JPWO2005049213A1 - 微粒子、微粒子の製造方法、及び製造装置 - Google Patents

微粒子、微粒子の製造方法、及び製造装置 Download PDF

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Abstract

物質の原料粒子5を含む被処理液2の溶媒4を固体状とした被処理体を用い、被処理体を収容する処理チャンバ3に対して所定波長のレーザ光を供給するレーザ光源10を設けて製造装置1Aを構成する。そして、被処理体に対してレーザ光源10からのレーザ光を照射して、溶媒4中にある物質を微粒子化する。固体状の被処理体としては、例えば、冷却装置50によって水4を凝固させ、断熱層30によって凝固状態が保持された凝固体6を用いることができる。あるいは、被処理体としては、溶媒をゲル化させたゲル体を用いることができる。これにより、光破砕によって物質を効率良く微粒子化することが可能となる。

Description

本発明は、有機化合物などの物質の微粒子、微粒子の製造方法、及び製造装置に関するものである。
有機化合物の微粒子化は、極端な表面積の増大をもたらす。このため、有機化合物を微粒子化することにより、物質固有の性質が出現しやすくなるという利点がある。また、粒子が難溶性・不溶性の物質である場合、その微粒子化により微粒子を水などの溶媒中に擬似的に可溶化した状態(微粒子が溶媒中に懸濁している状態であるが、光散乱が少ないために擬似的に可溶化しているように見える状態)にすることもできる。
このような微粒子化方法としては、従来、特許文献1(特開2001−113159号公報)に開示されている方法がある。ここでは、レーザ光を照射することにより有機化合物の微粒子を生成する方法が開示されている。また、この方法では、有機化合物として、無機物と有機物の中間の性質を持ち、分子構造が固くて丈夫な有機顔料や芳香族縮合多環化合物が微粒子化の対象とされている。また、レーザ光照射による有機化合物の微粒子化については、非特許文献1〜3にも記載がある。
特開2001−113159号公報 Y.Tamaki et al.,″Tailoring nanoparticles of aromatic and dye molecules by excimer laser irradiation″,Applied Surface Science Vol.168,p.85−88(2000) Y.Tamaki et al.,″Nanoparticle Formation of Vanadyl Phthalocyanine by Laser Ablation of Its Crystalline Powder in a Poor Solvent″,J.Phys.Chem.A 2002,106,p.2135−2139(2002) B.Li et al.,″Enhancement of organic nanoparticle preparation by laser ablation in aqueous solution using surfactants″,Applied Surface Science Vol.210,p.171−176(2003)
上述した微粒子化の技術を用いれば、原料物質の新しい調製方法を提供できる可能性があり、幅広い分野での応用が期待される。例えば、創薬においては、合成された新規物質の水などの溶媒に対する溶解度が低い場合、その物質の物理化学的研究やスクリーニングなどの探索ができず、あるいは、ADME試験(吸収・分布・代謝・排泄試験)など、動物での前臨床試験における一般毒性、一般薬理、薬効薬理、生化学的研究ができないこととなる。これに対して、有機化合物の微粒子化を行うことにより、様々な創薬候補物質の研究ができる可能性がある。
ここで、微粒子化の対象となる薬物などの有機化合物では、比較的弱い分子間力に基づく分子と分子の結合により、分子の運動の自由度が大きい構造が形成されている。このため、上述した微粒子化方法では、レーザ光照射による有機化合物に対する光破砕作用がその大きな運動の自由度によって緩和され、高効率で有機化合物の微粒子化を行うことができないという問題があった。また、微粒子化処理の最中でも、同時に微粒子同士の凝集や微粒子表面の溶出・析出が進行し、時間とともに微粒子の分散性や粒径特性が劣化してしまうという問題もあった。これらの問題は、有機化合物以外の物質を微粒子化の対象とした場合にも生じる場合がある。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、効率良く有機化合物などの物質を微粒子化することが可能な微粒子の製造方法、製造装置、及び微粒子を提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明による微粒子の製造方法は、被処理液の溶媒中の物質を光破砕して、その物質の微粒子を製造する製造方法であって、被処理液の溶媒を固体状とした物質を含む被処理体を用い、被処理体に対して所定波長のレーザ光を照射することによって、溶媒中にある物質を微粒子化する微粒子化工程を備えることを特徴とする。
上記した微粒子の製造方法によれば、被処理液に対して所定の処理を行う等によって得られる微粒子化対象の物質を含む被処理体を処理対象として、レーザ光照射による微粒子化を行っている。このような固体状の被処理体を用いることにより、物質の分子運動の自由度が充分に低下し、かつ微粒子の分散性や粒径特性を保持した状態で微粒子化が行われることとなる。したがって、光破砕エネルギーの分子運動による緩和が抑制され、かつ微粒子の品質も保持されて、効率良く物質を微粒子化することが可能となる。微粒子化の対象となる物質としては、有機化合物とすることが好ましい。あるいは、有機化合物以外の物質を対象としても良い。
ここで、固体状の被処理体としては凝固体を用いることができる。この場合、本発明による微粒子の製造方法は、微粒子化工程において、被処理液を冷却して溶媒を凝固させた物質を含む被処理体である凝固体を用い、凝固体に対してレーザ光を照射することによって、溶媒中にある物質を微粒子化することが好ましい。
また、凝固体を被処理体とする場合の本発明による微粒子の製造装置は、被処理液の溶媒中の物質を光破砕して、その物質の微粒子を製造する製造装置であって、被処理液を収容する処理チャンバと、被処理液を冷却して溶媒を凝固させて物質を含む被処理体である凝固体とする冷却手段と、凝固体での溶媒を凝固された状態に保持する凝固保持手段と、処理チャンバ内に収容された凝固体に対して、溶媒中にある物質を微粒子化するための所定波長のレーザ光を照射するレーザ光源とを備えることを特徴とする。
上記した微粒子の製造方法及び装置によれば、被処理液を所定温度まで冷却して得られる微粒子化対象の物質を含む凝固体を被処理体として、レーザ光照射による微粒子化を行っている。このような冷却された凝固体を用いることにより、物質の分子運動の自由度が充分に低下し、かつ微粒子の分散性や粒径特性を保持した状態で微粒子化が行われることとなる。したがって、光破砕エネルギーの分子運動による緩和が抑制され、微粒子の品質を保持させつつ、効率良く物質を微粒子化することが可能となる。
この場合、製造方法は、溶媒を凝固させる前に、溶媒中にある溶存ガスを排出するガス排出工程を備えることが好ましい。同様に、製造装置は、溶媒を凝固させる前に、溶媒中にある溶存ガスを排出するためのガス排出手段を備えることが好ましい。これにより、溶媒を凝固させた際に、凝固体中に溶存ガスの気泡が発生してレーザ光に対する散乱体となることを防止することができる。
さらに、製造方法は、溶媒を凝固させる前に、溶媒中において物質の原料粒子を分散させる粒子分散工程を備えることが好ましい。同様に、製造装置は、溶媒を凝固させる前に、溶媒中において物質の原料粒子を分散させるための粒子分散手段を備えることが好ましい。これにより、凝固体に対するレーザ光照射による物質の微粒子化の効率が向上される。
あるいは、固体状の被処理体としてゲル体を用いることができる。この場合、本発明による微粒子の製造方法は、微粒子化工程において、被処理液の溶媒中にゲル原料を分散させるとともに、ゲル原料を含む溶媒をゲル化させた物質を含む被処理体であるゲル体を用い、ゲル体に対してレーザ光を照射することによって、溶媒中にある物質を微粒子化することが好ましい。
