JP6162700B2 - 表面分析向上のために加速中性ビームを使用する方法および装置 - Google Patents

表面分析向上のために加速中性ビームを使用する方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は概して、表面のビームエッチング方法およびシステムに関する。より具体的には、加速ガスクラスタイオンビーム(GCIB)から得られる加速中性ビームを用いて表面をエッチングする方法およびシステムに関する。中性ビームは、好ましくはGCIBから得られる加速中性モノマービームである。
様々な分析機器では、材料構成要素の深度プロファイリングは、結果的に生じる材料の深度を分析工程にさらすエッチング工程と組み合わせた表面分析または薄表面領域分析によって実行される。たとえば二次イオン質量分析(SIMS)分析では、深度プロファイリングは通常、イオンビームを用いてイオンビームでの探査により表面要素を分析しながら(あるいは順番に)連続的に表面の厚みをエッチングで除去し、表面から二次イオンの放出を生成させることによって行われる。二次イオンは同定するのに質量分析技術によって分析される。別の例では、X線光電子分光法(XPS)は化学分析用電子分光法(ESCA)とも称され、深度プロファイリングを可能にする同様のエッチングシーケンスが露出表面の分析用のX線プローブビームの使用と組み合わされる。X線プローブビームは、表面および浅表面下からの光電子の放出を刺激する。光電子の運動エネルギースペクトルは情報を含み、その情報から材料の元素的および化学的明細を推定することができる。これらの方法すべてに関して、交絡因子は、エッチングのために不可避に利用されるイオンビームが分析対象の表面に貫入し、表面を攪乱し、最初の分布を表さない深度で検出させられるように原子を変位させることである。従来のイオンビームは通常、ターゲット原子をターゲット内により深く押し込むことのできるノックオン効果を生み出す原子または分子イオンを使用する。また、従来のイオンビームは、比較的厚い領域全体にわたって最初の原子が大まかに混じり合う非晶質層も形成することができる。
GCIBエッチングはその性質上、ほとんどノックオンを生じさせず、深度測定の分解能を混乱させる極薄非晶質混合層を形成しないため、近年、GCIBをエッチングビームとして使用することに大きな関心と活動が寄せられている。
イオンは、その電荷が電界および磁界による操作を容易にするために多数のプロセスで長い間採用されてきた。これにより、処理が非常に柔軟になる。しかしながら、用途によっては、どのイオン(GCIB中のガスクラスタイオンを含む)にも固有の電荷が処理表面に望ましくない作用を及ぼす場合がある。GCIBは、単独のまたは小さな複数電荷を有するガスクラスタイオンが従来のイオン(単独の原子、分子、または分子断片)に比べてずっと大きな質量流(クラスタは数百または数千の分子から成ることがある)の移送と制御を可能にするという点で、従来のイオンビームを越える明確な利点を備える。特に、絶縁性材料の場合、イオンを使用して処理される表面は蓄積電荷の急な放出、および材料の損傷電界誘発ストレスの生成(これも蓄積電荷から生じる)から生じる電荷誘発損傷を受けることが多い。このような多くのケースでは、GCIBは質量当たりの電荷が比較的低いために有益であるが、場合によってはターゲット荷電問題を排除できないことがある。さらに、中〜高電流強度のイオンビームは、大きな空間電荷を誘発する、長距離に渡って集束されるビームの移送を阻む傾向にあるビームの脱焦を受ける場合がある。ここでも、従来のイオンビームに比べて質量当たりの電荷が低いために、GCIBは利点を有するが、空間電荷移送問題を完全に排除できていない。
(特になし)
したがって本発明の目的は、混合層を低減して、分析機器において採用される際に深度分解能を向上させやすくする表面エッチング方法を提供することである。
本発明は、分析用の深度分解能を向上させる表面分析技術と併せて、表面エッチングのために加速GCIBから得られる加速中性ビームを使用することに関する。加速荷電GCIBをまず形成し、次にビームの少なくとも一部を中性化し、あるいは中性化の準備をし、荷電部分と未荷電部分とを分離することによって、上記の中性ビームを形成する方法および装置を本願で説明する。中性ビームは中性ガスクラスタ、中性モノマー、またはその組み合わせから成ることができる。加速中性ビームの使用は、エッチング表面で混合する材料層をより薄くし、特定の種類の分析機器におけるその他の表面深度プロファイリング方法よりも優れた物理的エッチング方法を提供する。
エネルギーの高い従来のイオン加速荷電原子または分子のビームは、半導体装置の接合部の形成、スパッタリングおよびエッチングによる表面の改質、薄膜の特性の変更などに広く利用されている。従来のイオンと異なり、ガスクラスタイオンは、標準的な温度および圧力下ではガス状の(一般的には、たとえば酸素、窒素、またはアルゴンなどの不活性ガスだが、ガスクラスタイオンを生成する任意の凝縮性ガスが使用可能である)材料の多数の(標準的な分布は数百〜数千、平均値は数千)弱く結合した原子または分子のクラスタから形成され、各クラスタは一つまたはそれ以上の電荷を共有し、大きな電位差(約3kV〜約70kVまたはそれ以上)により共に加速されて高い総エネルギーを得る。ガスクラスタイオンの形成および加速後、それらの電荷状態はその他のクラスタイオン、その他の中性クラスタ、または残りの背景ガス粒子との衝突によって変更させることができる、あるいは変更する(さらには中性化する)結果、より小さなクラスタイオンまたはモノマーイオン、および/または、より小さな中性化クラスタおよび中性化モノマーに断片化される、あるいは断片化を誘発されることがあるが、結果として生じるクラスタイオン、中性クラスタ、モノマーイオン、中性モノマーは大きな電位差を通じて加速されるために比較的高い速度およびエネルギーを維持する傾向があり、加速ガスクラスタイオンエネルギーは断片全体に分配される。
本願で使用されるように、「GCIB」、「ガスクラスタイオンビーム」、「ガスクラスタイオン」という用語は、イオン化ビームおよびイオンだけでなく、加速後に電荷状態の全部または一部が変更される(中性化を含む)加速ビームおよびイオンを包含することを目的とする。「GCIB」および「ガスクラスタイオンビーム」という用語は、未クラスタ化粒子も含むにせよ、加速ガスクラスタイオンを備えるすべてのビームを包含することを目的とする。本願で使用されるように、「中性ビーム」という用語は、加速ガスクラスタイオンビームから得られる中性ガスクラスタおよび/または中性モノマーのビームを意味することを目的とし、加速はガスクラスタイオンビームの加速から生じる。本願で使用されるように、「モノマー」という用語は単独の原子または単独の分子のいずれも等しく指す。「原子」、「分子」、「モノマー」という用語は互換可能に使用することができ、当該ガスの特徴となる適切なモノマー(クラスタの成分、クラスタイオンの成分、または原子または分子)すべてを指す。たとえば、アルゴンなどの一原子ガスを原子、分子、またはモノマーに関して言及することができ、それらの用語はそれぞれ単独の原子を意味する。同様に、窒素のような二原子ガスの場合、原子、分子、またはモノマーに関して言及することができ、それらの用語はそれぞれ二原子分子を意味する。さらに、COのような分子ガスを原子、分子、またはモノマーに関して言及することができ、それらの用語はそれぞれ三つの原子分子などを意味する。これらの決まりは、ガス状の一原子、二原子、または分子のいずれであるかに関係なくガスおよびガスクラスタまたはガスクラスタイオンを単純に外接する際に使用される。
大きなガスクラスタイオン内の個々の原子のエネルギーは非常に小さく、通常は数eV〜数十eVであるため、原子は衝撃時に目標表面の多くともほんの数個の原子層しか貫通しない。こうした衝突原子の浅い貫通(通常、ビーム加速に応じて数ナノメートル〜約10ナノメートル)は、クラスタイオン全体の担持する全エネルギーが1マイクロ秒未満の期間内に最上表面層にごくわずかの量しか離散しないことを意味する。これは、材料への浸透が時には数百ナノメートルに及び、材料の表面下深くの変化と材料改質をもたらす従来のイオンビームと異なる。ガスクラスタイオンの高総エネルギーおよびごくわずかな相互作用量のため、衝撃部位での堆積エネルギー密度は従来のイオンによる衝突の場合よりもずっと大きい。したがって、表面のGCIBエッチングは原子の混合領域がより浅い傾向があるため、分析機器における深度プロファイリングのためのエッチングビームとして好まれている。
加速ガスクラスタイオンが完全に分離されて中性化されると、結果として生じる中性モノマーは、加速した時点における最初のガスクラスタイオンを備えたモノマーの数Nで最初の加速ガスクラスタイオンの総エネルギーを割ったものにほぼ等しいエネルギーを有する。このように分離された中性モノマーは、ガスクラスタイオンの最初の加速エネルギーと加速時のガスクラスタのサイズとに応じて、約1eV〜数十、さらには数千eVものエネルギーを有する。
