JPWO2005074711A1 - 大豆加工品の連続製造方法及び装置 - Google Patents

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博明 岩本
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有一 若林
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Abstract

【課題】食感のよい豆乳や大豆ペーストを連続的に製造する。【解決手段】大豆粉に加水,混練して得られた大豆混練物を,水分調節して設定圧力(50kg/cm2以下)に加圧し,撹拌した上で,前記大豆混練物内の大豆固形分を平滑化処理し,前記加圧された大豆混練物を大気圧下に急激に放圧する。前記平滑化処理は,前記大豆混練物を該大豆混練物の流路中に設けた多数の細孔を通過させることによって行なうことができる。【選択図】図5

Description

この発明は,豆腐原料や飲料用としての豆乳や,菓子,アイスクリーム,練り製品などの各種食品の原料等として好適な大豆ペーストを含む大豆加工品の連続製造方法と,その装置に関する。
大豆の有する食物繊維等を有効に摂取するという栄養学的な観点や,環境面での廃棄物削減の観点等から,外皮を含む全粒大豆を処理し,実質的におからを生じることなく,又はおからの量を低減して豆乳化させる方法が提案されている。
このような方法としては,原料大豆を水に浸漬し,加水して磨砕,加熱して得られる呉を高圧ホモジナイザで均質化処理し,孔径20〜50μmのフィルタを通して濾過することにより,ざらつき感がなく,滑らかな食感の豆乳を得るとするものがある(例えば,特許文献1参照)。なお,前記方法においては,孔径20〜50μm の前記フィルタは,2500〜3500rpm の遠心濾過を適用するのがよく,高圧ホモジナイザは,100〜500kg/cm2 の高圧下で運転するものとしている。
本発明の先行技術文献としては以下のものを挙げることができる。
特開2002−17286号公報
上述するような従来技術によるときは,高圧ホモジナイザは,100〜500kg/cm2 の高圧下で運転しなければならず,安全性を維持するために細心の注意が必要である上,孔径20〜50μm のフィルタを使用して遠心濾過することから,処理効率が悪く,本質的にバッチ処理であり,大量生産に不向きであるという問題が避けられなかった。
また,前記従来技術によれば,高圧ホモジナイザによる均質化処理の後,遠心濾過を行なって比較的大径の呉成分を削減することにより食感の優れた豆乳を得ることとしているため,結果として大豆全てが使用されるわけではなく,おからを生じさせるものとなっている。
そこで,本発明は,かかる従来技術の問題に鑑み,比較的低圧の設定圧力下で処理することにより,安全に連続運転ができ,大量生産の要請にも容易に応え得るだけでなく,舌触りが滑らかで口当たりがよく食感の良好な大豆加工品を製造することができる大豆加工品の連続製造方法と,該方法を実現するための装置を提供することを目的とする。
また,外皮を含む全粒大豆であっても,おからを生じさせることのない,又はその発生量が低減された,歩留りのよい大豆加工品の連続製造方法及び装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため,本発明の大豆加工品の連続製造方法は,大豆粉に加水,混練して得られた大豆混練物を,水分調節して設定圧力に加圧し,撹拌した上で,前記大豆混練物内の大豆固形分を平滑化処理し,前記大豆混練物に対する加圧を解除する,例えば大気圧下に放圧することを特徴とする(請求項1)。
ここで,本願において「平滑化処理」とは,大豆混練物内の大豆固形分を微細化し球形化することをいう。なお,球形化とは前記大豆固形分(固形分粒子)を球形とする場合のみならず,該固形分粒子の角部に丸みを持たせ,全体として球形に近い形状にすることを含む。
本発明においては,前記大豆混練物を加圧する際の前記設定圧力を50kg/cm2以下とすることができる(請求項2)。
また,前記大豆混練物の加圧解除,大気圧下への放圧は急激に行なうことが好ましい(請求項3)。
前記大豆混練物内の大豆固形分の平滑化処理は,前記大豆混練物を該大豆混練物の流路中に設けた多数の細孔を通過させることによって行なうことができる(請求項4)。
なお,前記大豆混練物内の大豆固形分の平滑化処理には,超音波処理を併用することができ(請求項5),また,前記大豆粉の加水時及び/又は前記大豆混練物の水分調節時に用いられる水には,該水のクラスタを微細化する前処理を施すこともできる(請求項6)。
前述の方法において,前記大豆粉への加水時に該大豆粉の重量と略同量の水を加えると共に,前記大豆混練物の水分調整時に該大豆混練物内の大豆固形分の重量に対して約6〜25倍の水を加え,前記加圧時に前記設定圧力を5〜50kg/cm2とすることにより豆乳を製造することができる(請求項7)。前記豆乳は飲料用として用いることができるほか,前記水分調整時に加える水を,前記大豆固形分の重量に対して約6〜12倍とし,前記加圧時の設定圧力を5〜15kg/cm2とすれば,これにより得られた前記豆乳は豆腐製造用として利用することもできる。
