JP6502275B2 - 奥行き感評価装置、奥行き感評価方法および奥行き感評価プログラム - Google Patents

奥行き感評価装置、奥行き感評価方法および奥行き感評価プログラム Download PDF

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Description

この発明は、奥行き感評価装置、奥行き感評価方法および奥行き感評価プログラムに係り、特に、奥行き感を評価する対象物を撮影した撮影画像に基づいて物体の奥行き感を評価する奥行き感評価装置、奥行き感評価方法および奥行き感評価プログラムに関する。
製品の表面に施される加飾フィルムや塗装は、元の材質と異なる質感を製品に付与する機能や、より本物らしい質感を製品に付与する機能を有するため、加飾材の商品開発やニーズ調査において、加飾材が与える質感を定量的に評価することは重要である。
加飾材が与える質感を表す表現には、木目感、めっき感、透明感及びパール感など様々なものが挙げられるが、その中でも、例えば、ピアノブラック調の外観を有する製品に見られるような「奥行き感」は、製品に、品質が良いとか、等級が良いといった、製品が高級品であるような印象を抱かせたり、模倣品(工業製品)に本物らしさを与えたりする因子の一つとして大変注目されている。
そのため、このような「奥行き感」を定量的に評価する様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1では、所定本数の毛髪に光を照射して毛髪の長手方向にわたって撮像し、取得された撮像データから、毛髪の長手方向についてのR(赤)及びB(青)の各信号強度の分布を求め、Rの信号強度からBの信号強度を差し引いた値の分布を求め、差し引いた値の分布における最大値と最小値の差から毛髪の色の深み(奥行き感)を評価する方法が提案されている。
特許文献2では、光輝材を含む塗膜に光を照射し正反射光が入射しない角度から受光して塗膜の所定の評価範囲を高輝度部と低輝度部に2値化し、ドットとして見える高輝度部についてドットの各面積についてsごとの個数nを求め、ドットの各面積sごとに所定の評価範囲の面積Aに基づき、s×n/Aから面積率を計算し、各面積sごとの面積率から面積率の変化量ΔRを求めるとともに、最大面積と最少面積の差ΔSを求め、変化量ΔRと差ΔSを予め求められた検量値と比較することにより塗膜の塗装深み感(奥行き感)を評価する方法が提案されている。
特開2000−205959号公報 特開平7−55705号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の方法により評価された毛髪の色の深み、及び塗膜の塗装深み感等の奥行き感の評価結果と、目視評価による奥行き感の評価結果との間には、大きな開きがあり、「奥行き感」を物体等の対象物から定量的に評価できていないという問題があった。
このような奥行き感は、特に、低明度または、高彩度の色味で感じやすい視覚的な質感の知覚であるため、このような視覚的に感じる「奥行き感」を物体等の対象物から定量的に評価できる手法は未だ存在してないのが現状であり、適切な定量的な評価を行う手法が求められている。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、物体の奥行き感を容易に、精度良く、評価することができる奥行き感評価装置、奥行き感評価方法および奥行き感評価プログラムを提供することを目的とする。
なお、この発明において、奥行き感を評価する「物体」は、ピアノブラックに代表されるような低明度、または、高彩度の物体を対象とする。
また、この発明において、「奥行き感」とは、例えば、絵画の遠近法のように、二次元の物体を三次元的(立体的)に知覚するものではなく、薄い物体でも厚みを感じたり、奥が若干透けて見えるような物体表面のテクスチャ(手で実際触った感触)を知覚するものを指す。特に、低明度、または、高彩度の色味で感じやすい視覚的な質感の知覚を指す。
この発明に係る奥行き感評価方法は、光源から対象物の表面に光を照射し、光源が映り込んだ対象物を撮影し、光源が映り込んだ対象物の撮影画像から輝度プロファイルを作成し、輝度プロファイルから撮影画像のコントラスト値を第1の奥行き感評価指標として算出し、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積を第2の奥行き感評価指標として算出し、撮影画像から、対象物の反射光の色分布を第3の奥行き感評価指標として算出し、第1〜3の奥行き感評価指標を互いに組み合わせて奥行き感に対する総合指標を算出し、総合指標に基づいて、対象物の奥行き感を評価するものである。
