JP2010277957A - 燃料電池シール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール部を構成する肉部分が第1セパレータと第2セパレータとの境界に噛み込むおそれを抑えるのに有利な燃料電池シール構造を提供する。
【解決手段】構造は、第1シール溝5を有する第1セパレータ3と、第1セパレータ3の第1シール溝5に配置されたシール部6と、第1セパレータ3に積層されシール部6を圧潰変形させる第2シール溝7を有する第2セパレータ4とを備える。シール部6を横断する方向に沿った断面において、第2シールの溝幅寸法E2は第1シール溝5の溝幅寸法E1よりも大きく設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は燃料電池シール構造に関する。
燃料電池に使用されるシール構造として、流体通路の外側に形成された第1シール溝を有する第1セパレータと、第1セパレータの第1シール溝に配置された厚み方向に圧潰変形するシール部と、第1セパレータおよび第2セパレータが厚み方向に積層されるときにおいて第1シール溝に対面する第2シール溝を有する第2セパレータとを備えるものが知られている(特許文献1,2,3)。このものによれば、第1シール溝の溝幅は第2シール溝の溝幅と同一とされている。
特開2007−294248号公報 特開2008−123812公報 特開2003−123797公報
第1セパレータおよび第2セパレータを積層させる組み付け時において、シール部がこれの厚み方向に圧潰変形されるとき、圧潰変形されたシール部を構成する肉部分が盛り上がり、その肉部分が第1セパレータと第2セパレータとの境界に噛み込むおそれがある。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、シール部がこれの厚み方向に強く圧潰変形されるときであっても、圧潰変形されたシール部を構成する肉部分が第1セパレータと第2セパレータとの境界に噛み込むおそれが抑えられ、第1セパレータと第2セパレータとの境界におけるシール性を更に向上させるのに有利な燃料電池シール構造を提供することを課題とする。
本発明に係る燃料電池シール構造は、(I)燃料電池システムで使用される流体が流れる流体通路をシールする位置に形成された第1シール溝を有する第1セパレータと、(ii)流体通路をシールするために第1セパレータの第1シール溝に配置された厚み方向に圧潰変形するシール部と、(iii)第1セパレータに積層され、第1セパレータの第1シール溝に対面すると共に前記シール部を圧潰変形させ得る第2シール溝を有する第2セパレータとを具備しており、(iv)シール部を横断する方向に沿った断面において、第2シール溝の溝幅寸法は、第1シール溝の溝幅寸法よりも大きく設定されている。
第1セパレータおよび第2セパレータがこれらの厚み方向に積層されて組み付けられるとき、第1セパレータおよび第2セパレータにより、シール部はこれの厚み方向に強圧される。よってシール部はこれの厚み方向に圧潰変形され、第1セパレータと第2セパレータとの境界におけるシール性を高める。圧潰変形によっては、第1シール部を構成する肉部分が第1セパレータと第2セパレータとの境界に噛み込むおそれがある。
殊に、第1セパレータと第2セパレータとがこれらの面方向に互いに多少ずれて組み付けられるとき、圧潰変形によっては、シール部を構成する肉部分が第1セパレータと第2セパレータとの境界に噛み込むおそれがある。
そこで本発明によれば、シール部を横断する方向に沿った断面において、シール部に対面する第2シール溝の溝幅寸法は、第1シール溝の溝幅寸法よりも大きく設定されている。このため、第1セパレータおよび第2セパレータを積層させて組み付けるにあたり、第1シール溝がこれの厚み方向に圧潰変形されるときであっても、圧潰変形されたシール部を構成する肉部分が第1セパレータと第2セパレータとの境界に噛み込むおそれが抑制または回避される。殊に、第1セパレータと第2セパレータとがこれらの面方向に互いに多少ずれて組み付けられるときであっても、圧潰変形されたシール部を構成する肉部分が第1セパレータと第2セパレータとの境界に噛み込むおそれが抑制または回避される。
更に、第1セパレータおよび第2セパレータを積層させて組み付けた後の状態において、外力が第1セパレータおよび/または第2セパレータに作用したとしても、圧潰変形されたシール部を構成する肉部分が第1セパレータと第2セパレータとの境界に噛み込むおそれが抑制または回避される。
以上説明したように本発明によれば、シール部がこれの厚み方向に圧潰変形されるときであっても、あるいは、シール部がこれの厚み方向に圧潰変形されている状態のときであっても、圧潰変形されたシール部を構成する肉部分が第1セパレータと第2セパレータとの境界に噛み込むおそれが抑制または回避される。このため第1セパレータと第2セパレータとの境界におけるシール性を高めることができ、シール不良が抑えられる。
実施形態1に係り、燃料電池を模式的に示す平面図である。 実施形態1に係り、第1セパレータと第2セパレータとを積層させる前の状態を示す断面図である。 実施形態1に係り、第1セパレータと第2セパレータとを積層させた後の状態を示す断面図である。 実施形態1に係り、面方向にずれが発生しつつ第1セパレータと第2セパレータとを積層させた後の状態を示す断面図である。 実施形態1に係り、第1セパレータと第2セパレータとを積層させた後の状態を示す断面図である。 実施形態2に係り、第1セパレータを示す正面図である。 実施形態2に係り、第1セパレータと第2セパレータとを積層させる前の状態を示す断面図である。 実施形態2に係り、第1セパレータと第2セパレータとを積層させた後の状態を示す断面図である。 実施形態4に係り、第1セパレータと第2セパレータとを積層させる前の状態を示す断面図である。 実施形態5に係り、第1セパレータと第2セパレータとを積層させた後の状態を示す断面図である。 実施形態7に係り、第1セパレータと第2セパレータとを積層させた後の状態を示す断面図である。 実施形態8に係り、第1セパレータと第2セパレータとを積層させる前の状態を示す断面図である。