また,前記大豆粉への加水時に該大豆粉の重量と略同量の水を加えると共に,前記大豆混練物の水分調整時に該大豆混練物内の大豆固形分の重量に対して約2〜5倍の水を加え,前記加圧時に前記設定圧力を2〜10kg/cm2とすることにより大豆ペーストを製造することができる(請求項8)。
また,前記方法を実現する本発明の大豆加工品の連続製造装置は,加水した大豆粉を混練する混練手段20,30と,混練手段20,30からの大豆混練物を水分調節する水ノズル等の水分調整手段55と,水分調節された大豆混練物を設定圧力に加圧するポンプ等の加圧手段40と,加圧された大豆混練物を撹拌した上で,該大豆混練物内の大豆固形分を平滑化処理する処理系統51,60,70と,該処理系統51,60,70からの大豆混練物を大気圧下に放圧する圧力バルブ等の放圧手段80とを備えることを特徴とする(請求項9)。
前記処理系統は,ケーシング71内に細孔を多数有する案内羽根72や,断面が円や多角形の筒状体を成すガイド筒73,74等の構造体が固定され,該構造体の前記細孔を前記大豆混練物が通過することにより前記大豆混練物内の大豆固形分を平滑化処理する迷路ユニット70を含んで構成することができる(請求項10)。
なお,前記混練手段は,スクリュー装置20,ローラ装置30を縦続して構成することとしてもよく(請求項11),また,前記処理系統には,超音波処理装置60を含んでもよい(請求項12)。さらに,前記大豆粉の加水及び/又は前記大豆混練物の水分調整において用いられる水のクラスタを微細化する前処理装置56を備えてもよい(請求項13)。
前記本発明の大豆加工品の連続製造方法によれば,大豆粉は,加水して混練することにより,大豆混練物内の大豆固形分が粉砕され,所定の水分量となるように水分調節して加圧し,前記大豆混練物を撹拌して該大豆混練物内の前記大豆固形分(固形分粒子)を平滑化処理するため,前記固形分粒子が微細化するとともに球形化し,したがって,ざらつき感をなくし,のどごしを滑らかにして極めて良好な食感を実現することができる。
すなわち,豆乳や大豆ペースト,あるいはこれを原料として製造される大豆加工食品について,ざらつき感をなくし,のどごしや舌触りを滑らかにして食感を向上させるためには,単に固形分粒子の粒径を小さくするだけでは不十分であり,各固形分粒子の外形を丸くすることが重要であって,丸みを帯びた固形分粒子は,仮にそれが凝集して見掛けの粒径が大きくなった場合であっても,ざらつき感を殆ど感知させず,のどごしや舌触りのよい良好な食感となることが判明した。
本発明にあっては,上記平滑化処理により大豆混練物内の大豆固形分(固形分粒子)が微細化されるだけでなく球形化されるため,上述するような良好な食感を得ることができる。上記大豆固形分の粒径は,微細化,球形化が可能な範囲となる。
一例として,本発明により製造される豆乳,大豆ペーストにおける大豆固形分(固形分粒子)の粒径は,図6と同様の分析の結果,粒径範囲 0.5μm〜100μm,平均粒径,9.777μmである。
大豆ペーストにする事により、粒子径は大きくなっているが平滑化処理されていることが分かる。
前記大豆混練物内の前記大豆固形分(固形分粒子)の平滑化処理は,前記大豆混練物を該大豆混練物の流路中に設けた多数の細孔を通過させることによって行なうことができ,このような平滑化処理を実現する構成として,ケーシング71内に細孔を多数有する案内羽根72やガイド筒73,74等の構造体が固定された迷路ユニット70を使用することができる。これにより,前記流路内で,前記大豆混練物である流体に衝突,剪断,合流,分断等の作用が繰り返し生じるため,前記流体内の大豆固形分(固形分粒子)は,単に微細化されるだけでなく,個々の固形分粒子の外形が丸みを帯びて球形化される。
上記迷路ユニット70を通過する際に濁流が生じ固形分粒子の磨濁を促進されることが寄与している。すなわち,ホモジナイザ等の従来装置を使用した場合、高圧力によるタンパク質の変性により豆腐生産時に豆腐用凝固剤による凝固反応が著しく損なわれ従来の食感の良い豆腐が出来ない。したがって本発明装置は配管内の短い距離において衝突、磨濁等を繰り返し起こす為に複数のユニットを組み込み、微細化や球形化を起こす事をも目的としている。
なお,上記迷路ユニット70内で,大豆混練物である流体には,他に,例えばキャビテーション(衝撃波),高周波/超音波による作用が加わる。
また,前記本発明の方法にあっては,大豆混練物の設定圧力を50kg/cm2以下と低圧に抑えることができる。本発明では,大豆固形分の各粒子が球形化していて良好な食感が得られることから,厳密に微細化しなくても低圧力下で微細化を行なえることが一つの理由である。そのため,従来技術である特許文献1記載の方法のように高圧力下で運転するための種々の問題がなく,比較的低圧な状態で安全に運転することができるほか,これによって平滑化処理するための処理系統も大口径に作り易くなるため,工程全体を連続工程として大量生産の要請にも容易に応えることができる。
本発明においては,低圧力でも超音波装置の効果によって水の浸透促進作用と迷路ユニット通過時に起こる衝突、磨濁、混濁による作用で微細化及び球形化が可能となる。