また、ゲル体を被処理体とする場合の本発明による微粒子の製造装置は、被処理液の溶媒中の物質を光破砕して、その物質の微粒子を製造する製造装置であって、被処理液のゲル原料を含む溶媒をゲル化させた物質を含む被処理体であるゲル体を収容する処理チャンバと、処理チャンバ内に収容されたゲル体に対して、溶媒中にある物質を微粒子化するための所定波長のレーザ光を照射するレーザ光源とを備えることを特徴とする。
上記した微粒子の製造方法及び装置によれば、被処理液をゲル化して得られる微粒子化対象の物質を含むゲル体を被処理体として、レーザ光照射による微粒子化を行っている。このようなゲル化されたゲル体を用いることにより、微粒子の分散性や粒径特性を保持した状態で微粒子化が行われることとなる。したがって、微粒子の品質も保持されて、効率良く物質を微粒子化することが可能となる。
この場合、ゲル原料は特に限定しないが、ゲル中の微粒子を特定の条件で外部に放出するなどの場合には、環境応答型のゲル原料を用いることが好ましい。このようなゲルとしては、例えば、pH、光、温度、電場等に対する応答型ゲルが挙げられる。
さらに、製造方法は、微粒子化工程において、ゲル体中に電場を加えて、微粒子の分離、分級、または濃縮のうちの少なくとも1つを行うことが好ましい。同様に、製造装置は、ゲル体中に電場を加えて、微粒子の分離、分級、または濃縮のうちの少なくとも1つを行うための電場印加手段を備えることが好ましい。
また、製造方法は、微粒子化工程において、ゲル体に対して微粒子化の対象となる物質を含まない第2のゲル体を接続し、ゲル体中で生成された微粒子を電気泳動によって第2のゲル体へと移動して貯蔵することとしても良い。
また、製造方法は、微粒子化工程において、ゲル体の温度を冷却することが好ましい。同様に、製造装置は、ゲル体の温度を冷却する冷却手段と、ゲル体を冷却された状態に保持する冷却保持手段とを備えることが好ましい。また、ゲル体の温度は0℃以下に冷却されることが好ましい。この場合、微粒子の分散性や粒径特性を保持した状態での微粒子化に加えて、物質の分子運動の自由度が充分に低下した状態で微粒子化が行われることとなる。したがって、光破砕エネルギーの分子運動による緩和が抑制され、微粒子の品質を保持しつつ、効率良く物質を微粒子化することが可能となる。
また、被処理体として凝固体またはゲル体を用いる場合を含めて、上記した製造方法及び装置において、レーザ光源から照射されて微粒子化工程において用いられるレーザ光の波長は、900nm以上の波長であることが好ましい。これにより、レーザ光照射による物質の微粒子化を好適に実現することができる。
また、製造方法及び装置は、微粒子化工程において、被処理体に対するレーザ光の照射位置を移動しつつレーザ光の照射を行うことが好ましい。これにより、凝固体またはゲル体などの被処理体の各位置にレーザ光を照射して、被処理体中の各位置に含まれた物質に対し、レーザ光照射による微粒子化を効率的に実行することができる。
この場合、製造方法は、微粒子化工程において、レーザ光の光路を変更することによって照射位置を移動することとしても良い。同様に、製造装置は、レーザ光源から処理チャンバへのレーザ光の光路を変更することによって照射位置を移動する光路変更手段を備えることとしても良い。
また、製造方法は、微粒子化工程において、物質の微粒子化に起因する衝撃波のモニタ結果を参照して、被処理体に対するレーザ光の照射条件を決定することが好ましい。同様に、製造装置は、物質の微粒子化に起因する衝撃波をモニタする衝撃波モニタ手段を備えることが好ましい。
また、微粒子化対象となる物質を薬物としても良い。この場合、レーザ光照射による薬物での光化学反応等を充分に防止して、薬物の薬効を失うことなくその微粒子を製造することができる。また、薬物の微粒子化により薬物の表面積が増大し、生体組織への吸収性が向上する薬物微粒子を得ることができる。
また、本発明による微粒子は、上述した微粒子の製造方法により製造される微粒子である。このような微粒子によれば、効率良く製造された良好な状態の有機化合物などの物質の微粒子を得ることができる。
本発明によれば、被処理液の溶媒を固体状とした物質を含む被処理体を用いてレーザ光照射による微粒子化を行うことにより、効率良く物質を微粒子化することが可能となる。
図1は、微粒子の製造装置の一実施形態を概略的に示す構成図である。 図2は、図1に示した製造装置に用いられる光路変更装置の構成例を示す図である。 図3は、図1に示した製造装置に用いられる光路変更装置の構成例を示す図である。 図4は、図1に示した製造装置に用いられる光路変更装置の構成例を示す図である。 図5は、酪酸クロベタゾンの粒子径分布を示すグラフである。 図6は、微粒子の製造装置の他の実施形態を概略的に示す構成図である。 図7は、図6に示した製造装置に用いられる処理チャンバを示す斜視図である。 図8は、微粒子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図9は、ゲル体に対する電極の配置構成について示す図である。 図10は、ゲル体の配置構成について示す図である。 図11は、物質の微粒子化に起因する衝撃波のモニタ結果を示すグラフである。 図12は、VOPcにおける照射光強度と衝撃波最大振幅との相関を示すグラフである。 図13は、(a)微粒子化処理前、及び(b)微粒子化処理後のゲル体の状態を示す図である。 図14は、(a)電気泳動前、及び(b)電気泳動後のゲル体の状態を示す図である。 図15は、酪酸クロベタゾンにおける照射光強度と衝撃波最大振幅との相関を示すグラフである。
符号の説明
1A…微粒子の製造装置、2…被処理液、3…処理チャンバ、4…水、氷(溶媒)、5…原料粒子(有機化合物)、6…凝固体(被処理体)、10…レーザ光源、11…光路変更装置、15…制御装置、30…断熱層、31…開口部、32…乾燥空気断熱層、33…光照射窓、34…乾燥ガス吹付装置、41…マグネットスティック、42…マグネットスターラ、50…冷却装置、60…減圧装置、
1B…微粒子の製造装置、102…被処理液、103…処理チャンバ、104…溶媒、105…原料粒子(物質)、106…ゲル体(被処理体)、110…レーザ光源、115…制御装置、121…マイクロフォン、122…オシロスコープ、131…光照射窓、134…乾燥ガス吹付装置、136…スペーサ、137…乾燥空気断熱層、141…冷却媒体、142…冷却装置、146…XZ電動ステージ、147…ステージコントローラ。
以下、図面とともに本発明による微粒子の製造方法、製造装置、及び微粒子の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明による微粒子の製造装置の一実施形態を概略的に示す構成図である。本微粒子の製造装置1Aは、被処理液の溶媒中にある有機化合物を光破砕して、その微粒子を製造する装置である。被処理液2は、溶媒である液相の水4と、水4中に含まれる微粒子化対象の有機化合物の原料粒子5とから構成されている。特に本実施形態においては、被処理液2を冷却して水4を凝固させて、固相の氷中に有機化合物の原料粒子5を含む凝固体6とし、この凝固体6を被処理体として用いている。なお、微粒子化の対象については、一般には、有機化合物以外の物質を対象とすることも可能である。
図1に示すように、微粒子の製造装置1Aは、被処理液2を収容するための処理チャンバ3を備えている。処理チャンバ3は、例えば石英で構成されている。この処理チャンバ3の外部には、冷却装置50が設置されている。冷却装置50は、処理チャンバ3内の被処理液2を冷却して溶媒である水4を凝固させて、原料粒子5を含む凝固体6とするために用いられる冷却手段である。なお、図1においては、冷却装置50を模式的に図示している。
また、処理チャンバ3の周囲には、上記した冷却装置50と併せて、断熱層30が設けられている。断熱層30は、冷却装置50によって冷却された凝固体6を冷却状態に保持して、凝固体6での水(氷)4を凝固された状態に保持する凝固保持手段である。この断熱層30としては、断熱に適した材質を用いれば良いが、形状の加工や断熱性の点で発泡スチロールが断熱層30の材質として好ましい。
