JPWO2006004132A1 - 企業評価寄与因子及び/又は指標特定装置、特定プログラム並びに特定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な方法で企業又は業種の総合評価を行うことを可能にする企業評価寄与因子及び/又は指標特定装置を提供すること。
【解決手段】企業指標を取得する企業指標取得手段(送受信手段365等)と、総合評価指標を取得する総合評価指標取得手段(送受信手段365等)と、取得した企業指標を用いた因子分析を業種別に行なって因子を抽出する因子分析手段(情報処理手段380)と、各企業の因子及び各企業の総合評価指標を用いた重回帰分析を業種別に行なって総合評価指標に対する各因子の寄与率を算出する寄与率算出手段(情報処理手段380)と、因子を構成する企業指標を業種別に表示手段等に出力する出力手段(表示インターフェース373等)とを備えた。
【選択図】 図35

Description

本発明は、企業の経営状態などを改善する際に企業の現状を把握するための企業評価寄与因子及び/又は指標特定装置、特定プログラム並びに特定方法に関する。
従来、定量的判定ルールと定性的判定ルールとを有する診断ルールを格納する知識ベース部と、定量情報から経営指標を求める演算部と診断ルールに基づいて分析する推論部とを有する診断部と、結果を格納する診断結果ファイルとを備え、診断結果を出力することを特徴とする企業診断システムが知られている。該企業診断システムでは、診断項目に対して経験的な重み付けをしながら企業を分析していくことができ、各ルールの重要度を分析結果に反映することができるとされている(例えば特許文献1参照)。
また従来、評価を行うための基準となる複数の比較カテゴリをデータに記憶し、企業の財務評価情報と、顧客評価情報とから前記比較データを用いて業界平均との差を求めて特定の企業の評価を行う経営評価システムが知られている。該経営評価システムでは一般情報も参考にしており、財務評価情報と顧客評価情報とに基づいて業界平均との差を求めて企業を評価して、様々な角度から経営評価を行なうことで、経営施策の効果の客観的な評価が可能であるとされている(例えば、特許文献2参照)。
また従来の書籍には、「イノベーション(残余利益または株式時価総額)能力をキャッシュフローに転換する」という命題の下で、技術革新力(過去1〜2年の累積研究開発投資)、取引の効率性(在庫回転日数)、従業員の生産性((営業利益)/(従業員数))、設備活用能力((営業利益)/(有形固定資産))の項目について多変量解析で分析し、成果指標に対する4つの指標で解析した結果で企業の序列を掲載した例がある。(例えば、非特許文献1参照)。
特開平11−7475号公報 (第2−3ページ、第1−2図) 特開2002−149957号公報 (第2−6ページ、第1−4図) 岡田 依里著 「知財戦略経営」日本経済新聞社 2003年10月20日、p232−240
特許文献1に記載の企業診断システムでは、診断項目に対して経験的な重み付けをしながら企業を分析していくことができ、過去のデータに基づいて定量要因と定性要因より結果を出すことができるとされているが、知的財産情報に関して考慮がされていない。また、多変量解析を用いた分析をしていないので、どの指標が寄与しているか客観的・定量的な判断ができないという不具合を生じている。そして、業種別に指標の寄与度を算出することができないという不具合を生じている。また、いろいろ多種な財務情報を含むので、複雑な企業診断方法になっている。
また、特許文献2に記載の経営評価システムでは、財務評価情報と顧客評価情報、又は一般情報を用いて経営評価を行なうことで経営施策の効果の客観的な評価が可能であるとされているが、知的財産情報に関して考慮されていない。また、多変量解析を用いて分析していないので、どの指標がどれだけ寄与しているかという、客観的な判断や、定量的な判断ができないという不具合を生じている。また、業種別に指標の寄与度を演算することができないという不具合を生じている。そして、多種の財務情報を含むので、複雑な企業診断情報となってしまっている。また、従来の企業の評価システムでは、財務諸表のデータ蓄積、定性的要因等の利用により特定の企業診断を行なっているが、知的財産情報を含むものではない。また、定量的な寄与度や業種別の寄与度を算出することができないという不具合を生じている。
また、非特許文献1に記載のイノベーション能力の判定では、イノベーション(残余利益または株式時価総額)に結びつく指標に寄与する指標(項目)は、分析者の知見の積み重ねによる主観的な判断による選択であると考えられる。この判断では、指標選択が主観的であるために、もし他の指標を用いた分析の方が適切であったとしたら、客観的な判断ができなかったと言われても致し方ないと思われる。この文献に採用された指標では、三位一体の経営戦略を評価して判断することは困難である。
また最近の研究では、特許のマネジメントに関して論じている研究が増えているが、それらの定量的分析では、企業の知的財産部にアンケートを行ない、知的財産マネジメントの類型や業種によるマネジメントの特性等に関して論ずるものが多い(例えば、「知的財産制度と知的財産部門の組織構造と特許戦略 第6章日本企業における知的財産部門の組織構造と特許戦略 永田 晃也 著」などが存在する)。このように、企業間の比較のために、公開公報など客観的なデータを使用した分析を基に企業評価をする方法が取られているものは殆ど見られないというのが現状である。また、研究開発戦略、知的財産戦略,事業戦略の三位一体戦略が、企業の収益に寄与する度合いや、収益に関する知的財産関連の指標の寄与度を算出する手法も見当たらないというのが現状である。
そこで本発明は上記従来の状況に鑑み、企業の収益拡大に影響を与える指標は何であるかについて調査するために、公開されている企業の財務諸表データ及び特許データ等の情報を用いて多変量解析を行なって、公開された情報から客観的、定量的に寄与している指標を算出して表示することを目的としている。また本発明は、業種別又は1企業の、財務・経営関連指標、研究開発関連指標、知的財産関連指標等の企業指標のうち、簡便にどの指標を用いて業種別又は1企業の評価を行えば良いかを知ることが可能な企業評価システムを提供することを目的としている。
(1)また、上記課題を解決するため本発明の企業評価寄与因子及び/又は指標特定装置は、設備投資額、投資傾向指数等の企業の投資関連指標、
設備投資効率、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率等の経営財務分析関連指標、
研究開発費、発明者数、発明者比率、発明者1人当研究開発費等の研究開発関連指標、
研究開発費比率、研究開発効率、特許出願生産性等の研究開発効率関連指標、
特許出願件数、出願請求項数、出願1件当請求項数等の特許出願関連指標、
審査請求件数、平均出願経過年数、審査請求率等の審査請求関連指標、
特許登録件数、登録請求項数、発明者1人当登録件数等の特許取得関連指標、
総有効特許件数、総有効特許残存率等の特許ストック関連指標、
出願請求項数シェア、特許集中度等の特許集中度関連指標、又は、
特許収益性関連指標
等の企業指標を複数の企業について業種別に取得する企業指標取得手段と、
売上高、特許料等ロイヤルティ収入、営業利益等の収益関連指標、
超過付加価値額、超過営業利益等の超過収益関連指標、又は、
知的資産期待収益等の市場評価関連指標
等の総合評価指標を前記複数の企業について業種別に取得する総合評価指標取得手段と、
前記取得した企業指標を用いた因子分析を業種別に行なって因子Cを抽出する因子分析手段と、
前記各企業の因子C及び前記各企業の総合評価指標を用いた重回帰分析を業種別に行なって、総合評価指標に対する各因子Cの寄与率Jを算出し、この寄与率Jに基づいて前記因子Cから更に因子Jを選択する寄与率算出手段と、
前記寄与率算出手段によって選択された因子Jを構成する企業指標を業種別に表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする。
(2)また、上記課題を解決するため本発明は、設備投資額、投資傾向指数等の企業の投資関連指標、
設備投資効率、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率等の経営財務分析関連指標、
研究開発費、発明者数、発明者比率、発明者1人当研究開発費等の研究開発関連指標、
研究開発費比率、研究開発効率、特許出願生産性等の研究開発効率関連指標、
特許出願件数、出願請求項数、出願1件当請求項数等の特許出願関連指標、
審査請求件数、平均出願経過年数、審査請求率等の審査請求関連指標、
特許登録件数、登録請求項数、発明者1人当登録件数等の特許取得関連指標、
総有効特許件数、総有効特許残存率等の特許ストック関連指標、
出願請求項数シェア、特許集中度等の特許集中度関連指標、又は、
特許収益性関連指標
等の企業指標を複数の企業について取得する企業指標取得手段と、
売上高、特許料等ロイヤルティ収入、営業利益等の収益関連指標、
超過付加価値額、超過営業利益等の超過収益関連指標、又は、
知的資産期待収益等の市場評価関連指標
等の総合評価指標を取得する総合評価指標取得手段と、
前記取得した企業指標及び総合評価指標を用いた重回帰分析を行なって、前記総合評価指標に対する前記企業指標の寄与率Jを算出する寄与率算出手段と、
前記企業指標とその寄与率Jを業種別に表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする。
(3)また、本発明は、上記各装置によって実行される方法と同じ工程を備えた企業評価方法及び企業評価寄与因子及び/又は指標特定方法、並びに上記各装置によって実行される処理と同じ処理をコンピュータに実行させることのできる企業評価プログラム及び企業評価寄与因子及び/又は指標特定プログラムである。
本発明によれば、企業収益力などを表す総合評価指標に寄与する指標を抽出でき、その寄与の度合いを利用者に通知することが可能となる。利用者はその寄与率Jを確認することにより、どの指標で企業等を評価すれば良いかを知ることができるようになる。また、本発明では、因子及び因子負荷量も利用者に通知することができるため、どの因子又はどの指標がどの程度総合指標に影響しているかを確認することができる。
特に、企業評価に寄与する因子や指標を業種毎に特定することができるので、業種別に的確な企業評価ができるようになる。
本発明を用いて実現される企業評価システムの全体構成図である。 本発明を用いて実現される企業評価装置の信号処理系ブロック図である。 本発明を用いて実現される企業評価装置の一連の処理のフローチャートである。 利用者の操作フロー(三位一体企業価値評価フロー)を示す図である。 検索画面(利用者の操作画面)の表示例を示す図である。 三位一体企業評価メニュー画面(業種の選択画面)を示す図表である。 三位一体企業評価メニュー画面にて利用者が「複合機械系」の大分類を選択した状態を示す図表である。 三位一体企業評価メニュー画面(50音順:企業業種索引画面)を示す図表である。 三位一体企業評価メニュー画面にて利用者が「エレクトロニクス関連」の中分類を選択した状態を示す図表である。 総合評価指標の種類を例示する図表である。 寄与率等の算出に用いる事業・経営関連指標を例示する図表である。 寄与率等の算出に用いる研究開発関連指標を例示する図表である。 寄与率等の算出に用いる知的財産関連指標を例示する図表である。 寄与率等の算出に用いる知的財産関連指標を例示する図表である。 因子名と戦略との関係を示す図表である。 因子分析処理のフローチャートである。 重回帰分析処理のフローチャートである。 三位一体企業評価指標(第一次選択)を示す図表である。 三位一体因子分析変数の結果を示す図表である。 素材系業種の因子負荷量・固有値・累積寄与率を示す図表である。 複合技術系の因子負荷量・固有値・累積寄与率を示す図表である。 素材系業種の因子一覧を示す図表である。 複合技術系業種の因子一覧を示す図表である。 素材系業種企業の因子得点の指数化による評価を示す図表である。 素材系業種企業の因子得点の指数化による評価を示す図表である。 複合技術系業種企業の因子得点の指数化による評価を示す図表である。 複合技術系業種企業の因子得点の指数化による評価を示す図表である。 素材系業種の因子分析変数の相関行列表を示す図表である。 素材系業種の因子分析変数の共通度を示す図表である。 複合技術系業種の因子分析変数の相関行列表を示す図表である。 複合技術系業種の因子分析変数の共通度を示す図表である。 素材系業種の重回帰分析結果一覧を示す図表である。 複合技術系業種の重回帰分析結果一覧を示す図表である。 素材系業種の関係図を示す図である。 複合技術系業種の関係図を示す図である。 三位一体企業評価指標(第一次選択)を示す図表である。 機械系業種の因子負荷量を示す図表である。 エレクトロニクス関連業種の因子負荷量を示す図表である。 機械系業種の関係図を示す図である。 エレクトロニクス関連業種の関係図を示す図である。 機械系業種の因子を示す図表である。 機械系業種の重回帰分析結果を示す図表である。 エレクトロニクス関連業種の因子を示す図表である。 エレクトロニクス関連業種の重回帰分析結果を示す図表である。 機械系業種企業の因子別ランキングを示す図表である。 機械系業種企業の因子別ランキングを示す図表である。 エレクトロニクス関連業種企業の因子別ランキングを示す図表である。 エレクトロニクス関連業種企業の因子別ランキングを示す図表である。 機械系業種の因子分析変数の共通度を示す図表である。 エレクトロニクス関連業種の因子分析変数の共通度を示す図表である。
符号の説明
10 通信網
20 データベース
30 企業評価装置
32 プリンタ
364 通信網
365 送受信手段
370 入力手段
371 入力インターフェース
372 表示手段
373 表示インターフェース
374 プリンタインターフェース
377 記録媒体
378 記録媒体装着部
379 記録媒体インターフェース
380 情報処理手段
381 メモリ
384 記録手段
385 記録手段インターフェース
390 カレンダ時計
399 バス

以下、本発明に係る企業評価寄与因子及び/又は指標特定装置、並びにこれを用いて実現される企業評価システム及び企業評価装置について、図を用いて説明する。
図1は、本発明を用いて実現される企業評価システムの全体構成図である。この企業評価システムは、企業評価に寄与する因子及び指標を業種ごとに特定し出力可能であり、特定された因子及び/又は指標を用いて更に企業評価を行うことも可能になっている。
同図に示すように、この企業評価システムは、評価対象の総合評価指標を記録する総合評価指標データベース、業種毎や50音別に企業名を記録する業種企業データベース、事業・経営関連指標や研究開発関連指標、又は知的財産関連指標等の企業指標、企業指標の分類、各種の定数や閾値、及び該閾値に基づく妥当性の判定結果、区分等の各種情報を記録するデータベース20と、総合評価指標や業種名、企業名、企業指標、各種の定数や閾値等の情報を入力して、企業価値等の演算結果を出力する企業評価装置30と、前記企業評価装置30とデータベース20とを通信接続しているインターネットや専用の通信回線等の通信網10とから構成されている。
なお、データベース20は、企業評価装置30の内部に設けてもよい。
図2は、本発明を用いて実現される企業評価装置の信号処理系ブロック図である。
同図に示すように企業評価装置30の情報送受信部には、公衆回線又は通信ネットワーク等の通信網364を介して他の通信機器と情報の送受信を行うための送受信手段365(企業指標取得手段、総合評価指標取得手段、閾値取得手段、又は出力手段の機能を含む)が設けられている。
また企業評価装置30には、利用者が入力手段370を介して入力した各種情報を取得して後述する情報処理手段に伝達したり、情報処理手段からの指示に基づいてLCD等に表示指令を出力する入力インターフェース371と、画像や文字、グラフ、又は図表等の情報を表示する表示手段372と、情報処理手段の指令に基づいて表示手段372に対して表示用の映像信号を出力する表示インターフェース373(出力手段の機能含む)と、画像や文字、グラフ、又は図表等の情報をプリンタ32等の印刷手段に出力するプリンターインターフェース374とが設けられている。なお、入力手段370は、キーボードやマウス、タブレット等の入力装置を含むものである。
また、企業評価装置30には、記録媒体377を着脱可能に装着する記録媒体装着部378と、記録媒体377に対して各種情報を記録したり読み出したりする記録媒体インターフェース379(企業指標取得手段、総合評価指標取得手段、閾値取得手段、又は出力手段の機能を含む)とが設けられている。なお、記録媒体377は、メモリーカード等の半導体や、MO、磁気ディスク等に代表される磁気記録式、光記録式等の着脱可能な記録媒体である。
また、企業評価装置30には、企業評価装置30の全体の制御を行う情報処理手段380と、情報処理手段380にて実行されるプログラムや各種定数が記録されているROMと、情報処理手段380が処理を実行する際の作業領域となる記録手段であるRAMとから構成されるメモリ381とが設けられている。
また、情報処理手段380は、企業指標取得手段、総合評価指標取得手段、因子分析手段、寄与率算出手段、指数算出手段、企業指標抽出手段、閾値取得手段、表示用データ生成手段、出力手段の諸機能を実現することが可能となっている。なお、これらの全ての処理を情報処理手段380が実行する代わりに、複数の専用の処理装置を設けて、それぞれの処理装置に処理を分担して実行するようにしても本発明の目的を達成することが可能である。
また、企業評価装置30には、企業評価装置30の処理に関する各種定数やネットワーク上の通信機器に通信接続する際の属性情報、URL(Uniform Resource Locators)、ゲートウェイ情報、DNS(Domain Name System)等の接続情報、企業の経営に関する経営財務情報、特許に関する技術文献、特許情報、市場価値情報、企業価値を判定する閾値及び該閾値に基づく妥当性の判定結果等の各種情報を記録するハードディスク等の記録手段384と、記録手段384に記録されている情報を読み出したり記録手段384に対して情報を書き込む処理を行う記録手段インターフェース385(企業指標取得手段、総合評価指標取得手段、閾値取得手段、又は出力手段の機能を含む)と、時刻を刻むカレンダ時計390とが設けられている。
