JPWO2005075961A1 - 光輝感評価方法および光輝感評価装置 - Google Patents
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Abstract
被測定物の光輝感を評価する光輝感評価方法であって、光照射された被測定面を撮像し、各画素に対応した濃度情報を含む画像データを取得するステップ(S3)と、画像データに対して、エッジ検出用画像フィルタを用いてフィルタ処理を行うステップ(S4)と、フィルタ処理後の画像データに基づき所定の閾値を用いて演算することにより(S5)、評価パラメータを取得するステップ(S6)と、評価パラメータに基づいて、光輝感を判別するステップ(S7)とを備えることを特徴とする。この光輝感評価方法によれば、被測定物の光輝感を的確に評価することができる。
Description
本発明は、光輝材含有塗膜などの被測定物の光輝感を評価するための光輝感評価方法および光輝感評価装置に関する。
従来、塗膜の意匠性を高めるために、ソリッドカラー仕上げに代えて、りん片状のアルミニウムや雲母粉末などの光輝材を含有した塗料によるメタリック仕上げが広く採用されている。
また、塗膜の外観を評価するための基準として、例えば、A群:光沢感や平滑感などの表面形状と表面層物性、B群:透明感、深み感、2層感および肉持感などの塗膜の多層的構造、及びC群:陰影感や光輝感などの塗膜内の配向的構造などが挙げられる。
前記基準のうち、光輝材含有塗膜において重要なC群の「光輝感」の定量的評価方法として、特許文献1、特許文献2および非特許文献1などに開示されている方法が知られている。
特許文献1には、光照射した光輝材含有塗膜面を撮影した画像を多数の区画に分割し、全ての区画の輝度から得られた所定の閾値を各区画の輝度から減算して求めた減算値が正の値のものを、全ての区画について総計した総輝度に従って評価する方法が開示されている。この評価方法によれば、試料間の明度差が小さい場合の光輝感評価においては、目視での評価結果と高い相関性を示す一方、光輝材の明度差が大きい試料(例えば、明度の高いシルバーメタリックと微量のアルミが入った明度の低いブラックメタリック)間では、十分な相関性が得られない。
また、特許文献2及び非特許文献1には、光照射した光輝材含有塗膜面を撮影した画像を解析し、塗膜の光輝感を「キラキラ感」と「粒子感」に分けてそれぞれ定量評価する方法が開示されている。この評価方法は、比較的明度の高い領域の塗色については前記「キラキラ感」や「粒子感」の大小が目視による評価結果とよく一致するが、低明度の塗色や高明度であっても特定の種類の光輝材による塗色においては、前記「キラキラ感」や「粒子感」に相当する値の大小だけでは光輝感を必ずしも判別できないおそれがあり、更に改良の余地があった。
特開平10−170436号公報 特開2000−304696号公報 平山徹、他2名、「ミクロ光輝感の官能評価と画像計測(第2報)」、塗料の研究、関西ペイント株式会社、平成14年7月、第138号、p.8〜24
そこで、本発明は、被測定物の光輝感を的確に評価することができる光輝感評価方法および光輝感評価装置の提供を目的とする。
本発明の前記目的は、被測定物の光輝感を評価する光輝感評価方法であって、光照射された被測定面を撮像し、各画素に対応した濃度情報を含む画像データを取得するステップと、前記画像データに対して、エッジ検出用画像フィルタを用いてフィルタ処理を行うステップと、フィルタ処理後の前記画像データに基づき所定の閾値を用いて演算することにより、評価パラメータを取得するステップと、前記評価パラメータに基づいて、光輝感を判別するステップとを備える光輝感評価方法により達成される。
また、本発明の前記目的は、被測定物の光輝感を評価する光輝感評価装置であって、被測定物に照明光を照射する光照射装置と、光照射された前記被測定物を撮像し、各画素に対応した濃度情報を含む画像データを生成する撮像装置と、前記画像データを解析する画像解析装置とを備え、前記画像解析装置は、前記画像データに対して、エッジ検出用画像フィルタを用いてフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の前記画像データに基づき所定の閾値を用いて演算することにより評価パラメータを取得し、前記評価パラメータに基づいて光輝感を判別することを特徴とする光輝感評価装置により達成される。
