JPWO2005101124A1 - 感放射線性樹脂組成物、層間絶縁膜およびマイクロレンズ、ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、層間絶縁膜およびマイクロレンズ、ならびにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

高い感放射線感度を有し、現像工程において最適現像時間を越えてもなお良好なパターン形状を形成できるような現像マージンを有し、密着性に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができそして焼成時に発生する昇華物が低減された、居間絶縁膜やマイクロレンズの形成に好適な感放射線性樹脂組成物を提供すること。(A)カルボキシル基およびエポキシ基を有し且つゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)とポリスチレン換算数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.7以下である重合体、並びに(B)1,2−キノンジアジド化合物を含有する感放射線性樹脂組成物。

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、層間絶縁膜およびマイクロレンズ、ならびにそれらの製造方法に関する。
薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と記す。)型液晶表示素子や磁気ヘッド素子、集積回路素子、固体撮像素子などの電子部品には、一般に層状に配置される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜が設けられている。層間絶縁膜を形成する材料としては、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なくしかも十分な平坦性を有するものが好ましいことから、感放射線性樹脂組成物が幅広く使用されている(特開2001−354822号公報および特開2001−343743号公報参照)。
上記電子部品のうち、例えばTFT型液晶表示素子は、上記の層間絶縁膜の上に、透明電極膜を形成し、さらにその上に液晶配向膜を形成する工程を経て製造されるため、層間絶縁膜は、透明電極膜の形成工程において高温条件に曝されたり、電極のパターン形成に使用されるレジストの剥離液に曝されることとなるため、これらに対する十分な耐性が必要となる。
また近年、TFT型液晶表示素子においては、大画面化、高輝度化、高精細化、高速応答化、薄型化等の動向にあり、それに用いられる層間絶縁膜形成用組成物としては高感度であり、形成される層間絶縁膜には低誘電率、高透過率等において、従来にも増して高性能が要求されている。
一方、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバコネクタの光学系材料として3〜100μm程度のレンズ径を有するマイクロレンズ、またはそれらのマイクロレンズを規則的に配列したマイクロレンズアレイが使用されている。
マイクロレンズまたはマイクロレンズアレイの形成には、レンズに相当するレジストパターンを形成した後、加熱処理することによってメルトフローさせ、そのままレンズとして利用する方法や、メルトフローさせたレンズパターンをマスクにしてドライエッチングにより下地にレンズ形状を転写させる方法等が知られている。前記レンズパターンの形成には、感放射線性樹脂組成物が幅広く使用されている(特開平6−18702号公報および特開平6−136239号公報参照)。
ところで、上記のようなマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイが形成された素子はその後、配線形成部分であるボンディングパッド上の各種絶縁膜を除去するために、平坦化膜およびエッチング用レジスト膜を塗布し、所望のマスクを用いて露光、現像してボンディングパッド部分のエッチングレジストを除去し、次いで、エッチングにより平坦化膜や各種絶縁膜を除去してボンディングパッド部分を露出させる工程に供される。そのためマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイには平坦化膜、およびエッチングレジストの塗膜形成工程ならびにエッチング工程において耐溶剤性や耐熱性が必要となる。
このようなマイクロレンズを形成するために用いられる感放射線性樹脂組成物は、高感度であり、また、それから形成されるマイクロレンズが所望の曲率半径を有するものであり、高耐熱性、高透過率であること等が要求される。
また、このようにして得られる層間絶縁膜やマイクロレンズは、これらを形成する際の現像工程において、現像時間が最適時間よりわずかでも過剰となると、パターンと基板との間に現像液が浸透して剥がれが生じやすくなるため、現像時間を厳密に制御する必要があり、製品の歩留まりの点で問題があった。
このように、層間絶縁膜やマイクロレンズを感放射線性樹脂組成物から形成するにあたっては、組成物としては高感度であることが要求され、また形成工程中の現像工程において現像時間が所定時間より過剰となった場合でもパターンの剥がれが生じずに良好な密着性を示し、かつそれから形成される層間絶縁膜には高耐熱性、高耐溶剤性、低誘電率、高透過率等が要求される。マイクロレンズを形成する場合にはさらに、マイクロレンズとして良好なメルト形状(所望の曲率半径)、高耐熱性、高耐溶剤性、高透過率が要求されることとなるが、そのような要求を満足する感放射線性樹脂組成物は従来知られていなかった。
上記、層間絶縁膜やマイクロレンズを形成するための焼成時に生じる昇華物が工程ラインやデバイスを汚染することが懸念されており、発生する昇華物が低減された感放射線性樹脂組成物が望まれていた。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものである。それ故、本発明の目的は、高い感放射線感度を有し、現像工程において最適現像時間を超えてもなお良好なパターン形状を形成できるような現像マージンを有し、密着性に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができそして焼成時に発生する昇華物が低減された感放射線性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、層間絶縁膜の形成に用いる場合にあっては高耐熱性、高耐溶剤性、高透過率、低誘電率の層間絶縁膜を形成でき、またマイクロレンズの形成に用いる場合にあっては高い透過率と良好なメルト形状を有するマイクロレンズを形成し、焼成時に発生する昇華物が低減された感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、上記感放射線性樹脂組成物を用いて層間絶縁膜およびマイクロレンズを形成する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の方法により形成された層間絶縁膜およびマイクロレンズを提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、
(A)カルボキシル基およびエポキシ基を有し且つゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)とポリスチレン換算数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.7以下である重合体、並びに(B)1,2−キノンジアジド化合物
を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物によって達成される。
本発明の上記目的および利点は、第2に、
以下の工程を以下に記載した順序で実施することを特徴とする層間絶縁膜またはマイクロレンズの形成方法によって達成される。
(1)上記の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)現像工程、および
(4)加熱工程。
さらに本発明の上記目的および利点は、第3に、
上記方法によって形成された層間絶縁膜およびマイクロレンズによって達成される。
図1はマイクロレンズの断面形状を表す模式図である。
以下、本発明の感放射線性樹脂組成物について詳述する。
共重合体(A)
本発明で用いられる共重合体(A)は、好ましくは(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物(以下、「化合物(a1)」ということがある。)、
(a2)エポキシ基含有不飽和化合物(以下、「化合物(a2)」ということがある。)、
および
(a3)(a1)成分および(a2)成分以外の不飽和化合物(以下、「化合物(a3)」ということがある。)を含有する重合性混合物をリビングラジカル重合させて有利に得られる。
例えば、共重合体(A)は、化合物(a1)、化合物(a2)および化合物(a3)を含有する重合性混合物を溶媒中、重合開始剤の存在下でリビングラジカル重合することによって製造することができる。
このようにして得られた共重合体(A)が有するカルボキシル基およびエポキシ基はそれぞれ化合物(a1)および化合物(a2)に由来する。