ガスクラスタイオンビームは、既知の技術によりワークピースを照射する目的で生成および送信される。照射用のGCIBの経路に対象を保持し、対象を操作して対象の複数の部分を照射するための様々な種類のホルダが当該技術において既知である。中性ビームは、本願に教示する技術によりワークピースを照射する目的で生成および送信される。
本発明は、様々な種類の表面および浅表面下材料処理に採用することができ、多数の用途で従来のGCIB処理よりも優れた性能を発揮できる、加速ガスクラスタイオンビーム加速中性ガスクラスタおよび/または好ましくはモノマービームから得られる高ビーム純度方法およびシステムを採用することができる。これは、約1eV〜数千eVもの範囲のエネルギーを有する粒子を備えた、十分に集束および加速された強力な中性モノマービームを提供することができる。このエネルギー範囲では、強力な中性ビームを形成する簡易で比較的安価な装置はこれまで非実用的であった。
これらの加速中性ビームは、まず従来の加速GCIBを形成し、次に、ビームに不純物を導入しない方法および動作条件によって部分的にまたはほぼ全部を分離してから、ビームの残りの荷電部分を中性部分と分離することによって生成され、結果として生じる加速中性ビームがワークピース処理用に使用される。ガスクラスタイオンの分離の程度に応じて、生成される中性ビームは中性ガスモノマーとガスクラスタの混合物とすることができる、あるいは、すべてまたはほぼすべてが中性ガスモノマーから成ることができる。加速中性ビームは完全に分離された中性モノマービームであることが好ましい。
本発明の方法および装置によって生成可能な中性ビームの利点は、GCIBを含むすべてのイオン化ビームで一般的に生じるようなビーム移送電荷による電気絶縁性材料表面の帯電により材料に損傷を与えずに該材料を処理するために使用できることである。たとえば、半導体およびその他の電子的用途では、イオンが酸化物、窒化物などの薄誘電膜の損傷または破壊的帯電に寄与することが多い。中性ビームを使用することで、イオンビームが表面またはその他の電荷作用による望ましくない副作用を引き起こす場合のあるその他の用途において、ポリマー、誘電性および/またはその他の電気絶縁性または高電気抵抗材料、コーティング、膜のビーム処理を成功させることができる。たとえば、(制限なく)抗腐食コーティング処理や有機膜の照射架橋および/またはポリマー化などである。別の例では、中性ビームの誘発するポリマーまたはその他の誘電材料の改質(たとえば、殺菌、平滑化、表面生体適合性の向上、付着の向上、および/または薬剤の溶出速度の制御)を通じて、上記材料を植込み用医療装置および/またはその他の医療/手術用途で使用可能することができる。他の例は、ガラス、ポリマー、セラミック材料の中性ビーム処理、および酸化物、窒化物、ドープガラスなどの半導体の薄膜誘電コーティングである。
エッチング用途に使用される際の、加速GCIBから得られる加速中性モノマービームのもう1つの利点は、同様に使用されるGCIBと比較してもエッチング表面に破壊層をずっと浅くしか形成しないことである。その結果、後述するように、エッチング表面で混合する原子深度はずっと小さい。
加速中性ビームを本発明の方法および装置によって形成することのできる元のGCIBはイオンを備えるため、従来のイオンビーム技術を用いて所望のエネルギーまで容易に加速され、容易に集束される。その後の荷電イオンと中性粒子との解離および分離後、中性ビーム粒子は集束軌道を維持する傾向があり、良好な作用を保ち、長距離を移送させることができる。
ジェット内の中性ガスクラスタは、電子衝突によってイオン化されると、加熱および/または励起される。この結果、イオン化ガスクラスタからモノマーが気化し、加速後、ビームラインを下っていく。また、イオン化装置、アクセラレータ、ビームライン領域でのガスクラスタイオンと背景ガス分子との衝突もガスクラスタイオンを加熱および気化する結果、加速後にガスクラスタイオンからモノマーをさらに発生させる場合がある。これらのモノマー発生機構がGCIBを形成したものと同じガスの背景ガス分子(および/またはその他のガスクラスタ)と電子との衝撃および/または衝突で誘発されるとき、モノマー発生の際に生じる分離プロセスによって、ビームは汚染されない。
ビームを汚染せずにGCIB内のガスクラスタイオンを分離する(あるいはモノマーの発生を誘発する)ために採用可能な機構は他にもある。これらの機構のうちいくつかも、中性ガスクラスタビーム内の中性ガスクラスタを分離するのに採用することができる。一つの機構は、赤外線またはその他のレーザエネルギーを使用するクラスタ−イオンビームのレーザ照射である。レーザ照射GCIB内のガスクラスタイオンのレーザ誘発加熱はガスクラスタイオンを励起および/または加熱させ、ビームからさらにモノマーを発生させる。もう一つの機構は、輻射熱エネルギーフォトンがビームのガスクラスタイオンに衝突するように加熱管にビームを通過させることである。管内の輻射熱エネルギーによるガスクラスタイオン誘発加熱の結果、ガスクラスタイオンが励起および/または加熱されて、ビームからさらにモノマーを発生させる。別の機構では、GCIBの形成に使用されるソースガス(またはその他の非汚染ガス)と同一のガスまたは混合物のガスジェットにガスクラスタイオンビームを交差させることによって、ガスジェット内のガスのモノマーとイオンビーム内のガスクラスタとが衝突して、ビームのガスクラスタイオンを励起および/または加熱させ、励起されたガスクラスタイオンからさらにモノマーを発生させる。最初のイオン化中の電子衝突、および/またはビーム内の(他のクラスタイオンまたはGCIBを形成するのに使用されるのと同一のガスの背景ガス分子との)衝突、および/またはレーザまたは熱放射、および/またはGCIB分離および/または断片化を生じさせる非汚染ガスの横断ジェット衝突に完全に依存することによって、他の材料との衝突によるビーム汚染が回避される。
ノズルからの中性ガスクラスタジェットが、電子がクラスタをイオン化するように方向付けられるイオン化領域を移動していく間、クラスタは非イオン化状態を保つ、あるいは一つまたはそれ以上の電荷(入射電子によるクラスタからの電子の放射)の荷電状態qを得ることができる。イオン化装置動作状態は、ガスクラスタが特定の荷電状態をとる可能性に影響し、イオン化装置の状態が強力であるほど、より高い荷電状態が達成される可能性が高くなる。高イオン化効率につながる強力なイオン化装置状態は、より高い電子束および/またはより高い(限界内)電子エネルギーをもたらすことができる。いったんガスクラスタがイオン化されると、一般的には、イオン化装置から抽出され、ビームへと集束され、電界を下ることによって加速される。ガスクラスタイオンの加速量は加速電界の大きさを制御することによって容易に制御される。通常、一般的な市販のGCIB処理ツールは調節可能な加速電位VAcc、たとえば約1kV〜70kV(しかしこの範囲に限定されず、最大200kVまたはそれ以上のVAccが実現可能である)を有する電界によってガスクラスタイオンを加速させる。よって、単独に荷電されたガスクラスタイオンは、1〜70keV(より大きいVAccが使用される場合はそれ以上)の範囲のエネルギーを達成し、複数で荷電された(たとえば、制限なく、荷電状態q=3電子電荷)ガスクラスタイオンは3〜210keV(VAccがより大きい場合はそれ以上)−のエネルギーを達成する。他のガスクラスタイオン荷電状態および加速電位の場合、クラスタ当たりの加速エネルギーはqVAcceVである。所与のイオン化効率を有する所与のイオン化装置から、ガスクラスタイオンはゼロ(未イオン化)〜6などのさらに高い値(またはイオン化装置効率がより高い場合はそれ以上)まで分布された荷電状態を有し、荷電状態分布の最も起こりやすい平均値もイオン化装置効率(電子束および/またはエネルギー)の上昇と共に増加する。イオン化装置効率が高い場合も、イオン化装置で形成されるガスクラスタイオンの数が増える。多くの場合、高効率でイオン化装置を動作する際にGCIB処理量が増大する結果、GCIB電流が増加する。このような動作のマイナス面は、中サイズのガスクラスタイオンで生じ得る複数の荷電状態がイオンによる孔および/または粗境界面の形成を引き起こし、これらの作用が処理の目的にとって逆効果に働く場合が多いことである。よって、多数のGCIB表面処理法では、イオン化装置動作パラメータの選択は単にビーム電流を最大化するよりも多くの考慮事項を含む傾向がある。プロセスによっては、「圧力セル」(米国特許第7,060,989号、Swensonらを参照)を採用して、高圧「圧力セル」内でのガス衝突によるビームエネルギーを穏やかにすることによって許容可能なビーム処理性能を得つつ、高イオン化効率でイオン化装置を動作させる。
