JPWO2005062056A1 - リポアラビノマンナンの測定方法とその応用 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、EtやBGとは物質的に異なるリムルス反応活性化物質、その不活化方法、その測定方法等が開示されている。しかしこの物質は後述の通りLAMとは全く異なるものであり、LAMがリムルス試薬に対して反応性を有することについての開示や示唆はない。
また本発明は、「LAMを含有する試料」に、下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を共存させる工程を少なくとも含む、当該試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法(以下、本発明反応性除去方法という。)を提供する。
また本発明は、リムルス試薬と下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を構成成分として含む、Etの測定キット(以下、本発明Et測定キットという。)を提供する。
リムルス試薬は、Et特異的リムルス試薬であることが好ましい。
また本発明は、リムルス試薬を用いるBGの測定方法において、LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明反応性除去方法で除去する工程を少なくとも含む、「LAMを含有する試料」中のBGの測定方法(以下、本発明BG測定方法という。)を提供する。リムルス試薬は、BG特異的リムルス試薬であることが好ましい。
また本発明は、リムルス試薬と下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を構成成分として含む、BGの測定キット(以下、本発明BG測定キットという。)を提供する。
また本発明は、本発明BG測定キットからなる、真菌症の検知キット(以下、本発明真菌症検知キットという。)を提供する。
抗結核抗体、抗LAM抗体、(1→3)−β−グルカン、カルボキシメチル化された(1→3)−β−グルカン、G因子活性化阻害剤、ポリミキシンB、コリスチン、コンカナバリンA、ヒスチジン、ヒスタミン。
本発明Et測定方法、本発明Et関連疾患検知方法、本発明Et測定キット及び本発明Et関連疾患検知キットは、EtやEt関連疾患を特異的、かつ簡便、迅速、安価に測定・検知することができ、極めて有用である。
本発明LAM測定方法は、リムルス試薬と「LAMを含有する試料」とを接触させる工程を少なくとも含む、当該試料中のLAMの測定方法である。
LAMの定量的な測定は、目的に応じて種々の方法を採用することができる。例えば、LAM濃度が既知の試料を用いてLAM濃度とリムルス反応の強度との関係について検量線や関係式を作成しておき、これを用いることによって厳密な定量を行うことができる。また、厳密な定量が必要ない場合には、2つ以上の試料についてその試料間のLAM量の多少を比較してもよい。LAMはリムルス反応を惹起させることから、リムルス反応の強度が高ければ、試料中のLAM量も多いこととなる。
<2>本発明抗酸菌検知方法
本発明抗酸菌検知方法は、本発明LAM測定方法を用いることを特徴とする、抗酸菌の検知方法である。
このような試料について、本発明LAM測定方法を用いることによって、抗酸菌の検知をすることができる。
<3>本発明LAM測定キット
本発明LAM測定キットは、リムルス試薬を構成成分として含む、LAMの測定キットである。「リムルス試薬」の説明については、前記の<1>と同様である。すなわち、このリムルス試薬もEt特異的リムルス試薬であることが好ましい。
本発明LAM測定キットを用いたLAMの測定は、前記<1>の本発明LAM測定方法に従って行うことができる。
<4>本発明抗酸菌検知キット
本発明抗酸菌検知キットは、本発明LAM測定キットからなる、抗酸菌の検知キットである。本発明LAM測定キットの説明は、前記<3>を参照されたい。
<5>本発明反応性除去方法
本発明反応性除去方法は、「LAMを含有する試料」に、下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を共存させる工程を少なくとも含む、当該試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法である。
ここで用いることができる「界面活性剤」は、EtやBGのリムルス試薬に対する反応性を損なわせるものではなく、かつ、リムルス試薬中に存在するリムルス反応に関与する種々の因子に対して阻害作用がないものである限りにおいて特に限定されない。例えば、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤または天然由来の界面活性剤などのいずれであってもよい。
