JPWO2005124950A1 - Iii族窒化物半導体光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、内部に電流狭窄層を備えるIII族窒化物半導体光素子において、上部電極の密着性を向上するとともに、素子抵抗を低減する上で有効な構造を提供する。例えば、インナー・ストライプ型III族窒化物半導体レーザにおいて、n型GaN基板102上に、Siドープn型GaN層103、n型クラッド層104、n型光閉じ込め層105、3つの井戸層を有する多重量子井戸層106、キャップ層107、p型GaNガイド層108が積層される。そして、この上に、低温成長AlN電流狭窄層109、Mgドープp型Al0.1Ga0.9Nからなるp型クラッド層110、Mgドープp型GaNからなるコンタクト層111が積層される。電流狭窄層109上部のコンタクト層111の上面には、二乗平均粗さが150nm程度の凹凸が形成されており、この上に、p型電極112を設ける。p型クラッド層110、コンタクト層111を、980℃程度の成長温度で形成し、その成長過程で前記の凹凸が形成される。

Description

本発明は、電流狭窄層を備える半導体光素子に関する。
窒化ガリウムに代表されるIII族窒化物半導体は、高効率の青紫色発光が得られることから、発光ダイオード(light emitting diode、LED)やレーザー・ダイオード(laser diode、LD)材料として注目を浴びてきた。なかでもLDは大容量光ディスク装置の光源として期待され、近年では書き込み用光源として高出力LDの開発が精力的に進められている。光ディスクへの応用では、レーザー・ビームをスポット状に絞り込むためにビーム形状を整える必要がある。このため横モードの制御が重要となる。また高出力化を図るためには、キャリアの注入効率を高めることがポイントとなる。さらに、光ディスクの転送速度高速化にともない高周波特性が重要となっており、素子抵抗の低減とともに素子の寄生容量をできるだけ小さくする必要がある。
これらを実現する窒化物LD構造として、リッジ型構造のLDが広く利用されている。リッジ型構造のLDは、LD構造の上部にドライエッチングにより形成されたリッジを備える。リッジ上部はストライプ状開口部を有する絶縁膜でカバーされ、開口部にp型電極が設けられる。電流狭窄はストライプ状電極でなされ、リッジ幅およびリッジ高さを調整することにより横モードの制御がなされる。
一方、リッジ型LDよりも効率のよい電流狭窄を実現する構造として、埋め込み構造型のLDが提案されている。図2は、特許文献1:特開平11−261160号公報に記載された埋め込み構造型(インナー・ストライプ型)のLDの構造を示す図である。この半導体レーザでは、n型第1クラッド層304とp型第2クラッド層307とで挟まれた活性層305を有する窒化物系化合物半導体レーザ素子300において、活性層305の上に、非晶質又は多結晶の窒化物系化合物半導体層からなる高抵抗層を成長させ、ウェット・エッチングでストライプ状開口部320を形成して電流狭窄層308とする。或いはストライプ状部分を除いて第2クラッド層に荷電粒子を照射し、キャリア・トラップを高密度に形成して高抵抗な電流狭窄層308とする。電流狭窄層308によりキャリア注入効率の向上が図られる。
しかしながら、リッジ型、埋め込み構造型のいずれの型式においても、上部電極の密着性を充分に得ることが困難であるという課題があった。
特開2003−347238号公報には、リッジ型LDにおける電極密着性を改善する技術が記載されている。図3は、特開2003−347238号公報に記載の半導体レーザを示す図である。この半導体レーザでは、p型GaNコンタクト層28に微小な凹凸を形成し、p側電極36の密着性を改善している。凹凸の形成は、以下のようにして行う。
図3において、p型AlGaNクラッド層26を成長させた後、p型GaNコンタクト層28を成長させる際に、先ず、基板温度約1,000℃で所定膜厚のp型GaNコンタクト層28を成長させる。p型GaNコンタクト層28の成長を終了した時点で、TMG、TMI、MeCpMg、及びNHガスを成膜チャンバに供給し続けながら、基板温度を1分間ないし2分間かけて1,000℃から700℃に降温し、700℃で5秒間から60秒間維持する。次に、TMG、TMI、及びMeCpMgの供給を停止し、NH3ガスだけを供給しながら室温に下げて、積層構造の形成を終了する。こうすることにより、形成したp型GaNコンタクト層28の最表面に、深さの典型値が1〜2nmである溝状凹部が表面全域に数十〜数百nm間隔で不規則な網目状に広がった構造が形成される。
その後、従来の方法と同様にして、ストライプ状リッジ30及びメサ32を形成し、リッジ30の両側面及びp型AlGaInNクラッド層26の残り層上にSiO膜34を成膜する。続いて、p型GaNコンタクト層28上にp側電極36を、n型GaNコンタクト層16上にn側電極38を設ける。これにより、動作電圧が低く、p側電極36の金属膜とp型GaNコンタクト層との密着性及び固着性が向上してp側電極36が剥がれ難いGaN系半導体レーザ素子を製造することができるとされている。
