JPWO2004107425A1 - イオンビームによる表面処理方法および表面処理装置 - Google Patents

イオンビームによる表面処理方法および表面処理装置 Download PDF

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Abstract

本発明の表面処理方法は、常温常圧で液体の物質をイオン化して形成したイオンビームを基材表面に照射することを特徴とする。本発明の表面処理装置は、常温及び常圧で液体の物質のクラスターを生成するための真空容器であるソースチャンバ(1)、ソースチャンバ(1)で生成されたクラスターを小さい開口を有するスキマー(10)を通過させて細いビーム状にするための真空容器である差動排気チャンバー(2)、形成されたクラスタビームをイオン化し、質量分離によって構成分子数が選別されたクラスターイオンビームを基板表面に照射するための真空容器であるターゲットチャンバー(3)を基本構成とする。

Description

本発明は、常温および常圧で液体の物質を用いた、これまでにない基材の表面清浄化や表面加工を行うための表面処理方法および表面処理装置に関する。
従来から、半導体基板をはじめとする各種の基材の表面清浄化や表面加工を行う方法として、イオンビームを用いた表面処理方法が知られているが、従来の方法では、常温および常圧で固体や気体の物質をイオン発生源の材料として利用している。
この場合、例えば、常温および常圧で気体の物質の単原子や単分子のイオンで形成されたイオンビームを基材表面に照射することで表面清浄化を行う際には、基材表面に入射するイオンの入射エネルギーが100eV以下では基材に流入するイオン電流が極端に少なくなるため、入射エネルギーを数keVと高くして行わなければならない。そのため、入射エネルギーが高すぎて基材表面に欠陥を発生させたり、入射したイオンが基材表面に注入されて不純物原子となったりして、清浄な基材表面が得られないといった問題がある。また、多原子で構成された分子のイオンで形成されたイオンビームを数keVという高い入射エネルギーで基材表面に照射した場合、イオンが基材表面に衝突することによって分子の崩壊が生じ、分子の性質を失うことでその性質を利用した表面清浄化を効率よく行うことができないといった問題がある。
そこで以上のような問題を解消する方法として、塊状原子集団や塊状分子集団であるクラスターをイオン化して形成したクラスターイオンビームを用いた表面処理方法が提案され、例えば、特許文献1には、常温および常圧で気体の物質をイオン発生源の材料として利用したガスクラスターイオンビームによる基材表面への薄膜形成方法が記載されている。
しかしながら、これまでに常温および常圧で液体の物質をイオン発生源の材料とするイオンビームを用いた表面処理方法の報告はない。常温および常圧で液体の物質のイオンの用途としては、微量成分の質量分析等のごく限られたものしか知られておらず、このような用途においては、ターゲットに流入するイオン電流は極めて少なく、イオンはビーム状に形成する必要がない。従って、このような用途の延長線上において、常温および常圧で液体の物質のイオンを利用して基材の表面処理を行うことはできない。
常温および常圧で液体の物質を用いて湿式によって基材表面を清浄化やエッチングする方法はよく知られているところである。例えば、油脂や埃等を除去して表面を清浄化する場合にはアルコール溶液等が用いられる。また、基材表面に存在する酸化物を除去する場合には酸性溶液が用いられる。しかしながら、後者の場合には、基材表面への酸性溶液の残留は基材の腐食等を招くことからこれを除去する必要があり、そのため、基材表面をさらに純水で洗浄するといった操作を行わなければならず煩雑である。また、いずれの場合であっても、清浄化された基材表面の化学的性質は安定性に優れるとは言い難いものである。従って、時間をかけて清浄化しても、大気中の酸素や埃等の吸着によって再び汚染されるといった問題がある。
特開2003−13208号公報
そこで本発明は、常温および常圧で液体の物質を用いた、これまでにない基材の表面清浄化や表面加工を行うための表面処理方法および表面処理装置を提供することを目的とする。
上記の点に鑑みてなされた本発明の表面処理方法は、請求項1記載の通り、常温および常圧で液体の物質をイオン化して形成したイオンビームを基材表面に照射することを特徴とする。
また、請求項2記載の表面処理方法は、請求項1記載の表面処理方法において、基材表面に入射するイオンの入射エネルギーを制御することを特徴とする。
また、請求項3記載の表面処理方法は、請求項1記載の表面処理方法において、イオンビームが常温および常圧で液体の物質の塊状分子集団であるクラスターをイオン化して形成したクラスターイオンビームであることを特徴とする。
