JPH06224156A - 表面処理方法および装置 - Google Patents

表面処理方法および装置

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JPH06224156A
JPH06224156A JP28103993A JP28103993A JPH06224156A JP H06224156 A JPH06224156 A JP H06224156A JP 28103993 A JP28103993 A JP 28103993A JP 28103993 A JP28103993 A JP 28103993A JP H06224156 A JPH06224156 A JP H06224156A
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JP
Japan
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chemical species
surface treatment
specific
molecular beam
ions
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Application number
JP28103993A
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English (en)
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Seiji Yamamoto
清二 山本
Kozo Mochiji
広造 持地
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ドライエッチングに際しては高い異方性と高い
選択性とをもたらし、デポジションに際しては高い均一
性をもたらすような表面処理方法およびその方法を実施
するための装置を提供すること。 【構成】ドライエッチングやデポジションなどの表面処
理に有効な特定の化学種(イオン)を含む種々の化学種
を光イオン化法により生成させ、生成した種々の化学種
の中から上記した特定の化学種のみを所定の捕捉位置に
適当な時間内捕捉し、この捕捉した特定の化学種を目的
とする表面処理に有効な特定の振電状態に励起し、この
特定の振電状態に励起した特定の化学種(イオン)をそ
の並進速度を揃えて引き出して試料に照射することによ
って、試料表面の処理を行う。 【効果】高い異方性と高い選択性を有するドライエッチ
ング並びに均一な膜質のデポジションが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体素子の製造方法に
係り、特にエッチングやデポジションなどの表面処理工
程において、高い材料選択性と高い異方性とを有する超
微細加工を実現する方法およびその方法を実施するため
の装置に関する。なお、ここでの超微細加工とは、原子
層レベルでの表面処理を意味する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の微細化が進むにつれて、エ
ッチング工程においては、より高いアスペクト比(エッ
チングの深さと開口寸法との比率)を実現でき、しかも
材料選択性のより大きな方法が望まれている。
【0003】従来、ドライエッチングでは、メガヘルツ
オーダーの高周波によるプラズマ中で生成したエッチン
グガスのイオンあるいはラジカルを用いるのが主流とな
っている。この方法では、生成するイオン、ラジカル、
解離分子などの化学種の種類およびそれらのエネルギー
は様々である。例えば CF4ガスは次のように解離す
る。 CF4+e~→CF3+F*+e~ →CF3+F~ →CF3(+)+F+2e~ →CF2+2F* →C+4F* ここで、F*はラジカルを、CF3(+)は CF3の1価の
正イオンをそれぞれ表している。このように、CF4
ような単純な分子でも プラズマ中では多種多様な化学
種に変化する。しかも、従来は生成する化学種の内部状
態のエネルギーの制御は行われていない。しかし、大量
の活性種を利用できるのがこの方法の特長であり、異方
性は不十分であるが、高いスループットでエッチングを
行うことができる。
【0004】また、デポジションに関しても全く同様な
状況にあり、高いスループットで薄膜を形成できるが、
