JPWO2005040185A1 - 2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオシド類の製造方法 - Google Patents

2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオシド類の製造方法 Download PDF

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考記 福村
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Abstract

一般式(1)で表される化合物とフッ化水素とを有機溶媒中で反応させて、一般式(2)で表される化合物を製造するに際し、一般式(3)で表される化合物を添加して反応させることを特徴とする、一般式(2)で表される化合物の製造方法。

Description

本発明は、医薬品原料や中間体として有用な化合物である2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオシド類の製造方法に関する。
2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオシド類は、抗ウイルス薬の中間体や、アンチセンスやアプタマーに代表される新しい医薬品の原料として非常に有用な化合物である。
2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオシド類の合成法としては、従来2,2’−O−アンヒドロ(1−β−D−アラビノフラノシル)ピリミジン類を、1,4−ジオキサン溶媒中、無水フッ化水素酸または70%フッ化水素−ピリジンと115〜120℃の温度で処理する方法が知られている(非特許文献1および非特許文献2)。この方法は容易に入手可能な原料から1段階の反応で目的物が得られる点で優れているが、反応収率が無水フッ化水素酸を用いた場合で41〜46%、70%フッ化水素−ピリジンを用いた場合で60〜75%とあまり高くないうえ、溶媒である1,4−ジオキサンの量が、原料に対して100〜130重量倍程度必要なこと、フッ化水素の使用量が原料に対して90〜100モル倍程度と大過剰必要となるなどの問題を抱えている。特に工業的な規模での製造を考えた場合、これらの問題は経済性の悪さおよび環境面での負荷の大きさから到底許容できるものではない。
また別の方法として、3’−位および5’−位の水酸基を保護化したアラビノフラノシルピリミジン類をフッ素化剤であるDASTを用いてフッ素化する方法が報告されているが(非特許文献3および非特許文献4)、これらの方法では原料合成が多段階で煩雑な上、DASTは爆発危険性や高いコストのため工業的な使用には困難が伴う。したがって2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオシド類の製造法として工業的に容易に実施可能な方法の開発が望まれていた。
J.Org.Chem.,29,558(1964) J.Med.Chem.,36,831(1993) Chem.Pharm.Bull.,38,1136(1990) Chem.Pharm.Bull.,42,595(1994)
本発明者らは、安全性や経済性に優れ、工業的に容易に実施可能な2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオシド類の製造方法を開発することを目的として、2,2’−O−アンヒドロ(1−β−D−アラビノフラノシル)ピリミジン類を、種々の有機溶媒中でフッ化水素と反応させる方法を鋭意検討したが、これらの方法では反応収率が溶媒の使用量およびフッ化水素の使用量に大きく依存し、どちらか一方もしくは両方の使用量を削減すると反応収率が大きく低下することが判明した。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、2,2’−O−アンヒドロ(1−β−D−アラビノフラノシル)ピリミジンとフッ化水素を有機溶媒中で反応させる際に、一般式(3)
Figure 2005040185
(式中、mは0から3までの整数を表し、nは0または1を表し、qは0から11までの整数を表す。ただしnが1の場合qは0ではない。A1、A2はそれぞれ独立にハロゲン原子、またはトリフルオロメチル基を示し、A3は水素原子またはハロゲン原子を示す。Xはフッ素原子または1−イミダゾール基を示す。)で表される化合物を添加して反応させると、驚くべきことに溶媒の使用量およびフッ化水素の使用量を大幅に削減できるうえに、2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオシド類の収率が大きく向上することを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
(1)一般式(1)
Figure 2005040185
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子または水酸基を示す。)で表される化合物にフッ化水素を有機溶媒中で反応させて、一般式(2)
Figure 2005040185
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子または水酸基を示す。)で表される化合物を製造するに際し、一般式(3)
Figure 2005040185
(式中、mは0から3までの整数を表し、nは0または1を表し、qは0から11までの整数を表す。ただしnが1の場合qは0ではない。A1、A2はそれぞれ独立にハロゲン原子、またはトリフルオロメチル基を示し、A3は水素原子またはハロゲン原子を示す。Xはフッ素原子または1−イミダゾール基を示す。)で表される化合物を添加して反応させることを特徴とする、前記一般式(2)で表される化合物の製造方法。