また、請求項4記載の表面処理方法は、請求項3記載の表面処理方法において、質量分離によって構成分子数を選別したクラスターイオンビームを加速電圧の印加によって加速して基材表面に照射することを特徴とする。
また、請求項5記載の表面処理方法は、請求項1記載の表面処理方法において、常温および常圧で液体の物質がアルコールまたはアセトンであることを特徴とする。
また、本発明の表面処理装置は、請求項6記載の通り、常温および常圧で液体の物質をイオン化して形成したイオンビームを基材表面に照射する手段を備えてなることを特徴とする。
また、請求項7記載の表面処理装置は、請求項6記載の表面処理装置において、基材に流入するイオン電流を正確に測定することができる構成のファラデーカップの内部に基材を装着するようにしたことを特徴とする。
また、請求項8記載の表面処理装置は、請求項6記載の表面処理装置において、イオンビームが常温および常圧で液体の物質の塊状分子集団であるクラスターをイオン化して形成したクラスターイオンビームであることを特徴とする。
また、請求項9記載の表面処理装置は、請求項8記載の表面処理装置において、常温および常圧で液体の物質を小孔から真空中に噴射させることで断熱膨張によってクラスターが生成するようにしたことを特徴とする。
また、請求項10記載の表面処理装置は、請求項9記載の表面処理装置において、小孔がノズル形状であることを特徴とする。
また、請求項11記載の表面処理装置は、請求項8記載の表面処理装置において、生成したクラスターのイオン化を電子衝撃によって行うようにしたことを特徴とする。
また、請求項12記載の表面処理装置は、請求項8記載の表面処理装置において、クラスターイオンビームが減速電界法による質量分離によって構成分子数を選別したものであることを特徴とする。
また、請求項13記載の表面処理装置は、請求項6記載の表面処理装置において、基材表面に入射するイオンの入射エネルギーを制御するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、常温および常圧で液体の物質を用いた、これまでにない基材の表面清浄化や表面加工を行うための表面処理方法および表面処理装置が提供される。
[図1]実施例における表面処理装置の概略図。
[図2]同、表面処理装置の液体ソースの拡大図。
[図3]同、表面処理装置の電極構成図。
[図4]同、表面処理装置のファラデーカップの概略図。
[図5]同、エタノールクラスターイオンビームの減速電圧に対するビーム電流特性を示すグラフ。
[図6]同、エタノールクラスターイオンのサイズ分布を示すグラフ。
[図7]同、エタノールクラスターイオンのビーム形状を示すグラフ。
[図8]同、エタノールクラスターイオンを照射したシリコン基板および酸化シリコン膜のエッチング深さの加速電圧依存性を示すグラフ。
[図9]同、エタノールクラスターイオンを照射した酸化シリコン膜表面のAFM像を示す写真。
[図10]同、エタノールクラスターイオンを照射したシリコン基板表面および未照射のシリコン基板表面のAFM像を示す写真。
[図11]同、エタノールクラスターイオンを照射したシリコン基板のRBS法によるチャネリングスペクトラルを示すグラフ(その1)。
[図12]同、エタノールクラスターイオンを照射したシリコン基板のRBS法によるチャネリングスペクトラルを示すグラフ(その2)。
[図13]同、エタノールクラスターイオンを照射したシリコン基板の接触角の照射量依存性を示すグラフ。
符号の説明
1 ソースチャンバー
2 差動排気チャンバー
3 ターゲットチャンバー
4 液体ソース
5 細管
6 支持台
7 覗き窓
8 ヒーター
9 ノズル
10 スキマー
11 メカニカルブースターポンプ
12 油回転ポンプ
13 油拡散ポンプ
14 油回転ポンプ
15 アパーチャ
16 イオン化部
17 質量分離器
18 ファラデーカップ
19 油拡散ポンプ
20 喉部
21 フィラメント
22 アノード電極
23 引き出し電極
24 加速電極
25 減速電極
26 電極
27 イオン電流検出板
28 バルブ
30 基板
31 基板ホルダー
32 電流メーター
33 第1円筒ケース
34 電流メーター
35 第2円筒ケース
36 ビーム制御板