特開平11−16852号公報には、電極下地に凹凸を設けることにより電極密着性を向上させる技術が記載されている。同文献の半導体レーザを図4に示す。図示したように、これはリッジ型半導体レーザ(LD)であり、インナー・ストライプ型ではない。図中、1は基板、2はバッファ層、3はアンドープGaN層、4はAlGaN層、5はMgドープp型GaN層、6はp電極を示す。p型GaN層5を形成した後、表面にAuを蒸着し、この上にフォトリソグラフィによってフォトレジストのパターンを形成する。次いで露出したAu部分をエッチングして除去し、必要部分だけp型GaNの露出し他はAuで覆われた構造を作製する。このAuマスクのついた試料をリン酸二水素アンモニウム(NHPO)の溶融塩で湿式エッチングすることにより、六角柱型のエッチピットが多数形成される。この上にp電極6を形成し、図示した構造が得られる。
しかしながら、特開2003−347238号公報、特開平11−16852号公に記載された技術では、電極密着性を充分に改善することは困難であった。また、素子抵抗を充分に低減することが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、内部に電流狭窄層を備えるIII族窒化物半導体光素子において、上部電極の密着性を向上するとともに素子抵抗を低減することを目的とする。
本発明によれば、III族窒化物半導体からなる半導体層と、前記半導体層上に設けられ所定の開口部を有する電流狭窄層と、前記半導体層および前記開口部の上部に設けられ、凹凸表面を有するコンタクト層と、前記コンタクト層の前記凹凸表面に設けられた電極と、を備えることを特徴とするIII族窒化物半導体光素子、特には、
III族窒化物半導体からなる半導体層と、前記半導体層上に設けられ所定の開口部を有する電流狭窄層と、前記半導体層上に設けらている前記電流狭窄層および前記開口部の上部に設けられ、前記電流狭窄層の上部に形成される部分は凹凸表面を有するコンタクト層と、前記凹凸表面部分を有する前記コンタクト層の上面に設けられた電極と、を備えることを特徴とするIII族窒化物半導体光素子が提供される。
本発明によれば、コンタクト層の凹凸面に電極が設けられている。このため、優れた電極密着性が得られるとともに、素子抵抗を効果的に低減させることができる。なお、III族窒化物半導体とは、III族元素と窒素とを構成元素として有する半導体をいう。代表例としては、一般式InGaAl1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表される半導体(以下、GaN系半導体という)が挙げられる。
本発明において、前記コンタクト層は、前記電流狭窄層の上部において、前記凹凸表面に沿って水平方向に延在する形状を有する構成とすることができる。この構成によれば、コンタクト層が、電流狭窄層の上部において、凹凸表面に沿った断面形状を有するため、凹凸表面に沿ってコンタクト層内に電流が流れる。このため、広い範囲の電極から注入された電流を開口部に集めることができ、低い素子抵抗で、良好なI−V特性を有する素子を実現することができる。
本発明において、前記コンタクト層は、前記電流狭窄層の上部の領域から前記開口部の上部の領域にわたって連続的に形成されている構成とすることができる。この構成によれば、コンタクト層内に電流が流れることにより、開口部の上部に設けられた電極部分のみならず、電流狭窄層の上部の電極部分からも電流を集めることができ、低い素子抵抗で、良好なI−V特性を有する素子を実現することができる。
本発明において、前記コンタクト層は、前記電流狭窄層の上部において凹凸表面を有し、前記開口部の上部において平坦表面を有する構成とすることができる。この構成によれば、コンタクト層の凹凸面に電極が設けられた構造となっているため、優れた電極密着性が得られるとともに、素子抵抗を効果的に低減させることができる。その一方、開口部の設けられた通電領域ではコンタクト層表面が平坦であるため、積層方向へ好適に通電することができる。すなわち、レーザ発振に直接的に寄与する結晶には、この凹凸は悪影響を及ぼさない。
本発明において、コンタクト層は、InGaAl1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、a+b≦1)により構成することができる。また、電流狭窄層は、InGaAl1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)により構成することができる。
本発明において、凹凸表面の二乗平均粗さ(Root Mean Square Roughness)がコンタクト層の厚みよりも大きい構成とすることができる。また、凹凸表面の二乗平均粗さは、好ましくは10nm以上、より好ましくは100nm以上とする。上限は特にないが、1μm以下とすることで充分である。このような凹凸とすることにより、優れた電極密着性が得られる。