非イオン性界面活性剤の中でも、親水性部分にポリオキシエチレンを有する構造をもつ界面活性剤(以下、「ポリオキシエチレン類」ともいう)が好ましい。ポリオキシエチレン類としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(一般式、CnH2n+1(OCH2CH2)xOHと表され、通常省略してCnExと表記する)、アルキル鎖とポリオキシエチレン鎖の間にフェニル基が入ったポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(CnΦEx)及びアシルポリオキシエチレンソルビタン(CnソルビタンEx)などが挙げられ、これらは、それぞれBrij(CnEx)、Tergitol(CnEx)、Triton
X(CnΦEx)、Tween (CnソルビタンEx)という一般的名称(商品名)で呼ばれ、膜タンパク質の可溶化など多くの目的で汎用されている。
また、ここで用いることができる「BG」も特に限定されないが、パキマン、カードラン、CSBG(Candida albicans菌体由来のBG)等が例示される。なかでもパキマンが好ましい。またBGは、β−1,3結合のみを含むものだけでなく、β−1,6結合等で枝分かれしたものであってもよい。
また、ここで用いることができる「G因子活性化阻害剤」も、リムルス試薬中に存在するG因子の活性化を阻害する作用を有する物質である限りにおいて特に限定されないが、例えば国際公開WO90/02951号パンフレットに記載されているポリグルコシド等が例示される。「LAMを含有する試料」に共存させる「G因子活性化阻害剤」の量は、「G因子活性化阻害剤」の種類等に応じて適宜変更可能であり、特に限定されない。
「LAMを含有する試料」にこれらの物質を共存させる際の順序や方法等は、これらの物質が修飾や破壊されることなく「LAMを含有する試料」中に存在することとなる限りにおいて、特に限定されない。
<6>本発明Et測定方法
本発明Et測定方法は、リムルス試薬を用いるEtの測定方法において、LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明反応性除去方法で除去する工程を少なくとも含む、「LAMを含有する試料」中のEtの測定方法である。
Etの定量的な測定は、目的に応じて種々の方法を採用することができる。例えば、Et濃度が既知の試料を用いてEt濃度とリムルス反応の強度との関係について検量線や関係式を作成しておき、これを用いることによって厳密な定量を行うことができる。また、厳密な定量が必要ない場合には、2つ以上の試料についてその試料間のEt量の多少を比較してもよい。Etはリムルス反応を惹起させることから、リムルス反応の強度が高ければ、試料中のEt量も多いこととなる。
<7>本発明Et関連疾患検知方法
本発明Et関連疾患検知方法は、本発明Et測定方法を用いることを特徴とする、Et関連疾患の検知方法である。
本発明Et測定方法については上記<6>を参照されたい。本発明Et関連疾患検知方法では、本発明Et測定方法における「LAMを含有する試料」として、Etを含有し又はEtを含有していることが疑われる生体由来の試料を用いることとなる。
また「生体由来の試料」も特に限定されないが、体液であることが好ましい。体液は、Etが含有されている又はその可能性がある体液である限りにおいて特に限定されない。例えば、血液(本明細書では、血清や血漿をも含む概念として用いる。)、尿、汗、唾液、涙液、関節液、喀痰、乳汁、髄液等を例示することができる。なかでも血液が好ましい。
前記の通り、本明細書において「検知」とは、定性的な検知(Et関連疾患の存否の検知)のみならず、定量的な検知(Et関連疾患の悪性度の検知等)をも含む概念である。
<8>本発明Et測定キット
本発明Et測定キットは、リムルス試薬と下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を構成成分として含む、Etの測定キットである。
「リムルス試薬」、上記の各物質の説明については、前記の<1>及び<5>と同様である。すなわち、ここで用いるリムルス試薬もEt特異的リムルス試薬であることが好ましい。
本発明Et測定キットを用いたEtの測定は、前記<6>の本発明Et測定方法に従って行うことができる。
<9>本発明Et関連疾患検知キット
本発明Et関連疾患検知キットは、本発明Et測定キットからなる、Et関連疾患の検知キットである。本発明Et測定キットの説明は、前記<8>を参照されたい。
<10>本発明BG測定方法
本発明BG測定方法は、リムルス試薬を用いるBGの測定方法において、LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明反応性除去方法で除去する工程を少なくとも含む、「LAMを含有する試料」中のBGの測定方法である。
