JPWO2005118804A1 - Alicyclobacillus属細菌の特異的検出方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、Alicyclobacillus属細菌を他の細菌と区別して特異的に検出するための迅速、簡便、且つ低コストな方法を提供することである。(1)被験試料について、配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、または配列番号3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、(2)得られたPCR産物を、配列番号5または6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び(3)上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程を有する、Alicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。

Description

本発明は、Alicyclobacillus属細菌、特に、Alicyclobacillus acidoterrestrisを特異的に検出するための方法に関する。さらに、本発明は、Alicyclobacillus属細菌、特に、Alicyclobacillus acidoterrestrisに特異的なDNA配列を増幅するためのプライマー及び当該DNA配列を特異的に標識するためのプローブ、並びに該プライマー及び該プローブの組み合わせに関する。
Alicyclobacillus属細菌は、酸性および高温の条件下でよく生育し芽胞を形成するという特徴をもつ細菌である。Alicyclobacillus属細菌は、芽胞を形成することからBacillus属に分類されていたが、その特異な性質及び16S rDNAの遺伝子配列から、1992年にBacillusとは独立した新しい属に分類されるものとして提案された。
前述のように高温条件下で酸性を好むという特異な性質を持つことから、当初Alicyclobacillus属細菌は基礎的な研究材料として非常に注目されていた。しかし、1984年に西ドイツで起ったリンゴジュースの大規模な微生物汚染の原因がAlicyclobacillus acidoterrestris(A. acidoterrestris)であることが判明すると、当該細菌は、食品事故を引き起こす細菌として問題視されるようになった。その後、日本においてもA.acidoterrestrisによる酸性飲料の汚染事故(異臭)が報告されるようになった(非特許文献1)。
従来、A.acidoterrestrisを検出するための方法として、ペルオキシダーゼ法((社)日本果汁協会 耐熱性好酸性菌統一検査法 平成15年3月17日、および、特許文献1を参照のこと)と温度差法((社)日本果汁協会 耐熱性好酸性菌統一検査法 平成15年3月17日を参照のこと)が採られてきた。
ペルオキシダーゼ法は、A. acidoterrestrisがバニリン酸を資化してグアイアルコールを生産する能力を有することに基づく方法である。当該方法は、グアイアルコールを過酸化水素とペルオキシダーゼで処理することにより生成されたテトラグアイアルコールの吸光度を測定することによって判定を行う。しかしながら、この方法は、菌の活性に左右されるため、判定結果が偽陽性又は偽陰性になりやすいという欠点をもつ。
温度差法は、A. acidoterrestrisと他の耐熱性好酸性菌の生育至適温度が異なることに基づく方法である。当該方法では、被験菌を異なる温度で同時に培養し、各培養温度でのコロニー形成の有無を観測することによって判定を行う。しかしながら、この方法は、結果が得られるまでに3〜4日の時間を必要とするという欠点を有する。
また、細菌の汚染の有無を検出する方法として慣例的に用いられているのが、シークエンス法である。この方法では、被験菌のDNA(例えば、16S rDNA)の塩基配列を決定し、得られた配列をデータベースと照らし合わせ、それらの相同性から菌種を同定する(例えば、非特許文献2)。しかし、このような塩基配列を基にした菌種の同定法は、ほぼ間違いなく細菌の特定ができる一方で、結果が得られるまでに3〜4日の時間を必要とし、又操作が煩雑であり且つ高コストであるという問題をもつ。
昨今、食品の安全性に対する消費者の意識が高まっている中で、食品事故を未然に防ぐための対策を講ずることが一層重要とされている。そこで、A. acidoterrestrisをはじめとする食品汚染の原因菌となり得るAlicyclobacillus属細菌を特異的に検出するためのより迅速且つ低コストな手段が強く求められている。
特開2004-201668公報 後藤慶一 高温性好酸性芽胞形成細菌:Alicyclobacillus属細菌防菌防黴 Vol.28 No.8 499-508 (2000) 佐々木次雄、棚元憲一、平成13年度「日本薬局方の試験法に関する研究」研究報告−遺伝子解析による微生物の迅速同定法− 医薬品研究 33(12) 763-769(2002)
本発明の課題は、Alicyclobacillus属細菌を他の細菌と区別して特異的に検出するための迅速且つ簡便な方法を提供することである。又、本発明は、かかる方法を好適に実施するために用いられるツールを提供することを課題とする。
本発明者らは、Alicyclobacillus属細菌を特異的に検出するための新規な方法を開発すべく鋭意研究を行った。その結果、ある特定の配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを実施することにより、Alicyclobacillus属細菌が特異的に有するDNA配列を増幅することができ、又、ある特定の配列を有するオリゴヌクレオチドをプローブとして用いることにより、得られた増幅DNA産物(PCR産物)を選択的に標識することができることを見出し、これにより、Alicyclobacillus属細菌を、大腸菌、枯草菌、黄色ブドウ球菌及びサルモネラ菌といった他の属に属する細菌と区別して特異的に検出することが出来ることを確認した。更に、本発明者らは、かかるプライマー及びプローブを用いることにより、Alicyclobacillus属細菌の中でも、特に食品事故を引き起こす細菌として問題視されている、A. acidoterrestrisを特異的に検出することが出来ることを確認した。本発明は、かかる知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を有する。
項1.
