JPWO2005049417A1 - 前輪支持装置を備えた駐輪装置 - Google Patents

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Abstract

出入庫を容易に行うことができ、狭い敷地であっても場所を取ることなく駐輪可能であると共に、付設された無電源のスイッチで容易に二輪車の出入庫を確認することができる盗難防止にも有効な前輪支持装置及び該前輪支持装置を備えた駐輪装置であって、前輪支持装置は、自立可能なフレーム部材の前側上部に前輪前部抱持体を固定し、該フレーム部材の後側下部に前輪後下方部抱持体を回動自在に軸支して構成した。そして、前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体には、無電源で二輪車の出入庫を検知する防犯装置を取り付け、二輪車の出入庫を監視可能とした。また、駐輪装置は、地面或は駐輪場の床面に、二輪車が積載可能な大きさを有するベース部材を、アンカー軸部を介して回動自在に軸支すると共に、該ベース部材の上面に上記前輪支持装置を固着した。

Description

この発明は、オートバイ等の駐輪装置に係り、特に出入庫を容易に行うことができ、狭い敷地であっても場所を取ることなく駐輪可能であると共に、付設された無電源のスイッチで容易に出入庫を確認することができる盗難防止にも有効な前輪支持装置及び該前輪支持装置を備えた駐輪装置に関する。
近年、通勤、通学又は買い物用の足として、自動二輪車や原動機付自転車の利用が激増しているが、これらの集まる駅、商店街の周辺等では、自動二輪車等を駐車させるための駐車設備が非常に少ないため、違法駐車が車両の走行や人の歩行の妨げとなり、社会問題化している。これは、人が集まり易い場所の地代等が非常に高価であり、バイクスタンド等の駐輪場では採算性がとれない、という問題があるためでもある。このため、できるだけ多くの自動二輪車等を狭いスペースに効率よく駐車できるように、当該設備を上下多段の立体駐車設備とする、という例が多くなってきている。
また、一方で、駐輪中に自動二輪車が盗まれるといった事故も多発しており、特に、高価な自動二輪車の盗難が顕著である。
一般的に、自動二輪車を駐輪する場合には、自前のチェーン錠等で車輪をロックしたり、駐輪場のロック装置を利用してロックするが、このような従来のロック装置では、強力なチェーンカッター等の道具で簡単に破壊され易いため、自動二輪車の所有者にとっては、なす術がないのが現状である。
また、従来の駐車場において、自動二輪車等を転倒させることなく整列させる自動二輪車専用の装置はあまり開発されておらず、例えば、実開昭64−7086号公報等に示されているように、自動二輪車のタイヤ幅よりもやや広い間隔を持つ一対の支柱兼用規制部材が所定間隔毎に立設され、また各規制部材上に連続する横桁が架け渡された構造の前輪支持装置が知られており、このような前輪支持装置では、該一対の規制部材間に前輪を挿入して付属のスタンドにより自動二輪車を起立させることによって、指定位置若しくは指定の範囲内に駐輪させて整列させているのが現状である。
しかしながら、上記従来の前輪支持装置では、前輪を一対の規制部材間で挟んで自立させているだけの構造であるため、自動二輪車が前方にずれたり、少しの外力が加わるだけで、サイドスタンドが外れて転倒し易いという問題を有していると共に、サイドスタンドは一点で車重を支えるため、比較的不安定である。また、通常、自動二輪車のメインスタンドは、エンジンの下部後方に一端を回動可能に取り付けられ、二本足で立てるようにした棒状の部品であり、メインスタンド使用時、メインスタンドを立て二箇所の接地点と、いずれか一方のタイヤで車体を支え、走行時メインスタンドは車体と平行になるまで後方に回転させられる構造のため、自動二輪車に前方向の力がかかるとメインスタンドは外れて転倒し易い、という問題を有しており、いずれにしても、自動二輪車を安定して自立保持する簡単な構造からなる駐輪装置は開発されていないのが現状である。
このため多くの自動二輪車を整列させる駐車設備において、前輪支持装置等のような自動二輪車を支持する装置を設けない場合、共倒れ等の不都合が発生し、一定のスペースに効率よく整列させて駐車することができない、という問題を有していた。
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、自動二輪車等の前輪を安定的に抱持し、4輪自動車などの駐車場の狭い空きスペースであっても設置することができる簡易で低コストな構造であり、立体駐輪設備においても自動二輪車等の転倒を有効に防止して整然と自立させることが可能であると共に、無電源で自動二輪車の本装置への出入庫を自動的に監視することが可能な前輪支持装置及び出入庫を無電源で監視可能な前輪支持装置並びにこれら前輪支持装置を備えた駐輪装置を提供しようとするものである。
請求の範囲1に記載の本発明は、自立可能なフレーム部材の前側上部に前輪前部抱持体を固定し、該フレーム部材の後側下部に前輪後下方部抱持体を回動自在に軸支してなる前輪支持装置を特徴とするものである。
請求の範囲2に記載の本発明は、請求の範囲1に記載の前輪支持装置を技術的前提とし、前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体は、断面形状が略く字状に形成されていることを特徴とする。
請求の範囲3に記載の本発明は、請求の範囲1又は請求の範囲2のいずれかに記載の前輪支持装置を技術的前提とし、前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体は、平面部と該平面部の両側から拡開方向に延設された抱持片部と、で平面形状が略V字状に形成されていることを特徴とする。
請求の範囲4に記載の本発明は、請求の範囲2又は請求の範囲3のいずれかに記載の前輪支持装置を技術的前提とし、前輪前部抱持体とフレーム部材との固定点を、前記平面部のく字状に形成された折曲点よりやや下方に設定したことを特徴とする。
請求の範囲5に記載の本発明は、請求の範囲2乃至請求の範囲4のいずれかに記載の前輪支持装置を技術的前提とし、前輪前部抱持体の前記折曲点より上半部の長さ寸法を、折曲点より下半部の長さ寸法よりも長く形成し、該上半部は入庫された前輪の上部を覆うように形成されていることを特徴とする。
請求の範囲6に記載の本発明は、請求の範囲2乃至請求の範囲5のいずれかに記載の前輪支持装置を技術的前提とし、前輪後下方部抱持体は、断面形状が略く字状に形成された一方半部であるガイド部側と他方半部である連結部側との長さ寸法を、ガイド部側を長く形成したことを特徴とする。
請求の範囲7に記載の本発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲6のいずれかに記載の前輪支持装置を技術的前提とし、前輪前部抱持体と前輪後下方部抱持体に各々ロックアームを延設し、これらロックアームは、二輪車の前輪が入庫したときに、その自由端部が重合するように構成されていると共に、該重合した部分は、ロック手段でロック可能であることを特徴とする。
請求の範囲8に記載の本発明は、請求の範囲7に記載の前輪支持装置を技術的前提とし、前記各ロックアームのロック手段には、当該ロック手段のロック・アンロック状態に連動する料金清算器を配設し、ロック手段をロックしたときに料金清算器が作動し、料金を精算したときに当該ロック状態が解除されるように構成されていることを特徴とする。
請求の範囲9に記載の本発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲8のいずれかに記載の前輪支持装置を技術的前提とし、前記フレーム部材は、前記前輪前部抱持体が固定される前端フレーム部と、該前端フレーム部の両端部から下方に垂直に延設された垂直フレーム部と、該垂直フレーム部の下端部に連設され前記前輪後下方部抱持体が回動自在に軸支された連結フレーム部と、が一体となるように連結されて構成されていることを特徴とする。
請求の範囲10に記載の本発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲9のいずれかに記載の前輪支持装置を技術的前提とし、前記前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体には、無電源で二輪車の出入庫を検知する防犯装置が取り付けられてなる出入庫を監視可能な前輪支持装置を特徴とする。
請求の範囲11に記載の本発明は、請求の範囲10に記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置を技術的前提とし、前記防犯装置は、自己発電可能な圧電セラミックス体を有して構成されており、前記前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体に作用する変動により圧電セラミックス体を歪み変形させることで発電する電力により二輪車の出入庫状態を通信するように構成されていることを特徴とする。
請求の範囲12に記載の本発明は、請求の範囲10又は請求の範囲11のいずれかに記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置を技術的前提とし、前記圧電セラミックス体への歪み変形は、鋼球の圧電セラミックス素子への衝突によって発生することを特徴とする。
請求の範囲13に記載の本発明は、請求の範囲10乃至請求の範囲12のいずれかに記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置を技術的前提とし、前記防犯装置は、該防犯装置と離間して設けられた受信装置に出入庫情報を発信することを特徴とする。
請求の範囲14に記載の本発明は、請求の範囲13に記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置を技術的前提とし、前記受信装置は、外部にネットワークを介して出入庫情報を通知することを特徴とする。
請求の範囲15に記載の本発明は、請求の範囲14に記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置を技術的前提とし、前記受信装置は、前輪支持装置から二輪車を出入庫させるときに警報を発するか否かを外部制御可能に構成されていることを特徴とする。
請求の範囲16に記載の本発明は、請求の範囲1乃至請求の範囲15のいずれかに記載の前輪支持装置を技術的前提とし、地面或は駐輪場の床面に、二輪車が積載可能な大きさを有するベース部材を、アンカー軸部を介して回動自在に軸支すると共に、該ベース部材の上面に上記前輪支持装置を配設したことを特徴とする駐輪装置にある。
請求の範囲17に記載の本発明は、請求の範囲16に記載の駐輪装置を技術的前提とし、ベース部材は、二輪車が入庫しても撓み変形しない剛性を有する鋼板等の剛体で平面形状が略舟形状に形成されていることを特徴とする。
請求の範囲18に記載の本発明は、請求の範囲16又は請求の範囲17のいずれかに記載の駐輪装置を技術的前提とし、ベース部材には、2個を一組とする係止孔が、前記アンカー軸部の中心から等距離の円弧軌跡上に3組、所定間隔毎に貫通形成され、これら各係止孔には、略U字状に形成されてなるロック体が挿脱自在に装着可能であることを特徴とする。
請求の範囲19に記載の本発明は、請求の範囲18に記載の駐輪装置を技術的前提とし、前記各係止孔は、そのいずれかの組の孔に挿入されたロック体の下端部が駐輪場の床面や地面に凹設された一組の係止穴に嵌合係止されることで、ベース部材の左右の移動が規制されるように構成されていることを特徴とする請求の範囲18に記載の駐輪装置。
請求の範囲20に記載の本発明は、請求の範囲16乃至請求の範囲19のいずれかに記載の駐輪装置を技術的前提とし、前輪支持装置の連結フレーム部の中央部に、ベース部材の後端部より外方に延設された断面形状が略凹状に形成されたガイドレール部の一端部を連結したことを特徴とする。
請求の範囲21に記載の本発明は、請求の範囲20に記載の駐輪装置を技術的前提とし、前記ガイドレール部の終端部は、駐輪場の床面や地面側に折曲されて、駐輪場の床面や地面とガイドレール部との段差を可及的に小さくするように構成されていることを特徴とする。
請求の範囲22に記載の本発明は、請求の範囲16乃至請求の範囲21のいずれかに記載の駐輪装置を技術的前提とし、前記ベース部材の上面であってガイドレール部の両側には、弾性材で形成されてなるプラットホーム部材が配設されていることを特徴とする。
請求の範囲23に記載の本発明は、請求の範囲22に記載の駐輪装置を技術的前提とし、プラットホーム部材の上面には、所要間隔毎に滑り止め用の突起が突設されていることを特徴とする。