リビングラジカル重合の開始剤系は種々提案されている。例えば、Georgesらによって見出されたTEMPO系、Matyjaszewskiらにより提案されている臭化銅、臭素含有エステル化合物の組み合わせで構成される開始剤系、Higashimuraらにより提案されている四塩化炭素とルテニウム(II)錯体の組み合わせで構成される開始剤系、特表2000−515181号公報、特表2002−500251号公報および特表2004−518773号公報に記載のチオカルボニルチオ化合物とラジカル開始剤の組み合わせなどが好適に使用される。
本発明の重合体(A)を得るための好適なリビング重合開始剤系としては、使用されるモノマー種により成長末端が失活しない系が適宜選択されるが、重合効率等から考慮すると、好ましくはチオカルボニルチオ化合物とラジカル開始剤との組み合わせである。ここで、チオカルボニルチオ化合物としては、例えばジチオエステル類、ジチオカルボネート類、トリチオカルボネート類、キサンテート類等が挙げられる。
その具体例としては、下記式で表わされる化合物を挙げることができる。
Figure 2005101124
Figure 2005101124
Figure 2005101124
これらのうち、クミルジチオベンゾエート、S−シアノメチル−S−ドデシルトリチオカルボネート、ピラゾール−1−ジチオカルボン酸フェニル−メチルエステル、下記合成例5で用いられるジチオエステルおよび下記合成例6で用いられるキサンテートを挙げることができる。
また、ラジカル開始剤としては、一般にラジカル重合開始剤として知られているものが用いることができ、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物;過酸化水素;これらの過酸化物と還元剤とからなるレドックス型開始剤等を挙げることができる。
これらの重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
上記のチオカルボニルチオ化合物の使用量は重合開始剤100重量部あたり、好ましくは1〜10,000重量部、更に好ましくは10〜1,000重量部である。また、ラジカル重合開始剤の使用量は、エポキシ基含有重合性不飽和化合物を含有する単量体混合物100重量部あたり、好ましくは0.01〜100重量部であり、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。上記リビングラジカル重合の際の重合温度に特に制限はないが、好ましくは0℃〜100℃、更に好ましくは、10〜85℃である。
開始剤系によっては、重合開始剤が失活しないように化合物(a1)のカルボキシル基を適宜保護基により保護したエステル化合物(a1’)を用いて重合したのちに、脱保護することにより共重合体(A)を得ることもできる。
本発明で用いられる共重合体(A)は、化合物(a1)から誘導される重合単位を、化合物(a1)、(a2)および(a3)のそれぞれから誘導される重合単位または繰り返し単位の合計に基づいて、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%含有している。この重合単位が5重量%未満である共重合体を使用すると、現像工程時にアルカリ水溶液に溶解しにくくなり、一方40重量%を超える共重合体はアルカリ水溶液に対する溶解性が大きくなりすぎる傾向にある。
化合物(a1)はラジカル重合性を有する不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物であり、例えばモノカルボン酸、ジカルボン酸、ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル、両末端のそれぞれにカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多環式化合物およびその無水物などを挙げることができる。
これらの具体例としては、モノカルボン酸として、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸など;
ジカルボン酸として、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸など;
ジカルボン酸の無水物として、例えば上記ジカルボン酸として例示した上記化合物の酸無水物など;
多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステルとして、例えばコハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕など;
両末端のそれぞれにカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレートとして、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなど;
カルボキシル基を有する多環式化合物およびその無水物として、例えば5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物などがそれぞれ挙げられる。
これらのうち、モノカルボン酸、ジカルボン酸の無水物が好ましく使用され、特にアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性および入手が容易である点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
化合物(a1)のカルボキシル基を保護する保護基としては、特に限定されずカルボキシル基の保護基として公知のものが使用できる。例えば、トリアルキルシリル基、1−アルコキシアルキル基、環状1−アルコキシアルキル基などがあげられる。さらに具体的に、例えば、トリメチルシリル、ジメチルブチルシリル、1−エトキシエチル、1−プロポキシエチル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、トリフェニルメチルなどが挙げられる。
本発明で用いられる共重合体(A)は、化合物(a2)から誘導される重合単位を、化合物(a1)、(a2)および(a3)から誘導される重合単位の合計に基づいて、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%含有している。この重合単位が10重量%未満の場合は得られる層間絶縁膜やマイクロレンズの耐熱性や表面硬度が低下する傾向にあり、一方この重合単位の量が70重量%を超える場合は感放射線性樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
化合物(a2)はラジカル重合性を有するエポキシ基含有不飽和化合物である。その例として、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレートなどが共重合反応性および得られる層間絶縁膜またはマイクロレンズの耐熱性、表面硬度を高める点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる共重合体(A)は、化合物(a3)から誘導される重合単位を、化合物(a1)、(a2)および(a3)から誘導される重合単位の合計に基づいて、好ましくは5〜70重量%、特に好ましくは5〜50重量%含有している。この重合単位が5重量%未満の場合は、感放射線性樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超えると、層間絶縁膜またはマイクロレンズの形成における現像工程において、アルカリ水溶液に溶解し難くなる場合がある。
化合物(a3)はラジカル重合性を有する不飽和化合物であれば特に制限されるものではないが、例えば、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、水酸基を有するメタアクリル酸エステル、アクリル酸環状アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステル、アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエンを挙げることができる。
これらの具体例としては、メタクリル酸アルキルエステルとして、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレートなど;
アクリル酸アルキルエステルとして、例えばメチルアクリレート、イソプロピルアクリレートなど;
メタクリル酸環状アルキルエステルとして、例えばシクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートなど;
水酸基を有するメタアクリル酸エステルとして、例えばヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルグリコサイド、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートなど;
アクリル酸環状アルキルエステルとして、例えばシクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートなど;
メタクリル酸アリールエステルとして、例えばフェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなど;
アクリル酸アリールエステルとして、例えばフェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなど;
不飽和ジカルボン酸ジエステルとして、例えばマレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなど;