さらに,前記本発明の方法にあっては,高圧ホモジナイザ等を使用した場合よりもさらに大豆固形分を微細化できることや,大豆固形分の各粒子が球形化していて良好な食感が得られるので厳密に微細化しなくてもよいこと等から,特許文献1記載の方法のように,大径の固形分粒子を濾過する工程を必要としないため,実質的におからを生じることがなく,原料とした大豆全てを使用することができ,歩留りがよい。また,前記濾過を行なわないことから,前述した低圧力下での運転と相俟って連続工程による大量生産を好適に行なうことができる。
すなわち,特に原料である大豆は硬質なので粉砕しても鋭角な粒子が残る。従来の大豆粉による食品化が改善されなかったのは上記原因によるザラツキの為と考えられる。電子顕微鏡倍率500〜3500で粒子の確認を行った際、微細化した大豆粉の特徴とも思われる鋭角な粒子の重なり合った状態を多く確認することができる。
微細化してもザラツキの残る粒子であれば濾過も必要であるが、超音波装置や迷路ユニット通過による粒子の球形化でのど越しの良い状態になれば濾過を必要としないからである。
従って,原料とする大豆粉の粉砕状況によっては濾過工程を組み入れることもできる。
また、平滑化処理された前記大豆固形分(固形分粒子)を含む前記大豆混練物を大気圧下に急激に放圧することにより、前記固形分粒子が急激な圧力低下に伴って膨潤及び分散等することから、微細化が一層促進される。
さらに,前記大豆固形分(固形分粒子)の平滑化処理に超音波処理を併用すると,超音波装置による衝撃で大豆粉粒子内の残留エアを放出させ速やかに水の浸透を促進させる事が出来、すでに水が浸透している粒子については栄養を含んだ水を放出させ新たな水との置換を瞬時に繰り返させることが出来る。上記処理は,水溶性成分を放出させることを目的とする。
また,本発明において,大豆粉への加水時,前記大豆混練物の水分調節時に使用される水は,水のクラスタを微細化する前処理を施すことにより,大豆固形分(固形分粒子)に一層浸透し易くなるため,これによって,エアの放出及び栄養成分の抽出効率が高まり,大豆粉の利用効率(歩留り)を向上させることができる。
また,前記水分調節時に大豆混練物へ加える水の量や,前記加圧時の設定圧力を調整することにより,飲料用あるいは豆腐製造用の豆乳,大豆ペースト等,用途に応じた大豆加工品を製造することができる。
このようにして製造された前記大豆ペーストは,アイスクリームやプリン等の各種菓子や食品の原材料として,また,カレーやスープ,ジャム等,粘性を必要とする食品の増粘材として,さらに,パンやパスタ,マカロニ,うどん,ラーメン等の麺類,ハンバーグ,餃子,水産練り製品等,離水防止の必要がある食品等に対する品質改良材として,その他,マヨネーズやドレッシング等の乳化食品の乳化材として用いるなど,様々な食品に使用することができる。
特に,前記菓子,アイスクリーム,練り製品などの他,パスタ,マカロニ,うどん,ラーメンなどの麺類については,前記大豆ペーストを増量材として使用することができる。
また,本発明の大豆加工品の連続製造装置によれば,混練装置20,30,水ノズル等の水分調整装置55,ポンプ等の加圧装置40,平滑化処理用の処理系統51,60,70,圧力バルブ等の放圧装置80を組み合わせることにより,前述した本発明の大豆加工品の連続製造方法を円滑に実施することができる。
特に,前記処理系統において,ケーシング内に細孔を多数有する構造体72,73,74が固定されて成る前記迷路ユニット70を用いることにより,大豆混練物内の大豆固形分(固形分粒子)を微細化及び球形化する平滑化処理を好適に行なうことができる。
なお,前記混練装置は,スクリュー装置20,ローラ装置30を縦続することにより,前者による予備混練,後者による本混練を通じ,全体としての混練処理を一層完全にすることができる。
また,前記処理系統において超音波処理装置60を備えたり,前記混練装置20,30及び/又は前記水分調整装置55において用いられる水のクラスタを微細化するための前処理手段56を備えることにより,前記大豆混練物の大豆固形分の平滑化処理を一層促進することができる。
以下,図面を以って本発明の実施の形態を説明する。
〔大豆加工品の連続製造方法〕
本発明の大豆加工品の連続製造方法は,上述のように,大豆粉に加水,混練して得られた大豆混練物を,水分調節して設定圧力に加圧し,撹拌した上で,前記大豆混練物内の大豆固形分を平滑化処理し,前記大豆混練物を大気圧下に放圧するもので,これにより,豆乳や大豆ペーストといった大豆加工品を製造するものである。
本発明において使用される大豆粉は,外皮を含む全粒大豆粉末,外皮を除いた脱皮大豆粉末のいずれであってもよく,本実施形態にあっては,その粒径は,少なくとも500μm 以下,より好ましくは200〜400μm 以下に粉砕したものを使用する。
上記大豆粉は,原料大豆−乾燥−(脱皮−皮分級)−石臼式、ピンミル方式、風圧等による粉砕−分級工程を経て,製造される。
上記大豆粉は,例えば,大豆を水に浸漬・蒸煮して得られた呉を粉砕する,生又は乾燥した大豆をそのまま粉砕する等して製造することができる。
また,混練時の前記大豆粉への加水は,前記大豆粉と同重量の水量に抑えることが好ましい。過大な量の水は,混練物の内部に大豆粉の玉(だま)を生じ易く,却って不完全な混練結果になり,粗大な固形分粒子が残り易い。
加水の一例は,重量比で,大豆粉1に対し,水1〜4とすることができる。
一方,前記混練後,得られた大豆混練物に加圧する前に行なう水分調節において加える水の量は,飲料用の豆乳,豆腐製造用の豆乳,増量材等に用いられる大豆ペーストのいずれを製造することを目的とするかにより異なり,前記大豆混練物内の大豆固形分に対して,それぞれ重量比にして6〜25倍,6〜12倍,2〜5倍の水量とすることが好ましい。