(1)被験試料について、配列番号1に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、または配列番号3に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号4に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
(2)得られたPCR産物を、配列番号5または6に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
(3)上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
を有する、Alicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
項2.
(1)被験試料について、配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、または配列番号3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
(2)得られたPCR産物を、配列番号5または6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
(3)上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
を有する、項1に記載のAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
項3.
前記プローブが固相に固定化されている、項1に記載のAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
項4.
上記(3)検出工程の前に、ハイブリダイズ産物を固相に固定化する工程
を有する、項1に記載のAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
項5.
Alicyclobacillus属細菌が、バニリン資化性を有する、項1に記載の方法。
項6.
Alicyclobacillus属細菌が、Alicyclobacillus acidoterrestrisである、項5に記載の方法。
項7.
(1')被験試料について、配列番号1に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
(2')得られたPCR産物を、配列番号6に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
(3')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
を有するか、または
(1'')被験試料について、配列番号3に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号4に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
(2'')得られたPCR産物を、配列番号5または6に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
(3'')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
を有する、Alicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出方法。
項8.
(1')被験試料について、配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
(2')得られたPCR産物を、配列番号6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
(3')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
を有するか、または
(1'')被験試料について、配列番号3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
(2'')得られたPCR産物を、配列番号5または6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
(3'')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
を有する、項7に記載のAlicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出方法。
項9.
前記プローブが固相に固定化されている、項7に記載のAlicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出方法。
項10.
上記(3')または(3'')の検出工程の前に、ハイブリダイズ産物を固相に固定化する工程を有する、項7に記載のAlicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出方法。
項11.
被験試料が飲食物、化粧品、ヘアケア化粧品、デンタルケア製品またはそれらの原料である、項7に記載のAlicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出方法。
項12.
(1''')被験試料について、配列番号1に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
(2''')得られたPCR産物を、配列番号5に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
(3''')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
を有する、バニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
項13.
(1''')被験試料について、配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
(2''')得られたPCR産物を、配列番号5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
(3''')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
を有する、項12に記載のバニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
項14.
前記プローブが固相に固定化されている、項12に記載のバニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
項15.
上記(3 ''')の検出工程の前に、ハイブリダイズ産物を固相に固定化する工程を有する、項12に記載のバニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
項16.
被験試料が飲食物、化粧品、ヘアケア化粧品、デンタルケア製品またはそれらの原料である、項12に記載のバニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
項17.
配列番号1に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号2に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号3に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも1つのオリゴヌクレオチドからなる、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのプライマー。
項18.
配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号3に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも1つのオリゴヌクレオチドからなる、項17に記載のAlicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのプライマー。
項19.
下記(a')または(b')のいずれかの、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのプライマーセット:
(a')配列番号1に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、
(b')配列番号3に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号4に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット。
項20.
下記(a)または(b)のいずれかの、項19に記載のAlicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのプライマーセット:
(a)配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、
(b)配列番号3に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号4に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット。
項21.
下記(c')または(d')のいずれかの、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を標識するためのプローブ:
(c')配列番号5に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、
(d')配列番号6に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ。
項22.
下記(c)または(d)のいずれかの、項21に記載のAlicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を標識するためのプローブ:
(c)配列番号5に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、
(d)配列番号6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ。
項23.
項17に記載する(a)及び(b)並びに項18に記載する(a’)及び(b’)からなる群より選択される少なくとも1つのプライマーセットと、項19に記載する(c)及び(d)並びに項20に記載する(c’)及び(d’)からなる群より選択される少なくとも1つのプローブを有する、Alicyclobacillus属細菌を特異的に検出するための試薬キット。
項24.
配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号3に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのPCRにおけるプライマーとしての使用。
項25.
下記(a)または(b)のいずれかのプライマーセットの、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのPCRにおける使用:
(a)配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、
(b)配列番号3に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号4に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット。
項26.
下記(c)または(d)のいずれかのプローブの、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を標識するための使用:
(c)配列番号5に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、
(d)配列番号6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ。
項27.
配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、並びに、配列番号6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、或いは、
配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、並びに、配列番号5又は6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、
のAlicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出のための使用。
項28.
