JP2010212812A - 無線通信システム及び方法 - Google Patents

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【課題】異なる干渉の無線通信を実現する。
【解決手段】受信機3において受信した信号を、第2のチャープパルスと混合し、混合した信号を積分するとともに低域のみ通過させてAD変換し、生成したデジタルデータから情報を検出する際において、デジタルデータを解析することにより、高い受信電圧を持つ時間遅延Tを求め、求めた時間遅延Tに基づいて上記第2のチャープパルスを生成することにより、非干渉性の高い無線通信を実現する。
【選択図】図2

Description

本発明は、送信機から受信機へ無線信号を送信する無線通信システム及びその法に関する。
近年、情報化の進展に伴いオフィスや工場等においてコンピュータや端末等の装置間でデータを送受信する通信システムの導入が盛んに行われている。特にコンピュータや携帯情報端末等の普及に伴って、これら各種機器の可搬性の向上等の多様な要請に応えるべく、UWBを利用した無線通信システムが提案されている。
このUWB通信は、1ナノ秒という非常に短い時間幅のパルス信号を利用し、そのパルス信号の時間軸上の位置や位相を変化させることで搬送波を用いることなく情報を伝送する。1ナノ秒以下という非常に短い時間幅のパルス信号を用いることから、UWB通信用の信号が占有する信号帯域は数GHzと非常に広くなるが、搬送波を用いた変調処理そのものが不要となり、スペクトル電力密度を低減させることができる。このため、これをノイズの信号レベル以下まで抑えることができることから、他の通信システムや各種機器による影響を受けることもなくなり、高いデータ伝送特性が実現されることになる。
また、このUWB通信では、また、電波を送出する搬送波を用いた通信方式とは異なり、きわめて短いパルスを送出するだけで通信を実現することが可能となることから、消費電力を非常に小さくすることができ、パルス信号の送出間隔を短くすることで非常に高速な通信を実現することも可能となる。
従来において、このUWB通信システムとしては、例えば、特許文献1の開示技術が提案されている。
また、UWBの中でも特に近年において、Impulse Radio型UWB(IR−UWB)方式も提案されている。このIR−UWBでは、ナノ秒オーダーの非常に短いパルス幅の電波を使用する方式で、電波の到達時間を高精度に測定ができるため、高精度の測距・測位に適している。
このクラスの低電力・低データレートIR−UWBシステムは、性能と電力消費のトレードオフを慎重に考慮する必要がある。最初の手法として、パルス位置変調(PPM)又はオンオフ変調(OOK)を用いる非干渉型UWR装置の使用があるが、これは干渉型と比べて設計と実現が容易である反面、狭帯域干渉(NBI)に対して感度が高く、同期時間が長いという欠点があった。対応する非干渉型のシステムと比べて実現するには相当の課題があるため、複雑性が低く、電力消費が低い干渉型IR−UWBシステムが依然として出現している。また、これらのシステムの動作には高精度のタイミング回路の生成が必要であるという特有の課題もある。更に、電力収支のかなりの部分は、通常連続動作する、つまりデューティサイクルを用いない受信機側のRF発振器部分により消費される。これら干渉型の次善の解決策が、単一の理想的に最強のマルチパス成分のみからのエネルギーの利用に見られる。これにより、高サンプルレートのシステムと比較すると、チャンネルマルチパス分布によっては、6〜10dBの性能低下が起こる。更に、そのチャンネルにおけるパルス波形歪みは補償されず、これによりシステム性能が更に6dB程度に低下する。
本発明者は、比較的高い時間・帯域積を有する線形チャープパルスを用いる差分干渉型システムを設計することを提案している。線形チャープパルス特有の分析的指標を多少使用することにより、比較的簡単な直交アナログ相関受信機は、そのチャンネル中のパルス波形歪みに対して高強固性を維持しつつ、マルチパスエネルギーのかなりの部分を利用可能となる。また、このシステムで使用しているサンプルレートは比較的低く、必要なサンプル解像度も2又は3ビット程度に低下されている。同期に必要なこのシステムのタイミング解像度は、短パルスを使用する現在の低電力の干渉型IR−UWBシステムと比べて大幅に低下する。これにより、受信機のタイミングDDL(Delay Locked Loop)の複雑性と電力消費も同様に大幅に低下する。更に、使用する直交アナログ相関受信機は、典型的な単一の正弦波トーンの代わりに、自身のチャープパルスを発生するため、受信機のRF発振器部分のデューティサイクルが容易になる。これにより、更なる電力節約の余地が出てくる。
