JPWO2004112632A1 - 撮影用クレーン - Google Patents
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Abstract
撮影用クレーンは、移動自在な架台固定されたクレーン基部と、クレーン基部に水平周り及び上下方向に回動自在に軸支され、下方に開いた円弧又はU字の湾曲に湾曲したアーチ形状を有する湾曲ブームと、湾曲ブームの先端に設けられた小型ビデオカメラを支持する雲台と、湾曲ブームの上下に対し前記雲台の姿勢位置を一定に維持するリンク機構と、湾曲ブームの後方に設けられたバランス用のウェイトと、湾曲ブームの雲台近傍の下部に下向きに突出して設けられた操作ハンドルとを備える。
Description
本発明は、医療現場での手術の撮影等に使用する撮影用クレーンに関し、特に、術者を邪魔せずに手術を正確に撮影するための撮影用クレーンに関する。
従来、各種病院や医療施設において、実際に手術の様子を撮影した映像の製作監修する作業が行われており、この撮影の際に撮影用のクレーンが使用されている。このようなクレーンは一般にテレビ放送の撮影用に作られたクレーンを利用したものが多い。
特開平10−141588
しかしながら、従来の撮影用クレーンは、医療現場で使うには大型でコストが高く、特に手術部位を上方から覗き込む形で撮影することから、手術の際に邪魔なりやすい。そこで、手術台から少し離れた位置で斜め下向きの撮影姿勢をとることが考えられるが、手術に携わる医師やスタッフの動きで撮影視界が遮られ、撮影が適切にできない問題がある。
本発明は、小型軽量で操作性が高く、撮影場所に対し邪魔にならずに意図した場所を真俯瞰から撮影可能とする撮影用クレーンを提供することを目的とする。
本発明は、小型軽量で操作性が高く、撮影場所に対し邪魔にならずに意図した場所を真俯瞰から撮影可能とする撮影用クレーンを提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は撮影用クレーンであって、移動自在な架台に固定されたクレーン基部と、クレーン基部に対し水平周り及び上下方向に回動自在に軸支され、下方に開いた円弧又はU字に湾曲したアーチ形状を有する湾曲ブームと、湾曲ブームの先端に設けられた撮影機器を支持する雲台と、湾曲ブームの上下方向の回動に対し雲台の姿勢を一定に維持するリンク機構と、湾曲ブームの後方に設けられたバランス用のウェイトとを備えたことを特徴とする。ここで、架台は、湾曲ブームにおける湾曲頂部の内側の高さを人間の身長を越える高さに支持する。
リンク機構は、所謂湾曲した近似的な平行リンク機構であり、湾曲ブームで構成され一端をクレーン基部に第1支点で軸支し他端を雲台側に第2支点で軸支した第1リンク部材と、第1リンク部材に沿って配置され一端をクレーン基部に第3支点で軸支し他端を雲台側に第4支点で軸支した多節リンクを用いた第2リンク部材と、第1リンク部材に固定されて接線方向にガイド溝を有しガイド溝に前記第2リンク部材の多節リンク支点を摺動自在に遊嵌して第1リンク部材に対し第2リンク部材の動きを拘束させるガイド部材とを備える。
またリンク機構において、湾曲ブームで構成された第1リンク部材は湾曲パイプ部材であり、第2リンク部材は、複数の湾曲リンクプレートを連結しており、パイプ部材の内部に固定されたガイド部材のガイド溝に第2リンク部材の多節リンク連結軸を摺動自在に遊嵌する。
第2リンク部材は、3本の湾曲リンクプレートを2ヵ所で連結した2節リンクで構成され、第1リンク部材を構成する湾曲パイプ部材の内部の2ヵ所に固定されたガイド部材のガイド溝に第2リンク部材の各リンク連結軸を摺動自在に遊嵌する。
雲台は、湾曲ブームの先端に装着され水平回りに回動自在な首振り機構部と、首振り機構部に対し搭載した撮影機器を水平及び垂直周りに相対的に回動する3次元回動機構と、首振り機構及び3次元回動機構を制御する遠隔操作部とを備える。
また雲台の首振り機構は、湾曲ブームの先端に対し雲台側を水平回りに回動させる第1モータを備え、三次元回動機構は、L字形に屈曲したパイプ部材を有し、パイプ部材の一辺に内蔵した第2モータにより首振り機構に対し回動自在に装着すると共に、パイプ部材の他片に内蔵した第3モータにより撮影機器を装着するアダプタを回動自在に装着する。
撮影用クレーンの遠隔操作部は、首振り機構の操作スイッチ、三次元回動機構の操作スイッチ及び撮影機器のズーム操作スイッチを備える。更に撮影用クレーンの架台に、撮影機器の映像を表示するモニタディスプレイを設ける。更に、湾曲ブームの雲台近傍の下部に下向きに突出して操作ハンドルを必要に応じて設ける。
このような本発明の撮影用クレーンにあっては、例えば手術台周囲の必要スペースの外側に台車に乗った架台を配置した状態で、湾曲ブームがスタッフの頭を跨ぐ形で手術台の直上に小型ビデオカメラを搭載した雲台を位置させることとなり、手術を邪魔することなく又撮影視界を妨げられることなく、適切に手術の様子を上方から撮影することができる。
また湾曲ブームを第1リンクと湾曲ブームに沿って配置され且つ第1リンクに対し動きが拘束された多節リンクを第2リンクとする湾曲した特殊な平行リンク機構を構成し、湾曲ブームの上下の動きに対し撮影機器の姿勢を一定に保つことができる。
特に平行リンク機構の第2リンクを多節リンクとしてリンク連結軸を第1リンクに固定したガイド部材のガイド溝に遊嵌して動きを拘束することにより、第2リンク部材を単に湾曲リンクとした場合の応力集中による第2リンクの挫屈破損を確実に防止し、例えば上下30°といった限定された範囲で実質的に平行リンク機構として機能させることができる。
また湾曲ブームに湾曲パイプを使用し、パイプ内に多節リンクを配置することで、平行リンク機構が外部に露出せず、清掃が容易で埃の付着も少なく、清潔さの保持が要求される医療現場に適した構造をもつ。
更に、湾曲ブームの先端に水平回りに回動する首振り機構を設けたことで、手術台外側のどのような位置に台車に乗ったクレーン基台が配置されていても、ブーム先端における水平回りの首振り回動で、上から見た手術部位に対し撮影機器を一定の向き、例えば患者の姿勢に対し正対させることができ、撮影姿勢の自由度を大幅に向上できる。
また湾曲ブームの先端下部に操作ハンドルが下向きに突出していることから、スタッフは操作ハンドルを片手で持ってカメラ位置を簡単に変えることができ、極めて高い操作性が得られる。
リンク機構は、所謂湾曲した近似的な平行リンク機構であり、湾曲ブームで構成され一端をクレーン基部に第1支点で軸支し他端を雲台側に第2支点で軸支した第1リンク部材と、第1リンク部材に沿って配置され一端をクレーン基部に第3支点で軸支し他端を雲台側に第4支点で軸支した多節リンクを用いた第2リンク部材と、第1リンク部材に固定されて接線方向にガイド溝を有しガイド溝に前記第2リンク部材の多節リンク支点を摺動自在に遊嵌して第1リンク部材に対し第2リンク部材の動きを拘束させるガイド部材とを備える。
またリンク機構において、湾曲ブームで構成された第1リンク部材は湾曲パイプ部材であり、第2リンク部材は、複数の湾曲リンクプレートを連結しており、パイプ部材の内部に固定されたガイド部材のガイド溝に第2リンク部材の多節リンク連結軸を摺動自在に遊嵌する。
第2リンク部材は、3本の湾曲リンクプレートを2ヵ所で連結した2節リンクで構成され、第1リンク部材を構成する湾曲パイプ部材の内部の2ヵ所に固定されたガイド部材のガイド溝に第2リンク部材の各リンク連結軸を摺動自在に遊嵌する。
雲台は、湾曲ブームの先端に装着され水平回りに回動自在な首振り機構部と、首振り機構部に対し搭載した撮影機器を水平及び垂直周りに相対的に回動する3次元回動機構と、首振り機構及び3次元回動機構を制御する遠隔操作部とを備える。
また雲台の首振り機構は、湾曲ブームの先端に対し雲台側を水平回りに回動させる第1モータを備え、三次元回動機構は、L字形に屈曲したパイプ部材を有し、パイプ部材の一辺に内蔵した第2モータにより首振り機構に対し回動自在に装着すると共に、パイプ部材の他片に内蔵した第3モータにより撮影機器を装着するアダプタを回動自在に装着する。
撮影用クレーンの遠隔操作部は、首振り機構の操作スイッチ、三次元回動機構の操作スイッチ及び撮影機器のズーム操作スイッチを備える。更に撮影用クレーンの架台に、撮影機器の映像を表示するモニタディスプレイを設ける。更に、湾曲ブームの雲台近傍の下部に下向きに突出して操作ハンドルを必要に応じて設ける。
このような本発明の撮影用クレーンにあっては、例えば手術台周囲の必要スペースの外側に台車に乗った架台を配置した状態で、湾曲ブームがスタッフの頭を跨ぐ形で手術台の直上に小型ビデオカメラを搭載した雲台を位置させることとなり、手術を邪魔することなく又撮影視界を妨げられることなく、適切に手術の様子を上方から撮影することができる。
また湾曲ブームを第1リンクと湾曲ブームに沿って配置され且つ第1リンクに対し動きが拘束された多節リンクを第2リンクとする湾曲した特殊な平行リンク機構を構成し、湾曲ブームの上下の動きに対し撮影機器の姿勢を一定に保つことができる。
特に平行リンク機構の第2リンクを多節リンクとしてリンク連結軸を第1リンクに固定したガイド部材のガイド溝に遊嵌して動きを拘束することにより、第2リンク部材を単に湾曲リンクとした場合の応力集中による第2リンクの挫屈破損を確実に防止し、例えば上下30°といった限定された範囲で実質的に平行リンク機構として機能させることができる。
また湾曲ブームに湾曲パイプを使用し、パイプ内に多節リンクを配置することで、平行リンク機構が外部に露出せず、清掃が容易で埃の付着も少なく、清潔さの保持が要求される医療現場に適した構造をもつ。
更に、湾曲ブームの先端に水平回りに回動する首振り機構を設けたことで、手術台外側のどのような位置に台車に乗ったクレーン基台が配置されていても、ブーム先端における水平回りの首振り回動で、上から見た手術部位に対し撮影機器を一定の向き、例えば患者の姿勢に対し正対させることができ、撮影姿勢の自由度を大幅に向上できる。
また湾曲ブームの先端下部に操作ハンドルが下向きに突出していることから、スタッフは操作ハンドルを片手で持ってカメラ位置を簡単に変えることができ、極めて高い操作性が得られる。