企業評価装置30内の情報処理手段380と、表示インターフェース373、メモリ381、記録手段インターフェース385、カレンダ時計390等を含む各周辺回路はバス399で接続されており,情報処理手段380にて実行される処理プログラムに基づいて各々の周辺回路を制御することが可能となっている。
なお、企業指標、総合評価指標、各種閾値、企業名、業界名等の各種データベースは、記録手段384に記憶されている場合や、CD―ROM、CD−RW、DVD、MO等の記録媒体377で提供される場合、通信網364を介して他の通信機器(データベース20等)から取得する場合も考えられる。
また、上記の企業評価装置30は、パーソナルコンピュータ、ワークステーションなど様々なコンピュータを利用して実現することができる。さらに、コンピュータをネットワークで接続して機能を分散して実施するようにしてもよい。
前記送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、情報処理手段380等の企業指標取得手段は、設備投資額、投資傾向指数等の企業の投資関連指標、設備投資効率、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率等の経営財務分析関連指標、研究開発費、発明者数、発明者比率、発明者1人当研究開発費等の研究開発関連指標、研究開発費比率、研究開発効率、特許出願生産性等の研究開発効率関連指標、特許出願件数、出願請求項数、出願1件当請求項数等の特許出願関連指標、審査請求件数、平均出願経過年数、審査請求率等の審査請求関連指標、特許登録件数、登録請求項数、発明者1人当登録件数等の特許取得関連指標、総有効特許件数、総有効特許残存率等の特許ストック関連指標、出願請求項数シェア、特許集中度等の特許集中度関連指標、又は、特許収益性関連指標等の企業指標を記録する指標データ用記憶装置(データベース20、記録手段384、記録媒体377等)から、企業指標を取得することが可能となっている。
また、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、情報処理手段380等の総合評価指標取得手段は、売上高、特許料等ロイヤルティ収入、営業利益等の収益関連指標、超過付加価値額、超過営業利益等の超過収益関連指標、又は、知的資産期待収益等の市場評価関連指標等の総合評価指標を、総合評価指標データベース(データベース20、記録手段384、記録媒体377等)から取得することが可能となっている。
また、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、情報処理手段380等の業種企業取得手段は、業種企業データベース(データベース20、記録手段384、記録媒体377等)から業種名や企業名等の情報を取得することが可能となっている。
また、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、情報処理手段380等の閾値取得手段は、総合評価指標に対して関係が深い企業指標を抽出するための寄与率の閾値を記録する閾値記録手段(データベース20、記録手段384、記録媒体377等)から、閾値を取得することが可能となっている。
また、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、情報処理手段380等の閾値取得手段は、総合評価指標に対して関係が深い企業指標を抽出するためのT値又はP値の閾値を記録する閾値記録手段(データベース20、記録手段384、記録媒体377等)から、閾値を取得することが可能となっている。
データベース20、記録手段384、記録媒体377等の記録手段は、設備投資額、投資傾向指数等の企業の投資関連指標、設備投資効率、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率等の経営財務分析関連指標、研究開発費、発明者数、発明者比率、発明者1人当研究開発費等の研究開発関連指標、研究開発費比率、研究開発効率、特許出願生産性等の研究開発効率関連指標、特許出願件数、出願請求項数、出願1件当請求項数等の特許出願関連指標、審査請求件数、平均出願経過年数、審査請求率等の審査請求関連指標、特許登録件数、登録請求項数、発明者1人当登録件数等の特許取得関連指標、総有効特許件数、総有効特許残存率等の特許ストック関連指標、出願請求項数シェア、特許集中度等の特許集中度関連指標、又は、特許収益性関連指標等の企業指標を用いた因子分析を行なって生成した因子とその分類及び企業指標と、前記因子分析を行なって算出した因子負荷量と、売上高、特許料等ロイヤルティ収入、営業利益等の収益関連指標、超過付加価値額、超過営業利益等の超過収益関連指標、又は、知的資産期待収益等の市場評価関連指標等の総合評価指標と、前記因子の分類毎の企業指標とを用いた重回帰分析を行なって算出した総合評価指標に対する寄与率とを記録することが可能となっている。
また、データベース20、記録手段384、記録媒体377等の閾値記録手段は、総合評価指標に対して関係が深い企業指標を抽出するための寄与率の閾値、T値の閾値、又は、P値の閾値を記録することが可能となっている。
情報処理手段380等の因子分析手段は、企業指標を用いた因子分析を行なって、企業指標の分類毎の因子の生成、因子負荷量、因子得点、固有値、寄与率、累積寄与率等の値の算出をすることが可能となっている。
また、情報処理手段380等の寄与率算出手段は、因子の分類毎の企業指標及び総合評価指標を用いた重回帰分析を行なって、総合評価指標に対する寄与率を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の指数算出手段は、因子得点を標準化して、因子得点が最大の企業が100となる指数を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の表示データ生成手段は、データベース20、記録手段384、記録媒体377等の記録手段から、因子とその寄与率、因子を構成する企業指標、企業指標の因子負荷量、又は総合評価指標を読み出して、関連付けて表示するための表示データを生成することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の寄与率算出手段は、取得した企業指標又はこの指標から抽出した因子と、総合評価指標とを用いた重回帰分析を行なって、総合評価指標に対する前記指標又は因子の寄与率を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の企業指標抽出手段は、寄与率と閾値とを比較して、前記閾値以上の寄与率を有する企業指標又は因子を抽出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の寄与率算出手段は、取得した企業指標又はこの指標から抽出した因子と、総合評価指標とを用いた重回帰分析を行なって、総合評価指標に対する前記指標又は因子の寄与率及びT値若しくはP値を算出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の企業指標抽出手段は、T値と閾値とを比較して、前記閾値以上のT値を有する企業指標又は因子を抽出することが可能となっている。
また、情報処理手段380等の主成分分析手段は、寄与率算出手段によって抽出された因子を構成する企業指標と、総合評価指標とを用いた主成分分析を行なって、各企業の主成分得点を算出することも可能となっている。
また、情報処理手段380等の企業指標抽出手段は、P値と閾値とを比較して、前記閾値以下のP値を有する企業指標又は因子を抽出することが可能となっている。
また、表示インターフェース373、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、プリンタインターフェース374、情報処理手段380等の出力手段は、因子、因子の寄与率、因子を構成する企業指標、因子負荷量、又は、総合評価指標を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力することが可能となっている。
また、表示インターフェース373、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、プリンタインターフェース374、情報処理手段380等の出力手段は、因子得点とその企業名を、前記因子得点の順番又は新聞の株式欄に記載されているような企業順や50音・アルファベット順等で表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力することが可能となっている。
また、表示インターフェース373、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、プリンタインターフェース374、情報処理手段380等の出力手段は、指数とその企業名とを、前記指数の順番又は新聞の株式欄に記載されているような企業順や50音・アルファベット順等で表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力することが可能となっている。
また、表示インターフェース373、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、プリンタインターフェース374、情報処理手段380等の出力手段は、表示データを表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力することが可能となっている。
また、表示インターフェース373、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、プリンタインターフェース374、情報処理手段380等の出力手段は、企業指標とその寄与率、総合評価指標を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力することが可能となっている。
また、表示インターフェース373、送受信手段365、記録手段インターフェース385、記録媒体インターフェース379、プリンタインターフェース374、情報処理手段380等の出力手段は、総合評価指標に対する有意因子とそれに含まれる企業指標とその寄与率を表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力することが可能となっている。
本発明に係る企業評価寄与因子及び/又は指標特定装置は、公開データである設備投資額等の事業・経営関連指標や、研究開発費等の研究開発関連指標、又は特許出願件数等の知的財産関連指標を用いて、因子分析や重回帰分析を行うことにより、利用者が調査対象の業種や特定の企業について評価をするとき、どの指標を用いて業種別又は一企業の評価を行えば良いかを簡便に判断することができるシステムを提供するものである。
本発明に係る企業評価寄与因子及び/又は指標特定装置は、その解決手段として因子分析等の多変量解析を用いているため、公開された情報から客観的、定量的に、寄与している指標を求めることができる。
なお、因子分析とは、多数の指標の中から重要な指標を抽出し因子ごとに集約することが可能な処理であり、重回帰分析とは諸因子が企業収益などの総合評価指標にどの程度寄与しているかを調べることが可能な処理であり、主成分分析とは求められた重要な指標を総合的に判断することが可能な処理である。
図3に、本発明を用いて実現される企業評価装置の一連の処理のフローチャートを示す。
図4に、利用者の操作フロー(三位一体企業評価フロー)を示す。
なお、企業評価システムの構成品である業種企業データベースには、図6乃至図9に示す調査対象の業種又は企業を選択するための業種名や企業名の分類のデータを予め記録している。
この業種名や企業名の分類のデータは、利用者が評価を希望する業種や企業を、予め予測して業種名や企業名について分類したデータである。企業や業種の分類には手間がかかるので、利用者が簡便に企業等の評価を行う際の妨げになってしまう。そこで本発明では、業種や企業について分類したデータを予め業種企業データベースに記録しておくことにより、利用者は一覧表示された業種名か企業名を選択するだけで調査対象の業種や企業を特定することが可能となる。
なお、図6乃至図9に示す業種名や企業名の分類は一例であり、他の業種名や企業名を分類のデータとして用いてもよい。ここで「業種」とは、一般に使われている業界をさす場合に限られず、任意の企業群をいうものとする。例えば、技術、製品、商品等の種類によって分類された群、或いは特許分類である国際特許分類(IPC)、FI、Fターム、及び米国特許分類(UPC)、或いは米国標準産業分類(SIC)によって分類された群等である。
また、企業評価システムの構成品である総合評価指標データベースには、例えば図10に示すような利用者が企業評価をするうえで使用する可能性の高い総合評価指標を予め記録している。
総合評価指標とは、企業の収益やパフォーマンスを表す企業評価指標についてのデータである。総合評価指標の例を図10に示す。総合評価指標を複数記録しておくことにより、利用者は希望する総合評価指標の項目を選択するだけで、総合評価指標に寄与する因子か指標を簡便に調べることができる。
例えば総合評価指標に含まれる収益関連のROAδは、営業利益に特許料等ロイヤルティ収入を加えて、総資産で除した指標である。特許は資産の一部であり、企業が持てる有形資産と知的財産資産とを活用し、どれだけ収益に結びついたかを測定するのに適した総合評価指標であるといえる。
また、企業評価システムの構成品である指標データベースには、利用者が企業を評価する際に因子分析等で使用する企業指標を予め記録している。
企業指標とは、各企業ごとの事業・経営関連指標、研究開発関連指標、知的財産関連指標等に関するデータである。
これらの指標の種類を図11乃至図14に示す。利用者が企業評価装置を用いて評価を行う場合には、これらの指標を用いて因子分析による重要な指標の抽出や、重回帰分析による諸因子の企業収益などの総合評価指標の1つに対する寄与率の算出、主成分分析による企業の総合的な判断数値の算出を行なう。
予めこれらの企業指標を指標データベースに記録しておくことにより、利用者は業種名又は企業名を選択し、総合評価指標を選択するだけで企業収益に寄与する指標を知ることができる。
指標の値は年毎に変化するので、各期、各年ごとに指標の追加を行うなどの指標のメンテナンスを行なうようにしてもよい。
なお、図11乃至図14に示す企業指標は一例であり他の指標を用いてもよい。また、一企業のみについて因子分析を行なうときは、2年分以上のデータ、望ましくは10年分以上のデータの蓄積が必要である。
図3に示すステップS101「企業評価開始入力」(以降S101のように省略して記載する。)にて、利用者(オペレータ)は、キーボード等の入力手段370を介して、企業評価の開始を指示する指令を入力する。企業評価の開始を指示する指令が入力されると、企業評価装置30の情報処理手段380が実行する処理は、S202「検索画面表示」の処理に進む。
S202にて情報処理手段380は、利用者(オペレータ)からキーボード等の入力手段370を介して入力した企業評価の開始を指示する指令を取得すると、記録手段384から図5に示すような検索画面の表示用データを読み出し、表示用の画像データに変換して表示インターフェース373に出力する。
表示用の画像データを取得した表示インターフェース373は、表示手段372に対応した表示用の映像信号に変換して出力し、表示手段372は表示インターフェース373から入力した表示用の映像信号に基づいた画像を表示して利用者に通知する。
S103「業種一覧(企業名添付)又は業種一覧(企業名50音順)の選択」にて利用者は、表示手段372に表示されている検索画面を見ながら、調査対象の業種名又は企業名の選択方法を、画面に表示されている「業種一覧(企業名添付)」と「業種一覧(企業名50音順)」の中から選択する。
利用者が、一般的に分類されている業種を用いて評価を行う場合には「業種一覧(企業名添付)」を選択し、ある企業名に基づいて当該企業が属する業種を選択する場合は「業種一覧(企業名50音順)」を選択する。上記希望する業種名を抽出する方法を選択する情報を入力手段370を介して入力すると、情報処理手段380が実施する処理はS204「企業選択画面表示」に進む。
S103にて利用者が、「業種一覧(企業名添付)」を選択する情報を入力手段370を介して入力すると、その入力情報は情報処理手段380が読み取って、業種企業データベースから業種名又は企業名の分類データを読み出して、図6に示すような「三位一体企業評価メニュー画面(業種の選択画面)」の表示用データに加工して、更に表示用画像データに変換して表示インターフェース373に出力する。
表示用の画像データを取得した表示インターフェース373は、表示手段372に対応した表示用の映像信号に変換して出力し、表示手段372は表示インターフェース373から入力した表示用の映像信号に基づいた画像を表示して利用者に通知する。
S103にて利用者が、「業種一覧(企業名50音順)」を選択する情報を入力手段370を介して入力すると、その入力情報は情報処理手段380が読み取って、業種企業データベースから業種名又は企業名の分類データを読み出して、図8に示すような「三位一体企業評価メニュー画面(50音順:企業業種索引画面)」の表示用データに加工して、更に表示用画像データに変換して表示インターフェース373に出力する。表示手段372は表示インターフェース373から入力した表示用の映像信号に基づいた画像を表示して利用者に通知する。
S105「業種名又は企業名を選択」にて利用者は、図6乃至図9に示される選択画面を見ながら評価対象の業種名又は企業名を選択する。
表示手段372に、図6に示す「三位一体企業評価メニュー画面(業種の選択画面)」が表示されている場合には、利用者は表示されている「大分類」、「中分類」、「小分類」の中から希望する業種名(複合技術、機械系、機械・造船など)を選択する。これにより利用者は希望する業種を選択することができる。
表示手段372に、図8に示す「三位一体企業評価メニュー画面(50音順:企業業種索引画面)」が表示されている場合には、利用者は表示されている「企業名」の中から希望する企業名(○ダエンジニアリングなど)を選択する。これによっても当該企業が属する業種が選択されるので、利用者は希望する業種を選択することができる。