第1セパレータは、燃料電池システムで使用される流体が流れる流体通路をシールする位置に形成された第1シール溝を有する。シール部は、流体通路をシールするために第1セパレータの第1シール溝に配置されており、厚み方向に圧潰変形可能なシール材料で形成されている。第2セパレータは、第1セパレータおよび第2セパレータが厚み方向に積層されるときにおいて、第1シール溝に対面すると共にシール部を圧潰変形させる第2シール溝を有する。
シール部を横断する方向に沿った断面において、第2シール溝の溝幅寸法E2は、第1シール溝の溝幅寸法E1よりも大きく設定されている。E2/E1の値は適宜設定できるが、1.01〜3.0の範囲内、殊に1.05〜2.0の範囲内、1.1〜1.4の範囲内を例示できる。但しこれに限定されるものではない。
ΔE=E2−E1=0.01〜10ミリメートルの範囲内が好ましく、殊に0.2〜5ミリメートルの範囲内が好ましい。但しこれに限定されない。ΔE/(突起部61の高さ)=0.1〜10が好ましく、殊に0.2〜5が好ましい。ΔE/(第1シール溝5の深さと第2シール溝7の深さとの合計)=1〜15が好ましく、殊に3〜10が好ましい。
本発明の一視点によれば、第1セパレータおよび第2セパレータが厚み方向に積層されていないとき、第1シール溝の溝側面と、第1シール溝の溝側面に対向するシール部の外側面との間には、シール部の変形を許容する隙間が形成されていることが好ましい。この場合、シール部を構成する肉部分の逃げ空間が確保され、シール部の噛み込みの抑制に一層有利である。
本発明の一視点によれば、第1セパレータおよび第2セパレータが厚み方向に積層されている状態のとき、第1シール溝の溝側面と、第1シール溝の溝側面に対向するシール部の外側面との間には、シール部の変形を許容する隙間が形成されていることが好ましい。この場合、シール部を構成する肉部分の逃げ空間が確保され、シール部の噛み込みの抑制に一層有利である。
本発明の一視点によれば、第1セパレータおよび第2セパレータのうちの少なくとも一方は、定寸接触部を備えており、定寸接触部は、シール部の外縁および/または内縁側に形成され、且つ、第1セパレータおよび第2セパレータが厚み方向に積層されているとき他方に接触してシール部の潰れ代を規定することが好ましい。この場合、シール部の潰れ代が規定され、シール部の潰れ代のばらつきが抑制される。このため、第1セパレータと第2セパレータとの境界におけるシール性のばらつきを一層抑制でき、シール性を向上させ得る。
本発明の一視点によれば、第2シール溝の横断方向において、第2シール溝の両端には、これの溝底面よりも深さが深い窪みが形成されていることが好ましい。この場合、空間が確保され、シール部の噛み込みの抑制に一層有利である。
(実施形態1)
本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1はスタック1を模式的に示す。スタック1は、複数のセパレータを厚み方向に膜電極接合体11(MEA)と交互に積層させて構成されたセル積層体12と、セル積層体12の積層方向(矢印X方向)の外側に配置され電気を取り出すための導電材料で形成された集電板13a,13bと、積層方向(矢印X方向)において集電板13a,13bの外側に配置された電気絶縁板14a,14bと、積層方向(矢印X方向)において電気絶縁板14aの外側に配置された金属または硬質樹脂で形成された第1端プレート15と、積層方向において電気絶縁板14bの外側に配置された金属または硬質樹脂で形成された第2端プレート16と、積層方向において第2端プレート16よりも内側に配置され複数個のバネ17の付勢力でセル積層体12のセパレータ同士を密着させる加圧部材18と、端プレート15,16間の寸法を拘束させる拘束部材19とを有する。
ここで、積層方向(矢印X方向)に互いに隣設する二枚のセパレータを、第1セパレータ3および第2セパレータ4と呼ぶ。第1セパレータ3および第2セパレータ4は同種、同系、類似形状のものでも良いし、異なる形状のものでも良い。セパレータ3,4は、耐食性および導電性が良い炭素材で形成されているが、場合によっては、耐食性が良い金属(例えばステンレス鋼等の合金鋼)で形成されていてもよい。
図1に示すように、第1セパレータ3および第2セパレータ4で挟まれている膜電極接合体11は、イオン伝導性を有する電解質膜110(例えば固体高分子形)をカソード層111とアノード層112とで挟んで形成されている。第1セパレータ3は、アノード流体(アノードガス)およびカソード流体(カソードガス)のうちの一方を膜電極接合体11に供給する通路3pをもつ。第2セパレータ4は、アノード流体およびカソード流体のうちの他方を膜電極接合体11に供給する通路4pをもつ。
図2に示すように、第1セパレータ3はこれの一方の表面3rに凹状の第1シール溝5を有する。第1シール溝5は、第1溝底面5bと、第1溝底面5bを隔て互いに対向する第1溝側面5f,5sとを有する。第1溝底面5bは平坦状とされている。第1溝側面5f,5sは第1溝底面5bに対して立設されている。第1シール溝5の深さはh1として示される。第1シール溝5は、燃料電池システムで使用される流体が流れる流体通路をシールする位置に形成されている。流体通路を流れる流体としては、アノード流体、アノードオフ流体、カソード流体、カソードオフ流体のいずれかが例示され、更に、燃料電池を冷却させる冷却媒体が例示される。流体としては気体、液体、ミストのいずれでも良い。