配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、並びに、配列番号6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、のバニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出のための使用。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、被験試料を対象として、Alicyclobacillus属に属する細菌(本書において、単に、Alicyclobacillus属細菌ともいう)を特異的に検出する方法を提供する。当該本発明の方法は、基本的に、(1)PCR(Polymerase Chain Reaction)を利用してAlicyclobacillus属細菌が特有に保有するDNA配列を増幅するための工程(PCR工程)、(2)当該PCR工程によって増幅されたAlicyclobacillus属細菌特有のDNA配列(PCR産物)を、プローブとハイブリダイズする工程(ハイブリダイゼーション工程)、及び(3)当該ハイブリダイゼーション工程で得られたハイブリダイズ産物(PCR産物-プローブ)を検出する工程(検出工程)を有する。
(1)PCR工程
PCR工程は、基本的に少なくとも(I)変性、(II)アニーリング、及び(III)伸長の3つのステップを繰り返し実施することによって行なわれる。本発明の方法で用いられるPCR工程は、上記(II)アニーリングのステップにおいて、配列番号1に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーと配列番号2に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー、または配列番号3に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーと配列番号4に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーをそれぞれプライマーセットとして、さらに好ましくは、配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーと配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマー、または配列番号3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーと配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーをそれぞれプライマーセットとして用いることを特徴とする。
なお、これらのプライマーは5'末端が標識されているオリゴヌクレオチドであってもよい。プライマーとしてかかる5'末端が標識されているオリゴヌクレオチドを用いると、5'末端が標識された態様でPCR産物を取得することができる。5'末端の標識には、制限はされないが、例えば、ジゴキシゲニン(DIG)、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、酵素(西洋わさびパーオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ(AP)等)、放射性同位体(32P、131I、35S、45Ca、3H、14C等)、蛍光色素(例えば、CyDye、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)等)等の当該分野で使用される標識剤を同様に使用することができる。好ましくは、ジゴキシゲニン、ビオチンである。
最も好適なプライマーセットとしては、下記(A)または(B)に示す、forwardプライマーとreverseプライマーからなるプライマーセットを挙げることができる。またこれらのforwardプライマー及びreverseプライマーも、上記と同様に、各々5'末端が標識されているオリゴヌクレオチドであってもよい。
(A)プライマーセット
forwardプライマー:cacgtgggcaatctgccttt(配列番号1)
reverseプライマー:gagccgttacctcaccaact(配列番号2)
(B)プライマーセット
forwardプライマー:cagactggaataacactcgg(配列番号3)
reverseプライマー:ctacgcatcgtcgccttggt(配列番号4)
これらの各プライマーは、常法(例えば、ホルムアミド法(Beaucage and Carruthers,
Tetra. Letts. 22:1859-1862, 1981)又はトリエステル法(Matteucci and Caruthers,J. Amer. Chem. Soc., 103, 3185, 1981))により合成することができる。簡便には、自動合成装置を用いて合成したり、受託業者から合成品を入手することもできる。
ここで、PCRを行う被験試料は、Alicyclobacillus属細菌を含み得るものであればよく、特に制限されない。なお、「含み得る」とはAlicyclobacillus属細菌を含む可能性のあるものであればよく、実際にAlicyclobacillus属細菌を含んでいる必要はない。かかる被験試料としては、特に制限されないが、飲食物、化粧品、ヘアケア化粧品、デンタルケア製品またはそれらの原料等といったAlicyclobacillus属細菌を含むことによって商品価値や安全性が損なわれる製品である。特に好ましくは飲食物である。
なお、かかる被験試料は、PCR工程に供される前に、必要に応じて、DNA抽出、溶菌、インキュベーション、静置培養、振とう培養、濃縮、希釈、均質化等の操作を行ってもよい。
PCR工程において、(I)変性は、二重鎖のDNAを一本鎖DNAに解離させるステップである。その限りにおいて制限されないが、通常92〜96℃、好ましくは94℃前後で0.5〜1分、好ましくは0.5分程度処理することによって実施することができる。次いで行われる(II)アニーリングは、変性によって解離した一本鎖DNAに相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを結合させて二本鎖を形成する反応である。かかる(II)アニーリングは、前述するプライマーセット、最も好ましくは上記 (A)または(B)のプライマーセットのforwardプライマー及びreverseプライマーの存在下で行われる。制限はされないが、当該(II)アニーリングステップは通常50〜68℃、好ましくは60℃前後で0.5〜1分、好ましくは0.5分程度処理することによって実施することができる。この際、上記(I)変性ステップで形成された一本鎖DNA上に、上記使用のプライマーの塩基配列と相補的な塩基配列がある場合に、当該プライマーは、その一本鎖DNAの相補的な塩基配列部位に結合する。次いで行われる(III)伸長ステップは、上記一本鎖DNAに結合したプライマーを起点として、当該一本鎖DNAを鋳型に、塩基配列を伸長していくステップである。かかるステップはDNAポリメラーゼと四種類の塩基〔デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP mixture):dATP、dCTP、dGTP及びdTTP〕の存在下で行われる。特に制限されないが、当該(III)伸長ステップは、通常70〜74℃、好ましくは72℃前後で0.5〜2分間、好ましくは1分程度処理することによって実施することができる。