本発明の表面処理方法は、常温および常圧で液体の物質(以下、液体や液体物質と略称することもある)をイオン化して形成したイオンビームを基材表面に照射することを特徴とするものである。常温および常圧で液体の物質には、液体有機化合物のように、多種・多様な構造や化学的性質を有した物質が存在する。従って、本発明の表面処理方法によれば、このような物質の中から目的とする基材の表面処理に適した物質をイオン発生源の材料として選択することにより(例えば、基材表面のエッチングを行う場合のように、エッチャントである液体が最終的に基材表面から除去されることを望む場合は揮発性の高い液体を選択し、基材表面に液体を吸着や付着させたい場合は、吸着や付着させたい液体を選択すればよい)、常温および常圧で固体や気体の物質をイオン発生源の材料として利用する従来の表面処理方法ではなし得なかったり困難であったりした表面処理が可能となる。
例えば、本発明の表面処理方法によれば、基材表面の親・疎水性や潤滑性等の制御や付加・置換反応による表面改質を行うことができる。また、流動性のような液体特有の性質を基材表面で発現させることもできる。このような表面処理を行う場合、基材表面に入射するイオンの入射エネルギーを数十eV以下の低いエネルギーにして、基材表面にイオンを吸着や付着させる必要があるが、基材表面へのイオンの吸着や付着による表面処理は、液体の塊状分子集団であるクラスターをイオン化して形成したクラスターイオンビームを用いることで行うことができる。クラスターイオンビームを用いれば、クラスターイオンが持つエネルギーを制御することができると共に、その値が大きくても単分子のイオンで形成されたイオンビームを用いる場合よりも1分子のイオンあたりの入射エネルギーを低いエネルギーで表面処理を行うことができるからである。
また、クラスターイオンビームの構成分子数を制御することで、1分子のイオンあたりの入射エネルギーを制御することもできる。従って、基材表面に入射するイオンの入射エネルギーの制御の自由度が増し(例えば、基材表面にイオンを吸着や付着させる場合には入射エネルギーを低くし、イオンで基材表面のエッチングを行う場合には高くするといったように目的に応じて入射エネルギーを自由に制御することができる)、イオン発生源の材料として利用する液体の選択の自由度と共に、多種多様な基材の表面処理を行うことができる。よって、基材表面に欠陥がない無損傷表面の形成や、液体特有の流動性やイオンの入射エネルギーの制御による超平坦な表面形成を行うこともできる。さらに、均一な構成分子数からなるクラスターは微視的に均質なものであるので、常温および常圧における液体とは異なった性質を有する可能性がある。従って、この微視的な均一性に基づいて、湿式によって行った表面処理結果と異なる結果の取得や、湿式では行うことができない表面処理を行うことができるといったことが期待される。
常温および常圧で液体の物質としては、アルコール(メタノールやエタノール等)やアセトン等が例示される。イオン発生源の材料となる液体は、例えば、小孔から真空中に噴射されることで断熱膨張によってクラスターを生成する。液体を真空中に噴射するための小孔は、例えば、先細末広構造のノズル形状であり、液体の高圧蒸気を真空中に噴射することができる。生成したクラスターをビーム状にし、これを電子衝撃によってイオン化してクラスターイオンビームとする。そして、例えば、減速電界法による質量分離によって構成分子数を選別し、所望のクラスターサイズからなるクラスターイオンビームとしてこれを加速させて基材表面に照射する。クラスターイオンビームの構成分子数は数百以下とすることが、分子の利用効率の点からは好ましい。
なお、クラスターをイオン化する方法として、電子衝撃を行う方法以外にレーザービーム照射を行う方法を用いてもよい。また、クラスターイオンビームの質量分離の方法として、減速電界法以外に、扇型電磁石による質量分離、直交電磁界を用いた質量分離、四重極高周波電界による質量分離等の方法を用いてもよい。
本発明の表面処理方法において、常温および常圧で液体の物質をイオン化して形成したイオンビームを照射する基材は、半導体や絶縁物の基板のみならず、金属、有機物等の基板であってもよく、また、基板に限らず、薄膜、微小な立方体や多面体等、大きさや形状に何ら限定されるものではない。従って、本発明の表面処理方法は、電子部品、光学部品、機械部品等をはじめとする各種の物品の表面処理に応用することができる。
また、本発明の表面処理方法において、常温および常圧で液体の物質の塊状分子集団であるクラスターをイオン化して形成したクラスターイオンビームを用いれば、クラスターイオンビームの構成分子数(クラスターサイズ)やクラスターの構造によって化学反応が異なる現象に着目することで、新しい切り口から様々な溶媒・溶質反応を原子レベルで明らかにすることができる。
以下、本発明を実施例によって図面を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の記載に何ら限定して解釈されるものではない。