(2)前記一般式(3)で表される化合物が一般式(4)
Figure 2005040185
(式中、A3は水素原子またはハロゲン原子を示し、A4、A5はそれぞれ独立にハロゲン原子を示す。)で表される化合物、一般式(5)
Figure 2005040185
(式中、mは0から3までの整数を表す。)で表される化合物、または一般式(6)
Figure 2005040185
(式中、qは0から11までの整数を表し、A3は水素原子またはハロゲン原子を示す。)で表される化合物である、前記(1)記載の製造方法、
(3)前記一般式(1)で表される化合物が2,2’−O−アンヒドロ(1−β−D−アラビノフラノシル)ウラシルであり、前記一般式(2)で表される2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオシド類が、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンである、前記(1)または(2)に記載の製造方法、
に関するものである。
本発明によれば、従来の製造方法に較べて、溶媒およびフッ化水素の使用量を大幅に削減できるうえに、より高収率で2’−デオキシ−2’−フルオロピリミジンヌクレオシド類を製造できる。
一般式(1)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子または水酸基を示す。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、2,2’−O−アンヒドロ(1−β−D−アラビノフラノシル)ウラシル、2,2’−O−アンヒドロ(1−β−D−アラビノフラノシル)チミン、2,2’−O−アンヒドロ(1−β−D−アラビノフラノシル)5−フルオロウラシル、2,2’−O−アンヒドロ(1−β−D−アラビノフラノシル)5−トリフルオロメチルウラシル、2,2’−O−アンヒドロ−3’−デオキシ(1−β−D−アラビノフラノシル)ウラシル、2,2’−O−アンヒドロ−3’−デオキシ(1−β−D−アラビノフラノシル)チミン、2,2’−O−アンヒドロ−3’−デオキシ(1−β−D−アラビノフラノシル)5−フルオロウラシル、2,2’−O−アンヒドロ−3’−デオキシ(1−β−D−アラビノフラノシル)5−トリフルオロメチルウラシル、2,2’−O−アンヒドロ−3’−デオキシ−3’−フルオロ(1−β−D−アラビノフラノシル)ウラシル、2,2’−O−アンヒドロ−3’−デオキシ−3’−フルオロ(1−β−D−アラビノフラノシル)チミン、2,2’−O−アンヒドロ−3’−デオキシ−3’−フルオロ(1−β−D−アラビノフラノシル)5−フルオロウラシル、2,2’−O−アンヒドロ−3’−デオキシ−3’−フルオロ(1−β−D−アラビノフラノシル)5−トリフルオロメチルウラシル等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は、例えば対応する(1−β−D−リボノフラノシル)ピリミジン類を原料にヘキサメチルホスフォラアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性有機溶媒中、炭酸水素ナトリウムを触媒としてジフェニルカーボネートと反応させる等の公知の方法(J.Org.Chem.,36,250(1971)、Tetrahedron,55,5635(1999)、Org.Process Res.Dev.,4,170(2000))で容易に合成することができ、また化合物によっては市販品として容易に入手できる。
一般式(1)で表される化合物と反応させるフッ化水素の供給源としては、フッ化水素そのもの、および一般式(1)で表される化合物を一般式(2)で表される化合物に導くのに必要なフッ化水素を供給することができる化合物(以下、単に「フッ化水素供与性化合物」と略記する。)が挙げられる。
フッ化水素そのものおよびフッ化水素供与性化合物は、それぞれ単独で用いることができるが、併用することもできる。
フッ化水素供与性化合物としては、特に限定されないが、例えばフッ化水素の有機塩基塩を挙げることができる。フッ化水素の有機塩基塩としては、例えば、70%フッ化水素−ピリジン、トリエチルアミン−3HF、1,3−ジメチル−2−オキサゾリジノンのフッ化水素塩(DMI−nHF)等が挙げられる。これらフッ化水素の有機塩基塩のなかでも70%フッ化水素−ピリジンは、取扱いの容易さや反応性の高さから好ましい。
また、後記する一般式(3)中のXがフッ素原子である化合物は一般式(1)で表される化合物と反応してフッ化水素を生成するため、一般式(3)中のXがフッ素原子である化合物をフッ化水素供与性化合物として用いることもできる。
これらのフッ化水素供与性化合物はそれぞれ単独で用いることができるが、併用することもできる。
本発明の製造方法において使用される有機溶媒としては、後記する一般式(3)で表される化合物を添加して、一般式(1)で表される化合物とフッ化水素とから一般式(2)で表される化合物を生成することができるものであれば特に制限はない。このような有機溶媒としては1、4−ジオキサン等のエーテル系溶媒を好ましいものとして例示することができる。
一般式(2)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子または水酸基を示す。