標準化の観点から、このシステムはIEEE 802.15.4a規定のUWB標準の変更例と見なせるであろう。つまり、差分干渉型検出と位相変調にのみ固執したり、このシステムで使用する波形を一連の短パルスからIEEE 802.15.4aで規定されている32nsの強制的バーストの幅よりも2倍程度長い幅を有する単一チャープパルスに変更している。これらの変更例は、受信機が適切に設計されている場合には、システム性能をかなり改善する可能性がある。
特開2007−300644号公報
そこで本発明の解決しようとする課題は、何れも上述した問題点を解決しようとするものであり、マルチパスが発生しえる環境下においても、非干渉性の高い無線通信を実現し得る無線通信システム及び方法を提供する。
本発明に係る無線通信システムは、上述した課題を解決するために、第1のチャープパルスを生成する第1のチャープジェネレータと、上記第1のチャープジェネレータにより生成された上記第1のチャープパルスを位相変調する位相変調手段と、上記位相変調手段により位相変調されたチャープパルス信号を無線送信する送信手段とを有する送信機と、上記送信手段から上記信号を受信する受信手段と、上記第1のチャープパルス波形とは異なる第2のチャープパルスを生成する第2のチャープパルス生成手段と、上記受信手段により受信された上記信号を上記第2のチャープパルスと合成する合成手段と、上記合成手段により合成された信号を積分するとともに低域のみ通過させる低域フィルタと、上記低域フィルタを通過した信号をAD変換するAD変換手段と、上記AD変換手段により生成されたデジタルデータから情報を検出する情報検出手段とを有する受信機とを備え、上記情報検出手段は、上記受信したデジタルデータを解析することにより、高い受信電圧を持つ時間遅延Tを求めるとともに、これを上記第2のチャープパルス生成手段へ通知し、上記第2のチャープパルス生成手段は、上記情報検出手段から通知された時間遅延Tに基づいて上記第2のチャープパルスを生成することを特徴とする。
本発明に係る無線通信方法は、上述した課題を解決するために、第1のチャープパルスを生成する第1のチャープ生成ステップと、上記第1のチャープ生成ステップにおいて生成した上記第1のチャープパルスを位相変調する位相変調ステップと、上記位相変調ステップにおいて位相変調したチャープパルス信号を無線送信する送信ステップとを送信機において実行し、上記送信ステップにおいて無線送信された上記信号を受信する受信ステップと、上記第1のチャープパルス波形とは異なる第2のチャープパルスを生成する第2のチャープパルス生成ステップと、上記受信ステップにおいて受信した上記信号を上記第2のチャープパルスと合成する合成ステップと、上記合成ステップにおいて合成した信号を積分するとともに低域のみ通過させる低域通過ステップと、上記低域通過ステップにおいて通過させた信号をAD変換するAD変換ステップと、上記AD変換ステップにおいて生成したデジタルデータから情報を検出する情報検出ステップとを受信機において実行し、上記情報検出ステップでは、上記デジタルデータを解析することにより、高い受信電圧を持つ時間遅延Tを求め、上記第2のチャープパルス生成ステップでは、上記情報検出ステップにおいて求められた時間遅延Tに基づいて上記第2のチャープパルスを生成することを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、マルチパスが多数発生しえる環境下においても、高いデータレートで異なる干渉での無線通信を実現し得る。
本発明を適用した無線通信システムにおける送信機のブロック構成を示す図である。 本発明を適用した無線通信システムにおける受信機のブロック構成を示す図である。 合成後の信号スペクトルを示す図である。 に対する受信エネルギーの典型例を示す図である。 IEEE802.15.4a規定のスペクトルマスク下におけるチャープパルスのスペクトルを示す図である。 BANチャンネルモデルのηを示す図である。 CM1チャンネルモデルのηを示す図である。 本発明の効果について説明するための図である。 本発明の効果について説明するための他の図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した無線通信システムにおける送信機2のブロック構成を、また図2は、本発明を適用した無線通信システムにおける受信機3のブロック構成を示している。