請求の範囲24に記載の本発明は、請求の範囲16乃至請求の範囲23のいずれかに記載の駐輪装置を技術的前提とし、前記ベース部材の前側両側部には、略逆U字状の手摺バーが立設されていることを特徴とする。
請求の範囲25に記載の本発明は、請求の範囲24に記載の駐輪装置を技術的前提とし、前記ベース部材の後端部と手摺バーとの間には、二輪車に取り付けられたサイドバック用の空きスペースが形成されていることを特徴とする。
請求の範囲26に記載の本発明は、請求の範囲16乃至請求の範囲25のいずれかに記載の駐輪装置を技術的前提とし、ベース部材の下面両側には、複数個のキャスターローラが回転自在に軸支されていることを特徴とする。
請求の範囲27に記載の本発明は、請求の範囲26に記載の駐輪装置を技術的前提とし、キャスターローラは、ベース部材の前側に配設されたものから後側に配設されたものの順に、その直径が小さくなるように構成されていることを特徴とする。
請求の範囲28に記載の本発明は、請求の範囲16乃至請求の範囲27のいずれかに記載の駐輪装置を技術的前提とし、前記ベース部材は、箱状のガレージ内に引き出し自在に収納されていることを特徴とする。
図1は、本発明の実施の一形態例に係る駐輪装置の概略的な構成を示す平面図である。
図2は、同駐輪装置の側面図である。
図3は、同駐輪装置を構成する前輪支持装置の平面図である。
図4は、同前輪支持装置の斜視図である。
図5は、同前輪支持装置の要部拡大斜視図である。
図6は、同前輪支持装置を構成する前輪後下部抱持体の倒れた状態の背面図である。
図7は、同前輪支持装置を構成する前輪後下部抱持体が起きた状態の右側面図である。
図8は、同前輪支持装置を構成する前輪後下部抱持体の使用状態を示す斜視図である。
図9は、同前輪支持装置の使用状態を示す側面説明図である。
図10は、同前輪支持装置の使用状態を示す斜視図である。
図11は、同前輪支持装置に取り付けられた出入庫監視装置の側方からみた断面図である。
図12は、同出入庫監視装置の発電部材の一構成例を示す断面図である。
図13は、同出入庫監視装置の回路ブロック図である。
図14は、同出入庫監視装置の回路図である。
図15は、同出入庫監視装置の応用例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図10に基づいて説明する。
図1及び図2は、本形態例に係る駐輪装置1の平面図及び右側面図を示しており、該駐輪装置1は、平板体であるベース部材2と、該ベース部材2の舳先部分に、上下に貫通して配設されたアンカー軸部3と、上記ベース部材2の上面側であって上記アンカー軸部3に固定された前輪支持装置10と、該前輪支持装置10の車輪ガイドレール11の両側に配置された弾性材で形成されてなるプラットホーム部材4,4と、上記ベース部材2の前側両側部に立設された略逆U字状の手摺バー5,5と、上記ベース部材2の下面両側に回転自在に軸支されてなるキャスターローラ6A,6A,6B,6B,6C,6Cと、から構成されている。
ベース部材2は、大型自動二輪車Bが入庫しても撓み変形しない剛性を有する鋼板等の剛体で平面形状が略舟形状に形成されており、該ベース部材2の上面には上記プラットホーム部材4,4が貼着されていると共に、該ベース部材2の前側には、2個を一組とする係止孔2A1,2A1,2A2,2A2,2A3,2A3が、アンカー軸部3の中心から等距離の円弧軌跡上に3組、所定間隔毎に貫通形成され、これら各係止孔2A1,2A1又は2A2,2A2或は2A3,2A3には、略U字状に形成されてなるロック体9が挿脱自在に装着できるように構成されている。
これら各係止孔2A1,2A1又は2A2,2A2或は2A3,2A3は、図2に示すように、そのいずれかの組の孔に挿入されたロック体9の下端部が駐輪場の床面や地面G等に凹設された一組の係止穴Gaに嵌合係止されることで、ベース部材2の左右の移動が規制されるように構成されている。
また、ベース部材2は、上記したように、平面形状が略舟形状に形成されているので、本ベース部材2を、平面形状が直角な場所に設置したとしても、ベース部材2の斜辺2A,2A(本形態例では傾斜角45度で形成されているが、この角度に限定されるものではなく、設置場所に対応させて任意の角度に形成することができる。)が駐輪場所の直角な一辺と接触するまでの範囲は、本ベース部材2を回動させることができるため、狭い場所で駐輪しにくい場所あっても、二輪車の出入庫を容易に行なうことができる。
因みに、この形態例では、該ベース部材2の長さ寸法は1900mmで、幅寸法は800mmに形成されている。これは、大型の自動二輪車の車軸長よりも若干長い寸法であり、大型自動二輪車から小型自動二輪車まで駐輪できるように構成されている。
アンカー軸部3は、ベース部材2を左右に回動自在に軸支するためのもので、該アンカー軸部3の下端部は、図2に示すように、駐輪場の床面や地面G等に固定された軸受体7に回転可能に軸支されている。勿論、該アンカー軸部3と軸受体7とは、例えば、図2に示すような構造とし、容易に抜脱しないように構成されている。
プラットホーム部材4,4は、ゴムやラバー等の弾性体帯状に形成されており、その上面には所要間隔毎に滑り止め用の突起8が突設されている。因みに、本形態例では、上記プラットホーム部材4,4の長さ寸法は1000mmで、幅寸法は200mm、厚さは30mmで形成している。厚さを300mmとすることで、乗車時や降車時に楽に足をつけることができ、安定した乗降を行うことができる。また、滑り止め用の突起8が所要間隔毎に複数配設されていることにより、雨天時であっても安全に乗降することができるばかりではなく、本駐輪装置1から出庫するときに、足掛かりとして利用することができるので、スムーズな出庫を行うことができる。
手摺バー5,5は、自動二輪車の収納幅を確保する機能と、手摺りとしての機能のほかに、入庫されている自動二輪車Bが万一転倒した場合でも、全倒を防止する作用も有しており、さらには、4輪自動車の進入を防止するブロック体としての作用を奏するように、剛体で形成されている。因みに、本形態例では、本手摺バー5,5の幅寸法は800mmで、高さ寸法は取付時に800mmとなるように、その両下端部がベース部材2に固定されている。尚、この形態例において、上記手摺バー5,5の幅寸法を800mmとし、ベース部材2の後端部まで延長せずにベース部材2の後端部に空きスペースSを形成したので、自動二輪車にサイドバックが取り付けられている場合でも入庫することができる。尚、本形態例では、上記手摺バー5,5に蛍光塗料を塗布することで、夜間における入出庫の目印となるので安全であり、また、蛍光発光により駐輪装置1を目立たせることができ、盗難防止の効果も得ることができる。
キャスターローラ6A,6A,6B,6B,6C,6Cは、360度のいずれの方向にも転回可能な公知の構造からなり、キャスターローラ6A,6Aが一番大きく形成され、次にキャスターローラ6B,6Bが大きく形成され、キャスターローラ6C,6Cが一番小さく形成されている。このように構成することで、本駐輪装置1を設置したときに、ベース部材2は、前側から後端部に向かって下がり勾配で設置されるため、自動二輪車の出庫作業を大幅に軽減することができ、自力で容易に出庫することができる。
次に、前記前輪支持装置10は、図1乃至図10に示すように、上記ベース部材2の前端側に配置される前端フレーム部12と、該前端フレーム部12の両端部から下方に垂直に延設された垂直フレーム部13,13と、該垂直フレーム部13,13の下端部からベース部材2の斜辺部に沿うように延設された斜辺フレーム部14,14と、該斜辺フレーム部14,14の終端部から水平方向に延設された平行フレーム部15,15と、該平行フレーム部15,15の両終端部間を連結する連結フレーム部16と、が一体となるように連結されて平面形状が略ホームベース状となるように構成されている。
そして、上記前端フレーム部12の中央部には、断面形状が略く字上に形成された前輪前部抱持体17が固定されており、また、前記連結フレーム部16の中央部には前輪後下方部抱持体18が連結フレーム部16に対して軸回り方向に回転自在に軸支されている。
この前輪前部抱持体17は、平面部17Aと該平面部17Aの両側から拡開方向に延設された抱持片部17B,17Bと、で平面形状が略V字状に形成されており、上記平面部17Aのく字状に形成された折曲点よりやや下方が上記前端フレーム部12の略中央部に溶接等の手段で強固に固定されている。
このように前輪前部抱持体17を平面形状が略V字状に形成するとこで、自転車及び小型自動二輪車から大型自動二輪車までのすべての前輪幅に対応させることができ、また、前輪が傷損するのを防止することができる。
さらに、上記前端フレーム部12との固定点を上記平面部17Aのく字状に形成された折曲点よりやや下方に設定することで、本前輪支持装置10に収納され後記するロック装置19で施錠されて駐輪された自動二輪車Bが強制的に持ち上げられないように構成されている。勿論、より持ち上げられにくくする場合には、前輪前部抱持体17の上部分をより長く形成してもよい。
一方、前輪後下方部抱持体18も基本的には前輪前部抱持体17と同様に構成されており、平面部18Aと該平面部18Aの両側から拡開方向に延設された抱持片部18B,18Bと、で平面形状が略V字状に形成されており、断面形状が略く字状に形成されたガイド部側18Cと連結部側18Dとの長さ寸法はガイド部側18Cの方が長く形成されている。また、前記前記連結フレーム部16の中央部に回動自在に軸支されるパイプ状の軸部18Eは、上記連結部側18Dの平面部18Aに溶接等の手段で堅牢に固定されている。
このように前輪後下方部抱持体18を平面形状が略V字状に形成するとこで、自転車及び小型自動二輪車から大型自動二輪車までのすべての前輪幅に対応させることができ、また、前輪が傷損するのを防止することができる。
尚、この形態例では、断面形状が略く字状に形成された前輪後下方部抱持体18のガイド部側18Cと連結部側18Dとの長さ寸法を、ガイド部側18Cの方を長く形成したので、本前輪支持装置10が空車状態のときには、ガイド部側の自重により当該ガイド部側がガイドレール部11と略面一となるように倒れ、入庫時における前輪の本前輪支持装置10への導入がスムーズに行なうことができるように構成されている。
また、上記前輪前部抱持体17と前輪後下方部抱持体18には、ロックアーム17C,18Fが延設されており、これらロックアーム17C,18Fは、自動二輪車Bの前輪が入庫したときに、その自由端部が重合するように構成されていると共に、重合した部分には、錠前19(図2参照)が係合可能な孔部が形成されている。尚、この形態例では、上記ロックアーム18Fに、上記錠前19のロック・アンロック状態に連動する料金清算器Jを配設し、錠前19をロックしたときに料金清算器Jが作動し、料金を精算したときに錠前19のロック状態が解除されるように構成されている。この錠前19及び料金清算器Jは、公知の構成のものを使用することができるので、詳細な構成説明はここでは省略する。
また、上記連結フレーム部16の中央部には、ベース部材2の後端部より外方に延設された断面形状が略凹状に形成されたガイドレール部11の一端部が連結されており、上記プラットホーム部4,4間に配置された該ガイドレール部11の終端部11Aは、図2に示すように、床面や地面G側に折曲されて入出庫時における車輪のガイドレール部11への乗り入れや出庫動作がスムーズに行なうことができるように構成されている。勿論、上記ガイドレール部11の幅寸法は、大型自動二輪車Bの前後輪がスムーズに乗り入れ収納可能な寸法を有して構成されている。
さらに、上記前輪前部抱持体17の平面部17Aには、前輪が本前輪支持装置10に入庫したときの押圧力と出庫したときの前輪との押圧力の解除により作動する無電源方式の防犯装置20が取り付けられている。
ここで、本防犯装置20の構成例を図11に示すが、本発明の防犯装置20は、図示した配置や形状に限定されるものではない。
まず、圧電セラミックス素子211,212は、ケース40に収容されており、ケース40は図示されていない適切な手段(接着剤、両面テープ、ねじ止め、溶接等)で、前記前輪前部抱持体17の平面部17Aの裏面側に取り付けられており、前輪前部抱持体17に作用する変動を検知して、前記圧電セラミックス素子211,212で発電する電力により通信を行うように構成されている。
圧電セラミックス素子211,212には、圧電セラミックス体21と鋼球22を収納するハウジング23と、ハウジング23を支持するための基部41と、弾性を有しハウジング23と基部41とを連結するとともに、鋼球22が圧電セラミックス体21への衝突を繰り返すようハウジング23を揺動させる板バネ等からなる弾性部材42と、が備えられている。この弾性部材42には、上述の板バネの他に、ゴム材(シリコンゴム等)やゲル材(熱可逆性エラストマー等)、また発泡材や低ヤング率Ti合金(弾性変形の大きいTi合金)を用いてもよい。
