JPWO2005104287A1 - 燃料電池モジュール - Google Patents

燃料電池モジュール Download PDF

Info

Publication number
JPWO2005104287A1
JPWO2005104287A1 JP2006512671A JP2006512671A JPWO2005104287A1 JP WO2005104287 A1 JPWO2005104287 A1 JP WO2005104287A1 JP 2006512671 A JP2006512671 A JP 2006512671A JP 2006512671 A JP2006512671 A JP 2006512671A JP WO2005104287 A1 JPWO2005104287 A1 JP WO2005104287A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
fuel cell
adhesive
gas
cell module
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006512671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4475277B2 (ja
Inventor
林 友和
友和 林
巌 明神
巌 明神
勉 越智
勉 越智
加藤 千智
千智 加藤
康一郎 川上
康一郎 川上
大雄 吉川
大雄 吉川
高橋 学
学 高橋
康之 浅井
康之 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Publication of JPWO2005104287A1 publication Critical patent/JPWO2005104287A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4475277B2 publication Critical patent/JP4475277B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/24Grouping of fuel cells, e.g. stacking of fuel cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0202Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
    • H01M8/0247Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors characterised by the form
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0202Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors
    • H01M8/0258Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors characterised by the configuration of channels, e.g. by the flow field of the reactant or coolant
    • H01M8/0263Collectors; Separators, e.g. bipolar separators; Interconnectors characterised by the configuration of channels, e.g. by the flow field of the reactant or coolant having meandering or serpentine paths
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0271Sealing or supporting means around electrodes, matrices or membranes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/24Grouping of fuel cells, e.g. stacking of fuel cells
    • H01M8/241Grouping of fuel cells, e.g. stacking of fuel cells with solid or matrix-supported electrolytes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/24Grouping of fuel cells, e.g. stacking of fuel cells
    • H01M8/2457Grouping of fuel cells, e.g. stacking of fuel cells with both reactants being gaseous or vaporised
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/24Grouping of fuel cells, e.g. stacking of fuel cells
    • H01M8/2465Details of groupings of fuel cells
    • H01M8/2483Details of groupings of fuel cells characterised by internal manifolds
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

底面に対して両側面に同じ角度θの斜面を形成させ、凹状溝をテーパ状に成形している。このように角度θを凹状溝の側面に設けたので、第1セパレータを第2セパレータ上に被せて、両セパレータを接合してモジュール化した際にも接着剤と凹状溝内表面との間にガス溜まりが生じても、ガス溜まりは凹状溝の側面が角度θを持っているので、この角度θを持った側面により、凹状溝側面を直角形状とするよりも外部へのガス排出が補助されることになる。よって、ガス溜まりの発生を防止することができる。

