JPWO2006022092A1 - 細胞電位測定プローブ - Google Patents

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中谷 将也
将也 中谷
尾崎 亘彦
亘彦 尾崎
岡 弘章
弘章 岡
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    • G01N33/48707Physical analysis of biological material of liquid biological material by electrical means
    • G01N33/48728Investigating individual cells, e.g. by patch clamp, voltage clamp

Abstract

細胞電位測定プローブは、底面を有する第1のキャビティが表面に形成されたプレートと、第1のキャビティ内に配置されたセンサ素子とを備える。第1のキャビティの底面に第2のキャビティが形成される。第2のキャビティに開口する第1の開口部とプレートの外部に開口する第2の開口部とを有する第1の流路がプレート内に形成される。センサ素子は、薄板と、薄板の周囲に設けられてプレートの第1のキャビティに配置された支持基板とを有する。薄板には第1の開口部と、プレートの第2のキャビティに連結する第2の開口部とを貫通する貫通孔が形成される。第1の流路は流体を流すことができ、吸引手段が流路の第2の開口部に接続されて第1の流路内を流れる流体を吸引できる。この細胞電位測定プローブは、溶液内に浮遊する細胞の電位をそのままの環境で測定できる。

Description

本発明は、細胞の活動によって発生する物理化学的変化を測定するために用いられる、細胞内電位あるいは細胞外電位等の細胞電位を測定するための細胞電位測定プローブに関する。
細胞の電気的活動を指標にしながら薬理効果のある薬剤を候補薬剤からスクリーニングする従来の方法としてパッチクランプ法が知られている。パッチクランプ法は、微細な先端を持つ中空ガラス管を直接、細胞に搾入して細胞内外の電位差を測定する方法で(たとえば、Single channel currents recorded from membrane of denervated frog muscle fibers.Nature 260:799−802、Nehcr E & Sakmann B、1976)、これによって、細胞膜に存在するイオンチャネルの活動状態を精度よく測定できる。
また、国際公開第02/055653号公報には、細胞の保持手段を有した基板およびこれに設けられた電極によって細胞外電位を測定する細胞外電位測定デバイスと方法が開示されている。この方法では、パッチクランプ法で得られるデータと同等の高品質なデータが得られ、簡易に高速で大量の試料を測定できる。
図24は上記の細胞外電位測定デバイスの断面図である。容器50内に培養液51が入れられ、被験体細胞52は基板53に設けられた保持手段によって捕捉されて保持されている。この保持手段は基板53に形成された窪み54、開口部55、および窪み54に連絡する貫通孔56により構成されている。容器50の中には参照電極58が配置されている。貫通孔56の周辺にはセンシング手段である測定電極57が配置されており、測定電極57は配線を経て外部の信号検出部に連結されている。
被験体細胞52は貫通孔56を通して外部から吸引ポンプなどの手段により吸引されて窪み54に密着して保持される。被験体細胞52の活動により発生する電気信号は容器50中の培養液51側に漏れることなく、貫通孔56に設けられた測定電極57と参照電極58との電位差として検出される。
上述の従来のデバイスは、窪み54および貫通孔56が形成された基板53と、この上部に設けられた、培養液および薬液を投入・蓄積するための容器50を有している。よって、十分容量の大きい空間内に存在する溶液内の浮遊細胞をそのままの環境で測定することはできない。
また、従来のデバイスでは、基板53によって隔てられた2つの領域、つまり被験体細胞52側の領域と、測定電極57側の領域とに互いに異なる種類の培養液や薬液をそれぞれ導入できない。
細胞電位測定プローブは、底面を有する第1のキャビティが表面に形成されたプレートと、第1のキャビティ内に配置されたセンサ素子とを備える。第1のキャビティの底面に第2のキャビティが形成される。第2のキャビティに開口する第1の開口部とプレートの外部に開口する第2の開口部とを有する第1の流路がプレート内に形成される。センサ素子は、薄板と、薄板の周囲に設けられてプレートの第1のキャビティに配置された支持基板とを有する。薄板には第1の開口部と、プレートの第2のキャビティに連結する第2の開口部とを貫通する貫通孔が形成される。第1の流路は流体を流すことができ、吸引手段が流路の第2の開口部に接続されて第1の流路内を流れる流体を吸引できる。
この細胞電位測定プローブは、溶液内に浮遊する細胞の電位をそのままの環境で測定できる。
図1は本発明の実施の形態1における細胞電位測定プローブの斜視図である。 図2は実施の形態1における細胞電位測定プローブの分解斜視図である。 図3は実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面斜視図である。 図4は実施の形態1における細胞電位測定プローブの拡大断面斜視図である。 図5は実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図である。 図6は実施の形態1における細胞電位測定プローブの拡大断面図である。 図7は実施の形態1における細胞電位測定プローブの斜視図である。 図8は実施の形態1における細胞電位測定プローブの使用方法を説明するための斜視図である。 図9は実施の形態1における細胞電位測定プローブの概念図である。 図10は実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図である。 図11は実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図である。 図12は実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図である。 図13は実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図である。 図14は実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図である。 図15は実施の形態1における他の細胞電位測定プローブの平面図である。 図16Aは図15に示す細胞電位測定プローブの拡大断面図である。 図16Bは実施の形態1によるさらに他の細胞電位測定プローブの拡大断面図である。 図17は本発明の実施の形態2における細胞電位測定プローブの断面図である。 図18は実施の形態2における細胞電位測定プローブの拡大断面図である。 図19Aは実施の形態2における細胞電位測定プローブの使用方法を説明するための断面図である。 図19Bは図19Aに示す細胞電位測定プローブの拡大断面図である。 図20は本発明の実施の形態3による細胞電位測定プローブの分解斜視図である。 図21は実施の形態3による細胞電位測定プローブの断面斜視図である。 図22は実施の形態3による細胞電位測定プローブの拡大断面図である。 図23は実施の形態3による細胞電位測定プローブアレイの斜視図である。 図24は従来の細胞外電位測定プローブの断面図である。
符号の説明
1 細胞電位測定プローブ
2 プレート
2A 成型プレート
2B 成型プレート
3 キャビティ(第1のキャビティ)
4 センサ素子
5 キャビティ(第3のキャビティ)
6 キャビティ(第2のキャビティ)
7 支持基板
8 薄板
9 貫通孔
10 流路(第2の流路)
10A 開口部(第1の開口部)
11 流路(第1の流路)
11A 開口部(第1の開口部)
12 開口部(第2の開口部)
13 吸引手段
15 容器(注入手段)
16 測定溶液
17 段差
18 参照電極(第1の電極)
19 測定電極(第2の電極)
20 被験体細胞
21 培養液
22 開口部(第2の開口部)
23 弁
26 支持基板
27 細胞電位測定プローブ
28 プレート
29 センサ素子
30 薄板
31 貫通孔
32 キャビティ
33 顕微鏡
34 パッチプローブ
35 被験体細胞
36 培養液
37A,37B 窪み
117 段差
501 細胞電位測定プローブ
502 プレート
503 キャビティ(第1のキャビティ)
504 センサ素子
505 キャビティ(第3のキャビティ)
506 キャビティ(第2のキャビティ)
507 薄板
508 貫通孔
509 流路(第2の流路)
510 流路(第1の流路)
511 開口部(第2の開口部)
512 支持基板
514 参照電極(第1の電極)
515 測定電極(第2の電極)
518 開口部(第2の開口部)
519 細胞電位測定プローブアレイ
520 ウエルアレイ
521A 貫通孔
521B 貫通孔
521C 貫通孔
522 ウエル
523 ウエル
524 ウエル
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における細胞電位測定プローブ1の斜視図である。図2は細胞電位測定プローブ1の分解斜視図である。図3は細胞電位測定プローブ1の断面斜視図である。図4は細胞電位測定プローブ1の拡大断面斜視図である。図5は細胞電位測定プローブ1の断面図である。図6は細胞電位測定プローブ1の要部拡大断面図である。細胞電位測定プローブ1は樹脂あるいはガラスなどの絶縁体よりなるプレート2とセンサ素子4から構成されている。プレート2の上面2Cにはキャビティ3が形成されており、キャビティ3の内部にはセンサ素子4がはめ込まれている。キャビティ3の底面3Aにはキャビティ6が形成されている。センサ素子4の下部にはキャビティ6が位置する。
