JP3733946B2 - 層間絶縁膜形成用およびマイクロレンズ形成用の感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、層間絶縁膜形成用およびマイクロレンズ形成用の感放射線性樹脂組成物、ならびに層間絶縁膜およびマイクロレンズとそれらの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と記す。)型液晶表示素子や磁気ヘッド素子、集積回路素子、固体撮像素子などの電子部品には、一般に層状に配置される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜が設けられている。層間絶縁膜を形成する材料としては、必要とするパターン形状を得るための工程数が少なくしかも十分な平坦性を有するものが好ましいことから、感放射線性樹脂組成物が幅広く使用されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
上記電子部品のうち、例えばTFT型液晶表示素子は、上記の層間絶縁膜の上に、透明電極膜を形成し、さらにその上に液晶配向膜を形成する工程を経て製造されるため、層間絶縁膜は、透明電極膜の形成工程において高温条件に晒されたり、電極のパターン形成に使用されるレジストの剥離液に晒されることとなるため、これらに対する十分な耐性が必要となる。
また近年、TFT型液晶表示素子においては、大画面化、高輝度化、高精細化、高速応答化、薄型化等の動向にあり、それに用いられる層間絶縁膜形成用組成物としては高感度であり、形成される層間絶縁膜には低誘電率、高透過率等において、従来にも増して高性能が要求されている。
【0003】
一方、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバコネクタの光学系材料として、3〜100μm程度のレンズ径を有するマイクロレンズ、またはそれらのマイクロレンズを規則的に配列したマイクロレンズアレイが使用されている。
マイクロレンズまたはマイクロレンズアレイの形成には、レンズに相当するレジストパターンを形成した後、加熱処理することによってメルトフローさせ、そのままレンズとして利用する方法や、メルトフローさせたレンズパターンをマスクにしてドライエッチングにより下地にレンズ形状を転写させる方法等が知られている。前記レンズパターンの形成には、感放射線性樹脂組成物が幅広く使用されている(例えば、特許文献3および特許文献4参照。)。
【0004】
ところで、上記のようなマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイが形成された素子はその後、配線形成部分であるボンディングパッド上の各種絶縁膜を除去するために、平坦化膜およびエッチング用レジスト膜を塗布し、所望のマスクを用いて露光、現像してボンディングパッド部分のエッチングレジストを除去し、次いで、エッチングにより平坦化膜や各種絶縁膜を除去してボンディングパッド部分を露出させる工程に供される。そのためマイクロレンズまたはマイクロレンズアレイには、平坦化膜およびエッチングレジストの塗膜形成工程ならびにエッチング工程において、耐溶剤性や耐熱性が必要となる。
【0005】
このようなマイクロレンズを形成するために用いられる感放射線性樹脂組成物は、高感度であり、また、それから形成されるマイクロレンズが所望の曲率半径を有するものであり、高耐熱性、高透過率であること等が要求される。
また、このようにして得られる層間絶縁膜やマイクロレンズは、これらを形成する際の現像工程において、現像時間が最適時間よりわずかでも過剰となると、パターンと基板との間に現像液が浸透して剥がれが生じやすくなるため、現像時間を厳密に制御する必要があり、製品の歩留まりの点で問題があった。
このように、層間絶縁膜やマイクロレンズを感放射線性樹脂組成物から形成するにあたっては、組成物としては高感度であることが要求され、また形成工程中の現像工程において現像時間が所定時間より過剰となった場合でもパターンの剥がれが生じずに良好な密着性を示し、かつそれから形成される層間絶縁膜には高耐熱性、高耐溶剤性、低誘電率、高透過率等が要求され、一方、マイクロレンズを形成する場合には、マイクロレンズとして良好なメルト形状(所望の曲率半径)、高耐熱性、高耐溶剤性、高透過率が要求されることとなるが、そのような要求を満足する感放射線性樹脂組成物は従来知られていなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−354822号公報
【特許文献2】
特開2001−343743号公報
【特許文献3】
特開平6−18702号公報
【特許文献4】
特開平6−136239号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、高い感放射線感度を有し、現像工程において最適現像時間を越えてもなお良好なパターン形状を形成できるような現像マージンを有し、密着性に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができ、なおかつ、層間絶縁膜の形成に用いる場合にあっては高い透過率、低誘電率の層間絶縁膜を形成でき、またマイクロレンズの形成に用いる場合にあっては高い透過率と良好なメルト形状を有するマイクロレンズを形成しうる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記の感放射線性樹脂組成物を用いて層間絶縁膜およびマイクロレンズを形成する方法、ならびに上記の感放射線性樹脂組成物により形成された層間絶縁膜およびマイクロレンズを提供することにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、
[A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と(a2)エポキシ基含有不飽和化合物と(a3)(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物との共重合体、ならびに
[B]2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、2−[ビス{(5−イソプロピル−4−ヒドロキシ−2−メチル)フェニル}メチル]フェノール、1−[1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−3− [1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル] ベンゼン、および4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼンのうちから選ばれる少なくとも一種と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物
を含有することを特徴とする層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物、または
[A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と(a2)エポキシ基含有不飽和化合物と(a3)(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物との共重合体、ならびに
[B]2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、2−[ビス{(5−イソプロピル−4−ヒドロキシ−2−メチル)フェニル}メチル]フェノール、1−[1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−3− [ 1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル ] ベンゼン、および4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼンのうちから選ばれる少なくとも一種と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物
を含有することを特徴とするマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物
によって達成される。
以下では、(a1)成分の化合物を「化合物(a1)」と、(a2)成分の化合物を「化合物(a2)」と、(a3)成分の化合物を「化合物(a3)」と、[A]成分の共重合体を「共重合体[A]」ということがある。
【0009】
本発明の目的および利点は、第2に、
少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする層間絶縁膜およびマイクロレンズの形成方法によって達成される。
(1)上記の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物またはマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程。
(2)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程。
(3)現像する工程。
(4)加熱する工程。
さらに、本発明の目的および利点は、第3に、
上記の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物により形成された層間絶縁膜および上記のマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物により形成されたマイクロレンズによって達成される。