また、本製造装置1Aは、処理チャンバ3内に収容され水4が凝固した状態に保持された凝固体6に対して所定波長のレーザ光を照射する高出力レーザ光源10を備えている。このレーザ光源10は、凝固した水4中にある有機化合物の原料粒子5を微粒子化するために好適な波長のレーザ光を供給する。
レーザ光源10としては、レーザ光に設定すべき波長があらかじめ分かっている場合には、波長固定レーザ光源を用いることができる。あるいは、レーザ光源10として、波長可変レーザ光源を用いても良い。この場合、有機化合物の吸光特性などに基づいて、適切な波長のレーザ光を適宜に設定して照射することができる。また、必要に応じて、レーザ光源10に対して減衰フィルタや光減衰器などの光強度調整手段を設けても良い。
このレーザ光源10に対し、処理チャンバ3を囲む断熱層30のうちでレーザ光源10と対向する前面側の部位には、開口部31が設けられている。この開口部31内を含む断熱層30と処理チャンバ3の前面との間の領域は、断熱層30と同様に断熱作用を有する乾燥空気断熱層32となっており、これによって処理チャンバ3内にある被処理液2または凝固体6に対する断熱状態が保持される。
断熱層30の外面側には、開口部31を覆うガラス板製などの光照射窓33が設置されている。また、長期的に光照射窓33の外面が結露して良好な条件でのレーザ光の照射が行えなくなることを防止するため、光照射窓33の外面に乾燥ガス(例えば窒素ガス)を吹き付けるための結露防止用の乾燥ガス吹付装置34が設置されている。
処理チャンバ3内には、被処理液2とともにマグネットスティック41が収容されている。このマグネットスティック41と、マグネットスターラ42とにより、被処理液2の水4を凝固させる前に、処理チャンバ3内において被処理液2の水4と原料粒子5とを攪拌して、水4中で原料粒子5を分散させるための粒子分散手段が構成されている。
また、被処理液2が収容される処理チャンバ3に対して、減圧装置60が接続されている。この減圧装置60は、被処理液2の水4を凝固させる前に、処理チャンバ3内を減圧することによって水4中にある溶存ガスを排出するためのガス排出手段として機能する。
レーザ光源10と、処理チャンバ3の前面側に設けられた光照射窓33との間には、光路変更装置11が設置されている。この光路変更装置11により、図1中に模式的に示すように、レーザ光源10から処理チャンバ3へのレーザ光の光路がレーザ光照射中に変更される。
レーザ光源10、及び光路変更装置11は、コンピュータなどからなる制御装置15に接続されている。また、本実施形態においては、この制御装置15は、乾燥ガス吹付装置34、マグネットスターラ42、及び減圧装置60に対しても接続されている。この制御装置15は、上記した製造装置1Aの各部の動作を制御することにより、微粒子の製造を制御する。
次に、図1に示した微粒子の製造装置1Aを用いた、本発明による微粒子の製造方法について説明する。
まず、液相となっている水4と、微粒子化対象となる有機化合物の原料粒子5とを混合して、被処理液2を調製する。原料粒子5は、溶解物質または非溶解物質の状態で水4中に含まれた状態となる。続いて、処理チャンバ3内に被処理液2を導入し、冷却装置50によって処理チャンバ3内にある被処理液2を冷却する。そして、被処理液2の温度が水4の凝固点の手前になったときに、マグネットスティック41及びマグネットスターラ42によって被処理液2を攪拌して、水4中において原料粒子5を分散させる(粒子分散工程)。また、被処理液2の冷却前または冷却中に、減圧装置60によって処理チャンバ3内を減圧して、水4中にある溶存ガスを排出させる(ガス排出工程)。
その後、冷却装置50によって凝固点をやや上回る温度まで被処理液2を速やかに冷却し、その後ゆっくりとした冷却速度で溶媒である水4を凝固させて、有機化合物の原料粒子5を含む透明性の高い凝固体6とする。このとき、冷却を急激に行うと凝固体6に亀裂が入る可能性があるため、目標となる所定の冷却温度までゆっくりと温度を下げることが好ましい。そして、制御装置15によってレーザ光源10が制御され、原料粒子5を構成する有機化合物の吸光特性などに応じて設定された波長を有するレーザ光が、レーザ光源10から凝固体6へと供給される。
レーザ光源10から供給されたレーザ光は、光路変更装置11、光照射窓33、乾燥空気断熱層32、及び処理チャンバ3の前面を介して凝固体6へと照射される。このレーザ光照射により、処理チャンバ3内の凝固体6において、凝固した水4中にある原料粒子5が微粒子化され、有機化合物の微粒子が製造される(微粒子化工程)。
また、本実施形態においては、光路変更装置11によってレーザ光源10から処理チャンバ3へのレーザ光の光路を順次連続的に変更しつつ、レーザ光の照射が行われる。これにより、凝固体6に対するレーザ光の照射位置が移動され、各照射位置において凝固体6中の原料粒子5の微粒子化が行われる。
本実施形態による微粒子の製造方法及び製造装置の効果について説明する。
上述した微粒子の製造方法及び装置によれば、水4及び原料粒子5からなる被処理液2を冷却装置50によって所定温度まで冷却して得られる微粒子化対象の有機化合物を含む凝固体6を被処理体として、レーザ光照射による微粒子化を行っている。このような充分に低温に冷却された凝固体6を用いることにより、有機化合物分子の運動自由度が低下した状態で微粒子化が行われることとなる。したがって、光破砕エネルギーの分子運動による緩和が抑制されて、レーザ光源10からのレーザ光を凝固体6に照射することによる有機化合物の微粒子化を効率良く実現することが可能となる。したがって、上記の製造方法を用いれば、効率良く製造された良好な状態の有機化合物の微粒子を得ることができる。
また、凝固体6に対してレーザ光を照射する方法では、原料粒子5の光破砕処理によって生成された有機化合物の微粒子同士の凝集や微粒子表面の溶解・析出が、凝固体6中では生じないという利点がある。また、レーザ光照射による光破砕処理後、凝固体6の凝固状態が保持されるように低温保存することにより、微粒子同士の凝集や微粒子表面の溶解・析出が防止された状態で微粒子を保存することが可能である。なお、被処理液2を冷却して凝固体6とするための冷却装置50としては、例えば、通常の冷蔵庫やペルチェ素子などを用いることができる。あるいは、液体窒素やドライアイスなどの冷却媒体を用いても良い。
また、上記実施形態では、溶媒である水4を凝固させる前に、被処理液2が収容される処理チャンバ3内を減圧装置60によって減圧して、水4中にある溶存ガスを排出させている。これにより、水4を凝固させた際に、凝固体6中に溶存ガスの気泡が発生してレーザ光に対する散乱体となることを防止することができる。また、溶存酸素を除去することによって光破砕時の酸化反応による副生成物を抑制することができる。溶存ガスの排出に用いられる具体的なガス排出方法としては、減圧装置60によって処理チャンバ3内を減圧する方法以外に、例えば、被処理液2の水4に対し凍結・溶解を繰り返すことによって溶存ガスを排出する方法がある。このような方法を用いる場合には、減圧装置60は不要となる。その他、超音波を用いる方法や、水に溶解度の低い水素などの気体をバブリングする方法がある。
さらに、上記実施形態では、溶媒である水4を凝固させる前に、マグネットスティック41及びマグネットスターラ42によって被処理液2を攪拌して、水4中において原料粒子5を分散させている。これにより、水4を凝固させた際に、得られる凝固体6を均一で透明性の高い凝固体として、レーザ光照射による有機化合物の微粒子化の効率を向上することができる。
また、上記した微粒子の製造方法及び装置においては、凝固体6に対するレーザ光の照射位置を移動しつつレーザ光照射による微粒子化を行っている。これにより、凝固体6の各位置に順次レーザ光を照射して、凝固体6中の各位置にある有機化合物に対し、レーザ光照射による微粒子化を均一かつ効率的に実行することができる。また、凝固体6中の同じ原料粒子5に対して連続してレーザ光照射を行うと、加熱により、原料粒子5の熱による変質、もしくは微粒子同士の融着等が発生する場合がある。これに対して、レーザ光を走査することにより、加熱による微粒子同士の融着等が抑制される。この照射位置の移動については、図1に示したように光路変更装置11を用いる方法以外にも、凝固体6を移動させるなど他の方法を用いても良い。