やはり、使用する化学種の選定およびその内部エネルギ
ーの制御は行われていない。
【0005】従来より、プラズマエッチングにおいて、
エッチングに不必要な化学種を除去してエッチングに有
効な化学種のみを用いることにより良質なエッチングを
行おうとする試みがなされてきている。その一例とし
て、特開昭62−248226号公報に記載された方法
を挙げることができる。この方法では、放電プラズマか
らの種々のイオン種を四極電磁石を用いて質量分離する
ことにより、所望のエネルギーを持つ特定のイオン種の
みを選択的に取り出し、その後さらに、減速電極でもっ
てこの取り出したイオン種の速度を調節してから試料表
面の加工に用いている。一般に、イオン種の選別には、
代表的な例として、高周波を用いる四重極質量分離器や
磁場と電場を直交させて用いるウィーンフィルター型質
量分離器などが使用されている。また、質量分析法とし
ては、特開昭59−134546号公報に記載のような
四極イオントラップを用いる方法もある。また、光アシ
ストによる内部エネルギーの制御法に関しては、特開昭
61−231716号公報に記載の方法が提案されてい
る。この方法は、エッチング反応が進行する試料表面に
光を照射して、良質のエッチングを行おうとするもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のドライ
エッチング方法においては、高いエネルギーを与えて生
成したプラズマを用いるので、生じるイオンの種類やそ
のイオンの回転,振動,電子の各内部エネルギー、およ
びその並進エネルギーに大きなバラツキがある。そのた
め、エッチングに必要のないイオンやエッチング反応を
起しにくいエネルギー状態にあるイオンがマスクや下地
を不必要にエッチングしてしまうので、高い材料選択性
を得ることは困難であった。また、エッチング形状の異
方性を高めるために加速された高い並進エネルギーを持
つイオンを用いているので、さらに材料選択性は低下
し、そのために種々の基板損傷も発生した。また、イオ
ンと同時に生成する種々のラジカルや電子などの影響に
より、エッチング反応はより一層複雑となり、制御しに
くいものとなっていた。
【0007】従って、本発明の目的は、上記した従来法
の問題点を克服し、高い選択性と高い異方性を有するド
ライエッチング方法を含めた表面処理方法およびその方
法を実施するための装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、光のエネルギーを利用して表面
処理用のガスをイオン化することにより、所望とする表
面処理に有効な特定の内部エネルギー状態にある特定の
質量数のイオンを分離生成し、この分離生成したイオン
をドライエッチングやデポジションなどの表面処理に利
用している。
【0009】すなわち、本発明による表面処理方法は、
表面処理用のガスを電離して種々の化学種を生成する化
学種生成工程と、生成した種々の化学種の内から特定の
化学種を選択して捕捉する化学種捕捉工程と、捕捉され
た特定の化学種を引き出す化学種引き出し工程と、この
引き出された特定の化学種を用いて表面処理を行う表面
処理工程とからなることができる。
【0010】また、表面処理に用いる化学種の内部エネ
ルギー状態を制御するために、上記の捕捉された化学種
に光を照射して該化学種を所望の内部エネルギー状態に
励起する化学種励起工程をさらに含めてもよい。また、
上記した特定の化学種を捕捉する化学種捕捉工程と、捕
捉した化学種を励起する化学種励起工程と、励起された
化学種を引き出す化学種引き出し工程との順序は、使用
する化学種の種類あるいは表面処理の種類に合わせて適
宜入れ替えても良い。
【0011】また、表面処理用の化学種として中性原子
(または分子)を用いる場合には、本発明による表面処
理方法は、真空室内に表面処理に必要な化学種(中性原
子または分子)を導入する化学種導入工程と、導入され
た化学種にその進行方向とは反対方向から光を当てて該
化学種を捕捉する化学種捕捉工程と、捕捉した化学種を
光を用いて引き出す化学種引き出し工程と、引き出した
化学種(中性原子または分子)を用いて表面処理を行う
表面処理工程とからなることができる。また、表面処理
に用いる化学種の内部エネルギー状態を制御するため
に、上記の捕捉された化学種に光を照射して該化学種を
所望の内部エネルギー状態に励起する化学種励起工程を
さらに含めてもよい。
【0012】図1に、本発明による表面処理方法の基本