シール部6は、流体通路をシールするために第1セパレータ3の第1シール溝5に配置されており、厚み方向に圧潰変形可能なシール材料で形成されているガスケットで形成されている。具体的には、シール部6は、第1シール溝5の第1溝底面5bに接着材または加硫接着等により固着されている。但し、場合によっては、シール部6を第1シール溝5に非接着として嵌めるだけにしてもよい。
シール材料としては樹脂やゴムなどの高分子系材料が例示される。具体的には、フッ素系、EPDM系、NBR系、シリコーン系が例示される。シール部6は、第1シール溝5に保持される基部60と、基部60よりも第1シール溝5から離れる方向に突出するシールリップとして機能する突出部61とで形成されている。基部60のうち溝底面5bに背向する表面60uは、第1セパレータ3の一方の表面3rと同じ程度の高さとされている。この場合、シール性の向上を期待できるものの、表面60u側の肉部分がセパレータ3,4の境界に噛み込まれるおそれがある。但し、表面60uの高さはこれに限定されるものではない。従って表面60uは、第1セパレータ3の表面3rよりも低くても良いし、高くても良い。
セパレータ3,4が積層される前の状態では、図2に示すように、シール部6の突出部61の先端部61eは、第1セパレータ3の一方の表面3rから突き出るようにされている。積層前の状態では、突出部61の横断方向の幅寸法Aは、突出部61の先端部61eに向かうにつれて次第に小さくなる。すなわち突出部61の横断面の形状は山形状をなしている。ただし、これに限らず、突出部61の横断面の形状は適宜設定されるものであり、台形状としてもよい。
第2セパレータ4はこれの他方の表面4t(第1セパレータ3の表面3rと対向する側)に凹状の第2シール溝7を有する。第2シール溝7は、燃料電池システムで使用される流体が流れる流体通路をシールする位置に形成されている。第2シール溝7は、第1シール溝5の第1溝底面5bに対向する第2溝底面7bと、互いに対向する第2溝側面7f,7sとを有する。第2溝底面7bは平坦状とされている。第2溝側面7f,7sは第2溝底面7bに対して立設されている。第2シール溝7の深さはh2として示される。ここで、深さh1,h2が過剰に大きいとき、第1セパレータ3および第2セパレータ4の厚みが増加する傾向がある。深さh1,h2が過剰に小さいとき、第1セパレータ3および第2セパレータ4の厚みを減少させ得るものの、シール部6の変形性が制約され、シール部6のシール性に影響を与えるおそれがある。なお、h1=h2、h1≒h2にできる。但し、場合によっては、h1>h2、h1<h2としてもよい。h1/h2=0.7〜1.3の範囲内、0.8〜1.2の範囲内、0.9〜1.1の範囲内、0.95〜1.05の範囲内を例示できる。但しこれに限定されるものではない。ここで、h1は、スタック1の種類等によっても適宜変更されるが、0.1〜2.0ミリメートルの範囲内が例示される。但しこれに限定されるものではない。
本実施形態によれば次の寸法関係が例示されるが、これに限定されるものではない。シール部6を横断する方向に沿った断面において、第2シール溝7の溝幅寸法E2は、第1シール溝5の溝幅寸法E1よりも大きく設定されている。図3に示すように、第1セパレータ3および第2セパレータ4が厚み方向に積層されて締結される直前において、第1セパレータ3の第1シール溝5の中心線P1および第2セパレータ4の第2シール溝7の中心線P2は、第1セパレータ3および第2セパレータ4の表面3r,4tが延設されている面方向において、互いにできるだけ整合するように配置される。更に、第1セパレータ3の表面3rおよび第2セパレータ4の表面4tは互いに接触(場合によっては接近)する。このとき第2シール溝7および第1シール溝5は、シール部6を介して互いに対面する。このようにセパレータ3,4が積層されるとき、第2シール溝7の第2溝底面7bは、第1シール溝5に保持されているシール部6の先端部61eを強圧させ、シール部6を圧潰変形させる。これによりシール部6は、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界のシール性を高める。セパレータ3,4が積層される場合、第2シール溝7および第1シール溝5がセパレータ3,4の面垂直方向から透視されるとき、第2シール溝7および第1シール溝5は互いに重複して投影される。
図2および図3は、シール部6、第1シール溝5および第7シール溝7を最短距離で横断する方向に沿って切断した断面を示している。図2に示すように、シール部6、第1シール溝5および第7シール溝7を最短距離で横断する方向において、第2シール溝7の溝幅寸法E2は、第1シール溝5の溝幅寸法E1よりも大きく設定されている。E2およびE1は、シール部6を最短距離で横断する方向に沿った寸法を意味する。ここで、E2/E1の値は適宜設定できるが、1を越える値であり、1.1〜3.0の範囲内、殊に1.2〜1.6の範囲内、1.2〜1.4の範囲内を適宜例示できる。ただしこれに限定されるものではない。
本実施形態によれば、図2に示すように、第1セパレータ3および第2セパレータ4が厚み方向に積層されていないとき、第1シール溝5の第1溝側面5fは、シール部6の基部60の外側面60fに接触または接近している。同様に、第1シール部5の第1溝側面5sは、シール部6の基部60の外側面60sに接触または接近している。これによりシール部6の基部60の保持性が向上する。この場合、セパレータ3,4を積層する前において、シール部6がこれの横断方向にずれ変位することが抑えられ、所望のシール性を得るのに貢献できる。
これに対して、図3から理解できるように、第1セパレータ3および第2セパレータ4が厚み方向に積層された状態で締結されているとき、第2セパレータ4の第2シール溝7の第2溝底面7bによりシール部6の突出部61の先端部61eは強圧されている。これによりシール部6の突出部61および基部60は厚み方向に圧潰変形され、シール性を確保する。
