JP7481780B1 - 財務分析装置、及び財務分析プログラム - Google Patents

財務分析装置、及び財務分析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】人件費の質を直接的に評価することが可能な財務分析装置、財務分析方法、及び財務分析プログラムを提供する。【解決手段】企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、人件費に関する比率を示す情報である人件費比率情報、及び労働量に関する情報である労働量関連情報に基づいて、人件費の質を評価する人件費評価部を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、企業の財務状況を分析する財務分析装置、財務分析方法、及び財務分析プログラムに関し、特に、人件費に関する分析を行う財務分析装置、財務分析方法、及び財務分析プログラムに関する。
昨今、最低賃金の引上げ金額が話題となっており、2030年代半ばまでに最低賃金が全国加重平均で1500円になることを目指すとの首相表明もなされている。最低賃金は、最低賃金法により定められ、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低限度額以上の賃金を支払わなければならないとする制度(最低賃金制度)が設けられているので、使用者である企業にとって、最低賃金の引上げは重要な関心事であり、引上げ金額の高騰は重要課題である。
最低賃金の引上げ金額の高騰により、企業の人件費の高騰が予想される。また、人件費は、企業の経費の中でも多くの割合を占めるものである。よって、企業にとって、適切な人件費の計画及び管理は、今後益々重要となってくる。しかし、今まで人件費は緩やかに変化してきたので、多くの企業、特に中小企業では、人件費の計画や管理等は、支出額を中心として、前年対比という形態で実施されてきた傾向がある。これに対して、高騰が予想される今後の人件費の計画及び管理では、支出額という量だけではなく、人件費の質(クオリティ)というべきものが重要になってくる。
人件費の適正さを判断する指標として、売上高人件費率、労働分配率等があり、これらの指標は、人件費の質の評価として利用可能である。売上高人件費率は、単に人件費率と呼ばれることもあり、売上高に対する人件費の占める割合を示す指標である。労働分配率は、企業が生み出した付加価値に対する人件費の割合を示す指標である。人件費の計画や管理等において、労働生産性も考慮すべき指標として挙げられることがあり、労働生産性も人件費の質の評価として利用可能である。労働生産性は、労働者数・労働時間当たりに生み出した成果を示す指標で、付加価値を従業員数で除算する等で算出される。
上記の指標は、従来、企業の財務状況等の分析において使用されており、これらの指標を使用した装置が提案されている。
例えば、特開2003-296538号公報(特許文献1)では、企業について公開されている財務資料に基づいてファシリティコストに係る状態の診断を行うこととして、診断対象企業のデータをその診断対象企業が属する業種毎の代表的な複数社の財務資料に基づくデータと比較し、それとの乖離に基づいた結果を診断結果として出力する装置が提案されている。特許文献1に記載の装置は、診断対象企業が、資本生産性指標又は労働生産性指標の少なくともいずれかに基づいて分類された複数のファシリティコスト類型のどの類型に属するかを決定する。そして、労働生産性に関するコスト評価基準値及びコスト評価指標値には、従業員一人当たり付加価値(労働生産性に相当)等が含まれる。
特開2004-287849号公報(特許文献2)では、原因領域における企業の優劣を形成する収益要因(高収益要因または不採算要因)を特定することにより、企業の財務分析を行う装置が提案されている。特許文献2に記載の装置は、財務データベースに格納されたデータを用いて利益貢献度を算出し、算出された利益貢献度に基づく判定により、収益要因を特定する。そして、財務データベースには、損益決算ファイルと財務指標ファイルが格納されており、財務指標として、労働分配率等が使用されている。
特開2003-296538号公報 特開2004-287849号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の装置は、労働生産性や労働分配率等の指標を使用しているが、特許文献1に記載の装置ではファシリティコストの診断に、特許文献2に記載の装置では収益要因の特定に、これらの指標が使用されており、人件費の質を直接的に評価するものとはなっていない。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、人件費の質を直接的に評価することが可能な財務分析装置、財務分析方法、及び財務分析プログラムを提供することにある。
本発明は、企業の財務状況を分析する財務分析装置に関し、本発明の上記目的は、人件費に関する比率を示す情報である人件費比率情報、及び労働量に関する情報である労働量関連情報に基づいて、人件費の質を評価する人件費評価部を備えることにより達成される。
また、本発明は、企業の財務状況を分析する財務分析方法に関し、本発明の上記目的は、人件費に関する比率を示す情報である人件費比率情報、及び労働量に関する情報である労働量関連情報に基づいて、人件費の質を評価するステップを有することにより達成される。
さらに、本発明の上記目的は、コンピュータに、上記財政分析方法を実行させるための財政分析プログラムにより達成される。
本発明の財務分析装置、財務分析方法、及び財務分析プログラムによれば、人件費比率情報及び労働量関連情報に基づいて人件費を評価しているので、人件費の質を直接的に評価することができる。
本発明に係る財務分析装置の構成例(第1実施形態)を示すブロック図である。 人件費の質の段階を表わす座標平面の例(第1実施形態)を示す図である。 財務分析装置の表示手段に表示される画像の例を示すイメージ図である。 財務分析装置の動作例(第1実施形態)を示すフローチャートである。 労働分配率及び人時生産性に対してそれぞれ1つの閾値を使用する場合の人件費の質の領域を表わす座標平面の例を示す図である。 本発明に係る財務分析装置の構成例(第2実施形態)を示すブロック図である。 判定結果記憶部に記憶される判定結果の例を示すイメージ図である。 財務分析装置の閾値生成機能の動作例(第2実施形態)を示すフローチャートである。 本発明に係る財務分析装置の構成例(第3実施形態)を示すブロック図である。 人件費の質の段階を表わす座標平面の例(第3実施形態)を示す図である。 財務分析装置の動作例(第3実施形態)を示すフローチャートである。
