JPWO2006013692A1 - パルス信号復調装置 - Google Patents

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Abstract

パルス信号を光信号に変換して伝送する光伝送システムにおいて、パルス信号を正確に復調することができるパルス信号復調装置を提供する。光電気変換部(31)は、受信した光信号を電気信号に変換し、受信信号として出力する。受信波形情報算出部(33)は、短パルス信号が光信号に変換され、光電気変換部(31)によって受信信号に変換されるまでに生じる歪みが反映した短パルス信号の波形の形状に関する情報を受信波形情報として出力する。テンプレート信号発生部(34)は、受信波形情報と、受信信号に同期した同期信号とに基づいて、受信信号に生じている歪みに類似した歪みが反映された波形を有し、かつ受信信号に同期したテンプレート信号を生成する。相関部(32)は、光電気変換部によって変換された受信信号と、テンプレート信号との波形の相関を求めることによって、パルス信号を復調する。

Description

本発明は、パルス信号を伝送するシステムに用いられ、受信したパルス信号を復調する復調装置に関し、より特定的には、パルス信号を光信号に変換して伝送するシステムに用いられる復調装置に関する。
近年、短パルス信号を用いて超広帯域の通信を行うウルトラワイドバンド(UWB)方式が注目されている。本方式は、幅が短いパルスを用いてスペクトルを拡散することにより、単位周波数あたりの送信電力を抑え、他の信号との共存を可能にする。UWB方式に関する研究開発は、主に、近距離での無線伝送の分野で盛んに進められているが、一部では、有線または光伝送の分野でも検討が開始されている。
特許文献1には、UWB方式で用いられる短パルス信号を復調する復調装置が記載されている。図14は、特許文献1に記載されている従来の復調装置の構成を示す図であり、図15は、図14に示す復調装置の主要部から出力される信号の波形を示す図である。なお、図14に示す(a)〜(c)および(e)は、それぞれ図15(a)〜(c)および(e)に示す信号が、矢印の方向に出力されることを示す。
図14に示す復調装置300は、図示しない送信装置と無線で接続され、送信装置から送信されてくる無線信号を復調する。復調装置300は、相関部320と、テンプレート信号発生部340と、同期部350とを含む。
復調装置300は、受信した無線信号を受信信号として相関部320に入力する。図15(a)は、相関部320に入力される受信信号(短パルス信号)の波形を示す図である。
テンプレート信号発生部340は、後述する同期部350から出力される同期信号と、ホッピングパターンとに基づいて、テンプレート信号を発生し、相関部320に出力する。ホッピングパターンは、例えば、図15(b)に示すようなパターンであって、受信すべきパルスが存在するタイミングを示す。
図15(c)は、テンプレート信号発生部340から出力されるテンプレート信号の波形を示す図である。テンプレート信号は、受信信号に類似した波形を有し、かつ受信信号に同期した信号である。
相関部320は、受信信号の波形とテンプレート信号の波形との相関値を求めることによって受信信号を復調し、受信データとして出力する。図15(d)は、相関部320が求めた相関値を示す図であり、図15(e)は、相関部320から出力される受信データを示す図である。
相関部320は、求めた相関値が正の閾値(例えば0.5)以上の場合、データ“1”と識別する。一方、相関部320は、求めた相関値が負の閾値(例えば−0.5)以下の場合、データ“0”と識別する。また、相関部320は、求めた相関値が正の閾値以上でも負の閾値以下でもない場合、パルスなしと識別する。例えば、受信信号の波形とテンプレート信号の波形とが完全に一致する場合、相関部320が求める相関値は+1となる。一方、受信信号の波形とテンプレート信号の波形とが完全に逆相の場合、相関部320が求める相関値は−1となる。
同期部350は、受信信号に同期する同期信号をテンプレート信号発生部340に出力する。また、同期部350は、データ“1”の場合の相関値が最大となるように、同期信号の位相を調整する。
なお、通常は、スペクトルを効果的に拡散させるために、擬似的なランダムパターンに基づいてビット周期内のパルス位置をビット毎に変化させる時間ホッピングが行われるが、図15では、説明の簡単のため、ビット周期内のパルス位置は一定であるものとして示している。
以上のように、復調装置は、受信信号とテンプレート信号との相関値を求めることによって、無線を介して受信する短パルス信号を復調することができる。
特表平11−504480号公報
従来の復調装置において生成されるテンプレート信号は、送信装置から送信される信号と同じ波形を有する。しかしながら、信号を伝送する際に、伝送路において信号の波形に歪みが発生すると、受信信号を正確に復調することができない。例えば、データ“1”と復調されるべき信号は、テンプレート信号の波形と完全に一致するはずであるが、受信信号の波形に歪みが発生すると、テンプレート信号との間で求める相関値の絶対値が低下してしまう。
その結果、相関部によって求められる相関値の絶対値が低下するため、復調したデータにおける誤り率が増大してしまう。このように、従来の復調装置は、波形歪みが発生した短パルス信号を正確に復調することができない。また、波形歪みが発生した信号を正確に復調できないという問題は、短パルス信号を復調する場合に限られず、例えばRZ信号のような他のパルス信号を復調する場合にも生じ得る。
したがって、例えば、送信すべきパルス信号を光信号に変換して伝送する場合、光伝送路には、光伝送路に特有の波形劣化要因が存在することを考慮してパルス信号を復調しなければならない。しかしながら、従来の復調装置が生成するテンプレート信号は、光信号に生じる波形歪みが考慮されたものではないため、従来の復調装置を光伝送システムに適用した場合、パルス信号を正確に復調することができない。
それゆえに、本発明の目的は、パルス信号を光信号に変換して伝送する光伝送システムにおいて、パルス信号を正確に復調することができるパルス信号復調装置を提供することである。
本発明は、光信号に変換されたパルス信号を光伝送路を介して受信し、復調するパルス信号復調装置であって、受信した光信号を電気信号に変換し、受信信号として出力する光電気変換部と、パルス信号が光信号に変換され、光電気変換部によって受信信号に変換されるまでに生じる歪みが反映したパルス信号の波形の形状に関する情報を受信波形情報として出力する受信波形情報算出部と、受信波形情報算出部から出力された受信波形情報と、受信信号に同期した同期信号とに基づいて、受信信号に生じている歪みに類似した歪みが反映された波形を有し、かつ受信信号に同期したテンプレート信号を生成するテンプレート信号発生部と、光電気変換部から出力された受信信号と、テンプレート信号発生部によって生成されたテンプレート信号との波形の相関を求めることによって、パルス信号を復調する相関部とを備える。
これにより、パルス信号を光伝送する際に、光信号に波形歪みが生じても、受信信号に生じる歪みに類似した歪みが反映された波形を有するテンプレート信号を生成することができる。これにより、受信信号とテンプレート信号とに基づいて相関値を求める場合に、相関値の絶対値が低下することがない。したがって、パルス信号を正確に復調することができる。
好ましくは、受信波形情報算出部は、光信号の送信時の波形と、光伝送路の情報とに基づいて受信波形情報を生成するとよい。
これにより、光信号の送信時の波形に基づいて、光伝送路において光信号に発生してしまう歪み等を反映させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、光信号の波形や光伝送路の特性に応じたテンプレート信号を生成することができる。
パルス信号は、ビットレートをヘルツに読み替えた場合の周波数帯域よりも大きい幅の周波数帯域を占有する短パルス信号であってもよい。
一例として、受信波形情報算出部は、パルス信号に生じる歪みのうち、当該パルス信号のスペクトルのピーク周波数の整数倍に相当する周波数成分と、当該ピーク周波数成分の振幅および位相を受信波形情報として出力し、テンプレート信号発生部は、ピーク周波数を有する正弦波信号と、当該ピーク周波数の整数倍の周波数を有する正弦波信号とを生成する複数の正弦波発生部と、複数の正弦波発生部によって生成された正弦波信号の振幅および位相を、受信波形情報に基づいてそれぞれ調整する複数の振幅位相調整部と、複数の振幅位相調整部によって振幅および位相が調整された正弦波信号を合波する合波部とを含む。
これにより、受信信号に生じた高調波歪みを反映させたテンプレート信号を生成することが出いる。したがって、相関値の絶対値を低下させることなく、パルス信号を正確に復調することができる。また、信号のピーク周波数成分と、その整数倍の周波数成分に基づいてテンプレート信号を生成するため、例えば、任意波形発生器を用いてテンプレート信号を生成する場合に比べ、低速な部品でテンプレート信号発生部を構成することができる。したがって、パルス信号復調装置を安価に構築することができる。
また、テンプレート信号発生部は、さらに、受信すべきパルスのタイミングを示すホッピングパターンに基づいて、合波部によって合波された信号を通過させ、テンプレート信号を発生させるマスク部を含んでいてもよい。
これにより、多重伝送されてきた信号を復調することができる。
また、パルス信号は、RZ信号であってもよい。
一例として、受信波形情報算出部は、パルス信号に生じる歪みのうち、当該パルス信号のスペクトルのピーク周波数の整数倍に相当する周波数成分と、当該ピーク周波数成分の振幅および位相を受信波形情報として出力し、テンプレート信号発生部は、ピーク周波数を有する正弦波信号と、当該ピーク周波数の整数倍の周波数を有する正弦波信号とを生成する複数の正弦波発生部と、複数の正弦波発生部によって生成された正弦波信号の振幅および位相を、受信波形情報に基づいてそれぞれ調整する複数の振幅位相調整部と、複数の振幅位相調整部から出力された正弦波信号を合波する合波部と、合波部によって合波された正弦波信号の最小値が“0”となるようにバイアスを加算し、テンプレート信号として出力するバイアス部とを含む。
これにより、受信信号に生じた高調波歪みを反映させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、相関値の絶対値を低下させることなく、パルス信号を正確に復調することができる。また、信号のピーク周波数成分と、その整数倍の周波数成分に基づいてテンプレート信号を生成するため、例えば、任意波形発生器を用いてテンプレート信号を生成する場合に比べ、低速な部品でテンプレート信号発生部を構成することができる。したがって、パルス信号復調装置を安価に構築することができる。
また、光伝送路の情報は、光信号を送出する送信器に用いられる半導体レーザまたは光変調器のチャープパラメータと、光信号の波長における光伝送路の総分散量とを含み、受信波形情報算出部は、光信号の送信時の波形とチャープパラメータとに基づいて送信光スペクトルを算出し、当該送信光スペクトルと光伝送路の総分散量とに基づいて受信光スペクトルを算出し、当該受信光スペクトルに基づいて電気信号に変換された受信信号スペクトルを算出し、受信波形情報として出力してもよい。
これにより、光信号におけるチャープの影響と、光伝送路における波長分散の影響とを反映させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、光伝送路上で波長分散による波形歪が生じた場合においても、パルス信号を正確に復調することができる。
また、相関部は、求めた相関値を受信波形情報算出部に出力し、受信波形情報算出部は、光伝送路の情報を変動させて受信波形情報を生成し、相関部によって求められた相関値が最大となる時の値に光伝送路の情報を設定してもよい。
これにより、相関値が最大となる値に、光伝送路の情報を設定することができる。したがって、光伝送路の情報が不明である場合においても、光伝送路の情報を推定し、最適な値に設定することができる。
相関部は、受信信号とテンプレート信号とを乗算する乗算部と、乗算部によって乗算された信号を1ビット分の期間において積分する積分部と、積分部によって積分された信号を識別し、識別した値を出力する識別部とを含んでいてもよい。
これにより、高速ディジタル回路を用いることなく相関部を構成することができる。したがって、パルス信号復調装置を安価に構築することができる。
また、一例として、信号に変換されたテスト用のパルス信号が送信され、受信波形情報算出部は、光電気変換部から出力されるテスト用のパルス信号の波形に基づいて、受信波形情報を生成する。
これにより、実際に受信した受信信号に基づいて、受信信号における歪みを反映させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、波形情報を算出するための情報を予めメモリに格納しておく必要がない。また、例えば、複数の波形劣化要因によって信号の波形に歪みが生じる場合、受信波形情報を算出するために複雑な計算をする必要がない。
また、パルス信号の送信時の波形と、光伝送路の情報とを保持する記憶部を備えていてもよく、さらに、パルス信号の送信時の波形および光伝送路の情報を入力する入力部を備え、記憶部は、入力部から入力されたパルス信号の送信時の波形および光伝送路の情報を記憶することとしてもよい。
これにより、受信波形情報算出部が受信波形情報を算出するために用いるパルス信号の送信時の波形と、光伝送路の情報とを容易に変更することができる。したがって、伝送距離等の個々の条件の相違に対して柔軟に対応することができる。