以下、本発明について詳述する。
【0010】
共重合体[A]
共重合体[A]は、化合物(a1)、化合物(a2)および化合物(a3)を溶媒中、重合開始剤の存在下でラジカル重合することによって製造することができる。
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a1)から誘導される構成単位を、化合物(a1)、化合物(a2)および化合物(a3)から誘導される繰り返し単位の合計に基づいて、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%含有している。この構成単位が5重量%未満である共重合体を使用すると、現像時にアルカリ水溶液に溶解しにくくなり、一方40重量%を超える共重合体はアルカリ水溶液に対する溶解性が大きくなりすぎる傾向にある。
【0011】
化合物(a1)としては、例えばモノカルボン酸類、ジカルボン酸類、ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類、両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類、カルボキシル基を有する多環式化合物類およびその無水物などが挙げられる。
これらの具体例としては、例えばモノカルボン酸類としてアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸など;
ジカルボン酸類としてマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸など;
ジカルボン酸の無水物として、上記ジカルボン酸類として例示した化合物の無水物など;
多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類としてコハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕など;
両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類としてω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなど;カルボキシル基を有する多環式化合物類およびその無水物として5−カルボキシビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン無水物など
がそれぞれ挙げられる。
これらのうち、モノカルボン酸類、ジカルボン酸の無水物が好ましく使用され、特にアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が、共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性および入手が容易である点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0012】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a2)から誘導される構成単位を、化合物(a1)、化合物(a2)および化合物(a3)から誘導される繰り返し単位の合計に基づいて、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は、得られる層間絶縁膜やマイクロレンズの耐熱性や表面硬度が低下する傾向にあり、一方この構成単位の量が70重量%を超える場合は、感放射線性樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向にある。
【0013】
化合物(a2)としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
これらのうち、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテルなどが、共重合反応性および得られる層間絶縁膜またはマイクロレンズの耐熱性、表面硬度を高める点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0014】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a3)から誘導される構成単位を、化合物(a1)、化合物(a2)および化合物(a3)から誘導される繰り返し単位の合計に基づいて、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは15〜50重量%含有している。この構成単位が10重量%未満の場合は、感放射線性樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超えると、層間絶縁膜またはマイクロレンズの形成における現像工程において、アルカリ水溶液に溶解しにくくなる場合がある。
【0015】
化合物(a3)としては、例えば、メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸環状アルキルエステル類、水酸基を有するメタアクリル酸エステル類、メタクリル酸アリールエステル類、アクリル酸環状アルキルエステル類、アクリル酸アリールエステル類、不飽和ジカルボン酸ジエステル類、ビシクロ不飽和化合物類、マレイミド化合物類、不飽和芳香族化合物類、共役ジエン類、その他の不飽和化合物類を挙げることができる。
【0016】
これらの具体例としては、例えばメタクリル酸アルキルエステル類としてメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレートなど;
メタクリル酸環状アルキルエステル類としてシクロヘキシルメタクリレート、2−メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートなど;
水酸基を有するメタアクリル酸エステル類としてヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルモノメタクリレート、2−メタクリロイロキシエチルグリコサイド、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートなど;
【0017】
メタクリル酸アリールエステル類としてフェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなど;
アクリル酸環状アルキルエステル類としてシクロヘキシルアクリレート、2−メチルシクロヘキシルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレートなど;
アクリル酸アリールエステル類としてフェニルアクリレート、ベンジルアクリレートなど;
不飽和ジカルボン酸ジエステル類としてマレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなど;
【0018】
ビシクロ不飽和化合物類としてビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−t−ブトキシカルボニルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジ(t−ブトキシカルボニル)ビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジ(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−(2−ヒドロキシエチル)ビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2−ヒドロキシエチル)ビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エンなど;
【0019】
マレイミド化合物類としてフェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミドなど;
不飽和芳香族化合物類としてスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなど;
共役ジエン類として1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなど;
その他の不飽和化合物類としてアクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル
がそれぞれ挙げられる。
【0020】
これらのうち、メタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸環状アルキルエステル類、ビシクロ不飽和化合物類、不飽和芳香族化合物類、共役ジエン類が好ましく用いられ、特にスチレン、t−ブチルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルメタクリレート、p−メトキシスチレン、1,3−ブタジエン、ビシクロ [2.2.1] ヘプト−2−エンが、共重合反応性およびアルカリ水溶液に対する溶解性の点から好ましい。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0021】
本発明で用いられる共重合体[A]の好ましい具体例としては、メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/スチレン/トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/p−ビニルベンジルグリシジルエーテル/スチレン/トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/スチレン/トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸グリシジル/スチレン/トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルメタクリレート/n−ラウリルメタクリレート共重合体が挙げられる。