本発明では、高効率でイオン化装置を動作させることのマイナス面が発生しない。事実、このような動作が好ましいことがある。イオン化装置が高効率で動作するとき、イオン化装置によって生成されるガスクラスタイオンは幅広い荷電状態をとりうる。結果として、イオン化装置と加速電極間の抽出領域、およびビームの下流で、ガスクラスタイオンは幅広い速度を有する。このため、ビーム内のガスクラスタイオン間の衝突頻度が増し、通常は最も大きなガスクラスタイオンが高割合で断片化する。このような断片化はビーム内のクラスタサイズを再分配させ、小さなクラスタサイズの方に偏向させる。これらのクラスタ断片は新たなサイズ(N)に比例してエネルギーを保持するため、最初の非断片化ガスクラスタイオンの加速度をほぼ保持しつつエネルギーは小さくなる。衝突後の速度保持に伴うエネルギーの変化は実験で実証されている(たとえば、Toyoda,N.らの「クラスタサイズは残留ガスとの衝突後におけるガスクラスタイオンのエネルギーおよび速度分布に依存する」、Nucl.Instr.& Meth.in Phys.Research B 257(2007)、662〜665ページで報告されている)。さらに、断片化はクラスタ断片内の電荷も再配分させる。一部の非荷電断片が生じやすく、複数の荷電ガスクラスタイオンがいくつかの荷電ガスクラスタイオンと場合によってはいくつかの未荷電断片とに断片化されることがある。発明者の理解するところでは、イオン化装置の集束場と抽出領域の設計は、小さなガスクラスタイオンおよびモノマーイオンの集束を推進し、ビーム抽出領域および下流ビームにおける大きなガスクラスタイオンとの衝突の可能性を高めることによってガスクラスタイオンの分離および/または断片化に貢献する。
本発明の1実施形態では、イオン化装置、加速領域、ビームラインの背景ガス圧は任意で、良好なGCIB送信のために通常利用される高圧を有するように構成することができる。この結果、ガスクラスタイオンから(最初のガスクラスタイオン化事象から生じる加熱および/または励起が招くよりも)さらにモノマーを発生させることができる。圧力は、ガスクラスタイオンが背景ガス分子との複数の衝突を受けなければならないイオン化装置とワークピース間の十分に短い平均自由行程および十分に長い飛行行程を有するように構成することができる。
N個のモノマーを含み、荷電状態qを有し、VAccボルトの電位低下を通じて加速された均一ガスクラスタイオンの場合、クラスタはモノマー当たり約qVAcc/NeVのエネルギーを有する。ただしNは加速時のクラスタイオン中のモノマーの数である。最も小さなガスクラスタイオンを除けば、イオンとクラスタソースガスと同一のガスの背景ガスモノマーとの衝突の結果、ガスクラスタイオンに約qVAcc/NeVが追加して蒸着される。このエネルギーは全ガスクラスタイオンエネルギー(qVAcc)と比べて相当小さく、通常はクラスタを励起または加熱させ、クラスタからモノマーをさらに発生させる。このような大きなクラスタと背景ガスとの衝突は滅多にクラスタを断片化せず、クラスタを加熱および/または励起して、気化または類似の機構によってモノマーを発生させると考えられる。励起源から生じたモノマーか、ガスクラスタイオンからのモノマーかにかかわらず、発生したモノマーはほぼ同一の粒子当たりのエネルギーqVAcc/NeVを有し、モノマーが発生したガスクラスタイオンとほぼ同じ速度と軌道を保持する。このようなモノマーの発生がガスクラスタイオンから生じるとき、最初のイオン化事象、衝突、または輻射加熱によるどの励起または加熱から生じたかにかかわらず、大きな残留ガスクラスタイオンと共に電荷が残る可能性が高い。よって、一連のモノマー発生後、大きなガスクラスタイオンは、場合によっては小さな残留ガスクラスタイオンと共に移動するモノマー群(断片化も生じている場合は数個の場合もある)まで還元させることができる。最初のビーム軌道に沿った共に移動するモノマーはすべて最初のガスクラスタイオンとほぼ同じ速度を有し、それぞれが約qVAcc/NeVのエネルギーを有する。小さなガスクラスタイオンの場合、背景ガスモノマーとの衝突エネルギーは小さなガスクラスタを完全に激しく分離させる可能性が高く、このような場合、結果として生じるモノマーがビームと共に移動し続けるのか,あるいはビームから放射されるのかは不確実である。
GCIBがワークピースに到達する前に、ビーム中の残りの荷電粒子(ガスクラスタイオン、特に小中サイズのガスクラスタイオンといくらかの荷電モノマーだが、残りの任意の大きなガスクラスタイオンも含む)はビームの中性部分から分離されて、ワークピース処理用に中性ビームだけが残る。
典型的な動作時、処理目標に送達されたフル(荷電プラス中性)ビームのパワーに対して中性ビーム成分のパワー部分は約5%〜95%であるため、本発明の分離方法および装置によって、フル加速荷電ビームのその運動エネルギーの部分を中性ビームであるターゲットに送達させることができる。
ガスクラスタイオンの分離とそれによる高中性モノマービームエネルギーの生成は、1)より高い加速電圧で動作することによって推進される。このため、任意の所与のクラスタサイズでのqVAcc/Nが増大する。また、2)高イオン化装置効率で動作することによって推進される。これによりqを増大することによって任意の所与のクラスタサイズのqVAcc/Nが増大し、クラスタ間の荷電状態の差により、抽出領域におけるクラスタ−イオン衝突時のクラスタ−イオンが増大する。3)高イオン化装置、加速領域、またはビームライン圧力で動作する、あるいはビームを横断するガスジェットで、またはより長いビーム行程で動作することによって推進される。これらはすべて所与のサイズのガスクラスタイオンの場合の背景ガス衝突の可能性を高める。4)ガスクラスタイオンからのモノマーの発生を直接促進するレーザ照射またはビームの輻射加熱で動作することによって推進される。5)より高いノズルガス流で動作することによって推進される。この結果、クラスタ化および場合によっては未クラスタ化ガスのGCIB軌道への輸送が推進されて衝突が増し、モノマーをより発生させる。
中性ビームの測定は、ガスクラスタイオンビームの場合簡便である電流測定によって実行することができない。中性ビームパワーセンサは、ワークピースに中性ビームを照射する際に線量測定を簡易化するために使用される。中性ビームセンサはビーム(または任意で、ビームの既知のサンプル)を捕捉する熱センサである。センサの温度上昇速度はセンサのエネルギービーム照射から生じるエネルギー束に関連する。熱測定は、センサに入射するエネルギーの熱再放射が原因のエラーを避けるためにセンサの限られた範囲の温度内で実行しなければならない。GCIBプロセスの場合、ビームパワー(ワット)はビーム電流(アンペア)×ビーム加速電圧VAccに等しい。GCIBがある期間(秒)ワークピースを照射すると、ワークピースが受け取るエネルギー(ジュール)はビームパワーと照射時間の積である。拡張領域を処理する際のこのようなビームの処理作用は、領域(たとえば、cm)全体に分散される。イオンビームの場合、照射イオン/cmに関して処理量を明示することが従来から好都合であった。その場合、イオンは加速時に平均荷電状態qを有し、各イオンがqVAcceV(eVは約1.6×10−19ジュール)のエネルギーを担持するようにVAccボルトの電位差を通じて加速されていることが既知である、あるいは推定される。よって、VAccによって加速されたイオン/cmで明示される平均荷電状態qの場合のイオンビームの線量は、ジュール/cmで表される容易に算出可能なエネルギー量に相当する。本発明で利用されるような加速GCIBから得られる加速中性ビームの場合、加速時のqの値とVAccの値は、(後で形成され分離される)ビームの荷電部分と未荷電部分の両方で同一である。GCIBの二つ(中性および荷電)の部分のパワーは各ビーム部分の質量に比例して分割される。よって、本発明で採用されるような加速中性ビームの場合、等しい面積が等しい時間照射されるとき、中性ビームによって蓄積されるエネルギー量(ジュール/cm)は必然的にフルGCIBによって蓄積されるエネルギー量よりも小さい。熱センサを使用してフルGCIB Pのパワーと中性ビームPのパワー(一般的にはフルGCIBの約5%〜95%と考えられる)を測定することによって、中性ビーム処理線量測定で使用される相殺係数を算出することができる。PがPのとき、相殺係数kは1/aである。よって、ワークピースがGCIBから得られる中性ビームを用いて処理される場合、時間はDイオン/cmの量を達成するのに必要なフルGCIB(荷電部分と中性ビーム部分を含む)の処理時間よりもk倍長く設定され、その場合、中性ビームとフルGCIBの両方によってワークピースに蓄積されるエネルギー量は同一である(ただし、二つのビームの粒子サイズの差異による処理作用の量的差異が原因で、結果は異なるかもしれない)。本願で使用されるように、このようにして相殺される中性ビーム処理線量は、Dイオン/cmの量と等価のエネルギー/cmを有すると説明されることがある。
線量測定用の熱パワーセンサと組み合わせてガスクラスタイオンビームから得られる中性ビームを使用することは、多くの場合、ガスクラスタイオンと中性ガスクラスタおよび/または中性モノマーの混合物を不可避で含み、ビーム電流測定を用いて線量測定のために従来測定されるフルガスクラスタイオンビームあるいは捕捉または分流部分と比べて有利である。利点をいくつか次に述べる。