ここで、レーザ光源10から凝固体6へと照射されるレーザ光の波長は、赤外域の波長であることが好ましく、さらに、900nm以上の波長であることが好ましい。これにより、レーザ光照射による有機化合物の微粒子化を好適に実現することができる。また、レーザ光源10としては、パルスレーザ光源を用いることが好ましい。特に、凝固体6における余分な光化学反応や熱分解の発生を抑制しつつ、充分な効率で微粒子化を行うため、光破砕現象を引き起こす光強度の閾値を超えているのであれば、1パルス当たりの照射エネルギーが低く、高い繰返し周波数を有するパルスレーザ光源を用いることが好ましい。
また、レーザ光照射による微粒子化対象となる原料粒子5の有機化合物を薬物(医薬品関連物質)としても良い。この場合、微粒子化を効率良く行うことにより、レーザ光照射による薬物での光化学反応が充分に防止される。このため、薬物の薬効を失うことなくその微粒子を製造することができる。また、薬物での光化学反応については、凝固体6に照射されるレーザ光の波長を好適に選択(例えば上記した900nm以上の波長に選択)することにより、光化学反応の発生をさらに抑制することが可能である。
詳述すると、薬物として用いられる有機化合物では、分子構造の中に比較的弱い化学結合を含むことが多いが、このような有機化合物に紫外光などの光を照射すると、微粒子を部分的に生成することはできるものの、同時に、一部で電子励起状態を経由して有機化合物の光化学反応が生じて不純物が生成されてしまう場合がある。特に、有機化合物が体内に投与される薬物(医薬品)の場合、そのような不純物は副作用の原因となり、生体に悪影響を与えるおそれもあるため、このような事態は極力避けなければならない。これに対して、光化学反応の発生を抑制することが可能な上記した製造方法で有機化合物の微粒子を製造することにより、不純物の生成を充分に抑制することが可能となる。また、上記した製造方法では、被処理液2が低温の凝固体6とされた状態で光破砕処理を行うことにより、レーザ光照射の際の熱分解による薬物などの有機化合物の劣化も抑制される。
また、上記のように、薬効を失うことなく保持しつつ薬物の微粒子化を実現することにより、微粒子化前の形態では評価できなかった物理化学的研究、スクリーニングなどの候補化合物の探索、決定や、ADME試験、動物での前臨床試験における一般毒性、一般薬理、薬効薬理、生化学的研究、及び臨床試験などができるようになる。また、上記した製造方法により、極めて多種類の生体に投与可能な薬物を得ることができるため、薬物の選択の幅を飛躍的に拡大することができる。また、薬物の微粒子化により薬物の表面積が増大し、生体組織への吸収性が向上するため、少量で有効な薬物微粒子を得ることができる。このような微粒子化処理は、薬物以外の有機化合物に対しても有効である。
微粒子化の対象となる有機化合物の具体例としては、例えば、薬物である酪酸クロベタゾンやカルバマゼピン等の難溶性薬物がある。また、上記した微粒子の製造方法及び装置は、上記医薬品物質以外にも、医薬品候補物質(天然物、化合物ライブラリー等)、あるいは医薬部外品、化粧品等にも適用可能である。また、微粒子化の対象については、一般には、有機化合物以外の物質を対象とすることも可能である。
また、薬物などの有機化合物の溶媒としては、上記したように水を用いることが好ましく、若干のエタノール、糖、塩が入っていても良い。あるいは、水以外の溶媒を用いても良い。そのような溶媒としては、1価アルコールであるエチルアルコール、2価アルコールであるグリコール類(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、3価アルコールであるグリセロールなどがある。また、植物油であるダイズ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ラッカセイ油なども溶媒として用いることができる。これらの溶媒は、注射剤として使用する場合に、非水性注射剤の有機溶媒として好適に用いることができる。
なお、図1に示した微粒子の製造装置1Aにおいて、微粒子の製造時での凝固体6に対するレーザ光の照射の停止については、あらかじめ微粒子化処理に必要なレーザ光の強度及び時間を求めておき、その処理時間に基づいてレーザ光照射を制御することが可能である。あるいは、凝固体6中での原料粒子5の微粒子化状態をモニタするモニタ手段を設置し、そのモニタ結果に応じてレーザ光照射を制御することとしても良い。
また、凝固体6に対するレーザ光の照射位置を移動するための光路変更装置11としては、図2〜図4にその例を示すように、具体的には様々な装置を用いることができる。
図2に示す光路変更装置11は音響光学素子を用いたものであり、二酸化テルルなどの光学媒体11a中にトランスデューサ11bによって超音波を発生させ、進行する超音波(図2中における破線矢印)の波面によってレーザ光源10からのレーザ光を回折して光を偏向させる。このような光路変更装置11では、機械的な可動部分がないためレーザ光の高速な走査を実現できる。
図3に示す光路変更装置11は反射ミラーを用いたものであり、反射ミラー11cの一端を回転軸11dに固定し、他端を機械的に円弧運動させることによってレーザ光源10からのレーザ光の反射方向を変化させてレーザ光を処理チャンバ3に向けて走査する。この場合の反射ミラー11cの具体的な駆動方法としては、例えば、スピーカの表面と反射ミラー11cの可動端とを接着し、スピーカを振動させることによって反射ミラー11cを駆動する構成がある。
図4に示す光路変更装置11はプリズムを用いたものであり、プリズム11eの一方を回転軸11fに固定し、他方を図3と同様に機械的に円弧運動させレーザ光源10からのレーザ光の透過方向を変化させてレーザ光を処理チャンバ3に向けて走査する。このような構成は、プリズム以外のレーザ光を透過可能な光学部品に対しても適用可能である。
次に、実施例により本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、微粒子化対象となる原料粒子5の有機化合物として、難溶性の薬物である酪酸クロベタゾン(Clobetasone Butyrate、外用合成副腎皮質ホルモン剤)の微粒子化を試みた。被処理液2としては、原料粒子5である酪酸クロベタゾン粉末を濃度3mg/mlで水4中に懸濁させた溶液を用いた。また、ここでは、処理工程を簡単にするため、粒子分散及びガス排出処理を事前に行うこととし、図1に示したマグネットスティック41、マグネットスターラ42、及び減圧装置60については使用していない。
上記した被処理液2に対し、界面活性剤であるポリソルベート80(分子量1310)を2.52×10−5mol/l(臨界ミセル濃度の2.1倍)の濃度で加え、ボルテックスによる攪拌を行って光破砕前の被処理液2とした。さらに、減圧による溶存ガスの排出処理を行った後、速やかに厚み2mmの処理チャンバ3内に充填し、液体窒素を用いてレーザ光照射面の反対側から処理チャンバ3を冷却し、水4を氷の状態に凝固させて透明度の高い凝固体6とした。
次に、乾燥ガス吹付装置34によって乾燥窒素を吹き付けながら、外部からレーザ光を照射可能な光照射窓33を設置し、レーザ光源10から高出力のレーザ光照射を行った。また、本実施例では、図1に示した光路変更装置11を用いず、処理チャンバ3の位置をX−Yステージで可変として、均一なレーザ光照射を行った。凝固体6に対するレーザ光の照射条件は、波長1064nm、パルスレーザ光の1パルス当たりの光強度1732mJ/cm、レーザ光のスポット直径φ5mm、繰返し周波数10Hz、照射時間10分とした。そして、光破砕後の凝固体6を、液相の水4中に有機化合物の微粒子が懸濁している状態に戻した後、光破砕処理による効果を粒度分布測定装置(島津製作所SALD7000)によって調べた。
図5は、酪酸クロベタゾンの粒子径分布を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は酪酸クロベタゾンの粒子径(μm)を示し、縦軸は体積換算の相対粒子量を示している。なお、上記測定装置で非常に広い範囲の粒度を測定すると、図5の粒子径0.1μm付近の分布のようにゴーストが現れる。このため、粒子径0.2μm以上の分布で微粒子化の評価を行った。