図1は、アルコールやアセトン等の常温および常圧で液体の物質の高圧蒸気をノズル形状の小孔から真空中に噴射させることで断熱膨張によって塊状分子集団であるクラスターを生成させ、生成したクラスターを電子衝撃によってイオン化し、引き出したクラスターイオンビームを減速電界法による質量分離によって構成分子数を選別して輸送し、基板表面に照射することができる表面処理装置の一例の概略図である。この表面処理装置は、常温および常圧で液体の物質のクラスターを生成するための真空容器であるソースチャンバー1、ソースチャンバー1で生成されたクラスターを小さい開孔を有するスキマー10を通過させて細いビーム状にするための真空容器である差動排気チャンバー2、形成されたクラスタービームをイオン化し、質量分離によって構成分子数が選別されたクラスターイオンビームを基板表面に照射するための真空容器であるターゲットチャンバー3を基本構成とする。ソースチャンバー1に設けられた液体ソース4はステンレス製であり、大きさは横が10cm、奥行きが5cm、高さが8cmである。イオン発生源の材料としての液体物質は、液体ソース4の一端に接続されている細管5を通して供給される。液体ソース4は、左右方向のX軸、上下方向のY軸、ビーム進行方向のZ軸の3軸方向にそれぞれ独立に可動できる支持台6に搭載されており、マイクロメーターを用いて、それぞれX軸は±5mm、Y軸は±10mm、Z軸は±5mmの範囲内で可動させることができる。液体ソース4に供給された液体物質の液量は、液体ソース4の一面に設けられた覗き窓7を通して目視できる。イオン発生源の材料として液体物質を用いるので、その連続供給や供給量制御が容易である。また、液体ソース4の内部の温度は、その周囲に巻回したヒーター8に電流を流すことによって制御でき、例えば、200℃まで加熱できる。加熱された液体物質の蒸気は、液体ソース4の一端に接続されている先細末広のノズル9の小孔を通して真空中に噴射される。このとき、断熱膨張によって塊状分子集団であるクラスターが生成される。生成したクラスターは、形状がコーン状で直径0.5mmの開孔を有するスキマー10を通過することで細いビーム状にされて差動排気チャンバー2に導入される。なお、ソースチャンバー1の真空排気は、メカニカルブースターポンプ11と油回転ポンプ12によって行われ、液体物質の蒸気が噴射される前の真空度は3×10−3Torrである。また、差動排気チャンバー2の真空排気は、油拡散ポンプ13と油回転ポンプ14によって行われ、液体物質の蒸気が導入される前の真空度は6×10−7Torrである。
差動排気チャンバー2とターゲットチャンバー3の真空容器の間には、直径3mmの開孔を有するアパーチャ15が設けられている。ソースチャンバー1から差動排気チャンバー2に導入されたクラスタービームは、アパーチャ15を通過して、ターゲットチャンバー3に設けられたイオン化部16に導入される。イオン化部16に導入されたクラスタービームは、電子衝撃によってイオン化される。イオン化部16から引き出されたクラスターイオンビームは、質量分離器17に導入されて減速電界法による質量分離によって構成分子数が選別され、ターゲットチャンバー3の真空中を走行し、ファラデーカップ18に導入され、ファラデーカップ18の内部に装着された基板の表面に照射される。ターゲットチャンバー3の真空排気は、油拡散ポンプ19と油回転ポンプ14によって行われ、クラスターが導入される前の真空度は6×10−7Torrである。
図2は、液体ソース4の拡大図である。細管5を通して液体物質を液体ソース4に導入し、覗き窓7を通して目視にて所定の導入量を確認した後、バルブ28を閉じる。さらに、液体ソース4の周囲に巻回したヒーター8に電流を流すことによって、液体ソース4を加熱する。加熱された液体物質の蒸気は、液体ソース4の一端に接続されている先細末広のノズル9の喉部20の小孔から真空中に噴射される。なお、小孔の直径は0.1mmである。
図3は、イオン化部16および質量分離器17の電極構成図である。イオン化部16は、イオン化のための電子放出用フィラメント21とステンレス製メッシュでできたアノード電極22から構成されている。アノード電極22の開孔は直径30mmである。また、フィラメント21は直径0.3mmのタングステン線でできている。フィラメント21に交流電圧(Vf)を印加して電流を流し、該フィラメント21を高温に加熱して電子を放出させる。フィラメント21から放出された電子は、フィラメント21とアノード電極22の間に印加された最大300Vの電圧(Ve)で加速されてアノード電極22に捕捉される。アノード電極22のメッシュの間隙を通過した電子は、イオン化部16に導入されたクラスタービームと衝突し、ビームを構成するクラスターをイオン化する。生成されたクラスターイオンは、引き出し電極23に対して最大2kVの電圧(Vext)をアノード電極22に印加することによって引き出される。引き出されたクラスターイオンは、アノード電極22に大地電位に対して最大10kVの電圧(Va)を印加することによって加速される。