利用者が選択した業種の情報は、情報処理手段380により記録手段384に一時記憶される。利用者が評価を希望する業種を選択すると、情報処理手段380が実施する処理はS206「検索画面表示」に進む。
S206「検索画面表示」にて情報処理手段380は、利用者から入力手段370を介して業種名又は企業名の情報を選択されたことの指令を取得すると、記録手段384から図5に示すような検索画面の表示用データを読み出し、更に表示用画像データに変換して表示インターフェース373に出力する。表示手段372は表示インターフェース373から入力した表示用の映像信号に基づいた画像を表示して利用者に通知する。
S107「総合評価指標一覧を選択」にて利用者は、表示手段372に表示されている検索画面を見ながら、調査を希望する総合評価指標を、画面に表示されている「総合評価指標一覧」から選択する。「総合評価指標一覧」を選択する情報を入力手段370を介して入力すると、情報処理手段380が実施する処理はS208「総合評価指標選択画面表示」に進む。
S208「総合評価指標選択画面表示」にて情報処理手段380は、利用者から入力手段370を介して「総合評価指標一覧」を選択する指令を取得すると、総合評価指標データベースから総合評価指標一覧のデータを読み出して、図10に示すような「総合評価指標一覧」の表示用データを生成して表示手段372に表示し、利用者に通知する。
S109「総合評価指標から必要な指標を選択」にて利用者は、図10に示される選択画面を見ながら評価を希望する総合評価指標を選択する。利用者は表示されている「売上高」、「付加価値額」、「ROA・α」等の指標の中から希望する総合評価指標を選択する。
利用者が選択した総合評価指標は、情報処理手段380により記録手段384に一時記録される。利用者が評価を希望する総合評価指標を選択すると、情報処理手段380が実施する処理はS210「検索画面表示」に進む。
S210「検索画面表示」にて情報処理手段380は、利用者から入力手段370を介して総合評価指標に情報を選択されたことの指令を取得すると、記録手段384から図5に示すような検索画面の表示用データを読み出し表示手段372に表示して利用者に通知する。
S111「画面表示一覧から必要な画面を選択」にて利用者は、表示手段372に表示されている検索画面を見ながら、評価のために用いる画面表示の方法を、画面に表示されている画面選択のプルダウンメニューより選択する。利用者は表示されている「相関図」、「因子分析結果」、「相関行列表」等の中から希望する画面表示の方法を選択する。
利用者が選択した画面表示の方法は、情報処理手段380により記録手段384に一時記憶される。利用者が希望する画面の表示方法を選択すると、情報処理手段380が実施する処理はS212「因子分析処理」に進む。
なお、S103〜S111の利用者の選択はフローチャートの流れによる順番通りでなくてもよい。例えばS105「業種又は企業名の選択」をした後S109の「総合評価指標の選択」をし、その後S111の「表示画面選択」を行っても良いし、S111の「表示画面の選択」をした後S105の「業種又は企業名の選択」をし、その後S109の「総合評価指標の選択」を行うようにしてもよい。
S212「因子分析」のサブルーチンにて情報処理手段380は、先ずデータベース20等から図11乃至図14に示す「事業・収益関連指標」、「研究開発関連指標」、又は「知的財産関連指標」等の企業指標(数値データなど)を取得する。
次に情報処理手段380は、取得した企業指標を用いて因子分析を行い、相関行列、共通度、因子負荷量、固有値、累積寄与率等を算出する。そして情報処理手段380は、算出した相関行列等から主要な因子及びその因子に含まれる主要な指標(当該因子に対する因子負荷量が所定値例えば0.5以上である企業指標)を抽出する処理を行なう。抽出された因子及び/又はこれに含まれる指標は、調査対象の業種に属する企業を評価するために特定された因子又は指標として、データベース20に記録し、或いは表示手段372に表示し、又はその他の出力手段により出力する。この場合、各指標は、因子に対する因子負荷量とともに記録し或いは表示するのが好ましい。
次に情報処理手段380は、算出した主要な因子とその中の主要な指標についての各企業の当該業種における順位と得点の算出を行うことができる。S212における処理が終了すると、処理はS213「重回帰分析」に進む。S212の処理の詳細については図16に示すS500以降にて説明する。
S213「重回帰分析」のサブルーチンにて情報処理手段380は、S212の処理を行なった結果抽出した因子と、S107「総合評価指標一覧を選択」にて利用者が選択した総合評価指標とに基づき重回帰分析を行い、S212で求められた因子がS107「総合評価指標一覧を選択」にて利用者が選択した総合評価指標にどれだけ寄与しているかを示す寄与率の算出を行い、寄与率の高い因子を抽出する。抽出された因子及び/又はこれに含まれる指標は、調査対象の業種に属する企業を評価するために特定された因子又は指標として、データベース20に記録し、或いは表示手段372に表示し、又はその他の出力手段により出力する。この場合、各指標は、因子に対する因子負荷量とともに記録し或いは表示するのが好ましい。
重回帰分析の処理が終了すると、情報処理手段380は必要に応じてS214「主成分分析」を行ない、次にS215「画面表示」に進む。S213の処理の詳細については、図17に示すS600以降にて説明する。
S215「画面表示」のサブルーチンにて情報処理手段380は、S111にて利用者が選択した画面表示の種類に基づいた情報(関係図、因子別ランキングなどの企業を評価するための情報)をデータベース20から読み出して、表示用データを生成して表示手段372に表示して利用者に通知する。
またこのとき、生成した関係図、因子別ランキングなどの企業を評価するための表示用データをデータベース20に記録しておくようにしてもよい。S215にて画面表示判断処理が終了すると、情報処理手段380が実行する処理は「終了」に進み、企業評価処理を終了する。
以下に、本発明に係る企業評価寄与因子及び/又は指標特定装置、特定プログラム並びに特定方法で用いる総合評価指標と企業指標について説明する。
企業経営者にとって重要なことはいろいろあるが、その中でも最重要な課題は利益を継続的に上げていくことであるといえる。多くの企業では、事業収益を向上させるために種々のシミュレーションを行なって、事業収益を向上させるために必要な具体的手段を選び出し、これらの手段を一つ一つ実行することによって事業収益の向上を図っている。ここで予め実施する事業収益に関するシミュレーションの精度と、事業収益に関するシミュレーションに必要な労力やコストが問題となってくる。
もし、多くの時間や労力を投入してこの事業収益に関するシミュレーションを行なったとすれば、当然それなりの精度が期待でき、シミュレーションの結果に基づいた事業収益向上のための対策を取ることも可能と思われるが、刻々変化する需要や社会状況に応じて信頼性の高いシミュレーションを行なうことは、費用や時間の面で困難を伴う場合が多い。
ここで、従来から公開されており一般に入手容易な各社の財務諸表データ等の情報を用いて、事業収益関連の指標に与える寄与率(インパクト)を推定することができれば、刻々変化する需要や社会状況に応じて信頼性の高いシミュレーションを安価にて行なうことが可能となると考えられる。
現在では、企業の固定資産、従業員数、人件費、労務費、自己資本、総資産、販売費等の財務諸表データが年度毎や期毎に発表されている。
また、会計基準の改定により2000年3月期以降の決算において各社の研究開発も原則として全額費用として計上することが義務付けられたので、各社の研究開発費に関する情報入手が容易である。
また、特許庁からは公開特許公報や特許がCD−ROMやDVD−ROMの形式や書面の形式で公開されており、この公報の中には、出願日、出願番号、発明の名称、発明者、出願人、請求の範囲、要約、IPC、FI、Fターム等の知的財産関連のデータが記載されている。
上記の各社の財務諸表データや各社の研究開発費、各社の知的財産関連のデータ等の企業情報から、企業の研究開発戦略、知的財産戦略および事業戦略の、総合評価指標に対する寄与率の算出をすることが可能であると考えられる。
財務諸表データや研究開発費は、年度毎や期毎に発表されるものであり、特許公報等の知的財産関連のデータは逐次公開されている。これらの財務諸表データや研究開発費、知的財産関連のデータは、刻々変化する需要や社会状況を反映しているものであるため、信頼性が高く、事業収益に関するシミュレーションに用いるのに好都合であると思われる。本発明では、各社の事業関連の指標、研究開発関連の指標、又は知的財産関連に分類される指標のうち、少なくとも2以上の分類の指標を組み合わせて用いることによって、事業収益関連の指標に与えるインパクト(寄与率)を算出して提示することが望ましい。
なお、年度毎や期毎の財務諸表データや研究開発費、知的財産関連データを用いて寄与率を算出することによって変動する経済に対応した寄与率を算出することが可能となるが、代わりに3年平均、5年平均、10年平均の財務諸表データや研究開発費、知的財産関連データを用いて寄与率を算出してもよい。平均のデータを用いることによって、変動する経済の影響を平均した状態で寄与率を算出することが可能となる。
図10は、総合評価指標(寄与率等の算出対象となる事業収益関連の指標であって、目的変数ともいう。)種類を例示する図表である。
同図に示すように総合評価指標として、売上高、付加価値額、製造販売利益、総事業利益、利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)、営業利益、営業純益、特許料等ロイヤルティ収入、ROAα、ROAβ、ROAδ、ROAγ、知的資産収益(EOIA)、知的資産収益率(ROIA)を例示している。数学的な処理上は下記の経営関連の指標に限らず、事業関連の指標、研究開発関連の指標、又は知的財産関連の指標についても寄与率を算出することが可能であるが、本発明の実施例では最も関心の高い事業関連収益指標について算出した例を示している。
以下に、図10に示す総合評価指標の一部について、指標の定義と意味を説明する。
付加価値額とは、所定期間における特定企業において生み出された付加価値額で、売上高のうち、内部の生産要素(人、物、金)によって生み出された価値を測るものである。内部の生産要素に配分された付加価値額は、配分前に生み出していた価値の総体と同意であるから、特定企業が所定期間に創出した価値の総額を示している。付加価値額は、営業利益及び経常利益のように各要素への配分後の結果を表すだけではなく、配分前に生み出していた価値の総体を捉えることができるので、特定企業の収益力を分析する際に用いると都合がよい。
また、製造販売利益とは、(式1)に示す指標である。
(式1)
製造販売利益={(売上げ利益)+(製造原価に含まれる研究開発費)}
−{(一般管理費)−(一般管理費に含まれる研究開発費)}
=(営業利益)+(研究開発費)
(式2)
営業利益=(売上利益)−(一般管理費)
(式3)
研究開発費=(製造原価に含まれる研究開発費)
+(一般管理費に含まれる研究開発費)
上記の(式2)、(式3)では、製造販売利益を算出する際の利益指標の関係についても表している。
会計基準の改定により2000年3月期以降の決算において、研究開発費は原則として全額費用として計上することが義務付けられた。従来、製造費用や一般管理費に含まれる研究開発費を内訳として開示していない企業が多数存在したが、この規則施行以降、損益計算に係わる研究開発費の額が明確となった。これを受けて、ここでは企業の研究開発費の実態を多角的に分析する目的で、「製造販売利益」と名づける指標を開発した。これは、営業利益に研究開発費を加算することにより求められる仮定の利益額(研究開発活動を除く本業、すなわち製造販売活動が生み出した総利益額)を試算したものである。
この試算額は、研究開発費が全て費用として計上されることにより、損益計算上、研究開発活動を積極化するほど営業利益は圧縮されることになるため、技術開発(知的財産)の重要性が議論されるなか、営業利益の観点のみからでは企業の収益性に関する実態は掴み難いという問題にひとつの視点を与えるものと思われる。
製造販売利益の指標は、概ね売上利益と営業利益の中間に位置付けられる指標であり、他の指標と同時に用いることにより、企業の収益性をより立体的に把握することが可能となる。なお、売上利益は、売上高から製造原価を差し引くことで求められる粗利益であるが、研究開発費には製造原価に含まれるものと一般管理費に含まれるものがあるため、厳密な意味では、必ずしも製造販売利益は売上利益と営業利益の中間に位置する利益指標であると断定することはできない。
また、総事業利益とは、製造販売利益に特許料等ロイヤルティ収入を加算して算出する指標である。
また、利払い・税引き・償却前利益(EBITDA=Earnings Before Interest Tax and Depreciation/Amortization)とは、営業利益に減価償却費を加えた額を示す指標である。減価償却費は製品の製造等に係る設備等を年度毎に費用として償却してゆく会計処理であるため、本指標は、事業収益を測るものではなく、キャッシュフローに着眼した利益指標と考えるべきである。なお、減価償却費は会計上の処理であり支出を伴わないため、営業利益にこれを加えたものは大雑把なキャッシュフローを表すが、設備の償却は明らかに製造に係るコストであるため、事業収益を表す指標としては問題があることに留意する必要がある。
また、営業利益とは、各社の各年度の営業利益を示す指標である。本指標は、売上高から製造原価、商品仕入高、販売費及び一般管理費の全てを差し引いた残余額を示す。なお、本指標は本業の収益を示すものとして用いられるが、研究開発費(投資)が控除されている点に留意する必要がある。
また、営業純益とは、各社の各年度の営業利益から支払利息・割引料を差し引いて求められる利益額を示す指標である。営業利益は、製造・販売に係る全てのコストを控除した利益であるが、その事業活動に伴う金融コストは控除されていない。本指標は、営業利益からこの金融コストを控除したネットの利益額を示す。
また、特許料等ロイヤルティ収入とは、財務諸表の事業の状況に記載された特許料等ロイヤルティ収入、又は、損益計算書上の営業外収益に掲載されている特許料等ロイヤルティ収入のことを示す。
また、ROAαとは、各社の各年度における付加価値額に特許料等ロイヤルティ収入を加算した金額の総資産比を示す指標である。なお、付加価値額と特許料等ロイヤルティ収入の合計金額は、企業が各年度毎に生み出した付加価値の総体を示す。
ROA(Return On Asset:総資産利益率)は、通常当期利益を総資産で除した比率で、総資産からどれだけの利益を上げたかを見る指標である。まお。特許料等ロイヤルティ収入を営業外収益に計上している企業についてはこれを加算することによってより正確な値を求めている。ROAαの指標は、付加価値と特許料等ロイヤルティ収入の合計金額(すなわち、企業が各年度に生み出した付加価値の総体)の総資産比率を示す。
また、ROAβとは、各社の各年度における製造販売利益に特許料等ロイヤルティ収入を加算した金額の総資産比を示す指標である。ROAβの指標は、製造販売利益と特許料等ロイヤルティ収入の合計金額(すなわち、企業が各年度に生み出した総事業収益)の総資産比率を示す。
また、ROAγとは、各社の各年度におけるEBITDAに特許料等ロイヤルティ収入を加算した金額の総資産比を示す指標である。EBITDAと特許料等ロイヤルティ収入の合計金額(すなわち、企業が各年度に生み出した概算「キャッシュフロー」)の総資産比率を示す。
また、ROAδとは、各社の各年度における営業利益に特許料等ロイヤルティ収入を加算した金額の総資産比を示す指標である。ROAδは、営業利益と特許料等ロイヤルティ収入の合計金額(すなわち、研究開発費を全て費用として処理した「会計上の総事業収益」)の総資産比率を示す。
また、知的資産収益(Earnings On Intellectual Asset)とは、製造販売利益に、営業外収益に計上された特許料等ロイヤルティ収入を加えた総事業収益から、金融資産と有形固定資産から得られるべき理論的な期待収益を控除した収益額を示す指標である。
また、知的資産収益(EOIA)を算出する際に、営業利益と研究開発費とを用いて知的資産収益を算出してもよいし、売上利益、一般管理費、研究開発費、営業利益、製造原価に含まれる研究開発費、一般管理費に含まれる研究開発費を用いて知的資産収益を算出することも可能である。一般管理費には、商品の仕入れ高や販売費その他の費用を含むこともある。
知的資産収益(EOIA)は、オンバランス(貸借対照表上)の資産から得られるべき期待収益を、総事業収益から控除した残余額ということができる。知的資産収益(EOIA)は、オンバランスの資産からでは説明のつかない収益が存在するという仮定の下、オフバランス(貸借対照表に記載されない無形)の知的資産を源泉として生み出されたと推定される収益額を表す指標の一つである。
また、知的資産収益率(Return On Intellectual Asset)とは、知的資産収益の総資産比を示す指標である。
知的資産収益(EOIA)は、企業の事業規模によっても大きく異なる場合がある。したがって、各社の収益性を相対比較することを可能とするために、総資産規模に対する知的資産収益(EOIA)の比率を算出した指標が前述の知的資産収益率(ROIA)である。この指標を用いることにより、企業の規模の大小に関係なく、総資産に対する知的資産収益をほぼ同じ条件で比較することが可能となる。
なお、寄与率等を算出する際の対象となる事業収益関連の指標として、一般に公開されている売上高、営業純益、売上原価、営業利益、減価償却費、特許料等ロイヤルティ収入等の指標を対象にすることも可能である。
図11は、寄与率等の算出に用いる事業・経営関連指標を例示する図表である。
本発明では、寄与率の算出に用いる事業関連指標として、一般に公開されている付加価値額、有形固定資産、従業員数、人件費、労務費、自己資本、総資産、販売費等の事業関連指標に加え、これらの指標や他の指標を算出して組み合わせることによって更に別の事業関連指標を算出して寄与率等の算出に用いている。
ここで設備投資額とは、各社の各年度の設備投資額を示す指標である。なお、設備投資額とその前年比は、企業の事業活動における先行投資の動向(比較的中短期の投資姿勢)をしめしている。