なお本実施形態によれば、図2に示すように、第1セパレータ3および第2セパレータ4を積層される前の状態においては、シール部6の横断面における中心線P1に対して、シール部6の形状は対称形状とされている。このため、第1セパレータ3および第2セパレータ4が積層されてシール部6が圧潰変形するとき、シール部6の変形の均衡化を図り得、シール部6に過剰な負荷が作用することが抑制される。但し、中心線P1に対してシール部6の形状は対称形状とされておらず、非対称形状とされていてもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、第1セパレータ3および第2セパレータ4が厚み方向に積層されて組み付けられるとき、第1セパレータ3および第2セパレータ4により、シール部6はこれの厚み方向に強圧される。よって第1シール部6はこれの厚み方向に圧潰変形され、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界におけるシール性を高めることができる。
しかし組付形態によっては、圧潰変形されたシール部6を構成する肉部分が盛り上がり、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれがある。殊に、第1セパレータ3と第2セパレータ4とがこれらの面方向(図4に示す矢印SA方向)に互いに多少ずれて組み付けられるとき、圧潰変形されたシール部6を構成する肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれがある。この場合、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界におけるシール性が低下するおそれがある。さらには、シール部6の長寿命化という観点からも好ましくない。
この点本実施形態によれば、シール部6を横断する方向に沿った断面(図2,図3)において、第2シール溝7の溝幅寸法E2は、第1シール溝5の溝幅寸法E1よりも大きく設定されている。このため、図3に示すように、セパレータ3,4を積層したとき、第2シール溝7において、圧潰変形したシール部6の近くに空間85a,85bが形成できる。シール部6に噛み込みが発生するおそれがあるとき、この空間85a,85bは、変形されたシール部6の盛り上がった肉部分が逃げることができる逃げ用空間として機能することができる。すなわち、圧潰変形によりシール部6の盛り上がった肉部分は、この空間85a,85bに進入できる。
この結果、シール部6がこれの厚み方向に過剰に圧潰変形されるときであっても、シール部6を構成する盛り上がった肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。殊に、第1セパレータ3と第2セパレータ4とがこれらの面方向(図4に示す矢印SA方向)に相対的にずれて組み付けられるときであっても、圧潰変形されたシール部6を構成する盛り上がった肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。このため第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界におけるシール性を高い精度で確保することができ、シール不良が抑制される。
ここで、組み付けの際、第1セパレータ3と第2セパレータ4とによってシール部6が変形を受けているとき、第2セパレータ4が第1セパレータ3に対して図4に示す矢印SA方向に相対的なずれが生じるときには、シール部6も同方向に変位せんとする。このとき、シール部6が変位する側に位置する空間85aの容積が増加し、逃げ空間が確保される。このため、シール部6の盛り上がった肉部分が噛み込むことが効果的に抑制される。同様に、第2セパレータ4が第1セパレータ3に対して図4に示す矢印SB方向に相対的なずれが生じるときには、シール部6も同方向に変位せんとするが、シール部6が変位する側に位置する空間85bの容積が増加する。このため、シール部6の肉部分の逃げ空間が確保され、シール部6の肉部分が噛み込むことが効果的に抑制される。このためセパレータ3,4の積層組付時において、セパレータ3,4の面方向におけるずれの許容性が高まり、組付性が向上され、組付コストを低減できる。
ところで、第1セパレータ3および第2セパレータ4は、これの積層方向(矢印X方向)において互いに隣設されるものの、互いに同種、同系または類似形状をもつものである。ここで、図5から理解できるように、第1セパレータ3のうち一方の表面3rには第1シール溝5が形成されている。第1セパレータ3のうち他方の表面3t(表面3rに背向する表面)には第2シール溝7が形成されている。ここで、前述したように、第2シール溝7の溝幅寸法E2は第1シール溝5の溝幅寸法E1よりも大きく設定されている。このため第1セパレータ3の表面3rおよび表面3tの識別が容易となる。このように第1セパレータ3の表裏の判別が容易となるため、組み付け過誤を抑えるのに有利となる。第2セパレータ4は第1セパレータ3と同種、同系または類似形状のものであるため、第2セパレータ4の表裏の識別についても同様である。
なお、シール部6によるシール性を高めるためには、シール部6の基部60に対する先端部61eの高さHW(図2参照)をある程度確保することが好ましい。しかし、高さHWが高くなると、複数のセパレータ3,4を交互に積層させて形成されるセル積層体12がこれの積層方向(矢印X方向)に嵩張ることになる。この点本実施形態によれば、セパレータ3には凹状の第1シール溝5および凹状の第2シール溝7が互いに背向するように形成されている。第2セパレータ4についても同様である。このため、シール部6の高さHWを確保しつつも、セル積層体12の嵩張りが抑えられる。
なお本実施形態によれば、E2/E1の値は適宜設定できるが、1.01〜3.0の範囲内、殊に1.05〜2.0の範囲内、1.1〜1.4の範囲内を例示できる。但しこれに限定されるものではない。ΔE=E2−E1=0.01〜10ミリメートルの範囲内が好ましく、殊に0.2〜5ミリメートルの範囲内が好ましい。但しこれに限定されない。ΔE/(突起部61の高さ)=0.1〜10が好ましく、殊に0.2〜5が好ましい。ΔE/(第1シール溝5の深さと第2シール溝7の深さとの合計)=1〜15が好ましく、殊に3〜10が好ましい。