即ち、本形態例では、図12に示すように、両端が閉塞されたハウジング23の両端側に圧電セラミックス体21を配置し、これら圧電セラミックス体21を鋼球22の殴打により発電するものである。
ハウジング23の一方の側面にクッション材25を接着材24用いて接着し、このクッション材25の中央部のみに、接着材24を用いて圧電セラミックス体21を接着する。ハウジング23の他方の側面にも、同様にして圧電セラミックス体21を接着し、両者を向かい合せる。
これら両圧電セラミックス体21の向かい合う面の中央部にプロテクタ板27を固着する。そして、両圧電セラミックス体21間に、ガイド通路28を配置し、このガイド通路28内に転動自在な鋼球22を設ける。また、ハウジング23には、発信部32を含む回路部30(図13参照)が併設されている。このハウジング23は、前輪の入庫時の振動により揺動し、また、出庫時の振動でも揺動して発電する。
尚、この発明にあっては、圧電セラミックス体21を、例えば、水平に配置する場合には、その中央部のみだけではなく、その両端部をクッション材25で保持し、或は、中央部と両端部をクッション材25で保持し、また、その支持部位も圧電セラミックス体21の上下面に配置して保持するように構成してもよい。
上記圧電セラミックス体21は、同一形態(同一材質、同一形状、同一厚さ)の2枚の板状の圧電セラミックス素子211,212を、各セラミックス素子211,212の分極の極性を同一方向にし、かつ、該圧電セラミックス素子211,212間に、りん青銅や真鍮等の導電性金属で10μm〜50μmの厚さに形成された極薄の金属電極(図示せず)を配置し、これら圧電セラミックス素子211,212と金属電極を接合して構成されている。
このように金属電極を極薄の厚さとすることで、該金属電極による機械的な抵抗をごく僅かに抑えることができ、2つのセラミックス素子211,212と金属電極の接合面を中心(伸縮しない部位)にたわみ振動が発生したとしても、該たわみ振動の金属電極による減衰を可及的に小さく抑えることができる。尚、この形態例の構成では、一方の側のセラミックス素子211が伸長すれば他方の側のセラミックス素子212は収縮し、かつ出力電圧の電極は逆方向となり、両圧電セラミックス素子211,212は並列に接続された発電構成となる。
また、この形態例では、上記たわみ振動が行われると、一方の圧電セラミックス素子211(又は212)で伸長と収縮との両方の作用が行われて、分極が打ち消されるということがなく効率的に発電が行われる。セラミックス素子211で発電された電気エネルギーとしての電流はリード線261,264から取り出され、また、セラミックス素子212で発電された電気エネルギーとしての電流はリード線262,263から取り出され、これら各セラミックス素子211,212で発電された電流は金属電極に導電接続されたリード線(図示せず)と接続されて交流電流が得られるように構成されている。
また、この発明に用いられる上記クッション材25は、合成樹脂材、ゴム材、或はこれらをスポンジ状にした軟質の材料で構成されている。このようなクッション材25を用い、しかも、このクッション材25の中央部のみ或いは両端部を、接着材24を用いて圧電セラミックス体21を固着したのは、圧電セラミックス体21の振動を減衰させないためである。圧電セラミックス体21が振動する場合、この圧電セラミックス体21を支持する部材は圧電セラミックス体21の振動を減衰させる要因になり、この減衰要因を取り除くために、クッション材25を用いて極力圧電セラミックス体21を自由な状態におく。
このように構成された圧電セラミックス体21の歪みは、圧電セラミックス自体が持つ固有振動となって暫くの間、継続する。この固有振動を長く継続させるためには、この固有振動を圧電セラミックス体21以外の他の構造体に伝えないことが重要である。圧電セラミックス体21の固有振動は、電気エネルギーとして変換されるが、その他の構造体の振動は全て機械的な抵抗となって固有振動エネルギーを吸収してしまい、電気エネルギーとして取り出すことができない。このため、この形態例では、圧電セラミックス体21と他の構造体との間で上記固有振動が伝達しないような柔らかな接触を実現するための手段として上記クッション材25を用いることで、圧電セラミックス体21の固有振動が長く継続させることができ、発電効率が良くなる。勿論、このクッション材25は圧電セラミックス体21に加えられる衝撃を緩和する作用をも有する。尚、上記プロテクタ板27は、金属製或いは合成樹脂製等で形成されており、鋼球22の殴打から圧電セラミックス体21を保護する。
尚、圧電方式による発電方法は、特開2001−145375号公報に示した2つの鋼球を用いる構成や、鋼球をバネ材で吊り下げる構成等も適用できる。また、単層或は複層の圧電セラミックス板にこれと歪み変形量が釣り合うよう厚み調整された金属板を貼り合わせて、金属板側から鋼球22を衝突させて発電する構成を適用してもよい。尚、図11中、符号BMは自動二輪車の前輪を、Qはケース40に貼着されたクッション材である。
次に、上記通信は、入出庫時の圧力変動により圧電セラミックス素子211,212で発生した上記電力を利用して、図13に示すように、入出庫信号を発信する発信部32で行なう。この防犯装置20から発信される信号は空中を伝搬する信号であり、本形態例では無線信号(電波信号)を用いるが、超音波信号、光信号、赤外線信号、音波信号等を用いることもできる。
上記通信を受信する受信装置50は、図13に示すように、防犯装置20と一体に、或は離間して設置することができ、侵入者から発見されにくい場所や、受信装置50に電力を供給しやすい場所、管理しやすい場所等の任意の場所に設置するのが望ましい。尚、本形態例において、該受信装置50は、1台で1または複数の防犯装置20からの信号を受信することができる。複数の防犯装置20から信号を受信する場合には、それぞれの信号には識別警報が含まれており、どの駐輪装置1に配置された防犯装置20から信号が発信されたかが判別できるように構成されている。
そして、上記受信装置50は、不正な出庫を検知したときには、これを近傍周囲に音(サイレン等)や音声(威嚇の音声)或は光等で告知し、或は、自動二輪車の所有者のポケットベルや携帯電話に自動的に不正出庫状態を知らせ、或は、ネットワーク53を介して警察や契約警備会社に自動的に送信するように構成されている。
このネットワーク53としては、公衆回線(移動体通信も含む)、専用回線等の様々な通信手段を含んでおり、電話による告知の他,インターネットや電子メールで告知してもよい。勿論、駐輪場の正当な管理人や自動二輪車の所有者が、上記警報等の作動をリモコン操作により制御できるように構成することもできる。受信装置50に電話をかける(電子メールでもよい)ことで操作してもよい。
この防犯装置20では、入庫時と出庫時に発信部32から信号が発信される。そのため、駐輪場の管理者や自動二輪車の正当な所有者(使用者)が出入庫する際にも信号が発信されるので、受信装置50側で警報等を作動させるか否かの可否を制御することにより、不正な出入庫のみを検知することができるように構成されている。
ところで、上記のように構成されてなる防犯装置20は、上記圧電セラミックス素子211,212の出力が回路部30に取り出される。回路部30には、図13に示すように、圧電セラミックス素子211,212で発生した交流電力を整流して充電する充電部31と上述の発信部32とが備えられている。そして、この発信部32から発信された信号は、受信装置50の受信部51に受信され、警報部52で第2の警報として、音や光による周囲への通知とともに、ネットワーク53を介してあらかじめ設定した外部にも通知する。この警報部52による警報の可否が外部から制御される。また、表示部54では、複数設置された防犯装置20のうち、どの駐輪装置1の防犯装置20から信号を受信したか表示(ランプの点滅、赤ランプの点灯等)する。
回路部30の充電部31には、整流手段311と充電手段312と判定手段313と放電スイッチ手段314とが備えられている。整流手段311は、圧電セラミックス素子211,212で出力された交流電力を整流して脈流にする手段である。充電手段312は、整流手段311により得られた脈流を直流として充電する手段である。判定手段313は、充電手段312の充電量を圧電セラミックス体21の発電のタイミングに応じて間欠的に監視し判定する手段である。この手段では、充電量は監視の際にごく少量消費されるが、間欠的に監視しているので監視による電力の消費を抑え、充電量への影響を低減させている。放電スイッチ手段314は、判定手段313により充電手段312の充電量が発信可能なレベルに達したことが判定されたときに、充電手段312の放電を開始させ、後段の発信部32に電力を供給する手段である。
次に、発信部32には、通信制御手段321と信号スイッチ手段322、信号発生手段323、放電停止手段324が備えられている。
通信制御手段321は、通信に必要な動作を行う手段であり、この手段は充電部231から電力が供給されることで開始される。この手段では、動作の開始により信号スイッチ手段322をONさせるように働くとともに、発信のためのデータを信号発生手段323に渡す。信号スイッチ手段322は、通信制御手段321によりONされて、信号発生手段323に電力を供給する手段である。信号発生手段323は、通信制御手段321より受け取った発信のためのデータを信号に変換して発信する。放電停止手段324は、充電部231からの電力の供給を停止させるように放電スイッチ手段314を動作させる手段である。この手段は、通信制御手段321が発信のために必要なデータを全て信号発生手段323に渡し終わったら、通信制御手段321により動作させられる。
図14及び図15は連続した回路図であり、S点、+点、−点により接続される。整流手段311はダイオードD1〜D6により全波整流の回路が形成されており、圧電セラミックス素子211,212で出力された交流電力をここで整流し脈流として後段に出力する。圧電セラミックス素子211,212から取り出された4本のリード線261〜264のうちリード線262,263が結線され、3本のリード線が6個のダイオードD1〜D6に接続されている。なお、ここでは、リード線262,263を結線してダイオードの数を削減する回路を形成しているが、リード線262,263を結線せずに8個のダイオードに接続して全波整流の回路を形成してもよい。
充電手段312は、コンデンサC1を備えている。このコンデンサC1は充電電池に代替してもよい。整流手段311で整流された脈流は、コンデンサC1に直流として逐次充電され、鋼球22が圧電セラミックス体21に衝突して発電を繰り返すたびにコンデンサC1の両端の電圧が高くなる。
放電スイッチ手段314には、自己保持型電流スイッチが用いられている。本形態例では、相補トランジスタを用いており、PNPトランジスタTr1とNPNトランジスタTr2とを組み合わせている。この放電スイッチ手段314では、b点に、c点の電圧より約0.6V(Tr1により決まる値)低い電圧が印加されると、Tr1がONとなりほぼ同時にTr2がONとなる。
このように放電スイッチ手段314がON状態となると、c点とd点の間はきわめて低いインピーダンスとなる。そして、充電手段312のコンデンサC1に貯めた電力を放電し、きわめて少ないロスで通信制御手段321に供給する。そして、このON状態は、自己保持状態となり放電停止するまで継続する。
判定手段313は、コンデンサC2,C3と抵抗R1,R2を備えている。コンデンサC3は誤動作防止用に設けたものである。コンデンサC2と抵抗R1は、圧電セラミックス体21からの出力である図14中に示すa点と放電スイッチ手段314の図15中に示すb点との間に設けられている。そして、この時定数で充電量の判定の際にb点に電圧を印加する時間を決めている。a点には鋼球22が圧電セラミックス体211に衝突する度に交流電力が発生するが、この電圧は、コンデンサC1の両端の電圧にダイオードD6の上棟方向の電圧を加えた値である。そして、コンデンサC1が充電により電圧上昇するとともにa点の交流電圧も上昇する。つまり、a点ではコンデンサC1の両端の直流電圧にほぼ比例した交流電圧が、鋼球22が衝突するたびに、すなわち間欠的に得られる。そしてこのa点での交流電圧は、抵抗R1とコンデンサC2の時定数で決めたごく短日間だけも点に印加される。b点の電圧は抵抗R1,R2の分配比により決められ、上述したようにも点の電圧がc点の電圧よりも約0.6V低い電圧の値を超えると放電スイッチ手段324がONとなる。ここでは、b点の電圧は(c点の電圧×(1−R2/(R1+R2))で示されるため、このb点の電圧がc点の電圧よりも約0.6V低い電圧(c点の電圧−約0.6V)と等しくなったときが判定の閾値となり、これをもって充電量のレベルを判定する。そのため、R1とR2を調整することで放電を開始させる充電量を発信可能なレベルに調整することができる。このレベルは発信する信号に応じて任意に設定される。なお、ここではリード線264側に3点を設けているが、リード線261側や、接続されたリード線262,263側に設けてもよい。また、ここでは2つの圧電素子のうち、一方の圧電セラミックス体211が発電するタイミング毎に判定を行うよう構成しているが、双方の圧電セラミックス素子211,212が発電するタイミングで判定を行ったり、あるいは、圧電セラミックス体211が発電するタイミングのn回毎(nは任意の数)に判定を行うように構成してもよい。