また、本発明反応性除去方法については、前記<5>を参照されたい。ただし、ここでは、BG、カルボキシメチル化されたBG、G因子活性化阻害剤以外の物質を用いる必要がある。
本発明BG測定方法によれば、「LAMを含有する試料」中のLAMのリムルス試薬に対する反応性が除去されることから、当該試料中のBGを、LAMの影響を受けることなく測定することができる。
<11>本発明真菌症検知方法
本発明真菌症検知方法は、本発明BG測定方法を用いることを特徴とする、真菌症の検知方法である。
本発明BG測定方法については上記<10>を参照されたい。本発明真菌症検知方法では、本発明BG測定方法における「LAMを含有する試料」として、BGを含有し又はBGを含有していることが疑われる生体由来の試料を用いることとなる。
「生体由来の試料」の説明については、前記<7>の本発明Et関連疾患検知方法と同様である。「生体由来の試料」として血液用いる場合は、血液中のリムルス反応妨害因子(セリンプロテアーゼ、セリンプロテアーゼインヒビター等)を公知の方法(例えば、特開昭58−85162号公報等に記載の方法)で予め除去又は不活化しておくことが好ましい点についても、前記<7>と同様である。
「検知」の説明等についても、前記<7>と同様である。
<12>本発明BG測定キット
本発明BG測定キットは、リムルス試薬と下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を構成成分として含む、BGの測定キットである。
「リムルス試薬」、上記の各物質の説明については、前記の<1>及び<5>と同様である。ただし、ここで用いるリムルス試薬は、BG特異的リムルス試薬であることが好ましい。
<13>本発明真菌症検知キット
本発明真菌症検知キットは、本発明BG測定キットからなる、真菌症の検知キットである。本発明BG測定キットの説明は、前記<12>を参照されたい。
<14>本発明結合剤
さらに本発明は、下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を有効成分とする、LAMに対する結合剤(以下、本発明結合剤という。)を提供する。
また本発明結合剤は、前記の物質群の少なくとも1つを有効成分として含んでいる限りにおいて、他の物質を含んでいてもよい。ここにいう「他の物質」は、本発明結合剤の有効成分である物質のLAMに対する結合作用を、実質的に害しないものである限りにおいて特に限定されない。このような「他の物質」としては、例えば通常の医薬又は試薬の調製に用いられる賦形剤、緩衝剤、安定化剤、保存剤等のうち、本発明結合剤中の有効成分物質のLAMに対する結合作用を実質的に害しないものが挙げられる。
そして本発明結合剤は、その有効成分物質がLAMに結合することから、例えばLAMの検知・測定やLAMの除去等に用いることができる。
<15>本発明の具体的な実施態様の例
例えば、以下に示す具体的な実施態様は、いずれも本発明に包含されるものである。なお、以下の態様はあくまで例示であって、これらにより本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
(1)LAMを含有する試料中のEt活性(濃度)を、共存しているLAMの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予め界面活性剤、パキマン、抗結核死菌体抗体及び抗LAM抗体から選ばれる少なくとも1つの物質と接触させてから、Et特異的リムルス試薬で測定する方法。
(2)LAMを含有する試料中のLAM活性(濃度)を、共存しているEtの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予め加熱してから、Et特異的リムルス試薬で測定する方法。
(3)上記(1)の方法で血中のEt濃度を測定し、Et血症又はグラム陰性菌感染症を検知する方法。
(4)上記(2)の方法で血中のLAM濃度を測定し、結核感染を検知する方法。
(5)LAMを含有する試料中のEt活性(濃度)を、共存しているLAM及びBGの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予め界面活性剤及びG因子活性化阻害剤と接触させてから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定する方法。
(6)LAMを含有する試料中のEt活性(濃度)を、共存しているLAM及びBGの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予めパキマン及びG因子活性化阻害剤と接触させてから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定する方法。