1 光照射装置
2 撮像装置
3 画像解析装置
2 撮像装置
3 画像解析装置
以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る光輝感評価装置の概略構成図である。図1に示すように、光輝感評価装置は、被測定物である試料10に対して照明光を照射する光照射装置1と、光照射された試料10を撮像する撮像装置2と、撮像された画像データを解析する画像解析装置3とを備えている。
光照射装置1は、擬似(人工)太陽光を照射できる装置であることが好ましく、光源として、例えばハロゲンランプ、メタルハライドランプなどを挙げることができる。光照射装置1は、光照射角度が一定である固定型であってもよく、或いは、光照射角度を調整可能な角度可変型であってもよい。光照射装置1は、本実施形態においては、照明ユニット1a内に設けられた光源からの光が、光ファイバケーブル1bを介して照射端末1cから照射されるように構成されており、試料10の被撮像面に対して斜め上方から照射するように設置している。
撮像装置2は、CCD(Charge Coupled Device)カメラや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラなどのように、画像入力素子が受光素子からなる装置を好ましく用いることができる。より具体的には、撮像装置2は、有効画素数が6万から1000万画素であることが好ましく、1画素の分解能が8〜16ビットであることが好ましい。この撮像装置2は、試料10の被撮像面積が1画素あたり2〜6400μm2となるように設定されることが好ましい。本実施形態においては、撮像装置2は、試料10の直上に配置されている。
画像解析装置3は、画像入力ボードなどからなる画像入力部3a、CPUなどの画像処理部3b、モニタなどの出力部3cを備えており、入力された画像データに対して画像処理を行い、その結果を出力可能に構成されている。画像解析装置3としては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)に画像解析ソフトウェアをインストールしたものを挙げることができる。画像解析装置3における画像処理の具体的な方法については後述する。
次に、前記光輝感評価装置を用いて光輝感を評価する方法を、図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、光輝材を含有する塗膜を有する試料10の塗面に対し、光照射装置1から照明光を照射する(ステップS1)。光輝材含有塗膜としては、例えば、りん片状のアルミニウム粉末、雲母状酸化鉄、雲母粉末、金属酸化物被覆雲母粉末などのキラキラ感や干渉作用を生じさせる光輝性顔料を含有する単層塗膜(以下、「塗膜a」という)、これらの光輝性顔料が着色顔料と同一塗膜中に含まれる単層塗膜(以下、「塗膜b」という)、着色ベース塗膜上に単層塗膜a又は単層塗膜bを積層してなる複層塗膜(以下、「塗膜c」という)、塗膜a,塗膜b又は塗膜cにクリヤー塗膜が積層されてなる複層塗膜(以下、「塗膜d」という)などを挙げることができる。
塗膜a又は塗膜bは、例えば、熱硬化性、熱可塑性、又は常温硬化性の樹脂組成物に光輝性顔料や、必要に応じて着色顔料などを更に混合分散してなる有機溶剤系または水系塗料を、金属製又はプラスチック製の被塗装物(例えば自動車外板など)に塗装することによって得ることができる。塗膜の形成においては、被塗装物に対して塗料を直接塗布してもよく、或いは、下塗塗装や必要に応じてさらに中塗塗装を介して塗料を塗布してもよい。塗膜cの形成においては、塗膜a又は塗膜bの下層側に着色ベース塗膜を形成すればよく、塗膜dの形成においては、塗膜a,塗膜b又は塗膜cの上層側にクリヤー塗料を塗装すればよい。
光照射装置1による光照射角度は、試料10の塗面の鉛直線(法線)に対し、7〜80度傾斜していることが好ましく、15〜75度傾斜していることがより好ましい。試料10の塗面において光照射される領域の形状は、本実施形態においては円形としているが、特に限定されるものではない。試料10の塗面における照射面積についても特に限定はないが、例えば、1.5〜50,000mm2である。照射光の照度は、例えば、100〜2,000ルクス(lux)である。