なお,前記加圧時,ないしは水分調整時に使用する水は,あらかじめクラスタを微細化する前処理を行なっておくことが好ましく,これにより,前記大豆固形分への水の浸透が好適に行なわれる。
上記水分調整された大豆混練物を加圧する際の設定圧力についても大豆加工品の用途により異なり,飲料用の豆乳,豆腐製造用の豆乳,増量材等に用いられる大豆ペーストについて,それぞれ5〜50kg/cm2 ,5〜15kg/cm2 ,2〜10kg/cm2 程度とすることができる。本発明にあってはこのように最大でも50kg/cm2 以下という比較的低圧に抑えることができるため,その後に平滑化処理する処理系統も大口径に作り易く,工程全体を連続工程として大量生産の要請にも容易に応えることができる。
平滑化処理は,加圧された前記大豆混練物を攪拌した後に,該大豆混練物の流路中に設けた多数の細孔を通過させ,流体の衝突,剪断,合流,分断,またキャビテーションや超音波/高周波等の作用を繰返し実現することによって行なわれる。これにより,前記大豆混練物である流体内の大豆固形分(固形分粒子)は,単に粒径が微細化されるだけでなく,個々の固形分粒子が球形化されて外形が丸くなり,ざらつき感が除去されるため,のどごしや舌触りが滑らかとなり,食感を著しく向上させることができる。
前記平滑化処理を行なう処理系統としては,たとえば(株)ミューカンパニーリミテド社製のミューミキサーやミューリアクター,内燃機関用の消音器(マフラー)などのように,多数の細孔を有するパンチングメタル製等の案内羽根72ないしは断面が円又は三角形等の多角形を成す筒状体(ガイド筒)73,74等の構造体によって大豆混練物である流体の流路を変曲しながら通過させる迷路ユニット70を含み,前述する流体の衝突,剪断,合流,分断などを繰返し実現するものを挙げることができる。このような迷路ユニット70を通過させると,大豆混練物内の大豆固形分(固形分粒子)は,上述したような平滑化処理,すなわち,固形分粒子の微細化及び球形化が行なわれる。前記細孔は,円や楕円等の形状を有し,また,前記大豆混練物内の大豆固形分を所望の微細化,球形化状態とすること可能な程度の孔径を有する。
例えば,図3(A)〜(D)に示す迷路ユニットの形状、厚み、設置位置、設置方向、材質等については、配管内の短い距離で繰り返し剪断、衝突、磨濁、混濁等を生じさせればよく、加水量の違いによる濃度変化に対応できる範囲のものでもよい。
また,前記平滑化処理において,超音波処理を併用し,前記大豆混練物内の大豆固形分(固形分粒子)からエアの放出及び栄養成分の抽出を行なって前記大豆固形分への前記水の浸透を促進することとしてもよい。
前記平滑化処理を経た大豆混練物は,その後,前記設定圧力の加圧状態から,大気圧下などに放圧される。この放圧は,圧力バルブ等を用いて急激に行なうことが好ましく,これにより前記大豆混練物内の大豆固形分(固形分粒子)の一層の微細化を図ることができ,食感を向上させることができる。
〔大豆加工品の連続製造装置〕
上記方法を実施するための大豆加工品の連続製造装置は,大豆粉に加水して混練する混練手段20,30と,該混練手段20,30からの大豆混練物を水分調節する水分調整手段55と,水分調節された大豆混練物を設定圧力に加圧する加圧手段40と,加圧された大豆混練物を撹拌した上で,該大豆混練物内の大豆固形分を平滑化処理する処理系統51,60,70と,該処理系統51,60,70からの大豆混練物をここでは大気圧下に放圧する放圧手段80とを備えて成り,本実施形態にあっては,混練用のスクリュー装置20及びローラ装置30,加圧用のポンプ40,攪拌用のスタティックミキサ51,51,超音波処理装置60,迷路ユニット70,70,放圧用の圧力バルブ80を備える(図1)。
前記スクリュー装置20の前段には,原料となる大豆粉を定量供給する供給装置10が設けられている。
また,前記スクリュー装置20と,それに縦続するローラ装置30とは,供給装置10からの大豆粉を水ノズル53,54によって加水すると共にこれを混練する混練手段を形成しており,前記スタティックミキサ51,51,超音波処理装置60,迷路ユニット70,70は,圧力バルブ80に至るリザーバパイプ52とともに,加圧下で大豆混練物である流体を撹拌して該大豆混練物内の大豆固形分を平滑化処理する処理系統を形成している。
(1)供給手段
供給手段10は,原料となる大豆粉を投入するホッパ11と,該ホッパ11からの前記大豆粉を後続するスクリュー装置20へと定量供給するスクリューコンベヤ12とを備えている。スクリューコンベヤ12は,駆動モータ12aにより駆動されている。
(2)混練手段
本実施形態において,加水した大豆粉を混練する混練手段は,スクリュー装置20と,ローラ装置30とを含む。
(2−1)スクリュー装置
スクリュー装置20は,混練室21の底部に混練スクリュー22を有する。混練スクリュー22は,送出し用のポンプ23とともに共通の駆動モータ22aにより駆動され,水ノズル53から供給される水を,前記供給装置10から供給される大豆粉に加えながら混練し,前記ポンプ23を介して後続するローラ装置30に送り出すことができる。
(2−2)ローラ装置