本発明によれば、パルス信号を光信号に変換して伝送する光伝送システムにおいて、パルス信号を正確に復調することができるパルス信号復調装置が提供される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパルス信号復調装置30が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示す相関部32の構成例を示すブロック図である。 図3は、受信波形情報の算出手順の具体例を示す図である。 図4は、第1の実施形態の変形例に係るパルス信号復調装置30aが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。 図5は、図4に示す受信波形情報算出部33aの動作を示すフローチャートである。 図6は、本発明の第2の実施形態に係るパルス信号復調装置30bが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。 図7は、第2の実施形態の変形例に係るパルス信号復調装置30cが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。 図8は、本発明の第3の実施形態に係るパルス信号復調装置30dが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。 図9は、図8に示すパルス信号復調装置30dの主要部から出力される信号の波形をシミュレーションにより求めた結果を示す図である。 図10は、本発明の第4の実施形態に係るパルス信号復調装置30が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。 図11は、第4の実施形態の変形例に係るパルス信号復調装置30eが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。 図12は、図11に示すパルス信号復調装置30eの主要部から出力される信号の波形を示す図である。 図13は、本発明の第5の実施形態に係るパルス信号復調装置30fが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。 図14は、ウルトラワイドバンド通信方式に用いられる従来の復調装置の構成を示すブロック図である。 図15は、図14に示す従来の復調装置の主要部から出力される信号の波形および相関値を示す図である。
符号の説明
10 送信装置
11 送信パルス発生部
12 電気光変換部
13 RZ変調部
20 光伝送路
30、300 パルス信号復調装置
31 光電気変換部
32、320 相関部
33 受信波形情報算出部
34、340 テンプレート信号発生部
35 記憶部
36 入力部
411、422、423 正弦波発生部
421、422、423 振幅位相設定部
43 合波部
44 マスク部
45 バイアス部
51 乗算部
52 積分部
53 識別部
350 同期部
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパルス信号復調装置30が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。光伝送システムは、送信装置10と、パルス信号復調装置30とを含む。送信装置10とパルス信号復調装置30とは、光伝送路20を介して接続される。
送信装置10は、ウルトラワイドバンド(UWB)通信方式に用いられる短パルス信号を光信号に変換し、光伝送路20を介してパルス信号復調装置30に送信する。UWB通信方式に用いられる短パルス信号は、ビットレートをヘルツに読み替えた場合の周波数帯域よりも大きい幅の周波数帯域を占有する。パルス信号復調装置30は、光伝送路20を介して送信されてくる光信号を受信すると、当該光信号を電気信号に変換し、復調する。
図1において、送信装置10は、送信パルス発生部11と、電気光変換部12とを含む。パルス信号復調装置30は、光電気変換部31と、相関部32と、受信波形情報算出部33と、テンプレート信号発生部34とを含む。
送信パルス発生部11は、パルス信号復調装置30に送信すべき送信データを変調し、短パルス信号に変換し、送信信号として電気光変換部(E/O)12に出力する。電気光変換部12は、送信パルス発生部11から出力される送信信号を光信号に変換し、光伝送路20に送出する。電気光変換部12によって変換された光信号は、光伝送路20を伝送し、パルス信号復調装置30の光電気変換部(O/E)31に入力される。
光電気変換部31は、光伝送路20を介して送信装置10から送信されてきた光信号を電気信号に変換し、受信信号として相関部32に出力する。
受信波形情報算出部33は、送信波形情報と光伝送路の仕様とに基づいて、受信信号に生じ得る歪みを反映させた送信信号の波形を算出し、算出した波形の形状に関する情報を、受信波形情報としてテンプレート信号発生部34に出力する。送信波形情報は、送信パルス発生部11から出力される送信信号におけるパルスの形状に関する情報である。送信波形情報は、例えば、パルス幅や振幅で表される。また、光伝送路の仕様は、光伝送路の特性を示す情報である。光伝送路の仕様は、例えば、送信装置10とパルス信号復調装置30とを接続する光伝送路20の長さ、または、光伝送路20の材質や構造等の性質を示す情報である。送信波形情報および光伝送路の仕様は、受信波形情報算出部33に入力される。
送信信号が光信号に変換されて光伝送路20を伝送し、パルス復調装置の光電気変換部31によって受信信号に変換される間に、信号の波形に歪みが生じる。受信波形情報は、受信信号に生じる歪みを反映させた送信信号の波形の形状に関する情報である。受信波形情報は、例えば、パルス幅や振幅で表される。以下、光信号に生じる歪みの原因と、受信波形情報算出部33が生成する受信波形情報とについて具体的に説明する。
送信装置10の電気光変換部12によって変換された光信号が、光伝送路20を伝送する間に波長分散の影響を受けると、光信号の波形に歪みが発生する場合がある。波長分散とは、パルス信号が光伝送路中を伝搬する際に、パルス信号に含まれる異なる光周波数成分の遅延時間がばらつき、波形に広がりが生じてしまう現象をいう。この場合、パルス信号復調装置30の光電気変換部31から出力される受信信号の波形に歪みが生じてしまう。
また、光電気変換部31に入力される光信号は、強度変調だけではなく、電気光変換部12において、電気信号を光信号に変換するために用いられる半導体レーザまたは光変調器で生じる付加的な位相変調を受けている。光信号が受ける付加的な位相変調の大きさは、半導体レーザまたは光変調器のチャープパラメータによって決定される。チャープパラメータとは、半導体レーザや光変調器で生じる位相変調と強度変調の大きさの比率を示すパラメータである。付加的な位相変調を受けることによって、光信号のスペクトルが広がるため、前述した波長分散によって生じる受信信号波形の歪みがより顕著になる。
したがって、光信号に波長分散による歪みが発生する場合、受信波形情報算出部33に入力される光伝送路の仕様は、光信号の波長における光伝送路20の総分散量と、半導体レーザのチャープパラメータとを含む。なお、総分散量は、光信号の波長における光伝送路20の波長分散と伝送距離の積から求められるため、光伝送路の仕様は、総分散量の変わりに、波長分散、および伝送距離に関する情報を含んでいてもよい。受信波形情報算出部33は、入力された送信波形情報、波長分散および伝送距離の積で与えられる総分散量と、チャープパラメータとに基づいて、受信波形情報を生成する。なお、好ましくは、光伝送路の仕様は、さらに、半導体レーザのスロープ効率と、光電気変換部31の変換効率とを含むとよい。これにより、求める受信波形情報の精度を向上させることができる。
図3は、受信波形情報の算出方法を具体的に説明するための図である。以下、図3を参照して、本実施形態に係る受信波形情報の算出方法について説明する。なお、図3では、送信波形情報61が、送信信号(電気信号)の波形に関する情報を含み、光伝送路の仕様62が、スロープ効率、チャープパラメータ、波長分散、伝送距離、光電気変換部31の変換効率(O/E変換効率)とを含む場合を例に説明する。
まず、送信波形情報61が示す送信信号の波形I(t)およびスロープ効率の積から送信光強度波形63を求める。また、このとき、送信信号の波形I(t)と、チャープパラメータαとから、次に示す数式1によって送信光位相波形φ(t)64を算出する。
Figure 2006013692
次に、送信光強度波形63と送信光位相波形64とから、送信光波形65の実数成分および虚数成分を求める。そして、求めた送信光波形65の実数成分および虚数成分に基づき、フーリエ変換によって送信光スペクトル66を算出する。続いて、送信光スペクトル66と、波長分散および伝送距離の積により求められる総分散量67とに基づいて、各光周波数成分の遅延量を求め、受信光スペクトル68を算出する。そして、逆フーリエ変換により受信光強度波形70を求める。最後に、受信光強度波形70および変換効率の積により求められる受信信号波形(電気)を、受信波形情報71としてテンプレート信号発生部34に出力する。
テンプレート信号発生部34は、受信信号を復調するためのテンプレート信号を生成し、相関部32に出力する。テンプレート信号発生部34には、図示しないホッピングパターン生成部によって生成されたホッピングパターンと、図示しない同期信号生成部によって生成された同期信号とが入力される。ホッピングパターンは、受信すべきパルスの存在するタイミングを示すものであり、同期信号は、受信信号に同期する信号である。テンプレート信号発生部34は、受信波形情報算出部33から出力される受信波形情報と、ホッピングパターンと、同期信号とに基づいて、テンプレート信号を生成する。
まず、テンプレート信号発生部34は、受信波形情報に基づいて信号を発生させる。このときに発生される信号は、受信信号に生じている歪みに類似した歪みが反映された波形を有する。そして、テンプレート信号発生部34は、同期信号に基づいて、相関部32に入力される受信信号に同期するように、生成した信号を相関部32に出力する。このとき、テンプレート信号発生部34は、ホッピングパターンが示すパターンに合致するように、生成した信号を出力する。例えば、テンプレート信号発生部34は、ホッピングパターンが“1”である場合には信号を出力し、逆に、ホッピングパターンが“0”である場合には信号を出力しない。これにより、受信信号に生じている歪みに類似した歪みが反映された波形を有し、かつ受信信号に同期したテンプレート信号が相関部32に入力される。
なお、本発明において、同期信号は、受信信号に同期する信号であればよく、この同期信号を生成するための手段は問わない。例えば、任意波形発生器を用いて同期信号を生成してもよい。
相関部32は、光電気変換部31から出力された受信信号と、テンプレート信号発生部から出力されたテンプレート信号との相関値を求めることによって、受信信号を復調し、受信データとして外部に出力する。まず、相関部32は、受信信号波形A(t)と、テンプレート信号波形B(t)とから、以下に示す数式2によって相関値Rを算出する。
Figure 2006013692
なお、受信信号波形A(t)と、テンプレート信号波形B(t)とは、以下に示す数式3を満たすように規格化されているものとする。
Figure 2006013692
相関部32は、数式2から求めた相関値が正の所定値(例えば、0.5)以上である場合には“1”と識別し、数式2から求めた相関値が負の所定値(例えば、−0.5)以下であれば“0”と識別する。また、相関部32は、数式2から求めた相関値が、正の所定値以上でもなく、負の所定値以下でもない場合、パルスなしと識別する。
図2は、相関部32の詳細な構成の一例を示すブロック図である。図2において、相関部32は、乗算部51と、積分部52と、識別部53とを有する。
乗算部51は、受信信号とテンプレート信号を乗算し、得られた乗算値を積分値52に出力する。
積分部52は、乗算部51から出力された乗算値を1ビット分の期間(ビット周期)内において積分し、得られた積分値を識別部53に出力する。積分部52から出力される積分値は、数式2から求められる相関値に相当する。
識別部53は、積分部52から出力された相関値を識別し、当該相関値が正の所定値以上であるか、または負の所定値以上であるか否かを判断する。
なお、図2に示す相関部32の構成は一例である。相関部32の構成は、相関値を求めることができるものであればよく、上記の構成に限られない。例えば、相関部32は、ディジタル数値演算によって、数式2の演算を行う構成であってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、短パルス信号を光伝送する際に、波形に歪みが生じた場合においても、受信信号に生じる歪みに類似した歪みが反映された波形を有するテンプレート信号を生成することができる。これにより、受信信号とテンプレート信号とに基づいて相関値を求める場合に、相関値の絶対値が低下することがない。したがって、短パルス信号を正確に復調することができる。
なお、本実施形態において、光伝送路の仕様は、図示しない入力部を介して受信波形情報算出部に入力されていた。ここで、受信波形情報算出部は、光伝送路の仕様に関する情報を予め記憶していてもよい。また、受信波形情報算出部は、光伝送路をモニタすることによって、光伝送路の仕様を取得してもよい。例えば、送信装置10からテスト用のパルス信号を送信し、パルス信号復調装置において、受信したテスト用のパルス信号の振幅や周波数成分が、送信時のパルス信号と比較してどのように変化しているかを検出することで光伝送路の仕様を算出することもできる。なお、光伝送路をモニタする方法はこれ以外の方法であってもよいが、本発明の本質には直接関連しないため、詳細な説明を省略する。
(第1の実施形態の変形例)
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。本変形例に係るパルス信号復調装置は、光伝送路の仕様を算出する点で、光伝送路の仕様が予め設定されていた第1の実施形態に係るパルス信号復調装置と相違する。
図4は、本変形例に係るパルス信号復調装置30aが適用される光伝送システムの構成を示す図である。光伝送システムは、送信装置10と、パルス信号復調装置30aとを含む。送信装置10とパルス信号復調装置30aとは、光伝送路20を介して接続される。
パルス信号復調装置30aは、光電気変換部31と、相関部32aと、受信波形情報算出部33aと、テンプレート信号発生部34とを含む。第1の実施形態に係るパルス信号復調装置30と比較すると、本変形例に係るパルス信号復調装置30aは、受信波形情報算出部33aおよび相関部32aの動作が異なる。それ以外の構成要素は、第1の実施形態と同様であるため、図1と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、送信パルス発生部11、電気光変換部12の機能も第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
相関部32aは、光電気変換部31から出力された受信信号と、テンプレート信号発生部から出力されたテンプレート信号との相関値を求める。相関部32aは、求めた相関値を受信波形情報算出部33aに出力する。また、相関部32aは、復調した受信データを外部に出力する。
受信波形情報算出部33aは、テンプレート信号発生部34に出力する受信波形情報を変化させ、相関部32aから出力される相関値が最大となるように、光伝送路の仕様を決定する。そして、受信波形情報算出部33aは、送信波形情報と、決定した光伝送路の仕様とに基づいて受信波形情報を生成し、テンプレート信号発生部34に出力する。
