起とともに規則的に配置されていることを特徴とする。
前記靴底本体の下面には、細幅の無突起領域が前後方向に亘って複数条設けられていることを特徴とする。
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13、27、29)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
少なくとも、前記前足底領域(43)および踵部領域(44)には、前記凸条部の長手方向を一致させた状態で並べて配置した2以上の滑り止め突起(27、29、80)を1単位とする小突起群(81)が規則的に配置されていることを特徴とする。
靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域(43)と踵部を中心とした踵部領域(44)、若しくは前記靴底本体下面(9)の全面には複数の滑り止め突起(13、27、29)が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ41)を形成した凸条部(42)を有するとともに、当該凸条部(42)を構成する長手方向の側面は前記角縁(41)を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面(9)に対して垂下した垂線(CL)に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
少なくとも、前記前足底領域(43)および踵部領域(44)には、前記凸条部の長手方向を靴底本体下面の縦方向と一致させた状態で並べて配置した2以上の滑り止め突起(27)を1単位とする縦向きの小突起群と、前記凸条部の長手方向を靴底本体下面の縦方向と直交する向きで並べて配置した2以上の滑り止め突起(29)を1単位とする横向きの小突起群とが交互に規則的に配置されていることを特徴とする。
弾性材料により構成された靴底本体と;
前記靴底本体の下面における少なくとも爪先部及び踵部に満遍なく配設された複数のクリート突起列と;を具備してあって、
各クリート突起列は、それぞれ、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、一方向へ延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成され、縦方向に沿って並んだ複数の第1クリート突起と、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、断面形状が前記第1クリート突起の断面形状よりも高さの低い断面台形又は断面長方形になるように構成され、複数の前記第1クリート突起に挟まれるように縦方向に沿って並んだ適数の第2クリート突起と、を備えてあって、
更に、横方向に隣接する関係にある前記クリート突起列同士にあって、前記クリート突起列における前記1クリート突起の長手方向が異なるように構成されたことを特徴とする。
これにより、前記散乱した作業環境において前記作業靴を使用しても、前記第1クリート突起の先端付近にドライパウダーが付着することを抑制することができるので、耐滑性を損なうことがない。
前記第2クリート突起の先端は平面(平らな接地面)であって、前記散乱した作業環境において前記作業靴を使用する際に、前記第1クリート突起の先端付近が弾性変形しつつ、前記第2クリート突起の平らな接地面が床面に接地する。これにより、前記散乱した作業環境において前記作業靴を使用する際に、前記第1クリート突起が必要以上に変形しないようにすることができる。
換言すれば、横方向に隣接する関係にある一対の前記第1クリート突起、及び横方向に隣接する関係にある一対の前記第2クリート突起が、三角形の隣接する2辺のような屈曲した折れ線形状(日本語カタカナの「ハ」(HA)の字状)を呈するように構成されているため、前記靴底の滑りにくい方向を前後左右に拡げることができる。
弾性材料により構成された靴底本体と;
前記靴底本体の下面における少なくとも爪先部及び踵部に満遍なく配設された多数のクリート突起群と;を具備してあって、
各クリート突起群は、それぞれ、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、一方向へ延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成された適数の第1クリート突起と、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、前記第1クリート突起と異なる方向へ延びてあって、断面形状が前記第1クリート突起と同じ高さの二等辺三角形になるように構成された適数の第2クリート突起と、を備えていることを特徴とする。