次に、光照射された試料10の塗面を撮像装置2により撮像する(ステップS2)。撮像装置2の撮像方向は、光照射装置1から照射された光の試料塗面における正反射光が入射しない方向であることが好ましく、撮像方向と正反射光とのなす角度は、10〜80度が好ましい。本実施形態においては、試料10を斜め上方から照射し、試料10の塗面に対して垂直な方向から撮像している。試料10の塗面における測定領域10aは、均一に光が照射されている範囲であれば特に限定されるものではないが、照射部分の中央部を含み、面積が1〜10,000mm2程度が好ましく、10〜600mm2程度がより好ましい。
撮像装置2で撮像されたデジタル画像は、多数(例えば、10,000〜1,000,000個)の画素から構成される2次元画像であり、各画素に対応する濃度情報を有する。本明細書において、「濃度」とは、「2次元画像を構成する画素毎の濃淡値を示すデジタル階調であり、被写体の明るさに対応するデジタル量」を意味する。例えば8ビット分解能のCCDカメラから出力される各画素の濃度は、0〜255の値を示す。
撮像装置2で撮像されたデジタル画像は、多数(例えば、10,000〜1,000,000個)の画素から構成される2次元画像であり、各画素に対応する濃度情報を有する。本明細書において、「濃度」とは、「2次元画像を構成する画素毎の濃淡値を示すデジタル階調であり、被写体の明るさに対応するデジタル量」を意味する。例えば8ビット分解能のCCDカメラから出力される各画素の濃度は、0〜255の値を示す。
各画素の濃度は、塗膜に含まれる光輝材による反射光の強度が強い部分ほど高くなり、反射光の強度が弱い部分ほど低くなる。また、反射光の強度が同じであっても、光輝材の大きさ、形状、反射角度、材質などによって濃度が変化する。
撮像装置2により得られたデジタル画像データは、画像解析装置3に入力される(ステップS3)。画像解析装置3は、視感度に合わせて、補正、調整、変換などの公知の前処理を必要に応じて行う。画像解析装置3における画像の前処理は、照射角度を変えてそれぞれ撮像した複数の画像に対してそれぞれ行ってもよい。
撮像された画像データに施す前処理としては、明度尺度変換を行うことが特に好ましく、これによって、撮像装置2の露光量などに拘わらず、高明度色から低明度色まで各塗色の濃度情報を的確に得ることができる。具体的には、国際照明委員会(Commission Internationale del´Eclairage、CIE)等で定義された、明度尺度と視感反射率との関係を表す明度関数を用いて、各画素の濃度を明度尺度(明度を等歩度に目盛った尺度)に置き換える方法を例示することができる。明度尺度としては、例えば、L*a*b*表色系におけるL*(CIE 1976)や、ハンターLab表色系におけるLなどが挙げられるが、本実施形態においては、明度関数が観察時の周囲の明るさの影響を受けることを考慮して、L*を選択した。L*値は、通常は0〜100の値であるが、本実施形態においては、100より大きな値であってもある程度の等間隔性を示すと仮定した。
図3は、撮像装置2により撮像されたデジタル画像(前処理前のオリジナル画像)の一例を示しており、図3(a)は「粒子感」の大きい塗色のデジタル画像、図3(b)はこのデジタル画像の濃度分布を示す鳥瞰図、図3(c)は「粒子感」の小さい塗色のデジタル画像、図3(d)はこのデジタル画像の濃度分布を示す鳥瞰図である。
こうして前処理が行われた画像データは、引き続き画像解析装置3において、エッジ検出用画像フィルタを用いたフィルタ処理が施される(ステップS4)。このフィルタ処理は、通常は、フィルタの中心要素に注目画素を対応させた状態で、フィルタの各要素に対応する画素の濃度にそれぞれ所定の係数を乗じて得た値の合計値を、注目画素の濃度として設定する処理である。