なお、通常上記のステップ(I)〜(III)を含むPCR工程は、少なくとも、鋳型DNAとなり得るDNAを含む被験試料、PCRバッファー、プライマーセット、dNTP mixture、及びDNAポリメラーゼを含む一反応液中で、温度の上下(例えば、94℃前後→55℃前後→72℃前後→94℃前後)等のサイクルを繰り返すことによって実施することができ、斯くしてDNA合成の連鎖反応が起こり、当該反応液内で、被験試料に含まれるDNAを鋳型としてforwardプライマー及びreverseプライマーの間に挟まれた特定の塩基配列を有するDNAを増幅することが可能となる。なお、上記PCRのサイクル数は、特に制限されないが、通常20〜40回、好ましくは25〜35回を挙げることができる。
なお、上記反応においてDNAポリメラーゼは、PCRで一般に使用されるDNAポリメラーゼを広く使用することができるが、市販の耐熱性ポリメラーゼ、例えば、Taq(Promega社製)、KOD(TOYOBO社製) 、Pfu(Promega社製) 、Vent(NEB社製)等を好適に用いることができる。
また、PCR産物を標識された形態で取得する場合には、前述するようにプライマーとして5'末端が標識されてなるオリゴヌクレオチドを使用してもよいが、それ以外に、上記反応で使用するdNTP mixture(デオキシヌクレオシド三リン酸の混合物)として、dATP(5'-デオキシアデノシン5'-三リン酸)、dCTP(5'-デオキシシチジン5'-三リン酸)、dGTP(5'-デオキシグアノシン5'-三リン酸)及びdTTP(5'-デオキシチミジン5'-三リン酸)に加えて、例えばジゴキシゲニン(DIG)やビオチン(Biotin)で標識してなるDIG-11-dUTP(5'-デオキシウリジン5'-三リン酸)やBiotin-16-dUTP等のように、任意の標識剤で標識されてなるdUTPを含むものを使用することもできる。またdNTP mixture としてdATP、dCTP、dGTP及びdTTPのいずれか少なくとも1つが放射性同位体(RI)、化学発光剤、または蛍光色素などの任意の標識剤で標識されてなるものを使用することもできる。
PCRバッファーは、使用するDNAポリメラーゼの種類等に応じて、適宜調製することができる。簡便には市販品を用いることもできる。
また上述するPCRの反応条件(反応温度、反応時間、反応サイクル等)は一例であって、使用するDNAポリメラーゼの種類、目的PCR産物の大きさ、各プライマーのTm値などに応じて、適宜設定し調整することが可能である。
なお、PCR反応の温度制御は、簡便には、市販のサーマルサイクラー(例えば、iCycler Thermal Cycler(Bio-Rad Laboratory社製) 、TaKaRa PCR Thermal Cycler(TaKaRa社製)等を用いて行うことができる。
(2)ハイブリダーゼーション工程
本発明でいうハイブリダーゼーション工程は、上記PCR工程によって増幅されたDNA配列(PCR産物)を、当該DNA配列を特異的に認識するオリゴヌクレオチドプローブ(ハイブリダーゼーションプローブ)とハイブリダイズさせる工程である。
ここでプローブとして用いられるオリゴヌクレオチドとしては、配列番号5に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及び配列番号6に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、より好ましくは、配列番号5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及び配列番号6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを挙げることができる。最も好適なプローブとしては、下記(C)または(D)に示すオリゴヌクレオチドからなるプローブを挙げることができる:
(C) プローブ:gtgctaatgccggataatacacggg(配列番号5)
(D) プローブ:acttgtgttgaaagatgcaac(配列番号6)。
なお、これらのプローブは、適当な標識剤で標識されていてもよい。ここで標識剤としては、前述するようにジゴキシゲニン(DIG)、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、酵素(西洋わさびパーオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ(AP)等)、放射性同位体(32P、131I、35S、45Ca、3H、14C等)、蛍光色素(例えば、CyDye、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)等)等の当該分野で一般的に使用される標識剤を広く挙げることができる。
プローブは前述するプライマーセットとの特定の組み合わせで使用されることが好ましい。Alicyclobacillus属細菌を他の属に属する細菌から区別して特異的に検出する方法において、上記のプローブはいずれも、前述するプライマーセット、最も好ましくは上記 (A)または(B)のプライマーセットを用いたPCR工程で得られるPCR産物とのハイブリダイゼーションに好適に使用することができる。
ここでAlicyclobacillus属以外の細菌としては、大腸菌、枯草菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌等を挙げることができる。またAlicyclobacillus属細菌としては、好適にはAlicyclobacillus acidoterrestris(A. acidoterrestris)を挙げることができる。当該A. acidoterrestrisは、バニリン資化性を有し、しかも高温条件で酸性を好むという性質をもつことから、特に食品分野では、従来より酸性飲料の汚染(悪臭)の原因菌として問題とされている細菌である。また、A. acidoterrestrisはそのバニリン資化性に基づいて悪臭を発生しえる菌であることから、飲食物だけでなく、化粧品、ヘアケア製品、デンタルケア製品、香料などの、香りが重要とされる製品においても、当該A. acidoterrestrisのコンタミネーションは問題となる。
Alicyclobacillus属細菌の中でも特にA. acidoterrestrisを特異的に検出するためには、配列番号1に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号2に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、より好ましくは配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、最も好ましくは上記(A)のプライマーセットを用いたPCR工程で得られるPCR産物に対して、配列番号6に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、より好ましくは配列番号6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、最も好ましくは上記(D)のプローブを用いることが好適であり、また、配列番号3に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号4に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、より好ましくは配列番号3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、最も好ましくは上記(B)のプライマーセットを用いたPCR工程で得られるPCR産物に対して、配列番号5または6に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、より好ましくは配列番号5または6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、最も好ましくは上記(C)または(D)のプローブを用いることが好適である。