通信制御手段321は、通信制御回路3211とコンデンサC7と抵抗R8とFET1を備えている。コンデンサC7は動作安定用に設けたものである。抵抗R8とFET1は、通信制御回路3211と信号スイッチ手段322を低消費電力でインターフェースするためのレベル変換に設けている。充電部231からの放電により通信制御回路3211に電力が供給されると、通信制御回路3211の内部で発信に必要な手順が実行される。なお、通信制御回路3211は消費電力の小さいものである。
信号スイッチ手段323は、PNPトランジスタTr4と抵抗R6,R7とコンデンサC6を備えている。信号発生回路3231が比較的大電力を必要とするために、この信号スイッチ手段323では大電力用トランジスタスイッチTr4を使って、信号発生回路3231に電力を供給するよう構成している。信号スイッチ手段323では、通信制御回路3211からの発信開始の指令がFET1を通って、抵抗R7を通ってトランジスタTr4をONさせると、信号発生手段323で発信を開始きせるよう動作する。
信号発生手段323は、信号発生回路3231とアンテナ3232を備えており、信号スイッチ手段323により電力が供給されると、通信制御回路3211から受け取った発信のためのデータを無線信号に変換してアンテナ3232から発信する。
放電停止手段324は、PNPトランジスタTr3と抵抗R4,R5とコンデンサC4,C5とを備えている。コンデンサC4,C5は、誤動作防止用に設けている。この手段では、通信制御回路3211が発信のために必要なデータを信号発生回路3231に送出し終えたら、通信制御回路3211から抵抗R4を通してトランジスタTr3をONさせる信号を出力する。トランジスタTr3がONとなると放電スイッチ手段324の自己保持は解除となり、コンデンサC7に貯まっていた電力の放電は停止して、発信動作は終了する。
このように構成された本形態例の防犯装置20の動作について説明する。
本防犯装置20は電力線の配線が不要であるため、コンセントから遠い場所や、配線しにくい場所であっても容易に取り付けることができる。そして、複数の駐輪装置1に取り付けられた本防犯装置20から発信される信号には、それぞれを識別するための識別警報が含まれており、1台の受信装置50で複数の信号を受信じ、識別して検出する。また、受信装置50の表示部54では、防犯装置20から信号を受信すると、例えば駐輪装置NO1等の記載に対応するランプが点灯するようにして、不正出庫した駐輪装置1が即座に判るように設定されている。
正当な管理者或は自動二輪車の使用者が出庫する場合には、受信装置50はリモコン操作により、出庫しても、当該駐輪装置1の防犯装置20からの信号を受信しても、警報を実行しないように設定されている。勿論、この場合には、清算を済ませることが前提となる。
前輪が入庫し前輪前部抱持体17に当接すると、上記防犯装置20にその振動が印加され、該防犯装置20のケース40に取り付けられた弾性部材42の弾性によりハウジング23が揺動し、この揺動により鋼球22が圧電セラミックス体21に衝突し自己発電する。さらに弾性部材42の弾性により鋼球22が往復転動して圧電セラミックス体21への衝突を繰り返し、連続して発電する。
そして、発生した電力は、圧電セラミックス素子211,212から回路部30に入力される。回路部30では、圧電セラミックス体21が発電するたびにその出力から交流電圧を取り出し、これを判定手段313に用いて充電量を判定している。このような充電量の間欠的な監視と判定は、充電量が増加するタイミングで効率よく判定される。その上、判定のために無駄な電力を消費することが大幅に抑制されるので、発信に必要な電力を素早く充電して発信部32に供給できる。これにより、出入庫のたびに発信部32から信号が発信される。
発信部32から発信された信号は、受信装置50の受信部51に受信され、警報部52で警報処理が実行される。この警報処理は、音や光、あるいは音声で不正出庫者を威嚇したり周囲の人にこの不正状態を告知せしめ、不正出庫者の退散を促す。また、ネットワーク53による電話通報で、自動二輪車の所有者のポケットベルや警報装置に不正出庫の発生を速やかに伝え、また駐輪場の管理者に該状態を告知する。
このように本形態例に係る防犯装置20にあっては、自己発電するため、防犯装置20への電力の供給手段に煩わされることなく、防犯を必要とする任意の場所に取り付けることができる。また、電力配線がなく小型であるため一見して防犯装置と気づかれにくく保安性を高められる。また、いつ実行されるかわからない不正出庫者に備えて、可能性のある場所全てに設置しても、防犯装置20は待機中も作動中も電気代がかからないため、経済的な負担が大幅に軽減される。
尚、本形態例では、防犯装置20を前輪前部抱持体17に取り付けた場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、前輪後下方部抱持体18やガイドレール部11の後輪当接位置に配設しても同様の作用・効果を得ることができる。
また、自己発電方式も上記形態例に限定されるものではなく、公知の各種圧電発電方式を利用した通信手段を適用することができる。
さらに、この発明にあっては、上記駐輪装置1を、箱状に形成されたガレージ(図示せず)内に引出し自在に収納させることで、自動二輪車Bを風雨に晒すことなく保管することもできる。
また、この発明にあっては、前輪支持装置10を自立可能に構成することで、該前輪支持装置10を単独で設置してもよい。この場合には、より簡易かつ低コストで駐輪装置を構成することができる。この場合、防犯装置20を配置するかは任意である。
勿論、本発明に係る駐輪装置1或は前輪支持装置10は、自動二輪車用の他に、自転車の駐輪装置或は前輪支持装置として使用することもできる。
以上説明したように、本発明によれば、以下の優れた産業上の利用可能性を有する。
請求の範囲1に記載の発明は、前輪支持装置を、自立可能なフレーム部材の前側上部に前輪前部抱持体を固定し、該フレーム部材の後側下部に前輪後下方部抱持体を回動自在に軸支して構成したので、自動二輪車等の前輪を、安定して自立させ抱持することができ、4輪自動車などの駐車場の狭い空きスペースであっても、その床面や地面に容易かつ堅牢に固定し設置することができ、しかも、構造が簡易なので、低コストで提供することができると共に、立体駐輪設備においても自動二輪車等の転倒を有効に防止して整然と自立させることができる。
請求の範囲2に記載の発明は、前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体を、断面形状が略く字状に形成したので、前輪の外周面に沿って前輪を安定的に抱持することができ、より確実に自動二輪車等を自立させることができる。
請求の範囲3に記載の発明は、前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体を、平面部と該平面部の両側から拡開方向に延設された抱持片部と、で平面形状が略V字状となるように形成したので、自転車から原付自動二輪車、中型自動二輪車、大型自動二輪車の異なる車輪幅であっても、本装置1台で全ての二輪車の前輪を安定的に自立させ抱持することができる。
請求の範囲4に記載の発明は、前輪前部抱持体とフレーム部材との固定点を、前記平面部のく字状に形成された折曲点よりやや下方に設定して構成したので、駐輪場の床面や地面に堅牢に固定された本前輪支持装置に収納されロック装置で施錠されて駐輪された自転車及び自動二輪車が強制的に上方向に持ち上げられて盗まれるのを確実に防止することができる。
請求の範囲5に記載の発明は、前輪前部抱持体の前記折曲点より上半部の長さ寸法を、折曲点より下半部の長さ寸法よりも長く形成し、該上半部は入庫された前輪の上部を覆うように形成したので、駐輪された自転車及び自動二輪車が強制的に上方向に持ち上げられて盗まれるのをより確実に防止することができる。
請求の範囲6に記載の発明は、前輪後下方部抱持体を、断面形状が略く字状に形成された一方半部であるガイド部側の長さ寸法を、他方半部である連結部側よりも長く形成したので、空車状態のときには、ガイド部側の自重により当該ガイド部側が、駐輪場の床面や地面と略面一となるように倒れ、入庫時における前輪の本前輪支持装置への導入をスムーズに行なうことができる。
請求の範囲7に記載の発明は、前輪前部抱持体と前輪後下方部抱持体に各々ロックアームを延設し、これらロックアームは、二輪車の前輪が入庫したときに、その自由端部が重合するように構成されていると共に、該重合した部分は、ロック手段でロック可能に構成したので、前輪を前輪前部抱持体と前輪後下方部抱持体とでタイトに挟持することができ、盗難を確実に防止することができる。
請求の範囲8に記載の発明は、前記各ロックアームのロック手段に、当該ロック手段のロック・アンロック状態に連動する料金清算器を配設し、ロック手段をロックしたときに料金清算器が作動し、料金を精算したときに当該ロック状態が解除されるように構成されているので、有料駐輪場の出入庫管理を無人で自動的に行なうことができる。
請求の範囲9に記載の発明は、前記フレーム部材は、前記前輪前部抱持体が固定される前端フレーム部と、該前端フレーム部の両端部から下方に垂直に延設された垂直フレーム部と、該垂直フレーム部の下端部に連設され前記前輪後下方部抱持体が回動自在に軸支された連結フレーム部と、が一体となるように連結されて構成されているので、構造が極めて簡単であり、重量も嵩張らず搬送・設置が容易で、かつ、低コストで提供することができる。
請求の範囲10に記載の発明は、前記前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体に、無電源で二輪車の出入庫を検知する防犯装置が取り付けられて構成されているので、配線できない場所であっても二輪車の出入庫を確実に検知し、しかも、配線を必要としないので、当該防犯装置の存在が判らないようにセットすることができ、当該二輪車の盗難を確実に防止することができる。
請求の範囲11に記載の発明は、前記防犯装置を、自己発電可能な圧電セラミックス体を有して構成し、前記前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体に作用する変動により圧電セラミックス体を歪み変形させることで発電する電力により二輪車の出入庫状態を通信するように構成されているので、無電源であっても二輪車の出入庫の度に確実にこれを駐輪場の管理者や二輪車の所有者に素早く知らしめることができる。
請求の範囲12に記載の発明は、前記圧電セラミックス体への歪み変形は、鋼球の圧電セラミックス素子への衝突によって発生させるように構成したので、本前輪支持装置に前輪を出入庫する度に発生する振動によって通信に必要な電力を自動的に発電することができ、メンテナンスコストが掛からない、という効果が得られる。
請求の範囲13に記載の発明は、前記防犯装置を、該防犯装置と離間して設けられた受信装置に出入庫情報を発信するように構成したので、侵入者から発見されにくい場所や、受信装置に電力を供給しやすい場所、管理しやすい場所等の任意の場所に設置することができ、不正な出庫を検知したときには、これを近傍周囲に音(サイレン等)や音声(威嚇の音声)或は光等で告知することができる。
請求の範囲14に記載の発明は、前記受信装置が、外部にネットワークを介して出入庫情報を通知するように構成したので、不正な出庫を検知したときには、駐輪場の管理者や自動二輪車の所有者のポケットベルや携帯電話若しくは管理機器に自動的に不正出庫状態を知らせ、或は、警察や契約警備会社に自動的に通報することができる。
請求の範囲15に記載の発明は、前記受信装置が、前輪支持装置から二輪車を出入庫させるときに警報を発するか否かを外部制御することができるように構成されているので、駐輪場の正当な管理人や自動二輪車の所有者が出入庫する際にも発信される信号を、リモコン操作により防犯装置を作動させるか否かを制御することで、不正な出入庫のみを検知することができる。