エッジ検出用画像フィルタの代表例として、ソーベルフィルタが挙げられる。図4は、3×3サイズのソーベルフィルタの一例を示している。図4に示すように、デジタル画像においてそれぞれa〜iの濃度情報を有する画素(それぞれ画素a〜iとする)のうち、画素eに注目すると、縦方向のエッジ検出用画像フィルタaによるフィルタ処理によって得られた縦方向フィルタ処理値Aは、c+2f+i−a−2d−gであり、横方向のエッジ検出用画像フィルタbによるフィルタ処理によって得られた横方向フィルタ処理値Bは、g+2h+i−a−2b−cである。画素eのフィルタ処理後の濃度は、前記縦方向フィルタ処理値Aおよび横方向フィルタ処理値Bの絶対値を加算することにより得られる。
図5は、デジタル画像のフィルタ処理結果の一例を示しており、図5(a)は図3(a)に示すデジタル画像に前記フィルタ処理を施した画像、図5(b)はこのフィルタ処理後の画像における濃度分布を示す鳥瞰図、図5(c)は図3(c)に示すデジタル画像に前記フィルタ処理を施した画像、図5(d)はこのフィルタ処理後の画像における濃度分布を示す鳥瞰図である。また、図5(b)及び図5(d)の濃度分布に対応するヒストグラムを図6(a)及び図6(b)に示す。
前記のソーベルフィルタ処理においては、必要に応じて斜め方向のエッジ検出用画像フィルタを更に用いて処理することもできる。また、エッジ検出用画像フィルタとしては、エッジ強調機能を有するものであれば特に制限はなく、ソーベルフィルタ以外にラプラシアンフィルタなど他のフィルタを使用してもよい。
フィルタ処理後の画像データは、引き続き画像解析装置3において、所定の閾値により2値化処理される(ステップS5)。閾値の決定は、目視結果から当業者が経験などに基づいて決定することができる。より詳細には、まず、目視によって粒子が確認できる塗板を高明度塗色から低明度塗色まで複数用意し、目視で確認できる粒子の数が多い順に順位付けしておく。そして、各塗板のフィルタ処理後の画像に対して所定の閾値を用いて2値化処理を行う。閾値の決定は、2値化処理を種々の閾値を用いて行い、2値化された画像で確認できる粒子数が、前記順位付けの結果と相関性が得られるような値を選択することで可能になる。
図7は、2値化処理結果の一例を示しており、図7(a)は図5(a)に示すフィルタ処理後の画像に前記2値化処理を施した画像、図7(b)は図5(c)に示すフィルタ処理後の画像に前記2値化処理を施した画像である。図7(a)及び(b)において、白く見える部分は、2値化処理における閾値以上の部分であり、照射された光が塗膜中で正反射して輝きを生じる光輝材粒子部分に相当する。一方、黒く見える部分は、輝きの低い部分に相当する。図7(a)及び(b)に示すように、2値化処理によって輝きを生じる光輝材粒子の輪郭が明確に表示されており、図7(a)及び図7(b)間で粒子数の違いが明瞭に表現されている。本実施形態においては、光輝感の評価を簡便に行うために閾値を1つのみ設定しているが、複数の閾値のそれぞれに対して2値化処理された画像を生成して、後述する光輝感の評価を行ってもよい。
本実施形態においては、このように2値化処理された画像データも含めて、フィルタ処理後の画像データに基づき所定の閾値を用いて演算することにより、評価パラメータを取得する(ステップS6)。そして、これらの評価パラメータに基づいて、塗面の光輝感を評価する(ステップS7)。
光輝感を評価するための評価パラメータは、2値化処理された画像データを演算することにより取得することも可能であり、或いは、フィルタ処理後の画像データに対して所定の閾値を適用して演算することにより取得することもできる。例えば、2値化処理された画像データからは、粒形区画数(GN)や、粒形区画面積率(GD)などを算出して、評価パラメータとすることができる。粒形区画数(GN)は、2値化処理された画像における粒形状を有する区画の数であり、閾値以上の濃度を有する光輝材粒子の個数に相当する。また、粒形区画面積率(GD)は、「画像全体の面積」に対する「閾値以上の濃度を有する各粒形状区画の面積の総和」の比率である。
一方、フィルタ処理後の画像データからは、例えば、総濃度(TB)や、背景コントラスト(BC)などを算出して、評価パラメータとすることができる。総濃度(TB)は、フィルタ処理後の画像において閾値以上の濃度を有する区画の濃度から閾値を減算した値を、各区画について総和することにより算出される。また、背景コントラスト(BC)は、フィルタ処理後の画像において閾値未満の濃度を有する区画の濃度を閾値から減算した値を各区画について総和した値を、閾値未満の濃度を有する区画の総面積で除算することにより得られる。