Description

本発明は、複数の燃料電池セルを積層して形成される燃料電池モジュールに関する。
燃料電池は、固体高分子膜等の電解質層とこれを挟持するカーボンクロスやカーボンペーパ等の拡散層からなる膜−電極接合体(MEA)、膜−電極接合体を挟持するセパレータとからなる燃料電池セルを単一セルとしている。この単一燃料電池セルではアノードガスとしての水素ガスは負極側セパレータの水素ガス流路溝へ供給され、カソードガスとしての空気(酸素ガス)が正極側セパレータの酸素ガス流路溝へ供給される。供給された水素ガスおよび酸素ガスはそれぞれ、負極側拡散層および正極側拡散層のそれぞれの拡散層へと拡散する。負極側拡散層へと至った水素ガスは、さらに固体高分子電解質膜に塗布された触媒層と接触して、プロトンと電子の電荷に解離する。解離したプロトンは固体高分子膜を通過し、正極側へと移動し、正極側の酸素と反応して水を生成して発電させる。このような発電メカニズムの上記単一セルを複数用い、セパレータを介して、積層化することで直列接続のセルモジュール、セルスタックとして燃料電池の全体を構成するのが通常である。
図13には、背景技術に係る燃料電池500の断面図が示される。図12には、図13に示される燃料電池500に積層される一枚のセパレータ20の平面図が示される。燃料電池500は、第1セパレータ10と第2セパレータ20との間にMEA30が挟持された燃料電池セル40を有している。ここで、第1セパレータ10と第2セパレータ20とは接着剤22で接合され、この間にMEA30が挟まれた構造となっている。接着剤22は、FCセルに供給される流体(ガス、冷却剤)をシールするシール材としての機能も有する。このようにして形成された燃料電池セル40同士をさらに接着剤22で接合し、燃料電池セル40同士を物理的に強固に接着してセルモジュール化する。このセルモジュールはガスまたは冷媒を通すためのマニホールド80を間に有している。
セパレータ20は、セパレータの最外周面にセパレータ外周堰75が設けられ、それよりも内側において、マニホールド80の外周面にマニホールド80を取り囲んでマニホールド外周堰76が設けられている。さらに内側にはセパレータ内周堰77を有している。
セパレータ20は、接着剤を保持する接着剤保持部24としての凹状溝を有している。凹状溝は、図13において、セパレータ外周堰75とセパレータ外周側のマニホールド外周堰76を側面壁として、それらの間に形成される外周凹状溝72と、セパレータ内周側のマニホールド内周堰76とセパレータ内周堰77を側面壁として、それらの間に形成される内周凹状溝74とで形成される。
この燃料電池セル40同士を接合する方法について図14に基づいて説明する。第1セパレータ10および第2セパレータ20において、積層化により接合される方向の燃料電池セル対向面に、底面23に対する側面29が直角形状の凹状溝24が設けられている。次に第2セパレータ20の直角形状の凹状溝24内部に接着剤22を塗布する。接着剤22を塗布後、第1セパレータ10と第2セパレータ20の凹状溝24同士を対向させるように第1セパレータ10と第2セパレータ20とを配置させることで底面23に対する側面29が直角形状の接着剤保持部24を形成する。この形成された接着剤保持部24に接着剤22を保持させ、第1セパレータ10と第2セパレータ20を接合することで燃料電池セル40同士をモジュール化できる。
セパレータ同士を接合した文献としては以下の文献が知られている。下記特許文献1(特開2002−260691号公報)には、第1セパレータと第2セパレータの間のマニホールドおよび冷却水流路溝の周囲に側面29が底面23に対して直角形状の凹状の窪みを設け、その窪みの中にガス不透過性接着剤を注入して両プレートを接合し、ガス透過を抑制した燃料電池用セパレータが開示されている。特許文献2(特開2002−367631号公報)には、両プレートを接合した間に材料溜りの窪みを形成したシール構造が開示されている。なお、下記特許文献3(特開2000−48832号公報)には、接着剤がはみ出すことを抑制する堰部を設けた燃料電池セパレータが開示されている。下記特許文献4(特開2001−319666号公報)、特許文献5(特開2001−319676号公報)には、連通孔の周囲を取り囲むように設けられた溝部内に塗布された液状シールでシールしたセパレータが開示されている。
しかしながら、従来の底面23に対する側面29が直角形状の凹状の窪みでは、セパレータ同士の組み立て・接合の際に接着剤(シール材)と窪み表面の境界面にエアなどのガスを巻き込み、接着剤が凹状の窪みの隙間に完全に充填されず残ってしまう場合がある。このような隙間が生じるとセパレータ間が接着不良となる可能性がある。
セパレータ同士の接合工程でガスを巻き込む理由について説明する。第2セパレータ20における底面23に対する側面29が直角形状の凹状の窪みに接着剤22を塗布する。接着剤22を塗布すると接着剤22と凹状の窪みの表面との間にガスを巻き込む場合がある。ガスの巻き込みが生じるとガス溜まり28が生じる。
この状態で第1セパレータ10を第2セパレータ20上に被せて、両セパレータを接合してモジュール化すると(図14)、ガス溜まり28を含んだまま第1セパレータ10および第2セパレータ20は接合されることになる(図15)。このようにガス溜まり28を含んだまま接合するとガス溜まり28により以下のような不具合を生じてしまう場合がある。
(1)接着剤22が熱硬化性の接着剤であれば、接着剤の熱硬化工程が必要になる。熱硬化工程においては、熱が接着剤だけでなく、ガス溜まり28にも伝えられることになる。ガス溜まり28はこの熱によって、膨張する(図16)。膨張したガス溜まり28は、接着剤22の接着性を弱め、ひいては接着剤を部分的に分断し、ガスが漏れてしまう場合がある。このような場合には、セパレータ間の密着性が減少し、機能が低下した接着剤(シール材)を通じてガスがリークすることになる。
(2)燃料電池では、比較的低温駆動可能な固体高分子型燃料電池であっても70℃〜80℃の温度で運転されることが通常である。このような常温よりも高い温度では、ガス溜まりも熱膨張することになる(図16)。このようにガス溜まり28が膨張して(1)と同様に不具合が生じてしまう場合がある。
また、1つの燃料電池セルを構成している第1セパレータ10と第2セパレータ20も接着剤22によって接着され、この間にMEA30が挟まれた構造となっている。この接着部分においても、第1および第2セパレータには、各種の段差を有している。すなわち、MEA30は、触媒層の両側に拡散層が形成された三層構造であるが、触媒層のみが外側に延長され、この部分が第1セパレータ10と第2セパレータ20に挟み込まれ固定されている。そして、第1セパレータ10または第2セパレータ20の少なくとも一方は、触媒層を挟み込む部分に対応して凹部を形成している(特許文献2参照)。そこで、この凹部の端部に当たる段差の側面と底面の角部にもガス溜まりが形成される。さらに、MEA30と第1セパレータ10または第2セパレータ20との間の空間には、水素ガス(燃料ガス)または酸化性ガス(空気)が供給される。そこで、これらガス通路と空間とを連通させる必要があり、シーリングプレートを用いて連通路に接着剤が進入するのを防いでいる。このシーリングプレートの端部に対応して第1セパレータ10または第2セパレータ20の一方に段差が形成されこの段差の側面と底面の角部にもガス溜まりが形成される。
そして、これらガス溜まりのガスが接合工程において加熱膨張した場合には、セル内部空間と冷媒の通路となるマニホールドとのリーク通路が形成されてしまう場合もある。
本発明は、よりガス溜まりによる不具合を解消させる燃料電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明は、複数の燃料電池セルを積層して形成される燃料電池モジュールであって、複数の燃料電池セルを区切るセパレータ部材と、前記セパレータ部材と前記燃料電池セルの積層方向において隣接するとともに、前記セパレータに対し接着剤で接着される隣接部材と、前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合部分における前記セパレータ部材および前記隣接部材のうち少なくとも一方に設けられ前記接着剤を保持する凹状の窪みと、を含み、前記凹状の窪みは、前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合の際に、前記接着剤と前記接着剤保持部の表面の間に存在するガスを外部へ排出することを補助するガス排出補助構造を、周縁の少なくとも一部に有することを特徴とする。
上記燃料電池モジュールであって、前記凹状の窪みの側面を斜面形状とすると好適である。
上記燃料電池モジュールであって、前記凹状の窪みがテーパ状に形成されると好適である。
上記燃料電池モジュールであって、接着剤を保持する側であって、底面に対する斜面の角度が120°〜150°であると好適である。
上記燃料電池モジュールであって、前記凹状の窪みの側面に外部へガスを排出するガス排出溝を有すると好適である。
上記燃料電池モジュールであって、前記接着剤の外部への漏洩を抑制する接着剤漏洩抑制部材を前記接着剤中に含有すると好適である。
上記燃料電池モジュールであって、前記接着剤漏洩抑制部材は球状のビーズであり、このビーズの粒径が前記ガス排出溝の通路径よりも大きいと好適である。
本発明は、複数の燃料電池セルを積層して形成される燃料電池モジュールであって、複数の燃料電池セルを区切るセパレータ部材と、前記セパレータ部材と前記燃料電池セルの積層方向において隣接するとともに、前記セパレータに対し接着剤で接着される隣接部材と、前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合部分における前記セパレータ部材と前記隣接部材のうち少なくとも一方に設けられ前記接着剤を保持する段差部と、を含み、前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合の際に、前記接着剤と前記段差部の表面の間に存在するガスを外部へ排出することを補助するガス排出補助構造を、前記段差部に有することを特徴とする。
また、前記ガス排出補助構造は、前記段差部が、底面と側面との接続部分において、底面と側面を接続する斜面を有することが好適である。この構成によって、底面と側面が直接接続されるときに生じる隅部を除去することができる。
また、前記段差部は、凹状の窪みであり、この凹状の窪みの側面と底面との接続部分に斜面を有することが好適である。
上記燃料電池モジュールであって、前記セパレータ部材および前記セル積層方向に隣接する隣接部材はメタルセパレータであると好適である。
本発明によれば、よりガス溜まりによる不具合を抑制することができる。
図1は、本実施形態に係る燃料電池モジュールの断面図である。
図2は、本実施形態に係る燃料電池セパレータの平面図である。
図3は、本実施形態に係るガス排出補助構造である。
図4は、本実施形態に係るガス排出補助構造である。
図5は、本実施形態に係るガス排出補助構造である。
図6は、本実施形態に係るガス排出補助構造である。