【0022】
本発明で用いられる共重合体[A]は、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)が、通常、2×103 〜1×105 、好ましくは5×103 〜5×104 であることが望ましい。Mwが2×103 未満であると、現像マージンが十分ではなくなる場合があり、得られる被膜の残膜率などが低下したり、また得られる層間絶縁膜またはマイクロレンズのパターン形状、耐熱性などに劣ることがあり、一方1×105 を超えると、感度が低下したりパターン形状に劣ることがある。
上記の共重合体[A]を含む感放射線性樹脂組成物は、現像する際に現像残りを生じることなく容易に所定パターン形状を形成することができる。
【0023】
共重合体[A]の製造に用いられる溶媒としては、例えばアルコール類、エーテル類、グリコールエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコール類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類などが挙げられる。
これらの具体例としては、アルコール類としてメタノール、エタノールなど;エーテル類としてテトラヒドロフランなど;
グリコールエーテル類としてエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類としてエチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテートなど;
ジエチレングリコール類としてジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなど;
プロピレングリコールモノアルキルエーテル類としてプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなど;
【0024】
プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類としてプロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなど;
芳香族炭化水素類としてトルエン、キシレンなど;
ケトン類としてメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなど;
【0025】
エステル類として酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類
がそれぞれ挙げられる。
【0026】
これらのうち、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコール類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましく、特に、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートが好ましい。
【0027】
共重合体[A]の製造に用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
共重合体[A]の製造においては、分子量を調整するために分子量調整剤を使用することができる。その具体例としては、クロロホルム、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸などのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲン類;ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
【0028】
[B]成分
本発明で用いられる[B]成分は、2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、2−[ビス{(5−イソプロピル−4−ヒドロキシ−2−メチル)フェニル}メチル]フェノール、1−[1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−3− [1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル] ベンゼン、および4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼンのうちから選ばれる少なくとも一種(以下、「特定フェノール化合物」ということがある。)と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物である。
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましい。
【0029】
このような[B]成分は、上記特定フェノール化合物および1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを、通常、溶媒の存在下で触媒を滴下し、縮合反応させることにより得ることができる。
このときの特定フェノール化合物および1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドの使用量は、使用する特定フェノール化合物の種類により異なる。特定フェノール化合物1モルに対する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドの使用量は、
特定フェノール化合物が2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマンの場合、好ましくは1.0〜4.0モル、さらに好ましくは2.0〜3.5モルであり、
特定フェノール化合物が2−[ビス{(5−イソプロピル−4−ヒドロキシ−2−メチル)フェニル}メチル]フェノールの場合、好ましくは1.0〜3.0モル、さらに好ましくは1.5〜3.0モルであり、
特定フェノール化合物が1−[1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−3− [1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル] ベンゼンまたは4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼンの場合は、好ましくは1.0〜2.0モルである。
【0030】
また、このとき使用できる溶媒としては、例えばケトン類、環状エーテル類を挙げることができ、これらの具体例としては、ケトン類としてアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトンなど;環状エーテル類として1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサンなどがそれぞれ挙げられる。
溶媒の使用量は、上記特定フェノール化合物および1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドの合計量100重量部に対して、好ましくは100〜2,000重量部、さらに好ましくは200〜1,000重量部である。
【0031】
上記触媒としては、塩基性化合物が使用でき、好ましくはトリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、ピリジンなどである。
これらの触媒の使用量は、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライド1モルに対して、好ましくは1モル以上、さらに好ましくは1.05〜1.2モルである。
触媒滴下温度および反応温度は、好ましくは0〜50℃、さらに好ましくは0〜40℃、特に好ましくは10〜35℃である。
また反応時間は、好ましくは0.5〜10時間、さらに好ましくは1〜5時間、特に好ましくは1〜3時間である。
縮合反応後、析出物をろ過により取り除いた後、ろ液を大量の希酸水溶液、例えば0.1〜3.0重量%の希塩酸水溶液中に投入して反応生成物を析出させ、析出物をろ過、ろ液が中性になるまで水洗した後、乾燥して、[B]成分を得ることができる。
これらの[B]成分は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0032】
[B]成分の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部、さらに好ましくは10〜50重量部である。この割合が5重量部未満の場合には、現像液となるアルカリ水溶液に対する放射線の照射部分と未照射部分との溶解度の差が小さく、パターニングが困難となる場合があり、また得られる層間絶縁膜またはマイクロレンズの耐熱性および耐溶剤性が不十分となる場合がある。一方、この割合が100重量部を超える場合には、放射線の照射部分において前記アルカリ水溶液への溶解度が不十分となり、現像することが困難となる場合がある。
【0033】
本発明において、[B]成分の一部を、[B]成分以外の1,2−キノンジアジド化合物(以下、「他のキノンジアジド化合物」ということがある。)に置き換えて使用することができる。
他のキノンジアジド化合物としては、下記するようなフェノール性化合物またはアルコール性化合物と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物が挙げられる。