ローラ装置30は,スクレーパ31a,31a付きの混練ローラ31,31を混練室32の上部に有し,前記混練ローラ31,31は,共通の駆動モータ31bにより駆動されている。前記ローラ装置30は,前記混練ローラ31,31上方に設けられた水ノズル54,54からの水を加えながら前記スクリュー装置20から供給された大豆混練物を混練するほか,前記混練ローラ31,31下方に設けられた水ノズル55,55からの水を加えて水分調節を行ない,水分調整後の前記大豆混練物を後続する加圧用のポンプ40に供給することができる。
なお,本実施形態にあっては前記混練手段として前記スクリュー装置20及びローラ装置30を用いたが,大豆粉を好適な状態に加水,混練し,水分調節できるものであれば,この構成に限定されない。
(3)給水系統
給水系統は,前記混練手段において大豆粉を混練する際の加水を行なう際や,前記混練手段20,30によって混練された大豆混練物を水分調節する際に,必要な水を供給するためのもので,本実施形態にあっては,加水用及び水分調節用の水を共通の給水源から前記スクリュー装置20及びローラ装置30へと供給することとしている。給水源から供給される水は,超音波処理装置56,給水ポンプ57を介して,混練時の加水用の水ノズル53,54,54,及び,水分調整手段を成す水ノズル55,55へと分配されている。前記各水ノズル53,54,55は,流量調整弁53a,54a,55a,開閉弁57a,57aを介して前記給水ポンプ57の吐出側に接続されている。
前記超音波処理装置56は,水のクラスタを微細化するための前処理装置であって,高磁界発生装置であってもよい。また,たとえば海洋深層水のようにクラスタが十分小さい水を使用できるときは,前処理装置56を省略してもよい。
また,上述するように大豆粉を所望状態まで加水,水分調節できるものであれば,構成は上記のものに限定されない。
なお,前記各水ノズル53,54,55に供給する水は,図示しない加温装置を介し,たとえば55〜65℃に加温することが好ましい。大豆粉に対する浸透性が高まり,栄養成分の抽出効果を向上させることができるからである。
(4)ポンプ
ポンプ40は,大豆混練物を所定の設定圧力に加圧するもので,加圧装置として機能するものであれば如何なる構成であってもよいが,たとえば兵神装備(株)製のモーノポンプ等を使用することができ,駆動モータ41を介して駆動することにより,水分調節された流体としての前記大豆混練物を最大50kg/cm2 に加圧して送出することができる。
(5)処理系統
前記ポンプ40の吐出側には,スタティックミキサ51,51,超音波処理装置60,迷路ユニット70,70,ドレン弁52a付きのリザーバパイプ52からなる処理系統が設けられ,前記ポンプ40により加圧され,処理系統に供給された大豆混練物は,スタティックミキサ51,51によって撹拌され,主として迷路ユニット70,70を介して大豆混練物内の大豆固形分の平滑化処理が施される。超音波処理装置60は,平滑化処理を促進し,リザーバパイプ52は,平滑化処理後の固形分粒子を膨潤させるために設けられている。なお,スタティックミキサ51,51は,任意の形式でよく,1段または2段以上を使用することができ,リザーバパイプ52は,必要に応じて設ければよい。
(5−1)超音波処理装置
超音波処理装置60の一例を図2に示す。ただし,図2(A)は,ケーシング61の側面図,同図(B)は,全体横断面図,同図(C)は,超音波発振器63,63…を搭載する振動板62の側面図である。
ケーシング61は,両端部をそれぞれテーパ状に縮径する正五角形の角筒状に形成され,接続用のフランジ61a,61aが両端に付設されている。前記ケーシング61の各側面には,長方形の開口部61bが形成され,各開口部61bの周囲には,枠形のフランジ61cが付設されている。
超音波発振器63,63…は,開口部61bに適合する振動板62上に一列に搭載されており,各振動板62は,パッキン62a,押え枠62bを介し,フランジ61c上にねじ止めされている。また,押え枠62b上には,保護用のカバー62cが共締めされている。
以上の構成による超音波処理装置60は,ケーシング61上の全部の超音波発振器63,63…を一斉に同位相で励振することにより,ケーシング61内を軸方向に通過する流体を超音波処理することができる。なお,このとき,超音波発振器63,63…は,五角形のケーシング61の各側面に配設されているため,流体内で互いに超音波振動が打ち消されるおそれがない。
なお,本実施形態にあっては,上記構成の超音波処理装置60を用いることとしているが,所望状態に超音波を発生させることのできる装置であれば特に限定されず,既知の超音波処理装置を広く使用することができる。
(5−2)迷路ユニット
迷路ユニット70は,前記大豆混練物内の大豆固形分を微細化すると共に球形化する平滑化処理を行なうもので,本実施形態にあっては,ケーシング71内に細孔を多数有する構造体が固定され,該構造体の前記細孔を前記大豆混練物が通過するよう構成されており,例えば,ケーシング71内に,扇形に形成されたパンチングメタル製の案内羽根72,72…を複数枚,その頂点において接着すると共に,各案内羽根72,72…を同一方向にひねって全体として風車状に配列したものを1組とし,これをケーシング71内の長さ方向に複数組,所定間隔で収納して固定するミューミキサーまたはミューリアクター形のもの(図3(A)),パンチングメタル製の1枚の板を螺旋状にねじった状態のものを収納する静止スクリュー形の案内羽根72を使用したもの(同図(B)),パンチングメタル製の断面正三角形の角筒状のガイド筒73を前記ケーシング71の軸方向にねじった状態のものを収納固定したもの(同図(C)),ケーシング71内に長さの異なるパンチングメタル製の円筒状のガイド筒74,74と,孔開きの邪魔板75,75とを収納してマフラー形に構成されたもの(同図(D))などを使用することができる。
