JPWO2006016576A1 - 食品内水分移行抑制用油脂組成物及びこれを使用した食品 - Google Patents
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Abstract
この発明は、低水分成分が高水分成分と接触しても、水分の移動を阻止する能力が極めて高い油脂組成物及びこれを使用した食品の提供を目的とする。油脂中に1,2−位飽和、3−位不飽和グリセリド(SSU)を15重量%以上含有、好ましくは50重量%未満含有し、1,3−位飽和、2−位不飽和グリセリド(SUS)を50重量%未満含有する、食品内水分移行抑制用油脂組成物である。反応モノグリセリド、ソルビタントリステアレート、アセチル化蔗糖脂肪酸エステルの内、少なくとも1種類以上を含に、油脂以外の固形分をさらに含む油脂組成物である。また、低水分領域と高水分領域との間に食品内水分移行抑制用油脂組成物が存在してなる食品である。
Description
この発明は、食品内水分移行抑制用油脂組成物及びこれを使用した食品に関する。
焼き菓子のような水分含量の低い食品とカスタードクリームやフルーツフィリングといった水分含量の高い食品との組み合わせ食品は、その食感と風味のコントラストから和洋生菓子の分野等では多岐にわたる商品が存在し、嗜好性の高い食品形態である。しかしながら、製造後時間の経過とともに水分がこれら異なる素材間を移行することにより、特に低水分素材の「パリパリ」、「サクサク」した食感的特徴が失われ、商品価値が低下することが問題となる。
このような水分含量の異なる複数の食品素材の組み合わせからなる複合食品において、素材間の水分の移行を抑制するコーティング素材として油脂を基材とするものがいくつか提案されている。
例えば、特許文献1、特許文献2では、水分移行抑制効果を得るために油脂に食用ワックスを加えることを開示しているが、ワックスは高融点のものが多く、作業時に油脂組成物を高温に加熱する必要があり、油脂そのものの風味的、物性的な品質に好ましくない影響を及ぼしかねない。また、一般的にワックスには高価なものが多く、十分な効果を得るためには価格的な制約が生じる。
特許文献3では温度に対する油脂の粘度について規定しているが、冷蔵温度域でも流動性を有することから、長期間にわたる流通段階を想定した場合、転倒、振動などにより油脂連続層が破壊され十分な水分抑制効果を維持することが困難である。
特許文献4、特許文献5は冷凍域における水分移行抑制効果を発揮するものであり、凍結温度よりも高い冷蔵あるいは常温域では十分な効果があまり期待できない。
特許文献6では連続相が水性であり、長期間にわたる効果的な水分抑制効果は期待しづらい。
特許文献4、特許文献5は冷凍域における水分移行抑制効果を発揮するものであり、凍結温度よりも高い冷蔵あるいは常温域では十分な効果があまり期待できない。
特許文献6では連続相が水性であり、長期間にわたる効果的な水分抑制効果は期待しづらい。
特許文献7、特許文献8はSSUを一定比率含有する、非テンパリング、非トランス酸、非ラウリン酸系油脂を製菓用途に利用することを開示しているが、水分移行抑制効果については述べられていない。
US5130150
EP1080643
US5518744
特許第3022259号
特開平10−179027
特開2004−97148
特開平6−14717
特開平5−211837
この発明は、低水分領域が高水分領域と接触しても、水分の移動を阻止する能力が極めて高い油脂組成物及びこれを使用した食品の提供を目的とする。
この発明は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、非対称トリグリセリドを含む油脂に特異的に水分移行を防止する機能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は油脂中に1,2−位飽和、3−位不飽和グリセリド(SSU)を15重量%以上含有、好ましくは50重量%未満含有し、1,3−位飽和、2−位不飽和グリセリド(SUS)を50重量%未満含有する、食品内水分移行抑制用油脂組成物である。反応モノグリセリド、ソルビタントリステアレート、アセチル化蔗糖脂肪酸エステルの内、少なくとも1種類以上を含に、油脂以外の固形分をさらに含む油脂組成物である。また、低水分領域と高水分領域との間に食品内水分移行抑制用油脂組成物が存在してなる食品である。
本発明にかかわる食品内水分移行抑制用油脂組成物は、SSUとSUSをそれぞれ一定比率の範囲で含有する油脂を用いることにより、高水分領域と低水分領域を併せ有する食品が、冷蔵及び常温温度域において低水分成分の水分上昇が抑制され、食品本来の良好な歯障り、噛み応え等の食感を維持することができる。