図7は、本実施形態に係るガス排出補助構造である。
図8は、本実施形態に係るガス排出補助構造である。
図9は、本実施形態に係るガス排出補助構造である。
図10は、本実施形態に係るガス排出補助構造である。
図11は、本実施形態に係るガス排出補助構造である。
図12は、背景技術に係る燃料電池セパレータの平面図である。
図13は、背景技術に係る燃料電池モジュールの断面図である。
図14は、ガス溜まりによる不具合発生の説明図である。
図15は、ガス溜まりによる不具合発生の説明図である。
図16は、ガス溜まりによる不具合発生の説明図である。
図17は、他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。
図18は、他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。
図19は、他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。
図20は、他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。
図21は、他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。
図22は、他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。
図23は、他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。
図24は、他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
「燃料電池」
図1には、本実施形態に係る燃料電池100の断面図が開示されている。図2に示される燃料電池100に積層される一枚のセパレータ20の平面図である。燃料電池100は、第1セパレータ10と第2セパレータ20との間にMEA30が挟持された燃料電池セル40構造を有している。この燃料電池セル40が多層に積層された構造となっている。この燃料電池セル40は、第1セパレータ10と隣接部材となる第2セパレータ20がセパレータ間同士が接着剤で接合されて構成されている。燃料電池セル40同士をさらに接着剤22で接合して積層化(セルモジュール化)する。この接着剤により、燃料電池セル40同士が物理的に強固に接着されてセルモジュール化される。このセルモジュール(スタック)は間にガスまたは冷媒を通すためのマニホールド80を有している。
セパレータ20は、セパレータの最外周面にセパレータ外周堰65が設けられ、それよりも内側において、マニホールド80の外周面にマニホールド80を取り囲んでマニホールド外周堰66が設けられている。さらに内側にはセパレータ内周堰67を有している。
セパレータ20は、接着剤を保持する接着剤保持部24としての凹状溝を有している。凹状溝は、図1において、セパレータ外周堰65とセパレータ外周側のマニホールド外周堰66を側面壁として、それらの間に形成される外周凹状溝62と、セパレータ内周側のマニホールド内周堰66とセパレータ内周堰67を側面壁として、それらの間に形成される内周凹状溝64とで形成される。
第1セパレータ10および第2セパレータ20に、セルモジュール化する方向の燃料電池セル対向面に凹状の凹状溝を設ける。この凹状溝は底面(面内方向)に対する側面(積層方向)が斜面形状であることを特徴としている。凹状溝を設けた第2セパレータ20の凹状溝内表面に接着剤22を塗布する。この接着剤22を塗布した後、第1セパレータ10および第2セパレータ20の両方の凹状溝同士を対向させるように第1セパレータ10と第2セパレータ20とを配置させて接着剤保持空間50を形成する。この形成された接着剤保持部50に接着剤22を保持させ、第1セパレータ10と第2セパレータ20とを、接着剤22により接合することで燃料電池セル40同士を組み立て、モジュール化する。
また、隣接部材として本実施形態では第2セパレータを用いているが、隣接部材としては、セパレータ、電解質膜、膜−電極接合体、樹脂フレームのうち少なくとも1つを用いることができる。
凹状溝は底面23に対して側面29に角度θの斜面を形成する。図3では、底面23に対して両側面に同じ角度θの斜面を形成させ、凹状溝をテーパ状に成形している。ここで角度θは90°よりも小さく、凹状溝の側面を直角形状としない角度である。このように角度θを凹状溝の側面29に設けたので、第1セパレータ10を第2セパレータ20上に被せて、両セパレータを接合してモジュール化した際にも接着剤22と凹状溝内表面との間にガス溜まりが生じてしまうことを抑制できる。すなわち、モジュール化の際、ガス溜まりは凹状溝の側面29が角度θを持っているので、この角度θを持った側面29により凹状溝側面を直角形状とするよりも外部へのガス排出が補助されることになる。よってガス溜まりの発生を抑制できる。また、モジュール化後にガス溜まりの熱膨張により接着剤の接着力が低下したり、接着剤が分断されてしまうことを抑制できる。
第1セパレータ10、第2セパレータ20は、カーボン、金属、樹脂、導電性樹脂などを採用できる。例えば、第1セパレータ10、第2セパレータ20ともメタルセパレータとしたり、第1セパレータ10、第2セパレータ20ともカーボンセパレータ(カーボンとこのカーボンをバインダする樹脂との成形品)とすることなども採用できる。図1では、第1セパレータ10および第2セパレータ20共、カーボンセパレータを用いている。
第1セパレータ10には、MEA30へ燃料ガスを供給するための燃料ガス流路34が形成され、第2セパレータ20には、MEA30へ酸化ガスを供給するための酸化ガス流路32が形成されている。また、第1セパレータ10および第2セパレータ20にはガス流路32、34が形成されている面と反対側の接合面に冷媒(通常は冷却水)を流すための冷媒流路26も形成されている。流路26、32、34は、入口から出口まで1以上折り返して延びるサーペンタイン流路であってもよいし、あるいは、入口から出口までストレートに延びるストレート流路であってもよい。
第1セパレータ10および第2セパレータ20にはセル積層方向に延びる冷媒マニホールド、燃料ガスマニホールド、酸化ガスマニホールドの各マニホールド80が形成されている。冷媒マニホールドは、冷媒流路26に連通しており、燃料ガスマニホールドは燃料ガス流路32に連通している。酸化ガスマニホールドは、酸化ガス流路34に連通している。これらマニホールドは第1セパレータ10および第2セパレータ20の対向端部に形成されており、セル面内の流路26、32、34はマニホールド形成領域を除くセパレータの中央領域に形成されている。ガス流路領域であって、かつ、MEA30の存在する領域はセルの発電領域である。
MEA30と第1セパレータ10および第2セパレータ20を重ねて燃料電池セル40を形成し、少なくとも1つの燃料電池セル40からセルモジュールを構成する。このモジュールを積層してセル積層体とし、セル積層体のセル積層方向両端に、ターミナル、インシュレータ、エンドプレートを配置し、セル積層体をセル積層方向に締め付け、セル積層体の外側でセル積層方向に延びるテンションプレート、ボルト・ナットにて固定して燃料電池スタックを構成することができる。
「ガス排出補助構造」
本実施形態において凹状溝の接着剤保持部のガス排出補助構造は、底面23に対して両側面29に同じ角度θの斜面を形成させ、凹状溝をテーパ状に成形しているが、その他にも様々な態様を採用できる。底面23に対する両側面が直角形状の凹状溝よりも接合の際に少しでもガス溜まりの発生を抑制できる構造であればよい。ガス排出補助構造は、第1セパレータおよび/または第2セパレータの内表面に設けることができる。また、以下のうち単一の構造を有することも可能であるし、複数の種類の複数の構造を組み合わせる態様を採用することも可能である。ガス排出補助の観点では、複数の種類の複数のガス排出補助構造をできるだけ多く適用することが好適であるが、製造容易性等を勘案してそれぞれのケースにおいて好適な態様を採用すればよい。ガス排出補助構造は、例えば以下の(1)斜面形状、(2)ガス排出溝を採用することができる。
(1)斜面形状
図3では、両側面の角度θを同じ角度としているが、両側面の角度θを同じでなく、異なった角度θとしてもよい。また、一方の側面を直角形状とし、一方の側面29を角度θの斜面形状としてもよい(例:図4)。また、形成される斜面は直線状であってもよいし、曲面に形成されていてもよい(例:図5)。さらには、多角形状、ステップ状(例えば等間隔のステップ幅を持った階段状)に斜面が形成されていてもよい(例:図7)。また、底面を有さず、V字型の斜面としてもよい(例:図6)。また、斜面形状を第1セパレータ10または第2セパレータ20のどちらかのみ有する構成も可能である(例:図8)。
斜面形状は直線状、曲面状、ステップ状、多角形状等、ガス排出補助性に支障がなければどのような形状であってもよい。また、斜面形状は、直線状、曲面状、ステップ状、多角形状等これらのうち均一な形状である必要はなく、複数の形状を採用できる。例えば、底面からある高さの部位までは直線状であり、そのある高さの部位からこれよりも高い別の高さの部位までは曲面状であり、その別の高さの部位からセパレータ接合面まではステップ状とすることも可能である。すなわち斜面形状は、凹状溝の周縁の一部に形成されていればよい。
なお、本明細書中において「斜面形状」は、直線状、曲面状、ステップ状、多角形状等を含む広い概念であり、直線状の斜面等に限られる概念ではない。
角度θは30°〜60°であることが好適である。特に好適なのは45°である。角度が30°よりも小さいと接着剤を保持する凹状溝の容積が確保できなくなる場合がある。一方、角度が60°よりも大きいとより直角形状に近づくので効率的にエアを排気できない場合がある。
(2)ガス排出溝
図9では、第2セパレータの凹状溝の側面29であって、セパレータ接合部分にマニホールドまで貫通しているガス排出溝60が設けられている。このガス排出溝60を設けることにより、接合の際に生じたガス溜まりが外部へ排出されることになる。これにより温度上昇時のガス溜まりによるエアの膨張、ひいては接着剤22の分断を抑制することができる。
ガス排出溝60は、ガス溜まりを外部へ排出し、内部の接着剤22が外部に漏洩しない溝であることが好適である。接着剤22が外部へと漏洩すると、この接着剤22により燃料電池のガス流路が阻害される場合がある。よって、ガス排出溝60はできるだけ小さい通路径であることが好適である。ガス排出溝60は、ガスを排出できる構造であればよく、半円筒形状、V字状、凹状など様々な種類の溝を採用できる。
ガス溜まりを外部へ排出し、内部の接着剤22が外部に漏洩しない溝構造とするには、接着剤22中に接着剤漏洩抑制部材を含ませることがより好適である。例えば、球状のビーズを含ませると好適であり、より好適には接着剤漏洩をより好適にはかるため複数個のビーズ70を含ませることである(図10)。なお、ビーズなどの球状でなくとも直方体、立方体などの多角形状の固形物など様々な接着剤と不活性な材質からなる接着剤漏洩抑制部材を代わりに採用することが可能である。この接着剤漏洩抑制部材は、接着剤22中でなくとも凹状溝中に予め配置しておき、この配置された接着剤漏洩抑制部材に接着剤22を注入するという方法でも可能である。