なお,同図(D)の迷路ユニット70は,3本以上のガイド筒74,74…,3枚以上の邪魔板75,75…を組み合わせてケーシング71内の流れ方向を2回以上逆転させてもよく,入口,出口をケーシング71の両端に開口させてもよい。また,同図(A)〜(C)の迷路ユニット70は,案内羽根72またはガイド筒73の重ね合わせ又はねじり方向を交互に逆方向にして複数ユニットを縦続して使用することが好ましい。また,図3(A)〜(D)の各迷路ユニット70は,その1種だけを使用してもよく,複数種を組み合わせて使用してもよい(図1)。
このように,細孔の設けられた案内羽根72,やガイド筒73,74等の各種構造体を配置した迷路ユニット70を用いることにより,大豆混練物である流体に衝突,剪断,合流,分断等の作用を加え,大豆固形分を好適に微細化及び球形化することができる。
(6)圧力バルブ(放圧装置)
圧力バルブ80は,設定圧力に加圧された前記大豆混練物を放圧するための放圧装置として設けたもので,たとえば弁座81,弁体82を弁箱83に収納して構成されている(図4)。
前記弁体82は,前記弁箱83の外部において,弁棒82aを押圧する圧縮ばね84を介して閉じ方向に付勢されている。圧力バルブ80は,圧縮ばね84の圧縮強度を設定することにより,設定圧力以上となっている流体(大豆混練物)を大気圧下に急激に放圧することができる。前記設定圧力は,圧縮ばね84の一端を押圧するねじ付きの押え金具84aを介して調節することができ,押え金具84aは,ロックナット84bを介してロックすることができる。
また,前記弁箱83の入口側,出口側には,それぞれフランジ83a,83bが付設されており,前記弁体82には,リーク用の細溝82bが螺旋状に形成されている。
なお,本発明においては,前記加圧装置による大豆混練物への加圧を解除することのできる構成を備えるものであれば,前記圧力バルブ80以外の既知の装置を使用することができ,上記構成には限定されない。
(7)加熱装置
前記圧力バルブ80の出口側には,たとえば1〜3分間程度大豆混練物を沸騰させる加熱工程を実現可能とすべく,加熱装置が接続されていてもよく,該加熱装置を経て,目的とする豆乳または大豆ペーストといった大豆加工品を得ることができる。
図1の連続製造装置の処理工程は,図5のように要約することができる。すなわち,大豆粉は,スクリュー装置20,ローラ装置30からなる混練装置によって2段階に加水して混練され,水分調節された上,ポンプ40を介して加圧され,スタティックミキサ51,51を介して撹拌され,超音波処理装置60,迷路ユニット70,70,リザーバパイプ52を介して大豆混練物内の大豆固形分が平滑化処理され,圧力バルブ80を介して加圧が解除され,ここでは大気圧下に急激に放圧される。また,水は,たとえば超音波処理装置56を介して前処理され,各水ノズル53,54,55を介し,大豆粉の加水用,水分調節用に使用される。なお,水のクラスタを微細化するための前記超音波処理装置56は,大豆混練物の処理系統で使用する前記超音波処理装置60と同形式としてもよく,別形式としてもよい。
〔大豆加工品〕
以上のようにして,本発明の方法又は装置により製造された豆乳や大豆ペーストは,そのまま飲料用の豆乳,各種食品の原材料,増量材,増粘材,乳化材等として使用することができるが,その他に,これに適量のデンプン系の増粘多糖類や,ムコ多糖類,天然ガム系多糖類などの1種または2種以上を添加することにより,冷凍して解凍した場合であっても風味が変わらない冷凍保存可能な豆乳,冷凍保存可能な大豆ペーストや,120℃程度に加熱しても風味が変わらない高温レトルト耐性の豆乳や大豆ペーストを作ることができる。
以上の説明において,外皮を含む全粒大豆粉を使用する場合,図1の加熱工程に続けて,たとえばデカンタ形遠心分離機による大豆固形分の分離工程を設けてもよい。
また,この発明によって製造する大豆ペーストは,そのまま菓子,アイスクリーム,練り製品などの他,パスタ,マカロニ,うどん,ラーメンなどのめん類に使用することができ,特に,乾燥粉砕処理することにより,パンやパスタなどの小麦粉を主成分とする食品一般に好適に使用可能である。
すなわち,本発明により製造された前記大豆ペーストは,アイスクリームやプリン等の各種菓子やパンやパスタ,マカロニ,うどん,ラーメン等の麺類,ハンバーグ,餃子,水産練り製品等,上記各食品の原材料,増量材として用いることができるほか,カレーやスープ,ジャム等,粘性を必要とする食品の増粘材として,さらに,離水防止の必要がある食品等に対する品質改良材として,その他,マヨネーズやドレッシング等の乳化食品の乳化材として用いることができ,これにより各種の大豆加工食品を製造することができる。
