JPWO2005092930A1 - アラビアガムの改質方法、その方法で得られた改質アラビアガム及びその用途 - Google Patents

アラビアガムの改質方法、その方法で得られた改質アラビアガム及びその用途 Download PDF

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Abstract

着色や異臭がなく、アラビアガムの乳化力を高める方法の提供する。
本発明は、加熱処理していないアラビアガムを50質量%以下の水溶液にする工程、および該水溶液を60℃未満の温度条件下で6時間以上保持する処理を行うことによって、着色や異臭の無い、乳化力の優れた改質アラビアガムを得ることができる。半発明で得た改質したアラビアガムは、飲料、菓子、チューイングガム、油性香料、油性色素、油溶性ビタミンなどの乳化剤として好適に利用することができる。

Description

本発明は、アラビアガムの改質方法に関する。より詳細には、本発明はアラビアガムについてその乳化力を向上させる方法に関する。また、本発明はかかる方法によって乳化力が向上したアラビアガム、並びにその用途に関する。
アラビアガムは、優れた乳化力を備え、さらに高濃度の溶液でも粘性が低いという特性を有することから、従来より食品や医薬品分野において広く乳化剤として使用されている天然高分子である。しかしながら、アラビアガムは、そのまま使用しても満足のいく乳化性能を発揮しないことも知られている。
そこで、従来よりアラビアガムの乳化力を高めるための方法が検討され、提案されている。例えば、かかる方法として、アラビアガムから金属イオンを除いてアラビン酸を取得し、これを加熱変性して乳化力を高める(改質する)方法(例えば、特許文献1参照)、また、乾燥減量が50質量%以下のアラビアガムを60〜140℃で30分以上加熱して変性することにより乳化力を高める(改質する)方法(例えば、特許文献2参照)がある。
しかしながら、これらの方法では、加熱工程中にアラビアガムの着色、不溶物の生成、異臭の発生等の不都合なところがあった。
また、アラビアガムを水分3〜30質量%に調整する工程と、30℃以上で加温する工程を行うことを特徴とするアラビアガムの改質方法(例えば、特許文献3参照)があるが、これも完全にアラビアガムの着色を抑えたものではなかった。
特開平02−49001号公報 特開2000−166489号公報 特開2003−321502号公報
本発明は、上記の問題を軽減もしくは解消して、さらに優れた乳化力を備えるようにアラビアガムを改質する方法を提供することを目的とする。具体的には、本発明は、アラビアガムの乳化力を効率よく高める方法を提供すること、並びに高い乳化力を有するように改質したアラビアガムを着色や異臭がなく取得する方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、こうして得られた乳化力に優れたアラビアガム、並びに該アラビアガムの乳化剤としての用途を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、加熱処理していないアラビアガムを水溶液の状態で、特定温度条件下で保持する処理を行うことにより、上記目的を達成することができることを見いだした。
本発明はかかる知見に基づいて開発されたものであり、下記の態様を含むものである:
項1.加熱処理されていないアラビアガムを水溶液にする工程、その水溶液を60℃未満にて保持する工程を有するアラビアガムの改質方法。
項2.水溶液の濃度が50質量%以下である項1記載のアラビアガムの改質方法。
項3.水溶液を60℃未満に保持する時間が6時間以上である項1または2記載のアラビアガムの改質方法。
項4.水溶液のpHが4.5〜6であり、60℃未満に保持する時間が3時間以上である項1または2記載のアラビアガムの改質方法。
項5.アラビアガムの乳化力向上方法である項1乃至4のいずれかに記載するアラビアガムの改質方法。
項6.項1乃至4のいずれかに記載される方法によって得られる改質アラビアガム。
項7.加熱処理されていないアラビアガムがAcacia senegal種に属するアラビアガムであり、請求項1に記載される方法によって得られる改質アラビアガムの質量平均分子量が150万以上である請求項6記載の改質アラビアガム。
項8.項1乃至4のいずれかに記載される方法によって得られる改質アラビアガムを有効成分とする乳化剤。
項9.項1乃至4のいずれかに記載される方法によって得られる改質アラビアガムを乳化剤として用いるエマルションの調製方法。
項10.項1乃至4のいずれかに記載される方法によって得られる改質アラビアガムを乳化剤として用いて、親水性溶媒に疎水性物質を分散させるか、または疎水性溶媒に親水性物質を分散させる工程を有するエマルションの調製方法。