光伝送路の仕様が最適な値に近づくにつれ、テンプレート信号発生部34から出力されるテンプレート信号の波形が受信信号の波形に近づいていくため、相関部32が求める相関値が大きくなっていく。したがって、たとえば、光信号に波長分散による歪みが発生する場合、チャープパラメータおよび総分散量の値を相関値が最大となるような値に設定すればよい。以下、光信号に波長分散による歪みが発生する場合を例に説明する。
図5は、図4に示す受信波形情報算出部33aの動作を示すフローチャートである。以下、図5を参照しながら、光伝送路の仕様がチャープパラメータおよび総分散量からなる場合を例に、光伝送路の仕様を推定する手順について説明する。
まず、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータの値がとり得る範囲において、チャープパラメータの設定値iをN個用意し、チャープパラメータをα(i=0,1,・・・,N−1)とする。同様に、総分散量の値がとり得る範囲において設定値kをM個用意し、総分散量をD(k=0,1,・・・,M−1)とする。
そして、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータの設定値i=0とし、相関値RX=0とする(ステップS101)。そして、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータの値をαに設定する(ステップS102)。
受信波形情報算出部33aは、総分散量の設定値k=0、チャープパラメータαにおける相関値RR=0とする(ステップS103)。そして、受信波形情報算出部33aは、総分散量の値をDに設定し(ステップS104)、その時の相関値Rを相関部32aに測定させる(ステップS105)。
そして、受信波形情報算出部33aは、相関部32aによって算出された相関値Rがチャープパラメータの設定値iにおける相関値RRよりも大きいか否かを判断する(ステップS106)。相関値Rがチャープパラメータの設定値iにおける相関値RRよりも大きい場合、受信波形情報算出部33aは、総分散量Dにおける相関値Rの値を、チャープパラメータの設定値iにおける相関値RRに代入する(ステップS107)。また、受信波形情報算出部33aは、このときのkの値を設定値aに代入し、設定値aを記憶する。
一方、相関値Rがチャープパラメータの設定値iにおける相関値RRよりも小さい場合、受信波形情報算出部33aは、総分散量の設定値kに1を加算し(ステップS108)、総分散量の設定値kが、総分散量の設定値の個数Mよりも小さいか否かを判断する(ステップS109)。総分散量の設定値kが、総分散量の設定値の個数Mよりも小さい場合、受信波形情報算出部33aは、ステップS104の動作に戻り、総分散量Dにおける相関値Rを相関部32aに測定させる。
一方、総分散量の設定値kが、総分散量の設定値の個数Mに等しい場合、受信波形情報算出部33aは、記憶した設定値aにおける総分散量DをEに代入し、記憶する。このように、受信波形情報算出部33aは、総分散量の値をD〜DM−1と変化させ、その時の相関値R〜RM−1を相関部32aに測定させる。そして、DからDM−1までの全ての値に対して相関値の測定が終了すると、この範囲における相関値の最大値RRを求め、その時の総分散量をEとして記憶する。
次に、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータの設定値iにおける相関値RRが相関値RXよりも大きいか否かを判断する(ステップS111)。チャープパラメータの設定値iにおける相関値RRが相関値RXよりも大きい場合、チャープパラメータの設定値iにおける相関RRの値を相関値RXに代入する(ステップS112)。また、受信波形情報算出部33aは、このときのiの値を設定値bに代入し、設定値bを記憶する。そして、受信波形情報算出部33aは、ステップS113の動作に進む。
一方、ステップS111において、チャープパラメータの設定値iにおける相関値RRが相関値RXよりも小さい場合、受信波形情報算出部33aは、ステップS113の動作に進む。
ステップS113において、受信波形情報算出部33aは、iの値に1を加算し、iの値がチャープパラメータの設定値の個数Nよりも小さいか否かを判断する(ステップS114)。iの値がチャープパラメータの設定値の個数Nよりも小さい場合、受信波形情報算出部33aは、ステップS102の動作に戻る。
一方、iの値がチャープパラメータの設定値の個数Nに等しい場合、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータをαに、総分散量をEに設定する(ステップS115)。
以上のように、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータの設定値i=1〜N−1の全ての場合に対し、チャープパラメータをαに設定して、ステップS102〜S114の動作を繰り返し、それぞれの場合について相関値の最大値RRiとその時の総分
散量Eとを求める。最後に、受信波形情報算出部33aは、RRの最大値RRと、これに対応するチャープパラメータαおよび総分散量Eを求める。そして、受信波形情報算出部33aは、計算に用いるチャープパラメータおよび総分散量をαおよびEに設定し、光伝送路の仕様の推定を終了する。
なお、チャープパラメータおよび総分散量の目安となる概略値が分かっており、これらの概略値を微調整するだけでよい場合、チャープパラメータおよび総分散量の設定値の範囲を狭くすればよい。逆に、チャープパラメータおよび総分散量の値が全く分からない場合、チャープパラメータおよび総分散量の設定値の範囲を広くすればよい。また、チャープパラメータおよび総分散量のうち、一方の値が分かっている場合、既知である一方の値を固定し、他方の値を変化させることによって、値を推定すればよい。
なお、ここでは波長分散の影響について述べたが、他の波形劣化要因(半導体レーザや光変調器の入出力特性の非線形性など)が無視できない場合、適宜その影響を考慮し、受信波形を算出するとよい。
また、本変形例では、総分散量とチャープパラメータとに基づき、受信波形情報を算出する場合を例に説明した。ここで、スロープ効率と、光電気変換部の変換効率とが光伝送路の仕様に含まれる場合、これらの値は、目安となる概略値を事前に把握することが可能であるため、受信波形情報算出部に予め入力しておくとよい。
以上のように、本変形例によれば、光伝送路の仕様の仕様が不明である場合においても、相関値が最大となるように光伝送路の仕様を決定することができる。これにより、パルス信号復調装置が受信する光信号に歪みが発生している場合であっても、光信号と同様の歪みを発生させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、相関値の絶対値を高く維持することができるため、パルス信号を正確に復調することができる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係るパルス信号復調装置30bが適用される光伝送システムの構成を示す図である。図6に示す光伝送システムは、送信装置10と、パルス信号復調装置30bとを含む。送信装置10とパルス信号復調装置30bとは、光伝送路20を介して接続される。
図6において、本実施形態に係るパルス信号復調装置30bは、図1に示す第1の実施形態に係るパルス信号復調装置30と比較すると、さらに記憶部35を備える点で相違する。図6において、図1と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
記憶部35は、送信波形情報と、光伝送路の仕様とを記憶する。受信波形情報算出部33は、記憶部35からこれらの情報を読み出し、受信波形情報を算出する。このように、本実施形態によれば、製造時に、送信波形情報および光伝送路の仕様を記憶部に予め記憶させておくことができる。
また、パルス信号復調装置は、さらに送信波形情報および光伝送路の仕様を入力するための入力部を備えていてもよい。図7は、本実施形態に係るパルス信号復調装置の他の構成例を示す図である。図7に示すパルス信号復調装置30cは、図6に示すパルス信号復調装置30bと比較すると、さらに入力部36を備える点で相違する。図7において、図1と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
入力部36は、例えば、キーボードやタッチパネル等の入力装置であって、送信波形情報や光伝送路の仕様等の情報の入力を受け付ける。また、入力部36は、USB(Universal Serial Bus)やGPIB(General Purpose Interface Bus)等の、外部機器へ接続するためのインターフェースを用いてパルス信号復調装置へ情報を入力するための入力手段であってもよい。記憶部35は、入力部36から入力された情報を記憶する。これにより、記憶部35が保持する送信波形情報や光伝送路の仕様などの情報を書き換えることが可能となる。
光伝送において、波長分散を補償する従来の方法としては、光伝送路と逆の波長分散特性を有する分散補償用光部品(分散補償光ファイバ等)を挿入する方法がある。しかしながら、一般的に、光部品の波長分散量は、固定的な値であることが多い。したがって、同方法を用いる場合、伝送距離等の設置条件が異なると、個別に分散補償用光部品の最適設計を行う必要がある。これに対し、図7の構成では、入力部36を用いることにより、パルス信号復調装置30cを設置する際に、個々の使用条件に応じた適切な送信波形情報および光伝送路の仕様を入力することができる。すなわち、入力する光伝送路の仕様を変更するだけで他の部分を変更する必要がなく、同一の構成で異なる設置条件に対応することができる。また、運転開始後に経年劣化等で光伝送路(半導体レーザ等)の特性が変動しても、適切な光伝送路の仕様を再度入力することができる。
以上のように、パルス信号復調装置が記憶部および入力部をさらに備えることにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、かつ個々の使用条件に応じた、より柔軟な運用が可能となる。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係るパルス信号復調装置30dが適用される光伝送システムの構成を示す図である。図8に示す光伝送システムは、送信装置10と、パルス信号復調装置30dとを含む。送信装置10とパルス信号復調装置30dとは、光伝送路20を介して接続される。
図8において、本実施形態に係るパルス信号復調装置30dは、光電気変換部31と、相関部32と、受信波形情報算出部33dと、テンプレート信号発生部34dとを含む。本実施形態に係るパルス信号復調装置30dが含むテンプレート信号発生部34dは、第1の実施形態におけるテンプレート信号発生部34の具体的構成例の一つである。図8において、図1と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、送信パルス発生部11、電気光変換部12の機能も第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、図8に示す(a)〜(h)は、後述する図9(a)〜(h)に示す信号が、矢印の方向に出力されることを示す。
テンプレート信号発生部34dは、複数の正弦波発生部411〜413と、複数の振幅位相設定部421〜423と、合波部43と、マスク部44とを有する。
受信波形情報算出部33dは、図示しない入力部から入力される光伝送路の仕様と送信波形情報とに基づいて受信波形情報を生成する。本実施形態において、受信波形情報算出部33dが受信波形情報を算出する方法は、基本的には、第1の実施形態と同様であるが、受信波形情報算出部33dが、算出した受信信号のスペクトルのピーク周波数成分、およびその整数倍の周波数成分のみを扱う点で、第1の実施形態と相違する。受信波形情報算出部33dは、算出した受信信号のスペクトルのうち、受信信号スペクトルのピーク周波数fの成分と、その整数倍の周波数成分の振幅および位相とを、受信波形情報として第1〜第3の振幅位相設定部421〜423に出力する。
図9は、図8に示す光伝送システムの主要部から出力される信号の波形をシミュレーションによって求めた例を示す図である。なお、計算条件は、光信号の波長が1.55μm、電気光変換部12のチャープパラメータが2.5であり、シングルモード光ファイバで40kmの距離を光伝送した場合を想定している。以下、図8および図9を参照しながら、各部の機能について説明する。
図9(a)は、送信パルス発生部11から出力される送信信号のパルスを示す図であり、図9(b)は、光電気変換部31から出力される受信信号の波形である。図9(a)に示す送信信号は、電気光変換部12によって光信号に変換され、光伝送路20を伝送する間に、図9(b)に示すような歪みが生じる。
図8に示す正弦波発生部411〜413は、それぞれピーク周波数fおよびその整数倍の周波数の正弦波を発生し、第1〜第3の振幅位相設定部421〜423に出力する。ここで、正弦波発生部411〜413は、ピーク周波数fと、その2倍および3倍周波数とを発生させる場合を例に説明する。また、正弦波発生部411〜413が発生するそれぞれの正弦波は、同期信号に同期させる。第1の実施形態と同様に、同期信号は受信信号に同期していればよく、発生手段は問わない。
図9(c)は、第1の振幅位相設定部421が出力する信号の波形を示す図である。正弦波発生部411は、図9(a)に示す送信信号のピーク周波数fの正弦波を発生し、第1の振幅位相設定部421に出力する。第1の振幅位相設定部421は、受信波形情報算出部33dから出力される受信波形情報に基づいて、正弦波発生部411から出力される周波数fの正弦波の振幅および位相を調整する。
具体的には、第1の振幅位相設定部421は、受信波形情報算出部33dから受信波形情報として出力される周波数fの振幅および位相の値に一致するように、正弦波発生部411から出力される周波数fの振幅および位相の値を設定する。
図9(d)は、第2の振幅位相設定部422が出力する信号の波形を示す図である。正弦波発生部412は、図9(a)に示す送信信号のピーク周波数fの2倍の周波数を有する正弦波を発生し、第2の振幅位相設定部422に出力する。第2の振幅位相設定部422は、受信波形情報算出部33dから受信波形情報として出力される周波数2×fの振幅および位相の値に一致するように、正弦波発生部412から出力される周波数2×fの振幅および位相の値を設定する。
図9(e)は、第3の振幅位相設定部423が出力する信号の波形を示す図である。正弦波発生部413は、図9(a)に示す送信信号のピーク周波数fの3倍の周波数を有する正弦波を発生し、第3の振幅位相設定部423に出力する。第3の振幅位相設定部423は、受信波形情報算出部33dから受信波形情報として出力される周波数3×fの振幅および位相の値に一致するように、正弦波発生部413から出力される周波数3×fの振幅および位相の値を設定する。