また、投資傾向指数とは、各社の各年度の(設備投資額+研究開発費)の前期比を示す指標である。設備投資額と研究開発費の合計額の前期比を見ることによって、企業の短期、中期の総合的な先行投資動向(姿勢)を推測することができる。
また、図11に示すように、経営財務分析関連指標として以下の指標が挙げられる。
設備投資効率とは、各社の各年度における付加価値額の有形固定資産比率を示す指標である。設備投資効率は、保有する設備に対して生み出された付加価値額の大きさを計る指標である。この値が大きいほど、設備を効率的に使用して付加価値を生み出していると考えられる。
また、労働生産性とは、各社の各年度における従業員1人当りの付加価値額を示す指標である。労働生産性は、従業員1人当りの付加価値額を計る指標であり、この値が大きいほど従業員1人当りの生産性が高いと考えられる。
また、労働装備率とは、各社の各年度における従業員1人当りの有形固定資産金額を示す指標である。労働装備率は、従業員1人当りの保有設備の規模を計る指標である。この値が大きいほど、生産における機械化が進んでいると考えられるが、それが生産性の向上につながっているかは設備投資効率と合わせて見る必要がある。
また、労働分配率とは、各社の各年度における人件費の総額の付加価値額比を示す指標である。労働分配率は、生み出された付加価値への人件費の分配比率を測る指標である。業種によって大きく異なるが、当然に低ければよいというものではない。生み出された付加価値の配分(従業員、株主、金融コスト、設備投資や研究開発)は経営戦略によって決定された目的によって最適水準が決まると考えるべきである。
また、全要素生産性とは、各社の各年度における付加価値額の増減率から設備と労働力の投入量の増減率を差し引くことによって技術進捗率を計る指標である。全要素生産性は、生産の増加のうち、設備と労働力という生産要素の投入量の増大だけでは説明のできない部分を意味する。この部分の増大は、技術革新によるものであると言われている。但し、この部分には顕在的な技術革新の他に、労働者の熟練度の向上や経営効率の改善、規模の経済性の実現なども含まれているため、広義の知的資産の寄与分と考えることもできる。
また、売上高原価率とは、各社の各年度の売上高に占める売上原価の比率を示す指標である。本指標は、製造業の場合、売上原価には商品の売上高の他、製品の製造原価が含まれているため、本指標は高く売る能力と安く仕入れ、製造する能力の2つの変数が反映されていると考えられる。
また、売上高販管費比率とは、各社の各年度の売上高に占める販売費及び一般管理費の比率を示す指標である。本指標では製造業の場合、製品の製造、商品の仕入れに係らない販売・管理部門に係わる費用の売上高に占める割合を表す。なお、売上高(100%)から売上高原価率と販管費比率を差し引いた残りが営業利益率であるから、いずれの比率も低い方が営業利益率の増大につながるが、会計規則上、研究開発費も一般管理費に計上されるため、必ずしも販売管理費比率は低いほど良いとは言えない。収益関連指標と合わせて見る必要がある。
また、有利子負債比率とは、各社の各年度末における総資産に対する有利子負債の比率を示す指標である。本指標は、貸借対照表に記載されたオンバランスの全資産に対する有利子負債の比率を示す。後述する自己資本比率と合わせて見ることにより、オンバランス資産に関する資金の調達内容を測ることができる。
また、自己資本比率とは、各社の各年度末における総資産に対する自己資本の比率を示す指標である。本指標は、貸借対照表に記載されたオンバランスの全資産に対する自己資本の比率を示す。
図12は、寄与率等の算出用に用いる研究開発関連指標を例示する図表である。
本発明では、寄与率の算出に用いる研究開発関連指標として、一般に公開されている研究開発費の総額、公開特許公報等に記載されている発明者数等の研究開発関連指標に加え、これらの指標や他の指標を算出して組み合わせることによって更に別の研究開発関連指標を算出して寄与率等の算出に用いている。
同図に示すように、研究開発関連指標として以下の指標が挙げられる。
ここで研究開発費とは、各社の各年度における研究開発費の総額を示す指標である。本発明に係る企業診断装置では、各業種又は各企業を比較して判断する場合があるため、ばらつきを減少させるべく研究開発費は数期の平均とするのが望ましい。
また、発明者数とは、特定企業が所定期間にした特許出願又は実用新案登録出願等の公開公報に記載されている発明者の欄から、当該企業の発明者の人数を集計した数値を示す指標である。発明者数は、必ずしも研究開発活動に従事する社員の数とは一致しないが、主要な技術開発に携わる人数の把握や、開発メンバーの規模を推測する上で最も重要な指標の一つである。また、複数の企業における所定技術分野の発明者数を比較することによって、その技術分野における技術開発の規模を比較することが可能となる。また、各年度毎など発明者数の変遷をグラフ等に表すことによって、特定企業における技術開発の動向を知ることが可能となる。
また、発明者比率とは、各社の各年次における従業員数に占める発明者数の割合を示す指標である。本指標により、企業が研究開発に投入している人的資源の全体に占める割合を測ることによって研究開発性向を見ることができる。
また、発明者1人当研究開発費とは、各社の各年度における発明者一人当りの研究開発費額を示す指標である。本指標により発明者一人当りの研究開発費額を測ることができる。
また図12に示すように、研究開発効率関連指標として以下の指標が挙げられる。
研究開発費比率αとは、各社の各年度における研究開発の総額の売上高比を示す指標である。なお、本指標は売上高研究開発費比率(R&D比率)とも呼ばれる。
本指標の値は、研究開発費の売上高比であるが、売上高に占める原価・コストの構造は業種や企業によって大きく異なるため、必ずしもこの比率の大小が企業の研究開発投資性向を示しているとは限らない。したがって、以下の研究開発費比率β、研究開発費比率γ、研究開発費比率δと合わせて見る必要がある。
また、研究開発費比率βとは、各社の各年度における研究開発の総額の付加価値額比を示す指標である。本指標は、各社が本年度に創出した価値の総額のうち、どの位の割合を研究開発活動に配分したかを示す。このため、売上高比率を示すαよりも、より本質的な研究開発費比率を示すと考えることもできる。
また、研究開発費比率γとは、各社の各年度における研究開発の総額の製造販売利益比を示す指標である。本指標は、各社が本年度に製造販売活動によって得た事業収益のうち、どの位の割合を研究開発活動に配分したかを示す。このため、本比率が大きいほど、研究開発投資性向が高く、0に近くなるほど、研究開発投資よりも、現在の事業による利益確保重視の傾向があると考えることができる。なお、指標の性質上、何らかの要因で営業利益が著しく減少しているため本比率が増大している場合があるが、この場合は、特に研究開発投資性向が高いという訳ではないので注意が必要である。なお、営業利益が0以下の時は無意味な値となるため通常算出はしない。
また、研究開発費比率δとは、各社の各年度における研究開発の総額の総資産比を示す指標である。研究開発費比率α、β、γが各収益規模(フロー)に対する研究開発費の比率を測るものであるのに対して、本指標は、資産規模(ストック)から見た研究開発費の規模を測るものである。
また、研究開発効率とは、各社の各年度における営業利益の研究開発比を示す指標である。本指標は、投資した研究開発費によってどのくらいの利益をあげたかを示している。したがって、投資した研究開発費が少なく営業利益が上がれば、本指標である研究開発効率の値は大きくなり研究開発効率が良いといえ、逆に、投資した研究開発費が多く営業利益が少なければ、本指標である研究開発効率の値は小さくなり研究開発効率が悪いといえる。
また、特許出願生産性とは、出願請求項数を前年度の研究開発費で除すことによって、研究開発費(10億円単位)当りの出願請求項数を求めた指標である。本指標の値が大きいほど、研究開発における特許出願請求項(発明)数の生産性が高いと考えられる。なお、より厳密な研究開発費当りの生産性を測るため、共同出願に係る請求項数については、共同出願人の数で除した値を当該企業の出願請求項数とする補正を行った。なお、研究開発費当りの出願請求項(発明)数は、技術分野によって研究開発に要する研究開発費及び請求項数が大きく異なるため、同業他社間の比較分析や業種間の相違を分析する目的以外に使用することは大きな誤解を招く危険性がある。
また、審査請求生産性とは、特許出願生産性を推定審査請求率によって補正した指数を示す指標である。特許は審査請求してはじめて審査が行われる。このため、出願後に特許を取得する意図・目的を喪失した出願については審査請求されることなく取り下げとなる。したがって、出願件数及び出願請求項数をベースにした特許生産性は厳密な意味での研究開発効率を反映していないと考えられることから、推定審査請求率によって補正された本指標である生産性を算出している。
また、特許取得生産性とは、特許出願生産性を推定登録率によって補正した指数を示す指標である。本指標は、最終的に特許を取得すると推定される率(推定登録率)によって、補正された特許生産性を示す。推定にあたっては各社の過去の出願が特許として登録された実績値を用いた。最も厳密な意味における研究開発によって特許を生み出す生産性を示していると考えられる。各年次に同じ規模の特許出願を行っているきぎょうでも本特許取得生産性は大きく異なることがある。
図13及び図14は、寄与率等の算出に用いる知的財産関連指標を例示する図表である。寄与率等の算出に用いる知的財産関連指標として、一般に公開特許公報等にて公開されている特許出願件数、出願請求項数、共同出願件数、共同出願人の人数、累計の特許出願件数、出願審査の請求がなされた件数、設定の登録がなされた特許の件数等の知的財産関連指標に加え、これらの指標や他の指標を算出して組み合わせることによって更に別の知的財産関連指標を算出して寄与率等の算出に用いている。
図13に示すように、特許出願関連指標として以下の指標が挙げられる。
特許出願件数とは、各年次の特許出願件数を特許庁が発行した公開特許公報に基づき集計した指標である。なお、公開前の取下げ等は反映されていない。また、共同出願については1件として集計している。
また、出願請求項数とは、各年次の特許出願に係る公開特許公報に記載された請求項の数を集計した指標である。請求項とは、出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項の全てを記載したものであり、複数の発明をひとつの願書で特許出願する場合、特許請求の範囲において個々の発明ごとに請求項に区分して記載しなければならない。このため、請求項数は該出願に含まれる発明数と見なされる。したがって、出願請求数とは、公開特許公報に記載された発明の数を意味する。
また、出願1件当請求項数とは、各年次の特許出願に係る公開特許公報1件当りの平均請求項数を示す指標である。本指標は、ひとつの出願に含まれる発明の数を表す。この値が増加傾向を示している場合は、関連する発明をひとつにまとめて出願する出願管理体制の構築が進展しているものと見られ、反対にこの値が減少傾向を示している場合は、恣意的な出願件数の水増しが行われている可能性もある。また、近年、出願費用を低減する目的や特許庁の指導により関連する発明をひとつにまとめて出願する傾向が見られるが、業種や企業によってその傾向は大きく異なる。また、例えば医薬や化学分野における化合物等に係わる特許はひとつの請求項(発明)で特許出願されることもあり、請求項の多さが必ずしも特許内容の充実度に比例しているわけではないことに留意する必要がある。
また、発明者1人当出願件数とは、各年次の特許出願件数を公開特許公報に記載の発明者数で除すことによって求められる発明者一人当りの出願件数を示す指標である。本指標は、発明者一人当りの特許出願の生産性を表している。
また、発明者1人当出願請求項数とは、各年次の特許出願請求項数を公開特許公報に記載の発明者数で除すことによって求められる発明者一人当りの出願請求項数を示す指標である。本指標は、発明者一人当りの特許出願請求項数(発明の数)の生産性を表している。
また、共同出願件数とは、他社との共同出願に係る公開特許公報数に基づき集計したものを示す指標である。特許は単独の出願人によって出願される場合だけではなく、共同研究開発の成果を共同で出願する場合もある。この場合、特許に係わる権利は各出願人の共有となり、各々が実施件を有するが第三者への権利の譲渡やライセンスには各出願人の承諾が必要となる。このため、研究開発費当りの特許生産性を計る各指標においては、各々の出願人が研究開発費を負担しているものと見なして、共同出願人の数で除した値を各社の出願件数と見なしている。
また、共同出願比率とは、他社との共同出願に係る公開特許公報数の全公開特許件数に占める割合を示す指標である。本指標は、各社の研究開発における独立性(協業性)を示す。この値が大きいほど研究開発における他社との協業が行われていると考えられる。なお、共同出願を集計するにあたっては、各社と共同出願人における資本関係等は一切考慮していない。
また、共同出願人数とは、他社との共同出願に係る公開特許公報数に記載の共同出願人を集計した指標である。本指標により各社が共同開発研究を行っている相手先を知ることができる。
また、累計出願件数とは、例えば1994年以降の特許出願件数の各年度末現在における累計件数を示す指標である。
図13に示すように、審査請求関連指標として以下の指標が挙げられる。
審査請求件数とは、各年次の審査請求件数を特許庁が発行した審査経過情報に基づき集計した指標である。出願件数等の動向からだけでは、各社の特許動向を正確に把握することはできない。特許出願は、審査請求されない限り特許査定を得ることはできないため、審査請求の動向は各社の特許取得意欲をしめすと考えられる。
また、平均出願経過年数とは、各年次に審査請求された特許出願が出願から審査請求までに要した平均年数を示す指標である。2001年9月までの出願に関しては7年間の審査請求期間となっていたため、主として他社による特許権利化を防止することを目的とした、いわゆる防衛目的の出願については出願から相当期間を経てから審査請求をされることが多い。これに対して、早めに特許権利化すべき戦略的な出願に関しては、比較的早期に審査請求されることが多いことから、出願から審査請求までの平均年数は、各社の特許の出願目的(性質)を反映していると考えることもできる。なお、審査請求期間の短縮により、各社ともに今後大幅に本平均年数は短期化されてゆくものと推定される。
また、審査請求率とは、各年次の特許出願のうち、データの締切日までに審査請求が行われたものの比率を示す指標である。本指標は、各年次の出願のデータ締切時点における審査請求率であるから、各年次分の審査請求率は、時間の経過とともに変動(増大)する。但し、審査請求期間を経過した後は、その年次の出願に関する審査請求率は極大値となり、以後増加しないと考えられる。
また、累計審査請求件数とは、例えば1992年以降の累計特許出願に係る各年次末現在における累計審査請求件数を示す指標である。本指標は、例えば1992年以降の出願が各年次末までに累計でどれだけ審査請求されているかを件数で示したものである。
また、累計審査請求率とは、例えば1992年以降の累計特許出願に係る各年次末現在における累計審査請求件数を1992年以降の累計特許出願件数で除したものを示す指標である。本指標は、例えば1992年以降の累積特許出願のうち各年次末までに累計でどれだけ審査請求されているかを率で示したものである。
図13に示すように、特許取得(登録)関連指標として以下の指標が挙げられる。
特許登録件数とは、各年度の特許登録件数を特許庁が発行した特許公報数に基づき集計したものを示す指標である。共同出願に係る特許公報についても1件としてカウントしている。特許査定され特許として登録されたものについては全て特許公報が発行される。したがって、本指標は、各社の各年度における特許登録件数を示すことができる。
また、登録請求項数とは、各年次の特許登録に係る特許公報に記載された請求項の数を集計したものを示す指標である。請求項数は当該特許に含まれる発明数を示す。したがって、登録請求項数とは、特許公報に記載された発明の数を意味する。
また、発明者1人当登録件数とは、各年次の特許登録件数を特許公報に記載の発明者数で除すことによって求められる発明者一人当りの登録件数を示す指標である。本指標は、発明者一人当りの特許登録の生産性を表している。
また、発明者1人当請求項数とは、各年次の特許登録の請求項数を特許公報に記載の発明者数で除すことによって求められる発明者一人当りの特許登録の請求項数を示す指標である。本指標は、発明者一人当りの特許登録の請求項数(発明の数)の生産性を表している。
また、平均登録所要年数とは、各年度に登録された特許が出願から登録までに要した平均年数を示す指標である。防衛目的の出願については出願から相当期間を経てから審査請求されることが多く、早めに特許権利化すべき戦略的な出願に関しては、比較的早期に審査請求されることが多いことから、出願から登録に要した平均年数は、各社の特許の目的(性質)を反映していると考えることができる。
また、特許登録率とは、各年次の特許出願のうち、データの締切日までに特許登録が行われたものの比率を示す指標である。本指標は、各年次の出願のデータ締切時点における特許登録率であるから、各年次分の特許登録率は、時間の経過とともに変動(増大)する。但し、審査請求期間に加えて審査に要する期間を経過した後は、その年次の出願に関する特許登録率は極大値となり、以後増加しないと考えられる。
また、累計特許登録件数とは、例えば1994年以降の累積特許出願に係る各年次末現在における累計特許登録件数を示す指標である。本指標は、例えば特許庁のCD−ROM公報が出願・登録ともに存在する1994年次以降の出願が各年次末までに累計でどれだけ特許登録されているかを件数で示したものである。
また、累計特許登録率とは、例えば1994年以降の累積特許出願に係る各年次末現在における累計特許登録件数を、1994年以降の累計特許出願件数で除したものを示す指標である。本指標は、例えば特許庁のCD−ROM公報が出願・登録ともに存在する1994年次以降の出願が各年次末までに累計でどれだけ特許登録されているかを率で示したものである。
また、特許査定率とは、各年度の審査請求のうち、データ締切日までに特許登録されたものの比率を示す指標である。本指標は、各年度に審査請求されたものに関するデータ締切時点における特許査定率であるから、各年度分の特許査定率は、時間の経過とともに変動(増大)する。但し、審査に要する期間を経過した後は、その年度の出願に関する特許査定率は極大値となり、以後増加しないと考えられる。
