JPWO2005072727A1 - 点眼剤組成物 - Google Patents

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Abstract

第4級アンモニウム塩の配合量を減らしながら十分な防腐効果を有する点眼剤組成物を提供すること。薬効成分としてニプラジロールを含有する点眼剤であって、第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤を0.0005〜0.005質量%含有することを特徴とする点眼剤組成物である。

Description

本発明は、点眼剤組成物に関し、更に詳細には、眼に対する高い安全性と、優れた防腐効果を有し、ニプラジロールを含有する点眼剤組成物に関する。
点眼剤は、医薬品の溶液、懸濁液又は医薬品を用時溶解若しくは懸濁して、結膜嚢に適用する製剤であり、無菌であることが要求されている。
そのため、点眼剤は通常、清浄な環境下で、滅菌済みの容器に濾過滅菌した薬剤を充填して製造されており、開封前は無菌状態である。しかし、患者が使用する際には、外栓を外して内容液を滴下して使用するため、非無菌の外気が容器内に流入することになり、内容液内に防腐剤が含まれていない場合には、内容液が微生物によって汚染される恐れがある。
このため、通常、点眼剤には第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等)や、パラベン類等に代表される防腐剤(抗菌剤)を配合することが多いが、最近の研究によれば、これらの防腐剤の中でも最も広く利用されている第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤が細胞毒性を有することが報告されている(非特許文献1)。
通常、この第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤の有効濃度は0.01w/v%(以下、単に「%」で示す)程度とされることが多い。しかし、この濃度の第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤を配合した点眼剤を長期連用したり、または角膜損傷のある人、もしくはドライアイ症状をもつ人が点眼すると、角膜損傷をきたすおそれがある。このため、安全性を考慮した場合は、第4級アンモニウム塩の濃度を低下させることが求められている。
しかし、上記のように、第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤の有効濃度は0.01%程度とされており、この量を減らすこと、即ち防腐剤を減少させた場合は微生物の発育を防ぐことができないと考えられており、現実性がないとされていた。このように、広範囲の種々の微生物の増殖を防ぎつつ、角膜等の損傷となる原因ともなりうる第4級アンモニウム塩の配合量を減らすことは、極めて難しいことであった。
あたらしい眼科8(10):1599〜1603、1991
従って、点眼剤組成物において、第4級アンモニウム塩の配合量を減らしながら微生物の増殖を防ぐ手段が求められていた。特に、緑内障又は高眼圧症の点眼治療薬は、高齢者の長期投与に使用されることが多いので、角膜損傷の防止とより高い防腐効果を有することが求められていた。本発明は、上記のような手段の開発がその課題である。
発明者らは、上記の問題を解決するため鋭意検討を行っていたところ、他剤との組合せでは通常十分な防腐力が得られない第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤の濃度範囲においても、緑内障又は高眼圧症の点眼治療薬として使用され、主に高齢者等に対して処方されることが多いニプラジロールと組み合わせることにより十分な防腐力が得られ、角膜に対する安全性が高い点眼剤組成物となしうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、薬効成分としてニプラジロールを含有する点眼剤であって、第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤を0.0005%〜0.005%含有することを特徴とする点眼剤組成物である。
本発明の点眼剤組成物は、第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤の含有量が従来のものに比べ少ないにもかかわらず、優れた防腐効果を有するものであるから、眼への安全性が高く、経時的に優れた防腐効果が得られるものである。
本発明の点眼剤組成物に用いられるニプラジロールは、その一般名が3,4−ジヒドロ−8−(2−ヒドロキシ−3−イソプロピルアミノ)プロポキシ−3−ニトロキシ−2H−1−ベンゾピランである化合物であり、緑内障又は高眼圧症の点眼治療薬の有効成分として使用されるものである。
本発明の点眼剤組成物におけるニプラジロールの配合量は、製剤全量に対して、0.05〜1%であり、特に好ましくは0.1〜0.5%である。