本発明は、企業の人件費の質(クオリティ)を評価する。一般的に、経費に対してはコストパフォーマンス(費用対効果)という概念が適用され、経費の計画や管理等では、支出額に加え、支出額に対する効果も考慮される。しかし、人件費は、その主対象が従業員という人であることから、コストパフォーマンスという概念が適用しづらく、支出額のみで計画や管理等が実施される傾向がある。本発明では、この点を改善するために、人件費の質という概念を適用し、人件費の質を評価することにより、人件費の計画や管理等を、支出額のみで実施する場合に比べて、より適切に実施できるようにする。
本発明では、人件費の質を、人件費に関する比率を示す情報(人件費比率情報)及び労働量に関する情報(労働量関連情報)に基づいて、評価する。例えば、人件費比率情報として労働分配率等を使用し、労働量関連情報として人時生産性や従業員数等を使用して、人件費の質を評価する。人件費比率情報により支出の流れを、労働量関連情報により生産性を見ることにより、人件費の質を把握する。
本発明では、人件費比率情報及び労働量関連情報に基づく人件費の評価を、例えば、閾値を用いた判定により行うことが可能である。人件費比率情報及び労働量関連情報それぞれに対して閾値を設定し、評価対象の企業の人件費比率情報及び労働量関連情報を閾値と比較することにより、当該企業の人件費の質を評価する。
また、本発明では、人件費の質を評価するために人件費比率情報及び労働量関連情報に対して設定される、基準となる情報(評価基準情報)を生成し、評価基準情報を用いて、人件費の質を評価することが可能である。例えば、上述の閾値を用いた判定により人件費の質を評価する場合、当該閾値が、評価基準情報として生成される。この評価基準情報は、複数の企業の財務状況を各企業の財務情報に基づいて判定し、その判定結果と各企業の企業情報に基づいて、生成可能である。本発明では、各企業の財務状況の判定を、貸借対照表に含まれる財務情報から算出される情報(例えば自己資本比率等)及び損益計算書に含まれる財務情報から算出される情報(例えば営業利益に関する比率を示す情報(営業利益比率情報))を用いて行うことが可能である。前者の情報から企業の安定性を判断することができ、後者の情報から企業の収益性を判断することができる。
なお、本発明は、人件費の質を評価する財務分析装置として実現しても良いし、人件費の質を評価する財務分析方法やその方法を実行させるための財務分析プログラムとして実現しても良い。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付し、説明を省略することがある。また、以下の説明における構成等は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではない。更に、以下では、本発明を実施するための主要な構成及び動作を中心にして説明しており、本発明を実施するために必要となる汎用的な処理、例えばデータ送受信処理、エラー処理等については説明を簡略又は省略している。
図1に、本発明に係る財務分析装置の構成例(第1実施形態)を示す。財務分析装置1は、人件費比率情報として労働分配率を使用し、労働量関連情報として人時生産性を使用し、閾値を用いた判定により、人件費の質を評価する。
労働分配率は、付加価値に対する人件費の割合を示す指標で、人件費を付加価値で除算することにより算出される。人件費には、従業員に支払う給与の他に、賞与、役員報酬、退職金、雑給、福利厚生費、法定福利費(社会保険料、労働保険料)、教育費等が含まれる。付加価値とは、企業が生み出した価値のことで、計算方法として、控除法と加算法がある。控除法は、売上高から外部購入費(原材料費、外部加工費、運送費、購入部品費等の外部から購入した価格)を差し引くことで付加価値を算出する方法で、一般的に中小企業向けの計算方法とされている。加算法は、製造過程で付加価値が累積していくという考え方に基づいて、人件費、賃貸料、税金、他人資本利子、当期純利益を加算することで付加価値を算出する方法で、一般的に大企業向けの計算方法とされている。労働分配率の算出を、付加価値を粗利益(売上総利益)と捉え、人件費を粗利益で除算することにより行うこともある。
人時生産性は、投入した労働量に対する産出量の割合である労働生産性の1つと見做されるものである。労働生産性には、物的労働生産性と付加価値労働生産性の2種類がある。物的労働生産性は、生産量や生産個数等の物理的な量を産出量としたときの労働生産性で、付加価値労働生産性は、企業が生み出した価値である付加価値を産出量として見たときの労働生産性である。人時生産性は付加価値労働生産性の1つと見做され、従業員1人の1時間当たりの成果を示す指標で、付加価値を総労働時間で除算することにより算出される。総労働時間には、パート、アルバイト、非正規雇用の従業員の労働時間や時間外労働も含まれる。労働分配率の場合と同様に付加価値を粗利益(売上総利益)と捉え、粗利益を総労働時間で除算することにより、人時生産性を算出することもある。
財務分析装置1として、例えば汎用のサーバやパソコン等を使用し、これらの上で動作するプログラムによって人件費の質を評価する処理を実行する。図1には、本発明に関わる構成要素のみを示しており、後述の他の実施形態での財務分析装置の構成例を示す各ブロック図においても同様である。なお、財務分析装置1を、汎用の装置ではなく、専用の装置としても良く、処理の一部又は全部をハードウェアで実現しても良い。
財務分析装置1は、企業情報を記憶する企業情報記憶部11、閾値を記憶する閾値記憶部12、労働分配率及び人時生産性を算出する指標演算部13、人件費の質を評価する人件費評価部14、及び評価結果を表示する結果表示部15を備える。