加速されたクラスターイオンビームは、大地電位に保持された加速電極24を通過して、平行平板の減速電極25に入射する。このとき、加速電極24に対して減速電極25に正の減速電圧(Vret)を印加することによって、クラスターイオンの質量分離、すなわちサイズ分離を行うことができる。質量分離されたクラスターイオンビームは、加速電極24と同電位に接続された電極26を通過して、ファラデーカップに導入され、ファラデーカップの内部に装着された基板の表面に照射される。なお、図3は、基板を内部に装着したファラデーカップの代わりにクラスターイオンビームの電流を測定するためのイオン電流検出板27を配置したものである。また、クラスターイオンビームの減速電圧は、アノード電極22に印加する電圧と減速電極25に印加する電圧の差を表すので、該減速電極25に印加する減速電圧(Vret)と区別するために、減速電圧(Vr)で表す。
図4は、ファラデーカップ18の概略図である。ファラデーカップ18は、円筒状のステンレス板で製作されており、ファラデーカップ18の内部には基板30を装着できる基板ホルダー31が設けられている。基板ホルダー31は、シールドされた銅線によって電流メーター32に接続されており、電流メーター32によって基板に流入するイオン電流の見かけ上の電流値を計測できる。また、イオンビームの照射によって基板から放出された二次電子は、ファラデーカップ18を構成する内側の第1円筒ケース33に流れ込む。第1円筒ケース33に流入した二次電子の電流は、第1円筒ケース33に接続されている電流メーター34によって計測できる。さらに、第1円筒ケース33の外側に設けられた第2円筒ケース35は、第1円筒ケース33に対して負の電圧(Vs)を印加することによって、第1円筒ケース33の開孔を通ってファラデーカップ18の外に流れる二次電子を抑制することができる。また、ビーム制限板36が第2円筒ケース35の前面に設けられており、ファラデーカップ18に流入するクラスターイオンビームが第2円筒ケース35に衝突しないようになっている。なお、電流メーター32および電流メーター34の電流値から、基板に流入するイオン電流の正確な値を測定することができる。
次に、常温および常圧で液体の物質としてエタノールを用い、図1に示した表面処理装置によって、ノズルからエタノールの蒸気を噴射してクラスターを生成させ、生成したクラスターを細いビーム状にしてから電子衝撃によってイオン化し、引き出したイオンビームを質量分離し、シリコン基板表面や酸化シリコン膜表面に照射する実験を行った。その実験結果を図5〜図13に基づいて説明する。
図5は、生成したエタノールクラスターをイオン化し、引き出したクラスターイオンビームの減速電圧に対するビーム電流特性を示すグラフである。ここでは、イオン化電子電圧(Ve)=200V、イオン化電子電流(Ie)=200mA、イオンの引き出し電圧(Vext)=1kV、加速電圧(Va)=5kVで、エタノールの蒸気圧を1〜4気圧に変化させてデータをとったものである。図5から、減速電圧の増加と共に、ビーム電流は減少することがわかる。また、エタノールの蒸気圧の増加と共に、ビーム電流は増大することがわかる。このような特性において、減速電圧の増分に対するビーム電流の増分の比からクラスターのサイズ分布の特性が得られる。すなわち、液体ソースの温度やエタノールの比熱比から、エタノール分子1個のエネルギーが計算できるので、減速電圧の大きさをエタノール分子1個のエネルギーで割ることによって、クラスター1個あたりの分子数、すなわち、クラスターサイズ(クラスターイオンビームの構成分子数)がわかる。なお、この実験では、計算結果からエタノール分子1個のエネルギーは0.284eVである。
図6は、生成したエタノールクラスターイオンのサイズ分布を示すグラフである。図6から、エタノールの蒸気圧の増加と共に、生成するクラスター量は増大し、また、クラスターサイズが数百〜千数百に分布したクラスターが得られることがわかる(縦軸の強度はクラスターサイズが120以上の全クラスター中における存在相対比を示す)。