請求の範囲16に記載の発明は、駐輪装置を、地面或は駐輪場の床面に、二輪車が積載可能な大きさを有するベース部材を、アンカー軸部を介して回動自在に軸支すると共に、該ベース部材の上面に上記前輪支持装置を配設して構成したので、4輪自動車などの駐車場の狭い空きスペースであっても、その床面や地面に容易かつ堅牢に固定し設置することができ、しかも、設置場所によっては重量が嵩み方向転換が難しい駐輪場所、例えば壁際の狭い駐輪位置であっても、自動二輪車の方向を切り替えることなく、本駐輪装置の方向を自動二輪車の進行方向と合致させるように移動させることで、容易に自動二輪車を本駐輪装置に積載することができ、しかも、積載後は、本駐輪装置を移動させることで、整然と駐輪させることができ、また、出庫の際にも本駐輪装置を移動させることで簡単に出庫させることができ、さらには、本駐輪装置の移動も軽い操作力で行なうことができる。
請求の範囲17に記載の発明は、ベース部材を、二輪車が入庫しても撓み変形しない剛性を有する鋼板等の剛体で平面形状が略舟形状に形成したので、耐久性に優れ、しかも、略舟形状に形成されているので、平面形状が直角な場所に本駐輪装置が設置されていても、ベース部材の斜辺が駐輪場所の直角な一辺と接触するまでの範囲は、本ベース部材を回動させることができるため、狭い場所で駐輪しにくい場所あっても、二輪車の出入庫を容易に行なうことができる。
請求の範囲18及び請求の範囲19に記載の発明は、ベース部材に、2個を一組とする係止孔が、前記アンカー軸部の中心から等距離の円弧軌跡上に3組、所定間隔毎に貫通形成され、これら各係止孔には、略U字状に形成されてなるロック体が挿脱自在に装着可能とし、各係止孔は、そのいずれかの組の孔に挿入されたロック体の下端部が駐輪場の床面や地面に凹設された一組の係止穴に嵌合係止されることで、ベース部材の左右の移動が規制されるように構成されているので、本駐輪装置を二輪車の入庫方向或は出庫方向に移動させ、上記ロック体でベース部材の左右の移動を規制することで、二輪車の出入庫を安定した状態で行なうことができ、安全である。
請求の範囲20に記載の発明は、前輪支持装置の連結フレーム部の中央部に、ベース部材の後端部より外方に延設された断面形状が略凹状に形成されたガイドレール部の一端部を連結したので、二輪車を自然に直線状に積載することができ、整然とした駐輪が可能となる。
請求の範囲21に記載の発明は、前記ガイドレール部の終端部を、駐輪場の床面や地面側に折曲されて、駐輪場の床面や地面とガイドレール部との段差を可及的に小さくするように構成したので、入出庫時における車輪のガイドレール部への乗り入れや出庫動作がスムーズに行なうことができる。
請求の範囲22に記載の発明は、前記ベース部材の上面であってガイドレール部の両側に、弾性材で形成されてなるプラットホーム部材が配設され、また、請求の範囲23に記載の発明では、該プラットホーム部材の上面に、所要間隔毎に滑り止め用の突起を突設させて構成したので、雨天時であっても安全に乗降することができるばかりではなく、本駐輪装置から出庫するときに、上記突起を足掛かりとして利用することができるので、スムーズに出庫を行うことができる。
請求の範囲24に記載の発明は、前記ベース部材の前側両側部に、略逆U字状の手摺バーを立設して構成したので、手摺りとしての機能のほかに、入庫されている自動二輪車が万一転倒した場合でも、全倒するのを防止することができ、さらには、4輪自動車の進入を防止することができる。
請求の範囲25に記載の発明は、前記ベース部材の後端部と手摺バーとの間に、二輪車に取り付けられたサイドバック用の空きスペースを形成したので、サイドバックが取り付けられた自動二輪車であっても、確実に駐輪することができる。
請求の範囲26に記載の発明は、ベース部材の下面両側に、複数個のキャスターローラを回転自在に軸支して構成したので、本駐輪装置を、自動二輪車の出入庫方向に軽い操作力で移動させることができる。
請求の範囲27に記載の発明は、キャスターローラを、ベース部材の前側に配設されたものから後側に配設されたものの順に、その直径が小さくなるように構成したので、本駐輪装置を設置したときに、ベース部材は、前側から後端部に向かって下がり勾配で設置されるため、自動二輪車の出庫作業を大幅に軽減することができる。
請求の範囲28に記載の発明は、前記ベース部材を、箱状のガレージ内に引き出し自在に収納したので、二輪車を風雨に晒すことなく保管することができる。
この発明は、オートバイ等の駐輪装置に係り、特に出入庫を容易に行うことができ、狭い敷地であっても場所を取ることなく駐輪可能であると共に、付設された無電源のスイッチで容易に出入庫を確認することができる盗難防止にも有効な前輪支持装置及び該前輪支持装置を備えた駐輪装置に関する。
近年、通勤、通学又は買い物用の足として、自動二輪車や原動機付自転車の利用が激増しているが、これらの集まる駅、商店街の周辺等では、自動二輪車等を駐車させるための駐車設備が非常に少ないため、違法駐車が車両の走行や人の歩行の妨げとなり、社会問題化している。これは、人が集まり易い場所の地代等が非常に高価であり、バイクスタンド等の駐輪場では採算性がとれない、という問題があるためでもある。このため、できるだけ多くの自動二輪車等を狭いスペースに効率よく駐車できるように、当該設備を上下多段の立体駐車設備とする、という例が多くなってきている。
また、一方で、駐輪中に自動二輪車が盗まれるといった事故も多発しており、特に、高価な自動二輪車の盗難が顕著である。
一般的に、自動二輪車を駐輪する場合には、自前のチェーン錠等で車輪をロックしたり、駐輪場のロック装置を利用してロックするが、このような従来のロック装置では、強力なチェーンカッター等の道具で簡単に破壊され易いため、自動二輪車の所有者にとっては、なす術がないのが現状である。
また、従来の駐車場において、自動二輪車等を転倒させることなく整列させる自動二輪車専用の装置はあまり開発されておらず、例えば、特許文献1等に示されているように、自動二輪車のタイヤ幅よりもやや広い間隔を持つ一対の支柱兼用規制部材が所定間隔毎に立設され、また各規制部材上に連続する横桁が架け渡された構造の前輪支持装置が知られており、このような前輪支持装置では、該一対の規制部材間に前輪を挿入して付属のスタンドにより自動二輪車を起立させることによって、指定位置若しくは指定の範囲内に駐輪させて整列させているのが現状である。
実開昭64−7086号公報
しかしながら、上記従来の前輪支持装置では、前輪を一対の規制部材間で挟んで自立させているだけの構造であるため、自動二輪車が前方にずれたり、少しの外力が加わるだけで、サイドスタンドが外れて転倒し易いという問題を有していると共に、サイドスタンドは一点で車重を支えるため、比較的不安定である。また、通常、自動二輪車のメインスタンドは、エンジンの下部後方に一端を回動可能に取り付けられ、二本足で立てるようにした棒状の部品であり、メインスタンド使用時、メインスタンドを立て二箇所の接地点と、いずれか一方のタイヤで車体を支え、走行時メインスタンドは車体と平行になるまで後方に回転させられる構造のため、自動二輪車に前方向の力がかかるとメインスタンドは外れて転倒し易い、という問題を有しており、いずれにしても、自動二輪車を安定して自立保持する簡単な構造からなる駐輪装置は開発されていないのが現状である。
このため多くの自動二輪車を整列させる駐車設備において、前輪支持装置等のような自動二輪車を支持する装置を設けない場合、共倒れ等の不都合が発生し、一定のスペースに効率よく整列させて駐車することができない、という問題を有していた。
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、自動二輪車等の前輪を安定的に抱持し、4輪自動車などの駐車場の狭い空きスペースであっても設置することができる簡易で低コストな構造であり、立体駐輪設備においても自動二輪車等の転倒を有効に防止して整然と自立させることが可能であると共に、無電源で自動二輪車の本装置への出入庫を自動的に監視することが可能な前輪支持装置を備えた駐輪装置を提供しようとするものである。
請求項1に記載の駐輪装置は、自立可能なフレーム部材の前側上部に前輪前部抱持体を固定し、該フレーム部材の後側下部に前輪後下方部抱持体を回動自在に軸支すると共に、前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体は、平面部と該平面部の両側から拡開方向に延設された抱持片部と、で平面形状が略V字状に形成されてなる前輪支持装置を有する駐輪装置であって、前輪前部抱持体とフレーム部材との固定点を、前記平面部のく字状に形成された折曲点よりやや下方に設定し、かつ、地面或は駐輪場の床面に、二輪車が積載可能な大きさを有するベース部材を、アンカー軸部を介して回動自在に軸支すると共に、ベース部材には、2個を一組とする係止孔が、前記アンカー軸部の中心から等距離の円弧軌跡上に3組、所定間隔毎に貫通形成され、これら各係止孔には、略U字状に形成されてなるロック体が挿脱自在に装着可能であることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駐輪装置を技術的前提とし、前記各係止孔は、そのいずれかの組の孔に挿入されたロック体の下端部が駐輪場の床面や地面に凹設された一組の係止穴に嵌合係止されることで、ベース部材の左右の移動が規制されるように構成されていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の駐輪装置を技術的前提とし、前記ベース部材の前側両側部には、略逆U字状の手摺バーが立設され、該ベース部材の後端部と手摺バーとの間には、二輪車に取り付けられたサイドバック用の空きスペースが形成されていることを特徴とする。
またさらに、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の駐輪装置を技術的前提とし、前記ベース部材の下面両側には、複数個のキャスターローラが回転自在に軸支され、これらキャスターローラは、ベース部材の前側に配設されたものから後側に配設されたものの順に、その直径が小さくなるように構成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、前輪支持装置を、自立可能なフレーム部材の前側上部に前輪前部抱持体を固定し、該フレーム部材の後側下部に前輪後下方部抱持体を回動自在に軸支して構成したので、自動二輪車等の前輪を、安定して自立させ抱持することができ、4輪自動車などの駐車場の狭い空きスペースであっても、その床面や地面に容易かつ堅牢に固定し設置することができ、しかも、前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体を、断面形状が略く字状に形成したので、前輪の外周面に沿って前輪を安定的に抱持することができ、より確実に自動二輪車等を自立させることができると共に、前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体を、平面部と該平面部の両側から拡開方向に延設された抱持片部と、で平面形状が略V字状となるように形成したので、自転車から原付自動二輪車、中型自動二輪車、大型自動二輪車の異なる車輪幅であっても、本装置1台で全ての二輪車の前輪を安定的に自立させ抱持することができ、二輪車が積載可能な大きさを有するベース部材を、アンカー軸部を介して回動自在に軸支すると共に、ベース部材には、2個を一組とする係止孔が、前記アンカー軸部の中心から等距離の円弧軌跡上に3組、所定間隔毎に貫通形成され、これら各係止孔には、略U字状に形成されてなるロック体が挿脱自在に装着可能とし、各係止孔は、請求項2に記載の発明では、そのいずれかの組の孔に挿入されたロック体の下端部が駐輪場の床面や地面に凹設された一組の係止穴に嵌合係止されることで、ベース部材の左右の移動が規制されるように構成されているので、本駐輪装置を二輪車の入庫方向或は出庫方向に移動させ、上記ロック体でベース部材の左右の移動を規制することで、二輪車の出入庫を安定した状態で行なうことができる
さらに、請求項3に記載の発明は、前記ベース部材の後端部と手摺バーとの間に、二輪車に取り付けられたサイドバック用の空きスペースを形成したので、サイドバックが取り付けられた自動二輪車であっても、確実に駐輪することができる。
請求項4に記載の発明は、キャスターローラを、ベース部材の前側に配設されたものから後側に配設されたものの順に、その直径が小さくなるように構成したので、本駐輪装置を設置したときに、ベース部材は、前側から後端部に向かって下がり勾配で設置されるため、自動二輪車の出庫作業を大幅に軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図10に基づいて説明する。