企業情報記憶部11は、評価対象である企業の企業情報を、月単位で記憶する。企業情報は、企業の事業内容、事業規模、事業形態等の企業概要から、経営状況、資本状況等の基本データ、更に企業理念や経営戦略まで、その企業が有するあらゆる情報を指すことがあるが、企業情報記憶部11は、財務情報を始め、定量的な企業情報を記憶する。財務情報は、財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、株主資本等変動計算書、及びその注記)によって提供される情報である。企業情報記憶部11は、この財務情報の他に、従業員数、労働時間等を記憶する。なお、企業情報記憶部11は、企業情報として、財務分析装置1が備える入力手段(キーボード、タッチパネル等)を用いて入力される情報を記憶しても良いし、既存の情報や財務分析装置1以外の手段で収集した情報等を記憶しても良い。また、企業情報記憶部11は、月単位ではなく、四半期単位等で企業情報を記憶しても良い。この場合、人件費の質の評価も四半期単位等で行うことになる。企業情報記憶部11は、後述の指標演算部13による労働分配率及び人時生産性の算出に必要な情報のみを記憶するようにしても良い。
指標演算部13は、企業情報記憶部11に記憶されている企業情報を用いて、労働分配率及び人時生産性を算出する。上述のように、労働分配率は人件費を付加価値で除算することにより、人時生産性は付加価値を総労働時間で除算することにより、それぞれ算出されるので、指標演算部13は、企業情報記憶部11に月単位で記憶されている人件費、付加価値及び総労働時間を、基礎情報(基礎情報データ)Biとして入力する。この際、人件費、付加価値及び総労働時間自体が企業情報記憶部11に記憶されていない場合、指標演算部13は、これらを算出するための情報を基礎情報Biとして入力する。即ち、人件費を算出するために、指標演算部13は、給与、賞与、役員報酬、退職金、雑給、福利厚生費、法定福利費、教育費等を入力する。付加価値を算出するために、指標演算部13は、控除法を使用する場合は売上高及び外部購入費(原材料費、外部加工費、運送費、購入部品費等)を入力し、加算法の場合は人件費(人件費を算出する場合は上記の情報)、賃貸料、税金、他人資本利子、当期純利益を入力する。総労働時間を算出するために、指標演算部13は、パート、アルバイト、非正規雇用を含めた全従業員の労働時間及び時間外労働を入力する。なお、人件費に含まれる費用については統一的な基準がないので、予め人件費に含まれる費用を決めておいても良いし、評価対象の企業に応じて決めても良い。また、付加価値の計算方法(控除法、加算法)についても、使用する方法を予め決めておいても良いし、評価対象の企業規模(中小企業、大企業)に応じて決めても良い。
指標演算部13は、取得した人件費、付加価値及び総労働時間を用いて、月単位で、下記数1により労働分配率を、下記数2により人時生産性をそれぞれ算出する。
(数1)
(労働分配率)=(人件費)/(付加価値)×100
(数2)
(人時生産性)=(付加価値)/(総労働時間)
指標演算部13は、開始信号Ssの入力により、労働分配率及び人時生産性の算出を行う。開始信号Ssは、例えば財務分析装置1が備える入力手段を介しての作業者のキー操作やボタン操作等により、又は財務分析装置1が備える通信手段を介しての信号の受信等により、指標演算部13に入力される。指標演算部13は、開始信号Ssを入力したら、企業情報記憶部11から基礎情報Biを入力し、労働分配率及び人時生産性を算出する。なお、指標演算部13は、開始信号Ssの入力ではなく、別のタイミングで労働分配率及び人時生産性の算出を行うようにしても良い。例えば、新たな企業情報が企業情報記憶部11に記憶されたタイミングや定期的なタイミング等で、指標演算部13は、労働分配率及び人時生産性を算出しても良い。
指標演算部13は、算出した労働分配率及び人時生産性を、それぞれ労働分配率(労働分配率データ)Dr及び人時生産性(人時生産性データ)Lpとして出力する。労働分配率Dr及び人時生産性Lpは、人件費評価部14及び結果表示部15に入力される。なお、労働分配率及び/又は人時生産性を別の手段で算出し、算出された労働分配率及び/又は人時生産性を企業情報記憶部11に記憶させ、指標演算部13は、企業情報記憶部11から労働分配率及び/又は人時生産性を入力して、労働分配率Dr及び/又は人時生産性Lpとして出力するようにしても良い。この場合、人件費評価部14が、企業情報記憶部11から労働分配率Dr及び/又は人時生産性Lpを直接入力するようにしても良い。労働分配率Dr及び人時生産性Lpの両方を人件費評価部14が企業情報記憶部11から入力する場合、指標演算部13は削除しても良い。別の手段で算出された労働分配率及び/又は人時生産性は、企業情報記憶部11ではなく、他の記憶手段に記憶しても良い。
人件費評価部14は、労働分配率Dr及び人時生産性Lpに基づいて、閾値を用いた判定により、人件費の質を評価する。具体的には、人件費評価部14は、労働分配率及び人時生産性に基づいて、人件費の質として4つの段階(優、良、可、不可)を設定し、評価対象の企業の労働分配率Dr及び人時生産性Lpが属する段階を判定する。
人件費評価部14は、4つの段階を設定するために、労働分配率に対して3つの閾値(第1閾値)Td1、Td2及びTd3(Td1<Td2<Td3)(以下、総称して「閾値Td」とすることがある)を設定し、人時生産性に対して3つの閾値(第2閾値)Tl1、Tl2及びTl3(Tl1>Tl2>Tl3)(以下、総称して「閾値Tl」とすることがある)を設定する。そして、各段階の設定条件(以下、「段階設定条件」とする)を以下の通りとする。
「優」:「労働分配率が閾値Td1未満かつ人時生産性が閾値Tl1以上」。
「良」:「労働分配率が閾値Td1以上で閾値Td2未満かつ人時生産性が閾値Tl2以上」又は「労働分配率が閾値Td1未満かつ人時生産性が閾値Tl2以上で閾値Tl1未満」。
「可」:「労働分配率が閾値Td2以上で閾値Td3未満かつ人時生産性が閾値Tl3以上」又は「労働分配率が閾値Td2未満かつ人時生産性が閾値Tl3以上で閾値Tl2未満」。
「不可」:上記以外。
人件費評価部14は段階設定条件に基づいて判定を行う。4つの段階を図で表わすと、図2のようになる。図2は、横軸を労働分配率、縦軸を人時生産性とした座標平面である。この判定は、低い労働分配率は人件費の質において適正であるとして、労働分配率が適正で人時生産性が高い人件費は質が高く、労働分配率が不適正で人時生産性が低い人件費は質が低いとするものである。
労働分配率及び人時生産性の適正値は業種(製造業、電気・ガス業、情報通信業、卸売業、小売業等)による依存性があるので、業種別に閾値Td及び閾値Tlを用意し、人件費評価部14は、評価対象の企業の業種に応じた閾値Td及び閾値Tlを用いて、その企業の人件費の質を評価する。評価対象の企業の業種は、予め人件費評価部14に入力しておいても良いし、労働分配率Dr及び人時生産性Lpと共に入力するようにしても良い。なお、人件費評価部14は、更に企業規模別、年齢別、勤続年数別等で閾値Td及び閾値Tlを用意しても良い。