送信機2は、タイミング生成部21と、第1のチャープジェネレータ22と、DQPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)変調部23と、増幅部24と、アンテナ25とを備えている。
また受信機3は、アンテナ31と、低雑音増幅器(LNA)32と、VGA(Variable Gain Amplifier)33と、ミキサ回路34と、LPF35と、ADコンバーター(ADC)36と、第2のチャープジェネレータ37と、情報検出部38とを備えている。
タイミング生成部21は、第1のチャープジェネレータ22の前段において接続されてなり、第1のチャープジェネレータ22において生成すべき第1のチャープパルスのタイミングに関する情報を生成し、これを第1のチャープジェネレータ22へ送信する。
第1のチャープジェネレータ22は、タイミング生成部21において生成されたタイミングに関する情報に基づいて第1のチャープパルスを生成し、これをDQPSK変調部23へと出力する。
DQPSK変調部23は、第1のチャープパルスに対して、4つの位相に2ビットを割り当てる変調を行う。但し、このDQPSK変調の代わりにDBPSK(Differential Phase Shift Keying)を行うようにしてもよい。位相変調後されたチャープパルス信号は、その後段にある増幅部24において増幅され、アンテナ25を介して無線送信される。
また受信機3におけるアンテナ31は、無線により送信されてくるチャープパルス信号を受信する。またこのアンテナ31を介して受信された信号はLNA32へと送られる。
LNA32は、アンテナ31により受信した信号につき低雑音増幅する。またVGA33は、LNA32から出力された信号を増幅することにより、いわゆる自動利得制御を行う。ちなみに、このVGA33における処理は、情報検出部38による制御の下、実行するようにする。
第2のチャープジェネレータ37は、第2のチャープパルスを生成し、これをミキサ回路34へ送信する。ミキサ回路34は、VGA33から送られてきた信号を第2のチャープパルスとミキシングし、これをLPF35へ送る。
LPF35は、ミキサ回路34によりミキシングされた信号を積分するとともに低域のみ通過させる低域フィルタである。このLPF35を通過した信号は、ADC36へ送信され、AD変換される。ADC36により生成されたデジタルデータは、情報検出部38へと送られ、当該情報検出部38により情報が検出されることになる。
また、情報検出部38は、さらに受信したデジタルデータを解析することにより、高い受信電圧を持つ時間遅延Tを求めるとともに、これを第2のチャープジェネレータ37へ通知する。
第2のチャープジェネレータ37は、情報検出部38から通知されたかかる時間遅延Tに基づいて第2のチャープパルスを生成する。
次に、本発明を適用した無線通信システムの動作について説明をする。
IR-UWシステムの送信機と受信機の両方とも線形チャープパルスジェネレータを用いる。このジェネレータは、理想的には、中心周波数fo、期間Tc、周波数掃引Δfcを持つ線形チャープパルスを発生する。このチャープ周波数は、以下のように定義されるチャープ傾きKcとして表すことができる。
Figure 2010212812
理想的なチャープパルス波形は、以下のように表される。
Figure 2010212812
関数w(t,T1,T2)は、限定値T1およびT2を有する略矩形の窓関数である。
チャープパルスジェネレータとして使用されるVCOは、理想的な線形曲線は決して持たない。更に、このシステムのアンテナや他の回路は理想的な線形位相特性を持たない。その結果、これらの効果が含まれる場合、このチャープパルスは追加的に位相変調され、
Figure 2010212812
となる。
ここで、φ(t)は、チャープジェネレータΔKc(t)の周波数非理想性の積分と以下のシステム成分φ0(t)による位相変調を含む位相非理想性関数である。
Figure 2010212812
システム中で使用される送信機のモデルが、図1に示される。この送信機は、位相変調されたチャープパルスをシンボルとして用いる。信号期間Tpは、シンボル期間Tcよりも長いため、システム内でタイムホッピングを使用する可能性がある。送信された位相変調(phase-modulated)チャープパルスシンボルは、以下のように表すことができる。
Figure 2010212812
ここで、cT(t)は、送信機が発生したチャープである。l(k)は、値0≦l(k) ≦Tp/Th-1を持つタイムホッピング列である。通常、Th=Tcであるが、これに限定されない。送信されたシンボル位相は、以下の式により検出符号化される。