フッ化水素と前記一般式(1)で表される化合物との反応で得られる、一般式(2)で表される化合物としては、例えば、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジン、2’−フルオロチミジン、2’−デオキシ−2’−フルオロ−5−フルオロウリジン、2’−デオキシ−2’−フルオロ−5−トリフルオロメチルウリジン、2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロウリジン、3’−デオキシ−2’−フルオロチミジン、2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−5−フルオロウリジン、2’,3’−ジデオキシ−2’−フルオロ−5−トリフルオロメチルウリジン、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジフルオロウリジン、3’−デオキシ−2’,3’−ジフルオロチミジン、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジフルオロ−5−フルオロウリジン、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジフルオロ−5−トリフルオロメチルウリジン等が挙げられる。
一般式(3)中、mは0から3までの整数を表し、nは0または1を表し、qは0から11までの整数を表す。ただしnが1の場合qは0ではない。またA1、A2はそれぞれ独立にハロゲン原子、またはトリフルオロメチル基を示し、A3は水素原子またはハロゲン原子を示す。Xはフッ素原子または1−イミダゾール基を示す。
一般式(1)で表される化合物にフッ化水素を有機溶媒中で反応させて一般式(2)で表される化合物を製造する際に、添加される一般式(3)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(4)
Figure 2005040185
(式中、A3は水素原子またはハロゲン原子を示し、A4、A5はそれぞれ独立にハロゲン原子を示す。)で表される化合物、下記一般式(5)
Figure 2005040185
(式中、mは0から3までの整数を表す。)で表される化合物、下記一般式(6)
Figure 2005040185
(式中、qは0から11までの整数を表し、A3は水素原子またはハロゲン原子を示す。)で表される化合物などを挙げることができる。
一般式(4)中のA3は水素原子またはハロゲン原子を示し、A4、A5はそれぞれ独立にハロゲン原子を示す。
一般式(4)で表される化合物の具体例としては、1−トリフルオロアセチルイミダゾール、1−トリクロロアセチルイミダゾール、1−ジフルオロアセチルイミダゾールなどが挙げられる。
一般式(5)中のmは0から3までの整数を表す。
一般式(5)で表される化合物の具体例としては、ペルフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フルオリド、ペルフルオロ(2,5−ジメチル−3,6−ジオキサノナノイル)フルオリド、ペルフルオロ(2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカノイル)フルオリドなどが挙げられる。
一般式(6)中のqは0から11までの整数を表し、A3は水素原子またはハロゲン原子を示す。
一般式(6)で表される化合物の具体例としては、トリフルオロ酢酸フルオリド、ジフルオロ酢酸フルオリド、クロロジフルオロ酢酸フルオリド、ブロモジフルオロ酢酸フルオリド、ペンタフルオロプロピオン酸フルオリド、ヘプタフルオロブタン酸フルオリド、ノナフルオロペンタン酸フルオリド、ウンデカフルオロヘキサン酸フルオリド、トリデカフルオロヘプタン酸フルオリド、ペンタデカフルオロオクタン酸フルオリド、ヘプタデカフルオロノナン酸フルオリド、ノナデカフルオロデカン酸フルオリド、3H−テトラフルオロプロピオン酸フルオリド、5H−オクタフルオロペンタン酸フルオリドなどが挙げられる。
一般式(3)で表される化合物は公知の方法によって容易に得ることができる。例えば一般式(4)で表される化合物は、対応する酸無水物とイミダゾールをテトラヒドロフランなどの溶媒中で反応させることで容易に合成でき、商業的に容易に入手可能である。また一般式(5)で表される化合物は、ヘキサフルオロプロピレンオキシドの二量化、三量化などの反応によって工業的に大量に製造されており、容易に入手可能である。一般式(6)で表される化合物は、対応するペルフルオロカルボン酸類またはペルフルオロカルボン酸クロリド類のフッ素化によっても得られるが、通常脂肪族カルボン酸または脂肪族カルボン酸クロリドの電解フッ素化等によるペルフルオロ化反応によって工業的に生産されており、容易に入手可能である。
本発明の製造方法の一実施態様を示せば、例えば、一般式(1)で表される化合物、有機溶媒、フッ化水素の供給源および一般式(3)で表される化合物を反応器中に装入した後、撹拌しながら所定の反応温度にて反応させることによって、目的物である一般式(2)で表される化合物を容易に、かつ高収率で得ることができる。
本発明の製造方法に使用される一般式(3)で表される化合物の使用量は、通常、一般式(1)で表される化合物に対して0.1から3.0モル倍の量を用いるが、好ましくは0.8〜2.0モル倍を用いる。使用量が0.1モル倍以下では反応収率が低下し、3.0モル倍以上使用しても反応収率の向上は見られず、経済的でない。
有機溶媒の使用量は特に制限されないが、通常、原料である一般式(1)で表される化合物に対して3〜30重量倍、好ましくは6〜20重量倍である。有機溶媒の使用量が3重量倍以下では反応収率が低下し、30重量倍以上使用しても反応収率の向上が見られず、容積効率が低下するため、経済的でない。