(7)LAMを含有する試料中のEt活性(濃度)を、共存しているLAM及びBGの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予め抗結核死菌体抗体及びG因子活性化阻害剤と接触させてから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定する方法。
(8)LAMを含有する試料中のEt活性(濃度)を、共存しているLAM及びBGの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予め抗LAM抗体及びG因子活性化阻害剤と接触させてから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定する方法。
(9)LAMを含有する試料中のEt活性(濃度)を、共存しているLAM及びBGの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予め界面活性剤及びカードラン(及び/又はカルボキシメチルカードラン)と接触させてから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定する方法。
(10)LAMを含有する試料中のEt活性(濃度)を、共存しているLAM及びBGの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予めパキマン及びカードラン(及び/又はカルボキシメチルカードラン)と接触させてから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定する方法。
(11)LAMを含有する試料中のEt活性(濃度)を、共存しているLAM及びBGの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予め抗結核死菌体抗体及びカードラン(及び/又はカルボキシメチルカードラン)と接触させてから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定する方法。
(12)LAMを含有する試料中のEt活性(濃度)を、共存しているLAM及びBGの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予め抗LAM抗体及びカードラン(及び/又はカルボキシメチルカードラン)と接触させてから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定する方法。
(13)LAMを含有する試料中のLAM活性(濃度)を、共存しているEt及びBGの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予めG因子活性化阻害剤の存在下で加熱してから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定する方法。
(14)LAMを含有する試料中のLAM活性(濃度)を、共存しているEt及びBGの影響を受けることなく測定する方法であって、当該試料を予めカードラン及び/又はカルボキシメチルカードランの存在下で加熱してから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定する方法。
(15)上記(13)及び(14)における「LAMを含有する試料」として血漿または血清を用いることにより血中のLAM活性(濃度)を測定し、結核感染を検知する方法。
(16)血漿又は血清を、予め界面活性剤、「パキマン、抗結核死菌体抗体及び抗LAM抗体から選ばれる少なくとも1つの物質」及び「G因子活性化阻害剤、カードラン及びカルボキシメチルカードランから選ばれる少なくとも1つの物質」を含む水溶液で希釈し、加熱してから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定することによって、共存しているLAM及びBGの影響を受けることなく血中のEt活性(濃度)を測定し、Et血症又はグラム陰性菌感染症を検知する方法。
(17)血漿又は血清を、予め界面活性剤及び「パキマン、抗結核死菌体抗体及び抗LAM抗体から選ばれる少なくとも1つの物質」を含む水溶液で希釈し、加熱してから、Et特異的リムルス試薬で測定することによって、共存しているLAM及びBGの影響を受けることなく血中のEt活性(濃度)を測定し、Et血症又はグラム陰性菌感染症を検知する方法。
(18)血漿又は血清を、予めポリミキシンBの存在下で加熱してから、EtとBGの両方に反応するリムルス試薬で測定することによって、共存しているLAM及びEtの影響を受けることなく血中のBG活性(濃度)を測定し、深在性真菌感染症を検知する方法。