1)線量測定は、ビームの総パワーが測定されるため、線量測定に熱センサを使用する中性ビームでより正確に行うことができる。線量測定に従来のビーム電流測定を採用するGCIBでは、線量測定にビームのイオン化部分の寄与のみが測定され採用される。GCIB装置の動作条件の分毎および環境毎の偏向によって、GCIBの中性モノマーおよび中性クラスタの部分が変動する場合がある。これらの変動は結果的に工程の変動を招き、線量測定がビーム電流の測定によって行われる際に制御性が低下する可能性がある。
2)中性ビームを使用し、高絶縁材料および荷電作用によって損傷され得るその他の材料を含む任意の材料を、ターゲット中性電子源を設ける必要なく処理することができ、ワークピースがイオン化ビームによって運ばれた電荷により帯電するのを防止することができる。従来のGCIBを採用すると、電荷を低減するターゲット中性化が滅多に完全とならず、中性電子源自体、ワークピース加熱や、電子源での気化またはスパッタリングからの汚染などの問題を持ち込む場合が多い。中性ビームはワークピースに電荷を移送しないので、このような問題が軽減される。
3)エネルギーモノマーイオンを中性ビームから分離する大開口高強度の磁石などの追加の装置が必要とされない。従来のGCIBの場合、エネルギーモノマーイオン(およびその他の小さなクラスタイオン)がワークピースに運ばれて貫入し深い損傷をもたらすリスクが大きく、粒子とビームとを分離するために高価な磁気フィルタが常に必要とされる。本発明の中性ビーム装置の場合、すべてのイオンをビームから分離して中性ビームを生成するために、全モノマーイオンが元から除去される。
本発明の1実施形態は、ワークピースの材料組成の深度プロファイル分析装置であって、減圧チャンバと、軌道を有する中性ビームを提供する前記減圧チャンバ内のエッチングビーム源と、ワークピースの表面領域をエッチングするため、ワークピースを減圧チャンバ内かつ中性ビームの軌道内に配置する保持手段と、中性ビームを使用してワークピースの表面の選択領域でワークピースの制御深度をエッチングして、エッチング表面領域を形成する制御手段と、ワークピースのエッチング表面領域にプローブビームを方向付けて、エッチング表面領域から放出および放射を誘発するプローブビーム源と、エッチング表面領域からの放射を検出し、領域の組成を分析する分析センサと、エッチング表面領域を反復的にエッチングし、探査し、感知し、分析して、ワークピースの材料組成の深度プロファイル分析を生成する制御手段と、を備える装置を提供する。
エッチングビーム源は、ガスクラスタイオンビームを形成するガスクラスタイオンビーム源と、ガスクラスタイオンビームを加速する加速手段と、ガスクラスタイオンビームを少なくとも部分的に分離する手段と、加速ガスクラスタイオンビームのイオン化成分を中性成分から分離して中性ビームを形成する手段とをさらに備えることができる。
保持手段は、中性ビームの軌道内にワークピースの選択領域を位置決めする位置決め手段をさらに備えることができる。保持手段は、中性ビームの軌道内のワークピースの選択領域を走査する走査手段をさらに備えることができる。プローブビーム源はイオンビーム源またはX線源とすることができる。分析センサはイオンセンサ、電子センサ、またはフォトンセンサを備えることができる。請求項1の装置で、装置はSIMS深度プロファイル分析装置、XPS深度プロファイル分析装置、またはESCA深度プロファイル分析装置とすることができる。中性ビームは、アルゴン、不活性ガス、酸素、二酸化炭素、窒素、アンモニア、フッ素、六フッ化硫黄、四フッ化炭素、および凝縮可能なハロゲン含有ガスから成る群から選択される中性モノマーを備えることができる。ワークピース材料は、半導体、酸化物、窒化物、シリコン、二酸化ケイ素、ポリマー、誘電体、電気絶縁性材料、高電気抵抗材料、ガラス、またはセラミックを備えることができる。
本発明の別の実施形態は、減圧大気中に配置される物体の材料組成分析方法であって、a.減圧チャンバを設けるステップと、b.軌道を有する中性ビームを減圧チャンバ内に形成するステップと、c.中性ビームの軌道内に減圧チャンバ内の物体を配置する保持手段を設けるステップと、e.物体に中性ビームを照射して、物体の表面領域をエッチングするステップと、f.エッチング表面領域にプローブビームを方向付けて、分析センサを用いてエッチング表面領域からの放射を検出するステップと、g.エッチング表面領域で物体の材料組成を分析するステップと、を備える方法を提供する。
該方法は、ステップe中にステップf〜gを反復するステップと、物体の材料組成の深度プロファイル分析を生成するステップとをさらに備えることができる。該方法は、ステップe〜gを反復するステップと、物体の材料組成の深度プロファイル分析を生成するステップとをさらに備えることができる。該方法は、低圧チャンバに加圧ソースガスを注入してガスクラスタジェットを形成するステップと、ガスクラスタジェットの少なくとも一部をイオン化してガスクラスタイオンビームを形成するステップと、ガスクラスタイオンビームを加速するステップと、加速ガスクラスタイオンビームを少なくとも部分的に分離するステップと、ガスクラスタイオンビームのイオン化成分を中性成分から分離して中性ビームを形成するステップとをさらに備えることができる。
プローブビームはイオンビームまたはX線ビームとすることができる。分析センサは、イオンセンサ、電子センサ、またはフォトンセンサを備えることができる。深度プロファイル分析は、SIMS深度プロファイル分析、XPS深度プロファイル分析または対象の材料組成のESCA深度プロファイル分析とすることができる。加速ガスクラスタイオンビームを少なくとも部分的に分離するステップは、ガスクラスタイオンビームを略完全に分離する。
GCIBを使用するワークピースの処理用のGCIB処理装置1100の要素を示す概略図である。 GCIBを使用してワークピース処理を行う別のGCIB処理装置1200の要素を示す概略図であり、イオンビームの走査とワークピースの操作が採用されている。 静電偏向板を使用して荷電ビームと非荷電ビームとを分離する、本発明の1実施形態に係る中性ビーム処理装置1300の概略図である。 中性ビーム測定用に熱センサを使用する、本発明の1実施形態に係る中性ビーム処理装置1400の概略図である。 本発明の一実施形態を用いたSiO2およびSiのエッチングを示すグラフ400である。 ガスクラスタイオンビームを用いてエッチングされたシリコン表面の透過型電子顕微鏡(TEM)画像500である。 本発明の実施形態を用いてエッチングされたシリコン表面のTEM画像600である。 本発明の例示の実施形態によりGCIBから得られる加速中性ビームを採用する分析機器1500の概略図である。
以下の説明では、簡潔化のため、上述の図の要素符号が、後述の図で説明なく使用される場合がある。同様に、上述の図に関して説明した要素が、後述の図で要素符号または追加の説明なく使用される場合がある。このような場合、類似の符号を付した要素は類似の要素であり、上述の特徴および機能を有し、本図面に示される要素符号を付していない要素の説明は、上述の図面に示される類似の要素と同一の機能を有する類似の要素を指す。
加速GCIBから得られる加速低エネルギー中性ビーム
図1はGCIB処理装置1100の概略構造を示す。低圧容器1102はノズルチャンバ1104、イオン化/加速チャンバ1106、処理チャンバ1108の三つの流体接続チャンバを有する。三つのチャンバは真空ポンプ1146a、1146b、1146cによってそれぞれ排気される。ガス保管シリンダ1111に保管される圧縮凝縮性ソースガス1112(たとえば、アルゴン)はガス測定バルブ1113および供給管1114を通って停滞チャンバ1116へと流れ込む。停滞チャンバ1116内の圧力(通常、数気圧)により、放射されたガスはノズル1110を介して略低圧の真空に放射され超音波ガスジェット1118を形成する。ジェット内の膨張から生じる冷却によって、ガスジェット1118の一部はそれぞれが数個から数千個の弱く結合した原子または分子から成るクラスタへと凝結する。ガススキマ開口1120は、クラスタジェットに凝結されなかったガス分子とクラスタジェットとを部分的に分離することによってガス流を下流チャンバへと制御するために採用される。下流チャンバ内の過剰な圧力は、ガスクラスタイオンの移送と、ビーム形成および送信のために採用され得る高電圧の管理とを阻害するために有害である。適切な凝縮性ソースガス1112はアルゴンおよびその他の凝縮性希ガス、窒素、二酸化炭素、酸素、およびその他多くのガスおよび/またはガス混合物を含むがそれらに限定されない。超音波ガスジェット1118内のガスクラスタの形成後、ガスクラスタの少なくとも一部はイオン化装置1122でイオン化され、該装置は通常、一つまたはそれ以上の白熱フィラメント1124(またはその他の適切な電子源)からの熱放射により電子を生成して、電子を加速および方向付けてガスジェット1118内のガスクラスタと衝突させる電子衝撃イオン化装置である。