一方、本発明の点眼剤組成物において用いられる第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤としては、殺菌剤として知られる塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウムが挙げられるが、特に塩化ベンザルコニウムが好ましい。
一般に、点眼剤への第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤の配合量は、0.01%程度とされることが多いが、ニプラジロールを含有する本願発明の点眼剤組成物では、その配合量は、製剤全体量に対して0.0005〜0.005%であり、好ましくは0.0005〜0.002%であり、従来に比べ、約1/2〜1/20程度の量である。
また、本発明点眼剤組成物における、ニプラジロールと第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤との配合割合は、質量比で、50:1ないし500:1程度とすることが好ましい。
本発明の点眼剤組成物において、そのpHは、5から8程度であり、好ましくは6.5〜7.5の範囲である。このpHの測定は、点眼剤組成物の各成分を加えた後、よく振り混ぜ、室温下でpHメーターを用いることにより行われる。また、本発明の点眼剤組成物の浸透圧比は、0.8ないし1.2である。
本発明の点眼剤組成物には、上記したニプラジロールおよび第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤の他、各種の任意成分、例えば、必ずしもこれらに限定されるものではないが、緩衝剤、粘稠剤、抗酸化剤及び安定化剤、等張化剤等を配合することが可能である。
任意成分のうち、緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ砂、リン酸第一塩、リン酸第二塩、酢酸塩、アミノ酸塩、クエン酸塩、炭酸塩及び炭酸水素塩等が挙げられ、抗菌力の観点から、ホウ酸、ホウ砂、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩を用いるのが好ましい。この緩衝剤の含有量は製剤全量に対して通常0.01〜5%であり、好ましくは、0.01〜2%である。
また、粘稠剤としては、ポリビニルアルコール、ポビドン及びカルボキシビニルポリマー等が挙げられる。この粘稠剤の含有量は製剤全量に対して通常5%程度までである。
更に抗酸化剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等が、製剤全量に対して通常1%程度までの量で配合され、安定化剤としては、カプリル酸ナトリウム、アルギン酸、エチレンジアミン四酢酸ニナトリウム又は四ナトリウム(EDTANa)等が、製剤全量に対して通常0〜1%程度の量で配合される。
更にまた、等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ソルビトール、マンニトール等が挙げられ、製剤全量に対して通常0.01〜3%程度の量で配合される。
かくして得られる本発明の点眼剤組成物は、点眼溶液製剤や、洗眼用製剤の他、用時溶解型の点眼剤、用時希釈型の点眼剤、眼軟膏製剤等とすることができる。
点眼剤組成物は、薬液の微生物汚染を防止するために無菌状態で製造され、使用時においても、微生物による汚染を防ぐため、点眼ノズルが睫毛や目あるいは手指等に触れないように注意して投与する必要がある。
しかし、高齢者はコンプライアンスが悪い傾向があり、また、一般的に、若者と比較して指先の感覚が鈍く、人によっては指の震えも認められることがあるため、手指、睫毛などが点眼瓶のノズルに触れることにより、薬液を汚染してしまうおそれがあり、抗菌剤の使用はさけられないとされている。
本発明では、従来と同程度の抗菌性を、従来より格段に少ない抗菌剤の配合により達成するものであるから、抗菌性と安全性を兼ね備えた点眼剤組成物であるといえる。
以下、製剤例および試験例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
製 剤 例 1
ニプラジロール 250mgを精製水 90mlに加え、更に希塩酸を適量加えて溶解した。この液にリン酸水素ナトリウム 399mg、リン酸二水素カリウム 80mg、塩化ナトリウム 740mgおよび塩化ベンザルコニウム 2mgを加えて攪拌溶解し、更に希塩酸を適量加えてpHを7とし、全量を精製水で100mlに調整した後、メンブランフィルターで濾過滅菌して点眼剤組成物1を得た。このものは、無色透明な液体であり、その浸透圧比は1.0であった。
製 剤 例 2
ニプラジロール 250mgを精製水 90mlに加え、更に希塩酸を適量加えて溶解した。この液にリン酸水素ナトリウム 399mg、リン酸二水素カリウム 80mg、塩化ナトリウム 740mgおよび塩化ベンザルコニウム 0.5mgを加えて攪拌溶解し、更に適量の塩酸を加えてpH7とし、全量を精製水で100mlに調整した後、メンブランフィルターで濾過滅菌して点眼剤組成物2を得た。このものは、無色透明であり、その浸透圧比は1.0であった。