前記靴底に設けられた甲皮と;
を具備したことを特徴とする。
当該突起は、微細な粉が散乱しているようなステンレス板、コンクリート、タイルといった表面が平滑な床面上においても、突起の稜線である所定幅の前記角縁部を、ナイフエッジのように床面に到達させ、粉を介在させない状態で床面と接触することができるものである。さらに、荷重により突起が変形すると、所定幅の角縁部を中心として当該角縁部を支えている側面部が粉を押しのけるように変形して床面と接触するので、突起と床面との接触面積を拡大させて、靴底の摩擦力を高めることができるという作用および効果を有するものである。
また、前記突起は、前述したように粉を押しのけるように床面と接触するので、当該突起による粉の押し固め作用が生じにくく、突起に対する粉の付着を軽減させることができるものである。さらに、突起の変形が復元する際には側面の伸縮によって、付着した粉を落下させるという自浄作用(self-cleaning)が生じ、継続的に靴の耐滑性を維持できるという効果を有している。
なお、前記弾性変形部は二等辺三角形以外の断面形状を有していてもよく、鋭角な角縁を頂点とする2斜面が、当該角部から垂下させた垂線に対して角度15°〜45°の傾斜面を有する三角形状であれば、突起の倒れを防止し耐滑性を発揮することができる。
「補助突起」とは、床面に対して面で接触するように形成された突起であり、当該接触面が「滑り止め突起」の先端よりも低い位置に形成されたものである。「補助突起」は、断面が正方形、台形となる細長の突起であるから、頂部が鋭角な「滑り止め突起」よりも荷重に対する変形量(沈み込み量)が少く、適切に配置することにより「滑り止め突起」を一定量以上変形させないようにすることができる。
「滑り止め突起」の耐滑性を有効に機能させ、しかもある一定期間以上の耐摩耗性を発揮させるためには、用いる素材の性質や想定荷重に応じて、「滑り止め突起」の変形量を一定値以下にする必要がある。「補助突起」は、「滑り止め突起」の変形量を制限することにより、当該「滑り止め突起」の機能を十分に発揮させることができるという効果を有するものである。
しかし、実際の靴の場合には前後方向のみならず左右方向に対しても耐滑性が要求されるものであるから、本願発明は、「滑り止め突起」を、その長手方向が前後方向および左右方向に対してそれぞれ傾斜するように配置することで、前後・左右方向に対する耐滑性を得ることが出来るという効果を有している。
すなわち、「滑り止め突起」と「補助突起」がほぼ均等に分散するように規則的に配置し、「滑り止め突起」が2個に対して「補助突起」が1個、若しくはその他適切な割合で「滑り止め突起」と「補助突起」を設けることにより、「滑り止め突起」の局部的な摩耗を防止することができるようになっている。また、長期的に安定した耐滑性を発揮することができるという効果を有している。
なお、「滑り止め突起」と「補助突起」の割合は、靴底面に対する荷重の分布に応じて変えてもよい。例えば、靴底面に作用する荷重は、一般的に前足底領域よりも踵部領域が大きくなる。このような場合、前足底領域と比較して踵部領域の「補助突起」に対する「滑り止め突起」の割合を小さくすることにより、踵部領域の耐摩耗性を高めることができる。その結果、靴全体としての耐滑性能を長期にわたり維持することが出来る。
また、本願請求項6記載の発明は、前述した請求項1乃至請求項4記載の発明の効果に加えて次に述べる効果を有するものである。
無突起領域は、「滑り止め突起」によって排除された粉を逃がす空間としての作用を有している。本願発明では、当該粉の逃げ領域としての空間が前後方向にわたって直線状に設けられているので、当該無突起領域に排出された粉の移動が比較的容易になっている。したがって、加圧されて無突起領域に入り込んだ粉が詰め込まれて固まるという現象を低減させることができるという効果を有している。
また、無突起領域に粉が詰まって固まった場合や、ゴミ等の異物が詰まった場合であっても、棒状のような物の先端を当該無突起領域に沿って前後に動かして清掃することで、容易に取り除くことが出来るという効果を有している。また、無突起領域と前記各「滑り止め突起」および「補助突起」との間の凹部は互いに連通しているので、前記棒状物による無突起領域の清掃を行うと、各突起間の凹部に詰まった異物もある程度一緒に取り除くことが出来るという効果を有している。
例えば、図9aのように鋭角過ぎたり鈍角過ぎたりする意匠、
図9bのように下膨れの鈍角クリート意匠、
図9cのこぎり意匠の長い斜面が湾曲して鈍角となった意匠、
図9d左右非対称ののこぎり意匠、
図9eのように鋭角過ぎたり鈍角過ぎたりする角錐意匠などである。