電子とガスクラスタとの衝突によりガスクラスタの一部から電子が放射され、それらのクラスタを正イオン化させる。いくつかのクラスタは放射される二つ以上の電子を有し、複数でイオン化することができる。通常、加速後の電子数とそのエネルギーの制御は、起こり得るイオン化の数と、ガスクラスタの複数イオン化と単独イオン化との割合に影響を及ぼす。サプレッサ電極1142および接地電極1144はイオン化装置出口開口1126からクラスタイオンを抽出し、それらを所望のエネルギー(通常は数百V〜数十kVの加速電位)まで加速し集束させてGCIB1128を形成する。GCIB1128がイオン化装置出口開口126とサプレッサ電極1142間を横断する領域を抽出領域と称する。ガスクラスタを含有する超音波ガスジェット1118の軸(ノズル1110で決定)はGCIB1128の軸1154と略同一である。フィラメント電源1136は、イオン化装置フィラメント1124を加熱するフィラメント電圧Vを供給する。アノード電源1134は、フィラメント1124から放射される熱電子を加速して、熱電子にクラスタ含有ガスジェット1118を照射させてクラスタイオンを生成するアノード電圧Vを供給する。抑制電源1138はサプレッサ電極1142にバイアスをかける抑制電圧V(数百〜数千ボルト)を供給する。アクセラレータ電源1140は、VAccに等しい総GCIB加速電位となるように、サプレッサ電極1142および接地電極1144に対してイオン化装置1122にバイアスをかける加速電圧VAccを供給する。サプレッサ電極1142はイオン化装置1122のイオン化装置出口開口1126からイオンを抽出し、不所望の電子が下流からイオン化装置1122に入るのを防止し、集束GCIB1128を形成する役割を果たす。
GCIB処理によって処理されるワークピース1160、(たとえば)医療装置、半導体材料、光学素子、または他のワークピースは、GCIB1128の経路に配置されるワークピースホルダ1162に保持される。ワークピースホルダは処理チャンバ1108に装着されているが、電気絶縁体1164によって電気的に絶縁されている。よって、ワークピース1160およびワークピースホルダ1162に衝突するGCIB1128は導線1168を通って線量プロセッサ1170へと流れる。ビームゲート1172は、軸1154に沿ったワークピース1160までのGCIB1128の送信を制御する。通常、ビームゲート1172は(たとえば)電気的、機械的、または電気機械的であるリンク機構1174によって制御される開放状態および閉鎖状態を有する。線量プロセッサ1170はビームゲート1172の開放/閉鎖状態を制御して、ワークピース1160およびワークピースホルダ1162が受け取るGCIBの線量を管理する。動作時、線量プロセッサ1170はビームゲート1172を開放させて、ワークピース1160にGCIBを照射させる。通常、線量プロセッサ1170はワークピース1160とワークピースホルダ1162に到達するGCIB電流を統合して、積算GCIB照射線量を算出する。所定の線量で、線量プロセッサ1170はビームゲート1172を閉鎖して、所定の線量に達した時点で処理を終了する。
図2は、GCIBを使用するワークピース処理用の別のGCIB処理装置1200の要素を示す概略図であり、イオンビームの走査とワークピースの操作が採用されている。GCIB処理装置1200によって処理されるワークピース1160は、GCIB1128の経路に配置されるワークピースホルダ1202に保持される。ワークピース1160の均一処理を達成するため、ワークピースホルダ1202は均一の処理に必要とされるようにワークピース1160を操作すべく設計される。
非平面状、たとえば、球状またはカップ状、円形、不規則、またはその他の非平坦な構造を有するワークピース表面は、ビーム入射に対してある範囲内の角度で配向させて、ワークピース表面にとって最適のGCIB処理を達成することができる。処理の最適化と均一性のため、ワークピースホルダ1202は、処理対象の非平面上表面全体がGCIB1128と適切に整合して配向されるように完全に連接させることができる。より具体的には、処理されるワークピース1160が非平面状である場合、ワークピースホルダ1202は連接/回転機構1204によって回転運動1210で回転させ、連接運動1212で連接させることができる。連接/回転機構1204は縦軸1206(GCIB1128の軸1154と同軸である)を中心とした360度の回転と、軸1206と垂直な軸1208を中心とした十分な連接とを可能にし、ワークピース表面をビーム入射の所望の範囲内に維持する。
特定の状況下では、ワークピース1160のサイズに応じて、走査システムは、大きなワークピースに均一な照射を行うことが望ましい。GCIB処理には必要ない場合が多いが、直交した二対の静電走査板1130および1132が使用されて、拡張処理領域全体にラスタまたはその他の走査パターンを生成する。このようなビーム走査が実行されると、走査ジェネレータ1156はリード対1159を通じて対の走査板1132にX軸走査信号電圧を、リード対1158を通じて対の走査板1130にY軸走査信号電圧を供給する。一般的に、走査信号電圧は、GCIB1128をワークピース1160の表面全体を走査する走査GCIB1148に集束させる、異なる周波数の三角波である。走査ビーム画定開口1214は走査領域を画定する。走査ビーム画定開口1214は導電性であり、低圧容器1102の壁に電気的に接続され、支持部材1220によって支持される。ワークピースホルダ1202は可撓導線1222を介して、ワークピース1160およびワークピースホルダ1202を囲み、画定開口1214を流れる全電流を回収するファラデーカップ1216に電気的に接続される。ワークピースホルダ1202は連接/回転機構1204から電気的に隔離され、ファラデーカップ1216は絶縁体1218によって低圧容器1102から電気的に隔離され低圧容器1102上に搭載される。したがって、走査ビーム画定開口1214を通過する走査GCIB1148からの全電流はファラデーカップ1216に回収されて、導線1224を通って線量プロセッサ1170まで流れる。動作時、線量プロセッサ1170はビームゲート1172を開放して、ワークピース1160のGCIB照射を開始する。通常、線量プロセッサ1170はワークピース1160およびワークピースホルダ1202とファラデーカップ1216に到達するGCIB電流を統合し、単位面積当たりの積算GCIB照射線量を算出する。所定の線量で、線量プロセッサ1170はビームゲート1172を閉鎖して、所定線量が達成された時点で処理を終了する。所定線量の蓄積中、ワークピース1160は、所望の表面全体の処理を確保するように連接/回転機構1204によって操作することができる。
図3は、本発明の実施形態に係る中性ビーム処理のために採用可能な典型例としての中性ビーム処理装置1300の概略図である。該装置は、GCIBの荷電部分と非荷電部分とを分離する静電偏向板を使用する。ビームラインチャンバ1107は、イオン化装置、アクセラレータ領域、ワークピース処理領域を封入する。ビームラインチャンバ1107は高導電性を有するため、圧力は全体を通じてほぼ一定である。真空ポンプ1146bはビームラインチャンバ1107を排気する。ガスは、ガスジェット1118によって運ばれるクラスタ化ガスおよび非クラスタ化ガスの形状で、およびガススキマ開口1120を通じて漏れる追加の未クラスタガスの形状でビームラインチャンバ1107に流れ込む。圧力センサ1330は、ビームラインチャンバ1107から電気ケーブル1332を介して圧力センサコントローラ1334に圧力データを送信し、そこでビームラインチャンバ1107内の圧力が測定および表示される。ビームラインチャンバ1107内の圧力は、ビームラインチャンバ1107へのガス流と真空ポンプ1146bのポンピング速度とのバランスに依存する。ガススキマ開口1120の径、ノズル1110を通るソースガス1112流、真空ポンプ1146bのポンピング速度を選択することによって、ビームラインチャンバ1107内の圧力は設計とノズル流とによって決定される圧力Pに釣り合う。接地電極1144からワークピースホルダ162へのビーム飛行行程はたとえば100cmである。設計および調節によって、Pは約6×10−5トル(8×10−3パスカル)とすることができる。よって、圧力とビーム路長の積は約6×10−3トル−cm(0.8パスカル−cm)であり、ビームのガス目標厚は平方センチメートル当たり約1.94×1014のガス分子であり、これはGCIB1128でガスクラスタイオンを分離するのに有効であると考えられる。VAccはたとえば30kVとすることができ、GCIB1128はその電位で加速される。一対の偏向板(1302および1304)がGCIB1128の軸1154を中心にして配置される。