図5のグラフにおいて、グラフA1は、原料粒子である酪酸クロベタゾンを水中に懸濁し、ボルテックスによる粒子分散を行ったのみの状態での粒子径分布を示している。このグラフより、原料粒子は、約2〜50μmの粒子径を有することがわかる。また、グラフA2は、液体窒素によって温度−195.8℃での冷却・凝固処理だけを行った場合の粒子径分布を示している。グラフA1及びA2を比較すると、グラフA2では数10μmの粒子径分布が若干減少しているものの、大きい変化はみられない。
次に、グラフA3は、凝固していない水中に原料粒子が懸濁した状態で上記照射条件によってレーザ光照射による光破砕処理を行った場合での粒子径分布を示している。このグラフA3では、グラフA1と比較して、若干ではあるが粒子径分布が粒子径の小さい方向に移動している。このことは、上記照射条件でのレーザ光照射によって有機化合物の原料粒子に対する光破砕が発生していることを示している。
一方、グラフA4は、本発明の方法によって凝固された氷中に原料粒子が含まれた状態で上記照射条件によってレーザ光照射による光破砕処理を行った場合での粒子径分布を示している。この凝固体を用いた場合のグラフA4を、被処理液を用いた場合のグラフA3と比較すると、凝固体状の氷中においても液相の水中と同様にレーザ光照射による光破砕処理が可能であること、及び、その光破砕処理の効率が、水中(被処理液)の場合よりも氷中(凝固体)の場合の方が高いことがわかる。以上より、溶媒である水を凝固させた凝固体に対してレーザ光照射を行うことにより、有機化合物の原料粒子5の高効率での光破砕が可能であることが確認された。
本発明による微粒子の製造方法、製造装置、及び微粒子について、さらに説明する。上記した実施形態及び実施例では、被処理液を冷却して溶媒を凝固させた物質を含む被処理体である凝固体を用い、この凝固体に対してレーザ光を照射して微粒子化処理を行っている。このような方法では、一般には、被処理液の溶媒を固体状とした物質を含む被処理体を用い、この被処理体に対して所定波長のレーザ光を照射して微粒子化処理を行うことが可能である。
このような被処理体を用いることにより、物質の分子運動の自由度が充分に低下し、かつ微粒子の分散性や粒径特性を保持した状態で微粒子化が行われることとなる。したがって、光破砕エネルギーの分子運動による緩和が抑制され、微粒子の品質も保持しつつ、効率良く物質を微粒子化することが可能となる。このような固体状の被処理体としては、上記した実施形態で例示した凝固体のみでなく、例えば、被処理液の溶媒中にゲル原料を分散させるとともに、ゲル原料を含む溶媒をゲル化させた、微粒子化対象の物質を含むゲル体を用いることができる。以下、被処理体としてゲル体を用いる場合について説明する。
図6は、本発明による微粒子の製造装置の他の実施形態を概略的に示す構成図である。また、図7は、図6に示した製造装置に用いられる処理チャンバを示す斜視図である。
本微粒子の製造装置1Bは、被処理液の溶媒中にある有機化合物などの物質を光破砕して、その微粒子を製造する装置である。被処理液102は、液相の溶媒104と、溶媒104中に含まれる微粒子化対象の物質の原料粒子105とから構成されている。特に本実施形態においては、被処理液102の溶媒104中にゲル原料を分散させるとともに、ゲル原料を含む溶媒104をゲル化させて、物質の原料粒子105が分散固定された状態で含まれるゲル体106とし、このゲル体106を被処理体として用いている。
図6に示すように、微粒子の製造装置1Bは、被処理液102及び被処理液102をゲル化させたゲル体106を収容するための処理チャンバ103を備えている。処理チャンバ103は、例えば石英で構成されている。また、処理チャンバ103の後面側には、冷却装置142が接続された冷却媒体141が設置されている。冷却媒体141は、必要に応じて、ゲル体106を所定の温度(好ましくは0℃以下の温度)まで冷却する冷却手段である。なお、ゲル体106を冷却する場合、図1に示した断熱層30のように、ゲル体106を冷却状態に保持する冷却保持手段を設けることが好ましい。
また、本製造装置1Bは、処理チャンバ103内に収容されたゲル体106に対して所定波長のレーザ光を照射する高出力レーザ光源110を備えている。このレーザ光源110は、ゲル化した溶媒104中にある物質の原料粒子105を微粒子化するために好適な波長のレーザ光を供給する。
レーザ光源110としては、レーザ光に設定すべき波長があらかじめ分かっている場合には、波長固定レーザ光源を用いることができる。あるいは、レーザ光源110として、波長可変レーザ光源を用いても良い。この場合、物質の吸光特性などに基づいて、適切な波長のレーザ光を適宜に設定して照射することができる。また、必要に応じて、レーザ光源110に対して減衰フィルタや光減衰器などの光強度調整手段を設けても良い。
このレーザ光源110に対し、処理チャンバ103の外面のうちでレーザ光源110と対向する前面側には、光照射窓131が設置されている。光照射窓131の後方には、処理チャンバ103との断熱性を高めるため、断熱材のスペーサ136によって形成された乾燥空気断熱層137がある。また、長期的に光照射窓131の外面が結露して良好な条件でのレーザ光の照射が行えなくなることを防止するため、光照射窓131の外面に乾燥ガス(例えば窒素ガス)を吹き付けるための結露防止用の乾燥ガス吹付装置134が設置されている。
冷却媒体141の後面側には、処理チャンバ103及び冷却媒体141等をX方向及びZ方向(図7参照)に移動させるための電動ステージであるXZステージ146が設置されている。このXZステージ146は、ステージコントローラ147によって駆動制御されている。
また、処理対象のゲル体106を収容する処理チャンバ103に対して所定の位置に、マイクロフォン121が設置されている。マイクロフォン121は、物質の原料粒子105の微粒子化に起因して発生する衝撃波をモニタする衝撃波モニタ手段である。また、このマイクロフォン121はオシロスコープ122に接続されており、このオシロスコープ122でマイクロフォン121からの出力信号をモニタすることで、処理チャンバ103で発生した衝撃波がモニタされる。
レーザ光源110は、コンピュータなどからなる制御装置115に接続されている。また、本実施形態においては、この制御装置115は、オシロスコープ122、乾燥ガス吹付装置134、冷却装置142、及びステージコントローラ147に対しても接続されている。この制御装置115は、上記した製造装置1Bの各部の動作を制御することにより、微粒子の製造を制御する。
次に、図6に示した微粒子の製造装置1Bを用いた、本発明による微粒子の製造方法について、図8を参照して説明する。図8は、本発明による微粒子の製造方法の一例を示すフローチャートである。
まず、液相となっている溶媒104に対し、粉末状のゲル原料と、微粒子化対象となる物質の原料粒子105とを混合して、被処理液102を調整する(ステップS501)。原料粒子105は、溶解物質または非溶解物質の状態で溶媒104中に含まれた状態となる。続いて、ゲル原料が融解する温度まで溶媒104を加熱するとともに、原料粒子105が分散している状態で処理チャンバ103内に充填し、原料粒子105を含む被処理体であるゲル体106を生成する(S502)。
次に、微粒子化処理に用いられるレーザ光源110からのレーザ光の光路が冷却時の結露によって損なわれないように、光照射窓131に対して乾燥ガス吹付装置134から結露防止用の乾燥ガスを吹き付ける(S503)。さらに、冷却装置142及び冷却媒体141により、原料粒子105を含むゲル体106を凝固しない適切な温度、好ましくは0℃以下の温度、まで冷却する(S504)。そして、制御装置115によってレーザ光源110が制御され、原料粒子105を構成する物質の吸光特性などに応じて設定された波長を有するレーザ光が、レーザ光源110からゲル体106へと供給される。