Figure 2010212812
個人用UWB通信チャンネルは、マルチパスが豊富である。通常のチャンネルモデルについては、チャンネル転送関数は、以下のように表すことができる。
Figure 2010212812
ここで、h1,・・・・,hMは、複素マルチパス係数であり、T1,・・・・,TMは、対応する到達時間である。チャープパルスがチャンネルを通ると、その結果は、rk(t)=sk(t)×h(t)となる。
Figure 2010212812
マルチパスチャンネルにおける異なるパスに沿った異なるパルス位相ひずみは、φ(t)と同様な位相変調関数θm(t)を含むことによりモデル化される。
Figure 2010212812
使用するTcとTp、即ち、デューティサイクルにかかわらず、シンボル間干渉(ISI)は、受信機出力側では無視できる。したがって、特定の受信したシンボルに対する受信機応答を分析する際に、この特定のシンボルのみを考慮すれば十分である。図2に示すように、受信した信号rk(t)は、受信機内で局所的に発生して信号γk(t,TR)を生成するチャープパルスmk(t,TR)と合成される。タイムホッピング列同期であるmk(t)が、以下の式で与えられると仮定する。
Figure 2010212812
ここで、cR(t)は、通常、受信機内で発生した関数とは異なる位相非理想性関数を持つ局所的に発生したチャープパルス波形であり、TRは、受信機の時間遅延である。
明瞭性のためと一般性が損なわれないようにするために、k=0を用い、l(0)=0と仮定し、受信機の0番目のシンボル
Figure 2010212812
を合成した結果を分析する。
Figure 2010212812
ここで、αm(t)は、以下の式により得られる。
Figure 2010212812
理想的な場合、合成後に生成される信号γ0(t)は、マルチパス成分に対応するトーンの合計であることが分かる。各トーンは到来するチャープパルスと受信機チャープパルスが重なる時間によってウインドウ化される。その周波数は、2つのチャープ間の時間差及びチャープ傾きに比例する。位相非理想性を考慮すると、このトーンは、位相(周波数)変調され、そのスペクトルが拡散する。
室内UWBチャンネルモデルのほとんどは、クラスター効果を含んでいる。即ち、チャンネルエネルギーの大部分は、近接した数個の強いマルチパス成分内に集中している。最適なTRが選択されたこのチャンネル特性を用いると、受信機は非干渉的にマルチパスエネルギーを多量に捕らえることが可能である。更に、強固なマルチパス成分は普通近接しており、γ0(t)内の対応するトーンのほとんどは、低周波数とTcに近いウィンドウ期間を持つ。したがって、図3に示すように、γ0(t)は、比較的低域信号となる。つまり、好適に低域フィルタされ、比較的低いサンプルレートでディジタル化された信号となる。導入された検出方法と共に比較的高い時間・帯域積(TB product)を有するチャープパルスの固有の特性により、より複雑な受信機であるレイク受信機の性能に近い性能を有する比較的簡単な受信機が提供される。
ウィンドウ効果により、この技術は、理想的なレイク受信機と比較して、合成における多少のSNR損を導入する。合成によるこのSNR損を量子化するためには、損失係数ηmを以下のとおり導入する。
Figure 2010212812
合成の前後では雑音電力に変化がないため、ηmは、信号エネルギー比として表される。
図2から明らかなように、低域フィルタ後の信号は、以下の式に等しくなる。
Figure 2010212812
ここで、hLP(t)は、低域フィルタのインパルス応答である。サンプル周波数fs=1/Tsを持つs0(t,TR)をサンプルするとサンプルのベクタが生成される。
Figure 2010212812
ここで、N=[Tc/(2Ts)]・sk(TR)は、以下のように表すことができる。
Figure 2010212812
‖d(TR)‖2を最大化するTRを求めることによりタイミング同期が行われる。
Figure 2010212812
図4に示すように、典型的には、TRに対する受信エネルギーは、短パルスのIR−UWBシステムにおけるよりも一層緩やかに変化する。これにより、システムは、最も強いマルチパス成分を探索しながら、同期中にdの最高エネルギーの線分探索を古典的短パルスUWBシステムが行うよりも短い時間で行える可能性がある。更に、この受信機は、‖d(TR)‖2を高い値に維持し、位相のコヒーレンスを達成しないようにするためにのみTRを変化させる。これにより、コヒーレントシステムを維持しつつ、実現が必要なタイミング解像度に関する要求は、短パルスを有する非干渉性IR−UWBシステムで求められる大きさまで緩和される。