図1は、本発明の第1実施形態に係わる靴底を示す図であって、図2aは、本発明の第1実施形態の第1クリート突起(滑り止め突起)の平面図であって、図2bは、本発明の第1実施形態の第1クリート突起の側面図であって、図2cは、本発明の第1実施形態の第1クリート突起の断面図であって、図3aは、本発明の第2実施形態の第1クリート突起の平面図であって、図3bは、本発明の第1実施形態の第2クリート突起(補助突起)の側面図であって、図3cは、本発明の第1実施形態の第2クリート突起の断面図であって、図4は、本発明の実施形態に係わる作業靴の側面図である。
なお、「上下」とは、特許公報掲載時の図面の向きを基準として、図1,図2a,図3aにおいて紙面に向かって裏表のことであって、図4,図2b,図3bにおいて左右のことであって、図2c,図3cにおいて上下のことである。
また、複数の第1クリート突起13は、横倒しにした三角柱のように、稜線状の角縁(エッジ)(41)を形成した凸条部42を有するとともに、当該角縁41が一方向へ延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成されている。なお、本実施の形態では、第1クリート突起13と凸条部42とは同一の構成となっている。
更に、外周部と接触するものを除く複数の第1クリート突起13は、側方(長手方向に対して直交する横方向)から見ると台形状になるように構成されている。
前記クリート突起は、好ましくは頂上部の角度が30°〜90°の二等辺三角形断面を有し、かつ素材がゴムの場合には硬度が55°〜70°(JIS K6301 スプリング式硬度計A形20℃)であることが好ましい。
そして、当該第2クリート突起15は、主として第1クリート突起13を縦方向に沿って向きをそろえて配列したクリート突起列11の中に、当該第1クリート突起13と長手方向の向きを揃えて混在するように設けられている。
なお、前記第2クリート突起15は、断面形状を台形に変えて長方形等の矩形形状となるように構成してもよい。
靴底本体9の下面40は、主として爪先部9aから土踏まず9c前部までの領域となる前足底領域43、土踏まず9c後端部から踵部9bまでの踵部領域44に分けられ、主として歩行時の荷重は、前足底領域43と踵部領域44に多く作用する。
そして、前足底領域43は爪先部9a先端と土踏まず9cの略中央を結ぶ縦方向の中心線C1を中心として左右に約二等分され、当該二等分された左右の各領域は、中心線C1と平行な二等分線C2、C3によってさらに二分されている。すなわち、前足底領域43は、中心線C1と平行に縦方向に約4等分されており、当該約4等分された縦方向の各領域に、中心線C1に対して所定の角度(30°乃至60°)を成すように第1クリート突起13と第2クリート突起15が所定の割合で平行に配列されている。当該4等分された各領域に規則的に配列された突起群が前記クリート突起列11である。また、中心線C1および二等分線C2、C3となる部分は、それぞれ各クリート突起の長手方向の端部付近となっており、縦方向に亘る細幅の無突起領域を形成している。当該無突起領域は、突起によって押しのけられた粉の逃げ場所として作用するとともに、靴底面の屈曲部位ともなる部分である。また、当該無突起領域を使用して、靴底面にこびり付いた粉やゴミが取り除きやすくなるというという作用を有する部分である。
さらに、踵部領域44は、土踏まず9c後端部から踵部9b後端に向かう分割線C4、C5によって縦方向に三等分した領域を形成しており、当該各領域に前記クリート突起列11と同様のクリート突起列を形成している。当該クリート突起列を構成する第1クリート突起13と第2クリート突起15は、分割線C4、C5に対して30°乃至60°の角度を成すように、各クリート突起列内においてそれぞれが平行を成すように配列されている。
なお、前記説明した縦に分割された各領域の靴底本体9の下面40の輪郭部と接する部分については、当該下面40の輪郭が各領域の外形となっている。
なお、靴底本体9の下面40を構成する肉厚の底板部分は、床面との接地部を構成する第1クリート突起13および第2クリート突起15等の各突起を支える基部となるものである。したがって、接地部を構成する各突起がその姿勢を保つことができるように、基部としての最低限の剛性が必要であり、本実施の形態におけるゴムを素材とした靴底の場合、最低限の肉厚として1.5mm以上の肉厚であることが好ましい。その他、使用する素材の種類や硬度等の物性に応じて突起の大きさや、基部の厚さに変更が加えられる。
前述した靴底本体9の下面全面には、第1クリート突起13と第2クリート突起15を前後方向(縦方向)に沿って規則的に複数配列することにより構成したクリート突起列11が満遍なく配設されている。
