JPWO2004113981A1 - 光コネクタ - Google Patents
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Abstract
光コネクタの部品点数の削減、それに伴う部品コストの削減、構造の簡素化による小型化および組み立作業の簡便性を実現する光コネクタの提供。 ハウジング10と;1または複数の貫通孔22を有する光ファイバ位置決め部21と、前記貫通孔22に連通する光ファイバ保持溝32を有する光ファイバ保持部31とを備える、前記ハウジング10に収容される基材20と;前記光ファイバ保持溝32に沿って導入される光ファイバ5と前記光ファイバ保持部31を挟圧保持して前記光ファイバ5を前記光ファイバ保持部31に保持固定し、前記基材20と一体となって前記ハウジング10に収容され前記基材20を前記光ファイバ5の長軸方向に付勢する弾性部材50と;を備える光コネクタ1。
Description
本発明は、光コネクタに関し、特に、部品点数が少なく小型で組み立作業が容易な光コネクタに関する。
光通信の分野では、光伝達システムに光ファイバが用いられ、各種光通信機器の端末や光通信機器から伸びる光ファイバを接続するために光コネクタが用いられている。
この光コネクタには、光ファイバをコネクタ中に保持する機能および光ファイバを(該光ファイバを保持する部材と共に)光ファイバの長軸方向(当接方向)に押圧する機能(付勢する機能)が必要とされる。上記光ファイバを保持する機能は、光ファイバ端面を精度よく位置決めするために必要である。また、上記光ファイバを所定方向に押圧する機能は、光ファイバ端面の位置決めや光ファイバ同士の接続の際に該接続境界に存在する空気を取り除いて光ファイバのコア同士を物理的に接触させ、該接続界面に存在する空気による反射損失を低減させる、いわゆるフィジカルコンタクトを実現させるために必要である。
従来、チャック状の弾性部材をコイルバネを用いて締め付けると同時に光ファイバの軸方向の押圧力を同時に発生させて光ファイバを固定する技術が知られている。例えば、ハウジングと;このハウジングの内側に配置される中空体保持部材と;光ファイバ保持溝あるいは光ファイバ保持孔を有し、先端から光ファイバの光軸方向に沿って外周が小さくなるテーパー面を外周面に備える前方部と、光ファイバ貫通孔を備える管状後方部とからなり、前記中空体保持部材の内側に配置される光ファイバ保持部材と;前記光ファイバ保持部材に嵌入して前記前方部の前記テーパー面に摺接して配置され、前記前方部の先端方向に向かうに従い、前記前方部を締めつける環状部材と;前記中空体保持部材の内側に、前記環状部材と隣接して配置され、前記中空体保持部材から前記環状部材に対して付勢することで、前記環状部材を介して前記前方部を押圧して締めつける弾性部材と;を備えることを特徴とする光コネクタが挙げられる(特開2001−249251号公報参照。)。
該光コネクタは、光ファイバ端面の位置決め精度が高く、例えば、石英製光ファイバ等の高い位置決め精度が要求される光コネクタとしての利用価値は非常に高い。しかし、該光コネクタは、光ファイバ端面の高い位置決め精度を実現させるため、光ファイバを保持する機能を発揮する部材と光ファイバを押圧する機能を発揮する部材とを別体として備えるものであり、部品点数が多く部品コストが高くなり、また該光コネクタの組み立て作業性に劣るという欠点がある。また、該光コネクタは近年の光コネクタに要求される構造の簡素化を十分に満足できない場合もある。
光コネクタとして、上記光コネクタの他に、例えば、基体と、前記基体の表面上に置かれる光ファイバの上方に配置され、その光ファイバの長さ方向に沿って湾曲し、かつ、光ファイバの表面に接触可能な延在部分と、その延在部分に接続され、前記基体から離れた離隔部分とを含む板状弾性部材と、光ファイバの上方で、前記板状弾性部材の離隔部分に接触可能であり、かつ、前記基体に固定可能な押圧部材とを備え、前記押圧部材が前記板状弾性部材の離隔部分に接触することにより、前記板状弾性部材の延在部分が光ファイバに接触して、その光ファイバに弾性力を加えることが可能な、光ファイバ保持装置が挙げられる(特開2000−321466号公報参照。)。
該光コネクタは、光ファイバの上方から板状弾性部材を押し付けることによって光ファイバを保持するものであるが、上記した光ファイバをその長軸方向に押圧する機能を備えるものではない。そのため、安定した接続(低接続損失)を実現できず、これを実現するためには、該光コネクタの他に別途上記押圧する機能を発揮する部材、例えば、コイルバネ等を必要とし、やはり部品点数が多くなり部品コストが高くなるという欠点がある。
また、該光コネクタは、押圧部材に接触することにより弾性部材の延在部分が湾曲することを利用してファイバを保持するものであるため、コネクタ内に空隙が多く存在しコネクタ自体が比較的大きなものになり、近年の光コネクタに要求される小型化を十分に満足できない。
この光コネクタには、光ファイバをコネクタ中に保持する機能および光ファイバを(該光ファイバを保持する部材と共に)光ファイバの長軸方向(当接方向)に押圧する機能(付勢する機能)が必要とされる。上記光ファイバを保持する機能は、光ファイバ端面を精度よく位置決めするために必要である。また、上記光ファイバを所定方向に押圧する機能は、光ファイバ端面の位置決めや光ファイバ同士の接続の際に該接続境界に存在する空気を取り除いて光ファイバのコア同士を物理的に接触させ、該接続界面に存在する空気による反射損失を低減させる、いわゆるフィジカルコンタクトを実現させるために必要である。
従来、チャック状の弾性部材をコイルバネを用いて締め付けると同時に光ファイバの軸方向の押圧力を同時に発生させて光ファイバを固定する技術が知られている。例えば、ハウジングと;このハウジングの内側に配置される中空体保持部材と;光ファイバ保持溝あるいは光ファイバ保持孔を有し、先端から光ファイバの光軸方向に沿って外周が小さくなるテーパー面を外周面に備える前方部と、光ファイバ貫通孔を備える管状後方部とからなり、前記中空体保持部材の内側に配置される光ファイバ保持部材と;前記光ファイバ保持部材に嵌入して前記前方部の前記テーパー面に摺接して配置され、前記前方部の先端方向に向かうに従い、前記前方部を締めつける環状部材と;前記中空体保持部材の内側に、前記環状部材と隣接して配置され、前記中空体保持部材から前記環状部材に対して付勢することで、前記環状部材を介して前記前方部を押圧して締めつける弾性部材と;を備えることを特徴とする光コネクタが挙げられる(特開2001−249251号公報参照。)。
該光コネクタは、光ファイバ端面の位置決め精度が高く、例えば、石英製光ファイバ等の高い位置決め精度が要求される光コネクタとしての利用価値は非常に高い。しかし、該光コネクタは、光ファイバ端面の高い位置決め精度を実現させるため、光ファイバを保持する機能を発揮する部材と光ファイバを押圧する機能を発揮する部材とを別体として備えるものであり、部品点数が多く部品コストが高くなり、また該光コネクタの組み立て作業性に劣るという欠点がある。また、該光コネクタは近年の光コネクタに要求される構造の簡素化を十分に満足できない場合もある。
光コネクタとして、上記光コネクタの他に、例えば、基体と、前記基体の表面上に置かれる光ファイバの上方に配置され、その光ファイバの長さ方向に沿って湾曲し、かつ、光ファイバの表面に接触可能な延在部分と、その延在部分に接続され、前記基体から離れた離隔部分とを含む板状弾性部材と、光ファイバの上方で、前記板状弾性部材の離隔部分に接触可能であり、かつ、前記基体に固定可能な押圧部材とを備え、前記押圧部材が前記板状弾性部材の離隔部分に接触することにより、前記板状弾性部材の延在部分が光ファイバに接触して、その光ファイバに弾性力を加えることが可能な、光ファイバ保持装置が挙げられる(特開2000−321466号公報参照。)。