項11.エマルションが、精油、油性香料、油性色素、油溶性ビタミン、多価不飽和脂肪酸、動植物油、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び中鎖トリグリセライドよりなる群から選択される少なくとも1種の疎水性物質を分散質として有するO/W型またはW/O/W型のエマルションである項10に記載のエマルションの調製方法。
項12.項9または10に記載される方法によって調製されるエマルション。
項13.精油、油性香料、油性色素、油溶性ビタミン、多価不飽和脂肪酸、動植物油、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び中鎖トリグリセライドよりなる群から選択される少なくとも1種の疎水性物質を分散質として有するO/W型またはW/O/W型のエマルションである項12に記載のエマルション。
以下、本発明をより詳細に説明する。
(1)アラビアガムの改質方法
本発明は、アラビアガムについてその乳化力を高めるように改質する方法に関する。なお、本発明は、「改質アラビアガムの調製方法」、「アラビアガムの乳化力を高める方法」、または「乳化力に優れたアラビアガムの調製方法」と言い換えることが可能である。
当該本発明の方法は、加熱処理していないアラビアガムを水溶液の状態で、特定温度条件下で保持する処理を行うことによって実施することができる。
本発明の方法において、改質対象物として用いられるアラビアガム(原料)は、マメ科植物であるアカシア属のアカシア・セネガル(Acacia senegal)やアカシア・セイアル(Acacia seyal)またはこれらの同属植物の幹や枝から得られるゴム状の滲出液を乾燥して調製される天然樹脂(多糖類)である。好ましくはアカシア・セネガル(Acacia senegal)種に属するアラビアガムである。
アラビアガム(原料)は、スーダンを始め、エチオピアからセネガルにいたる北アフリカ一帯(エチオピア、セネガル、ナイジェリア、アフリカ北部のコルドファン、ナイル河支流近傍、その他アメラハ地方)で産出されるが、本発明においてはその由来を問うことなく、いずれの産地由来のものであってもよい。
また、アラビアガム(原料)は、その水分含量を特に制限するものではない。通常商業的に入手可能なアラビアガム(原料)は、105℃で6時間加熱乾燥することによって減少する水分量(乾燥減量)として40質量%以下、好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下を有するものである。本発明においても、このような水分含量(乾燥減量)を有するアラビアガム(原料)を、水分含量にかかわらず、任意に選択し使用することができる。
また通常、アラビアガム(原料)は、塊状物、玉状物、粗粉砕物、粒状、または粉末状の形態で入手することができるが、本発明ではこれらの形態を問わず、いずれの形態のものをも使用することができる。水に短時間で溶解することができることから、好ましくは粗粉砕物、粒状、または粉末状の形態のものである。
本発明においては、改質対象物であるアラビアガム(原料)として、加熱処理がされていないものを用いる。アラビアガム(原料)を多くの熱にさらされてしまうと、その後の改質の効率が極端に悪くなるか、改質が起こらない。
この溶解の際にも温度は60℃未満で行うことが好ましい。好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以下である。温度の下限は特に制限されないが、0℃以上あれば良く、通常10℃以上で行われる。好ましい温度範囲として10〜40℃、より好ましくは15〜30℃を挙げることができる。
本発明の改質方法において、アラビアガム水溶液は、加熱処理を行っていないアラビアガム(原料)を使用して調製するため、溶解工程及び保持工程に多くの時間を要した場合には細菌の増殖が引き起こされる危険性がある。こうした観点からも、本発明は、改質に影響を与えない範囲で可能な限り低い温度にて短時間で改質を行うことが好ましい。
アラビアガム水溶液のアラビアガムの濃度は特に規定しないが、通常50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。濃度の下限は特に制限されないが、通常 10質量%以上に調整することができる。10質量%以下または30質量%以上であると改質するのに多くの時間を要してしまう。よって制限されないが、改質の効率性の観点からは、アラビアガム水溶液のより好ましい濃度範囲として10〜30質量%を挙げることができる。

本発明の改質方法において、アラビアガム水溶液の保持温度は、60℃未満、好ましくは5〜40℃、より好ましくは10〜40℃、さらにより好ましくは15〜30℃である。5℃より温度が低くなるとは改質速度が非常に遅くなり、また40℃より温度が高くなると改質速度が遅くなり、改質を短時間に効率的に行うという点からは好ましくない。なお、60℃以上では全く改質しなくなる。また、後述する実験例で示すように、アラビアガム水溶液の保持温度が至適温度(15〜30℃)に近いほど短時間に効率よくアラビアガムの乳化力を高めることが可能である。