また、各クリート突起列11における複数の第1クリート突起13は、断面形状が二等辺三角形になるように構成されている。そのため、ドライパウダーが床面に散乱した作業環境において作業靴を使用する際、第1クリート突起13の先端付近が偏り無くある程度均一に弾性変形しつつ、ドライパウダーを掻き分けるように接地面に到達する。この作用により、突起と床面との間に粉が存在しても、突起と床面を接触させることができ所定の耐滑性を得ることができるようになっている。
また、仮に突起がドライパウダーを押え付けても、第1クリート突起13の先端付近が元の形状に弾性復帰することによって、第1クリート突起13の先端付近からドライパウダーを振り払うことができる。これにより、前記散乱した作業環境において作業靴1を使用しても、第1クリート突起13の先端付近にドライパウダーが付着することを抑制することができる。
従来、垂直荷重をかけながら床面上を移動させて動摩擦係数の測定を行う方法がある。しかし、ドライパウダーが散乱している床面に対する靴底の耐滑性の評価方法としては適切ではなく、ドライパウダー用耐滑靴の場合の数値的な評価が難しい。しかし、実際に当該靴底を装着した靴を履いて床面を歩行するという人間の体感による評価方法においては、靴を接地させる度に床面に対する高いグリップ感を感じることができる。
滑り止め突起である第1クリート突起は、最初に先端の角縁41が床面に当接し、荷重の付加とともに凸条部42が変形しながら斜面が接し、床面との摩擦力が得られるようになっている。そして、当該突起による摩擦力は、角縁41の長手方向と同方向に対して最も弱く、長手方向と直角を成す方向に対して最も強い。したがって、滑り止め突起を縦方向(前後方向)に対して直角を成すように配置した場合には、前後方向に対する耐滑性は高くなるが、横方向に対する耐滑性は低くなる。また、滑り止め突起を縦方向(前後方向)に対して平行に配置した場合には、横方向に対する耐滑性は高くなるが、前後方向に対する耐滑性は低くなる。すなわち、耐滑性は角縁41の長さが最も長く見える方向に対して強く、最も短く見える方向に対して弱くなる。滑り止め突起はこのような性質を有しているので、前述したように、各滑り止め突起を縦方向(中心線C1および二等分線C2、C3および分割線C4、C5)に対して所定の角度で配置し、しかも各滑り止め突起が同一方向を向かないようにherringbone模様を呈するように配置することで、前後および左右方向に対しても耐滑性を発揮できるようになっている。
そのため、前記散乱した作業環境において作業靴1を使用する際に、第1クリート突起13の先端付近(角縁41周辺)が弾性変形しつつ、第2クリート突起15の平らな接地面が床面に接地する。
すなわち、第1クリート突起13がある程度変形した後に、第1クリート突起13に比べて変形しにくい第2クリート突起15が床面と接する構造になっているので、当該第2クリート突起15が床面と接することによって荷重を支え、一定量以上の第1クリート突起13の変形を防止するようになっている。
これにより、前記散乱した作業環境において作業靴1を使用する際に、最も耐滑性を発揮する状態に第1クリート突起13を床面に密着させ、かつ粉の除去が効率的に行われる変形が生じるように、第1クリート突起13の先端付近と床面との接触圧を制御して変形の程度を調節することができる。
また、本実施の形態に係る靴底は、主として耐滑性を発揮する滑り止め突起に加えて、当該滑り止め突起の変形を規制する補助突起を有するものである。したがって、前記ドライパウダーが散乱した作業環境において作業靴1を使用する際に、第1クリート突起13の先端付近と床面との接触圧を制御できるため、第1クリート突起13の変形量を規制するとともに、摩耗を抑えて、作業靴1の寿命を延ばすことができる。
さらに、当該滑り止め突起と補助突起を用いる手法は、補助突起の高さを任意に設定した設計を行うことができるので、選択した素材や当該素材の硬度等に応じて、有効に耐滑性を発揮させるための最適な設定値を得やすいという効果を有している。
図4は、前述のように、本発明の実施形態に係わる作業靴の側面図であって、図5は、本発明の第2実施形態に係わる靴底を示す図であって、図6aは、本発明の第2実施形態の第1,第2クリート突起の平面図であって、図6bは、本発明の第2実施形態の第1,第2クリート突起の側面図であって、図6cは、本発明の第2実施形態の第1,第2クリート突起の断面図である。
当該第2の実施の形態における各第1および第2クリート突起は、ともに滑り止め突起として作用するものである。
