JPWO2004111133A1 - ピリリウム化合物 - Google Patents

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恭 相澤
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博 國崎
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Abstract

本発明は、短波長域の可視光を実質的に吸収する安定な有機色素化合物を提供することによって、斯かる波長域の可視光を吸収する有機色素化合物を必要とする諸分野において、選択し得る有機色素化合物の幅を広げることを課題とし、この課題を、波長400nm付近の可視光を実質的に吸収するピリリウム化合物を提供することによって解決するものである。

Description

この発明は新規なピリリウム化合物に関するものである。
周知のとおり、ピリリウム化合物とは、分子内にピラン環を具備する化合物であって、そのピラン環における酸素原子がオキソニウム塩を形成しているものの総称である。ピランが、通常、キノイド構造をとっているのに対して、ピリリウム化合物にあっては、ピラン環は芳香環に類似する、安定なベンゼノイド構造をとっていると言われている。ベンゼノイド構造における酸素原子は塩基性が強く、諸種の陰イオンと安定な塩を形成する。
従来公知のピリリウム化合物は、メチン基又はポリメチン基の両端にピラン環がそれぞれ結合してなり、500乃至1,100nm付近に吸収極大を有している(例えば、社団法人色材協会編集、『色材工学ハンドブック』、株式会社朝倉書店、1989年11月25日発行、1,278乃至1,279頁を参照)。有機色素化合物の用途が急速に拡大するに伴って、例えば、太陽光発電、情報記録などの分野においては、500nmより短波長、とりわけ、400nm付近の可視光を吸収する安定な有機色素化合物が鶴首されるようになった。斯かる波長は可視領域の短波長端にあり、斯かる波長域の可視光を吸収する有機色素化合物は、ピリリウム化合物においてのみならず、他の有機色素化合物においても、安定な化合物を分子設計するのが著しく困難であると言われている。
斯かる状況に鑑み、この発明の課題は、短波長域の可視光を実質的に吸収する安定な有機色素化合物を提供することによって、斯かる波長域の可視光を吸収する有機色素化合物を必要とする諸分野において、選択し得る有機色素化合物の幅を広げることにある。
本発明者が鋭意研究し、検索したところ、ピリリウム化合物のあるもの、とりわけ、一般式1で表される1群のピリリウム化合物は、波長400nm付近の可視光を実質的に吸収することが判明した。
一般式1:
Figure 2004111133
(一般式1において、X−は適宜の陰イオンを表す。Yは炭素原子か、あるいは、周期律表における第15又は16族のヘテロ原子を表す。Zは単環式又は縮合多環式の芳香族炭化水素基を表し、その芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。R乃至Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、Yがヘテロ原子である場合、R及び/又はRは存在しない。)
すなわち、この発明は、波長400nm付近の可視光を実質的に吸収するピリリウム化合物を提供することによって前記課題を解決するものである。
既述したとおり、この発明は、波長400nm付近の可視光を実質的に吸収するピリリウム化合物に関するものである。この発明による好ましいピリリウム化合物としては、例えば、一般式1で表されるものが挙げられる。
一般式1:
Figure 2004111133
一般式1において、Yは炭素原子か、あるいは、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子などの周期律表における第15又は16族のヘテロ原子を表す。このうち、生体に対する安全性などの点で、Yは炭素原子か、あるいは、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。
Zは単環式又は縮合多環式の芳香族炭化水素基を表し、その芳香族炭化水素基は置換基を1又は複数有していてもよい。Zにおける芳香族炭化水素基の具体例としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、アズレン環などを主体とするものが挙げられる。斯かる芳香族炭化水素基における置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−プロピニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式炭化水素基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基などの芳香族炭化水素基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基などのエーテル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイル基などのエステル基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基などのアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、さらには、それらの組合わせによる置換基が挙げられる。