図7は、生成したエタノールクラスターイオンのビーム形状を示すグラフである。ここでは、イオン化電子電圧(Ve)=200V、イオン化電子電流(Ie)=200mA、イオンの引き出し電圧(Vext)=300V、加速電圧(Va)=5kVで、27Vの減速電圧(Vr)を印加してクラスターサイズが95以上のエタノールクラスターイオンを取り出してデータを取得し、さらに、アインツェルレンズに印加するレンズ電圧(VI)によってビーム形状を制御してデータを取得したものである。図7から、測定系の中心より約15mm離れた距離にあるビームの中心軸でのイオン電流は、レンズ電圧の制御によって0.2μA〜0.75μAの値が得られていることがわかる。従って、等価的な電流量は、電流値にクラスターサイズを乗じた値となるので、数十μA以上の電流が得られていることがわかる。さらに、グラフのクラスターイオンのビーム形状の半値幅より、直径が数mm〜十数mmの細いビームになっているのがわかる。
図8は、生成したエタノールクラスターのサイズが95以上のクラスターイオンを、シリコン(Si)基板表面および酸化シリコン(SiO)膜表面に加速電圧(Va)を変えて照射して、シリコン基板および酸化シリコン膜がそれぞれエッチングされた深さを測定したグラフである。クラスターイオンは1cmの単位面積あたりに1×1016個照射した。図8から、酸化シリコン膜は、加速電圧が3kVまでは、エッチングされないことがわかる。しかしながら、加速電圧が増加すると共にエッチング深さは増加し、加速電圧が6kVでのエッチング深さは284Å、加速電圧が9kVでのエッチング深さは472Åになることがわかる。
図9は、9kVの加速電圧でエッチングを行った際の酸化シリコン膜表面の原子間力顕微鏡(AFM)像を示す写真である。図9から、酸化シリコン膜表面は原子レベルにおいて平坦であり、表面粗さ(Ra)は6.5Åであることがわかる。よって、エタノールクラスターイオンを加速して酸化シリコン膜表面に照射することによって、酸化シリコン膜はエッチングされ、しかも液体特有の流動性やイオンの加速エネルギーを活用してナノレベルで超平坦な表面が形成できることがわかる。
一方、図8から、シリコン基板については、加速電圧の増加と共に、エッチング深さは急激に増大し、加速電圧が9kVでのエッチング深さは3446Åになることがわかる。この結果を用い、またシリコン基板の密度を2.42g/cmとしてエッチング率を計算すると、176atoms/ionの値が得られ、従来の単原子のアルゴンイオンで形成されたイオンビームによるエッチング率に比べて、100倍以上のエッチング率が得られている。また、酸化シリコン膜に比べて、シリコン基板のエッチング率は7倍以上と大きく、エタノールクラスターイオンによる化学エッチングが優先的に生じていることがわかる。このような高速エッチングは、従来の超音波洗浄による湿式方法では実現不可能である。従来の超音波洗浄による湿式方法によってシリコン基板に対してエタノール分子を単位面積当たり1×1019個以上照射するような条件でエッチングしても、シリコン基板をエッチングすることはできない。
図10は、単位面積あたり1×1016個のクラスターイオン照射を行った際のシリコン基板表面の原子間力顕微鏡(AFM)像を示す写真である。比較のために、未照射のシリコン基板表面のAFM像も示している。図10から、シリコン基板表面は原子レベルにおいて平坦であり、表面粗さ(Ra)は未照射のシリコン基板で1.8Å、イオン照射したシリコン基板で4.6Åであることがわかる。よって、エタノールクラスターイオンを加速してシリコン基板表面に照射することによって、シリコン基板表面はエッチングされ、しかも液体特有の流動性やイオンの加速エネルギーを活用してナノレベルで超平坦な表面が形成できることがわかる。
図11は、生成したエタノールクラスターのサイズが95以上のクラスターイオンを、厚さが6nmの酸化シリコン膜に覆われたシリコン基板表面に照射した後、シリコン基板を真空容器から取り出して、フッ酸によって酸化シリコン膜を除去したシリコン基板の照射損傷の程度をラザフォードバックスキャッタリング(RBS)法によって測定したグラフである(縦軸の強度は損傷の程度を示す相対値である)。この実験では、クラスターイオンの加速電圧は6kVで、1cmの単位面積あたり1×1013〜1×1015個のクラスターイオンを照射した。比較のために、エタノール分子と同程度の質量数を持つアルゴン(Ar)の単原子イオンを加速電圧6kVで、単位面積あたり1×1015個のイオンを照射した測定結果も示す。図11から、エタノールクラスターイオン照射では、231チャンネル付近の損傷ピークの面積はイオン照射していないシリコン基板の場合と同程度であることがわかる。しかし、Arイオン照射では、未照射の場合と比較して、照射損傷ピークの面積は約3倍と大きくなっている。この結果から、エタノールクラスターイオンは、シリコン基板表面に入射した直後に、個々の分子に分解され、イオンの入射エネルギーがそれぞれの分子に分配されて、シリコン基板の中に注入されるために、イオン照射による損傷が小さいことがわかる。従って、分子1個あたりの入射エネルギーは、エタノールクラスターイオンの入射エネルギーをクラスターサイズで割った値、すなわち数keVの入射エネルギーでも数十eV以下の低エネルギーとなるので、加速電圧を制御することによって、無損傷の表面形成が行えることがわかる。