そして、振幅位相設定部421〜423は、振幅および位相を調整した正弦波信号を合波部43に出力する。
合波部43は、振幅位相設定部421〜423から出力された正弦波信号を合波し、マスク部44に出力する。図9(f)は、合波部43が出力する信号の波形を示す図である。図9(f)に示すように、合波部43が出力する信号は、図9(b)に示す受信信号に類似した波形が連続する信号となる。
マスク部44は、合波部43から出力された信号におけるパルスのタイミングを調整し、テンプレート信号として相関部32に出力する。具体的には、マスク部44は、パルスが存在するタイミングを示すホッピングパターンと、合波部43から出力された信号とに基づいてテンプレート信号を生成する。
図9(g)は、マスク部44に入力されるホッピングパターンの波形を示す図である。このように、ホッピングパターンは、パルスが存在するタイミングで“1”となり、パルスが存在しないタイミングで“0”となる波形を有する。
マスク部44は、ホッピングパターンが“1”の場合、合波部43から受け取った信号を通過させ、ホッピングパターンが“0”の場合、合波部43から受け取った信号を通過させない。図9(h)は、マスク部44が出力するテンプレート信号の波形を示す図である。図9(h)に示すように、マスク部から出力されるテンプレート信号は、ホッピングパターンと同じパターンを有する。マスク部44は、生成したテンプレート信号を相関部32に出力する。このようにして、受信信号の波形に近いテンプレート信号を得ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、パルス信号復調装置は、送信信号スペクトルのピーク周波数およびその整数倍成分のみを用いてテンプレート信号を発生させる。例えば、任意波形発生器を利用してテンプレート信号を発生させる場合、テンプレート信号に含まれる周波数成分の少なくとも数倍程度のサンプリング速度が必要となる。しかしながら、本実施形態によれば、テンプレート信号を発生させるために利用する周波数は、送信信号スペクトルのピーク周波数と、その整数倍の周波数成分のみであるため、任意波形発生器を利用する場合に比べ、比較的低速の部品を用いることができる。
また、本実施形態によれば、テンプレート信号発生部が任意波形発生器からなる場合に比べ、テンプレート信号を発生させるために要する時間を短縮することができる。したがって、パルス幅が小さい送信信号を復調する場合、つまり、伝送速度を高速化させた場合において、本実施形態は特に有効である。
なお、多元接続を行わず、送信装置とパルス信号復調装置とが1対1で接続される場合においては、受信信号を検出できさえすればよいため、合波部43から出力される信号をそのままテンプレート信号として用いることができる。したがって、その場合には、パルス信号復調装置において、マスク部44を省略することができる。
また、本実施形態では、送信信号の波形のピーク周波数fと、その2倍および3倍の周波数とを用いる場合について示したが、何倍までの周波数成分を用いるかは、送信装置および伝送路の仕様に応じて適宜決定すればよい。
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係るパルス信号復調装置30が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。図10に示す光伝送システムは、送信装置10aと、パルス信号復調装置30とを含む。送信装置10aとパルス信号復調装置30とは、光伝送路20を介して接続される。
送信装置10aは、RZ変調部13と、電気光変換部12とを含む。パルス信号復調装置30は、光電気変換部31と、相関部32と、受信波形情報算出部33と、テンプレート信号発生部34とを含む。
図10に示す光伝送システムは、図1に示す光伝送システムと比較すると、送信パルス発生部11の代わりに、RZ(Return to Zero)信号を発生するRZ変調部13が送信装置10に含まれている点で相違する。それ以外の構成は第1の実施形態と同様であるため、図1と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
RZ変調部13は、送信データをRZ信号に変換し、送信信号として電気光変換部12に出力する。
受信波形情報算出部33において、入力される送信波形情報は、RZ変調部13から出力されるRZ信号のパルス波形を示す情報である。
相関部32は、テンプレート信号発生部34から出力されるテンプレート信号と、光電気変換部31から出力される受信信号とに基づいて、RZ信号を復調し、受信データとする。
以上のように、本実施形態によれば、RZ信号を光信号に変換して送信する際に、RZ信号の波形に歪みが発生した場合においても、RZ信号を正確に復調することができる。
(第4の実施形態の変形例)
次に、第4の実施形態の変形例について説明する。図11は、本変形例に係るパルス信号復調装置30eが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。図11に示す光伝送システムは、送信装置10aと、パルス信号復調装置30eとを含む。送信装置10aとパルス信号復調装置30eとは、光伝送路20を介して接続される。
送信装置10aは、RZ変調部13と、電気光変換部12とを含む。パルス信号復調装置30eは、光電気変換部31と、相関部32と、受信波形情報算出部33eと、テンプレート信号発生部34eとを含む。テンプレート信号発生部34eは、複数の正弦波発生部411〜413と、複数の振幅位相設定部421〜423と、合波部43と、バイアス部45とを有する。
図11に示す送信装置10aの構成は、図10に示す送信装置10aの構成と同様であるため、説明を省略する。また、図11に示すパルス信号復調装置30eの構成は、図8に示す、第3の実施形態に係るパルス信号復調装置30dの構成と比較すると、テンプレート信号発生部34eが、マスク部44の代わりにバイアス部45を有する点で相違する。それ以外の構成は、第3の実施形態と同様であるため、図8に示す構成と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。また、本実施形態に係る受信波形情報算出部33eは、図8に示す第3の実施形態に係る受信波形情報算出部33dに相当する。なお、図11に示す(a)〜(h)は、後述する図12(a)〜(h)に示す信号が、矢印の方向に出力されることを示す。
図12は、図11に示す光伝送システムの主要部から出力される信号の波形を示す図である。以下、図11および図12を参照しながら、各部の機能について説明する。
図12(a)は、RZ変調部13から出力される送信信号の波形を示す図である。図12(a)に示すように、送信信号はRZ信号であり、パルスが存在する場合はデータ“1”、パルスが存在しない場合はデータ“0”がRZ変調部13から出力される。
図12(b)は、光電気変換部31から出力される受信信号の波形である。図12(a)に示す送信信号は、電気光変換部12によって光信号に変換され、光伝送路20を伝送する間に、図12(b)に示すような歪みが生じる。
図12(c)は、第1の振幅位相設定部421が出力する信号の波形を示す図であり、図12(d)は、第2の振幅位相設定部422が出力する信号の波形を示す図である。図12(e)は、第3の振幅位相設定部421が出力する信号の波形を示す図である。正弦波発生部411〜413、振幅位相設定部421〜423、および合波部43の機能は、第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図12(f)は、合波部43が出力する信号の波形を示す図である。合波部43は、振幅位相設定部421〜423から出力された正弦波信号を合波し、バイアス部45に出力する。図12(f)に示すように、合波部43から出力される信号は、受信信号と類似した波形を有し、かつ平均レベルが“0”の信号となる。一方、受信信号はRZ信号であるため、最小値が“0”である。
バイアス部45は、合波部43から出力される信号の最小値が“0”となるように、当該信号にバイアスを加算し、テンプレート信号として相関部32に出力する。
相関部32は、バイアス部45から出力されるテンプレート信号と、光電気変換部31から出力される受信信号とに基づいて、相関値を求め、受信信号を復調する。
このように、合波部43から出力される信号の最小値が“0”となるように、バイアスを加算することによって、歪みが発生したRZ信号の受信信号波形を再現することができる。これをテンプレート信号として用いることにより、波形歪による相関値の劣化を抑え、受信性能を改善することができる。
以上のように、本実施形態によれば、RZ信号を光信号に変換して伝送する光伝送システムにおいて、パルス信号復調装置は、光信号に発生した歪みを反映させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、RZ信号を正確に復調することができる。
また、第3および第4の実施形態では、受信波形情報算出部は、入力される送信波形情報および光伝送路の仕様に基づいて受信波形情報を生成していた。ここで、第1の実施形態と同様に、受信波形情報算出部が、光伝送路の仕様および送信波形情報を予め記憶していてもよく、また、光伝送路をモニタすることによって、光伝送路の仕様を取得してもよい。また、第1の実施形態の変形例と同様に、光伝送路の仕様が不明な場合、受信波形情報を変化させ、相関値が最大となるように光伝送路の仕様を決定してもよい。
(第5の実施形態)
図13は、本発明の第5の実施形態に係るパルス信号復調装置30fが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。図13に示す光伝送システムは、送信装置10と、パルス信号復調装置30fとを含む。送信装置10とパルス信号復調装置30fとは、光伝送路20を介して接続される。
図13において、本実施形態に係るパルス信号復調装置30fは、光電気変換部31と、相関部32と、受信波形情報算出部33fと、テンプレート信号発生部34fとを含む。テンプレート信号発生部34fは、正弦波発生部411〜413と、複数の振幅位相設定部421〜423と、合波部43と、マスク部44とを有する。
本実施形態に係るパルス信号復調装置30fは、図8に示す第3の実施形態に係るパルス信号復調装置30dと比較すると、受信波形情報算出部33fにおける受信波形情報の算出方法が異なる。それ以外の構成要素は、第3の実施形態と同様であるため、図8と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、送信パルス発生部11、電気光変換部12の機能も第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態において、送信装置10は、実際の送信データの伝送に先立ち、符号“1”に相当するテスト信号を光信号に変換して光伝送路20に送出する。
パルス信号復調装置30fにおいて、光電気変換部31によって変換された電気信号は分岐され、受信波形情報算出部33fに入力される。
受信波形情報算出部33fは、光電気変換部31から出力されるテスト用の受信信号に基づいて、受信波形情報を生成する。具体的には、受信波形情報算出部33fは、テスト用の電気信号の波形から、送信信号スペクトルのピーク周波数fの成分と、その整数倍の周波数の成分とを抽出し、それらの振幅および位相をテンプレート信号発生部34fの第1〜第3の振幅位相設定部421〜423に出力する。
なお、テンプレート信号発生部34fの動作は、第3の実施形態におけるテンプレート信号発生部34dの動作と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、パルス信号復調装置は、実際に受信した信号の波形に基づいて、テンプレート信号を生成する。これにより、受信波形に近い波形を有するテンプレート信号を簡易に生成することができる。また、例えば、複数の波形劣化要因によって信号の波形に歪みが生じる場合のように、光伝送路における波形劣化の算出に複雑な計算を要する場合に、本実施形態は特に有効である。
なお、本実施形態では、受信信号のスペクトルのうち、受信信号のピーク周波数fとその2倍および3倍周波数を用いる場合について説明した。ここで、第3の実施形態と同様に、ピーク周波数の何倍の周波数成分を用いるかは、送信装置および光伝送路の仕様に応じて、適宜決定すればよい。
本発明は、パルス信号を光信号に変換して伝送する光伝送システムにおいて、パルス信号を正確に復調することができるパルス信号復調装置等として有用である。また、通信機器用の復調回路等としても有用である。
本発明は、パルス信号を伝送するシステムに用いられ、受信したパルス信号を復調する復調装置に関し、より特定的には、パルス信号を光信号に変換して伝送するシステムに用いられる復調装置に関する。
近年、短パルス信号を用いて超広帯域の通信を行うウルトラワイドバンド(UWB)方式が注目されている。本方式は、幅が短いパルスを用いてスペクトルを拡散することにより、単位周波数あたりの送信電力を抑え、他の信号との共存を可能にする。UWB方式に関する研究開発は、主に、近距離での無線伝送の分野で盛んに進められているが、一部では、有線または光伝送の分野でも検討が開始されている。
特許文献1には、UWB方式で用いられる短パルス信号を復調する復調装置が記載されている。図14は、特許文献1に記載されている従来の復調装置の構成を示す図であり、図15は、図14に示す復調装置の主要部から出力される信号の波形を示す図である。なお、図14に示す(a)〜(c)および(e)は、それぞれ図15(a)〜(c)および(e)に示す信号が、矢印の方向に出力されることを示す。
図14に示す復調装置300は、図示しない送信装置と無線で接続され、送信装置から送信されてくる無線信号を復調する。復調装置300は、相関部320と、テンプレート信号発生部340と、同期部350とを含む。
復調装置300は、受信した無線信号を受信信号として相関部320に入力する。図15(a)は、相関部320に入力される受信信号(短パルス信号)の波形を示す図である。
テンプレート信号発生部340は、後述する同期部350から出力される同期信号と、ホッピングパターンとに基づいて、テンプレート信号を発生し、相関部320に出力する。ホッピングパターンは、例えば、図15(b)に示すようなパターンであって、受信すべきパルスが存在するタイミングを示す。
図15(c)は、テンプレート信号発生部340から出力されるテンプレート信号の波形を示す図である。テンプレート信号は、受信信号に類似した波形を有し、かつ受信信号に同期した信号である。