該光コネクタは、光ファイバの上方から板状弾性部材を押し付けることによって光ファイバを保持するものであるが、上記した光ファイバをその長軸方向に押圧する機能を備えるものではない。そのため、安定した接続(低接続損失)を実現できず、これを実現するためには、該光コネクタの他に別途上記押圧する機能を発揮する部材、例えば、コイルバネ等を必要とし、やはり部品点数が多くなり部品コストが高くなるという欠点がある。
また、該光コネクタは、押圧部材に接触することにより弾性部材の延在部分が湾曲することを利用してファイバを保持するものであるため、コネクタ内に空隙が多く存在しコネクタ自体が比較的大きなものになり、近年の光コネクタに要求される小型化を十分に満足できない。
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、光コネクタの部品点数の削減、それに伴う部品コストの削減、構造の簡素化による小型化および組み立作業の簡便性を実現する光コネクタを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意検討したところ、光ファイバを固定する部材と光ファイバをその長軸方向(接続端面方向、図1において矢印aの方向)に付勢する部材とを単一部材とすればよいことを知見した。
すなわち、本発明は、ハウジングと;1または複数の貫通孔を有する光ファイバ位置決め部と、前記貫通孔に連通する光ファイバ保持溝を有する(前記光ファイバ位置決め部よりも肉薄に形成される)光ファイバ保持部とを備える、前記ハウジングに収容される基材と;前記光ファイバ保持溝に沿って導入される光ファイバと前記光ファイバ保持部を挟圧保持して前記光ファイバを前記光ファイバ保持部に保持固定し、前記基材と一体となって前記ハウジングに収容され該基材を光ファイバの長軸方向に付勢する弾性部材と;を備える光コネクタを提供する。
なお、本発明の光コネクタは、上記構成を有すれば、それ以外の構成は特に限定されない。
ここで、前記弾性部材は、上記した光ファイバを保持固定する機能と基材を所定方向へ押圧する機能とを発揮するものであれば、特にその形状等は限定されない。例えば、上記保持固定する機能を発揮する構造としては、光ファイバと光ファイバ保持部をそれらの長手方向から、または該方向に対して直角方向から挟持するクリップ構造等が挙げられる。また、上記押圧する機能を発揮する材質、構造としては、例えば、ゴム等の弾性体、これらの弾性体を備える構造、板状体等を蛇腹状等に成形した構造等が挙げられる。
上記保持固定する機能により光ファイバを所望の位置に固定でき、該位置のズレによる接続損失を抑制でき、また上記押圧する機能の発揮により光ファイバ同士の当接が確実に維持され当接界面に空気が侵入することによる接続損失を抑制できる。また、上記両機能を同時に発揮させることにより、光コネクタの部品点数の削減、構造の簡素化およびそれによる光コネクタの小型化、ならびに光コネクタの組み立て作業の簡便性をいずれも実現できる。
本発明の光コネクタにおいては、上記両機能を発揮する前記弾性部材が、板状体を弾性変形可能に折り曲げることにより形成される、一対の挟持部および光ファイバ挿通孔を有し前記一対の挟持部を連結する連結部を有する挟圧保持部と;前記連結部に設けられ、前記ハウジングに収容された際に弾性変形する付勢部と;を備える弾性部材であるのが、該弾性部材の製造コストをより低減でき、光コネクタのさらなる小型化が可能である点で好ましい。
前記挟圧保持部は、連結部が両端部(挟持部の端部)において前記一対の挟持部のヒンジとして機能し、前記一対の挟持部が弾性変形し所望の挟圧保持力を持つように所望の曲率で構成される構造であれば、他の構成は特に限定されない。
前記付勢部は、弾性変形して付勢力を発生する材質または構造であればよく、例えば、前記連結部の両側部に向かい合って設けられる一対の板状部材のそれぞれの長手方向略中央部を、これらの板状部材の先端方向に向かって狭窄するように内側に折り曲げられて形成される構造、該一対の板状部材をそれぞれ蛇腹状に形成される構造等が挙げられる。
上記基材の所定方向への押圧は、弾性部材の付勢部がハウジングの後部側面(の内面)に当接して弾性変形するように該ハウジング内に収納されるため、該付勢部に所定方向の反発力(押圧力)が発生し、該反発力が該弾性部材によって一体となった基材を所定の方向に押圧することにより生じる。
本発明の光コネクタにおいては、前記ハウジングが、一端が開口し他端に1または複数の光ファイバ挿通孔を有し、その中空内部の所定位置に係合部を有する筐体であり;前記光ファイバ位置決め部が、前記ハウジングの係合部と係合する係合部を有するのが好ましい。この構成にすることにより、各部材をハウジングに収納しやすくなり、組み立て効率に優れる。前記係合部は、上記基材への押圧が可能となる位置に設けられ、例えば、係合ピンと係合凹部、凸状突起と段差部等の組合せ等が好ましい。
本発明の光コネクタは、上記した構成とされるが、さらに、前記光ファイバと前記弾性部材の挟持部との間に押さえ部材を備えるのが、光ファイバと該押さえ部材との接触面積が大きくなり、より強固に該光ファイバを保持固定できる点で好ましい。また、上記構成とすることにより、挟圧保持力のばらつきを整えることができる上、接触面積の増大により保持部での光ファイバの局所的な曲げ半径が大きくなり、保持部での光の減衰を低減させることもできる。
前記基材の光ファイバ保持溝の断面形状は、矩形、半円形、楕円形、U字形、V字形のいずれであってもよいが、V字形であるのが、光ファイバとの接触数が多く安定性が増大し該ファイバを確実に挟圧保持できるため好ましい。
前記光ファイバは、石英製、プラスチック製等のいずれであってもよいが、弾性力に富んでいるプラスチック製であるのが、上記挟圧保持による損傷を防止できる点で好ましい。また、本発明の光コネクタを装着される光ケーブルは、光ファイバを複数有するものが好ましく、2本有するものがより好ましい。
前記基材を構成する樹脂の熱膨張率と前記光ファイバを構成する樹脂の熱膨張率との差が10%以下であるのが、ヒートサイクルにより発生する熱膨張の変化に起因する光ファイバおよび光ファイバ位置決め部のズレを防止でき接続損失を抑制できる点で好ましい。
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意検討したところ、光ファイバを固定する部材と光ファイバをその長軸方向(接続端面方向、図1において矢印aの方向)に付勢する部材とを単一部材とすればよいことを知見した。
すなわち、本発明は、ハウジングと;1または複数の貫通孔を有する光ファイバ位置決め部と、前記貫通孔に連通する光ファイバ保持溝を有する(前記光ファイバ位置決め部よりも肉薄に形成される)光ファイバ保持部とを備える、前記ハウジングに収容される基材と;前記光ファイバ保持溝に沿って導入される光ファイバと前記光ファイバ保持部を挟圧保持して前記光ファイバを前記光ファイバ保持部に保持固定し、前記基材と一体となって前記ハウジングに収容され該基材を光ファイバの長軸方向に付勢する弾性部材と;を備える光コネクタを提供する。
なお、本発明の光コネクタは、上記構成を有すれば、それ以外の構成は特に限定されない。
ここで、前記弾性部材は、上記した光ファイバを保持固定する機能と基材を所定方向へ押圧する機能とを発揮するものであれば、特にその形状等は限定されない。例えば、上記保持固定する機能を発揮する構造としては、光ファイバと光ファイバ保持部をそれらの長手方向から、または該方向に対して直角方向から挟持するクリップ構造等が挙げられる。また、上記押圧する機能を発揮する材質、構造としては、例えば、ゴム等の弾性体、これらの弾性体を備える構造、板状体等を蛇腹状等に成形した構造等が挙げられる。
上記保持固定する機能により光ファイバを所望の位置に固定でき、該位置のズレによる接続損失を抑制でき、また上記押圧する機能の発揮により光ファイバ同士の当接が確実に維持され当接界面に空気が侵入することによる接続損失を抑制できる。また、上記両機能を同時に発揮させることにより、光コネクタの部品点数の削減、構造の簡素化およびそれによる光コネクタの小型化、ならびに光コネクタの組み立て作業の簡便性をいずれも実現できる。