まず、この発明における油脂組成物とその製法につき説明する。
本発明の油脂組成物は、油脂中に1,2−位飽和、3−位不飽和グリセリド(SSU)(以下SSU型トリグリセリドと示す)を15重量%以上、1,3−位飽和、2−位不飽和グリセリド(SUS)(以下SUS型トリグリセリドと示す)を50重量%未満含有するものである。
SSU型トリグリセリドとしては、PPO(1,2−ジパルミトイル、3−オレオイルグリセリン)、PStO(1−パルミトイル、2−ステアロイル、3−オレオイルグリセリン)、StStO(1,2−ジステアロイル、3−オレオイルグリセリン)などが例示できる。
また、SUS型トリグリセリドとしては、POP(1,3−ジパルミトイル、2−オレオイルグリセリン)、POSt(1−パルミトイル、2−オレオイル、3−ステアロイルグリセリン)、StOSt(1,3−ジステアロイル、2−オレオイルグリセリン)などが例示できる。
また、SUS型トリグリセリドとしては、POP(1,3−ジパルミトイル、2−オレオイルグリセリン)、POSt(1−パルミトイル、2−オレオイル、3−ステアロイルグリセリン)、StOSt(1,3−ジステアロイル、2−オレオイルグリセリン)などが例示できる。
SSU型トリグリセリドは油脂中に15重量%以上含有することが必要である。15重量%未満では均一で緻密な油脂組成物の層を形成することができず、良好な水分移行抑制機能を付与することができない。また、SUS型トリグリセリドの含有量は50重量%未満である。このSUS型トリグリセリド含量が50重量%以上になると結晶多形現象が顕著に生じるため、安定した油脂組成物の層の状態、ひいては良好な水分抑制機能を付与することが困難となる。
また、上記油脂組成物に反応モノグリセリド、ソルビタントリステアレート、アセチル化蔗糖脂肪酸エステルを添加することで良好な水分移行抑制機能を付与することができる。この場合これら添加物は油脂組成物に対し、15重量%以下で用いることが好ましい。15重量%を超えて使用する場合、食した際の風味への影響が顕著になるとともに、コスト的にも高価となるため、好ましくない。なお反応モノグリセリド中には約40重量%のジグリセリドが含まれる。また、反応モノグリセリド、ソルビタントリステアレート、アセチル化蔗糖脂肪酸エステルは油脂組成物に対し、0.05重量%以上あることが好ましい。0.05重量%未満の場合、水分移行抑制機能の効果が発揮されにくくなる。
次に、油脂組成物の製法について説明する。
本発明の油脂組成物に用いる油脂の原料は特に限定されるものではなく、飽和酸を主成分とした油脂とオレイン酸を主成分とした油脂の組み合わせ、飽和酸とオレイン酸を含有する油脂単独または組み合わせ、飽和酸を主成分とした油脂とオレイン酸またはオレイン酸エステルの組み合わせを原料として、酵素(リパーゼ)または金属触媒を用いてエステル交換反応を行ったエステル交換反応油またはその分別油由来のものが例示できるが、酵素を用いてエステル交換反応を行った場合、原料油脂が高融点になるため、溶剤を用いたり、反応温度を高くする必要があり、ナトリウムメトキシド等の金属触媒を用いたエステル交換を行う方が、コスト的にも工程的にも有効である。さらに必要に応じてヘキサン、アセトン等の有機溶媒を用いて高融点および/または低融点部分を分別除去して、本発明に使用する油脂が得られる。
本発明の油脂組成物に用いる油脂の原料は特に限定されるものではなく、飽和酸を主成分とした油脂とオレイン酸を主成分とした油脂の組み合わせ、飽和酸とオレイン酸を含有する油脂単独または組み合わせ、飽和酸を主成分とした油脂とオレイン酸またはオレイン酸エステルの組み合わせを原料として、酵素(リパーゼ)または金属触媒を用いてエステル交換反応を行ったエステル交換反応油またはその分別油由来のものが例示できるが、酵素を用いてエステル交換反応を行った場合、原料油脂が高融点になるため、溶剤を用いたり、反応温度を高くする必要があり、ナトリウムメトキシド等の金属触媒を用いたエステル交換を行う方が、コスト的にも工程的にも有効である。さらに必要に応じてヘキサン、アセトン等の有機溶媒を用いて高融点および/または低融点部分を分別除去して、本発明に使用する油脂が得られる。
油脂組成物を構成する油脂は、上記の要件を満たされる限りどのような油脂を使用してもよく、例えば菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム核油、椰子油、シア脂、サル脂、カカオ脂、等の植物性油脂、乳脂、牛脂、ラード、魚油等の動物性油脂等の油脂を用いることができる。