相関部320は、受信信号の波形とテンプレート信号の波形との相関値を求めることによって受信信号を復調し、受信データとして出力する。図15(d)は、相関部320が求めた相関値を示す図であり、図15(e)は、相関部320から出力される受信データを示す図である。
相関部320は、求めた相関値が正の閾値(例えば0.5)以上の場合、データ“1”と識別する。一方、相関部320は、求めた相関値が負の閾値(例えば−0.5)以下の場合、データ“0”と識別する。また、相関部320は、求めた相関値が正の閾値以上でも負の閾値以下でもない場合、パルスなしと識別する。例えば、受信信号の波形とテンプレート信号の波形とが完全に一致する場合、相関部320が求める相関値は+1となる。一方、受信信号の波形とテンプレート信号の波形とが完全に逆相の場合、相関部320が求める相関値は−1となる。
同期部350は、受信信号に同期する同期信号をテンプレート信号発生部340に出力する。また、同期部350は、データ“1”の場合の相関値が最大となるように、同期信号の位相を調整する。
なお、通常は、スペクトルを効果的に拡散させるために、擬似的なランダムパターンに基づいてビット周期内のパルス位置をビット毎に変化させる時間ホッピングが行われるが、図15では、説明の簡単のため、ビット周期内のパルス位置は一定であるものとして示している。
以上のように、復調装置は、受信信号とテンプレート信号との相関値を求めることによって、無線を介して受信する短パルス信号を復調することができる。
特表平11−504480号公報
従来の復調装置において生成されるテンプレート信号は、送信装置から送信される信号と同じ波形を有する。しかしながら、信号を伝送する際に、伝送路において信号の波形に歪みが発生すると、受信信号を正確に復調することができない。例えば、データ“1”と復調されるべき信号は、テンプレート信号の波形と完全に一致するはずであるが、受信信号の波形に歪みが発生すると、テンプレート信号との間で求める相関値の絶対値が低下してしまう。
その結果、相関部によって求められる相関値の絶対値が低下するため、復調したデータにおける誤り率が増大してしまう。このように、従来の復調装置は、波形歪みが発生した短パルス信号を正確に復調することができない。また、波形歪みが発生した信号を正確に復調できないという問題は、短パルス信号を復調する場合に限られず、例えばRZ信号のような他のパルス信号を復調する場合にも生じ得る。
したがって、例えば、送信すべきパルス信号を光信号に変換して伝送する場合、光伝送路には、光伝送路に特有の波形劣化要因が存在することを考慮してパルス信号を復調しなければならない。しかしながら、従来の復調装置が生成するテンプレート信号は、光信号に生じる波形歪みが考慮されたものではないため、従来の復調装置を光伝送システムに適用した場合、パルス信号を正確に復調することができない。
それゆえに、本発明の目的は、パルス信号を光信号に変換して伝送する光伝送システムにおいて、パルス信号を正確に復調することができるパルス信号復調装置を提供することである。
本発明は、光信号に変換されたパルス信号を光伝送路を介して受信し、復調するパルス信号復調装置であって、受信した光信号を電気信号に変換し、受信信号として出力する光電気変換部と、パルス信号が光信号に変換され、光電気変換部によって受信信号に変換されるまでに生じる歪みが反映したパルス信号の波形の形状に関する情報を受信波形情報として出力する受信波形情報算出部と、受信波形情報算出部から出力された受信波形情報と、受信信号に同期した同期信号とに基づいて、受信信号に生じている歪みに類似した歪みが反映された波形を有し、かつ受信信号に同期したテンプレート信号を生成するテンプレート信号発生部と、光電気変換部から出力された受信信号と、テンプレート信号発生部によって生成されたテンプレート信号との波形の相関を求めることによって、パルス信号を復調する相関部とを備える。
これにより、パルス信号を光伝送する際に、光信号に波形歪みが生じても、受信信号に生じる歪みに類似した歪みが反映された波形を有するテンプレート信号を生成することができる。これにより、受信信号とテンプレート信号とに基づいて相関値を求める場合に、相関値の絶対値が低下することがない。したがって、パルス信号を正確に復調することができる。
好ましくは、受信波形情報算出部は、光信号の送信時の波形と、光伝送路の情報とに基づいて受信波形情報を生成するとよい。
これにより、光信号の送信時の波形に基づいて、光伝送路において光信号に発生してしまう歪み等を反映させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、光信号の波形や光伝送路の特性に応じたテンプレート信号を生成することができる。
パルス信号は、ビットレートをヘルツに読み替えた場合の周波数帯域よりも大きい幅の周波数帯域を占有する短パルス信号であってもよい。
一例として、受信波形情報算出部は、パルス信号に生じる歪みのうち、当該パルス信号のスペクトルのピーク周波数の整数倍に相当する周波数成分と、当該ピーク周波数成分の振幅および位相を受信波形情報として出力し、テンプレート信号発生部は、ピーク周波数を有する正弦波信号と、当該ピーク周波数の整数倍の周波数を有する正弦波信号とを生成する複数の正弦波発生部と、複数の正弦波発生部によって生成された正弦波信号の振幅および位相を、受信波形情報に基づいてそれぞれ調整する複数の振幅位相調整部と、複数の振幅位相調整部によって振幅および位相が調整された正弦波信号を合波する合波部とを含む。
これにより、受信信号に生じた高調波歪みを反映させたテンプレート信号を生成することが出いる。したがって、相関値の絶対値を低下させることなく、パルス信号を正確に復調することができる。また、信号のピーク周波数成分と、その整数倍の周波数成分に基づいてテンプレート信号を生成するため、例えば、任意波形発生器を用いてテンプレート信号を生成する場合に比べ、低速な部品でテンプレート信号発生部を構成することができる。したがって、パルス信号復調装置を安価に構築することができる。
また、テンプレート信号発生部は、さらに、受信すべきパルスのタイミングを示すホッピングパターンに基づいて、合波部によって合波された信号を通過させ、テンプレート信号を発生させるマスク部を含んでいてもよい。
これにより、多重伝送されてきた信号を復調することができる。
また、パルス信号は、RZ信号であってもよい。
一例として、受信波形情報算出部は、パルス信号に生じる歪みのうち、当該パルス信号のスペクトルのピーク周波数の整数倍に相当する周波数成分と、当該ピーク周波数成分の振幅および位相を受信波形情報として出力し、テンプレート信号発生部は、ピーク周波数を有する正弦波信号と、当該ピーク周波数の整数倍の周波数を有する正弦波信号とを生成する複数の正弦波発生部と、複数の正弦波発生部によって生成された正弦波信号の振幅および位相を、受信波形情報に基づいてそれぞれ調整する複数の振幅位相調整部と、複数の振幅位相調整部から出力された正弦波信号を合波する合波部と、合波部によって合波された正弦波信号の最小値が“0”となるようにバイアスを加算し、テンプレート信号として出力するバイアス部とを含む。
これにより、受信信号に生じた高調波歪みを反映させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、相関値の絶対値を低下させることなく、パルス信号を正確に復調することができる。また、信号のピーク周波数成分と、その整数倍の周波数成分に基づいてテンプレート信号を生成するため、例えば、任意波形発生器を用いてテンプレート信号を生成する場合に比べ、低速な部品でテンプレート信号発生部を構成することができる。したがって、パルス信号復調装置を安価に構築することができる。
また、光伝送路の情報は、光信号を送出する送信器に用いられる半導体レーザまたは光変調器のチャープパラメータと、光信号の波長における光伝送路の総分散量とを含み、受信波形情報算出部は、光信号の送信時の波形とチャープパラメータとに基づいて送信光スペクトルを算出し、当該送信光スペクトルと光伝送路の総分散量とに基づいて受信光スペクトルを算出し、当該受信光スペクトルに基づいて電気信号に変換された受信信号スペクトルを算出し、受信波形情報として出力してもよい。
これにより、光信号におけるチャープの影響と、光伝送路における波長分散の影響とを反映させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、光伝送路上で波長分散による波形歪が生じた場合においても、パルス信号を正確に復調することができる。
また、相関部は、求めた相関値を受信波形情報算出部に出力し、受信波形情報算出部は、光伝送路の情報を変動させて受信波形情報を生成し、相関部によって求められた相関値が最大となる時の値に光伝送路の情報を設定してもよい。
これにより、相関値が最大となる値に、光伝送路の情報を設定することができる。したがって、光伝送路の情報が不明である場合においても、光伝送路の情報を推定し、最適な値に設定することができる。
相関部は、受信信号とテンプレート信号とを乗算する乗算部と、乗算部によって乗算された信号を1ビット分の期間において積分する積分部と、積分部によって積分された信号を識別し、識別した値を出力する識別部とを含んでいてもよい。
これにより、高速ディジタル回路を用いることなく相関部を構成することができる。したがって、パルス信号復調装置を安価に構築することができる。
また、一例として、信号に変換されたテスト用のパルス信号が送信され、受信波形情報算出部は、光電気変換部から出力されるテスト用のパルス信号の波形に基づいて、受信波形情報を生成する。
これにより、実際に受信した受信信号に基づいて、受信信号における歪みを反映させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、波形情報を算出するための情報を予めメモリに格納しておく必要がない。また、例えば、複数の波形劣化要因によって信号の波形に歪みが生じる場合、受信波形情報を算出するために複雑な計算をする必要がない。
また、パルス信号の送信時の波形と、光伝送路の情報とを保持する記憶部を備えていてもよく、さらに、パルス信号の送信時の波形および光伝送路の情報を入力する入力部を備え、記憶部は、入力部から入力されたパルス信号の送信時の波形および光伝送路の情報を記憶することとしてもよい。
これにより、受信波形情報算出部が受信波形情報を算出するために用いるパルス信号の送信時の波形と、光伝送路の情報とを容易に変更することができる。したがって、伝送距離等の個々の条件の相違に対して柔軟に対応することができる。
本発明によれば、パルス信号を光信号に変換して伝送する光伝送システムにおいて、パルス信号を正確に復調することができるパルス信号復調装置が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパルス信号復調装置30が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。光伝送システムは、送信装置10と、パルス信号復調装置30とを含む。送信装置10とパルス信号復調装置30とは、光伝送路20を介して接続される。
送信装置10は、ウルトラワイドバンド(UWB)通信方式に用いられる短パルス信号を光信号に変換し、光伝送路20を介してパルス信号復調装置30に送信する。UWB通信方式に用いられる短パルス信号は、ビットレートをヘルツに読み替えた場合の周波数帯域よりも大きい幅の周波数帯域を占有する。パルス信号復調装置30は、光伝送路20を介して送信されてくる光信号を受信すると、当該光信号を電気信号に変換し、復調する。
図1において、送信装置10は、送信パルス発生部11と、電気光変換部12とを含む。パルス信号復調装置30は、光電気変換部31と、相関部32と、受信波形情報算出部33と、テンプレート信号発生部34とを含む。
送信パルス発生部11は、パルス信号復調装置30に送信すべき送信データを変調し、短パルス信号に変換し、送信信号として電気光変換部(E/O)12に出力する。電気光変換部12は、送信パルス発生部11から出力される送信信号を光信号に変換し、光伝送路20に送出する。電気光変換部12によって変換された光信号は、光伝送路20を伝送し、パルス信号復調装置30の光電気変換部(O/E)31に入力される。
光電気変換部31は、光伝送路20を介して送信装置10から送信されてきた光信号を電気信号に変換し、受信信号として相関部32に出力する。
受信波形情報算出部33は、送信波形情報と光伝送路の仕様とに基づいて、受信信号に生じ得る歪みを反映させた送信信号の波形を算出し、算出した波形の形状に関する情報を、受信波形情報としてテンプレート信号発生部34に出力する。送信波形情報は、送信パルス発生部11から出力される送信信号におけるパルスの形状に関する情報である。送信波形情報は、例えば、パルス幅や振幅で表される。また、光伝送路の仕様は、光伝送路の特性を示す情報である。光伝送路の仕様は、例えば、送信装置10とパルス信号復調装置30とを接続する光伝送路20の長さ、または、光伝送路20の材質や構造等の性質を示す情報である。送信波形情報および光伝送路の仕様は、受信波形情報算出部33に入力される。
送信信号が光信号に変換されて光伝送路20を伝送し、パルス復調装置の光電気変換部31によって受信信号に変換される間に、信号の波形に歪みが生じる。受信波形情報は、受信信号に生じる歪みを反映させた送信信号の波形の形状に関する情報である。受信波形情報は、例えば、パルス幅や振幅で表される。以下、光信号に生じる歪みの原因と、受信波形情報算出部33が生成する受信波形情報とについて具体的に説明する。
送信装置10の電気光変換部12によって変換された光信号が、光伝送路20を伝送する間に波長分散の影響を受けると、光信号の波形に歪みが発生する場合がある。波長分散とは、パルス信号が光伝送路中を伝搬する際に、パルス信号に含まれる異なる光周波数成分の遅延時間がばらつき、波形に広がりが生じてしまう現象をいう。この場合、パルス信号復調装置30の光電気変換部31から出力される受信信号の波形に歪みが生じてしまう。
また、光電気変換部31に入力される光信号は、強度変調だけではなく、電気光変換部12において、電気信号を光信号に変換するために用いられる半導体レーザまたは光変調器で生じる付加的な位相変調を受けている。光信号が受ける付加的な位相変調の大きさは、半導体レーザまたは光変調器のチャープパラメータによって決定される。チャープパラメータとは、半導体レーザや光変調器で生じる位相変調と強度変調の大きさの比率を示すパラメータである。付加的な位相変調を受けることによって、光信号のスペクトルが広がるため、前述した波長分散によって生じる受信信号波形の歪みがより顕著になる。