概念を模式的に示す。図示の様に、本発明による表面処
理方法は、基本的には、化学種生成工程(1)と、化学種
捕捉工程(2)と、化学種励起工程(3)と、化学種引き出
し工程(4)と、表面処理工程(5)とからなっている。
【0013】化学種生成工程(1)においては、表面処理
用のガスをイオン化させることにより、表面処理に必要
とされる特定の化学種を含む種々の化学種6,7,8,
9等を生成させる。ここで生成された化学種の中には様
々な質量数のものが存在し、それらの内部状態および並
進速度も様々である。化学種捕捉工程(2)においては、
化学種生成工程(1)で生成された種々の化学種の中から
表面処理に必要とされる特定の化学種6を選択して捕捉
する。化学種励起工程(3)においては、化学種捕捉工程
(2)で捕捉された特定の化学種6を特定の励起状態に励
起して、該化学種6の内部エネルギー状態を揃える。化
学種引き出し工程(4)では、化学種励起工程(3)で特定
の内部エネルギー状態に励起された特定の化学種6をそ
の並進速度を揃えて引き出す。表面処理工程(5)では、
化学種引き出し工程(4)で引き出された特定の化学種6
を試料(被処理物)10の表面に供給して、該試料の表面
処理を行う。
【0014】なお、上記した化学種捕捉工程(2),化学
種励起工程(3),および化学種引き出し工程(4)からな
る三つの工程の時間的順序は、使用する化学種の種類あ
るいは表面処理の種類に応じて、適宜入れ替えても良
い。
【0015】また、本発明による表面処理装置は、表面
処理に用いられる特定の化学種を生成させる化学種生成
手段と、生成された特定の化学種を捕捉する化学種捕捉
手段と、捕捉された特定の化学種を引き出す化学種引き
出し手段と、引き出された特定の化学種を被処理試料に
照射する化学種照射手段とからなることができる。ま
た、上記の捕捉された特定の化学種を特定の内部エネル
ギー状態に励起する化学種励起手段をさらに含むことが
できる。
【0016】図2に、本発明による表面処理装置の基本
的構成を示す。この装置は大きく分けて三つの真空室す
なわちガス導入室12,中間処理室13,試料処理室2
6を持っている。各室はそれぞれバルブ17,18,1
9を介してそれぞれ真空ポンプ14,15,16によっ
て真空排気され得る。
【0017】この装置において、表面処理に必要な特定
の化学種(イオン)を生成させるにあたっては、先ず、
パルス超音速ジェット発生器20によりガスボンベ25
からの表面処理用ガス(表面処理に必要な特定の化学種
を生成させ得るガス)を細孔を通してガス導入室12内
に噴出させて、パルス超音速ジェット31を発生させ
る。このパルス超音速ジェット31をさらにスキマー2
1に通すことによって、中間処理室13内にパルス分子
線31’として導入し、このパルス分子線31’をイオ
ントラップセル22中に入射させる。このパルス分子線
31’中の殆どの分子は基底状態にある。そして、この
セル22内でパルス分子線31’にレ−ザ光32(また
は、シンクロトロン放射光)を照射することにより、分
子線31’中に含まれる基底状態の分子あるいはクラス
ターをイオン化し、表面処理に必要な特定の化学種(イ
オン)を生成させる。
【0018】次に、生成した特定の化学種の捕捉にあた
っては、イオントラップセル22を動作させて、上記特
定の化学種のみをセル22内に捕捉する。
【0019】また、捕捉された特定の化学種を励起する
にあたっては、セル22内に捕捉されたイオンにレ−ザ
光源33からのレ−ザ光32’を照射して、該捕捉イオ
ンを特定の内部エネルギー状態に励起する。
【0020】次いで、特定の内部エネルギー状態に励起
された特定の化学種を引き出すにあたっては、イオント
ラップセル22内にイオン引き出し電界を形成させて、
セル22内に捕捉されている特定の化学種(イオン)を
セル外に引き出す。
【0021】最後に、セル22から引き出された化学種
(イオン)を試料表面に照射するにあたっては、イオン
レンズ34等のイオン光学系を用いてイオン流の断面形
状等を整えた上で、該イオン流を試料27の表面に照射
する。
【0022】なお、イオントラップセル22内に入射さ
せる分子線は、上記したようなパルス分子線であること
が望ましいが、場合によっては、連続的な分子線であっ
てももよい。
【0023】次に、表面処理に利用する化学種が中性原
子(または分子)の場合には、本発明による表面処理装
置は、真空室中に表面処理に利用する化学種を原子線