本発明の光コネクタにおいては、上記両機能を発揮する前記弾性部材が、板状体を弾性変形可能に折り曲げることにより形成される、一対の挟持部および光ファイバ挿通孔を有し前記一対の挟持部を連結する連結部を有する挟圧保持部と;前記連結部に設けられ、前記ハウジングに収容された際に弾性変形する付勢部と;を備える弾性部材であるのが、該弾性部材の製造コストをより低減でき、光コネクタのさらなる小型化が可能である点で好ましい。
前記挟圧保持部は、連結部が両端部(挟持部の端部)において前記一対の挟持部のヒンジとして機能し、前記一対の挟持部が弾性変形し所望の挟圧保持力を持つように所望の曲率で構成される構造であれば、他の構成は特に限定されない。
前記付勢部は、弾性変形して付勢力を発生する材質または構造であればよく、例えば、前記連結部の両側部に向かい合って設けられる一対の板状部材のそれぞれの長手方向略中央部を、これらの板状部材の先端方向に向かって狭窄するように内側に折り曲げられて形成される構造、該一対の板状部材をそれぞれ蛇腹状に形成される構造等が挙げられる。
上記基材の所定方向への押圧は、弾性部材の付勢部がハウジングの後部側面(の内面)に当接して弾性変形するように該ハウジング内に収納されるため、該付勢部に所定方向の反発力(押圧力)が発生し、該反発力が該弾性部材によって一体となった基材を所定の方向に押圧することにより生じる。
本発明の光コネクタにおいては、前記ハウジングが、一端が開口し他端に1または複数の光ファイバ挿通孔を有し、その中空内部の所定位置に係合部を有する筐体であり;前記光ファイバ位置決め部が、前記ハウジングの係合部と係合する係合部を有するのが好ましい。この構成にすることにより、各部材をハウジングに収納しやすくなり、組み立て効率に優れる。前記係合部は、上記基材への押圧が可能となる位置に設けられ、例えば、係合ピンと係合凹部、凸状突起と段差部等の組合せ等が好ましい。
本発明の光コネクタは、上記した構成とされるが、さらに、前記光ファイバと前記弾性部材の挟持部との間に押さえ部材を備えるのが、光ファイバと該押さえ部材との接触面積が大きくなり、より強固に該光ファイバを保持固定できる点で好ましい。また、上記構成とすることにより、挟圧保持力のばらつきを整えることができる上、接触面積の増大により保持部での光ファイバの局所的な曲げ半径が大きくなり、保持部での光の減衰を低減させることもできる。
前記基材の光ファイバ保持溝の断面形状は、矩形、半円形、楕円形、U字形、V字形のいずれであってもよいが、V字形であるのが、光ファイバとの接触数が多く安定性が増大し該ファイバを確実に挟圧保持できるため好ましい。
前記光ファイバは、石英製、プラスチック製等のいずれであってもよいが、弾性力に富んでいるプラスチック製であるのが、上記挟圧保持による損傷を防止できる点で好ましい。また、本発明の光コネクタを装着される光ケーブルは、光ファイバを複数有するものが好ましく、2本有するものがより好ましい。
前記基材を構成する樹脂の熱膨張率と前記光ファイバを構成する樹脂の熱膨張率との差が10%以下であるのが、ヒートサイクルにより発生する熱膨張の変化に起因する光ファイバおよび光ファイバ位置決め部のズレを防止でき接続損失を抑制できる点で好ましい。
図1は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態を示す組み立てられた光コネクタの概略を示す斜視透視図である。
図2は、図1のA−A’断面図である。
図3は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態に用いられる弾性部材の概略を示す斜視図である。
図4は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態に用いられる基材の概略を示す斜視図である。
図5は、本発明の光コネクタの第2態様の実施形態に用いられるハウジングの概略を示す断面図である。
図6は、本発明の光コネクタの第3態様の実施形態を示す組み立てられた光コネクタの図1におけるA−A’断面図である。
図7は、本発明の光コネクタの第4態様の実施形態に用いられる基材の概略を示す斜視図である。
図2は、図1のA−A’断面図である。
図3は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態に用いられる弾性部材の概略を示す斜視図である。
図4は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態に用いられる基材の概略を示す斜視図である。
図5は、本発明の光コネクタの第2態様の実施形態に用いられるハウジングの概略を示す断面図である。
図6は、本発明の光コネクタの第3態様の実施形態を示す組み立てられた光コネクタの図1におけるA−A’断面図である。
図7は、本発明の光コネクタの第4態様の実施形態に用いられる基材の概略を示す斜視図である。
1:光コネクタ、 5:光ファイバ、 10:ハウジング、
20:基材、 21:光ファイバ位置決め部、 22:貫通孔、
31:光ファイバ保持部、 32:光ファイバ保持溝、
50:弾性部材、 51:挟圧保持部、 52:挟持部、 56:連結部、
57:光ファイバ挿通孔、 60:付勢部。
20:基材、 21:光ファイバ位置決め部、 22:貫通孔、
31:光ファイバ保持部、 32:光ファイバ保持溝、
50:弾性部材、 51:挟圧保持部、 52:挟持部、 56:連結部、
57:光ファイバ挿通孔、 60:付勢部。
以下、本発明の光コネクタについて、添付の図面に示される好適な実施形態を基に詳細に説明するが、本発明はこれらの好適な実施形態に限定されない。
本発明の第1態様の実施形態における光コネクタ1は、ハウジング10と基材20と弾性部材50とを備える。以下、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態を示す組み立てられた光コネクタの概略を示す斜視透視図である。図2は、図1のA−A’断面図である。図3は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態に用いられる弾性部材の概略を示す斜視図である。図4は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態に用いられる基材の概略を示す斜視図である。図1〜図4において、1は光コネクタ、5は光ファイバ、10はハウジング、11は後部側面、12は光ファイバ挿通孔、13は係合突条、20は基材、21は光ファイバ位置決め部、22は貫通孔、23は係合段差部、24は端面、25は光ファイバ位置決め部後端面、31は光ファイバ保持部、32は光ファイバ保持溝、33は案内面、35は光ファイバ保持部後端面、50は弾性部材、51は挟圧保持部、52は挟持部、53は突条、54は先端、55は端部、56は連結部、57は光ファイバ挿通孔、58は側部、60は付勢部ならびに61は先端である。
弾性部材50は、光ファイバ保持溝32に沿って導入される光ファイバ5と光ファイバ保持部31を挟圧保持して該光ファイバ5を該光ファイバ保持部31に保持固定する機能と、ハウジング10に収納された際に基材20を該光ファイバ5の長軸方向に押圧する機能とを有する。
本発明の第1態様の実施形態では、上記両機能を発揮する弾性部材として、板状体を弾性変形可能に折り曲げることにより形成される、一対の挟持部52および光ファイバ挿通孔57を有し該一対の挟持部52を連結する連結部56を有する挟圧保持部51と、該連結部56の両側部58に設けられ、ハウジング10に収容された際に弾性変形する付勢部60とを備えるクリップ構造を持つ弾性部材50を用いている。