レーザ光源110から供給されたレーザ光は、光照射窓131、乾燥空気層137、及び処理チャンバ103の前面を介してゲル体106へと照射される。この状態で、処理チャンバ103に取り付けられているマイクロフォン121、及びオシロスコープ122を用いて、微粒子化に伴う衝撃波の発生の有無をモニタし、そのモニタ結果を参照して物質の原料粒子105を微粒子化するためのレーザ光の照射条件を決定する(S505)。
上記のように決定された照射条件でレーザ光を照射することにより、処理チャンバ103内のゲル体106において、ゲル化した溶媒104中にある原料粒子105が微粒子化され、有機化合物などの物質の微粒子が製造される。また、XZステージ146を駆動して処理チャンバ103内に収容されたゲル体106の位置をX方向、Z方向に移動することにより、ゲル体106に対して所定の範囲でレーザ光が照射されて、必要な微粒子化処理が完了する(S506)。
本実施形態による微粒子の製造方法及び製造装置の効果について説明する。
上述した微粒子の製造方法及び装置によれば、溶媒104及び原料粒子105からなる被処理液102をゲル化して得られる微粒子化対象の物質を含むゲル体106を被処理体として、レーザ光照射による微粒子化を行っている。このように原料粒子105が分散固定されたゲル体106を用いることにより、微粒子の凝集や微粒子表面の溶出・析出を防止した状態で微粒子化が行われることとなる。また、ゲル体を冷却すれば、物質の分子運動の自由度も低下した状態で微粒子化が行われることとなる。したがって、光破砕エネルギーの分子運動による緩和が抑制され、微粒子の分散性や品質も保持しつつ、レーザ光源110からのレーザ光をゲル体106に照射することによる物質の微粒子化を効率良く実現することが可能となる。したがって、上記の製造方法を用いれば、効率良く製造された良好な状態の物質の微粒子を得ることができる。
また、ゲル体106中での微粒子化処理では、ゲルの網目構造によって物質の原料粒子や生成微粒子が束縛されるため、それらを処理直後の分散状態や粒径が維持された状態で残すことが可能である。また、ゲルの網目によって液相自身の運動も束縛されているため、微粒子同士の凝集や微粒子表面での溶出、析出を抑制することができる。したがって、微粒子化処理の被処理体としてゲル体を用いることにより、生成微粒子の分散性や粒径を長期的に維持した安定貯蔵を達成することが可能となる。
ここで、一般的には、ゲル粉末原料は90℃以上で融解し、37〜39℃程度でゲル化する。したがって、ゲル体106を被処理体とする場合、微粒子化対象の物質の原料粒子105が高温を避けたいものであれば、ゲル化する直前に原料粒子105を混合、分散させることが好ましい。また、低融点タイプのゲルは融点が65℃程度と低く、かつゲル化温度も30℃程度と常温に近い。このため、原料粒子の熱劣化を回避しながらゲル中に分散混合することが可能である。
また、ゲル原料として、外部環境応答型のゲルを用いることが好ましい。このような環境応答型ゲルは、ゲル内部の微粒子を外部に放出する制御を実施したい場合等に有効である。すなわち、機能性ゲルを用いることにより、特殊な環境のみでゲル中の微粒子を外部に放出させる操作等が可能となる。例えば、pH環境応答型ゲルを用いれば、薬物微粒子の経口投与において、薬物を吸収させたい消化器官を限定することも可能である。
このようなゲルとしては、例えば、pH、光、温度、電場等の制御でゲルの崩壊を実施できるものが開発されている。代表的なものとしては、pH、光、温度、電場に対する応答性ゲルとしてポリN−イソプロピルアクリルアミド(PolyNIPAAm)やデヒドロアラニン(DHA)が知られている。
また、ゲル中で微粒子化処理を行うのみの場合には、特に添加剤は必要ではない。ただし、ゲル中に高い均一性を持って原料粒子を分散させたいなどの場合には、水溶性高分子や界面活性剤等の安定化剤や分散剤を加えることが好ましい。
また、上記実施形態では、ゲル体の温度を所定の温度、好ましくは0℃以下の温度に冷却する構成としている。レーザ光照射による物質の微粒子化処理については、低温ほど微粒子の生成効率が高くなることが非特許文献3から知られている。また、ゲル中では、ゲルの網目構造によって水分子の運動が束縛を受けているため、0℃以下の低温でも液体状態を保つことができる。
すなわち、被処理体としてゲル体を用いた微粒子化処理では、ゲル中の原料粒子を極めて低い温度まで冷却しながら、微粒子化処理を実施することができる。したがって、微粒子化処理の効率の向上、及び生成微粒子の熱劣化の低減が期待できる。
ゲル体を冷却するための冷却手段としては、例えば、−50℃付近まで冷却可能なペルチェ素子を用いることが好ましい。あるいは、通常の冷媒を用いたコンプレッサ型の冷却装置を用いることもできる。また、処理チャンバを冷却しながらレーザ光照射を好適に実行するため、処理チャンバの表面での結露を防止する手段を設けることが好ましい。
図6に示した構成では、処理チャンバ103の前面と光照射窓131との間に乾燥空気断熱層137を設け、さらに、光照射窓131に対して乾燥ガス吹付装置134を設置することにより、低温下でも結露を生じない良好なレーザ光の光路を保持している。ただし、これらの冷却手段、冷却保持手段、結露防止手段等については、必要に応じて設置すれば良い。
また、上記した微粒子の製造方法及び装置においては、XZステージ146を用いてゲル体106に対するレーザ光の照射位置を移動しつつレーザ光照射による微粒子化を行っている。これにより、ゲル体106の各位置に順次レーザ光を照射して、ゲル体106中の各位置にある物質に対し、レーザ光照射による微粒子化を均一かつ効率的に実行することができる。なお、この照射位置の移動については、図1に関して上述した光路変更装置を用いても良い。
また、上記実施形態では、物質の微粒子化に起因する衝撃波のモニタ結果を参照して、被処理体に対するレーザ光の照射条件を決定する構成としている。これにより、レーザ光の照射条件を好適に設定して、物質の微粒子化の効率を向上することができる。
すなわち、被処理体としてゲル体を用いた場合、微粒子化を実施するためのレーザ光の照射条件は、原料粒子の性質、ゲルの性質、温度、添加剤等によって影響される。このため、微粒子化処理の開始前に、実際に処理対象のサンプルに適したレーザ光の照射条件を決定することが好ましい。
この場合、レーザ光照射による微粒子化現象をモニタする方法として、上記したように微粒子化に伴って発生する衝撃波を観測することが簡便である。図6に示した構成では、処理チャンバ103の側面にマイクロフォン121を接触させ、レーザ光照射と同期して観測される衝撃波の波形の解析結果から、レーザ光の良好な照射条件を決定している。
また、ゲル体を用いて物質の微粒子化処理を行う利点として、ゲル体に対して電場印加手段を設け、ゲル体中に電場を加えて電気泳動を併用することにより、生成微粒子の分離、分級、濃縮を行うことができる点がある。電気泳動を用いれば、ゲル中に電界を印加してゲル中の荷電粒子にクーロン力を作用させ、ゲルの網目を通過できる粒径の粒子だけを移動させることができる。
一般には、電場印加手段によってゲル体中に電場を加えて、微粒子の分離、分級、または濃縮のうちの少なくとも1つを行うことが好ましい。また、生成微粒子自身が電荷を持っていない場合には、イオン性の添加剤を加えることにより、微粒子に電荷を与えることができる。この場合、生成微粒子の周囲にイオン性の添加剤が付着するため、その電気泳動を良好に実現することができる。また、微粒子化対象の物質が薬物等である場合には、薬物に対して許容されているものから添加剤を選定することが好ましい。
図9は、ゲル体に対する電場印加手段である電極の配置構成について示す図である。この図9に示す構成例(a)、(b)は、いずれも処理チャンバ103を電気泳動機能が付加された電極付き処理チャンバとして構成している。
構成例(a)は、レーザ光照射軸に対して垂直方向に微粒子の電気泳動を行う場合の構成を示している。この処理チャンバ103aには、処理対象であるゲル体106aを左右から挟み込むように、電気泳動用電極201、202が配置されている。
このような構成において、ゲル体106a中での微粒子の電気泳動は、電極201、202間に電気泳動用電源200aから直流電圧を印加することによって行われる。図9の(a)に示す構成では、ゲル体106aの網目構造中で移動可能な粒径で、かつ電荷を持っている微粒子は、正荷電で左側、負荷電で右側に移動する。