製 剤 例 3
ニプラジロール 250mgを精製水 90mlに加え、更に希塩酸を適量加えて溶解した。この液にリン酸水素ナトリウム 399mg、リン酸二水素カリウム 80mg、塩化ナトリウム 740mgおよび塩化ベンザルコニウム 5mgを加えて攪拌溶解し、更に適量の塩酸を加えてpH7とし、全量を精製水で100mlに調整した後、メンブランフィルターで濾過滅菌して点眼剤組成物3を得た。このものは、無色透明であり、浸透圧比は1.0であった。
製 剤 例 4
ニプラジロール 250mgを精製水 90mlに加え、更に希塩酸を適量加えて溶解した。この液にリン酸水素ナトリウム 399mg、リン酸二水素カリウム 80mg、塩化ナトリウム 740mgおよび塩化ベンザルコニウム 10mgを加えて攪拌溶解し、更に適量の塩酸を加えてpH7とし、全量を精製水で100mlに調整した後、メンブランフィルターで濾過滅菌して点眼剤組成物4を調製した。このものは無色透明であり、その浸透圧比は1.0であった。
製 剤 例 5
リン酸水素ナトリウム 399mg、リン酸二水素カリウム 80mg、塩化ナトリウム 740mgおよび塩化ベンザルコニウム 2mgに精製水 90mlを加え、攪拌溶解し、更に適量の塩酸を加えてpH7とし、全量を精製水で100mlに調整した後、メンブランフィルターで濾過滅菌して点眼剤組成物5を得た。このものは無色透明であり、その浸透圧比は0.95であった。
製 剤 例 6
リン酸水素ナトリウム 399mg、リン酸二水素カリウム 80mg、塩化ナトリウム 740mgおよび塩化ベンザルコニウム 0.5mgに精製水90mlを加え、攪拌溶解し、更に適量の塩酸を加えてpH7とし、全量を精製水で100mlに調整した後、メンブランフィルターで濾過滅菌して点眼剤組成物6を得た。このものは無色透明であり、その浸透圧比は0.95であった。
製 剤 例 7
マレイン酸チモロール 684mgを精製水 90mlに加え、更にこの液にリン酸水素ナトリウム 399mg、リン酸二水素カリウム 80mg、塩化ナトリウム 740mgおよび塩化ベンザルコニウム 0.5mgを加えて攪拌溶解し、更に適量の塩酸を加えてpH7とし、全量を精製水で100mlに調整した後、メンブランフィルターで濾過滅菌して点眼剤組成物7を得た。このものは無色透明であり、その浸透圧比は1.1であった。
製 剤 例 8
ニプラジロール 250mgを精製水 90mlに加え、更に希塩酸を適量加えて溶解した。この液に塩化ナトリウム 740mgおよび塩化ベンザルコニウム 0.5mgを加えて攪拌溶解し、全量を精製水で100mlに調整した後、メンブランフィルターで濾過滅菌して点眼剤組成物8を調製した。このものは無色透明であり、pHは5、浸透圧比は0.88であった。
以上製剤例1〜8の組成を下の表1にまとめて示す。
Figure 2005072727
試 験 例
(1)抗菌力試験(保存効力試験):
製剤例1、2、4〜8で得た各点眼剤組成物について、その抗菌力を下に示す方法により調べた。この結果を表2〜4に示す。
抗菌力試験は、第14改正日本薬局方の保存効力試験法に準じて実施した。使用する接種菌としては、細菌であるエシェリヒア・コリ(E.coli)、シュードモナス・アエルギノーザ(P.aeruginosa)、スタフィロコッカス・アウレウス(S.aureus)を使用した。各点眼剤組成物中に所定菌数を接種した後、1、4、7、14、21および28日後の残存菌数を測定することにより抗菌力を評価した。
なお、コントロールとして、第14改正日本薬局方微生物試験法に定められる、リン酸緩衝液(リン酸緩衝液pH7.2)を使用した。
Figure 2005072727
Figure 2005072727
Figure 2005072727
(2)細胞毒性試験:
製剤例1ないし4で得た各点眼剤組成物について、その細胞毒性を下に示す方法により調べた。この結果を表5に示す。
細胞毒性試験は、ウサギ角膜上皮細胞を用いて行った。まず、4ウェルマルチプレートの各ウェルに10%FBS含有イーグル(Eagle's)MEM培地1mlを分注し、さらに細胞懸濁液(約1000cells/ml)を、1ウェルにつき80個播種し、プレートを前後左右に揺らし、よく撹拌した後、COインキュベーター内で培養した。培養3日後、調製した希釈液を1mlずつ分注し、プレートを前後左右に揺らし、よく撹拌した後、COインキュベーター内でさらに7日間培養した。これをコントロールとした。
一方、同様の手順で、点眼剤組成物1ないし4を、各々、10%FBS含有イーグルMEM培地を用いて2、5、10、20、40および100倍に希釈したものについて、培養を行った。
培養後、細胞をギムザ染色し、青色の生細胞の数をカウントし、これよりコロニー形成率を求めた。更にこの結果より、ED50の希釈倍率を求めた。これらの結果を表5に示す。