フッ化水素の供給源の一般式(1)で表される化合物に対する使用量は特に制限されないが、通常、フッ化水素の供給源中のフッ化水素が一般式(1)で表される化合物に対して1〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍となる量を用いる。フッ化水素が1モル倍以下の量であると反応収率が低下し、30モル倍以上の量を使用しても反応収率の向上が見られず、経済的でない。
フッ化水素供与性化合物として、一般式(3)中のXがフッ素原子である化合物を用いることもできる。一般式(3)中のXがフッ素原子である化合物は単独で用いることもできるが、他のフッ化水素の供給源と併用することもできる。一般式(3)中のXがフッ素原子である化合物を単独で用いる場合の該化合物の使用量は、一般式(1)で表される化合物に対して1.0〜3.0モル倍である。
本発明の製造方法における反応温度は、原料の種類、その他の条件により必ずしも一定しないが、通常、100〜150℃、好ましくは110〜140℃である。100℃以下であると反応速度が著しく遅くなり、150℃以上であると反応収率が低下する。
なお、反応系内への水の混入は極力避けるのが好ましい。したがって、前記反応に用いる原材料は乾燥したものを用いることが好ましく、また、反応中に反応系外から反応系内への水の混入を抑制することが好ましい。反応系内への水の混入を抑制することは反応収率向上の点で好ましい。
本発明の製造方法により得られる一般式(2)で表される化合物は、例えば、反応混合物を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの水溶液や、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液などのアルカリ性溶液にて中和処理した後、抽出、濃縮、再結晶、クロマトグラフィー処理を行うなどの公知の方法により容易に取り出すことができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各実験における反応収率は高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」と略記する。)分析に依った。HPLC分析の条件は次のとおりである。
カラム:GLサイエンス社製Inertsil(R)ODS−3
検出波長:254nm
溶離液:水/MeOH:95/5
実施例1
磁気撹拌子を備えた30mlテフロン(登録商標)製内筒付ステンレス製オートクレーブに、窒素雰囲気下で99%2,2’−O−アンヒドロ(1−β−D−アラビノフラノシル)ウラシル(以下、「CYU」と略記する)(0.49g,2.14mmol)、1,4−ジオキサン(10.08g,10ml)、70%フッ化水素−ピリジン(1.13g、HF 39.5mmol)およびペンタデカフルオロオクタン酸フルオリド(以下、「PFOF」と略記する)(0.74g,1.78mmol)を装入した後、オートクレーブを密閉し、マグネチックスターラーにて撹拌しながら、120℃で18時間反応を行った。反応後、反応混合物を室温まで冷却し、得られた反応液をアルカリ水溶液で処理した後、HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は87%であった。
実施例2
1,4−ジオキサン量を5.08g(5ml)に変更した以外は実施例1と同様に反応した。HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は75%であった。
実施例3
PFOF量を1.11g(2.67mmol)に変更した以外は実施例1と同様に反応した。HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は90%であった。
実施例4
磁気撹拌子を備えた200mlハステロイC製オートクレーブに、窒素雰囲気下で99%CYU(5.03g,22.02mmol)、1,4−ジオキサン(100.03g,100ml)、70%フッ化水素−ピリジン(11.03g、HF 385.9mmol)およびPFOF(7.47g,17.95mmol)を装入した後、オートクレーブを密閉し、マグネチックスターラーにて撹拌しながら、120℃で18時間反応を行った。反応後、反応混合物を室温まで冷却し、得られた反応液をアルカリ水溶液で処理した後、HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は85%であった。
比較例1
PFOFを添加しない以外は実施例2と同様に反応を行なった。HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は46%であった。
比較例2
磁気撹拌子を備えた200mlハステロイC製オートクレーブに、窒素雰囲気下で99%CYU(0.49g,2.14mmol)、1,4−ジオキサン(66.99g,65ml)、70%フッ化水素−ピリジン(8.71g、HF 304.7mmol)を装入した後、オートクレーブを密閉し、マグネチックスターラーにて撹拌しながら、120℃で18時間反応を行った。反応後、反応混合物を室温まで冷却し、得られた反応液をアルカリ水溶液で処理した後、HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は72%であった。
比較例3
70%フッ化水素−ピリジン量を1.08g(HF 38.1mmol)に変更した以外は比較例2と同様に反応を行なった。HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は15%であった。
比較例4
1,4−ジオキサン量を32.25g(32ml)とし、70%フッ化水素−ピリジン量を3.08g(HF 107.7mmol)に変更した以外は比較例2と同様に反応を行なった。HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は64%であった。