図1は本発明による撮影用クレーンの実施形態を示した説明図;
図2は本発明による撮影用クレーンを前方から示した説明図;
図3は図1のクレーン基部の説明図;
図4は図1の湾曲ブームの説明図;
図5は図1の湾曲ブームの先端部分と後端部分の説明図;
図6は図1の湾曲ブームの内部構造の断面図;
図7は湾曲ブームに内蔵している2節リンクの説明図;
図8は図6の湾曲ブームにおけるガイド部材の内蔵部分の拡大断面図;
図9は図8の湾曲ブームにおけるガイド部材の内蔵部分の横断面図;
図10はガイド部材の斜視図;
図11は湾曲ブーム先端に装着した雲台の説明図;
図12は図11の雲台の側面図;
図13は撮影用クレーンで使用する操作ボックスの説明図;
図14は本発明による撮影用クレーンの他の実施形態の説明図;
図15は図14の実施形態のブーム水平状態での側面図;
図16は本発明による撮影用クレーンの他の実施形態の説明図;
図2は本発明による撮影用クレーンを前方から示した説明図;
図3は図1のクレーン基部の説明図;
図4は図1の湾曲ブームの説明図;
図5は図1の湾曲ブームの先端部分と後端部分の説明図;
図6は図1の湾曲ブームの内部構造の断面図;
図7は湾曲ブームに内蔵している2節リンクの説明図;
図8は図6の湾曲ブームにおけるガイド部材の内蔵部分の拡大断面図;
図9は図8の湾曲ブームにおけるガイド部材の内蔵部分の横断面図;
図10はガイド部材の斜視図;
図11は湾曲ブーム先端に装着した雲台の説明図;
図12は図11の雲台の側面図;
図13は撮影用クレーンで使用する操作ボックスの説明図;
図14は本発明による撮影用クレーンの他の実施形態の説明図;
図15は図14の実施形態のブーム水平状態での側面図;
図16は本発明による撮影用クレーンの他の実施形態の説明図;
図1は、本発明による撮影用クレーンの実施形態を示した説明図である。図1において、本発明の撮影用クレーンは、クレーン本体10と台車12で構成される。台車12は下部にキャスタ14を備えており、この実施形態では3段に架台15−1,15−2,15−3を設けている。台車12の一番上の架台15−1にはクレーン本体10がクレーン基部16により設置されている。クレーン基部16に対しては旋回軸22を介して湾曲ブーム20が装着される。湾曲ブーム20は旋回軸22により水平回りに回動自在に装着している。また旋回軸22側に対する第1支点軸24の連結により上下方向に回動自在に装着している。クレーン基部16にはストッパ18が設けられ、湾曲ブーム20を任意の上下位置に回動した状態で位置決め固定できるようにしている。即ちストッパ18は一端を旋回軸ベース23に軸支したリンク18−1と共に、他端を湾曲ブーム20のバランスウェイト30側に軸支したリンク18−1を中央でスライド自在にはめ合わせ、この嵌め合わせ部分にロックスライダ19を装着している。ロックスライダ19を上側に移動するとロックが解除されてリンク18−1,18−2はスライド自在となり、ロックスライダ19を下側に移動するとリンク18−1,18−2はロックされる。湾曲ブーム20の旋回方向のロックは、チェーンによりクレーン基部16に下げているロックキー200を使用して行うが、この点は図3で説明する。湾曲ブーム20は下方に開いた円弧またはU字型に湾曲したアーチ形状を持っており、この湾曲アーチ上部の内側の高さを人間の身長を超える高さとなるように、台車12の架台15−1の上に支持している。湾曲ブーム20の先端には雲台26が装着され、小型ビデオカメラを装着するためのカメラアダプタ28を設けている。雲台26と湾曲ブーム20の連結部分にはフレキシブルカバー27が装着されている。フレキシブルカバー27の内部には、湾曲ブーム20の先端に対し雲台26側を水平回りに回動する後の説明で明らかにする首振り機構が設けられている。また雲台26には、カメラアダプタ28側を水平及び垂直周りに旋回駆動する3次元回動機構が設けられている。湾曲ブーム20の上下の回転軸となる第1支点軸24の後方にはバランスウエイト30が装着されている。更に台車12の架台15−1の上には操作ボックス32が置かれている。操作ボックス32はケーブル35をクレーン基部26に設けたコネクタ部37の中の対応するにコネクタ接続され湾曲ブーム20の先端側に設けている雲台26における首振り機構及び3次元回動機構に設けているモータを遠隔操作し、更にカメラアダプタ28に装着した小型ビデオカメラのズーム操作ができる。操作ボックス32による小型ビデオカメラの遠隔操作は、架台15−1に設置された液晶表示装置等のモニタディスプレイ36に表示される撮影画像を見ながら行う。
図2は、図1における本発明の撮影用クレーンを前方から示した説明図である。図2において、クレーン本体10の湾曲ブーム20はパイプ部材を湾曲した構造であり、湾曲ブーム20の先端に装着された雲台26はL字型に屈曲したパイプ部材を使用している。このようにクレーン本体10における湾曲ブーム20及び雲台26が共に表面が滑らかなパイプ部材を使用していることで、埃などが付着した際の清掃が容易であり、手術室に設置して使用する場合の清潔さを容易に保持することができる。
図3は、図1のクレーン基部16を示している。クレーン基部16に支持された旋回軸22の旋回カバー23の所定位置にはキー穴200が設けられ、湾曲ブーム20を所定位置に旋回して位置決めした状態でキー穴200にロックキー200を差し込むと、ロックキー200がクレーン基部16の内部に設けたキー穴に挿入され、湾曲ブーム20の旋回をロックする。クレーン基部16には矢印マーカ204が表示され、また旋回カバー23の上面には矢印マーカ206が表示され、図示のように矢印マーカ204,206の位置を合わせると、キー穴200が内部のクレーン基部16側のキー穴に位置合せされ、ロックキー202を差し込んで旋回をロックできる。ロックキー202を用いた湾曲ブーム20の旋回ロックは、本発明の撮影用クレーンを運搬する際に利用される。またクレーン基部16にはコネクタ部37が設けられ、コネクタ35−1に対し操作ボックス32からのケーブル35を接続している。更にコネクタ部37にはビデオ信号端子、音声信号端子、DV信号端子、Lank信号端子を備えたビデオ端子部37が設けられている。ロックキー202を差し込んでロックする位置は、旋回ブーム20を後ろ向きとなる台車12側に旋回させた状態である。
図4は、図1のクレーン本体に設けている湾曲ブーム20を取り出して示した説明図である。図4において、湾曲ブーム20は中空の金属パイプであり、湾曲ブーム20の後端側のパイプ端部にブーム後端部40−1を固定し、パイプ先端側にブーム先端部42−1を固定している。この湾曲ブーム20の先端及び後端側の詳細は図4に取り出している。
図5(A)は湾曲ブーム20の先端側であり、湾曲ブーム20のパイプ先端に、先端取出部58を介して2つに分かれたブーム先端部42−1,42−2を装着している。また図5(B)は湾曲ブーム20の後端側であり、湾曲ブーム20のパイプ後端に、後端取出部56を介して2つに分かれたブーム後端部40−1,40−2を設けている。なお図5のブーム先端及びブーム後端側は、図3におけるブーム先端及び後端を湾曲ブーム20の曲率中心に対し半径方向となる外側から見た状態の説明図である。
再び図4を参照するに、湾曲ブーム20のブーム後端部40−1は、旋回軸22に対し第1支点軸24により上下に回動自在に装着されている。またブーム先端部42−1は、先端金具44に対し第2支点軸46により回動自在に装着されている。湾曲ブーム20の内部には2節リンク48が組み込まれ、後端側を第3支点軸25により旋回軸22に連結し、先端側を第4支点軸54により先端金具44に連結している。2節リンク48は、3つのリンクプレート48−1,48−2,48−3を2箇所の連結軸50−1,50−2で連結した多節リンク部材である。更に、湾曲ブーム20内の2節リンク48における連結軸50−1,50−2に対応した位置にはガイド部材52−1,52−2が固定され、湾曲ブーム20に対する2節リンク48の動きを拘束している。
図6は、図4の湾曲ブーム20の内部構造の断面図である。湾曲ブーム20は中空のパイプ部材であり、ブーム後端部40−2を旋回軸22に第1支点軸24により連結し、ブーム先端部42−2は第2支点軸46により先端金具44に連結している。また湾曲ブーム20の内部には2節リンク48が湾曲ブーム20に沿って配置されている。2節リンク48はリンクプレート48−1,48−2,48−3を支点軸50−1,50−2で連結しており、後端側を旋回軸22により第3支点軸25で連結し、先端側を先端金具44に第4支点軸54で連結している。また湾曲ブーム20内の2節リンク48の連結軸50−1,50−2に対応した位置にはガイド部材52−1,52−2が固定されている。
図7は、図6の2節リンク48を取り出し、図7(A)に側面図を、図7(B)に平面図を示している。2節リンク48は、3本のリンクプレート48−1,48−2,48−3を連結軸50−1,50−2で連結している。連結軸50−1,50−2は図76(B)に示すように、連結部におけるリンクプレート48−1,48−2の合せ部分及びリンクプレート48−2,48−3の合せ部分より両側に突出しており、連結軸50−1,50−2の両側の突出部分が、図6の湾曲ブーム20に設けているガイド部材52−1,52−2のガイド溝に嵌合する。また2節リンク48を構成する3本のリンクプレート48−1〜48−3は、円弧状に配置される図7(A)の側面から見て十分な幅を持っており、これによってリンク縦方向に加わる力に対し十分な剛性を得るようにしている。
図8は、図6の湾曲ブーム20におけるガイド部材52−1の内蔵部分の拡大断面図である。図8において、ガイド部材52−1は、湾曲ブーム20の内部に皿ネジ64−1,64−2により固定され、下部に開口した部分にリンクプレート48−1,48−2の連結部分を通すようにしている。