ビシクロ不飽和化合物として、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−t−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(t−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなど;
マレイミド化合物として、例えばフェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミドなど;
不飽和芳香族化合物として、例えばスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレンなど;
共役ジエンとして、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなど;
その他の不飽和化合物として、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニルをそれぞれ挙げることができる。
これらのうち、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、ビシクロ不飽和化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエンが好ましく用いられ、就中スチレン、t−ブチルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート、p−メトキシスチレン、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、1,3−ブタジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが共重合反応性およびアルカリ水溶液に対する溶解性の点から特に好ましい。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる共重合体(A)の好ましい具体例としては、例えば、メタクリル酸/スチレン/トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート/メタクリル酸グリシジル/テトラヒドロフルフリルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/スチレン/トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート/メタクリル酸グリシジル/p−ビニルベンジルグリシジルエーテル/テトラヒドロフルフリルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/スチレン/トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート/メタクリル酸グリシジル/ポリエチレングリコールモノメタクリレート共重合体、メタクリル酸/スチレン/トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート/メタクリル酸グリシジル/ポリプロピレングリコールモノメタクリレート共重合体が挙げられる。
本発明で用いられる共重合体(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という)とポリスチレン換算数平均分子量(以下「Mn」という)の比(Mw/Mn)が1.7以下であり、好ましくは1.5以下である。Mw/Mnが1.7を超えると、得られる層間絶縁膜またはマイクロレンズのパターン形状に劣ることがある。また、Mwは、好ましくは、2×10〜1×10、より好ましくは5×10〜5×10である。Mwが2×10未満であると、現像マージンが十分ではなくなる場合があり、得られる被膜の残膜率などが低下したり、また得られる層間絶縁膜またはマイクロレンズのパターン形状、耐熱性などに劣ることがある。一方、Mwが1×10を超えると、感度が低下したりパターン形状に劣ることがある。また、Mnは好ましくは1.2×10〜1×10であり、より好ましくは2.9×10〜5×10である。上記の共重合体[A]を含む感放射線性樹脂組成物は、現像する際に現像残りを生じることなく容易に所定パターン形状を形成することができる。
さらに、本発明で用いられる共重合体(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した残留モノマー量は、好ましくは5.0%未満、より好ましくは3.0%未満、特に好ましくは2.0%未満である。このような残留モノマー含有量の共重合体を用いることにより、焼成時の昇華物が低減された保護膜を得ることができる。
本発明において、共重合体(A)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
共重合体(A)の製造に用いられる溶媒としては、例えば、アルコール、エーテル、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素、ケトン、エステルなどを挙げることができる。
これらの具体例としては、アルコールとして、例えばメタノール、エタノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニル−1−プロパノールなど;
エーテル類として、例えばテトラヒドロフランなど;
グリコールエーテルとして、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、例えばメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど;
ジエチレングリコールとして、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなど;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとして、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、例えばプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネートとして、例えばプロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなど;
芳香族炭化水素として、例えばトルエン、キシレンなど;
ケトンとして、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなど;
エステルとして、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステルをそれぞれ挙げることができる。
これらのうち、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートが好ましく、就中、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートが特に好ましい。
(B)成分
本発明で用いられる(B)成分は、放射線の照射によりカルボン酸を発生する1,2−キノンジアジド化合物であり、フェノール性化合物またはアルコール性化合物(以下、「母核」という。)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドの縮合物を用いることができる。
上記母核としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカン、その他の母核を挙げることができる。
これらの具体例としては、トリヒドロキシベンゾフェノンとして、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン等;
テトラヒドロキシベンゾフェノンとして、例えば2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン等;
ペンタヒドロキシベンゾフェノンとして、例えば2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等;
ヘキサヒドロキシベンゾフェノンとして、例えば2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等;
(ポリヒドロキシフェニル)アルカンとして、例えばビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン等;
その他の母核として、例えば2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、2−[ビス{(5−イソプロピル−4−ヒドロキシ−2−メチル)フェニル}メチル]、1−[1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−3−(1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼンが挙げられる。
また、上記例示した母核のエステル結合をアミド結合に変更した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド類、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等も好適に使用される。
