JPWO2005096678A1 - 照明制御回路 - Google Patents

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Abstract

本発明は、発光素子を駆動する駆動素子を有する照明制御回路において、電源電圧が変動した場合に、該駆動素子に対する負荷を低減し、また発光素子の明るさを安定化させることを目的とする。電源電圧Vccに対して、発光素子FLと、発光素子FLを駆動する駆動素子5と、補償部8とを直列接続する。更に、電源電圧Vccに対して、定電圧Vzを発生する基準部6と、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧V1を検出する検出部7を直列接続する。電源電圧Vccが変動すると、検出部7が差電圧V1に基づいて電源電圧Vccの電圧変化を検出し、差電圧V1を分圧した検出電圧V2を発生し、補償部8が検出電圧V2に追従する補償電圧V3を発生することにより、電源電圧Vccの変化に対して、発光素子FLと駆動素子5との両端に掛かる駆動電圧Vxの変化を抑制する。

Description

本発明は、例えば照明ランプや発光ランプや発光素子等の照度や光度等のいわゆる明るさを制御する照明制御回路に関する。
従来、カーオーディオ機器を照明するための照明ランプを駆動し、その照度を調整する照明制御回路(照明調整回路)として、特開平11−233276号公報に示されたものがある。
この照明調整回路は、同特許文献の図1に示されているように、電源(Vcc)に直列接続された抵抗(R1)及びツェナーダイオード(D1)と、PWM信号(P)に従ってスイッチング動作するスイッチングトランジスタ(Q2)と、抵抗(R1,R2)及びコンデンサ(C1)で形成されたフィルタ回路と、電源(Vcc)から照明ランプ(FL)へ駆動電力を供給するための駆動素子としてのドライブ用トランジスタ(Q1)とを備えて構成されている。
かかる構成の照明調整回路において、スイッチングトランジスタ(Q2)がPWM信号(P)に応じて、ツェナーダイオード(D1)に生じる定電圧(V2)をスイッチングし、そのスイッチング出力をフィルタ回路が平滑化することにより直流電圧(VB)を生成し、ドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位を決定している。
このため、PWM信号(P)のパルス幅(W)を調整すると、ドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位を調整し、照明ランプ(FL)への駆動電力を調整することができ、照明ランプ(FL)の照度を調整することが可能となっている。
また、PWM信号(P)のパルス幅(W)を所定幅に維持しておけば、直流電圧(VB)によってドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位が一定レベルに保たれることから、照明ランプ(FL)を一定の照度に保つことが可能となっている。
特開平11−233276号公報
上記従来の照明調整回路では、ツェナーダイオード(D1)に生じる定電圧(V2)を基準電圧とし、その定電圧(V2)をスイッチングして平滑化することにより、ドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位を調整するための直流電圧(VB)を生成する構成となっているため、電源(Vcc)の電圧変動の影響を受けることなく、照明ランプ(FL)が一定の照度となるように調整することが可能となっている。
しかし、電源(Vcc)に変動が生じて、その電圧レベルが上昇した場合、ドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位は直流電圧(VB)によって一定に保たれるため、ドライブ用トランジスタ(Q1)のコレクタベース間電圧が上昇し、そのコレクタ損失が大きくなるという問題があった。
特に、消費電力の大きな照明ランプ(FL)を駆動制御する場合、電源(Vcc)の電圧レベルが上昇すると、ドライブ用トランジスタ(Q1)に対する負荷が大きくなって、ドライブ用トランジスタ(Q1)のコレクタ損失が急激に増大し、発熱等によってドライブ用トランジスタ(Q1)の特性が劣化したり、損傷等を招くという問題があった。
本発明は、こうした従来の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば照明ランプや発光ランプや発光素子等を駆動する駆動素子を有する照明制御回路であって、電源電圧変動等が生じた場合でも、該駆動素子に対する負荷を低減し得る照明制御回路を提供することを目的とする。
また、電源電圧変動等が生じた場合でも、例えば照明ランプや発光ランプや発光素子等の照度や光度等のいわゆる明るさを安定化させることが可能な照明制御回路を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、発光素子を駆動制御する照明制御回路であって、前記電源の電源電圧を検出し、前記電源電圧の変化に応じた検出電圧を出力する検出手段と、前記発光素子と共に前記電源に直列接続された、前記発光素子を駆動する駆動素子と、前記検出電圧に追従する補償電圧を発生する補償手段とを備え、前記補償手段は、前記検出電圧に追従する前記補償電圧を発生することにより、前記電源の電源電圧の変化に対して、前記発光素子と前記駆動素子との両端に掛かる駆動電圧の変化を抑制することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、発光素子を駆動制御する照明制御回路であって、
前記発光素子と共に電源に直列接続され、前記発光素子を駆動する駆動素子と、
前記駆動素子に制御用の信号を供給する補償手段と、
前記電源の電源電圧を検出し、前記電源電圧の変化に応じた検出電圧を出力すると共に、前記検出電圧によって前記補償手段を調節することにより、前記制御用の信号のレベル変化を抑制させる検出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の第1の実施形態に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。 図1に示した照明制御回路の基本特性を説明するための特性図である。 本発明の第2の実施形態に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。 第1の実施例に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。 第2の実施例に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。
本発明に係る照明制御回路の2つの実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
〔実施形態1〕
図1は、第1の実施形態に係る照明制御回路1の構成を表した回路図である。
同図において、この照明制御回路1は、制御信号源2と、制御素子としてのスイッチング素子3と、平滑部4と、駆動素子5と、基準部6と、検出部7と、補償部8を備えて構成されており、例えば自動車に搭載されている車載バッテリ等の電源PWRに接続されると、該電源PWRからの電力供給を受けて発光する照明ランプや発光ランプや発光素子等FLの照度や光度を制御する。
なお、以下の説明では、便宜上、照明ランプや発光ランプや発光素子等FLを単に「発光素子」と総称することとする。
制御信号源2は、PWM信号S1を出力する発振回路等で形成されており、外部からの操作入力によって、PWM信号S1のパルス幅(論理“H”となるときのパルス幅)Wを可変調整することが可能となっている。別言すれば、外部操作によってPWM信号S1のデューティを可変調整することが可能となっている。
スイッチング素子3は、PWM信号S1に従ってスイッチング動作し、PWM信号S1に対して論理反転した矩形波状のスイッチング信号S2を出力する。
平滑部4は、ローパスフィルタ等で形成され、スイッチング信号S2を平滑化することにより、制御用信号としての直流電圧V4を出力する。
駆動素子5は、発光素子FLと補償回路8の間に接続され、直流電圧V4に従って発光素子FLを発光させるための駆動電力を設定する。
ここで、本実施形態では、駆動素子5としてPNPトランジスタが用いられており、そのベースに直流電圧V4が印加され、コレクタに補償部8が接続され、エミッタに発光素子FLの一方の入力端子が接続されて、発光素子FLの他方の入力端子が電源PWRに接続されている。
そして、PWM信号S1のパルス幅Wが小さくなるほど、直流電圧V4が上昇するため、駆動素子5は、発光素子FLを発光させるための駆動電力を減少させ、逆に、PWM信号S1のパルス幅Wが大きくなるほど、直流電圧V4が降下するため、駆動素子5は、発光素子FLを発光させるための駆動電力を増加させる。
基準部6と検出部7は、電源PWRのマイナス側出力端子(−)とプラス側出力端子(+)間に直列接続されており、基準部6は、ツェナーダイオードや定電圧回路等の定電圧Vzを発生する電子素子や電子回路で形成されている。
検出部7は、電源PWRから出力される定電圧Vzよりも高電圧の電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を検出し、差電圧(Vcc−Vz)と所定の係数αとの乗算値に相当する、次式(1)で表される検出電圧V2を発生する。なお、係数αは、0より大きく1未満の正の定数値である。
V2=α×(Vcc−Vz) …(1)
すなわち、説明の便宜上、電源PWRのマイナス側出力端子(−)をグランド(GND)端子とすると、基準部6と検出部7との接続点に生じる電圧V1が、GND端子に対してプラスとなる差電圧(Vcc−Vz)となり、この差電圧(Vcc−Vz)を検出部7が検出して、上記式(1)で表される検出電圧V2を発生する。
補償部8は、トランジスタや増幅回路等の能動素子や能動回路で形成されており、検出電圧V2を電力増幅することにより、検出電圧V2に追従した補償電圧V3を発生し、その補償電圧V3によって駆動素子5と補償部8との接続点Pの電位を設定する。
また、補償部8は、駆動素子5側から補償部8を見た場合のインピーダンスZ8が補償部8側から駆動素子5を見た場合のインピーダンスZ5に較べて低インピーダンスとなるように、上述の能動素子や能動回路によって形成されることにより、低インピーダンス側の補償電圧V3によって駆動素子5と補償部8との接続点Pの電位を設定することが可能となっている。
なお、本実施形態の補償部8は、検出電圧V2を電力増幅することにより、検出電圧V2より高い電圧となる補償電圧V3を発生する構成となっているが、検出電圧V2と同電圧、又は、検出電圧V2より低い電圧となる補償電圧V3を発生するようにしてもよい。すなわち、補償部8は、検出電圧V2が上昇するとそれに追従して補償電圧V3も上昇し、検出電圧V2が降下するとそれに追従して補償電圧V3も降下するような補償電圧V3を出力するようになっている。
次に、照明制御回路1の基本特性と動作を図1及び図2を参照して説明する。
〈照明制御回路1の基本特性〉
まず、照明制御回路1の基本特性を図2を参照して説明する。
なお、図2は、本照明制御回路1の基本特性を説明するために、仮に電源電圧Vccを0(Volt)から次第に上昇させたときの特性を表しており、同図(a)は、基準部6の両端に生じる電圧Vzと、検出部7の両端に生じる電圧V1すなわち差電圧(Vcc−Vz)と、検出部7から出力される検出電圧V2と、補償部8の両端に生じる補償電圧V3と、発光素子FL及び駆動素子5との両端に生じる駆動電圧Vxの変化を表した特性図、同図(b)(c)は、電源電圧Vccの変化に対する駆動電圧Vxの変化を表した特性図である。
図2(a)において、例えば時間経過に従って電源電圧Vccを所定電圧ずつ上昇させていくと、ツェナーダイオード等で形成されている基準部6は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えばツェナー電圧)Vzg未満の範囲内では動作しないため、定電圧Vzが発生せず、電源電圧Vccが電圧Vzg以上になると、電圧Vzgとほぼ等しい定電圧Vzが発生する。
電圧V1は、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)であるため、電源電圧Vccが電圧Vzg以上となる範囲内において、電源電圧Vccの変化に追従して変化する。
検出電圧V2は、電源電圧Vccが電圧Vzg以上となる範囲内において、電圧V1に従って変化し、更に、補償電圧V3も同様に電圧V1及び検出電圧V2に従って変化する。ただし、検出電圧V2は、上記式(1)の関係に従って変化することから、電圧V1の電圧変化率よりも緩やかな電圧変化率で変化することとなり、更に、補償電圧V3も検出電圧V2に従って緩やかな電圧変化率で変化する。
駆動電圧Vxは、電源電圧Vccと補償電圧V3との差の電圧(Vcc−V3)に相当することから、図2(b)に示すように、電源電圧Vccの変化に追従して変化する。
すなわち、駆動電圧Vxは、電源電圧Vccが電圧Vzg以上となる範囲内において、電源電圧Vccに追従して変化する。ただし、電源電圧Vccが上昇すると、補償電圧V3も上昇するため、駆動電圧Vxは、電源電圧Vccの電圧変化率よりも緩やかな(小さい)電圧変化率で変化する。
更に、上記式(1)の関係から、係数αを可変調整すると、電源電圧Vccの変化し応じて検出電圧V2の電圧変化率が変化することから、図2(c)に例示するように、電源電圧Vccに追従して変化する駆動電圧Vxの電圧変化率も変化する。
そして、本照明制御回路1は、基準部6に発生する定電圧Vz(すなわち電圧Vzg)よりも高電圧(例えば電圧Vccg)の電源電圧Vccを出力する電源PWRに接続されて動作する。
次に、以上に説明した基本特性を有する本照明制御回路1の動作を説明する。
〈電源電圧Vccが安定している場合の照明制御回路1の動作〉
上述の電圧Vccgの電源電圧Vccを出力する電源PWRが接続され、電源電圧Vccが一定電圧で安定している場合、上記式(1)中の係数αが所定値に設定されると、発光素子FLと駆動素子5との両端に掛かる駆動電圧Vxは、図2(b)に示す電圧Vccgに対応する電圧Vxsに保持されることとなる。
この駆動電圧Vxが一定電圧に保たれている状態で、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、適宜のパルス幅Wを有するPWM信号S1を出力させると、スイッチング素子3がそのPWM信号S1に従ってスイッチング信号S2を生成し、平滑部4がそのスイッチング信号S2を平滑化することにより、PWM信号S1のパルス幅Wに比例した直流電圧V4を生成する。そして、駆動素子5が直流電圧V4に応じた所定の駆動電力を設定することにより、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)をPWM信号S1のパルス幅Wに応じた明るさに調整する。
したがって、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、PWM信号S1のパルス幅Wを適宜に調整すると、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を所望の明るさに調整することが可能となっている。
更に、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、PWM信号S1のパルス幅Wを適宜のパルス幅に保持させると、直流電圧V4もそのパルス幅Wに応じた電圧のままとなり、発光素子FLをユーザ等の所望する照度や光度(いわゆる明るさ)に維持させることができる。
更に、本照明制御装置1によれば、電源電圧Vccが一定電圧で安定している場合には、駆動電圧Vxも所定電圧(すなわち電圧Vxs)に保たれるため、駆動素子5に大きな負荷がかかることがなく、更に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を変動させることなく、ユーザ等が指定した明るさに保つことができる。