ガス排出溝60の凹状溝内表面からマニホールド口までの全体構造のうち最も浅い深さの値をdとし、球状のビーズ70の直径をeとする。この場合、このビーズ70の径の大きさeはガス排出溝60のdの部分以上の大きさであれば(深さd≦直径eとする)、ビーズ70がガス排出溝60を塞ぎ、接着剤がマニホールドへ漏洩することを抑制している。ビーズの材質としては接着剤に対して不活性なシリカ、ガラス、樹脂等が好適である。
「ビーズによる接着剤漏洩抑制態様」
図10、図11にはビーズ70を複数個含有させた接着剤を用いた接着剤漏洩抑制態様の説明図が示される。第2セパレータ20の側面29に凹状であって、全経路において同一深さdの凹状ガス排出溝60が設けられている。第2セパレータ20表面の凹状溝にビーズを複数個含んだ接着剤22を塗布する。このように接着剤22を凹状溝に塗布した後、第1セパレータ10を第2セパレータ20と接合し、接着剤を押しつぶす。このとき、接着剤22中のビーズ70は、凹状ガス排出溝60の入り口へと至る。ここでビーズの直径eは、凹状ガス排出溝60の深さdよりも大きいので。凹状ガス排出溝60を塞ぐ。ここで、ビーズの直径eは必ずしも凹状ガス排出溝60の深さdよりも大きい場合だけでなく、同等の大きさや、やや小さい場合であっても可能である。ビーズの機能として接着剤の流出を抑制するように接着剤に対する通路抵抗とすることができればよい。
以上のようにビーズ70によって凹状ガス排出溝60が塞がれ、接着剤22の外部への漏洩を抑制することができる。一方で、ビーズ70とガス排出溝60の間には、隙間が生じる。この隙間があるので、ガス溜まりのガスをこの隙間を通じて排出することができる。このようにしてガスを排出させ、なおかつ、接着剤22の外部への漏洩を抑制させる漏洩抑制態様を提供できる。
「他の構成例」
図17には、他の構成例を示してある。この図17に示したのは、第1セパレータ10と第2セパレータ20の接合部分であり、接着剤22が両セパレータ10,20の間に位置している。そして、この例では、第2セパレータ20の接合面に凹状溝90が存在し、この凹状溝90の側面92と、底面94はほぼ直角に位置しているが、その接続部分に斜面96が設けられている。従って、側面92と底面94が直接接する場合には、その接続角は90°になるが、斜面96が存在するため、側面92と斜面96の接続部および斜面96と底面94の接続部は、共に135°となっている。このように、凹状溝90の面と面との接続角は鈍角化され、これによって接着剤22を塗布した際に、ガス溜まりとなる角部をなくすことができる。
図18には、第1セパレータ10と第2セパレータ20によりMEA30の触媒層30aを挟み込み固定する接合部分を示してあり、ここでは接着剤22が両セパレータ10,20の間に位置し、触媒層30aの端部を包み込んでいる。そして、この部分の第2セパレータ20は、触媒層30aを適正に収容するために触媒層30aが存在する部分において第1セパレータ10との間隔が触媒層30aの厚みに応じて大きくなるように側面92と底面94からなる段差98を有している。そして、この側面92と、底面94の接続部分に上述の場合と同様に斜面96が設けられている。従って、側面92と斜面96の接続部は、135°となっている。
図19には、他の構成例が示されており、この例は図17における斜面96が曲面で構成されている。すなわち、斜面96は、側面92と底面94をスムーズにつなげる、断面が所定半径の円弧となる斜面になっている。これによれば、角部がなく、ガス溜まりの発生を防止することができる。
図20には、さらに他の構成例が示されており、この例は図18における斜面96が曲面で構成されている。
図21には、さらに他の構成例が示されており、この例は図17における側面92をなくし、側面92に代えて斜面96を採用している。言い換えれば、側面が斜面96となっている。これによっても、角部がなく、ガス溜まりの発生を防止することができる。
図22には、さらに他の構成例が示されており、この例は図18における斜面92をなくし側面を斜面96で構成している。
図23には、さらに他の構成例が示されており、この例は図21における斜面96が曲面で構成されている。なお、この図23においては、底面94もなくなっているが、底面94はあってもかまわない。
図24には、さらに他の構成例が示されており、この例は図22における斜面96が曲面で構成されている。
このように、MEA30を挟み込む側における第1セパレータ10と第2セパレータ20の接続部においても、凹状溝90や段差98の側面と底面の接続部分に斜面を配置し、接着剤22が進入しないガス溜まりが生成されるのを防止することができる。
特に、ガス溜まりができると、接着のための加熱工程などによりガス溜まりのガスが膨張してガスリーク路が形成されてしまう場合があり、本実施形態により、リーク通路の発生を効果的に防止できる。すなわち、セル内部空間と冷媒の通路となるマニホールド、その他のガス通路とのリーク通路が形成されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態においては、凹状溝を例示して説明しているが、溝でなく凹状穴を複数設ける構成としてもよい。本明細書において、「凹状の窪み」とは「凹状溝」と「凹状穴」の両者を含む概念である。
固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型等の燃料電池モジュール一般に適用できる。
本発明は、複数の燃料電池セルを積層して形成される燃料電池モジュールに関する。
燃料電池は、固体高分子膜等の電解質層とこれを挟持するカーボンクロスやカーボンペーパ等の拡散層からなる膜−電極接合体(MEA)、膜−電極接合体を挟持するセパレータとからなる燃料電池セルを単一セルとしている。この単一燃料電池セルではアノードガスとしての水素ガスは負極側セパレータの水素ガス流路溝へ供給され、カソードガスとしての空気(酸素ガス)が正極側セパレータの酸素ガス流路溝へ供給される。供給された水素ガスおよび酸素ガスはそれぞれ、負極側拡散層および正極側拡散層のそれぞれの拡散層へと拡散する。負極側拡散層へと至った水素ガスは、さらに固体高分子電解質膜に塗布された触媒層と接触して、プロトンと電子の電荷に解離する。解離したプロトンは固体高分子膜を通過し、正極側へと移動し、正極側の酸素と反応して水を生成して発電させる。このような発電メカニズムの上記単一セルを複数用い、セパレータを介して、積層化することで直列接続のセルモジュール、セルスタックとして燃料電池の全体を構成するのが通常である。
図13には、背景技術に係る燃料電池500の断面図が示される。図12には、図13に示される燃料電池500に積層される一枚のセパレータ20の平面図が示される。燃料電池500は、第1セパレータ10と第2セパレータ20との間にMEA30が挟持された燃料電池セル40を有している。ここで、第1セパレータ10と第2セパレータ20とは接着剤22で接合され、この間にMEA30が挟まれた構造となっている。接着剤22は、FCセルに供給される流体(ガス、冷却剤)をシールするシール材としての機能も有する。このようにして形成された燃料電池セル40同士をさらに接着剤22で接合し、燃料電池セル40同士を物理的に強固に接着してセルモジュール化する。このセルモジュールはガスまたは冷媒を通すためのマニホールド80を間に有している。
セパレータ20は、セパレータの最外周面にセパレータ外周堰75が設けられ、それよりも内側において、マニホールド80の外周面にマニホールド80を取り囲んでマニホールド外周堰76が設けられている。さらに内側にはセパレータ内周堰77を有している。
セパレータ20は、接着剤を保持する接着剤保持部24としての凹状溝を有している。凹状溝は、図13において、セパレータ外周堰75とセパレータ外周側のマニホールド外周堰76を側面壁として、それらの間に形成される外周凹状溝72と、セパレータ内周側のマニホールド内周堰76とセパレータ内周堰77を側面壁として、それらの間に形成される内周凹状溝74とで形成される。
この燃料電池セル40同士を接合する方法について図14に基づいて説明する。第1セパレータ10および第2セパレータ20において、積層化により接合される方向の燃料電池セル対向面に、底面23に対する側面29が直角形状の凹状溝24が設けられている。次に第2セパレータ20の直角形状の凹状溝24内部に接着剤22を塗布する。接着剤22を塗布後、第1セパレータ10と第2セパレータ20の凹状溝24同士を対向させるように第1セパレータ10と第2セパレータ20とを配置させることで底面23に対する側面29が直角形状の接着剤保持部24を形成する。この形成された接着剤保持部24に接着剤22を保持させ、第1セパレータ10と第2セパレータ20を接合することで燃料電池セル40同士をモジュール化できる。
セパレータ同士を接合した文献としては以下の文献が知られている。下記特許文献1(特開2002−260691号公報)には、第1セパレータと第2セパレータの間のマニホールドおよび冷却水流路溝の周囲に側面29が底面23に対して直角形状の凹状の窪みを設け、その窪みの中にガス不透過性接着剤を注入して両プレートを接合し、ガス透過を抑制した燃料電池用セパレータが開示されている。特許文献2(特開2002−367631号公報)には、両プレートを接合した間に材料溜りの窪みを形成したシール構造が開示されている。なお、下記特許文献3(特開2000−48832号公報)には、接着剤がはみ出すことを抑制する堰部を設けた燃料電池セパレータが開示されている。下記特許文献4(特開2001−319666号公報)、特許文献5(特開2001−319676号公報)には、連通孔の周囲を取り囲むように設けられた溝部内に塗布された液状シールでシールしたセパレータが開示されている。
しかしながら、従来の底面23に対する側面29が直角形状の凹状の窪みでは、セパレータ同士の組み立て・接合の際に接着剤(シール材)と窪み表面の境界面にエアなどのガスを巻き込み、接着剤が凹状の窪みの隙間に完全に充填されず残ってしまう場合がある。このような隙間が生じるとセパレータ間が接着不良となる可能性がある。
セパレータ同士の接合工程でガスを巻き込む理由について説明する。第2セパレータ20における底面23に対する側面29が直角形状の凹状の窪みに接着剤22を塗布する。接着剤22を塗布すると接着剤22と凹状の窪みの表面との間にガスを巻き込む場合がある。ガスの巻き込みが生じるとガス溜まり28が生じる。
この状態で第1セパレータ10を第2セパレータ20上に被せて、両セパレータを接合してモジュール化すると(図14)、ガス溜まり28を含んだまま第1セパレータ10および第2セパレータ20は接合されることになる(図15)。このようにガス溜まり28を含んだまま接合するとガス溜まり28により以下のような不具合を生じてしまう場合がある。