図9は、図8のガイド部材52−1の内蔵部分の横断面図であり、図10にガイド部材52−1を取り出して示している。図10から明らかなように、ガイド部材52−1は、上部の固定部材66の下部に一定のガイド間隔を介して上ガイド部材72−1,72−2を固着し、上ガイド部材72−1,72−2の外側に横ガイド部材70−1,70−2を固定し、その下部内側に下ガイド部材72−3,72−4を固定している。このような構造により、内部内側の両側にガイド溝68−1,68−2を形成している。このガイド部材52−1は、図9のように、湾曲ブーム20の内部に皿ネジ64−1,64−2により固定され、この固定状態でガイド溝75−1,75−2は、湾曲ブーム20の円弧に対し接線方向に位置する。ガイド部材52−1のガイド溝68−1,68−2にはリンクプレート48−1,48−2を連結する連結軸50−1の両端が摺動自在に遊嵌されている。連結軸50−1とガイド溝68−1,68−2の間には必ずクリアランスができるように両者の寸法関係を決めている。ガイド溝68−1,68−2と連結軸50−1の間に若干の隙間を形成しておくことで、湾曲ブーム20と2節リンク48で構成される湾曲した平行リンク機構によって湾曲ブーム20の例えば水平に対し上下±30°程度の範囲での動きを許容することができる。
本発明の撮影用クレーンにおける湾曲した平行リンク機構を更に詳細に説明すると次のようになる。図6において、湾曲ブーム20は、4本のリンクの平行配置で構成される平行リンク機構における第1リンク部材に相当し、第1リンク部材に相対して平行な第2リンク部材が2節リンク48で構成される。第1リンク部材としての湾曲ブーム20と第2リンク部材としての2節リンク48の一端は、固定側となる旋回軸22に対し第1支点軸24と第3支点軸25で連結され、この2つの支点軸24,25を連結する仮想リンクが第3リンクであり、且つ固定リンクとなる。また第1リンク部材を構成する湾曲ブーム20の先端と第2リンク部材を構成する2節リンク48の先端は、先端金具44に対し第2支点軸46と第4支点軸54で連結され、第2支点軸46と第4支点軸54を連結する仮想的なリンクが第4リンクであり、この第4リンクは旋回軸22側の固定リンク(第3リンク)に対し一定の位置関係を持って平行移動する可動リンクとなる。
通常の平行リンク機構にあっては、4つの支点軸24,25,46,54を連結する4本のリンクは相対するリンクが平行関係にあるが、本発明の撮影用クレーンにあっては、第1支点軸24と第3支点軸25でなる固定側に対する回動リンクとしての第1リンク及び第2リンクが下方に開いた円弧またはU字状に湾曲している点が特殊な構造といえる。このように向かい合うリンク部材が湾曲した平行リンク機構にあっては、先端側にかかる荷重を湾曲した2本のリンクで支えなければならず、単に平行湾曲リンクとした場合には各リンクの剛性をかなり強くしなければならず、構造が複雑で大型化してしまう。そこで本発明にあっては、先端に加わる荷重を支えるリンク部材としてパイプ部材を使用した湾曲ブーム20を第1リンク部材とし、その中に先端側と後端側の位置関係を調整するための第2リンク部材として2節リンク48を配置している。
ここで本発明の撮影用クレーンにあっては、湾曲ブーム20の先端に装着した小型ビデオカメラの高さ方向の位置を調整する際には、先端金具44の先に装着されている小型テレビカメラの部分、例えば雲台を上下に移動させることになる。このため先端金具44に対しては、湾曲ブーム20を下げる際には下向きの力が加わり、湾曲ブーム20を上げる際には上向きの力が加わる。先端金具44の下向きの力に対し、2節リンク48は固定側に対し引張力を受ける。逆に先端金具44の上向きの力に対し、2節リンク48は固定側に対し圧縮力を受ける。このような先端側に加わる上下の荷重に対する2節リンク48に加わる引張力及び圧縮力は、連結軸50−1,50−2のガイド部材52−1,52−2に設けている接線方向のガイド溝に対する当接で力が吸収され、直接リンクプレート48−1〜48−3に加わる引張力と圧縮力を緩和する。もし2節リンク48とせずに1本の湾曲したリンクプレートを使用した場合には、湾曲ブーム20の先端を上げ下げする際の先端金具44に加わる上下の力による湾曲リンクプレートの固定側に対する引張力または圧縮力により、湾曲リンクプレートはそのほぼ中央部分で応力集中を起こして挫屈破損してしまう。これを防ぐためには湾曲リンクプレートとしてかなり剛性の高いものを使用しなければならない。これに対し、本発明のように、2節リンク48とし、ガイド部材52−1,52−2に対し連結軸50−1,50−2による湾曲ブーム20側に対する拘束を行うことで、湾曲ブーム20に内蔵する多節リンク部材として剛性の小さなリンクで済ますことができる。
図11は、本発明の撮影用クレーンの湾曲部分先端に装着した雲台の説明図である。雲台26は湾曲ブーム20の先端金具44に対しアングル75を軸80回りに回転自在に装着することで首振り機構を構成している。この首振り機構のアングル75の先端には、3次元回動機構を構成するL字型に屈曲したパイプユニット76が装着される。パイプユニット76は、L字型の一辺となる第1回動部76−1を軸84によりアングル75に対し垂直回りに回転自在に装着している。この軸84を回転中心として、パイプユニット76の第1回動部76−1内には第2モータ82が組み込まれ、第2モータ82によってパイプユニット76がアングル75に対し軸84回りに回動される。パイプユニット76の他辺となる第2回動部76−2には第3モータ86が組み込まれており、第3モータ86はカメラアダプタ28を軸85回りに回動する。カメラアダプタ28には小型ビデオカメラ88が下向きに装着されている。
図12は、図11の雲台26の側面図である。図12にあっては、先端金具44に対し水平回りに回動自在に設けた首振り機構を構成するアングル75が設けられており、アングル75は先端金具44側に組み込んでいる第1モータ78により軸80回り即ち水平回りに回動して、パイプユニット76側に装着している小型ビデオカメラ88を水平回りに首振り移動させることができる。このように本発明の撮影用クレーンにおける雲台26にあっては、湾曲ブーム20の先端に対し水平回りに回動する首振り機構と、これに対し更に垂直及び水平回りに回動する3次元回動機構を設けたことで、図12における小型ビデオカメラ88の撮影方向に対し矢印95で示す水平回りの左右回転、矢印96で示す小型ビデオカメラ88から見て左右方向、矢印98で示す小型ビデオカメラ88から見て上下方向の動きを調整することができる。また先端金具44の側面にはテレビカメラを接続するビデオ信号端子、音声信号端子、DV信号端子、Lank信号端子を備えたビデオ端子部89を設けている。
図13は、本発明の撮影用クレーンで使用する操作ボックス32の説明図である。操作ボックス32には、首振り操作スイッチ90、4方向操作スイッチ92及びズーム操作スイッチ94が設けられている。首振り操作スイッチ90を右または左に操作することで、図11のアングル75が左右方向に回動される。また4方向操作スイッチ92を左または右方向に操作すると、パイプユニット76内の第3モータ86が回動して、小型ビデオカメラ88を矢印96で示す左または右方向に操作する。また4方向操作スイッチ92を上下方向に操作すると、パイプユニット76の第2モータ82の駆動により、小型ビデオカメラ88は矢印98で示す上または下方向に回動される。更に、ズームスイッチ94を前後に操作することで小型ビデオカメラ88のズームインとズームアウトを制御できる。このような操作ボックス32による小型ビデオカメラ88の撮像位置及びズームの操作は、図1のモニタディスプレイ36で撮影画像を見ながら調整することになる。なお、この実施形態にあっては、操作ボックス32をクレーン本体に対しケーブル接続している場合を例にとっているが、操作ボックス32として無線もしくは赤外線を使用することで、ケーブル接続を必要としないリモートコントロールを行うことができる。
図14は本発明による撮影用クレーンの他の実施形態の説明図である。図14において、この実施形態にあっては、クレーン本体100は取付台104の上にクレーン基部102を取り付けており、クレーン基部102に対しては第1支点軸105により湾曲ブーム103が上下に回動自在に装着されている。湾曲ブーム103は、この実施形態にあっては、2枚の湾曲プレートを上側の複数個所で連結したアングル構造としている。湾曲ブーム103の先端は第2支点軸120により先端金具118に連結されている。また湾曲ブーム103の後方にはウェイト取付部111が延在され、ここにウェイトが連結される。湾曲ブーム103の内側には1節リンク部材110が配置される。1節リンク部材110はリンクロッド110−1、110−2を連結軸124で連結している。1節リンク部材110の後端側は第1支点軸105によりクレーン基部102に連結され、先端側は第4支点軸128により先端金具118に連結されている。リンクロッド110−1,110−2を連結する連結軸124は、湾曲ブーム103の最頂部側面に形成したガイド溝126に摺動自在に遊嵌されている。このためク、レーン基部102を固定側として第1支点軸105と第3支点軸122により湾曲ブーム103と1節リンク110を連結し、第2支点軸120と第4支点軸128で先端金具118を可動側として連結することにより、湾曲した近似的平行リンク機構を構成している。湾曲ブーム103の先端の先端金具118に対しては、雲台106が装着されている。雲台106はL字型のアングル107を先端金具118に対し矢印128回りに回動自在に装着し、更にアングル107に対し小型ビデオカメラ108を矢印130回りに回動自在に装着している。この矢印128回りの回動及び矢印130回りの回動は、アングル107に内蔵したモータにより行われる。更に、湾曲ブーム103の雲台106近傍の下部には下向きに突出して操作ハンドル112が装着され、手術中にスタッフが操作ハンドル112を片手で持って小型ビデオカメラ108の位置を調整することができるようにしている。
図15は、図13の実施形態のブーム水平状態での側面図であり、クレーン本体100に対しウェイト取付部111を介してバランスウェイト113を取り付けた状態の側面図である。またクレーン本体100は、取付台104を取付アングル114を介して架台115に固定しており、架台115は図1の実施形態と同様、キャスタ付きの台車を構成している。