〈電源電圧Vccが変動等した場合の照明制御回路1の動作〉
次に、電源電圧Vccが変動等によって変化した場合の動作を説明する。例えば、電源PWRが自動車に搭載された車載バッテリであった場合、発電機によって充電されるため、電源電圧Vccが上昇する等の変動を生じることとなる。
電源電圧Vccがこうした変動等によって上昇した場合、基準部6の定電圧Vzは上述の電圧Vzgのままとなって変化しないため、上記式(1)の関係から、検出電圧V2と補償電圧V3が電源電圧Vccに伴って上昇することとなり、駆動電圧Vxは、電源電圧Vccに従って上昇するものの、図2(b)に示したように、電圧Vxsを基準として、電源電圧Vccに較べて穏やかな(小さい)電圧変化率で変化することとなる。
このため、電源電圧Vccが上昇しても、駆動素子5は大きな負荷がかかることがなく、更に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を変動させることなく発光させることができる。
そして、上述したようにユーザ等が制御信号源2を外部操作して、PWM信号S1のパルス幅Wを調整すると、電圧変化の小さい駆動電圧Vxによってバイアスされた駆動素子5に、そのPWM信号S1に応じた直流電圧V4が印加されるため、駆動素子5は、発光素子FLをユーザ等の調整した照度や光度(いわゆる明るさ)で発光させることができ、更に明るさにちらつきを生じさせることなく発光させることができる。
すなわち、電源電圧Vccが上昇すると、図2(b)に示したように、駆動電圧Vxが若干変化することとなるため、厳密には、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化することとなるが、検出部7の係数αを予め調整しておくことによって、駆動電圧Vxの電源電圧Vccに対する電圧変化率を小さくすることができ、人間の目では感じることができない程度の範囲内で発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化するように、駆動電圧Vxの変化を抑制することが可能である。したがって、照明制御回路1によれば、電源電圧Vccが上昇した場合でも、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)にちらつきを生じさせることなく発光させることができる。
また、電源電圧Vccが、図2(b)に示した電圧Vccgよりも降下した場合でも、基準部6の定電圧Vzが電圧Vzgとなる範囲内であれば、駆動電圧Vxの電圧変化が小さいため、駆動素子5によって、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)にちらつきを生じさせることなく発光させることができる。
例えば、電源電圧Vccの定格電圧Vccgが12(Volt)で、基準部6が発生する定電圧Vzの電圧Vzgが5.3(Volt)であった場合、電源電圧Vccが、12(Volt)から5.3(Volt)の範囲内で降下した場合には、駆動電圧Vxの電圧変化が小さいため、駆動素子5によって、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)にちらつきを生じさせることなく発光させることが可能である。
以上説明したように、本実施形態の照明制御回路1によれば、電源電圧Vccに対して発光素子FLと駆動素子5と補償部8とを直列接続し、検出部7が電源電圧Vccの電圧変動を検出して、補償部8が電源電圧Vccの変動に追従する補償電圧V3を発生するようにしたので、電源電圧Vccが変動した場合でも、発光素子FLと駆動素子5との両端電圧、すなわち駆動電圧Vxの変動を低減することができ、駆動素子5に掛かる負荷を低減することができる。更に、駆動電圧Vxの変動を低減することができるため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
更に、電源電圧Vccに対して基準部6と検出部7を設け、電源電圧Vccと基準部6に発生する定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)に基づいて、検出部7が電源電圧Vccの変動を検出し、その検出結果(検出電圧)V2に基づいて補償部8が補償電圧V3を発生するようにしたので、電源電圧Vccがいわゆる定格電圧Vccgよりも上昇した場合にも、発光素子FLと駆動素子5との両端の駆動電圧Vxの変動を低減することができ、駆動素子5に掛かる負荷を低減することができると共に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができ、更に、電源電圧Vccがいわゆる定格電圧Vccgよりも降下した場合にも、定格電圧Vccgから定電圧Vzまでの範囲内において、発光素子FLと駆動素子5との両端の駆動電圧Vxの変動を低減することができ、駆動素子5に掛かる負荷を低減することができると共に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
更に、電源電圧Vccの変化に対する検出部7から出力される検出電圧V2の変化を、上記式(1)に示した係数αによって可変調整するようにしたため、図2(c)に示したように、電源電圧Vccの変動に対して駆動電圧Vxを調整することができ、例えば電源電圧Vccの実際の変化特性に対応させて、駆動電圧Vxの変動を抑制するように調整することができる。
このため、電源電圧Vccや電圧変動等の異なる各種電源PWRを用いて、発光素子FLの照度や光度を制御する場合でも、その電源PWRの特性に合わせて、駆動電圧Vxの変動を抑制するように調整することができる等の効果が得られる。
〔実施形態2〕
次に、第2の実施形態に係る照明制御回路を図3を参照して説明する。なお、図3は、本実施形態の照明制御回路1の構成を表した回路図であり、図1と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
図3において、この照明制御回路1は、制御信号源2と、制御素子としてのスイッチング素子3と、平滑部4、駆動素子5、基準部6、検出部7、補償部10を備えて構成されている。
制御信号源2は、図1に示した第1の実施形態と同様に、PWM信号S1を出力する発振回路等で形成されており、外部からの操作入力によってPWM信号S1のパルス幅Wを可変調整することが可能となっている。
スイッチング素子3は、PWM信号S1に従ってスイッチング動作し、矩形波状のスイッチング信号S2を出力する。
平滑部4は、ローパスフィルタ等で形成されており、スイッチング信号S2を平滑化することにより、上述のパルス幅Wに応じた制御用信号としての直流電圧V4を発生する。そして、直流電圧V4は、PWM信号S1のパルス幅Wが小さくなるほど上昇し、PWM信号S1のパルス幅Wが大きくなるほど降下する。
補償部10は、駆動素子5を動作させるための制御電流Idを直流電圧V4に応じて設定する。
駆動素子5は、電源PWRのプラス側出力端子(+)とマイナス側出力端子(−)の間に、発光素子FLと共に直列接続され、制御電流Idに従って発光素子FLを発光させるための駆動電力を設定する。
ここで、本実施形態では、駆動素子5はPNPトランジスタで形成されており、該PNPトランジスタのエミッタが電源PWRのプラス側出力端子(+)、コレクタが発光素子FLに接続され、更にベースが補償部10に接続されて制御電流Idによって制御されるようになっている。
そして、補償部10は、直流電圧V4が上昇すると、制御電流Idを増加させることにより、PNPトランジスタのベース電流(別言すれば、吸引電流)を増加させ、一方、直流電圧V4が降下すると、制御電流Idを減少させることにより、PNPトランジスタのベース電流を減少させる。このため、駆動素子(PNPトランジスタ)5は、直流電圧V4が上昇すると、発光素子FLを発光させるための駆動電力を増加させ、直流電圧V4が降下すると、発光素子FLを発光させるための駆動電力を減少させる。
基準部6と検出部7は、電源PWRのプラス側出力端子(+)とマイナス側出力端子(−)の間に直列接続されており、基準部6は、ツェナーダイオードや定電圧回路等の定電圧Vzを発生する電子素子や電子回路で形成され、電源電圧Vccより小さな定電圧Vzを発生する。
検出部7は、電源PWRの電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を検出し、検出部7とスイッチング素子3の接続点と、電源PWRのマイナス側出力端子(−)との間に、次式(2)で表される検出電圧V2を発生する。なお、係数βは、0より大きく1未満の正の定数値である。
V2=β×(Vcc−Vz)+Vz …(2)
すなわち、検出部7は、差電圧(Vcc−Vz)に係数βを乗算することで表される電圧β×(Vcc−Vz)に定電圧Vzを加えた電圧を、検出電圧V2として発生する。そして、この検出電圧V2によって、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタ電位を設定している。
次に、かかる構成を有する照明制御回路1の動作を説明する。
まず、電源電圧Vccが変動することなく一定の場合における、照明制御回路1の動作を説明する。
基準部6が定電圧Vzを発生し、検出部7が上述の差電圧(Vcc−Vz)に基づいて発生した検出電圧V2によって、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタ電位を設定する。更に、電源電圧Vccが変動することなく一定の場合には、検出電圧V2が一定電圧のままとなり、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタ電位も検出電圧V2によって一定電圧のまま保持される。
かかる状態で、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、適宜のパルス幅Wを有するPWM信号S1を出力させると、スイッチング素子3がそのPWM信号S1に従ってスイッチング信号S2を生成し、平滑部4がそのスイッチング信号S2に基づいて直流電圧V4を生成する。
そして、駆動素子5が直流電圧V4に応じた所定の駆動電力を設定することにより、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)をPWM信号S1のパルス幅Wに応じた明るさに調整する。
したがって、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、直流電圧V4が降下するようにPWM信号S1のパルス幅Wを調整すると、駆動素子5の電力増幅率が低下して、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を低下させることができ、一方、直流電圧V4が上昇するようにPWM信号S1のパルス幅Wを調整すると、駆動素子5の電力増幅率が上昇し、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を上昇させることができる。
また、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、PWM信号S1のパルス幅Wを適宜のパルス幅に保持させると、直流電圧V4もそのパルス幅に応じた電圧のままとなり、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を所望の明るさに維持させることができる。
次に、電源電圧Vccが変動等によって変化した場合の照明制御回路1の動作を説明する。
電源PWRの電源電圧Vccが変動等によって上昇した場合、基準部6はその電源電圧Vccの変化にかかわらず定電圧Vzを発生し、更に、上記式(2)の関係に基づいて、検出部7が上述の差電圧(Vcc−Vz)から検出電圧V2を発生する。
ここで、電源電圧Vccが変動等しても定電圧Vzは変化しないため、差電圧(Vcc−Vz)は電源電圧Vccの上昇に伴って上昇することとなり、検出部7がこの差電圧(Vi−Vz)の上昇を検出して、上記式(2)の関係から、電源電圧Vccの上昇に追従して上昇する検出電圧V2を出力する。
こうして、電源電圧Vccの上昇に伴って検出電圧V2が上昇すると、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタベース間の電圧が大きくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率が大きくなる。
そして、スイッチング素子3の電圧増幅率が大きくなると、スイッチング信号S2の振幅が大きくなり、平滑部4から出力される直流電圧V4の電圧レベルが上昇して、PNPトランジスタから成る駆動素子5によって発光素子FLに供給される駆動電力が増加する。
ここで注目すべき点は、電源電圧Vccが変動等によって上昇した場合、検出電圧V2は、上記式(2)の係数βに依存して上昇することとなるため、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて検出電圧V2の電圧変化率の方が穏やかとなる(小さくなる)。このため、スイッチング素子3のエミッタベース間の電圧は、電源電圧Vccの上昇に伴って大きくなるものの、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて小さな電圧変化率で大きくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率も抑制された状態で大きくなる。
したがって、スイッチング信号S2の振幅が、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って大きくなり、平滑部4から出力される直流電圧V4の電圧レベルも、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って上昇し、PNPトランジスタから成る駆動素子5の電力増幅率も、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って増加することとなり、発光素子FLに供給される駆動電力も大幅に変化することがない。このため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)は大きく変化することがなく、明るさがちらつくことのない範囲内で変化するに止まることとなる。
また、電源電圧Vccが降下した場合でも、その電源電圧Vccが定格電圧から、基準部6が定電圧Vzを発生する範囲内での電圧降下あれば、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタベース間のバイアス電圧が検出電圧V2によって確保されることとなり、更に、検出電圧V2は上記式(2)の係数βに依存して降下することとなるため、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて検出電圧V2の電圧変化率の方が穏やかとなる(小さくなる)。
このため、スイッチング素子3のエミッタベース間の電圧は、電源電圧Vccの降下に伴って小さくなるものの、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて小さな電圧変化率で小さくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率も抑制された状態で小さくなり、PNPトランジスタから成る駆動素子5の電力増幅率も、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って減少することとなり、発光素子FLに供給される駆動電力も大幅に変化することがない。このため、電源電圧Vccが降下した場合でも、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)は大きく変化することがなく、明るさがちらつくことのない範囲内で変化するに止まることとなる。