図1及び図2は、本形態例に係る駐輪装置1の平面図及び右側面図を示しており、該駐輪装置1は、平板体であるベース部材2と、該ベース部材2の舳先部分に、上下に貫通して配設されたアンカー軸部3と、上記ベース部材2の上面側であって上記アンカー軸部3に固定された前輪支持装置10と、該前輪支持装置10の車輪ガイドレール11の両側に配置された弾性材で形成されてなるプラットホーム部材4,4と、上記ベース部材2の前側両側部に立設された略逆U字状の手摺バー5,5と、上記ベース部材2の下面両側に回転自在に軸支されてなるキャスターローラ6A,6A,6B,6B,6C,6Cと、から構成されている。
ベース部材2は、大型自動二輪車Bが入庫しても撓み変形しない剛性を有する鋼板等の剛体で平面形状が略舟形状に形成されており、該ベース部材2の上面には上記プラットホーム部材4,4が貼着されていると共に、該ベース部材2の前側には、2個を一組とする係止孔2A1,2A1,2A2,2A2,2A3,2A3が、アンカー軸部3の中心から等距離の円弧軌跡上に3組、所定間隔毎に貫通形成され、これら各係止孔2A1,2A1又は2A2,2A2或は2A3,2A3には、略U字状に形成されてなるロック体9が挿脱自在に装着できるように構成されている。
これら各係止孔2A1,2A1又は2A2,2A2或は2A3,2A3は、図2に示すように、そのいずれかの組の孔に挿入されたロック体9の下端部が駐輪場の床面や地面G等に凹設された一組の係止穴Gaに嵌合係止されることで、ベース部材2の左右の移動が規制されるように構成されている。
また、ベース部材2は、上記したように、平面形状が略舟形状に形成されているので、本ベース部材2を、平面形状が直角な場所に設置したとしても、ベース部材2の斜辺2A,2A(本形態例では傾斜角45度で形成されているが、この角度に限定されるものではなく、設置場所に対応させて任意の角度に形成することができる。)が駐輪場所の直角な一辺と接触するまでの範囲は、本ベース部材2を回動させることができるため、狭い場所で駐輪しにくい場所あっても、二輪車の出入庫を容易に行なうことができる。
因みに、この形態例では、該ベース部材2の長さ寸法は1900mmで、幅寸法は800mmに形成されている。これは、大型の自動二輪車の車軸長よりも若干長い寸法であり、大型自動二輪車から小型自動二輪車まで駐輪できるように構成されている。
アンカー軸部3は、ベース部材2を左右に回動自在に軸支するためのもので、該アンカー軸部3の下端部は、図2に示すように、駐輪場の床面や地面G等に固定された軸受体7に回転可能に軸支されている。勿論、該アンカー軸部3と軸受体7とは、例えば、図2に示すような構造とし、容易に抜脱しないように構成されている。
プラットホーム部材4,4は、ゴムやラバー等の弾性体帯状に形成されており、その上面には所要間隔毎に滑り止め用の突起8が突設されている。因みに、本形態例では、上記プラットホーム部材4,4の長さ寸法は1000mmで、幅寸法は200mm、厚さは30mmで形成している。厚さを300mmとすることで、乗車時や降車時に楽に足をつけることができ、安定した乗降を行うことができる。また、滑り止め用の突起8が所要間隔毎に複数配設されていることにより、雨天時であっても安全に乗降することができるばかりではなく、本駐輪装置1から出庫するときに、足掛かりとして利用することができるので、スムーズな出庫を行うことができる。
手摺バー5,5は、自動二輪車の収納幅を確保する機能と、手摺りとしての機能のほかに、入庫されている自動二輪車Bが万一転倒した場合でも、全倒を防止する作用も有しており、さらには、4輪自動車の進入を防止するブロック体としての作用を奏するように、剛体で形成されている。因みに、本形態例では、本手摺バー5,5の幅寸法は800mmで、高さ寸法は取付時に800mmとなるように、その両下端部がベース部材2に固定されている。尚、この形態例において、上記手摺バー5,5の幅寸法を800mmとし、ベース部材2の後端部まで延長せずにベース部材2の後端部に空きスペースSを形成したので、自動二輪車にサイドバックが取り付けられている場合でも入庫することができる。尚、本形態例では、上記手摺バー5,5に蛍光塗料を塗布することで、夜間における入出庫の目印となるので安全であり、また、蛍光発光により駐輪装置1を目立たせることができ、盗難防止の効果も得ることができる。
キャスターローラ6A,6A,6B,6B,6C,6Cは、360度のいずれの方向にも転回可能な公知の構造からなり、キャスターローラ6A,6Aが一番大きく形成され、次にキャスターローラ6B,6Bが大きく形成され、キャスターローラ6C,6Cが一番小さく形成されている。このように構成することで、本駐輪装置1を設置したときに、ベース部材2は、前側から後端部に向かって下がり勾配で設置されるため、自動二輪車の出庫作業を大幅に軽減することができ、自力で容易に出庫することができる。
次に、前記前輪支持装置10は、図1乃至図10に示すように、上記べース部材2の前端側に配置される前端フレーム部12と、該前端フレーム部12の両端部から下方に垂直に延設された垂直フレーム部13,13と、該垂直フレーム部13,13の下端部からベース部材2の斜辺部に沿うように延設された斜辺フレーム部14,14と、該斜辺フレーム部14,14の終端部から水平方向に延設された平行フレーム部15,15と、該平行フレーム部15,15の両終端部間を連結する連結フレーム部16と、が一体となるように連結されて平面形状が略ホームベース状となるように構成されている。
そして、上記前端フレーム部12の中央部には、断面形状が略く字上に形成された前輪前部抱持体17が固定されており、また、前記連結フレーム部16の中央部には前輪後下方部抱持体18が連結フレーム部16に対して軸回り方向に回転自在に軸支されている。
この前輪前部抱持体17は、平面部17Aと該平面部17Aの両側から拡開方向に延設された抱持片部17B,17Bと、で平面形状が略V字状に形成されており、上記平面部17Aのく字状に形成された折曲点よりやや下方が上記前端フレーム部12の略中央部に溶接等の手段で強固に固定されている。
このように前輪前部抱持体17を平面形状が略V字状に形成するとこで、自転車及び小型自動二輪車から大型自動二輪車までのすべての前輪幅に対応させることができ、また、前輪が傷損するのを防止することができる。
さらに、上記前端フレーム部12との固定点を上記平面部17Aのく字状に形成された折曲点よりやや下方に設定することで、本前輪支持装置10に収納され後記するロック装置19で施錠されて駐輪された自動二輪車Bが強制的に持ち上げられないように構成されている。勿論、より持ち上げられにくくする場合には、前輪前部抱持体17の上部分をより長く形成してもよい。
一方、前輪後下方部抱持体18も基本的には前輪前部抱持体17と同様に構成されており、平面部18Aと該平面部18Aの両側から拡開方向に延設された抱持片部18B,18Bと、で平面形状が略V字状に形成されており、断面形状が略く字状に形成されたガイド部側18Cと連結部側18Dとの長さ寸法はガイド部側18Cの方が長く形成されている。また、前記前記連結フレーム部16の中央部に回動自在に軸支されるパイプ状の軸部18Eは、上記連結部側18Dの平面部18Aに溶接等の手段で堅牢に固定されている。
このように前輪後下方部抱持体18を平面形状が略V字状に形成するとこで、自転車及び小型自動二輪車から大型自動二輪車までのすべての前輪幅に対応させることができ、また、前輪が傷損するのを防止することができる。
尚、この形態例では、断面形状が略く字状に形成された前輪後下方部抱持体18のガイド部側18Cと連結部側18Dとの長さ寸法を、ガイド部側18Cの方を長く形成したので、本前輪支持装置10が空車状態のときには、ガイド部側の自重により当該ガイド部側がガイドレール部11と略面一となるように倒れ、入庫時における前輪の本前輪支持装置10への導入がスムーズに行なうことができるように構成されている。
また、上記前輪前部抱持体17と前輪後下方部抱持体18には、ロックアーム17C,18Fが延設されており、これらロックアーム17C,18Fは、自動二輪車Bの前輪が入庫したときに、その自由端部が重合するように構成されていると共に、重合した部分には、錠前19(図2参照)が係合可能な孔部が形成されている。尚、この形態例では、上記ロックアーム18Fに、上記錠前19のロック・アンロック状態に連動する料金清算器Jを配設し、錠前19をロックしたときに料金清算器Jが作動し、料金を精算したときに錠前19のロック状態が解除されるように構成されている。この錠前19及び料金清算器Jは、公知の構成のものを使用することができるので、詳細な構成説明はここでは省略する。
また、上記連結フレーム部16の中央部には、ベース部材2の後端部より外方に延設された断面形状が略凹状に形成されたガイドレール部11の一端部が連結されており、上記プラットホーム部4,4間に配置された該ガイドレール部11の終端部11Aは、図2に示すように、床面や地面G側に折曲されて入出庫時における車輪のガイドレール部11への乗り入れや出庫動作がスムーズに行なうことができるように構成されている。勿論、上記ガイドレール部11の幅寸法は、大型自動二輪車Bの前後輪がスムーズに乗り入れ収納可能な寸法を有して構成されている。
さらに、上記前輪前部抱持体17の平面部17Aには、前輪が本前輪支持装置10に入庫したときの押圧力と出庫したときの前輪との押圧力の解除により作動する無電源方式の防犯装置20が取り付けられている。
ここで、本防犯装置20の構成例を図11に示すが、本発明の防犯装置20は、図示した配置や形状に限定されるものではない。
まず、圧電セラミックス素子211,212は、ケース40に収容されており、ケース40は図示されていない適切な手段(接着剤、両面テープ、ねじ止め、溶接等)で、前記前輪前部抱持体17の平面部17Aの裏面側に取り付けられており、前輪前部抱持体17に作用する変動を検知して、前記圧電セラミックス素子211,212で発電する電力により通信を行うように構成されている。
圧電セラミックス素子211,212には、圧電セラミックス体21と鋼球22を収納するハウジング23と、ハウジング23を支持するための基部41と、弾性を有しハウジング23と基部41とを連結するとともに、鋼球22が圧電セラミックス体21への衝突を繰り返すようハウジング23を揺動させる板バネ等からなる弾性部材42と、が備えられている。この弾性部材42には、上述の板バネの他に、ゴム材(シリコンゴム等やゲル材、熱可逆性エラストマー等)、また発泡材や低ヤング率Ti合金(弾性変形の大きいTi合金)を用いてもよい。
即ち、本形態例では、図12に示すように、両端が閉塞されたハウジング23の両端側に圧電セラミックス体21を配置し、これら圧電セラミックス体21を鋼球22の殴打により発電するものである。
ハウジング23の一方の側面にクッション材25を接着材24用いて接着し、このクッション材25の中央部のみに、接着材24を用いて圧電セラミックス体21を接着する。ハウジング23の他方の側面にも、同様にして圧電セラミックス体21を接着し、両者を向かい合せる。
これら両圧電セラミックス体21の向かい合う面の中央部にプロテクタ板27を固着する。そして、両圧電セラミックス体21間に、ガイド通路28を配置し、このガイド通路28内に転動自在な鋼球22を設ける。また、ハウジング23には、発信部32を含む回路部30(図13参照)が併設されている。このハウジング23は、前輪の入庫時の振動により揺動し、また、出庫時の振動でも揺動して発電する。
尚、この発明にあっては、圧電セラミックス体21を、例えば、水平に配置する場合には、その中央部のみだけではなく、その両端部をクッション材25で保持し、或は、中央部と両端部をクッション材25で保持し、また、その支持部位も圧電セラミックス体21の上下面に配置して保持するように構成してもよい。
上記圧電セラミックス体21は、同一形態(同一材質、同一形状、同一厚さ)の2枚の板状の圧電セラミックス素子211,212を、各セラミックス素子211,212の分極の極性を同一方向にし、かつ、該圧電セラミックス素子211,212間に、りん青銅や真鍮等の導電性金属で10μm〜50μmの厚さに形成された極薄の金属電極(図示せず)を配置し、これら圧電セラミックス素子211,212と金属電極を接合して構成されている。
このように金属電極を極薄の厚さとすることで、該金属電極による機械的な抵抗をごく僅かに抑えることができ、2つのセラミックス素子211,212と金属電極の接合面を中心(伸縮しない部位)にたわみ振動が発生したとしても、該たわみ振動の金属電極による減衰を可及的に小さく抑えることができる。尚、この形態例の構成では、一方の側のセラミックス素子211が伸長すれば他方の側のセラミックス素子212は収縮し、かつ出力電圧の電極は逆方向となり、両圧電セラミックス素子211,212は並列に接続された発電構成となる。