図16は、本発明による撮影用クレーンの他の実施形態の説明図であり、基本的には図13,図16の実施形態と同じであるが、クレーン本体100を固定した架台115は台車132に固定され、台車132はキャスタ134を備え、自由に移動することができる。また架台115の上にはコントロールボックス136が置かれ、雲台106に装着した小型ビデオカメラ108を下向き状態で水平及び垂直方向に調整することができる。更に図16の実施形態にあっては、湾曲ブーム103の上部に持ち運びに使用する取っ手116を設けている。
なお上記の実施形態は医療現場での撮影を例に取るものであったが、本発明はこれに限定されず、作業者が周囲に位置してテーブル上で作業や処置するような撮影現場であれば適宜の用途の撮影にそのまま使用できる。
また上記の実施形態にあっては、首振り機構や3次元回動機構を備えた雲台を例に取るものであったが、湾曲ブーム先端に直接、小型ビデオカメラを取り付ける構造であってもよい。また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
産業上の利用の可能性
以上説明したように本発明の撮影用クレーンにあっては、例えば手術台の周囲の必要スペースの外側に架台を配置し、湾曲クレーンがスタッフの頭を跨ぐ形で手術台の直上に小型ビデオカメラを搭載した雲台を位置させることとなり、手術を邪魔することなく又撮影視界を妨げられることなく、真俯瞰から手術の様子を正確に撮影することができる。
図2は、図1における本発明の撮影用クレーンを前方から示した説明図である。図2において、クレーン本体10の湾曲ブーム20はパイプ部材を湾曲した構造であり、湾曲ブーム20の先端に装着された雲台26はL字型に屈曲したパイプ部材を使用している。このようにクレーン本体10における湾曲ブーム20及び雲台26が共に表面が滑らかなパイプ部材を使用していることで、埃などが付着した際の清掃が容易であり、手術室に設置して使用する場合の清潔さを容易に保持することができる。
図3は、図1のクレーン基部16を示している。クレーン基部16に支持された旋回軸22の旋回カバー23の所定位置にはキー穴200が設けられ、湾曲ブーム20を所定位置に旋回して位置決めした状態でキー穴200にロックキー200を差し込むと、ロックキー200がクレーン基部16の内部に設けたキー穴に挿入され、湾曲ブーム20の旋回をロックする。クレーン基部16には矢印マーカ204が表示され、また旋回カバー23の上面には矢印マーカ206が表示され、図示のように矢印マーカ204,206の位置を合わせると、キー穴200が内部のクレーン基部16側のキー穴に位置合せされ、ロックキー202を差し込んで旋回をロックできる。ロックキー202を用いた湾曲ブーム20の旋回ロックは、本発明の撮影用クレーンを運搬する際に利用される。またクレーン基部16にはコネクタ部37が設けられ、コネクタ35−1に対し操作ボックス32からのケーブル35を接続している。更にコネクタ部37にはビデオ信号端子、音声信号端子、DV信号端子、Lank信号端子を備えたビデオ端子部37が設けられている。ロックキー202を差し込んでロックする位置は、旋回ブーム20を後ろ向きとなる台車12側に旋回させた状態である。
図4は、図1のクレーン本体に設けている湾曲ブーム20を取り出して示した説明図である。図4において、湾曲ブーム20は中空の金属パイプであり、湾曲ブーム20の後端側のパイプ端部にブーム後端部40−1を固定し、パイプ先端側にブーム先端部42−1を固定している。この湾曲ブーム20の先端及び後端側の詳細は図4に取り出している。
図5(A)は湾曲ブーム20の先端側であり、湾曲ブーム20のパイプ先端に、先端取出部58を介して2つに分かれたブーム先端部42−1,42−2を装着している。また図5(B)は湾曲ブーム20の後端側であり、湾曲ブーム20のパイプ後端に、後端取出部56を介して2つに分かれたブーム後端部40−1,40−2を設けている。なお図5のブーム先端及びブーム後端側は、図3におけるブーム先端及び後端を湾曲ブーム20の曲率中心に対し半径方向となる外側から見た状態の説明図である。
再び図4を参照するに、湾曲ブーム20のブーム後端部40−1は、旋回軸22に対し第1支点軸24により上下に回動自在に装着されている。またブーム先端部42−1は、先端金具44に対し第2支点軸46により回動自在に装着されている。湾曲ブーム20の内部には2節リンク48が組み込まれ、後端側を第3支点軸25により旋回軸22に連結し、先端側を第4支点軸54により先端金具44に連結している。2節リンク48は、3つのリンクプレート48−1,48−2,48−3を2箇所の連結軸50−1,50−2で連結した多節リンク部材である。更に、湾曲ブーム20内の2節リンク48における連結軸50−1,50−2に対応した位置にはガイド部材52−1,52−2が固定され、湾曲ブーム20に対する2節リンク48の動きを拘束している。
図6は、図4の湾曲ブーム20の内部構造の断面図である。湾曲ブーム20は中空のパイプ部材であり、ブーム後端部40−2を旋回軸22に第1支点軸24により連結し、ブーム先端部42−2は第2支点軸46により先端金具44に連結している。また湾曲ブーム20の内部には2節リンク48が湾曲ブーム20に沿って配置されている。2節リンク48はリンクプレート48−1,48−2,48−3を支点軸50−1,50−2で連結しており、後端側を旋回軸22により第3支点軸25で連結し、先端側を先端金具44に第4支点軸54で連結している。また湾曲ブーム20内の2節リンク48の連結軸50−1,50−2に対応した位置にはガイド部材52−1,52−2が固定されている。
図7は、図6の2節リンク48を取り出し、図7(A)に側面図を、図7(B)に平面図を示している。2節リンク48は、3本のリンクプレート48−1,48−2,48−3を連結軸50−1,50−2で連結している。連結軸50−1,50−2は図76(B)に示すように、連結部におけるリンクプレート48−1,48−2の合せ部分及びリンクプレート48−2,48−3の合せ部分より両側に突出しており、連結軸50−1,50−2の両側の突出部分が、図6の湾曲ブーム20に設けているガイド部材52−1,52−2のガイド溝に嵌合する。また2節リンク48を構成する3本のリンクプレート48−1〜48−3は、円弧状に配置される図7(A)の側面から見て十分な幅を持っており、これによってリンク縦方向に加わる力に対し十分な剛性を得るようにしている。
図8は、図6の湾曲ブーム20におけるガイド部材52−1の内蔵部分の拡大断面図である。図8において、ガイド部材52−1は、湾曲ブーム20の内部に皿ネジ64−1,64−2により固定され、下部に開口した部分にリンクプレート48−1,48−2の連結部分を通すようにしている。
図9は、図8のガイド部材52−1の内蔵部分の横断面図であり、図10にガイド部材52−1を取り出して示している。図10から明らかなように、ガイド部材52−1は、上部の固定部材66の下部に一定のガイド間隔を介して上ガイド部材72−1,72−2を固着し、上ガイド部材72−1,72−2の外側に横ガイド部材70−1,70−2を固定し、その下部内側に下ガイド部材72−3,72−4を固定している。このような構造により、内部内側の両側にガイド溝68−1,68−2を形成している。このガイド部材52−1は、図9のように、湾曲ブーム20の内部に皿ネジ64−1,64−2により固定され、この固定状態でガイド溝75−1,75−2は、湾曲ブーム20の円弧に対し接線方向に位置する。ガイド部材52−1のガイド溝68−1,68−2にはリンクプレート48−1,48−2を連結する連結軸50−1の両端が摺動自在に遊嵌されている。連結軸50−1とガイド溝68−1,68−2の間には必ずクリアランスができるように両者の寸法関係を決めている。ガイド溝68−1,68−2と連結軸50−1の間に若干の隙間を形成しておくことで、湾曲ブーム20と2節リンク48で構成される湾曲した平行リンク機構によって湾曲ブーム20の例えば水平に対し上下±30°程度の範囲での動きを許容することができる。
本発明の撮影用クレーンにおける湾曲した平行リンク機構を更に詳細に説明すると次のようになる。図6において、湾曲ブーム20は、4本のリンクの平行配置で構成される平行リンク機構における第1リンク部材に相当し、第1リンク部材に相対して平行な第2リンク部材が2節リンク48で構成される。第1リンク部材としての湾曲ブーム20と第2リンク部材としての2節リンク48の一端は、固定側となる旋回軸22に対し第1支点軸24と第3支点軸25で連結され、この2つの支点軸24,25を連結する仮想リンクが第3リンクであり、且つ固定リンクとなる。また第1リンク部材を構成する湾曲ブーム20の先端と第2リンク部材を構成する2節リンク48の先端は、先端金具44に対し第2支点軸46と第4支点軸54で連結され、第2支点軸46と第4支点軸54を連結する仮想的なリンクが第4リンクであり、この第4リンクは旋回軸22側の固定リンク(第3リンク)に対し一定の位置関係を持って平行移動する可動リンクとなる。
通常の平行リンク機構にあっては、4つの支点軸24,25,46,54を連結する4本のリンクは相対するリンクが平行関係にあるが、本発明の撮影用クレーンにあっては、第1支点軸24と第3支点軸25でなる固定側に対する回動リンクとしての第1リンク及び第2リンクが下方に開いた円弧またはU字状に湾曲している点が特殊な構造といえる。このように向かい合うリンク部材が湾曲した平行リンク機構にあっては、先端側にかかる荷重を湾曲した2本のリンクで支えなければならず、単に平行湾曲リンクとした場合には各リンクの剛性をかなり強くしなければならず、構造が複雑で大型化してしまう。そこで本発明にあっては、先端に加わる荷重を支えるリンク部材としてパイプ部材を使用した湾曲ブーム20を第1リンク部材とし、その中に先端側と後端側の位置関係を調整するための第2リンク部材として2節リンク48を配置している。