以上説明したように、本実施形態の照明制御回路1によれば、電源電圧Vccが変動等した場合でも、基準部6と検出部7によって、駆動素子5の負荷が大きくならないように直流電圧V4及び制御電流Idを調整することができ、更に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化することができる。
また、電源電圧Vccが変動すると、検出電圧V2が変化することから、スイッチング素子3の電圧増幅率も変化し、更に直流電圧V4も変化することとなるため、厳密には、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化することとなるが、検出部7の係数βを予め調整しておくことによって、検出電圧V2の電源電圧Vccに対する電圧変化率を小さくすることができ、人間の目では感じることができない程度の範囲内で発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化するように、直流電圧V4の変動を低減することが可能である。更に、直流電圧V4の変動を低減することができるため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
更に、電源電圧Vccの変化に対する検出部7から出力される検出電圧V2の変化を、上記式(2)に示した係数βによって可変調整するようにしたため、例えば電源電圧Vccの実際の変化特性に対応させて、直流電圧V4及び制御電流Idの変動を抑制するように調整することができる。このため、電源電圧Vccや電圧変動等の異なる各種電源PWRを用いて、発光素子FLの照度や光度を制御する場合でも、その電源PWRの特性に合わせて、直流電圧V4の変動を抑制するように調整することができる等の効果が得られる。
次に、第1の実施形態に係るより具体的な照明制御回路の実施例を図4を参照して説明する。
図4は、本実施例の照明制御回路の構成を表した回路図であり、図1と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
図4において、この照明制御回路1は、図1に示した実施形態の照明制御回路と同様に、制御信号源2と、スイッチング素子3と、平滑部4と、駆動素子5と、基準部6と、検出部7と、補償部8を備えて構成されている。
制御信号源2は、PWM信号S0を出力する発振回路2aと、NPNトランジスタ2fとバイアス用の抵抗2b〜2eとによって形成されており、NPNトランジスタ2fがPWM信号S0を反転増幅し、その反転増幅したPWM信号S1をスイッチング素子3のベースに供給する。
スイッチング素子3は、PNPトランジスタで形成されており、そのエミッタがツェナーダイオード9を介して電源PWRのプラス側出力端子(+)に接続され、コレクタが平滑部4に接続されている。そして、ベースに供給されるPWM信号S1に従ってスイッチング動作することにより、矩形波状のスイッチング信号S2を出力する。
平滑部4は、抵抗4a〜4dとコンデンサ4e,4fによって形成されたπ型ローパスフィルタであり、スイッチング信号S2を平滑化することにより、直流電圧V4を発生する。
駆動素子5は、PNPトランジスタ5で形成されており、そのエミッタが発光素子FLを介して電源PWRのプラス側出力端子(+)に接続され、コレクタが補償部8に接続され、ベースに直流電圧V4が印加されている。
補償部8は、PNPトランジスタ5のコレクタと電源PWRのマイナス側出力端子(−)との間に接続されたPNPトランジスタ8によって形成されており、そのコレクタがマイナス側出力端子(−)、エミッタがPNPトランジスタ5のコレクタに夫々接続されている。
基準部6は、定電圧Vzを発生するツェナーダイオード6で形成されており、電源電圧Vccより小さい定電圧Vzを発生する。
検出部7は、電源PWRのプラス側出力端子(+)とマイナス側出力端子(−)との間に、ツェナーダイオード6と共に直列接続された複数個の抵抗R11〜R13と切替えスイッチSWと抵抗R2によって形成され、切替えスイッチSWを切り替えることにより、抵抗R11〜R13の何れかを電源PWRのプラス側出力端子(+)とツェナーダイオード6との間に接続するようになっている。
また、抵抗R11〜R13の各抵抗値は、抵抗R11が最も小さく、次に抵抗R12が大きく、抵抗R13が最も大きな値に決められている。また、抵抗R2は、所定の抵抗値を有する固定抵抗で形成されている。
そして、切替スイッチSWを抵抗R11側に切り替えると、抵抗R11とR2が、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を分圧することにより、次式(3)で表される関係から、抵抗R2の両端に検出電圧V2を発生する。
V2=(Vcc−Vz)×R2/(R11+R2)=α1×(Vcc−Vz) …(3)
また、切替スイッチSWを抵抗R12側に切り替えると、抵抗R12とR2が、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を分圧することにより、次式(4)で表される関係から、抵抗R2の両端に検出電圧V2を発生する。
V2=(Vcc−Vz)×R2/(R12+R2)=α2×(Vcc−Vz) …(4)
また、切替スイッチSWを抵抗R13側に切り替えると、抵抗R13とR2が、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を分圧することにより、次式(5)で表される関係から、抵抗R2の両端に検出電圧V2を発生する。
V2=(Vcc−Vz)×R2/(R13+R2)=α3×(Vcc−Vz) …(5)
なお、上記式(3)(4)(5)に記載されている係数α1,α2,α3は、各抵抗R11,R12,R13と固定抵抗R2とによる分圧比を示し、前記式(1)に示した係数αに相当している。
そして、抵抗R2の両端に生じる検出電圧V2が、補償部8を構成しているPNPトランジスタ8のベースに印加され、該PNPトランジスタ8のエミッタコレクタ間に補償電圧V3が発生するようになっている。
次に、本実施例の照明制御回路1の動作を図2及び図4を参照して説明する。
まず、図2(a)を参照して、本実施例の照明制御回路1の基本動作を説明する。
ツェナーダイオード6が定電圧Vzを発生し、抵抗R11〜R13と切替スイッチSWと抵抗R2によって形成された検出部7が、上述の差電圧(Vcc−Vz)を分圧することによって、抵抗R2の両端に検出電圧V2を発生させ、PNPトランジスタ8が検出電圧V2を電力増幅することにより、検出電圧V2に追従する補償電圧V3を発生する。
すなわち、上記式(3)(4)(5)を参照して説明したように、切替スイッチSWが抵抗R11側に切り替えられた場合には、上記式(3)の関係に従って検出電圧V2が発生し、切替スイッチSWが抵抗R12側に切り替えられた場合には、上記式(4)の関係に従って検出電圧V2が発生し、切替スイッチSWが抵抗R13側に切り替えられた場合には、上記式(5)の関係に従って検出電圧V2が発生する。そして、PNPトランジスタ8が各検出電圧V2を電力増幅することにより、各検出電圧V2に追従する補償電圧V3を発生する。
更に、PNPトランジスタ8のエミッタと、PNPトランジスタ5のコレクタとが接続されているため、PNPトランジスタ5側からPNPトランジスタ8のエミッタを見た場合のインピーダンスZ8が、PNPトランジスタ8側からPNPトランジスタ5を見た場合のインピーダンスZ5に較べて低インピーダンスとなり、その結果、補償電圧V3によってPNPトランジスタ5とPNPトランジスタ8との接続点Pの電位が決まり、PNPトランジスタ5と発光素子FLとの両端に、電源電圧Vccと補償電圧V3との差分に相当する駆動電圧Vxが掛かった状態となる。
更に、電源電圧Vccが変動することなく一定の場合には、検出電圧V2と補償電圧V3も夫々一定電圧のままとなり、駆動電圧Vxも上述の電圧(Vcc−V3)のまま保持される。
かかる状態で、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、適宜のパルス幅Wを有するPWM信号S0を出力させると、NPNトランジスタ2fがPWM信号S0を反転増幅したPWM信号S1を生成してスイッチング素子3のベースに供給する。そして、スイッチング素子3がそのPWM信号S1に従ってスイッチング信号S2を発生し、平滑部4がそのスイッチング信号S2に基づいて直流電圧V4を発生し、PNPトランジスタ5が直流電圧V4に応じた所定の駆動電力を設定することにより、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)をPWM信号S1のパルス幅Wに応じた明るさに調整する。
したがって、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、PWM信号S0のパルス幅Wを適宜に調整すると、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を所望の明るさに調整することが可能となっている。
更に、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、PWM信号S0のパルス幅Wを適宜のパルス幅に保持させると、直流電圧V4もそのパルス幅Wに応じた電圧のままとなり、発光素子FLをユーザ等の所望する照度や光度(いわゆる明るさ)に維持させることができる。
更に、本照明制御装置1によれば、電源電圧Vccが一定電圧で安定している場合には、駆動電圧Vxも所定電圧に保たれるため、PNPトランジスタ5に大きな負荷がかかることがなく、更に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を変動させることなく、ユーザ等が指定した明るさに保つことができる。
次に、電源PWRの電源電圧Vccが変動等によって変化した場合の照明制御回路1の動作を説明する。
電源PWRの電源電圧Vccが変動等によって上昇した場合、ツェナーダイオード6の両端には、電源電圧Vccの変動に影響されることなく定電圧Vzが発生するため、上記式(3)(4)(5)を参照して説明したように、切替スイッチSWが抵抗R11側に切り替えられた場合には、上記式(3)の関係に従って検出電圧V2が上昇し、切替スイッチSWが抵抗R12側に切り替えられた場合には、上記式(4)の関係に従って検出電圧V2が上昇し、切替スイッチSWが抵抗R13側に切り替えられた場合には、上記式(5)の関係に従って検出電圧V2が上昇する。そして、PNPトランジスタ8が各検出電圧V2を電力増幅することにより、各検出電圧V2に追従する補償電圧V3を発生する。
そして、切替えスイッチSWによって抵抗R11,R12,R13の何れかが切り替え選択された状態で電源電圧Vccが上昇すると、補償電圧V3の上昇に伴って、発光素子FLとPNPトランジスタ5との両端に掛かる駆動電圧Vxが、図2(b)に示すように変化する。
ここで、駆動電圧Vxは、電源電圧Vccから補償電圧V3を差し引いた電圧(Vcc−V3)であるため、電源電圧Vccが上昇すると補償電圧V3も上昇するという関係から、上述の差し引いた電圧(Vcc−V3)すなわち駆動電圧Vxは、大きく変化しない。このことから、駆動素子5に対して大きな負荷が掛からない状態が保たれる。
かかる状態で、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、適宜のパルス幅Wを有するPWM信号S0を出力させたり、電源電圧Vccが変動する前のパルス幅Wのままにしておくと、スイッチング素子3がそのPWM信号S0の反転増幅されたPWM信号S1に従ってスイッチング信号S2を生成し、平滑部4がそのスイッチング信号S2に基づいて直流電圧V4を生成し、PNPトランジスタ5が直流電圧V4に応じた所定の駆動電力を設定することにより、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)をPWM信号S1のパルス幅Wに応じた明るさに調整する。
つまり、電源電圧Vccが変動等した場合でも、図2(b)に示したように、電源電圧Vccと補償電圧V3との差分に相当する駆動電圧Vxは大きく変化することがないため、PWM信号S0のパルス幅Wに応じて、発光素子FLを、ユーザ等の所望するほぼ一定の照度や光度(いわゆる明るさ)で発光させることができる。
以上説明したように、本実施例の照明制御回路1によれば、電源電圧Vccに対して発光素子FLとPNPトランジスタ5,8を直列接続し、検出部7が電源電圧Vccの電圧変動を検出して、PNPトランジスタ8が電源電圧Vccの変動に追従する補償電圧V3を発生するようにしたので、電源電圧Vccが変動した場合でも、発光素子FLとPNPトランジスタ5との両端電圧、すなわち駆動電圧Vxの変動を低減することができ、PNPトランジスタ5に掛かる負荷を低減することができる。更に、駆動電圧Vxの変動を低減することができるため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
更に、電源電圧Vccに対してツェナーダイオード6と検出部7を設け、電源電圧Vccとツェナーダイオード6に発生する定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)に基づいて、検出部7が電源電圧Vccの変動を検出し、その検出結果(検出電圧)V2に基づいてPNPトランジスタ8が補償電圧V3を発生するようにしたので、電源電圧Vccがいわゆる定格電圧よりも上昇した場合にも、発光素子FLとPNPトランジスタ5との両端の駆動電圧Vxの変動を低減することができ、PNPトランジスタ5に掛かる負荷を低減することができると共に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができ、更に、電源電圧Vccがいわゆる定格電圧よりも降下した場合にも、その定格電圧から定電圧Vzまでの範囲内において、発光素子FLと駆動素子5との両端の駆動電圧Vxの変動を低減することができ、PNPトランジスタ5に掛かる負荷を低減することができると共に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
更に、電源電圧Vccの変化に対する検出部7から出力される検出電圧V2の変化を、切替えスイッチSWによって可変調整するようにしたため、図2(c)に示すように、電源電圧Vccの変動に対して駆動電圧Vxを調整することができ、例えば電源電圧Vccの実際の変化特性に対応させて、駆動電圧Vxの変動を抑制するように調整することができる。
このため、電源電圧Vccや電圧変動等の異なる各種電源PWRを用いて、発光素子FLの照度や光度を制御する場合でも、その電源PWRの特性に合わせて、駆動電圧Vxの変動を抑制するように調整することができる等の効果が得られる。
次に、第2の実施形態に係るより具体的な照明制御回路の実施例を図5を参照して説明する。
図5は、本実施例の照明制御回路の構成を表した回路図であり、図3と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
図5において、この照明制御回路1は、図3に示した実施形態の照明制御回路と同様に、制御信号源2と、スイッチング素子3と、平滑部4と、駆動素子5と、基準部6と、検出部7、及び補償部10を備えて構成されている。
制御信号源2は、PWM信号S0を出力する発振回路2aと、スイッチング素子3をバイアスするための抵抗2b,2cによって形成されており、発振回路2aから出力されるPWM信号S0を抵抗2b,2cでPWM信号S1に分圧して、スイッチング素子3のベースに供給する。
スイッチング素子3は、PNPトランジスタで形成されており、そのエミッタが電源PWRのプラス側出力端子(+)に接続され、コレクタが平滑部4に接続されている。そして、ベースに供給されるPWM信号S1に従ってスイッチング動作することにより、矩形波状のスイッチング信号S2を出力する。