図12は、生成したエタノールクラスターのサイズが95以上のクラスターイオンを、厚さが6nmの酸化シリコン膜に覆われたシリコン基板表面に照射した後、シリコン基板を真空容器から取り出して、フッ酸によって酸化シリコン膜を除去したシリコン基板の照射損傷の程度をラザフォードバックスキャッタリング(RBS)法によって測定したグラフである(縦軸の強度は損傷の程度を示す相対値である)。この実験では、クラスターイオンの加速電圧は6kVで、1cmの単位面積あたり1×1013〜1×1016個のクラスターイオンを照射した。図12から、単位面積あたり1×1013〜1×1015個のクラスターイオン照射では、231チャンネル付近の損傷ピークの面積はイオン照射していないシリコン基板の場合と同程度であることがわかる。これによれば、エタノールクラスターイオンはシリコン基板表面に入射した直後に、個々の分子に分解され、イオンの入射エネルギーがそれぞれの分子に分配されて、シリコン基板の中に注入されるために、イオン照射による損傷が小さいことがわかる。一方、単位面積あたり1×1016個のクラスターイオン照射では、損傷ピークの面積は増大しているのがわかる。この結果は、エタノールクラスターイオン照射によってシリコン基板上の厚さ6nmの酸化シリコン膜はエッチングされてしまい、さらに下地のシリコン基板がエッチングされたために、損傷ピークが増加したことを示すものである。
図13は、生成したエタノールクラスターのサイズが95以上のクラスターイオンを、シリコン基板表面にイオン照射量を変えて照射した後、シリコン基板を真空容器から取り出して、基板表面上に滴下した水滴の接触角を測定したグラフである。クラスターイオンは1cmの単位面積あたり1×1013〜1×1016個照射し、加速電圧(Va)は6kVとした。図13から、未照射のシリコン基板の接触角は50度であるが、エタノールクラスターイオン照射によって接触角はイオン照射量の増加と共に増大し、65度〜70度の値が得られていることがわかる。この結果は、エタノールクラスターイオン照射によってシリコン基板表面がエタノール分子によって修飾され、最表面にエタノール分子を構成しているアルキル基が配列するために疎水性になったことを示すものである。
なお、以上の実験から明らかなように、本発明の表面処理方法は、基板表面上に存在する酸化物等の不純物を除去し、基板の表面清浄にも応用できるものである。また、基板の表面改質は、酸素や窒素等の反応性ガスを基板の周囲に導入し、クラスターイオンビームの援用照射によって、反応性ガスの置換反応や付加反応等をもたらすものであってもよい。
本発明は、常温および常圧で液体の物質を用いた、これまでにない基材の表面清浄化や表面加工を行うための表面処理方法および表面処理装置を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
【0002】
らず、このような用途においては、ターゲットに流入するイオン電流は極めて少なく、イオンはビーム状に形成する必要がない。従って、このような用途の延長線上において、常温および常圧で液体の物質のイオンを利用して基材の表面処理を行うことはできない。
常温および常圧で液体の物質を用いて湿式によって基材表面を清浄化やエッチングする方法はよく知られているところである。例えば、油脂や埃等を除去して表面を清浄化する場合にはアルコール溶液等が用いられる。また、基材表面に存在する酸化物を除去する場合には酸性溶液が用いられる。しかしながら、後者の場合には、基材表面への酸性溶液の残留は基材の腐食等を招くことからこれを除去する必要があり、そのため、基材表面をさらに純水で洗浄するといった操作を行わなければならず煩雑である。また、いずれの場合であっても、清浄化された基材表面の化学的性質は安定性に優れるとは言い難いものである。従って、時間をかけて清浄化しても、大気中の酸素や埃等の吸着によって再び汚染されるといった問題がある。
【特許文献1】特開2003−13208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】 そこで本発明は、常温および常圧で液体の物質を用いた、これまでにない基材の表面消浄化や表面加工を行うための表面処理方法および表面処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】 上記の点に鑑みてなされた本発明の表面処理方法は、請求項1記載の通り、常温および常圧で液体の物質を真空容器であるソースチャンバーの内部に設けた液体ソース内で加熱して高圧蒸気とし、これを真空中に噴射することで生成する塊状分子集団であるクラスターをイオン化して形成したクラスターイオンビームを基材表面に照射することを特徴とする。