(19)本発明結合剤の有効成分物質(標識したもの)の分子と、LAM分子とを接触させ、その後、LAMに結合した当該物質(当該標識)を直接又は溶出させてから検出することにより、LAMの検知・測定を行う方法。
(20)本発明結合剤の有効成分物質の分子を不溶性の担体に固相化し、これをLAMを含有する溶液に接触させ、その後当該担体を溶液と分離して除去することによる、溶液中のLAMを除去する方法。
なお、本実施例で使用したLAMは、ヒト型結核菌(青山B株;Mycobacterium tuberculosis Aoyama-B)株の死菌体から有機溶媒抽出とカラムクロマトグラフィーで高純度に単離精製したLAM(ナカライテスク株式会社販売)である。
なお、ここで用いたリムルス試薬は、G因子の反応性を喪失させることによりC因子のみが活性化されうるように処理してある(Etにのみ反応するように処理してある)。従って、ここでリムルス反応が検知されたとすれば、C因子が活性化されたこと(添加した試料には、C因子活性化能があること)を意味することとなる。
(処理)
・ポリミキシンB処理(LAM含有試料に、終濃度が1mg/mLとなるようにポリミキシンB硫酸塩(Sigma社)を等量添加して混合した。)
・酸加熱処理(LAM含有試料に、終濃度が0.2MとなるようにHCl水溶液を等量添加して混合し、37℃で60分間インキュベートした。)
・アルカリ加熱処理(LAM含有試料に、終濃度が0.2MとなるようにKOH水溶液を等量添加して混合し、37℃で60分間インキュベートした。)
・煮沸処理(LAM含有試料を60分間煮沸した。)
・界面活性剤処理(LAM含有試料に、終濃度が0.005〜0.5%となるように各種の非イオン性界面活性剤(Brij 56、Triton-N-101、Triton
X-405、Triton X-114又はTergitol NP-9)を等量添加して混合した。)
・BG処理(LAM含有試料に、終濃度が50pg/mLとなるようにパキマンを等量添加して混合した。)
・コンカナバリンA処理(湿重量0.25gのコンカナバリンA(Con A)セファロース4B(アマシャム・バイオサイエンス社販売)にLAM水溶液1mLを添加し、混合した後、3,000rpmで10分間遠心分離して得られる上清を用いた。)
・抗結核抗体に対する反応性(LAMの抗結核抗体(抗ヒト型結核死菌体モノクローナル抗体)に対する反応性を検討した。)
・抗C因子抗体処理(LAM含有試料に、「Et特異的リムルス試薬(商品名:エンドスペック ESテストMK、生化学工業株式会社販売)1バイアルに、マウス抗C因子モノクローナル抗体(2C12;腹水)の20倍希釈液140μlを添加した溶液」を添加して、リムルス反応を行ったもの。)
結果を表1に示す。なお、表1中の「+」は反応が検知されたことを示し、表1中で具体的な数値を示してあるものは、無処理の試料(コントロール)における反応性を100%としたときの相対値を意味する。
したがって、LAM含有試料をこのような物質で処理することによって、LAMの影響を受けずにEtやBGの測定ができることが示された。さらに、これによってLAMの影響を受けずにEt関連疾患や真菌症の検知もできることが示された。さらに、抗結核抗体やコンカナバリンA等をLAMの結合剤として用いたり、LAMの除去等に用いることができることも示された。
以下の構成試薬からなるキットを作製した。
A.Et特異的比色法リムルス試薬
カブトガニ(タキプレウス・トリデンタツス)の血球(アメボサイト)から国際公開WO90/02951号パンフレットの参考例3に記載の方法に従って調製したG因子の反応性を喪失させたライセートと、発色合成基質(Boc-Leu-Gly-Arg-pNA)等を含む凍結乾燥品。
B.蒸留水(Etフリー)
ブランクテスト、陽性コントロールの溶解と希釈、及び検体の希釈等に用いる。
C.緩衝液
0.2モル/L トリス-塩酸緩衝液(pH 8.0)。リムルス試薬の溶解及び反応に用いる。
D.陽性コントロール
LAMを含有する凍結乾燥品。
(2)本発明Et測定キット(本発明Et関連疾患検知キット)の製造例
以下の構成試薬からなるキットを作製した。
A.Et特異的比色法リムルス試薬
エンドスペック ESテストMK(商品名;生化学工業株式会社販売)を用いる。
B.蒸留水(Etフリー)
ブランクテスト、陽性コントロールの溶解と希釈、及び検体の希釈等に用いる。
C.緩衝液
0.2モル/L トリス-塩酸緩衝液(pH 8.0)。リムルス試薬の溶解及び反応に用いる。
D.陽性コントロール
大腸菌0111:B4株由来のEtを含有する凍結乾燥品。
E.血液前処理液
第1液:0.2モル/L KOH、0.2% ポリブレン
第2液:0.2% Triton X-100、0.14% エチレンイミンポリマー、0.02モル/L CaCl2、0.06モル/L ビシン