上記フェノール性化合物またはアルコール性化合物としては、例えばトリヒドロキシベンゾフェノン類、テトラヒドロキシベンゾフェノン類、ペンタヒドロキシベンゾフェノン類、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン類、(ポリヒドロキシフェニル)アルカン類が挙げられる。
これらの具体例としては、トリヒドロキシベンゾフェノン類として2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノンなど;
テトラヒドロキシベンゾフェノン類として2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノンなど;
【0034】
ペンタヒドロキシベンゾフェノン類として2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノンなど;
ヘキサヒドロキシベンゾフェノン類として2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンなど;
(ポリヒドロキシフェニル)アルカン類としてビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’− [1−(4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル)エチリデン] ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバンなど
がそれぞれ挙げられる。
また、上記に例示したフェノール性化合物またはアルコール性化合物と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物のエステル結合をアミド結合に変更した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド類、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミドなども好適に使用される。
上記1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましい。
【0035】
これらの他のキノンジアジド化合物は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
他のキノンジアジド化合物を縮合により合成するには、上記した[B]成分の縮合と同様の条件により行うことができる。
本発明において、[B]成分とともに他のキノンジアジド化合物を使用する場合、他のキノンジアジド化合物の使用割合は、[B]成分と他のキノンジアジド化合物の使用量の合計に対して、通常70重量%以下、好ましくは65重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。この値を超えて他のキノンジアジド化合物を使用すると、本発明の有利な効果、特に高透過率を奏さない場合がある。
【0036】
その他の成分
本発明の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物およびマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物は、上記の共重合体[A]および[B]成分を必須成分として含有するが、その他必要に応じて、[C]感熱性酸生成化合物、[D]少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、[E]共重合体[A]以外のエポキシ樹脂、[F]界面活性剤、あるいは[G]接着助剤を含有させることができる。
上記[C]感熱性酸生成化合物は、耐熱性や硬度を向上させるために用いることができる。その具体例としては、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などのオニウム塩が用いられる。
上記スルホニウム塩の具体例としては、アルキルスルホニウム塩、ベンジルスルホニウム塩、ジベンジルスルホニウム塩、置換ベンジルスルホニウム塩などが挙げられる。
これらの具体例としては、アルキルスルホニウム塩としてジメチル−4−アセトフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなど;
ベンジルスルホニウム塩としてベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジル−4−アセトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネートなど;
【0037】
ジベンジルスルホニウム塩としてジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジベンジル−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなど;
置換ベンジルスルホニウム塩として4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、p−ニトロベンジル−3−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、o−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなど
がそれぞれ挙げられる。
【0038】
上記ベンゾチアゾニウム塩の具体例としては、3−ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾニウムテトラフルオロボレート、3−(p−メトキシベンジル)ベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−2−メチルチオベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−5−クロロベンゾチアゾニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのベンジルベンゾチアゾニウム塩が挙げられる。
これらのうち、スルホニウム塩およびベンゾチアゾニウム塩が好ましく用いられ、特にジメチル−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−アセトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−アセトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネートが好ましく用いられる。
これらの市販品としては、サンエイドSI−L85、同SI−L110、同SI−L145、同SI−L150、同SI−L160(三新化学工業(株)製)などが挙げられる。
[C]成分の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下である。この割合が20重量部を超える場合には、塗膜形成工程において析出物が析出し、塗膜形成に支障をきたす場合がある。
【0039】
上記[D]少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレートまたは3官能以上の(メタ)アクリレートを好適に挙げることができる。
上記単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。これらの市販品としては、例えばアロニックスM−101、同M−111、同M−114(東亞合成(株)製)、KAYARAD TC−110S、同TC−120S(日本化薬(株)製)、ビスコート158、同2311(大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0040】
上記2官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。これらの市販品としては、例えばアロニックスM−210、同M−240、同M−6200(東亞合成(株)製)、KAYARAD HDDA、同HX−220、同R−604(日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0041】
上記3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの市販品としては、例えばアロニックスM−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060(東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0042】
これらのうち、3官能以上の(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、そのうちでも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらの単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリレートは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
[D]成分の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下である。