(1)接着剤22が熱硬化性の接着剤であれば、接着剤の熱硬化工程が必要になる。熱硬化工程においては、熱が接着剤だけでなく、ガス溜まり28にも伝えられることになる。ガス溜まり28はこの熱によって、膨張する(図16)。膨張したガス溜まり28は、接着剤22の接着性を弱め、ひいては接着剤を部分的に分断し、ガスが漏れてしまう場合がある。このような場合には、セパレータ間の密着性が減少し、機能が低下した接着剤(シール材)を通じてガスがリークすることになる。
(2)燃料電池では、比較的低温駆動可能な固体高分子型燃料電池であっても70℃〜80℃の温度で運転されることが通常である。このような常温よりも高い温度では、ガス溜まりも熱膨張することになる(図16)。このようにガス溜まり28が膨張して(1)と同様に不具合が生じてしまう場合がある。
また、1つの燃料電池セルを構成している第1セパレータ10と第2セパレータ20も接着剤22によって接着され、この間にMEA30が挟まれた構造となっている。この接着部分においても、第1および第2セパレータには、各種の段差を有している。すなわち、MEA30は、電解質膜の両側に拡散層が形成された三層構造であるが、電解質膜のみが外側に延長され、この部分が第1セパレータ10と第2セパレータ20に挟み込まれ固定されている。そして、第1セパレータ10または第2セパレータ20の少なくとも一方は、電解質膜を挟み込む部分に対応して凹部を形成している(特許文献2参照)。そこで、この凹部の端部に当たる段差の側面と底面の角部にもガス溜まりが形成される。さらに、MEA30と第1セパレータ10または第2セパレータ20との間の空間には、水素ガス(燃料ガス)または酸化性ガス(空気)が供給される。そこで、これらガス通路と空間とを連通させる必要があり、シーリングプレートを用いて連通路に接着剤が進入するのを防いでいる。このシーリングプレートの端部に対応して第1セパレータ10または第2セパレータ20の一方に段差が形成されこの段差の側面と底面の角部にもガス溜まりが形成される。
そして、これらガス溜まりのガスが接合工程において加熱膨張した場合には、セル内部空間と冷媒の通路となるマニホールドとのリーク通路が形成されてしまう場合もある。
本発明は、よりガス溜まりによる不具合を解消させる燃料電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明は、複数の燃料電池セルを積層して形成される燃料電池モジュールであって、複数の燃料電池セルを区切るセパレータ部材と、前記セパレータ部材と前記燃料電池セルの積層方向において隣接するとともに、前記セパレータに対し接着剤で接着される隣接部材と、前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合部分における前記セパレータ部材および前記隣接部材のうち少なくとも一方に設けられ前記接着剤を保持する凹状の窪みと、を含み、前記凹状の窪みは、前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合の際に、前記接着剤と前記接着剤保持部の表面の間に存在するガスを外部へ排出することを補助するガス排出補助構造を、周縁の少なくとも一部に有することを特徴とする。
上記燃料電池モジュールであって、前記凹状の窪みの側面を斜面形状とすると好適である。
上記燃料電池モジュールであって、前記凹状の窪みがテーパ状に形成されると好適である。
上記燃料電池モジュールであって、接着剤を保持する側であって、底面に対する斜面の角度が120°〜150°であると好適である。
上記燃料電池モジュールであって、前記凹状の窪みの側面に外部へガスを排出するガス排出溝を有すると好適である。
上記燃料電池モジュールであって、前記接着剤の外部への漏洩を抑制する接着剤漏洩抑制部材を前記接着剤中に含有すると好適である。
上記燃料電池モジュールであって、前記接着剤漏洩抑制部材は球状のビーズであり、このビーズの粒径が前記ガス排出溝の通路径よりも大きいと好適である。
本発明は、複数の燃料電池セルを積層して形成される燃料電池モジュールであって、複数の燃料電池セルを区切るセパレータ部材と、前記セパレータ部材と前記燃料電池セルの積層方向において隣接するとともに、前記セパレータに対し接着剤で接着される隣接部材と、前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合部分における前記セパレータ部材と前記隣接部材のうち少なくとも一方に設けられ前記接着剤を保持する段差部と、を含み、前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合の際に、前記接着剤と前記段差部の表面の間に存在するガスを外部へ排出することを補助するガス排出補助構造を、前記段差部に有することを特徴とする。
また、前記ガス排出補助構造は、前記段差部が、底面と側面との接続部分において、底面と側面を接続する斜面を有することが好適である。この構成によって、底面と側面が直接接続されるときに生じる隅部を除去することができる。
また、前記段差部は、凹状の窪みであり、この凹状の窪みの側面と底面との接続部分に斜面を有することが好適である。
上記燃料電池モジュールであって、前記セパレータ部材および前記セル積層方向に隣接する隣接部材はメタルセパレータであると好適である。
本発明によれば、よりガス溜まりによる不具合を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
「燃料電池」
図1には、本実施形態に係る燃料電池100の断面図が開示されている。図2に示される燃料電池100に積層される一枚のセパレータ20の平面図である。燃料電池100は、第1セパレータ10と第2セパレータ20との間にMEA30が挟持された燃料電池セル40構造を有している。この燃料電池セル40が多層に積層された構造となっている。この燃料電池セル40は、第1セパレータ10と隣接部材となる第2セパレータ20がセパレータ間同士が接着剤で接合されて構成されている。燃料電池セル40同士をさらに接着剤22で接合して積層化(セルモジュール化)する。この接着剤により、燃料電池セル40同士が物理的に強固に接着されてセルモジュール化される。このセルモジュール(スタック)は間にガスまたは冷媒を通すためのマニホールド80を有している。
セパレータ20は、セパレータの最外周面にセパレータ外周堰65が設けられ、それよりも内側において、マニホールド80の外周面にマニホールド80を取り囲んでマニホールド外周堰66が設けられている。さらに内側にはセパレータ内周堰67を有している。
セパレータ20は、接着剤を保持する接着剤保持部24としての凹状溝を有している。凹状溝は、図1において、セパレータ外周堰65とセパレータ外周側のマニホールド外周堰66を側面壁として、それらの間に形成される外周凹状溝62と、セパレータ内周側のマニホールド内周堰66とセパレータ内周堰67を側面壁として、それらの間に形成される内周凹状溝64とで形成される。
第1セパレータ10および第2セパレータ20に、セルモジュール化する方向の燃料電池セル対向面に凹状の凹状溝を設ける。この凹状溝は底面(面内方向)に対する側面(積層方向)が斜面形状であることを特徴としている。凹状溝を設けた第2セパレータ20の凹状溝内表面に接着剤22を塗布する。この接着剤22を塗布した後、第1セパレータ10および第2セパレータ20の両方の凹状溝同士を対向させるように第1セパレータ10と第2セパレータ20とを配置させて接着剤保持空間50を形成する。この形成された接着剤保持部50に接着剤22を保持させ、第1セパレータ10と第2セパレータ20とを、接着剤22により接合することで燃料電池セル40同士を組み立て、モジュール化する。
また、隣接部材として本実施形態では第2セパレータを用いているが、隣接部材としては、セパレータ、電解質膜、膜−電極接合体、樹脂フレームのうち少なくとも1つを用いることができる。
凹状溝は底面23に対して側面29に角度θの斜面を形成する。図3では、底面23に対して両側面に同じ角度θの斜面を形成させ、凹状溝をテーパ状に成形している。ここで角度θは90°よりも小さく、凹状溝の側面を直角形状としない角度である。このように角度θを凹状溝の側面29に設けたので、第1セパレータ10を第2セパレータ20上に被せて、両セパレータを接合してモジュール化した際にも接着剤22と凹状溝内表面との間にガス溜まりが生じてしまうことを抑制できる。すなわち、モジュール化の際、ガス溜まりは凹状溝の側面29が角度θを持っているので、この角度θを持った側面29により凹状溝側面を直角形状とするよりも外部へのガス排出が補助されることになる。よってガス溜まりの発生を抑制できる。また、モジュール化後にガス溜まりの熱膨張により接着剤の接着力が低下したり、接着剤が分断されてしまうことを抑制できる。
第1セパレータ10、第2セパレータ20は、カーボン、金属、樹脂、導電性樹脂などを採用できる。例えば、第1セパレータ10、第2セパレータ20ともメタルセパレータとしたり、第1セパレータ10、第2セパレータ20ともカーボンセパレータ(カーボンとこのカーボンをバインダする樹脂との成形品)とすることなども採用できる。図1では、第1セパレータ10および第2セパレータ20共、カーボンセパレータを用いている。
第1セパレータ10には、MEA30へ燃料ガスを供給するための燃料ガス流路34が形成され、第2セパレータ20には、MEA30へ酸化ガスを供給するための酸化ガス流路32が形成されている。また、第1セパレータ10および第2セパレータ20にはガス流路32、34が形成されている面と反対側の接合面に冷媒(通常は冷却水)を流すための冷媒流路26も形成されている。流路26、32、34は、入口から出口まで1以上折り返して延びるサーペンタイン流路であってもよいし、あるいは、入口から出口までストレートに延びるストレート流路であってもよい。
第1セパレータ10および第2セパレータ20にはセル積層方向に延びる冷媒マニホールド、燃料ガスマニホールド、酸化ガスマニホールドの各マニホールド80が形成されている。冷媒マニホールドは、冷媒流路26に連通しており、燃料ガスマニホールドは燃料ガス流路32に連通している。酸化ガスマニホールドは、酸化ガス流路34に連通している。これらマニホールドは第1セパレータ10および第2セパレータ20の対向端部に形成されており、セル面内の流路26、32、34はマニホールド形成領域を除くセパレータの中央領域に形成されている。ガス流路領域であって、かつ、MEA30の存在する領域はセルの発電領域である。
MEA30と第1セパレータ10および第2セパレータ20を重ねて燃料電池セル40を形成し、少なくとも1つの燃料電池セル40からセルモジュールを構成する。このモジュールを積層してセル積層体とし、セル積層体のセル積層方向両端に、ターミナル、インシュレータ、エンドプレートを配置し、セル積層体をセル積層方向に締め付け、セル積層体の外側でセル積層方向に延びるテンションプレート、ボルト・ナットにて固定して燃料電池スタックを構成することができる。
「ガス排出補助構造」