凹凸表面は、結晶面により構成してもよい。このようにすれば、結晶面を介して電極とのコンタクトがとられるため、低い素子抵抗を安定的に実現することができる。結晶面としては、コンタクト層をGaNあるいはAlGaNで構成する場合、該コンタクト層表面が、(0001)面である際、(1−101)面とすることができる。また、凹凸表面を、エッチングにより形成した面ではなく結晶成長面とすれば、エッチングによるコンタクト層等の損傷を避けることができるとともに、コンタクト層が水平方向に延在して形成され、電極からの集電効果が向上し素子抵抗を充分に低減することができる。
凹凸表面は、六角錐状のピットを含む構成としてもよい。こうすることにより、六角錐状のピットが形成されるため、優れた電極密着性および良好な素子抵抗が得られる。
本発明において、電流狭窄層とコンタクト層との間に超格子構造のクラッド層を備え、この超格子構造を構成する薄層が、前記凹凸表面に沿って水平方向に延在する形状を有する構成としてもよい。こうすることにより、電極からの集電効率が顕著に向上し、低い素子抵抗が実現される。
本発明の素子は、種々の素子に適用することができる。たとえば、前記半導体層の下に活性層を備える構造としてもよい。これにより、発光ダイオード、半導体レーザ等に好適に適用される。
さらに本発明によれば、基板の上部に、III族窒化物半導体からなる半導体層を形成する工程と、前記半導体層上に、所定の開口部を有する電流狭窄層を形成する工程と、前記半導体層および前記開口部の上部に、1,000℃以下の成長温度でIII族窒化物半導体を成長させ、凹凸表面を有するコンタクト層を形成する工程と、前記コンタクト層の前記凹凸表面に電極を形成する工程と、を備えることを特徴とするIII族窒化物半導体光素子の製造方法が提供される。
この製造方法によれば、電極密着性に優れ、素子抵抗が効果的に低減された半導体レーザを安定的に製造することができる。
本発明によれば、コンタクト層の凹凸面に電極が設けられている。このため、優れた電極密着性が得られるとともに、素子抵抗を効果的に低減させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るインナー・ストライプ型半導体レーザの構造を模式的に示す断面図である。 図2は、従来のインナー・ストライプ型半導体レーザの構造を模式的に示す断面図である。 図3は、従来のリッジ型半導体レーザの構造を模式的に示す断面図である。 図4は、従来の半導体レーザの構造を模式的に示す断面図である。 図5は、エッチングにより凹凸表面を形成した半導体レーザの構造を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の実施形態に係るインナー・ストライプ型半導体レーザにおける、コンタクト層表面に形成されている凹凸の様子を模式的に説明する図である。 図7は、本発明の実施形態に係るインナー・ストライプ型半導体レーザにおける、AlGaN/GaN超格子クラッド層の構造を模式的に示す断面図である。 図8は、エッチングにより凹凸表面を形成する際に利用される、最適温度で形成されるAlGaN/GaN超格子クラッド層の構造を模式的に示す断面図である。 図中に示される符号は、下記の意味を有する。
10 GaN半導体レーザ素子
12 サファイア基板
14 GaN−ELO構造層
16 n型GaNコンタクト層
18 n型AlGaNクラッド層
20 n型GaNガイド層
22 GaInN多重井戸(MQW)構造の活性層
24 p型GaNガイド層
26 p型AlGaNクラッド層
28 p型GaNコンタクト層
30 ストライプ状リッジ
32 メサ
34 SiO
36 p側電極
38 n側電極
101 n型電極
102 n型GaN基板
103 Siドープn型GaN層
104 Siドープn型AlGaNクラッド層
105 Siドープn型GaN光閉込層
106 InGaN MQW活性層
107 Mgドープp型AlGaNキャップ層
108 Mgドープp型GaN光閉込層
109 AlN電流狭窄層
110 Mgドープp型AlGaNクラッド層
111 Mgドープp型GaNコンタクト層
112 p型電極
401 半導体表面
402 六角錘状の穴
501 Mgドープp型AlGaN/GaN超格子クラッド層
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
[実施例1]
本実施例に係るインナー・ストライプ型半導体レーザについて、図1を参照して説明する。この半導体レーザは、n型GaN基板102上にSiドープn型GaN層103(Si濃度4×1017cm−3、厚さ1μm)、Siドープn型Al0.1Ga0.9N(Si濃度4×1017cm−3、厚さ2μm)からなるn型クラッド層104、Siドープn型GaN(Si濃度4×1017cm−3、厚さ0.1μm)からなるn型光閉じ込め層105、In0.15Ga0.85N(厚さ3nm)井戸層とSiドープIn0.01Ga0.99N(Si濃度1×1018cm−3、厚さ4nm)バリア層からなる3つの井戸層を持つ多重量子井戸(MQW)層106、Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nからなるキャップ層107、Mgドープp型GaN(Mg濃度2×1019cm−3、厚さ0.1μm)からなるp型GaNガイド層108が積層した構造を有する。そしてこの上に、AlN電流狭窄層109、Mgドープp型Al0.1Ga0.9N(Mg濃度1×1019cm−3、厚さ0.5μm)からなるp型クラッド層110、Mgドープp型GaN(Mg濃度1×1020cm−3、厚さ0.02μm)からなるコンタクト層111が積層している。コンタクト層111の上面には、二乗平均粗さが150nm程度の凹凸が形成されている。