ここで、撮影画像のRチャンネルの画像強度からBチャンネルの画像強度を減算した差分画像の強度を、反射光の色分布として算出することが好ましい。
コントラスト値、面積及び反射光の色分布がそれぞれ異なる対象物を目視評価することにより予め求められた奥行き感の基準値に対する第1〜3の奥行き感評価指標の線形和に基づいて奥行き感を評価することができる。
基準値に対する第1〜3の奥行き感評価指標の線形和を格納するデータベースに格納しておき、コントラスト値と、面積及び反射光の色分布に基づいて、データベースを参照することにより奥行き感を評価することが好ましい。
この発明に係る奥行き感評価プログラムは、奥行き感評価方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのものである。
この発明に係る奥行き感評価装置は、対象物の奥行き感を評価する装置であって、対象物の表面に光を照射する光源と、光源が映り込んだ対象物を撮影する撮影部と、撮影部により撮影された撮影画像における輝度プロファイルを作成するプロファイル作成部と、輝度プロファイルから撮影画像のコントラスト値を第1の奥行き感評価指標として算出するコントラスト算出部と、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積を第2の奥行き感評価指標として算出するボケ算出部と、撮影画像から、対象物の反射光の色分布を第3の奥行き感評価指標として算出する反射光の色分布算出部と、第1〜3の奥行き感評価指標を互いに組み合わせて奥行き感に対する総合指標を算出し、総合指標に基づいて、対象物の奥行き感を評価する奥行き感評価部とを備えるものである。
ここで、反射光の色分布算出部は、撮影画像のRチャンネルの画像強度からBチャンネルの画像強度を減算した差分画像の強度を、反射光の色分布として算出することが好ましい。
奥行き感評価部は、コントラスト値、面積及び反射光の色分布がそれぞれ異なる対象物を目視評価することにより予め求められた奥行き感の基準値に対する第1〜3の奥行き感評価指標の線形和に基づいて奥行き感を評価することが好ましい。
また、基準値に対する第1〜3の奥行き感評価指標の線形和を格納するデータベースをさらに備え、奥行き感評価部は、コントラスト算出部により算出されたコントラスト値と、ボケ算出部により算出された面積と、反射光の色分布算出部により算出された反射光の色分布に基づいて、データベースを参照することにより奥行き感を評価することが好ましい。
この発明によれば、物体の奥行き感を、容易に、精度良く、評価することができる。
この発明の一実施の形態に係る奥行き感評価装置の構成を示すブロック図である。 撮影条件を説明するための図である。 図3Aは、蛍光灯が映り込んだ各サンプルの撮影画像を示す図である。 図3Bは、図3Aに示す各サンプルの撮影画像の輝度プロファイルを示す図である。 図3Cは、図3Aに示す各サンプルのコントラスト値を示すグラフである。 評価指標(コントラスト値)を説明するための図である。 評価指標(ボケ面積)を説明するための図である。 図6Aは、R(赤)チャンネル画像からB(青)チャンネル画像を減算した差分画像であり、奥行き感がないと感じられるサンプルの差分画像である。 図6Bは、R(赤)チャンネル画像からB(青)チャンネル画像を減算した差分画像であり、奥行き感が大変あると感じられるサンプルの差分画像である。 奥行き感評価値(総合指標)と目視評価値との相関を求めた図である。
以下、この発明の一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、この発明の一実施の形態に係る奥行き感評価方法を行う奥行き感評価装置の構成を示す。奥行き感評価装置は、2本の蛍光灯Fから物体Pに向けて光を照射することにより2本の蛍光灯Fが映り込んだ物体Pを撮影するカメラCで、撮影した画像を用いて物体の奥行き感を評価するもので、カメラCに接続される画像入力部1を備え、この画像入力部1に、評価指標算出部2、奥行き感評価部3および表示部4が順次接続されている。また、奥行き感評価部3には、基準値データベース5が接続されている。さらに、評価指標算出部2、奥行き感評価部3および表示部4には制御部6が接続され、この制御部6に操作部7が接続されている。