弾性部材50の挟圧保持部51を形成する一対の挟持部52は、光ファイバ保持部31と光ファイバ5を挟圧保持するため、それぞれの挟持部52がその連結部56側の端部55から先端54に向かって互いに漸次接近するように、板状体を弾性変形可能に折り曲げ該連結部56に対して傾斜した状態で形成されている。そして、漸次接近した一対の挟持部52が(弾性変形され)拡開されると該挟圧保持部51に所定の挟圧保持力が発生し、該挟圧保持部51により光ファイバ5と光ファイバ保持部31が挟圧保持される。
一対の挟持部52は、光ファイバ5が複数存在する場合にも該光ファイバ5と均一に接し光ファイバ5に対する挟圧保持力を均一にし特定の光ファイバ5への挟圧保持力の集中を避けるため、該挟持部52を所定の位置で互いに離間する方向に折り曲げて光ファイバの長軸方向と略直角方向に伸びる、その先端面がほぼ円弧状の突条(折り曲げ部)53が形成されている。
なお、本発明の光コネクタにおいては、上記折り曲げてなる突条53の代わりに、所定の位置で挟持部を互いに接近する方向に湾曲させて突条を形成してもよく、また、光ファイバに接し該光ファイバを挟圧保持する一方の挟持部にのみ上記突条が形成されてもよい。さらに、上記突条を形成させることなく、挟持部52が弾性変形して、それらの内面の一部または全体が光ファイバ5または光ファイバ保持部31に接触する構造としてもよい。
光ファイバ保持部31に弾性部材50を圧入するときの作業性を考慮して、挟持部52はそれぞれ上記突条53の先端側付近から挟持部52の先端54に向かって漸次離間されて形成されることも好ましい。
弾性部材50の挟圧保持部51を形成する連結部56は、挟持部52の弾性変形により所望の挟圧保持力が得られるように所望の曲率で形成されている。該連結部56の高さ方向の長さは、光ファイバ保持部31の厚さより長く設定されている。
また該連結部56には、光ファイバ5を挿通する光ファイバ挿通孔57が光ファイバ保持溝32に対応する位置に、該保持溝32と同数穿設されている。これにより弾性部材50は光ファイバ保持部31の後方から光ファイバ5の長軸方向に向かって圧入され光ファイバ5と光ファイバ保持部31を挟持することができ、弾性部材50の構造を簡略化できる上、光コネクタ1の組み立て作業が容易になる。
なお、上記光ファイバ挿通孔57は、光ファイバの本数と同数または異数穿設されてよく、また、該光ファイバ挿通孔57を拡径して開口部として設け該開口部に複数の光ファイバを挿通する構造としてもよい。
第1態様の実施形態において、基材20に弾性部材50を圧入すると、該挟圧保持部51は、上記挟持部52の先端54が光ファイバ位置決め部後端面25と当接し、基材20と弾性部材50とがより強固に一体化され、上記光ファイバの長軸方向の押圧力をより効果的に基材20に伝えることができる。
なお、本発明の光コネクタにおいては、上記弾性部材50の挟圧保持力が十分に強ければ上記当設はしなくてもよいが、上記効果を得るためには当接させるのが好ましい。上記した先端54と光ファイバ位置決め部後端面25とが当接する構造の代わりに、連結部56の内面と光ファイバ保持部後端面35とが当設する構造としてもよく、これら双方が共に当設する構造としてもよい。
弾性部材50の付勢部60は、該連結部56の両側部58に一対の板状部材として設けられ、それぞれの長手方向略中央部を、これらの板状部材の先端方向に向かって狭窄するように内側に折り曲げられて形成されている。これにより、均一な付勢力が得られ、該付勢部の成形が容易であり部品コストを低減できる。
なお、該付勢部60は、連結部56のいずれの位置に設けられてもよく、またその数も特に限定されず、その形状も弾性変形して付勢できるものであれば特に限定されない。
該付勢部60の長さは、後述するハウジング10に収納されると、該付勢部60の先端61が該ハウジングの後部側面11の内面に当接し、かつ、該付勢部60が弾性変形する程度の長さに設定される。
弾性部材50において、光ファイバ5と光ファイバ保持部31を挟圧保持する挟圧保持力は光ファイバ5を保持固定でき該光ファイバ5を傷つけない圧力に設定される。
基材20は、光ファイバ位置決め部21と該光ファイバ位置決め部21よりも薄肉に形成される略平型の光ファイバ保持部31とを有する。該光ファイバ保持部31の厚さは、その案内面33の位置が光ファイバ位置決め部21に穿設される貫通孔22の略中央になるように調整される。
基材20の光ファイバ位置決め部21は、所望の位置に設けられる、光ファイバ5が挿入される2以上の貫通孔22が該光ファイバ5に応じて穿設されている。該貫通孔22は、光ファイバ位置決め部21の端面24方向に向かって内径を漸減させ端面24で該光ファイバ5の直径とほぼ同じ内径となるように穿設され、光ファイバ位置決め部21の端面24における光ファイバ5の位置ズレを防止している。該貫通孔22の断面形状は、特に限定されないが、端面24近傍では円形とされるのが光ファイバ5の位置ズレを防止できる点で好ましい。
該光ファイバ位置決め部21の所望の位置には、後述するハウジング10の係合突条13と係合し基材20の長手方向の極度の動きを規制する係合段差部23が肉厚に形成されている。該係合段差部23は組み立て作業の容易性のため面取りしてある。
基材20の光ファイバ保持部31は、上記弾性部材50の挟持部52による挟圧保持力を確実に受けるため、その上面(案内面33)および下面は平面とされており、その断面形状は矩形とされている。
光ファイバ保持部31には、該保持部31の案内面33(挟持部52が摺動する摺動面)上に、貫通孔22に連通して光ファイバ保持溝32が形成されている。該光ファイバ保持溝32の断面形状はV字型に形成され、その深さは上記貫通孔22と一致している。このように構成することにより、該光ファイバ保持溝32は、光コネクタ組み立て時の光ファイバ5の上記貫通孔22への挿入を案内し、案内された光ファイバ5の位置ズレを防止する。特に、その断面形状をV字型とすることにより光ファイバ5を該溝と挟持部52とで3点挟持できるため挟圧保持の安定性が増大する。
ハウジング10は、一端が開口し他端に1または複数の光ファイバ挿通孔を有し、基体20と弾性部材50を収納できる中空空間を有する筐体であり、付勢部60を弾性変形させて収納できるように所定の位置に基体20の光ファイバ位置決め部21の係合段差部23と係合する、その先端面が略円弧状である係合突条13が設けられている。また、ハウジング10の後部側面11には、光ファイバ挿通孔12が光ファイバ5に応じて穿設されている。
第1態様の実施形態では、ハウジング10、光ファイバ位置決め部21はそれらの断面形状を矩形としているが、この形状に特に限定されず、半円形、円形、楕円形等にしてもよい。
ハウジング10と基材20とは、樹脂材料、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、PBT樹脂等によって成形されるのが好ましい。樹脂材料を用いることで、例えば、プラスチックファイバ等と同様の圧縮特性を持ち、光ファイバ5の傷つきや凹みを防止できる。
弾性部材50は、同様に樹脂等によって成形されてもよく、強い挟圧保持力を必要とする場合には、一枚の板状体(例えば、鋼板、金属板等)を折り曲げて成形してもよい。
本発明の光コネクタ1においては、弾性部材50がその挟持部52で光ファイバ5と光ファイバ保持部31を挟圧保持して、基材20の後部(光ファイバ保持部31を囲むよう)に該弾性部材50が配置され該基材20と該弾性部材50が一体とされる。そして、弾性部材50の付勢部60がハウジング10の後部側面11(の内面)に当接して弾性変形するように該ハウジング10内に収納されるため、該付勢部60に所定方向の反発力が発生し該弾性部材50によって一体となった基材20を所定の方向に押圧する。これにより光コネクタ1において光ファイバ長軸方向の押圧力が生じ、該押圧力に反して光コネクタ同士を接続すると、接続面が弾性的に強固に当接され接続損失を抑えることができる。
図5は、本発明の光コネクタの第2態様の実施形態に用いられるハウジングの概略を示す断面図である。図5において、14はハウジング前部、15はハウジング後部であり、図1〜図4と同一の符号は同一の部材を表す。