本実施形態において凹状溝の接着剤保持部のガス排出補助構造は、底面23に対して両側面29に同じ角度θの斜面を形成させ、凹状溝をテーパ状に成形しているが、その他にも様々な態様を採用できる。底面23に対する両側面が直角形状の凹状溝よりも接合の際に少しでもガス溜まりの発生を抑制できる構造であればよい。ガス排出補助構造は、第1セパレータおよび/または第2セパレータの内表面に設けることができる。また、以下のうち単一の構造を有することも可能であるし、複数の種類の複数の構造を組み合わせる態様を採用することも可能である。ガス排出補助の観点では、複数の種類の複数のガス排出補助構造をできるだけ多く適用することが好適であるが、製造容易性等を勘案してそれぞれのケースにおいて好適な態様を採用すればよい。ガス排出補助構造は、例えば以下の(1)斜面形状、(2)ガス排出溝を採用することができる。
(1)斜面形状
図3では、両側面の角度θを同じ角度としているが、両側面の角度θを同じでなく、異なった角度θとしてもよい。また、一方の側面を直角形状とし、一方の側面29を角度θの斜面形状としてもよい(例:図4)。また、形成される斜面は直線状であってもよいし、曲面に形成されていてもよい(例:図5)。さらには、多角形状、ステップ状(例えば等間隔のステップ幅を持った階段状)に斜面が形成されていてもよい(例:図7)。また、底面を有さず、V字型の斜面としてもよい(例:図6)。また、斜面形状を第1セパレータ10または第2セパレータ20のどちらかのみ有する構成も可能である(例:図8)。
斜面形状は直線状、曲面状、ステップ状、多角形状等、ガス排出補助性に支障がなければどのような形状であってもよい。また、斜面形状は、直線状、曲面状、ステップ状、多角形状等これらのうち均一な形状である必要はなく、複数の形状を採用できる。例えば、底面からある高さの部位までは直線状であり、そのある高さの部位からこれよりも高い別の高さの部位までは曲面状であり、その別の高さの部位からセパレータ接合面まではステップ状とすることも可能である。すなわち斜面形状は、凹状溝の周縁の一部に形成されていればよい。
なお、本明細書中において「斜面形状」は、直線状、曲面状、ステップ状、多角形状等を含む広い概念であり、直線状の斜面等に限られる概念ではない。
角度θは30°〜60°であることが好適である。特に好適なのは45°である。角度が30°よりも小さいと接着剤を保持する凹状溝の容積が確保できなくなる場合がある。一方、角度が60°よりも大きいとより直角形状に近づくので効率的にエアを排気できない場合がある。
(2)ガス排出溝
図9では、第2セパレータの凹状溝の側面29であって、セパレータ接合部分にマニホールドまで貫通しているガス排出溝60が設けられている。このガス排出溝60を設けることにより、接合の際に生じたガス溜まりが外部へ排出されることになる。これにより温度上昇時のガス溜まりによるエアの膨張、ひいては接着剤22の分断を抑制することができる。
ガス排出溝60は、ガス溜まりを外部へ排出し、内部の接着剤22が外部に漏洩しない溝であることが好適である。接着剤22が外部へと漏洩すると、この接着剤22により燃料電池のガス流路が阻害される場合がある。よって、ガス排出溝60はできるだけ小さい通路径であることが好適である。ガス排出溝60は、ガスを排出できる構造であればよく、半円筒形状、V字状、凹状など様々な種類の溝を採用できる。
ガス溜まりを外部へ排出し、内部の接着剤22が外部に漏洩しない溝構造とするには、接着剤22中に接着剤漏洩抑制部材を含ませることがより好適である。例えば、球状のビーズを含ませると好適であり、より好適には接着剤漏洩をより好適にはかるため複数個のビーズ70を含ませることである(図10)。なお、ビーズなどの球状でなくとも直方体、立方体などの多角形状の固形物など様々な接着剤と不活性な材質からなる接着剤漏洩抑制部材を代わりに採用することが可能である。この接着剤漏洩抑制部材は、接着剤22中でなくとも凹状溝中に予め配置しておき、この配置された接着剤漏洩抑制部材に接着剤22を注入するという方法でも可能である。
ガス排出溝60の凹状溝内表面からマニホールド口までの全体構造のうち最も浅い深さの値をdとし、球状のビーズ70の直径をeとする。この場合、このビーズ70の径の大きさeはガス排出溝60のdの部分以上の大きさであれば(深さd≦直径eとする)、ビーズ70がガス排出溝60を塞ぎ、接着剤がマニホールドへ漏洩することを抑制している。ビーズの材質としては接着剤に対して不活性なシリカ、ガラス、樹脂等が好適である。
「ビーズによる接着剤漏洩抑制態様」
図10、図11にはビーズ70を複数個含有させた接着剤を用いた接着剤漏洩抑制態様の説明図が示される。第2セパレータ20の側面29に凹状であって、全経路において同一深さdの凹状ガス排出溝60が設けられている。第2セパレータ20表面の凹状溝にビーズを複数個含んだ接着剤22を塗布する。このように接着剤22を凹状溝に塗布した後、第1セパレータ10を第2セパレータ20と接合し、接着剤を押しつぶす。このとき、接着剤22中のビーズ70は、凹状ガス排出溝60の入り口へと至る。ここでビーズの直径eは、凹状ガス排出溝60の深さdよりも大きいので。凹状ガス排出溝60を塞ぐ。ここで、ビーズの直径eは必ずしも凹状ガス排出溝60の深さdよりも大きい場合だけでなく、同等の大きさや、やや小さい場合であっても可能である。ビーズの機能として接着剤の流出を抑制するように接着剤に対する通路抵抗とすることができればよい。
以上のようにビーズ70によって凹状ガス排出溝60が塞がれ、接着剤22の外部への漏洩を抑制することができる。一方で、ビーズ70とガス排出溝60の間には、隙間が生じる。この隙間があるので、ガス溜まりのガスをこの隙間を通じて排出することができる。このようにしてガスを排出させ、なおかつ、接着剤22の外部への漏洩を抑制させる漏洩抑制態様を提供できる。
「他の構成例」
図17には、他の構成例を示してある。この図17に示したのは、第1セパレータ10と第2セパレータ20の接合部分であり、接着剤22が両セパレータ10,20の間に位置している。そして、この例では、第2セパレータ20の接合面に凹状溝90が存在し、この凹状溝90の側面92と、底面94はほぼ直角に位置しているが、その接続部分に斜面96が設けられている。従って、側面92と底面94が直接接する場合には、その接続角は90°になるが、斜面96が存在するため、側面92と斜面96の接続部および斜面96と底面94の接続部は、共に135°となっている。このように、凹状溝90の面と面との接続角は鈍角化され、これによって接着剤22を塗布した際に、ガス溜まりとなる角部をなくすことができる。
図18には、第1セパレータ10と第2セパレータ20によりMEA30の電解質膜30aを挟み込み固定する接合部分を示してあり、ここでは接着剤22が両セパレータ10,20の間に位置し、電解質膜30aの端部を包み込んでいる。そして、この部分の第2セパレータ20は、電解質膜30aを適正に収容するために電解質膜30aが存在する部分において第1セパレータ10との間隔が電解質膜30aの厚みに応じて大きくなるように側面92と底面94からなる段差98を有している。そして、この側面92と、底面94の接続部分に上述の場合と同様に斜面96が設けられている。従って、側面92と斜面96の接続部は、135°となっている。
図19には、他の構成例が示されており、この例は図17における斜面96が曲面で構成されている。すなわち、斜面96は、側面92と底面94をスムーズにつなげる、断面が所定半径の円弧となる斜面になっている。これによれば、角部がなく、ガス溜まりの発生を防止することができる。
図20には、さらに他の構成例が示されており、この例は図18における斜面96が曲面で構成されている。
図21には、さらに他の構成例が示されており、この例は図17における側面92をなくし、側面92に代えて斜面96を採用している。言い換えれば、側面が斜面96となっている。これによっても、角部がなく、ガス溜まりの発生を防止することができる。
図22には、さらに他の構成例が示されており、この例は図18における斜面92をなくし側面を斜面96で構成している。
図23には、さらに他の構成例が示されており、この例は図21における斜面96が曲面で構成されている。なお、この図23においては、底面94もなくなっているが、底面94はあってもかまわない。
図24には、さらに他の構成例が示されており、この例は図22における斜面96が曲面で構成されている。
このように、MEA30を挟み込む側における第1セパレータ10と第2セパレータ20の接続部においても、凹状溝90や段差98の側面と底面の接続部分に斜面を配置し、接着剤22が進入しないガス溜まりが生成されるのを防止することができる。
特に、ガス溜まりができると、接着のための加熱工程などによりガス溜まりのガスが膨張してガスリーク路が形成されてしまう場合があり、本実施形態により、リーク通路の発生を効果的に防止できる。すなわち、セル内部空間と冷媒の通路となるマニホールド、その他のガス通路とのリーク通路が形成されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態においては、凹状溝を例示して説明しているが、溝でなく凹状穴を複数設ける構成としてもよい。本明細書において、「凹状の窪み」とは「凹状溝」と「凹状穴」の両者を含む概念である。
固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型等の燃料電池モジュール一般に適用できる。
本実施形態に係る燃料電池モジュールの断面図である。 本実施形態に係る燃料電池セパレータの平面図である。 本実施形態に係るガス排出補助構造である。 本実施形態に係るガス排出補助構造である。 本実施形態に係るガス排出補助構造である。 本実施形態に係るガス排出補助構造である。 本実施形態に係るガス排出補助構造である。 本実施形態に係るガス排出補助構造である。 本実施形態に係るガス排出補助構造である。 本実施形態に係るガス排出補助構造である。 本実施形態に係るガス排出補助構造である。 背景技術に係る燃料電池セパレータの平面図である。 背景技術に係る燃料電池モジュールの断面図である。 ガス溜まりによる不具合発生の説明図である。 ガス溜まりによる不具合発生の説明図である。 ガス溜まりによる不具合発生の説明図である。 他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。 他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。 他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。 他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。 他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。 他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。 他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。 他の実施形態によるガス溜まり発生防止の構成を示す図である。