また、累計特許査定率とは、例えば1997年以降の累計審査請求に係る各年度末現在における累計特許査定率を示す指標である。本指標は、例えば統計的に問題のないデータが揃う1997年以降の審査請求が各年度末までに累計でどれだけ特許登録されているかの率を示している。したがって、各年度末における累計特許査定率は、時間の経過とともに変動(増大)する。
また、有効特許件数とは、各年度の特許登録のうち、各社の直近の決算期末までに失効した特許を除いた有効特許件数を示す指標である。本指標は、各年度に登録された特許が直近の決算期末に残存している(但し決算期当日に失効したものを除く)件数を示す。したがって、各年度の特許登録に係わる有効特許件数は、時間の経過とともに変動(減少)する。
また、有効特許残存率とは、各年度の特許登録のうち、各社の直近の決算期末までに失効した特許を除いた有効特許件数の残存率を示す指標である。本指標は、各年度に登録された特許が直近の決算期末に残存している(但し決算期当日に失効したものを除く)比率を示す。したがって、各年度の特許登録に係わる有効特許残存率は、時間の経過とともに変動(減少)する。
図14に示すように、特許ストック関連指標として以下の指標が挙げられる。
総有効特許件数とは、例えば1994年以降の累計特許登録から失効した特許件数を差し引いて求められる各年度末現在における総有効特許件数を示す指標である。本指標は、例えば1994年以降に登録された特許が各年度末現在時点において残存している(但し決算期当日に失効したものを除く)件数を示している。したがって、各年度に新たに特許登録されたものが加算され、各年度に失効したものが差し引かれるため、総有効特許件数は新規の登録件数を失効件数が上回っている場合には減少することになる。
また、総有効特許残存率とは、例えば1994年以降の累計特許登録から失効した特許件数を差し引いて求められる各年度末現在における総有効特許件数の残存率を示す指標である。本指標は、例えば1994年以降に登録された特許が各年度末現在時点において残存している(但し決算期当日に失効したものを除く)比率を示す。
また、総有効特許平均残存年数とは、各年度末時点において現存する有効特許1件当りの有効残存期間の平均年数を示す指標である。特許は一部の例外を除き、出願の日から20年間を有効期間としている。このため、本指標の値が大きいほど出願年次が若い特許が多いということを示しており、逆に本指標の値が小さいほど出願年次が古く残存期間が短いことを示していると考えられる。
また、特許ストック指数とは、各年度末時点において現存する有効特許の有効残存期間の合計年数を示す指標である。本指標は、仮に有効特許件数が同一であっても、その個々の有効残存期間の長さによってストックの量は異なると考えられるため、総有効特許件数に平均残存年数を乗じて総体を定量化したものである。
また、全特許資産とは、研究開発費を特許登録件数で除算した値に総有効特許件数を積算して、企業が保有する総有効特許の総資産価値を表した指標である。研究開発費を除算する指標として特許登録件数を用いたのは、実際に権利化されて有効に機能し得る特許に基づいて計算を行なうようにしているからであり、設定の登録がなされた特許1件当りに研究開発費をどのくらい投入しているかをもって、その特定企業が特許にかける意気込みがわかるからである。本指標は、設定の登録がなされた特許1件当たりに投資した研究開発費に対して、総有効特許件数を乗じたものであるので、企業が保有する全知的資産の額であると考えることができる。したがって、この全特許資産の指数の値が大きい値に算出される企業であるほど、特許の総資産価値が高いと認められ、その企業がどれほどの無形資産を保有しているかを判断することができる。
図14に示すように、特許集中関連指標として以下の指標が挙げられる。
出願請求項数シェア(A〜H)とは、当該企業がある年次(度)に出願した特許を国際分類のセクション毎に分けた出願件数に係る全請求項数を、同年次(度)に(当該企業の属する国に)出願された全ての特許を国際分類のセクション毎に分けた全出願件数に係る全請求項数で除した値である。
国際分類のセクション別の全出願の請求項数に占める当該企業の請求項数のシェアを求めるものである。
また、特許集中度とは、当該企業のある年次(度)のサブクラス毎に分類された特許出願に係る請求項数を、当該企業の全特許出願に係る全請求項数で除し、その値を2乗して総和を求めた値である。ハーフィンダール指数を応用して採用したものであり、当該企業の特許出願が、あるサブクラスに集中していると、大きな値となり、分散していると小さな値になる。
また、特許集中度(A〜H)とは、当該企業がある年次(度)に出願した特許を国際分類のセクション毎に分けた出願件数に係る全請求項数を更にサブクラスに分類し、サブクラス毎の請求項数をセクション毎の全請求項数で除し、この値を2乗して総和をセクション毎に求めて、セクション毎の特許集中度を求めた値である。
当該企業のどのセクションが集中しているか、分散しているかを知ることが可能となる。
なお、ここでは請求項数を用いたが、出願件数そのものでも良い。
図14に示すように、特許収益性関連指標として以下の指標が挙げられる。
特許収益性αとは、製造販売利益と特許料等ロイヤルティ収入の合計金額(企業が各年度に生み出した総事業収益)を総有効特許件数で除すことによって求められる、有効特許1件当りの総事業収益を示す指標である。本指標は、付加価値額を従業員数で除すことによって従業員一人当りの付加価値額を算出し労働生産性(収益性)を測るのと同様に、特許1件当りの総事業収益によって特許収益性を推し量るものである。
また、特許収益性βとは、各社が創出した価値の総額のうち、業種平均を超過する部分を表す超過付加価値と特許料等ロイヤルティ収入の合計金額を総有効特許件数で除すことによって求められる、有効特許1件当りの超過付加価値額を示す指標である。本指標は、特許収益性αが収益の全体(総事業収益)を対象として算出された特許収益性であるのに対して、生み出した付加価値のうち業界平均を超過する部分と特許料等ロイヤルティ収入のみを対象として算出した特許収益性である。したがって、同業種内における特許収益性の比較に用いることができる。
また、特許収益性γとは、各社が製造販売活動によって得た事業収益のうち、業種平均を超過する部分を表す超過製造販売利益と特許料等ロイヤルティ収入の合計金額を総有効特許件数で除すことによって求められる、有効特許1件当りの超過総事業収益額を示す指標である。本指標は、特許収益性αが収益の全体(総事業収益)を対象として算出された特許収益性であるのに対して、製造販売利益のうち業界平均を超過する部分と特許料等ロイヤルティ収入のみを対象として算出した特許収益性である。特許収益性βと同様に、同業種内における特許収益性の比較に用いることができる。
また、特許収益性δとは、各社がオフバランス(貸借対照表に記載されない無形の)知的資源を源泉として生み出されたと推定される収益額のうち、業種平均を超過する部分を表す超過知的資産収益(EXEOIA)を総有効特許件数で除すことによって求められる、有効特許1件当りの超過知的資産収益額を示す指標である。本指標である総事業収益からオンバランス(貸借対照表上)の資産から得られるべき期待収益を控除した残余額である知的資産収益の業界平均値を上回る部分に特許料等ロイヤルティ収入を加算して算出した特許収益性は、会計情報を用いたマクロ的アプローチによって特許の質を推し量る手段として最も理論的な方法のひとつであると考えられる。
前記の各指標は、因子分析により、図15に示す5つの因子名にグループ化し更に3つの戦略に分類することができる。
上記に掲げた指標は、企業の事業収益等を判断するにあたって関係のありそうな指標を選び出したものであるが、本発明では、上記の事業関連の指標、研究開発関連の指標、又は知的財産関連に分類される指標のうち、業種又は企業毎に少なくとも2以上の分類の指標を組み合わせて因子分析することによって、更に事業収益に関連ある指標を抽出して、因子負荷量や寄与率を算出して提示し、企業の評価を行なうのが望ましい。
なお、上記の各指標(因子分析変数)は、毎期、毎年発表されるので、逐次メンテナンスするとよい。また、因子分析の演算に過去何年間の指標を用いて演算を行うかは、前もって決めておくとよい。
以下に、因子分析処理について説明する。
図16は、企業の各指標毎に相関行列を算出して指標の絞り込みを行ない、関連のある指標をグループ化した因子Bを設定して、因子分析を行なって因子負荷量Bと、因子得点Bと、固有値Bと、寄与率Bとを算出し、因子得点Bを指数化して業界毎に比較する表示を行なうための処理のフローチャートである。
因子分析は、多くの観測データがあるときに、観測データの裏に潜んでそれらを支配している本質的な要因を探り出す手法である。本発明では、この因子分析の特性を用いることによって、関係が薄く共通性のない指標を取り除き、関係が深く結び付きの大きな指標を抽出することを可能としている。
因子の抽出方法として、主因子法や最尤法、一般化最小自乗法、最小自乗法などが知られており、本実施例では主因子法を用いている。また回転には、バリマックス回転法を用い、因子得点の計算には回帰推定法を用いて求めている。また他の回転法として、直交回転法では、コーティマックス法、バイコーティマックス法等が知られており、斜回転法ではコーティミン法、コバリミン法、バイコーティミン法などが知られている。
主因子法は相関行列の対角要素を共通性の推定値とするものである。通常この共通性の推定を行うために、共通性の初期値を設定し、推定値を相関行列の対角要素に置き換えて因子抽出を行い、推定値が因子負荷量の平方和になるまで反復計算を行う。これを共通性の反復推定と言う。初期値として数値「1」や、相関行列の各列の最大値、又は、変数の重相関係数の二乗などを用いることが多い。
バリマックス回転は、因子軸を直交回転させるものだが、因子軸が互いに直交し、因子間が無相関になるように変換を行い、回転によって各因子ごとに因子負荷量の平方和の分散が最大化するようにしている。そして、因子負荷行列の列ごとに単純化を図っている。
情報処理手段380が実行する処理が図3のS212に進むと、処理は図16に示すS500「因子分析処理」に分岐してくる。そして、次のS502「初期値設定」の処理に進む。
S502にて情報処理手段380は、関係が深く結び付きの大きな指標を抽出する際の判断基準として用いる各種閾値等の情報を記録手段384等から読み出して、各閾値の設定を行なう。
ここで設定する閾値は、例えば最初に指標を抽出する際の指標数量の閾値S(同図に示す例ではS=45個を設定している。)と、因子分析変数の初期値又は推定値等の共通度Aの大きさに基づいて指標を抽出する際の共通度Aの閾値C(同図に示す例では、C=0.3を設定している)と、寄与率Bの大きな値の因子Bから順番に抽出する際に用いる累積寄与率Bの値dの閾値D(同図に示す例では、D=70%を設定している。)と、固有値kの大きな値の因子Bから順番に抽出する際に用いる固有値Bの閾値K(同図に示す例では、K=1.0を設定している。)である。これらの閾値は、用途に応じて予めプログラムの中に定数として組み込んでおいてもよいし、利用者が個々に設定可能なようにプログラムを構成してもよい。
次のS504「企業名を取得」にて情報処理手段380は、図3に示すS105にて利用者が指定した業種名に応じ、この業種に属する企業名を業種企業データベースから取得する。
次のS506「指標をs個取得(デフォルト=全部)」にて情報処理手段380は、S504にて取得した企業名の各種指標を指標データベースから取得する。ここで取得する企業指標は、例えば図11乃至図14に示すような各種の指標である。
本発明では、S508〜S514にて先ず相関行列Aを算出した後に指標の共通度Aに基づいて指標の絞込みを行なっている。
次のS508「指標間の相関行列を作成(相関係数rの計算)」にて情報処理手段380は、S504で取得した企業名毎の指標を準備し、各指標毎に相関係数rを算出する。ここでは、S506にて取得したs個の指標全てについて相関係数rを算出するので、s×sの相関行列が算出される。
次のS510「指標の共通度cを算出」にて情報処理手段380は、指標の共通度Aの値cを抽出する処理を行なう。指標の共通度Aとして初期値を用いる場合には、S508にて算出した相関行列の各列の最大値を抽出して用いてもよいし、指標の重相関係数の2乗を算出した値を用いてもよいし、単に1を用いるようにしてもよい。また指標の共通度Aとして推定値を用いるようにしてもよい。
次のS512「指標の絞込み(c≧Cの仲間だけを残す)」にて情報処理手段380は、S510にて抽出した共通度Aの値cが共通度Aの閾値C以上であるか否かの判断を行なって、共通度Aの閾値C以上の値cを有する指標のみを絞り込む処理を行なう。
S514「s≦S」の判断にて情報処理手段380は、S512にて絞り込んだ指標の数量sが、指標数量の閾値S以下であるか否かの判断を行なっている。
もし、S512にて絞り込んだ指標の数量sが指標数量の閾値S以下でないと判断した場合には、情報処理手段380が実行する処理はS508に戻り、絞り込んだ指標を用いて再度相関行列を作成し、指標の数量についての更なる絞込みを行なう。
また、もし、S512にて抽出した指標の数量sが指標数量閾値S以下であると判断した場合には、情報処理手段380が実行する処理はS516「因子毎の因子負荷量を計算(因子と指標の相関)」に進む。ここで絞り込んで残った指標の例を図18に示す。
図18は、図11乃至図14に示す指標で相関行列Aを算出し、この演算結果から抽出した指標の共通度Aを用いて第1次選択した指標を示す図である。
同図に示すように、第一次選択した指標には、研究開発関連の指標が7種類、知的財産関連の指標が29種類、事業・経営関連の指標が7種類の合計43種類の指標に絞り込まれている。なお、出願請求項数シェアA〜Hと、特許集中度A〜Hはそれぞれ8指標ずつ計数している。
S516にて情報処理手段380は、1指標につき1因子とした場合の因子Bとその指標との相関を示す、因子負荷量Bの算出を行なう。
次のS518「累積寄与率dを算出(各因子内の固有値の割合)」にて情報処理手段380は、各因子内の固有値の割合を示す寄与率Bを各因子Bにつき算出し、寄与率Bの値が大きいものから順に加算して、それぞれの因子Bまでの寄与率Bを加算した累積寄与率Bの値dを算出する。
S520「d≧D」の判断にて情報処理手段380は、S518にて算出した累積寄与率Bの値dが、閾値D以上であるか否かの判断を行なっている。
もし、累積寄与率Bの値dが閾値D以上であると判断した場合には、必要な因子を抽出したと判断して、情報処理手段380が実施する処理はS526「因子を抽出するn個(デフォルト=5個)」に分岐する。
また、もし累積寄与率Bの値dが閾値D以上でないと判断した場合には、必要な因子の全てを抽出していないと判断して、情報処理手段380が実施する処理はS522「因子毎の固有値kを計算(因子負荷量の二乗和)」に進み、各因子B毎の因子負荷量Bの二乗和を計算して固有値Bの値kを算出する処理を行なう。
次のS524「k≧K」の判断にて情報処理手段380は、S522にて算出した固有値Bの値kが、閾値K以上であるか否かの判断を行なっている。
もし、固有値Bの値kが閾値K以上であると判断した場合には、必要な因子を抽出したと判断して、情報処理手段380が実行する処理はS526に進む。
また、もし固有値Bの値kが閾値K以上でないと判断した場合には、必要な因子の全てを抽出していないと判断して、情報処理手段380が実行する処理はS516に戻り、更に因子Bの中から抽出する処理を行なう。
S526にて情報処理手段380は、複数の因子Bから因子Cを抽出する処理を行なっている。因子Cを抽出する手法の一つは、予め5個の因子Cを抽出するなどデフォルトの値を用いてもよいし、下記の(式4)に示す計算式によって因子Cの数量mを算出して定めるようにしてもよい。
(式4)
因子Cの数量m=[(p−2)/(logp)]
但し、
m=因子Cの数量
p=指標の数量
[ ]はガウス記号であって、[ ]内の値を超えない最大の整数を表す
上記の式に基づいて因子の数量mを算出すると、以下の数量になる。
指標の数量p 因子Cの数量m
8〜13 2
14〜18 3
19〜25 4
26〜31 5
32〜38 6
39〜46 7
47〜53 8
54〜61 9
因子Cの数量mはいくつでも計算上は問題無いのであるが、本発明のように事業関連の指標、研究開発関連の指標、又は知的財産関連の指標を用いて、総合評価指標(事業収益関連の指標など)に与える寄与率等を算出する場合には、因子Cの数量mを5〜9に設定するのが妥当と思われる。
このようにして、図18に示した43指標について因子分析Bを行なった結果、図19に示す指標が残った。同図に示す例では、素材系業種で16指標、複合技術系業種で15の指標に絞り込まれている。
S526にて5つの因子Cを抽出した後の因子Cと因子負荷量Cと、固有値Cと、寄与率Cと累積寄与率Cとの関係を、図20及び図21に示す。図20及び図21では「因子負荷量C」の値を記載しており、「企業指標」を「変数名」と記載し、「因子C」を「因子1」〜「因子5」と記載し、「固有値C」を「固有値」と記載し、「寄与率C」を「寄与率」と記載し、「累積寄与率C」を「累積寄与率」と記載してある。図20及び図21についての説明は、後述する。
次のS528「因子内容を確認」にて情報処理手段380は、図22及び図23に示す因子名とその因子Cの持つ意味の一覧を表示手段372に表示して利用者に通知する。因子Cの意味内容の確認が終了すると、情報処理手段380が実行する処理は、次のS530「因子毎の企業ランキング表示」の処理に進み、或いは企業ランキング表示を経ずにS532「終了」に進み、因子分析処理を終了する。
因子毎の企業ランキング表示に進む場合、S530にて情報処理手段380は、各因子C及び各企業毎に因子得点Cを算出して企業のランキングとして表示手段372に表示する。その企業ランキングの表示例を図16〜図18に示す。同図に示す例では、企業のランキングを見易くするために、因子得点Cを標準化(ここでは偏差値に換算)して、一位の企業(因子得点Cの値が最大の企業)の指数が100となるように置き換えている。
S530にて企業ランキングの表示が終了すると、情報処理手段380が実行する処理はS532「終了」に進み、因子分析処理を終了して、元の処理ルーチンに戻る。