このような割合で[D]成分を含有させることにより、本発明の感放射線性樹脂組成物から得られる層間絶縁膜またはマイクロレンズの耐熱性および表面硬度等を向上させることができる。この割合が50重量部を超えると、基板上に感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する工程において膜荒れが生じることがある。
【0043】
上記[E]共重合体[A]以外のエポキシ樹脂としては、相溶性に影響がないかぎり限定されるものではないが、好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレートを(共)重合した樹脂などが挙げられる。
これらのうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂などが好ましい。
[E]成分の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは30重量部以下である。このような割合で[E]成分が含有されることにより、本発明の感放射線性樹脂組成物から得られる層間絶縁膜の耐熱性および表面硬度等をさらに向上させることができる。この割合が30重量部を超えると、基板上に感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する際に塗膜の膜厚均一性が不十分となる場合がある。
なお、共重合体[A]も「エポキシ樹脂」といい得るが、アルカリ可溶性を有する点で[E]成分とは異なる。
【0044】
本発明の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物およびマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物には、さらに塗布性を向上するため上記[F]界面活性剤を使用することができる。
このような[F]成分としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤を好適に用いることができる。
フッ素系界面活性剤の具体例としては、1,1,2,2−テトラフルオロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロデカンなどの他、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム類;フルオロアルキルオキシエチレンエーテル類;フルオロアルキルアンモニウムヨージド類、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル類、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール類;パーフルオロアルキルアルコキシレート類;フッ素系アルキルエステル類などが挙げられる。
これらの市販品としては、BM−1000、BM−1100(BM Chemie社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F178、同F191、同F471(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−170C、同FC−171、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190(東レシリコーン(株)製)などが挙げられる。
【0045】
上記シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同FS−1265−300(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(GE東芝シリコーン(株)製)などの商品名で市販されているものが挙げられる。
【0046】
上記ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo. 57、95(共栄社化学(株)製)などを使用することができる。
これらの[F]成分は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
[F]成分の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは2重量部以下である。この割合が5重量部を超えると、基板上に塗膜を形成する際、塗膜の膜あれが生じやすくなることがある。
【0047】
本発明の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物およびマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物においては、また、基体との接着性を向上させるために上記[G]接着助剤を使用することもできる。
このような[G]成分としては、官能性シランカップリング剤が好ましく使用され、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられる。具体的にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
[G]成分の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。この割合が20重量部を超える場合は、現像工程において現像残りが生じやすくなる場合がある。
【0048】
感放射線性樹脂組成物
本発明の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物およびマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物は、上記の共重合体[A]および[B]成分ならびに上記の如き任意的に添加するその他の成分を均一に混合することによって調製される。通常、本発明の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物およびマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物は、適当な溶媒に溶解されて溶液状態で用いられる。
上記溶液の調製に用いられる溶媒としては、共重合体[A]および[B]成分ならびに任意的に配合されるその他の成分の各成分を均一に溶解し、各成分と反応しないものが用いられる。
【0049】
このような溶媒としては、上述した共重合体[A]を製造するために使用できる溶媒として例示したものと同様の溶媒が挙げられる。
このような溶媒のうち、各成分の溶解性、各成分との反応性、塗膜形成のしやすさ等の点から、グリコールエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、エステル類およびジエチレングリコール類が好ましく用いられる。
これらのうち、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プルピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルが特に好ましく使用できる。
さらに前記溶媒とともに、膜厚の面内均一性を高めるため、高沸点溶媒を併用することもできる。
併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
これらのうち、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記溶液の溶媒として、高沸点溶媒を併用する場合、その使用割合は、溶媒全量に対して50重量%以下、好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下とすることができる。この割合が上記範囲を超えると、塗膜の膜厚均一性、感度および残膜率が低下する場合がある。
【0050】
上記溶液を調製する場合、溶液中に占める溶媒以外の成分(すなわち共重合体[A]および[B]成分ならびに任意的に添加されるその他の成分の合計量)の割合は、使用目的や所望の膜厚の値等に応じて任意に設定することができるが、通常5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。
このようにして調製された溶液は、孔径0.2μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾過した後、使用に供することもできる。
【0051】
層間絶縁膜およびマイクロレンズの形成
次に、本発明の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物またはマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物を用いて、本発明の層間絶縁膜およびマイクロレンズを形成する方法について述べる。
本発明の層間絶縁膜およびマイクロレンズの形成方法は、少なくとも以下の工程を含むものである。
(1)本発明の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物またはマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程。
(2)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程。
(3)現像する工程。
(4)加熱する工程。
【0052】
(1)工程
この工程においては、層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物またはマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物の溶液を基板表面に塗布し、プレベークを行うことにより溶剤を除去して、塗膜を形成する。