また、この形態例では、上記たわみ振動が行われると、一方の圧電セラミックス素子211(又は212)で伸長と収縮との両方の作用が行われて、分極が打ち消されるということがなく効率的に発電が行われる。セラミックス素子211で発電された電気エネルギーとしての電流はリード線261,264から取り出され、また、セラミックス素子212で発電された電気エネルギーとしての電流はリード線262,263から取り出され、これら各セラミックス素子211,212で発電された電流は金属電極に導電接続されたリード線(図示せず)と接続されて交流電流が得られるように構成されている。
また、この発明に用いられる上記クッション材25は、合成樹脂材、ゴム材、或はこれらをスポンジ状にした軟質の材料で構成されている。このようなクッション材25を用い、しかも、このクッション材25の中央部のみ或いは両端部を、接着材24を用いて圧電セラミックス体21を固着したのは、圧電セラミックス体21の振動を減衰させないためである。圧電セラミックス体21が振動する場合、この圧電セラミックス体21を支持する部材は圧電セラミックス体21の振動を減衰させる要因になり、この減衰要因を取り除くために、クッション材25を用いて極力圧電セラミックス体21を自由な状態におく。
このように構成された圧電セラミックス体21の歪みは、圧電セラミックス自体が持つ固有振動となって暫くの間、継続する。この固有振動を長く継続させるためには、この固有振動を圧電セラミックス体21以外の他の構造体に伝えないことが重要である。圧電セラミックス体21の固有振動は、電気エネルギーとして変換されるが、その他の構造体の振動は全て機械的な抵抗となって固有振動エネルギーを吸収してしまい、電気エネルギーとして取り出すことができない。このため、この形態例では、圧電セラミックス体21と他の構造体との間で上記固有振動が伝達しないような柔らかな接触を実現するための手段として上記クッション材25を用いることで、圧電セラミックス体21の固有振動が長く継続させることができ、発電効率が良くなる。勿論、このクッション材25は圧電セラミックス体21に加えられる衝撃を緩和する作用をも有する。尚、上記プロテクタ板27は、金属製或いは合成樹脂製等で形成されており、鋼球22の殴打から圧電セラミックス体21を保護する。
尚、圧電方式による発電方法は、特開2001−145375号公報に示した2つの鋼球を用いる構成や、鋼球をバネ材で吊り下げる構成等も適用できる。また、単層或は複層の圧電セラミックス板にこれと歪み変形量が釣り合うよう厚み調整された金属板を貼り合わせて、金属板側から鋼球22を衝突させて発電する構成を適用してもよい。尚、図11中、符号BMは自動二輪車の前輪を、Qはケース40に貼着されたクッション材である。
次に、上記通信は、入出庫時の圧力変動により圧電セラミックス素子211,212で発生した上記電力を利用して、図13に示すように、入出庫信号を発信する発信部32で行なう。この防犯装置20から発信される信号は空中を伝搬する信号であり、本形態例では無線信号(電波信号)を用いるが、超音波信号、光信号、赤外線信号、音波信号等を用いることもできる。
上記通信を受信する受信装置50は、図13に示すように、防犯装置20と一体に、或は離間して設置することができ、侵入者から発見されにくい場所や、受信装置50に電力を供給しやすい場所、管理しやすい場所等の任意の場所に設置するのが望ましい。尚、本形態例において、該受信装置50は、1台で1または複数の防犯装置20からの信号を受信することができる。複数の防犯装置20から信号を受信する場合には、それぞれの信号には識別警報が含まれており、どの駐輪装置1に配置された防犯装置20から信号が発信されたかが判別できるように構成されている。
そして、上記受信装置50は、不正な出庫を検知したときには、これを近傍周囲に音(サイレン等)や音声(威嚇の音声)或は光等で告知し、或は、自動二輪車の所有者のポケットベルや携帯電話に自動的に不正出庫状態を知らせ、或は、ネットワーク53を介して警察や契約警備会社に自動的に送信するように構成されている。
このネットワーク53としては、公衆回線(移動体通信も含む)、専用回線等の様々な通信手段を含んでおり、電話による告知の他,インターネットや電子メールで告知してもよい。勿論、駐輪場の正当な管理人や自動二輪車の所有者が、上記警報等の作動をリモコン操作により制御できるように構成することもできる。受信装置50に電話をかける(電子メールでもよい)ことで操作してもよい。
この防犯装置20では、入庫時と出庫時に発信部32から信号が発信される。そのため、駐輪場の管理者や自動二輪車の正当な所有者(使用者)が出入庫する際にも信号が発信されるので、受信装置50側で警報等を作動させるか否かの可否を制御することにより、不正な出入庫のみを検知することができるように構成されている。
ところで、上記のように構成されてなる防犯装置20は、上記圧電セラミックス素子211,212の出力が回路部30に取り出される。回路部30には、図13に示すように、圧電セラミックス素子211,212で発生した交流電力を整流して充電する充電部31と上述の発信部32とが備えられている。そして、この発信部32から発信された信号は、受信装置50の受信部51に受信され、警報部52で第2の警報として、音や光による周囲への通知とともに、ネットワーク53を介してあらかじめ設定した外部にも通知する。この警報部52による警報の可否が外部から制御される。また、表示部54では、複数設置された防犯装置20のうち、どの駐輪装置1の防犯装置20から信号を受信したか表示(ランプの点滅、赤ランプの点灯等)する。
回路部30の充電部31には、整流手段311と充電手段312と判定手段313と放電スイッチ手段314とが備えられている。整流手段311は、圧電セラミックス素子211,212で出力された交流電力を整流して脈流にする手段である。充電手段312は、整流手段311により得られた脈流を直流として充電する手段である。判定手段313は、充電手段312の充電量を圧電セラミックス体21の発電のタイミングに応じて間欠的に監視し判定する手段である。この手段では、充電量は監視の際にごく少量消費されるが、間欠的に監視しているので監視による電力の消費を抑え、充電量への影響を低減させている。放電スイッチ手段314は、判定手段313により充電手段312の充電量が発信可能なレベルに達したことが判定されたときに、充電手段312の放電を開始させ、後段の発信部32に電力を供給する手段である。
次に、発信部32には、通信制御手段321と信号スイッチ手段322、信号発生手段323、放電停止手段324が備えられている。
通信制御手段321は、通信に必要な動作を行う手段であり、この手段は充電部231から電力が供給されることで開始される。この手段では、動作の開始により信号スイッチ手段322をONさせるように働くとともに、発信のためのデータを信号発生手段323に渡す。信号スイッチ手段322は、通信制御手段321によりONされて、信号発生手段323に電力を供給する手段である。信号発生手段323は、通信制御手段321より受け取った発信のためのデータを信号に変換して発信する。放電停止手段324は、充電部231からの電力の供給を停止させるように放電スイッチ手段314を動作させる手段である。この手段は、通信制御手段321が発信のために必要なデータを全て信号発生手段323に渡し終わったら、通信制御手段321により動作させられる。
図14及び図15は連続した回路図であり、S点、+点、−点により接続される。整流手段311はダイオードD1〜D6により全波整流の回路が形成されており、圧電セラミックス素子211,212で出力された交流電力をここで整流し脈流として後段に出力する。圧電セラミックス素子211,212から取り出された4本のリード線261〜264のうちリード線262,263が結線され、3本のリード線が6個のダイオードD1〜D6に接続されている。なお、ここでは、リード線262,263を結線してダイオードの数を削減する回路を形成しているが、リード線262,263を結線せずに8個のダイオードに接続して全波整流の回路を形成してもよい。
充電手段312は、コンデンサC1を備えている。このコンデンサC1は充電電池に代替してもよい。整流手段311で整流された脈流は、コンデンサC1に直流として逐次充電され、鋼球22が圧電セラミックス体21に衝突して発電を繰り返すたびにコンデンサC1の両端の電圧が高くなる。
放電スイッチ手段314には、自己保持型電流スイッチが用いられている。本形態例では、相補トランジスタを用いており、PNPトランジスタTr1とNPNトランジスタTr2とを組み合わせている。この放電スイッチ手段314では、b点に、c点の電圧より約0.6V(Tr1により決まる値)低い電圧が印加されると、Tr1がONとなりほぼ同時にTr2がONとなる。
このように放電スイッチ手段314がON状態となると、c点とd点の間はきわめて低いインピーダンスとなる。そして、充電手段312のコンデンサC1に貯めた電力を放電し、きわめて少ないロスで通信制御手段321に供給する。そして、このON状態は、自己保持状態となり放電停止するまで継続する。
判定手段313は、コンデンサC2,C3と抵抗R1,R2を備えている。コンデンサC3は誤動作防止用に設けたものである。コンデンサC2と抵抗R1は、圧電セラミックス体21からの出力である図14中に示すa点と放電スイッチ手段314の図15中に示すb点との間に設けられている。そして、この時定数で充電量の判定の際にb点に電圧を印加する時間を決めている。a点には鋼球22が圧電セラミックス体211に衝突する度に交流電力が発生するが、この電圧は、コンデンサC1の両端の電圧にダイオードD6の上棟方向の電圧を加えた値である。そして、コンデンサC1が充電により電圧上昇するとともにa点の交流電圧も上昇する。つまり、a点ではコンデンサC1の両端の直流電圧にほぼ比例した交流電圧が、鋼球22が衝突するたびに、すなわち間欠的に得られる。そしてこのa点での交流電圧は、抵抗R1とコンデンサC2の時定数で決めたごく短日間だけも点に印加される。b点の電圧は抵抗R1,R2の分配比により決められ、上述したようにも点の電圧がc点の電圧よりも約0.6V低い電圧の値を超えると放電スイッチ手段324がONとなる。ここでは、b点の電圧は(c点の電圧×1−R2/(R1+R2)で示されるため、このb点の電圧がc点の電圧よりも約0.6V低い電圧(c点の電圧−約0.6V)と等しくなったときが判定の閾値となり、これをもって充電量のレベルを判定する。そのため、R1とR2を調整することで放電を開始させる充電量を発信可能なレベルに調整することができる。このレベルは発信する信号に応じて任意に設定される。なお、ここではリード線264側に3点を設けているが、リード線261側や、接続されたリード線262,263側に設けてもよい。また、ここでは2つの圧電素子のうち、一方の圧電セラミックス体211が発電するタイミング毎に判定を行うよう構成しているが、双方の圧電セラミックス素子211,212が発電するタイミングで判定を行ったり、あるいは、圧電セラミックス体211が発電するタイミングのn回毎(nは任意の数)に判定を行うように構成してもよい。
通信制御手段321は、通信制御回路3211とコンデンサC7と抵抗R8とFET1を備えている。コンデンサC7は動作安定用に設けたものである。抵抗R8とFET1は、通信制御回路3211と信号スイッチ手段322を低消費電力でインターフェースするためのレベル変換に設けている。充電部231からの放電により通信制御回路3211に電力が供給されると、通信制御回路3211の内部で発信に必要な手順が実行される。なお、通信制御回路3211は消費電力の小さいものである。
信号スイッチ手段323は、PNPトランジスタTr4と抵抗R6,R7とコンデンサC6を備えている。信号発生回路3231が比較的大電力を必要とするために、この信号スイッチ手段323では大電力用トランジスタスイッチTr4を使って、信号発生回路3231に電力を供給するよう構成している。信号スイッチ手段323では、通信制御回路3211からの発信開始の指令がFET1を通って、抵抗R7を通ってトランジスタTr4をONさせると、信号発生手段323で発信を開始きせるよう動作する。
信号発生手段323は、信号発生回路3231とアンテナ3232を備えており、信号スイッチ手段323により電力が供給されると、通信制御回路3211から受け取った発信のためのデータを無線信号に変換してアンテナ3232から発信する。