平滑部4は、抵抗4g〜4hと、コンデンサ4i,4jと、NPNトランジスタTr1とによって形成されたπ型ローパスフィルタであり、抵抗4g〜4hとコンデンサ4i,4jがスイッチング信号S2を平滑化することによって直流電圧V4aを発生し、更にNPNトランジスタTr1が直流電圧V4aを電力増幅することにより、直流電圧V4aに対応した直流電圧V4をエミッタに発生する。
補償部10は、NPNトランジスタTr2,Tr3及びバイアス用の抵抗r1〜r4で形成された差動増幅回路によって形成されており、駆動素子5に接続されたNPNトランジスタTr2が直流電圧V4に応じた制御電流Idを発生する。
駆動素子5は、PNPトランジスタ5で形成されており、そのエミッタが電源PWRのプラス側出力端子(+)に接続され、コレクタが発光素子FLを介して電源PWRのマイナス側出力端子(−)に接続され、ベースがNPNトランジスタTr2がNPNトランジスタTr2のコレクタに接続されることで、制御電流Idに従って動作するようになっている。
基準部6は、定電圧Vzを発生するツェナーダイオード6で形成されており、電源電圧Vccより小さい定電圧Vzを発生する。
検出部7は、ツェナーダイオード6と共に電源PWRのプラス側出力端子(+)とマイナス側出力端子(−)との間に直列接続された抵抗R1,R2によって形成されており、図示するように、抵抗R1,R2の接続点に、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタと、抵抗2bが接続されている。
そして、抵抗R1,R2が、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を分圧することにより、次式(6)で表される関係から、検出電圧V2を発生する。
V2=(Vcc−Vz)×R1/(R1+R2)+Vz
=β×(Vcc−Vz)+Vz …(6)
次に、本実施例の照明制御回路1の動作を説明する。
次に、かかる構成を有する照明制御回路1の動作を説明する。
まず、電源電圧Vccが変動することなく一定の場合における、照明制御回路1の動作を説明する。
基準部6が定電圧Vzを発生し、検出部7が上述の差電圧(Vcc−Vz)に基づいて発生した検出電圧V2によって、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタ電位を設定する。更に、電源電圧Vccが変動することなく一定の場合には、検出電圧V2が一定電圧のままとなり、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタ電位も検出電圧V2によって一定電圧のまま保持される。
かかる状態で、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、適宜のパルス幅Wを有するPWM信号S0を出力させると、スイッチング素子3がPWM信号S1に従ってスイッチング信号S2を生成し、平滑部4がそのスイッチング信号S2に基づいて直流電圧V4を発生する。
そして、補償部10のNPNトランジスタTr2が、直流電圧V4に応じて制御電流Idを発生して、PNPトランジスタ5の動作を制御することにより、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)をPWM信号S0のパルス幅Wに応じた明るさに調整する。
したがって、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、直流電圧V4が降下するようにPWM信号S0のパルス幅Wを調整すると、PNPトランジスタ5の電力増幅率が低下して、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を低下させることができ、一方、直流電圧V4が上昇するようにPWM信号S0のパルス幅Wを調整すると、PNPトランジスタ5の電力増幅率が上昇し、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を上昇させることができる。
また、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、PWM信号S0のパルス幅Wを適宜のパルス幅に保持させると、直流電圧V4もそのパルス幅に応じた電圧のままとなり、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を所望の明るさに維持させることができる。
次に、電源電圧Vccが変動等によって変化した場合の照明制御回路1の動作を説明する。
電源PWRの電源電圧Vccが変動等によって上昇した場合、ツェナーダイオード6は電源電圧Vccの変化にかかわらず定電圧Vzを発生し、更に、上記式(6)の関係に基づいて、抵抗R1,R2が上述の差電圧(Vcc−Vz)から検出電圧V2を発生する。
ここで、電源電圧Vccが変動等しても定電圧Vzは変化しないため、差電圧(Vcc−Vz)は電源電圧Vccの上昇に伴って上昇することとなり、抵抗R1,R2がこの差電圧(Vcc−Vz)の上昇を検出して、上記式(6)の関係から、電源電圧Vccの上昇に追従して上昇する検出電圧V2を出力する。
こうして、電源電圧Vccの上昇に伴って検出電圧V2が上昇すると、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタベース間の電圧が大きくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率が大きくなる。
そして、スイッチング素子3の電圧増幅率が大きくなると、スイッチング信号S2の振幅が大きくなり、平滑部4から出力される直流電圧V4の電圧レベルが上昇して、PNPトランジスタから成る駆動素子5の電力増幅率が増加し、発光素子FLに供給する駆動電力を増加させる。
ここで注目すべき点は、電源電圧Vccが変動等によって上昇した場合、検出電圧V2は、上記式(6)の係数βに依存して上昇することとなるため、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて検出電圧V2の電圧変化率の方が穏やかとなる(小さくなる)。このため、スイッチング素子3のエミッタベース間の電圧は、電源電圧Vccの上昇に伴って大きくなるものの、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて小さな電圧変化率で大きくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率も抑制された状態で大きくなる。
したがって、スイッチング信号S2の振幅が、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って大きくなり、平滑部4から出力される直流電圧V4の電圧レベルも、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って上昇し、PNPトランジスタ5の電力増幅率も、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って増加することとなり、発光素子FLに供給される駆動電力も大幅に変化することがない。
このため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)は大きく変化することがなく、明るさがちらつくことのない範囲内で変化するに止まることとなる。
また、電源電圧Vccが降下した場合でも、その電源電圧Vccが定格電圧から、基準部6が定電圧Vzを発生する範囲内での電圧降下あれば、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタベース間のバイアス電圧が検出電圧V2によって確保されることとなり、更に、検出電圧V2は上記式(6)の係数βに依存して降下することとなるため、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて検出電圧V2の電圧変化率の方が穏やかとなる(小さくなる)。
このため、スイッチング素子3のエミッタベース間の電圧は、電源電圧Vccの降下に伴って小さくなるものの、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて小さな電圧変化率で小さくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率も抑制された状態で小さくなり、PNPトランジスタ5の電力増幅率も、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って減少することとなり、発光素子FLに供給される駆動電力も大幅に変化することがない。このため、電源電圧Vccが降下した場合でも、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)は大きく変化することがなく、明るさがちらつくことのない範囲内で変化するに止まることとなる。
以上説明したように、本実施例の照明制御回路1によれば、電源電圧Vccが変動等した場合でも、ツェナーダイオード6と抵抗R1,R2によって、PNPトランジスタ5の負荷が大きくならないように直流電圧V4を調整することができ、更に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化することができる。
また、電源電圧Vccが変動すると、検出電圧V2が変化することから、スイッチング素子3の電圧増幅率も変化し、更に直流電圧V4も変化することとなるため、厳密には、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化することとなるが、検出部7の係数βを予め調整しておくことによって、検出電圧V2の電源電圧Vccに対する電圧変化率を小さくすることができ、人間の目では感じることができない程度の範囲内で発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化するように、直流電圧V4の変動を低減することが可能である。更に、直流電圧V4の変動を低減することができるため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
更に、電源電圧Vccの変化に対する検出電圧V2の変化を、上記式(6)に示した係数βによって可変調整するようにしたため、例えば電源電圧Vccの実際の変化特性に対応させて、直流電圧V4の変動を抑制するように調整することができる。このため、電源電圧Vccや電圧変動等の異なる各種電源PWRを用いて、発光素子FLの照度や光度を制御する場合でも、その電源PWRの特性に合わせて、直流電圧V4の変動を抑制するように調整することができる等の効果が得られる。
【0002】
[0008] 上記従来の照明調整回路では、ツェナーダイオード(D1)に生じる定電圧(V2)を基準電圧とし、その定電圧(V2)をスイッチングして平滑化することにより、ドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位を調整するための直流電圧(VB)を生成する構成となっているため、電源(Vcc)の電圧変動の影響を受けることなく、照明ランプ(FL)が一定の照度となるように調整することが可能となっている。
[0009] しかし、電源(Vcc)に変動が生じて、その電圧レベルが上昇した場合、ドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位は直流電圧(VB)によって一定に保たれるため、ドライブ用トランジスタ(Q1)のコレクタベース間電圧が上昇し、そのコレクタ損失が大きくなるという問題があった。
[0010] 特に、消費電力の大きな照明ランプ(FL)を駆動制御する場合、電源(Vcc)の電圧レベルが上昇すると、ドライブ用トランジスタ(Q1)に対する負荷が大きくなって、ドライブ用トランジスタ(Q1)のコレクタ損失が急激に増大し、発熱等によってドライブ用トランジスタ(Q1)の特性が劣化したり、損傷等を招くという問題があった。
[0011] 本発明は、こうした従来の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば照明ランプや発光ランプや発光素子等を駆動する駆動素子を有する照明制御回路であって、電源定圧変動等が生じた場合でも、該駆動素子に対する負荷を低減し得る照明制御回路を提供することを目的とする。
[0012] また、電源電圧変動等が生じた場合でも、例えば照明ランプや発光ランプや発光素子等の照度や光度等のいわゆる明るさを安定化させることが可能な照明制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
[0013] 請求項1に記載の発明は、発光素子を駆動制御する照明制御回路であって、前記発光素子の明るさを設定する直流電圧の制御用信号を生成する生成手段と、前記発光素子と共に電源に直列接続され、前記制御用信号に従って前記電源から前記発光素子に駆動電力を供給して発光させる駆動トランジスタと、前記1の電源電圧と所定の基準電圧との差電圧を検出し、前記差電圧を調整可能な係数で分圧して検出電圧を生成する検出手段と、前記発光素子及び前記駆動トランジスタと共に前記電源に直列接続され、前記検出電圧を電力増幅して前記検出電圧に追従する補償電圧を発生することにより、前記電源の電源電圧と前記補償電圧との差の電圧を前記光素子及び駆動トランジスタとの両端に生じさせる補償手段と、を備え、前記電源の電源電圧の変動に際し、前記補償手段が前記補償電圧を発生することで、前記変動した電源電圧の変化率に比して、前記発光素子及び前記駆動トランジスタとの両端に掛かる前記差の電圧の変化率を小さくすることを特徴とする。
[0014] 請求項7に記載の発明は、発光素子を駆動制御する照明制御回路であって、前記発光素


【0003】
子と共に電源に直列接続される駆動トランジスタと、前記電源の電源電圧と所定の基準電圧との差電圧を検出し、前記差電圧を調整可能な係数で分圧した電圧と前記基準電圧とを加えた検出電圧を生成する検出手段と、前記発光素子の明るさを設定するためのPWM信号に従って前記検出電圧をスイッチングし、スイッチング信号を出力するスイッチング素子と、前記スイッチング信号を平滑化し直流電圧の制御用信号を生成する平滑手段と、前記制御用信号の直流電圧に従って前記駆動トランジスタを制御し、前記電源から前記発光素子に前記直流電圧に比例した駆動電力を供給させる補償手段と、を備え、前記電源の電源電圧の変動に際し、前記係数に従って前記制御用信号の直流電圧が前記変動した電源電圧の変化率に比して小さな変化率で変化することで、前記駆動トランジスタの前記発光素子への駆動電力を前記係数に従って抑制することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
[0015][図1]本発明の第1の実施形態に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。
[図2]図1に示した照明制御回路の基本特性を説明するための特性図である。
[図3]本発明の第2の実施形態に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。
[図4]第1の実施例に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。
[図5]第2の実施例に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。
【発明を実施するための最良の形態】
[0016] 本発明に係る照明制御回路の2つの実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
[0017]〔実施形態1〕
図1は、第1の実施形態に係る照明制御回路1の構成を表した回路図である。