また、一対の第2クリート突起29は、第1クリート突起27の長手方向に直交する横方向(図5において上下方向)に延びてあって、断面形状が第1クリート突起27の断面形状と同じ二等辺三角形になるように構成されている。更に、複数の第2クリート突起29は、側方から見ると台形状になるように構成されている。
そして、前記滑り止め突起である第1クリート突起27を2個一対として構成した小突起群と、同様に滑り止め突起である第2クリート突起29を2個一対として構成した小突起群とによって、一個のクリート突起群25を構成している。なお、本実施の形態においては、滑り止め突起が二個で一つの小突起群を構成する例について説明したが、三個を一組として構成しても良く、滑り止め突起がほぼ均一にバランス良く配置されるのであれば、二個以外でも構わない。
靴底本体23の下面全面に多数の前記クリート突起群25が満遍なく配設されている。各クリート突起群25における一対の第1クリート突起27及び一対の第2クリート突起29は、断面形状が同じ二等辺三角形になるように構成されているため、ドライパウダーが床面に散乱した作業環境において作業靴19を使用する際に、第1クリート突起27の先端付近及び第2クリート突起29の先端付近が弾性変形しつつ、ドライパウダーを押え付けても、第1クリート突起27の先端付近及び第2クリート突起29の先端付近が元の形状に弾性復帰することによって、第1クリート突起27の先端付近及び第2クリート突起29からドライパウダーを振り払うことができる。これにより、前記散乱した作業環境において作業靴19を使用しても、第1クリート突起27の先端付近及び第2クリート突起29の先端付近にドライパウダーが付着することを抑制することができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、その他種々の態様で実施可能である。
当該クリート突起の取り付け部位となる基部は、前述した各実施例と同様に靴底本体9(下面40)であり、床面と接する部分は凸条部42の角縁41である。本実施の形態では、凸条部42と靴底本体9の下面40との間に、凸条部42の底辺と同一もしくは当該底辺よりも大きい外形で所定の肉厚の基礎部45が設けられている。当該基礎部45は、凸条部42単体のみでは強度が不足して変形量が大きくなる場合や、踵部等のように特に荷重が集中する部位において凸条部42が変形しすぎて耐滑性が発揮できない場合などに、変形部位を少なくすることと補強の目的で設けられるものである。
なお、後述する図13aで説明するように、クリート突起を野球のホームベース型にしてもよい。この場合、三角形状の先端を有する部分が凸条部42となり、その下の四角形状部分が前記の説明による基礎部45となる。
また、図12bは、先端の内角を約60°とした二等辺三角形の断面を有する凸条部42、図12cは、先端の内角を約90°とした二等辺三角形の断面を有する凸条部42を表している。前記各突起は、先端の内角が鋭角になる程床面と鋭く接触しドライパウダーを掻き分ける能力に優れるが、荷重に対する変形量が多くなると共に耐久性が劣り、先端の内角が鈍角になる程床面との接触はしにくくなるが荷重に対する変形量が少なくなると共に耐久性にすぐれるという特徴がある。現在のところ、種々試験の結果、耐滑性と耐久性の双方から、ゴムを素材とした靴底の場合、先端の内角が30°乃至90°である場合に双方の条件を満たす。なお、耐滑性に重点をおいた場合、先端の内角は30°乃至60°であることが好ましい。
図13aは、滑り止め突起として作用させる突起50を所謂野球のホームベース型に形成し、補助突起51とともに配列した例を表している。また、ホームベース型の突起50を2個連結した連結突起52の例を表している。各滑り止め突起50、52は共に先端部に三角形状断面の凸条部を有しており、前述した滑り止め突起13、27、29と同様に耐滑性能を発揮するものである。
図13cは、滑り止め突起として作用する凸条部60の先端61を尖塔状に形成した例を表している。当該先端61は、三角形状と近似した形状を有しており、先端を頂点とする傾斜面62が内側に向かって凹んだ湾曲面となっているものである。なお、当該傾斜面62を湾曲面とした凸条部60の先端61は、前述した三角形状を成す凸条部と同様に内角が30°以上と90°以下となるように形成される。また、図13cは、当該傾斜面62を湾曲面とした凸条部60を形成した突起を2個連結した連結突起63を表している。
また、図1において43、44で示した領域に相当する前足底領域と踵部領域にのみ、小突起群81を設ける構成としてもよい。
図15は、動摩擦係数の測定を行った靴底形状の異なる各種サンプル(S1、S2、S3、S4)を撮影した写真である。当該図15は、上欄が靴の種別S1、S2、S3、S4を表し、中欄が各靴の靴底面全体を表す写真であり、下欄が靴底に設けられた突起を斜め方向から撮影した写真を表している。