Claims (11)

  1. 複数の燃料電池セルを積層して形成される燃料電池モジュールであって、
    複数の燃料電池セルを区切るセパレータ部材と、
    前記セパレータ部材と前記燃料電池セルの積層方向において隣接するとともに、前記セパレータに対し接着剤で接着される隣接部材と、
    前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合部分における前記セパレータ部材および前記隣接部材のうち少なくとも一方に設けられ前記接着剤を保持する凹状の窪みと、
    を含み、
    前記凹状の窪みは、
    前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合の際に、前記接着剤と前記凹状の窪みの表面の間に存在するガスを外部へ排出することを補助するガス排出補助構造を、周縁の少なくとも一部に有する燃料電池モジュール。
  2. 請求項1に記載の燃料電池モジュールであって、
    前記凹状の窪みの側面を斜面形状とした燃料電池モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池モジュールであって、
    前記燃料電池モジュールは、前記凹状の窪みがテーパ状に形成される燃料電池モジュール。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の燃料電池モジュールであって、
    接着剤を保持する側であって、底面に対する斜面の角度が120°〜150°である燃料電池モジュール。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の燃料電池モジュールであって、
    前記凹状の窪みの側面に外部へガスを排出するガス排出溝を有する燃料電池モジュール。
  6. 請求項5に記載の燃料電池モジュールであって、
    前記接着剤の外部への漏洩を抑制する接着剤漏洩抑制部材を前記接着剤中に含有する燃料電池モジュール。
  7. 請求項6に記載の燃料電池モジュールであって、
    前記接着剤漏洩抑制部材は球状のビーズであり、
    このビーズの粒径が前記ガス排出溝の通路径よりも大きい燃料電池モジュール。
  8. 複数の燃料電池セルを積層して形成される燃料電池モジュールであって、
    複数の燃料電池セルを区切るセパレータ部材と、
    前記セパレータ部材と前記燃料電池セルの積層方向において隣接するとともに、前記セパレータに対し接着剤で接着される隣接部材と、
    前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合部分における前記セパレータ部材と前記隣接部材のうち少なくとも一方に設けられ前記接着剤を保持する段差部と、
    を含み、
    前記セパレータ部材と前記隣接部材の接合の際に、前記接着剤と前記段差部の表面の間に存在するガスを外部へ排出することを補助するガス排出補助構造を、前記段差部に有する燃料電池モジュール。
  9. 請求項8に記載の燃料電池モジュールであって、
    前記ガス排出補助構造は、前記段差部の底面と側面との接続部分において、底面と側面を接続する斜面を有する燃料電池モジュール。
  10. 請求項9に記載の燃料電池モジュールであって、
    前記段差部は、凹状の窪みであり、この凹状の窪みの側面と底面との接続部分に斜面を有する燃料電池モジュール。
  11. 請求項1から10のいずれか1つに記載の燃料電池モジュールであって、
    前記セパレータ部材および前記セル積層方向に隣接する隣接部材は、メタルセパレータである燃料電池モジュール。
JP2006512671A 2004-04-26 2005-04-26 燃料電池モジュール Expired - Fee Related JP4475277B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004130021 2004-04-26
JP2004130021 2004-04-26
PCT/JP2005/008404 WO2005104287A1 (ja) 2004-04-26 2005-04-26 燃料電池モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005104287A1 true JPWO2005104287A1 (ja) 2008-03-13
JP4475277B2 JP4475277B2 (ja) 2010-06-09