同図において、この照明制御回路1は、制御信号源2と、制御素子としてのスイッチング素子3と、平滑部4と、駆動素子5と、基準部6と、検出部7と、補償部8を備えて構成されており、例えば自動車に搭載されている車載バッテリ等の電源PWRに接続されると、該電源PWRからの電力供給を受けて発光する照明ランプや発光ランプや発光素子等FLの照度や光度を制御する。
[0018] なお、以下の説明では、便宜上、照明ランプや発光ランプや発光素子等FLを単に「発光素子」と総称することとする。
[0019] 制御信号源2は、PWM信号S1を出力する発振回路等で形成されており、外部からの操作入力によって、PWM信号S1のパルス幅(論理“H”となるときのパルス幅)Wを可変調整することが可能となっている。別言すれば、外部操作によってPWM信号S1のデューティを可変調整することが可能となっている。
[0020] スイッチング素子3は、PWM信号S1に従ってスイッチング動作し、PWM信号S1


【書類名】明細書
【発明の名称】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば照明ランプや発光ランプや発光素子等の照度や光度等のいわゆる明るさを制御する照明制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーオーディオ機器を照明するための照明ランプを駆動し、その照度を調整する照明制御回路(照明調整回路)として、特開平11−233276号公報に示されたものがある。
【0003】
この照明調整回路は、同特許文献の図1に示されているように、電源(Vcc)に直列接続された抵抗(R1)及びツェナーダイオード(D1)と、PWM信号(P)に従ってスイッチング動作するスイッチングトランジスタ(Q2)と、抵抗(R1,R2)及びコンデンサ(C1)で形成されたフィルタ回路と、電源(Vcc)から照明ランプ(FL)へ駆動電力を供給するための駆動素子としてのドライブ用トランジスタ(Q1)とを備えて構成されている。
【0004】
かかる構成の照明調整回路において、スイッチングトランジスタ(Q2)がPWM信号(P)に応じて、ツェナーダイオード(D1)に生じる定電圧(V2)をスイッチングし、そのスイッチング出力をフィルタ回路が平滑化することにより直流電圧(VB)を生成し、ドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位を決定している。
【0005】
このため、PWM信号(P)のパルス幅(W)を調整すると、ドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位を調整し、照明ランプ(FL)への駆動電力を調整することができ、照明ランプ(FL)の照度を調整することが可能となっている。
【0006】
また、PWM信号(P)のパルス幅(W)を所定幅に維持しておけば、直流電圧(VB)によってドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位が一定レベルに保たれることから、照明ランプ(FL)を一定の照度に保つことが可能となっている。
【0007】
【特許文献1】 特開平11−233276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の照明調整回路では、ツェナーダイオード(D1)に生じる定電圧(V2)を基準電圧とし、その定電圧(V2)をスイッチングして平滑化することにより、ドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位を調整するための直流電圧(VB)を生成する構成となっているため、電源(Vcc)の電圧変動の影響を受けることなく、照明ランプ(FL)が一定の照度となるように調整することが可能となっている。
【0009】
しかし、電源(Vcc)に変動が生じて、その電圧レベルが上昇した場合、ドライブ用トランジスタ(Q1)のベース電位は直流電圧(VB)によって一定に保たれるため、ドライブ用トランジスタ(Q1)のコレクタベース間電圧が上昇し、そのコレクタ損失が大きくなるという問題があった。
【0010】
特に、消費電力の大きな照明ランプ(FL)を駆動制御する場合、電源(Vcc)の電圧レベルが上昇すると、ドライブ用トランジスタ(Q1)に対する負荷が大きくなって、ドライブ用トランジスタ(Q1)のコレクタ損失が急激に増大し、発熱等によってドライブ用トランジスタ(Q1)の特性が劣化したり、損傷等を招くという問題があった。
【0011】
本発明は、こうした従来の問題点に鑑みてなされたものであり、例えば照明ランプや発光ランプや発光素子等を駆動する駆動素子を有する照明制御回路であって、電源電圧変動等が生じた場合でも、該駆動素子に対する負荷を低減し得る照明制御回路を提供することを目的とする。
【0012】
また、電源電圧変動等が生じた場合でも、例えば照明ランプや発光ランプや発光素子等の照度や光度等のいわゆる明るさを安定化させることが可能な照明制御回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の発明は、発光素子を駆動制御する照明制御回路であって、前記発光素子の明るさを設定する直流電圧の制御用信号を生成する生成手段と、前記発光素子と共に電源に直列接続され、前記制御用信号に従って前記電源から前記発光素子に駆動電力を供給して発光させる駆動トランジスタと、前記電源の電源電圧と所定の基準電圧との差電圧を検出し、前記差電圧を調整可能な係数で分圧して検出電圧を生成する検出手段と、前記発光素子及び前記駆動トランジスタと共に前記電源に直列接続され、前記検出電圧を電力増幅して前記検出電圧に追従する補償電圧を発生することにより、前記電源の電源電圧と前記補償電圧との差の電圧を前記発光素子及び駆動トランジスタとの両端に生じさせる補償手段と、を備え、前記電源の電源電圧の変動に際し、前記補償手段が前記補償電圧を発生することで、前記変動した電源電圧の変化率に比して、前記発光素子及び前記駆動トランジスタとの両端に掛かる前記差の電圧の変化率を小さくすることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、発光素子を駆動制御する照明制御回路であって、前記発光素子と共に電源に直列接続される駆動トランジスタと、前記電源の電源電圧と所定の基準電圧との差電圧を検出し、前記差電圧を調整可能な係数で分圧した電圧と前記基準電圧とを加えた検出電圧を生成する検出手段と、前記発光素子の明るさを設定するためのPWM信号に従って前記検出電圧をスイッチングし、スイッチング信号を出力するスイッチング素子と、前記スイッチング信号を平滑化し直流電圧の制御用信号を生成する平滑手段と、前記制御用信号の直流電圧に従って前記駆動トランジスタを制御し、前記電源から前記発光素子に前記直流電圧に比例した駆動電力を供給させる補償手段と、を備え、前記電源の電源電圧の変動に際し、前記係数に従って前記制御用信号の直流電圧が前記変動した電源電圧の変化率に比して小さな変化率で変化することで、前記駆動トランジスタの前記発光素子への駆動電力を前記係数に従って抑制することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に係る照明制御回路の2つの実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
【0016】
〔実施形態1〕
図1は、第1の実施形態に係る照明制御回路1の構成を表した回路図である。
同図において、この照明制御回路1は、制御信号源2と、制御素子としてのスイッチング素子3と、平滑部4と、駆動素子5と、基準部6と、検出部7と、補償部8を備えて構成されており、例えば自動車に搭載されている車載バッテリ等の電源PWRに接続されると、該電源PWRからの電力供給を受けて発光する照明ランプや発光ランプや発光素子等FLの照度や光度を制御する。
【0017】
なお、以下の説明では、便宜上、照明ランプや発光ランプや発光素子等FLを単に「発光素子」と総称することとする。
【0018】
制御信号源2は、PWM信号S1を出力する発振回路等で形成されており、外部からの操作入力によって、PWM信号S1のパルス幅(論理“H”となるときのパルス幅)Wを可変調整することが可能となっている。別言すれば、外部操作によってPWM信号S1のデューティを可変調整することが可能となっている。
【0019】
スイッチング素子3は、PWM信号S1に従ってスイッチング動作し、PWM信号S1に対して論理反転した矩形波状のスイッチング信号S2を出力する。
【0020】
平滑部4は、ローパスフィルタ等で形成され、スイッチング信号S2を平滑化することにより、制御用信号としての直流電圧V4を出力する。
【0021】
駆動素子5は、発光素子FLと補償回路8の間に接続され、直流電圧V4に従って発光素子FLを発光させるための駆動電力を設定する。
【0022】
ここで、本実施形態では、駆動素子5としてPNPトランジスタが用いられており、そのベースに直流電圧V4が印加され、コレクタに補償部8が接続され、エミッタに発光素子FLの一方の入力端子が接続されて、発光素子FLの他方の入力端子が電源PWRに接続されている。
【0023】
そして、PWM信号S1のパルス幅Wが小さくなるほど、直流電圧V4が上昇するため、駆動素子5は、発光素子FLを発光させるための駆動電力を減少させ、逆に、PWM信号S1のパルス幅Wが大きくなるほど、直流電圧V4が降下するため、駆動素子5は、発光素子FLを発光させるための駆動電力を増加させる。
【0024】
基準部6と検出部7は、電源PWRのマイナス側出力端子(−)とプラス側出力端子(+)間に直列接続されており、基準部6は、ツェナーダイオードや定電圧回路等の定電圧Vzを発生する電子素子や電子回路で形成されている。
【0025】
検出部7は、電源PWRから出力される定電圧Vzよりも高電圧の電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を検出し、差電圧(Vcc−Vz)と所定の係数αとの乗算値に相当する、次式(1)で表される検出電圧V2を発生する。なお、係数αは、0より大きく1未満の正の定数値である。
【0026】
V2=α×(Vcc−Vz) …(1)
すなわち、説明の便宜上、電源PWRのマイナス側出力端子(−)をグランド(GND)端子とすると、基準部6と検出部7との接続点に生じる電圧V1が、GND端子に対してプラスとなる差電圧(Vcc−Vz)となり、この差電圧(Vcc−Vz)を検出部7が検出して、上記式(1)で表される検出電圧V2を発生する。
【0027】
補償部8は、トランジスタや増幅回路等の能動素子や能動回路で形成されており、検出電圧V2を電力増幅することにより、検出電圧V2に追従した補償電圧V3を発生し、その補償電圧V3によって駆動素子5と補償部8との接続点Pの電位を設定する。
【0028】
また、補償部8は、駆動素子5側から補償部8を見た場合のインピーダンスZ8が補償部8側から駆動素子5を見た場合のインピーダンスZ5に較べて低インピーダンスとなるように、上述の能動素子や能動回路によって形成されることにより、低インピーダンス側の補償電圧V3によって駆動素子5と補償部8との接続点Pの電位を設定することが可能となっている。
【0029】
なお、本実施形態の補償部8は、検出電圧V2を電力増幅することにより、検出電圧V2より高い電圧となる補償電圧V3を発生する構成となっているが、検出電圧V2と同電圧、又は、検出電圧V2より低い電圧となる補償電圧V3を発生するようにしてもよい。すなわち、補償部8は、検出電圧V2が上昇するとそれに追従して補償電圧V3も上昇し、検出電圧V2が降下するとそれに追従して補償電圧V3も降下するような補償電圧V3を出力するようになっている。
【0030】
次に、照明制御回路1の基本特性と動作を図1及び図2を参照して説明する。
【0031】
〈照明制御回路1の基本特性〉
まず、照明制御回路1の基本特性を図2を参照して説明する。
【0032】
なお、図2は、本照明制御回路1の基本特性を説明するために、仮に電源電圧Vccを0(Volt)から次第に上昇させたときの特性を表しており、同図(a)は、基準部6の両端に生じる電圧Vzと、検出部7の両端に生じる電圧V1すなわち差電圧(Vcc−Vz)と、検出部7から出力される検出電圧V2と、補償部8の両端に生じる補償電圧V3と、発光素子FL及び駆動素子5との両端に生じる駆動電圧Vxの変化を表した特性図、同図(b)(c)は、電源電圧Vccの変化に対する駆動電圧Vxの変化を表した特性図である。
【0033】
図2(a)において、例えば時間経過に従って電源電圧Vccを所定電圧ずつ上昇させていくと、ツェナーダイオード等で形成されている基準部6は、電源電圧Vccが所定の電圧(例えばツェナー電圧)Vzg未満の範囲内では動作しないため、定電圧Vzが発生せず、電源電圧Vccが電圧Vzg以上になると、電圧Vzgとほぼ等しい定電圧Vzが発生する。
【0034】
電圧V1は、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)であるため、電源電圧Vccが電圧Vzg以上となる範囲内において、電源電圧Vccの変化に追従して変化する。
【0035】
検出電圧V2は、電源電圧Vccが電圧Vzg以上となる範囲内において、電圧V1に従って変化し、更に、補償電圧V3も同様に電圧V1及び検出電圧V2に従って変化する。ただし、検出電圧V2は、上記式(1)の関係に従って変化することから、電圧V1の電圧変化率よりも緩やかな電圧変化率で変化することとなり、更に、補償電圧V3も検出電圧V2に従って緩やかな電圧変化率で変化する。
【0036】
駆動電圧Vxは、電源電圧Vccと補償電圧V3との差の電圧(Vcc−V3)に相当することから、図2(b)に示すように、電源電圧Vccの変化に追従して変化する。
【0037】
すなわち、駆動電圧Vxは、電源電圧Vccが電圧Vzg以上となる範囲内において、電源電圧Vccに追従して変化する。ただし、電源電圧Vccが上昇すると、補償電圧V3も上昇するため、駆動電圧Vxは、電源電圧Vccの電圧変化率よりも緩やかな(小さい)電圧変化率で変化する。
【0038】
更に、上記式(1)の関係から、係数αを可変調整すると、電源電圧Vccの変化し応じて検出電圧V2の電圧変化率が変化することから、図2(c)に例示するように、電源電圧Vccに追従して変化する駆動電圧Vxの電圧変化率も変化する。
【0039】
そして、本照明制御回路1は、基準部6に発生する定電圧Vz(すなわち電圧Vzg)よりも高電圧(例えば電圧Vccg)の電源電圧Vccを出力する電源PWRに接続されて動作する。
【0040】
次に、以上に説明した基本特性を有する本照明制御回路1の動作を説明する。
【0041】
〈電源電圧Vccが安定している場合の照明制御回路1の動作〉
上述の電圧Vccgの電源電圧Vccを出力する電源PWRが接続され、電源電圧Vccが一定電圧で安定している場合、上記式(1)中の係数αが所定値に設定されると、発光素子FLと駆動素子5との両端に掛かる駆動電圧Vxは、図2(b)に示す電圧Vccgに対応する電圧Vxsに保持されることとなる。
【0042】
この駆動電圧Vxが一定電圧に保たれている状態で、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、適宜のパルス幅Wを有するPWM信号S1を出力させると、スイッチング素子3がそのPWM信号S1に従ってスイッチング信号S2を生成し、平滑部4がそのスイッチング信号S2を平滑化することにより、PWM信号S1のパルス幅Wに比例した直流電圧V4を生成する。そして、駆動素子5が直流電圧V4に応じた所定の駆動電力を設定することにより、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)をPWM信号S1のパルス幅Wに応じた明るさに調整する。
【0043】
したがって、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、PWM信号S1のパルス幅Wを適宜に調整すると、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を所望の明るさに調整することが可能となっている。