また,豆腐原料としての豆乳は,硫酸カルシウム,苦汁,グルコノデルタラクトンなどの凝固剤を混入して成熟凝固させることにより,一般の絹ごし豆腐やもめん豆腐を作ることができ,凝固剤に加えて,ゲル化凝固性を有するゲル化剤を高速混合して成熟凝固させ,さらに冷却して冷凍することにより,解凍しても豆腐ストラクチャを失わない冷凍保存可能な豆腐を作ることができる。
なお,このときのゲル化剤としては,ゼラチン,カゼインなどのタンパク類,寒天,カラギーナンなどの海藻多糖類,タマリンドガム,アラビアガム,グアーガムなどの植物多糖類の他,前述の増粘多糖類,ムコ多糖類,天然ガム系多糖類を含む1種または2種以上が使用可能である。
前記デンプン系の増粘多糖類の例としては,ヤマノイモ科に属するイモ由来の増粘性処理剤を挙げることができる。なお,前記ヤマノイモ科に属するイモとしては,山芋,じねんじょ,ながいも,1年いも,いちょういも,いせいも,やまといも等を挙げることができ,これらを粉状として配合することができ,さらに,水溶液の状態で使用することができる。
この他,前記ゲル化剤に,豆乳100重量部に対しチーズホエイ由来の増粘性熱処理剤を含めることとしてもよい。前記チーズホエイ由来の増粘性熱処理剤としては,牛乳等の原料乳から一例としてチーズを製造する過程で生じる副産物(スウィートホエイとも呼ばれる)から得られたホエイ蛋白質を挙げることができる。
さらに,動物性蛋白質由来の型崩れ防止剤として,例えば,牛乳等の原料乳から一例としてカゼイン又はカッテージチーズを製造する過程で生じる副産物(酸ホエイとも呼ばれる)から得られたホエイ蛋白質を使用することとしてもよい。
前記本発明の方法又は装置により製造された豆乳により冷凍保存可能で,かつ粒状物の混入感等がない,なめらかな食感を呈する,特に,通常の豆腐よりも柔らかくなめらかなおぼろ豆腐風の豆腐を製造する場合には,一例として,豆乳類液100重量部に対し,乾燥状態の固型分の重量で,凝固剤を0.01〜0.8重量部,好ましくは0.05〜0.3重量部未満,ゼラチンを0.05〜4重量部,好ましくは0.1〜2重量部,ヤマノイモ科に属するイモ由来の増粘性処理剤を0.01〜4重量部,好ましくは0.04〜2重量部,チーズホエイ由来の増粘性熱処理剤を0.01〜4重量部,好ましくは0.04〜2重量部,動物性蛋白質由来の型崩れ防止剤を0.01〜3重量部,好ましくは0.03〜2重量部を配合して成すことができる。
また,冷凍保存が可能であると共に,通常よりも食感が硬めで,水分含有量の低減された豆腐を製造する場合には,一例として,豆乳100重量部に対し,乾燥状態の固型分の重量で,豆乳凝固剤を0.3〜0.8重量部,好ましくは0.4〜0.6重量部未満,ゲル化剤としてゼラチンを0.05〜4重量部,好ましくは0.1〜2重量部,ヤマノイモ科に属するイモ由来の増粘性処理剤を0.1〜3重量部,好ましくは0.5〜2重量部,チーズホエイ由来の増粘性熱処理剤を0.5〜15重量部,好ましくは1〜8重量部,動物性蛋白質由来の型崩れ防止剤を0.5〜5重量部,好ましくは1〜3重量部を配合して成すことができる。
図1に示す本実施形態の連続製造装置により図5の全処理工程を経て製造した大豆ペーストの固形分粒子の粒子径分布データを図6,図7に示す。ただし,実施例の大豆ペーストは,粒径400μm の全粒大豆粉1に対し,前処理した水4を加水して水分調節し,ポンプ40,圧力バルブ80による設定圧力を7kg/cm2 として製造した。
なお,図6に比較例(1)〜(3)として示すのは,同等の全粒大豆粉1に前処理しない水または前処理した水4を混合し,プロペラ式のミキサにより十分に撹拌しただけのサンプル3例の粒子径分布データであり,図7は,本発明の実施例に係る大豆ペーストの詳細な粒子径分布データである。
ここで,図6の粒子径分布データは,島津製レーザ回析式粒度分布測定装置SALD-3100を使用して採取した。また,図7の粒子径分布データは,大豆ペーストの50倍稀釈液を観察したものである。
図6によれば,比較例(1)〜(3)の固形分粒子のメディアン径は31.0〜33.7μm であるのに対し,実施例のメディアン径は,105.4μm と大きくなっている。しかし,図7によると,実施例の個々の固形分粒子は,極端に微細化され,球形化されており,それが凝集することによって見掛けのメディアン径を大きくしていることが分かる。
また,比較例(1)〜(3)は,いずれものどごしのざらつき感が感じられ,必ずしも良好な食感が得られなかったのに対し,実施例は,のどごしのざらつき感が全く感じられず,滑らかなのどごしであり,極めて良好な食感が得られた。
比較例(1)〜(3),実施例を含む大豆ペーストの食感評価テストデータの一例を図8に示す。ただし,同図の比較例(4)は,前処理した水を使用する比較例(1)〜(3)に対し,超音波処理装置60による処理を併用して施したもの,比較例(5)は,比較例(4)に対し,マフラー形の迷路ユニット70による平滑化処理を追加したが,圧力バルブ80による急激な放圧をしないで,迷路ユニット70の出口から自然放出させたものである。比較例(5)でも,ほぼ満足すべき食感が得られるが,実施例では,極めて良好な食感を確実に実現することができる。