第2態様の実施形態は、ハウジング10と基材20と弾性部材50とを備える点で本発明の第1態様の実施形態と同様であるが、ハウジング10が、一端が開口し他端(後部側面)に1または複数の光ファイバ挿通孔を有し内部が中空であるハウジング後部15と、両端が開口しハウジング後部と係合するハウジング前部14とからなる分割構造である点で異なる。このような構成とすることにより、光コネクタ1の組み立て作業が容易になることもある。
上記ハウジング10は、ハウジング前部14と後部15の分割構造としたが、一端が開口し内部が中空であるハウジング上部と、一端が開口し他端に1または複数の光ファイバ挿通孔を有し内部が中空であるハウジング下部とからなる、上部と下部の分割構造としてもよい。
該ハウジング10は、ハウジング前部14とハウジング後部15とが係合する係合部をそれぞれ有する。第2態様のハウジングは、図示しない弾性係合ラッチと該ラッチに係合する係合肩とによって互いに係合して一体化される。該係合部は、上記弾性係合ラッチと係合肩に限られず、例えば、圧入ポストと係合孔であってもよい。
図6は、本発明の光コネクタの第3態様の実施形態を示す組み立てられた光コネクタの図1におけるA−A’断面図である。図6において、70は押さえ部材であり、図1〜図4と同一の符号は同一の部材を表す。
本発明の光コネクタの第3態様の実施形態は、ハウジング10と基材20と弾性部材50と押さえ部材70とを備える。
第3態様の実施形態に用いられる押さえ部材70は、光ファイバ保持溝32に導入された光ファイバ5上に載置され、弾性部材50の挟持部52により光ファイバ保持部31、光ファイバ5と共に挟圧保持される。これにより該光ファイバ5をより効果的に保持固定でき、挟圧保持力のばらつきを抑えることができる上、挟圧保持による光の減衰を低減させることもできる。
該抑え部材70の大きさ等は特に限定されず、該押さえ部材70は上記基材20等と同様に樹脂材料、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、シリコーン樹脂等によって成形されるのが好ましいが、ウレタン樹脂等の軟質樹脂で成形されてもよい。
図7は、本発明の光コネクタの第4態様の実施形態に用いられる基材の概略を示す斜視図である。図7において、34は突条であり、図1〜図4と同一の符号は同一の部材を表す。
第4態様の実施形態では、基材20の光ファイバ保持部31の案内面33の両側部に、光ファイバ保持溝32に沿って伸びる突条34が形成されている。該突条34により、挟持部52の圧入が案内される上、圧入後に弾性部材50の動きを規制できる。なお、上記突条34の他に、1以上の突起を設けてもよく、また、挟持部52の両先端にピン等を設け案内面33に設けた孔等に係合させる構造としてもよい。
以上、本発明の光コネクタ1の代表的な実施形態を説明したが、本発明の光コネクタは、これらに限定されず、また、上記実施形態を複数組合せた光コネクタとしてもよい。
本発明の光コネクタは、上記のように構成され、光ファイバをその長軸方向に対して垂直方向に挟圧保持して固定する構造であるため、該コネクタにより接続される光ファイバは弾性を有するものが保持力に優れ光ファイバの傷つきを防止できて好ましい。
つまり、本発明の光コネクタにより接続される光ファイバは、全体がプラスチック材料からなる光ファイバ、例えば、全フッ素プラスチック光ファイバ、また外層がプラスチック材料からなる光ファイバ、例えば、石英光ファイバの外周をポリマ材料で被覆したPCF(ポリマクラッドファイバ)が好適に用いられる。なお、上記挟圧保持力を調整することにより、もちろん、従来の石英光ファイバを用いることもできる。
また本発明の光コネクタは、SC型光コネクタやFC型光コネクタに用いられるばかりでなく、LC型光コネクタ、MU型光コネクタ、MT−RJ型光コネクタ等に用いられてもよい。
上記したように、本発明の光コネクタ1のハウジング10、基材20、押さえ部材70は、樹脂材料によって成形されるのが好ましい。この場合、樹脂材料は温度変化に対して熱膨張するため、精度の高い光ファイバの位置決めを実現し接続を安定させるには、少なくとも上記基材20の光ファイバ位置決め部21の端面24に穿設される貫通孔22と、光ファイバ5の端面とが位置ズレしないことが求められる。したがって、本発明の光コネクタにおいては、基材を構成する樹脂の熱膨張率と光ファイバを構成する樹脂の熱膨張率がほぼ同じ値であるのが好ましく、具体的には、基材を構成する樹脂の熱膨張率と光ファイバを構成する樹脂の熱膨張率との差が10%以下であるのが好ましく、5%以下であるのがより好ましい。なお、本発明において、熱膨張率は長さの変化に対する線膨張率βで評価する。
次に、2心の光ファイバを用いた本発明の光コネクタ1の組み立てについて、上記第1態様の実施形態に基づいて説明する。
まず、本発明の光コネクタ1に用いる光ケーブルの光ファイバ5をそれぞれ、ハウジング10の後部側面11側から該側面11に穿設された光ファイバ挿通孔12に挿通し、弾性部材50についても同様に、付勢部60側から光ファイバ5を光ファイバ挿通孔57に挿通する。
次に、光ファイバ5の端部をそれぞれ、基材20の光ファイバ保持部31に設けられた光ファイバ保持溝32に案内し、該溝32に従って光ファイバ位置決め部21に穿設された貫通孔22に光ファイバ5を貫通させる。このとき、光ファイバ5の端面を光ファイバ位置決め部21の端面24より突出させる。
光ファイバ5が光ファイバ保持溝32に案内された状態を維持しながら、光ファイバ5に挿通された弾性部材50を光ファイバ5の長軸方向に移動させ、光ファイバ保持部31の後端面35に挟持部52の離間した先端54を位置させる。弾性部材50を光ファイバ5の長軸方向にさらに移動させる(押圧する)に従い該後端面35によって挟圧保持力に反して先端54が互いに離間される。さらに、弾性部材50を同方向に押圧すると、挟持部52の突条53は光ファイバ保持部31の案内面33(光ファイバ5)および下面を摺動して、最終的には、上記挟持部52の先端54と光ファイバ位置決め部後端面25が当接されて、光ファイバ5と光ファイバ保持部31の挟圧保持が完了する。これにより、光ファイバ5が保持固定され、基材20と弾性部材50が一体になる。
その後、光ファイバ5に挿通されたハウジング10を光ファイバ5の長軸方向に移動させ、一体となった基材20と弾性部材50をハウジング10の中空内部に挿入する。このとき弾性部材50の付勢部60はハウジング10の後部側面11に当接していない。一体となった基材20と弾性部材50をハウジング10内に引き続き挿入すると、該付勢部60の先端61が該後部側面11の内面に当接し該付勢部60が該内面により圧縮されて光ファイバ5の長軸方向の反発力が生じる。該反発力に逆らって一体となった基材20と弾性部材50をさらに圧入し、ハウジング10の係合突条13と基材20の係合段差部23を係合させる。
最後に、光ファイバ位置決め部21の端面24より突出された光ファイバ5の端面を、該端面24と面一になるように端面処理(切断、研磨)して本発明の光コネクタの組み立てが終了する。
上記第2態様〜第4態様においても、基本的に上記第1態様と同様の方法により組み立てることができる。
組み立てられた本発明の光コネクタは、他の光ファイバの端面と接触状態を保って接続される。
接続手段としては、例えば、接続される一方のハウジング10の端面近傍に弾性係合ラッチを設け、他方のハウジング10の端面近傍に該ラッチに係合する係合肩を設けて接続されてもよく、また、上記弾性係合ラッチおよび係合肩の代わりに、圧入ポストおよび係合孔等の係合手段を設けて接続されてもよい。または、一方のハイジング10を係合手段を持つオス型に成形し、他方のハウジング10を同様にメス型に成形し該オス型−メス型を係合させ接続させてもよく、双方のハウジングをオス型またはメス型に成形し、メス型またはオス型を2以上成形されたアダプタ等を介して同様に係合させ接続させてもよい。さらには、上記手段を可能な限り組合せることもできる。