以下に、図20〜図31についての説明をする。
図20は、素材系業種における因子負荷量Cと、固有値Cと、寄与率Cと、累積寄与率Cとの算出結果を示す図表(素材系業種の因子負荷量・固有値・累積寄与率を示す図表)である。
図20に示す例では、累積特許登録率、平均有効特許残存年数、累計審査請求率、平均出願経過年数、及び平均登録所要年数の指標(変数名)を素材系第一因子(特許のタイムマネジメントの因子:因子1)と定義してグループ化している。
また、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率、及び労働分配率の指標(変数名)を素材系第二因子(生産性の因子:因子2)と定義してグループ化している。
また、出願請求項数シェアC、出願請求項数シェアB、及び出願請求項数シェアGの指標(変数名)を素材系第三因子(特許・技術シェアの因子:因子3)と定義してグループ化している。
また、自己資本比率及び売上高研究開発費比率(−1)の指標(変数名)を素材系第四因子(研究開発の因子:因子4)と定義してグループ化している。
また、特許集中度B及び特許集中度Gの指標(変数名)を素材系第五因子(特許・技術の集中の因子:因子5)と定義してグループ化している。
図21は、複合技術系業種における因子負荷量Cと、固有値Cと、寄与率Cと、累積寄与率Cとの算出結果を示す図表(複合技術系の因子負荷量・固有値・累積寄与率を示す図表)である。
図21に示す例では、累計特許登録率、平均有効特許残存年数、累計審査請求率、平均出願経過年数、及び平均登録所要年数の指標(変数名)を複合技術系第一因子(特許のタイムマネジメント:因子1)と定義してグループ化し、出願請求項数シェアB、出願請求項数シェアC,出願請求項数シェアG,及び出願請求項数シェアHの指標(変数名)を複合技術系第二因子(特許・技術シェアの因子:因子2)と定義してグループ化している。
また、労働生産性、全要素生産性、及び労働分配率の指標(変数名)を複合技術系第三因子(生産性の因子:因子3)と定義してグループ化し、特許集中度及び特許集中度Bの指標(変数名)を複合技術系第四因子(特許・技術の集中の因子:因子4)と定義し、発明者1人当研究開発費(−1)の指標(変数名)を複合技術系第五因子(研究開発の因子:因子5)と定義してグループ化している。
同図に示す例では、複合技術系の各因子C毎に固有値Cと寄与率Cとを算出して、固有値Cが大きな値となる順番に複合技術系因子毎に因子負荷量Cを並べて表わしている。同図に示す例では第五因子まで採用している例を示しているが、採用する複合技術系の因子Cの数は第五因子までに限定されるものではない。
図20及び図21に示す因子分析結果を対比することによって、素材系業種と複合技術系業種についての比較結果を以下に説明する。
図21に示すように、複合技術系企業の因子Cは、第一因子〜第五因子まで採用している。第五因子の固有値Cは0.608と算出されており、その固有値Cの値は1を超えてないが、第五因子を含めて累積寄与率Cが70%を超えていて、第六因子の各変数(指標)の因子負荷量Cと比較しても「発明者1人当研究開発費(−1)」の因子負荷量Cの値が0.629と高いことから、第五因子として採用している。なお、「発明者1人当研究開発費(−1)」の(−1)は、前年あるいは期前(マイナス1年またはマイナス1期)の値を用いたことを示している。
一方、図20に示すように素材系業種の因子Cは第一因子〜第五因子まで採用している。それぞれの因子Cにおける固有値Cの値は1を超えており、累積寄与率Cの値が70%以上になる迄の因子Cを採用している。
また、図20及び図21を対比してみると、素材系業種における因子Cと複合技術系業種における因子Cの主な相違点は、「研究開発」を表す因子Cと「生産性」を表す因子Cにある。「研究開発」を表す因子Cを見ると、図20に示す素材系業種では「自己資本比率」と「売上高研究開発費比率(−1)」とから構成されている。一方の図21に示す複合技術系業種では、「発明者1人当り研究開発費(−1)」のみで構成されている。
素材系業種の場合において「自己資本比率」が第四因子に含まれる理由は、素材系業種(特に医薬品など)では、研究開発の成果を得るために長期の研究開発期間が必要であることが挙げられる。そして素材系業種では、この長期間の研究開発費の支出を支えるための資金力が必要であることが理由として考えられる。
研究開発はたいへん不確実性が高い活動であるために、金融機関等からの資金調達が得られにくい傾向にある。よって、資金力のある素材系企業が研究開発活動を維持、継続しやすい状況にあり、この活動によって好ましい研究開発の成果を挙げる可能性が高いと考えることができる。
「生産性」を表す因子Cについて着目して比較してみると、図20に示す素材系業種の場合「売上高原価率」がその構成要素の1つとして存在するが、図21に示す複合技術系業種の場合には「売上高原価率」の指標が構成要素として入っていない。これは、複合技術系業種では原材料費等の購入よりも人件費が生産性を左右する可能性が高いことを示している。
図22は、素材系の因子Cの定義を示す図表(素材系業種の因子一覧を示す図表)である。
同図に示すように素材系第一因子(因子1)は、累計特許登録率、平均有効特許残存年数、累計審査請求率、平均出願経過年数、及び平均登録所要年数の指標から構成されているので、これらの指標を総括して「特許のタイムマネジメント」の因子と定義してグループ化することが可能である。また、この「特許のタイムマネジメント」の因子に含まれる指標の総括した概念として、「審査請求までの年数及び登録までの年数を短縮し、累計審査請求率・累計登録率を向上させ、特許の有効期間を長くする。いわば、特許を早期に権利化し、維持しようとする因子。」と考えることが可能である。
また、素材系第二因子(因子2)は、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率、及び労働分配率の指標から構成されているので、これらの指標を総括して「生産性」の因子と定義してグループ化している。また、この「生産性」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「製造原価と人件費を抑制しながら、労働生産性と技術革新力を向上しようとする。
よって、生産性を向上しようとする因子。」と考えることが可能である。
また、素材系第三因子(因子3)は、出願請求項数シェアC、出願請求項数シェアB、及び出願請求項数シェアGの指標から構成されているので、これらの指標を総括して「特許・技術シェア」の因子と定義してグループ化している。また、この「特許・技術シェア」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「特許出願の量と、技術市場から見た占有率・影響力を示している因子。特許出願の量は、企業の恣意的な出願も影響するが、最近の研究開発・技術開発競争における企業のポジションとも考えることができる。」のように考えることが可能である。
また、素材系第四因子(因子4)は、自己資本比率及び売上高研究開発費比率(−1)の指標から構成されているので、これらの指標を総括して「研究開発」の因子と定義してグループ化している。また、この「研究開発」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「前期の研究開発費が効果を上げ、且つ自己資本を充実させようとする因子。」と考えることが可能である。
また、素材系第五因子(因子5)は、特許集中度B及び特許集中度Gの指標から構成されているので、これらの指標を総括して「特許・技術の集中」の因子と定義してグループ化している。また、この「特許・技術の集中」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「特許・研究開発・技術開発の集中を示す因子。特許出願の集中度は、特定の分野に集中した研究開発・技術開発を反映する。また、集中した特許取得をし、特許の資産価値を高めようとする行動の表れでもある。」と考えることが可能である。
この因子Cに含まれる指標に基づいた意味付けは、利用者が、抽出された演算結果の指標を見た結果、この因子Cの背後に潜むファクタを集約して意味付けの名前を付与するようにしてもよい。
図23は、複合技術系の因子Cの定義を示す図表(複合技術系業種の因子一覧を示す図表)である。
同図に示すように複合技術系第一因子(因子1)は、累計審査請求率、累計特許登録率、平均有効特許残存年数、平均出願経過年数、及び平均登録所要年数の指標から構成されているので、これらの指標を総括して「特許のタイムマネジメント」の因子と定義してグループ化することが可能である。また、この「特許のタイムマネジメント」の因子に含まれる指標の総括した概念として、「審査請求までの年数及び登録までの年数を短縮し、累計審査請求率・累計登録率を向上させ、特許の有効期間を長くする。いわば、特許を早期に権利化し、維持しようとする因子。」と考えることが可能である。
また、複合技術系第二因子(因子2)は、出願請求項数シェアC、出願請求項数シェアB、出願請求項数シェアG、及び出願請求項数シェアHの指標から構成されているので、これらの指標を総括して「特許・技術シェア」の因子と定義してグループ化している。また、この「特許・技術シェア」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「特許出願の量と、特許市場から見た占有率・影響力を示している因子。特許出願の量は、企業の恣意的な出願も影響するが、最近の研究開発・技術開発競争における企業のポジションとも考えることができる。」のように考えることが可能である。
また、複合技術系第三因子(因子3)は、労働生産性、全要素生産性、及び労働分配率の指標から構成されているので、これらの指標を総括して「生産性」の因子と定義してグループ化している。また、この「生産性」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「人件費を抑制し、労働生産性と技術革新力を向上しようとする。よって、生産性を向上しようとする因子。」と考えることが可能である。
また、複合技術系第四因子(因子4)は、特許集中度及び特許集中度Bの指標から項背されているので、これらの指標を総括して「特許・技術の集中」の因子と定義してグループ化している。また、この「特許・技術の集中」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「特許・研究開発・技術開発の集中を示す因子。特許出願の集中度は、特定の分野に集中した研究開発・技術開発を反映する。また、集中した特許取得をし、特許の資産価値を高めようとする行動の表れでもある。」と考えることが可能である。
また、複合技術系第五因子(因子5)は、発明者1人当研究開発費(−1)の指標から構成されているので、この指標を総括して「研究開発」の因子と定義してグループ化している。また、この「研究開発」の因子に含まれる指標の概念として、「前年の研究開発費が効果を上げていることを示す因子。」と考えることが可能である。
図24及び図25は、各素材系業種企業について算出した因子C毎の指数Cを示す図表(素材系業種企業の因子得点の指数化による評価を示す図表)である。
図26及び図27は、各複合技術系業種企業について算出した因子C毎の指数Cを示す図表(複合技術系業種企業の因子得点の指数化による評価を示す図表)である。
同図に示す指数は、因子得点Cについて偏差値化した値を算出し、見易くするために第一位の企業の指数が100となるように演算した値であるので、各社毎に因子別のランキングを知ることが可能となり、例えば自己の企業または、調査対象の企業の位置付けを知ることが可能となる。また、企業毎の性向を窺うことができる。
図28及び図30は、素材系業種及び複合技術系業種の因子分析変数の相関行列Cを示す図表である。
同図に示す相関行列は、図20及び図21に絞り込んだ指標同士についての相関を算出し、抽出した指標に相関が認められることを確認するための表である。同図に示すように、抽出した指標にはかなりの相関があることが示されている。
図29及び図31は、素材系業種及び複合技術系業種の因子分析変数の共通度Cを示す図表である。
前記の図28、図30に示す因子分析変数の相関行列や、図29、図31に示す因子分析変数の共通度、図20、図21に示す因子負荷量C、固有値C、累積寄与率Cなどを併せて表示するようにしてもよい。
以下に、重回帰分析処理について説明する。
図17は、総合評価指標(目的変数)を指定し、上記の因子分析Cで得られたそれぞれの因子Cが、総合評価指標(目的変数)に対してどれだけの寄与率Jがあるかを重回帰分析により演算し、結果を寄与率Jおよび相関(因子負荷量)を共に図で表す処理のフローチャートである。
寄与率Jの算出対象となる総合評価指標(目的変数)の一例は図10に示すとおりである。
重回帰分析とは、定量データを予測する変数とした、線形(1次)の関係式として得られ、いくつかの特性・要因についてそれぞれの係数を得ることにより、予測式として用いられるものである。予測する変数を目的変数と呼び、特性・要因を説明変数と呼んでいる。この重回帰分析では、それぞれの変数間の相関を求め、重回帰式を求める。
重回帰式は、一般に下記の(式5)で表され、重相関係数の値の絶対値が1に近いほど信頼性が高いことを示している。
(式5)
Y=a+bX+cX+・・・+nX
但し、
Y:目的変数
:説明変数
a:定数
b、c、・・・n:それぞれの説明変数にかかる偏回帰係数
なお、重回帰分析で重要なことは説明変数の選定である。説明変数の選定は重回帰式の信頼性を高めるだけでなく、得られる研究成果にも大きな影響を及ぼすからである。重回帰分析では、先ず説明変数と目的変数との相関が高いか否かについて調べる。そして、説明変数同士が互いに独立であることを確かめる。したがって、目的変数との相関係数が高く、他の説明変数との相関が低い説明変数を選ぶことが重要となる。
なお、重回帰分析を行なって総合評価指標(目的変数)についての寄与率Jを算出する場合には、総合評価指標と因子(因子得点)とを入力する必要がある。本実施例では、図10に示した総合評価指標の中ならROAδ=(営業利益+特許料等ロイヤルティ収入)/(総資産)の指標を選択した例で説明する。
説明変数がどの位目的変数に影響を与えているか(寄与しているか)を見るには、求めた重回帰式の偏回帰係数を見ればよい。通常、偏回帰係数が大きいほど目的変数に与える影響が大きいので多く寄与していると言える。しかし、説明変数間で単位が異なるときには、単位の影響を受けるので単純に偏回帰係数の大小を比較して決めることはできない。
そこで単位の影響を除くために、標本データを標準化する処理を行なう。データを標準化することにより、平均=0、分散=1となり単位の影響を受けなくなるので、標準化したデータから偏回帰係数を求めるようにする。このように標準化したデータから得られた偏回帰係数を標準偏回帰係数という。
標準偏回帰係数が大きいほど目的変数に与える影響が大きく、寄与の大きい説明変数であると言える。データの標準化は、例えば下記(式6)にて行なう。
(式6)
X=(x−avg(x))/σ
但し、
σ:標準偏差
avg(x):平均値
情報処理手段380が実行する処理が図3のS213に進むと、処理は図17に示すS600「重回帰分析処理」に分岐してくる。そして、次のS602「総合評価指標の指定」の処理に進む。
S602にて情報処理手段380は、図3に示すS109にて利用者が指定した総合評価指標を、総合評価指標一覧から取得する。上記のとおり、本実施例では図10に示した総合評価指標の中からROAδ=(営業利益+特許料等ロイヤルティ収入)/(総資産)の指標を選択した例で説明する。
次のS604「重回帰分析」にて情報処理手段380は、S602にて取得した総合評価指標と、1乃至複数の指標を含む因子とを用いて重回帰分析を行なって、偏回帰係数、標準偏回帰係数、T値、P値を算出する処理を行なう。また、前記総合評価指標と因子を用いた相関行列Jを作成して、総合評価指標に対する因子の相関係数を算出する処理を行なう。なお、重回帰分析を行なう際の因子として、関係の深い因子を選択するのが好ましい。そこで本実施例では、前記の因子分析Cを行なった結果抽出した指標Cとその因子Cとを用いて試算するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
図32は、素材系業種について因子分析Cを行なって抽出した5つの因子Cが、素材系業種のROAδ(総合評価指標の1つ)にどれだけ寄与しているかの重回帰分析Jの演算結果を示す図表(素材系業種の重回帰分析結果一覧を示す図表)である。
また図33は、先に複合技術系業種について因子分析Cを行なって抽出した5つの因子Cが、複合技術系業種のROAδにどれだけ寄与しているかの重回帰分析Jの演算結果を示す図表(複合技術系業種の重回帰分析結果一覧を示す図表)である。
次のS606「T値の水準が5%(1%)水準である因子を選ぶ」にて情報処理手段380は、T値の閾値を記録する閾値記録手段から閾値を取得してT値と比較し、T値の水準が5%水準(又は1%などの他の閾値を用いてもよいし、P値に基づいて因子Jを抽出するようにしてもよい。また、寄与率Jに基づいて因子Jを抽出するようにしてもよい)の因子Jを選ぶ処理を行なっている。
図32及び図33に示すように、第一因子(因子1)〜第五因子(因子5)までの因子CとROAδの相関行列Jが算出され、T値の水準が1%の水準である因子Jを抽出することが可能となる。
次のS608「選択された因子の有意性を判定」にて情報処理手段380は、S606にて選択された因子Jの有意性を判定する処理を行う。
図32及び図33の重回帰分析の演算結果一覧に示すように、素材系業種、複合技術系業種共に自由度修正済み決定係数は、それぞれ0.8095、0.7572と高い説明力を有している。それぞれの因子Jが有意であるか否かを見ると、図32に示す素材系業種では、素材系の第二因子J(「生産性」の因子2:寄与率約71%)と素材系の第四因子J(「研究開発」の因子4:寄与率約28%)が有意であることがわかる。
また図33にしめす複合技術系業種では、複合技術系の第三因子J(「生産性」の因子3:寄与率約74%)と、複合技術系の第四因子J(「特許・技術の集中」の因子4:寄与率約15%)と、複合技術系の第五因子J(「研究開発」の因子5:寄与率約11%)が有意であるとの結果を得ている。