これらの母核のうち、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノールが好ましい。
また、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましく、その具体例としては1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリドおよび1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドを挙げることができ、このうち、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドを使用することが好ましい。
縮合反応においては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中のOH基1当量に対して、好ましくは30〜85モル%、より好ましくは50〜70モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。
縮合反応は公知の方法によって実施することができる。
これらの(B)成分は単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(B)成分の使用割合は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜50重量部である。この割合が5重量部未満の場合には、現像液となるアルカリ水溶液に対する放射線の照射部分と未照射部分との溶解度の差が小さく、パターニングが困難となる場合があり、また得られる層間絶縁膜またはマイクロレンズの耐熱性および耐溶剤性が不十分となる場合がある。一方、この割合が100重量部を超える場合には、放射線照射部分において前記アルカリ水溶液への溶解度が不十分となり、現像することが困難となる場合がある。
その他の成分
本発明の感放射線性樹脂組成物は、上記の共重合体(A)および(B)成分を含有する他に、必要に応じて、(C)感熱性酸生成化合物、(D)少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、(E)共重合体(A)以外のエポキシ樹脂、(F)界面活性剤、あるいは(G)接着助剤等を含有することができる。
上記(C)感熱性酸生成化合物は、耐熱性や硬度を向上させるために用いることができる。その具体例としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などのオニウム塩が挙げられる。
上記スルホニウム塩の具体例としては、アルキルスルホニウム塩、ベンジルスルホニウム塩、ジベンジルスルホニウム塩、置換ベンジルスルホニウム塩などを挙げることができる。
これらの具体例としては、例えば、アルキルスルホニウム塩として4−アセトフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなど;
ベンジルスルホニウム塩としてベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなど;
ジベンジルスルホニウム塩としてジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルジベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなど;
置換ベンジルスルホニウム塩としてp−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、p−ニトロベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、o−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどをそれぞれ挙げることができる。
上記ベンゾチアゾニウム塩の具体例としては3−ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾニウムテトラフルオロボレート、3−(p−メトキシベンジル)ベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−2−メチルチオベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−5−クロロベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのベンジルベンゾチアゾニウム塩が挙げられる。
これらのうち、スルホニウム塩およびベンゾチアゾニウム塩が好ましく用いられ、特に4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネートが好ましく用いられる。
これらの市販品としては、サンエイドSI−L85、同SI−L110、同SI−L145、同SI−L150、同SI−L160(三新化学工業(株)製)などが挙げられる。
(C)成分の使用割合は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。この使用量が20重量部を超える場合には、塗膜形成工程において析出物が析出し、塗膜形成に支障をきたす場合がある。
上記(D)成分である少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物(以下、「D成分」ということがある。)としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレートまたは3官能以上の(メタ)アクリレートを好適に挙げることができる。
上記単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。これらの市販品としては、例えばアロニックスM−101、同M−111、同M−114(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TC−110S、同TC−120S(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート158、同2311(以上、大阪有機化学工業(株)製)等が挙げられる。
上記2官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。これらの市販品としては、例えばアロニックスM−210、同M−240、同M−6200(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD HDDA、同HX−220、同R−604(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(以上、大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
上記3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。その市販品としては、例えばアロニックスM−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060(以上、東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(以上、日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(以上、大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
これらのうち、3官能以上の(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、そのうちでもトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
これらの単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリレートは、単独であるいは組み合わせて用いられる。(D)成分の使用割合は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下である。
このような割合で(D)成分を含有させることにより、本発明の感放射線性樹脂組成物から得られる層間絶縁膜またはマイクロレンズの耐熱性および表面硬度等を向上させることができる。この使用量が50重量部を超えると、基板上に感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する工程において膜荒れが生じることがある。
上記(E)成分である共重合体(A)以外のエポキシ樹脂(以下、「E成分」ということがある。)としては、相溶性に影響がないかぎり限定されるものではないが、好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレートを(共)重合した樹脂等を挙げることができる。これらのうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等がさらに好ましい。
(E)成分の使用割合は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは30重量部以下である。このような割合で(E)成分が含有されることにより、本発明の感放射線性樹脂組成物から得られる保護膜または絶縁膜の耐熱性および表面硬度等をさらに向上させることができる。この割合が30重量部を超えると、基板上に感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する際、塗膜の膜厚均一性が不十分となる場合がある。