なお、本発明の光コネクタのハウジング10同士の接続手段について説明したが、従来の光コネクタに上記接続手段を設ければ本発明の光コネクタと接続させることもでき、本発明の光コネクタは、本発明の光コネクタ同士の接続に限られない。
このようにして接続された本発明の光コネクタは、弾性部材50による押圧力によって互いに他方の基材20を弾性的に押圧する。このとき、基材20は、それぞれ、その弾性部材50の押圧力と反対方向に押圧されるため、基材20がハウジング10内に該方向に挿入され、ハウジング10の係合突条13と基材20の係合段差部23を係合が解除される。該係合が解除されると、双方の基材20の動きが規制されず、光コネクタや光ファイバ等の動きに対しても端面24同士の弾性的な接続が十分に維持される。
上記したように、光ファイバ保持部31を弾性部材50のクリップ状の挟圧保持部51で上下から挟圧保持し、かつ、ハウジング10の後部側面11の内面により付勢部60が弾性変形される位置に弾性部材50を配置することにより、光ファイバ5を確実に保持固定できる上、光ファイバ5の長手方向の押圧力を発生させられるため、本発明の光コネクタを装着された光ファイバを弾力的に接続させることができ接続損失を抑えられる。
また、単純な構造で上記両機能を発揮する弾性部材50を用いることにより、光コネクタの部品点数の削減、それに伴う部品コストの削減、構造の簡素化による小型化および組み立作業の簡便性を実現できる。したがって、本発明の光コネクタは簡易接続に特に好適である。
産業上の利用の可能性
このように、光ファイバを基材と共に挟圧保持することによる光ファイバの保持固定と、ハウジングと共に弾性部材を圧縮することによる基材の所定方向への押圧とを可能とする弾性部材を用いる本発明の光コネクタは、光コネクタの部品点数の削減が可能となり、それに伴う部品コストの削減も大きく期待できる。また、部品点数が少ないため構造が簡素であり光コネクタの小型化もできるし、組み立て時間の短縮および組み立作業の簡便性を実現できる。さらに接続損失を抑えることもでき、光コネクタ、特に簡易接続用光コネクタとして利用価値が大きい。
本発明の第1態様の実施形態における光コネクタ1は、ハウジング10と基材20と弾性部材50とを備える。以下、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態を示す組み立てられた光コネクタの概略を示す斜視透視図である。図2は、図1のA−A’断面図である。図3は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態に用いられる弾性部材の概略を示す斜視図である。図4は、本発明の光コネクタの第1態様の実施形態に用いられる基材の概略を示す斜視図である。図1〜図4において、1は光コネクタ、5は光ファイバ、10はハウジング、11は後部側面、12は光ファイバ挿通孔、13は係合突条、20は基材、21は光ファイバ位置決め部、22は貫通孔、23は係合段差部、24は端面、25は光ファイバ位置決め部後端面、31は光ファイバ保持部、32は光ファイバ保持溝、33は案内面、35は光ファイバ保持部後端面、50は弾性部材、51は挟圧保持部、52は挟持部、53は突条、54は先端、55は端部、56は連結部、57は光ファイバ挿通孔、58は側部、60は付勢部ならびに61は先端である。
弾性部材50は、光ファイバ保持溝32に沿って導入される光ファイバ5と光ファイバ保持部31を挟圧保持して該光ファイバ5を該光ファイバ保持部31に保持固定する機能と、ハウジング10に収納された際に基材20を該光ファイバ5の長軸方向に押圧する機能とを有する。
本発明の第1態様の実施形態では、上記両機能を発揮する弾性部材として、板状体を弾性変形可能に折り曲げることにより形成される、一対の挟持部52および光ファイバ挿通孔57を有し該一対の挟持部52を連結する連結部56を有する挟圧保持部51と、該連結部56の両側部58に設けられ、ハウジング10に収容された際に弾性変形する付勢部60とを備えるクリップ構造を持つ弾性部材50を用いている。
弾性部材50の挟圧保持部51を形成する一対の挟持部52は、光ファイバ保持部31と光ファイバ5を挟圧保持するため、それぞれの挟持部52がその連結部56側の端部55から先端54に向かって互いに漸次接近するように、板状体を弾性変形可能に折り曲げ該連結部56に対して傾斜した状態で形成されている。そして、漸次接近した一対の挟持部52が(弾性変形され)拡開されると該挟圧保持部51に所定の挟圧保持力が発生し、該挟圧保持部51により光ファイバ5と光ファイバ保持部31が挟圧保持される。
一対の挟持部52は、光ファイバ5が複数存在する場合にも該光ファイバ5と均一に接し光ファイバ5に対する挟圧保持力を均一にし特定の光ファイバ5への挟圧保持力の集中を避けるため、該挟持部52を所定の位置で互いに離間する方向に折り曲げて光ファイバの長軸方向と略直角方向に伸びる、その先端面がほぼ円弧状の突条(折り曲げ部)53が形成されている。
なお、本発明の光コネクタにおいては、上記折り曲げてなる突条53の代わりに、所定の位置で挟持部を互いに接近する方向に湾曲させて突条を形成してもよく、また、光ファイバに接し該光ファイバを挟圧保持する一方の挟持部にのみ上記突条が形成されてもよい。さらに、上記突条を形成させることなく、挟持部52が弾性変形して、それらの内面の一部または全体が光ファイバ5または光ファイバ保持部31に接触する構造としてもよい。
光ファイバ保持部31に弾性部材50を圧入するときの作業性を考慮して、挟持部52はそれぞれ上記突条53の先端側付近から挟持部52の先端54に向かって漸次離間されて形成されることも好ましい。
弾性部材50の挟圧保持部51を形成する連結部56は、挟持部52の弾性変形により所望の挟圧保持力が得られるように所望の曲率で形成されている。該連結部56の高さ方向の長さは、光ファイバ保持部31の厚さより長く設定されている。
また該連結部56には、光ファイバ5を挿通する光ファイバ挿通孔57が光ファイバ保持溝32に対応する位置に、該保持溝32と同数穿設されている。これにより弾性部材50は光ファイバ保持部31の後方から光ファイバ5の長軸方向に向かって圧入され光ファイバ5と光ファイバ保持部31を挟持することができ、弾性部材50の構造を簡略化できる上、光コネクタ1の組み立て作業が容易になる。
なお、上記光ファイバ挿通孔57は、光ファイバの本数と同数または異数穿設されてよく、また、該光ファイバ挿通孔57を拡径して開口部として設け該開口部に複数の光ファイバを挿通する構造としてもよい。
第1態様の実施形態において、基材20に弾性部材50を圧入すると、該挟圧保持部51は、上記挟持部52の先端54が光ファイバ位置決め部後端面25と当接し、基材20と弾性部材50とがより強固に一体化され、上記光ファイバの長軸方向の押圧力をより効果的に基材20に伝えることができる。
なお、本発明の光コネクタにおいては、上記弾性部材50の挟圧保持力が十分に強ければ上記当設はしなくてもよいが、上記効果を得るためには当接させるのが好ましい。上記した先端54と光ファイバ位置決め部後端面25とが当接する構造の代わりに、連結部56の内面と光ファイバ保持部後端面35とが当設する構造としてもよく、これら双方が共に当設する構造としてもよい。
弾性部材50の付勢部60は、該連結部56の両側部58に一対の板状部材として設けられ、それぞれの長手方向略中央部を、これらの板状部材の先端方向に向かって狭窄するように内側に折り曲げられて形成されている。これにより、均一な付勢力が得られ、該付勢部の成形が容易であり部品コストを低減できる。
なお、該付勢部60は、連結部56のいずれの位置に設けられてもよく、またその数も特に限定されず、その形状も弾性変形して付勢できるものであれば特に限定されない。
該付勢部60の長さは、後述するハウジング10に収納されると、該付勢部60の先端61が該ハウジングの後部側面11の内面に当接し、かつ、該付勢部60が弾性変形する程度の長さに設定される。
弾性部材50において、光ファイバ5と光ファイバ保持部31を挟圧保持する挟圧保持力は光ファイバ5を保持固定でき該光ファイバ5を傷つけない圧力に設定される。