また、Alicyclobacillus属細菌の中で、バニリン資化性を有し悪臭の原因となり得るA. acidoterrestris、A. hesperidumおよびA. hesperidensisを、Alicyclobacillus属以外の細菌やバニリン資化性のないAlicyclobacillus属細菌と区別して特異的に検出するためには、配列番号1に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号2に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、より好ましくは配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、最も好ましくは上記(A)のプライマーセットを用いたPCR工程で得られるPCR産物に対して、配列番号5に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、より好ましくは配列番号5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、最も好ましくは上記(C)のプローブを用いるのが好適である。
(3)検出工程
当該検出工程は、上記ハイブリダーゼーション工程によって得られたハイブリダイズ産物(PCR産物-プローブ)を検出する工程である。当該検出は、例えば、(1)PCR工程において、5'末端を標識したプライマー若しくは標識核酸を含むdNTP mixtureを用いることによって、標識PCR産物を得ている場合には、当該PCR産物(標識PCR産物-プローブ)の標識を指標として、また(2)ハイブリダーゼーション工程において、ハイブリダイゼーションプローブとして標識プローブを用いることによって、標識ハイブリダイズ産物(PCR産物-標識プローブ)を得ている場合には、当該プローブの標識を指標として行うことができる。当該検出のために使用される標識剤としては、ジゴキシゲニン(DIG)、放射性同位体(32P、131I、35S、45Ca、3H、14C等)、蛍光色素(例えば、CyDye、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)等)を用いることが好ましい。かかる標識剤の検出は、使用する標識剤に応じて慣例的な方法により行うことができる。例えば、ハイブリダイズ産物がジゴキシゲニン(DIG)で標識されている場合には、当該標識ハイブリダイズ産物をアルカリフォスファターゼ(AP)やパーオキシダーゼ(POD)などの酵素で標識した抗ジゴキシゲニン抗体と反応させ、次いで当該酵素の基質(APの場合は、Nitroblue tetrazolium chloride及び5-blomo-4-chloro-3-indolyl phosphate:PODの場合は、TMBまたは2,2'-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸(ABTS))と反応させて発色を検出する方法を;ハイブリダイズ産物が蛍光色素で標識されている場合は当該標識ハイブリダイズ産物の蛍光強度を検出する方法を;ハイブリダイズ産物が放射性同位体で標識されている場合は、当該標識ハイブリダイズ産物の放射能の有無をオートラジオグラフィーを用いて検出する方法を挙げることができる。
(4)固定化工程
なお、本発明の方法は、上記(2)ハイブリダイゼーション工程に先だって、プローブを任意の固相に固定化する固定化工程、または上記(3)検出工程に先だって、(2)ハイブリダイゼーション工程で得られたハイブリダイズ産物を任意の固相に固定化する固定化工程を有することもできる。
当該プローブ又はハイブリダイズ産物の固相への固定化は、制限はされないが、好ましくはビオチンとアビジン(またはストレプトアビジン)との結合反応を利用して行うことができる。具体的には、ビオチンで標識したプローブを、或いはビオチンで標識したPCR産物を用いて調製されたハイブリダイズ産物(ビオチン標識PCR産物-プローブ)またはビオチンで標識したプローブを用いて調製されたハイブリダイズ産物(PCR産物-ビオチン標識プローブ)を、予めアビジン(またはストレプトアビジン)を結合させておいた固相と反応させることによって、ビオチンとアビジン(またはストレプトアビジン)との結合を介して、固相に固定化することができる。プローブを固定化する場合、当該プローブにハイブリダイズさせるPCR産物は、前述する検出のために好適に用いられる標識剤で標識されていることが好ましい。ハイブリダイズ産物を固定化する場合、ハイブリダイズ産物のビオチンで標識されていない側(すなわちPCR産物がビオチンで標識されている場合はプローブ、プローブがビオチンで標識されている場合はPCR産物)は、前述する検出のために好適に用いられる標識剤で標識されていることが好ましい。斯くして、固相に固定化させた特定のハイブリダイズ産物を特異的に検出することが可能となる。
すなわち、本発明のAlicyclobacillus属細菌、特にA. acidoterrestrisを特異的に検出する方法は、好適にはPCR ELISAの原理を利用して行うことができる。PCR ELISAとは、PCRにより増幅された産物の有無をELISAにより検出する方法である。PCR ELISAでは、予めPCR産物及びプローブをそれぞれ別の標識剤で標識しておく。次いで、プローブとPCR産物をハイブリダイズさせてハイブリダイズ産物を形成させ、当該ハイブリダイズ産物のPCR産物またはプローブのいずれかの標識剤を介して固相に固定化する。その後、固相に固定化されなかった物質を取り除き、次いで、ハイブリダイズ産物の標識剤(固定化に使用しない別の標識剤)を任意の検出用物質(例えば、抗体など)で検出する。なお、かかる説明は、本発明の1つの実施形態として使用するPCR ELISA法の原理についてより容易に理解するための単なる説明であり、この方法に限定されるものではない。PCR ELISA法の詳細な手順については、Roche Molecular Biochemicals PCR Applications Manual 2nd edition 等を参照することができる。
なお、上記固定化に使用される固相としては、特に制限されることなく、当該分野で使用されるシャーレやプレート(マイクロプレートを含む)、ストリップ、ビーズ等を広く用いることができる。
本発明は、また上記Alicyclobacillus属細菌、特にA. acidoterrestrisを特異的に検出する方法に利用されるプライマー(プライマーセット)及びプローブを提供する。これらのプライマー(プライマーセット)及びプローブについては、前述の通りである。
本発明は、本発明のAlicyclobacillus属細菌、特にA. acidoterrestrisを特異的に検出する方法を簡便に実施するために好適に利用される試薬キットを提供する。当該試薬キットは、キットの構成成分として、少なくとも上記プライマー(プライマーセット)及びプローブを含むことを特徴とするが、他の成分として、例えばPCRバッファー、DNAポリメラーゼ、DIG-11-dUTPやBiotin-16-dUTPを含んでいてもよいdNTP mixture、滅菌水、固相(マイクロプレートなど)等を1種または2種以上組み合わせて含むものであってもよい。
以下に本発明の実施例を示すが、かかる実施例は本発明をより容易に理解するための単なる例示であって、本発明を限定することを意図しない。
1.微生物からのDNA溶液の調製