なお、共重合体(A)も「エポキシ樹脂」といい得るが、共重合体(A)はアルカリ可溶性を有する点で(E)成分とは異なる。
本発明の感放射線性樹脂組成物には、さらに塗布性を向上するため上記(F)成分である界面活性剤を使用することができる。ここで使用できる(F)界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤を好適に用いることができる。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン等の他、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム;フルオロアルキルオキシエチレンエーテル類フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール;パーフルオロアルキルアルコキシレート;フッ素系アルキルエステル等を挙げることができる。これらの市販品としては、BM−1000、BM−1100(以上、BM Chemie社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F178、同F191、同F471(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−170C、FC−171、FC−430、FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)などが挙げられる。
上記シリコーン系界面活性剤としては、例えばDC3PA、DC7PA、FS−1265、SF−8428、SH11PA、SH21PA、SH28PA、SH29PA、SH30PA、SH−190、SH−193、SZ−6032(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等の商品名で市販されているものを挙げることができる。
上記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステルなど;(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、95(共栄社化学(株)製)などを使用することができる。
これらの界面活性剤は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの(F)界面活性剤は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは2重量部以下で用いられる。(F)界面活性剤の使用量が5重量部を超えると、基板上に塗膜を形成する際、塗膜の膜あれが生じやすくなることがある。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、また、基体との接着性を向上させるために(G)成分である接着助剤を使用することもできる。このような(G)接着助剤としては、例えば、官能性シランカップリング剤が好ましく使用される。その例としてはカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられる。さらに具体的には、例えばトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。このような(G)接着助剤は、共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下の量で用いられる。接着助剤の量が20重量部を超える場合は、現像工程において現像残りが生じやすくなる場合がある。
感放射線性樹脂組成物
本発明の感放射線性樹脂組成物は、上記の共重合体(A)および(B)成分ならびに上記の如き任意的に添加するその他の成分を均一に混合することによって調製される。本発明の感放射線性樹脂組成物は、好ましくは適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。例えば共重合体(A)および(B)成分ならびに任意的に添加されるその他の成分を、所定の割合で混合することにより、溶液状態の感放射線性樹脂組成物を調製することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物の調製に用いられる溶媒としては、共重合体(A)および(B)成分ならびに任意的に配合されるその他の成分の各成分を均一に溶解し、各成分と反応しないものが用いられる。
このような溶媒としては、上述した共重合体(A)を製造するために使用できる溶媒として例示したものと同様のものを挙げることができる。
このような溶媒のうち、各成分の溶解性、各成分との反応性、塗膜形成のし易さ等の点から、例えばアルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、エステルおよびジエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのうち、例えばベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニル−1−プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルが特に好ましく使用できる。
さらに前記溶媒とともに膜厚の面内均一性を高めるため、高沸点溶媒を併用することもできる。併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。これらのうち、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
本発明の感放射性樹脂組成物の溶媒として、高沸点溶媒を併用する場合、その使用量は、溶媒全量に対して、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下とすることができる。高沸点溶媒の使用量がこの使用量を超えると、塗膜の膜厚均一性、感度および残膜率が低下する場合がある。
本発明の感放射線性樹脂組成物を溶液状態として調製する場合、溶液中に占める溶媒以外の成分、すなわち共重合体(A)および(B)成分ならびに任意的に添加されるその他の成分の合計量の割合は、使用目的や所望の膜厚の値等に応じて任意に設定することができ、例えば5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。
このようにして調製された組成物溶液は、孔径0.2μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾過した後、使用に供することもできる。
層間絶縁膜、マイクロレンズの形成
次に本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて、本発明の層間絶縁膜、マイクロレンズを形成する方法について述べる。本発明の層間絶縁膜およびマイクロレンズのそれぞれの形成方法は、いずれも以下の工程を以下に記載の順序で含み、実施することができる。
(1)本発明の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)現像工程、および
(4)加熱工程。
(1)本発明の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程
上記(1)の工程においては、本発明の組成物溶液を基板表面に塗布し、好ましくはプレベークを行うことにより溶剤を除去して、感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する。
使用できる基板の種類としては、例えばガラス基板、シリコンウエハーおよびこれらの表面に各種金属が形成された基板を挙げることができる。
組成物溶液の塗布方法としては、特に限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット塗布法等の適宜の方法を採用することができ、特にスピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。プレベークの条件としては、各成分の種類、使用割合等によって異なる。例えば、60〜110℃で30秒間〜15分間程度とすることができる。
形成される塗膜の膜厚としては、プレベーク後の値として、層間絶縁膜を形成する場合にあっては例えば3〜6μm、マイクロレンズを形成する場合にあっては例えば0.5〜3μmが好ましい。
(2)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程
上記(2)の工程においては、形成された塗膜に所定のパターンを有するマスクを介して、放射線を照射する。その後、次工程(3)において、現像液を用いて現像処理して放射線の照射部分を除去することによりパターニングを行う。このとき用いられる放射線としては、例えば紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等が挙げられる。
上記紫外線としては例えばg線(波長436nm)、i線(波長365nm)等が挙げられる。遠紫外線としては例えばKrFエキシマレーザー等が挙げられる。X線としては例えばシンクロトロン放射線等が挙げられる。荷電粒子線としては例えば電子線等を挙げることができる。