光輝感の評価は、これらの評価パラメータを用いた関数を適宜設定することにより行うことができる。例えば、粒形区画数(GN)、粒形区画面積率(GD)、総濃度(TB)、背景コントラスト(BC)などの特徴量を主成分分析することにより得られた第1主成分及び第2主成分を、2次元座標軸上にプロットしてグループ化することにより、光輝感を評価することができる。
また、光輝感の評価は、前記評価パラメータを、他の公知のパラメータ(例えば、前記特許文献2などに開示されているように、画像データの2次元FFT処理等により得られる濃淡の周期性に関する値)と組み合わせて行うこともできる。
また、光照射角度が異なる複数の画像に基づいて、前記フィルタ処理後の画像データを複数取得した場合には、各画像の評価パラメータを対比することにより、光輝感の評価を行うこともできる。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明する。但し、本発明が、以下の実施例に限定されるものではない。
(試料の準備)
試料として用いた12枚の塗板(塗色No.1〜12)は、「粒子感」、「キラキラ感」がそれぞれ異なる高明度塗色を選択した。塗色No.1及び2の塗板は、小粒径(粒子径:約10〜15μm)のアルミフレークが用いられた高明度シルバー塗色である。塗色No.3〜5の塗板は、中粒径(粒子径:約15〜25μm)のアルミフレークが用いられた高明度シルバー塗色である。塗色No.6の塗板は、大粒径(粒子径:約30μm)のアルミフレークが用いられた高明度シルバー塗色である。また、塗色No.7〜10の塗板は、それぞれ異なる種類の高輝度アルミ顔料が使用されている高明度シルバー塗色である。塗色No.11及び12の塗板は、高明度のホワイトパール塗色である。塗色No.7〜10のシルバー塗色と塗色No.11及び12のホワイトパール塗色とは、目視では明確に判別可能であるが、従来方法による定量評価では判別が困難であった。
試料として用いた12枚の塗板(塗色No.1〜12)は、「粒子感」、「キラキラ感」がそれぞれ異なる高明度塗色を選択した。塗色No.1及び2の塗板は、小粒径(粒子径:約10〜15μm)のアルミフレークが用いられた高明度シルバー塗色である。塗色No.3〜5の塗板は、中粒径(粒子径:約15〜25μm)のアルミフレークが用いられた高明度シルバー塗色である。塗色No.6の塗板は、大粒径(粒子径:約30μm)のアルミフレークが用いられた高明度シルバー塗色である。また、塗色No.7〜10の塗板は、それぞれ異なる種類の高輝度アルミ顔料が使用されている高明度シルバー塗色である。塗色No.11及び12の塗板は、高明度のホワイトパール塗色である。塗色No.7〜10のシルバー塗色と塗色No.11及び12のホワイトパール塗色とは、目視では明確に判別可能であるが、従来方法による定量評価では判別が困難であった。
(試料の測定)
光輝感評価装置として、図1に示す構成と同様の装置を使用した。光照射装置1の光源は、ハロゲンランプを使用した。また、画像解析装置3における画像解析には、三谷商事(株)製の画像解析ソフト「WinRoof」を使用し、(株)日本科学技術研修所製の統計処理ソフト「JUSE−Package SoftWare」を用いて統計処理を行った。
光輝感評価装置として、図1に示す構成と同様の装置を使用した。光照射装置1の光源は、ハロゲンランプを使用した。また、画像解析装置3における画像解析には、三谷商事(株)製の画像解析ソフト「WinRoof」を使用し、(株)日本科学技術研修所製の統計処理ソフト「JUSE−Package SoftWare」を用いて統計処理を行った。
測定条件は、光照射装置1による照射方向と、撮像装置2による撮像方向(CCDカメラへの入射方向)との角度を15度とし、撮像装置2による撮像方向は、試料の塗膜表面に対して垂直な方向とした。測定前に、撮像装置2により鏡面白磁板を撮影して露光量の校正を行い、適正グレイレベルの設定を行った。
前記12枚の塗板(塗色No.1〜12)の塗膜表面を順次撮影し、得られた各デジタル画像の濃度情報の明度尺度変換を前処理として行った。本実施例においては、明度尺度変換を以下の方法で行った。