本発明に使用できる基板の種類としては、ガラス基板、シリコンウエハーおよびこれらの表面に各種金属が形成された基板が挙げられる。
溶液の塗布方法としては、特に限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法等の適宜の方法を採用することができる。
プレベークの条件としては、各成分の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃で30秒間〜15分間程度である。
形成される塗膜の膜厚としては、プレベーク後の値として、層間絶縁膜を形成する場合にあっては3〜6μm、マイクロレンズを形成する場合にあっては0.5〜3μmが好ましい。
【0053】
(2)工程
この工程においては、形成された塗膜に所定のパターンを有するマスクを介して、放射線を照射した後、現像液を用いて現像して放射線の照射部分を除去することにより、パターニングを行う。
このとき用いられる放射線としては、例えば紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線などが挙げられる。
上記紫外線としては、例えばg線(波長436nm)、i線(波長365nm)などが挙げられる。上記遠紫外線としては、例えばKrFエキシマレーザーなどが挙げられる。上記X線としては、例えばシンクロトロン放射線などが挙げられる。上記荷電粒子線としては、例えば電子線などが挙げられる。
これらのうち、紫外線が好ましく、特にg線および/またはi線を含む放射線が好ましいものとして挙げられる。
露光量としては、層間絶縁膜を形成する場合にあっては50〜1,500J/m2 、マイクロレンズを形成する場合にあっては50〜2,000J/m2 とすることが好ましい。
【0054】
(3)工程
現像に用いられる現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノネンなどのアルカリ類の水溶液を用いることができる。
また、上記のアルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液、または本発明における感放射線性樹脂組成物を溶解する各種有機溶媒を現像液として使用することができる。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の適宜の方法を利用することができる。このときの現像時間は、組成物の組成によって異なるが、通常30〜120秒間で行われる。
なお、従来知られている感放射線性樹脂組成物は、現像時間が最適値から20〜25秒程度超過すると形成したパターンに剥がれが生じるため、現像時間を厳密に制御する必要があったが、本発明における感放射線性樹脂組成物の場合、最適現像時間からの超過時間が30秒以上となっても良好なパターン形成が可能であり、製品歩留まり上の利点がある。
【0055】
(4)工程
上記の(3)工程後に、パターニングされた薄膜に対して、好ましくは例えば流水洗浄による洗浄処理を行い、さらに、好ましくは高圧水銀灯などによる放射線を全面に照射(後露光)することにより、当該薄膜中に残存する1,2−キノンジアジト化合物の分解処理を行った後、この薄膜を、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により加熱(ポストベーク)することにより、当該薄膜の硬化処理を行う。
上記後露光における露光量は、好ましくは2,000〜5,000J/m2 程度である。
また、上記硬化処理における加熱温度は、例えば120〜250℃である。加熱時間は、加熱装置の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱する場合には5〜30分間、オーブン中で加熱する場合には30〜90分間とすることができる。この際に、2回以上の加熱を行うステップベーク法等を用いることもできる。
このようにして、目的とする層間絶縁膜またはマイクロレンズに対応する、パターン状薄膜を基板上に形成することができる。
上記のようにして形成された層間絶縁膜およびマイクロレンズは、後述の実施例から明らかにされるように、密着性、耐熱性、耐溶剤性および透明性等に優れるものである。
【0056】
層間絶縁膜
上記のようにして形成された本発明の層間絶縁膜は、基板への密着性が良好であり、耐溶剤性および耐熱性に優れ、高い透過率を有し、誘電率が低いものであり、電子部品の層間絶縁膜として好適に使用できる。
マイクロレンズ
上記のようにして形成された本発明のマイクロレンズは、基板への密着性が良好であり、耐溶剤性および耐熱性に優れ、かつ高い透過率と良好なメルト形状を有するものであり、固体撮像素子のマイクロレンズとして好適に使用できる。
なお、本発明のマイクロレンズの形状は、図1(a)に示したように、半凸レンズ形状となる。
【0057】
【実施例】
以下に合成例、実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
共重合体[A]の合成例
合成例1
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル250重量部を仕込んだ。引き続きスチレン5重量部、メタクリル酸22重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルメタクリレート28重量部、メタクリル酸グリシジル45重量部およびα−メチルスチレンダイマー5重量部を仕込み、窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し、共重合体[A−1]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[A−1]のMwは8,000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は29.8重量%であった。
【0058】
合成例2
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)7重量部、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸18重量部、スチレン6重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルメタクリレート10重量部、メタクリル酸グリシジル33重量部、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル33重量部およびα−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込み、窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し、共重合体[A−2]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[A−2]のMwは11,000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は31.5重量%であった。
【0059】
合成例3
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)6重量部およびジエチレングリコールエチルメチルエーテル200重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸7重量部、メタクリル酸グリシジル27重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルメタクリレート6重量部、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル30重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30重量部およびα−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込み、窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4.5時間保持し、共重合体[A−3]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[A−3]のMwは13,000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は32.7重量%であった。
【0060】
合成例4
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8.5重量部およびジエチレングリコールエチルメチルエーテル220重量部を仕込んだ。引き続きメタクリル酸15重量部、メタクリル酸グリシジル35重量部、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−8−イルメタクリレート30重量部、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル10重量部、n−ラウリルメタクリレート10重量部およびα−メチルスチレンダイマー3重量部を仕込み、窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4.5時間保持し、共重合体[A−4]を含む重合体溶液を得た。
共重合体[A−4]のMwは8,000であった。また、ここで得られた重合体溶液の固形分濃度は31.5重量%であった。
【0061】
[B]成分の合成例
合成例5