乃至Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。R乃至Rにおける置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−プロピニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、2−ペンテン−4−イニル基、1,3−ブタジエル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などの脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの脂環式炭化水素基、さらには、それらの組合わせによる炭化水素基が挙げられ、これらの炭化水素基における水素原子は、その1又は複数が、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基などのエーテル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、アセトキシ基、ベンゾイル基などのエステル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基などの芳香族炭化水素基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、さらには、それらの組合わせによる置換基によって置換されていてもよい。なお、Yがヘテロ原子である場合、R及び/又はRは存在しないこととなる。
一般式1におけるX−は陰イオンを表し、用途にもよるけれども、有機溶剤における溶解度やガラス状態における安定性などを勘案しながら、適宜のものを選択すればよい。陰イオンの具体例としては、例えば、弗素イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン、過塩素酸イオン、過沃素酸イオン、六弗化燐酸イオン、六弗化アンチモン酸イオン、六弗化錫酸イオン、燐酸イオン、硼弗化水素酸イオン、四弗硼素酸イオンなどの無機酸イオン、チオシアン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ナフタレンジスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、ベンゼンカルボン酸イオン、アルキルカルボン酸イオン、トリハロアルキルカルボン酸イオン、アルキル硫酸イオン、トリハロアルキル硫酸イオン、ニコチン酸イオン、さらには、アゾ系、ビスフェニルジチオール系、チオカテコールキレート系、チオビスフェノレートキレート系、ビスジオール−α−ジケトン系などの有機金属錯体イオンなどから選択する。用途にもよるけれども、この発明のピリリウム化合物を、自然光、人工光などの環境光への耐光性が必要とされる、例えば、情報記録の分野へ適用する場合には、有機金属錯体イオンを陰イオンとするものが好ましい。
この発明によるピリリウム化合物の具体例としては、例えば、化学式1乃至6で表されるものが挙げられる。これらは、いずれも、波長400nm付近の可視光、詳細には、300乃至490nmの紫乃至青色光を実質的に吸収することから、光吸収剤、光増感剤などとして、斯かる波長域の可視光を吸収する有機色素化合物を必要とする諸分野において極めて有用である。また、分解点が200℃以上、好ましくは、230℃以上、より好ましくは、250℃以上であるこの発明のピリリウム化合物は、安定性にも優れた光吸収剤、光増感剤として有用である。
化学式1:
Figure 2004111133
化学式2:
Figure 2004111133
化学式3:
Figure 2004111133
化学式4:
Figure 2004111133
化学式5:
Figure 2004111133
化学式6:
Figure 2004111133
斯かるピリリウム化合物は諸種の方法により調製できるけれども、経済性を重視するのであれば、カルバニオンと、適宜の脱離基を有する活性メチレン基との求核置換反応を利用する方法が好適である。この方法によるときには、例えば、一般式1に対応するX−、Y、Z及びR乃至Rとともに、例えば、フェニルアミノ基、N−フェニルアセチルアミノ基などの脱離基Lを有する一般式2で表される化合物と、一般式1に対応するX−を有し、ベンゼノイド構造を主体とする一般式3で表される化合物とを反応させることによって、この発明によるピリリウム化合物が好収量で生成する。
一般式2:
Figure 2004111133
一般式3:
Figure 2004111133
Figure 2004111133
すなわち、反応容器に一般式2で表される化合物と一般式3で表される化合物とをそれぞれ適量とり(通常等モル)、適宜溶剤に溶解し、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、トリエチルアミン、ピペリジン、ピリジン、ピロリジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどの塩基性化合物、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、無水酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの酸性化合物、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化錫、四塩化チタンなどのルイス酸性化合物を加えた後、加熱還流などにより加熱・撹拌しながら周囲温度か周囲温度を上回る温度で反応させる。