図32及び図33の表示形態であっても、寄与率Jの値を読むことによって総合評価指標(例えばROAδ)の値に寄与する指標Cとその度合い(寄与率J)を知ることが可能であるが、寄与率Jの値が大きな指標Cのみ抽出するとともに、視認性に優れた表現の仕方があるとよい。また、各因子Jには、図22及び図23に示す意味づけをすることが可能であるが、各指標Cから自動で寄与率Jを算出する場合には、必ずしも抽出した因子Jの性質を総括した意味付けが与えられるとは限らない。
また、本発明の目的の一つは、総合評価指標(例えばROAδ)に寄与する指標Cの抽出と、その寄与の度合いを利用者が知ることであるので、因子Jとその寄与率Jと、因子Jを構成する指標C(因子Jに対する因子負荷量が所定値例えば0.5以上である企業指標)と、その指標Cの因子負荷量Cとを併せて見易く表示することが好ましいと考えられる。
そこで本発明では、総合評価指標に寄与する因子Jとその寄与率Jを図示することとしている。また、必要に応じて寄与率Jの大きな因子の意味や因子名を併せて表示するようにしてもよい。また、必要に応じて因子Jを構成する指標Cと、その因子負荷量Cとを併せて表示するようにしてもよい。以下のS610「総合評価指標・有意因子・指標の関係図(因子負荷量と標準偏回帰係数による寄与率を付記)」の処理にて、総合評価指標と因子Jと寄与率Jの表示を行なって利用者に通知する。
関係図の表示が終了すると、情報処理手段380が実施する処理はS612「業界別・総合評価指標・有意因子・指標の関係図の収納」に進み、算出した情報を記録手段384等に記録する処理を行なう。記録の処理が終了すると、情報処理手段380が実施する処理は次のS614「終了」に進み、元の処理ルーチンに戻る。
図34は、素材系業種の分析結果について、総合評価指標と、因子Jと、寄与率Jと、各因子の因子負荷量Cとを併せて視認性良く表示した例を示す関係図(素材系業種の関係図を示す図)である。
また図35は、複合技術系業種の分析結果について、総合評価指標と、因子Jと、寄与率Jと、各因子Jの因子負荷量Cとを併せて視認性良く表示した例を示す関係図(複合技術系業種の関係図を示す図)である。
先ず図35の関係図に示す複合技術系業種の分析結果では、寄与率Jの値が一番大きな「生産性」による総合評価指標の向上率が74%、「特許・技術の集中」による総合評価指標の向上率が15%、「研究開発」投入による総合評価指標の向上率が11%であることが示されている。同図では、総合評価指標ROAδの拡大に寄与する因子Jとその寄与率Jとが示されていて、同図に示す例では、「生産性」と命名した複合技術系業種の第三因子J(事業戦略)と、「特許・技術の集中」と命名した複合技術系の第四因子J(知的財産戦略)と、「研究開発」と命名した複合技術系の第五因子J(研究開発戦略)の三位一体経営に要求される寄与率Jと、指標Cのうち相関のあるものを抽出した指標Jとその因子負荷量Cとを明らかにするとともに、これらの構成を見易く表示することを可能としている。
例えば知的財産戦略関連に相関のある指標Jとして、「特許・技術の集中」と命名した複合技術系第四因子Jには特許集中度及び特許集中度Bが存在しており、ROAδ(総資産利益率δ)と関連し寄与している指標として注目に値する指標であることを示している。
また、図35の関係図に表示された寄与率Jの値は、仮にROAδの値が10.0とするならば、「生産性」の因子Jがそのうちの7.4寄与しており、「特許・技術の集中」の因子Jが1.5寄与しており、「研究開発」の因子Jが1.1寄与しているということを示している。
また、「生産性」を1ポイント上昇させるためには、例えば「労働生産性」を0.7123ポイント引き上げることが必要であり、又は「労働分配率」を0.7449ポイント引き下げる必要があるということを意味する。
一方、図34の関係図に示す素材系業種の分析結果では、総合評価指標ROAδに寄与している因子Jは、「生産性」と命名した素材系の第二因子J(事業戦略)による総合評価指標の向上率が71%、「研究開発」と命名した素材系第四因子J(研究開発戦略)による総合評価指標の向上率が28%であることが示されている。
また、「生産性」を1ポイント上昇させるためには、例えば「労働生産性」の因子負荷量Cを0.8506ポイント引き上げることが必要であり、又は「全要素生産性」の因子負荷量Cを0.5971ポイント引き上げる必要があることを示している。またその代わりに、「売上高原価率」の因子負荷量Cを0.5757ポイント引き下げるようにしてもよいし、「「労働分配率」を0.8472ポイント引き下げるようにしてもよい。
図34の関係図に示す例では、素材系第三因子Jの「特許・技術シェア」と素材系第五因子Jの「特許・技術の集中」については寄与率Jの値が小さいために有意な因子として表示されていない。この理由は、素材系業種の技術特性にあると考えられる。素材系業種の場合には、1件の特許により多大なキャッシュフローをもたらされる可能性があり、特許の数や集中した特許の取得よりも、先ずは技術そのものが問われるケースが多いと考えられるからである。しかしこれは、特許の集中戦略をないがしろにしてよいと言うことを意味するものでないことに注意を要する。
図35の関係図に示す例では、「特許・技術の集中」を意味する複合技術系の第四因子Jが寄与率15%として表示されている。複合技術系業種では、1つの製品に数多くの特許が組み込まれているために必然的に特許出願の件数が多くなっている。また、他社の模倣・迂回を牽制するために、特許出願件数が多くなる傾向にある。その際に、ある特定の分野・技術に対して集中的に特許を出願・取得をする必要が出てくるのである。このような場合には、他社の追随を排除し、先行者利益を上げていくことが可能となっていく。「特許・技術の集中」の因子Jは、複合技術系業種にとって、収益の拡大に対する寄与が大きいと考えられる。
次に、図3に示すS107にて利用者が中分類を選択した場合の計算例を示す。
利用者が、機械系業種(機械、造船、自動車、輸送機器)とエレクトロニクス関連業種(電気機器、精密機器)を選択した場合には、これらの業種の企業指標を用いて因子分析、重回帰分析、及び必要に応じて主成分分析を行なって、企業の経営戦略について調べることが可能である。
まず因子分析を行なって、累積寄与率Bの値が70%を超える迄の因子B、又は、固有値Bの値が1以上となる因子Bを抽出すると、関係の薄い指標は取り除かれる。このようにして1次選択した指標を図36に示す。
図36は、機械系、エレクトロニクス関連業種について図11乃至図14に示す指標で因子分析を行い、この演算結果で第1次選択した指標を示す図表(三位一体企業評価指標を示す図表)である。
同図に示すように、第1次選択した指標には、研究開発関連の指標が5種類、知的財産関連の指標が26種類、事業・経営関連の指標が7種類の合計38種類の指標に絞り込まれている。なお、出願請求項数シェアA〜Hと、特許集中度A〜Hはそれぞれ8指標ずつ計数している。
これらの指標を用いて因子分析Cを実施したところ、機械系業種では、5つの因子Cが抽出されて、16の指標が抽出された。また、エレクトロニクス関連業種では、5つの因子Cが抽出されて、18の指標が抽出された。因子分析Cを実施した結果得られた因子負荷量Cと、固有値Cと、寄与率Cと、累積寄与率Cとを図37及び図38に示す。なお、図37及び図38では「因子負荷量C」の値を記載しており、「因子C」を「因子1」〜「因子5」と記載し、「固有値C」を「固有値」と記載し、「寄与率C」を「寄与率」と記載し、「累積寄与率C」を「累積寄与率」と記載してある。
図37は、機械系業種における因子負荷量Cと、固有値Cと、寄与率Cと、累積寄与率Cとの算出結果を示す図表(機械系業種の因子負荷量を示す図表)である。
図37に示す例では、出願件数累計G、発明者累計、登録件数累計、出願件数累計F,及び出願件数累計Hの指標(変数名)を機械系第一因子(知的資産の規模の因子:因子1)と定義してグループ化している。
また、累計登録率、平均有効特許残存年数、累計特許査定率、累計辛酸請求率、及び平均出願経過年数の指標(変数名)を機械系第二因子(特許の取得・管理の因子:因子2)と定義してグループ化している。
また、研究開発費累計、及び、発明者1人当研究開発費(−1)の指標(変数名)を機械系第三因子(研究開発の効果の因子:因子3)と定義してグループ化している。
また、特許集中度F、及び、特許集中度Bの指標(変数名)を機械系第四因子(特許・技術の集中の因子:因子4)と定義してグループ化している。
また、労働生産性、及び、売上高原価率の指標(変数名)を機械系第五因子(事業の生産性の因子:因子5)と定義してグループ化している。
同図に示す例では、機械系の各因子毎に固有値Cと寄与率Cとを算出して、固有値Cが大きな値となる順番に機械系因子毎に因子負荷量Cを並べて表わしている。同図に示す例では、大きなインパクトを与えるグループとして第五因子まで採用している例を示している。
図38は、エレクトロニクス関連業種における因子負荷量Cと、固有値Cと、寄与率Cと、累積寄与率Cとの算出結果を示す図表(エレクトロニクス関連業種の因子負荷量を示す図表)である。
図38に示す例では、発明者累計、登録件数累計、出願件数累計H、出願件数累計G、研究開発費累計、出願件数累計B、及び出願件数累計Fの指標(変数名)をエレクトロニクス関連業種第一因子(知的資産の規模の因子:因子1)と定義してグループ化している。
また、累計登録率、累計特許査定率、累計審査請求率、平均有効特許残存年数、平均出願経過年数の指標(変数名)をエレクトロニクス関連業種第二因子(特許の取得・管理の因子:因子2)と定義してグループ化している。
また、労働生産性、及び、労働分配率の指標(変数名)をエレクトロニクス関連業種第三因子(事業の生産性の因子:因子3)と定義してグループ化している。
また、特許集中度H、及び、特許集中度Gの指標(変数名)をエレクトロニクス関連業種第四因子(特許・技術の集中の因子:因子4)と定義してグループ化している。
また、発明者1人当研究開発費(−1)、及び、売上高研究開発費比率(−1)の指標(変数名)をエレクトロニクス関連業種第五因子(研究開発の効果の因子:因子5)と定義してグループ化している。
同図に示す例では、エレクトロニクス関連業種の各因子毎に固有値Cと寄与率Cとを算出して、固有値Cが大きな値となる順番にエレクトロニクス関連業種因子毎に因子負荷量Cを並べて表わしている。同図に示す例では、大きなインパクトを与えるグループとして第五因子(因子5)まで採用している例を示している。
図41は、機械系の因子の定義を示す図(機械系業種の因子を示す図表)である。
同図に示すように機械系第一因子(因子1)を「知的資産の規模」の因子と定義してグループ化している。また、この「知的資産の規模」の因子に含まれる指標の総括した概念として、「知的資産としたのは知的資産は知的財産を包含する概念であり、知的財産ではない発明者累計など含まれていて、企業の重要な知識ストックを表す指標で校正されているからである。この因子には出願件数、登録件数など、企業規模の資金力に比例するような指標がある。」と考えることが可能である。
また、機械系第二因子(因子2)を「特許の取得・管理」の因子と定義してグループ化している。また、この「特許の取得・管理」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「この因子を構成している指標は、平均出願経過年数、累計審査請求率、累計特許登録率、平均有効特許残存年数など特許出願から審査請求までにかかる時間や審査請求の割合及び審査請求件数から特許登録に至る割合、登録に至ってから権利消滅までの時間など特許パフォーマンスを示す指標などである。早期に審査を行い累計登録率を上げ、特許の有効期間を長くしようとする因子である。」と考えることが可能である。
また、機械系第三因子(因子3)を「研究開発の効果」の因子と定義してグループ化している。また、この「研究開発の効果」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「研究開発費の投入は費用でなく将来の収益と企業価値の向上のための投資であり、投入してすぐ効果が現れるものではない。短くて2〜5年または10年以上かかることもある。研究開発費累計がこの因子に含まれている。この因子はタイムラグを含めた指標で構成されているから研究開発の効果とした。」のように考えることが可能である。
また、機械系第四因子(因子4)を「特許・技術の集中」の因子と定義してグループ化している。また、この「特許・技術の集中」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「この因子は、特許集中度があり、特許出願を支える技術・ノウハウの集中度も示していると考えられる。特に特許集中度F(機械工学)がプラスで、特許集中度B(処理操作;運輸)がマイナスになっている。」と考えることが可能である。
また、機械系第五因子(因子5)を「事業の生産性」の因子と定義してグループ化している。また、この「事業の生産性」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「労働生産性と売上高原価率で構成され、経営効率を表す因子」と考えることが可能である。
これらの因子に含まれる指標に基づいた意味付けは、利用者が抽出された演算結果の指標を見た結果、この因子の背後に潜むファクタを集約して意味付けの名前を付与するようにしてもよい。
図43は、エレクトロニクス関連業種の因子の定義を示す図表(エレクトロニクス関連業種の因子を示す図表)である。
同図に示すようにエレクトロニクス関連業種第一因子(因子1)を「知的資産の規模」の因子と定義してグループ化している。また、この「知的資産の規模」の因子に含まれる指標の総括した概念として、「知的資産としたのは知的資産には知的財産を包含する概念であり、知的資産ではない発明者累計や研究開発費累計など含まれていて、企業の重要な知識ストックを表す指標で構成されているからである。この因子には出願件数、登録件数、研究開発費累計など、企業規模の資金力に比例するような指標がある。」と考えることが可能である。
また、エレクトロニクス関連業種第二因子(因子2)を「特許の取得・管理性向」の因子と定義してグループ化している。また、この「特許の取得・管理性向」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「この因子を構成している指標は、平均出願経過年数、累計審査請求率、累計特許登録率、平均有効特許残存年数など特許出願から審査請求までにかかる時間や審査請求の割合及び審査請求件数から特許登録に至る割合、登録に至ってから権利消滅までの時間など特許パフォーマンスを示す指標などである。早期に審査を行い累計登録率を上げ、特許の有効期間を長くしようとする因子である。」と考えることが可能である。
また、エレクトロニクス関連業種第三因子(因子3)を「事業の生産性」の因子と定義してグループ化している。また、この「事業の生産性」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「労働生産性と売上高原価率で構成され、人件費・労務費の制約が労働生産性を向上させているのでこの因子を事業の生産性を表す因子」と考えることが可能である。
また、エレクトロニクス関連業種第四因子(因子4)を「特許・技術の集中」の因子と定義してグループ化している。また、この「特許・技術の集中」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「この因子は、特許集中度があり、特許出願を支える技術・ノウハウの集中度も示していると考えられる。特に特許集中度H(電気)がプラスで、集中度G(物理学)がマイナスとなっている。」と考えることが可能である。
また、エレクトロニクス関連業種第五因子(因子5)を「研究開発の効果」の因子と定義してグループ化している。また、この「研究開発の効果」の因子に含まれる指標を総括した概念として、「研究開発費の投入は費用でなく将来の収益と企業価値の向上のための投資であり、投入してすぐ効果が現れるものではない。短くて2〜5年または10年以上かかることもある。研究開発費累計がこの因子に含まれている。この因子はタイムラグを含めた指標で構成されているから研究開発の効果とした。」のように考えることが可能である。
これらの因子に含まれる指標に基づいた意味付けは、利用者が抽出された演算結果の指標を見た結果、この因子の背後に潜むファクタを集約して意味付けの名前を付与するようにしてもよい。
図42は、先に機械系業種について因子分析Cを行なって抽出した5つの因子Cが、機械系業種のROAδ(総合評価指標の1つ)にどれだけ寄与しているかの重回帰分析の演算結果を示す図表(機械系業種の重回帰分析結果を示す図表)である。
また図44は、先にエレクトロニクス関連業種について因子分析Cを行なって抽出した5つの因子Cが、エレクトロニクス関連業種のROAδにどれだけ寄与しているかの重回帰分析の演算結果を示す図表(エレクトロニクス関連業種の重回帰分析結果を示す図表)である。
図42及び図44に示すように、第一因子(因子1)〜第五因子(因子5)までの因子CとROAδの相関行列Jが算出されている。
機械系業種における因子Jが有意であるか否かを見ると、機械系第二因子J(因子2)「特許の取得・管理性向」を除く4つの因子が有意であった。企業収益ROAδに対し、機械系第五因子J(因子5)「事業の生産性」が約54%の寄与率、機械系第四因子J(因子4)「特許・技術の集中」が約16%の寄与率、機械系第三因子J(因子3)「研究開発」が約13%の寄与率、機械系第一因子J(因子1)「知的財産の規模」が約10%の寄与率であることがわかる。
機械系第一因子J(因子1)「知的財産の規模」は、収益性に対する知的資産ストックの寄与だけでなく、規模の経済性による寄与の面もあると考えられる。出願件数や登録件数、発明者数等の量は企業の規模に比例する。規模の経済性を働かせることによって、生産・販売コストを低下させた分の寄与も含んでいると考えられる。
機械系第一因子J(因子1)「知的財産の規模」は、収益性に対する知的資産ストックの寄与だけでなく、規模の経済性による寄与の面もあると考えられる。出願件数や登録件数、発明者数等の量は企業の規模に比例する。規模の経済性を働かせることによって、生産・販売コストを低下させた分の寄与も含んでいると考えられる。
機械系第三因子J(因子3)「研究開発の効果」は研究開発費と発明者1人当り研究開発費(−1)があり、機械系業種では、研究揮発費を投入すればそれだけ収益が向上する傾向にあることがわかる。