遮光下で、撹拌機、滴下ロートおよび温度計を備えたフラスコに、2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン36.41g(100mモル)、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド85.49g(300mモル)およびアセトン735mリットルを仕込み、均一に溶解させた。次いで、溶液の温度を20〜30℃に保持しつつ、トリエチルアミン33.37g(330mモル)を30分かけて滴下した後、同温度で2時間反応させた。
析出物を濾過により除去し、濾液を大過剰の1重量%塩酸水溶液に投入して生成物を析出させてろ別し、ろ液が中性になるまで水洗後、真空乾燥機中40℃で1日乾燥して、[B−1](2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(3.0モル)との縮合物)を得た。
【0062】
合成例6〜8
合成例5において、特定フェノール化合物の種類および使用量、ならびに1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドの使用量を表1に記載のとおりとした他は、合成例5と同様に実施し、[B−2]〜[B−4]成分を得た。
他のキノンジアジド化合物の合成例
合成例9〜10
合成例5において、特定フェノール化合物の代わりに表1に記載のフェノール化合物を表1に記載の量使用し、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドの使用量を表1に記載のとおりとした他は、合成例5と同様に実施し、[b−5]〜[b−6]成分を得た。
【0063】
【表1】
【0064】
実施例1
〔感放射線性樹脂組成物の溶液の調製〕
上記合成例1で合成した共重合体[A−1]を含む重合体溶液を、共重合体[A−1]100重量部(固形分)に相当する量、および上記合成例5で合成した[B−1]成分20重量部を、固形分濃度が30重量%となるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物の溶液(S−1)を調製した。
実施例2〜9
〔感放射線性樹脂組成物の溶液の調製〕
実施例1において、共重合体[A]および[B]成分として、表2に記載のとおりの種類と量を使用した他は、実施例1と同様にして実施し、感放射線性樹脂組成物の溶液(S−2)〜(S−9)を調製した。
なお、実施例5〜9において、[B]成分の記載は、それぞれ2種類を併用したことを表す。
【0065】
【表2】
【0066】
実施例10〜18および比較例1〜2
<層間絶縁膜としての性能評価>
上記のように調製した感放射線性樹脂組成物の溶液を使用し、以下のように層間絶縁膜としての各種の特性を評価した。なお、比較例1および比較例2で使用した溶液は、いずれもm/p−クレゾールノボラックと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルとを含む市販品(商品名、東京応化工業(株)製)である。
〔感度の評価〕
シリコン基板上にスピンナーを用いて、表3に記載の溶液を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に所定のパターンを有するパターンマスクを介して、キャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で露光時間を変化させて露光を行った後、表3に記載した濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて、25℃、90秒間液盛り法で現像した。次いで超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥して、シリコン基板上にパターンを形成した。このとき、3.0μmのライン・アンド・スペースパターン(10対1)のスペースパターンが完全に溶解するために必要な露光量を測定した。この値を感度として表3に示した。この値が1,000J/m2 以下のとき、感度は良好であるといえる。
【0067】
〔現像マージンの評価〕
シリコン基板上にスピンナーを用いて、表3に記載の溶液を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に3.0μmのライン・アンド・スペース(10対1)のパターンを有するマスクを介して、キャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用いて、上記〔感度の評価〕にて測定した感度の値に相当する露光量で露光を行い、表3に記載した濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、90秒間液盛り法で現像した。次いで超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥して、シリコン基板上にパターンを形成した。このとき、ライン線幅が3μmとなるのに必要な現像時間を最適現像時間として表3に示した。また、最適現像時間からさらに現像を続けた際に3.0μmのラインパターンが剥がれるまでの時間を測定し、現像マージンとして表3に示した。この値が30秒以上のとき、現像マージンは良好であるといえる。
【0068】
〔耐溶剤性の評価〕
シリコン基板上にスピンナーを用いて、表3に記載の溶液を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜にキャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が3,000J/m2 となるように露光を行い、このシリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して、硬化膜を得た後、硬化膜の膜厚(T1)を測定した。そして、この硬化膜が形成されたシリコン基板を70℃に温度制御されたジメチルスルホキシド中に20分間浸漬させた後、当該硬化膜の膜厚(t1)を測定し、浸漬による膜厚変化率{|t1−T1|/T1}×100〔%〕を算出した。結果を表4に示した。この値が5%以下のとき、耐溶剤性は良好といえる。
なお、耐溶剤性の評価においてはパターニングは不要のため、放射線の照射および現像は省略し、塗膜の形成および加熱のみを行って評価に供した。
【0069】
〔耐熱性の評価〕
上記の〔耐溶剤性の評価〕と同様にして硬化膜を形成し、硬化膜の膜厚(T2)を測定した。次いで、この硬化膜が形成されたシリコン基板をクリーンオーブン内にて240℃で1時間追加ベークした後、当該硬化膜の膜厚(t2)を測定し、追加ベークによる膜厚変化率{|t2−T2|/T2}×100〔%〕を算出した。結果を表4に示した。この値が5%以下のとき、耐熱性は良好といえる。
【0070】
〔透明性の評価〕
上記の〔耐溶剤性の評価〕において、シリコン基板の代わりにガラス基板「コーニング7059(コーニング社製)」を用いたこと以外は同様にして、ガラス基板上に硬化膜を形成した。この硬化膜が形成されたガラス基板の光線透過率を、分光光度計「150−20型ダブルビーム((株)日立製作所製)」を用いて400〜800nmの範囲の波長で測定した。このときの最低光線透過率の値を表4に示した。この値が95%以上のとき、透明性は良好といえる。
【0071】
〔比誘電率の評価〕
研磨したSUS304製基板上にスピンナーを用いて、表3に記載の溶液を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜にキャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が3,000J/m2 となるように露光を行った後、この基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して、硬化膜を得た。
この硬化膜について、蒸着法によりPt/Pd電極パターンを形成させ、比誘電率測定用サンプルを作製した。次いで周波数10kHzの周波数で、横河・ヒューレットパッカード(株)製HP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメーターを用いて、CV法により当該基板の比誘電率を測定した。結果を表4に示した。この値が3.6以下のとき、比誘電率は良好といえる。 なお、比誘電率の評価においてはパターニングは不要のため、放射線の照射および現像は省略し、塗膜の形成および加熱のみを行って評価に供した。
【0072】
〔密着性の評価〕
上記の〔透明性の評価〕と同様にして、ガラス基板「コーニング7059(コーニング社製)」上に硬化膜を形成した。この硬化膜が形成されたガラス基板について、プレッシャークッカー試験(120℃、湿度100%、4時間)を行った後、JIS K5400の碁盤目テープ法に準じて、密着性の評価を行った。 碁盤目100個のうち、剥離せずに残った碁盤目の数を表4に示した。
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
実施例19〜27および比較例3〜4
<マイクロレンズとしての性能評価>
上記のように調製した感放射線性樹脂組成物の溶液を使用し、以下のようにマイクロレンズとしての各種の特性を評価した。なお、耐熱性の評価、透明性の評価および密着性の評価については、上記<層間絶縁膜としての性能評価>における結果を参照されたい。
また、比較例3および比較例4で使用した溶液は、いずれもm/p−クレゾールノボラックと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルとを含む市販品(商品名、東京応化工業(株)製)である。
【0076】
〔感度の評価〕