したがって、光信号に波長分散による歪みが発生する場合、受信波形情報算出部33に入力される光伝送路の仕様は、光信号の波長における光伝送路20の総分散量と、半導体レーザのチャープパラメータとを含む。なお、総分散量は、光信号の波長における光伝送路20の波長分散と伝送距離の積から求められるため、光伝送路の仕様は、総分散量の変わりに、波長分散、および伝送距離に関する情報を含んでいてもよい。受信波形情報算出部33は、入力された送信波形情報、波長分散および伝送距離の積で与えられる総分散量と、チャープパラメータとに基づいて、受信波形情報を生成する。なお、好ましくは、光伝送路の仕様は、さらに、半導体レーザのスロープ効率と、光電気変換部31の変換効率とを含むとよい。これにより、求める受信波形情報の精度を向上させることができる。
図3は、受信波形情報の算出方法を具体的に説明するための図である。以下、図3を参照して、本実施形態に係る受信波形情報の算出方法について説明する。なお、図3では、送信波形情報61が、送信信号(電気信号)の波形に関する情報を含み、光伝送路の仕様62が、スロープ効率、チャープパラメータ、波長分散、伝送距離、光電気変換部31の変換効率(O/E変換効率)とを含む場合を例に説明する。
まず、送信波形情報61が示す送信信号の波形I(t)およびスロープ効率の積から送信光強度波形63を求める。また、このとき、送信信号の波形I(t)と、チャープパラメータαとから、次に示す数式1によって送信光位相波形φ(t)64を算出する。
Figure 2006013692
次に、送信光強度波形63と送信光位相波形64とから、送信光波形65の実数成分および虚数成分を求める。そして、求めた送信光波形65の実数成分および虚数成分に基づき、フーリエ変換によって送信光スペクトル66を算出する。続いて、送信光スペクトル66と、波長分散および伝送距離の積により求められる総分散量67とに基づいて、各光周波数成分の遅延量を求め、受信光スペクトル68を算出する。そして、逆フーリエ変換により受信光強度波形70を求める。最後に、受信光強度波形70および変換効率の積により求められる受信信号波形(電気)を、受信波形情報71としてテンプレート信号発生部34に出力する。
テンプレート信号発生部34は、受信信号を復調するためのテンプレート信号を生成し、相関部32に出力する。テンプレート信号発生部34には、図示しないホッピングパターン生成部によって生成されたホッピングパターンと、図示しない同期信号生成部によって生成された同期信号とが入力される。ホッピングパターンは、受信すべきパルスの存在するタイミングを示すものであり、同期信号は、受信信号に同期する信号である。テンプレート信号発生部34は、受信波形情報算出部33から出力される受信波形情報と、ホッピングパターンと、同期信号とに基づいて、テンプレート信号を生成する。
まず、テンプレート信号発生部34は、受信波形情報に基づいて信号を発生させる。このときに発生される信号は、受信信号に生じている歪みに類似した歪みが反映された波形を有する。そして、テンプレート信号発生部34は、同期信号に基づいて、相関部32に入力される受信信号に同期するように、生成した信号を相関部32に出力する。このとき、テンプレート信号発生部34は、ホッピングパターンが示すパターンに合致するように、生成した信号を出力する。例えば、テンプレート信号発生部34は、ホッピングパターンが“1”である場合には信号を出力し、逆に、ホッピングパターンが“0”である場合には信号を出力しない。これにより、受信信号に生じている歪みに類似した歪みが反映された波形を有し、かつ受信信号に同期したテンプレート信号が相関部32に入力される。
なお、本発明において、同期信号は、受信信号に同期する信号であればよく、この同期信号を生成するための手段は問わない。例えば、任意波形発生器を用いて同期信号を生成してもよい。
相関部32は、光電気変換部31から出力された受信信号と、テンプレート信号発生部から出力されたテンプレート信号との相関値を求めることによって、受信信号を復調し、受信データとして外部に出力する。まず、相関部32は、受信信号波形A(t)と、テンプレート信号波形B(t)とから、以下に示す数式2によって相関値Rを算出する。
Figure 2006013692
なお、受信信号波形A(t)と、テンプレート信号波形B(t)とは、以下に示す数式
3を満たすように規格化されているものとする。
Figure 2006013692
相関部32は、数式2から求めた相関値が正の所定値(例えば、0.5)以上である場合には“1”と識別し、数式2から求めた相関値が負の所定値(例えば、−0.5)以下であれば“0”と識別する。また、相関部32は、数式2から求めた相関値が、正の所定値以上でもなく、負の所定値以下でもない場合、パルスなしと識別する。
図2は、相関部32の詳細な構成の一例を示すブロック図である。図2において、相関部32は、乗算部51と、積分部52と、識別部53とを有する。
乗算部51は、受信信号とテンプレート信号を乗算し、得られた乗算値を積分52に出力する。
積分部52は、乗算部51から出力された乗算値を1ビット分の期間(ビット周期)内において積分し、得られた積分値を識別部53に出力する。積分部52から出力される積分値は、数式2から求められる相関値に相当する。
識別部53は、積分部52から出力された相関値を識別し、当該相関値が正の所定値以上であるか、または負の所定値以上であるか否かを判断する。
なお、図2に示す相関部32の構成は一例である。相関部32の構成は、相関値を求めることができるものであればよく、上記の構成に限られない。例えば、相関部32は、ディジタル数値演算によって、数式2の演算を行う構成であってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、短パルス信号を光伝送する際に、波形に歪みが生じた場合においても、受信信号に生じる歪みに類似した歪みが反映された波形を有するテンプレート信号を生成することができる。これにより、受信信号とテンプレート信号とに基づいて相関値を求める場合に、相関値の絶対値が低下することがない。したがって、短パルス信号を正確に復調することができる。
なお、本実施形態において、光伝送路の仕様は、図示しない入力部を介して受信波形情報算出部に入力されていた。ここで、受信波形情報算出部は、光伝送路の仕様に関する情報を予め記憶していてもよい。また、受信波形情報算出部は、光伝送路をモニタすることによって、光伝送路の仕様を取得してもよい。例えば、送信装置10からテスト用のパルス信号を送信し、パルス信号復調装置において、受信したテスト用のパルス信号の振幅や周波数成分が、送信時のパルス信号と比較してどのように変化しているかを検出することで光伝送路の仕様を算出することもできる。なお、光伝送路をモニタする方法はこれ以外の方法であってもよいが、本発明の本質には直接関連しないため、詳細な説明を省略する。
(第1の実施形態の変形例)
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。本変形例に係るパルス信号復調装置は、光伝送路の仕様を算出する点で、光伝送路の仕様が予め設定されていた第1の実施形態に係るパルス信号復調装置と相違する。
図4は、本変形例に係るパルス信号復調装置30aが適用される光伝送システムの構成を示す図である。光伝送システムは、送信装置10と、パルス信号復調装置30aとを含む。送信装置10とパルス信号復調装置30aとは、光伝送路20を介して接続される。
パルス信号復調装置30aは、光電気変換部31と、相関部32aと、受信波形情報算出部33aと、テンプレート信号発生部34とを含む。第1の実施形態に係るパルス信号復調装置30と比較すると、本変形例に係るパルス信号復調装置30aは、受信波形情報算出部33aおよび相関部32aの動作が異なる。それ以外の構成要素は、第1の実施形態と同様であるため、図1と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、送信パルス発生部11、電気光変換部12の機能も第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
相関部32aは、光電気変換部31から出力された受信信号と、テンプレート信号発生部から出力されたテンプレート信号との相関値を求める。相関部32aは、求めた相関値を受信波形情報算出部33aに出力する。また、相関部32aは、復調した受信データを外部に出力する。
受信波形情報算出部33aは、テンプレート信号発生部34に出力する受信波形情報を変化させ、相関部32aから出力される相関値が最大となるように、光伝送路の仕様を決定する。そして、受信波形情報算出部33aは、送信波形情報と、決定した光伝送路の仕様とに基づいて受信波形情報を生成し、テンプレート信号発生部34に出力する。
光伝送路の仕様が最適な値に近づくにつれ、テンプレート信号発生部34から出力されるテンプレート信号の波形が受信信号の波形に近づいていくため、相関部32が求める相関値が大きくなっていく。したがって、たとえば、光信号に波長分散による歪みが発生する場合、チャープパラメータおよび総分散量の値を相関値が最大となるような値に設定すればよい。以下、光信号に波長分散による歪みが発生する場合を例に説明する。
図5は、図4に示す受信波形情報算出部33aの動作を示すフローチャートである。以下、図5を参照しながら、光伝送路の仕様がチャープパラメータおよび総分散量からなる場合を例に、光伝送路の仕様を推定する手順について説明する。
まず、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータの値がとり得る範囲において、チャープパラメータの設定値iをN個用意し、チャープパラメータをαi(i=0,1,・・・,N−1)とする。同様に、総分散量の値がとり得る範囲において設定値kをM個用意し、総分散量をDk(k=0,1,・・・,M−1)とする。
そして、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータの設定値i=0とし、相関値RX=0とする(ステップS101)。そして、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータの値をαiに設定する(ステップS102)。
受信波形情報算出部33aは、総分散量の設定値k=0、チャープパラメータαiにおける相関値RRi=0とする(ステップS103)。そして、受信波形情報算出部33aは、総分散量の値をDkに設定し(ステップS104)、その時の相関値Rkを相関部32aに測定させる(ステップS105)。
そして、受信波形情報算出部33aは、相関部32aによって算出された相関値Rkがチャープパラメータの設定値iにおける相関値RRiよりも大きいか否かを判断する(ステップS106)。相関値Rkがチャープパラメータの設定値iにおける相関値RRiよりも大きい場合、受信波形情報算出部33aは、総分散量Dkにおける相関値Rkの値を、チャープパラメータの設定値iにおける相関値RRiに代入する(ステップS107)。また、受信波形情報算出部33aは、このときのkの値を設定値aに代入し、設定値aを記憶する。
一方、相関値Rkがチャープパラメータの設定値iにおける相関値RRiよりも小さい場合、受信波形情報算出部33aは、総分散量の設定値kに1を加算し(ステップS108)、総分散量の設定値kが、総分散量の設定値の個数Mよりも小さいか否かを判断する(ステップS109)。総分散量の設定値kが、総分散量の設定値の個数Mよりも小さい場合、受信波形情報算出部33aは、ステップS104の動作に戻り、総分散量Dkにおける相関値Rkを相関部32aに測定させる。
一方、総分散量の設定値kが、総分散量の設定値の個数Mに等しい場合、受信波形情報算出部33aは、記憶した設定値aにおける総分散量DaをEiに代入し、記憶する。このように、受信波形情報算出部33aは、総分散量の値をD1〜DM-1と変化させ、その時の相関値R1〜RM-1を相関部32aに測定させる。そして、D0からDM-1までの全ての値に対して相関値の測定が終了すると、この範囲における相関値の最大値RRiを求め、その時の総分散量をEiとして記憶する。
次に、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータの設定値iにおける相関値RRiが相関値RXよりも大きいか否かを判断する(ステップS111)。チャープパラメータの設定値iにおける相関値RRiが相関値RXよりも大きい場合、チャープパラメータの設定値iにおける相関値RRiの値を相関値RXに代入する(ステップS112)。また、受信波形情報算出部33aは、このときのiの値を設定値bに代入し、設定値bを記憶する。そして、受信波形情報算出部33aは、ステップS113の動作に進む。
一方、ステップS111において、チャープパラメータの設定値iにおける相関値RRiが相関値RXよりも小さい場合、受信波形情報算出部33aは、ステップS113の動作に進む。
ステップS113において、受信波形情報算出部33aは、iの値に1を加算し、iの値がチャープパラメータの設定値の個数Nよりも小さいか否かを判断する(ステップS114)。iの値がチャープパラメータの設定値の個数Nよりも小さい場合、受信波形情報算出部33aは、ステップS102の動作に戻る。
一方、iの値がチャープパラメータの設定値の個数Nに等しい場合、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータをαbに、総分散量をEbに設定する(ステップS115)。
以上のように、受信波形情報算出部33aは、チャープパラメータの設定値i=1〜N−1の全ての場合に対し、チャープパラメータをαiに設定して、ステップS102〜S
114の動作を繰り返し、それぞれの場合について相関値の最大値RRiとその時の総分
散量Eiとを求める。最後に、受信波形情報算出部33aは、RRiの最大値RRbと、これに対応するチャープパラメータαbおよび総分散量Ebを求める。そして、受信波形情報算出部33aは、計算に用いるチャープパラメータおよび総分散量をαbおよびEbに設定し、光伝送路の仕様の推定を終了する。
なお、チャープパラメータおよび総分散量の目安となる概略値が分かっており、これらの概略値を微調整するだけでよい場合、チャープパラメータおよび総分散量の設定値の範囲を狭くすればよい。逆に、チャープパラメータおよび総分散量の値が全く分からない場合、チャープパラメータおよび総分散量の設定値の範囲を広くすればよい。また、チャープパラメータおよび総分散量のうち、一方の値が分かっている場合、既知である一方の値を固定し、他方の値を変化させることによって、値を推定すればよい。
なお、ここでは波長分散の影響について述べたが、他の波形劣化要因(半導体レーザや光変調器の入出力特性の非線形性など)が無視できない場合、適宜その影響を考慮し、受信波形を算出するとよい。