偏向板電源1306は導線1308を介して正の偏向電圧Vを偏向板1302に供給する。偏向板1304は導線1312によって、電流センサ/ディスプレイ1310を通じて電気的に接地させることができる。偏向板電源1306は手動で制御可能である。Vは、ゼロ電圧からGCIB1128のイオン化部分1316を偏向板1304上に完全に偏向させるのに十分な電圧(たとえば数千ボルト)まで調節することができる。GCIB1128のイオン化部分1316が偏向板1304で偏向すると、結果として生じる電流Iは導線1312と表示用の電流センサ/ディスプレイ1310とを流れる。Vがゼロのとき、GCIB1128は偏向されずにワークピース1160およびワークピースホルダ1162へと移動する。GCIBビーム電流Iはワークピース1160およびワークピースホルダ1162上で回収され、導線1168および電流センサ/ディスプレイ1320を通って流れ接地する。Iが電流センサ/ディスプレイ1320に示される。ビームゲート1172はビームゲートコントローラ1336によってリンク機構1338を介して制御される。ビームゲートコントローラ1336は手動で、あるいは電気的または機械的に所定値によって時間を調整され、所定のインターバルでビームゲート1172を開放させることができる。使用時、Vはゼロに設定され、ワークピースホルダに衝突するビーム電流Iが測定される。所与のGCIBプロセス法での過去の経験に基づき、所与のプロセスでの最初の照射時間は、測定された電流Iに基づき決定される。Vは、すべての測定ビーム電流がIからIに移るまで増加され、IはVの増加と共に増加しない。この時点で、最初のGCIB1128の分離成分を備える中性ビーム1314がワークピースホルダ1162を照射する。その後、ビームゲート1172は閉鎖されて、ワークピース1160が従来のワークピース装填手段(図示せず)によってワークピースホルダ1162に配置される。ビームゲート1172は所定の最初の放射期間、開放される。照射インターバル後、ワークピースを調査し、測定されたGCIBビーム電流Iに基づき中性ビーム処理時間を較正するように処理時間を必要に応じて調節することができる。このような較正プロセス後、追加のワークピースは較正被爆期間を用いて処理することができる。
中性ビーム1314は、加速GCIB1128の最初のエネルギーの反復可能部分を含む。最初のGCIB1128の残りのイオン化部分1316は中性ビーム1314から除去され、接地偏向板1304によって回収される。中性ビーム1314から除去されるイオン化部分1316はモノマーイオンと中サイズのガスクラスタイオンを含むガスクラスタイオンとを含むことができる。イオン化プロセス中のクラスタ加熱、ビーム間衝突、背景ガス衝突、その他の原因(すべてがクラスタの侵食を招く)によるモノマー気化機構のため、中性ビームはほぼ中性モノマーから成り、分離された荷電粒子は大半がクラスタイオンである。発明者は、中性ビームの再イオン化と結果として生じるイオンの電荷質量比の測定とを含む適切な測定によってこのことを確認した。後で示すように、特定の優れた処理結果は、この中性ビームを用いてワークピースを処理することによって得られる。
図4は、本発明の実施形態で採用され得るような、たとえば中性ビームの生成の際に使用される中性ビーム処理装置1400の概略図である。該装置は、中性ビームの測定用に熱センサを使用する。熱センサ1402は低伝熱性アタッチメント1404を介して、旋回軸1412に装着された回転支持アーム1410に装着される。アクチュエータ1408は可逆性回転運動1416を介して、熱センサ1402が中性ビーム1314またはGCIB1128を捕捉する位置と熱センサ1402がビームを捕捉しない停止位置1414との間で熱センサ1402を移動させる。熱センサ1402が停止位置(1414で示す)にあるとき、GCIB1128または中性ビーム1314はワークピース1160および/またはワークピースホルダ1162の照射用の経路1406に沿ったままである。熱センサコントローラ1420は熱センサ1402の配置を制御し、熱センサ1402によって生成される信号の処理を実行する。熱センサ1402は電気ケーブル1418を通じて熱センサコントローラ1420と連通する。熱センサコントローラ1420は電気ケーブル1428を通じて線量測定コントローラ1432と連通する。ビーム電流測定装置1424は、GCIB1128がワークピース1160および/またはワークピースホルダ1162に衝突したときに導線1168に流れるビーム電流Iを測定する。ビーム電流測定装置1424は電気ケーブル1426を介して線量測定コントローラ1432にビーム電流測定信号を伝達する。線量測定コントローラ1432はリンク機構1434を介して送信される制御信号に従い、ビームゲート1172の開放および閉鎖状態の設定を制御する。線量測定コントローラ1432は電気ケーブル1442を介して偏向板電源1440を制御し、ゼロ電圧とGCIB1128のイオン化部分1316を偏向板1304に完全に偏向させるのに十分な正電圧との間で偏向電圧Vを制御することができる。GCIB1128のイオン化部分1316が偏向板1304に衝突すると、結果として生じる電流Iが電流センサ1422によって測定され、電気ケーブル1430を介して線量測定コントローラ1432に伝達される。動作時、線量測定コントローラ1432は熱センサ1402を停止位置1414に設定し、ビームゲート1172を開放し、フルGCIB1128がワークピースホルダ1162および/またはワークピース1160に衝突するようにVをゼロに設定する。線量測定コントローラ1432はビーム電流測定装置1424から送信されるビーム電流IBを記録する。次に、線量測定コントローラ1432は、熱センサコントローラ1420から中継されるコマンドに従いGCIB1128を捕捉するように熱センサ1402を停止位置1414から移動させる。熱センサコントローラ1420はセンサの熱容量と、温度が所定の測定温度(たとえば、70゜C)に上昇したときの熱センサ1402の測定した温度上昇速度とに基づき算出されるGCIB1128のビームエネルギー束を測定し、算出したビームエネルギー束を線量測定コントローラ1432に伝達し、線量測定コントローラ1432は熱センサ1402によって測定されたビームエネルギー束とビーム電流測定装置1424によって測定されたビーム電流の較正を算出する。次に、線量測定コントローラ1432は熱センサ1402を停止位置1414に停止させることによって熱三叉を冷却させ、GCIB1128のイオン化部分による電流Iがすべて偏向板1304に伝達されるまで、正Vを偏向板1302に印加するよう命じる。電流センサ1422は対応するIを測定し、それを線量測定コントローラ1432に伝える。また、線量測定コントローラは熱センサ1402を停止位置1414から移動させて、熱センサコントローラ420を介して中継されるコマンドに従い中性ビーム1314を捕捉する。熱センサコントローラ420は予め決定された較正係数と温度が所定の測定温度まで上昇したときの熱センサ1402の温度上昇速度とを用いて中性ビーム1314のビームエネルギー束を測定し、中性ビームエネルギー束を線量測定コントローラ1432に伝達する。線量測定コントローラ1432はセンサ1402で、中性ビーム1314エネルギー束の熱測定値とフルGCIB1128エネルギー束の熱測定値の比である中性ビーム部分を算出する。通常動作時、約5%〜約95%の中性ビーム部分が達成される。処理開始前に、線量測定コントローラ1432は電流Iも測定し、IとIの最初の値間の電流比を決定する。処理中、最初のI/I比を掛けた同時I測定をIの連続測定の代わりに使用して、線量測定コントローラ1432による処理の制御中に線量測定のために使用することができる。よって、線量測定コントローラ1432は、あたかもフルGCIB1128の実際のビーム電流測定が利用可能であるかのように、ワークピース処理中のビーム変動を相殺することができる。線量測定コントローラは中性ビーム部分を使用して、特定のビームプロセスの所望の処理時間を計算する。このプロセス中、処理時間は、プロセス中のビーム変動の修正のために較正I測定値に基づき調節することができる。