通常アラビアガム(原料)をそのまま水に溶かした際のpHは4〜4.5であるが、本発明の改質方法において、アラビアガム水溶液のpHは4〜7、好ましくはpH4〜6、より好ましくはpH4.5〜6である。pHが4より低くなるとは改質が殆ど行われず、またpHが7より大きくなると改質速度が遅くなる傾向にある。なお、特にアラビアガム水溶液のpHが4.5〜6である場合、少なくとも3時間の保持時間といった短時間で、所望の乳化性を備えた改質アラビアガムを調製することが調整することができる。

アラビアガム水溶液のpHを上げるために使用される塩基性化合物としては、食品に配合することができるものを広く挙げることができ、この限りにおいて特に制限されない。例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム等を挙げることができる。また、陰イオン交換樹脂を用いることによってもpHを上げることができる。陰イオン交換樹脂としては、制限されないが、ダイヤイオン SA10A(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、ダイヤイオン SA12A、ダイヤイオン SA20A、ダイヤイオン PA306、ダイヤイオン WA10、ダイヤイオン WA20などが例示される。アラビア水溶液のpHを下げるために使用される酸としては食品添加物として通常使用される酸であれば特に制限されず、かかる中から任意に選択使用することができる。例えばクエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸または硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸等を例示することができる。
上記本発明の方法によって調製されるアラビアガムは、原料として用いたアラビアガム〔アラビアガム(原料)〕に比して高い乳化力を発揮するように改質されてなるものである。ゆえに本発明の方法は、具体的にはアラビアガムの乳化力を高める改質方法であり、アラビアガムの乳化力向上方法として規定することもできる。また高い乳化力を有する改質アラビアガムの製造方法として規定することができる。
(2)改質アラビアガム及びその用途
上記方法によって調製される改質アラビアガムの質量平均分子量は、未処理のアラビアガム〔アラビアガム(原料)〕と明確に区別ができる。例えば、Acacia senegal種に属するアラビアガムの場合、未処理のアラビアガム〔アラビアガム(原料)〕の質量平均分子量は100万以下なのに対して、本発明で得られる改質アラビアガムの質量平均分子量は、150万以上、好ましくは200万以上である。なお、アラビアガムの質量平均分子量の測定方法については、試験例1において説明する。
また、上記方法によって調製される改質アラビアガムは、その優れた乳化力において原料として用いた未処理のアラビアガム〔アラビアガム(原料)〕と明確に区別することができる。
改質アラビアガムの乳化力は、エマルションを形成する小滴(分散相)の平均粒子径(エマルジョン調製時)、及びエマルジョンの経時的安定性の、一方または両方から、判断することができる。本発明の方法によって得られた改質アラビアガムは、通常それを用いてエマルションを調製した場合に、そのエマルションを形成する小滴(分散相)の平均粒子径が1μm以下、好ましくは0.8μm以下、より好ましくは0.7μm以下になるように乳化力を有することが好ましい。
さらに、本発明の方法によって得られた改質アラビアガムは、通常それを用いて調製されたエマルションが経時的に安定であることが望ましい。エマルションの経時的安定性は、例えば調製したエマルションの平均粒子径を、調製直後〔平均粒子径(a)〕と保存後〔平均粒子径(b)〕に測定し、その差〔(b)−(a)〕で評価することができる。制限されないが、本発明の方法によって得られた改質アラビアガムは、それを用いて調製したエマルションを60℃で3日間保存した場合、上記差〔(b)−(a)〕が1以下、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.1以下であるようなエマルションが得られるような乳化力を有することが望ましい。
本発明の改質アラビアガムは、乳化剤として、特に食品、医薬品、医薬部外品、または香粧品の分野において用いることが出来る。とりわけ経口的に摂取され得る製品の乳化剤として好適に使用することができる。具体的には、飲料、菓子類、水産加工品、畜産加工品、などの飲食品等の乳化、錠剤等のコーティング材の乳化、油性香料の乳化、油性色素の乳化などに、乳化剤として好適に使用することができる。
上記改質アラビアガムはそのまま溶液の状態で、または乾燥して粒子状若しくは粉末状にして、乳化剤として用いることもできるが、必要に応じて、その他の担体や添加剤を配合して乳化剤として調製することもできる。この場合、使用される担体や添加剤は、乳化剤を用いる製品の種類やその用途に応じて、常法に従って適宜選択採用することができる。例えば、デキストリン、マルトース、乳糖等の糖類やグリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールと混合して使用することができる。