図2は、図1に示す2本の蛍光灯FとカメラCの配置の一例を示す図である。
2本の蛍光灯Fは、物体Pの正面(真上)0度の位置に配置され、500〜750ルクスの環境照度の中、物体Pの表面へ光を照射し、物体Pの表面に光源Fの映り込みを生じさせる。
カメラCは、鏡面反射光を含まない角度θに配置され、蛍光灯Fが映り込んだ物体Pの表面を撮影する。θは、光源Fと物体Pが配置される面に対する角度を示す。
画像入力部1は、蛍光灯Fが映り込んだ物体Pを撮影したカメラCから撮影画像を入力する。
蛍光灯Fは、白色光を照射する光源として作用するものであればこれに限定されず、例えば、スリット光照明を用いることもできる。また、蛍光灯の数も2本に限定されず、1本でもよい。蛍光灯としては、例えば、パナソニックFHF32N-EDL・NUのような色評価用蛍光灯を用いることが好ましい。
また、カメラCから入力される撮影画像は、RGB色空間(Red、GreenおよびBlueの色空間)を有するものとする。カメラCは、物体Pの表面を撮影できるものであればよく、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を利用したデジタルカメラやビデオカメラなどを用いることができる。
蛍光灯Fと物体Pの距離は、物体P表面に蛍光灯Fの映り込みが生じる距離であればよく、カメラCと物体Pの距離も、物体P表面に生じた蛍光灯Fの映り込みを撮影できる距離であればよい。
奥行き感を評価する物体Pは、CIE(国際照明委員会:Commission International de l'Eclairage)が推奨するL*a*b*表色系において、鏡面反射が±10°の角度で生じるL*値が40以下、且つ、鏡面反射が±15°の角度で生じるL*値が20以下の表面を有するもの、例えば、−45°から光を入射した場合、35°または55°で受光した光のL*値が40以下、且つ、25°または65°で受光した光のL*値が20以下となる表面を有するものを対象とする。
また、JIS Z 8741による鏡面光沢度は、入射角20°に対して40以上、好ましくは60以上、且つ、入射角60°に対して80以上、好ましくは90以上の表面を有するものを評価対象とする。
評価指標算出部2は、画像入力部1から入力された撮像画像に基づいて、物体Pの奥行き感を評価するための奥行き感の評価指標を算出する。評価指標算出部2は、画像入力部1に接続するプロファイル作成部8と、このプロファイル作成部8に接続するコントラスト算出部9とボケ算出部10、及び、画像入力部1に接続する反射光の色分布算出部11から構成されている。
プロファイル作成部8は、入力された撮影画像に基づいて、画像の位置に対する輝度の分布を示すプロファイル(輝度プロファイル)を作成する。コントラスト算出部9は、作成されたプロファイルに基づいて、撮影画像におけるコントラスト値を評価指標として算出し、ボケ算出部10は、蛍光灯Fの映り込みがピンボケした部分の面積(ボケ面積)、すなわち、プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積を評価指標として算出する。また、反射光の色分布算出部11は、画像入力部1から入力された撮影画像に基づいて、蛍光灯Fから物体Pに入射し反射した反射光の色分布を評価指標として算出する。
基準値データベース7は、撮影画像におけるコントラスト値や、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積(ボケ面積)や、反射光の色分布が異なる様々な物体の奥行き感を目視評価することにより予め求められた、奥行き感の基準値に対するコントラスト値、面積及び反射光の色分布との関係を格納する。
奥行き感評価部3は、算出された3つの奥行き感評価指標、すなわち、撮影画像におけるコントラスト値や、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積や、反射光の色分布を互いに組み合わせて奥行き感に対する奥行き感評価値(総合指標)を算出し、その総合指標に基づいて、物体の奥行き感を評価する。