図5は、GCIBから得られる加速中性ビームを使用してシリコン基板上に二酸化ケイ素(SiO2)膜をエッチングした後に得られる深度プロファイル測定グラフ400を示す。図4に示すのと同様の装置を用いて、アルゴンを使用し30kV加速GCIBを形成した。貯留チャンバ圧は28psi(1.93×10パスカル)であり、ノズル流は200標準cm3/分(3.3標準cm3/秒)であった。フルビーム電流(偏向によって分離される前の荷電成分と中性成分)は約0.50microA(μΑ)だった。アクセラレータとワークピース間の領域のアルゴンガスターゲット厚は平方センチメートル当たり約1.49×1014のアルゴンガスモノマーであり、加速中性ビームはターゲットでほぼすべて中性モノマーから成ることが観察された。静電偏向を利用して、すべての荷電粒子がビーム軸から離れ、ビームから外へ偏向させられて中性ビームを形成した。よって、中性ビームはほぼ加速中性アルゴンモノマービームであった。線量測定は熱センサを使用して行われ、中性ビームが堆積するエネルギーが荷電粒子と未荷電粒子(電荷分離による中性化なし)の両方を含む加速(30kV)GCIBにより平方センチメートル当たり2.16×1016のガスクラスタイオン照射線量で堆積されるであろうエネルギーと等価になるように、シリコン基板に送られる総中性ビーム線量を較正した。シリコン基板上の二酸化ケイ素(SiO2)膜(約0.5ミクロン[μm]厚)をポリイミド膜テープの狭い(約0.7mm幅)ストリップで部分的にマスクしてから加速中性ビームを照射した。再度図5を参照すると、深度プロファイル測定グラフ400は、加速中性ビームから生じるエッチングのため、SiO2膜(シリコン基板上)の表面に沿いポリイミド膜テープによってマスクされる領域を横断する方向でステッププロファイルを測定するTENCOR Alpahstep Model AS−250粗面計を使用して作製した。平坦域402はポリイミド膜(膜の除去および清掃後)の下のSiO膜の未エッチング表面を表し、領域404はエッチング部分を表す。加速中性ビームは約2.4ミクロン(μm)の深度までエッチングして、0.5ミクロンのSiO膜を貫通し、さらに追加1.9ミクロンの下の結晶シリコン基板もエッチングして、深度プロファイル測定グラフ400に示されるようなステップを生成した。アルゴンおよびその他の不活性ガスをソースガスとして利用することで、物理手段によるエッチングを行うことができる。反応性ソースガスを使用する、あるいは混合物内に反応性ガスを組み込んだソースガスを使用することによって、反応性エッチングは中性ビームを使用しても行うことができる。単独でまたは不活性ガスと混合して使用可能な典型的な反応性ガスは、(制限なく)酸素(O)、二酸化炭素(CO)、窒素(N)、アンモニア(NH)、フッ素(F)、塩素(Cl)、六フッ化硫黄(SF)、四フッ化炭素(CF)、およびその他の凝縮可能なハロゲン含有ガスである。
図6および7は、半導体用途で通常採用され、分析機器のターゲットとなることが多い単結晶シリコンウェハ上でのGCIB(荷電成分および未荷電成分)と電荷分離中性ビーム(GCIBから得られる加速中性モノマービーム)との比較効果を示す。別の例では、シリコン基板はフルGCIB(荷電成分および中性成分)と、GCIB(偏向によりビームから除去された荷電成分)から得られる加速中性モノマービームとを用いて処理される。どちらの状態も、同一の当初GCIB条件、アルゴンソースガスから得られる30kV加速GCIBから得た。両ビームで、照射線量は、平方センチメートル当たり1018のガスクラスタイオンのイオン線量でフルビーム(荷電および中性)によって担持される総エネルギーに一致した。各ビームのエネルギー束速度は熱センサで測定し、処理時間は両サンプルの受け取る総熱エネルギー線量がフル(荷電および中性)GCIBのエネルギー総量と等価になるように調整した。両サンプルは、透過電子顕微鏡法(TEM)による撮像後、セクショニングによって評価した。
図6は、GCIB(荷電成分および中性ビーム成分)によって照射されたシリコン基板の表面の一部のTEM画像500である。照射は、画像の上部から画像の底部に向かう方向でシリコン基板に入射している。TEM撮像のセクショニング前に、シリコン基板の上面(照射表面)をエポキシ保護膜で被覆して、セクショニング動作を簡易にし、セクショニング工程中の基板の損傷を防止した。TEM画像500では、エポキシ保護膜506は画像の最上部に見える。照射によって、最小厚が約6.3nm、最大厚が約8.1nmと厚さの変動するシリコンおよび酸素を備える非晶質領域504が形成された。GCIB照射工程の結果、非晶質領域504と下の単結晶シリコン502との間にピーク間変動が1.7nm以上の粗い境界面508が形成された。非晶質領域504は混合領域であり、該領域では、非晶質領域の上面と下の単結晶シリコン502の粗表面間の原子が最初の(照射前)のビーム混合から生じる混合物である。よって、表面上またはこの非晶質領域内の原子を分析する分析機器は、未攪乱領域における原子の最初の分布ではなく、最初の未攪乱深度分布で存在していた原子とビームの混合物を測定する。
図7は、(偏向によって分離され廃棄された荷電成分)によって照射されたシリコン基板の表面の一部のTEM画像600である。照射は、画像の上部から画像の底部に向かう方向でシリコン基板に入射した。TEM撮像のセクショニング前に、シリコン基板の上面(照射表面)をエポキシ保護膜で被覆して、セクショニング動作を簡易にし、セクショニング工程中の基板の損傷を防止した。TEM画像600では、エポキシ保護膜606は画像の最上部に見える。照射によって、約2.5nmの略均一の厚さを有するシリコンおよび酸素を備える非晶質領域604が形成された。加速中性モノマービーム照射工程の結果、原子規模でピーク間変動を有する滑らかな境界面608が非晶質領域604と下の単結晶シリコン602との間に形成される。非晶質領域604は混合領域であり、該領域では、非晶質領域の上面と下の単結晶シリコン602の粗表面は最初の(照射前)構造のビーム混合から生じる混合物である。よって、表面上またはこの非晶質領域内の原子を分析する分析機器は、未攪乱領域における原子の最初の分布ではなく、最初の未攪乱深度分布で存在していた原子とビームの混合物を測定する。
図6および7を参照して説明した処理の結果が示すように、エッチング用途では、電荷分離により加速GCIBから得られる加速中性ビームを使用することで、GCIBの場合と比べて照射攪乱領域と未攪乱領域間の境界面が良好になる。混合領域の厚さが減少し(2.5nm対6.3〜8.1nm)、未攪乱の下にあるシリコン(境界面508および608)への貫入不規則性が低減する。つまり、表面上および非晶質領域内の原子混合物は、深度誤差が約3分の1に低下し、GCIBから得られる加速モノマー中性ビームがエッチングビームとして使用されるとき(エッチングビームにフルGCIB(荷電成分と中性成分)を使用する場合と比較して)同様の分析機器深度分解能を可能にすることを意味する。
図8は、本発明の例示の実施形態によりGCIBから得られた加速中性ビームを採用する分析機器1500の概略図である。分析機器は図4に示したものと同様の中性ビーム生成および制御システムを使用するが、追加と変更によって中性ビームが分析機器での深度プロファイリング分析測定をサポートするエッチングビームとしての機能を果たす。再度図8を参照すると、線形アクチュエータ1502は開口板1504を線形運動1508で移動させて、開口1510を中性ビーム1314の中または外に配置する。開口1510はたとえば約20ミクロン〜約200ミクロンの小径の円形開口とすることができ、ビーム径を開口1510の径とほぼ等しく画定する役目を果たす。熱センサが停止位置1414にあるとき、小径中性ビーム1506はワークピース1560への軌道を移動する。ワークピース1560はたとえば(限定ではなく)半導体ウェハとすることができる。ワークピースはワークピースホルダ1562に保持され、次に、ワークピース1560を小径中性ビーム1506に対して位置決めする、および/またはワークピース1560を小径中性ビームに対して走査するためにx−y変換テーブル1566に搭載される。ワークピース1560、ワークピースホルダ1562、x−y変換テーブルは、ワークピースホルダまでの間ずっとGCIB1128を方向付けておくことが所望されるとき、GCIBのビーム電流IBを集めて電流測定装置1424によって測定可能であるように(中性ビームを生成するGCIBの設定の調節中に所望される場合)、支持され電気的に絶縁される。x−y変換テーブルは2つの直交方向に移動し、ワークピース1560のいかなる部分も小径中性ビーム1506の経路内に配置することができ、任意で微細なラスタパターンでワークピースを走査し、ワークピース1560のより大きな領域を均一にエッチングすることができる。
コントローラ1532は、図3の線量測定コントローラ1432のすべての機能を実行する。再度図8を参照すると、コントローラ1532は線量測定機能以外の追加機能を実行する。コントローラ1532は電気ケーブル1526を介して線形アクチュエータ1502と通信し、動作中必要に応じて線形アクチュエータ1502に命じて、開口1510を中性ビーム1314の内または外に配置させる。コントローラ1532は電気ケーブル1522を介してx−y変換テーブル1566と通信し、動作中、小径中性ビーム1506に対するワークピース1560の位置決めおよび/または走査を制御する。