これらのうち、紫外線が好ましく、特にg線および/またはi線を含む放射線が好ましいものとして挙げられる。
露光量としては、層間絶縁膜を形成する場合にあっては、例えば50〜1,500J/m、マイクロレンズを形成する場合にあっては、例えば50〜2,000J/mとすることが好ましい。
(3)現像工程
現像処理に用いられる現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕−5−ノナン等のアルカリ(塩基性化合物)の水溶液を用いることができる。また、上記のアルカリの水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液、または本発明の組成物を溶解する各種有機溶媒を現像液として使用することができる。さらに、現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の適宜の方法を利用することができる。このときの現像時間は、組成物の組成によって異なるが、例えば30〜120秒間とすることができる。
なお、従来知られている感放射線性樹脂組成物は、現像時間が最適値から20〜25秒程度超過すると形成したパターンに剥がれが生じるため現像時間を厳密に制御する必要があったが、本発明の感放射線性樹脂組成物の場合、最適現像時間からの超過時間が30秒以上となっても良好なパターン形成が可能であり、製品歩留まり上の利点がある。
(4)加熱工程
上記のように実施した(3)現像工程後に、パターニングされた薄膜に対して、好ましくは例えば流水洗浄によるリンス処理を行い、さらに、好ましくは高圧水銀灯などによる放射線を全面に照射(後露光)することにより、当該薄膜中に残存する1,2−キノンジアジド化合物の分解処理を行った後、この薄膜を、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により加熱処理(ポストベーク処理)することにより、当該薄膜の硬化処理を行う。上記後露光工程における露光量は、好ましくは2,000〜5,000J/m程度である。また、この硬化処理における加熱温度は、例えば120〜250℃である。加熱時間は、加熱機器の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱処理を行う場合には、例えば5〜30分間、オーブン中で加熱処理を行う場合には、例えば30〜90分間とすることができる。この際に、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法等を用いることもできる。
このようにして、目的とする層間絶縁膜またはマイクロレンズに対応する、パターン状薄膜を基板の表面上に形成することができる。
上記のようにして形成された層間絶縁膜およびマイクロレンズは、後述の実施例から明らかにされるように、密着性、耐熱性、耐溶剤性および透明性等に優れるものである。
層間絶縁膜
上記のようにして形成された本発明の層間絶縁膜は、基板への密着性が良好であり、耐溶剤性および耐熱性に優れ、高い透過率を有し、誘電率が低いものであり、電子部品の層間絶縁膜として好適に使用できる。
マイクロレンズ
上記のようにして形成された本発明のマイクロレンズは、基板への密着性が良好であり、耐溶剤性および耐熱性に優れ、かつ高い透過率と良好なメルト形状を有するものであり、固体撮像素子のマイクロレンズとして好適に使用できる。
なお、本発明のマイクロレンズの形状は、図1(a)に示したように、半凸レンズ形状となる。
以下に合成例、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる共重合体の分子量の測定>
装置:GPC−101(昭和電工(株)製)
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−804およびGPC−KF−804を結合
移動相:リン酸0.5重量%を含むテトラヒドロフラン。
共重合体(A)の合成例
合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、アゾビスイソブチロニトリル1重量部、クミルジチオベンゾエート4重量部およびジエチレングリコールエチルメチルエーテル50重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸20重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を60℃に上昇させ、この温度を24時間保持したのち、アゾビスイソブチロニトリル3重量部を追加し60℃でさらに4時間攪拌を実施、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200重量部を追加し共重合体(A−1)の溶液を得た。共重合体(A−1)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は10,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.4、残留モノマーは2.0重量%であった。重合体溶液の固形分濃度は、29.8重量%であった。
合成例2
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、アゾイソブチロニトリル1重量部、クミルジチオベンゾエート4重量部およびジエチレングリコールエチルメチルエーテル50重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸16重量部、メタクリル酸グリシジル18重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート6重量部、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル30重量部、ポリエチレングリコール(n=2)モノメタクリレート30重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を60℃に上昇させ、この温度を24時間保持したのち、アゾビスイソブチロニトリル3重量部を追加し60℃でさらに4時間攪拌を実施、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200重量部を追加し共重合体(A−2)の溶液を得た。共重合体(A−2)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は11,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.3、残留モノマーは1.2重量%であった。ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は30.1重量%であった。
合成例3
合成例1において、クミルジチオベンゾエートに代わってS−シアノメチル−S−ドデシルトリチオカルボネートを使用した以外は合成例1に従い共重合体(A−3)の溶液を得た。共重合体(A−3)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は9,500.分子量分布(Mw/Mn)は1.3、残留モノマーは1.5重量%であった。重合体溶液の固形分濃度は、29.6重量%であった。
合成例4
合成例2において、クミルジチオベンゾエートに代わってピラゾール−1−ジチオカルボン酸フェニル−メチルエステルを使用した以外は合成例2に従い、共重合体(A−4)を含む重合体溶液を得た。共重合体(A−4)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は12,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.4、残留モノマーは1.3重量%であった。重合体溶液の固形分濃度は、29.7重量%であった。
合成例5
合成例1において、クミルジチオベンゾエートに代わって下記ジチオエステルを使用した以外は合成例1に従い、共重合体(A−5)を含む重合体溶液を得た。共重合体(A−5)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は11,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.3、残留モノマーは1.4重量%であった。重合体溶液の固形分濃度は、29.8重量%であった。
Figure 2005101124
合成例6
合成例2において、クミルジチオベンゾエートに代わって下記キサンテートを使用した以外は合成例2に従い、共重合体(A−6)を含む重合体溶液を得た。共重合体(A−6)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は11,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.3、残留モノマーは1.5重量%であった。重合体溶液の固形分濃度は、30.1重量%であった。
Figure 2005101124
比較合成例1
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8重量部およびジエチレングリコールエチルメチルエーテル220重量部を仕込んだ。引き続きスチレン20重量部、メタクリル酸20重量部、メタクリル酸グリシジル40重量部およびフェニルマレイミド20重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(a−1)を含む重合体溶液を得た。