具体的には、コントラスト算出部9で算出されたコントラスト値と、ボケ算出部10で算出された輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積(ボケ面積)と、反射光の色分布算出部11で算出された反射光の色分布から算出された総合指標に基づいて、基準データベース7を参照することにより、奥行き感の評価を求める。例えば、奥行き感評価部3は、基準値データベース5に格納された、コントラスト値、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積(ボケ面積)及び反射光の色分布の線形和に対する奥行き感の基準値を示す関数に基づいて奥行き感の評価を求めることができる。
表示部4は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、奥行き感評価部3で評価された奥行き感の評価結果を表示する。
操作部6は、操作者が情報の入力操作を行うためのもので、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパネル等から形成することができる。
制御部5は、操作者により操作部6から入力された各種の指令信号等に基づいて、奥行き感評価装置内の各部の制御を行うものである。
なお、評価指標算出部2、奥行き感評価部3および制御部6は、CPU(Central Processing Unit)と、CPUに各種の処理を行わせるための動作プログラムから構成されるが、それらをデジタル回路で構成してもよい。また、CPUにバスなどの信号線を介してメモリを接続することができ、例えば、評価指標算出部2で生成された画像、プロファイル作成部8で生成されたプロファイルおよび奥行き感評価部3で算出された奥行き感の評価結果などをメモリにそれぞれ格納し、このメモリに格納された画像、プロファイルおよび奥行き感の評価結果を制御部6の制御の下で表示部7に表示させることができる。
次に、奥行き感評価装置により行われる奥行き感評価方法について説明する。
まず、図1及び2に示すように、物体Pの真上に2本の蛍光灯Fを平行に配置し、蛍光灯Fから白色光を物体Pに向けて照射する。その結果、物体Pの表面には、蛍光灯Fの映り込みが生じる。
次に、カメラCは蛍光灯Fが映り込んだ物体Pを撮影し、画像入力部1に入力する。
画像入力部1に入力された撮影画像は、評価指標算出部2のプロファイル作成部8と反射光の色分布算出部11に出力される。
プロファイル作成部8は、入力された通常画像に対し、光量補正およびノイズ除去等の前処理を施し、撮影画像(RGB画像)をグレー画像に変換した後、その変換画像の蛍光灯Fの映り込みを横断する方向の輝度(256階調)分布を示すプロファイル(輝度プロファイル)を作成する。ここで、作成されたプロファイルは、コントラスト算出部9とボケ算出部10へ供給される。
コントラスト算出部9は、蛍光灯Fに起因する輝度と物体自体の輝度との差を奥行き感評価指標として算出する。
図3Aは、異なる材質やツヤを持ち、異なる奥行き感を有する物体(サンプルNo.1とNo.2)に対し蛍光灯Fから白色光を照射し、蛍光灯Fの映り込みが生じた各物体の表面を撮影して取得されたRGB画像であり、図3Bは、RGB画像に基づいて作成されたプロファイル、すなわち、図3Aに示される各サンプル画像の水平方向の画素の各位置に対する輝度分布を示すプロファイル(輝度プロファイル)を示す図である。図3Bの縦軸は、輝度値(256階調値)を示し、横軸は、水平方向の画素位置を示す。図3Cは、コントラスト算出部9により、図3Aに示される各サンプル画像のプロファイルから算出されたコントラスト値(輝度差)を示す図である。
図4は、図3Aに示すサンプルNo.2の画像に基づいて作成されたプロファイルである。
コントラスト算出部9は、図4に示されるように、プロファイルから輝度値が最大となる位置P1と、2本蛍光灯の間の位置において、輝度値が最も低くなる位置P2を検出し、P1における輝度値B1と、P2における輝度値B2との差分を評価指標(コントラスト値)として算出する。
図3A〜Cに示されるように、物体Pに生じる光源Fの映り込み具合(濃淡)により、輝度分布に差異が認められることがわかる。具体的には、図3Aにおいて、光源Fとして使用されている2本の蛍光灯の映り込みが強い物体(サンプルNo.2)ほど、図3Bに示すように、コントラストが高く、すなわち、蛍光灯に起因する輝度と物体自体の輝度との差が大きいことが分かる。
ここで評価指標として算出されたコントラスト値は、奥行き感評価部3へ出力される。
ボケ算出部10は、蛍光灯の映り込みと物体表面との境界におけるボケ具合、すなわち、映り込み画像のボケ具合(消え残り)を評価指標として算出する。
図5は、図3Aに示すサンプルNo.2の画像に基づいて作成されたプロファイルである。