機械系第四因子J(因子4)「特許・技術の集中」は「特許集中度F」(F:機械工学;照明;加熱;武器;爆破)がプラスになり、「特許集中度B」(B:処理操作;運輸)がマイナスになっている。「特許・技術の集中」の度合いを1ポイント上げると、「特許集中度F」は0.8048ポイント上がり、逆に特許集中度Bは0.7761ポイント下がることが分かる。逆に言うと、「特許集中度F」を高めて(集中して)、「特許集中度B」を低める(多角化する)と収益が上がることになる。
特許の「選択と集中」が企業の収益に寄与していることを示す。しかもどの分野に集中してよいかも分かる。大手の企業はどうしても特許・技術は多角化しがちであるが、特化した企業はターゲットが集中している分概して収益率が高く、特許も集中している。
機械系第五因子J(因子5)「事業の生産性」は、事業化となった分野における生産効率を表す。「労働生産性」が高く「売上高原価率」が低ければ収益は上がる。収益の寄与に「事業の生産性」は54%の大きな寄与をしていることが分かる。
図44の重回帰分析結果を参照してエレクトロニクス関連業種における因子Jが有意であるか否かを見ると、図43に示す5つのエレクトロニクス関連業種因子Jのうち、エレクトロニクス関連業種因子J「事業の生産性」が約99.6%と、企業の収益ROAδに対してほぼ100%に近い寄与率を示していることが分かる。また、「労働生産性」を高め、「労働分配率」を下げることが企業の収益に寄与することが分かる。
ただ、ここで、他の因子が企業の収益に寄与していると挙がらなかったからといって、特許・技術をおろそかにしてよいということではない。大量の特許出願、研究開発費の投入を行いながらもエレクトロニクス関連業種第一因子J(因子1)「知的資産の規模」の効果も、エレクトロニクス関連業種第五因子J(因子5)「研究開発の効果」も、エレクトロニクス関連業種第四因子J(因子4)「特許・技術の集中」による「選択と集中」の効果が現れなかったということである。これらの因子Jが企業収益に寄与していないと言うのは、この業界が熾烈な競争を強いられている事を物語るものと思われる。
更に言えば、エレクトロニクス関連業種では研究開発が収益に寄与しておらず、新製品をもたらすのは、外部からライセンスを受けた技術や、企業買収などによるものであると思われるから、社内の研究開発費を社外との共同開発、ライセンスインや買収にまわして企業の収益に寄与させることも1つの選択肢でありうる。
図39は、機械系業種の分析結果について、総合評価指標と、因子Jと、寄与率Jと、各因子の因子負荷量Cとを併せて視認性良く表示した例を示す関係図(機械系業種の関係図)である。
また図40は、エレクトロニクス関連業種の分析結果について、総合評価指標と、因子Jと、寄与率Jと、各因子Jの因子負荷量Cとを併せて視認性良く表示した例を示す関係図(エレクトロニクス関連業種の関係図)である。
図45及び図46は、各機械系企業について算出した因子毎の得点を示す図表(機械系業種企業の因子別ランキングを示す図表)である。
図47及び図48は、各エレクトロニクス関連業種について算出した因子毎の得点を示す図表(エレクトロニクス関連業種企業の因子別ランキングを示す図表)である。
図49及び図50は、機械系業種とエレクトロニクス関連業種の指標(因子分析変数)の共通度を示す図表である。これらの図をオプションとして表示して、表示情報を利用者に通知することもできる。
上記の例では利用者が中分類を選択した場合の計算例を示したが、図3に示すS107にて利用者が小分類や企業名を個別に選択した場合であっても同様に計算を実行することが可能である。
以上のように、大分類の企業業種別、及び中分類の企業業種別であっても、目的成果指標を企業の収益(ROAδ等)と一定にして寄与する指標を求めても、各業種ごとに寄与している因子及び指標が異なっていることがわかる。
また、調査或いは興味ある企業の業種や企業をインプットすることにより、収益関連指標に寄与する指標を知ることが可能となる。これにより三位一体の企業戦略を立てやすくなる。
本発明によれば、三位一体の企業戦略指標や、企業が属している業種の最終評価指標に寄与している指標が何であるかについて、単純な数個の企業指標で表現することが可能となる。そして、その企業指標による寄与度を、定量的且つ客観的な数値で示すことが可能となる。
利用者が計算結果を閲覧することによって、特定の企業が置かれている立場を知ることが可能となり、企業収益を向上するために必要な点や、従来の反省点を見出すことが可能となる。そして、企業のこれからの戦略や対策などを考える際の参考資料とすることができる。
また本発明により、最終評価指標を伸ばすためには何に力を入れていけばよいかを客観的に判断することが可能となる。
また利用者は、表示される入力画面にしたがって業種や企業名、最終評価指標等の簡単な情報をインプットするだけで、必要な情報を得ることが可能となる。
例えば前記実施例における複合技術系業種の試算結果によれば、図35に示したとおり、企業収益のうちROAδに寄与する企業指標は、6つであり、因子3「生産性」に属する企業指標では、総合評価指標に対してプラスに作用する「労働生産性」「全要素生産性」の存在が認められ、総合評価指標に対してマイナスに作用する指標として「労働分配率」の存在が認められる。
また、因子4「特許・技術の集中」に属する企業指標として、総合評価指標に対してプラスに作用する「特許集中度」「特許集中度B」が認められ、因子5「研究開発」に属する企業指標であって、総合評価指標に対してプラスに作用する「発明者1人当り研究開発費(−1)」の存在が認められる。
また、素材系業種の場合では、図34に示したとおり、企業収益のうちROAδに寄与する指標は、6つであり、因子2「生産性」に属する企業指標として総合評価指標にプラスに作用する「労働生産性」「全要素生産性」の存在が認められ、総合評価指標に対してマイナスに作用する「売上高原価率」「労働分配率」の存在が認められる。
また、因子4「研究開発」に属する企業指標であって、総合評価指標に対してプラスに作用する「自己資本比率」「売上高研究開発費比率(−1)」の存在が認められる。このように、収益に寄与している指標をわかり易く知ることが可能となるので、収益ROAδに寄与する企業指標の存在と寄与率が明確となり、三位一体の企業戦略を立てやすくなる。
また本発明によれば、業種別または企業ごとに因子別の企業ランキングを知ることが可能となり、調査対象の企業、或いは自社が、業界においてどのような位置付けにあるかを容易に知ることができる。また、総合的なランキングを知ることが可能となるので、自社或いは調査対象の企業の位置付けを知ることができ、株の投資などに役立てることが可能となる。
また本発明によれば、大分類の企業業種別及び中分類の企業業種別でも、目的成果指標を企業の収益(ROAδ)と一定にして寄与する指標を求めても、各業種ごとに寄与している因子及び指標が異なっていることがわかる。
また本発明によれば、業種毎に企業の特性が異なるので、業種別に分析し指標を選択して、企業評価を行うことが良いということが判明した。したがって今後は、企業群毎に総合評価指標(目的変数)に寄与している企業指標を客観的・定量的に捉えることが可能となる。以上の結果を見ることによって企業は、自己の反省点を見出し、企業のこれからの戦略、対策などを考えることができる。

Claims (6)

  1. 設備投資額、投資傾向指数等の企業の投資関連指標、
    設備投資効率、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率等の経営財務分析関連指標、
    研究開発費、発明者数、発明者比率、発明者1人当研究開発費等の研究開発関連指標、
    研究開発費比率、研究開発効率、特許出願生産性等の研究開発効率関連指標、
    特許出願件数、出願請求項数、出願1件当請求項数等の特許出願関連指標、
    審査請求件数、平均出願経過年数、審査請求率等の審査請求関連指標、
    特許登録件数、登録請求項数、発明者1人当登録件数等の特許取得関連指標、
    総有効特許件数、総有効特許残存率等の特許ストック関連指標、
    出願請求項数シェア、特許集中度等の特許集中度関連指標、又は、
    特許収益性関連指標
    等の企業指標を複数の企業について業種別に取得する企業指標取得手段と、
    売上高、特許料等ロイヤルティ収入、営業利益等の収益関連指標、
    超過付加価値額、超過営業利益等の超過収益関連指標、又は、
    知的資産期待収益等の市場評価関連指標
    等の総合評価指標を前記複数の企業について業種別に取得する総合評価指標取得手段と、
    前記取得した企業指標を用いた因子分析を業種別に行なって因子Cを抽出する因子分析手段と、
    前記各企業の因子C及び前記各企業の総合評価指標を用いた重回帰分析を業種別に行なって、総合評価指標に対する各因子Cの寄与率Jを算出し、この寄与率Jに基づいて前記因子Cから更に因子Jを選択する寄与率算出手段と、
    前記寄与率算出手段によって選択された因子Jを構成する企業指標を業種別に表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする企業評価寄与因子及び/又は指標特定装置。
  2. 設備投資額、投資傾向指数等の企業の投資関連指標、
    設備投資効率、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率等の経営財務分析関連指標、
    研究開発費、発明者数、発明者比率、発明者1人当研究開発費等の研究開発関連指標、
    研究開発費比率、研究開発効率、特許出願生産性等の研究開発効率関連指標、
    特許出願件数、出願請求項数、出願1件当請求項数等の特許出願関連指標、
    審査請求件数、平均出願経過年数、審査請求率等の審査請求関連指標、
    特許登録件数、登録請求項数、発明者1人当登録件数等の特許取得関連指標、
    総有効特許件数、総有効特許残存率等の特許ストック関連指標、
    出願請求項数シェア、特許集中度等の特許集中度関連指標、又は、
    特許収益性関連指標
    等の企業指標を複数の企業について取得する企業指標取得手段と、
    売上高、特許料等ロイヤルティ収入、営業利益等の収益関連指標、
    超過付加価値額、超過営業利益等の超過収益関連指標、又は、
    知的資産期待収益等の市場評価関連指標
    等の総合評価指標を取得する総合評価指標取得手段と、
    前記取得した企業指標及び総合評価指標を用いた重回帰分析を行なって、前記総合評価指標に対する前記企業指標の寄与率Jを算出する寄与率算出手段と、
    前記企業指標とその寄与率Jを業種別に表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力手段と、
    を備えたことを特徴とする企業評価寄与因子及び/又は指標特定装置。
  3. 設備投資額、投資傾向指数等の企業の投資関連指標、
    設備投資効率、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率等の経営財務分析関連指標、
    研究開発費、発明者数、発明者比率、発明者1人当研究開発費等の研究開発関連指標、
    研究開発費比率、研究開発効率、特許出願生産性等の研究開発効率関連指標、
    特許出願件数、出願請求項数、出願1件当請求項数等の特許出願関連指標、
    審査請求件数、平均出願経過年数、審査請求率等の審査請求関連指標、
    特許登録件数、登録請求項数、発明者1人当登録件数等の特許取得関連指標、
    総有効特許件数、総有効特許残存率等の特許ストック関連指標、
    出願請求項数シェア、特許集中度等の特許集中度関連指標、又は、
    特許収益性関連指標
    等の企業指標を複数の企業について業種別に取得する企業指標取得機能と、
    売上高、特許料等ロイヤルティ収入、営業利益等の収益関連指標、
    超過付加価値額、超過営業利益等の超過収益関連指標、又は、
    知的資産期待収益等の市場評価関連指標
    等の総合評価指標を前記複数の企業について業種別に取得する総合評価指標取得機能と、
    前記取得した企業指標を用いた因子分析を業種別に行なって因子Cを抽出する因子分析機能と、
    前記各企業の因子C及び前記各企業の総合評価指標を用いた重回帰分析を業種別に行なって、総合評価指標に対する各因子Cの寄与率Jを算出し、この寄与率Jに基づいて前記因子Cから更に因子Jを選択する寄与率算出機能と、
    前記寄与率算出機能によって選択された因子Jを構成する企業指標を業種別に表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力機能と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする企業評価寄与因子及び/又は指標特定プログラム。
  4. 設備投資額、投資傾向指数等の企業の投資関連指標、
    設備投資効率、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率等の経営財務分析関連指標、
    研究開発費、発明者数、発明者比率、発明者1人当研究開発費等の研究開発関連指標、
    研究開発費比率、研究開発効率、特許出願生産性等の研究開発効率関連指標、
    特許出願件数、出願請求項数、出願1件当請求項数等の特許出願関連指標、
    審査請求件数、平均出願経過年数、審査請求率等の審査請求関連指標、
    特許登録件数、登録請求項数、発明者1人当登録件数等の特許取得関連指標、
    総有効特許件数、総有効特許残存率等の特許ストック関連指標、
    出願請求項数シェア、特許集中度等の特許集中度関連指標、又は、
    特許収益性関連指標
    等の企業指標を複数の企業について取得する企業指標取得機能と、
    売上高、特許料等ロイヤルティ収入、営業利益等の収益関連指標、
    超過付加価値額、超過営業利益等の超過収益関連指標、又は、
    知的資産期待収益等の市場評価関連指標
    等の総合評価指標を取得する総合評価指標取得機能と、
    前記取得した企業指標及び総合評価指標を用いた重回帰分析を行なって、前記総合評価指標に対する前記企業指標の寄与率Jを算出する寄与率算出機能と、
    前記企業指標とその寄与率Jを業種別に表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力機能と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする企業評価寄与因子及び/又は指標特定プログラム。
  5. 設備投資額、投資傾向指数等の企業の投資関連指標、
    設備投資効率、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率等の経営財務分析関連指標、
    研究開発費、発明者数、発明者比率、発明者1人当研究開発費等の研究開発関連指標、
    研究開発費比率、研究開発効率、特許出願生産性等の研究開発効率関連指標、
    特許出願件数、出願請求項数、出願1件当請求項数等の特許出願関連指標、
    審査請求件数、平均出願経過年数、審査請求率等の審査請求関連指標、
    特許登録件数、登録請求項数、発明者1人当登録件数等の特許取得関連指標、
    総有効特許件数、総有効特許残存率等の特許ストック関連指標、
    出願請求項数シェア、特許集中度等の特許集中度関連指標、又は、
    特許収益性関連指標
    等の企業指標を複数の企業について業種別に取得する企業指標取得ステップと、
    売上高、特許料等ロイヤルティ収入、営業利益等の収益関連指標、
    超過付加価値額、超過営業利益等の超過収益関連指標、又は、
    知的資産期待収益等の市場評価関連指標
    等の総合評価指標を前記複数の企業について業種別に取得する総合評価指標取得ステップと、
    前記取得した企業指標を用いた因子分析を業種別に行なって因子Cを抽出する因子分析ステップと、
    前記各企業の因子C及び前記各企業の総合評価指標を用いた重回帰分析を業種別に行なって、総合評価指標に対する各因子Cの寄与率Jを算出し、この寄与率Jに基づいて前記因子Cから更に因子Jを選択する寄与率算出ステップと、
    前記寄与率算出ステップによって選択された因子Jを構成する企業指標を業種別に表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力ステップと、
    を備えたことを特徴とする企業評価寄与因子及び/又は指標特定方法。
  6. 設備投資額、投資傾向指数等の企業の投資関連指標、
    設備投資効率、労働生産性、全要素生産性、売上高原価率等の経営財務分析関連指標、
    研究開発費、発明者数、発明者比率、発明者1人当研究開発費等の研究開発関連指標、
    研究開発費比率、研究開発効率、特許出願生産性等の研究開発効率関連指標、
    特許出願件数、出願請求項数、出願1件当請求項数等の特許出願関連指標、
    審査請求件数、平均出願経過年数、審査請求率等の審査請求関連指標、
    特許登録件数、登録請求項数、発明者1人当登録件数等の特許取得関連指標、
    総有効特許件数、総有効特許残存率等の特許ストック関連指標、
    出願請求項数シェア、特許集中度等の特許集中度関連指標、又は、
    特許収益性関連指標
    等の企業指標を複数の企業について取得する企業指標取得ステップと、
    売上高、特許料等ロイヤルティ収入、営業利益等の収益関連指標、
    超過付加価値額、超過営業利益等の超過収益関連指標、又は、
    知的資産期待収益等の市場評価関連指標
    等の総合評価指標を取得する総合評価指標取得ステップと、
    前記取得した企業指標及び総合評価指標を用いた重回帰分析を行なって、前記総合評価指標に対する前記企業指標の寄与率Jを算出する寄与率算出ステップと、
    前記企業指標とその寄与率Jを業種別に表示手段に出力、印刷手段に出力、記録媒体に出力、又は通信回線を介して他の通信機器に出力する出力ステップと、
    を備えたことを特徴とする企業評価寄与因子及び/又は指標特定方法。



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