また、本変形例では、総分散量とチャープパラメータとに基づき、受信波形情報を算出する場合を例に説明した。ここで、スロープ効率と、光電気変換部の変換効率とが光伝送路の仕様に含まれる場合、これらの値は、目安となる概略値を事前に把握することが可能であるため、受信波形情報算出部に予め入力しておくとよい。
以上のように、本変形例によれば、光伝送路の仕様の仕様が不明である場合においても、相関値が最大となるように光伝送路の仕様を決定することができる。これにより、パルス信号復調装置が受信する光信号に歪みが発生している場合であっても、光信号と同様の歪みを発生させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、相関値の絶対値を高く維持することができるため、パルス信号を正確に復調することができる。
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係るパルス信号復調装置30bが適用される光伝送システムの構成を示す図である。図6に示す光伝送システムは、送信装置10と、パルス信号復調装置30bとを含む。送信装置10とパルス信号復調装置30bとは、光伝送路20を介して接続される。
図6において、本実施形態に係るパルス信号復調装置30bは、図1に示す第1の実施形態に係るパルス信号復調装置30と比較すると、さらに記憶部35を備える点で相違する。図6において、図1と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
記憶部35は、送信波形情報と、光伝送路の仕様とを記憶する。受信波形情報算出部33は、記憶部35からこれらの情報を読み出し、受信波形情報を算出する。このように、本実施形態によれば、製造時に、送信波形情報および光伝送路の仕様を記憶部に予め記憶させておくことができる。
また、パルス信号復調装置は、さらに送信波形情報および光伝送路の仕様を入力するための入力部を備えていてもよい。図7は、本実施形態に係るパルス信号復調装置の他の構成例を示す図である。図7に示すパルス信号復調装置30cは、図6に示すパルス信号復調装置30bと比較すると、さらに入力部36を備える点で相違する。図7において、図1と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
入力部36は、例えば、キーボードやタッチパネル等の入力装置であって、送信波形情報や光伝送路の仕様等の情報の入力を受け付ける。また、入力部36は、USB(Universal Serial Bus)やGPIB(General Purpose Interface Bus)等の、外部機器へ接続するためのインターフェースを用いてパルス信号復調装置へ情報を入力するための入力手段であってもよい。記憶部35は、入力部36から入力された情報を記憶する。これにより、記憶部35が保持する送信波形情報や光伝送路の仕様などの情報を書き換えることが可能となる。
光伝送において、波長分散を補償する従来の方法としては、光伝送路と逆の波長分散特性を有する分散補償用光部品(分散補償光ファイバ等)を挿入する方法がある。しかしながら、一般的に、光部品の波長分散量は、固定的な値であることが多い。したがって、同方法を用いる場合、伝送距離等の設置条件が異なると、個別に分散補償用光部品の最適設計を行う必要がある。これに対し、図7の構成では、入力部36を用いることにより、パルス信号復調装置30cを設置する際に、個々の使用条件に応じた適切な送信波形情報および光伝送路の仕様を入力することができる。すなわち、入力する光伝送路の仕様を変更するだけで他の部分を変更する必要がなく、同一の構成で異なる設置条件に対応することができる。また、運転開始後に経年劣化等で光伝送路(半導体レーザ等)の特性が変動しても、適切な光伝送路の仕様を再度入力することができる。
以上のように、パルス信号復調装置が記憶部および入力部をさらに備えることにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、かつ個々の使用条件に応じた、より柔軟な運用が可能となる。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係るパルス信号復調装置30dが適用される光伝送システムの構成を示す図である。図8に示す光伝送システムは、送信装置10と、パルス信号復調装置30dとを含む。送信装置10とパルス信号復調装置30dとは、光伝送路20を介して接続される。
図8において、本実施形態に係るパルス信号復調装置30dは、光電気変換部31と、相関部32と、受信波形情報算出部33dと、テンプレート信号発生部34dとを含む。本実施形態に係るパルス信号復調装置30dが含むテンプレート信号発生部34dは、第1の実施形態におけるテンプレート信号発生部34の具体的構成例の一つである。図8において、図1と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、送信パルス発生部11、電気光変換部12の機能も第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、図8に示す(a)〜(h)は、後述する図9(a)〜(h)に示す信号が、矢印の方向に出力されることを示す。
テンプレート信号発生部34dは、複数の正弦波発生部411〜413と、複数の振幅位相設定部421〜423と、合波部43と、マスク部44とを有する。
受信波形情報算出部33dは、図示しない入力部から入力される光伝送路の仕様と送信波形情報とに基づいて受信波形情報を生成する。本実施形態において、受信波形情報算出部33dが受信波形情報を算出する方法は、基本的には、第1の実施形態と同様であるが、受信波形情報算出部33dが、算出した受信信号のスペクトルのピーク周波数成分、およびその整数倍の周波数成分のみを扱う点で、第1の実施形態と相違する。受信波形情報算出部33dは、算出した受信信号のスペクトルのうち、受信信号スペクトルのピーク周波数f1の成分と、その整数倍の周波数成分の振幅および位相とを、受信波形情報として第1〜第3の振幅位相設定部421〜423に出力する。
図9は、図8に示す光伝送システムの主要部から出力される信号の波形をシミュレーションによって求めた例を示す図である。なお、計算条件は、光信号の波長が1.55μm、電気光変換部12のチャープパラメータが2.5であり、シングルモード光ファイバで40kmの距離を光伝送した場合を想定している。以下、図8および図9を参照しながら、各部の機能について説明する。
図9(a)は、送信パルス発生部11から出力される送信信号のパルスを示す図であり、図9(b)は、光電気変換部31から出力される受信信号の波形である。図9(a)に示す送信信号は、電気光変換部12によって光信号に変換され、光伝送路20を伝送する間に、図9(b)に示すような歪みが生じる。
図8に示す正弦波発生部411〜413は、それぞれピーク周波数f1およびその整数倍の周波数の正弦波を発生し、第1〜第3の振幅位相設定部421〜423に出力する。ここで、正弦波発生部411〜413は、ピーク周波数f1と、その2倍および3倍周波数とを発生させる場合を例に説明する。また、正弦波発生部411〜413が発生するそれぞれの正弦波は、同期信号に同期させる。第1の実施形態と同様に、同期信号は受信信号に同期していればよく、発生手段は問わない。
図9(c)は、第1の振幅位相設定部421が出力する信号の波形を示す図である。正弦波発生部411は、図9(a)に示す送信信号のピーク周波数f1の正弦波を発生し、第1の振幅位相設定部421に出力する。第1の振幅位相設定部421は、受信波形情報算出部33dから出力される受信波形情報に基づいて、正弦波発生部411から出力される周波数f1の正弦波の振幅および位相を調整する。
具体的には、第1の振幅位相設定部421は、受信波形情報算出部33dから受信波形情報として出力される周波数f1の振幅および位相の値に一致するように、正弦波発生部411から出力される周波数f1の振幅および位相の値を設定する。
図9(d)は、第2の振幅位相設定部422が出力する信号の波形を示す図である。正弦波発生部412は、図9(a)に示す送信信号のピーク周波数f1の2倍の周波数を有する正弦波を発生し、第2の振幅位相設定部422に出力する。第2の振幅位相設定部422は、受信波形情報算出部33dから受信波形情報として出力される周波数2×f1の振幅および位相の値に一致するように、正弦波発生部412から出力される周波数2×f1の振幅および位相の値を設定する。
図9(e)は、第3の振幅位相設定部423が出力する信号の波形を示す図である。正弦波発生部413は、図9(a)に示す送信信号のピーク周波数f1の3倍の周波数を有する正弦波を発生し、第3の振幅位相設定部423に出力する。第3の振幅位相設定部423は、受信波形情報算出部33dから受信波形情報として出力される周波数3×f1の振幅および位相の値に一致するように、正弦波発生部413から出力される周波数3×f1の振幅および位相の値を設定する。
そして、振幅位相設定部421〜423は、振幅および位相を調整した正弦波信号を合波部43に出力する。
合波部43は、振幅位相設定部421〜423から出力された正弦波信号を合波し、マスク部44に出力する。図9(f)は、合波部43が出力する信号の波形を示す図である。図9(f)に示すように、合波部43が出力する信号は、図9(b)に示す受信信号に類似した波形が連続する信号となる。
マスク部44は、合波部43から出力された信号におけるパルスのタイミングを調整し、テンプレート信号として相関部32に出力する。具体的には、マスク部44は、パルスが存在するタイミングを示すホッピングパターンと、合波部43から出力された信号とに基づいてテンプレート信号を生成する。
図9(g)は、マスク部44に入力されるホッピングパターンの波形を示す図である。このように、ホッピングパターンは、パルスが存在するタイミングで“1”となり、パルスが存在しないタイミングで“0”となる波形を有する。
マスク部44は、ホッピングパターンが“1”の場合、合波部43から受け取った信号を通過させ、ホッピングパターンが“0”の場合、合波部43から受け取った信号を通過させない。図9(h)は、マスク部44が出力するテンプレート信号の波形を示す図である。図9(h)に示すように、マスク部から出力されるテンプレート信号は、ホッピングパターンと同じパターンを有する。マスク部44は、生成したテンプレート信号を相関部32に出力する。このようにして、受信信号の波形に近いテンプレート信号を得ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、パルス信号復調装置は、送信信号スペクトルのピーク周波数およびその整数倍成分のみを用いてテンプレート信号を発生させる。例えば、任意波形発生器を利用してテンプレート信号を発生させる場合、テンプレート信号に含まれる周波数成分の少なくとも数倍程度のサンプリング速度が必要となる。しかしながら、本実施形態によれば、テンプレート信号を発生させるために利用する周波数は、送信信号スペクトルのピーク周波数と、その整数倍の周波数成分のみであるため、任意波形発生器を利用する場合に比べ、比較的低速の部品を用いることができる。
また、本実施形態によれば、テンプレート信号発生部が任意波形発生器からなる場合に比べ、テンプレート信号を発生させるために要する時間を短縮することができる。したがって、パルス幅が小さい送信信号を復調する場合、つまり、伝送速度を高速化させた場合において、本実施形態は特に有効である。
なお、多元接続を行わず、送信装置とパルス信号復調装置とが1対1で接続される場合においては、受信信号を検出できさえすればよいため、合波部43から出力される信号をそのままテンプレート信号として用いることができる。したがって、その場合には、パルス信号復調装置において、マスク部44を省略することができる。
また、本実施形態では、送信信号の波形のピーク周波数f1と、その2倍および3倍の周波数とを用いる場合について示したが、何倍までの周波数成分を用いるかは、送信装置および伝送路の仕様に応じて適宜決定すればよい。
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係るパルス信号復調装置30が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。図10に示す光伝送システムは、送信装置10aと、パルス信号復調装置30とを含む。送信装置10aとパルス信号復調装置30とは、光伝送路20を介して接続される。
送信装置10aは、RZ変調部13と、電気光変換部12とを含む。パルス信号復調装置30は、光電気変換部31と、相関部32と、受信波形情報算出部33と、テンプレート信号発生部34とを含む。
図10に示す光伝送システムは、図1に示す光伝送システムと比較すると、送信パルス発生部11の代わりに、RZ(Return to Zero)信号を発生するRZ変調部13が送信装置10に含まれている点で相違する。それ以外の構成は第1の実施形態と同様であるため、図1と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
RZ変調部13は、送信データをRZ信号に変換し、送信信号として電気光変換部12に出力する。
受信波形情報算出部33において、入力される送信波形情報は、RZ変調部13から出力されるRZ信号のパルス波形を示す情報である。
相関部32は、テンプレート信号発生部34から出力されるテンプレート信号と、光電気変換部31から出力される受信信号とに基づいて、RZ信号を復調し、受信データとする。
以上のように、本実施形態によれば、RZ信号を光信号に変換して送信する際に、RZ信号の波形に歪みが発生した場合においても、RZ信号を正確に復調することができる。
(第4の実施形態の変形例)
次に、第4の実施形態の変形例について説明する。図11は、本変形例に係るパルス信号復調装置30eが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。図11に示す光伝送システムは、送信装置10aと、パルス信号復調装置30eとを含む。送信装置10aとパルス信号復調装置30eとは、光伝送路20を介して接続される。
送信装置10aは、RZ変調部13と、電気光変換部12とを含む。パルス信号復調装置30eは、光電気変換部31と、相関部32と、受信波形情報算出部33eと、テンプレート信号発生部34eとを含む。テンプレート信号発生部34eは、複数の正弦波発生部411〜413と、複数の振幅位相設定部421〜423と、合波部43と、バイアス部45とを有する。