まず、プロファイルに現れる1つの波形のピークから、輝度が最大となる位置P1と、波形のピークが有する一方の裾に位置し、且つ、輝度が最も低くなる位置P3を検出する。次いで、P1における輝度値B1と、P3における輝度値B3を検出し、B1が1、B3を0となるようにプロファイルを規格化し、輝度が0〜0.1(図4において、B3〜B4に対応する輝度)を満たす面積Sを評価指標(ボケ)として算出する。
図5のプロファイルにおいて、P4からP3にかかる線形がなだらかに広がると面積Sが大きくなり、画像のボケ具合が大きいことを示す。一方、シャープになるほど面積Sが小さくなり、画像のボケ具合が小さいことを示す。
ここで評価指標として算出されたプロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積Sは、奥行き感評価部3へ出力される。
反射光の色分布算出部11は、撮影画像(RGB画像)に基づいて、光源から物体Pに入射し反射した反射光の色分布を算出する。具体的には、RGB画像のRチャンネルの画像強度からBチャンネルの画像強度を減算した差分画像の強度を、評価指標(反射光の色分布)として算出する。
一般に、光の波長には、物体の内部(色)に吸収されやすいものと吸収されにくいものがあり、赤(R)の波長は、青(B)の波長に比べて物体内部に吸収されやすいことが知られている。また、例えば、黒い炉を目視したとき、黒のみ(無彩色)で塗装されたものよりも、3色や4色等複数の色を使用して塗装したもののほうが、奥行き感を感じることができる。同様に、物体に光を照射したときは、鏡面反射が起こる物体表面の周辺に若干色味がついているほうが、奥行き感を感じることができる。
図6Aは、目視評価において、奥行き感がないと判断された物体の差分画像、図6Bは、奥行き感を非常に感じる物体の差分画像であるが、これらの図から、奥行き感の違いにより、RとBの差分画像に映る蛍光灯に起因する光の強度に違いがあることが分かる。そのため、Rチャンネルの画像からBチャンネルの画像強度を減算することにより算出される、物体表面で反射する光と内部から出てくる光量の差から、物体の奥行き感を評価することができると考えられる。
ここで評価指標として算出された反射光の色分布は、奥行き感評価部3へ出力される。
このようにして、奥行き感評価部3は、コントラスト算出部9、ボケ算出部10及び反射光の色分布算出部11から入力された3つの奥行き感評価指標、すなわち、輝度プロファイルのコントラスト値、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積及び対象物の反射光の色分布を、例えば予め官能評価を実施して得られた重回帰式などを用いて線形和することで互いに組み合わせることにより、物体の奥行き感を総合的に評価するための奥行き感評価値(総合指標)を算出する。
基準値データベース5は、つやや材質が異なる表面を持つ複数の物体を目視評価することにより予め定められた、輝度プロファイルのコントラスト値、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積及び対象物の反射光の色分布の線形和を求めて、この線形和に対する奥行き感の基準値を示す関数を格納することができる。
線形和を求めるに際して事前に、輝度プロファイルのコントラスト値、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積及び対象物の反射光の色分布の規格化を行うことが好ましい。
さらに、奥行き感評価部8は、奥行き感評価値(総合指標)に基づいて、物体Pの奥行き感を評価する。
具体的には、コントラスト算出部9で算出された輝度プロファイルのコントラスト値と、ボケ算出部10で算出された輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積と、反射光の色分布算出部11で算出された対象物の反射光の色分布とに基づいて、基準値データベース5を参照することにより奥行き感の評価値を求める。例えば、奥行き感評価部3は、基準値データベース5に格納された物体の輝度プロファイルのコントラスト値、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積及び対象物の反射光の色分布との線形和に対する奥行き感の基準値を示す関数に基づいて、奥行き感の評価を求めることができる。