(3)エマルションの調製方法
また、本発明は上記改質アラビアガムを乳化剤として使用するエマルションの調製方法を提供する。当該エマルションは、上記改質アラビアガムを乳化剤として使用して、分散質として疎水性物質を親水性溶媒中に分散安定化することによって、または分散質として親水性物質を疎水性溶媒中に分散安定化することによって調製することができる。好ましくは、上記改質アラビアガムを乳化剤として使用して、分散質として疎水性物質を親水性溶媒中に分散安定化することによって調製することができる。かかるエマルションとしては、水中油滴(O/W)型やW/O/W型のエマルションを挙げることができる。
ここで乳化される疎水性物質は通常エマルション形態に供されるもの若しくはその必要性のあるものであれば特に制限されないが、好ましくは食品、医薬品、医薬部外品または香粧品分野で用いられるもの、より好ましくは経口的に用いられることが可能な(可食性)疎水性物質を挙げることができる。
具体的には、オレンジ、ライム、レモン及びグレープフルーツなどの柑橘系植物等の基原植物から得られる各種精油、ペッパー、シンナモン及びジンジャーなどの基原植物からオレオレジン方式で得られるオレオレジン、ジャスミンやローズなどの基原植物からアブソリュート方式で得られるアブソリュート、その他、合成香料化合物、及び油性調合香料組成物などの油性香料;β-カロチン、パプリカ色素、リコピン、パーム油カロチン、ドナリエラカロチン及びニンジンカロチンなどの油性色素;ビタミンA,D,E及びKなどの脂溶性ビタミン;ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、及びγ−リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸;大豆油、菜種油、コーン油及び魚油などの動植物油脂;SAIB(Sucrose Acetate isobutyrate:ショ糖酢酸イソ酪酸エステル)、エステルガム、ブロム化油、またはC6〜C12の中鎖トリグリセライドなどの加工食品用油脂及びこれら可食性油性材料の任意の混合物を例示することができる。
上記改質アラビアガムを用いたエマルションの調製方法は、特に制限されず、水中油滴(O/W)型エマルションまたはW/O/W型エマルションの調製に関する常法に従って、疎水性物質と親水性溶媒とを上記改質アラビアガムの存在下で、ホモジナイザーや高圧噴射機などの乳化機を利用して機械的に攪拌混合することによって行うことができる。より具体的には、下記の方法を例示することができる。
まず、改質アラビアガムを水等の親水性溶媒に溶解し、必要に応じて、遠心分離又はフィルタープレス等を利用した濾過など、適当な固液分離手段により不純物を除去して、アラビアガム溶液を調製する。なお、上記改質方法で得られた改質アラビアガムが水溶液の状態であれば、そのまま若しくは必要に応じて親水性溶媒にて濃度を調整して、下記乳化工程に供することができる。これに、目的の疎水性物質を撹拌機等で混合し、予備乳化する。なお、この際、必要に応じてSAIB等の比重調整剤にて比重を調整してもよい。次いで得られた予備乳化混合液を、乳化機を利用して乳化する。
なお、ここで親水性溶媒としては、水、またはグリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコールを用いることができる。

また疎水性物質としては前述のものを例示することができるが、油性香料や油性色素を用いて乳化香料や乳化色素を調製する場合は、上記疎水性物質として予め油脂に油性香料や油性色素を溶解した混合液を用いることが好ましい。これによって、より乳化を安定化し、また成分の揮発を予防することができる。また油性香料や油性色素を溶解する油脂としては、特に制限されないが、通常、中鎖トリグリセライド(炭素数6〜12の脂肪酸トリグリセライド)、及びコーン油、サフラワー油、または大豆油などの植物油を用いることができる。
例えば、β-カロチンなどの色素の多くは、それ自身、結晶の状態でサスペンションとして存在する。したがって、これらの色素をエマルション(乳化色素)として調製するには、まず色素の結晶を適当な油脂と高温下で混合し溶解してから、親水性溶媒で溶解した改質アラビア溶液に添加することが好ましい。

乳化に使用する乳化機としても、特に制限はなく、目的とするエマルションの粒子の大きさや、試料の粘度などに応じて適宜選択することができる。例えば、機械的に高圧のホモジナイザーの他、ディスパーミルやコロイドミルなどの乳化機を使用することができる。
乳化工程は、前述するように、親水性溶媒で溶解した改質アラビアガム溶液中に、攪拌下、疎水性物質を添加し、予備乳化し、粒子径約2〜5μmの乳化粒子を調製した後、ホモジナイザーなどの乳化機を用いて微細で均一な粒子(例えば、平均粒子径1μm以下、好ましくは0.8μm以下、より好ましくは0.7μm以下)を調製することによって実施される。
斯くして改質アラビアガムを用いて調製されるエマルションは、通常(未処理)のアラビアガムを用いて調製したエマルションと比較して、粒子の平均粒子径が小さく、またその粒度分布が均一であり、かつ、経時的安定性に優れている。また、加熱や長期保存、経時変化などの虐待(過酷条件)により、エマルション粒子同士が、凝集したり、合一して粒子が劣化することが有意に抑制されている。
加熱処理していないアラビアガムを水溶液の状態で、特定温度条件下で保持する処理を行うことによって、乳化力の優れた改質アラビアガムを得ることができる。斯くし
て調製される本発明の改質アラビアガムは、精油、油性色素、油性香料、油溶性ビタミン等の各種の疎水性物質の乳化に好適に使用することができる。本発明の改質アラビアガムを用いて調製されるエマルションは、通常(未処理)のアラビアガムを用いて調製したエマルションと比較して、粒子の粒度分布が均一であり、かつ、加熱や長期保存、経時変化などの虐待(過酷条件)により、エマルション粒子同士が、凝集したり、合一して粒子が劣化することが有意に抑制されており、非常に安定である。よって、この改質アラビアガムは、飲料、菓子、チューイングガム、油性香料、油性色素、油溶性ビタミンなどの乳化剤として好適に利用することができる。
以下、本発明の内容を以下の実験例(試験例、比較例および実施例)を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実験例に何ら制限されるものではない。なお、下記の実験例において、特に記載しない限り、「部」とは「質量部」を、また「%」とは「質量%」を意味するものとする。なお、原料のアラビアガムとしては、スーダン産のAcacia senegalの幹及び枝から採取されたゴム状分泌物の粗粉砕物(平均粒径0.3mm程度、水分含量14%、平均分子量69.8万)を用いた(下記の実験例において「アラビアガム(原料)」と記載する)。
試験例1
アラビアガム(原料)2kgを異なる温度(20〜80℃)の水8kgに投入し、各温度下30分攪拌を行い溶解させ(20質量%アラビアガム水溶液、pH4.2)、25℃の恒温室にて12時間静置した。得られたアラビアガムについて乳化性(平均粒子径)、質量平均分子量ならびにAGP(アラビノガラクタン蛋白質)分子量、及びAGP含量を下記の方法に従って評価した。
<評価方法>
(1)乳化性
得られた20質量%アラビアガム水溶液800gに、中鎖トリグリセライド(商品名:オクタン酸・デカン酸トリグリセライド、O.D.O(日清製油株式会社製))200gを添加混合し、ホモジナイザー(APV GAULIN 社製)にて乳化しエマルションを調製する(圧力44MPa(450kg/cm2)でのホモジナイズを4回)。
得られたエマルションについて、乳化直後および60℃3日間保存後の平均粒子径(μm)を、粒度分布測定装置SALD-1100(レーザー回折式、島津製作所(株)製)を用いて測定する。なお、一般に乳化剤の乳化力は、調製されるエマルションの平均粒子径が小さいほど優れていると評価される(「アラビアゴムで乳化したO/Wエマルションの濁度比法による研究」、薬学雑誌、112(12)906-913,(1992))。また、乳化安定性は、乳化直後と60℃3日間保存後のエマルション粒子の平均粒子径の差で評価した。
(2)質量平均分子量、AGP分子量及びAGP含量
アラビアガムの質量平均分子量、AGP分子量及びAGP含量は、光散乱検出器(MALLS:Multi Angle Laser Light Scattering)、屈折率(RI)検出器及びUV検出器の3つの検出器をオンラインで接続したゲル濾過クロマトグラフィーの手法によって測定し、得られたデータをASTRA Version 4.9(Wyatt Technology)ソフトウエアにて処理することにより求めることができる。なお、当該GPC−MALLS手法によれば、光散乱検出器(MALLS)により分子量を、屈折率(RI)検出器により各成分の質量(組成比)を、さらにUV検出器により蛋白質を検出することができ、分子量既知の標準品と対比することなく分析成分の分子量並びに組成を求めることができる。その詳細な原理や特徴は、「Idris,O.H.M.,Williams,P.A.,Phillips,G.O.,;Food Hydrocolloids,12,375‐388(1998)」に記載されている。
本発明で採用されるGPC−MALLSの測定条件は下記の通りである:
カラム :Superose6 10/300GL (Amersham Biosciences)
流速 :0.5mL/分
溶出溶媒 :0.2M NaCl
試料の調製:分析試料を溶出溶媒(0.2M NaCl)にて希釈した後、0.45μmセルロースアセテートメンブランフィルターにて不溶物を除去した液を測定する。
試料濃度 :0.1%(W/V)
試料液注入量:100μL
dn/dc :0.141
温度 :室温
検出器 :(1)MALLS(multi angle laser light scattering):DAWN EOS(Wyatt Technology 社製,米国)、(2)RI(屈折率)、(3)UV(214nmでの吸収)
<質量平均分子量>
上記条件で、RI検出器によって求められたクロマトグラム上のチャート全体(チャートのベースラインを基線としてRIチャートの立ち上がり部を起点及び降下して基線と交わった部分を終点とした場合に、当該起点から終点までのチャート部を意味する)を1ピークとしてデータ処理して(processesd as one peak)得られる質量換算分子量が、本発明でいう「質量平均分子量(平均MW)」である。乳化力の増加に伴い、質量平均分子量も増加することから、乳化性を評価する一つの指標となるものである。
<AGP分子量及びAGP含量>
上記条件で測定したRIチャートを初めに溶出するRIピーク画分1(ピーク1:高分子溶出画分)とそれ以降に溶出するRIピーク画分2(ピーク2:低分子溶出画分)の2つに分けて、ASTRA Version 4.9 (Wyatt Technology)ソフトウェアにてデータ処理した場合(processed as two peaks)、ピーク1の質量換算分子量が「AGP分子量(AGP−MW)」であり、ピーク1の回収率(%Mass)が、GPC−MALLSに供したアラビアガム中に含まれる「AGP含量(質量%)」に相当する。
より具体的に、アラビアガム原料(Acacia senegal種)をGPC−MALLS法で分析した結果を示すクロマトグラム(図1)に基づいて説明すると、RIチャートのベースラインを基準として、RIチャートの立ち上がり部を起点、RIチャートが降下してベースラインと交わった部分を終点とした場合に、当該起点から終点までの間でRI強度が極小となった点を境として、それより早く溶出したピーク画分が上記でいうRIピーク画分1(ピーク1)であり、それより遅くに溶出したピーク画分が上記でいうRIピーク画分2(ピーク2)である。アラビノガラクタン蛋白質(単に「AGP」という)は、その他アラビノガラクタン(AG)及びグリコプロテイン(GP)と併せてアラビアガムに含まれる3つの主要な構成成分の一つである。乳化力の増加に伴って、アラビアガム中のAGP分子量及びAGP含量が増加することから、アラビアガムの乳化性を評価する一つの指標となりえるものである。
試験例1のアラビアガム溶液のサンプルについて得られた乳化性の評価結果、ならびに質量平均分子量、AGP分子量、及びAGP含量の分析結果について表1に示した。
Figure 2005092930
表1に示したように60℃及び80℃にて溶解したアラビアガム溶液は、25℃で放置しても乳化力の向上を示さず、質量平均分子量ならびにAGP含量の増加もほとんど見られなかった。これに対して60℃以下、例えば20℃にて溶解したアラビアガム溶液を25℃で放置すると、質量平均分子量は69.8万から175万に、AGP分子量が251.7万から804.9万に、AGP含量が13.8%から17.5%に増加するとともに乳化性及び乳化安定性とも大きく向上した。また40℃にて溶解したアラビアガム溶液を25℃で放置すると、質量平均分子量は69.8万から117.1万に、AGP分子量が251.7万から493.2万に、AGP含量が13.8%から17%に増加するとともに乳化性及び乳化安定性とも大きく向上した。
試験例2
アラビアガム(原料)2kgを水8kgに投入し、室温(25℃)下30分の攪拌を行い溶解させ(20質量%アラビアガム水溶液、pH4.2)、下記の温度条件下6〜18時間静置し、試験例1の方法に従い乳化性ならびに質量平均分子量、AGP分子量、AGP含量を測定した。
条件1)5℃
条件2)10℃
条件3) 15℃
条件4) 20℃
条件5) 25℃
条件6) 30℃
条件7) 40℃
条件8) 50℃
条件9) 60℃。
試験例2のアラビアガム水溶液のサンプルについて得られた乳化性の評価結果、ならびに質量平均分子量、AGP分子量、AGP含量の分析結果について表2に示した。
Figure 2005092930
表2の結果より、いずれの温度条件においても18時間の静置により乳化力の向上が認められた。18時間静置で比較すると、15℃〜30℃、好ましくは15℃〜25℃の温度条件にて静置したものは60℃3日間保存後も粒子の変化が見られず優れた乳化安定性を示し、また質量平均分子量とAGP含量も高い値を示した。50℃、60℃の高温条件では質量平均分子量とAGP含量は未改質のものと大きな変化はなく、乳化力の向上もほとんど見られなかった。

試験例3
アラビアガム(原料)を試験例1と同様の方法にて異なる濃度(1〜40%)になるように室温(25℃)下、水に溶解し(pH4.2)、15℃の冷蔵庫にて9〜24時間静置し、試験例1の方法に従い質量平均分子量、AGP分子量ならびにAGP含量を測定した。その分析結果を表3に示した。
Figure 2005092930
表3の結果より、いずれもサンプルも質量平均分子量、AGP分子量、及びAGP含量の増加が認められた。特に5〜30%、好ましくは10〜30%、特に10%から30%の濃度のものは質量平均分子量、AGP分子量、AGP含量の大きな増加が見られた。
試験例4
アラビアガム(原料)2kgを水8kgに投入し、室温(25℃)下30分の攪拌を行い溶解させたものに(20%アラビアガム水溶液、pH4.2)、85%リン酸あるいは5%水酸化ナトリウムを添加し異なるpH(pH3.5〜8.5)に調整し、15℃の冷蔵庫にて6〜18時間静置した。試験例1の方法に従い、乳化性、質量平均分子量、AGP分子量、及びAGP含量を測定した。そのアラビアガム溶液について得られた乳化性の評価結果、ならびに質量平均分子量、AGP分子量、AGP含量の分析結果について表4に示した。
Figure 2005092930
表4の結果よりpHを3.7〜8.5に調整したものについて質量平均分子量、GP分子量、GP含量の増加、並びに乳化性および乳化安定性の向上が見られた。特にpHを4.5〜5.7に調整したものについては6時間の静置で質量平均分子量ならびにAGP含量のより高いアラビアガム溶液が得られ、乳化性および乳化安定性の著明な向上が見られた。

また、さらにpH4.2とpH5.0に調整した溶液については、15℃の冷蔵庫にて1.5〜9時間静置し、経時的にサンプリングを行い、同様の方法に従って乳化性、質量平均分子量、AGP分子量、AGP含量を測定した。そのアラビアガム溶液について得られた乳化性評価の結果、ならびに質量平均分子量、AGP分子量、AGP含量の分析結果について表5に示した
Figure 2005092930
表5の結果よりpH5.0に調整したものについては少なくとも3時間、好ましくは4.5時間の静置を行うことでAGP含量は十分な値にまで増加し、乳化性および乳化安定性の向上が見られた。
試験例5
(1)調製例1
2400L容のステンレス製タンクに室温の水1600kgを量り、攪拌下、粉砕処理したアラビアガム原料400kgを添加し、室温(25℃)条件で30分攪拌混合した(pH4.2)。その後、これに50%水酸化ナトリウム0.8kgを添加し、溶液のpHを4.7とし、水冷式のジャケットに冷却水を通水して、アラビアガム水溶液の品温を15℃に設定し、15℃に維持したまま、6時間保持した。次いで、ジャケットに蒸気を通して60℃に加温し、フィルタープレスにて不純物を除去し80℃30分の殺菌を行った後、スプレードライ(スプレードライ条件:インレット180℃、アウトレット100℃)にて噴霧乾燥し、350kgのスプレードライ粉末を得た。
(2)比較例1
2400L容のステンレス製タンクに80℃の湯水1600kgを量り、攪拌下、粉砕処理したアラビアガム原料400kgを添加し、30分攪拌溶解した。この時の溶液のpHは4.2であった。この溶液をフィルタープレスにて不純物を除去し80℃30分の殺菌を行った後、スプレードライ(スプレードライ条件:インレット180℃、アウトレット100℃)にて噴霧乾燥し、360kgのスプレードライ粉末を得た。
調製例1ならびに比較例1で得られたスプレードライ粉末について試験例1の方法に従い質量平均分子量、AGP分子量、AGP含量を求めると共に、水に溶解して20%水溶液を作製し乳化性試験を行った。その結果を表6に示した。
Figure 2005092930
調製例1で得られた改質アラビアガムのスプレードライ粉末を使用して下記の実施例1〜5を行った。
実施例1 β−カロチン乳化製剤(乳化色素製剤)
改質アラビアガム(スプレードライ粉末)170gを水680gに溶解し、20質量%のアラビアガム水溶液を調製した。これを乳化剤として用いて、これに、予めβ−カロチン30%懸濁液50gに中鎖トリグリセライド(オクタン酸・デカン酸トリグリセライド、O.D.O(商品名、日清製油株式会社製))100gを配合して150℃にて加熱して溶解しておいた混合液を添加し、攪拌混合した。これをホモジナイザー(APV GAULIN社製)にて乳化し(圧力4.4MPa(450kg/cm)でのホモジナイズを4回)、乳化色素製剤であるβ−カロチン乳化製剤を調製した。
実施例2 オレンジ乳化香料(乳化香料)
改質アラビアガム(スプレードライ粉末)170gを水680gに溶解し、20質量%のアラビアガム水溶液を調製した。これを乳化剤として、これに、予めオレンジ香料20gと中鎖トリグリセライド(オクタン酸・デカン酸トリグリセライド、O.D.O(商品名、日清製油株式会社製))130gを室温下でよく混合して調製しておいた混合液を添加し、攪拌混合した。これをホモジナイザー(APV GAULIN社製)にて乳化し(圧力4.4MPa(450kg/cm)でのホモジナイズを4回)、乳化香料であるオレンジ乳化香料を調製した。
実施例3 DHA(ドコサヘキサエン酸)乳化製剤