ここで本発明の撮影用クレーンにあっては、湾曲ブーム20の先端に装着した小型ビデオカメラの高さ方向の位置を調整する際には、先端金具44の先に装着されている小型テレビカメラの部分、例えば雲台を上下に移動させることになる。このため先端金具44に対しては、湾曲ブーム20を下げる際には下向きの力が加わり、湾曲ブーム20を上げる際には上向きの力が加わる。先端金具44の下向きの力に対し、2節リンク48は固定側に対し引張力を受ける。逆に先端金具44の上向きの力に対し、2節リンク48は固定側に対し圧縮力を受ける。このような先端側に加わる上下の荷重に対する2節リンク48に加わる引張力及び圧縮力は、連結軸50−1,50−2のガイド部材52−1,52−2に設けている接線方向のガイド溝に対する当接で力が吸収され、直接リンクプレート48−1〜48−3に加わる引張力と圧縮力を緩和する。もし2節リンク48とせずに1本の湾曲したリンクプレートを使用した場合には、湾曲ブーム20の先端を上げ下げする際の先端金具44に加わる上下の力による湾曲リンクプレートの固定側に対する引張力または圧縮力により、湾曲リンクプレートはそのほぼ中央部分で応力集中を起こして挫屈破損してしまう。これを防ぐためには湾曲リンクプレートとしてかなり剛性の高いものを使用しなければならない。これに対し、本発明のように、2節リンク48とし、ガイド部材52−1,52−2に対し連結軸50−1,50−2による湾曲ブーム20側に対する拘束を行うことで、湾曲ブーム20に内蔵する多節リンク部材として剛性の小さなリンクで済ますことができる。
図11は、本発明の撮影用クレーンの湾曲部分先端に装着した雲台の説明図である。雲台26は湾曲ブーム20の先端金具44に対しアングル75を軸80回りに回転自在に装着することで首振り機構を構成している。この首振り機構のアングル75の先端には、3次元回動機構を構成するL字型に屈曲したパイプユニット76が装着される。パイプユニット76は、L字型の一辺となる第1回動部76−1を軸84によりアングル75に対し垂直回りに回転自在に装着している。この軸84を回転中心として、パイプユニット76の第1回動部76−1内には第2モータ82が組み込まれ、第2モータ82によってパイプユニット76がアングル75に対し軸84回りに回動される。パイプユニット76の他辺となる第2回動部76−2には第3モータ86が組み込まれており、第3モータ86はカメラアダプタ28を軸85回りに回動する。カメラアダプタ28には小型ビデオカメラ88が下向きに装着されている。
図12は、図11の雲台26の側面図である。図12にあっては、先端金具44に対し水平回りに回動自在に設けた首振り機構を構成するアングル75が設けられており、アングル75は先端金具44側に組み込んでいる第1モータ78により軸80回り即ち水平回りに回動して、パイプユニット76側に装着している小型ビデオカメラ88を水平回りに首振り移動させることができる。このように本発明の撮影用クレーンにおける雲台26にあっては、湾曲ブーム20の先端に対し水平回りに回動する首振り機構と、これに対し更に垂直及び水平回りに回動する3次元回動機構を設けたことで、図12における小型ビデオカメラ88の撮影方向に対し矢印95で示す水平回りの左右回転、矢印96で示す小型ビデオカメラ88から見て左右方向、矢印98で示す小型ビデオカメラ88から見て上下方向の動きを調整することができる。また先端金具44の側面にはテレビカメラを接続するビデオ信号端子、音声信号端子、DV信号端子、Lank信号端子を備えたビデオ端子部89を設けている。
図13は、本発明の撮影用クレーンで使用する操作ボックス32の説明図である。操作ボックス32には、首振り操作スイッチ90、4方向操作スイッチ92及びズーム操作スイッチ94が設けられている。首振り操作スイッチ90を右または左に操作することで、図11のアングル75が左右方向に回動される。また4方向操作スイッチ92を左または右方向に操作すると、パイプユニット76内の第3モータ86が回動して、小型ビデオカメラ88を矢印96で示す左または右方向に操作する。また4方向操作スイッチ92を上下方向に操作すると、パイプユニット76の第2モータ82の駆動により、小型ビデオカメラ88は矢印98で示す上または下方向に回動される。更に、ズームスイッチ94を前後に操作することで小型ビデオカメラ88のズームインとズームアウトを制御できる。このような操作ボックス32による小型ビデオカメラ88の撮像位置及びズームの操作は、図1のモニタディスプレイ36で撮影画像を見ながら調整することになる。なお、この実施形態にあっては、操作ボックス32をクレーン本体に対しケーブル接続している場合を例にとっているが、操作ボックス32として無線もしくは赤外線を使用することで、ケーブル接続を必要としないリモートコントロールを行うことができる。
図14は本発明による撮影用クレーンの他の実施形態の説明図である。図14において、この実施形態にあっては、クレーン本体100は取付台104の上にクレーン基部102を取り付けており、クレーン基部102に対しては第1支点軸105により湾曲ブーム103が上下に回動自在に装着されている。湾曲ブーム103は、この実施形態にあっては、2枚の湾曲プレートを上側の複数個所で連結したアングル構造としている。湾曲ブーム103の先端は第2支点軸120により先端金具118に連結されている。また湾曲ブーム103の後方にはウェイト取付部111が延在され、ここにウェイトが連結される。湾曲ブーム103の内側には1節リンク部材110が配置される。1節リンク部材110はリンクロッド110−1、110−2を連結軸124で連結している。1節リンク部材110の後端側は第1支点軸105によりクレーン基部102に連結され、先端側は第4支点軸128により先端金具118に連結されている。リンクロッド110−1,110−2を連結する連結軸124は、湾曲ブーム103の最頂部側面に形成したガイド溝126に摺動自在に遊嵌されている。このためク、レーン基部102を固定側として第1支点軸105と第3支点軸122により湾曲ブーム103と1節リンク110を連結し、第2支点軸120と第4支点軸128で先端金具118を可動側として連結することにより、湾曲した近似的平行リンク機構を構成している。湾曲ブーム103の先端の先端金具118に対しては、雲台106が装着されている。雲台106はL字型のアングル107を先端金具118に対し矢印128回りに回動自在に装着し、更にアングル107に対し小型ビデオカメラ108を矢印130回りに回動自在に装着している。この矢印128回りの回動及び矢印130回りの回動は、アングル107に内蔵したモータにより行われる。更に、湾曲ブーム103の雲台106近傍の下部には下向きに突出して操作ハンドル112が装着され、手術中にスタッフが操作ハンドル112を片手で持って小型ビデオカメラ108の位置を調整することができるようにしている。
図15は、図13の実施形態のブーム水平状態での側面図であり、クレーン本体100に対しウェイト取付部111を介してバランスウェイト113を取り付けた状態の側面図である。またクレーン本体100は、取付台104を取付アングル114を介して架台115に固定しており、架台115は図1の実施形態と同様、キャスタ付きの台車を構成している。
図16は、本発明による撮影用クレーンの他の実施形態の説明図であり、基本的には図13,図16の実施形態と同じであるが、クレーン本体100を固定した架台115は台車132に固定され、台車132はキャスタ134を備え、自由に移動することができる。また架台115の上にはコントロールボックス136が置かれ、雲台106に装着した小型ビデオカメラ108を下向き状態で水平及び垂直方向に調整することができる。更に図16の実施形態にあっては、湾曲ブーム103の上部に持ち運びに使用する取っ手116を設けている。
なお上記の実施形態は医療現場での撮影を例に取るものであったが、本発明はこれに限定されず、作業者が周囲に位置してテーブル上で作業や処置するような撮影現場であれば適宜の用途の撮影にそのまま使用できる。
また上記の実施形態にあっては、首振り機構や3次元回動機構を備えた雲台を例に取るものであったが、湾曲ブーム先端に直接、小型ビデオカメラを取り付ける構造であってもよい。また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
産業上の利用の可能性
以上説明したように本発明の撮影用クレーンにあっては、例えば手術台の周囲の必要スペースの外側に架台を配置し、湾曲クレーンがスタッフの頭を跨ぐ形で手術台の直上に小型ビデオカメラを搭載した雲台を位置させることとなり、手術を邪魔することなく又撮影視界を妨げられることなく、真俯瞰から手術の様子を正確に撮影することができる。
本発明は、医療現場での手術の撮影等に使用する撮影用クレーンに関し、特に、術者を邪魔せずに手術を正確に撮影するための撮影用クレーンに関する。
従来、各種病院や医療施設において、実際に手術の様子を撮影した映像の製作監修する作業が行われており、この撮影の際に撮影用のクレーンが使用されている。このようなクレーンは一般にテレビ放送の撮影用に作られたクレーンを利用したものが多い。
特開10−141588号公報
しかしながら、従来の撮影用クレーンは、医療現場で使うには大型でコストが高く、特に手術部位を上方から覗き込む形で撮影することから、手術の際に邪魔なりやすい。そこで、手術台から少し離れた位置で斜め下向きの撮影姿勢をとることが考えられるが、手術に携わる医師やスタッフの動きで撮影視界が遮られ、撮影が適切にできない問題がある。
本発明は、小型軽量で操作性が高く、撮影場所に対し邪魔にならずに意図した場所を真俯瞰から撮影可能とする撮影用クレーンを提供することを目的とする。
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は撮影用クレーンであって、移動自在な架台に固定されたクレーン基部と、クレーン基部に対し水平周り及び上下方向に回動自在に軸支され、下方に開いた円弧又はU字に湾曲したアーチ形状を有する湾曲ブームと、湾曲ブームの先端に設けられた撮影機器を支持する雲台と、湾曲ブームの上下方向の回動に対し雲台の姿勢を一定に維持するリンク機構と、湾曲ブームの後方に設けられたバランス用のウェイトとを備えたことを特徴とする。ここで、架台は、湾曲ブームにおける湾曲頂部の内側の高さを人間の身長を越える高さに支持する。