Family

ID=35197301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006512671A Expired - Fee Related JP4475277B2 (ja) 2004-04-26 2005-04-26 燃料電池モジュール

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7732082B2 (ja)
JP (1) JP4475277B2 (ja)
KR (1) KR100760409B1 (ja)
CN (1) CN100530803C (ja)
CA (1) CA2563540C (ja)
DE (1) DE112005000938B4 (ja)
WO (1) WO2005104287A1 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4761255B2 (ja) * 2005-12-02 2011-08-31 トヨタ自動車株式会社 燃料電池と当該燃料電池用セパレータの接着構造
JP5076360B2 (ja) * 2006-05-16 2012-11-21 日産自動車株式会社 燃料電池スタック並びにその製造方法
KR100901568B1 (ko) * 2006-12-12 2009-06-08 현대자동차주식회사 연료전지용 금속분리판의 제조방법
TW200840126A (en) * 2007-03-20 2008-10-01 Nan Ya Printed Circuit Board Corp Fuel cell module
CN101698942B (zh) * 2009-02-11 2011-08-10 徐名勇 膜电极电解臭氧发生器
KR101588074B1 (ko) * 2009-03-02 2016-01-22 발라드 파워 시스템즈 인크. 연료 전지들 사이의 상대 운동을 제한하기 위한 연료 전지 시스템 및 관련 장치
US9070937B2 (en) * 2009-03-02 2015-06-30 Audi Ag Fuel cell systems and related arrangements for limiting relative motion between fuel cells
JP2010277957A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Aisin Seiki Co Ltd 燃料電池シール構造
DE102009036628B4 (de) * 2009-08-07 2018-05-17 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verpresster Brennstoffzellenstack
JP5593937B2 (ja) * 2010-08-05 2014-09-24 トヨタ自動車株式会社 燃料電池装置
US8486717B2 (en) 2011-01-18 2013-07-16 Symbolics, Llc Lateral flow assays using two dimensional features
US10230088B1 (en) 2015-01-30 2019-03-12 Johnson Controls Technology Company Battery electrode assembly, separator and method of making same
JP6542056B2 (ja) * 2015-07-21 2019-07-10 Nok株式会社 ガスケット
KR101884086B1 (ko) 2016-10-27 2018-08-01 한양대학교 산학협력단 연료전지 스택유닛 및 이를 포함하는 연료전지 스택
JP6342023B1 (ja) * 2017-02-01 2018-06-13 カルソニックカンセイ株式会社 組電池
JP6612816B2 (ja) * 2017-07-14 2019-11-27 本田技研工業株式会社 燃料電池用セパレータ及び発電セル
KR102268402B1 (ko) * 2017-08-29 2021-06-24 주식회사 엘지에너지솔루션 파우치 형 이차 전지
JP6856005B2 (ja) * 2017-11-20 2021-04-07 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の製造方法
JP6996396B2 (ja) * 2018-04-04 2022-01-17 トヨタ自動車株式会社 燃料電池セルの製造方法
CN109301281A (zh) * 2018-11-13 2019-02-01 上海神力科技有限公司 一种燃料电池双极板的粘合槽结构
KR102213214B1 (ko) * 2020-09-03 2021-02-08 에스퓨얼셀(주) 연료전지 스택

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5670255U (ja) 1979-11-02 1981-06-10
JPH0741158B2 (ja) 1986-03-22 1995-05-10 日新電機株式会社 真空容器の密封構造
JPH04631A (ja) 1990-04-18 1992-01-06 Nec Shizuoka Ltd 印字システム
JP3918265B2 (ja) * 1997-11-21 2007-05-23 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の製造方法
JP3646770B2 (ja) 1998-07-27 2005-05-11 Nok株式会社 燃料電池用ガスケット
JP2000048832A (ja) 1998-07-29 2000-02-18 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 固体高分子型燃料電池セパレータ
JP4576646B2 (ja) 1999-09-30 2010-11-10 アイシン精機株式会社 燃料電池
JP4481423B2 (ja) * 2000-03-31 2010-06-16 株式会社東芝 固体高分子型燃料電池スタック
CA2345852C (en) * 2000-05-02 2008-11-18 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Fuel cell having sealant for sealing a solid polymer electrolyte membrane
JP2001319676A (ja) 2000-05-02 2001-11-16 Honda Motor Co Ltd 燃料電池及びその製造方法
JP3712592B2 (ja) 2000-05-02 2005-11-02 本田技研工業株式会社 燃料電池の製造方法
JP2002260691A (ja) 2001-02-28 2002-09-13 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 燃料電池のセパレータ
JP4000790B2 (ja) * 2001-06-08 2007-10-31 トヨタ自動車株式会社 シール構造を有する燃料電池
US6777127B2 (en) 2001-06-22 2004-08-17 Ballard Power Systems Inc. Systems, apparatus and methods for bonding and/or sealing electrochemical cell elements and assemblies
JP3951841B2 (ja) * 2002-07-19 2007-08-01 トヨタ自動車株式会社 燃料電池のシール構造とその製造方法
JP4583005B2 (ja) * 2003-06-26 2010-11-17 京セラ株式会社 燃料電池用容器および燃料電池
US7401519B2 (en) * 2003-07-14 2008-07-22 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services System for monitoring exposure to impulse noise

Also Published As

Publication number Publication date
US20080026281A1 (en) 2008-01-31
US7732082B2 (en) 2010-06-08
DE112005000938T5 (de) 2007-02-15
KR100760409B1 (ko) 2007-09-19
CA2563540C (en) 2010-01-19
CA2563540A1 (en) 2005-11-03
JP4475277B2 (ja) 2010-06-09
CN1947301A (zh) 2007-04-11
CN100530803C (zh) 2009-08-19
KR20070001243A (ko) 2007-01-03
DE112005000938B4 (de) 2022-03-24
WO2005104287A1 (ja) 2005-11-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4475277B2 (ja) 燃料電池モジュール
JP5615875B2 (ja) 燃料電池用樹脂枠付き電解質膜・電極構造体
CA2564885C (en) Separator of fuel battery, method of joining separator, and fuel battery
JP5186754B2 (ja) 燃料電池
JP5683433B2 (ja) 燃料電池スタック
JP5086543B2 (ja) 燃料電池及びその製造方法
JP2008293896A (ja) 燃料電池
JP4959980B2 (ja) 燃料電池
JP2008171613A (ja) 燃料電池
JP2768698B2 (ja) 内部マニホールド方式の溶融炭酸塩型燃料電池
JP2007026737A (ja) 燃料電池及び燃料電池製造方法
JP2010040169A (ja) 燃料電池および燃料電池の製造方法
JP5081494B2 (ja) 燃料電池
KR20200132294A (ko) 연료전지용 탄성체 셀 프레임 및 그 제조방법과 이를 이용한 연료전지 스택
JP4669242B2 (ja) 燃料電池用配管部材及びその製造方法
JP2005216869A (ja) 燃料電池またはセパレータ
JP4710676B2 (ja) 燃料電池用セパレータ及び燃料電池の製造方法
JP2003132905A (ja) 電解質膜・電極構造体及び燃料電池
US11094946B2 (en) Fuel cell stack and method of manufacturing fuel cell stack
JP2022176827A (ja) 燃料電池用の金属セパレータ
JP2009016067A (ja) セパレータ及び燃料電池
JP7236913B2 (ja) 燃料電池用分離板組立体およびこれを含む燃料電池スタック
JP5104085B2 (ja) 燃料電池
JPH1021939A (ja) 積層型燃料電池
JP2006351342A (ja) 燃料電池スタック、燃料電池スタックのシール部材及び燃料電池スタックの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100301

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4475277

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees