JPWO2005085538A1 - 水洗大便器 - Google Patents

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Abstract

ジェット孔への給水量とリム部への給水量を独立に制御することができる水洗大便器を提供する。本発明は、洗浄水タンクから洗浄水を給水する水洗大便器(1)であって、底部にジェット孔(6)が形成されたボール部(2)と、ジェット孔から給水すべき洗浄水を貯水するジェット用タンク(10)と、このジェット用タンクに設けられたジェット用排水弁(14)と、このジェット用排水弁を通過した洗浄水をジェット孔に導くジェット用導水路(18)とを有する。さらに、水洗大便器(1)は、ボール部の上部に設けられたリム部(4)と、リム部から給水すべき洗浄水を貯水するリム用タンク(8)と、このリム用タンクに設けられたリム用排水弁(12)と、このリム用排水弁を通過した洗浄水をリム部に導くリム用導水路(16)と、を有することを特徴としている。

Description

本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水を洗浄水タンクから供給する水洗大便器に関する。
水道から供給された洗浄水を洗浄水タンクに溜め、このタンク内の洗浄水を流すことによってボール部を洗浄するタンク式の水洗大便器が広く普及している。ボール部上方のリム部及びジェット孔から洗浄水を吐水させることによってボール部を洗浄するこのタイプの水洗大便器では、洗浄水タンク内の洗浄水をリム部及びジェット孔に分岐させて供給している。即ち、洗浄操作により、洗浄水タンクの底部に設けられた排水弁が開かれると、洗浄水は、水洗大便器本体に形成された給水室に流入する。この給水室はリム導水路及びジェット導水路に連通しており、給水室に流入した洗浄水は、リム導水路及びジェット導水路に分岐して流れ、リム給水及びジェット給水が行われる。
しかしながら、洗浄水タンクからの洗浄水を分岐させて給水を行う水洗大便器では、洗浄水を供給する導水路が複雑であるため、導水路の流路抵抗が大きくなる。このため、洗浄水タンクに溜められる洗浄水の水位を十分に高くしておき、導水路で圧力損失が生じても十分な水勢でジェット孔から洗浄水を吐出できるようにする必要がある。従って、このタイプの水洗大便器では、所謂ローシルエット形の水洗大便器を実現することが困難である。なお、本明細書においては、タンク上面の高さがリム部上面から約200mm以下の水洗大便器をローシルエット形の水洗大便器と呼んでいる。
特開平7−180202号公報(特許文献1)には、ジェット孔に給水するためのジェット用排水弁と、リム部に給水するためのリム用排水弁を設けた給水構造を備えた水洗大便器が記載されている。この水洗大便器では、ジェット用の排水弁とリム用の排水弁を別に設けることにより導水路を単純にして、導水路の流体抵抗を低減している。
特開平7−180202号公報
しかしながら、特開平7−180202号公報に記載の水洗大便器では、単一の洗浄水タンクに2つの排水弁を設けているため、ジェット孔への給水とリム部への給水が互いに干渉し合い、ジェット孔への給水量とリム部への給水量を適正な割合に設定することが困難である。このため、少ない洗浄水量で効果的な洗浄を行うことが難しいという問題がある。
また、特開平7−180202号公報に記載の水洗大便器では、リム用の排水弁及びジェット用の排水弁を、少なくともリム部の射水孔よりも高い位置に配置する必要があるため、ローシルエットタイプの水洗大便器を設計することが困難であるという問題がある。
従って、本発明は、洗浄水タンクから供給する洗浄水のジェット孔への給水量とリム部への給水量を独立に制御して少ない洗浄水量で効果的な洗浄を行うことができる水洗大便器を提供することを目的としている。
本発明は、洗浄水タンクを有する水洗大便器のローシルエット形を容易に実現することができる水洗大便器を提供することを目的としている。
本発明は、洗浄水タンクから洗浄水を給水する水洗大便器であって、洗浄水を吐出させるジェット孔がその底部に形成されたボール部と、ジェット孔から給水すべき洗浄水を貯水するジェット用洗浄水タンクと、このジェット用洗浄水タンクに設けられ、ジェット孔への洗浄水の供給と止水とを行うジェット用排水弁と、このジェット用排水弁を通過した洗浄水をジェット孔に導くジェット用導水路と、ボール部の上部に設けられ、洗浄水をボール部に流下させるリム部と、リム部に供給される洗浄水を貯水するリム用洗浄水タンクと、このリム用洗浄水タンクに設けられ、リム部への洗浄水の供給と止水とを行うリム用排水弁と、このリム用排水弁を通過した洗浄水をリム部に導くリム用導水路と、を有することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、ジェット孔から吐出される洗浄水はジェット用洗浄水タンクからジェット用排水弁、ジェット用導水路を介して供給され、リム部から吐出される洗浄水はリム用洗浄水タンクからリム用排水弁、リム用導水路を介して供給される。
このように構成された本発明によれば、ジェット孔からの吐水とリム部からの吐水の吐水量、吐水を開始するタイミング等を容易に独立して設定することが可能になる。
本発明において、好ましくは、リム用排水弁は、リム部上面の高さよりも高い位置に配置され、ジェット用排水弁は、リム部上面の高さよりも低く、ジェット孔よりも高い位置に配置されている。
このように構成された本発明によれば、ジェット用洗浄水タンクをリム部上面よりも低い位置にも配置することができるので、リム部上面よりも下の空間をジェット用洗浄水タンクとして利用することが可能となる。このため、ローシルエット形の水洗大便器を容易に実現することが可能になる。
本発明において、好ましくは、さらに、ジェット用洗浄水タンク内の水位がリム部上面の高さよりも低く設定された所定の水位になったとき給水を停止するように構成された給水バルブを有し、ジェット用排水弁が、所定の水位よりも低い位置に配置されている。
このように構成された本発明によれば、水洗大便器の詰まり等の原因により、ジェット用排水弁が閉鎖しなくなった場合にも、リム部上面の高さよりも低い水位でジェット用洗浄水タンク内への給水が停止されるので、洗浄水がボール部からリム部上面を越えて溢れ出すことがない。これにより、水洗大便器が設置された建築物の床等を汚損するのを防止することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、リム用洗浄水タンクの水位が所定の貯水高さよりも高くなったとき、所定の貯水高さを超えた分の洗浄水をリム用洗浄水タンクからジェット用洗浄水タンクに洗浄水を移送する移送手段と、リム用洗浄水タンクに給水を行い、ジェット用洗浄水タンクの水位が、リム用洗浄水タンクの貯水高さよりも低い位置に設定された所定の水位になったとき給水を停止するように構成された給水バルブと、を有する。
このように構成された本発明においては、洗浄水は、給水バルブを介して、まずリム用洗浄水タンクに供給される。次いで、リム用洗浄水タンク内の水位が上昇し、所定の貯水高さよりも水位が高くなると、リム用洗浄水タンクに供給された所定の貯水高さを超えた分の洗浄水は移送手段によってジェット用洗浄水タンクに移送される。移送手段から移送された洗浄水により、ジェット用洗浄水タンク内の水位が上昇し、所定の水位に到達すると、給水バルブは給水を停止する。
このように構成された本発明によれば、一つの給水バルブでリム用洗浄水タンク及びジェット用洗浄水タンクの水位を設定することができる。
本発明において、好ましくは、リム用洗浄水タンクはジェット用洗浄水タンクよりも高い位置に配置され、移送手段はリム用洗浄水タンクの貯水高さに形成された切欠であり、この切欠から溢れ出た洗浄水が上記ジェット用洗浄水タンクに流入する。
このように構成された本発明においては、洗浄水は、給水バルブを介してリム用洗浄水タンクに供給され、リム用洗浄水タンク内の水位が上昇して所定の貯水高さよりも水位が高くなると、洗浄水は、切欠を通ってリム用洗浄水タンクに溢れ出す。
このように構成された本発明によれば、容易に形成することができる切欠により、リム用洗浄水タンク内洗浄水をジェット用洗浄水タンクに移送することができると共に、リム用洗浄水タンクの貯水高さを正確に設定することができる。
本発明において、好ましくは、ジェット用洗浄水タンク、及びリム用洗浄水タンクは、ボール部、ジェット用導水路、リム部、及びリム用導水路と共に陶器で一体に構成されている。
このように構成された本発明によれば、リム用洗浄水タンク及びジェット用洗浄水タンクを安価に形成することができる。
本発明において、好ましくは、ジェット用洗浄水タンクは陶器で構成され、リム用洗浄水タンクは樹脂で構成されている。
このように構成された本発明によれば、リム用洗浄水タンクは別体として形成されるので、ジェット用洗浄水タンクに取り付けるべき部品を取り付けた後に、リム用洗浄水タンクを配置することができるので、水洗大便器の組立性を向上させることができる。
本発明の水洗大便器によれば、洗浄水タンクからのジェット孔への給水量とリム部への給水量を独立に制御することができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態の水洗大便器を説明する。
まず、図1乃至図3を参照して、本発明の第1実施形態の水洗大便器を説明する。図1は本発明の第1実施形態の水洗大便器の上面図を示す。図2(a)は図1の2a−2a線に沿って切断された側面断面図を示し、図2(b)は図1の2b−2b線に沿って切断された側面断面図を示す。
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態の水洗大便器1は、ボール部2と、このボール部2の上端の周囲に形成されたリム部4と、ボール部2の底部に形成されたジェット孔6と、ボール部2の底部に連通し、排水配管に接続されるトラップ管路7と、を有する。さらに、水洗大便器1は、リム部4に給水する洗浄水を溜めるリム用洗浄水タンク8と、ジェット孔6に給水する洗浄水を溜めるジェット用洗浄水タンク10と、リム用洗浄水タンク8に設けられたリム用排水弁12と、ジェット用洗浄水タンク10に設けられたジェット用排水弁14と、を有する。また、水洗大便器1は、リム用洗浄水タンク8内の洗浄水をリム部4に導くリム用導水路16と、ジェット用洗浄水タンク10内の洗浄水をジェット孔6に導くジェット用導水路18と、を有する。また、本実施形態において、ボール部2、リム部4、ジェット孔6、トラップ管路7、リム用洗浄水タンク8、ジェット用洗浄水タンク14、リム用導水路16、及びジェット用導水路18は、陶器で成形されている。
ボール部2は、水洗大便器1の前方部分に形成されており、その上端開口部の周囲にはリム部4が形成され、底部には、水洗大便器1の後方に向けてジェット孔6が形成されている。また、ボール部2の底部の、ジェット孔6の向かい側には、トラップ管路7が接続されている。
リム部4は、ボール部2の上端開口部の周囲に、棚状の水路として形成されている。リム部4は、給水された洗浄水が、棚状の水路を通って旋回しながら少しずつ下方のボール部2の中へ流れ込み、ボール部2の側壁全体を洗浄しながらボール部2の底部に流れ落ちるように構成されている。なお、本明細書においてリム部とは、本実施形態のような、ボール部の中に旋回流を起こしてボール部を洗浄する棚状の水路、或いは、ボール部の周囲に形成された箱状の通水路の底壁面に多数の射水孔を設けた所謂ボックスリム等、上方から洗浄水を流してボール部を洗浄する種々の構造を意味するものとする。また、リム部上面とはリム部の上側の端面であり、その高さL1以上にボール部内の水位が上昇するとボール部から洗浄水が溢れ出す面を意味するものとする。
トラップ管路7は、ボール部2の底部と連通し、ボール部2から後方へ延びるように構成されている。トラップ管路7は、ボール部2の底部から斜め上方に延び、トラップ管路7の最高点である高さL2のトラップ頂部7aを通って、鉛直下方に延びている。トラップ管路7の出口は、床面に設けられた排水配管(図示せず)に接続される。
リム用洗浄水タンク8は、水洗大便器1の後方に形成されている。リム用洗浄水タンク8は、その底面がリム部4の棚状の面よりも高い位置に配置されている。リム用洗浄水タンク8の底面には、リム用排水弁12が設けられている。リム用排水弁12の下側には、リム用導水路16が形成されており、リム用排水弁12を通過した洗浄水はリム用導水路16に流入する。リム用導水路16は、リム用洗浄水タンク8の下部から、ボール部2に向って前方へほぼ水平に延び、ボール部2の縁部付近で左右に分岐するように形成されている。分岐した一方のリム用導水路16は第1リム吐水口16aに連通し、他方のリム用導水路16は第2リム吐水口16bに連通している。第1リム吐水口16aは、ボール部2の側部に、前方に向けて開口しており、第2リム吐水口16bは、第1リム吐水口16aとは反対側のボール部2の側部後方に、後方に向けて開口している。
ジェット用洗浄水タンク10は、水洗大便器1の後方に、リム用洗浄水タンク8よりも大きく形成されている。ジェット用洗浄水タンク10は、その底面がリム部4の棚状の面よりも高い位置に配置されている。ジェット用排水弁14が、ジェット用洗浄水タンク10の底面に設けられており、このジェット用排水弁14は、リム用排水弁12よりも大きく形成されている。ジェット用排水弁14の下側には、ジェット用導水路18が形成されており、ジェット用排水弁14を通過した洗浄水はジェット用導水路18に流入し、ジェット孔6から吐水される。ジェット用導水路18は、ジェット用排水弁14の下部から前方に向けて斜め下方に延び、後方に向けて開口したジェット孔6にUターンして連通するように形成されている。
また、リム用排水弁12及びジェット用排水弁14には、玉鎖12a、14aが夫々接続されている。水洗大便器1の使用者が洗浄操作を行うと、排水弁操作機構(図示せず)によって玉鎖12a、14aが上方に引き上げられ、リム用排水弁12及びジェット用排水弁14が夫々開放されるように構成されている。
次に、図1乃至図3を参照して、本発明の第1実施形態の水洗大便器1の作用を説明する。図3は、水洗大便器1の使用者が洗浄操作を行ったときに、リム用排水弁12及びジェット用排水弁14が開放されるタイミングを示すグラフである。
まず、洗浄操作を行っていない状態においては、図2(a)(b)に示すように、水洗大便器1のボール部2には、トラップ管路7のトラップ頂部7aの高さまで、洗浄水が溜まっている。また、リム用洗浄水タンク8及びジェット用洗浄水タンク10には、所定の水位まで洗浄水が貯水されている。次に、水洗大便器1の使用者が洗浄操作を行うと、排水弁操作機構(図示せず)によって各排水弁に連結された玉鎖12a、14aが夫々上方に引き上げられ、これによりリム用排水弁12及びジェット用排水弁14も上方に引き上げられて各排水弁が開放される。ここで、ジェット用排水弁14に接続されている玉鎖14aは、リム用排水弁12に接続されている玉鎖12aよりも長くされている。このため、洗浄操作によって玉鎖12a、14aを同時に引き上げると、図3に示すように、まずリム用排水弁12が開放され、少し遅れてジェット用排水弁14が開放される。
まず、リム用排水弁12が開放されると、洗浄水がリム用洗浄水タンク8からリム用導水路16に流入し、第1リム吐水口16a及び第2リム吐水口16bから夫々吐水される。第1リム吐水口16a及び第2リム吐水口16bから夫々吐水された洗浄水は、リム部4を伝わりながらボール部2内を旋回し、ボール部2の壁面を洗浄しながらボール部2の底部に流れ込む。リム部4からの洗浄水の流れによって、ボール部2の溜水に浮遊していた汚物等がボール部2の中央部に集められる。
リム用排水弁12の開放から少し遅れてジェット用排水弁14が開放されると、ジェット用洗浄水タンク10内の洗浄水が、ジェット用導水路18に流入し、ジェット孔6から吐出される。リム部4及びジェット孔6からボール部2に洗浄水が流入し、ボール部2内の水位が上昇すると、洗浄水はトラップ管路7のトラップ頂部7aを越えて排水管路(図示せず)の方に排出される。この流れによってトラップ管路7内に洗浄水が充満するとサイホン作用によってボール部2内の洗浄水がトラップ管路7の方に吸引される。これにより、ボール部2の底部に沈んでいた汚物及びボール部2の中央部に集められた浮遊汚物が洗浄水と共に吸引され、トラップ管路7を通って排水配管(図示せず)に排出される。
リム用洗浄水タンク8内の洗浄水が、開放されたリム用排水弁12を通って排水され、リム用導水路16内の洗浄水もなくなると、リム用排水弁12に浮力が働かなくなるので、図3に示すように、重力によりリム用排水弁12が閉鎖される。次いで、ジェット用洗浄水タンク10内の洗浄水が、開放されたジェット用排水弁14を通って排水されると、ジェット用排水弁14も閉鎖される。本実施形態においては、ジェット用洗浄水タンク10がリム用洗浄水タンク8よりも大きく形成されており、ジェット用洗浄水タンク10内の洗浄水が排出されるのに長い時間を要するので、図3に示すように、ジェット用排水弁14はリム用排水弁12よりも長い時間開放された後、閉鎖される。
サイホン作用の終了後、ジェット孔6及びリム部4からボール部2に流入した洗浄水によりボール部2内の水位が上昇し、図2に示す初期の水位に復帰する。また、リム用洗浄水タンク8及びジェット用洗浄水タンク10には、夫々、給水バルブ(図示せず)を介して新たな洗浄水が水道から供給され、リム用洗浄水タンク8内の水位及びジェット用洗浄水タンク10内の水位が夫々所定の水位に達すると給水バルブが閉鎖されて1回の洗浄作用が終了する。
本発明の第1実施形態の水洗大便器1によれば、リム給水用のリム用洗浄水タンクとジェット給水用のジェット用洗浄水タンクが独立して設けられているので、リム部から吐水される水量とジェット孔から吐水される水量を、自由に設定することが可能になる。これにより、水洗大便器本体の特性に合わせてより効果的に洗浄を行えるように、各排水弁を開放するタイミングや、リム部及びジェット孔からの洗浄水の時間当たりの流量、洗浄水吐出の持続時間を自由に設定することが可能になり、無駄な水量を使わずに効率の良い洗浄が可能となる。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の第2実施形態の水洗大便器を説明する。本発明の第2実施形態の水洗大便器は、ジェット用洗浄水タンク、リム用洗浄水タンク及びそれらに夫々設けられた各排水弁の配置が、第1実施形態とは異なる。従ってここでは、本実施形態の水洗大便器の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成を有する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図4は本発明の第2実施形態の水洗大便器の上面図であり、図5は図4のV−V線に沿って切断された断面図である。図4及び図5に示すように、本発明の第2実施形態の水洗大便器20は、ボール部2と、リム部4と、ジェット孔6と、トラップ管路7と、を有する。さらに、水洗大便器20は、リム部4に給水する洗浄水を溜めるリム用洗浄水タンク22と、ジェット孔6に給水する洗浄水を溜めるジェット用洗浄水タンク24と、リム用洗浄水タンク22に設けられたリム用排水弁12と、ジェット用洗浄水タンク24に設けられたジェット用排水弁14と、を有する。また、水洗大便器20は、リム用洗浄水タンク22内の洗浄水をリム部4に導くリム用導水路16と、ジェット用洗浄水タンク24内の洗浄水をジェット孔6に導くジェット用導水路18と、を有する。また、本実施形態において、ボール部2、リム部4、ジェット孔6、トラップ管路7、リム用洗浄水タンク22、ジェット用洗浄水タンク24、リム用導水路16、及びジェット用導水路18は、陶器で一体成形されている。
リム用洗浄水タンク22は、水洗大便器20の後方、中央部に形成されている。リム用洗浄水タンク22は、その底面がリム部4の上面の高さL1とほぼ等しい高さに配置されている。リム用洗浄水タンク22の底面には、高さL1よりも僅かに高い位置にリム用排水弁12が設けられている。リム用排水弁12の下側には、リム用導水路16が形成されており、リム用排水弁12を通過した洗浄水はリム用導水路16に流入する。リム用導水路16は、リム用洗浄水タンク22の下部から、ボール部2に向って前方へほぼ水平に延び、ボール部2の縁部付近で左右に分岐するように形成されている。分岐した一方のリム用導水路16は第1リム吐水口16aに連通し、他方のリム用導水路16は第2リム吐水口16bに連通している。
ジェット用洗浄水タンク24は、水洗大便器20の後方、リム用洗浄水タンク22の下方に配置されている。ジェット用洗浄水タンク24の容量は、リム用洗浄水タンク22よりも大きく形成されている。ジェット用排水弁14が、ジェット用洗浄水タンク24内に設けられ、このジェット用排水弁14は、高さL1よりも低く、トラップ管路7のトラップ頂部の高さL2よりも高い位置に配置されている。また、ジェット用排水弁14は、ジェット孔6に大きな瞬間流量の洗浄水を供給するために、リム用排水弁12よりも大きく形成されている。ジェット用排水弁14の下側には、ジェット用導水路18が形成されており、ジェット用排水弁14を通過した洗浄水はジェット用導水路18に流入し、ジェット孔6から吐水される。
また、リム用洗浄水タンク22の内部には、リムタンク用給水バルブ25が配置されている。このリムタンク用給水バルブ25は、リム用洗浄水タンク22内の水位が所定の水位に達するまで、洗浄水をリム用洗浄水タンク22に供給するように構成されている。さらに、ジェット用洗浄水タンク24の内部には、ジェットタンク用給水バルブ26が配置されている。このジェットタンク用給水バルブ26は、ジェット用洗浄水タンク24内の水位が、リム部4の上面の高さL1よりも低く設定されている所定の水位に達するまで、洗浄水をジェット用洗浄水タンク24に供給するように構成されている。
また、ジェット用洗浄水タンク24の上部側面には、使用者が洗浄操作を行うための操作ハンドル28aが回動可能に取り付けられている。さらに、ジェット用洗浄水タンク24の上部には、クランク状に折り曲げられたシャフト28bが、ジェット用洗浄水タンク24を横断するように回動自在に取り付けられている。操作ハンドル28a及びシャフト28bは、使用者が操作ハンドル28aを回動操作すると、シャフト28bも回動されるように形成されており、これらは排水弁操作機構を構成する。
また、リム用排水弁12及びジェット用排水弁14には、玉鎖12a、14aが夫々接続されている。これらの玉鎖12a、14aの他方の端は、ジェット用洗浄水タンク24の上部に配置されたシャフト28bのクランク部に接続されている。このため、シャフト28bが回動操作されると、玉鎖12a、14aが上方に引き上げられ、リム用排水弁12及びジェット用排水弁14が夫々開放されるようになっている。
さらに、リム用排水弁12及びジェット用排水弁14に隣接して、オーバーフロー管12b、14bが設けられている。これにより、給水バルブ等のトラブルによりリム用洗浄水タンク22又はジェット用洗浄水タンク24内の水位が所定の設定水位よりも高くなった場合、タンク内の洗浄水は、各排水弁をバイパスし、オーバーフロー管12b、14bを通ってボール部2の中に排出される。
次に、本発明の第2実施形態の水洗大便器20の作用を説明する。
まず、洗浄操作を行っていない状態においては、水洗大便器20のボール部2には、トラップ管路7のトラップ頂部7aの高さL2まで、洗浄水が溜まっている。また、リム用洗浄水タンク22及びジェット用洗浄水タンク24には、所定の水位まで洗浄水が貯水されている。次に、水洗大便器20の使用者が操作ハンドル28aを回動させ、洗浄操作を行うと、シャフト28bも回動される。シャフト28bが回動されると、シャフト28bに連結された玉鎖12a、14aが夫々上方に引き上げられ、これによりリム用排水弁12及びジェット用排水弁14も上方に引き上げられて各排水弁が開放される。各排水弁が開放されるタイミングは、玉鎖12a、14aの長さ、及びシャフト28bに形成されたクランク部の長さ、角度によって任意に設定することができる。
リム用排水弁12及びジェット用排水弁14が開放された後の、ボール部の洗浄作用は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
洗浄作用終了後、リム用洗浄水タンク22及びジェット用洗浄水タンク24には、給水バルブ25、26を介して夫々新たな洗浄水が水道から供給され、リム用洗浄水タンク22内の水位及びジェット用洗浄水タンク24内の水位が夫々所定の水位に達すると各給水バルブが閉鎖されて1回の洗浄作用が終了する。
リム用洗浄水タンク22及びリム用排水弁12は、第1リム吐水口16a及び第2リム吐水口16bよりも高い位置に配置されているため、各リム吐水口とリム用洗浄水タンク22内の水位との間のヘッド差に応じた水圧で、リム用洗浄水タンク22の洗浄水が各リム吐水口から吐水される。また、リム用排水弁12は、リム部上面の高さL1よりも高い位置に配置されているため、何らかの原因によりボール部2内の洗浄水の水位がリム部上面付近まで上昇した場合にも、リム用排水弁12は確実に閉鎖される。これにより、洗浄操作の後、リム用排水弁12が開放したままになり、リム用洗浄水タンク22に給水された洗浄水がボール部2に流れ込んでボール部2を溢れさせることがなく、水洗大便器を設置した建築物が汚損されるのを防止することができる。
また、ジェット用洗浄水タンク24は、ジェット孔6よりも高い位置に配置されているため、ジェット孔6とジェット用洗浄水タンク24内の水位との間のヘッド差に応じた水圧で、ジェット用洗浄水タンク24内の洗浄水がジェット孔6から吐水される。さらに、ジェット用洗浄水タンク24は、リム用洗浄水タンク22及びリム部上面の高さL1よりも低い位置に配置されているので、リム部上面よりも下側の空間を洗浄水用のタンクとして活用することができ、ローシルエットタイプのタンク式水洗大便器を容易に実現することが可能になる。また、ジェット用洗浄水タンク24に洗浄水を溜める設定水位を、リム部上面の高さL1よりも低い位置に設定することにより、ジェット用洗浄水タンク24内に溜められた洗浄水が、ボール部2から溢れ出るのを防止することができ、水洗大便器を設置した建築物が汚損されることがない。
本発明の第2実施形態によれば、リム部、ジェット孔ともタンクから洗浄水が供給されるタンク式水洗大便器において、ローシルエット形の水洗大便器を容易に実現することができる。
なお、上述した実施形態では、各排水弁を、排水弁操作機構に連結された玉鎖によって上方に引き上げて開放させていたが、変形例として、各排水弁に連結された玉鎖を電気的に駆動されるアクチュエータによって引き上げて各排水弁を開放させても良い。この構成によれは、各排水弁を開閉するタイミングを、より自由に設定することが可能になる。或いは、各排水弁として、電気的に操作される電磁弁を使用しても良い。
次に、図6及び図7を参照して、本発明の第3実施形態の水洗大便器を説明する。本発明の第3実施形態の水洗大便器は、ジェット用洗浄水タンク、リム用洗浄水タンクへの給水機構が、第2実施形態とは異なる。従ってここでは、本実施形態の水洗大便器の、第1、第2実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成を有する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図6は本発明の第3実施形態の水洗大便器の上面図であり、図7は図6のVII−VII線に沿って切断された断面図である。図6及び図7に示すように、本発明の第3実施形態の水洗大便器30は、ボール部2と、リム部4と、ジェット孔6と、トラップ管路7と、を有する。さらに、水洗大便器30は、リム部4に給水する洗浄水を溜めるリム用洗浄水タンク32と、ジェット孔6に給水する洗浄水を溜めるジェット用洗浄水タンク34と、リム用洗浄水タンク32に設けられたリム用排水弁12と、ジェット用洗浄水タンク34に設けられたジェット用排水弁14と、を有する。また、水洗大便器30は、リム用洗浄水タンク32内の洗浄水をリム部4に導くリム用導水路16と、ジェット用洗浄水タンク34内の洗浄水をジェット孔6に導くジェット用導水路18と、を有する。また、本実施形態において、ボール部2、リム部4、ジェット孔6、トラップ管路7、リム用洗浄水タンク32、ジェット用洗浄水タンク34、リム用導水路16、及びジェット用導水路18は、陶器で成形されている。さらに、リム用洗浄水タンク32には、リム用洗浄水タンク32に給水された洗浄水を、ジェット用洗浄水タンク34に移送する移送手段である切欠38が形成されている。
リム用洗浄水タンク32は、水洗大便器30の後方、中央部に形成されている。リム用洗浄水タンク32は、その底面がリム部4の上面の高さL1とほぼ等しい高さに配置されている。リム用洗浄水タンク32の側壁面の一方には、高さL3の位置に切欠38が形成されており、リム用洗浄水タンク32内の水位が高さL3よりも高くなると、リム用洗浄水タンク32から溢れた洗浄水が切欠38を通って下方に配置されたジェット用洗浄水タンク34に流入するように構成されている。リム用洗浄水タンク32の底面には、高さL1よりも僅かに高い位置にリム用排水弁12が設けられている。リム用排水弁12の下側には、リム用導水路16が形成されており、リム用排水弁12を通過した洗浄水はリム用導水路16に流入する。リム用導水路16は、リム用洗浄水タンク32の下部から、ボール部2に向って前方へほぼ水平に延び、ボール部2の縁部付近で左右に分岐するように形成されている。分岐した一方のリム用導水路16は第1リム吐水口16aに連通し、他方のリム用導水路16は第2リム吐水口16bに連通している。
ジェット用洗浄水タンク34は、水洗大便器30の後方、リム用洗浄水タンク32の下方に配置されている。ジェット用洗浄水タンク34の容量は、リム用洗浄水タンク32よりも大きく形成されている。ジェット用排水弁14が、ジェット用洗浄水タンク34の下部の、高さL1よりも低く、トラップ管路7のトラップ頂部の高さL2よりも高い位置に設けられている。このジェット用排水弁14は、リム用排水弁12よりも大きく形成されている。ジェット用排水弁14の下側には、ジェット用導水路18が形成されており、ジェット用排水弁14を通過した洗浄水はジェット用導水路18に流入し、ジェット孔6から吐水される。
さらに、ジェット用洗浄水タンク34の内部には、ジェットタンク用給水バルブ36が配置されている。このジェットタンク用給水バルブ36は、ジェット用洗浄水タンク34内の水位が、リム部4の上面の高さL1よりも低く設定されている所定の水位L4に達するまで、洗浄水を供給するように構成されている。ジェットタンク用給水バルブ36には、ジェット用洗浄水タンク34を横断するように、リム用洗浄水タンク32の上方に延びる給水管40が接続されている。ジェットタンク用給水バルブ36を通過した洗浄水は、給水管40を通ってリム用洗浄水タンク32の上方に達し、給水管40の流出口40aからリム用洗浄水タンク32内に流入する。
次に、本発明の第3実施形態の水洗大便器30の作用を説明する。
まず、洗浄操作を行っていない状態においては、水洗大便器30のボール部2には、トラップ管路7のトラップ頂部7aの高さL2まで、洗浄水が溜まっている。また、リム用洗浄水タンク32には高さL3まで、ジェット用洗浄水タンク34には高さL4の水位まで、洗浄水が貯水されている。次に、水洗大便器30の使用者が洗浄操作を行うと、排水弁操作機構(図示せず)が玉鎖12a、14aを夫々上方に引き上げ、各排水弁が開放される。各排水弁が開放されるタイミングは、玉鎖12a、14aの長さ、及び排水弁操作機構によって任意に設定することができる。
リム用排水弁12及びジェット用排水弁14が開放された後の、ボール部の洗浄作用は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
次に、各タンクに対する給水について説明する。
ジェット用排水弁14が開放され、ジェット用洗浄水タンク34内の水位が低下すると、ジェットタンク用給水バルブ36に備えられたフロート36aが下方に下がり、ジェットタンク用給水バルブ36が開いて給水が開始される。ジェットタンク用給水バルブ36が開くと、水道から供給された洗浄水は、給水管40を通って給水管40の流出口40aから流出し、リム用洗浄水タンク32の中に流入する。水道から供給された洗浄水は、まずリム用洗浄水タンク32に流入するので、この時点では、ジェット用洗浄水タンク34への給水は行われず、ジェット用洗浄水タンク34の水位は上昇しない。リム用洗浄水タンク32内の水位が上昇し、高さL3に達すると、洗浄水は切欠38から溢れ出て、リム用洗浄水タンク32の下方に配置されたジェット用洗浄水タンク34に洗浄水が流入する。洗浄水がジェット用洗浄水タンク34に流入し始めると、ジェット用洗浄水タンク34内の水位も上昇し始め、これに伴いジェットタンク用給水バルブ36のフロート36aも上方に移動する。ジェット用洗浄水タンク34の水位が上昇し、高さL4に達すると、ジェットタンク用給水バルブ36が閉鎖され、水道からの洗浄水の供給が停止され、1回の洗浄作用が終了する。
また、ジェットタンク用給水バルブ36を介して洗浄水が供給されている間、給水管40を通る洗浄水のうちの一部は、流出口40aから流出せずに、給水管40の延長部40bに達してオーバーフロー管14bの中に排出される。オーバーフロー管14bに入った洗浄水は、ジェット用排水弁14をバイパスしてジェット孔6からボール部2に流入する。この洗浄水は、各排水弁が閉鎖された後、ボール部2の中の水位を高さL2に復帰させるために利用される。
本発明の第3実施形態の水洗大便器によれば、リム用洗浄水タンク及びジェット用洗浄水タンクの水位を、1つの給水バルブで所定の水位に設定することができる。また、本実施形態の水洗大便器では、リム用洗浄水タンク内の水位が、移送手段である切欠によって設定されるので、給水弁のフロートの調整等を必要とすることなく、正確に設定水位まで洗浄水を貯水することができる。
また、上述した実施形態では、リム用洗浄水タンク及びジェット用洗浄水タンクは陶器で形成されていたが、変形例として、リム用洗浄水タンク及び/又はジェット用洗浄水タンクを樹脂で形成しても良い。例えば、図8A、図8B及び図8Cに示す水洗大便器50では、ジェット用洗浄水タンク34を陶器で形成し、リム用洗浄水タンク42を樹脂で形成している。このように構成することにより、ジェット用洗浄水タンク34内にジェット用排水弁14や給水バルブ36をセットした後に、リム用洗浄水タンク42を取り付けることができるので、水洗大便器50の組立性を向上させることができる。