改質アラビアガム(スプレードライ粉末)170gを水680gに溶解し、20質量%のアラビアガム水溶液を調製した。これを乳化剤として、これに、予めDHA 20質量%含有魚油50gと中鎖トリグリセライド(オクタン酸・デカン酸トリグリセライド、O.D.O(商品名、日清製油株式会社製))100gとの混合物を80℃に加熱し、混合して調製しておいた混合液を添加し、攪拌混合した。これをホモジナイザー(APV GAULIN社製)にて乳化し(圧力4.4MPa(450kg/cm)でのホモジナイズを4回)、DHA乳化製剤を調製した。
実施例4 レモン粉末香料
粉末化した改質アラビアガム(スプレードライ粉末)200gとデキストリン600gを水1500gに溶解し、アラビアガム水溶液を調製する。これを乳化剤として、これにレモンオイル200gを添加し、攪拌混合する。これをホモジナイザー(APV GAULIN社製)にて乳化する(圧力2.0MPa(200kg/cm)でのホモジナイズを1回)。次いで、この溶液をスプレードライヤー(ANHYDRO社製)(インレット 140℃、アウトレット 80℃)にて噴霧乾燥し、レモン粉末香料950gを調製する。
実施例5(コーティング)チューインガム
改質アラビアガム(スプレードライ粉末)800g、キシリトール600g、二酸化チタン25gを1kgの水に溶解し、80℃で加熱処理し、ガムシロップを調製する。コーティングパンの中に2kgのチューインガムセンターを入れ、乾燥した空気を吹き付けながら回転させ、ガムシロップを少しずつ添加して、完全に乾燥させてチューインガムをコーティングした。
アラビアガム原料(Acacia senegal種)をGPC−MALLS法で分析した結果を示すクロマトグラムである。RIチャートのベースラインを基準として、RIチャートの立ち上がり部を起点、RIチャートが降下してベースラインと交わった部分を終点とした場合に、当該起点から終点までの間でRI強度が極小となった点を境として、それより早く溶出したピーク画分をRIピーク画分1(ピーク1)、それより遅くに溶出したピーク画分をRIピーク画分2(ピーク2)とする。

Claims (16)

  1. 加熱処理されていないアラビアガムを水溶液にする工程、および該水溶液を60℃未満にて保持する工程を有するアラビアガムの改質方法。
  2. アラビアガム水溶液の濃度が50質量%以下である請求項1記載のアラビアガムの改質方法。
  3. アラビアガム水溶液の濃度が10〜30質量%である請求項1記載のアラビアガムの改質方法。
  4. アラビアガム水溶液の保持温度が5〜40℃である請求項1記載のアラビアガムの改質方法。
  5. 水溶液を60℃未満に保持する時間が6時間以上である請求項1記載のアラビアガムの改質方法。
  6. 水溶液のpHが4.5〜6であり、60℃未満に保持する時間が3時間以上である請求項1記載のアラビアガムの改質方法。
  7. 加熱処理されていないアラビアガムを60℃未満の温度条件下で水溶液にする工程を有する請求項1記載のアラビアガムの改質方法。
  8. 温度条件が10〜50℃である請求項7記載のアラビアガムの改質方法。
  9. アラビアガムの乳化力向上方法である請求項1に記載のアラビアガムの改質方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載される方法によって得られる改質アラビアガム。
  11. 加熱処理されていないアラビアガムがAcacia senegal種に属するアラビアガムであり、請求項1に記載される方法によって得られる改質アラビアガムの質量平均分子量が150万以上である請求項10記載の改質アラビアガム。
  12. 請求項1乃至9のいずれかに記載される方法によって得られる改質アラビアガムを有効成分とする乳化剤。
  13. 請求項1乃至9のいずれかに記載される方法によって得られる改質アラビアガムを乳化剤として用いて、親水性溶媒に疎水性物質を分散させるか、または疎水性溶媒に親水性物質を分散させる工程を有するエマルションの調製方法。
  14. エマルションが、精油、油性香料、油性色素、油溶性ビタミン、多価不飽和脂肪酸、動植物油、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び中鎖トリグリセライドよりなる群から選択される少なくとも1種の疎水性物質を分散質として有するO/W型またはW/O/W型のエマルションである請求項13に記載のエマルションの調製方法。
  15. 請求項13に記載される方法によって調製されるエマルション。
  16. 精油、油性香料、油性色素、油溶性ビタミン、多価不飽和脂肪酸、動植物油、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び中鎖トリグリセライドよりなる群から選択される少なくとも1種の疎水性物質を分散質として有するO/W型またはW/O/W型のエマルションである請求項15に記載のエマルション。
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