以上の油脂組成物は、水分移行防止機能を有する食品用の低水分領域と高水分領域間バリヤーとして機能することができる。油脂組成物は、油脂そのものであってもよくあるいはコーティングチョコレート等他の固形物を含む形態でも使用でき、任意の風味、色調を付与することが可能である。
この出願における他の発明のひとつは、低水分領域と高水分領域の間に前記の油脂組成物が介在している食品である。
前記の油脂組成物の使用方法としては食品原料である低水分領域または高水分領域に対して、塗布、噴霧、浸漬、上掛け等、従来油脂を用いて行われてきた手段で容易に行うことができる。
本発明で言う高水分領域と低水分領域は、複合食品中の使用食品の相対的水分の高低により定まるが、概して低水分領域としては、ソフトクリームのコーンカップ、モナカ皮、アーモンドナッツ、ピーナッツ等のナッツ類、コーンフレーク等のシリアルフレーク、シリアルパフ、クッキーやプレッツェルといった焼き菓子類、フライ衣、パイ生地、パン、パン粉等を例示でき、高水分領域としては野菜、果実、ナマチョコレート、ソフトクリーム、カスタードクリーム、ジャム、フィリング類、マヨネーズ、ドレッシング、ソース類やフライ食品に用いられるいわゆる種材(フライ種)等を例示できる。
低水分領域と高水分領域の間に前記油脂組成物を介在させる方法としては、予め前記油脂組成物にて一方の成分を被覆したものを他方の成分と混合ないしは接触させるのが一般的であるが、例えば包餡装置を用いて、内材、前記油脂組成物、外材組成物を三層状に押し出す方法等も可である。
かくして得られる、高水分領域と低水分領域及びその間に油性成分を介在させた本願の食品は、冷蔵、常温温度域で保存しても、これらの領域間での水分移行が抑制され全体として良好な価値を有する食品が製造できる。
以下に実施例及び比較例を挙げてこの発明を更に具体的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限定されない。なお、例示中、部及び%はいずれも重量基準を意味する。
(油脂の作製)
大豆極度硬化油(沃素価0.5)と高オレイン酸ヒマワリ油(沃素価85.0)とを1:1にてナトリウムメトキシドを触媒としてエステル交換した反応油を得、この反応油より高融点及び低融点部を溶剤分別により除去した中融点画分を得た(収率36%)。このものの組成はSSU=46.7%、SUS=26.7%であり(Sは飽和脂肪酸残基、Uは不飽和脂肪酸残基を表す)、沃素価34.5であった。
大豆極度硬化油(沃素価0.5)と高オレイン酸ヒマワリ油(沃素価85.0)とを1:1にてナトリウムメトキシドを触媒としてエステル交換した反応油を得、この反応油より高融点及び低融点部を溶剤分別により除去した中融点画分を得た(収率36%)。このものの組成はSSU=46.7%、SUS=26.7%であり(Sは飽和脂肪酸残基、Uは不飽和脂肪酸残基を表す)、沃素価34.5であった。
(測定方法)
(1)トリグリセリド組成;高速液体クロマトグラフ(カラム:ODS、溶離液:アセトン/アセトニトリル=80/20、液量:0.9ml/分、カラム温度:25℃、検出器:示差屈折形)で測定した。
(2)対称型、非対称型トリグリセリド組成:薄層クロマトグラフ(プレート:硝酸銀薄層プレート、展開溶媒:ヘキサン/トルエン/ジエチルエーテル=42/50/8、検出器:デンシトメータ
(1)トリグリセリド組成;高速液体クロマトグラフ(カラム:ODS、溶離液:アセトン/アセトニトリル=80/20、液量:0.9ml/分、カラム温度:25℃、検出器:示差屈折形)で測定した。
(2)対称型、非対称型トリグリセリド組成:薄層クロマトグラフ(プレート:硝酸銀薄層プレート、展開溶媒:ヘキサン/トルエン/ジエチルエーテル=42/50/8、検出器:デンシトメータ
(評価方法)
直径63mmの円形に切り取ったTOYO No.2濾紙に完全融解した実施例1の油脂を0.7g滴下し、これを60℃恒温機内で30分保温し、濾紙全体に油脂を染み込ませ油脂膜を作製した。これを20℃にて1時間保持し油脂を固化させた後、40%硫安水溶液50gを入れた内径60mmのプラスチック樹脂製容器の上面に蓋として密閉、固定した。
直径63mmの円形に切り取ったTOYO No.2濾紙に完全融解した実施例1の油脂を0.7g滴下し、これを60℃恒温機内で30分保温し、濾紙全体に油脂を染み込ませ油脂膜を作製した。これを20℃にて1時間保持し油脂を固化させた後、40%硫安水溶液50gを入れた内径60mmのプラスチック樹脂製容器の上面に蓋として密閉、固定した。
これをデシケーター内に入れ、さらにこのデシケーターごと25℃の恒温器に保存し、上記油脂膜を通過する水蒸気の量を硫安水溶液の重量減少により測定した。