構成例(b)は、レーザ光照射軸に対して同一方向に微粒子の電気泳動を行う場合の構成を示している。この処理チャンバ103bには、処理対象であるゲル体106bを前後から挟み込むように、電気泳動用電極211、212が配置されている。この構成では、電極自身にレーザ光が照射されるため、透明電極を用いる必要がある。
このような構成において、ゲル体106b中での微粒子の電気泳動は、電極211、212間に電気泳動用電源200bから直流電圧を印加することによって行われる。図9の(b)に示す構成では、ゲル体106bの網目構造中で移動可能な粒径で、かつ電荷を持っている微粒子は、正荷電で前側、負荷電で後側に移動する。
これらの図9に示した構成(a)、(b)では、レーザ光照射による物質の微粒子化処理を行いながら、電気泳動によって生成微粒子のみをレーザ光照射領域から分離する操作を行うことができる。このような操作は、生成微粒子に対する必要以上のレーザ光照射の回避、微粒子化すべき大粒径の粒子のみにレーザ光を照射することによる処理効率の向上等に大きく寄与する。
また、ゲルの網目サイズに比べて粒径が小さい微粒子ほどゲル中での移動速度が高いため、電気泳動によって生成微粒子の分級、すなわち粒径別の分離も実現することができる。さらに、長時間の電気泳動処理を行うことにより、電気泳動用電極付近で生成微粒子の密度を高める濃縮操作も実現できる。
また、ゲル体を用いて物質の微粒子化処理を行う方法では、微粒子化工程において、ゲル体に対して微粒子化の対象となる物質を含まない第2のゲル体を接続し、微粒子化処理用のゲル体中で生成された微粒子を電気泳動によって第2のゲル体へと移動して貯蔵することとしても良い。このような方法を用いれば、原料粒子が混入していない第2のゲル体を回収用ゲル体として、生成微粒子のみを回収することが可能となる。
図10は、処理用ゲル体及び回収用ゲル体の配置構成について示す図である。この図10に示す構成例(a)、(b)は、図9に示した構成例(a)、(b)と同様に、いずれも処理チャンバ103を電気泳動機能が付加された電極付き処理チャンバとして構成している。
構成例(a)では、処理チャンバ103cにおいて、ゲル体を左右から挟み込むように、電気泳動用電極203、204が配置されている。また、このような電極構成に対応して、処理チャンバ103cの左側(電極203側)に、微粒子化処理の対象となる物質の原料粒子が分散固定された処理用ゲル体106cが、また、処理チャンバ103cの右側(電極204側)に、生成微粒子のみを回収するための回収用ゲル体107がそれぞれ配置されている。
構成例(b)では、処理チャンバ103dにおいて、ゲル体を前後から挟み込むように、電気泳動用電極213、214が配置されている。また、このような電極構成に対応して、処理チャンバ103dの前側(電極213側)に、処理用ゲル体106dが、また、処理チャンバ103dの後側(電極214側)に、回収用ゲル体108がそれぞれ配置されている。
これらの構成において、電気泳動用電極間に直流電圧が印加されると、処理用ゲル体の網目構造中で移動可能な粒径で、かつ電荷を持っている生成微粒子は、電気泳動によって回収用ゲル体へと移動して回収、貯蔵される。
このように、処理用ゲル体と回収用ゲル体とが連結された連結ゲル体を作製する方法としては、まず、原料粒子を含む処理用ゲル体を形成する部分が下底となるように処理チャンバの向きを変える。次に、処理用ゲル体の部分の上部だけに蓋を施し、原料粒子を含む被処理液を流し込んで処理用ゲル体を形成する。その後、原料粒子を含まない回収用ゲル体の溶液を処理チャンバ内の残りの空間に流し込むことによって、連結ゲル体を完成させる。あるいは、回収用ゲル体のみを回収したい場合には、処理用ゲル体と回収用ゲル体とを別々の容器で作製し、その後に処理チャンバ内で接触した状態で配置すれば良い。
次に、実施例により本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
まず、ゲル体を用いた微粒子化処理の第1実施例について説明する。本実施例においては、微粒子化対象となる物質として青色顔料のVOPc(バナジルフタロシアニン)の微粒子化を試みた。ゲルとしてはアガロースゲルを用い、ゲル中において微粒子化処理を行った。
溶媒である水に対して、ゲル原料としてアガロース粉末1%と、陰イオン性の界面活性剤であるSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)0.5%とを混合し、得られた溶液を90℃に加熱してゲル溶液を得た。続いて、ゲル溶液の冷却工程において、45℃のときにゲル溶液に微粒子化対象のVOPcを0.5mg/mlの濃度で混合し、溶液内で分散させて被処理液とした後に処理チャンバである円筒状のガラスシャーレ内でゲル化させて、被処理体であるゲル体を生成した。
次に、ゲル体中にあるVOPcの微粒子化を行うためのレーザ光の照射条件の検討を、レーザ光照射時に観測される衝撃波の振幅をモニタして行った。図11は、ゲル体中での物質の微粒子化に起因する衝撃波のモニタ結果を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は時間(ms)を示し、縦軸は衝撃波モニタ手段であるマイクロフォンからの出力電圧(mV)を示している。ここでは、波長1064nmのYAGパルスレーザ光をゲル体に照射することにより、図11に示す時間波形の衝撃波が観測された。
また、図12は、ゲル体に照射されるレーザ光の強度と、観測される衝撃波の最大振幅との相関を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は照射光強度(mJ/cm・pulse)を示し、縦軸は衝撃波最大振幅(mV)を示している。このグラフより、180mJ/cm・pulse以上の強度でレーザ光を照射することにより、ゲル体中のVOPcが微粒子化されることがわかる。このような衝撃波のモニタ結果を参照することにより、被処理体であるゲル体に対するレーザ光の照射条件を好適に設定することができる。
図13は、微粒子化処理の前後でのVOPcを含むゲル体の状態を示す図であり、状態(a)は微粒子化処理前の状態、状態(b)は微粒子化処理後の状態をそれぞれ示している。また、ここでは、シャーレ内のゲル体に対するレーザ光の照射強度を450mJ/cm・pulseに設定するとともに、その照射位置を固定して円筒シャーレだけを回転させ、円状の領域でゲル体中のVOPcに対する微粒子化処理を行った。
図13の状態(a)、(b)からわかるように、微粒子化処理後のゲル体において、レーザ光が照射された円状の領域でVOPc本来の青色が見られる。特許文献1や非特許文献1〜3によると、VOPcは数10〜数100nmの微粒子化が達成されたときに、不溶でも顔料本来の色が見られることが知られている。すなわち、状態(b)において、レーザ光照射領域が青く見えていることは、この領域でVOPcの原料粒子が微粒子化されたことを示すものである。
次に、直径7cmの円筒シャーレの中心を通る直線上の両端に、シャーレを左右から挟み込むように電極を設置し、シャーレ内のゲル体に対して12Vの直流電圧を印加して、生成微粒子の電気泳動を行った。図14は、電気泳動の前後でのVOPc生成微粒子を含むゲル体の状態を示す図であり、状態(a)は電気泳動前の状態、状態(b)は電気泳動後の状態をそれぞれ示している。
図14の状態(a)では、上記したレーザ光照射領域に対応する円状の領域の形がはっきりと見えている。これに対して、20分間の電気泳動後の状態(b)では、円状の領域にあった青色の部分が右側にシフトしていることがわかる。これは、溶液に加えられた陰イオン性のSDSによって生成微粒子が負に帯電し、ゲル中で移動可能な大きさの微粒子のみが電気泳動によって右側に移動したためと考えられる。このようなイオン性界面活性剤及び電気泳動を組み合わせることによる生成微粒子の移動は、上記したように、微粒子の分離、分級、濃縮等の操作に有効であり、高品質の微粒子を供給することが可能となる。