靴S1は、本願明細書において前述した図1記載の靴底を使用した形式「CG600」と称している靴である。突起の形状やその他の詳細な説明については前述した通りである。なお、ゴムの硬度は57〜58(JIS K6301準拠のスプリング式A形ゴム硬度計(高分子計器株式会社製ASKER JA型)を用いて温度20℃で測定)である。
靴S2は、本件特許出願人の製造する型式「H100N」と称している靴である。当該靴は、先端が平坦な細幅の突起を複数配列したものであり、油や水がある床面に対して高い動摩擦係数を発揮するように設計された靴である。前記図7に示したクリート突起と近似した形状の突起を有する靴となっている。当該靴S2の材質は、前記靴S1と同様にゴム(加硫ゴム)であり硬度もほぼ同等である。
靴S3は、本件特許出願人の製造する型式「IP110」と称している靴である。当該靴は、床面との接触面積が比較的大きい接触面を有した接地ブロックを有したものであり、材質は発泡ウレタンとなっている。
靴S4は、メーカー不明の靴であり、図9dに示した鋸歯状の小突起を配列方向が互い違いとなるように複数設けたものである。
各靴について5回ずつ測定を行った平均値では、図16に示すように靴S1が0.3723であり、他の靴S2〜S4(0.2584〜0.2872)に対して数値が顕著に高いことが認められた。なお、オイルを使用した耐滑性試験とは異なり、試験床上にまいた粉は靴底の通過によって排除されてしまうため、試験開始時と試験中では取得されるデータに変動が生じてしまう。また、実際の歩行時には、靴が床に接地した直後の耐滑性が最も要求されるものである。当該観点から、図16に示した各データは、歩行時を想定して、試験開始直後付近のデータを表している。
また、当該試験に用いた粉は天花粉であり、皮膚に生じるあせも等を防ぐために皮膚につける微細な粉として市販されているものである。当該試験では、天花粉として販売されている和光堂株式会社製の「シッカロール・ハイ」を使用した。
「4.2 耐滑性試験
(1)試験装置
試験機は試験床と試験体を保持する支持部とから成り、試験床又は靴のいずれか一方を静止させた状態で他方を動かす方式により滑りを発生させる。試験機は、靴を試験床面に定められた鉛直力で押しつけ、定められた速度で滑らかに動かすことのできる構造とする。水平方向の力の検出のために、センサーを静止している側の靴支持部又は試験床面部に取り付ける。靴を履かせる人工足は、図4-8に示すような形状とし、前後それぞれ2個の、直径が男性用にあっては55mm、女性用にあっては40mmの接触円盤を備える。人工足が靴の内部で滑るのを防止するために、円盤の下に凹凸加工又は滑り止めテープなどをはり付ける。人工足の中心軸から前後の2個の円盤間の中央までの距離は、それぞれ靴のサイズに応じて調節できる構造とし、男性用の靴については60mm±3mm、女性用の靴については55mm±3mmとする。試験床の表面には、中心線平均粗さ1.6μm(JISB0601)以下の滑らかなステンレス板を使用する。
(2)試験体
試験体は,男性用、女性用とも標準供試品の靴の左又は右の片方とし、数量は1つの型式につき3個(1足半)とする。測定前に試験体の靴底を50%±5%のエタノール液で洗浄し、室温で自然乾燥させる。
(3)試験条件
試験場所の温度 23℃±2℃
試験場所の湿度 50%±20%RH
潤滑液 自動車用エンジンオイルSAE10W30(SAEJ300)
測定方向 靴の前方向へのすべりについて計測する。
足の接地角 0°(水平)
鉛直力 500N±30N
滑り速度 30cm/s±5cm/s
(4)試験方法
互いに接する試験体と試験床面とのいずれかを動かしてすベりを発生させ、そのときの摩擦面に働く鉛直力と水平力とを計測し、動摩擦係数を算定する。床面には少なくとも厚さ0.1mm(1ml/100cm2)の潤滑膜が形成されるように潤滑液をまく。試験中に潤滑液に靴底の摩耗材やほこり等の不純物を含んだ場合は潤滑液を交換する。
潤滑液は試験体ごとに交換することが望ましい。試験体を人工足に履かせ、しっかりと固定する。試験条件を整えた後、測定開始前に10回ほど予備テストを行う。測定前に試験床面上の潤滑液が一様に分布するようにする。試験体を試験床に押しつけてから水平に滑らせて、そのときの水平力と鉛直力との比から動摩擦係数を求める。(図4-9参照)この測定を5回行う。5回の測定のうち最大値と最小値とを除き、平均動摩擦係数を算定する。(以降省略)」
本願明細書中に記載した硬度は、全てゴムについては日本の旧JIS規格である「JIS K 6301」に準拠したスプリング式A硬度計(高分子計器株式会社製:ASKER JA型)を用いて20℃の温度環境で測定した値を記載している。また、軟質のゴムや発泡ウレタンや発泡EVAといった発泡素材によって形成した靴底の場合には、JIS K7312に準拠したスプリング式C形硬度計(高分子計器株式会社製:ASKER C型)によって測定した値を記載している。ゴム系の素材と発泡系の素材は、組成や性質が異なるものであるから、業界では、上記のようにスプリング式A形ゴム硬度計とスプリング式C形硬度計とを使い分けている。
図に示したM1、M2、M3は、それぞれ同一の硬度計200の静止状態および動作状態を表している。硬度計200は、規定の表面積を有する平らな加圧面201を有しており、当該加圧面201の中央からバネ202によって加圧された押し針203が突出し、当該押し針の後退量に比例して指針204を動作させることにより、0〜100の範囲の数値を硬度として表すものである。
当該硬度計の性質を決定する要素は、主として押し針203の先端形状と、押し針を加圧するバネ202の設定(バネ定数および押し針が後退を開始する際の初期荷重)と、押し針のストローク(先端が加圧面201と同一面に至るまでの距離)である。
また、硬度計200を硬いものに押し当てて、押し針203を加圧面201と同一面まで押し上げた状態(図19のM3)が、硬度100として指針204が「100」を指す状態である。例えば、図20に示したJIS K6301に準拠した硬度計の場合、硬度100を示した場合の押し針203の荷重は8379mNである。
図19のM2は、実際の測定時の状態を表している。硬度計200を、加圧面201が試験体205の表面に押しつけられるまで押すと、試験体205の変形とともに押し針203が上昇する。このときの押し針203に作用している荷重と比例して、指針204が所定の数値を指すようになっている。この時に示された数値が硬度である。
図21は、本願明細書中における発泡ウレタンや発泡EVAといった発泡素材や軟質のゴム等により形成した靴底の硬度を表す場合に使用するスプリング式C形硬度計の主要要素を表した表である。図21と前記図20のJIS K6301の内容を比較すると解るように、両者の相違点は押し針の先端形状のみである。
以上説明した靴底の硬度は、他の一般的な靴よりも滑らないと明らかに認識できる程度の耐滑性を発揮する条件の一つとして重要である。なお、測定機器は異なるものの、ゴム(加硫ゴム)の硬度も軟質系の素材の硬度も数値的に表された結果としては約45乃至75の範囲の場合に耐滑性を有することが認められている。また、硬度を55乃至70程度にすると、顕著に耐滑性を体感できるものである。
3 靴底
5 甲皮
9 靴底本体
9a 爪先部
9b 踵部
11 クリート突起列
13 第1クリート突起
15 第2クリート突起
19 作業靴
21 靴底
23 靴底本体
23a 爪先部
23b 踵部
25 クリート突起群
27 第1クリート突起
29 第2クリート突起
40 下面
41 角縁
42 凸条部
43 前足底領域
44 踵部領域
45 基礎部
46、47 傾斜面
50 突起
51 補助突起
52 連結突起
55 凸条部
56 基礎部
57 補助突起
60 凸条部
61 先端
62 傾斜面
70 滑り止め突起
71 補助突起
Claims (14)
- 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されていることを特徴とする靴底。 - 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起と補助突起が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
前記補助突起は、前記滑り止め突起が有する稜線状の角縁よりも低い高さとなる位置に、前記靴底本体下面とほぼ平行を成す平坦面を有するとともに、断面形状が矩形若しくは台形状に形成されていることを特徴とする靴底。 - 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
少なくとも前記前足底領域および踵部領域には、当該各領域内を左右方向に分割する分割線に対する前記凸条部の長手方向の狭い方の角度が約30°乃至60°を成して傾斜するように、前記滑り止め突起が規則的に配置されていることを特徴とする靴底。 - 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起と補助突起が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