水分減少率=(保存前の重量−保存後の重量)÷ 保存前の重量×100
2日後の水分減少率を測定したところ、0.09%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ0.30%であった。
水分減少率=(保存前の重量−保存後の重量)÷ 保存前の重量×100
2日後の水分減少率を測定したところ、0.09%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ0.30%であった。
実施例2として、実施例1で用いた油脂80重量%とパームスーパーオレイン(沃素価68.0)20重量%とからなる混合油を用いる他は実施例1と同様にして2日後の水分減少率を測定したところ、0.10%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ0.36%であった。このときの混合油の組成はSSU=38.4%、SUS=25.0%であった。
〔比較例1〕
比較例1として、濾紙に油脂を塗布しない他は実施例1と同様にして2日後の水分減少率を測定したところ、12.23%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、30.60%であった。
比較例1として、濾紙に油脂を塗布しない他は実施例1と同様にして2日後の水分減少率を測定したところ、12.23%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、30.60%であった。
〔比較例2〕
比較例2として、実施例1の油脂をテンパリング型ハードバター(不二製油製、製品名「メラノNEWSS7」)に置き換え、完全融解後32℃にてシード剤(不二製油製、製品名「チョコシードA」)を0.5%添加、混合してテンパリング処理を行なった後、これを0.7g滴下し、32℃恒温機内で30分保温し、濾紙全体に油脂を染み込ませ油脂膜を作製した。これを20℃にて1時間保持し油脂を固化させた後、40%硫安水溶液50gを入れた内径60mmのプラスチック樹脂製容器の上面に蓋として密閉、固定した。後の操作は実施例1と同様にして、2日後の水分減少率を測定したところ、0.20%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、0.75%であった。この油脂の組成はSSU=3.8%、SUS=85.3%であった。
比較例2として、実施例1の油脂をテンパリング型ハードバター(不二製油製、製品名「メラノNEWSS7」)に置き換え、完全融解後32℃にてシード剤(不二製油製、製品名「チョコシードA」)を0.5%添加、混合してテンパリング処理を行なった後、これを0.7g滴下し、32℃恒温機内で30分保温し、濾紙全体に油脂を染み込ませ油脂膜を作製した。これを20℃にて1時間保持し油脂を固化させた後、40%硫安水溶液50gを入れた内径60mmのプラスチック樹脂製容器の上面に蓋として密閉、固定した。後の操作は実施例1と同様にして、2日後の水分減少率を測定したところ、0.20%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、0.75%であった。この油脂の組成はSSU=3.8%、SUS=85.3%であった。
〔比較例3〕
比較例3として、実施例1の油脂を大豆油(不二製油製、製品名「大豆白絞め油」)に置き換える他は実施例1と同様にして、2日後の水分減少率を測定したところ、0.93%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、3.23%であった。
比較例3として、実施例1の油脂を大豆油(不二製油製、製品名「大豆白絞め油」)に置き換える他は実施例1と同様にして、2日後の水分減少率を測定したところ、0.93%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、3.23%であった。
〔比較例4〕
比較例4として、実施例1の油脂を対称型エステル交換油脂(不二製油製、製品名「アモファ10」、SUS=58.6%、SSU=0.9%、沃素価70.0)に置き換える他は実施例1と同様にして、2日後の水分減少率を測定したところ、1.63%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、4.21%であった。
比較例4として、実施例1の油脂を対称型エステル交換油脂(不二製油製、製品名「アモファ10」、SUS=58.6%、SSU=0.9%、沃素価70.0)に置き換える他は実施例1と同様にして、2日後の水分減少率を測定したところ、1.63%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、4.21%であった。