共重合体(a−1)のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は7,500、分子量分布(Mw/Mn)は2.4であった。残留モノマーは5.8重量%であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は30.6重量%であった。
[実施例1]
感放射線性樹脂組成物の調製
上記合成例1で合成した(A)成分として重合体(A−1)を含有する溶液を、重合体(A−1)100重量部(固形分)に相当する量、および成分(B)として4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)の縮合物(B−1)30重量部とを混合し、固形分濃度が30重量%となるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物の溶液(S−1)を調製した。
実施例2〜9、11−14、比較例1
感放射線性樹脂組成物の調製
実施例1において、(A)成分および(B)成分として、表1に記載のとおりの種類、量を使用した他は、実施例1と同様にして実施し、感放射線性樹脂組成物の溶液(S−2)〜(S−9)、(S−11)〜(S−14)および(s−1)を調製した。
なお、表1中、実施例8の(B)成分の記載は、B−1(20重量部)とB−2(15重量部)の2種類の1,2−キノンジアジド化合物を併用したことを表示している。
[実施例10]
実施例1において、固形分濃度が15重量%になるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解した以外は実施例1と同様に組成物を調製し、感放射線性樹脂組成物の溶液(S−10)を調製した。
表1中、成分の略称は次の化合物を示す。
(B−1):4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)の縮合物
(B−2):4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(1.0モル)の縮合物
(B−3):2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル(2.44モル)
(B−4):4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド(2.0モル)の縮合物
(F):SH−28PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
Figure 2005101124
実施例15〜28、比較例2〜4
層間絶縁膜としての性能評価
上記のように調製した感放射線性樹脂組成物を使用し、以下のように層間絶縁膜としての各種の特性を評価した。なお、比較例3および4で使用した組成物は、いずれもm/p−クレゾールノボラックと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルとの組成物の市販品(東京応化(株)製)である。
感度の評価
シリコン基板上に、実施例15〜27、比較例2〜4につてはスピンナーを用いて、実施例28についてはスリットダイコーターを用いて、表2に記載の組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に所定のパターンを有するパターンマスクを介してキヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で露光時間を変化させて露光を行った後、表2に記載した現像液濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、90秒間液盛り法で現像した。超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥させてウエハー上にパターンを形成した。3.0μmのライン・アンド・スペース(10対1)のスペース・パターンが完全に溶解するために必要な露光量を測定した。この値を感度として、表2に示した。この値が1,000J/m以下の場合に感度が良好であると言える。
現像マージンの評価
シリコン基板上に、実施例15〜27、比較例2〜4についてはスピンナーを用いて、実施例28についてはスリットダイコーターを用いて、表2に記載の組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に3.0μmのライン・アンド・スペース(10対1)のパターンを有するマスクを介してキヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を使用し、上記「感度の評価」にて測定した感度の値に相当する露光量で露光を行い、表2に記載した現像液濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、90秒間液盛り法で現像した。次いで超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥させてウエハー上にパターンを形成した。このとき、ライン線幅が3μmとなるのに必要な現像時間を最適現像時間として表2に示した。また、最適現像時間からさらに現像を続けた際に3.0μmのライン・パターンが剥がれるまでの時間を測定し、現像マージンとして表2に示した。この値が30秒以上のとき、現像マージンは良好であるといえる。
耐溶剤性の評価
シリコン基板上に、実施例15〜27、比較例2〜4についてはスピンナーを用いて、実施例28についてはスリットダイコーターを用いて、表2に記載の組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜にキャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が3,000J/mとなるように露光し、このシリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜の膜厚(T1)を測定した。そして、この硬化膜が形成されたシリコン基板を70℃に温度制御されたジメチルスルホキシド中に20分間浸漬させた後、当該硬化膜の膜厚(t1)を測定し、浸漬による膜厚変化率{|t1−T1|/T1}×100〔%〕を算出した。結果を表2に示す。この値が5%以下のとき、耐溶剤性は良好といえる。
なお、耐溶剤性の評価においては形成する膜のパターニングは不要のため、放射線照射工程および現像工程は省略し、塗膜形成工程、ポストベーク工程および加熱工程のみ行い評価に供した。
耐熱性の評価
上記の耐溶剤性の評価と同様にして硬化膜を形成し、得られた硬化膜の膜厚(T2)を測定した。次いで、この硬化膜基板をクリーンオーブン内にて240℃で1時間追加ベークした後、当該硬化膜の膜厚(t2)を測定し、追加ベークによる膜厚変化率{|t2−T2|/T2}×100〔%〕を算出した。結果を表2に示す。この値が5%以下のとき、耐熱性は良好といえる。
透明性の評価
上記の耐溶剤性の評価において、シリコン基板の代わりにガラス基板「コーニング7059(コーニング社製)」を用いたこと以外は同様にしてガラス基板上に硬化膜を形成した。この硬化膜を有するガラス基板の光線透過率を分光光度計「150−20型ダブルビーム((株)日立製作所製)」を用いて400〜800nmの範囲の波長で測定した。そのときの最低光線透過率の値を表2に示す。この値が90%以上のとき、透明性は良好といえる。
比誘電率の評価
研磨したSUS304製基板上に、実施例15〜27、比較例2〜4についてはスピンナーを用いて、実施例28についてはスリットダイコーターを用いて、表2に記載の組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜にキャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が3,000J/mとなるように露光し、この基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間焼成することにより、硬化膜を得た。
この硬化膜について、蒸着法によりPt/Pd電極パターンを形成させ誘電率測定用サンプルを作成した。該基板を周波数10kHzの周波数で、横河・ヒューレットパッカード(株)製HP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメーターを用いてCV法により当該基板の比誘電率を測定した。結果を表2に示した。この値が3.6以下のとき、比誘電率は良好といえる。
なお、比誘電率の評価においては形成する膜のパターニングは不要のため、放射線照射工程および現像工程は省略し、塗膜形成工程、ポストベーク工程および加熱工程のみ行い評価に供した。
昇華物の評価
シリコン基板上に、実施例15〜27、比較例2〜4についてはスピンナーを用いて、実施例28についてはスリットダイコーターを用いて、表2に記載の組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜にキャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が3,000J/mとなるように露光し、このシリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜の上方に1センチ間隔を空けて冷却用ベアシリコンウエハを装着して、ホットプレート上にて230℃で1時間加温処理を行った。冷却用ベアシリコンウエハを交換せずに、上記硬化膜を別途形成したシリコン基板を20枚連続で処理したのち、ベアシリコンに付着している昇華物の有無を目視で検証した。昇華物が確認されなかったとき昇華物評価は良好といえる。