リンク機構は、所謂湾曲した近似的な平行リンク機構であり、湾曲ブームで構成され一端をクレーン基部に第1支点で軸支し他端を雲台側に第2支点で軸支した第1リンク部材と、第1リンク部材に沿って配置され一端をクレーン基部に第3支点で軸支し他端を雲台側に第4支点で軸支した多節リンクを用いた第2リンク部材と、第1リンク部材に固定されて接線方向にガイド溝を有しガイド溝に前記第2リンク部材の多節リンク支点を摺動自在に遊嵌して第1リンク部材に対し第2リンク部材の動きを拘束させるガイド部材とを備える。
またリンク機構において、湾曲ブームで構成された第1リンク部材は湾曲パイプ部材であり、第2リンク部材は、複数の湾曲リンクプレートを連結しており、パイプ部材の内部に固定されたガイド部材のガイド溝に第2リンク部材の多節リンク連結軸を摺動自在に遊嵌する。
第2リンク部材は、3本の湾曲リンクプレートを2ヵ所で連結した2節リンクで構成され、第1リンク部材を構成する湾曲パイプ部材の内部の2ヵ所に固定されたガイド部材のガイド溝に第2リンク部材の各リンク連結軸を摺動自在に遊嵌する。
雲台は、湾曲ブームの先端に装着され水平回りに回動自在な首振り機構部と、首振り機構部に対し搭載した撮影機器を水平及び垂直周りに相対的に回動する3次元回動機構と、首振り機構及び3次元回動機構を制御する遠隔操作部とを備える。
また雲台の首振り機構は、湾曲ブームの先端に対し雲台側を水平回りに回動させる第1モータを備え、三次元回動機構は、L字形に屈曲したパイプ部材を有し、パイプ部材の一辺に内蔵した第2モータにより首振り機構に対し回動自在に装着すると共に、パイプ部材の他片に内蔵した第3モータにより撮影機器を装着するアダプタを回動自在に装着する。
撮影用クレーンの遠隔操作部は、首振り機構の操作スイッチ、三次元回動機構の操作スイッチ及び撮影機器のズーム操作スイッチを備える。更に撮影用クレーンの架台に、撮影機器の映像を表示するモニタディスプレイを設ける。更に、湾曲ブームの雲台近傍の下部に下向きに突出して操作ハンドルを必要に応じて設ける。
このような本発明の撮影用クレーンにあっては、例えば手術台周囲の必要スペースの外側に台車に乗った架台を配置した状態で、湾曲ブームがスタッフの頭を跨ぐ形で手術台の直上に小型ビデオカメラを搭載した雲台を位置させることとなり、手術を邪魔することなく又撮影視界を妨げられることなく、適切に手術の様子を上方から撮影することができる。
また湾曲ブームを第1リンクと湾曲ブームに沿って配置され且つ第1リンクに対し動きが拘束された多節リンクを第2リンクとする湾曲した特殊な平行リンク機構を構成し、湾曲ブームの上下の動きに対し撮影機器の姿勢を一定に保つことができる。
特に平行リンク機構の第2リンクを多節リンクとしてリンク連結軸を第1リンクに固定したガイド部材のガイド溝に遊嵌して動きを拘束することにより、第2リンク部材を単に湾曲リンクとした場合の応力集中による第2リンクの挫屈破損を確実に防止し、例えば上下30°といった限定された範囲で実質的に平行リンク機構として機能させることができる。
また湾曲ブームに湾曲パイプを使用し、パイプ内に多節リンクを配置することで、平行リンク機構が外部に露出せず、清掃が容易で埃の付着も少なく、清潔さの保持が要求される医療現場に適した構造をもつ。
更に、湾曲ブームの先端に水平回りに回動する首振り機構を設けたことで、手術台外側のどのような位置に台車に乗ったクレーン基台が配置されていても、ブーム先端における水平回りの首振り回動で、上から見た手術部位に対し撮影機器を一定の向き、例えば患者の姿勢に対し正対させることができ、撮影姿勢の自由度を大幅に向上できる。
また湾曲ブームの先端下部に操作ハンドルが下向きに突出していることから、スタッフは操作ハンドルを片手で持ってカメラ位置を簡単に変えることができ、極めて高い操作性が得られる。
発明を実施するための最良の形態
図1は、本発明による撮影用クレーンの実施形態を示した説明図である。図1において、本発明の撮影用クレーンは、クレーン本体10と台車12で構成される。台車12は下部にキャスタ14を備えており、この実施形態では3段に架台15−1,15−2,15−3を設けている。台車12の一番上の架台15−1にはクレーン本体10がクレーン基部16により設置されている。クレーン基部16に対しては旋回軸22を介して湾曲ブーム20が装着される。
図1は、本発明による撮影用クレーンの実施形態を示した説明図である。図1において、本発明の撮影用クレーンは、クレーン本体10と台車12で構成される。台車12は下部にキャスタ14を備えており、この実施形態では3段に架台15−1,15−2,15−3を設けている。台車12の一番上の架台15−1にはクレーン本体10がクレーン基部16により設置されている。クレーン基部16に対しては旋回軸22を介して湾曲ブーム20が装着される。
湾曲ブーム20は旋回軸22により水平回りに回動自在に装着している。また旋回軸22側に対する第1支点軸24の連結により上下方向に回動自在に装着している。クレーン基部16にはストッパ18が設けられ、湾曲ブーム20を任意の上下位置に回動した状態で位置決め固定できるようにしている。即ちストッパ18は一端を旋回軸ベース23に軸支したリンク18−1と共に、他端を湾曲ブーム20のバランスウェイト30側に軸支したリンク18−2を中央でスライド自在にはめ合わせ、この嵌め合わせ部分にロックスライダ19を装着している。
ロックスライダ19を上側に移動するとロックが解除されてリンク18−1,18−2はスライド自在となり、ロックスライダ19を下側に移動するとリンク18−1,18−2はロックされる。湾曲ブーム20の旋回方向のロックは、チェーンによりクレーン基部16に下げているロックキー202を使用して行うが、この点は図3で説明する。
湾曲ブーム20は下方に開いた円弧またはU字型に湾曲したアーチ形状を持っており、この湾曲アーチ上部の内側の高さを人間の身長を超える高さとなるように、台車12の架台15−1の上に支持している。湾曲ブーム20の先端には雲台26が装着され、小型ビデオカメラを装着するためのカメラアダプタ28を設けている。雲台26と湾曲ブーム20の連結部分にはフレキシブルカバー27が装着されている。フレキシブルカバー27の内部には、湾曲ブーム20の先端に対し雲台26側を水平回りに回動する後の説明で明らかにする首振り機構が設けられている。また雲台26には、カメラアダプタ28側を水平及び垂直周りに旋回駆動する3次元回動機構が設けられている。湾曲ブーム20の上下の回転軸となる第1支点軸24の後方にはバランスウエイト30が装着されている。
更に台車12の架台15−1の上には操作ボックス32が置かれている。操作ボックス32はケーブル35をクレーン基部16に設けたコネクタ部37の中の対応するにコネクタ接続され、湾曲ブーム20の先端側に設けている雲台26における首振り機構及び3次元回動機構に設けているモータを遠隔操作し、更にカメラアダプタ28に装着した小型ビデオカメラのズーム操作ができる。操作ボックス32による小型ビデオカメラの遠隔操作は、架台15−1に設置された液晶表示装置等のモニタディスプレイ36に表示される撮影画像を見ながら行う。
図2は、図1における本発明の撮影用クレーンを前方から示した説明図である。図2において、クレーン本体10の湾曲ブーム20はパイプ部材を湾曲した構造であり、湾曲ブーム20の先端に装着された雲台26はL字型に屈曲したパイプ部材を使用している。このようにクレーン本体10における湾曲ブーム20及び雲台26が共に表面が滑らかなパイプ部材を使用していることで、埃などが付着した際の清掃が容易であり、手術室に設置して使用する場合の清潔さを容易に保持することができる。
図3は、図1のクレーン基部16を示している。クレーン基部16に支持された旋回軸22の旋回カバー23の所定位置にはキー穴200が設けられ、湾曲ブーム20を所定位置に旋回して位置決めした状態でキー穴200にロックキー202を差し込むと、ロックキー202がクレーン基部16の内部に設けたキー穴に挿入され、湾曲ブーム20の旋回をロックする。
クレーン基部16には矢印マーカ204が表示され、また旋回カバー23の上面には矢印マーカ206が表示され、図示のように矢印マーカ204,206の位置を合わせると、キー穴200が内部のクレーン基部16側のキー穴に位置合せされ、ロックキー202を差し込んで旋回をロックできる。ロックキー202を用いた湾曲ブーム20の旋回ロックは、本発明の撮影用クレーンを運搬する際に利用される。
またクレーン基部16にはコネクタ部37が設けられ、コネクタ35−1に対し操作ボックス32からのケーブル35を接続している。更にコネクタ部37にはビデオ信号端子、音声信号端子、DV信号端子、Lank信号端子を備えたビデオ端子部37が設けられている。ロックキー202を差し込んでロックする位置は、旋回ブーム20を後ろ向きとなる台車12側に旋回させた状態である。
図4は、図1のクレーン本体に設けている湾曲ブーム20を取り出して示した説明図である。図4において、湾曲ブーム20は中空の金属パイプであり、湾曲ブーム20の後端側のパイプ端部にブーム後端部40−1を固定し、パイプ先端側にブーム先端部42−1を固定している。この湾曲ブーム20の先端及び後端側の詳細は図5に取り出している。
図5(A)は湾曲ブーム20の先端側であり、湾曲ブーム20のパイプ先端に、先端取出部58を介して2つに分かれたブーム先端部42−1,42−2を装着している。また図5(B)は湾曲ブーム20の後端側であり、湾曲ブーム20のパイプ後端に、後端取出部56を介して2つに分かれたブーム後端部40−1,40−2を設けている。なお図5のブーム先端及びブーム後端側は、図3におけるブーム先端及び後端を湾曲ブーム20の曲率中心に対し半径方向となる外側から見た状態の説明図である。
再び図4を参照するに、湾曲ブーム20のブーム後端部40−1は、旋回軸22に対し第1支点軸24により上下に回動自在に装着されている。またブーム先端部42−1は、先端金具44に対し第2支点軸46により回動自在に装着されている。湾曲ブーム20の内部には2節リンク48が組み込まれ、後端側を第3支点軸25により旋回軸22に連結し、先端側を第4支点軸54により先端金具44に連結している。