溶剤としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、α−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化物、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、フェノール、ベンジルアルコール、クレゾール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類及びフェノール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、アニソール、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、メチルカルビトール、エチルカルビトールなどのエーテル類、酢酸、無水酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸、酢酸エチル、炭酸ブチル、酢酸エチレン、炭酸プロピレン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル燐酸トリアミド、燐酸トリエチルなどの酸及び酸誘導体、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫化合物、水などが挙げられ、必要に応じて、これらは組み合わせて用いられる。
溶剤を用いる場合、一般に、溶剤の量が多くなると反応の効率が低下し、反対に、少なくなると、均一に加熱・撹拌するのが困難になったり、副反応が起こり易くなる。したがって、溶剤の量を重量比で原料化合物全体の100倍まで、通常、5乃至50倍にするのが望ましい。原料化合物の種類や反応条件にもよるけれども、反応は10時間以内、通常、0.5乃至5時間で完結する。反応の進行は、例えば、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーなどの汎用の方法によってモニターすることができる。この発明によるピリリウム化合物は、この方法によるか、この方法に準じて所望量を製造することができる。なお、一般式2及び3で表される化合物は、いずれも、類縁化合物を調製するための汎用の方法によって得ることができ、市販品がある場合には、必要に応じて、それを精製したうえで用いればよい。
斯くして得られるピリリウム化合物は、用途によっては反応混合物のまま用いられることもあるけれども、通常、使用に先立って、例えば、溶解、分液、傾斜、濾過、抽出、濃縮、薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、蒸留、昇華、結晶化などの類縁化合物を精製するための汎用の方法により精製され、必要に応じて、これらの方法は組み合わせて適用される。なお、この発明のピリリウム化合物を、例えば、太陽光発電や情報記録などへ適用する場合には、使用に先立って、例えば、蒸留、結晶化及び/又は昇華などの方法により高度に精製しておくのが好ましい。
この発明のピリリウム化合物は、波長400nm付近の可視光、詳細には、300乃至490nmの紫乃至青色光を実質的に吸収し、しかも、安定であるうえに、有機エレクトロニクスや光化学的重合において頻用される、例えば、アミド系、アミン系、アルコール系、エステル系、エーテル系、ケトン系、炭化水素系、ニトリル系、ニトロ系、ハロゲン系、フェノール系などの有機溶剤に対して実用上支障のない溶解性を発揮する。これらの性質ゆえに、この発明のピリリウム化合物は、光吸収剤、光増感剤などとして、例えば、ファクシミリ、複写機、プリンター、ホログラフィーなどの情報記録の分野、色素増感型湿式太陽電池などの太陽光発電の分野、フレキソ製版、グラビア印刷などの印刷の分野、さらには、フォトレジストなどの印刷回路の分野をはじめとする多種多様の分野において極めて有用である。
さらに、この発明のピリリウム化合物を、必要に応じて、紫外領域、可視領域又は赤外領域の光を吸収する他の光吸収性材料の1又は複数とともに、衣料一般や、衣料以外の、例えば、ドレープ、レース、ケースメント、プリント、ベネシャンブラインド、ロールスクリーン、シャッター、のれん、毛布、布団、布団地、布団カバー、布団綿、シーツ、座布団、枕、枕カバー、クッション、マット、カーペット、寝袋、テント、自動車を含む車輌の内装材、ウインドガラス、窓ガラスなどの建寝装用品、紙おむつ、おむつカバー、眼鏡、モノクル、ローネットなどの保健用品、靴の中敷き、鞄の内張り地、鞄地、風呂敷、傘地、パラソル、ぬいぐるみ、照明装置や、例えば、ブラウン管ディスプレー、液晶ディスプレー、電界発光ディスプレー、プラズマディスプレーなどを用いるテレビジョン受像機やパーソナルコンピューターなどの情報表示装置用のフィルター類、パネル類及びスクリーン類、サングラス、サンルーフ、サンバイザー、PETボトル、貯蔵庫、ビニールハウス、寒冷紗、光ファイバー、プリペイドカード、電子レンジ、オーブンなどの覗き窓、さらには、これらの物品を包装、充填又は収容するための包装用材、充填用材、容器などへ適用するときには、生物や物品における自然光や人工光などの環境光による障害や不都合を防止したり低減することができるだけではなく、物品の色度、色調、色彩、風合などを整えたり、物品から反射したり透過する光を所望の色バランスに整えることができる実益がある。