この前処理液は、検体として血漿又は血清を用いる際に、その中のリムルス反応妨害因子を不活化するために用いる。使用直前に、第1液と第2液とを混合する。
F.界面活性剤
Tergitol NP-9を0.01%含有する水溶液。
また、本発明反応性除去方法は、リムルス反応におけるLAMの影響の除去に利用することができる。
また、本発明結合剤は、LAMの検知・測定、これに用いるキット、LAMの除去方法及びLAMの除去剤(吸着除去剤)等に利用することができる。
Claims (23)
- リムルス試薬と「リポアラビノマンナンを含有する試料」とを接触させる工程を少なくとも含む、当該試料中のリポアラビノマンナンの測定方法。
- リムルス試薬との接触前に、「リポアラビノマンナンを含有する試料」を加熱する工程をさらに含む、請求項1に記載の測定方法。
- リムルス試薬が、エンドトキシン特異的リムルス試薬である、請求項2に記載の測定方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の測定方法を用いることを特徴とする、抗酸菌の検知方法。
- 抗酸菌が、結核菌である、請求項4に記載の検知方法。
- リムルス試薬を構成成分として含む、リポアラビノマンナンの測定キット。
- リムルス試薬が、エンドトキシン特異的リムルス試薬である、請求項6に記載のキット。
- 請求項6又は7に記載のキットからなる、抗酸菌の検知キット。
- 抗酸菌が、結核菌である、請求項8に記載の検知キット。
- 「リポアラビノマンナンを含有する試料」に、下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を共存させる工程を少なくとも含む、当該試料中のリポアラビノマンナンのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法;
界面活性剤、抗結核抗体、抗リポアラビノマンナン抗体、(1→3)−β−グルカン、カルボキシメチル化された(1→3)−β−グルカン、G因子活性化阻害剤、強アルカリ性物質、ポリミキシンB、コリスチン、コンカナバリンA、ヒスチジン、ヒスタミン。 - リムルス試薬を用いるエンドトキシンの測定方法において、リポアラビノマンナンのリムルス試薬に対する反応性を請求項10に記載の方法で除去する工程を少なくとも含む、「リポアラビノマンナンを含有する試料」中のエンドトキシンの測定方法。
- リムルス試薬が、エンドトキシン特異的リムルス試薬である、請求項11に記載の測定方法。
- 請求項11又は12に記載の測定方法を用いることを特徴とする、エンドトキシン関連疾患の検知方法。
- リムルス試薬と下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を構成成分として含む、エンドトキシンの測定キット;
界面活性剤、抗結核抗体、抗リポアラビノマンナン抗体、(1→3)−β−グルカン、カルボキシメチル化された(1→3)−β−グルカン、G因子活性化阻害剤、強アルカリ性物質。 - リムルス試薬が、エンドトキシン特異的リムルス試薬である、請求項14に記載のキット。
- 請求項14又は15に記載のキットからなる、エンドトキシン関連疾患の検知キット。
- リムルス試薬を用いる(1→3)−β−グルカンの測定方法において、リポアラビノマンナンのリムルス試薬に対する反応性を請求項10に記載の方法で除去する工程を少なくとも含む、「リポアラビノマンナンを含有する試料」中の(1→3)−β−グルカンの測定方法。
- リムルス試薬が、(1→3)−β−グルカン特異的リムルス試薬である、請求項17に記載の測定方法。
- 請求項17又は18に記載の測定方法を用いることを特徴とする、真菌症の検知方法。
- リムルス試薬と下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を構成成分として含む、(1→3)−β−グルカンの測定キット;
界面活性剤、抗結核抗体、抗リポアラビノマンナン抗体、強アルカリ性物質、ポリミキシンB、コリスチン、コンカナバリンA、ヒスチジン、ヒスタミン。 - リムルス試薬が、(1→3)−β−グルカン特異的リムルス試薬である、請求項20に記載のキット。
- 請求項20又は21に記載のキットからなる、真菌症の検知キット。
- 下記の群から選ばれる1又は2以上の物質を有効成分とする、リポアラビノマンナンに対する結合剤;
抗結核抗体、抗リポアラビノマンナン抗体、(1→3)−β−グルカン、カルボキシメチル化された(1→3)−β−グルカン、G因子活性化阻害剤、ポリミキシンB、コリスチン、コンカナバリンA、ヒスチジン、ヒスタミン。
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