さらに、上述した第3実施形態では、リム用洗浄水タンクをジェット用洗浄水タンクの真上に配置し、リム用洗浄水タンクに設けた切欠を移送手段として利用していたが、変形例として、移送手段を、リム用洗浄水タンクの側壁の所定の高さに連通するように取り付けたパイプ状の部材で構成することもできる。この構成においては、リム用洗浄水タンク内の水位が、パイプ状の部材が取り付けられている高さよりも高くなると、洗浄水はパイプ状の部材の中を通ってジェット用洗浄水タンクに流入する。この構成では、パイプ状の部材の先端をジェット用洗浄水タンクに延ばすことにより、リム用洗浄水タンクをジェット用洗浄水タンクの真上以外の位置に配置することも可能になる。
[図1]本発明の第1実施形態の水洗大便器の上面図である。
[図2](a)は図1の2a−2a線に沿って切断された側面断面図であり、(b)は図1の2b−2b線に沿って切断された側面断面図である。
[図3]洗浄操作を行った際のリム用排水弁及びジェット用排水弁が開放されるタイミングを示すグラフである。
[図4]本発明の第2実施形態の水洗大便器の上面図である。
[図5]図4のV−V線に沿って切断された断面図である。
[図6]本発明の第3実施形態の水洗大便器の上面図である。
[図7]図6のVII−VII線に沿って切断された断面図である。
[図8A]本発明の第3実施形態の水洗大便器の変形例を示す上面図である。
[図8B]本発明の第3実施形態の水洗大便器の変形例を示す側面断面図である。
[図8C]本発明の第3実施形態の水洗大便器の変形例を示す正面断面図である。
符号の説明
1 本発明の第1実施形態の水洗大便器
2 ボール部
4 リム部
6 ジェット孔
7 トラップ管路
8 リム用洗浄水タンク
10 ジェット用洗浄水タンク
12 リム用排水弁
14 ジェット用排水弁
16 リム用導水路
18 ジェット用導水路
20 本発明の第2実施形態の水洗大便器
22 リム用洗浄水タンク
24 ジェット用洗浄水タンク
25 リムタンク用給水バルブ
26 ジェットタンク用給水バルブ
28a 操作ハンドル
28b シャフト
30 本発明の第3実施形態の水洗大便器
32 リム用洗浄水タンク
34 ジェット用洗浄水タンク
36 ジェットタンク用給水バルブ
38 切欠
40 給水管

Claims (7)

  1. 洗浄水タンクから洗浄水を給水する水洗大便器であって、
    洗浄水を吐出させるジェット孔がその底部に形成されたボール部と、
    上記ジェット孔から給水すべき洗浄水を貯水するジェット用洗浄水タンクと、
    このジェット用洗浄水タンクに設けられ、上記ジェット孔への洗浄水の供給と止水とを行うジェット用排水弁と、
    このジェット用排水弁を通過した洗浄水を上記ジェット孔に導くジェット用導水路と、
    上記ボール部の上部に設けられ、洗浄水を上記ボール部に流下させるリム部と、
    上記リム部に供給される洗浄水を貯水するリム用洗浄水タンクと、
    このリム用洗浄水タンクに設けられ、上記リム部への洗浄水の供給と止水とを行うリム用排水弁と、
    このリム用排水弁を通過した洗浄水を上記リム部に導くリム用導水路と、
    を有することを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記リム用排水弁は、上記リム部上面の高さよりも高い位置に配置され、上記ジェット用排水弁は、上記リム部上面の高さよりも低く、上記ジェット孔よりも高い位置に配置されている請求項1記載の水洗大便器。
  3. さらに、上記ジェット用洗浄水タンク内の水位が上記リム部上面の高さよりも低く設定された所定の水位になったとき給水を停止するように構成された給水バルブを有し、上記ジェット用排水弁が、上記所定の水位よりも低い位置に配置されている請求項1記載の水洗大便器。
  4. さらに、上記リム用洗浄水タンクの水位が所定の貯水高さよりも高くなったとき、上記所定の貯水高さを超えた分の洗浄水を上記リム用洗浄水タンクから上記ジェット用洗浄水タンクに洗浄水を移送する移送手段と、上記リム用洗浄水タンクに給水を行い、上記ジェット用洗浄水タンクの水位が、上記リム用洗浄水タンクの貯水高さよりも低い位置に設定された所定の水位になったとき給水を停止するように構成された給水バルブと、を有する請求項1記載の水洗大便器。
  5. 上記リム用洗浄水タンクが上記ジェット用洗浄水タンクよりも高い位置に配置され、上記移送手段が上記リム用洗浄水タンクの貯水高さに形成された切欠であり、この切欠から溢れ出た洗浄水が上記ジェット用洗浄水タンクに流入する請求項4記載の水洗大便器。
  6. 上記ジェット用洗浄水タンク、及び上記リム用洗浄水タンクが、上記ボール部、上記ジェット用導水路、上記リム部、及び上記リム用導水路と共に陶器で一体に構成されている請求項4又は5に記載の水洗大便器。
  7. 上記ジェット用洗浄水タンクが陶器で構成され、上記リム用洗浄水タンクが樹脂で構成されている請求項4又は5に記載の水洗大便器。
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