分析プローブビーム発生器1512はビームラインチャンバ1107に配置されて、ワークピース1560の表面特徴を探査するためにワークピース1560にプローブビーム1516を方向付ける。コントローラ1532は電気ケーブル1514を介して分析プローブビーム発生器1512と通信し、動作時には、必要に応じてプローブビーム1516を動作させる、または動作停止させることができる。プローブビーム1516がワークピース1560に衝突すると、ワークピース1560の表面は粒子または波を放射し、その一部は経路1520をたどって移動し、分析センサ1518によって回収される。コントローラ1532は電気ケーブル1524を介して分析センサ1518と通信し、分析センサから情報を受信する。分析センサ1518は限定しないが、たとえば、イオンセンサ、電子センサ、またはフォトンセンサを備えることができる。コントローラ1532は分析センサ情報を処理して、ワークピース1560の表面特性を分析する。ディスプレイまたは印刷装置1534は電気ケーブル1536を介してコントローラ1532と通信する。コントローラ1532はディスプレイまたは印刷装置1534上の表面分析情報を表示または印刷することができる。
任意で、小径中性ビーム1506を、プローブビーム発生器1512およびプローブビーム1516の代わりにプローブビームとして使用することができる。GCIBをプローブビームとして使用するのが望ましい場合、任意で、VDはゼロに設定してGCIBをワークピースに衝突させることができる。プローブビーム発生器1512を使用すると、分析機器の分野で既知な様々なプローブビームのいずれかを生成することができる。たとえば、イオンビームをSIMS分析に使用することができる、あるいはX線ビームをXPSまたはESCA分析に使用することができる。
通常動作時、ワークピース1560はワークピースホルダ1562に配置される。ワークピースの表面特性の分析は、プローブビーム1516と分析センサ1518を用いて行う。その後、小径中性ビーム1506が所定のビーム線量でワークピースの表面を横断する微細なラスタパターンで走査され、ワークピース1560の所定厚の表面をエッチングで除去する。エッチングラスタパターンは、たとえば(プローブビームの全範囲を含むのに十分な)数百ミクロン平方の正方形領域とすることができる。エッチング後、ワークピースの新たな露出表面の特性分析が、プローブビーム1516および分析センサ1518を用いて行われる。エッチングおよび分析は、所望の深度プロファイルが測定されるまで繰り返される。
本発明は、シリコンおよびSiO2をエッチングするためにガスクラスタイオンビームから得られる中性ビームを使用することを例示として説明しているが、中性ビーム表面処理の適用によって得られる利点はそれらの材料に限定されず、他の半導体材料、実際には任意の材料をエッチングするのに使用される際にもビーム混合領域の厚さを低減させることは、発明者らによって理解されている。本発明は、たとえば材料構成要素の深度プロファイリング用のSIMSおよびXPS/ESCA分析を参照して説明しているが、加速GCIBから得られる加速中性ビームの所望の特徴は、連続エッチングステップを利用して、エッチングおよび表面分析の反復ステップによる材料の深度プロファイルを簡易化する種類のフルスペクトル分析機器にとっても有益であることが発明者らによって理解され、そのような適用がすべて発明の範囲に含まれることを目的としている。
本発明を各種実施形態に関して説明したが、本発明の精神と範囲内で幅広い追加の実施形態およびその他の実施形態も可能であると理解すべきである。
図5中、Vertical Distance(μm)は「垂直距離(μm)」、
図5中、Horizontal Distance(μm)は「水平距離(μm)」。

Claims (17)

  1. ワークピースの材料組成の深度プロファイル分析のための装置であって、
    減圧チャンバと、
    軌道を有する集束させた中性ビームを提供するために前記減圧チャンバ内にあるエッチングビーム源であって、ガスクラスタイオンビームに由来すると共に、加速され、集束され、且つ分離された中性モノマーのビームを提供する手段を含んでなるエッチングビーム源と、
    前記ワークピースの表面領域をエッチングするため、ワークピースを前記減圧チャンバ内で且つ前記集束させた中性ビームの軌道内に配置する保持手段と、
    エッチングされる表面領域を形成する前記集束させた中性ビームを使用して、前記ワークピースの表面の選択領域で前記ワークピースの制御深度をエッチングする制御手段と、
    前記ワークピースの前記エッチング表面領域にプローブビームを方向付けして、前記エッチング表面領域からの放射を誘発するプローブビーム源と、
    前記エッチング表面領域からの放射を検出し、前記領域の組成を分析するための分析センサと、
    前記エッチング表面領域を反復的にエッチングし、探査し、感知し、分析して、前記ワークピースの前記材料組成の深度プロファイル分析を生成する制御手段と、
    を備えてなる装置。
  2. 前記エッチングビーム源が、
    ガスクラスタイオンビームを形成するガスクラスタイオンビーム源と、
    前記ガスクラスタイオンビームを加速すると共に集束させる手段と、
    前記ガスクラスタイオンビームを少なくとも部分的に分離する手段と、
    前記加速されたガスクラスタイオンビームのイオン化成分を中性成分から分離して前記集束させた中性ビームを形成する手段と、
    を更に備える請求項1の装置。
  3. 前記保持手段が、前記中性ビームの前記軌道内に前記ワークピースの選択領域を位置決めする位置決め手段を更に備える請求項1の装置。
  4. 前記保持手段が、前記中性ビームの前記軌道内において前記ワークピースの選択領域を走査(スキャン)する走査手段を更に備える請求項1の装置。
  5. 前記プローブビーム源がイオンビーム源またはX線源である請求項1の装置。
  6. 前記分析センサが、イオンセンサ、または電子センサ、またはフォトンセンサを備える請求項1の装置。
  7. 当該分析装置が、
    SIMS深度プロファイル分析装置、
    XPS深度プロファイル分析装置、または
    ESCA深度プロファイル分析装置である、請求項1の装置。
  8. 前記中性ビームが、アルゴン、不活性ガス、酸素、二酸化炭素、窒素、アンモニア、フッ素、六フッ化硫黄、四フッ化炭素(tetrafluoromethane)、凝縮可能なハロゲン含有ガスから成る群から選択される中性モノマーを備える請求項1の装置。
  9. 前記ワークピース材料が、半導体、酸化物、窒化物、シリコン、二酸化ケイ素、ポリマー、誘電体、電気絶縁性材料、高電気抵抗材料、ガラス、またはセラミックを備える請求項1の装置。
  10. 減圧雰囲気中に配置される物体の材料組成の分析を行う分析方法であって、
    a.減圧チャンバを設けるステップと、
    b.ガスクラスタイオンビームに由来すると共に、加速され、集束され、且つ分離された中性モノマーのビームを提供することにより、軌道を有する集束させた中性ビームを前記減圧チャンバに形成するステップと、
    c.前記集束させた中性ビームの軌道内において前記減圧チャンバ内に前記物体を配置する保持手段を設けるステップと、
    e.前記物体に前記集束させた中性ビームを照射して、前記物体の表面領域をエッチングするステップと、
    f.前記エッチング表面領域にプローブビームを方向付けし、分析センサを用いて前記エッチング表面領域からの放射を検出するステップと、
    g.前記エッチング表面領域での前記物体の前記材料組成を分析するステップと、
    を備えてなる方法。
  11. ステップe中においてステップf〜gを反復して、前記物体の材料組成の深度プロファイル分析を生成するステップを更に備える請求項10の分析方法。
  12. ステップe〜gを反復して、前記物体の材料組成の深度プロファイル分析を生成するステップを更に備える請求項10の分析方法。
  13. 前記集束させた中性ビームを形成するステップは、
    加圧ソースガスを前記減圧チャンバに注入してガスクラスタジェットを形成することと、
    前記ガスクラスタジェットの少なくとも一部をイオン化してガスクラスタイオンビームを形成することと、
    前記ガスクラスタイオンビームを加速すると共に集束させることと、
    前記加速されたガスクラスタイオンビームを少なくとも部分的に分離することと、
    前記ガスクラスタイオンビームのイオン化成分を中性成分から分離して前記集束させた中性ビームを形成することと、
    を含んでなる、請求項10の分析方法。
  14. 前記プローブビームがイオンビームまたはX線ビームである請求項10の分析方法。
  15. 前記分析センサが、イオンセンサ、または電子センサ、またはフォトンセンサを備える請求項10の分析方法。
  16. 前記分析が、前記物体の材料組成の、SIMS深度プロファイル分析、XPS深度プロファイル分析、またはESCA深度プロファイル分析である請求項10の分析方法。
  17. 前記加速されたガスクラスタイオンビームを少なくとも部分的に分離することが、前記ガスクラスタイオンビームをほぼ完全に分離することである、請求項13の分析方法。
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