Figure 2005072727
(3)評価結果:
ニプラジロールを含有せず、塩化ベンザルコニウムを0.002%含む、製剤例5は、菌が完全に死滅するまでに最低でも7日以上を要していた。一方、ニプラジロールを含有し、上記製剤例5と同量の塩化ベンザルコニウムを含有する製剤例1では、菌の完全な死滅までに要する期間は、製剤例5と比べていずれの菌種においても短く、より強い抗菌力を示している。
また、ニプラジロールを含有せず、塩化ベンザルコニウムを0.0005%含む製剤例6では、シュードモナス・アエルギノーザが28日を経ても減少が認められず、抗菌力が不足することが示された。これに対し、ニプラジロールを含有し、上記製剤例6と同量の塩化ベンザルコニウムを含有する製剤例2では十分な抗菌力を示していた。
製剤例2についての結果から明らかなように、一般的に必要とされる第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤の有効濃度0.01%を配合した製剤(製剤例4)の1/20の量の塩化ベンザルコニウムを含有するものでも、十分な抗菌力を得られることが明かとなった。また、製剤例2と同じ量の塩化ベンザルコニウムを有しながら、ニプラジロールを含有しないもの(製剤例6)およびニプラジロールに代えてマレイン酸チモロールを含有するもの(製剤例7)との対比から、この抗菌力維持にニプラジロールが関与していることが明かとなった。更に、製剤例2と同じ量の塩化ベンザルコニウムおよびニプラジロールを含みながら、緩衝剤を含有しない製剤(製剤例8)は、製剤例2に比べ明らかに抗菌力が弱く、抗菌力に緩衝剤も関与していることも示された。
以上より、ニプラジロールを配合する点眼剤組成物では、塩化ベンザルコニウムの配合量を大幅に減らしても十分な抗菌力が得られることが示された。
一方、ニプラジロールを含有し、塩化ベンザルコニウム0.01%を配合した製剤例4は、十分な抗菌力を有していたものの、細胞毒性において、ED50の値が、58.5倍希釈という結果となり、この値は、同じくニプラジロールを含有し、塩化ベンザルコニウムの配合量をそれぞれ0.002%、0.0005%、0.005%と低減させた製剤例1、製剤例2、製剤例3のED50の値である、30.3倍希釈、24.7倍希釈および34.0倍希釈と比較して極めて高い値であった。
なお、塩化ベンザルコニウム含量が0.0005%である製剤例1、0.002%である製剤例2及び0.005%である製剤例3のED50値に顕著な差が見られないことから、製剤例1の塩化ベンザルコニウム含量が0.0005〜0.005%という濃度の間では、細胞毒性が低いものと言える。
以上より、ニプラジロールを含有する点眼剤組成物は、第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤を0.0005%〜0.005%配合することにより、眼への安全性が高く、経時的に優れた防腐効果を有することが期待できる。
本発明の点眼剤組成物は、第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤の含有量が従来のものに比べ少ないにもかかわらず、優れた防腐効果を有するものであり、眼への安全性が高く、経時的に優れた防腐効果が得られるものである。
従って、特に高齢者に多い緑内障や高眼圧症の点眼治療薬として有利に使用することができるものである。

Claims (8)

  1. 薬効成分としてニプラジロールを含有する点眼剤であって、第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤を0.0005〜0.005w/v%含有することを特徴とする点眼剤組成物。
  2. 第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤を0.0005〜0.002w/v%含有する請求項第1項記載の点眼剤組成物。
  3. 第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤が塩化ベンザルコニウムである請求項第1項または第2項記載の点眼剤組成物。
  4. ニプラジロールと第4級アンモニウム塩陽イオン型界面活性剤をそれらの質量比で、50:1ないし500:1で含有する請求項第1項ないし第3項の何れかの項記載の点眼剤組成物。
  5. pHが、5ないし8の範囲である請求項第1項ないし第4項の何れかの項記載の点眼剤組成物。
  6. さらに、緩衝剤を含有する請求項第1項ないし第5項の何れかの項記載の点眼剤組成物。
  7. 緩衝剤が、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、ホウ酸またはホウ砂の1種又は2種以上である請求項第6項記載の点眼剤組成物。
  8. 緩衝剤を、製剤全量に対し0.01〜5w/v%含有する請求項第6項または第7項記載の点眼剤組成物。
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