実施例5
PFOFのかわりに、ペルフルオロ(2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカノイル)フルオリド(1.30g、1.95mmol)を使用したに変更した以外は実施例1と同様に反応した。HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は73%であった。
実施例6
磁気撹拌子を備えた30mlテフロン(登録商標)製内筒付ステンレス製オートクレーブに、窒素雰囲気下で98%CYU(0.51g,2.20mmol)、1,4−ジオキサン(6.61g,6.4ml)、70%フッ化水素−ピリジン(1.12g、HF 39.3mmol)およびペルフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサノイル)フルオリド(以下、「HFPOD」と略記する)(1.04g,3.14mmol)を装入した後、オートクレーブを密閉し、マグネチックスターラーにて撹拌しながら、140℃で6時間反応を行った。反応後、反応混合物を室温まで冷却し、得られた反応液をアルカリ水溶液で処理した後、HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は85%であった。
実施例7
実施例6に対して、1,4−ジオキサン量を3.08g(3ml)、HFPOD量を1.46g(4.40mmol)とし、70%フッ化水素−ピリジンを使用せずに140℃で18時間反応を行った以外は同様に反応した。HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は77%であった。
実施例8
磁気撹拌子を備えた200mlハステロイC製オートクレーブに、窒素雰囲気下で98%CYU(5.00g,21.66mmol)、1,4−ジオキサン(46.30g,45ml)、70%フッ化水素−ピリジン(1.35g、HF 47.23mmol)およびHFPOD(10.10g,30.42mmol)を装入した後、オートクレーブを密閉し、マグネチックスターラーにて撹拌しながら、140℃で9時間反応を行った。反応後、反応混合物を室温まで冷却し、得られた反応液をアルカリ水溶液で処理した後、HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は86%であった。
実施例9
吹込み管、圧力計、温度計、および撹拌機を備えた1000mlハステロイC製オートクレーブに、窒素雰囲気下で98%CYU(49.46g,0.214mol)、1,4−ジオキサン(632.84g,620ml)、および1−トリフルオロアセチルイミダゾール(33.60g,0.205mol)を装入し、水冷下撹拌しながら、ガス状の無水フッ化水素(69.43g、3.470mol)を吹込み、その後オートクレーブを密閉し、撹拌しながら、120℃で18時間反応を行った。反応後、反応混合物を室温まで冷却し、得られた反応液をアルカリ水溶液で処理した後、HPLCにて分析した結果、2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンの反応収率は73%であった。
本発明は、医薬品原料や中間体として有用な一般式(2)で表される化合物を効率よく製造する方法として有用である。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    Figure 2005040185
    (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子または水酸基を示す。)で表される化合物にフッ化水素を有機溶媒中で反応させて、一般式(2)
    Figure 2005040185
    (式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子または水酸基を示す。)で表される化合物を製造するに際し、一般式(3)
    Figure 2005040185
    (式中、mは0から3までの整数を表し、nは0または1を表し、qは0から11までの整数を表す。ただしnが1の場合qは0ではない。A1、A2はそれぞれ独立にハロゲン原子、またはトリフルオロメチル基を示し、A3は水素原子またはハロゲン原子を示す。Xはフッ素原子または1−イミダゾール基を表す。)で表される化合物を添加して反応させることを特徴とする、前記一般式(2)で表される化合物の製造方法。
  2. 請求項1記載の一般式(3)で表される化合物が一般式(4)
    Figure 2005040185
    (式中、A3は水素原子またはハロゲン原子を示し、A4、A5はそれぞれ独立にハロゲン原子を示す。)で表される化合物、一般式(5)
    Figure 2005040185
    (式中、mは0から3までの整数を表す。)で表される化合物、または一般式(6)
    Figure 2005040185
    (式中、qは0から11までの整数を表し、A3は水素原子またはハロゲン原子を示す。)で表される化合物である、請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1記載の一般式(1)で表される化合物が2,2’−O−アンヒドロ(1−β−D−アラビノフラノシル)ウラシルであり、請求項1記載の一般式(2)で表される化合物が2’−デオキシ−2’−フルオロウリジンである、請求項1または請求項2に記載の製造方法。
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