人件費評価部14は、評価結果である人件費の質の段階(優、良、可、不可)を、評価結果(評価結果データ)Erとして出力する。評価結果Erは、結果表示部15に入力される。
閾値記憶部12は、閾値Td及び閾値Tlを記憶する。上述のように、閾値Td及び閾値Tlは業種別に用意されるので、閾値記憶部12は、業種別の閾値Td及び閾値Tlを記憶する。閾値記憶部12は、例えば、財務分析装置1が備える入力手段を用いて入力される閾値Td及び閾値Tlを記憶する。なお、人件費評価部14において、閾値Td及び閾値Tlを予め設定しておいても良い。この場合、閾値記憶部12は削除しても良い。
人件費評価部14は、人件費の質を評価する際に、閾値Td及び閾値Tlを閾値記憶部12から入力する。この際、閾値Td及び閾値Tlは、結果表示部15にも入力される。
結果表示部15は、指標演算部13から出力される労働分配率Dr及び人時生産性Lp、人件費評価部14から出力される評価結果Er、並びに閾値記憶部12に記憶されている閾値Td及び閾値Tlを用いて、人件費の質の評価結果を表示する。具体的には、結果表示部15は、図2に示されるような座標平面を使用して、財務分析装置1が備える表示手段(ディスプレイ等)に、評価結果を表示する。
結果表示部15による評価結果の表示例を図3に示す。図3は、財務分析装置1が備える表示手段16に表示される画像の例を示している。
結果表示部15は、図2に示される座標平面と同様に、横軸を労働分配率、縦軸を人時生産性とした座標平面161を、表示手段16に表示する。座標平面161では、人件費の質の4つの段階(優、良、可、不可)の境界線が、閾値Td及び閾値Tlに基づいて表示される。即ち、結果表示部15は、閾値Td1及びTl1に基づいて「優」と「良」の境界線L1を表示し、閾値Td2及びTl2に基づいて「良」と「可」の境界線L2を表示し、閾値Td3及びTl3に基づいて「可」と「不可」の境界線L3を表示する。そして、労働分配率Dr及び人時生産性Lpを座標値として、点Dtを表示する。これにより、評価対象の企業の評価結果Er並びに労働分配率Dr及び人時生産性Lpを視覚的にわかりやすく表示することができる。座標平面161の上部には、結果表示欄162が設けられており、結果表示部15は、結果表示欄162に、評価結果Er並びに労働分配率Dr及び人時生産性Lpの値を表示する。なお、図3では単月の評価結果を表示しているが、複数月の評価結果を表示しても良い。この場合、座標平面161には月数に応じた数の点Dtが表示される。また、人件費の質の評価結果の表示を簡略化して、結果表示欄162に表示される内容のみを表示するようにしても良い。この場合、結果表示部15への閾値Td及び閾値Tlの入力は不要となる。
このような財務分析装置1の構成において、その動作例を図4のフローチャートを参照して説明する。
指標演算部13は、開始信号Ssを入力したら(ステップS10)、企業情報記憶部11から基礎情報Biを入力する(ステップS20)。そして、指標演算部13は、数1及び2を用いて、基礎情報Biから労働分配率Dr及び人時生産性Lpを算出する(ステップS30)。労働分配率Dr及び人時生産性Lpは、人件費評価部14及び結果表示部15に入力される。
人件費評価部14は、閾値記憶部12から閾値Td(閾値Td1、Td2及びTd3)と閾値Tl(閾値Tl1、Tl2及びTl3)を入力する(ステップS40)。そして、人件費評価部14は、段階設定条件に基づいて、労働分配率Dr及び人時生産性Lpと閾値Td及びTlをそれぞれ比較することにより、労働分配率Dr及び人時生産性Lpが属する段階(優、良、可、不可)を判定する(ステップS50)。判定された段階は、評価結果Erとして結果表示部15に出力される。
結果表示部15は、労働分配率Dr、人時生産性Lp、評価結果Er、閾値Td及び閾値Tlを用いて、人件費の質の評価結果を表示する(ステップS60)。
なお、人件費評価部14は、閾値Td及び閾値Tlとしてそれぞれ3つの閾値を使用しているが、閾値の数は3つに限られず、3つ以外の数の閾値を使用して判定を行っても良い。また、閾値Td及び閾値Tlとして同じ数の閾値ではなく、異なる数の閾値を使用しても良い。人件費評価部14が閾値Td及び閾値Tlとしてそれぞれ1つの閾値を使用する場合、人件費評価部14は、労働分配率及び人時生産性が閾値Td及び閾値Tlで区切られる4つの領域のどの領域に属するかを判定するようにしても良い。即ち、閾値Td及び閾値Tlとしてそれぞれ1つの閾値を使用する場合、労働分配率及び人時生産性で構成される座標平面は、図5に示されるように4つの領域(R1、R2、R3、R4)に分割されるので、人件費評価部14は、労働分配率Dr及び人時生産性Lpが属する領域を判定する。
人件費評価部14は、人件費の質の段階の表現を、「優」、「良」、「可」、「不可」ではなく、点数で表現しても良い。例えば、労働分配率及び人時生産性それぞれが取り得る値の範囲を20分割し、100点までを5点刻みにした点数(5、10、…、95、100点)を各段階に割り当てるようにしても良い。点数で表現することにより、人件費の質が分かり易いことがある。
人件費評価部14は、人件費の質の評価を、閾値を用いた判定以外の方法で行っても良い。例えば、段階間の境界が直線ではなく曲線となるような方法やルールベースの方法等を用いても良い。
上述の財務分析装置1は、企業単位で人件費の質を評価しているが、企業内を細分化して、店舗単位や部署単位等で人件費の質を評価しても良い。この場合、企業情報記憶部11は、店舗単位や部署単位等で企業情報を記憶することになる。細分化して評価することにより、企業内での人件費の質を比較して、人事戦略等に活用することができる。細分化して評価するに当たり、例えば部署毎の付加価値が算出できない場合は、企業全体の付加価値を全従業員数で除算して従業員1人当たりの付加価値を算出し、その値に部署の従業員数を乗算することにより、部署毎の付加価値を算出するようにしても良い。
本発明の他の実施形態について説明する。