まず、白から黒まで明度を段階的に変化させた、光輝材を含まない無彩色塗板のサンプルを7枚用意した。次に、各サンプルの明度(L*値)を、分光測色計を用いて測定した。分光測色計は、光照射装置1による照射方向と分光測色計への入射方向との角度が15度となり、分光測色計への入射方向が試料の塗膜表面に対して垂直な方向となるように設置した。ついで、図1に示す光輝感評価装置を用いて各サンプルを撮影し、各サンプルのデジタル画像における各画素濃度Dの平均値Davを求めた。次に、γ(ガンマ)値を調整して平均値Davのγ(ガンマ)補正を行い、γ補正後の補正濃度Dav’とL*との相関係数が最も大きくなるようなγ値を求めた。ここで、γ補正とは、画像などの色のデータと、それが実際に出力される際の信号との相対関係を調節して、より自然に近い表示を得るための補正操作である。また、γ値とは、画像の明るさの変化に対する電圧換算値の変化の比である。次に、補正濃度Dav’を変数としたL*の1次近似式、すなわちL*=A×Dav’+Bにおける係数A及びBを求めた。この1次近似式を用いることにより、画素毎の濃度Dを明度尺度変換することが可能になる。
前記1次近似式を用いて、本実施例における塗色No.1〜12のデジタル画像の濃度を明度尺度変換した。尚、明度尺度変換した値が8ビットの最大値である255を超えるものがあるために、後工程における処理も考慮して、変換後の値を0.14倍した。また、本実施例においては、撮像装置2として8ビットカメラを使用したため、低明度から高明度まで広範囲にわたって光輝材含有塗色を明瞭に撮像できるように、1回の測定において2つの異なる露光量で撮像し、画像を合成することによりカメラのダイナミックレンジを擬似的に広くした。
こうして前処理が行われた画像データに対して、ソーベルフィルタからなるエッジ検出用画像フィルタを用いてフィルタ処理を施した。そして、フィルタ処理後の画像データをさらに2値化処理した。本実施例においては、フィルタ処理後の画像データから評価パラメータを得るために用いる閾値を、以下の方法により決定した。
まず、閾値を決定するためのサンプルとして、高明度(L*:100程度)の塗色で、アルミフレーク粒子数の段階的な変化を目視確認できる6枚の塗板を用意した。更に、低明度(L*:10程度)の塗色で、アルミフレーク粒子数の段階的な変化を目視確認できる6枚の塗板を用意した。これらの塗板に対しては、目視により粒子数の少ないものから順に順位付けを行った。
次に、これらの塗板を図1に示す光輝感評価装置により撮像した画像の濃度に対して、上記と同様の方法で明度尺度変換を行い、変換後の画像をソーベルフィルタからなるエッジ検出用画像フィルタで処理した。尚、明度尺度変換後の値は、上記と同様に0.14倍した。そして、フィルタ処理後の画像に対して種々の閾値を用いて2値化処理を行い、各閾値のうち、2値化された画像で確認できる粒子数と、前記目視による順位付けの結果との相関性が最も高い閾値を求めた。この結果、本実施例においては、フィルタ処理後の画素濃度において、85付近に閾値を設定すれば良いことがわかった。こうして決定された閾値を用いて、本実施例における塗色No.1〜12のフィルタ処理後の画像を2値化処理した。
塗色No.1〜12のフィルタ処理後の画像データから前記閾値を用いて演算した粒形区画数(GN)、粒形区画面積率(GD)、総濃度(TB)及び背景コントラスト(BC)を表1に示す。これらの特徴量を標準化して、統計分析手法(多変量解析手法)の1つである主成分分析を行った。標準化は、各特徴量の平均値と分散を求め、平均値が0で分散が1となるように行うものである。塗色No.1〜12の塗板を対象に、標準化及び主成分分析を行った結果を表2に示す。
表2において、統計量1〜4は、それぞれ粒形区画数(GN)、粒形区画面積率(GD)、総濃度(TB)及び背景コントラスト(BC)を標準化した値である。主成分1及び主成分2は、これら統計量1〜4の値を主成分分析することにより得られるものであり、主成分1の寄与率は0.887、主成分2の寄与率は0.093で、主成分1及び主成分2の累積寄与率は0.980となり、主成分1及び主成分2が、上記4つの特徴量の情報を十分に含み、凝縮した情報に相当すると考えられる。
上記主成分分析により得られた2つの主成分1及び主成分2を因子としたマップ化を行った結果を、図8に示す。