この発明によるピリリウム化合物は、自然光、人工光などの環境光に対して著明な耐光性を有するけれども、この発明によるピリリウム化合物を上記したごとき用途へ供する当たって、例えば、レーザー光などの照射に伴って発生することある一重項酸素などによるピリリウム化合物の退色、劣化、変性、変質、分解などを抑制する目的で、必要に応じて、いわゆる、耐光性改善剤(クエンチャー)の1又は複数を併用する使用態様を除外するものでは決してない。この発明によるピリリウム化合物と併用する耐光性改善剤としては、例えば、同じ特許出願人による再公表特許WO00/075111号公報、社団法人色材協会編集、『色材工学ハンドブック』、初版、1,274乃至1,282頁、株式会社朝倉書店、1989年11月25日発行、新海正博ら『染料と薬品』、第37巻、第7号、185乃至197頁(1992年)などに記載されているアミン化合物、カロチン化合物、スルフィド化合物、フェノール化合物や、アセチルアセトナートキレート系、サリチルアルデヒドオキシム系、ジインモニウム系、ジチオール系、チオカテコナールキレート系、チオビスフェノレートキレート系、ビスジチオ−α−ジケトンキレート系、ホルマザン系の遷移金属キレートをはじめとする金属錯体が挙げられ、必要に応じて、これらは組み合わせて用いられる。このうち、この発明によるピリリウム化合物の耐光性を著明に改善する点と、この発明によるピリリウム化合物との混合状態において、良好なアモルファス固体を実現する点で、ホルマザン系、ジチオール系の金属錯体が特に好ましい。用途にもよるけれども、併用する耐光性改善剤の量としては、ピリリウム化合物に対して、通常、1質量%以上、好ましくは、3乃至30質量%の範囲で加減する。耐光性改善剤を併用する場合、この発明のピリリウム化合物は、あらかじめ耐光性改善剤と均一に混合し、液状、半固状又は固状の組成物の形態で目的とする物品へ適用するか、あるいは、物品におけるピリリウム化合物と耐光性改善剤との配合割合が所定の範囲になるように加減しながら、それぞれを液状、半固状又は固状にして目的とする物品へ個別に適用する。
以下、この発明の実施の形態につき、実施例に基づいて説明する。
反応容器にアセトニトリルを100mlとり、化学式7で表される化合物3.9g、化学式8で表される化合物4.4g、無水酢酸3mlをそれぞれ加えた後、トリエチルアミン7mlを滴々加えながら、1時間加熱還流して反応させた。反応混合物を冷却した後、析出した結晶を採取し、クロロホルム/エタノール混液により再結晶させたところ、化学式1で表されるこの発明によるピリリウム化合物の結晶が1.5g得られた。
化学式7:
Figure 2004111133
Figure 2004111133
化学式8:
Figure 2004111133
結晶の一部をとり、塩化メチレン溶液における可視吸収スペクトルを測定したところ、波長375乃至425nmに吸収帯を有し、波長400nm付近の可視光を実質的に吸収した。
化学式8で表される化合物に代えて化学式9で表される化合物を用いた以外は実施例1におけると同様に反応させたところ、化学式3で表されるこの発明によるピリリウム化合物の結晶が得られた。
化学式9:
Figure 2004111133
結晶の一部をとり、塩化メチレン溶液における可視吸収スペクトルを測定したところ、波長380乃至435nmに吸収帯を有し、波長400nm付近の可視光を実質的に吸収した。
化学式8で表される化合物に代えて化学式10で表される化合物を用いた以外は実施例1におけると同様に反応させたところ、化学式6で表されるこの発明によるピリリウム化合物の結晶が得られた。
化学式10:
Figure 2004111133
結晶の一部をとり、塩化メチレン溶液における可視吸収スペクトルを測定したところ、波長390乃至445nmに吸収帯を有し、波長400nm付近の可視光を実質的に吸収した。
産業上の利用の可能性
叙上のとおり、この発明は新規なピリリウム化合物の創製に基づくものである。この発明のピリリウム化合物は、波長400nm付近の可視光を実質的に吸収し、しかも、その多くが安定であることから、光吸収剤、光増感剤などとして、情報記録、太陽光発電、印刷、印刷回路をはじめとする多種多様の分野において極めて有用である。

Claims (3)

  1. 波長400nm付近の可視光を実質的に吸収するピリリウム化合物。
  2. 一般式1で表される請求の範囲第1項に記載のピリリウム化合物。
    一般式1:
    Figure 2004111133
    (一般式1において、X−は適宜の陰イオンを表す。Yは炭素原子か、あるいは、周期律表における第15又は16族のヘテロ原子を表す。Zは単環式又は縮合多環式の芳香族炭化水素基を表し、その芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。R乃至Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、Yがヘテロ原子である場合、R及び/又はRは存在しない。)
  3. 分解点が200℃以上である請求の範囲第1項又は第2項に記載のピリリウム化合物。
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