まず、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1実施形態の財務分析装置1は、閾値記憶部12に予め記憶された閾値Td及び閾値Tlを用いて人件費の質を評価しているが、閾値Td及び閾値Tlを生成する機能(以下、「閾値生成機能」とする)を財務分析装置が有することも可能である。
閾値生成機能を付加した財務分析装置の構成例(第2実施形態)を図6に示す。図1に示される第1実施形態での財務分析装置1と比べると、第2実施形態での財務分析装置2では、企業情報データベース部21、財務状況判定部22、判定結果記憶部23及び評価基準生成部24が追加されている。これらの追加された構成要素により、閾値生成機能が実現される。
財務分析装置2は、複数の企業の財務状況を各企業の財務情報に基づいて判定し、判定結果と各企業の企業情報に基づいて、評価基準情報である閾値Td及び閾値Tlを生成する。企業情報データベース部21は複数の企業の企業情報を記憶し、財務状況判定部22は複数の企業の財務状況を判定し、判定結果記憶部23は判定結果を記憶し、評価基準生成部24は閾値Td及び閾値Tlを生成する。
企業情報データベース部21は、企業情報記憶部11と同様に、企業の財務情報を含む企業情報を記憶する。企業情報記憶部11は評価対象の企業の企業情報のみを記憶するが、企業情報データベース部21は複数の企業の企業情報を記憶する。評価基準生成部24により生成される閾値Td及び閾値Tlを有意なものとするためには多くの企業の企業情報を用いた方が良いので企業情報データベース部21には、可能な限り多くの企業情報を記憶させる。その点も考慮して、企業情報データベース部21には、財務分析装置2以外の手段で収集した企業情報を記憶させる。なお、財務分析装置2に、企業情報データベース部21に記憶させる企業情報の収集手段を備えさせても良い。また、企業情報データベース部21に、財務状況判定部22及び評価基準生成部24が使用する情報のみを記憶するようにしても良い。企業情報記憶部11を企業情報データベース部21に統合し、指標演算部13は、企業情報データベース部21から基礎情報Biを入力するようにしても良い。
財務状況判定部22は、企業情報データベース部21に記憶されている企業の企業情報を用いて、各企業の財務状況を判定する。財務状況判定部22は、判定には、貸借対照表に含まれる財務情報から算出される情報及び損益計算書に含まれる財務情報から算出される情報を使用する。具体的には、財務状況判定部22は、前者の情報として自己資本比率を使用し、後者の情報として付加価値に対する営業利益の割合を示す指標(以下、「付加価値営業利益率」とする)を使用する。自己資本比率は、総資本にうち自己資本が占める割合を示す指標で、自己資本を総資本で除算することにより算出される。付加価値営業利益率は、営業利益を付加価値で除算することにより算出される。財務状況判定部22は、企業毎に、企業情報データベース部21に記憶されている総資本、自己資本、営業利益及び付加価値を実状情報(実状情報データ)Ciとして入力する。この際、これらの情報が企業情報データベース部21に記憶されていない場合、財務状況判定部22は、これらの情報を算出するための情報を実状情報Ciとして入力し、実状情報Ciを用いて総資本、自己資本、営業利益及び付加価値を算出する。
財務状況判定部22は、入力した実状情報Ciを用いて、企業毎に、下記数3により自己資本比率を、下記数4により付加価値営業利益率を、それぞれ算出する。
(数3)
(自己資本比率)=(自己資本)/(総資本)×100
(数4)
(付加価値営業利益率)=(営業利益)/(付加価値)×100
財務状況判定部22は、算出した自己資本比率及び付加価値営業利益率それぞれに対してランク付けを行うことにより、各企業の財務状況を判定する。例えば、自己資本比率に対して、50%以上の場合は「A」、20%以上50%未満の場合は「B」、10%以上20%未満の場合は「C」、0%以上10%未満の場合は「D」、0%未満の場合は「E」とのランク付けを行う。付加価値営業利益率に対しては、20%以上の場合は「A」、10%以上20%未満の場合は「B」、8%以上10%未満の場合は「C」、0%以上8%未満の場合は「D」、0%未満の場合は「E」とのランク付けを行う。自己資本比率及び付加価値営業利益率共に、「A」から「E」になるに従って、低い評価となっている。なお、ランクの数や条件は、上記に限られず、他の数や条件にしても良い。
財務状況判定部22は、各企業の自己資本比率及び付加価値営業利益率のランクを、判定結果(判定結果データ)Jrとして出力する。判定結果Jrは、判定結果記憶部23に入力される。
判定結果記憶部23は、財務状況判定部22より出力される判定結果Jrを記憶する。判定結果Jrは企業毎に出力されるので、判定結果記憶部23は、企業毎に判定結果Jrを記憶する。更に、判定結果Jrは評価基準生成部24による閾値の生成に使用され、閾値は業種別に用意するので、判定結果記憶部23は、各企業の業種に関する情報も記憶する。
判定結果記憶部23に記憶される判定結果の例を図7に示す。判定結果記憶部23では、判定結果は業種別、更に企業別に記憶されるので、図7に示されるように、判定結果は業種別にグループ分けされており、各業種においては企業別に分けられている。そして、各企業に対する自己資本比率及び付加価値営業利益率のランクがそれぞれ記憶される。例えば、「製造業」の「a会社」の自己資本比率のランクは「B」で、付加価値営業利益率のランクは「A」となっている。
評価基準生成部24は、企業情報データベース部21に記憶される企業情報及び判定結果記憶部23に記憶される判定結果に基づいて、閾値Td及び閾値Tlを生成する。具体的には、閾値Td(閾値Td1、Td2及びTd3)及び閾値Tl(閾値Tl1、Tl2及びTl3)はそれぞれ労働分配率及び人時生産性に対する閾値であり、複数の企業の企業情報から算出される労働分配率及び人時生産性の平均値を各閾値として使用するとして、各閾値生成の対象とする企業を、判定結果を基に選定する。例えば、閾値Td1及び閾値Tl1を生成するための対象企業は、自己資本比率のランクが「A」で付加価値営業利益率のランクが「B」の企業とし、閾値Td2及び閾値Tl2を生成するための対象企業は、自己資本比率のランクが「B」で付加価値営業利益率のランクが「C」の企業とし、閾値Td3及び閾値Tl3を生成するための対象企業は、自己資本比率のランクが「D」で付加価値営業利益率のランクが「D」の企業とする。この対象企業を選定する条件(以下、「企業選定条件」とする)は、評価基準生成部24に予め設定されている。なお、各閾値生成の対象とする企業のランクは上記に限られず、他のランクで選定しても良く、閾値Tdと閾値Tlとでランクを同じにしなくても良い。また、業種毎に、企業選定条件を変えても良い。