上記の実施の形態によれば、評価指標算出部2により算出される3つの指標により物体Pを全体的に見たときの感覚に沿って奥行き感を客観的に評価するため、官能評価による奥行き感の評価との相関が高い評価結果を得ることができる。
なお、上記の実施の形態のような物体の奥行き感の評価は、入力手段、CPUおよびメモリなどから構成されるコンピュータを奥行き感評価プログラムにより機能させることで実行することができる。すなわち、奥行き感評価プログラムがコンピュータを機能させることにより、画像入力部1が、光源Fが映り込んだ物体Pを撮影した撮影画像を取得し、取得された撮影画像に基づいて、CPUが、評価指標算出部2および奥行き感評価部3を実行させて物体について奥行き感の評価を行う。
なお、上記の実施の形態においては、図2に示すように、物体Pの真上に、蛍光灯Fを配置し、カメラCを光源Fと物体Pが配置される面に対して所定の角度θを持つように配置して、蛍光灯Fが映り込んだ物体Pの表面の撮影を行ったが、評価指標算出部2の反射光の色分布算出部11へ入力される撮影画像を取得する場合は、物体Pの真上にカメラCを配置し、光源FをカメラCと物体Pが配置される面に対して所定の角度θを持つように配置することが好ましい。
また、上記の実施の形態においては、コントラスト算出部9において、輝度プロファイルを作成するためにRGB画像をグレー変換した画像が用いられているが、これに限定されず、モノクロカメラで物体Pを撮影した撮影画像をそのまま使用してもよい。
上記の実施の形態においては、コントラスト算出部9が、評価指標としてコントラスト値を算出する際、図4に示されるように、プロファイルから輝度値が最大となる位置P1と、2本蛍光灯の間の位置において、輝度値が最も低くなる位置P2を検出し、極大点P1における輝度値B1と、極小点P2における輝度値B2の差分を評価指標(コントラスト値)として算出したが、これに限定されず、輝度値が最大となる位置P1と輝度値が最少となる位置P3を検出し、P1における輝度値B1と、P3における輝度値B3の差分を評価指標(コントラスト値)として算出することもできる。
上記の実施の形態においては、RGB画像のRチャンネルの画像強度からBチャンネルの画像強度を減算した差分画像の強度を、評価指標(反射光の色分布)として算出したが、図2に示すカメラCにクロスニコルのフィルタを備え付け撮像された偏光画像のRチャンネルの画像強度からBチャンネルの画像強度を減算した差分画像の強度を、評価指標(反射光の色分布)として算出することもできる。
実施例
実際に、奥行き感評価装置を用いて物体の奥行き感を評価した実施例を示す。
この実施例は、材質やツヤが異なる5つのサンプルに対して、上記の奥行き感評価装置を用いて、3つの評価指標、すなわち、輝度プロファイルのコントラスト値、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積及び対象物の反射光の色分布を互いに組み合わせて奥行き感評価値(総合指標)を算出するとともに、15名の観察者により、5つのサンプルを目視した時の視覚的な奥行き感の官能評価を行ったものであり、図7は、奥行き感評価値(総合指標)を官能評価から得られた官能評価値に対してプロットしたものである。
この実施例において、目視評価値は、5つのサンプルの目視を行い、奥行き感ついて、それぞれ順位づけを行った結果を一対比較手法(サーストン法)により評価した値を使用した。また、検知限界は、5つのサンプルに対し、目視を行い、奥行き感について、4つのカテゴリ、すなわち、(1)奥行き感を感じない、(2)奥行き感をわずかに感じる、(3)奥行き感を多少感じる、(4)奥行き感を非常に感じるに分けた結果から算出した。
図7は、奥行き感評価装置を用いて得られた3つの評価指標、すなわち、輝度プロファイルのコントラスト値(A)、輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積(B)及び対象物の反射光の色分布(C)を線形和して算出した奥行き感評価値(総合指標)を目視評価値に対して「◆」でプロットしたものである。具体的には、総合指標=−0.059×コントラスト値(A)−0.0044×輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積(B)−0.028×対象物の反射光の色分布(C)+γで示された。なお、γは定数である。値が0に近づくほど奥行き感がないと評価され、値が2.5に近づくほど奥行き感があると評価されたものである。