放電停止手段324は、PNPトランジスタTr3と抵抗R4,R5とコンデンサC4,C5とを備えている。コンデンサC4,C5は、誤動作防止用に設けている。この手段では、通信制御回路3211が発信のために必要なデータを信号発生回路3231に送出し終えたら、通信制御回路3211から抵抗R4を通してトランジスタTr3をONさせる信号を出力する。トランジスタTr3がONとなると放電スイッチ手段324の自己保持は解除となり、コンデンサC7に貯まっていた電力の放電は停止して、発信動作は終了する。
このように構成された本形態例の防犯装置20の動作について説明する。
本防犯装置20は電力線の配線が不要であるため、コンセントから遠い場所や、配線しにくい場所であっても容易に取り付けることができる。そして、複数の駐輪装置1に取り付けられた本防犯装置20から発信される信号には、それぞれを識別するための識別警報が含まれており、1台の受信装置50で複数の信号を受信じ、識別して検出する。また、受信装置50の表示部54では、防犯装置20から信号を受信すると、例えば駐輪装置NO1等の記載に対応するランプが点灯するようにして、不正出庫した駐輪装置1が即座に判るように設定されている。正当な管理者或は自動二輪車の使用者が出庫する場合には、受信装置50はリモコン操作により、出庫しても、当該駐輪装置1の防犯装置20からの信号を受信しても、警報を実行しないように設定されている。勿論、この場合には、清算を済ませることが前提となる。
前輪が入庫し前輪前部抱持体17に当接すると、上記防犯装置20にその振動が印加され、該防犯装置20のケース40に取り付けられた弾性部材42の弾性によりハウジング23が揺動し、この揺動により鋼球22が圧電セラミックス体21に衝突し自己発電する。さらに弾性部材42の弾性により鋼球22が往復転動して圧電セラミックス体21への衝突を繰り返し、連続して発電する。
そして、発生した電力は、圧電セラミックス素子211,212から回路部30に入力される。回路部30では、圧電セラミックス体21が発電するたびにその出力から交流電圧を取り出し、これを判定手段313に用いて充電量を判定している。このような充電量の間欠的な監視と判定は、充電量が増加するタイミングで効率よく判定される。その上、判定のために無駄な電力を消費することが大幅に抑制されるので、発信に必要な電力を素早く充電して発信部32に供給できる。これにより、出入庫のたびに発信部32から信号が発信される。
発信部32から発信された信号は、受信装置50の受信部51に受信され、警報部52で警報処理が実行される。この警報処理は、音や光、あるいは音声で不正出庫者を威嚇したり周囲の人にこの不正状態を告知せしめ、不正出庫者の退散を促す。また、ネットワーク53による電話通報で、自動二輪車の所有者のポケットベルや警報装置に不正出庫の発生を速やかに伝え、また駐輪場の管理者に該状態を告知する。
このように本形態例に係る防犯装置20にあっては、自己発電するため、防犯装置20への電力の供給手段に煩わされることなく、防犯を必要とする任意の場所に取り付けることができる。また、電力配線がなく小型であるため、一見して防犯装置と気づかれにくく保安性を高められる。また、いつ実行されるかわからない不正出庫者に備えて、可能性のある場所全てに設置しても、防犯装置20は待機中も作動中も電気代がかからないため、経済的な負担が大幅に軽減される。
尚、本形態例では、防犯装置20を前輪前部抱持体17に取り付けた場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、前輪後下方部抱持体18やガイドレール部11の後輪当接位置に配設しても同様の作用・効果を得ることができる。
また、自己発電方式も上記形態例に限定されるものではなく、公知の各種圧電発電方式を利用した通信手段を適用することができる。
さらに、この発明にあっては、上記駐輪装置1を、箱状に形成されたガレージ(図示せず)内に引出し自在に収納させることで、自動二輪車Bを風雨に晒すことなく保管することもできる。
また、この発明にあっては、前輪支持装置10を自立可能に構成することで、該前輪支持装置10を単独で設置してもよい。この場合には、より簡易かつ低コストで駐輪装置を構成することができる。この場合、防犯装置20を配置するかは任意である。
勿論、本発明に係る駐輪装置1或は前輪支持装置10は、自動二輪車用の他に、自転車の駐輪装置或は前輪支持装置として使用することもできる。
本発明の実施の一形態例に係る駐輪装置の概略的な構成を示す平面図である。 同駐輪装置の側面図である。 同駐輪装置を構成する前輪支持装置の平面図である。 同前輪支持装置の斜視図である。 同前輪支持装置の要部拡大斜視図である。 同前輪支持装置を構成する前輪後下部抱持体の倒れた状態の背面図である。 同前輪支持装置を構成する前輪後下部抱持体が起きた状態の右側面図である。 同前輪支持装置を構成する前輪後下部抱持体の使用状態を示す斜視図である。 同前輪支持装置の使用状態を示す側面説明図である。 同前輪支持装置の使用状態を示す斜視図である。 同前輪支持装置に取り付けられた出入庫監視装置の側方からみた断面図である。 同出入庫監視装置の発電部材の一構成例を示す断面図である。 同出入庫監視装置の回路ブロック図である。 同出入庫監視装置の回路図である。 同出入庫監視装置の応用例を示す説明図である。

Claims (28)

  1. 自立可能なフレーム部材の前側上部に前輪前部抱持体を固定し、該フレーム部材の後側下部に前輪後下方部抱持体を回動自在に軸支してなる前輪支持装置。
  2. 前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体は、断面形状が略く字状に形成されていることを特徴とする請求の範囲1に記載の前輪支持装置。
  3. 前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体は、平面部と該平面部の両側から拡開方向に延設された抱持片部と、で平面形状が略V字状に形成されていることを特徴とする請求の範囲1又は請求の範囲2のいずれかに記載の前輪支持装置。
  4. 前輪前部抱持体とフレーム部材との固定点を、前記平面部のく字状に形成された折曲点よりやや下方に設定したことを特徴とする請求の範囲2又は請求の範囲3のいずれかに記載の前輪支持装置。
  5. 前輪前部抱持体の前記折曲点より上半部の長さ寸法を、折曲点より下半部の長さ寸法よりも長く形成し、該上半部は入庫された前輪の上部を覆うように形成されていることを特徴とする請求の範囲2乃至請求の範囲4のいずれかに記載の前輪支持装置。
  6. 前輪後下方部抱持体は、断面形状が略く字状に形成された一方半部であるガイド部側と他方半部である連結部側との長さ寸法を、ガイド部側を長く形成したことを特徴とする請求の範囲2乃至請求の範囲5のいずれかに記載の前輪支持装置。
  7. 前輪前部抱持体と前輪後下方部抱持体に各々ロックアームを延設し、これらロックアームは、二輪車の前輪が入庫したときに、その自由端部が重合するように構成されていると共に、該重合した部分は、ロック手段でロック可能であることを特徴とする請求の範囲1乃至請求の範囲6のいずれかに記載の前輪支持装置。
  8. 前記各ロックアームのロック手段には、当該ロック手段のロック・アンロック状態に連動する料金清算器を配設し、ロック手段をロックしたときに料金清算器が作動し、料金を精算したときに当該ロック状態が解除されるように構成されていることを特徴とする請求の範囲7に記載の前輪支持装置。
  9. 前記フレーム部材は、前記前輪前部抱持体が固定される前端フレーム部と、該前端フレーム部の両端部から下方に垂直に延設された垂直フレーム部と、該垂直フレーム部の下端部に連設され前記前輪後下方部抱持体が回動自在に軸支された連結フレーム部と、が一体となるように連結されて構成されていることを特徴とする請求の範囲1乃至請求の範囲8のいずれかに記載の前輪支持装置。
  10. 前記前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体には、無電源で二輪車の出入庫を検知する防犯装置が取り付けられていることを特徴とする請求の範囲1乃至請求の範囲9のいずれかに記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置。
  11. 前記防犯装置は、自己発電可能な圧電セラミックス体を有して構成されており、前記前輪前部抱持体及び/又は前輪後下方部抱持体に作用する変動により圧電セラミックス体を歪み変形させることで発電する電力により二輪車の出入庫状態を通信するように構成されていることを特徴とする請求の範囲10に記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置。
  12. 前記圧電セラミックス体への歪み変形は、鋼球の圧電セラミックス素子への衝突によって発生することを特徴とする請求の範囲10又は請求の範囲11のいずれかに記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置。
  13. 前記防犯装置は、該防犯装置と離間して設けられた受信装置に出入庫情報を発信することを特徴とする請求の範囲10乃至請求の範囲12のいずれかに記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置。
  14. 前記受信装置は、外部にネットワークを介して出入庫情報を通知することを特徴とする請求の範囲13に記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置。
  15. 前記受信装置は、前輪支持装置から二輪車を出入庫させるときに警報を発するか否かを外部制御可能に構成されていることを特徴とする請求の範囲14に記載の出入庫を監視可能な前輪支持装置。
  16. 地面或は駐輪場の床面に、二輪車が積載可能な大きさを有するベース部材を、アンカー軸部を介して回動自在に軸支すると共に、該ベース部材の上面に請求の範囲1乃至請求の範囲15のいずれかに記載の前輪支持装置を配設したことを特徴とする駐輪装置。
  17. ベース部材は、二輪車が入庫しても撓み変形しない剛性を有する鋼板等の剛体で平面形状が略舟形状に形成されていることを特徴とする請求の範囲16に記載の駐輪装置。
  18. ベース部材には、2個を一組とする係止孔が、前記アンカー軸部の中心から等距離の円弧軌跡上に3組、所定間隔毎に貫通形成され、これら各係止孔には、略U字状に形成されてなるロック体が挿脱自在に装着可能であることを特徴とする請求の範囲16又は請求の範囲17のいずれかに記載の駐輪装置。
  19. 前記各係止孔は、そのいずれかの組の孔に挿入されたロック体の下端部が駐輪場の床面や地面に凹設された一組の係止穴に嵌合係止されることで、ベース部材の左右の移動が規制されるように構成されていることを特徴とする請求の範囲18に記載の駐輪装置。
  20. 請求の範囲1乃至請求の範囲15のいずれかに記載の前輪支持装置の連結フレーム部の中央部に、ベース部材の後端部より外方に延設された断面形状が略凹状に形成されたガイドレール部の一端部を連結したことを特徴とする請求の範囲16乃至請求の範囲19のいずれかに記載の駐輪装置。
  21. 前記ガイドレール部の終端部は、駐輪場の床面や地面側に折曲されて、駐輪場の床面や地面とガイドレール部との段差を可及的に小さくするように構成されていることを特徴とする請求の範囲20に記載の駐輪装置。
  22. 前記ベース部材の上面であってガイドレール部の両側には、弾性材で形成されてなるプラットホーム部材が配設されていることを特徴とする請求の範囲16乃至請求の範囲21のいずれかに記載の駐輪装置。
  23. プラットホーム部材の上面には、所要間隔毎に滑り止め用の突起が突設されていることを特徴とする請求の範囲22に記載の駐輪装置。
  24. 前記ベース部材の前側両側部には、略逆U字状の手摺バーが立設されていることを特徴とする請求の範囲16乃至請求の範囲23のいずれかに記載の駐輪装置。
  25. 前記ベース部材の後端部と手摺バーとの間には、二輪車に取り付けられたサイドバック用の空きスペースが形成されていることを特徴とする請求の範囲24に記載の駐輪装置。
  26. ベース部材の下面両側には、複数個のキャスターローラが回転自在に軸支されていることを特徴とする請求の範囲16乃至請求の範囲25のいずれかに記載の駐輪装置。
  27. キャスターローラは、ベース部材の前側に配設されたものから後側に配設されたものの順に、その直径が小さくなるように構成されていることを特徴とする請求の範囲26に記載の駐輪装置。
  28. 前記ベース部材は、箱状のガレージ内に引き出し自在に収納されていることを特徴とする請求の範囲16乃至請求の範囲27のいずれかに記載の駐輪装置。
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