シリコン基板上にスピンナーを用いて、表5に記載の溶液を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に所定のパターンを有するパターンマスクを介して、ニコン(株)製NSR1755i7A縮小投影露光機(NA=0.50、λ=365nm)で露光時間を変化させて露光を行った後、表3に記載した濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて、25℃、1分間液盛り法で現像した。次いで水で洗浄し、乾燥して、シリコン基板上にパターンを形成した。このとき、0.8μmライン・アンド・スペ−スパタ−ン(1対1)のスペース線幅が0.8μmとなるのに必要な露光量を測定した。この値を感度として表5に示した。この値が2,500J/m2 以下のとき、感度は良好であるといえる。
【0077】
〔現像マージンの評価〕
シリコン基板上にスピンナーを用いて、表5に記載の溶液を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に所定のパターンを有するパターンマスクを介して、ニコン(株)製NSR1755i7A縮小投影露光機(NA=0.50、λ=365nm)で上記〔感度の評価〕にて測定した感度の値に相当する露光量で露光を行い、表4に記載した濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、1分間液盛り法で現像した。次いで水で洗浄し、乾燥して、シリコン基板上にパターンを形成した。このとき、0.8μmのライン・アンド・スペ−スパタ−ン(1対1)のスペース線幅が0.8μmとなるのに必要な現像時間を最適現像時間として表5に示した。また、最適現像時間からさらに現像を続けた際に幅0.8μmのラインパターンが剥がれるまでの時間を測定し、現像マージンとして表5に示した。この値が30秒以上のとき、現像マージンは良好であるといえる。
【0078】
〔耐溶剤性の評価〕
シリコン基板上にスピンナーを用いて、表5に記載の溶液を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜にキャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が3,000J/m2 となるように露光を行った後、シリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して、硬化膜を得た後、硬化膜の膜厚(T3)を測定した。そして、この硬化膜が形成されたシリコン基板を50℃に温度制御されたイソプロピルアルコール中に10分間浸漬させた後、当該硬化膜の膜厚(t3)を測定し、浸漬による膜厚変化率{|t3−T3|/T3}×100〔%〕を算出した。結果を表5に示した。
なお、耐溶剤性の評価においてはパターニングは不要のため、放射線の照射および現像は省略し、塗膜の形成および加熱のみを行って評価に供した。
【0079】
〔マイクロレンズの形成〕
シリコン基板上にスピンナーを用いて、表5に記載の溶液を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして、膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に4.0μmドット・2.0μmスペ−スパタ−ンを有するパターンマスクを介して、ニコン(株)製NSR1755i7A縮小投影露光機(NA=0.50、λ=365nm)を用いて、上記〔感度の評価〕にて測定した感度の値に相当する露光量で露光を行い、表5の感度における現像液濃度として記載した濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて、25℃、1分間液盛り法で現像した。次いで水で洗浄し、乾燥して、シリコン基板上にパターンを形成した。その後、キャノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)で積算照射量が3,000J/m2 となるように露光を行った。その後ホットプレートにて160℃で10分間加熱後、さらに230℃で10分間加熱してパターンをメルトフローさせて、マイクロレンズを形成した。
形成されたマイクロレンズの底部(基板に接する面)の寸法(直径)および断面形状を表5に示した。マイクロレンズの底部の寸法は、4.0μmを超え5.0μm未満であるとき、良好といえる。なお、この寸法が5.0μm以上となると、隣接するレンズ同士が接触する状態であり、好ましくない。また、断面形状は、図1において、(a)のような半凸レンズ形状であるときに良好であり、(b)のような略台形上のときは不良である。
【0080】
【表5】
【0081】
【発明の効果】
本発明の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物およびマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物は、高い感放射線感度を有し、現像工程において最適現像時間を越えてもなお良好なパターン形状を形成できるような現像マージンを有し、基板への密着性に優れたパターン状薄膜を容易に形成することができる。
上記の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物から形成された本発明の層間絶縁膜は、基板への密着性が良好であり、耐溶剤性および耐熱性に優れ、高い透過率を有し、誘電率が低いものであり、電子部品の層間絶縁膜として好適に使用できる。
また、上記のマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物から形成された本発明のマイクロレンズは、基板への密着性が良好であり、耐溶剤性および耐熱性に優れ、かつ高い透過率と良好なメルト形状を有するものであり、固体撮像素子のマイクロレンズとして好適に使用できる。
【0082】
【図面の簡単な説明】
【図1】 マイクロレンズの断面形状の模式図である。
Claims (6)
- [A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と(a2)エポキシ基含有不飽和化合物と(a3)(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物との共重合体、ならびに
[B]2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、2−[ビス{(5−イソプロピル−4−ヒドロキシ−2−メチル)フェニル}メチル]フェノール、1−[1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−3− [1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル] ベンゼン、および4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼンのうちから選ばれる少なくとも一種と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物
を含有することを特徴とする層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物。 - 少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする層間絶縁膜の形成方法。
(1)請求項1に記載の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程。
(2)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程。
(3)現像する工程。
(4)加熱する工程。 - 請求項1に記載の層間絶縁膜形成用感放射線性樹脂組成物により形成された層間絶縁膜。
- [A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物と(a2)エポキシ基含有不飽和化合物と(a3)(a1)および(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物との共重合体、ならびに
[B]2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、2−[ビス{(5−イソプロピル−4−ヒドロキシ−2−メチル)フェニル}メチル]フェノール、1−[1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−3− [ 1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル ] ベンゼン、および4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼンのうちから選ばれる少なくとも一種と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物
を含有することを特徴とするマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物。 - 少なくとも以下の工程を含むことを特徴とするマイクロレンズの形成方法。
(1)請求項4に記載のマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程。
(2)該塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程。
(3)現像する工程。
(4)加熱する工程。 - 請求項4に記載のマイクロレンズ形成用感放射線性樹脂組成物により形成されたマイクロレンズ。
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