なお本実施形態は、燃料電池のスタックを構成するセパレータのシール構造に適用しているが、これに限らず、燃料電池システムに搭載される加湿器を構成するセパレータのシール構造に適用しても良い。
(実施形態2)
図6〜図8は実施形態2を模式的に示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図6は第1セパレータ3の平面視の概念を示す。図6に例示されているように、第1セパレータ3は、多数の配流溝101aを有する発電室101と、発電室10にアノードガスを供給する貫通孔状をなすアノードガス供給孔102と、発電室101から吐出されるアノードオフガスを排出させる貫通孔状をなすアノードオフガス排出孔103と、裏面側の別の発電室にカソードガスを供給する貫通孔状をなすカソードガス供給孔105と、別の発電室から吐出されるカソードオフガスを排出させる貫通孔状をなすカソードオフガス排出孔106と、図示しない冷媒室に冷媒を供給する貫通孔状をなす冷媒供給孔107と、冷媒室から吐出される冷媒を排出させる貫通孔状をなす冷媒排出孔108とを有する。
図6に示すように、アノードガス供給孔102と発電室101とを連通させる入口通路108iが形成されている。アノードオフガス排出孔103と発電室101とを連通させる出口通路108eが形成されている。
図6に示すように、発電室101、アノードガス供給孔102、アノードオフガス排出孔103、カソードガス供給孔105、カソードオフガス排出孔106、冷媒供給孔107、冷媒排出孔108の周りには、第1シール溝5およびシール部6が設けられている。
このような第1セパレータ3と第2セパレータ4とを厚み方向に積層させたスタック1を形成する。この場合においても、後述のように、圧潰変形されたシール部6を構成する盛り上がった肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。殊に、第1セパレータ3と第2セパレータ4とがこれらの面方向(図8における矢印SA,SB方向)に互いに多少ずれて組み付けられるときであっても、圧潰変形された第1シール部6を構成する盛り上がった肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。このため第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界におけるシール性を高い精度で確保することができる。
なお、図6に示す形態は、セパレータ概念のあくまでも例示である。このように図6はあくまでも概念図であるため、配流溝101aを横向きに図示しているが、配流溝101aは実際的には縦向き、S字形状またはサーペンタイン構造とされている。アノードガス供給孔102、アノードオフガス排出孔103、カソードガス供給孔105、カソードオフガス排出孔106、冷媒供給孔107、冷媒排出孔108の位置は、図6に示す形態に限定されるものではない。
さて本実施形態によれば、図7および図8に示すように、第1セパレータ3の一方の表面3rにおいてシール部6の外縁側に、平坦状の定寸接触部8fが設けられている。第1セパレータ3の他方の表面3tにおいても第2シール溝7の外縁側に、平坦状の定寸接触部8sが設けられている。
同様に、図7および図8に示すように、第2セパレータ4の一方の表面4rにおいてシール部6の外縁側に、平坦状の定寸接触部8fが設けられている。第2セパレータ4の他方の表面4tにおいても第2シール溝7の外縁側に、平坦状の定寸接触部8sが設けられている。このように定寸接触部8f,8sは、第1セパレータ3および第2セパレータ4においてシール部6の外縁側において、互いに背向するように形成されている。
更に、図7および図8に示すように、第1セパレータ3の一方の表面3rにおいてシール部6の内縁側に、定寸接触部9fが設けられている。第1セパレータ3の他方の表面3tにおいてもシール部6の内縁側に、定寸接触部9sが設けられている。同様に、第2セパレータ4の一方の表面4rにおいてシール部6の内縁側に、定寸接触部9fが設けられている。第2セパレータ4の他方の表面4tにおいてもシール部6の内縁側に、定寸接触部9sが設けられている。このように定寸接触部9f,9sは、第1セパレータ3および第2セパレータ4においてシール部6の内縁側において、互いに背向するように形成されている。
図8に示すように、第1セパレータ3および第2セパレータ4が積層されるとき、定寸接触部9f,9sは互いに直接的に当接する。且つ、定寸接触部8f,8sは互いに直接的に当接する。このため、セパレータ3,4に広く巡らされているシール部6において、潰れ代のばらつきを低減させることができる。
具体的には、シール部6の外縁側について、第1セパレータ3および第2セパレータ4が積層されて締結されるとき、第1セパレータ3の定寸接触部8fは、第2セパレータ4の定寸接触部8sに直接的に接触する。すなわち、第1セパレータ3および第2セパレータ4の定寸接触部8f,8s同士は、互いに直接的に接触する。これによりシール部6の全体について、シール部6の外縁側における潰れ代のばらつきが低減され、シール性のばらつきが抑えられる。
同様に、シール部6の内縁側についても、第1セパレータ3および第2セパレータ4が積層されて締結されるとき、第1セパレータ3の定寸接触部9fは、第2セパレータ4の定寸接触部9sに直接的に接触する。すなわち、第1セパレータ3および第2セパレータ4の定寸接触部9f,9s同士は、互いに直接的に接触する。これによりシール部6の全体について、シール部6の内縁側における潰れ代のばらつきが低減され、シール性のばらつきが抑えられる。全体としては、シール部6のシール性を向上できる。