また、請求項2記載の表面処理方法は、請求項1記載の表面処理方法において、基材表面に入射するイオンの入射エネルギーを制御することを特徴とする。
また、請求項3記載の表面処理方法は、請求項1記載の表面処理方法において、
【0003】
質量分離によって構成分子数を選別したクラスターイオンビームを加速電圧の印加によって加速して基材表面に照射することを特徴とする。
また、請求項4記載の表面処理方法は、請求項1記載の表面処理方法において、常温および常圧で液体の物質がアルコールまたはアセトンであることを特徴とする。
また、本発明の表面処理装置は、請求項5記載の通り、常温および常圧で液体の物質を真空容器であるソースチャンバーの内部に設けた液体ソース内で加熱して高圧蒸気とし、これを真空中に噴射することで生成する塊状分子集団であるクラスターをイオン化して形成したクラスターイオンビームを基材表面に照射する手段を備えてなることを特徴とする。
また、請求項6記載の表面処理装置は、請求項5記載の表面処理装置において、基材に流入するイオン電流を正確に測定することができる構成のファラデーカップの内部に基材を装着するようにしたことを特徴とする。
また、請求項7記載の表面処理装置は、請求項5記載の表面処理装置において、常温および常圧で液体の物質を液体ソース内で加熱して得た高圧蒸気を小孔から真空中に噴射させることで断熱膨張によってクラスターが生成するようにしたことを特徴とする。
また、請求項8記載の表面処理装置は、請求項7記載の表面処理装置において、小孔がノズル形状であることを特徴とする。
また、請求項9記載の表面処理装置は、請求項5記載の表面処理装置において、生成したクラスターのイオン化を電子衝撃によって行うようにしたことを特徴とする。
また、請求項10記載の表面処理装置は、請求項5記載の表面処理装置において、クラスターイオンビームが減速電界法による質量分離によって構成分子数を選別したものであることを特徴とする。
また、請求項11記載の表面処理装置は、請求項5記載の表面処理装置において、基材表面に入射するイオンの入射エネルギーを制御するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】

Claims (13)

  1. 常温および常圧で液体の物質をイオン化して形成したイオンビームを基材表面に照射することを特徴とする表面処理方法。
  2. 基材表面に入射するイオンの入射エネルギーを制御することを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  3. イオンビームが常温および常圧で液体の物質の塊状分子集団であるクラスターをイオン化して形成したクラスターイオンビームであることを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  4. 質量分離によって構成分子数を選別したクラスターイオンビームを加速電圧の印加によって加速して基材表面に照射することを特徴とする請求項3記載の表面処理方法。
  5. 常温および常圧で液体の物質がアルコールまたはアセトンであることを特徴とする請求項1記載の表面処理方法。
  6. 常温および常圧で液体の物質をイオン化して形成したイオンビームを基材表面に照射する手段を備えてなることを特徴とする表面処理装置。
  7. 基材に流入するイオン電流を正確に測定することができる構成のファラデーカップの内部に基材を装着するようにしたことを特徴とする請求項6記載の表面処理装置。
  8. イオンビームが常温および常圧で液体の物質の塊状分子集団であるクラスターをイオン化して形成したクラスターイオンビームであることを特徴とする請求項6記載の表面処理装置。
  9. 常温および常圧で液体の物質を小孔から真空中に噴射させることで断熱膨張によってクラスターが生成するようにしたことを特徴とする請求項8記載の表面処理装置。
  10. 小孔がノズル形状であることを特徴とする請求項9記載の表面処理装置。
  11. 生成したクラスターのイオン化を電子衝撃によって行うようにしたことを特徴とする請求項8記載の表面処理装置。
  12. クラスターイオンビームが減速電界法による質量分離によって構成分子数を選別したものであることを特徴とする請求項8記載の表面処理装置。
  13. 基材表面に入射するイオンの入射エネルギーを制御するようにしたことを特徴とする請求項6記載の表面処理装置。
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