本発明の大豆加工品の製造装置の一実施形態を示す全体構成模式系統図。 本発明の大豆加工品の製造装置において用いる超音波処理装置60の構成例を示す図。(A)は,ケーシング61の側面図,(B)は,全体横断面図,(C)は,超音波発振器63,63…を搭載する振動板62の側面図。 本発明の大豆加工品の製造装置における迷路ユニット70の構成例(A)〜(D)を示す図。 本発明の大豆加工品の製造装置における圧力バルブ80の全体構成例を示す図。 本発明の大豆加工品の製造方法の全体処理工程の一例を示すフローチャート。 本発明の実施例である大豆ペーストと,比較例(1)〜(3)の大豆ペーストの粒子径分布曲線図。 本発明の実施例である大豆ペーストの個々の粒子が分散された詳細な粒子径分布曲線図。 本発明の実施例である大豆ペーストと,比較例(1)〜(3)の大豆ペーストの食感評価テストデータを示す図表。
符号の説明
10…供給装置
11…ホッパ
12…スクリューコンベヤ
12a…駆動モータ(スクリューコンベヤの)
20…スクリュー装置
21…混練室
22…混練スクリュー(混練装置)
22a…駆動モータ(混練スクリューの)
23…ポンプ(スクリュー装置の)
30…ローラ装置(混練装置)
31…混練ローラ
31a…スクレーパ
31b…駆動モータ
32…混練室
40…ポンプ(加圧装置)
41…駆動モータ(ポンプの)
51…スタティックミキサ(攪拌装置)
52…リザーバパイプ
52a…ドレン弁
53,54,55…水ノズル
53a,54a,55a…流量調整弁
56…超音波処理装置(前処理装置)
57…給水ポンプ
57a…開閉弁
60…超音波処理装置
61…ケーシング
61a…フランジ
61b…開口部
61c…フランジ
62…振動板
62a…パッキン
62b…押え枠
62c…カバー
63…超音波発振器
70…迷路ユニット
71…ケーシング
72…案内羽根
73,74…ガイド筒
75…邪魔板
80…圧力バルブ
81…弁座
82…弁体
82a…弁棒
82b…細溝
83…弁箱
83a,83b…フランジ
84…圧縮ばね
84a…押え金具
84b…ロックナット

Claims (13)

  1. 大豆粉に加水,混練して得られた大豆混練物を,水分調節して設定圧力に加圧し,撹拌し,前記大豆混練物内の大豆固形分を平滑化処理し,この平滑化処理した大豆混練物に対する前記加圧を解除することを特徴とする大豆加工品の連続製造方法。
  2. 前記大豆混練物を加圧する際の前記設定圧力を50kg/cm2以下とすることを特徴とする請求項1記載の大豆加工品の連続製造方法。
  3. 前記大豆混練物を大気圧下へ急激に放圧することを特徴とする請求項1又は2記載の大豆加工品の連続製造方法。
  4. 前記大豆混練物内の大豆固形分の平滑化処理は,前記大豆混練物を該大豆混練物の流路中に設けた多数の細孔を通過させることによって行なうことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の大豆加工品の連続製造方法。
  5. 前記大豆混練物内の大豆固形分の平滑化処理に超音波処理を併用することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の大豆加工品の連続製造方法。
  6. 前記大豆粉への加水時及び/又は前記大豆混練物の水分調整時に用いられる水は,該水のクラスタを微細化する前処理を施して成ることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の大豆加工品の連続製造方法。
  7. 前記大豆粉に対し,該大豆粉と略同量加水すると共に,前記大豆混練物の水分調整時に該大豆混練物内の大豆固形分の重量に対して約6〜25倍加水し,前記加圧時に前記設定圧力を5〜50kg/cm2として豆乳を製造することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の大豆加工品の連続製造方法。
  8. 前記大豆粉に対し,該大豆粉と略同量加水すると共に,前記大豆混練物の水分調整時に該大豆混練物内の大豆固形分の重量に対して約2〜5倍加水し,前記加圧時に前記設定圧力を2〜10kg/cm2として大豆ペーストを製造することを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の大豆加工品の連続製造方法。
  9. 加水した大豆粉を混練する混練手段と,該混練手段からの大豆混練物を水分調節する水分調節手段と,水分調節された前記大豆混練物を設定圧力に加圧する加圧手段と,加圧された前記大豆混練物を撹拌した上で該大豆混練物内の大豆固形分を平滑化処理する処理系統と,該処理系統からの大豆混練物を大気圧下に放圧する放圧手段とを備えてなる大豆加工食品原料の連続製造装置。
  10. 前記処理系統が,ケーシング内に細孔を多数有する構造体が固定され,該構造体の前記細孔を前記大豆混練物が通過することにより前記大豆混練物内の大豆固形分を平滑化処理する迷路ユニットを含むことを特徴とする請求項9記載の大豆加工品の連続製造装置。
  11. 前記混練手段は,スクリュー装置,ローラ装置を縦続して成ることを特徴とする請求項9又は10記載の大豆加工品の連続製造装置。
  12. 前記処理系統に超音波処理装置を含むことを特徴とする請求項9〜11いずれか1項記載の大豆加工品の連続製造装置。
  13. 前記大豆粉の加水及び/又は前記大豆混練物の水分調整において用いられる水のクラスタを微細化する前処理装置を備えることを特徴とする請求項9〜12いずれか1項記載の大豆加工品の連続製造装置。
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