【0044】
更に、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、PWM信号S1のパルス幅Wを適宜のパルス幅に保持させると、直流電圧V4もそのパルス幅Wに応じた電圧のままとなり、発光素子FLをユーザ等の所望する照度や光度(いわゆる明るさ)に維持させることができる。
【0045】
更に、本照明制御装置1によれば、電源電圧Vccが一定電圧で安定している場合には、駆動電圧Vxも所定電圧(すなわち電圧Vxs)に保たれるため、駆動素子5に大きな負荷がかかることがなく、更に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を変動させることなく、ユーザ等が指定した明るさに保つことができる。
【0046】
〈電源電圧Vccが変動等した場合の照明制御回路1の動作〉
次に、電源電圧Vccが変動等によって変化した場合の動作を説明する。例えば、電源PWRが自動車に搭載された車載バッテリであった場合、発電機によって充電されるため、電源電圧Vccが上昇する等の変動を生じることとなる。
【0047】
電源電圧Vccがこうした変動等によって上昇した場合、基準部6の定電圧Vzは上述の電圧Vzgのままとなって変化しないため、上記式(1)の関係から、検出電圧V2と補償電圧V3が電源電圧Vccに伴って上昇することとなり、駆動電圧Vxは、電源電圧Vccに従って上昇するものの、図2(b)に示したように、電圧Vxsを基準として、電源電圧Vccに較べて穏やかな(小さい)電圧変化率で変化することとなる。
【0048】
このため、電源電圧Vccが上昇しても、駆動素子5は大きな負荷がかかることがなく、更に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を変動させることなく発光させることができる。
【0049】
そして、上述したようにユーザ等が制御信号源2を外部操作して、PWM信号S1のパルス幅Wを調整すると、電圧変化の小さい駆動電圧Vxによってバイアスされた駆動素子5に、そのPWM信号S1に応じた直流電圧V4が印加されるため、駆動素子5は、発光素子FLをユーザ等の調整した照度や光度(いわゆる明るさ)で発光させることができ、更に明るさにちらつきを生じさせることなく発光させることができる。
【0050】
すなわち、電源電圧Vccが上昇すると、図2(b)に示したように、駆動電圧Vxが若干変化することとなるため、厳密には、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化することとなるが、検出部7の係数αを予め調整しておくことによって、駆動電圧Vxの電源電圧Vccに対する電圧変化率を小さくすることができ、人間の目では感じることができない程度の範囲内で発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化するように、駆動電圧Vxの変化を抑制することが可能である。したがって、照明制御回路1によれば、電源電圧Vccが上昇した場合でも、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)にちらつきを生じさせることなく発光させることができる。
【0051】
また、電源電圧Vccが、図2(b)に示した電圧Vccgよりも降下した場合でも、基準部6の定電圧Vzが電圧Vzgとなる範囲内であれば、駆動電圧Vxの電圧変化が小さいため、駆動素子5によって、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)にちらつきを生じさせることなく発光させることができる。
【0052】
例えば、電源電圧Vccの定格電圧Vccgが12(Volt)で、基準部6が発生する定電圧Vzの電圧Vzgが5.3(Volt)であった場合、電源電圧Vccが、12(Volt)から5.3(Volt)の範囲内で降下した場合には、駆動電圧Vxの電圧変化が小さいため、駆動素子5によって、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)にちらつきを生じさせることなく発光させることが可能である。
【0053】
以上説明したように、本実施形態の照明制御回路1によれば、電源電圧Vccに対して発光素子FLと駆動素子5と補償部8とを直列接続し、検出部7が電源電圧Vccの電圧変動を検出して、補償部8が電源電圧Vccの変動に追従する補償電圧V3を発生するようにしたので、電源電圧Vccが変動した場合でも、発光素子FLと駆動素子5との両端電圧、すなわち駆動電圧Vxの変動を低減することができ、駆動素子5に掛かる負荷を低減することができる。更に、駆動電圧Vxの変動を低減することができるため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
【0054】
更に、電源電圧Vccに対して基準部6と検出部7を設け、電源電圧Vccと基準部6に発生する定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)に基づいて、検出部7が電源電圧Vccの変動を検出し、その検出結果(検出電圧)V2に基づいて補償部8が補償電圧V3を発生するようにしたので、電源電圧Vccがいわゆる定格電圧Vccgよりも上昇した場合にも、発光素子FLと駆動素子5との両端の駆動電圧Vxの変動を低減することができ、駆動素子5に掛かる負荷を低減することができると共に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができ、更に、電源電圧Vccがいわゆる定格電圧Vccgよりも降下した場合にも、定格電圧Vccgから定電圧Vzまでの範囲内において、発光素子FLと駆動素子5との両端の駆動電圧Vxの変動を低減することができ、駆動素子5に掛かる負荷を低減することができると共に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
【0055】
更に、電源電圧Vccの変化に対する検出部7から出力される検出電圧V2の変化を、上記式(1)に示した係数αによって可変調整するようにしたため、図2(c)に示したように、電源電圧Vccの変動に対して駆動電圧Vxを調整することができ、例えば電源電圧Vccの実際の変化特性に対応させて、駆動電圧Vxの変動を抑制するように調整することができる。
【0056】
このため、電源電圧Vccや電圧変動等の異なる各種電源PWRを用いて、発光素子FLの照度や光度を制御する場合でも、その電源PWRの特性に合わせて、駆動電圧Vxの変動を抑制するように調整することができる等の効果が得られる。
【0057】
〔実施形態2〕
次に、第2の実施形態に係る照明制御回路を図3を参照して説明する。なお、図3は、本実施形態の照明制御回路1の構成を表した回路図であり、図1と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
【0058】
図3において、この照明制御回路1は、制御信号源2と、制御素子としてのスイッチング素子3と、平滑部4、駆動素子5、基準部6、検出部7、補償部10を備えて構成されている。
【0059】
制御信号源2は、図1に示した第1の実施形態と同様に、PWM信号S1を出力する発振回路等で形成されており、外部からの操作入力によってPWM信号S1のパルス幅Wを可変調整することが可能となっている。
【0060】
スイッチング素子3は、PWM信号S1に従ってスイッチング動作し、矩形波状のスイッチング信号S2を出力する。
【0061】
平滑部4は、ローパスフィルタ等で形成されており、スイッチング信号S2を平滑化することにより、上述のパルス幅Wに応じた制御用信号としての直流電圧V4を発生する。そして、直流電圧V4は、PWM信号S1のパルス幅Wが小さくなるほど上昇し、PWM信号S1のパルス幅Wが大きくなるほど降下する。
【0062】
補償部10は、駆動素子5を動作させるための制御電流Idを直流電圧V4に応じて設定する。
【0063】
駆動素子5は、電源PWRのプラス側出力端子(+)とマイナス側出力端子(−)の間に、発光素子FLと共に直列接続され、制御電流Idに従って発光素子FLを発光させるための駆動電力を設定する。
【0064】
ここで、本実施形態では、駆動素子5はPNPトランジスタで形成されており、該PNPトランジスタのエミッタが電源PWRのプラス側出力端子(+)、コレクタが発光素子FLに接続され、更にベースが補償部10に接続されて制御電流Idによって制御されるようになっている。
【0065】
そして、補償部10は、直流電圧V4が上昇すると、制御電流Idを増加させることにより、PNPトランジスタのベース電流(別言すれば、吸引電流)を増加させ、一方、直流電圧V4が降下すると、制御電流Idを減少させることにより、PNPトランジスタのベース電流を減少させる。このため、駆動素子(PNPトランジスタ)5は、直流電圧V4が上昇すると、発光素子FLを発光させるための駆動電力を増加させ、直流電圧V4が降下すると、発光素子FLを発光させるための駆動電力を減少させる。
【0066】
基準部6と検出部7は、電源PWRのプラス側出力端子(+)とマイナス側出力端子(−)の間に直列接続されており、基準部6は、ツェナーダイオードや定電圧回路等の定電圧Vzを発生する電子素子や電子回路で形成され、電源電圧Vccより小さな定電圧Vzを発生する。
【0067】
検出部7は、電源PWRの電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を検出し、検出部7とスイッチング素子3の接続点と、電源PWRのマイナス側出力端子(−)との間に、次式(2)で表される検出電圧V2を発生する。なお、係数βは、0より大きく1未満の正の定数値である。
【0068】
V2=β×(Vcc−Vz)+Vz …(2)
すなわち、検出部7は、差電圧(Vcc−Vz)に係数βを乗算することで表される電圧β×(Vcc−Vz)に定電圧Vzを加えた電圧を、検出電圧V2として発生する。そして、この検出電圧V2によって、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタ電位を設定している。
【0069】
次に、かかる構成を有する照明制御回路1の動作を説明する。
【0070】
まず、電源電圧Vccが変動することなく一定の場合における、照明制御回路1の動作を説明する。
【0071】
基準部6が定電圧Vzを発生し、検出部7が上述の差電圧(Vcc−Vz)に基づいて発生した検出電圧V2によって、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタ電位を設定する。更に、電源電圧Vccが変動することなく一定の場合には、検出電圧V2が一定電圧のままとなり、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタ電位も検出電圧V2によって一定電圧のまま保持される。
【0072】
かかる状態で、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、適宜のパルス幅Wを有するPWM信号S1を出力させると、スイッチング素子3がそのPWM信号S1に従ってスイッチング信号S2を生成し、平滑部4がそのスイッチング信号S2に基づいて直流電圧V4を生成する。
【0073】
そして、駆動素子5が直流電圧V4に応じた所定の駆動電力を設定することにより、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)をPWM信号S1のパルス幅Wに応じた明るさに調整する。
【0074】
したがって、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、直流電圧V4が降下するようにPWM信号S1のパルス幅Wを調整すると、駆動素子5の電力増幅率が低下して、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を低下させることができ、一方、直流電圧V4が上昇するようにPWM信号S1のパルス幅Wを調整すると、駆動素子5の電力増幅率が上昇し、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を上昇させることができる。
【0075】
また、ユーザ等が制御信号源2を外部操作して、PWM信号S1のパルス幅Wを適宜のパルス幅に保持させると、直流電圧V4もそのパルス幅に応じた電圧のままとなり、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を所望の明るさに維持させることができる。
【0076】
次に、電源電圧Vccが変動等によって変化した場合の照明制御回路1の動作を説明する。
【0077】
電源PWRの電源電圧Vccが変動等によって上昇した場合、基準部6はその電源電圧Vccの変化にかかわらず定電圧Vzを発生し、更に、上記式(2)の関係に基づいて、検出部7が上述の差電圧(Vcc−Vz)から検出電圧V2を発生する。
【0078】
ここで、電源電圧Vccが変動等しても定電圧Vzは変化しないため、差電圧(Vcc−Vz)は電源電圧Vccの上昇に伴って上昇することとなり、検出部7がこの差電圧(Vi−Vz)の上昇を検出して、上記式(2)の関係から、電源電圧Vccの上昇に追従して上昇する検出電圧V2を出力する。
【0079】
こうして、電源電圧Vccの上昇に伴って検出電圧V2が上昇すると、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタベース間の電圧が大きくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率が大きくなる。
【0080】
そして、スイッチング素子3の電圧増幅率が大きくなると、スイッチング信号S2の振幅が大きくなり、平滑部4から出力される直流電圧V4の電圧レベルが上昇して、PNPトランジスタから成る駆動素子5によって発光素子FLに供給される駆動電力が増加する。
【0081】
ここで注目すべき点は、電源電圧Vccが変動等によって上昇した場合、検出電圧V2は、上記式(2)の係数βに依存して上昇することとなるため、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて検出電圧V2の電圧変化率の方が穏やかとなる(小さくなる)。このため、スイッチング素子3のエミッタベース間の電圧は、電源電圧Vccの上昇に伴って大きくなるものの、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて小さな電圧変化率で大きくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率も抑制された状態で大きくなる。
【0082】
したがって、スイッチング信号S2の振幅が、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って大きくなり、平滑部4から出力される直流電圧V4の電圧レベルも、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って上昇し、PNPトランジスタから成る駆動素子5の電力増幅率も、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って増加することとなり、発光素子FLに供給される駆動電力も大幅に変化することがない。このため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)は大きく変化することがなく、明るさがちらつくことのない範囲内で変化するに止まることとなる。
【0083】