以下、この半導体レーザの作製方法について説明する。
素子構造の作製には、300hPaの減圧MOVPE(有機金属気相成長法)装置を用いた。キャリアガスには、水素と窒素の混合ガスを用い、Ga、Al、Inソースとしてそれぞれトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)を用いた。また、n型ドーパントにはシラン(SiH)、p型ドーパントにはビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を用いた。
はじめに、n型GaN基板102を用意する。n型GaN基板102としては、FIELO法(A.Usui他、Jpn. J. Appl. Phys., 36, L899 (1997))により作製した厚さ100μmのn型GaN(0001)基板を用いた。
このGaN基板の上に、活性層、n型クラッド層、p型クラッド層、電流狭窄のための低温AlN成長を行う。以下この工程を「活性層成長工程」という。
n型GaN基板102を成長装置に投入後、NHを供給しながら基板を昇温し、成長温度まで達した時点で成長を開始する。Siドープn型GaN層103、Siドープn型Al0.1Ga0.9Nからなるn型クラッド層104、Siドープn型GaNからなるn型光閉じ込め層105、In0.15Ga0.85N井戸層とSiドープIn0.01Ga0.99Nバリア層からなる、3つの井戸層を有する多重量子井戸層106、Mgドープp型Al0.2Ga0.8Nからなるキャップ層107、Mgドープp型GaNからなるp型光閉じ込め層108を順次堆積する。
GaN成長は、基板温度1,080℃、TMG供給量58μmol/min、NH供給量0.36mol/minで行い、AlGaN成長は、基板温度1,080℃、TMA供給量36μmol/min、TMG供給量58μmol/min、NH供給量0.36mol/minにて行っている。InGaN MQW成長においては、基板温度800℃、TMG供給量8μmol/min、NH0.36mol/minとし、TMIn供給量は、井戸層で48μmol/min、バリア層で3μmol/minとしている。
これらの構造を堆積後、引き続いて、基板温度を所定の温度まで降温し、低温成長AlN層(後に電流狭窄層109となる)の堆積を行っている。低温成長AlN層堆積温度は、200℃以上600℃以下が望ましい。ここでは、堆積温度(基板温度)は、300℃とした。TMAおよびNH供給量は、それぞれ36μmol/min、0.36mol/minとし、堆積膜厚は0.1μmとしている。
次に、低温成長AlN層にストライプ開口部を形成する。以下、この工程を「ストライプ形成工程」という。AlN層上にSiOを100nm堆積し、レジストを塗布した後、フォトリソグラフィにより幅2μmのストライプ・パターンをレジスト上に形成する。次に、バッファード・フッ酸により、レジストをマスクとして、SiOをエッチング後、レジストを有機溶媒により除去し、水洗を行う。AlN層は、バッファード・フッ酸、有機溶媒、水洗の各工程でエッチングまたは損傷を受けることはない。次に、SiOをマスクとして低温成長AlN層のエッチングを行。エッチング液には、リン酸と硫酸を体積比1:1の割合で混合した溶液を用いている。SiOマスクでカバーされていない領域のAlN層は、80℃に保持した上記溶液中10分間のエッチングにより除去され、ストライプ状開口部が得られる。さらに、バッファード・フッ酸でマスクとして用いたSiOを除去し、AlN層に2μm幅のストライプ状開口部を有する構造を得ている。
低温成長AlN層のエッチング液は、80℃以上に加熱された硝酸などでも可能であるが、制御性の点から50℃以上200℃以下、望ましくは80℃〜120℃に加熱されたリン酸を含む溶液が好適である。これらの溶液により、低温成長AlN層は、1〜30nm/min.程度のエッチング速度でエッチングされる。一方、結晶状のGaN、AlGaNはエッチングされない。これにより低温成長AlN層のみが、高い選択性でエッチングされる。また、アモルファスAlNでは、単結晶AlNで見られるようなエッチング速度の面方位依存性がないため、等方的なエッチングが実現される。これにより、LDストライプ形成時のサイド・エッチングを抑制することが可能となる。また、上記実施形態ではAlN層のエッチングマスクとしてSiOを用いたが、エッチング液に侵されない材料であれば、SiNxやレジストを含む有機物を用いてもよい。