評価基準生成部24は、業種毎に、上述の企業選定条件を満たす企業を、判定結果記憶部23から選定し、選定された企業名を選定企業(選定企業データ)Csとして入力する。そして、評価基準生成部24は、選定企業Csに対応する企業の人件費、付加価値及び総労働時間を、基礎情報Biaとして、企業情報データベース部21から入力する。この際、人件費、付加価値及び総労働時間自体が企業情報データベース部21に記憶されていない場合、評価基準生成部24は、これらを算出するための情報を基礎情報Biaとして入力し、基礎情報Biaを用いて人件費、付加価値及び総労働時間を算出する。このように、評価基準生成部24は、判定結果記憶部23からの選定企業Csを基に、基礎情報Biaを企業情報データベース部21から入力するので、企業情報データベース部21に記憶される企業名と判定結果記憶部23に記憶される企業名は、同一の名称を使用する等、対応が取れるようにする必要がある。企業名ではなく、他の企業と区別できる一意の識別番号(ID)等を使用して、対応を取るようにしても良い。
評価基準生成部24は、指標演算部13と同様に、取得した人件費、付加価値及び総労働時間を用いて、数1により労働分配率を、数2により人時生産性をそれぞれ算出する。
評価基準生成部24は、閾値生成のために選定された企業の労働分配率及び人時生産性を全て算出したら、閾値毎に、対象企業の労働分配率及び人時生産性の平均値を閾値(閾値Td1、Td2及びTd3並びに閾値Tl1、Tl2及びTl3)とする。生成された閾値Td及び閾値Tlは、閾値記憶部12に記憶される。なお、平均値ではなく、中央値や最頻値等を使用しても良い。
このような財務分析装置2の構成において、閾値生成機能の動作例を図8のフローチャートを参照して説明する。なお、財務分析装置2による人件費の質の評価の動作は、第1実施形態での財務分析装置1による動作と同じである。
財務状況判定部22は、企業情報データベース部21に記憶されている企業の実状情報Ciを入力し、数3及び4を用いて、自己資本比率及び付加価値営業利益率を算出する(ステップS110)。そして、財務状況判定部22は、算出した自己資本比率及び付加価値営業利益率に対してランク付けを行う(ステップS120)。自己資本比率及び付加価値営業利益率に付けられたランクは、判定結果Jrとして判定結果記憶部23に出力され、判定結果記憶部23内の対応する企業のランクとして記憶される(ステップS130)。
企業情報データベース部21に記憶されている全ての企業に対して、ランク付けが終了したら(ステップS140)、評価基準生成部24は、企業選定条件を満たす企業を判定結果記憶部23から選定し、選定企業Csとして入力する(ステップS150)。そして、評価基準生成部24は、選定企業Csに対応する基礎情報Biaを企業情報データベース部21から入力し、数1及び2を用いて、労働分配率及び人時生産性を算出する(ステップS160)。
評価基準生成部24は、1つの閾値に対する企業選定条件を満たす全ての企業の労働分配率及び人時生産性を算出したら(ステップS170)、労働分配率及び人時生産性の平均値をそれぞれ算出し、その平均値を当該閾値として決定する(ステップS180)。決定された閾値は、閾値記憶部12に記憶される(ステップS190)。
評価基準生成部24は、全ての閾値を決定したら(ステップS200)、閾値生成機能による処理を終了する。
なお、財務状況判定部22は、貸借対照表に含まれる財務情報から算出される情報及び損益計算書に含まれる財務情報から算出される情報として、それぞれ自己資本比率及び付加価値営業利益率を使用しているが、それぞれ他の情報を使用しても良い。例えば、自己資本比率の代わりに、流動比率、当座比率、固定比率等を使用しても良く、付加価値営業利益率の代わりに、売上高営業利益率、売上高総利益率(粗利率)、売上高経常利益率等を使用しても良い。流動比率は流動負債に対する流動資産の割合で、当座比率は流動負債に対する当座資産の割合で、固定比率は純資産(自己資本)に対する固定資産の割合である。売上高営業利益率は売上高に対する営業利益の割合で、売上高総利益率は売上高に対する売上総利益(粗利益)の割合で、売上高経常利益率は売上高に対する経常利益の割合である。
また、評価基準生成部24は、上述の企業選定条件に他の条件を加えて、閾値を生成するための対象企業を選定しても良い。例えば、創業年数や従業員数等を条件設定のパラメータとして加え、創業5年以上、従業員数100人以上等の条件を企業選定条件に加えても良い。これらの条件を加える場合、財務状況判定部22が財務状況を判定する企業を、これらの条件を満たす企業に限定するようにしても良い。これにより、財務状況判定部22での処理量が軽減される。
財務分析装置2において、企業情報データベース部21と判定結果記憶部23を統合して1つの記憶部としても良い。例えば、財務状況判定部22による判定結果を、企業情報データベース部21に記憶させるようにしても良い。この場合、企業名は自ずと対応が取れることになる。
本発明の第3の実施の形態について説明する。
第1実施形態の財務分析装置1は、人件費比率情報として労働分配率を使用し、労働量関連情報として人時生産性を使用しているが、それぞれ他の指標を使用しても良い。例えば、人件費比率情報として売上高人件費率を、労働量関連情報として人時売上高を使用しても良い。売上高人件費率は、売上高に対する人件費の割合を示す指標で、人件費を売上高で除算することにより算出される。人時売上高は、従業員1人の1時間当たりの売上高を示す指標で、売上高を総労働時間で除算することにより算出される。
労働量関連情報として従業員数を使用することも可能である。但し、従業員には、正社員の他に、パート、アルバイト、契約社員、嘱託社員、出向社員等、多種の従業員が存在し、また、1日6時間勤務や4時間勤務等、複数の勤務体系が存在するので、単純に計数した従業員の数を従業員数としても、適切な評価が行えない可能性がある。更に、適正な従業員数についても、損益分析方式、業務分析方式、ベンチマーク方式等の適正な従業員数を算出する方式があるが、各企業の実態に応じて適切な方式を選択しなければならない。
上述のことを踏まえ、人件費の質の評価のために使用する従業員数を、人時生産性を基にして算出する。