実施例3として、実施例1の油脂にパルミチン酸反応モノグリセリド(理研ビタミン社製、商品名「ポエムP−200」を2%添加し、完全溶解して作製した油脂組成物を実施例1と同様にして、2日後の水分減少率を測定したところ、0.08%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、0.24%であった。
実施例4として、実施例1の油脂にアセチル化蔗糖脂肪酸エステル(第一工業製薬社製、商品名「DKエステルFA10E」を2%添加し、完全溶解して作製した油脂組成物を実施例1と同様にして、2日後の水分減少率を測定したところ、0.09%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、0.26%であった。
実施例5として、実施例1の油脂にソルビタントリステアリン酸エステル(理研ビタミン社製、商品名「ポエムS65V」を2%添加し、完全溶解して作製した油脂組成物を実施例1と同様にして、2日後の水分減少率を測定したところ、0.10%であった。さらに7日後の水分減少率を測定したところ、0.26%であった。
実際の組み合わせ食品では、評価作業が煩雑で得られる効果に振れが出やすく、結果が得られるまでに長い時間を要するため、以下に記述するモデル系による方法を用いた。
実施例6として、実施例1の油脂を60℃で完全融解の後ピーナツに塗布し、20℃1日固化後、25℃、相対湿度90%の恒温恒湿機に保存し、経時的水分含量の変化を測定した。なお半割れのピーナツ20粒に対し油脂を1.2g塗布した。油脂を塗布する前のピーナツの水分含量は1.9%、保存4日後の水分含量は6.7%であった。
実施例6として、実施例1の油脂を60℃で完全融解の後ピーナツに塗布し、20℃1日固化後、25℃、相対湿度90%の恒温恒湿機に保存し、経時的水分含量の変化を測定した。なお半割れのピーナツ20粒に対し油脂を1.2g塗布した。油脂を塗布する前のピーナツの水分含量は1.9%、保存4日後の水分含量は6.7%であった。
〔比較例5〕
比較例5として、油脂を塗布しない以外は実施例6と同様に行った。油脂を塗布する前のピーナツの水分含量は1.9%、保存4日後の水分含量は12.4%であった。
比較例5として、油脂を塗布しない以外は実施例6と同様に行った。油脂を塗布する前のピーナツの水分含量は1.9%、保存4日後の水分含量は12.4%であった。
〔比較例6〕
比較例6として、実施例1の油脂に変えて比較例2で用いた硬化油(不二製油製、製品名「メラノH1000」)をピーナツに塗布する以外は実施例6と同様に行った。油脂を塗布する前のピーナツの水分含量は1.9%、保存4日後の水分含量は9.2%であった。
比較例6として、実施例1の油脂に変えて比較例2で用いた硬化油(不二製油製、製品名「メラノH1000」)をピーナツに塗布する以外は実施例6と同様に行った。油脂を塗布する前のピーナツの水分含量は1.9%、保存4日後の水分含量は9.2%であった。
〔比較例7〕
比較例7として、実施例1の油脂に変えて比較例5で用いた硬化油(不二製油製、製品名「メラノF1100」)をピーナツに塗布する以外は実施例6と同様に行った。油脂を塗布する前のピーナツの水分含量は1.9%、保存4日後の水分含量は9.1%であった。
比較例7として、実施例1の油脂に変えて比較例5で用いた硬化油(不二製油製、製品名「メラノF1100」)をピーナツに塗布する以外は実施例6と同様に行った。油脂を塗布する前のピーナツの水分含量は1.9%、保存4日後の水分含量は9.1%であった。
Claims (5)
- 油脂中に1,2−位飽和、3−位不飽和グリセリド(SSU)を15重量%以上含有し、1,3−位飽和、2−位不飽和グリセリド(SUS)を50重量%未満含有する食品内水分移行抑制用油脂組成物。
- 油脂中に1,2−位飽和、3−位不飽和グリセリド(SSU)を15重量%以上、50重量%未満含有し、1,3−位飽和、2−位不飽和グリセリド(SUS)を50重量%未満含有する食品内水分移行抑制用油脂組成物。
- 反応モノグリセリド、ソルビタントリステアレート、アセチル化蔗糖脂肪酸エステルの内、少なくとも1種類以上を含む請求項1記載の油脂組成物。
- 油脂以外の固形分をさらに含む請求項1記載の油脂組成物。
- 低水分領域と高水分領域との間に請求項1記載の油脂組成物が存在してなる食品。
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