また、電源電圧Vccが降下した場合でも、その電源電圧Vccが定格電圧から、基準部6が定電圧Vzを発生する範囲内での電圧降下あれば、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタベース間のバイアス電圧が検出電圧V2によって確保されることとなり、更に、検出電圧V2は上記式(2)の係数βに依存して降下することとなるため、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて検出電圧V2の電圧変化率の方が穏やかとなる(小さくなる)。
【0084】
このため、スイッチング素子3のエミッタベース間の電圧は、電源電圧Vccの降下に伴って小さくなるものの、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて小さな電圧変化率で小さくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率も抑制された状態で小さくなり、PNPトランジスタから成る駆動素子5の電力増幅率も、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って減少することとなり、発光素子FLに供給される駆動電力も大幅に変化することがない。このため、電源電圧Vccが降下した場合でも、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)は大きく変化することがなく、明るさがちらつくことのない範囲内で変化するに止まることとなる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態の照明制御回路1によれば、電源電圧Vccが変動等した場合でも、基準部6と検出部7によって、駆動素子5の負荷が大きくならないように直流電圧V4及び制御電流Idを調整することができ、更に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化することができる。
【0086】
また、電源電圧Vccが変動すると、検出電圧V2が変化することから、スイッチング素子3の電圧増幅率も変化し、更に直流電圧V4も変化することとなるため、厳密には、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化することとなるが、検出部7の係数βを予め調整しておくことによって、検出電圧V2の電源電圧Vccに対する電圧変化率を小さくすることができ、人間の目では感じることができない程度の範囲内で発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化するように、直流電圧V4の変動を低減することが可能である。更に、直流電圧V4の変動を低減することができるため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
【0087】
更に、電源電圧Vccの変化に対する検出部7から出力される検出電圧V2の変化を、上記式(2)に示した係数βによって可変調整するようにしたため、例えば電源電圧Vccの実際の変化特性に対応させて、直流電圧V4及び制御電流Idの変動を抑制するように調整することができる。このため、電源電圧Vccや電圧変動等の異なる各種電源PWRを用いて、発光素子FLの照度や光度を制御する場合でも、その電源PWRの特性に合わせて、直流電圧V4の変動を抑制するように調整することができる等の効果が得られる。
【実施例1】
【0088】
次に、第1の実施形態に係るより具体的な照明制御回路の実施例を図4を参照して説明する。
【0089】
図4は、本実施例の照明制御回路の構成を表した回路図であり、図1と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
【0090】
図4において、この照明制御回路1は、図1に示した実施形態の照明制御回路と同様に、制御信号源2と、スイッチング素子3と、平滑部4と、駆動素子5と、基準部6と、検出部7と、補償部8を備えて構成されている。
【0091】
制御信号源2は、PWM信号S0を出力する発振回路2aと、NPNトランジスタ2fとバイアス用の抵抗2b〜2eとによって形成されており、NPNトランジスタ2fがPWM信号S0を反転増幅し、その反転増幅したPWM信号S1をスイッチング素子3のベースに供給する。
【0092】
スイッチング素子3は、PNPトランジスタで形成されており、そのエミッタがツェナーダイオード9を介して電源PWRのプラス側出力端子(+)に接続され、コレクタが平滑部4に接続されている。そして、ベースに供給されるPWM信号S1に従ってスイッチング動作することにより、矩形波状のスイッチング信号S2を出力する。
【0093】
平滑部4は、抵抗4a〜4dとコンデンサ4e,4fによって形成されたπ型ローパスフィルタであり、スイッチング信号S2を平滑化することにより、直流電圧V4を発生する。
【0094】
駆動素子5は、PNPトランジスタ5で形成されており、そのエミッタが発光素子FLを介して電源PWRのプラス側出力端子(+)に接続され、コレクタが補償部8に接続され、ベースに直流電圧V4が印加されている。
【0095】
補償部8は、PNPトランジスタ5のコレクタと電源PWRのマイナス側出力端子(−)との間に接続されたPNPトランジスタ8によって形成されており、そのコレクタがマイナス側出力端子(−)、エミッタがPNPトランジスタ5のコレクタに夫々接続されている。
【0096】
基準部6は、定電圧Vzを発生するツェナーダイオード6で形成されており、電源電圧Vccより小さい定電圧Vzを発生する。
【0097】
検出部7は、電源PWRのプラス側出力端子(+)とマイナス側出力端子(−)との間に、ツェナーダイオード6と共に直列接続された複数個の抵抗R11〜R13と切替えスイッチSWと抵抗R2によって形成され、切替えスイッチSWを切り替えることにより、抵抗R11〜R13の何れかを電源PWRのプラス側出力端子(+)とツェナーダイオード6との間に接続するようになっている。
【0098】
また、抵抗R11〜R13の各抵抗値は、抵抗R11が最も小さく、次に抵抗R12が大きく、抵抗R13が最も大きな値に決められている。また、抵抗R2は、所定の抵抗値を有する固定抵抗で形成されている。
【0099】
そして、切替スイッチSWを抵抗R11側に切り替えると、抵抗R11とR2が、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を分圧することにより、次式(3)で表される関係から、抵抗R2の両端に検出電圧V2を発生する。
【0100】
V2=(Vcc−Vz)×R2/(R11+R2)=α1×(Vcc−Vz) …(3)
また、切替スイッチSWを抵抗R12側に切り替えると、抵抗R12とR2が、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を分圧することにより、次式(4)で表される関係から、抵抗R2の両端に検出電圧V2を発生する。
【0101】
V2=(Vcc−Vz)×R2/(R12+R2)=α2×(Vcc−Vz) …(4)
また、切替スイッチSWを抵抗R13側に切り替えると、抵抗R13とR2が、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を分圧することにより、次式(5)で表される関係から、抵抗R2の両端に検出電圧V2を発生する。
【0102】
V2=(Vcc−Vz)×R2/(R13+R2)=α3×(Vcc−Vz) …(5)
なお、上記式(3)(4)(5)に記載されている係数α1,α2,α3は、各抵抗R11,R12,R13と固定抵抗R2とによる分圧比を示し、前記式(1)に示した係数αに相当している。
【0103】
そして、抵抗R2の両端に生じる検出電圧V2が、補償部8を構成しているPNPトランジスタ8のベースに印加され、該PNPトランジスタ8のエミッタコレクタ間に補償電圧V3が発生するようになっている。
【0104】
次に、本実施例の照明制御回路1の動作を図2及び図4を参照して説明する。
【0105】
まず、図2(a)を参照して、本実施例の照明制御回路1の基本動作を説明する。
【0106】
ツェナーダイオード6が定電圧Vzを発生し、抵抗R11〜R13と切替スイッチSWと抵抗R2によって形成された検出部7が、上述の差電圧(Vcc−Vz)を分圧することによって、抵抗R2の両端に検出電圧V2を発生させ、PNPトランジスタ8が検出電圧V2を電力増幅することにより、検出電圧V2に追従する補償電圧V3を発生する。
【0107】
すなわち、上記式(3)(4)(5)を参照して説明したように、切替スイッチSWが抵抗R11側に切り替えられた場合には、上記式(3)の関係に従って検出電圧V2が発生し、切替スイッチSWが抵抗R12側に切り替えられた場合には、上記式(4)の関係に従って検出電圧V2が発生し、切替スイッチSWが抵抗R13側に切り替えられた場合には、上記式(5)の関係に従って検出電圧V2が発生する。そして、PNPトランジスタ8が各検出電圧V2を電力増幅することにより、各検出電圧V2に追従する補償電圧V3を発生する。
【0108】
更に、PNPトランジスタ8のエミッタと、PNPトランジスタ5のコレクタとが接続されているため、PNPトランジスタ5側からPNPトランジスタ8のエミッタを見た場合のインピーダンスZ8が、PNPトランジスタ8側からPNPトランジスタ5を見た場合のインピーダンスZ5に較べて低インピーダンスとなり、その結果、補償電圧V3によってPNPトランジスタ5とPNPトランジスタ8との接続点Pの電位が決まり、PNPトランジスタ5と発光素子FLとの両端に、電源電圧Vccと補償電圧V3との差分に相当する駆動電圧Vxが掛かった状態となる。
【0109】
更に、電源電圧Vccが変動することなく一定の場合には、検出電圧V2と補償電圧V3も夫々一定電圧のままとなり、駆動電圧Vxも上述の電圧(Vcc−V3)のまま保持される。
【0110】
かかる状態で、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、適宜のパルス幅Wを有するPWM信号S0を出力させると、NPNトランジスタ2fがPWM信号S0を反転増幅したPWM信号S1を生成してスイッチング素子3のベースに供給する。そして、スイッチング素子3がそのPWM信号S1に従ってスイッチング信号S2を発生し、平滑部4がそのスイッチング信号S2に基づいて直流電圧V4を発生し、PNPトランジスタ5が直流電圧V4に応じた所定の駆動電力を設定することにより、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)をPWM信号S1のパルス幅Wに応じた明るさに調整する。
【0111】
したがって、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、PWM信号S0のパルス幅Wを適宜に調整すると、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を所望の明るさに調整することが可能となっている。
【0112】
更に、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、PWM信号S0のパルス幅Wを適宜のパルス幅に保持させると、直流電圧V4もそのパルス幅Wに応じた電圧のままとなり、発光素子FLをユーザ等の所望する照度や光度(いわゆる明るさ)に維持させることができる。
【0113】
更に、本照明制御装置1によれば、電源電圧Vccが一定電圧で安定している場合には、駆動電圧Vxも所定電圧に保たれるため、PNPトランジスタ5に大きな負荷がかかることがなく、更に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を変動させることなく、ユーザ等が指定した明るさに保つことができる。
【0114】
次に、電源PWRの電源電圧Vccが変動等によって変化した場合の照明制御回路1の動作を説明する。
【0115】
電源PWRの電源電圧Vccが変動等によって上昇した場合、ツェナーダイオード6の両端には、電源電圧Vccの変動に影響されることなく定電圧Vzが発生するため、上記式(3)(4)(5)を参照して説明したように、切替スイッチSWが抵抗R11側に切り替えられた場合には、上記式(3)の関係に従って検出電圧V2が上昇し、切替スイッチSWが抵抗R12側に切り替えられた場合には、上記式(4)の関係に従って検出電圧V2が上昇し、切替スイッチSWが抵抗R13側に切り替えられた場合には、上記式(5)の関係に従って検出電圧V2が上昇する。そして、PNPトランジスタ8が各検出電圧V2を電力増幅することにより、各検出電圧V2に追従する補償電圧V3を発生する。
【0116】
そして、切替えスイッチSWによって抵抗R11,R12,R13の何れかが切り替え選択された状態で電源電圧Vccが上昇すると、補償電圧V3の上昇に伴って、発光素子FLとPNPトランジスタ5との両端に掛かる駆動電圧Vxが、図2(b)に示すように変化する。
【0117】
ここで、駆動電圧Vxは、電源電圧Vccから補償電圧V3を差し引いた電圧(Vcc−V3)であるため、電源電圧Vccが上昇すると補償電圧V3も上昇するという関係から、上述の差し引いた電圧(Vcc−V3)すなわち駆動電圧Vxは、大きく変化しない。このことから、駆動素子5に対して大きな負荷が掛からない状態が保たれる。
【0118】
かかる状態で、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、適宜のパルス幅Wを有するPWM信号S0を出力させたり、電源電圧Vccが変動する前のパルス幅Wのままにしておくと、スイッチング素子3がそのPWM信号S0の反転増幅されたPWM信号S1に従ってスイッチング信号S2を生成し、平滑部4がそのスイッチング信号S2に基づいて直流電圧V4を生成し、PNPトランジスタ5が直流電圧V4に応じた所定の駆動電力を設定することにより、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)をPWM信号S1のパルス幅Wに応じた明るさに調整する。
【0119】
つまり、電源電圧Vccが変動等した場合でも、図2(b)に示したように、電源電圧Vccと補償電圧V3との差分に相当する駆動電圧Vxは大きく変化することがないため、PWM信号S0のパルス幅Wに応じて、発光素子FLを、ユーザ等の所望するほぼ一定の照度や光度(いわゆる明るさ)で発光させることができる。
【0120】
以上説明したように、本実施例の照明制御回路1によれば、電源電圧Vccに対して発光素子FLとPNPトランジスタ5,8を直列接続し、検出部7が電源電圧Vccの電圧変動を検出して、PNPトランジスタ8が電源電圧Vccの変動に追従する補償電圧V3を発生するようにしたので、電源電圧Vccが変動した場合でも、発光素子FLとPNPトランジスタ5との両端電圧、すなわち駆動電圧Vxの変動を低減することができ、PNPトランジスタ5に掛かる負荷を低減することができる。更に、駆動電圧Vxの変動を低減することができるため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
【0121】
更に、電源電圧Vccに対してツェナーダイオード6と検出部7を設け、電源電圧Vccとツェナーダイオード6に発生する定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)に基づいて、検出部7が電源電圧Vccの変動を検出し、その検出結果(検出電圧)V2に基づいてPNPトランジスタ8が補償電圧V3を発生するようにしたので、電源電圧Vccがいわゆる定格電圧よりも上昇した場合にも、発光素子FLとPNPトランジスタ5との両端の駆動電圧Vxの変動を低減することができ、PNPトランジスタ5に掛かる負荷を低減することができると共に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができ、更に、電源電圧Vccがいわゆる定格電圧よりも降下した場合にも、その定格電圧から定電圧Vzまでの範囲内において、発光素子FLと駆動素子5との両端の駆動電圧Vxの変動を低減することができ、PNPトランジスタ5に掛かる負荷を低減することができると共に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
