JPWO2005117042A1 - 可変キャパシタ - Google Patents

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Abstract

両端側の線路部35a,35a及び中央側のキャパシタ部35bを有する下部可動電極35と、両端側の線路部37a,37a及び中央側のキャパシタ部37bを有する上部可動電極37とを、キャパシタ部35b,37bが対向するように配置し、下部可動電極35を駆動する下部可動電極用アクチュエータ27a,27b,27c,27d及び上部可動電極37を駆動する上部可動電極用アクチュエータ29a,29b,29c,29dの駆動電極を、下部可動電極35及び上部可動電極37とは電気的に分離して設ける。これらのアクチュエータ27a〜27d及び/または29a〜29dにより、下部可動電極35及び/または上部可動電極37を移動させ、両キャパシタ部35b,37b間の距離を調整して静電容量を制御する。

Description

本発明は、可変キャパシタ及びその製造方法に関し、特に、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた対向する可動電極を有する可変キャパシタ及びその製造方法に関する。
可変キャパシタは、可変周波数発振器、同調増幅器、位相シフタ、インピーダンス整合回路などを含む電気回路において重要な部品であり、近年、携帯機器への搭載が増えてきている。現在主に使用されているバラクダダイオードに比べて、MEMS技術を用いて作製された可変キャパシタは、損失が小さくてQ値を高くできるという利点があり、その開発が急がれている。
図1(a),(b)は、従来の可変キャパシタの構成を示す断面図,平面図である(例えば、非特許文献1参照)。この可変キャパシタは、ユニモルフ型の圧電アクチュエータ12及び可動電極13を有する可動電極用基板11と、固定電極16を設置した固定電極用基板15とを、可動電極13及び固定電極16が対向するように、ソルダーバンプ14で接合させた構成をなしている。圧電アクチュエータ12の駆動によって可動電極13を移動させ、可動電極13及び固定電極16間の距離を変動させてキャパシタの容量を制御する。
Jan Y. Park, et al., "MICROMACHINED RF MEMS TUNABLE CAPACITORS USING PIEZOELECTRIC ACTUATORS", IEEE International Microwave Symposium, 2001
しかしながら、上述した従来の可変キャパシタには、以下のような問題がある。可動電極13と固定電極16とをソルダーバンプ14で接合させているため、両電極間の距離がソルダーバンプ14で制御されることになり、その距離を0に近い状態まで小さくすることができず、圧電アクチュエータ12が初期状態であるときのキャパシタの静電容量は大きくなれない。
キャパシタの静電容量Cとキャパシタを構成する電極間の距離dとの間には、C=ε0 εr S/d(ε0 :真空中の誘電率、εr :比誘電率、S:電極の面積)の関係があり、静電容量C及び電極間距離dとの関係を図2に示す。図2では、縦軸及び横軸の目盛りを初期状態C及びdで規格化している。圧電アクチュエータの変化量が一定である場合、両電極が離れた状態よりも、近づいた状態の方が静電容量の変化の割合が大きくなる。したがって、初期状態のときの静電容量が大きくなれない(小さい)ということは、静電容量の変化も大きくなれない(小さい)ことになる。
この従来例の可変キャパシタでは、図1(b)に示すように、可動電極13と圧電アクチュエータ12とがトーションバー17で接続されており、可動電極13と圧電アクチュエータ12用の駆動電極とは一体的に構成されて電気的に接続されている。キャパシタを構成する可動電極13までの線路に、幅が狭いトーションバー17が含まれているため、この部分が等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance) となって抵抗損失が発生し、しかも可変キャパシタに電気的に接続される信号線路と圧電アクチュエータ12用の駆動電極とが兼用されているため、この信号線路は高誘電体である圧電素子と接触して誘電損失が発生し、Q値が非常に小さくなるという問題がある。また可動電極13までの線路はインピーダンス整合が行えずに入力されたエネルギの損失、つまり挿入損失も発生している。そこで、本発明者は、この問題を解決するための技術開発を推し進めている。
なお、本発明者は、対向する2つの電極を何れも圧電アクチュエータにて駆動可能な構成とした可変キャパシタを提案している(特開2004−127973号公報)。このような2つの可動電極を対向させた構成をなす可変キャパシタでは、バンプが設けられていないため、両電極間の距離を容易に小さくできるので、小型の構成であっても大きな静電容量が得られると共に静電容量の変化を大きくできるという効果を奏する。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、小型の構成であっても静電容量を大きくできると共に静電容量の変化の割合を大きくでき、静電容量の微調整も可能であり、しかもQ値が高い可変キャパシタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、外部から入力された信号のエネルギ損失(挿入損失)を防止できる可変キャパシタ及びその製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、圧電アクチュエータの駆動電圧が小さくても大きな静電容量と静電容量の大きな変化とを得ることができる可変キャパシタ及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係る可変キャパシタは、対向する電極が移動可能である可変キャパシタにおいて、基板と、第1電極部及び第2電極部を有する可動電極と、前記可動電極を駆動する複数の圧電アクチュエータとを備え、前記可動電極が対向してキャパシタを構成しており、前記可動電極と信号パッドとを導電接続してあることを特徴とする。
本発明にあっては、可動電極と可動電極を駆動する圧電アクチュエータとを同一の基板に設けているため、小型の構成である。また、各可動電極を移動できるため、両可動電極間の距離を小さくできて、大きな静電容量と静電容量の大きな変化とを実現し、静電容量の微調整も容易である。また、キャパシタを構成する第2電極部までの線路(信号線)に相当する第1電極部と、圧電アクチュエータを駆動するための駆動電極とが電気的に分離しているため、第1電極部が圧電アクチュエータの圧電体(高誘電体)と接触せず、挿入損失を抑え、Q値の向上を図れる。
本発明に係る可変キャパシタは、前記可動電極は、前記第1電極部と第2電極部とを有しており、前記可動電極を上下に配置してあることを特徴とする。
本発明にあっては、キャパシタを構成する第2電極部への線路に相当する第1電極部には、従来例のような幅が狭いトーションバーが含まれておらず、等価直列抵抗を小さくできるため、Q値の向上を図れる。
本発明に係る可変キャパシタは、前記複数の圧電アクチュエータ夫々は、駆動電極と該駆動電極間に設けられた圧電素子とを含んでおり、前記駆動電極と前記可動電極とは別体であることを特徴とする。
本発明にあっては、キャパシタ用の可動電極と圧電アクチュエータ用の駆動電極とを別体で構成しているため、従来例のように線路部が圧電素子(高誘電体)に接触することが無くなり、Q値の向上を図れる。
本発明に係る可変キャパシタは、前記可動電極の第1電極部の両側に前記圧電アクチュエータを設けており、前記第1電極部と前記圧電アクチュエータの駆動電極とによりCPW型線路を構成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、CPW型線路における第1電極部の幅と第1電極部及び圧電アクチュエータの駆動電極の間隔とを調整することによりインピーダンス整合を容易に行えるため、挿入損失が無くなり、Q値の向上を図れる。
本発明に係る可変キャパシタは、前記可動電極の対向する前記第2電極部間に誘電体層を設けてあることを特徴とする。
本発明にあっては、キャパシタを構成する第2電極部間に誘電体層を設置しているため、静電容量及びその変化量の更なる増大を図れる。
本発明に係る可変キャパシタは、前記可動電極の少なくとも一方が接地電極に接続されていることを特徴とする。
本発明にあっては、一方の可動電極を接地電極に接続させることにより、浮遊容量を抑制する。
本発明に係る可変キャパシタは、前記可動電極の何れか一方の前記第1電極部と前記第2電極部との境界部近傍が電気的に分離されていることを特徴とする。
本発明にあっては、一方の可動電極が第1電極部と第2電極部との境界部近傍で電気的に分離されているため、一方の第1電極部に入力された信号が第2電極部を通りすぎて他方の第1電極部の端までたどり着き、そこで反射するようなことが無くなり、入力信号のエネルギ損失(挿入損失)を低減する。
本発明に係る可変キャパシタは、その対向方向に移動可能である可動電極と、該可動電極を駆動する複数の圧電アクチュエータとを備えた可変キャパシタにおいて、前記可動電極間に電圧を印加する電圧印加手段を備えており、前記圧電アクチュエータの駆動にて前記可動電極を接近させた状態で、前記電圧印加手段にて前記可動電極間に電圧を印加するように構成したことを特徴とする。