人時生産性は、数2で示されるように付加価値を総労働時間で除算することにより算出される。この総労働時間を所定労働時間に従業員数を乗算して算出されるとして、その算出の式を数2に代入すると、下記数5となる。
(数5)
(人時生産性)=(付加価値)/{(所定労働時間)×(従業員数)}
数5を、従業員数で解くと、下記数6となり、この数6を用いて、従業員数を算出する。
(数6)
(従業員数)=(付加価値)/{(所定労働時間)×(人時生産性)}
数6を用いて算出される従業員数を労働量関連情報として使用する財務分析装置の構成例(第3実施形態)を図9に示す。図1に示される第1実施形態での財務分析装置1と比べると、第3実施形態での財務分析装置3では、従業員数算出部31が追加され、人件費評価部14及び結果表示部15が、それぞれ人件費評価部34及び結果表示部35に変わっている。
従業員数算出部31は、上記数6に従って、従業員数を算出する。指標演算部13から出力される人時生産性Lpは、従業員数算出部31に入力される。従業員数算出部31は人時生産性Lpを入力し、更に企業情報記憶部11に記憶されている付加価値及び所定労働時間を、算出用情報(算出用情報データ)Ciとして入力し、数6に従って従業員数を算出して、従業員数(従業員数データ)Neとして出力する。従業員数Neは、人件費評価部34及び結果表示部35に入力される。
また、従業員数算出部31は、人時生産性に対する閾値である閾値Tl(閾値Tl1、Tl2及びTl3)を、従業員数に対する閾値に変換する。閾値記憶部12に記憶されている閾値Tlは、従業員数算出部31に入力される。従業員数算出部31は、入力した閾値Tlと、企業情報記憶部11からの算出用情報Ciを用いて、数6に従って従業員数に対する閾値を算出する。閾値Tl1、Tl2及びTl3から、従業員数算出部31は、それぞれに対応する閾値を算出して、閾値(閾値データ)Tn1、Tn2及びTn3(以下、総称して「閾値Tn」とすることがある)として出力する。この場合、数6での「人時生産性」は「閾値Tl」と、「従業員数」は「閾値Tn」と読み替える。閾値Tnは、人件費評価部34及び結果表示部35に入力される。
なお、従業員数算出部31が使用する人時生産性Lpの算出に使用される付加価値と、算出用情報Ciに含まれる付加価値が同じ場合、従業員数算出部31は、総労働時間を所定労働時間で除算することにより、従業員数を算出しても良い。
人件費評価部34は、労働分配率Dr及び従業員数Neに基づいて、人件費の質を評価する。人件費評価部14と同様に、人件費評価部34は、人件費の質として4つの段階(優、良、可、不可)を設定し、評価対象の企業の労働分配率Dr及び従業員数Neが属する段階を判定する。人件費評価部34が用いる段階設定条件は、以下の通りとなる。
「優」:「労働分配率Drが閾値Td1未満かつ従業員数Neが閾値Tn1未満」。
「良」:「労働分配率Drが閾値Td1以上で閾値Td2未満かつ従業員数Neが閾値Tn2未満」又は「労働分配率Drが閾値Td1未満かつ従業員数Neが閾値Tn1以上で閾値Tn2未満」。
「可」:「労働分配率Drが閾値Td2以上で閾値Td3未満かつ従業員数Neが閾値Tn3未満」又は「労働分配率Drが閾値Td2未満かつ従業員数Neが閾値Tn2以上で閾値Tn3未満」。
「不可」:上記以外。
4つの段階を図で表わすと、図10のようになる。図10は、横軸を労働分配率、縦軸を従業員数とした座標平面である。数6からわかるように、従業員数と人時生産性は反比例の関係になるので、図2に示される人件費評価部14での4つの段階と比べると、人件費評価部34での4つの段階は縦軸方向で反転した形となる。
人件費評価部14は、評価結果である人件費の質の段階(優、良、可、不可)を、評価結果Erとして出力する。評価結果Erは、結果表示部35に入力される。
結果表示部35は、指標演算部13から出力される労働分配率Dr、従業員数算出部31から出力される従業員数Ne及び閾値Tn、人件費評価部34から出力される評価結果Er、並びに閾値記憶部12に記憶されている閾値Tdを用いて、結果表示部15と同様に、財務分析装置1が備える表示手段に、人件費の質の評価結果を表示する。
このような財務分析装置3の構成において、その動作例を図11のフローチャートを参照して説明する。
指標演算部13は、第1実施形態の場合と同様の動作を行い(ステップS10~S30)、労働分配率Drは人件費評価部34及び結果表示部35に入力され、人時生産性Lpは従業員数算出部31に入力される。
従業員数算出部31は、企業情報記憶部11から算出用情報Ciを入力する(ステップS31)。そして、従業員数算出部31は、入力した人時生産性Lp並びに算出用情報Ciに含まれる付加価値及び所定労働時間から、数6に従って従業員数Neを算出する(ステップS32)。更に、従業員数算出部31は、閾値記憶部12に記憶されている閾値Tlを入力して、閾値Tl及び算出用情報Ciから、閾値Tnを算出する(ステップS33)。従業員数Ne及び閾値Tnは、人件費評価部34及び結果表示部35に入力される。
人件費評価部34は、閾値記憶部12から閾値Td(閾値Td1、Td2及びTd3)を入力する(ステップS41)。そして、人件費評価部34は、段階設定条件に基づいて、労働分配率Dr及び従業員数Neと、閾値Td及びTnをそれぞれ比較することにより、労働分配率Dr及び従業員数Neが属する段階(優、良、可、不可)を判定する(ステップS51)。判定された段階は、評価結果Erとして結果表示部35に出力される。
結果表示部35は、労働分配率Dr、従業員数Ne、評価結果Er、閾値Td及び閾値Tnを用いて、人件費の質の評価結果を表示する(ステップS61)。
なお、第2実施形態の財務分析装置2においても、労働量関連情報として、人時生産性を基にして算出される従業員数を使用しても良い。この場合、閾値Tnは、閾値記憶部12に記憶されている閾値Tlから算出するのではなく、評価基準生成部24において閾値Tnを直接算出するようにしても良い。
上述の実施形態は、企業情報記憶部11、閾値記憶部12、企業情報データベース部21、判定結果記憶部23をメモリとして、それ以外の構成要素の処理を、上述のようにプログラムとして実現することにより、コンピュータとメモリの構成で実現可能である。各構成要素は専用IC(Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアでも実現可能である。各記憶部に記憶される情報は、ストレージ(補助記憶装置)にファイル形式等で長期間記憶できるようにしても良い。また、上述の実施形態は装置としての形態で説明されているが、本発明は、方法又はプログラムとしての形態を取ることも可能である。