Figure 2005101124
実施例29〜42、比較例5〜7
<マイクロレンズとしての性能評価>
上記のように調製した感放射線性樹脂組成物を使用し、以下のようにマイクロレンズとしての各種の特性を評価した。なお、耐熱性の評価、透明性の評価は上記層間絶縁膜としての性能評価における結果(表2)を参照されたい。
また、比較例6および7で使用した組成物は、いずれもm/p−クレゾールノボラックと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルとの組成物の市販品(東京応化(株)製)である。
感度の評価
シリコン基板上に、実施例29〜38、40〜42、比較例5〜7についてはスピンナーを用いて、実施例39についてはスリットダイコーターを用いて、表3に記載の組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に所定のパターンを有するパターンマスクを介してニコン(株)製NSR1755i7A縮小投影露光機(NA=0.50、λ=365nm)で露光時間を変化させて露光し、表3に記載した現像液濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、1分間液盛り法で現像した。水でリンスし、乾燥してウエハー上にパターンを形成した。0.8μmライン・アンド・スペースパターン(1対1)のスペース線幅が0.8μmとなるのに必要な露光時間を測定した。この値を感度として、表3に示した。この値が2,500J/m以下の場合に感度が良好であると言える。
現像マージンの評価
シリコン基板上に、実施例29〜38、40〜42、比較例5〜7についてはスピンナーを用いて、実施例39についてはスリットダイコーターを用いて、表3に記載の組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に所定のパターンを有するパターンマスクを介してニコン(株)製NSR1755i7A縮小投影露光機(NA=0.50、λ=365nm)で上記「感度の評価」にて測定した感度の値に相当する露光量で露光を行い、表3に記載した現像液濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、1分間液盛り法で現像した。水でリンスし、乾燥してウエハー上にパターンを形成した。0.8μmライン・アンド・スペースパターン(1対1)のスペース線幅が0.8μmとなるのに必要な現像時間を最適現像時間として表3に示した。また、最適現像時間からさらに現像を続けた際に幅0.8μmのパターンが剥がれるまでの時間(現像マージン)を測定し、現像マージンとして表3に示した。この値が30秒以上のとき、現像マージンは良好であるといえる。
耐溶剤性の評価
シリコン基板上に、実施例29〜38、40〜42、比較例5〜7についてはスピンナーを用いて、実施例39についてはスリットダイコーターを用いて、表3に記載の組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜にキャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が3,000J/mとなるように露光し、このシリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜の膜厚(T3)を測定した。そして、この硬化膜が形成されたシリコン基板を50℃に温度制御されたイソプロピルアルコール中に10分間浸漬させた後、当該硬化膜の膜厚(t3)を測定し、浸漬による膜厚変化率{|t3−T3|/T3}×100〔%〕を算出した。結果を表3に示す。この値が5%以下のとき、耐溶剤性は良好といえる。
なお、耐溶剤性の評価においては形成する膜のパターニングは不要のため、放射線照射工程および現像工程は省略し、塗膜形成工程、ポストベーク工程および加熱工程のみ行い評価に供した。
マイクロレンズの形成
シリコン基板上に、実施例29〜38、40〜42、比較例5〜7についてはスピンナーを用いて、実施例39についてはスリットダイコーターを用いて、表3に記載の組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に4.0μmドット・2.0μmスペースパターンを有するパターンマスクを介してニコン(株)製NSR1755i7A縮小投影露光機(NA=0.50、λ=365nm)で上記「感度の評価」にて測定した感度の値に相当する露光量で露光を行い、表3の感度の評価における現像液濃度として記載した濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、1分間液盛り法で現像した。水でリンスし、乾燥してウエハー上にパターンを形成した。その後、キャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が3,000J/mとなるように露光した。その後ホットプレートにて160℃で10分間加熱後さらに230℃で10分間加熱してパターンをメルトフローさせマイクロレンズを形成した。
形成されたマイクロレンズの底部(基板に接する面)の寸法(直径)および断面形状を表3に示す。マイクロレンズ底部の寸法は4.0μmを超え5.0μm未満であるとき、良好といえる。なお、この寸法が5.0μm以上となると、隣接するレンズ同士が接触する状態であり、好ましくない。また、断面形状は図1に示した模式図において、(a)のような半凸レンズ形状であるときに良好であり、(b)のような略台形上の場合は不良である。
Figure 2005101124
本発明の感放射線性樹脂組成物は、高い感放射線感度を有し、現像工程において最適現像時間を越えてもなお良好なパターン形状を形成できるような現像マージンを有し、密着性に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができ、焼成時に生じる昇華物が低減されている。
上記組成物から形成された本発明の層間絶縁膜は、基板への密着性が良好であり、耐溶剤性および耐熱性に優れ、高い透過率を有し、誘電率が低く、電子部品の層間絶縁膜として好適に使用できる。
また、上位組成物から形成された本発明のマイクロレンズは、基板への密着性が良好であり、耐溶剤性および耐熱性に優れ、かつ高い透過率と良好なメルト形状を有し、固体撮像素子のマイクロレンズとして好適に使用できる。

Claims (9)

  1. (A)カルボキシル基およびエポキシ基を有し且つゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)とポリスチレン換算数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.7以下である重合体、並びに(B)1,2−キノンジアジド化合物
    を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
  2. 共重合体(A)が、(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、
    (a2)エポキシ基含有不飽和化合物、および
    (a3):(a1)成分および(a2)成分以外の不飽和化合物
    を含有する重合性混合物をリビングラジカル重合させて得られる請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 共重合体(A)がチオカルボニルチオ化合物を制御剤として用いたリビングラジカル重合により得られる(共)重合体である請求項1または2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 層間絶縁膜形成用である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. 以下の工程を以下に記載の順序で実施することを特徴とする層間絶縁膜の形成方法。
    (1)請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
    (2)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
    (3)現像工程、および
    (4)加熱工程。
  6. 請求項5の方法により形成された層間絶縁膜。
  7. マイクロレンズ形成用である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  8. 以下の工程を以下の記載順で含むことを特徴とするマイクロレンズの形成方法。
    (1)請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
    (2)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
    (3)現像工程、および
    (4)加熱工程。
  9. 請求項8の方法により形成されたマイクロレンズ。
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