プレート2は成型プレート2Aと成型プレート2Aに貼り合わされた成型プレート2Bよりなり、容易に複雑な形状に形成できる。成型プレート2Bには溝の形状で流路10、11が形成される。成型プレート2Aには貫通孔の形状で開口部12、22が形成され、貫通孔の形状で互いに連結したキャビティ3、6が形成されている。
キャビティ6にはプレート2の外部に通じる流路10、11のそれぞれの一方の開口部10A、11Aが連通している。流路10、11のそれぞれの他方の開口部12、22はプレート2の上面2Cに開口する。流路10、11の断面積は0.01mm以上であり、この寸法により流路10、11は詰まりにくく、容易に清掃できる。
キャビティ6の下面6Aには、センサ素子4に向かってすなわちキャビティ6に向かって上方に突出する段差17が設けられ、これにより流路10、11の断面積とキャビティ6での開口部10A、11A近傍の断面積を調整することができ、測定溶液を流路10、キャビティ6、流路11でスムースに移動させることができる。
センサ素子4はシリコンあるいはシリコンとシリコン酸化膜との積層体からなる支持基板7を備える。プレート2の上面2Cと同じ向きの支持基板7の上面7Aにはキャビティ5が設けられている。キャビティ5の底面5Aは薄板8で構成されている。薄板8には薄板8の上面8A(キャビティ5の底面5A)と上面8Aの反対側の薄板8の下面8Bとを連通する微小な孔径を有する貫通孔9が形成されている。貫通孔9の一方の開口部9Aはキャビティ5に開口し、他方の開口部9Bはプレート2内のキャビティ6に連通している。
センサ素子4の支持基板7の下面7B、すなわち薄板8の下面8B上には白金、金、銀、塩化銀などからなる測定電極19が設けられている。測定電極19はワイヤ配線、薄膜電極などの引き出し電極を接続することにより、プローブ1の外部の測定器へ接続されて信号を検出することができる。
キャビティ3にセンサ素子4を接着剤による接合することにより確実に固定でき、流路10、11、キャビティ6を満たす測定溶液の漏れを完全に防止できる。なお、センサ素子4は融着、超音波接合などの方法によってキャビティ3内に接合しても良い。
図7は細胞電位測定プローブ1の斜視図である。流路10の開口部12にはチューブ24Aが接続され、流路11の開口部22にはチューブ24Bが接続されている。チューブ24Bは吸引手段13に接続され、チューブ24Aは容器15に接続されている。容器15と開口部12の間には必要に応じて測定溶液等の流体の流動を止めることができる弁23が設けられている。吸引手段13によってキャビティ6はキャビティ5より圧力を低く減圧雰囲気にできる。吸引手段13はダイヤフラムポンプ、シリンジポンプなど通常のポンプの他に人の口による吸引などにより実現できるが、特にこれらに限定されない。
次に、細胞電位測定プローブ1を用いて細胞電位を測定する方法について説明する。
図8は細胞電位測定プローブ1の使用方法を説明するための斜視図であり、細胞電位測定プローブ1が測定棒25に設置されている。測定棒25の一端25Aには細胞電位測定プローブ1が固定されている。測定棒25の内部には、流路10に接続されたチューブ24Aと流路11に接続されたチューブ24Bと、測定電極19と電気的に接続されている引き出し電極19Aが通り、測定棒25の他端25Bから外部に引き出されている。引き出し電極19Aは外部に設けられた測定器に接続され、測定信号を測定器に供給する。
図9は細胞電位測定プローブ1の使用中の概念図であり、容器14に充填されている培養液21中に細胞電位測定プローブ1を設置された測定棒25が入れられている。培養液21中には被験体細胞20が浮遊している。容器14内では参照電極18が培養液21に接しており、容器14内の培養液21の電位を検出できる。細胞電位測定プローブ1は容器14内の培養液21内にセンサ素子4が位置するように設置されている。
図10〜図14は細胞電位測定プローブ1を用いて細胞電位を測定する方法を説明するための断面図である。
図10では、培養液21内のセンサ素子4の上部で被験体細胞20が浮遊している。
次に、図11に示すように、弁23が閉じられて流路10、11およびキャビティ6は容器15と遮断されている。そして吸引手段13によってキャビティ6を減圧して、キャビティ5より圧力を低くする。これにより、キャビティ5に充填されている培養液21および被験体細胞20が貫通孔9へ引き込まれ、培養液21はキャビティ6へ流れ出す。被験体細胞20はその大きさが貫通孔9の断面積より大きいので貫通孔9を通り抜けることができず、貫通孔9の開口部9Aで保持される。培養液21はキャビティ6へ流れることにより測定電極19と接触し、キャビティ6内の電位を検出できる。この状態で、参照電極18と測定電極19との電位差および抵抗値・容量値などの電気的な測定を行うことができる。
被験体細胞20が貫通孔9の開口部9Aに保持されると、培養液21はセンサ素子4により遮断されてキャビティ5内の部分21Aとキャビティ6内の部分21Bに分離し、参照電極18と測定電極19との間の抵抗値は上昇する。
その後、さらに吸引手段13によりキャビティ6を減圧すると図12に示すように被験体細胞20の表面は貫通孔9の開口部9Aにさらに強く押しつけられ、単に保持されるより参照電極18と測定電極19との間の抵抗値は高くなる。このときの抵抗値は100MΩ以上、時には1GΩ以上となり、ギガシール(Giga−Seal)と呼ばれる状態となる。ギガシール状態において、被験体細胞20のイオンチャネル活動によって培養液21と被験体細胞20内との間でイオンの交換が行われると被験体細胞20の内部電位が変化する。内部電位の変位は参照電極18と測定電極19との電位差として検出できる。
細胞20のイオンチャネル活動は培養液21に含まれる薬剤によって変化し、このイオンチャネル活動を参照電極18と測定電極19との電位差によって検出することによって薬剤が被験体細胞20に与える影響を知る、つまり、被験体細胞20に対する薬剤の薬理効果を判定できる。
なお、参照電極18、測定電極19をそれぞれ貫通孔9の開口部9A、9B付近に設けることにより被験体細胞20の近傍で電位差を高精度に測定できる。
細胞電位測定プローブ1は、培養液21に浮遊している細胞20を容易に捕捉しギガシール状態を形成できる。
プレート2の上面2Cとセンサ素子4の支持基板7の上面7Aとを同一面とすることにより、図13に示すように、被験体細胞20を含む培養液21をセンサ素子4の支持基板7の上面7A上やキャビティ5内にプレートピペット等で直接供給できる。これにより、プレート2の上面2Cの上部より顕微鏡により細胞20を容易に観測できる。さらに、細胞20の周辺で発生する気泡を容易に除去でき、薬剤を確実に細胞20に投与できる。
図12に示したギガシール状態で弁23を開くと、図14に示すように、容器15内にある測定溶液16が流路10およびキャビティ6へ引き込まれ、容器15は測定溶液16を流路10に注入する注入手段として機能する。流路11を吸引手段13により減圧することでキャビティ6の内部の培養液21の部分21Bは測定溶液16に置換えられる。測定溶液16として高いK濃度の溶液を用いることで、被験体細胞20の電位変化をより正確に検出できる。
貫通孔9の開口部9A、9Bの近傍に参照電極18および測定電極19を薄膜技術などによってそれぞれ形成することにより、被験体細胞20の電位変化を検出できる。
図15は実施の形態1による他の細胞電位測定プローブ1Aの平面図である。流路110、111の少なくとも一部が曲がっている。これにより、流路110、111を流体が流れる際の抵抗が大きくなるので、一度キャビティ6内に進入した培養液21や測定溶液16が外部に漏れ出したり、外部より気泡が混入したりすることを防止できる。
図16Aは細胞電位測定プローブ1Aの線16−16における拡大断面図である。貫通孔9のキャビティ5に開口する開口部9Aには貫通孔9の孔径より大きい径の窪み37Aが設けられており、被験体細胞20をより確実に捕捉できる。
図16Bは実施の形態1によるさらに他の細胞電位測定プローブ1Bの拡大断面図である。細胞電位測定プローブ1Bでは、貫通孔9のキャビティ6に開口する開口部9Bに貫通孔9の孔径より大きな径の窪み37Bが設けられている。これにより、キャビティ6内の培養液21や測定溶液16の貫通孔9の開口部9B付近での流動性を安定させることができる。
図16A、図16Bに示すように、段差117およびキャビティ6のエッジ部117A、6Bを曲面状に面取りすることにより測定溶液16をスムースに流すことができる。
プレート2の材料である樹脂やガラスなどの絶縁性材料は可視光を透過させる透明性を有してもよい。これによりキャビティ6から貫通孔9の開口部9Bを顕微鏡で容易に観測でき、培養液21や測定溶液16のキャビティ6への進入状態や気泡の有無などを観察しながら細胞電位を測定できる。
さらに、センサ素子4の薄板8も樹脂やガラスなどの可視光を透過させる透明な材料で形成してもよい、これにより、プレート2の下面から顕微鏡で被験体細胞20を観察できる。
(実施の形態2)
図17は本発明の実施の形態2における細胞電位測定プローブ27の断面図である。図18は細胞電位測定プローブ27のセンサ素子29の拡大断面図である。実施の形態1と同じ部分は同じ参照符号を付して説明を省略する。
細胞電位測定プローブ27はプレート28とセンサ素子29により構成されている。プレート28の上面28Cにはキャビティ83が形成され、キャビティ83の底面83Aにはキャビティ6が形成されている。キャビティ83にはセンサ素子29がはめ込まれている。センサ素子29は支持基板26を備える。支持基板26の下面26Bにキャビティ32が形成され、キャビティ32の底面32Aには薄板30が形成されている。薄板30には薄板30の上面30Aと下面30B(キャビティ32の底面32A)とを連通する貫通孔31が形成されている。貫通孔31の開口部31Aは薄板30の上面30A(支持基板26の上面26A)で開口して外方に通じている。貫通孔31の開口部31Bは薄板30の下面30Bで開口してキャビティ32およびキャビティ6に通じている。これにより貫通孔31はプレート28内に設けられたキャビティ6を介して流路10、11に通じている。必要に応じて薄板30の下面30B上に測定電極19が形成される。
図19Aは細胞電位測定プローブ27の使用方法を説明するための断面図である。図19Bは図19Aに示す細胞電位測定プローブ27の拡大断面図である。図1に示す実施の形態1による細胞電位測定プローブ1と同様に、センサ素子29の支持基板26の上面26Aはプレート28の上面28Cと同一平面であり、凸凹がない。これにより、顕微鏡33で被験体細胞35をより接近して観察できる。顕微鏡33により観測しながらパッチプローブ34を被験体細胞35にアタッチさせることができる。これにより、一つの被験体細胞35から複数の部分におけるイオンチャネル活動を測定できる。例えば、薬剤を培養液36の中に投与したとき、細胞35の投与位置に近い部分35Aにアタッチさせたパッチプローブ34の電位と、細胞35の部分35Aより投与位置から遠い貫通孔31に捕捉された細胞35の部分35Bに近い測定電極19の電位が同時に得られ、細胞35でのイオンチャネル活動の部分35Aから部分35Bへの伝達状態を検出できる。
なお、実施の形態1による細胞電位測定プローブ1のプレート2や支持基板7と同様に、細胞電位測定プローブ27のプレート28や薄板30を、可視光を透過させる透明性を有する材料で形成することで同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
図20は本発明の実施の形態3における細胞電位測定プローブ501の分解斜視図である。図21は細胞電位測定プローブ501の断面斜視図である。図22は細胞電位測定プローブ501の要部拡大断面図である。細胞電位測定プローブ501は樹脂あるいはガラスなどの絶縁体よりなるプレート502とセンサ素子504とウエルアレイ520から構成している。プレート502の上面502Cにはキャビティ503が形成され、キャビティ503の底面503Aにはキャビティ506が形成されている。キャビティ503にはセンサ素子504がはめ込まれている。キャビティ506はセンサ素子504の下部に位置している。
キャビティ506には外方へ通じる流路509、510が設けられている。流路509はプレート502の上面502Cに設けた開口部511を有し、流路510はプレート502の上面502Cに設けた開口部518を有する。流路509、510はプレート502の外部と接続されている。予め成形された成型プレート502Aに、予め成型された成型プレート502Bを貼り合わせることで複雑な形状を有するプレート502が得られる。成型プレート502Bには溝の形状で流路509、510が形成される。成型プレート502Aには貫通孔の形状で開口部511、518が形成され、貫通孔の形状で互いに連結したキャビティ503、506が形成されている。
センサ素子504は支持基板512と薄板507よりなり、図22に示すように、薄板507の下方(プレート502の上面502Cと反対側の下面512B側)にキャビティ505が設けられている。つまり、キャビティ505の底面505Aは薄板507で形成される。薄板507には上面507A(支持基板512の上面512A)と下面507Bを貫通する微小貫通孔508が設けられている。貫通孔508の、薄板507の上面507A(支持基板512の上面512A)に開口する開口部508Aに被験体細胞が保持される。貫通孔508の孔径は被験体細胞の大きさよりも小さいことが必要である。図16Aと同様に、貫通孔508の開口部508Aに貫通孔508の孔径より大きな径の窪みを設けることにより被験体細胞を安定して確実に保持できる。貫通孔508は薄板507の下面507B(キャビティ505の底面505A)でキャビティ505に開口する開口部508Bを有する。貫通孔508の開口部508Aはセンサ素子504の支持基板512の上面512Aに通じ、開口部508Bはキャビティ505を介してキャビティ506と連結している。この構造により、貫通孔508、キャビティ505、506を通って培養液、薬液などの液体が流動できる。
センサ素子504では、薄板507が上部に位置する、すなわち支持基板512の上面512Aがプレート502の上面502Cと同一平面内に位置する。これに対し、図6に示す実施の形態1による細胞電位測定プローブと同様に、キャビティ505が支持基板512の上面512Aに形成されてもよい。
プレート502の上面502A上には所定の容量を有し、培養液、薬液などの液体を投入したり、蓄えたり、循環させることができるウエルアレイ520が配置されている。ウェルアレイ520はウェル522、523、524が形成されている。ウェル522の下面522Aには流路509の開口部511に連結した貫通孔521Aが形成されている。ウエル523の下面523Aには、センサ素子504の薄板507に形成された貫通孔508に連結した貫通孔521Bが形成されている。ウエル524の下面524Aには、流路510の開口部518に連結した貫通孔521Cが形成されている。ウエル522、523、524の上面には培養液、薬液などの液体を投入する開口部522B、523B、524Bが設けられている。ウェル523には参照電極514が設けられている。流路510内にはプレート502の外部に繋がる測定電極515が設けられている。
被験体細胞を有した培養液をウエル523の開口部523Bから投入し、ウエル524の開口部524Bから吸引ポンプなどの吸引手段によって吸引する。これによって培養液は貫通孔508を通過し、その後キャビティ505、506、流路510および開口部518を通過することによりウエル524へ吸引される。または、ウエル522へ測定液または培養液を投入後、ウエル524から吸引することによって、流路509、510およびキャビティ505、506には十分な測定液または培養液が行き渡り、気泡が混入することが少なくなるため、測定をより正確に行いやすい。なお、この場合は、ウエル523に被験体細胞を投入する前に測定液を投入し、流路509,510内に測定液を十分行き渡らせたのちにウエル522の開口部522Bを閉じ、この後、被検体細胞をウエル523に投入してウエル524から測定液の吸引を行うことが望ましい。
センサ素子504の貫通孔508が被験体細胞を通過させない孔径を有することで、被験体細胞は貫通孔508の開口部508Aで保持され、貫通孔508で保持された被験体細胞の電位を測定できる。実施の形態3では、薄板507には複数の貫通孔508が形成されており、これにより一度に複数の被験体細胞の電位を一括して測定できる。被験体細胞が全ての貫通孔508を塞ぐと、それ以外の被験体細胞はウエル523中にとどまる。これにより、培養液がキャビティ505に流入する量が少なくなり、貫通孔508の開口部508Aに被験体細胞が保持されたことを検知できる。この作業は培養液の流量を測定しながらウエル524での吸引力を制御することによって行うことができる。なお、この吸引動作はウエル522から行っても同じである。
ウエル523の開口部523Bを閉じた後、ウエル522から薬液を投入してウエル524から吸引手段により吸引することによって薬液が貫通孔521Aを通過し、開口部511、流路509、キャビティ506、キャビティ505、流路510および開口部518を通過して、ウエル524へ吸引される。このとき、貫通孔508の開口部508Aでトラップされている被験体細胞に貫通孔508の開口部508Bから薬液が接触して、被験体細胞が薬液に反応する。反応したとき被験体細胞の電位を、ウェル523内の培養液に接触している参照電極514と、流路510内の薬液に接触している測定電極515とを介して測定できる。
細胞電位測定プローブ501では、被験体細胞が存在する領域すなわちウェル523と測定電極515が存在する領域すなわち流路510にそれぞれ、培養液や薬液などの別の液体を導入できる。また、ウエル522とウエル524間で溶液を吸引させれば、キャビティ505,506内の溶液の種類を置換することが容易にできる。
なお、ウエル520は三個のウエル522、523、524よりなり、これらを用いる方法を説明してきたが、被験体細胞を微小貫通孔508に保持した後、培養液の代わりにウエル523より薬液を投入して、細胞電位の測定を行うだけでよい場合は、2個のウエル(例えばウエル523とウエル524)だけで測定することができる。
プレート502の上面502Cとウエルアレイ520の底面520Aに密着させることでプレート502をウェルアレイ520で確実に封止できるので、液漏れなどを確実に防止できる。
ウエイアレイ520をプレート502と同じ材質で形成することでウエイアレイ520とプレート502の膨張係数の違いによる変形を防止でき、プレート502をウェルアレイ520でより確実に封止できる。
ウエルアレイ520とプレート502をポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマーなどの熱可塑性樹脂で形成することにより、超音波融着やレーザ溶着によって確実な封止と高い生産性で細胞電位測定プローブ501を製造できる。
ウエルアレイ520とプレート502をガラス、石英の材料で形成してもよい。これらの材料は鏡面研磨した表面同士であれば、接着剤を使わずに直接接合できる。あるいは、これら材料は耐熱性が高いため、ガラス接着剤やセラミック接着剤などの無機系接着材料で接合することができる。このように構成されたウエルアレイ520とプレート502は耐熱性に優れているため加熱洗浄による再利用が可能な細胞電位測定プローブ501が得られる。
図21に示すように、ウエル522、523、524の下面522A、523A、524Aにそれぞれ形成された貫通孔521A、521B、521Cのうちの少なくとも貫通孔521Bを、ウェル523の開口部523Bに向かって広がる形状、すなわちセンサ素子504の貫通孔508に向かって狭まる形状に形成しても良い。これにより、ウエル523に投入する培養液や薬液などを速やかにセンサ素子504の貫通孔508へ浸透させることができる。
図21に示すように、貫通孔521Bの大きさを、貫通孔508を形成した薄板507よりも大きくすることにより、貫通孔508へ被験体細胞を効率よく引き込むことができる。
また、ウエルアレイ520には、被験体細胞を含む培養液を投入するウエル523と、薬液を投入するウエル522と、吸引手段に接続されたウエル524とが形成されている。これにより、プレート502の上面502Cに被験体細胞を容易に保持でき、薬液などを投入することが全てウエルアレイ520の上部より独立して行うことができるので測定の際に容易にプローブ501を操作できる。
ウエル522の貫通孔521Aの大きさを流路509の開口部511より大きくし、ウエル524の貫通孔521Cの大きさを流路510の開口部518よりも大きくする。これにより、薬液などの液体を速やかに流路に導入することができ、高精度でばらつきの少ない細胞電位を測定できる細胞電位測定プローブ501が得られる。
参照電極514がウエル523内の培養液に接する所定の位置に配置される。測定電極515が流路510内に設けられて流路510内の培養液あるいは薬液などの液体に接触する。これにより、培養液中における被験体細胞の細胞電位と薬液などの液体をウエル522またはウエル523より投入した後の被験体細胞の細胞電位の変化を測定できる。測定電極515はキャビティ505またはキャビティ506の近傍に設けても良い。
参照電極514と測定電極515はワイヤ配線や薄膜電極などで形成でき、プローブ501の外部の測定器に接続されて電極からの信号を検出できる。
次に、細胞電位測定プローブ501を用いて、細胞電位を測定する方法を説明する。
まず、ウエル523には被験体細胞を含む培養液を投入し、次にウエル522またはウエル524から吸引手段により吸引することで被験体細胞はセンサ素子504の貫通孔508に保持される。ウエル523内に設けられて培養液に接触する参照電極514と、流路510内に設けられた測定電極515との間の抵抗値を測定する。電極514、515間の抵抗値は、吸引手段の吸引圧力を制御することにより、ウエル523に貯留された培養液と流路510内に貯留された培養液の間の抵抗値が100MΩ以上となる。参照電極514および測定電極515はAu、Ag、AgClなどの導電材料で構成することができ、培養液に接触させることで電気的接続が得られる。したがって、電極514、515が配置される位置は上記の位置に限定されない。
次に、ウエル522内に薬液等の測定溶液を貯留してウエル524から吸引すると、流路509、キャビティ505、キャビティ506、流路510内の培養液を測定溶液で置換させることができる。これにより、細胞が存在するウエル523の領域と測定電極515が存在するキャビティ506の領域に、それぞれ別種類の培養液や測定溶液を容易に導入でき、より速く細胞電位を測定できる。
ウエル522とウエル524の機能を逆にしても同様に細胞の電位が測定できる。
ウエル522、523、524にバルブあるいは蓋を設けることにより、プローブ501での測定をより容易に制御できる。
実施の形態3による他の細胞電位測定プローブ519である、複数の細胞電位測定プローブ501を用いた細胞電位測定プローブアレイ519について説明する。図23は実施の形態3による他の細胞電位測定プローブ519(細胞電位測定プローブアレイ519)の分解斜視図である。細胞電位測定プローブ501が4列×8列のマトリックス状に配置されている。ウェル522、523、524が複数のプレート520に対応する位置でそれぞれ形成された複数のウエルアレイ520は一括してウェルアレイユニット520Aとして作製できる。
このように複数の細胞電位測定プローブ501が所定のフォーマットで並べられた細胞電位測定プローブアレイ519は、薬液注入・細胞投入・吸引などにロボットなどを利用することができるので、短時間で多数の被験体細胞の電位を測定でき、薬理効果を判断して候補薬剤を迅速にスクリーニングできる。
本発明による細胞電位測定プローブは、溶液内に浮遊する細胞の電位をそのままの環境で測定でき、細胞への薬理効果を判定して薬剤のスクリーニングに用いることができる。
【書類名】明細書
【発明の名称】細胞電位測定プローブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞の活動によって発生する物理化学的変化を測定するために用いられる、細胞内電位あるいは細胞外電位等の細胞電位を測定するための細胞電位測定プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
細胞の電気的活動を指標にしながら薬理効果のある薬剤を候補薬剤からスクリーニングする従来の方法としてパッチクランプ法が知られている。パッチクランプ法は、微細な先端を持つ中空ガラス管を直接、細胞に搾入して細胞内外の電位差を測定する方法で(たとえば、Single channel currents recorded from membrane of denervated frog muscle fibers. Nature 260 : 799−802、Neher E & Sakmann B、1976)、これによって、細胞膜に存在するイオンチャネルの活動状態を精度よく測定できる。
【0003】
また、国際公開第02/055653号公報には、細胞の保持手段を有した基板およびこれに設けられた電極によって細胞外電位を測定する細胞外電位測定デバイスと方法が開示されている。この方法では、パッチクランプ法で得られるデータと同等の高品質なデータが得られ、簡易に高速で大量の試料を測定できる。
【0004】
図24は上記の細胞外電位測定デバイスの断面図である。容器50内に培養液51が入れられ、被験体細胞52は基板53に設けられた保持手段によって捕捉されて保持されている。この保持手段は基板53に形成された窪み54、開口部55、および窪み54に連絡する貫通孔56により構成されている。容器50の中には参照電極58が配置されている。貫通孔56の周辺にはセンシング手段である測定電極57が配置されており、測定電極57は配線を経て外部の信号検出部に連結されている。
【0005】
被験体細胞52は貫通孔56を通して外部から吸引ポンプなどの手段により吸引されて窪み54に密着して保持される。被験体細胞52の活動により発生する電気信号は容器50中の培養液51側に漏れることなく、貫通孔56に設けられた測定電極57と参照電極58との電位差として検出される。
【0006】
上述の従来のデバイスは、窪み54および貫通孔56が形成された基板53と、この上部に設けられた、培養液および薬液を投入・蓄積するための容器50を有している。よって、十分容量の大きい空間内に存在する溶液内の浮遊細胞をそのままの環境で測定することはできない。
【0007】
また、従来のデバイスでは、基板53によって隔てられた2つの領域、つまり被験体細胞52側の領域と、測定電極57側の領域とに互いに異なる種類の培養液や薬液をそれぞれ導入できない。
【発明の開示】
【0008】
細胞電位測定プローブは、底面を有する第1のキャビティが表面に形成されたプレートと、第1のキャビティ内に配置されたセンサ素子とを備える。第1のキャビティの底面に第2のキャビティが形成される。第2のキャビティに開口する第1の開口部とプレートの外部に開口する第2の開口部とを有する第1の流路がプレート内に形成される。センサ素子は、薄板と、薄板の周囲に設けられてプレートの第1のキャビティに配置された支持基板とを有する。薄板には第1の開口部と、プレートの第2のキャビティに連結する第2の開口部とを貫通する貫通孔が形成される。第1の流路は流体を流すことができ、吸引手段が流路の第2の開口部に接続されて第1の流路内を流れる流体を吸引できる。
【0009】
この細胞電位測定プローブは、溶液内に浮遊する細胞の電位をそのままの環境で測定できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明による細胞電位測定プローブは、溶液内に浮遊する細胞の電位をそのままの環境で測定でき、細胞への薬理効果を判定して薬剤のスクリーニングに用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における細胞電位測定プローブ1の斜視図である。図2は細胞電位測定プローブ1の分解斜視図である。図3は細胞電位測定プローブ1の断面斜視図である。図4は細胞電位測定プローブ1の拡大断面斜視図である。図5は細胞電位測定プローブ1の断面図である。図6は細胞電位測定プローブ1の要部拡大断面図である。細胞電位測定プローブ1は樹脂あるいはガラスなどの絶縁体よりなるプレート2とセンサ素子4から構成されている。プレート2の上面2Cにはキャビティ3が形成されており、キャビティ3の内部にはセンサ素子4がはめ込まれている。キャビティ3の底面3Aにはキャビティ6が形成されている。センサ素子4の下部にはキャビティ6が位置する。
【0012】
プレート2は成型プレート2Aと成型プレート2Aに貼り合わされた成型プレート2Bよりなり、容易に複雑な形状に形成できる。成型プレート2Bには溝の形状で流路10、11が形成される。成型プレート2Aには貫通孔の形状で開口部12、22が形成され、貫通孔の形状で互いに連結したキャビティ3、6が形成されている。
【0013】
キャビティ6にはプレート2の外部に通じる流路10、11のそれぞれの一方の開口部10A、11Aが連通している。流路10、11のそれぞれの他方の開口部12、22はプレート2の上面2Cに開口する。流路10、11の断面積は0.01mm以上であり、この寸法により流路10、11は詰まりにくく、容易に清掃できる。
【0014】
キャビティ6の下面6Aには、センサ素子4に向かってすなわちキャビティ6に向かって上方に突出する段差17が設けられ、これにより流路10、11の断面積とキャビティ6での開口部10A、11A近傍の断面積を調整することができ、測定溶液を流路10、キャビティ6、流路11でスムースに移動させることができる。
【0015】
センサ素子4はシリコンあるいはシリコンとシリコン酸化膜との積層体からなる支持基板7を備える。プレート2の上面2Cと同じ向きの支持基板7の上面7Aにはキャビティ5が設けられている。キャビティ5の底面5Aは薄板8で構成されている。薄板8には薄板8の上面8A(キャビティ5の底面5A)と上面8Aの反対側の薄板8の下面8Bとを連通する微小な孔径を有する貫通孔9が形成されている。貫通孔9の一方の開口部9Aはキャビティ5に開口し、他方の開口部9Bはプレート2内のキャビティ6に連通している。
【0016】
センサ素子4の支持基板7の下面7B、すなわち薄板8の下面8B上には白金、金、銀、塩化銀などからなる測定電極19が設けられている。測定電極19はワイヤ配線、薄膜電極などの引き出し電極を接続することにより、プローブ1の外部の測定器へ接続されて信号を検出することができる。
【0017】
キャビティ3にセンサ素子4を接着剤による接合することにより確実に固定でき、流路10、11、キャビティ6を満たす測定溶液の漏れを完全に防止できる。なお、センサ素子4は融着、超音波接合などの方法によってキャビティ3内に接合しても良い。
【0018】
図7は細胞電位測定プローブ1の斜視図である。流路10の開口部12にはチューブ24Aが接続され、流路11の開口部22にはチューブ24Bが接続されている。チューブ24Bは吸引手段13に接続され、チューブ24Aは容器15に接続されている。容器15と開口部12の間には必要に応じて測定溶液等の流体の流動を止めることができる弁23が設けられている。吸引手段13によってキャビティ6はキャビティ5より圧力を低く減圧雰囲気にできる。吸引手段13はダイヤフラムポンプ、シリンジポンプなど通常のポンプの他に人の口による吸引などにより実現できるが、特にこれらに限定されない。
【0019】
次に、細胞電位測定プローブ1を用いて細胞電位を測定する方法について説明する。
【0020】
図8は細胞電位測定プローブ1の使用方法を説明するための斜視図であり、細胞電位測定プローブ1が測定棒25に設置されている。測定棒25の一端25Aには細胞電位測定プローブ1が固定されている。測定棒25の内部には、流路10に接続されたチューブ24Aと流路11に接続されたチューブ24Bと、測定電極19と電気的に接続されている引き出し電極19Aが通り、測定棒25の他端25Bから外部に引き出されている。引き出し電極19Aは外部に設けられた測定器に接続され、測定信号を測定器に供給する。
【0021】
図9は細胞電位測定プローブ1の使用中の概念図であり、容器14に充填されている培養液21中に細胞電位測定プローブ1を設置された測定棒25が入れられている。培養液21中には被験体細胞20が浮遊している。容器14内では参照電極18が培養液21に接しており、容器14内の培養液21の電位を検出できる。細胞電位測定プローブ1は容器14内の培養液21内にセンサ素子4が位置するように設置されている。
【0022】
図10〜図14は細胞電位測定プローブ1を用いて細胞電位を測定する方法を説明するための断面図である。
【0023】
図10では、培養液21内のセンサ素子4の上部で被験体細胞20が浮遊している。
【0024】
次に、図11に示すように、弁23が閉じられて流路10、11およびキャビティ6は容器15と遮断されている。そして吸引手段13によってキャビティ6を減圧して、キャビティ5より圧力を低くする。これにより、キャビティ5に充填されている培養液21および被験体細胞20が貫通孔9へ引き込まれ、培養液21はキャビティ6へ流れ出す。被験体細胞20はその大きさが貫通孔9の断面積より大きいので貫通孔9を通り抜けることができず、貫通孔9の開口部9Aで保持される。培養液21はキャビティ6へ流れることにより測定電極19と接触し、キャビティ6内の電位を検出できる。この状態で、参照電極18と測定電極19との電位差および抵抗値・容量値などの電気的な測定を行うことができる。
【0025】
被験体細胞20が貫通孔9の開口部9Aに保持されると、培養液21はセンサ素子4により遮断されてキャビティ5内の部分21Aとキャビティ6内の部分21Bに分離し、参照電極18と測定電極19との間の抵抗値は上昇する。
【0026】
その後、さらに吸引手段13によりキャビティ6を減圧すると図12に示すように被験体細胞20の表面は貫通孔9の開口部9Aにさらに強く押しつけられ、単に保持されるより参照電極18と測定電極19との間の抵抗値は高くなる。このときの抵抗値は100MΩ以上、時には1GΩ以上となり、ギガシール(Giga−Seal)と呼ばれる状態となる。ギガシール状態において、被験体細胞20のイオンチャネル活動によって培養液21と被験体細胞20内との間でイオンの交換が行われると被験体細胞20の内部電位が変化する。内部電位の変位は参照電極18と測定電極19との電位差として検出できる。
【0027】
細胞20のイオンチャネル活動は培養液21に含まれる薬剤によって変化し、このイオンチャネル活動を参照電極18と測定電極19との電位差によって検出することによって薬剤が被験体細胞20に与える影響を知る、つまり、被験体細胞20に対する薬剤の薬理効果を判定できる。
【0028】
なお、参照電極18、測定電極19をそれぞれ貫通孔9の開口部9A、9B付近に設けることにより被験体細胞20の近傍で電位差を高精度に測定できる。
【0029】
細胞電位測定プローブ1は、培養液21に浮遊している細胞20を容易に捕捉しギガシール状態を形成できる。
【0030】
プレート2の上面2Cとセンサ素子4の支持基板7の上面7Aとを同一面とすることにより、図13に示すように、被験体細胞20を含む培養液21をセンサ素子4の支持基板7の上面7A上やキャビティ5内にプレートピペット等で直接供給できる。これにより、プレート2の上面2Cの上部より顕微鏡により細胞20を容易に観測できる。さらに、細胞20の周辺で発生する気泡を容易に除去でき、薬剤を確実に細胞20に投与できる。
【0031】
図12に示したギガシール状態で弁23を開くと、図14に示すように、容器15内にある測定溶液16が流路10およびキャビティ6へ引き込まれ、容器15は測定溶液16を流路10に注入する注入手段として機能する。流路11を吸引手段13により減圧することでキャビティ6の内部の培養液21の部分21Bは測定溶液16に置換えられる。測定溶液16として高いK+濃度の溶液を用いることで、被験体細胞20の電位変化をより正確に検出できる。
【0032】
貫通孔9の開口部9A、9Bの近傍に参照電極18および測定電極19を薄膜技術などによってそれぞれ形成することにより、被験体細胞20の電位変化を検出できる。
【0033】
図15は実施の形態1による他の細胞電位測定プローブ1Aの平面図である。流路110、111の少なくとも一部が曲がっている。これにより、流路110、111を流体が流れる際の抵抗が大きくなるので、一度キャビティ6内に進入した培養液21や測定溶液16が外部に漏れ出したり、外部より気泡が混入したりすることを防止できる。
【0034】
図16Aは細胞電位測定プローブ1Aの線16−16における拡大断面図である。貫通孔9のキャビティ5に開口する開口部9Aには貫通孔9の孔径より大きい径の窪み37Aが設けられており、被験体細胞20をより確実に捕捉できる。
【0035】
図16Bは実施の形態1によるさらに他の細胞電位測定プローブ1Bの拡大断面図である。細胞電位測定プローブ1Bでは、貫通孔9のキャビティ6に開口する開口部9Bに貫通孔9の孔径より大きな径の窪み37Bが設けられている。これにより、キャビティ6内の培養液21や測定溶液16の貫通孔9の開口部9B付近での流動性を安定させることができる。
【0036】
図16A、図16Bに示すように、段差117およびキャビティ6のエッジ部117A、6Bを曲面状に面取りすることにより測定溶液16をスムースに流すことができる。
【0037】
プレート2の材料である樹脂やガラスなどの絶縁性材料は可視光を透過させる透明性を有してもよい。これによりキャビティ6から貫通孔9の開口部9Bを顕微鏡で容易に観測でき、培養液21や測定溶液16のキャビティ6への進入状態や気泡の有無などを観察しながら細胞電位を測定できる。
【0038】
さらに、センサ素子4の薄板8も樹脂やガラスなどの可視光を透過させる透明な材料で形成してもよい、これにより、プレート2の下面から顕微鏡で被験体細胞20を観察できる。
【0039】
(実施の形態2)
図17は本発明の実施の形態2における細胞電位測定プローブ27の断面図である。図18は細胞電位測定プローブ27のセンサ素子29の拡大断面図である。実施の形態1と同じ部分は同じ参照符号を付して説明を省略する。
【0040】
細胞電位測定プローブ27はプレート28とセンサ素子29により構成されている。プレート28の上面28Cにはキャビティ83が形成され、キャビティ83の底面83Aにはキャビティ6が形成されている。キャビティ83にはセンサ素子29がはめ込まれている。センサ素子29は支持基板26を備える。支持基板26の下面26Bにキャビティ32が形成され、キャビティ32の底面32Aには薄板30が形成されている。薄板30には薄板30の上面30Aと下面30B(キャビティ32の底面32A)とを連通する貫通孔31が形成されている。貫通孔31の開口部31Aは薄板30の上面30A(支持基板26の上面26A)で開口して外方に通じている。貫通孔31の開口部31Bは薄板30の下面30Bで開口してキャビティ32およびキャビティ6に通じている。これにより貫通孔31はプレート28内に設けられたキャビティ6を介して流路10、11に通じている。必要に応じて薄板30の下面30B上に測定電極19が形成される。
【0041】
図19Aは細胞電位測定プローブ27の使用方法を説明するための断面図である。図19Bは図19Aに示す細胞電位測定プローブ27の拡大断面図である。図1に示す実施の形態1による細胞電位測定プローブ1と同様に、センサ素子29の支持基板26の上面26Aはプレート28の上面28Cと同一平面であり、凸凹がない。これにより、顕微鏡33で被験体細胞35をより接近して観察できる。顕微鏡33により観測しながらパッチプローブ34を被験体細胞35にアタッチさせることができる。これにより、一つの被験体細胞35から複数の部分におけるイオンチャネル活動を測定できる。例えば、薬剤を培養液36の中に投与したとき、細胞35の投与位置に近い部分35Aにアタッチさせたパッチプローブ34の電位と、細胞35の部分35Aより投与位置から遠い貫通孔31に捕捉された細胞35の部分35Bに近い測定電極19の電位が同時に得られ、細胞35でのイオンチャネル活動の部分35Aから部分35Bへの伝達状態を検出できる。
【0042】
なお、実施の形態1による細胞電位測定プローブ1のプレート2や支持基板7と同様に、細胞電位測定プローブ27のプレート28や薄板30を、可視光を透過させる透明性を有する材料で形成することで同様の効果が得られる。
【0043】
(実施の形態3)
図20は本発明の実施の形態3における細胞電位測定プローブ501の分解斜視図である。図21は細胞電位測定プローブ501の断面斜視図である。図22は細胞電位測定プローブ501の要部拡大断面図である。細胞電位測定プローブ501は樹脂あるいはガラスなどの絶縁体よりなるプレート502とセンサ素子504とウエルアレイ520から構成している。プレート502の上面502Cにはキャビティ503が形成され、キャビティ503の底面503Aにはキャビティ506が形成されている。キャビティ503にはセンサ素子504がはめ込まれている。キャビティ506はセンサ素子504の下部に位置している。
【0044】
キャビティ506には外方へ通じる流路509、510が設けられている。流路509はプレート502の上面502Cに設けた開口部511を有し、流路510はプレート502の上面502Cに設けた開口部518を有する。流路509、510はプレート502の外部と接続されている。予め成形された成型プレート502Aに、予め成型された成型プレート502Bを貼り合わせることで複雑な形状を有するプレート502が得られる。成型プレート502Bには溝の形状で流路509、510が形成される。成型プレート502Aには貫通孔の形状で開口部511、518が形成され、貫通孔の形状で互いに連結したキャビティ503、506が形成されている。
【0045】
センサ素子504は支持基板512と薄板507よりなり、図22に示すように、薄板507の下方(プレート502の上面502Cと反対側の下面512B側)にキャビティ505が設けられている。つまり、キャビティ505の底面505Aは薄板507で形成される。薄板507には上面507A(支持基板512の上面512A)と下面507Bを貫通する微小貫通孔508が設けられている。貫通孔508の、薄板507の上面507A(支持基板512の上面512A)に開口する開口部508Aに被験体細胞が保持される。貫通孔508の孔径は被験体細胞の大きさよりも小さいことが必要である。図16Aと同様に、貫通孔508の開口部508Aに貫通孔508の孔径より大きな径の窪みを設けることにより被験体細胞を安定して確実に保持できる。貫通孔508は薄板507の下面507B(キャビティ505の底面505A)でキャビティ505に開口する開口部508Bを有する。貫通孔508の開口部508Aはセンサ素子504の支持基板512の上面512Aに通じ、開口部508Bはキャビティ505を介してキャビティ506と連結している。この構造により、貫通孔508、キャビティ505、506を通って培養液、薬液などの液体が流動できる。
【0046】
センサ素子504では、薄板507が上部に位置する、すなわち支持基板512の上面512Aがプレート502の上面502Cと同一平面内に位置する。これに対し、図6に示す実施の形態1による細胞電位測定プローブと同様に、キャビティ505が支持基板512の上面512Aに形成されてもよい。
【0047】
プレート502の上面502A上には所定の容量を有し、培養液、薬液などの液体を投入したり、蓄えたり、循環させることができるウエルアレイ520が配置されている。ウェルアレイ520はウェル522、523、524が形成されている。ウェル522の下面522Aには流路509の開口部511に連結した貫通孔521Aが形成されている。ウエル523の下面523Aには、センサ素子504の薄板507に形成された貫通孔508に連結した貫通孔521Bが形成されている。ウエル524の下面524Aには、流路510の開口部518に連結した貫通孔521Cが形成されている。ウエル522、523、524の上面には培養液、薬液などの液体を投入する開口部522B、523B、524Bが設けられている。ウェル523には参照電極514が設けられている。流路510内にはプレート502の外部に繋がる測定電極515が設けられている。
【0048】
被験体細胞を含有した培養液をウエル523の開口部523Bから投入し、ウエル524の開口部524Bから吸引ポンプなどの吸引手段によって吸引する。これによって培養液は貫通孔508を通過し、その後キャビティ505、506、流路510および開口部518を通過することによりウエル524へ吸引される。または、ウエル522へ測定液または培養液を投入後、ウエル524から吸引することによって、流路509、510およびキャビティ505、506には十分な測定液または培養液が行き渡り、気泡が混入することが少なくなるため、測定をより正確に行いやすい。なお、この場合は、ウエル523に被験体細胞を投入する前に測定液を投入し、流路509,510内に測定液を十分行き渡らせたのちにウエル522の開口部522Bを閉じ、この後、被検体細胞をウエル523に投入してウエル524から測定液の吸引を行うことが望ましい。
【0049】
センサ素子504の貫通孔508が被験体細胞を通過させない孔径を有することで、被験体細胞は貫通孔508の開口部508Aで保持され、貫通孔508で保持された被験体細胞の電位を測定できる。実施の形態3では、薄板507には複数の貫通孔508が形成されており、これにより一度に複数の被験体細胞の電位を一括して測定できる。被験体細胞が全ての貫通孔508を塞ぐと、それ以外の被験体細胞はウエル523中にとどまる。これにより、培養液がキャビティ505に流入する量が少なくなり、貫通孔508の開口部508Aに被験体細胞が保持されたことを検知できる。この作業は培養液の流量を測定しながらウエル524での吸引力を制御することによって行うことができる。なお、この吸引動作はウエル522から行っても同じである。
【0050】
ウエル523の開口部523Bを閉じた後、ウエル522から薬液を投入してウエル524から吸引手段により吸引することによって薬液が貫通孔521Aを通過し、開口部511、流路509、キャビティ506、キャビティ505、流路510および開口部518を通過して、ウエル524へ吸引される。このとき、貫通孔508の開口部508Aでトラップされている被験体細胞に貫通孔508の開口部508Bから薬液が接触して、被験体細胞が薬液に反応する。反応したとき被験体細胞の電位を、ウェル523内の培養液に接触している参照電極514と、流路510内の薬液に接触している測定電極515とを介して測定できる。
【0051】
細胞電位測定プローブ501では、被験体細胞が存在する領域すなわちウェル523と測定電極515が存在する領域すなわち流路510にそれぞれ、培養液や薬液などの別の液体を導入できる。また、ウエル522とウエル524間で溶液を吸引させれば、キャビティ505,506内の溶液の種類を置換することが容易にできる。
【0052】
なお、ウエル520は三個のウエル522、523、524よりなり、これらを用いる方法を説明してきたが、被験体細胞を微小貫通孔508に保持した後、培養液の代わりにウエル523より薬液を投入して、細胞電位の測定を行うだけでよい場合は、2個のウエル(例えばウエル523とウエル524)だけで測定することができる。
【0053】
プレート502の上面502Cとウエルアレイ520の底面520Aに密着させることでプレート502をウェルアレイ520で確実に封止できるので、液漏れなどを確実に防止できる。
【0054】
ウエイアレイ520をプレート502と同じ材質で形成することでウエイアレイ520とプレート502の膨張係数の違いによる変形を防止でき、プレート502をウェルアレイ520でより確実に封止できる。
【0055】
ウエルアレイ520とプレート502をポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマーなどの熱可塑性樹脂で形成することにより、超音波融着やレーザ溶着によって確実な封止と高い生産性で細胞電位測定プローブ501を製造できる。
【0056】
ウエルアレイ520とプレート502をガラス、石英の材料で形成してもよい。これらの材料は鏡面研磨した表面同士であれば、接着剤を使わずに直接接合できる。あるいは、これら材料は耐熱性が高いため、ガラス接着剤やセラミック接着剤などの無機系接着材料で接合することができる。このように構成されたウエルアレイ520とプレート502は耐熱性に優れているため加熱洗浄による再利用が可能な細胞電位測定プローブ501が得られる。
【0057】
図21に示すように、ウエル522、523、524の下面522A、523A、524Aにそれぞれ形成された貫通孔521A、521B、521Cのうちの少なくとも貫通孔521Bを、ウェル523の開口部523Bに向かって広がる形状、すなわちセンサ素子504の貫通孔508に向かって狭まる形状に形成しても良い。これにより、ウエル523に投入する培養液や薬液などを速やかにセンサ素子504の貫通孔508へ浸透させることができる。
【0058】
図21に示すように、貫通孔521Bの大きさを、貫通孔508を形成した薄板507よりも大きくすることにより、貫通孔508へ被験体細胞を効率よく引き込むことができる。
【0059】
また、ウエルアレイ520には、被験体細胞を含む培養液を投入するウエル523と、薬液を投入するウエル522と、吸引手段に接続されたウエル524とが形成されている。これにより、プレート502の上面502Cに被験体細胞を容易に保持でき、薬液などを投入することが全てウエルアレイ520の上部より独立して行うことができるので測定の際に容易にプローブ501を操作できる。
【0060】
ウエル522の貫通孔521Aの大きさを流路509の開口部511より大きくし、ウエル524の貫通孔521Cの大きさを流路510の開口部518よりも大きくする。これにより、薬液などの液体を速やかに流路に導入することができ、高精度でばらつきの少ない細胞電位を測定できる細胞電位測定プローブ501が得られる。
【0061】
参照電極514がウエル523内の培養液に接する所定の位置に配置される。測定電極515が流路510内に設けられて流路510内の培養液あるいは薬液などの液体に接触する。これにより、培養液中における被験体細胞の細胞電位と薬液などの液体をウエル522またはウエル523より投入した後の被験体細胞の細胞電位の変化を測定できる。測定電極515はキャビティ505またはキャビティ506の近傍に設けても良い。
【0062】
参照電極514と測定電極515はワイヤ配線や薄膜電極などで形成でき、プローブ501の外部の測定器に接続されて電極からの信号を検出できる。
【0063】
次に、細胞電位測定プローブ501を用いて、細胞電位を測定する方法を説明する。
【0064】
まず、ウエル523には被験体細胞を含む培養液を投入し、次にウエル522またはウエル524から吸引手段により吸引することで被験体細胞はセンサ素子504の貫通孔508に保持される。ウエル523内に設けられて培養液に接触する参照電極514と、流路510内に設けられた測定電極515との間の抵抗値を測定する。電極514、515間の抵抗値は、吸引手段の吸引圧力を制御することにより、ウエル523に貯留された培養液と流路510内に貯留された培養液の間の抵抗値が100MΩ以上となる。参照電極514および測定電極515はAu、Ag、AgClなどの導電材料で構成することができ、培養液に接触させることで電気的接続が得られる。したがって、電極514、515が配置される位置は上記の位置に限定されない。
【0065】
次に、ウエル522内に薬液等の測定溶液を貯留してウエル524から吸引すると、流路509、キャビティ505、キャビティ506、流路510内の培養液を測定溶液で置換させることができる。これにより、細胞が存在するウエル523の領域と測定電極515が存在するキャビティ506の領域に、それぞれ別種類の培養液や測定溶液を容易に導入でき、より速く細胞電位を測定できる。
【0066】
ウエル522とウエル524の機能を逆にしても同様に細胞の電位が測定できる。
【0067】
ウエル522、523、524にバルブあるいは蓋を設けることにより、プローブ501での測定をより容易に制御できる。
【0068】
実施の形態3による他の細胞電位測定プローブ519である、複数の細胞電位測定プローブ501を用いた細胞電位測定プローブアレイ519について説明する。図23は実施の形態3による他の細胞電位測定プローブ519(細胞電位測定プローブアレイ519)の分解斜視図である。細胞電位測定プローブ501が4列×8列のマトリックス状に配置されている。ウェル522、523、524が複数のプレート520に対応する位置でそれぞれ形成された複数のウエルアレイ520は一括してウェルアレイユニット520Aとして作製できる。
【0069】
このように複数の細胞電位測定プローブ501が所定のフォーマットで並べられた細胞電位測定プローブアレイ519は、薬液注入・細胞投入・吸引などにロボットなどを利用することができるので、短時間で多数の被験体細胞の電位を測定でき、薬理効果を判断して候補薬剤を迅速にスクリーニングできる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明による細胞電位測定プローブは、溶液内に浮遊する細胞の電位をそのままの環境で測定でき、細胞への薬理効果を判定して薬剤のスクリーニングに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態1における細胞電位測定プローブの斜視図
【図2】実施の形態1における細胞電位測定プローブの分解斜視図
【図3】実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面斜視図
【図4】実施の形態1における細胞電位測定プローブの拡大断面斜視図
【図5】実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図
【図6】実施の形態1における細胞電位測定プローブの拡大断面図
【図7】実施の形態1における細胞電位測定プローブの斜視図
【図8】実施の形態1における細胞電位測定プローブの使用方法を説明するための斜視図
【図9】実施の形態1における細胞電位測定プローブの概念図
【図10】実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図
【図11】実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図
【図12】実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図
【図13】実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図
【図14】実施の形態1における細胞電位測定プローブの断面図
【図15】実施の形態1における他の細胞電位測定プローブの平面図
【図16A】図15に示す細胞電位測定プローブの拡大断面図
【図16B】実施の形態1によるさらに他の細胞電位測定プローブの拡大断面図
【図17】本発明の実施の形態2における細胞電位測定プローブの断面図
【図18】実施の形態2における細胞電位測定プローブの拡大断面図
【図19A】実施の形態2における細胞電位測定プローブの使用方法を説明するための断面図
【図19B】図19Aに示す細胞電位測定プローブの拡大断面図
【図20】本発明の実施の形態3による細胞電位測定プローブの分解斜視図
【図21】実施の形態3による細胞電位測定プローブの断面斜視図
【図22】実施の形態3による細胞電位測定プローブの拡大断面図
【図23】実施の形態3による細胞電位測定プローブアレイの斜視図
【図24】従来の細胞外電位測定プローブの断面図
【符号の説明】
【0072】
1 細胞電位測定プローブ
2 プレート
2A 成型プレート
2B 成型プレート
3 キャビティ(第1のキャビティ)
4 センサ素子
5 キャビティ(第3のキャビティ)
6 キャビティ(第2のキャビティ)
7 支持基板
8 薄板
9 貫通孔
10 流路(第2の流路)
10A 開口部(第1の開口部)
11 流路(第1の流路)
11A 開口部(第1の開口部)
12 開口部(第2の開口部)
13 吸引手段
15 容器(注入手段)
16 測定溶液
17 段差
18 参照電極(第1の電極)
19 測定電極(第2の電極)
20 被験体細胞
21 培養液
22 開口部(第2の開口部)
23 弁
26 支持基板
27 細胞電位測定プローブ
28 プレート
29 センサ素子
30 薄板
31 貫通孔
32 キャビティ
33 顕微鏡
34 パッチプローブ
35 被験体細胞
36 培養液
37A,37B 窪み
117 段差
501 細胞電位測定プローブ