図7に示すように、定寸接触部9f,9sが第1シール溝5および第2シール溝7の内縁側に形成されている。更に、定寸接触部8f,8sが第1シール溝5および第2シール溝7の外縁側に形成されている。ここで、第1シール溝5および第2シール溝7は凹溝状をなし、セパレータ3,4の撓み性を促進させる。このようにセパレータ3,4の撓み性を高める凹溝状の第1シール溝5および第2シール溝7に隣設して定寸接触部8f,8s,9f,9sが形成されている。このため、定寸接触部8f,8s同士の接触性を向上させることができる。更に定寸接触部9f,9s同士の接触性を向上させることができる。
なお、図8に示すように、第1セパレータ3と第2セパレータ4との間には、膜電極接合体11が挟まれる。膜電極接合体11は、イオン伝導性を有する電解質膜110をカソード層111とアノード層112とで挟んで形成されている。
図7および図8は、アノードガス供給孔102をシールするシール部分を示すが、アノードオフガス排出孔103、カソードガス供給孔105、カソードオフガス排出孔106、冷媒供給孔107、冷媒排出孔108についても、第1シール溝5およびシール部6が設けられており、シール性が確保されている。なお本実施形態は、燃料電池のスタックを構成するセパレータのシール構造に適用しているが、これに限らず、燃料電池システムに搭載される加湿器を構成するセパレータのシール構造に適用しても良い。
(実施形態3)
本実施形態は実施形態1,2と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図1〜図8を準用できる。本実施形態によれば、シール部6は第1シール溝5の第1溝底面5bに固着されているのではなく、第1シール溝5に嵌められて配置されている。本実施形態においても、第2シール溝7の溝幅寸法E2は、第1シール溝5の溝幅寸法E1よりも大きく設定されている。圧潰変形されたシール部6を構成する盛り上がった肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。なお本実施形態は、燃料電池のスタックを構成するセパレータのシール構造に適用しているが、これに限らず、燃料電池システムに搭載される加湿器を構成するセパレータのシール構造に適用しても良い。
(実施形態4)
図9は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1,2と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図9に示すように、シール部5の横断方向において、第2シール溝7の溝幅寸法E2は、第1シール溝5の溝幅寸法E1よりも大きく設定されている。更に、第2シール溝7の溝深寸法h2は、第1シール溝5の溝深寸法h1よりも大きく設定されている。h2/h1=1.05〜1.3の範囲内で適宜設定できる。
上記したようにE2>E1であり、且つ、h2>h1である。このため、シール部6を構成する肉部分が逃げ得るように第2シール溝7の溝幅方向の両端に形成される空間85a,85bの空間容積が確保される。従って、シール部6の変形量が大きいときであっても、シール部6を構成する盛り上がった肉部分が第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。
本実施形態では、シール部6の基部60の表面60uは、シール性を確保すべく、第1セパレータ3の表面3rよりも、第1シール溝5の第1溝底面6bから離れる方向にΔt突出している。このためシール部6の盛り上がり量が増加する傾向がある。この場合、シール部6の表面60u側の肉部分がセパレータ3,4の境界に噛み込むおそれがある。このような場合であっても、E2>E1であるため、前記した空間85a,85bの空間容積が確保される。更にh2>h1であるため、前記した空間85a,85bの空間容積が更に確保される。従って、圧潰変形されたシール部6の基部60の変形量が大きいときであっても、盛り上がった肉部分が第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制または回避される。なお本実施形態は、燃料電池のスタックを構成するセパレータのシール構造に適用しているが、これに限らず、燃料電池システムに搭載される加湿器を構成するセパレータのシール構造に適用しても良い。
(実施形態5)
図10は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1,2と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図10に示すように、第1セパレータ3および第2セパレータ4が厚み方向に積層されていないとき、第1シール溝5の第1溝側面5fと、第1溝側面5fに対向するシール部6の基部60の外側面60fとの間には、隙間52fが形成されている。同様に、第1シール溝5の第1溝側面5sと、第1溝側面5sに対向するシール部6の基部60の外側面60sとの間には、隙間52sが形成されている。シール部6は、第1シール溝5の第1溝底面5bに接着材などにより固着されている。このためシール部6の両側に隙間52f,52sが形成されているとしても、シール部6の保持性が高められている。
図10に示すように、シール部6の基部60に対面するように、基部60の横断方向の両側には隙間52fおよび隙間52sが設けられている。このため、シール部6の突出部61の変形ばかりか、シール部6の基部60の大きな変形も期待でき、シール性を高めるのに貢献できる。
ここで、横断方向において、隙間52fの隙間幅W1と隙間52sの隙間幅W2とは、同程度とされている。このため、シール部6の横断方向においてシール部6の変形の均衡化を図り得る。但しW1>W2とされていてもよいし、W2>W1とされていてもよい。