次に、ゲル体を用いた微粒子化処理の第2実施例について説明する。本実施例においては、微粒子化対象となる物質として難溶性の薬物である酪酸クロベタゾン(Clobetasone Butyrate、外用合成副腎皮質ホルモン剤)の微粒子化を試みた。微粒子化処理の条件は、第1実施例と同様である。
図15は、ゲル体に照射されるレーザ光の強度と、観測される衝撃波の最大振幅との相関を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は照射光強度(J/cm・pulse)を示し、縦軸は衝撃波最大振幅(mV)を示している。このグラフより、酪酸クロベタゾンを対象とした本実施例では、1.7J/cm・pulse以上の強度でレーザ光を照射することにより、ゲル体中の酪酸クロベタゾンが微粒子化されることがわかる。
本発明による微粒子の製造方法、製造装置、及び微粒子は、上記した実施形態及び実施例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、製造装置に用いられる処理チャンバの材質は石英に限らず、レーザ光の透過特性等を考慮した上で様々な材質を用いて良い。また、処理チャンバの周囲に設けられる断熱層についても、発泡スチロール以外の材質を用いても良い。また、凝固体での溶媒を凝固された状態に保持する凝固保持手段、あるいはゲル体を冷却された状態に保持する冷却保持手段については、断熱層以外にも、様々な構成を用いて良い。また、固体状の被処理体としては、凝固体及びゲル体以外にも、一般に、微粒子化処理の対象となる物質の原料粒子が分散固定された状態で含まれる被処理体を用いて良い。
本発明は、効率良く有機化合物を微粒子化することが可能な微粒子の製造方法、製造装置、及び微粒子として利用可能である。

Claims (26)

  1. 被処理液の溶媒中の物質を光破砕して、その物質の微粒子を製造する製造方法であって、
    前記被処理液の前記溶媒を固体状とした前記物質を含む被処理体を用い、前記被処理体に対して所定波長のレーザ光を照射することによって、前記溶媒中にある前記物質を微粒子化する微粒子化工程を備えることを特徴とする微粒子の製造方法。
  2. 前記微粒子化工程において用いられる前記レーザ光の波長は、900nm以上の波長であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記微粒子化工程において、前記被処理体に対する前記レーザ光の照射位置を移動しつつ前記レーザ光の照射を行うことを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記微粒子化工程において、前記レーザ光の光路を変更することによって前記照射位置を移動することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  5. 前記微粒子化工程において、前記物質の微粒子化に起因する衝撃波のモニタ結果を参照して、前記被処理体に対する前記レーザ光の照射条件を決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法。
  6. 前記物質は、薬物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の製造方法。
  7. 前記微粒子化工程において、前記被処理液を冷却して前記溶媒を凝固させた前記物質を含む前記被処理体である凝固体を用い、前記凝固体に対して前記レーザ光を照射することによって、前記溶媒中にある前記物質を微粒子化することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の製造方法。
  8. 前記溶媒を凝固させる前に、前記溶媒中にある溶存ガスを排出するガス排出工程を備えることを特徴とする請求項7記載の製造方法。
  9. 前記溶媒を凝固させる前に、前記溶媒中において前記物質の原料粒子を分散させる粒子分散工程を備えることを特徴とする請求項7または8記載の製造方法。
  10. 前記微粒子化工程において、前記被処理液の前記溶媒中にゲル原料を分散させるとともに、前記ゲル原料を含む前記溶媒をゲル化させた前記物質を含む前記被処理体であるゲル体を用い、前記ゲル体に対して前記レーザ光を照射することによって、前記溶媒中にある前記物質を微粒子化することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の製造方法。
  11. 前記ゲル原料として、外部環境応答型のゲル原料を用いることを特徴とする請求項10記載の製造方法。
  12. 前記微粒子化工程において、前記ゲル体中に電場を加えて、微粒子の分離、分級、または濃縮のうちの少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項10または11記載の製造方法。
  13. 前記微粒子化工程において、前記ゲル体に対して前記物質を含まない第2のゲル体を接続し、前記ゲル体中で生成された微粒子を電気泳動によって前記第2のゲル体へと移動して貯蔵することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項記載の製造方法。
  14. 前記微粒子化工程において、前記ゲル体の温度を冷却することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項記載の製造方法。
  15. 被処理液の溶媒中の物質を光破砕して、その物質の微粒子を製造する製造装置であって、
    前記被処理液を収容する処理チャンバと、
    前記被処理液を冷却して前記溶媒を凝固させて前記物質を含む被処理体である凝固体とする冷却手段と、
    前記凝固体での前記溶媒を凝固された状態に保持する凝固保持手段と、
    前記処理チャンバ内に収容された前記凝固体に対して、前記溶媒中にある前記物質を微粒子化するための所定波長のレーザ光を照射するレーザ光源と
    を備えることを特徴とする微粒子の製造装置。
  16. 前記溶媒を凝固させる前に、前記溶媒中にある溶存ガスを排出するためのガス排出手段を備えることを特徴とする請求項15記載の製造装置。
  17. 前記溶媒を凝固させる前に、前記溶媒中において前記物質の原料粒子を分散させるための粒子分散手段を備えることを特徴とする請求項15または16記載の製造装置。
  18. 被処理液の溶媒中の物質を光破砕して、その物質の微粒子を製造する製造装置であって、
    前記被処理液のゲル原料を含む前記溶媒をゲル化させた前記物質を含む被処理体であるゲル体を収容する処理チャンバと、
    前記処理チャンバ内に収容された前記ゲル体に対して、前記溶媒中にある前記物質を微粒子化するための所定波長のレーザ光を照射するレーザ光源と
    を備えることを特徴とする微粒子の製造装置。
  19. 前記ゲル体中に電場を加えて、微粒子の分離、分級、または濃縮のうちの少なくとも1つを行うための電場印加手段を備えることを特徴とする請求項18記載の製造装置。
  20. 前記ゲル体の温度を冷却する冷却手段と、前記ゲル体を冷却された状態に保持する冷却保持手段とを備えることを特徴とする請求項18または19記載の製造装置。
  21. 前記レーザ光源から照射される前記レーザ光の波長は、900nm以上の波長であることを特徴とする請求項15〜20のいずれか一項記載の製造装置。
  22. 前記被処理体に対する前記レーザ光の照射位置を移動しつつ前記レーザ光の照射を行うことを特徴とする請求項15〜21のいずれか一項記載の製造装置。
  23. 前記レーザ光源から前記処理チャンバへの前記レーザ光の光路を変更することによって前記照射位置を移動する光路変更手段を備えることを特徴とする請求項22記載の製造装置。
  24. 前記物質の微粒子化に起因する衝撃波をモニタする衝撃波モニタ手段を備えることを特徴とする請求項15〜23のいずれか一項記載の製造装置。
  25. 前記物質は、薬物であることを特徴とする請求項15〜24のいずれか一項記載の製造装置。
  26. 請求項1〜14のいずれか一項記載の微粒子の製造方法により製造される微粒子。
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