502 プレート
503 キャビティ(第1のキャビティ)
504 センサ素子
505 キャビティ(第3のキャビティ)
506 キャビティ(第2のキャビティ)
507 薄板
508 貫通孔
509 流路(第2の流路)
510 流路(第1の流路)
511 開口部(第2の開口部)
512 支持基板
514 参照電極(第1の電極)
515 測定電極(第2の電極)
518 開口部(第2の開口部)
519 細胞電位測定プローブアレイ
520 ウエルアレイ
521A 貫通孔
521B 貫通孔
521C 貫通孔
522 ウエル
523 ウエル
524 ウエル

Claims (33)

  1. 吸引手段と共に用いられる細胞電位測定プローブであって、
    表面を有するプレートであり、底面を有する第1のキャビティが前記表面に形成され、前記第1のキャビティの前記底面に第2のキャビティが形成され、前記第2のキャビティに開口する第1の開口部と前記プレートの外部に開口する第2の開口部とを有する第1の流路が内部に形成された前記プレートと、
    前記第1のキャビティ内に配置されたセンサ素子と、
    を備え、
    前記センサ素子は
    第1面と前記第1面の反対側の第2面とを有し、前記第1面に開口する第1の開口部と、前記第2面に開口して前記プレートの前記第2のキャビティに連結する第2の開口部とを有する貫通孔が形成された薄板と、
    前記薄板の周囲に設けられて前記プレートの前記第1のキャビティに配置された支持基板と、
    を有し、
    前記第1の流路は流体を流すことができ、前記吸引手段は前記第1の流路の前記第2の開口部に接続されて前記第1の流路内を流れる流体を吸引できる細胞電位測定プローブ。
  2. 前記第1のキャビティの前記底面と前記センサ素子の前記薄板の前記第2面は同一面内にある、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  3. 前記センサ素子の前記支持基板は前記プレートの前記表面と同じ向きの第1面と前記プレートの前記第1のキャビティの前記底面上に配置された第2面とを有し、前記薄板の前記第1面上に第3のキャビティが形成される、請求項2に記載の細胞電位測定プローブ。
  4. 前記センサ素子の前記支持基板と前記プレートとは接合されている、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  5. 前記プレート内に、前記第2のキャビティに開口する第1の開口部と前記プレートの外部に開口する第2の開口部とを有する第2の流路がさらに形成された、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  6. 前記プレートの前記第2の流路の前記第2の開口部には前記第2の流路の前記第2の開口部から流体を注入する注入手段が接続される、請求項5に記載の細胞電位測定プローブ。
  7. 前記注入手段と前記第2の流路との間に弁が設けられる、請求項6に記載の細胞電位測定プローブ。
  8. 前記第2の流路の断面積は0.01mm以上である、請求項5に記載の細胞電位測定プローブ。
  9. 前記第2の流路の、少なくとも一部が曲がっている、請求項5に記載の細胞電位測定プローブ。
  10. 前記プレートは、前記第1の流路と前記第2の流路との間に設けられて前記第2のキャビティに向かって突出する段差を有する、請求項5に記載の細胞電位測定プローブ。
  11. 前記第1の流路の断面積は0.01mm以上である、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  12. 前記第1の流路の少なくとも一部が曲がっている、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  13. 前記センサ素子の前記貫通孔の前記第1の開口部と前記第2の開口部の両側の領域にそれぞれ電極を設けた請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  14. 前記センサ素子の前記薄板には、前記薄板の前記貫通孔の前記第1の開口部と前記第2の開口部のうちの少なくとも1つに前記薄板の前記貫通孔の径より大きな径を有する窪みが形成された、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  15. 前記プレートは可視光を透過する材料で形成された、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  16. 前記センサ素子の前記薄板は可視光を透過する材料で形成された、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  17. 前記プレートは前記第2のキャビティに向かって突出する段差を有する、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  18. 前記プレートの前記表面と前記センサ素子の前記薄板の前記第1面は同一面内にある、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  19. 前記センサ素子の前記支持基板は前記プレートの前記表面と同じ向きの第1面と前記プレートの前記第1のキャビティの前記底面上に配置された第2面とを有し、前記薄板の前記第2面上に第3のキャビティが形成される、請求項18に記載の細胞電位測定プローブ。
  20. 開口部と底面とをそれぞれ有する第1のウエルと第2のウエルと第3のウエルが形成されたウエルアレイをさらに備え、
    前記第1のウェルの前記底面には前記第1の流路の前記第2の開口部に連結した貫通孔が形成され、
    前記第2のウェルの前記底面には前記センサ素子の前記薄板の前記貫通孔に連結した貫通孔が形成され、
    前記第3のウェルの前記底面には前記第2の流路の前記第2の開口部に連結した貫通孔が形成された、請求項1に記載の細胞電位測定プローブ。
  21. 前記第2のウエルの前記貫通孔は前記センサ素子の前記薄板の前記貫通孔に向かって狭まる形状を有する、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  22. 前記第2のウエル内に配置された第1の電極と、
    前記第3のウエル内と前記第1の流路内のうちの一方に配置された第2の電極と、
    をさらに備えた、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  23. 前記第2のウエルに被験体細胞を含む流体が投入され、
    前記第3のウェルには前記被験体細胞との反応を検査する流体が投入され、
    前記第1のウェルには前記吸引手段が接続される、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  24. 前記第2のウエルは前記センサ素子の前記薄板の前記第1面上に配置された、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  25. 前記第2のウエルの前記貫通孔は前記薄板の外形より大きい、請求項24に記載の細胞電位測定プローブ。
  26. 前記第1のウエルの前記貫通孔は前記第1の流路の前記第2の開口部より大きい、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  27. 前記第3のウエルの前記貫通孔は前記第2の流路の前記第2の開口部より大きい、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  28. 前記ウェルアレイは、前記第1のウェルの前記貫通孔と前記第2のウェルの前記貫通孔と前記第3のウェルの前記貫通孔とが開口し、前記プレートの前記表面と同一面内にある底面を有する、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  29. 前記ウエルアレイは前記プレートと同じ材質で形成された、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  30. 前記プレートと前記ウエルアレイはガラスまたは石英で形成された、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  31. 前記プレートと前記ウエルアレイはポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、またはシクロオレフィンコポリマーで形成された、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  32. 前記プレートと前記ウエルアレイは熱可塑性樹脂で形成された、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
  33. 複数の開口部が形成された別のプレートと、
    前記別のプレートの前記複数の開口部と同じ方向に開口する貫通孔が形成された別の薄板を有する別のセンサ素子と、
    をさらに備え、
    前記ウエルアレイには、前記別のプレートの前記複数の開口部と前記センサ素子の前記貫通孔とにそれぞれ連結する貫通孔が形成された底面をそれぞれ有する複数の別のウェルアレイがさらに形成された、請求項20に記載の細胞電位測定プローブ。
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