単離したAlicyclobacillus acidoterrestris、大腸菌(Escherichia coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及びサルモネラ菌(Salmonella enteritidis)を白金耳で釣菌し、PrepManTMUltra(Applied Biosystems)200μLに懸濁した。この懸濁液を100℃で10分間加熱することにより、細胞を溶菌した。3000rpmで5分間遠心した後、上清を回収し、DNA溶液とした。
2.PCR ELISA法
PCR ELISA法には、以下の表1に示す組み合わせのforwardプライマー、reverseプライマー及びプローブを用いた。このプローブは、3’末端をビオチン標識して用いた。3’末端のビオチン標識は、市販のキットBiotin-16-2',3'-dideoxy-uridine-5'-triphosphate(Roche社)を用いて行った。また、標識方法については、Schmitz, G.G. et al. (1990) Anal. Biochem. 192, 222.を参照のこと。なお、プライマー名のF及びRは、それぞれforward(順方向)及びreverse(逆方向)を意味する。また、プローブ名のPは、probe(プローブ)を意味する。
Figure 2005118804
2−1.PCR
先ず、上記の表1に示すNo.1〜No.4のforwardプライマー及びreverseプライマーのセットを用いて、PCRを行った。ジゴキシゲニン(DIG)標識には、dATP、dCTP、dGTP、dTTP及びDIG-11-dUTPを含む試薬を備える市販のキットPCR ELISA (DIG-Labeling)(Roche社製)を用いた。このPCR ELISA (DIG-Labeling)を用いてPCRを行うことにより、増幅産物中にDIG-11-dUTPが取り込まれ、DIG標識された増幅産物が得られる。
PCRの反応溶液を、以下の組成になるように調製した。
Figure 2005118804
PCRの反応条件は、以下の表2に示す通りである。
Figure 2005118804
2−2.ELISA(DIGの検出)
DIG標識されたPCR産物の検出のために、市販のキットPCR ELISA (DIG Detection) (Roche社製)を用いて、以下の操作を行った。
先ず、DIG標識されたPCR産物を変性させて1本鎖にした後、3’末端をビオチン標識したプローブと混合し、50℃にて90分間振とうした。この反応液をストレプトアビジン固相化マイクロプレート(Roche社製)に加え、50℃で90分間振とうを行った。キット付属の洗浄液で5回洗浄を行った。次いで、ペルオキシダーゼ(POD)(Roche社製)で標識された抗DIG抗体(Roche社製)を加え、次いで、37℃で30分間振とうした。その後、キット付属の洗浄液で5回洗浄を行った。PODの基質である2,2'-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸(ABTSTM)を添加し(ここでは、キット付属のABTSTM1錠を5 mlの基質バッファーに溶解したものを使用した)、37℃で30分間振とうを行った。得られたサンプルについて、主波長492nm及び副波長620nmにて、吸光度を測定した。吸光度が1.0以上である場合++、1.0〜0.2である場合+、0.2以下である場合−として判定を行った。
3.PCR ELISAの結果
結果を以下の表3に示す。
Figure 2005118804
表3に示されるように、No.1〜No.4の全ての組み合わせにおいて、A.acidoterrestrisが検出されたが、大腸菌、枯草菌、黄色ブドウ球菌及びサルモネラ菌は検出されなかった。
4.考察
No.1〜No.4の全ての組み合わせにおいて、A.acidoterrestrisを他の属の細菌から区別して特異的に検出することができた。中でも、No.1及び2のプライマー及びプローブの組み合わせについては、A.acidoterrestrisと他の属の細菌との判定結果の差が大きく、非常に特異的にA.acidoterrestrisを検出することができることが分かる。
1.DNA溶液の調製
Alicyclobacillus属に属する4種類の細菌であるA.acidoterrestris、A.acidocaldarius、A.hesperidensis及びA.hesperidumを用いて、実施例1と同様の手順に従って、DNA溶液を調製した。
2.PCR ELISA法
実施例1と同様に、PCR ELISA法を行った。プライマー及びプローブについては、前記表1のNo.1〜No.4に示す組み合わせのforwardプライマー、reverseプライマー及びプローブを用いた。
3.PCR ELISAの結果
結果を以下の表4に示す。
Figure 2005118804
表4に示されるように、No.2〜4のプライマー及びプローブの組み合わせにおいては、A.acidoterrestrisのみが検出され、他のAlicyclobacillus属細菌は検出されなかった。No.1の組み合わせにおいては、A.acidoterrestrisに加え、A.hesperidum及びA.hesperidensisも検出され、A.acidocaldariusについては検出されなかった。
4.考察
No.1〜No.4の全ての組み合わせにおいて、バニリン資化性を有し汚染の原因菌として多数報告されているA.acidoterrestrisが検出され、バニリン資化性を有さず汚染の原因菌としても報告されていないA.acidocaldariusについては検出されなかった。
特に、No.2〜4のプライマー及びプローブの組み合わせでは、A.acidoterrestrisを他の全てのAlicyclobacillus属細菌から区別して特異的に検出した。それゆえ、No.2〜4の組み合わせは、A.acidoterrestrisのみを特異的に検出する組み合わせとして有用である。
一方、No.1プライマー及びプローブの組み合わせは、A.acidoterrestrisと比べて低レベルではあるが、バニリン資化性を有し汚染の原因菌となり得るA.hesperidum及びA.hesperidumの近縁種であるA.hesperidensisをも検出する。それゆえ、No.1の組み合わせは、バニリン資化性を有し異臭を引き起こし得る種類のAlicyclobacillus属細菌を包括的に検出する場合に有用である。
本発明は、迅速、簡便、且つ低コストなAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法を提供する。
本発明では、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するプライマー及び当該DNA配列を特異的に標識するプローブを用いるため、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列に基づいて、該細菌を他の属の細菌から区別して特異的に検出することが可能である。それゆえ、本発明を用いれば、菌の活性に影響されることなく、Alicyclobacillus属細菌を検出することができる。
本発明の方法は、PCRを利用する方法であるため、被験試料中のAlicyclobacillus属細菌が少量であっても検出することができ、検出感度が高い。
また、本発明のプライマー及びプローブの組み合わせによっては、バニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌を包括的に検出したり、Alicyclobacillus acidoterrestrisのみを特異的(又は、選択的)に検出したりすることができる。
本発明の方法は、菌の培養やDNA配列決定といった時間のかかる操作を必要としないので、迅速にAlicyclobacillus属細菌を検出することができる。また、本発明の方法は、配列決定のための高価な試薬や機器を必要としないので、低コストで行うことが可能である。

Claims (28)

  1. (1)被験試料について、配列番号1に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、または配列番号3に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号4に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
    (2)得られたPCR産物を、配列番号5または6に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
    (3)上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
    を有する、Alicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
  2. (1)被験試料について、配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、または配列番号3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
    (2)得られたPCR産物を、配列番号5または6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
    (3)上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
    を有する、請求項1に記載のAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
  3. 前記プローブが固相に固定化されている、請求項1に記載のAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
  4. 上記(3)検出工程の前に、ハイブリダイズ産物を固相に固定化する工程
    を有する、請求項1に記載のAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
  5. Alicyclobacillus属細菌が、バニリン資化性を有する、請求項1に記載の方法。
  6. Alicyclobacillus属細菌が、Alicyclobacillus acidoterrestrisである、請求項5に記載の方法。
  7. (1')被験試料について、配列番号1に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
    (2')得られたPCR産物を、配列番号6に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
    (3')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
    を有するか、または
    (1'')被験試料について、配列番号3に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号4に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
    (2'')得られたPCR産物を、配列番号5または6に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
    (3'')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
    を有する、Alicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出方法。
  8. (1')被験試料について、配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
    (2')得られたPCR産物を、配列番号6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
    (3')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
    を有するか、または
    (1'')被験試料について、配列番号3に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号4に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
    (2'')得られたPCR産物を、配列番号5または6に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
    (3'')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
    を有する、請求項7に記載のAlicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出方法。
  9. 前記プローブが固相に固定化されている、請求項7に記載のAlicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出方法。
  10. 上記(3')または(3'')の検出工程の前に、ハイブリダイズ産物を固相に固定化する工程を有する、請求項7に記載のAlicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出方法。
  11. 被験試料が飲食物、化粧品、ヘアケア化粧品、デンタルケア製品またはそれらの原料である、請求項7に記載のAlicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出方法。
  12. (1''')被験試料について、配列番号1に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
    (2''')得られたPCR産物を、配列番号5に示す塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
    (3''')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
    を有する、バニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
  13. (1''')被験試料について、配列番号1に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド及び配列番号2に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプライマーセットを用いてPCRを行う工程、
    (2''')得られたPCR産物を、配列番号5に示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブとハイブリダイズさせる工程、及び
    (3''')上記で得られたハイブリダイズ産物を検出する工程
    を有する、請求項12に記載のバニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
  14. 前記プローブが固相に固定化されている、請求項12に記載のバニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
  15. 上記(3 ''')の検出工程の前に、ハイブリダイズ産物を固相に固定化する工程を有する、請求項12に記載のバニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
  16. 被験試料が飲食物、化粧品、ヘアケア化粧品、デンタルケア製品またはそれらの原料である、請求項12に記載のバニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出方法。
  17. 配列番号1に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号2に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号3に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも1つのオリゴヌクレオチドからなる、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのプライマー。
  18. 配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号3に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも1つのオリゴヌクレオチドからなる、請求項17に記載のAlicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのプライマー。
  19. 下記(a')または(b')のいずれかの、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのプライマーセット:
    (a')配列番号1に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、
    (b')配列番号3に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号4に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット。
  20. 下記(a)または(b)のいずれかの、請求項19に記載のAlicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのプライマーセット:
    (a)配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、
    (b)配列番号3に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号4に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット。
  21. 下記(c')または(d')のいずれかの、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を標識するためのプローブ:
    (c')配列番号5に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、
    (d')配列番号6に示される塩基配列と少なくとも90%の同一性を示す塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ。
  22. 下記(c)または(d)のいずれかの、請求項21に記載のAlicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を標識するためのプローブ:
    (c)配列番号5に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、
    (d)配列番号6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ。
  23. 請求項17に記載する(a)及び(b)並びに請求項18に記載する(a’)及び(b’)からなる群より選択される少なくとも1つのプライマーセットと、請求項19に記載する(c)及び(d)並びに請求項20に記載する(c’)及び(d’)からなる群より選択される少なくとも1つのプローブを有する、Alicyclobacillus属細菌を特異的に検出するための試薬キット。
  24. 配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、配列番号3に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド、及び配列番号4に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも1つのオリゴヌクレオチドの、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのPCRにおけるプライマーとしての使用。
  25. 下記(a)または(b)のいずれかのプライマーセットの、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を増幅するためのPCRにおける使用:
    (a)配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、
    (b)配列番号3に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号4に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット。
  26. 下記(c)または(d)のいずれかのプローブの、Alicyclobacillus属細菌に特異的なDNA配列を標識するための使用:
    (c)配列番号5に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、
    (d)配列番号6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ。
  27. 配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、並びに、配列番号6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、或いは、
    配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、並びに、配列番号5又は6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、
    のAlicyclobacillus acidoterrestrisの特異的検出のための使用。
  28. 配列番号1に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるforwardプライマー、及び配列番号2に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるreverseプライマーを有するプライマーセット、並びに、配列番号6に示される塩基配列を有するオリゴヌクレオチドからなるプローブ、のバニリン資化性を有するAlicyclobacillus属細菌の特異的検出のための使用。
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