基材20は、光ファイバ位置決め部21と該光ファイバ位置決め部21よりも薄肉に形成される略平型の光ファイバ保持部31とを有する。該光ファイバ保持部31の厚さは、その案内面33の位置が光ファイバ位置決め部21に穿設される貫通孔22の略中央になるように調整される。
基材20の光ファイバ位置決め部21は、所望の位置に設けられる、光ファイバ5が挿入される2以上の貫通孔22が該光ファイバ5に応じて穿設されている。該貫通孔22は、光ファイバ位置決め部21の端面24方向に向かって内径を漸減させ端面24で該光ファイバ5の直径とほぼ同じ内径となるように穿設され、光ファイバ位置決め部21の端面24における光ファイバ5の位置ズレを防止している。該貫通孔22の断面形状は、特に限定されないが、端面24近傍では円形とされるのが光ファイバ5の位置ズレを防止できる点で好ましい。
該光ファイバ位置決め部21の所望の位置には、後述するハウジング10の係合突条13と係合し基材20の長手方向の極度の動きを規制する係合段差部23が肉厚に形成されている。該係合段差部23は組み立て作業の容易性のため面取りしてある。
基材20の光ファイバ保持部31は、上記弾性部材50の挟持部52による挟圧保持力を確実に受けるため、その上面(案内面33)および下面は平面とされており、その断面形状は矩形とされている。
光ファイバ保持部31には、該保持部31の案内面33(挟持部52が摺動する摺動面)上に、貫通孔22に連通して光ファイバ保持溝32が形成されている。該光ファイバ保持溝32の断面形状はV字型に形成され、その深さは上記貫通孔22と一致している。このように構成することにより、該光ファイバ保持溝32は、光コネクタ組み立て時の光ファイバ5の上記貫通孔22への挿入を案内し、案内された光ファイバ5の位置ズレを防止する。特に、その断面形状をV字型とすることにより光ファイバ5を該溝と挟持部52とで3点挟持できるため挟圧保持の安定性が増大する。
ハウジング10は、一端が開口し他端に1または複数の光ファイバ挿通孔を有し、基体20と弾性部材50を収納できる中空空間を有する筐体であり、付勢部60を弾性変形させて収納できるように所定の位置に基体20の光ファイバ位置決め部21の係合段差部23と係合する、その先端面が略円弧状である係合突条13が設けられている。また、ハウジング10の後部側面11には、光ファイバ挿通孔12が光ファイバ5に応じて穿設されている。
第1態様の実施形態では、ハウジング10、光ファイバ位置決め部21はそれらの断面形状を矩形としているが、この形状に特に限定されず、半円形、円形、楕円形等にしてもよい。
ハウジング10と基材20とは、樹脂材料、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、PBT樹脂等によって成形されるのが好ましい。樹脂材料を用いることで、例えば、プラスチックファイバ等と同様の圧縮特性を持ち、光ファイバ5の傷つきや凹みを防止できる。
弾性部材50は、同様に樹脂等によって成形されてもよく、強い挟圧保持力を必要とする場合には、一枚の板状体(例えば、鋼板、金属板等)を折り曲げて成形してもよい。
本発明の光コネクタ1においては、弾性部材50がその挟持部52で光ファイバ5と光ファイバ保持部31を挟圧保持して、基材20の後部(光ファイバ保持部31を囲むよう)に該弾性部材50が配置され該基材20と該弾性部材50が一体とされる。そして、弾性部材50の付勢部60がハウジング10の後部側面11(の内面)に当接して弾性変形するように該ハウジング10内に収納されるため、該付勢部60に所定方向の反発力が発生し該弾性部材50によって一体となった基材20を所定の方向に押圧する。これにより光コネクタ1において光ファイバ長軸方向の押圧力が生じ、該押圧力に反して光コネクタ同士を接続すると、接続面が弾性的に強固に当接され接続損失を抑えることができる。
図5は、本発明の光コネクタの第2態様の実施形態に用いられるハウジングの概略を示す断面図である。図5において、14はハウジング前部、15はハウジング後部であり、図1〜図4と同一の符号は同一の部材を表す。
第2態様の実施形態は、ハウジング10と基材20と弾性部材50とを備える点で本発明の第1態様の実施形態と同様であるが、ハウジング10が、一端が開口し他端(後部側面)に1または複数の光ファイバ挿通孔を有し内部が中空であるハウジング後部15と、両端が開口しハウジング後部と係合するハウジング前部14とからなる分割構造である点で異なる。このような構成とすることにより、光コネクタ1の組み立て作業が容易になることもある。
上記ハウジング10は、ハウジング前部14と後部15の分割構造としたが、一端が開口し内部が中空であるハウジング上部と、一端が開口し他端に1または複数の光ファイバ挿通孔を有し内部が中空であるハウジング下部とからなる、上部と下部の分割構造としてもよい。
該ハウジング10は、ハウジング前部14とハウジング後部15とが係合する係合部をそれぞれ有する。第2態様のハウジングは、図示しない弾性係合ラッチと該ラッチに係合する係合肩とによって互いに係合して一体化される。該係合部は、上記弾性係合ラッチと係合肩に限られず、例えば、圧入ポストと係合孔であってもよい。
図6は、本発明の光コネクタの第3態様の実施形態を示す組み立てられた光コネクタの図1におけるA−A’断面図である。図6において、70は押さえ部材であり、図1〜図4と同一の符号は同一の部材を表す。
本発明の光コネクタの第3態様の実施形態は、ハウジング10と基材20と弾性部材50と押さえ部材70とを備える。
第3態様の実施形態に用いられる押さえ部材70は、光ファイバ保持溝32に導入された光ファイバ5上に載置され、弾性部材50の挟持部52により光ファイバ保持部31、光ファイバ5と共に挟圧保持される。これにより該光ファイバ5をより効果的に保持固定でき、挟圧保持力のばらつきを抑えることができる上、挟圧保持による光の減衰を低減させることもできる。
該抑え部材70の大きさ等は特に限定されず、該押さえ部材70は上記基材20等と同様に樹脂材料、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、シリコーン樹脂等によって成形されるのが好ましいが、ウレタン樹脂等の軟質樹脂で成形されてもよい。
図7は、本発明の光コネクタの第4態様の実施形態に用いられる基材の概略を示す斜視図である。図7において、34は突条であり、図1〜図4と同一の符号は同一の部材を表す。
第4態様の実施形態では、基材20の光ファイバ保持部31の案内面33の両側部に、光ファイバ保持溝32に沿って伸びる突条34が形成されている。該突条34により、挟持部52の圧入が案内される上、圧入後に弾性部材50の動きを規制できる。なお、上記突条34の他に、1以上の突起を設けてもよく、また、挟持部52の両先端にピン等を設け案内面33に設けた孔等に係合させる構造としてもよい。
以上、本発明の光コネクタ1の代表的な実施形態を説明したが、本発明の光コネクタは、これらに限定されず、また、上記実施形態を複数組合せた光コネクタとしてもよい。
本発明の光コネクタは、上記のように構成され、光ファイバをその長軸方向に対して垂直方向に挟圧保持して固定する構造であるため、該コネクタにより接続される光ファイバは弾性を有するものが保持力に優れ光ファイバの傷つきを防止できて好ましい。
つまり、本発明の光コネクタにより接続される光ファイバは、全体がプラスチック材料からなる光ファイバ、例えば、全フッ素プラスチック光ファイバ、また外層がプラスチック材料からなる光ファイバ、例えば、石英光ファイバの外周をポリマ材料で被覆したPCF(ポリマクラッドファイバ)が好適に用いられる。なお、上記挟圧保持力を調整することにより、もちろん、従来の石英光ファイバを用いることもできる。
また本発明の光コネクタは、SC型光コネクタやFC型光コネクタに用いられるばかりでなく、LC型光コネクタ、MU型光コネクタ、MT−RJ型光コネクタ等に用いられてもよい。