【0122】
更に、電源電圧Vccの変化に対する検出部7から出力される検出電圧V2の変化を、切替えスイッチSWによって可変調整するようにしたため、図2(c)に示すように、電源電圧Vccの変動に対して駆動電圧Vxを調整することができ、例えば電源電圧Vccの実際の変化特性に対応させて、駆動電圧Vxの変動を抑制するように調整することができる。
【0123】
このため、電源電圧Vccや電圧変動等の異なる各種電源PWRを用いて、発光素子FLの照度や光度を制御する場合でも、その電源PWRの特性に合わせて、駆動電圧Vxの変動を抑制するように調整することができる等の効果が得られる。
【実施例2】
【0124】
次に、第2の実施形態に係るより具体的な照明制御回路の実施例を図5を参照して説明する。
【0125】
図5は、本実施例の照明制御回路の構成を表した回路図であり、図3と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
【0126】
図5において、この照明制御回路1は、図3に示した実施形態の照明制御回路と同様に、制御信号源2と、スイッチング素子3と、平滑部4と、駆動素子5と、基準部6と、検出部7、及び補償部10を備えて構成されている。
【0127】
制御信号源2は、PWM信号S0を出力する発振回路2aと、スイッチング素子3をバイアスするための抵抗2b,2cによって形成されており、発振回路2aから出力されるPWM信号S0を抵抗2b,2cでPWM信号S1に分圧して、スイッチング素子3のベースに供給する。
【0128】
スイッチング素子3は、PNPトランジスタで形成されており、そのエミッタが電源PWRのプラス側出力端子(+)に接続され、コレクタが平滑部4に接続されている。そして、ベースに供給されるPWM信号S1に従ってスイッチング動作することにより、矩形波状のスイッチング信号S2を出力する。
【0129】
平滑部4は、抵抗4g〜4hと、コンデンサ4i,4jと、NPNトランジスタTr1とによって形成されたπ型ローパスフィルタであり、抵抗4g〜4hとコンデンサ4i,4jがスイッチング信号S2を平滑化することによって直流電圧V4aを発生し、更にNPNトランジスタTr1が直流電圧V4aを電力増幅することにより、直流電圧V4aに対応した直流電圧V4をエミッタに発生する。
【0130】
補償部10は、NPNトランジスタTr2,Tr3及びバイアス用の抵抗r1〜r4で形成された差動増幅回路によって形成されており、駆動素子5に接続されたNPNトランジスタTr2が直流電圧V4に応じた制御電流Idを発生する。
【0131】
駆動素子5は、PNPトランジスタ5で形成されており、そのエミッタが電源PWRのプラス側出力端子(+)に接続され、コレクタが発光素子FLを介して電源PWRのマイナス側出力端子(−)に接続され、ベースがNPNトランジスタTr2がNPNトランジスタTr2のコレクタに接続されることで、制御電流Idに従って動作するようになっている。
【0132】
基準部6は、定電圧Vzを発生するツェナーダイオード6で形成されており、電源電圧Vccより小さい定電圧Vzを発生する。
【0133】
検出部7は、ツェナーダイオード6と共に電源PWRのプラス側出力端子(+)とマイナス側出力端子(−)との間に直列接続された抵抗R1,R2によって形成されており、図示するように、抵抗R1,R2の接続点に、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタと、抵抗2bが接続されている。
【0134】
そして、抵抗R1,R2が、電源電圧Vccと定電圧Vzとの差電圧(Vcc−Vz)を分圧することにより、次式(6)で表される関係から、検出電圧V2を発生する。
【0135】
V2=(Vcc−Vz)×R1/(R1+R2)+Vz
=β×(Vcc−Vz)+Vz …(6)
【0136】
次に、本実施例の照明制御回路1の動作を説明する。
【0137】
まず、電源電圧Vccが変動することなく一定の場合における、照明制御回路1の動作を説明する。
【0138】
基準部6が定電圧Vzを発生し、検出部7が上述の差電圧(Vcc−Vz)に基づいて発生した検出電圧V2によって、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタ電位を設定する。更に、電源電圧Vccが変動することなく一定の場合には、検出電圧V2が一定電圧のままとなり、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタ電位も検出電圧V2によって一定電圧のまま保持される。
【0139】
かかる状態で、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、適宜のパルス幅Wを有するPWM信号S0を出力させると、スイッチング素子3がPWM信号S1に従ってスイッチング信号S2を生成し、平滑部4がそのスイッチング信号S2に基づいて直流電圧V4を発生する。
【0140】
そして、補償部10のNPNトランジスタTr2が、直流電圧V4に応じて制御電流Idを発生して、PNPトランジスタ5の動作を制御することにより、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)をPWM信号S0のパルス幅Wに応じた明るさに調整する。
【0141】
したがって、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、直流電圧V4が降下するようにPWM信号S0のパルス幅Wを調整すると、PNPトランジスタ5の電力増幅率が低下して、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を低下させることができ、一方、直流電圧V4が上昇するようにPWM信号S0のパルス幅Wを調整すると、PNPトランジスタ5の電力増幅率が上昇し、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を上昇させることができる。
【0142】
また、ユーザ等が発振回路2aを外部操作して、PWM信号S0のパルス幅Wを適宜のパルス幅に保持させると、直流電圧V4もそのパルス幅に応じた電圧のままとなり、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を所望の明るさに維持させることができる。
【0143】
次に、電源電圧Vccが変動等によって変化した場合の照明制御回路1の動作を説明する。
【0144】
電源PWRの電源電圧Vccが変動等によって上昇した場合、ツェナーダイオード6は電源電圧Vccの変化にかかわらず定電圧Vzを発生し、更に、上記式(6)の関係に基づいて、抵抗R1,R2が上述の差電圧(Vcc−Vz)から検出電圧V2を発生する。
【0145】
ここで、電源電圧Vccが変動等しても定電圧Vzは変化しないため、差電圧(Vcc−Vz)は電源電圧Vccの上昇に伴って上昇することとなり、抵抗R1,R2がこの差電圧(Vcc−Vz)の上昇を検出して、上記式(6)の関係から、電源電圧Vccの上昇に追従して上昇する検出電圧V2を出力する。
【0146】
こうして、電源電圧Vccの上昇に伴って検出電圧V2が上昇すると、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタベース間の電圧が大きくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率が大きくなる。
【0147】
そして、スイッチング素子3の電圧増幅率が大きくなると、スイッチング信号S2の振幅が大きくなり、平滑部4から出力される直流電圧V4の電圧レベルが上昇して、PNPトランジスタから成る駆動素子5の電力増幅率が増加し、発光素子FLに供給する駆動電力を増加させる。
【0148】
ここで注目すべき点は、電源電圧Vccが変動等によって上昇した場合、検出電圧V2は、上記式(6)の係数βに依存して上昇することとなるため、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて検出電圧V2の電圧変化率の方が穏やかとなる(小さくなる)。このため、スイッチング素子3のエミッタベース間の電圧は、電源電圧Vccの上昇に伴って大きくなるものの、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて小さな電圧変化率で大きくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率も抑制された状態で大きくなる。
【0149】
したがって、スイッチング信号S2の振幅が、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って大きくなり、平滑部4から出力される直流電圧V4の電圧レベルも、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って上昇し、PNPトランジスタ5の電力増幅率も、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って増加することとなり、発光素子FLに供給される駆動電力も大幅に変化することがない。
【0150】
このため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)は大きく変化することがなく、明るさがちらつくことのない範囲内で変化するに止まることとなる。
【0151】
また、電源電圧Vccが降下した場合でも、その電源電圧Vccが定格電圧から、基準部6が定電圧Vzを発生する範囲内での電圧降下あれば、PNPトランジスタから成るスイッチング素子3のエミッタベース間のバイアス電圧が検出電圧V2によって確保されることとなり、更に、検出電圧V2は上記式(6)の係数βに依存して降下することとなるため、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて検出電圧V2の電圧変化率の方が穏やかとなる(小さくなる)。
【0152】
このため、スイッチング素子3のエミッタベース間の電圧は、電源電圧Vccの降下に伴って小さくなるものの、電源電圧Vccの電圧変化率に較べて小さな電圧変化率で小さくなり、スイッチング素子3の電圧増幅率も抑制された状態で小さくなり、PNPトランジスタ5の電力増幅率も、抑制されたスイッチング素子3の電圧増幅率に従って減少することとなり、発光素子FLに供給される駆動電力も大幅に変化することがない。このため、電源電圧Vccが降下した場合でも、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)は大きく変化することがなく、明るさがちらつくことのない範囲内で変化するに止まることとなる。
【0153】
以上説明したように、本実施例の照明制御回路1によれば、電源電圧Vccが変動等した場合でも、ツェナーダイオード6と抵抗R1,R2によって、PNPトランジスタ5の負荷が大きくならないように直流電圧V4を調整することができ、更に、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化することができる。
【0154】
また、電源電圧Vccが変動すると、検出電圧V2が変化することから、スイッチング素子3の電圧増幅率も変化し、更に直流電圧V4も変化することとなるため、厳密には、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化することとなるが、検出部7の係数βを予め調整しておくことによって、検出電圧V2の電源電圧Vccに対する電圧変化率を小さくすることができ、人間の目では感じることができない程度の範囲内で発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)が変化するように、直流電圧V4の変動を低減することが可能である。更に、直流電圧V4の変動を低減することができるため、発光素子FLの照度や光度(いわゆる明るさ)を安定化させることができる。
【0155】
更に、電源電圧Vccの変化に対する検出電圧V2の変化を、上記式(6)に示した係数βによって可変調整するようにしたため、例えば電源電圧Vccの実際の変化特性に対応させて、直流電圧V4の変動を抑制するように調整することができる。このため、電源電圧Vccや電圧変動等の異なる各種電源PWRを用いて、発光素子FLの照度や光度を制御する場合でも、その電源PWRの特性に合わせて、直流電圧V4の変動を抑制するように調整することができる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。
【図2】図1に示した照明制御回路の基本特性を説明するための特性図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。
【図4】第1の実施例に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。
【図5】第2の実施例に係る照明制御回路の構成を表した回路図である。
【符号の説明】
【0157】
1…照明制御回路
2…制御素子
3…駆動素子

Claims (9)

  1. 発光素子を駆動制御する照明制御回路であって、
    前記電源の電源電圧を検出し、前記電源電圧の変化に応じた検出電圧を出力する検出手段と、
    前記発光素子と共に前記電源に直列接続された、前記発光素子を駆動する駆動素子と、前記検出電圧に追従する補償電圧を発生する補償手段とを備え、
    前記補償手段は、前記検出電圧に追従する前記補償電圧を発生することにより、前記電源の電源電圧の変化に対して、前記発光素子と前記駆動素子との両端に掛かる駆動電圧の変化を抑制することを特徴とする照明制御回路。
  2. 更に、定電圧を発生する基準手段を備え、
    前記検出手段は、前記定電圧と前記電源電圧との差電圧に基づいて、前記電源電圧の変化に応じた検出電圧を出力することを特徴とする請求項1に記載の照明制御回路。
  3. 前記検出手段は、前記電源電圧の変化より小さな変化率で変化する前記検出電圧を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明制御回路。
  4. 前記変化率は、可変調整されることを特徴とする請求項3に記載の照明制御回路。
  5. 前記検出手段は、前記電源電圧の変化を分圧する分圧抵抗を備え、該分圧抵抗に生じる分圧電圧を前記検出電圧として出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明制御回路。
  6. 前記補償手段は、前記検出電圧を電力増幅する能動素子又は能動回路で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明制御回路。
  7. 発光素子を駆動制御する照明制御回路であって、
    前記発光素子と共に電源に直列接続され、前記発光素子を駆動する駆動素子と、
    前記駆動素子に制御用の信号を供給する補償手段と、
    前記電源の電源電圧を検出し、前記電源電圧の変化に応じた検出電圧を出力すると共に、前記検出電圧によって前記補償手段を調節することにより、前記制御用の信号のレベル変化を抑制させる検出手段と、を備えることを特徴とする照明制御回路。
  8. 定電圧を発生する基準手段をさらに備え、
    前記検出手段は、前記定電圧と前記電源電圧との差電圧に基づいて、前記電源電圧の変化に応じた検出電圧を出力することを特徴とする請求項7に記載の照明制御回路。
  9. 前記検出手段は、前記電源電圧の変化を分圧する分圧抵抗を備え、該分圧抵抗に生じる分圧電圧を前記検出電圧として出力することを特徴とする請求項7又は8に記載の照明制御回路。
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