本実施形態においても、シール部6を最短距離で横断する方向に沿った断面(図10)において、第2シール溝7の溝幅寸法E2は、第1シール溝5の溝幅寸法E1よりも大きく設定されている。このため、図10から理解できるように、第2シール溝7において圧潰変形したシール部6の外側に空間85a,85bが隣設するように形成される。空間85a,85bは、変形されたシール部6の肉部分が逃げる逃げ用空間として機能できる。すなわち、シール部6の盛り上がった肉部分は、この空間85a,85bに進入できる。
この結果、シール部6がこれの厚み方向に圧潰変形されるときであっても、圧潰変形されたシール部6を構成する肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。殊に、第1セパレータ3と第2セパレータ4とがこれらの面方向に互いに多少ずれて組み付けられるときであっても、圧潰変形された第1シール部6を構成する肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。このため第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界におけるシール性を高い精度で確保することができる。なお本実施形態は、燃料電池のスタックを構成するセパレータのシール構造に適用しているが、これに限らず、燃料電池システムに搭載される加湿器を構成するセパレータのシール構造に適用しても良い。
(実施形態6)
本実施形態は実施形態5と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有するため、図10を準用できる。本実施形態によれば、シール部6は第1シール溝5の第1溝底面5bに固着されているのではなく、第1シール溝5に嵌められて配置されている。本実施形態においても、圧潰変形されたシール部6を構成する肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。なお本実施形態は、燃料電池のスタックを構成するセパレータのシール構造に適用しているが、これに限らず、燃料電池システムに搭載される加湿器を構成するセパレータのシール構造に適用しても良い。
(実施形態7)
図11は実施形態7を示す。本実施形態は上記した各実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図11に示すように、第2シール溝7の溝幅寸法E2は、第1シール溝5の溝幅寸法E1よりも大きく設定されている。このため、図11から理解できるように、第2シール溝7において圧潰変形したシール部6の外側に空間85a,85bが形成できる。空間85a,85bは、変形されたシール部6の肉部分が逃げる逃げ用空間として機能できる。すなわち、変形されたシール部6の肉部分は、この空間85a,85bに進入できる。
更に図11に示すように、第2シール溝7の横断方向において、第2シール溝7の両端には、これの溝底面7bよりも深さが深い窪み7h,7iが形成されている。窪み7h,7iは、シール部6および第2シール溝7と並走するように、シール部6の延設方向および第2シール溝7の延設方向に沿って延設されている。シール部6を横断する方向に沿った断面において、窪み7hにより空間85aの空間容積が増加される。窪み7iにより空間85bの空間容積が増加される。このように溝底面7bよりも深さが深い窪み7h,7iが形成されているため、肉部分を退避させ得る空間85a,85bの空間容積が確保される。従って、第2シール溝7の溝幅寸法E2の過剰増加が抑制され、ひいては、セパレータ3,4の面方向(矢印SA,SB方向)における面サイズの小型化が図られる。
このような本実施形態によれば、前記した各実施形態と同様に、シール部6がこれの厚み方向に圧潰変形されるときであっても、シール部6を構成する肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。殊に、第1セパレータ3と第2セパレータ4とがこれらの面方向に互いに多少ずれて組み付けられるときであっても、圧潰変形された第1シール部6を構成する肉部分が、第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。このため第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界におけるシール性を高い精度で確保することができる。
本実施形態によれば、窪み7h,7iが第2シール溝7に形成されているため、E1およびE2が互いに近づいたときであっても、第1シール溝5および第2シール溝75の識別が簡便となり、つまり、セパレータ3,4の表裏の識別が容易となる。なお本実施形態は、燃料電池のスタックを構成するセパレータのシール構造に適用しているが、これに限らず、燃料電池システムに搭載される加湿器を構成するセパレータのシール構造に適用しても良い。
(実施形態8)
図12は実施形態8を示す。本実施形態は前記した各実施形態と基本的には同様の構成、同様の作用効果を有する。図12に示すように、シール部6の基部60の表面60uは、第1セパレータ3の表面3rよりも、第1シール溝5の第1溝底面6bから離れる方向にΔt突出している。このためセパレータ3,4の積層時において、シール部6の盛り上がり量が増加する傾向がある。更に基部60は第1シール溝5の第1溝側面5f,5sに接触しており、積層時において基部60の盛り上がり量が更に増加する傾向がある。このような場合であっても、E2>E1であり、且つ、h2>h1であるため、前記した空間85a,85bの空間容積が確保される。