以上により得られるストライプ開口部を有する試料に対し、p型AlGaNクラッド層の埋め込み再成長を行っている。以下この工程を「pクラッド再成長工程」という。MOVPE装置に投入後、NH供給量0.36mol/minにて成長温度である980℃まで昇温する。980℃に達した後、Mgドープp型Al0.1Ga0.9N(Mg濃度1×1019cm−3、厚さ0.5μm)からなるp型クラッド層110およびMgドープp型GaN(Mg濃度1×1020cm−3、厚さ0.02μm)からなるコンタクト層111を成長させる。ここで、p型クラッド層110およびp型コンタクト層111の成長においては、NH流量を最適値の10 slmより大きく下げ、1 slmとしている。なお、前記NH流量:1 slmの条件を選択することにより、V/III比=4,500程度となっている。p型クラッド層110およびp型GaNコンタクト層111の成長温度は、900〜1,000℃の範囲で選択することがよく、NH流量は、0.5〜3 slm以下の範囲(対応するV/III比は、2,300〜14,000の範囲)で選択することが好ましい。これらの条件は、電流狭窄層や、コンタクト層、クラッド層の材料や膜厚に応じて適切な値をすることが重要である。
以上により、p型コンタクト層、AlN電流狭窄層、p型およびn型クラッド層、p型およびn型ガイド層、活性層を備えたLDウエハが得られる。このLDウエハに対し、p型およびn型電極を形成する。この工程を「電極工程」という。n型GaN基板裏面に、Ti 5nm、Al 20nmをこの順で真空蒸着し、次に、p型コンタクト層上にNi 10nm、Au 10nmをこの順で真空蒸着している。上記試料をRTA(Rapid Thermal Anealing)装置に投入し、600℃、30秒間のアロイングを行って、オーミック・コンタクトを形成している。基板裏面側のTiAlおよび表面側のNiAu上にAuを500nm真空蒸着し、n型電極101およびp型電極112とする。電極形成後の試料をストライプに垂直な方向に劈開し、LDチップとしている。典型的な素子長は500μmである。

以上のようにして作製される半導体レーザについて、以下の評価を行っている。
(i)p型コンタクト層111の形態観察
p型コンタクト層111を形成した時点で、その表面を走査型電子顕微鏡により観察した。p型コンタクト層111の表面は、ストライプ状開口部113の直上においてはクラックやピットなどの欠陥は見られなかった。一方、AlN電流狭窄層109によるマスク領域上では、図6に示すように、表面に六角錘のピットが生じ凹凸が形成されていた。六角錘の側面は、(Al)GaNの(1−101)面およびこれと等価な面である場合が多かった。凹凸表面の表面粗さをAMF(原子間力顕微鏡)により測定したところ、二乗平均粗さで150nm程度であり、コンタクト層111の厚みを超える表面粗さとなっていた。
また、得られたLD構造の断面を観察したところ、以下のことが確認された。p型GaNコンタクト層111は、電流狭窄層109の上部において、凹凸表面に沿って水平方向に延在する形状を有し、電流狭窄層109の上部の領域から前記開口部113の上部の領域にわたって連続的に形成されていた(図1のコンタクト層111)。
(ii)半導体レーザの素子性能
上記レーザ素子に電流注入をしたところ、レーザ出力30mWの動作電圧は、4.8Vと非常に良好な電気特性が得られた。このように良好な電気特性が得られたのは、p型電極112とp型GaNコンタクト層111との接触(オーミック・コンタクト)が十分に確保されていることに因っていると考えられる。
対照実験として、実施例1の半導体レーザを、ドライエッチングを用いて試作した。実施例1における電流狭窄層109までは、実施形態1と同様にして形成した。その後、p型クラッド層110およびp型GaNコンタクト層111を、1,080℃の成長温度で形成した。つづいて、p型GaNコンタクト層111の表面に所定の形状にパターニングされたマスクを設け、このマスクを用いてp型GaNコンタクト層111を選択的にエッチングし、凹凸面を形成した。
p型コンタクト層111を形成した時点で、その表面を走査型電子顕微鏡により観察した。p型コンタクト層111の表面全面に凹凸が形成されていた。また、得られたLD構造の断面を観察したところ、p型GaNコンタクト層111は、図5に示すように、凹部のところで分断された形状となっていた。
本例によって得られたレーザ素子に電流注入をしたところ、レーザ出力30mWの動作電圧は、5.5Vであった。
以下、本実施例による半導体レーザおよびその製造方法の効果について詳述する。
第一に、本実施例では、AlN電流狭窄層109を低温成長により形成しているため、クラッド層やコンタクト層の膜質を良好にするとともに、電極の実質的な有効面積を広く取ることができ、素子抵抗を大幅に低減できる。
従来技術においては、1,000℃以上の高温で堆積したAlN層を選択的にエッチング除去してAlN電流狭窄層109を形成していたが、高温成長AlN層のエッチングは一般に困難であり、また、AlN層成長時や、その後のAlN層上への半導体層の成長時において層中にクラックが発生する等、課題を有していた。本実施例では、AlNを600℃以下の低温で成長させているため、アモルファス状のAlNが得られる。このため、成長時のクラックを抑制するとともにGaN単結晶もしくはAlGaN単結晶との良好な選択エッチングが可能となる。
また、前述の特開2003−347238号公報では、電流ブロック層としてSiOなどの全くの非晶質を用いているため、その上に析出した多結晶は、全く下地の結晶情報を引き継いでおらず、秩序がなく導電性のないものとなっている。それに対し、本実施例に係る半導体レーザでは、電流狭窄層109形成に際し、まず、600℃以下の低温堆積により非結晶層を形成した後、エッチングにより開口部を設け、その後、非結晶層形成温度よりも高い温度でp型クラッド層110上部の層を形成することにより、非結晶層を結晶層に変換するという工程を採用している。このため、電流狭窄層109用の低温成長AlN層形成時には、一旦は非晶質ライクなものが堆積したとしても、その後の昇温過程において、結晶化が進行する。このため、電流狭窄層109の上のMgドープp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層110やMgドープp型GaNコンタクト層111がp型導電性を示す。したがって、電極の実質的な有効面積を広く取ることができる。
第二に、p型GaNコンタクト層111の表面に適度な凹凸が形成されるため、電極密着性が顕著に向上するとともに、素子抵抗を安定的に低減することができる。凹凸構造により電極密着性を改善する試みは、従来技術の項で述べたようにこれまでも検討された例があった。しかしながら、インナー・ストライプ型の半導体レーザにおいて、コンタクト層表面に凹凸形状を付与する検討がなされた例はない。また、特開2003−347238号公報に記載されているものは、凹凸が0.25nm以上と原子レベルの大きさの凹凸であり、充分な密着性を得ることは困難であった。また、湿式エッチングによりピットを形成する方法(特開平11−16852号公報)では、素子抵抗が上昇する傾向があり、改善の余地を有していた。この点、本実施例では、電流狭窄層109の形成およびその上部の層の形成において、新規なプロセスを採用することにより、電極密着性および素子抵抗を改善するのに有効な凹凸構造を実現している。すなわち、本実施例では、電流狭窄層109の材料として、低温成長AlNを用いている。また、p型クラッド層110およびp型GaNコンタクト層111を形成する際、基板温度を最適値より低い980℃とするとともに、NH流量を最適値の10 slmより大きく下げ、1 slm(対応するV/III比は、4,500程度)とした。本実施例では、上記のような新規なプロセスを組み合わせて採用することにより、上記したようにp型GaNコンタクト層111表面に適度な凹凸が形成され、電極密着性が顕著に向上するとともに素子抵抗を安定的に低減することができる。
また、上記プロセスの採用により、AlN電流狭窄層109の上方では、Mgドープp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層110およびMgドープp型GaNコンタクト層111の表面に凹凸が生じた状態で結晶成長が進行する一方、AlN電流狭窄層109の開口部113上では表面は平坦なままで結晶成長が進行する。このため、p電極112とp型GaNコンタクト層111との間の界面が、通電領域においては平坦であり電流狭窄領域においては凹凸面となる構造が得られる。電流狭窄領域における凹凸面によって電極密着性が向上する一方、開口部113を経由する通電領域においては平坦な界面となるため良好なキャリア注入効率が安定的に実現される。
開口部113を経由する通電領域においては平坦であり、電流狭窄領域においては凹凸面となる構造が得られる理由は、以下のように推察される。電流狭窄層109用の低温成長AlN層の表面には、汚染物質や酸化物などが多量に存在するために、Mgドープp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層110の再成長初期には、電流狭窄層109用の低温成長AlN層上では十分な核形成がなされない。さらに、基板温度が比較的低い場合には、Mgドープp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層110成長時にあまり顕著な横方向成長が生じないために、再成長開始後に、二次元的な成長に移行することができず、最後まで三次元成長が残ったものと考えられる。一方、AlN電流狭窄層109の開口部113上では、表面が清浄であるために基板温度が低温でも再成長初期から平坦な二次元成長が実現されたと思われる。
第三に、本実施例の構成によれば、広い範囲の電極から注入された電流を開口部に集めることができ、低抵抗で良好なI−V特性を有する素子を実現することができる。本実施例では、図1に示すように、低抵抗のp型GaNコンタクト層111が、凹凸表面に沿って水平方向に延在し、電流狭窄層の上部の領域から前記開口部の上部の領域にわたって連続的に形成される。このため、広い範囲の電極から電流を集めることができ、上記のような効果が得られる。
[実施例2]
本発明によるインナー・ストライプ型半導体レーザの他の例について図7を参照して説明する。本実施例では、実施例1におけるMgドープp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層110に代え、Mgドープp型AlGaN/GaN超格子クラッド層501を採用した。p型GaNコンタクト層111表面の凹凸の様子は実施例1と同様に六角錘状である(図7)。
本実施例では、超格子クラッド層およびその上のコンタクト層が凹凸構造を有する。かかる構成をとることにより、本実施例の半導体レーザは、超格子クラッド本来の機能を損なうことなく、p電極の密着性を改善するとともに素子抵抗を低減することができる。
本実施例に係るレーザ素子に電流注入をしたところ、レーザ出力30mWの動作電圧は、4.5Vと非常に良好な電気特性が得られた。このように良好な電気特性が得られたのは、p型電極112とp型GaNコンタクト層111との接触(オーミック・コンタクト)が十分に確保されていることによると考えられる。
対照実験として、実施例2の半導体レーザと同様の構造を有するインナー・ストライプ型半導体レーザを、ドライエッチングを用いて試作した。
本例の半導体レーザの構造について図8を参照して説明する。本例では、Siドープn型GaN層103からMgドープp型GaN光閉込層108まで(ただし、InGaN MQW活性層106を除く)と、Mgドープp型AlGaN/GaN超格子クラッド層501およびMgドープp型GaNコンタクト層111とは、本MOVPE装置の(Al)GaN形成最適温度1,080℃で形成されている。したがって、結晶成長が終了した段階では、表面は平坦である。その後、ドライエッチングを施すことにより、表面に凹凸を形成した。このようにドライエッチで表面に凹凸を形成した場合の特徴は、Mgドープp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層110とMgドープp型GaNコンタクト層111との界面など、層構造の内部は平坦に形成されていることである(図8)。この構造においては、p型GaNコンタクト層111および超格子クラッド層501の一部が、凹部のところで分断された形態となっている。
得られた半導体レーザのレーザ出力30mWの動作電圧は、5.8Vと高い値であった。ドライエッチングで表面に凹凸を形成した場合には、充分に低い素子抵抗が得られなかった理由は、以下のように推察される。
凹凸をドライエッチングで形成した場合は、ドライエッチングの際に、エッチング粒子に曝された面の損傷が激しく、p型電極との間のコンタクト抵抗が高くなり、素子抵抗が非常に高くなる。また、p型電極の有効面積が狭く、I−V特性が低下する。こうした問題は、超格子クラッド層を採用した場合、特に顕著となる。超格子クラッド層を採用する場合、凹部のところで分断が生じてなければ、図7に示すように、広い範囲の電極から注入された電流を集めることができるようになるからである。
実施例2のように、成長により表面に凹凸を形成した場合、超格子構造を構成する薄層は、当初非結晶質である電流狭窄層上面に形成される凹凸表面の形状に沿って水平方向に延在する形状を有する。すなわち、超格子構造を構成する薄層間の界面が、電流狭窄層の上面に形成される凹凸形状に沿うように積層される。上記薄層は、層内横方向の抵抗率が低いため、図7で示すように、レーザ・ストライプ近傍の広い範囲の電極から注入された電流が、レーザ・ストライプ(開口部)に集まり、結果として、低い抵抗、良好なI−V特性が実現される。
一方、図8のようにドライエッチングにより表面に凹凸を形成する場合、(Al)GaN形成最適温度で形成される超格子構造を構成する薄層は、電流狭窄層上面においても、基板水平面に沿って積層される。すなわち、超格子構造を構成する薄層間の界面が、基板水平面と平行に形成される。このため、ドライエッチングにより形成される凹凸部では、各薄層が分断された構造となり、ドライエッチングにより損傷を受けていない狭い範囲から注入された範囲からしか電流を集めることができず、超格子クラッド層によるI−V改善効果を充分に得ることが困難となる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、上記実施例では、電流狭窄層109の材料としてAlNを用いたが、電流をブロックすることができれば他の物質でも構わない。特に、一般式InGaAl1−x−yN(0≦x≦0.4、0≦y≦0.4、x+y≦0.4)で表される層は、上下の層(例えば、p型GaNガイド層108やMgドープp型Al0.1Ga0.9Nクラッド層110)と結晶構造や格子定数が近く、相性が良いので好ましい。
また、上記実施例1、2では、コンタクト層111として、GaNを用いたが、InGaAl1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、a+b≦1)により構成してもよい。なお、コンタクト層111として、InGaAl1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、a+b≦1)を用いる際、Alの組成(1−a−b)は、0≦(1−a−b)≦0.4の範囲に選択することが望ましい。通常、p型コンタクト層111は、p型クラッド層110と比較して、そのAlの組成を低く選択し、同時に、禁制帯幅Egも、より小さくすることが好ましい。
加えて、上記実施例1、2のように、コンタクト層111として、p型ドープのコンタクト層を持ち、p型電極をその上に形成する素子構造において、本発明の効果がより顕著に発揮される。その際、電流狭窄層109に設ける開口部113への電流集中は、p型電極112から、p型コンタクト層111、p型クラッド層110を介して、開口部113に達する間に電流の集中が進む。従って、p型電極112とp型コンタクト層111との界面では、単位面積当たりの電流密度は低減する。一方、p型クラッド層110、p型コンタクト層111の厚さ、ドーピング濃度は、前記電流の集中過程に応じて、適宜選択することができる。
上記実施例1、2では、端面発光型の窒化ガリウム半導体レーザの適用例について説明したが、レーザではない発光素子や、さらには発光素子ではない半導体光素子、たとえば受光素子等においても、本発明は支障なく実施することができる。また、本発明は、面発光レーザに適用することもできる。この場合、上記凹凸表面にリング状の上部電極を設け、開口部を発光窓とする。この場合、凹凸を有する部分で電極とのコンタクトがとられる一方、開口部上部の平坦面から光が出射される構造となり、発光効率および電極密着性に優れる半導体レーザが得られる。

Claims (14)

  1. III族窒化物半導体からなる半導体層と、
    前記半導体層上に設けられ、所定の開口部を有する電流狭窄層と、
    前記半導体層上に設けられている前記電流狭窄層および前記開口部の上部に設けられ、前記電流狭窄層の上部となる領域に形成される部分は凹凸表面を有するコンタクト層と、
    前記凹凸表面部分を有する前記コンタクト層の上面に設けられた電極と、
    を備える
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  2. 請求項1に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記コンタクト層は、前記電流狭窄層の上部となる領域に形成される前記凹凸表面部分が該凹凸に沿って水平方向に延在している形状を有する
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  3. 請求項1または2に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記コンタクト層は、前記電流狭窄層の上部の領域から前記開口部の上部の領域にわたって連続的に形成されている
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記コンタクト層は、前記電流狭窄層の上部の領域において凹凸表面を有し、前記開口部の上部の領域において平坦表面を有する
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記凹凸表面の二乗平均粗さが前記コンタクト層の厚みよりも大きい
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記凹凸表面の二乗平均粗さが10nm以上である
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記凹凸表面は、結晶面により構成されている
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記凹凸表面は、六角錐状のピットを含む
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記電流狭窄層と前記コンタクト層との間に、超格子構造のクラッド層を備え、
    前記超格子構造を構成する薄層は、前記凹凸表面に沿って水平方向に延在する形状を有する
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記コンタクト層は、InGaAl1−a−bN(0≦a≦1、0≦b≦1、a+b≦1)により構成される
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記電流狭窄層は、InGaAl1−x−yN(0≦x≦0.4、0≦y≦0.4、x+y≦0.4)により構成される
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記電流狭窄層は、AlNにより構成される
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のIII族窒化物半導体光素子において、
    前記半導体層の下に活性層を備える
    ことを特徴とするIII族窒化物半導体光素子。
  14. 基板の上部にIII族窒化物半導体からなる半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層上に、所定の開口部を有する電流狭窄層を形成する工程と、
    前記半導体層上に形成される前記電流狭窄層および前記開口部の上部に、1000℃以下の成長温度でIII族窒化物半導体を成長させ、前記電流狭窄層の上部の領域に形成される部分は凹凸表面を有するコンタクト層を形成する工程と、
    前記凹凸表面を有するコンタクト層上に電極を形成する工程と、
    を備えることを特徴とするIII族窒化物半導体光素子の製造方法。
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