図11に示す送信装置10aの構成は、図10に示す送信装置10aの構成と同様であるため、説明を省略する。また、図11に示すパルス信号復調装置30eの構成は、図8に示す、第3の実施形態に係るパルス信号復調装置30dの構成と比較すると、テンプレート信号発生部34eが、マスク部44の代わりにバイアス部45を有する点で相違する。それ以外の構成は、第3の実施形態と同様であるため、図8に示す構成と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。また、本実施形態に係る受信波形情報算出部33eは、図8に示す第3の実施形態に係る受信波形情報算出部33dに相当する。なお、図11に示す(a)〜(h)は、後述する図12(a)〜(h)に示す信号が、矢印の方向に出力されることを示す。
図12は、図11に示す光伝送システムの主要部から出力される信号の波形を示す図である。以下、図11および図12を参照しながら、各部の機能について説明する。
図12(a)は、RZ変調部13から出力される送信信号の波形を示す図である。図12(a)に示すように、送信信号はRZ信号であり、パルスが存在する場合はデータ“1”、パルスが存在しない場合はデータ“0”がRZ変調部13から出力される。
図12(b)は、光電気変換部31から出力される受信信号の波形である。図12(a)に示す送信信号は、電気光変換部12によって光信号に変換され、光伝送路20を伝送する間に、図12(b)に示すような歪みが生じる。
図12(c)は、第1の振幅位相設定部421が出力する信号の波形を示す図であり、図12(d)は、第2の振幅位相設定部422が出力する信号の波形を示す図である。図12(e)は、第3の振幅位相設定部42が出力する信号の波形を示す図である。正弦波発生部411〜413、振幅位相設定部421〜423、および合波部43の機能は、第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図12(f)は、合波部43が出力する信号の波形を示す図である。合波部43は、振幅位相設定部421〜423から出力された正弦波信号を合波し、バイアス部45に出力する。図12(f)に示すように、合波部43から出力される信号は、受信信号と類似した波形を有し、かつ平均レベルが“0”の信号となる。一方、受信信号はRZ信号であるため、最小値が“0”である。
バイアス部45は、合波部43から出力される信号の最小値が“0”となるように、当該信号にバイアスを加算し、テンプレート信号として相関部32に出力する。
相関部32は、バイアス部45から出力されるテンプレート信号と、光電気変換部31から出力される受信信号とに基づいて、相関値を求め、受信信号を復調する。
このように、合波部43から出力される信号の最小値が“0”となるように、バイアスを加算することによって、歪みが発生したRZ信号の受信信号波形を再現することができる。これをテンプレート信号として用いることにより、波形歪による相関値の劣化を抑え、受信性能を改善することができる。
以上のように、本実施形態によれば、RZ信号を光信号に変換して伝送する光伝送システムにおいて、パルス信号復調装置は、光信号に発生した歪みを反映させたテンプレート信号を生成することができる。したがって、RZ信号を正確に復調することができる。
また、第3および第4の実施形態では、受信波形情報算出部は、入力される送信波形情報および光伝送路の仕様に基づいて受信波形情報を生成していた。ここで、第1の実施形態と同様に、受信波形情報算出部が、光伝送路の仕様および送信波形情報を予め記憶していてもよく、また、光伝送路をモニタすることによって、光伝送路の仕様を取得してもよい。また、第1の実施形態の変形例と同様に、光伝送路の仕様が不明な場合、受信波形情報を変化させ、相関値が最大となるように光伝送路の仕様を決定してもよい。
(第5の実施形態)
図13は、本発明の第5の実施形態に係るパルス信号復調装置30fが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図である。図13に示す光伝送システムは、送信装置10と、パルス信号復調装置30fとを含む。送信装置10とパルス信号復調装置30fとは、光伝送路20を介して接続される。
図13において、本実施形態に係るパルス信号復調装置30fは、光電気変換部31と、相関部32と、受信波形情報算出部33fと、テンプレート信号発生部34fとを含む。テンプレート信号発生部34fは、正弦波発生部411〜413と、複数の振幅位相設定部421〜423と、合波部43と、マスク部44とを有する。
本実施形態に係るパルス信号復調装置30fは、図8に示す第3の実施形態に係るパルス信号復調装置30dと比較すると、受信波形情報算出部33fにおける受信波形情報の算出方法が異なる。それ以外の構成要素は、第3の実施形態と同様であるため、図8と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。また、送信パルス発生部11、電気光変換部12の機能も第3の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態において、送信装置10は、実際の送信データの伝送に先立ち、符号“1”に相当するテスト信号を光信号に変換して光伝送路20に送出する。
パルス信号復調装置30fにおいて、光電気変換部31によって変換された電気信号は分岐され、受信波形情報算出部33fに入力される。
受信波形情報算出部33fは、光電気変換部31から出力されるテスト用の受信信号に基づいて、受信波形情報を生成する。具体的には、受信波形情報算出部33fは、テスト用の電気信号の波形から、送信信号スペクトルのピーク周波数f1の成分と、その整数倍の周波数の成分とを抽出し、それらの振幅および位相をテンプレート信号発生部34fの第1〜第3の振幅位相設定部421〜423に出力する。
なお、テンプレート信号発生部34fの動作は、第3の実施形態におけるテンプレート信号発生部34dの動作と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、パルス信号復調装置は、実際に受信した信号の波形に基づいて、テンプレート信号を生成する。これにより、受信波形に近い波形を有するテンプレート信号を簡易に生成することができる。また、例えば、複数の波形劣化要因によって信号の波形に歪みが生じる場合のように、光伝送路における波形劣化の算出に複雑な計算を要する場合に、本実施形態は特に有効である。
なお、本実施形態では、受信信号のスペクトルのうち、受信信号のピーク周波数f1 とその2倍および3倍周波数を用いる場合について説明した。ここで、第3の実施形態と同様に、ピーク周波数の何倍の周波数成分を用いるかは、送信装置および光伝送路の仕様に応じて、適宜決定すればよい。
本発明は、パルス信号を光信号に変換して伝送する光伝送システムにおいて、パルス信号を正確に復調することができるパルス信号復調装置等として有用である。また、通信機器用の復調回路等としても有用である。
本発明の第1の実施形態に係るパルス信号復調装置30が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図 図1に示す相関部32の構成例を示すブロック図 受信波形情報の算出手順の具体例を示す図 第1の実施形態の変形例に係るパルス信号復調装置30aが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図 図4に示す受信波形情報算出部33aの動作を示すフローチャート 本発明の第2の実施形態に係るパルス信号復調装置30bが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図 第2の実施形態の変形例に係るパルス信号復調装置30cが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図 本発明の第3の実施形態に係るパルス信号復調装置30dが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図 図8に示すパルス信号復調装置30dの主要部から出力される信号の波形をシミュレーションにより求めた結果を示す図 本発明の第4の実施形態に係るパルス信号復調装置30が適用される光伝送システムの構成を示すブロック図 第4の実施形態の変形例に係るパルス信号復調装置30eが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図 図11に示すパルス信号復調装置30eの主要部から出力される信号の波形を示す図 本発明の第5の実施形態に係るパルス信号復調装置30fが適用される光伝送システムの構成を示すブロック図 ウルトラワイドバンド通信方式に用いられる従来の復調装置の構成を示すブロック図 図14に示す従来の復調装置の主要部から出力される信号の波形および相関値を示す図
符号の説明
10 送信装置
11 送信パルス発生部
12 電気光変換部
13 RZ変調部
20 光伝送路
30、300 パルス信号復調装置
31 光電気変換部
32、320 相関部
33 受信波形情報算出部
34、340 テンプレート信号発生部
35 記憶部
36 入力部
411、422、423 正弦波発生部
421、422、423 振幅位相設定部
43 合波部
44 マスク部
45 バイアス部
51 乗算部
52 積分部
53 識別部
350 同期部

Claims (13)

  1. 光信号に変換されたパルス信号を光伝送路を介して受信し、復調するパルス信号復調装置であって、
    受信した前記光信号を電気信号に変換し、受信信号として出力する光電気変換部と、
    前記パルス信号が光信号に変換され、前記光電気変換部によって受信信号に変換されるまでに生じる歪みが反映した前記パルス信号の波形の形状に関する情報を受信波形情報として出力する受信波形情報算出部と、
    前記受信波形情報算出部から出力された前記受信波形情報と、前記受信信号に同期した同期信号とに基づいて、前記受信信号に生じている歪みに類似した歪みが反映された波形を有し、かつ前記受信信号に同期したテンプレート信号を生成するテンプレート信号発生部と、
    前記光電気変換部から出力された前記受信信号と、前記テンプレート信号発生部によって生成された前記テンプレート信号との波形の相関を求めることによって、前記パルス信号を復調する相関部とを備える、パルス信号復調装置。
  2. 前記受信波形情報算出部は、前記パルス信号の送信時の波形と、前記光伝送路の情報とに基づいて前記受信波形情報を生成する、請求項1に記載のパルス信号復調装置。
  3. 前記パルス信号は、ビットレートをヘルツに読み替えた場合の周波数帯域よりも大きい幅の周波数帯域を占有する短パルス信号であることを特徴とする、請求項2に記載のパルス信号復調装置。
  4. 前記受信波形情報算出部は、前記パルス信号に生じる歪みのうち、当該パルス信号のスペクトルのピーク周波数の整数倍に相当する周波数成分と、当該ピーク周波数成分の振幅および位相を受信波形情報として出力し、
    前記テンプレート信号発生部は、
    前記ピーク周波数を有する正弦波信号と、当該ピーク周波数の整数倍の周波数を有する正弦波信号とを生成する複数の正弦波発生部と、
    前記複数の正弦波発生部によって生成された前記正弦波信号の振幅および位相を、前記受信波形情報に基づいてそれぞれ調整する複数の振幅位相調整部と、
    前記複数の振幅位相調整部によって振幅および位相が調整された正弦波信号を合波する合波部とを含む、請求項2に記載のパルス信号復調装置。
  5. 前記テンプレート信号発生部は、さらに、受信すべきパルスのタイミングを示すホッピングパターンに基づいて、前記合波部によって合波された信号を通過させ、前記テンプレート信号を発生させるマスク部を含む、請求項4に記載のパルス信号復調装置。
  6. 前記パルス信号は、RZ信号であることを特徴とする、請求項1に記載のパルス信号復調装置。
  7. 前記受信波形情報算出部は、前記パルス信号に生じる歪みのうち、前記パルス信号のスペクトルのピーク周波数の整数倍に相当する周波数成分と、当該ピーク周波数成分の振幅および位相を受信波形情報として出力し、
    前記テンプレート信号発生部は、
    前記ピーク周波数を有する正弦波信号と、当該ピーク周波数の整数倍の周波数を有する正弦波信号とを生成する複数の正弦波発生部と、
    前記複数の正弦波発生部によって生成された正弦波信号の振幅および位相を、前記受信波形情報に基づいてそれぞれ調整する複数の振幅位相調整部と、
    前記複数の振幅位相調整部から出力された正弦波信号を合波する合波部と、
    前記合波部によって合波された正弦波信号の最小値が“0”となるようにバイアスを加算し、テンプレート信号として出力するバイアス部とを含む、請求項6に記載のパルス信号復調装置。
  8. 前記光伝送路の情報は、前記光信号を送出する送信器に用いられる半導体レーザまたは光変調器のチャープパラメータと、前記光信号の波長における前記光伝送路の総分散量とを含み、
    前記受信波形情報算出部は、前記パルス信号の送信時の波形とチャープパラメータとに基づいて送信光スペクトルを算出し、当該送信光スペクトルと前記光伝送路の総分散量とに基づいて受信光スペクトルを算出し、当該受信光スペクトルに基づいて電気信号に変換された受信信号スペクトルを算出し、当該受信信号スペクトルに関する情報を受信波形情報として出力することを特徴とする、請求項2に記載のパルス信号復調装置。
  9. 前記相関部は、求めた相関値を前記受信波形情報算出部に出力し、
    前記受信波形情報算出部は、前記光伝送路の情報を変動させて前記受信波形情報を生成し、前記相関部によって求められた相関値が最大となる時の値に前記光伝送路の情報を設定する、請求項2に記載のパルス信号復調装置。
  10. 前記相関部は、
    前記受信信号と前記テンプレート信号とを乗算する乗算部と、
    前記乗算部によって乗算された信号を1ビット分の期間において積分する積分部と、
    前記積分部によって積分された信号を識別し、識別した値を出力する識別部とを含む、請求項1に記載のパルス信号復調装置。
  11. 前記パルス信号復調装置には、光信号に変換されたテスト用のパルス信号が送信され、
    前記受信波形情報算出部は、前記光電気変換部から出力されるテスト用のパルス信号の波形に基づいて、前記受信波形情報を生成することを特徴とする、請求項1に記載のパルス信号復調装置。
  12. さらに、前記パルス信号の送信時の波形と、前記光伝送路の情報とを記憶する記憶部を備える、請求項2に記載のパルス信号復調装置。
  13. さらに、前記パルス信号の送信時の波形および前記光伝送路の情報を入力する入力部を備え、
    前記記憶部は、前記入力部から入力された前記パルス信号の送信時の波形および前記光伝送路の情報を記憶する、請求項12に記載のパルス信号復調装置。
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