上記したように、本発明の光コネクタ1のハウジング10、基材20、押さえ部材70は、樹脂材料によって成形されるのが好ましい。この場合、樹脂材料は温度変化に対して熱膨張するため、精度の高い光ファイバの位置決めを実現し接続を安定させるには、少なくとも上記基材20の光ファイバ位置決め部21の端面24に穿設される貫通孔22と、光ファイバ5の端面とが位置ズレしないことが求められる。したがって、本発明の光コネクタにおいては、基材を構成する樹脂の熱膨張率と光ファイバを構成する樹脂の熱膨張率がほぼ同じ値であるのが好ましく、具体的には、基材を構成する樹脂の熱膨張率と光ファイバを構成する樹脂の熱膨張率との差が10%以下であるのが好ましく、5%以下であるのがより好ましい。なお、本発明において、熱膨張率は長さの変化に対する線膨張率βで評価する。
次に、2心の光ファイバを用いた本発明の光コネクタ1の組み立てについて、上記第1態様の実施形態に基づいて説明する。
まず、本発明の光コネクタ1に用いる光ケーブルの光ファイバ5をそれぞれ、ハウジング10の後部側面11側から該側面11に穿設された光ファイバ挿通孔12に挿通し、弾性部材50についても同様に、付勢部60側から光ファイバ5を光ファイバ挿通孔57に挿通する。
次に、光ファイバ5の端部をそれぞれ、基材20の光ファイバ保持部31に設けられた光ファイバ保持溝32に案内し、該溝32に従って光ファイバ位置決め部21に穿設された貫通孔22に光ファイバ5を貫通させる。このとき、光ファイバ5の端面を光ファイバ位置決め部21の端面24より突出させる。
光ファイバ5が光ファイバ保持溝32に案内された状態を維持しながら、光ファイバ5に挿通された弾性部材50を光ファイバ5の長軸方向に移動させ、光ファイバ保持部31の後端面35に挟持部52の離間した先端54を位置させる。弾性部材50を光ファイバ5の長軸方向にさらに移動させる(押圧する)に従い該後端面35によって挟圧保持力に反して先端54が互いに離間される。さらに、弾性部材50を同方向に押圧すると、挟持部52の突条53は光ファイバ保持部31の案内面33(光ファイバ5)および下面を摺動して、最終的には、上記挟持部52の先端54と光ファイバ位置決め部後端面25が当接されて、光ファイバ5と光ファイバ保持部31の挟圧保持が完了する。これにより、光ファイバ5が保持固定され、基材20と弾性部材50が一体になる。
その後、光ファイバ5に挿通されたハウジング10を光ファイバ5の長軸方向に移動させ、一体となった基材20と弾性部材50をハウジング10の中空内部に挿入する。このとき弾性部材50の付勢部60はハウジング10の後部側面11に当接していない。一体となった基材20と弾性部材50をハウジング10内に引き続き挿入すると、該付勢部60の先端61が該後部側面11の内面に当接し該付勢部60が該内面により圧縮されて光ファイバ5の長軸方向の反発力が生じる。該反発力に逆らって一体となった基材20と弾性部材50をさらに圧入し、ハウジング10の係合突条13と基材20の係合段差部23を係合させる。
最後に、光ファイバ位置決め部21の端面24より突出された光ファイバ5の端面を、該端面24と面一になるように端面処理(切断、研磨)して本発明の光コネクタの組み立てが終了する。
上記第2態様〜第4態様においても、基本的に上記第1態様と同様の方法により組み立てることができる。
組み立てられた本発明の光コネクタは、他の光ファイバの端面と接触状態を保って接続される。
接続手段としては、例えば、接続される一方のハウジング10の端面近傍に弾性係合ラッチを設け、他方のハウジング10の端面近傍に該ラッチに係合する係合肩を設けて接続されてもよく、また、上記弾性係合ラッチおよび係合肩の代わりに、圧入ポストおよび係合孔等の係合手段を設けて接続されてもよい。または、一方のハイジング10を係合手段を持つオス型に成形し、他方のハウジング10を同様にメス型に成形し該オス型−メス型を係合させ接続させてもよく、双方のハウジングをオス型またはメス型に成形し、メス型またはオス型を2以上成形されたアダプタ等を介して同様に係合させ接続させてもよい。さらには、上記手段を可能な限り組合せることもできる。
なお、本発明の光コネクタのハウジング10同士の接続手段について説明したが、従来の光コネクタに上記接続手段を設ければ本発明の光コネクタと接続させることもでき、本発明の光コネクタは、本発明の光コネクタ同士の接続に限られない。
このようにして接続された本発明の光コネクタは、弾性部材50による押圧力によって互いに他方の基材20を弾性的に押圧する。このとき、基材20は、それぞれ、その弾性部材50の押圧力と反対方向に押圧されるため、基材20がハウジング10内に該方向に挿入され、ハウジング10の係合突条13と基材20の係合段差部23を係合が解除される。該係合が解除されると、双方の基材20の動きが規制されず、光コネクタや光ファイバ等の動きに対しても端面24同士の弾性的な接続が十分に維持される。
上記したように、光ファイバ保持部31を弾性部材50のクリップ状の挟圧保持部51で上下から挟圧保持し、かつ、ハウジング10の後部側面11の内面により付勢部60が弾性変形される位置に弾性部材50を配置することにより、光ファイバ5を確実に保持固定できる上、光ファイバ5の長手方向の押圧力を発生させられるため、本発明の光コネクタを装着された光ファイバを弾力的に接続させることができ接続損失を抑えられる。
また、単純な構造で上記両機能を発揮する弾性部材50を用いることにより、光コネクタの部品点数の削減、それに伴う部品コストの削減、構造の簡素化による小型化および組み立作業の簡便性を実現できる。したがって、本発明の光コネクタは簡易接続に特に好適である。
産業上の利用の可能性
このように、光ファイバを基材と共に挟圧保持することによる光ファイバの保持固定と、ハウジングと共に弾性部材を圧縮することによる基材の所定方向への押圧とを可能とする弾性部材を用いる本発明の光コネクタは、光コネクタの部品点数の削減が可能となり、それに伴う部品コストの削減も大きく期待できる。また、部品点数が少ないため構造が簡素であり光コネクタの小型化もできるし、組み立て時間の短縮および組み立作業の簡便性を実現できる。さらに接続損失を抑えることもでき、光コネクタ、特に簡易接続用光コネクタとして利用価値が大きい。
Claims (7)
- ハウジングと;
1または複数の貫通孔を有する光ファイバ位置決め部と、前記貫通孔に連通する光ファイバ保持溝を有する光ファイバ保持部とを備える、前記ハウジングに収容される基材と;
前記光ファイバ保持溝に沿って導入される光ファイバと前記光ファイバ保持部を挟圧保持して前記光ファイバを前記光ファイバ保持部に保持固定し、前記基材と一体となって前記ハウジングに収容され前記基材を前記光ファイバの長軸方向に付勢する弾性部材と;
を備える光コネクタ。 - 前記弾性部材が、
板状体を弾性変形可能に折り曲げることにより形成される、一対の挟持部および光ファイバ挿通孔を有し前記一対の挟持部を連結する連結部を有する挟圧保持部と;
前記連結部に設けられ、前記ハウジングに収容された際に弾性変形する付勢部と;
を備える弾性部材である請求項1に記載の光コネクタ。 - 前記ハウジングが、一端が開口し他端に1または複数の光ファイバ挿通孔を有し、その中空内部の所定位置に係合部を有する筐体であり;
前記光ファイバ位置決め部が、前記ハウジングの係合部と係合する係合部を有する請求項1または2に記載の光コネクタ。 - さらに、前記光ファイバと前記弾性部材の挟持部との間に押さえ部材を備える請求項1〜3のいずれかに記載の光コネクタ。
- 前記光ファイバ保持溝の断面形状がV字形である請求項1〜4のいずれかに記載の光コネクタ。
- 前記光ファイバがプラスチック製である請求項1〜5のいずれかに記載の光コネクタ。
- 前記基材を構成する樹脂の熱膨張率と前記光ファイバを構成する樹脂の熱膨張率との差が10%以下である請求項6に記載の光コネクタ。
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