図8に示すように、2つの主成分を因子としたマップにおいて、塗色No.1及び2、塗色No.3〜5、塗色No.6、塗色No.7〜10、及び塗色No.11〜12が、それぞれ異なる領域にプロットされる結果となった。これにより、実際に光輝感の異なる塗色に対し、本実施例の方法により光輝性の違いを判別可能であることを確認した。特に、従来法による評価では判別し難い塗色No.7〜10及び塗色No.11〜12を明確に判別できたことは、本発明による大きな効果であると考えられる。本実施例の結果から、粒形区画数(GN)、粒形区画面積率(GD)、総濃度(TB)及び背景コントラスト(BC)は、光輝感を評価するための評価パラメータとして有効であると考えられる。
以上のように、本発明によれば、被測定物の光輝感を的確に評価することができる光輝感評価方法および光輝感評価装置を提供することができる。これにより、例えば、メタリック・パール塗色のコンピュータ・カラーマッチングシステムの構築を図ることができ、光輝材を含有するメタリック塗料、インク、プラスチック用着色剤などの調色に利用することができる。
Claims (9)
- 被測定物の光輝感を評価する光輝感評価方法であって、
光照射された被測定面を撮像し、各画素に対応した濃度情報を含む画像データを取得するステップと、
前記画像データに対して、エッジ検出用画像フィルタを用いてフィルタ処理を行うステップと、
フィルタ処理後の前記画像データに基づき所定の閾値を用いて演算することにより、評価パラメータを取得するステップと、
前記評価パラメータに基づいて、光輝感を判別するステップとを備える光輝感評価方法。 - 前記評価パラメータを取得するステップは、フィルタ処理後の前記画像データに対して前記閾値を適用して演算した総濃度(TB)又は背景コントラスト(BC)の少なくとも1つを取得するステップを備える請求項1に記載の光輝感評価方法。
- 前記評価パラメータを取得するステップは、フィルタ処理後の前記画像データを前記閾値により2値化処理するステップと、
2値化処理された前記画像データを演算するステップとを備える請求項1に記載の光輝感評価方法。 - 2値化処理された前記画像データを演算するステップは、粒形区画数(GN)又は粒形区画面積率(GD)を少なくとも1つを取得するステップを備える請求項3に記載の光輝感評価方法。
- 前記評価パラメータを取得するステップは、
フィルタ処理後の前記画像データに対して前記閾値を適用して演算した総濃度(TB)及び背景コントラスト(BC)を取得するステップと、
フィルタ処理後の前記画像データを前記閾値により2値化処理するステップと、
2値化処理された前記画像データを演算して粒形区画数(GN)及び粒形区画面積率(GD)を取得するステップとを備え、
前記光輝感を判別するステップは、少なくとも前記総濃度(TB)、背景コントラスト(BC)、粒形区画数(GN)及び粒形区画面積率(GD)に基づいて演算するステップを備える請求項1に記載の光輝感評価方法。 - 前記光輝感を判別するステップは、少なくとも前記総濃度(TB)、背景コントラスト(BC)、粒形区画数(GN)及び粒形区画面積率(GD)を特徴量として主成分分析するステップを備える請求項5に記載の光輝感評価方法。
- 前記フィルタ処理を行うステップの前に、前記画像データに含まれる前記濃度情報を明度尺度変換するステップを更に備える請求項1に記載の光輝感評価方法。
- 前記エッジ検出用画像フィルタは、ソーベルフィルタである請求項1に記載の光輝感評価方法。
- 被測定物の光輝感を評価する光輝感評価装置であって、
被測定物に照明光を照射する光照射装置と、
光照射された前記被測定物を撮像し、各画素に対応した濃度情報を含む画像データを生成する撮像装置と、
前記画像データを解析する画像解析装置とを備え、
前記画像解析装置は、前記画像データに対して、エッジ検出用画像フィルタを用いてフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の前記画像データに基づき所定の閾値を用いて演算することにより評価パラメータを取得し、前記評価パラメータに基づいて光輝感を判別することを特徴とする光輝感評価装置。
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