殊に、図12に示すように、第2シール溝7の横断方向において、第2シール溝7の両端には、これの溝底面7bよりも深さが深い窪み7h,7iが形成されている。窪み7h,7iは、シール部6および第2シール溝7と並走するように、シール部6の延設方向および第2シール溝7の延設方向に沿って延設されている。窪み7hにより空間85aの空間容積が増加される。窪み7iにより空間85bの空間容積が増加される。従って、圧潰変形されたシール部6の盛り上がり量が大きいときであっても、盛り上がった肉部分が第1セパレータ3と第2セパレータ4との境界に噛み込むおそれが抑制される。なお本実施形態は、燃料電池のスタックを構成するセパレータのシール構造に適用しているが、これに限らず、燃料電池システムに搭載される加湿器を構成するセパレータのシール構造に適用しても良い。
(その他)スタックが固体酸化物形の燃料電池のように中温系または高温系である場合には、シール部の材質としては、変形可能な無機材料系でも良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。本発明は燃料電池のスタックを構成するセパレータのシール構造に適用しているが、これに限らず、前述したように、燃料電池システムに搭載される加湿器を構成するセパレータのシール構造に適用しても良い。この場合、図2〜図5,図7〜図12は、加湿器のセパレータ積層構造を示す。図2〜図5,図7〜図12に示す第1セパレータ3および第2セパレータ4は、加湿器を構成するセパレータとなる。加湿器は、第1セパレータと第2セパレータとの間に水分保持膜を挟みつつ、第1セパレータおよび第2セパレータを積層させて構成される。第1セパレータと水分保持膜の一方の表面とで加湿室が形成される。第2セパレータと水分保持膜の他方の表面とで吸湿室が形成される。水蒸気などの水分を含むガスは吸湿室で冷却され、凝縮水を生成する。水分保持膜は凝縮水を吸湿する。吸湿された凝縮水の水分は、水分保持膜を厚み方向に浸透し、加湿室に至る。従って、加湿室を流れるガスは加湿される。
上記した記載から次の技術的思想が把握される。
(付記項1)燃料電池システムに搭載される加湿器において使用される流体(カソードガスまたはカソードオフガス)が流れる流体通路の外側に形成された第1シール溝を有する第1セパレータと、流体通路をシールするために第1セパレータの第1シール溝に配置された厚み方向に圧潰変形可能なシール部と、燃料電池システムに搭載される加湿器において使用される流体(カソードガスまたはカソードオフガス)が流れる流体通路の外側に形成された第2シール溝を有すると共に第1セパレータにこれの厚み方向に積層される第2セパレータと、第1セパレータおよび第2セパレータが厚み方向に積層されるときにおいて、第2セパレータの第2シール溝は、第1シール溝に対面すると共にシール部を圧潰変形させる加湿器シール構造。
(付記項2)付記項1において、前記シール部を横断する方向に沿った断面において、前記第2シール溝の溝幅寸法は、前記第1シール溝の溝幅寸法よりも大きく設定されている加湿器シール構造。
(付記項3)燃料電池システムに搭載されるスタックまたは加湿器において使用される流体が流れる流体通路の外側に形成された第1シール溝を有する第1セパレータと、流体通路をシールするために第1セパレータの第1シール溝に配置された厚み方向に圧潰変形可能なシール部と、燃料電池システムに搭載されるスタックまたは加湿器において使用される流体が流れる流体通路の外側に形成された第2シール溝を有すると共に第1セパレータにこれの厚み方向に積層される第2セパレータと、第1セパレータおよび第2セパレータが厚み方向に積層されるときにおいて、第2セパレータの第2シール溝は、第1シール溝に対面すると共にシール部を圧潰変形させ、前記シール部を最短距離で横断する方向に沿った断面において、前記第2シール溝の溝幅寸法は、前記第1シール溝の溝幅寸法よりも大きく設定されている燃料電池システム系セパレータに使用されるセパレータシール構造。
本発明は例えば定置用、車両用、電気機器用、電子機器用、携帯用、可搬用等の燃料電池システムに利用することができる。
1はスタック、10はセル積層体、3は第1セパレータ、4は第2セパレータ、5は第1シール溝、52f,52sは隙間、6はシール部、7は第2シール溝、85a,85bは空間、8f,8sは定寸接触部、9f,9sは定寸接触部を示す。

Claims (4)

  1. 燃料電池システムで使用される流体が流れる流体通路をシールする位置に形成された第1シール溝を有する第1セパレータと、
    前記流体通路をシールするために前記第1セパレータの前記第1シール溝に配置された厚み方向に圧潰変形するシール部と、
    前記第1セパレータに積層され、前記第1セパレータの前記第1シール溝に対面すると共に前記シール部を圧潰変形させ得る第2シール溝を有する前記第2セパレータとを具備しており、
    前記シール部を横断する方向に沿った断面において、前記第2シール溝の溝幅寸法は、前記第1シール溝の溝幅寸法よりも大きく設定されている燃料電池シール構造。
  2. 請求項1において、前記第1セパレータおよび前記第2セパレータが厚み方向に積層されていないとき、あるいは、前記第1セパレータおよび前記第2セパレータが厚み方向に積層されている状態のとき、前記第1シール溝の溝側面と、前記第1シール溝の溝側面に対向する前記シール部の外側面との間には、前記シール部の変形を許容する隙間が形成されている燃料電池シール構造。
  3. 請求項1または2において、前記第1セパレータおよび前記第2セパレータのうちの少なくとも一方は、定寸接触部を備えており、前記定寸接触部は、前記シール部の外縁および/または内縁側に形成され、且つ、前記第1セパレータおよび前記第2セパレータが厚み方向に積層されているとき他方に接触してシール部の潰れ代を規定する燃料電池シール構造。
  4. 請求項1〜3のうちの一項において、前記第2シール溝の横断方向において、前記第2シール溝の両端には、これの溝底面よりも深さが深い窪みが形成されている燃料電池シール構造。
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