本発明にあっては、圧電アクチュエータの駆動により一対の可動電極を接近させた状態で、一対の可動電極間に電圧を印加することにより、一対の可動電極間に発生する静電引力によって両可動電極間の距離を更に小さくする。
本発明に係る可変キャパシタの製造方法は、電極が、圧電アクチュエータの駆動によって、移動可能である可変キャパシタを製造する方法において、基板に複数の前記圧電アクチュエータを形成する工程と、第1電極部及び第2電極部を有する可動電極を前記基板に形成する工程と、前記可動電極間に間隙を形成するための犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層を除去する除去工程と、前記複数の前記圧電アクチュエータの端部及び前記可動電極の第1電極部の端部を除く部分を前記基板から切り離す切離し工程とを有することを特徴とする。
本発明にあっては、同一の基板上に、一対の可動電極及びこれらを駆動する圧電アクチュエータを容易に形成する。
本発明に係る可変キャパシタの製造方法は、電極が、圧電アクチュエータの駆動によって、移動可能である可変キャパシタを製造する方法において、
基板に複数の前記圧電アクチュエータを形成する工程と、第1電極部及び第2電極部を有する可動電極を前記基板に形成する工程と、前記可動電極間に誘電体層を形成する工程と、前記可動電極の何れか一方及び前記誘電体層間に間隙を形成するための犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層を除去する除去工程と、前記複数の前記圧電アクチュエータの端部及び前記可動電極の第1電極部の端部を除く部分を前記基板から切り離す切離し工程とを有することを特徴とする。
本発明にあっては、同一の基板上に、一対の可動電極、これらを駆動する圧電アクチュエータ及び一対の可動電極間の誘電体層を容易に形成する。
本発明に係る可変キャパシタの製造方法は、前記除去工程及び前記切離し工程を同時的に行うことを特徴とする。
本発明にあっては、犠牲層の除去工程と端部を除いた可動電極及び圧電アクチュエータの基板からの切離し工程とを同時に行うことにより、作業効率が向上する。
本発明では、小型の構成であっても静電容量を大きくできると共に静電容量の変化の割合を大きくでき、静電容量の微調整も可能であり、耐衝撃性に優れた可変キャパシタを提供することができる。また、可動電極と圧電アクチュエータとを電気的に分離して、等価直列抵抗の原因となるトーションバーの構造を無くし、キャパシタ形成部(第2電極部)までに幅広い線路部(第1電極部)を確保したので、高いQ値を得ることができる。
また、本発明では、キャパシタ形成部分及びその周囲部分を基板から宙に浮かせた状態としたので、基板などの誘電率の影響が無くなり、高いQ値を得ることができる。
また、本発明では、第1電極部と第2電極部との境界部近傍で一方の可変電極を電気的に分離するようにしたので、外部から入力された信号のエネルギ損失(挿入損失)を防止することができる。
更に、本発明では、圧電アクチュエータの駆動により一対の可動電極を接近させた状態で、一対の可動電極間に電圧を印加するようにしたので、一対の可動電極間に発生する静電引力によって両可動電極間の距離を更に小さくすることができ、大きな静電容量と静電容量の大きな変化とを得ることができる。また、圧電アクチュエータの駆動により一対の可動電極を接近させた状態で、静電引力を発生させるため、小さな駆動電圧で大きな静電引力を発生できる。
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(第1実施の形態)
図3は第1実施の形態に係る可変キャパシタの斜視図、図4は同じくその分解斜視図である。図中21は、シリコン,化合物半導体などで形成される基板である。基板21の中央部に十字状の開口40が設けられ、基板21の上面には絶縁層23が設けられている。
図中、35,37は、何れもAl(アルミニウム)からなる下部可動電極,上部可動電極である。下部可動電極35は、第1電極部としての両端側の線路部35a,35aと第2電極部としての中央のキャパシタ部35bとから構成され、一方の線路部35aの端部は外部の高周波信号源(図示せず)から信号が入力される信号パッド45に接続され、他方の線路部35aの端部は絶縁層23上に接続されて接地電極44とは電気的に分離されている。これらの端部にて下部可動電極35は基板21に支持され、これらの端部を除く下部可動電極35の他の部分は開口40上に位置している。また、上部可動電極37は、第1電極部としての両端側の線路部37a,37aと第2電極部としての中央のキャパシタ部37bとから構成され、両方の線路部37a,37aの端部は何れも接地電極44に接続されている。これらの端部にて上部可動電極37は基板21に支持され、これらの端部を除く上部可動電極37の他の部分は開口40上に位置している。
これらの下部可動電極35及び上部可動電極37は、基板21の開口40に合わせて十字状に配置されており、下部可動電極35のキャパシタ部35bと上部可動電極37のキャパシタ部37bとが空気層を介して対向されている。この対向するキャパシタ部35b及びキャパシタ部37bにてキャパシタとして機能する。なお、互いに電気的に分離された下部可動電極35及び上部可動電極37は、何れもグランドから浮かせた状態で使用しても良いが、浮遊容量を抑える目的から、上部可動電極37を接地電極44に接続している。
下部可動電極35及び上部可動電極37は、それぞれ4つの下部可動電極用アクチュエータ27a,27b,27c,27d及び上部可動電極用アクチュエータ29a,29b,29c,29dで駆動される。これらの下部可動電極用アクチュエータ27a〜27d及び上部可動電極用アクチュエータ29a〜29dは、基板21の開口40に面している。下部可動電極用アクチュエータ27(代表して1つの下部可動電極用アクチュエータを説明する際には、単に参照符号27を用いる)及び上部可動電極用アクチュエータ29(代表して1つの上部可動電極用アクチュエータを説明する際には、単に参照符号29を用いる)は、圧電アクチュエータであって、絶縁層23とアクチュエータ用下部電極31と圧電層34とアクチュエータ用上部電極33とがこの順に下方から積層されたユニモルフ型の構成をなしている。アクチュエータ用下部電極31はPt/Ti(白金/チタン)から形成され、アクチュエータ用上部電極33はPtから形成されており、何れも下部可動電極35,上部可動電極37とは別体のものである。高周波信号源(図示せず)から信号パッド45に入力された信号は、下部可動電極35の線路部35aを通りキャパシタ部35bから空気層を介して、キャパシタ部35bに対向した上部可動電極37のキャパシタ部37b、線路部37aを経て接地電極44に流れ込む。下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29それぞれの圧電層34の分極方向を逆にすることにより、アクチュエータ駆動時の移動方向を相反するようにする。
下部可動電極用アクチュエータ27のアクチュエータ用上部電極33に下部可動電極駆動用電源(図示せず)から下部可動電極駆動パッド42に電圧を加えることにより、下部可動電極35は上部可動電極37側へ、上部可動電極用アクチュエータ29のアクチュエータ用上部電極33に上部可動電極駆動用電源(図示せず)から上部可動電極駆動パッド43に電圧を加えることにより、上部可動電極37は下部可動電極35側へ、それぞれ独立的に移動する。よって、下部可動電極用アクチュエータ27及び/または上部可動電極用アクチュエータ29を駆動することにより、上部可動電極37(キャパシタ部37b)と下部可動電極35(キャパシタ部35b)との距離を変化させることができ、所望の静電容量を得ることができる。
本発明では、高周波信号源からの信号が流れる線路部及びキャパシタ部と、アクチュエータを駆動するための駆動電極とが電気的に分離されている。そのため、線路部及びキャパシタ部がアクチュエータ中の圧電層(高誘電体)と接触することが無く、しかも周囲が空気であるために誘電損失が無くて、Q値を高くできる。図5は、図3のB−B線及びC−C線での断面を示している。下部可動電極35の線路部35a及び上部可動電極37の線路部37aは、接地電極44に接続されたアクチュエータ用下部電極31で挟まれるようになっている。即ち、これらの線路部35a及び37aは、CPW型の線路となり、アクチュエータ用下部電極31及び線路部35aまたは37aの間隔w1と、線路部35aまたは37aの幅w2とを調節することにより、線路部35aまたは37aのインピーダンスを50Ωにすることで、挿入損失を無くしている。
次に、図6及び図7を参照して、上記の構成を有する可変キャパシタの製造方法を説明する。なお、図6及び図7では、図3のA−A線での断面を示している。
シリコンを材料とする基板21上に、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、低応力の窒化シリコン層23aを形成し、その後、Pt/Ti(例えば、厚さ0.5μm/50nm)層31aと、ニオブ酸リチウム,チタン酸バリウム,チタン酸鉛,チタン酸ジルコン酸鉛,チタン酸ビスマスなどを材料とする圧電層34a(例えば、厚さ0.5μm)とを順次形成する(図6(a))。
そして、フォトリソグラフィ技術のパターニング処理により、圧電層34a,Pt/Ti層31aから所定形状の圧電層34,アクチュエータ用下部電極31を形成する(図6(b),(c))。この際のパターニング処理には、Cl2 /Ar(塩素/アルゴン)系ガスを使用したRIE(Reactive Ion Etching)装置またはイオンミリング装置などを使用する。
フォトリソグラフィ技術により、圧電層34の上にPt製のアクチュエータ用上部電極33を形成すると共に(図6(d))、窒化シリコン層23aをパターニングして絶縁層23を得る(図6(e))。なお、絶縁層23としては、窒化シリコン層以外に、スパッタリング法、熱酸化法、CVD法により形成した酸化シリコン層を利用しても良い。
次いで、所定形状のAlからなる下部可動電極35を基板21上に形成した後(図7(f))、レジスト材料からなる所定形状の犠牲層41を形成し(図7(g))、下部可動電極35に対向する位置に所定形状のAlからなる上部可動電極37を形成する(図7(h))。
そして、下部可動電極35と上部可動電極37と下部可動電極用アクチュエータ27と上部可動電極用アクチュエータ29との周辺の基板21を、その裏面からDRIE(Deep Reactive Ion Etching)装置によりエッチングして、開口40を形成する(図7(i))。このエッチングにより、下部可動電極35及び上部可動電極37の各線路部35a及び37aの端部と下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29の各端部とを除く残りの部分が、基板21から切り離される。なお、この処理でのエッチングガスは例えばSF6 (六フッ化硫黄)を使用し、開口40を形成するためのマスクはレジストである。
最後に、犠牲層41をエッチング除去して、下部可動電極35と上部可動電極37との間に間隙42を確保することにより、可変キャパシタを作製する(図7(j))。
なお、上述した製造順序とは異なり、図7(h)の工程後に、まず犠牲層41を除去して下部可動電極35と上部可動電極37との間に間隙42を確保してから、基板21をエッチングして開口40を形成するようにしても良い。また、犠牲層41の材料としては、上記レジスト以外に、MgO(酸化マグネシウム)などの酸化物も利用でき、この場合のエッチャントには酢酸または硝酸を使用すれば良い。
図8は、可変キャパシタの製造方法の変形例を示している。この変形例における前半の製造工程は上述した例(図6(a)〜図7(f))と同じである。基板21と同一材料であるシリコンからなる所定形状の犠牲層41を形成し(図8(a))、下部可動電極35
に対向する位置に所定形状のAlからなる上部可動電極37を形成する(図8(b))。
そして、基板21の表面側から例えばSF6 ガスを使用して、犠牲層41と基板21とを同時にエッチングして、キャビティ47を形成する(図8(c))。このエッチングにより、下部可動電極35及び上部可動電極37の各線路部35a及び37aの端部と下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29の各端部とを除く残りの部分が、基板21から切り離されることは、上述した例と同様であるが、基板21の表面側からエッチングするため、上述した例のように開口とならず、キャビティ47が形成される。
この変形例によって作製された可変キャパシタの分解斜視図を図9に示す。基板21の中央部に十字状のキャビティ47が設けられている。なお、図9において、図3,図4と同一部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
(第2実施の形態)
図10は第2実施の形態に係る可変キャパシタの分解斜視図、図11及び図12はこの可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。
第2実施の形態では、下部可動電極35,上部可動電極37,下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29の周辺において、下部可動電極35,上部可動電極37及び絶縁層23と基板21との間に空間50を有している。また、基板21は、シリコン製ではなく、ガラス,サファイア,アルミナ,ガラスセラミックス,ガリウム砒素などの材料から形成されている。これら以外の構成は、第1実施の形態と同様であり、同一部分には同一符号を付している。
例えばガラスを材料とする基板21上に、スパッタリング法によりシリコンからなる第2犠牲層51を形成した後、第1実施の形態と同様に、窒化シリコン層23a,Pt/Ti層31a,圧電層34aを順次形成する(図11(a))。そして、第1実施の形態と同様に、所定形状の圧電層34,アクチュエータ用下部電極31,アクチュエータ用上部電極33及び絶縁層23を得る(図11(b)〜(e))。
次いで、所定形状のAlからなる下部可動電極35を第2犠牲層51上に形成した後(図12(f))、レジスト材料からなる犠牲層41を全域に形成し(図12(g))、下部可動電極35に対向する位置に所定形状のAlからなる上部可動電極37を形成する(図12(h))。
そして、犠牲層41をエッチング除去して、下部可動電極35と上部可動電極37との間に間隙42を確保し(図12(i))、また、第2犠牲層51をエッチング除去して、基板21と下部可動電極35及び絶縁層23との間に空間50を確保することにより、可変キャパシタを作製する(図12(j))。なお、犠牲層41と第2犠牲層51との材料を同じにして、この犠牲層41のエッチング及び第2犠牲層51のエッチングを同時に行っても良い。
第2実施の形態では、第2犠牲層51のエッチングにより下部可動電極35を基板21から宙に浮かすことができるため、基板21をエッチングする必要が無くなり、基板21として使用できる材料の種類が増えることになる。例えば、誘電率が低く、エッチングが難しいガラスセラミックなどの材料も、基板21として利用できるようになる。これにより、Q値をより向上させることが可能となる。
(第3実施の形態)
図13は第3実施の形態に係る可変キャパシタ(可動電極及び圧電アクチュエータのみ)の分解斜視図、図14及び図15はこの可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。
第3実施の形態では、下部可動電極35(キャパシタ部35b)と上部可動電極37(キャパシタ部37b)との間に誘電体層46を設けている。他の構成は、第1実施の形態と同様であり、同一部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
この誘電体層46は、図13に示すように上部可動電極37(キャパシタ部37b)側に設けても良いし、図示はしないが下部可動電極35(キャパシタ部35b)側に設けても良い。誘電体層46の設置によって可動部分の質量が増加して、共振周波数の低下または可動速度の低下などが若干起こるが、後述するように静電容量及びその変化率を大幅に増大することができる。
図16は、誘電体層46の効果を示す図である。図16(a)に示すように、上部可動電極37のキャパシタ部37b側に誘電体層46を設ける場合について説明する。誘電体層46の厚さをd1 、誘電体層46と下部可動電極35のキャパシタ部35bとの間に形成される空気層の厚さをd2 とすると、キャパシタ部37bとキャパシタ部35bとの間の距離dは、d=d1 +d2 となる。
図16(b)は、キャパシタ部35b及び/またはキャパシタ部37bを移動させて、空気層の厚さd2 を変化させた場合の静電容量Cの変化を示すグラフである。キャパシタ部35b及びキャパシタ部37bは正方形(一辺:230μm)であり、初期状態の電極間距離d及び空気層の厚さd2 をd=0.75μm及びd2 =0.3μm(d2 /d=0.4)とし、誘電体層46は誘電損失が小さい材料であるAl2 O3 (アルミナ)(誘電率ε=10)を用いた。また、このような誘電体層を設けない点のみを異ならせた比較例における静電容量Cの変化も図16(b)に併せて示す。
図16(b)に示すように、誘電体層46を設けた本発明例の可変キャパシタにあっては、初期状態で約1.36pF、キャパシタ部35bが誘電体層46に接した状態で約10.4pFの静電容量を有しており、その変化率は約7.6倍である。このように、誘電体層46を設けることにより、静電容量及びその可変範囲を極めて大きくできる。
図14は第3実施の形態の可変キャパシタの製造工程の一例(上部可動電極37(キャパシタ部37b)側に誘電体層46を設置)を示す断面図である。前半の工程は、前述した第1実施の形態の工程(図6(a)〜図7(g))と同じである。
フォトリソグラフィ技術により、Al2 O3 を材料とする誘電体層46を犠牲層41上にパターン形成し(図14(a))、下部可動電極35に対向する位置に所定形状のAlからなる上部可動電極37を形成する(図14(b))。そして、下部可動電極35と上部可動電極37と下部可動電極用アクチュエータ27と上部可動電極用アクチュエータ29との周辺の基板21を、その裏面からDRIE装置によりエッチングして、開口40を形成し(図14(c))。最後に、犠牲層41をエッチング除去して、下部可動電極35と誘電体層46との間に間隙42を確保することにより、可変キャパシタを作製する(図14(d))。
図15は第3実施の形態の可変キャパシタの製造工程の他の例(下部可動電極35(キャパシタ部35b)側に誘電体層46を設置)を示す断面図である。前半の工程は、前述した第1実施の形態の工程(図6(a)〜図7(f))と同じである。
フォトリソグラフィ技術により、Al2 O3 を材料とする誘電体層46を下部可動電極35上にパターン形成する(図15(a))。レジスト材料またはMgOからなる犠牲層41を所定形状に形成し(図15(b))、下部可動電極35に対向する位置に所定形状のAlからなる上部可動電極37を形成する(図15(c))。そして、下部可動電極35と上部可動電極37と下部可動電極用アクチュエータ27と上部可動電極用アクチュエータ29との周辺の基板21を、その裏面からDRIE装置によりエッチングして、開口40を形成し(図15(d))。最後に、犠牲層41をエッチング除去して、誘電体層46と上部可動電極37との間に間隙42を確保することにより、可変キャパシタを作製する(図15(e))。
なお、上述した図14,図15の製造順序とは異なり、図14(b),図15(c)の工程後に、まず犠牲層41を除去して間隙42を確保してから、基板21をエッチングして開口40を形成するようにしても良い。また、この第3実施の形態にあっても、前述したように(図8参照)、犠牲層41の材料を基板21と同じにして、犠牲層41と基板21とを順番にまたは同時に基板21の表面側からエッチングするようにしても良い。
(第4実施の形態)
図17は第4実施の形態を示しており、図17(a)は第4実施の形態に係る可変キャパシタの上面図、図17(b)は図17(a)のD部における拡大図である。
第4実施の形態にあっては、一方の線路部35aが信号パッド45に接続されている下部可動電極35において、そのキャパシタ部35bと他方の線路部35aとが、電気的に分離されている。つまり、信号パッド45からみて下部可動電極35が、下部可動電極35と上部可動電極37とが対向してキャパシタが構成されている部分(キャパシタ部35b及びキャパシタ部37bの対向部分)を過ぎたところで、電気的に2つに分離されている。また、分離された線路部35aは、接地電極44を接続してグランド電位としても良い。
第4実施の形態では、信号パッド45から入った信号が、一方の線路部35aを通じてキャパシタ部35bを通りすぎて他方の線路部35aの信号パッド45と反対側の端にたどり着き、そこで反射されるようなことが無くなり、このような反射信号を除去できるため、入力信号のエネルギ損失を防ぐことができる。
(第5実施の形態)
図18は第5実施の形態に係る可変キャパシタの上面図である。図18にあって、信号パッド45及び接地電極44間に電源回路48が設けられており、信号パッド45(下部可動電極35)と接地電極44(上部可動電極37)との間に電圧を印加できるようになっている。
第5実施の形態は、下部可動電極35(キャパシタ部35b)と上部可動電極37(キャパシタ部37b)との間隔を調整する方法に関する。下部可動電極用アクチュエータ27及び/または上部可動電極用アクチュエータ29を駆動して、キャパシタ部35bとキャパシタ部37bとの間隔を小さくした後に、電源回路48により下部可動電極35と上部可動電極37との間に電圧を印加し、両電極間に発生する静電引力で両電極間の距離を更に小さくする。
このように第5実施の形態では、圧電アクチュエータ駆動と静電アクチュエータ(引力)駆動という2段階の距離制御を行うようにしており、両可動電極をより近付けることができ、より静電容量の大きな変化が得られるようになる。圧電アクチュエータにて両可動電極を接近させた状態で、静電引力を発生させるので、大きな静電容量と容量変化とが得られるという効果を奏する。また、圧電アクチュエータによって両可動電極が接近した状態で静電引力を発生させるため、小さな駆動電圧で大きな静電引力を発生できる。
なお、上述した例では、下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29がユニモルフ型であったが、これに限定されることは無い。例えば、図19(a)に示すパラレル接続型のバイモルフ、または、図19(b)に示すシリーズ接続型のバイモルフであっても良い。図19(a),(b)において、中間電極63の上下に図示する矢印方向に分極された圧電素子54a,54bが設けられている。圧電素子54aには下部駆動電極53が設けられ、圧電素子54bには上部駆動電極55が設けられている。そして、図示するように、直流電圧Vを印加することにより、バイモルフは変形する。下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29をバイモルフ型とする場合には、上述した各実施の形態においてアクチュエータ用下部電極31に接している絶縁層23は不要となる。
本発明は、上述した各実施の形態または変形例に限定されるものではなく、他の種々の実施の形態または変形例を含む。例えば、上述した例では、両可動電極間の距離、または、可動電極と誘電体層との間の距離を小さくする(静電容量が大きくなる)ように圧電アクチュエータを駆動するようにしたが、これとは逆に、これらの距離を大きくする(静電容量が小さくなる)ように圧電アクチュエータを駆動するようにしても良い。この場合には、ユニモルフ型の圧電アクチュエータが変形する方向が逆になるようにすれば良い。また、上述した実施の形態または変形例での可変キャパシタをセラミック製のパッケージに収容しても良い。このような場合、パッケージに設けられた外部接続端子と基板21に設けられた信号パッド45などの各種パッドとを、ワイヤまたはバンプなどの接続部材で接続する。
従来の可変キャパシタの構成を示す断面図及び平面図である。 キャパシタの静電容量と電極間距離との関係を示すグラフである。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの斜視図である。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの分解斜視図である。 図3のB−B線及びC−C線での断面図である。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程の変形例を示す断面図である。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの変形例の分解斜視図である。 第2実施の形態に係る可変キャパシタの分解斜視図である。 第2実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。 第2実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。 第3実施の形態に係る可変キャパシタ(可動電極及び圧電アクチュエータのみ)の分解斜視図である。 第3実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程の一例を示す断面図である。 第3実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程の他の例を示す断面図である。 第3実施の形態に係る可変キャパシタにおける誘電体層の効果を説明するための図である。 第4実施の形態に係る可変キャパシタの上面図及び拡大図である。 第5実施の形態に係る可変キャパシタの上面図である。 バイモルフ型の圧電アクチュエータを説明するための図である。
符号の説明
21 基板
23 絶縁層
27,27a,27b,27c,27d 下部可動電極用アクチュエータ
29,29a,29b,29c,29d 上部可動電極用アクチュエータ
31 アクチュエータ用下部電極
33 アクチュエータ用上部電極
34 圧電層
35 下部可動電極
37 上部可動電極
35a,37a 線路部(第1電極部)
35b,37b キャパシタ部(第2電極部)
40 開口
41 犠牲層
44 接地電極
45 信号パッド
46 誘電体層
47 キャビティ
48 電源回路
50 空間
51 第2犠牲層
本発明は、可変キャパシタに関し、特に、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた対向する可動電極を有する可変キャパシタに関する。
可変キャパシタは、可変周波数発振器、同調増幅器、位相シフタ、インピーダンス整合回路などを含む電気回路において重要な部品であり、近年、携帯機器への搭載が増えてきている。現在主に使用されているバラクタダイオードに比べて、MEMS技術を用いて作製された可変キャパシタは、損失が小さくてQ値を高くできるという利点があり、その開発が急がれている。
図1(a),(b)は、従来の可変キャパシタの構成を示す断面図,平面図である(例えば、非特許文献1参照)。この可変キャパシタは、ユニモルフ型の圧電アクチュエータ12及び可動電極13を有する可動電極用基板11と、固定電極16を設置した固定電極用基板15とを、可動電極13及び固定電極16が対向するように、ソルダーバンプ14で接合させた構成をなしている。圧電アクチュエータ12の駆動によって可動電極13を移動させ、可動電極13及び固定電極16間の距離を変動させてキャパシタの容量を制御する。
ジャン ワイ.パーク,他,「マイクロマシンド アールエフ メムス チューナブル キャパシターズ ユージング ピエゾエレクトリック アクチュエーターズ」,アイイーイーイー インターナショナル マイクロウェーブ シンポジウム,2001(Jan Y. Park, et al., "MICROMACHINED RF MEMS TUNABLE CAPACITORS USING PIEZOELECTRIC ACTUATORS", IEEE International Microwave Symposium, 2001 )
しかしながら、上述した従来の可変キャパシタには、以下のような問題がある。可動電極13と固定電極16とをソルダーバンプ14で接合させているため、両電極間の距離がソルダーバンプ14で制御されることになり、その距離を0に近い状態まで小さくすることができず、圧電アクチュエータ12が初期状態であるときのキャパシタの静電容量は大きくなれない。
キャパシタの静電容量Cとキャパシタを構成する電極間の距離dとの間には、C=ε0 εr S/d(ε0 :真空中の誘電率、εr :比誘電率、S:電極の面積)の関係があり、静電容量C及び電極間距離dとの関係を図2に示す。図2では、縦軸及び横軸の目盛りを初期状態C及びdで規格化している。圧電アクチュエータの変化量が一定である場合、両電極が離れた状態よりも、近づいた状態の方が静電容量の変化の割合が大きくなる。したがって、初期状態のときの静電容量が大きくなれない(小さい)ということは、静電容量の変化も大きくなれない(小さい)ことになる。
この従来例の可変キャパシタでは、図1(b)に示すように、可動電極13と圧電アクチュエータ12とがトーションバー17で接続されており、可動電極13と圧電アクチュエータ12用の駆動電極とは一体的に構成されて電気的に接続されている。キャパシタを構成する可動電極13までの線路に、幅が狭いトーションバー17が含まれているため、この部分が等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance) となって抵抗損失が発生し、しかも可変キャパシタに電気的に接続される信号線路と圧電アクチュエータ12用の駆動電極とが兼用されているため、この信号線路は高誘電体である圧電素子と接触して誘電損失が発生し、Q値が非常に小さくなるという問題がある。また可動電極13までの線路はインピーダンス整合が行えずに入力されたエネルギの損失、つまり挿入損失も発生している。そこで、本発明者は、この問題を解決するための技術開発を推し進めている。
なお、本発明者は、対向する2つの電極を何れも圧電アクチュエータにて駆動可能な構成とした可変キャパシタを提案している(特開2004−127973号公報)。このような2つの可動電極を対向させた構成をなす可変キャパシタでは、バンプが設けられていないため、両電極間の距離を容易に小さくできるので、小型の構成であっても大きな静電容量が得られると共に静電容量の変化を大きくできるという効果を奏する。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、小型の構成であっても静電容量を大きくできると共に静電容量の変化の割合を大きくでき、静電容量の微調整も可能であり、しかもQ値が高い可変キャパシタを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、外部から入力された信号のエネルギ損失(挿入損失)を防止できる可変キャパシタを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、圧電アクチュエータの駆動電圧が小さくても大きな静電容量と静電容量の大きな変化とを得ることができる可変キャパシタを提供することにある。
本発明に係る可変キャパシタは、対向する電極が移動可能である可変キャパシタにおいて、基板と、第1電極部及び第2電極部を有する可動電極と、前記可動電極を駆動する複数の圧電アクチュエータとを備え、前記可動電極が対向してキャパシタを構成しており、前記可動電極と信号パッドとを導電接続してあることを特徴とする。
本発明にあっては、可動電極と可動電極を駆動する圧電アクチュエータとを同一の基板に設けているため、小型の構成である。また、各可動電極を移動できるため、両可動電極間の距離を小さくできて、大きな静電容量と静電容量の大きな変化とを実現し、静電容量の微調整も容易である。また、キャパシタを構成する第2電極部までの線路(信号線)に相当する第1電極部と、圧電アクチュエータを駆動するための駆動電極とが電気的に分離しているため、第1電極部が圧電アクチュエータの圧電体(高誘電体)と接触せず、挿入損失を抑え、Q値の向上を図れる。
また、可動電極は、第1電極部と第2電極部とを有しており、可動電極を上下に配置してある。よって、キャパシタを構成する第2電極部への線路に相当する第1電極部には、従来例のような幅が狭いトーションバーが含まれておらず、等価直列抵抗を小さくできるため、Q値の向上を図れる。
本発明に係る可変キャパシタは、前記複数の圧電アクチュエータ夫々は、駆動電極と該駆動電極間に設けられた圧電素子とを含んでおり、前記駆動電極と前記可動電極とは別体であることを特徴とする。
本発明にあっては、キャパシタ用の可動電極と圧電アクチュエータ用の駆動電極とを別体で構成しているため、従来例のように線路部が圧電素子(高誘電体)に接触することが無くなり、Q値の向上を図れる。
本発明に係る可変キャパシタは、前記可動電極の第1電極部の両側に前記圧電アクチュエータを設けており、前記第1電極部と前記圧電アクチュエータの駆動電極とによりCPW型線路を構成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、CPW型線路における第1電極部の幅と第1電極部及び圧電アクチュエータの駆動電極の間隔とを調整することによりインピーダンス整合を容易に行えるため、挿入損失が無くなり、Q値の向上を図れる。
また、可動電極の対向する第2電極部間に誘電体層を設けてある。よって、キャパシタを構成する第2電極部間に誘電体層を設置しているため、静電容量及びその変化量の更なる増大を図れる。
また、可動電極の少なくとも一方が接地電極に接続されている。よって、一方の可動電極を接地電極に接続させることにより、浮遊容量を抑制する。
本発明に係る可変キャパシタは、前記可動電極の何れか一方の前記第1電極部と前記第2電極部との境界部近傍が電気的に分離されていることを特徴とする。
本発明にあっては、一方の可動電極が第1電極部と第2電極部との境界部近傍で電気的に分離されているため、一方の第1電極部に入力された信号が第2電極部を通りすぎて他方の第1電極部の端までたどり着き、そこで反射するようなことが無くなり、入力信号のエネルギ損失(挿入損失)を低減する。
本発明に係る可変キャパシタは、その対向方向に移動可能である可動電極と、該可動電極を駆動する複数の圧電アクチュエータとを備えた可変キャパシタにおいて、前記可動電極間に電圧を印加する電圧印加手段を備えており、前記圧電アクチュエータの駆動にて前記可動電極を接近させた状態で、前記電圧印加手段にて前記可動電極間に電圧を印加するように構成したことを特徴とする。
本発明にあっては、圧電アクチュエータの駆動により一対の可動電極を接近させた状態で、一対の可動電極間に電圧を印加することにより、一対の可動電極間に発生する静電引力によって両可動電極間の距離を更に小さくする。
このような可変キャパシタの製造方法は、電極が、圧電アクチュエータの駆動によって、移動可能である可変キャパシタを製造する方法において、基板に複数の前記圧電アクチュエータを形成する工程と、第1電極部及び第2電極部を有する可動電極を前記基板に形成する工程と、前記可動電極間に間隙を形成するための犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層を除去する除去工程と、前記複数の前記圧電アクチュエータの端部及び前記可動電極の第1電極部の端部を除く部分を前記基板から切り離す切離し工程とを有する。よって、同一の基板上に、一対の可動電極及びこれらを駆動する圧電アクチュエータを容易に形成する。
このような可変キャパシタの製造方法は、電極が、圧電アクチュエータの駆動によって、移動可能である可変キャパシタを製造する方法において、基板に複数の前記圧電アクチュエータを形成する工程と、第1電極部及び第2電極部を有する可動電極を前記基板に形成する工程と、前記可動電極間に誘電体層を形成する工程と、前記可動電極の何れか一方及び前記誘電体層間に間隙を形成するための犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層を除去する除去工程と、前記複数の前記圧電アクチュエータの端部及び前記可動電極の第1電極部の端部を除く部分を前記基板から切り離す切離し工程とを有する。よって、同一の基板上に、一対の可動電極、これらを駆動する圧電アクチュエータ及び一対の可動電極間の誘電体層を容易に形成する。
また、除去工程及び切離し工程を同時的に行う。よって、犠牲層の除去工程と端部を除いた可動電極及び圧電アクチュエータの基板からの切離し工程とを同時に行うことにより、作業効率が向上する。
本発明では、小型の構成であっても静電容量を大きくできると共に静電容量の変化の割合を大きくでき、静電容量の微調整も可能であり、耐衝撃性に優れた可変キャパシタを提供することができる。また、可動電極と圧電アクチュエータとを電気的に分離して、等価直列抵抗の原因となるトーションバーの構造を無くし、キャパシタ形成部(第2電極部)までに幅広い線路部(第1電極部)を確保したので、高いQ値を得ることができる。
また、本発明では、キャパシタ形成部分及びその周囲部分を基板から宙に浮かせた状態としたので、基板などの誘電率の影響が無くなり、高いQ値を得ることができる。
また、本発明では、第1電極部と第2電極部との境界部近傍で一方の可変電極を電気的に分離するようにしたので、外部から入力された信号のエネルギ損失(挿入損失)を防止することができる。
更に、本発明では、圧電アクチュエータの駆動により一対の可動電極を接近させた状態で、一対の可動電極間に電圧を印加するようにしたので、一対の可動電極間に発生する静電引力によって両可動電極間の距離を更に小さくすることができ、大きな静電容量と静電容量の大きな変化とを得ることができる。また、圧電アクチュエータの駆動により一対の可動電極を接近させた状態で、静電引力を発生させるため、小さな駆動電圧で大きな静電引力を発生できる。
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(第1実施の形態)
図3は第1実施の形態に係る可変キャパシタの斜視図、図4は同じくその分解斜視図である。図中21は、シリコン,化合物半導体などで形成される基板である。基板21の中央部に十字状の開口40が設けられ、基板21の上面には絶縁層23が設けられている。
図中、35,37は、何れもAl(アルミニウム)からなる下部可動電極,上部可動電極である。下部可動電極35は、第1電極部としての両端側の線路部35a,35aと第2電極部としての中央のキャパシタ部35bとから構成され、一方の線路部35aの端部は外部の高周波信号源(図示せず)から信号が入力される信号パッド45に接続され、他方の線路部35aの端部は絶縁層23上に接続されて接地電極44とは電気的に分離されている。これらの端部にて下部可動電極35は基板21に支持され、これらの端部を除く下部可動電極35の他の部分は開口40上に位置している。また、上部可動電極37は、第1電極部としての両端側の線路部37a,37aと第2電極部としての中央のキャパシタ部37bとから構成され、両方の線路部37a,37aの端部は何れも接地電極44に接続されている。これらの端部にて上部可動電極37は基板21に支持され、これらの端部を除く上部可動電極37の他の部分は開口40上に位置している。
これらの下部可動電極35及び上部可動電極37は、基板21の開口40に合わせて十字状に配置されており、下部可動電極35のキャパシタ部35bと上部可動電極37のキャパシタ部37bとが空気層を介して対向されている。この対向するキャパシタ部35b及びキャパシタ部37bにてキャパシタとして機能する。なお、互いに電気的に分離された下部可動電極35及び上部可動電極37は、何れもグランドから浮かせた状態で使用しても良いが、浮遊容量を抑える目的から、上部可動電極37を接地電極44に接続している。
下部可動電極35及び上部可動電極37は、それぞれ4つの下部可動電極用アクチュエータ27a,27b,27c,27d及び上部可動電極用アクチュエータ29a,29b,29c,29dで駆動される。これらの下部可動電極用アクチュエータ27a〜27d及び上部可動電極用アクチュエータ29a〜29dは、基板21の開口40に面している。下部可動電極用アクチュエータ27(代表して1つの下部可動電極用アクチュエータを説明する際には、単に参照符号27を用いる)及び上部可動電極用アクチュエータ29(代表して1つの上部可動電極用アクチュエータを説明する際には、単に参照符号29を用いる)は、圧電アクチュエータであって、絶縁層23とアクチュエータ用下部電極31と圧電層34とアクチュエータ用上部電極33とがこの順に下方から積層されたユニモルフ型の構成をなしている。アクチュエータ用下部電極31はPt/Ti(白金/チタン)から形成され、アクチュエータ用上部電極33はPtから形成されており、何れも下部可動電極35,上部可動電極37とは別体のものである。高周波信号源(図示せず)から信号パッド45に入力された信号は、下部可動電極35の線路部35aを通りキャパシタ部35bから空気層を介して、キャパシタ部35bに対向した上部可動電極37のキャパシタ部37b、線路部37aを経て接地電極44に流れ込む。下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29それぞれの圧電層34の分極方向を逆にすることにより、アクチュエータ駆動時の移動方向を相反するようにする。
下部可動電極用アクチュエータ27のアクチュエータ用上部電極33に下部可動電極駆動用電源(図示せず)から下部可動電極駆動パッド49に電圧を加えることにより、下部可動電極35は上部可動電極37側へ、上部可動電極用アクチュエータ29のアクチュエータ用上部電極33に上部可動電極駆動用電源(図示せず)から上部可動電極駆動パッド43に電圧を加えることにより、上部可動電極37は下部可動電極35側へ、それぞれ独立的に移動する。よって、下部可動電極用アクチュエータ27及び/または上部可動電極用アクチュエータ29を駆動することにより、上部可動電極37(キャパシタ部37b)と下部可動電極35(キャパシタ部35b)との距離を変化させることができ、所望の静電容量を得ることができる。
本発明では、高周波信号源からの信号が流れる線路部及びキャパシタ部と、アクチュエータを駆動するための駆動電極とが電気的に分離されている。そのため、線路部及びキャパシタ部がアクチュエータ中の圧電層(高誘電体)と接触することが無く、しかも周囲が空気であるために誘電損失が無くて、Q値を高くできる。図5は、図3のB−B線及びC−C線での断面を示している。下部可動電極35の線路部35a及び上部可動電極37の線路部37aは、接地電極44に接続されたアクチュエータ用下部電極31で挟まれるようになっている。即ち、これらの線路部35a及び37aは、CPW型の線路となり、アクチュエータ用下部電極31及び線路部35aまたは37aの間隔w1と、線路部35aまたは37aの幅w2とを調節することにより、線路部35aまたは37aのインピーダンスを50Ωにすることで、挿入損失を無くしている。
次に、図6及び図7を参照して、上記の構成を有する可変キャパシタの製造方法を説明する。なお、図6及び図7では、図3のA−A線での断面を示している。
シリコンを材料とする基板21上に、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により、低応力の窒化シリコン層23aを形成し、その後、Pt/Ti(例えば、厚さ0.5μm/50nm)層31aと、ニオブ酸リチウム,チタン酸バリウム,チタン酸鉛,チタン酸ジルコン酸鉛,チタン酸ビスマスなどを材料とする圧電層34a(例えば、厚さ0.5μm)とを順次形成する(図6(a))。
そして、フォトリソグラフィ技術のパターニング処理により、圧電層34a,Pt/Ti層31aから所定形状の圧電層34,アクチュエータ用下部電極31を形成する(図6(b),(c))。この際のパターニング処理には、Cl2 /Ar(塩素/アルゴン)系ガスを使用したRIE(Reactive Ion Etching)装置またはイオンミリング装置などを使用する。
フォトリソグラフィ技術により、圧電層34の上にPt製のアクチュエータ用上部電極33を形成すると共に(図6(d))、窒化シリコン層23aをパターニングして絶縁層23を得る(図6(e))。なお、絶縁層23としては、窒化シリコン層以外に、スパッタリング法、熱酸化法、CVD法により形成した酸化シリコン層を利用しても良い。
次いで、所定形状のAlからなる下部可動電極35を基板21上に形成した後(図7(f))、レジスト材料からなる所定形状の犠牲層41を形成し(図7(g))、下部可動電極35に対向する位置に所定形状のAlからなる上部可動電極37を形成する(図7(h))。
そして、下部可動電極35と上部可動電極37と下部可動電極用アクチュエータ27と上部可動電極用アクチュエータ29との周辺の基板21を、その裏面からDRIE(Deep Reactive Ion Etching)装置によりエッチングして、開口40を形成する(図7(i))。このエッチングにより、下部可動電極35及び上部可動電極37の各線路部35a及び37aの端部と下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29の各端部とを除く残りの部分が、基板21から切り離される。なお、この処理でのエッチングガスは例えばSF6 (六フッ化硫黄)を使用し、開口40を形成するためのマスクはレジストである。
最後に、犠牲層41をエッチング除去して、下部可動電極35と上部可動電極37との間に間隙42を確保することにより、可変キャパシタを作製する(図7(j))。
なお、上述した製造順序とは異なり、図7(h)の工程後に、まず犠牲層41を除去して下部可動電極35と上部可動電極37との間に間隙42を確保してから、基板21をエッチングして開口40を形成するようにしても良い。また、犠牲層41の材料としては、上記レジスト以外に、MgO(酸化マグネシウム)などの酸化物も利用でき、この場合のエッチャントには酢酸または硝酸を使用すれば良い。
図8は、可変キャパシタの製造方法の変形例を示している。この変形例における前半の製造工程は上述した例(図6(a)〜図7(f))と同じである。基板21と同一材料であるシリコンからなる所定形状の犠牲層41を形成し(図8(a))、下部可動電極35に対向する位置に所定形状のAlからなる上部可動電極37を形成する(図8(b))。
そして、基板21の表面側から例えばSF6 ガスを使用して、犠牲層41と基板21とを同時にエッチングして、キャビティ47を形成する(図8(c))。このエッチングにより、下部可動電極35及び上部可動電極37の各線路部35a及び37aの端部と下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29の各端部とを除く残りの部分が、基板21から切り離されることは、上述した例と同様であるが、基板21の表面側からエッチングするため、上述した例のように開口とならず、キャビティ47が形成される。
この変形例によって作製された可変キャパシタの分解斜視図を図9に示す。基板21の中央部に十字状のキャビティ47が設けられている。なお、図9において、図3,図4と同一部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
(第2実施の形態)
図10は第2実施の形態に係る可変キャパシタの分解斜視図、図11及び図12はこの可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。
第2実施の形態では、下部可動電極35,上部可動電極37,下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29の周辺において、下部可動電極35,上部可動電極37及び絶縁層23と基板21との間に空間50を有している。また、基板21は、シリコン製ではなく、ガラス,サファイア,アルミナ,ガラスセラミックス,ガリウム砒素などの材料から形成されている。これら以外の構成は、第1実施の形態と同様であり、同一部分には同一符号を付している。
例えばガラスを材料とする基板21上に、スパッタリング法によりシリコンからなる第2犠牲層51を形成した後、第1実施の形態と同様に、窒化シリコン層23a,Pt/Ti層31a,圧電層34aを順次形成する(図11(a))。そして、第1実施の形態と同様に、所定形状の圧電層34,アクチュエータ用下部電極31,アクチュエータ用上部電極33及び絶縁層23を得る(図11(b)〜(e))。
次いで、所定形状のAlからなる下部可動電極35を第2犠牲層51上に形成した後(図12(f))、レジスト材料からなる犠牲層41を全域に形成し(図12(g))、下部可動電極35に対向する位置に所定形状のAlからなる上部可動電極37を形成する(図12(h))。
そして、犠牲層41をエッチング除去して、下部可動電極35と上部可動電極37との間に間隙42を確保し(図12(i))、また、第2犠牲層51をエッチング除去して、基板21と下部可動電極35及び絶縁層23との間に空間50を確保することにより、可変キャパシタを作製する(図12(j))。なお、犠牲層41と第2犠牲層51との材料を同じにして、この犠牲層41のエッチング及び第2犠牲層51のエッチングを同時に行っても良い。
第2実施の形態では、第2犠牲層51のエッチングにより下部可動電極35を基板21から宙に浮かすことができるため、基板21をエッチングする必要が無くなり、基板21として使用できる材料の種類が増えることになる。例えば、誘電率が低く、エッチングが難しいガラスセラミックなどの材料も、基板21として利用できるようになる。これにより、Q値をより向上させることが可能となる。
(第3実施の形態)
図13は第3実施の形態に係る可変キャパシタ(可動電極及び圧電アクチュエータのみ)の分解斜視図、図14及び図15はこの可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。
第3実施の形態では、下部可動電極35(キャパシタ部35b)と上部可動電極37(キャパシタ部37b)との間に誘電体層46を設けている。他の構成は、第1実施の形態と同様であり、同一部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
この誘電体層46は、図13に示すように上部可動電極37(キャパシタ部37b)側に設けても良いし、図示はしないが下部可動電極35(キャパシタ部35b)側に設けても良い。誘電体層46の設置によって可動部分の質量が増加して、共振周波数の低下または可動速度の低下などが若干起こるが、後述するように静電容量及びその変化率を大幅に増大することができる。
図16は、誘電体層46の効果を示す図である。図16(a)に示すように、上部可動電極37のキャパシタ部37b側に誘電体層46を設ける場合について説明する。誘電体層46の厚さをd1 、誘電体層46と下部可動電極35のキャパシタ部35bとの間に形成される空気層の厚さをd2 とすると、キャパシタ部37bとキャパシタ部35bとの間の距離dは、d=d1 +d2 となる。
図16(b)は、キャパシタ部35b及び/またはキャパシタ部37bを移動させて、空気層の厚さd2 を変化させた場合の静電容量Cの変化を示すグラフである。キャパシタ部35b及びキャパシタ部37bは正方形(一辺:230μm)であり、初期状態の電極間距離d及び空気層の厚さd2 をd=0.75μm及びd2 =0.3μm(d2 /d=0.4)とし、誘電体層46は誘電損失が小さい材料であるAl2 3 (アルミナ)(誘電率ε=10)を用いた。また、このような誘電体層を設けない点のみを異ならせた比較例における静電容量Cの変化も図16(b)に併せて示す。
図16(b)に示すように、誘電体層46を設けた本発明例の可変キャパシタにあっては、初期状態で約1.36pF、キャパシタ部35bが誘電体層46に接した状態で約10.4pFの静電容量を有しており、その変化率は約7.6倍である。このように、誘電体層46を設けることにより、静電容量及びその可変範囲を極めて大きくできる。
図14は第3実施の形態の可変キャパシタの製造工程の一例(上部可動電極37(キャパシタ部37b)側に誘電体層46を設置)を示す断面図である。前半の工程は、前述した第1実施の形態の工程(図6(a)〜図7(g))と同じである。
フォトリソグラフィ技術により、Al2 3 を材料とする誘電体層46を犠牲層41上にパターン形成し(図14(a))、下部可動電極35に対向する位置に所定形状のAlからなる上部可動電極37を形成する(図14(b))。そして、下部可動電極35と上部可動電極37と下部可動電極用アクチュエータ27と上部可動電極用アクチュエータ29との周辺の基板21を、その裏面からDRIE装置によりエッチングして、開口40を形成し(図14(c))。最後に、犠牲層41をエッチング除去して、下部可動電極35と誘電体層46との間に間隙42を確保することにより、可変キャパシタを作製する(図14(d))。
図15は第3実施の形態の可変キャパシタの製造工程の他の例(下部可動電極35(キャパシタ部35b)側に誘電体層46を設置)を示す断面図である。前半の工程は、前述した第1実施の形態の工程(図6(a)〜図7(f))と同じである。
フォトリソグラフィ技術により、Al2 3 を材料とする誘電体層46を下部可動電極35上にパターン形成する(図15(a))。レジスト材料またはMgOからなる犠牲層41を所定形状に形成し(図15(b))、下部可動電極35に対向する位置に所定形状のAlからなる上部可動電極37を形成する(図15(c))。そして、下部可動電極35と上部可動電極37と下部可動電極用アクチュエータ27と上部可動電極用アクチュエータ29との周辺の基板21を、その裏面からDRIE装置によりエッチングして、開口40を形成し(図15(d))。最後に、犠牲層41をエッチング除去して、誘電体層46と上部可動電極37との間に間隙42を確保することにより、可変キャパシタを作製する(図15(e))。
なお、上述した図14,図15の製造順序とは異なり、図14(b),図15(c)の工程後に、まず犠牲層41を除去して間隙42を確保してから、基板21をエッチングして開口40を形成するようにしても良い。また、この第3実施の形態にあっても、前述したように(図8参照)、犠牲層41の材料を基板21と同じにして、犠牲層41と基板21とを順番にまたは同時に基板21の表面側からエッチングするようにしても良い。
(第4実施の形態)
図17は第4実施の形態を示しており、図17(a)は第4実施の形態に係る可変キャパシタの上面図、図17(b)は図17(a)のD部における拡大図である。
第4実施の形態にあっては、一方の線路部35aが信号パッド45に接続されている下部可動電極35において、そのキャパシタ部35bと他方の線路部35aとが、電気的に分離されている。つまり、信号パッド45からみて下部可動電極35が、下部可動電極35と上部可動電極37とが対向してキャパシタが構成されている部分(キャパシタ部35b及びキャパシタ部37bの対向部分)を過ぎたところで、電気的に2つに分離されている。また、分離された線路部35aは、接地電極44を接続してグランド電位としても良い。
第4実施の形態では、信号パッド45から入った信号が、一方の線路部35aを通じてキャパシタ部35bを通りすぎて他方の線路部35aの信号パッド45と反対側の端にたどり着き、そこで反射されるようなことが無くなり、このような反射信号を除去できるため、入力信号のエネルギ損失を防ぐことができる。
(第5実施の形態)
図18は第5実施の形態に係る可変キャパシタの上面図である。図18にあって、信号パッド45及び接地電極44間に電源回路48が設けられており、信号パッド45(下部可動電極35)と接地電極44(上部可動電極37)との間に電圧を印加できるようになっている。
第5実施の形態は、下部可動電極35(キャパシタ部35b)と上部可動電極37(キャパシタ部37b)との間隔を調整する方法に関する。下部可動電極用アクチュエータ27及び/または上部可動電極用アクチュエータ29を駆動して、キャパシタ部35bとキャパシタ部37bとの間隔を小さくした後に、電源回路48により下部可動電極35と上部可動電極37との間に電圧を印加し、両電極間に発生する静電引力で両電極間の距離を更に小さくする。
このように第5実施の形態では、圧電アクチュエータ駆動と静電アクチュエータ(引力)駆動という2段階の距離制御を行うようにしており、両可動電極をより近付けることができ、より静電容量の大きな変化が得られるようになる。圧電アクチュエータにて両可動電極を接近させた状態で、静電引力を発生させるので、大きな静電容量と容量変化とが得られるという効果を奏する。また、圧電アクチュエータによって両可動電極が接近した状態で静電引力を発生させるため、小さな駆動電圧で大きな静電引力を発生できる。
なお、上述した例では、下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29がユニモルフ型であったが、これに限定されることは無い。例えば、図19(a)に示すパラレル接続型のバイモルフ、または、図19(b)に示すシリーズ接続型のバイモルフであっても良い。図19(a),(b)において、中間電極63の上下に図示する矢印方向に分極された圧電素子54a,54bが設けられている。圧電素子54aには下部駆動電極53が設けられ、圧電素子54bには上部駆動電極55が設けられている。そして、図示するように、直流電圧Vを印加することにより、バイモルフは変形する。下部可動電極用アクチュエータ27及び上部可動電極用アクチュエータ29をバイモルフ型とする場合には、上述した各実施の形態においてアクチュエータ用下部電極31に接している絶縁層23は不要となる。
本発明は、上述した各実施の形態または変形例に限定されるものではなく、他の種々の実施の形態または変形例を含む。例えば、上述した例では、両可動電極間の距離、または、可動電極と誘電体層との間の距離を小さくする(静電容量が大きくなる)ように圧電アクチュエータを駆動するようにしたが、これとは逆に、これらの距離を大きくする(静電容量が小さくなる)ように圧電アクチュエータを駆動するようにしても良い。この場合には、ユニモルフ型の圧電アクチュエータが変形する方向が逆になるようにすれば良い。また、上述した実施の形態または変形例での可変キャパシタをセラミック製のパッケージに収容しても良い。このような場合、パッケージに設けられた外部接続端子と基板21に設けられた信号パッド45などの各種パッドとを、ワイヤまたはバンプなどの接続部材で接続する。
従来の可変キャパシタの構成を示す断面図及び平面図である。 キャパシタの静電容量と電極間距離との関係を示すグラフである。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの斜視図である。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの分解斜視図である。 図3のB−B線及びC−C線での断面図である。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程の変形例を示す断面図である。 第1実施の形態に係る可変キャパシタの変形例の分解斜視図である。 第2実施の形態に係る可変キャパシタの分解斜視図である。 第2実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。 第2実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程を示す断面図である。 第3実施の形態に係る可変キャパシタ(可動電極及び圧電アクチュエータのみ)の分解斜視図である。 第3実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程の一例を示す断面図である。 第3実施の形態に係る可変キャパシタの製造工程の他の例を示す断面図である。 第3実施の形態に係る可変キャパシタにおける誘電体層の効果を説明するための図である。 第4実施の形態に係る可変キャパシタの上面図及び拡大図である。 第5実施の形態に係る可変キャパシタの上面図である。 バイモルフ型の圧電アクチュエータを説明するための図である。
符号の説明
21 基板
23 絶縁層
27,27a,27b,27c,27d 下部可動電極用アクチュエータ
29,29a,29b,29c,29d 上部可動電極用アクチュエータ
31 アクチュエータ用下部電極
33 アクチュエータ用上部電極
34 圧電層
35 下部可動電極
37 上部可動電極
35a,37a 線路部(第1電極部)
35b,37b キャパシタ部(第2電極部)
40 開口
41 犠牲層
44 接地電極
45 信号パッド
46 誘電体層
47 キャビティ
48 電源回路
50 空間
51 第2犠牲層

Claims (11)

  1. 対向する電極が移動可能である可変キャパシタにおいて、
    基板と、第1電極部及び第2電極部を有する可動電極と、前記可動電極を駆動する複数の圧電アクチュエータとを備え、前記可動電極が対向してキャパシタを構成しており、前記可動電極と信号パッドとを導電接続してあることを特徴とする可変キャパシタ。
  2. 前記可動電極は、前記第1電極部と第2電極部とを有しており、前記可動電極を上下に配置してあることを特徴とする請求項1記載の可変キャパシタ。
  3. 前記複数の圧電アクチュエータ夫々は、駆動電極と該駆動電極間に設けられた圧電素子とを含んでおり、前記駆動電極と前記可動電極とは別体であることを特徴とする請求項1または2記載の可変キャパシタ。
  4. 前記可動電極の第1電極部の両側に前記圧電アクチュエータを設けており、前記第1電極部と前記圧電アクチュエータの駆動電極とによりCPW型線路を構成してあることを特徴とする請求項3記載の可変キャパシタ。
  5. 前記可動電極の対向する前記第2電極部間に誘電体層を設けてあることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の可変キャパシタ。
  6. 前記可動電極の少なくとも一方が接地電極に接続されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の可変キャパシタ。
  7. 前記可動電極の何れか一方の前記第1電極部と前記第2電極部との境界部近傍が電気的に分離されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の可変キャパシタ。
  8. その対向方向に移動可能である可動電極と、該可動電極を駆動する複数の圧電アクチュエータとを備えた可変キャパシタにおいて、
    前記可動電極間に電圧を印加する電圧印加手段を備えており、前記圧電アクチュエータの駆動にて前記可動電極を接近させた状態で、前記電圧印加手段にて前記可動電極間に電圧を印加するように構成したことを特徴とする可変キャパシタ。
  9. 電極が、圧電アクチュエータの駆動によって、移動可能である可変キャパシタを製造する方法において、
    基板に複数の前記圧電アクチュエータを形成する工程と、第1電極部及び第2電極部を有する可動電極を前記基板に形成する工程と、前記可動電極間に間隙を形成するための犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層を除去する除去工程と、前記複数の前記圧電アクチュエータの端部及び前記可動電極の第1電極部の端部を除く部分を前記基板から切り離す切離し工程とを有することを特徴とする可変キャパシタの製造方法。
  10. 電極が、圧電アクチュエータの駆動によって、移動可能である可変キャパシタを製造する方法において、
    基板に複数の前記圧電アクチュエータを形成する工程と、第1電極部及び第2電極部を有する可動電極を前記基板に形成する工程と、前記可動電極間に誘電体層を形成する工程と、前記可動電極の何れか一方及び前記誘電体層間に間隙を形成するための犠牲層を形成する工程と、前記犠牲層を除去する除去工程と、前記複数の前記圧電アクチュエータの端部及び前記可動電極の第1電極部の端部を除く部分を前記基板から切り離す切離し工程とを有することを特徴とする可変キャパシタの製造方法。
  11. 前記除去工程及び前記切離し工程を同時的に行うことを特徴とする請求項9または10記載の可変キャパシタの製造方法。
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