2節リンク48は、3つのリンクプレート48−1,48−2,48−3を2箇所の連結軸50−1,50−2で連結した多節リンク部材である。更に、湾曲ブーム20内の2節リンク48における連結軸50−1,50−2に対応した位置にはガイド部材52−1,52−2が固定され、湾曲ブーム20に対する2節リンク48の動きを拘束している。
図6は、図4の湾曲ブーム20の内部構造の断面図である。湾曲ブーム20は中空のパイプ部材であり、ブーム後端部40−2を旋回軸22に第1支点軸24により連結し、ブーム先端部42−2は第2支点軸46により先端金具44に連結している。また湾曲ブーム20の内部には2節リンク48が湾曲ブーム20に沿って配置されている。
2節リンク48はリンクプレート48−1,48−2,48−3を支点軸50−1,50−2で連結しており、後端側を旋回軸22により第3支点軸25で連結し、先端側を先端金具44に第4支点軸54で連結している。また湾曲ブーム20内の2節リンク48の連結軸50−1,50−2に対応した位置にはガイド部材52−1,52−2が固定されている。
図7は、図6の2節リンク48を取り出し、図7(A)に側面図を、図7(B)に平面図を示している。2節リンク48は、3本のリンクプレート48−1,48−2,48−3を連結軸50−1,50−2で連結している。連結軸50−1,50−2は図7(B)に示すように、連結部におけるリンクプレート48−1,48−2の合せ部分及びリンクプレート48−2,48−3の合せ部分より両側に突出しており、連結軸50−1,50−2の両側の突出部分が、図6の湾曲ブーム20に設けているガイド部材52−1,52−2のガイド溝に嵌合する。
また2節リンク48を構成する3本のリンクプレート48−1〜48−3は、円弧状に配置される図7(A)の側面から見て十分な幅を持っており、これによってリンク縦方向に加わる力に対し十分な剛性を得るようにしている。
図8は、図6の湾曲ブーム20におけるガイド部材52−1の内蔵部分の拡大断面図である。図8において、ガイド部材52−1は、湾曲ブーム20の内部に皿ネジ64−1,64−2により固定され、下部に開口した部分にリンクプレート48−1,48−2の連結部分を通すようにしている。
図9は、図8のガイド部材52−1の内蔵部分の横断面図であり、図10にガイド部材52−1を取り出して示している。図10から明らかなように、ガイド部材52−1は、上部の固定部材66の下部に一定のガイド間隔を介して上ガイド部材72−1,72−2を固着し、上ガイド部材72−1,72−2の外側に横ガイド部材70−1,70−2を固定し、その下部内側に下ガイド部材72−3,72−4を固定している。このような構造により、内部内側の両側にガイド溝68−1,68−2を形成している。
このガイド部材52−1は、図9のように、湾曲ブーム20の内部に皿ネジ64−1,64−2により固定され、この固定状態でガイド溝68−1,68−2は、湾曲ブーム20の円弧に対し接線方向に位置する。ガイド部材52−1のガイド溝68−1,68−2にはリンクプレート48−1,48−2を連結する連結軸50−1の両端が摺動自在に遊嵌されている。
連結軸50−1とガイド溝68−1,68−2の間には必ずクリアランスができるように両者の寸法関係を決めている。ガイド溝68−1,68−2と連結軸50−1の間に若干の隙間を形成しておくことで、湾曲ブーム20と2節リンク48で構成される湾曲した平行リンク機構によって湾曲ブーム20の例えば水平に対し上下±30°程度の範囲での動きを許容することができる。
本発明の撮影用クレーンにおける湾曲した平行リンク機構を更に詳細に説明すると次のようになる。図6において、湾曲ブーム20は、4本のリンクの平行配置で構成される平行リンク機構における第1リンク部材に相当し、第1リンク部材に相対して平行な第2リンク部材が2節リンク48で構成される。
第1リンク部材としての湾曲ブーム20と第2リンク部材としての2節リンク48の一端は、固定側となる旋回軸22に対し第1支点軸24と第3支点軸25で連結され、この2つの支点軸24,25を連結する仮想リンクが第3リンクであり、且つ固定リンクとなる。
また第1リンク部材を構成する湾曲ブーム20の先端と第2リンク部材を構成する2節リンク48の先端は、先端金具44に対し第2支点軸46と第4支点軸54で連結され、第2支点軸46と第4支点軸54を連結する仮想的なリンクが第4リンクであり、この第4リンクは旋回軸22側の固定リンク(第3リンク)に対し一定の位置関係を持って平行移動する可動リンクとなる。
通常の平行リンク機構にあっては、4つの支点軸24,25,46,54を連結する4本のリンクは相対するリンクが平行関係にあるが、本発明の撮影用クレーンにあっては、第1支点軸24と第3支点軸25でなる固定側に対する回動リンクとしての第1リンク及び第2リンクが下方に開いた円弧またはU字状に湾曲している点が特殊な構造といえる。
このように向かい合うリンク部材が湾曲した平行リンク機構にあっては、先端側にかかる荷重を湾曲した2本のリンクで支えなければならず、単に平行湾曲リンクとした場合には各リンクの剛性をかなり強くしなければならず、構造が複雑で大型化してしまう。そこで本発明にあっては、先端に加わる荷重を支えるリンク部材としてパイプ部材を使用した湾曲ブーム20を第1リンク部材とし、その中に先端側と後端側の位置関係を調整するための第2リンク部材として2節リンク48を配置している。
ここで本発明の撮影用クレーンにあっては、湾曲ブーム20の先端に装着した小型ビデオカメラの高さ方向の位置を調整する際には、先端金具44の先に装着されている小型ビデオカメラの部分、例えば雲台を上下に移動させることになる。このため先端金具44に対しては、湾曲ブーム20を下げる際には下向きの力が加わり、湾曲ブーム20を上げる際には上向きの力が加わる。
先端金具44の下向きの力に対し、2節リンク48は固定側に対し引張力を受ける。逆に先端金具44の上向きの力に対し、2節リンク48は固定側に対し圧縮力を受ける。このような先端側に加わる上下の荷重に対する2節リンク48に加わる引張力及び圧縮力は、連結軸50−1,50−2のガイド部材52−1,52−2に設けている接線方向のガイド溝に対する当接で力が吸収され、直接リンクプレート48−1〜48−3に加わる引張力と圧縮力を緩和する。
もし2節リンク48とせずに1本の湾曲したリンクプレートを使用した場合には、湾曲ブーム20の先端を上げ下げする際の先端金具44に加わる上下の力による湾曲リンクプレートの固定側に対する引張力または圧縮力により、湾曲リンクプレートはそのほぼ中央部分で応力集中を起こして挫屈破損してしまう。これを防ぐためには湾曲リンクプレートとしてかなり剛性の高いものを使用しなければならない。
これに対し、本発明のように、2節リンク48とし、ガイド部材52−1,52−2に対し連結軸50−1,50−2による湾曲ブーム20側に対する拘束を行うことで、湾曲ブーム20に内蔵する多節リンク部材として剛性の小さなリンクで済ますことができる。
図11は、本発明の撮影用クレーンの湾曲部分先端に装着した雲台の説明図である。雲台26は湾曲ブーム20の先端金具44に対しアングル75を軸80回りに回転自在に装着することで首振り機構を構成している。この首振り機構のアングル75の先端には、3次元回動機構を構成するL字型に屈曲したパイプユニット76が装着される。パイプユニット76は、L字型の一辺となる第1回動部76−1を軸84によりアングル75に対し垂直回りに回転自在に装着している。この軸84を回転中心として、パイプユニット76の第1回動部76−1内には第2モータ82が組み込まれ、第2モータ82によってパイプユニット76がアングル75に対し軸84回りに回動される。パイプユニット76の他辺となる第2回動部76−2には第3モータ86が組み込まれており、第3モータ86はカメラアダプタ28を軸85回りに回動する。カメラアダプタ28には小型ビデオカメラ88が下向きに装着されている。
図12は、図11の雲台26の側面図である。図12にあっては、先端金具44に対し水平回りに回動自在に設けた首振り機構を構成するアングル75が設けられており、アングル75は先端金具44側に組み込んでいる第1モータ78により軸80回り即ち水平回りに回動して、パイプユニット76側に装着している小型ビデオカメラ88を水平回りに首振り移動させることができる。
このように本発明の撮影用クレーンにおける雲台26にあっては、湾曲ブーム20の先端に対し水平回りに回動する首振り機構と、これに対し更に垂直及び水平回りに回動する3次元回動機構を設けたことで、図12における小型ビデオカメラ88の撮影方向に対し矢印95で示す水平回りの左右回転、矢印96で示す小型ビデオカメラ88から見て左右方向、矢印98で示す小型ビデオカメラ88から見て上下方向の動きを調整することができる。また先端金具44の側面にはテレビカメラを接続するビデオ信号端子、音声信号端子、DV信号端子、Lank信号端子を備えたビデオ端子部89を設けている。
図13は、本発明の撮影用クレーンで使用する操作ボックス32の説明図である。操作ボックス32には、首振り操作スイッチ90、4方向操作スイッチ92及びズーム操作スイッチ94が設けられている。首振り操作スイッチ90を右または左に操作することで、図11のアングル75が左右方向に回動される。また4方向操作スイッチ92を左または右方向に操作すると、パイプユニット76内の第3モータ86が回動して、小型ビデオカメラ88を矢印96で示す左または右方向に操作する。
また4方向操作スイッチ92を上下方向に操作すると、パイプユニット76の第2モータ82の駆動により、小型ビデオカメラ88は矢印98で示す上または下方向に回動される。更に、ズームスイッチ94を前後に操作することで小型ビデオカメラ88のズームインとズームアウトを制御できる。
このような操作ボックス32による小型ビデオカメラ88の撮像位置及びズームの操作は、図1のモニタディスプレイ36で撮影画像を見ながら調整することになる。なお、この実施形態にあっては、操作ボックス32をクレーン本体に対しケーブル接続している場合を例にとっているが、操作ボックス32として無線もしくは赤外線を使用することで、ケーブル接続を必要としないリモートコントロールを行うことができる。