低域フィルタ及びディジタル化により、以下のように表すことができる係数を有するさらなるSNR損が導入される。
Figure 2010212812
本システムにおける合計損失は、下記に等しくなる。
Figure 2010212812
タイミングドリフトにより、信号検波での比較的高い位相ドリフトが期待される。しかしながら、上述のとおり、通常DLLで実現される高解像度タイミングはシステムの複雑さを著しく増大するため、可能ならば回避すべきである。したがって、検出復号化が続く位相復調は実用的ではない。検討すべきシンボル検出方法は、2つある。第1に、通常のDPSK検出であり、シンボルサンプルsk(TR)は、まずほぼ一致してフィルタされる。
Figure 2010212812
次に、この送出されたシンボルは、以下のように推定される。
Figure 2010212812
ここで、
Figure 2010212812
は、受信機においてタイミングドリフトに結合された位相ドリフトの推定値である。実際、
Figure 2010212812
はシンボル毎に変化せず、時間平均することにより、つまり全ディジタルPLLを介して簡単に推定することが可能である。この技術は、チャンネル
Figure 2010212812
を推定することも必要とする。タイミングドリフトは、それ自体でd(TR)ベクタの連続変化を起こすため、
Figure 2010212812
を求めることが複雑になる。理想的には、この技術は、検出復号化が続くコヒーレントBPSK検出の性能に近いバイナリ変調の場合の性能をもたらす。
考慮される第2のディジタル領域検出方法は、2つの連続するシンボルがディジタル領域内で相関関係を有し、位相差推定値を生成する上記のDPSKの簡略化したものと見なすことができる。
Figure 2010212812
この検出方法は、「ディジタル差動位相シフトキーイング」(Digitally Differential Phase Shift Keying (DDPSK))と呼ぶことにする。DDPSKは、いかなるd(TR)推定値も必要とせず、また推定にはSk-1(TR)サンプルのみを用いるため、複雑性が低い実現方法にとってはより実用的である。しかしながら、DDPSKは、DPSKと比べて最適とは言えない。
システム性能と複雑性に影響する基本的システムパラメータは、使用したチャープパルスのパラメータ「掃引周波数Δfc」と「チャープパルス期間Tc」である。チャープ傾きKcが大きくなると、合成後の信号スペクトルが広くなり、マルチパスエネルギーの大部分を獲得するのにより大きなサンプルレートが必要になる。したがって、低いKcを持つチャープパルスを使用することがシステム性能の観点から望ましい。低いKcを得るためには、Δfcは、UWBシステムが少なくとも500MHzの帯域を持つための要求から比較的簡単に決定される。また、チャープスペクトルは、比較的フラットなため、約600MHzの帯域を有するIEEE 802.15.4a規定のUWBスペクトルマスクに合うように簡単に適応可能である。これにより、比較的高レベルの電力を送出された信号に付与し、その信号がその標準化された帯域プランに対しコンプライアンスを持てるようにする。したがって、図5に示すように、およそ500MHzの帯域のΔfcは、両方の要求を満たし、以後使用される。
チャープ期間Tcを考慮すると、必然的に、それが高くなると、チャープ傾きは低くなる。他方、電力消費の点から、比較的低パルス期間Tcを持つことが望ましい。この期間は、電力消費を低減する送信機と受信機の両方のRF回路のデューティサイクルが低くなる可能性がある。更に、短パルス期間は、より高いデータレートを提供する。したがって、パルス期間Tcを選択することは、一方でシステムの低デューティサイクル及び/または高データレートをもたらすほど十分短くなることと、他方で合成及びディジタル化における信号エネルギーの低い部分(低ηを持つ)が失われるほど十分長くなることの間の折衷案である。しかし、現代の低電力、低解像度のフラッシュADCは、広範囲のサンプル周波数に亘ってそれほど変化しない変換率当たりの電力消費を有する。したがって、良好な効果尺度は、与えられたηを達成するチャープパルス当たりに必要となるADC変換の数である。