また、奥行き感評価値(総合指標)と目視評価値との間で相関を求めた結果、相関係数Rは0.9753であった。このことから、3つの評価指標による奥行き感評価の信頼性が高いことが確認された。
1 画像入力部
2 評価指標算出部
3 奥行き感評価部
4 表示部
5 基準値データベース
6 制御部
7 操作部
8 プロファイル作成部
9 コントラスト算出部
10 ボケ算出部
11 反射光の色分布算出部
P 対象物
C カメラ
F 蛍光灯(光源)
P1〜P4 位置
B1〜B4 輝度値
S 面積

Claims (9)

  1. 光源から対象物の表面に光を照射し、
    前記光源が映り込んだ前記対象物を撮影し、
    前記光源が映り込んだ前記対象物の撮影画像から輝度プロファイルを作成し、
    前記輝度プロファイルから前記撮影画像のコントラスト値を第1の奥行き感評価指標として算出し、
    前記輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積を第2の奥行き感評価指標として算出し、
    前記撮影画像から、前記対象物の反射光の色分布を第3の奥行き感評価指標として算出し、
    前記第1〜3の奥行き感評価指標を互いに組み合わせて奥行き感に対する総合指標を算出し、前記総合指標に基づいて、前記対象物の奥行き感を評価する奥行き感評価方法。
  2. 前記撮影画像のRチャンネルの画像強度からBチャンネルの画像強度を減算した差分画像の強度を、前記反射光の色分布として算出する請求項1に記載の奥行き感評価方法。
  3. 前記コントラスト値、前記面積及び前記反射光の色分布がそれぞれ異なる対象物を目視評価することにより予め求められた奥行き感の基準値に対する前記第1〜3の奥行き感評価指標の線形和に基づいて前記奥行き感を評価する請求項1または2に記載の奥行き感評価方法。
  4. 前記基準値に対する第1〜3の奥行き感評価指標の線形和を格納するデータベースに格納しておき、
    前記コントラスト値と、前記面積及び前記反射光の色分布に基づいて、前記データベースを参照することにより前記奥行き感を評価する請求項3に記載の奥行き感評価方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の奥行き感評価方法の各ステップをコンピュータに実行させるための奥行き感評価プログラム。
  6. 対象物の奥行き感を評価する奥行き感評価装置であって、
    前記対象物の表面に光を照射する光源と、
    前記光源が映り込んだ対象物を撮影する撮影部と、
    前記撮影部により撮影された撮影画像における輝度プロファイルを作成するプロファイル作成部と、
    前記輝度プロファイルから前記撮影画像のコントラスト値を第1の奥行き感評価指標として算出するコントラスト算出部と、
    前記輝度プロファイルに現れる1つの波形のピークが有する一方の裾部分の面積を第2の奥行き感評価指標として算出するボケ算出部と、
    前記撮影画像から、前記対象物の反射光の色分布を第3の奥行き感評価指標として算出する反射光の色分布算出部と、
    前記第1〜3の奥行き感評価指標を互いに組み合わせて奥行き感に対する総合指標を算出し、前記総合指標に基づいて、前記対象物の奥行き感を評価する奥行き感評価部とを備える奥行き感評価装置。
  7. 前記反射光の色分布算出部は、前記撮影画像のRチャンネルの画像強度からBチャンネルの画像強度を減算した差分画像の強度を、前記反射光の色分布として算出する請求項6に記載の奥行き感評価装置。
  8. 前記奥行き感評価部は、前記コントラスト値、前記面積及び前記反射光の色分布がそれぞれ異なる対象物を目視評価することにより予め求められた奥行き感の基準値に対する前記第1〜3の奥行き感評価指標の線形和に基づいて前記奥行き感を評価する請求項6または7に記載の奥行き感評価装置。
  9. 前記基準値に対する第1〜3の奥行き感評価指標の線形和を格納するデータベースをさらに備え、
    前記奥行き感評価部は、前記コントラスト算出部により算出された前記コントラスト値と、ボケ算出部により算出された前記面積と、前記反射光の色分布算出部により算出された前記反射光の色分布に基づいて、前記データベースを参照することにより前記奥行き感を評価する請求項8に記載の奥行き感評価装置。
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