図14は本発明による撮影用クレーンの他の実施形態の説明図である。図14において、この実施形態にあっては、クレーン本体100は取付台104の上にクレーン基部102を取り付けており、クレーン基部102に対しては第1支点軸105により湾曲ブーム103が上下に回動自在に装着されている。
湾曲ブーム103は、この実施形態にあっては、2枚の湾曲プレートを上側の複数個所で連結したアングル構造としている。湾曲ブーム103の先端は第2支点軸120により先端金具118に連結されている。また湾曲ブーム103の後方にはウェイト取付部111が延在され、ここにウェイトが連結される。湾曲ブーム103の内側には1節リンク部材110が配置される。1節リンク部材110はリンクロッド110−1、110−2を連結軸124で連結している。
1節リンク部材110の後端側は第1支点軸105によりクレーン基部102に連結され、先端側は第4支点軸128により先端金具118に連結されている。リンクロッド110−1,110−2を連結する連結軸124は、湾曲ブーム103の最頂部側面に形成したガイド溝126に摺動自在に遊嵌されている。
このためクレーン基部102を固定側として第1支点軸105と第3支点軸122により湾曲ブーム103と1節リンク110を連結し、第2支点軸120と第4支点軸128で先端金具118を可動側として連結することにより、湾曲した近似的平行リンク機構を構成している。湾曲ブーム103の先端の先端金具118に対しては、雲台106が装着されている。
雲台106はL字型のアングル107を先端金具118に対し矢印129回りに回動自在に装着し、更にアングル107に対し小型ビデオカメラ108を矢印130回りに回動自在に装着している。この矢印129回りの回動及び矢印130回りの回動は、アングル107に内蔵したモータにより行われる。更に、湾曲ブーム103の雲台106近傍の下部には下向きに突出して操作ハンドル112が装着され、手術中にスタッフが操作ハンドル112を片手で持って小型ビデオカメラ108の位置を調整することができるようにしている。
図15は、図14の実施形態のブーム水平状態での側面図であり、クレーン本体100に対しウェイト取付部111を介してバランスウェイト113を取り付けた状態の側面図である。またクレーン本体100は、取付台104を取付アングル114を介して架台115に固定しており、架台115は図1の実施形態と同様、キャスタ付きの台車を構成している。
図16は、本発明による撮影用クレーンの他の実施形態の説明図であり、基本的には図13,図16の実施形態と同じであるが、クレーン本体100を固定した架台115は台車132に固定され、台車132はキャスタ134を備え、自由に移動することができる。また架台115の上にはコントロールボックス136が置かれ、雲台106に装着した小型ビデオカメラ108を下向き状態で水平及び垂直方向に調整することができる。更に図16の実施形態にあっては、湾曲ブーム103の上部に持ち運びに使用する取っ手116を設けている。
なお上記の実施形態は医療現場での撮影を例に取るものであったが、本発明はこれに限定されず、作業者が周囲に位置してテーブル上で作業や処置するような撮影現場であれば適宜の用途の撮影にそのまま使用できる。
また上記の実施形態にあっては、首振り機構や3次元回動機構を備えた雲台を例に取るものであったが、湾曲ブーム先端に直接、小型ビデオカメラを取り付ける構造であってもよい。また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
産業上の利用の可能性
以上説明したように本発明の撮影用クレーンにあっては、例えば手術台の周囲の必要スペースの外側に架台を配置し、湾曲クレーンがスタッフの頭を跨ぐ形で手術台の直上に小型ビデオカメラを搭載した雲台を位置させることとなり、手術を邪魔することなく又撮影視界を妨げられることなく、真俯瞰から手術の様子を正確に撮影することができる。
以上説明したように本発明の撮影用クレーンにあっては、例えば手術台の周囲の必要スペースの外側に架台を配置し、湾曲クレーンがスタッフの頭を跨ぐ形で手術台の直上に小型ビデオカメラを搭載した雲台を位置させることとなり、手術を邪魔することなく又撮影視界を妨げられることなく、真俯瞰から手術の様子を正確に撮影することができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は撮影用クレーンであって、移動自在な架台に固定されたクレーン基部と、クレーン基部に対し水平周り
に回動自在に軸支された旋回軸と、旋回軸に対し上下方向に回動自在に軸支され、下方に開いた円弧又はU字に湾曲したアーチ形状を有する湾曲ブームと、湾曲ブームの先端に設けられた撮影機器を支持する雲台と、湾曲ブームの上下方向の回動に対し雲台の姿勢を一定に維持するリンク機構と、湾曲ブームの後方に設けられたバランス用のウェイトとを備えたことを特徴とする。ここで、架台は、湾曲ブームにおける湾曲頂部の内側の高さを人間の身長を越える高さに支持する。
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は撮影用クレーンであって、移動自在な架台に固定されたクレーン基部と、クレーン基部に対し水平周り
に回動自在に軸支された旋回軸と、旋回軸に対し上下方向に回動自在に軸支され、下方に開いた円弧又はU字に湾曲したアーチ形状を有する湾曲ブームと、湾曲ブームの先端に設けられた撮影機器を支持する雲台と、湾曲ブームの上下方向の回動に対し雲台の姿勢を一定に維持するリンク機構と、湾曲ブームの後方に設けられたバランス用のウェイトとを備えたことを特徴とする。ここで、架台は、湾曲ブームにおける湾曲頂部の内側の高さを人間の身長を越える高さに支持する。
リンク機構は、所謂湾曲した近似的な平行リンク機構であり、湾曲ブームで構成され一端を旋回軸に第1支点で軸支し他端を雲台側に第2支点で軸支した第1リンク部材と、第1リンク部材に沿って配置され一端を旋回軸に第3支点で軸支し他端を雲台側に第4支点で軸支し、複数のリンクプレートを連結軸で相互に連結してなる第2リンク部材と、第1リンク部材に固定されて湾曲ブームの接線方向にガイド溝を有しガイド溝に前記第2リンク部材における各リンクプレートの連結軸を摺動自在に遊嵌して第1リンク部材に対し第2リンク部材の動きを拘束させるガイド部材とを備える。
またリンク機構において、湾曲ブームで構成された第1リンク部材は湾曲パイプ部材であり、第2リンク部材は、複数のリンクプレートを連結軸で相互に連結しており、パイプ部材の内部に固定されたガイド部材のガイド溝に第2リンク部材における各リンクプレートの連結軸を摺動自在に遊嵌する。
Claims (10)
- 移動自在な架台に固定されたクレーン基部と、
前記クレーン基部に対し水平周り及び上下方向に回動自在に軸支され、下方に開いた円弧又はU字に湾曲したアーチ形状を有する湾曲ブームと、
前記湾曲ブームの先端に設けられた撮影機器を支持する雲台と、
前記湾曲ブームの上下方向の回動に対し前記雲台の姿勢を一定に維持するリンク機構と、
前記湾曲ブームの後方に設けられたバランス用のウェイトと、
を備えたことを特徴とする撮影用クレーン。 - 請求の範囲1の撮影用クレーンに於いて、前記架台は、前記湾曲ブームにおける湾曲頂部の内側の高さを人間の身長を越える高さに支持することを特徴とする撮影用クレーン。
- 請求の範囲1の撮影用クレーンに於いて、前記リンク機構は、
前記湾曲ブームで構成され、一端を前記クレーン基部に第1支点で軸支し、他端を前記雲台側に第2支点で軸支した第1リンク部材と、
前記第1リンク部材に沿って配置され、一端を前記クレーン基部に第3支点で軸支し、他端を前記雲台側に第4支点で軸支した多節リンクを用いた第2リンク部材と、
前記第1リンク部材に固定されて接線方向にガイド溝を有し、前記ガイド溝に前記第2リンク部材の多節リンク支点を摺動自在に遊嵌して前記第1リンク部材に対し第2リンク部材の動きを拘束させるガイド部材と、
を備えたことを特徴とする撮影用クレーン。 - 請求の範囲3の撮影用クレーンに於いて、前記湾曲ブームで構成された前記第1リンク部材は湾曲パイプ部材であり、前記第2リンク部材は、複数の湾曲リンクプレートを連結して構成され、前記パイプ部材の内部に固定された前記ガイド部材のガイド溝に前記第2リンク部材の多節リンク連結軸を摺動自在に遊嵌したことを特徴とする撮影用クレーン。
- 請求の範囲4の撮影用クレーンに於いて、前記第2リンク部材は、三本の湾曲リンクプレートを2ヵ所で連結した2節リンクであり、前記第1リンク部材を構成する湾曲パイプ部材の内部の2ヵ所に固定された前記ガイド部材のガイド溝に前記第2リンク部材の各リンク連結軸を摺動自在に遊嵌したことを特徴とする撮影用クレーン。
- 請求の範囲1の撮影用クレーンに於いて、前記雲台は、
前記湾曲ブームの先端に装着され水平回りに回動自在な首振り機構部と、
前記首振り機構部に対し搭載した撮影機器を水平及び垂直周りに相対的に回動する3次元回動機構と、
前記首振り機構及び3次元回動機構を制御する遠隔操作部と、
を備えたことを特徴とする撮影用クレーン。 - 請求の範囲6の撮影用クレーンに於いて、
前記首振り機構は、湾曲ブームの先端に対し雲台側を水平回りに回動させる第1モータを備え、
前記三次元回動機構は、L字形に屈曲したパイプ部材を有し、前記パイプ部材の一辺に内蔵した第2モータにより前記首振り機構に対し回動自在に装着すると共に、前記パイプ部材の他片に内蔵した第3モータにより前記撮影機器を装着するアダプタを回動自在に装着したことを特徴とする撮影用クレーン。 - 請求の範囲6の撮影用クレーンに於いて、前記遠隔操作部は、前記首振り機構の操作スイッチ、前記三次元回動機構の操作スイッチ及び前記撮影機器のズーム操作スイッチを備えたことを特徴とする撮影用クレーン。
- 請求の範囲1の撮影用クレーンに於いて、前記台車上の架台に撮影機器の映像を表示するモニタディスプレイを備えたことを特徴とする撮影用クレーン。
- 請求の範囲1の撮影用クレーンに於いて、更に、前記湾曲ブームの雲台近傍の下部に下向きに突出して操作ハンドルを設けたことを特徴とする撮影用クレーン。
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