前記補助突起は、前記滑り止め突起が有する稜線状の角縁よりも低い高さとなる位置に、前記靴底本体下面とほぼ平行を成す平坦面を有するとともに断面形状が矩形若しくは台形状に形成されており、前記滑り止め突起に対して一定の割合で混在し前記滑り止め突起とともに規則的に配置されていることを特徴とする靴底。 - 前記請求項1乃至4のいずれか一項記載の靴底を有したことを特徴とした靴。
- 前記靴底本体の下面には、細幅の無突起領域が前後方向に亘って複数条設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の靴底又は靴。
- 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
少なくとも、前記前足底領域および踵部領域には、前記凸条部の長手方向を一致させた状態で並べて配置した2以上の滑り止め突起を1単位とする小突起群が規則的に配置されていることを特徴とする靴底。 - 靴の底部を構成する靴の靴底であって、
ゴム、ウレタンフォーム等の成形素材により一体として成形された靴底本体を有し、
少なくとも前記靴底本体下面の爪先部から土踏まず部に至る前足底領域と踵部を中心とした踵部領域、若しくは前記靴底本体下面の全面には複数の滑り止め突起が一体的に形成されており、
前記滑り止め突起は、30°乃至90°の範囲に内角が設定された稜線状の角縁(エッジ)を形成した凸条部を有するとともに、当該凸条部を構成する長手方向の側面は前記角縁を頂点とした傾斜面となっており、
前記傾斜面は、前記角縁から靴底本体下面に対して垂下した垂線に対して15°以上45°以下の角度を成すように形成されており、
少なくとも、前記前足底領域および踵部領域には、前記凸条部の長手方向を靴底本体下面の縦方向と一致させた状態で並べて配置した2以上の滑り止め突起を1単位とする縦向きの小突起群と、前記凸条部の長手方向を靴底本体下面の縦方向と直交する向きで並べて配置した2以上の滑り止め突起を1単位とする横向きの小突起群とが交互に規則的に配置されていることを特徴とする靴底。 - 前記請求項7又は請求項8記載の靴底を有したことを特徴とした靴。
- 作業靴の構成要素の1つである靴底において、
弾性材料により構成された靴底本体と;
前記靴底本体の下面における少なくとも爪先部及び踵部に満遍なく配設された複数のクリート突起列と;を具備してあって、
各クリート突起列は、それぞれ、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、一方向へ延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成され、縦方向に沿って並んだ複数の第1クリート突起と、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、断面形状が前記第1クリート突起の断面形状よりも高さの低い断面形状が台形又は長方形になるように構成され、複数の前記第1クリート突起に挟まれるように縦方向に沿って並んだ適数の第2クリート突起と、を備えてあって、
更に、横方向に隣接する関係にある前記クリート突起列同士における前記1クリート突起の長手方向が異なるように構成されたことを特徴とする靴底。 - 各クリート突起列における前記第2クリート突起は、同じクリート突起列における前記第1クリート突起の長手方向と同じ方向へ延びてあって、横方向に隣接する関係にある前記クリート突起列同士における複数の前記第1クリート突起及び複数の前記第2クリート突起によって杉綾模様を呈するように構成されたことを特徴とする請求項10に記載の靴底。
- 作業靴の構成要素の1つである靴底において、
弾性材料により構成された靴底本体と;
前記靴底本体の下面における少なくとも爪先部及び踵部に満遍なく配設された多数のクリート突起群と;を具備してあって、
各クリート突起群は、それぞれ、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、一方向へ延びてあって、断面形状が二等辺三角形になるように構成された適数の第1クリート突起と、
前記靴底本体の下面に一体形成され、弾性材料により構成され、前記第1クリート突起と異なる方向へ延びてあって、断面形状が前記第1クリート突起と同じ高さの二等辺三角形になるように構成された適数の第2クリート突起と、を備えていることを特徴とする靴底。 - 各クリート突起群にける適数の前記第2クリート突起は、前記第1クリート突起の長手方向に対して直交する方向に延びていることを特徴とする請求項10に記載の靴底。
- 請求項10から請求項13のうちのいずれかの請求項に記載の発明特定事項からなる靴底と;
前記靴底に設けられた甲皮と;
を具備したことを特徴とする作業靴。
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