図6と図7は、それぞれチャープパルス期間Tcの異なる値及びIEEE 802.15.6とIEEE 802.15.4a規定のチャンネルモデル用のη性能を示している。シミュレーションにおいて、簡単な統合化及びダンプ装置は、低域フィルタとして使用された。図6と7から、60nsを超えるTcを有するチャンネルのほとんどが著しい利得を生成しないことが観察される。パルス当たり約8〜12サンプルを超えてもηの顕著な改善は見られない。より正確には、ηの比較的小さな利得は、サンプル数の大幅な増加を必要とする。
図8は、ADC解像度に関する典型的なシステムのBER性能の依存性が示されている。最適性能に近いものを達成するには2〜3ビットで十分であることが観察できる。1−ビットのADCの結果を使用することでかなりの性能低下がある反面、簡単に実施できるため実施方法の選択肢として考慮する価値がある。同様の結果が、図9に示すNBI抵抗曲線上から観察できる。一方で、3−ビットのADC解像度は理想的性能に近い性能を付与するが、2−ビットのADCでは、2dBほど低い性能が得られる。この1−ビットADCは、比較的高いSIRに対してさえもNBIで支配されていると思われる。これによりシステムのNBI抵抗が深刻に劣化する。
2 送信機
3 受信機
21 タイミング生成部
22 第1のチャープジェネレータ
23 DQPSK変調部
24 増幅部
25、31 アンテナ
32 LNA
33 VGA
34 ミキサ回路
35 LPF
36 ADC
37 第2のチャープジェネレータ
38 情報検出部

Claims (4)

  1. 第1のチャープパルスを生成する第1のチャープジェネレータと、上記第1のチャープジェネレータにより生成された上記第1のチャープパルスを位相変調する位相変調手段と、上記位相変調手段により位相変調されたチャープパルス信号を無線送信する送信手段とを有する送信機と、
    上記送信手段から上記信号を受信する受信手段と、上記第1のチャープパルス波形とは異なる第2のチャープパルスを生成する第2のチャープパルス生成手段と、上記受信手段により受信された上記信号を上記第2のチャープパルスと合成する合成手段と、上記合成手段により合成された信号を積分するとともに低域のみ通過させる低域フィルタと、上記低域フィルタを通過した信号をAD変換するAD変換手段と、上記AD変換手段により生成されたデジタルデータから情報を検出する情報検出手段とを有する受信機とを備え、
    上記情報検出手段は、上記受信したデジタルデータを解析することにより、高い受信電圧を持つ時間遅延Tを求めるとともに、これを上記第2のチャープパルス生成手段へ通知し、
    上記第2のチャープパルス生成手段は、上記情報検出手段から通知された時間遅延Tに基づいて上記第2のチャープパルスを生成すること
    を特徴とする無線通信システム。
  2. タイミング同期手段は、時間遅延の関数d(T)に応じて上記時間遅延Tを求めること
    を特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
  3. 第1のチャープパルスを生成する第1のチャープ生成ステップと、上記第1のチャープ生成ステップにおいて生成した上記第1のチャープパルスを位相変調する位相変調ステップと、上記位相変調ステップにおいて位相変調したチャープパルス信号を無線送信する送信ステップとを送信機において実行し、
    上記送信ステップにおいて無線送信された上記信号を受信する受信ステップと、上記第1のチャープパルス波形とは異なる第2のチャープパルスを生成する第2のチャープパルス生成ステップと、上記受信ステップにおいて受信した上記信号を上記第2のチャープパルスと合成する合成ステップと、上記合成ステップにおいて合成した信号を積分するとともに低域のみ通過させる低域通過ステップと、上記低域通過ステップにおいて通過させた信号をAD変換するAD変換ステップと、上記AD変換ステップにおいて生成したデジタルデータから情報を検出する情報検出ステップとを受信機において実行し、
    上記情報検出ステップでは、上記デジタルデータを解析することにより、高い受信電圧を持つ時間遅延Tを求め、
    上記第2のチャープパルス生成ステップでは、上記情報検出ステップにおいて求められた時間遅延Tに基づいて上記第2のチャープパルスを生成すること
    を特徴とする無線通信方法。
  4. 上記情報検出ステップでは、時間遅延の関数d(T)に応じて上記時間遅延Tを求めること
    を特徴とする請求項3記載の無線通信方法。
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