なお、本発明は上記形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、上記形態において明示的に開示されていない事項は、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用することができる。
1、2、3 財務分析装置
11 企業情報記憶部
12 閾値記憶部
13 指標演算部
14、34 人件費評価部
15、35 結果表示部
16 表示手段
21 企業情報データベース部
22 財務状況判定部
23 判定結果記憶部
24 評価基準生成部
31 従業員数算出部
161 座標平面
162 結果表示欄

Claims (11)

  1. 企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、
    人件費に関する比率を示す情報である人件費比率情報、及び労働量に関する情報である労働量関連情報に基づいて、人件費の質を評価する人件費評価部を備え
    前記人件費評価部が、
    前記人件費比率情報に対して、値が小さい順に設定される閾値A、閾値B及び閾値C、並びに、前記労働量関連情報に対して、値が大きい順に設定される閾値D、閾値E及び閾値Fを用いて、
    前記人件費比率情報が前記閾値A未満かつ前記労働量関連情報が前記閾値D以上であるという第1条件で規定される第1段階と、
    前記人件費比率情報が前記閾値A以上で前記閾値B未満かつ前記労働量関連情報が前記閾値E以上、又は、前記人件費比率情報が前記閾値A未満かつ前記労働量関連情報が前記閾値E以上で前記閾値D未満であるという第2条件で規定される第2段階と、
    前記人件費比率情報が前記閾値B以上で前記閾値C未満かつ前記労働量関連情報が前記閾値F以上、又は、前記人件費比率情報が前記閾値B未満かつ前記労働量関連情報が前記閾値F以上で前記閾値E未満であるという第3条件で規定される第3段階と、
    前記人件費比率情報及び前記労働量関連情報が、前記第1条件、前記第2条件及び前記第3条件を満たさないという条件で規定される第4段階と、を設定し、
    評価対象の企業の人件費比率情報及び労働量関連情報が、前記第1段階、前記第2段階、第3段階及び前記第4段階のいずれに属するかを判定することにより、前記人件費の質を評価することを特徴とする財務分析装置。
  2. 複数の企業に対して、各企業の財務状況の判定を、前記各企業の財務情報に基づいて行う財務状況判定部と、
    前記財務情報を含む前記各企業の企業情報及び前記各企業の財務状況の判定の結果に基づいて、前記人件費比率情報及び前記労働量関連情報に対する評価基準情報を生成する評価基準生成部と、を更に備え、
    前記人件費評価部が、前記評価基準情報を用いて、前記人件費の質を評価する請求項1に記載の財務分析装置。
  3. 前記評価基準生成部が、前記閾値A、閾値B及び閾値C並びに前記閾値D、閾値E及び閾値Fを、前記評価基準情報として生成する請求項に記載の財務分析装置。
  4. 前記人件費比率情報が労働分配率である請求項1乃至のいずれかに記載の財務分析装置。
  5. 前記労働量関連情報が人時生産性である請求項1乃至のいずれかに記載の財務分析装置。
  6. 前記労働量関連情報が従業員数である請求項1乃至のいずれかに記載の財務分析装置。
  7. 前記従業員数が、人時生産性、付加価値及び所定労働時間より算出される請求項に記載の財務分析装置。
  8. 前記財務状況判定部が、貸借対照表に含まれる財務情報から算出される情報、及び損益計算書に含まれる財務情報から算出される情報を用いて、前記各企業の財務状況の判定を行う請求項又はに記載の財務分析装置。
  9. 前記財務状況判定部が、営業利益に関する比率を示す情報である営業利益比率情報及び自己資本比率を用いて、前記各企業の財務状況の判定を行う請求項に記載の財務分析装置。
  10. コンピュータに財務分析方法を実行させるための財務分析プログラムであって、
    前記財務分析方法が、
    人件費に関する比率を示す情報である人件費比率情報、及び労働量に関する情報である労働量関連情報に基づいて、人件費の質を評価するステップを有し、
    前記ステップでは、
    前記人件費比率情報に対して、値が小さい順に設定される閾値A、閾値B及び閾値C、並びに、前記労働量関連情報に対して、値が大きい順に設定される閾値D、閾値E及び閾値Fを用いて、
    前記人件費比率情報が前記閾値A未満かつ前記労働量関連情報が前記閾値D以上であるという第1条件で規定される第1段階と、
    前記人件費比率情報が前記閾値A以上で前記閾値B未満かつ前記労働量関連情報が前記閾値E以上、又は、前記人件費比率情報が前記閾値A未満かつ前記労働量関連情報が前記閾値E以上で前記閾値D未満であるという第2条件で規定される第2段階と、
    前記人件費比率情報が前記閾値B以上で前記閾値C未満かつ前記労働量関連情報が前記閾値F以上、又は、前記人件費比率情報が前記閾値B未満かつ前記労働量関連情報が前記閾値F以上で前記閾値E未満であるという第3条件で規定される第3段階と、
    前記人件費比率情報及び前記労働量関連情報が、前記第1条件、前記第2条件及び前記第3条件を満たさないという条件で規定される第4段階と、を設定し、
    評価対象の企業の人件費比率情報及び労働量関連情報が、前記第1段階、前記第2段階、第3段階及び前記第4段階のいずれに属するかを判定することにより、前記人件費の質を評価することを特徴とする財務分析プログラム
  11. 前記財務分析方法が、
    複数の企業に対して、各企業の財務状況の判定を、前記各企業の財務情報に基づいて行うステップと、
    前記財務情報を含む前記各企業の企業情報及び前記各企業の財務状況の判定の結果に基づいて、前記人件費比率情報及び前記労働量関連情報に対する評価基準情報を生成するステップと、を更に有し、
    前記評価基準情報を用いて、前記人件費の質を評価する請求項1に記載の財務分析プログラム
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