(または分子線)として導入する化学種導入手段と、導
入された化学種にその進行方向とは反対方向から光を当
てて該化学種を捕捉する化学種捕捉手段と、捕捉された
化学種を光を用いて引き出す化学種引き出し手段と、引
き出した化学種(中性原子または分子)を試料の表面処
理を行うために試料表面に照射する化学種照射手段とか
らなることができる。また、この場合にも、表面処理に
用いる化学種の内部エネルギー状態を制御するために、
上記の化学種捕捉手段によって捕捉された化学種を特定
の内部エネルギー状態に励起するための化学種励起手段
を付加することができる。また、上記した化学種導入手
段によって真空室中に導入される化学種のビームもパル
ス状のビームであることが望ましいが、連続的なビーム
であってもよい。
【0024】なお、捕捉すべき化学種が中性原子(また
は分子)の場合には、上記した化学種捕捉手段は、共鳴
波長のレーザ光を用いたレーザ冷却法によって捕捉すべ
き化学種を減速して捕捉する方式のものであることがで
きる。また、上記の化学種励起手段は、捕捉された化学
種にレーザ光を照射して該化学種を光励起する方式のも
のであることができる。さらに、上記の化学種引き出し
手段は、捕捉された化学種(中性原子または分子)にレ
ーザ光を照射して、光の輻射圧によってそれらを引き出
す方式のものであることができる。
【0025】
【作用】上記した本発明の表面処理方法および装置によ
れば、以下のような作用効果が得られる。なお、ここで
は、表面処理の中でも主にドライエッチングの場合を例
にとって述べる。
【0026】本発明においては、質量と並進速度の揃っ
た特定の回転,振動,電子状態(以下、振電状態と略
す)にある化学種(イオン)を光を用いて生成させ、該化
学種を用いて試料表面のエッチングを行う。
【0027】化学種生成工程(1)においては、エッチン
グガスを高真空室中にパルス分子線として導入する。高
圧の気体を細孔を通してパルス的に高真空中に噴出する
ことによって超音速のパルス分子線を発生させることが
でき、この超音速パルス分子線中のガス分子はその殆ど
が断熱膨張により基底状態にあり、並進速度も揃ってい
る。このパルス分子線に特定の波長のレーザ光あるいは
シンクロトロン放射光を照射することにより、該パルス
分子線中の分子あるいはクラスターをイオン化し、エッ
チングに必要な特定の化学種(イオン、またはイオンの
解離種)を生成させる。もちろんこの際、図1に示すよ
うに、上記の特定の化学種の他にも種々の化学種が生成
される。
【0028】次いで、化学種捕捉工程(2)においては、
上記のようにして生成された種々の化学種の内から特定
の化学種(特定の質量のイオン)のみを、図4に示すよう
なイオントラップセル22を用いて選択的に捕捉する。
この方法について、図4を参照して説明する。まず、表
面処理に用いられる化学種を生成するための原料物質と
しては、F2,Cl2,Br2,I2,CCl4,CHC
3,CCl3,CHF4,SF6,HF,HCl,HB
r,HI,NF3,WF6 などのハロゲン化物、酸化
物、水素化物、窒化物、無機錯体のうちのいずれか、ま
たはそれらのいずれかを含む混合物であって気体または
液体の状態にあるものを用いることができる。これらの
中から、所望とする表面処理に必要な化学種を生じ得る
物質を選び、それを細孔を通して真空中にパルス的に噴
出することによって、パルス分子線31’を形成する。
ここで「パルス的に噴出する」とした理由は、イオント
ラップセル22で特定の化学種のイオンを選択捕捉する
際に、イオントラップセル22内から排除されてしまう
その他の余分な化学種の導入量を減らし、イオントラッ
プセル22周辺の圧力の上昇を抑えるためである。イオ
ントラップセル22は、回転双曲面状に形成されたリン
グ電極40とキャップ電極39,39’との間に高周波
電圧Eh=U+Vsinωt(Uは直流電圧成分、Vs
inωtは高周波電圧成分)を印加して、セル内に三次
元四重極電界を形成することにより、特定のイオンの選
別および捕捉を行う装置である。分子線31’は、リン
グ電極40に設けられた開孔40Aを通してセル22内
に導入される(図4の(a))。
【0029】セル22内に導入された分子線31’がセ
ル22の中心部を通過する際に、該分子線31’に光3
2が照射され、導入分子35のイオン化が行われる(図
4の(b))。
【0030】上記のイオン化と同時にまたはその直後
に、高周波電源37を用いてリング電極40とキャップ
電極39,39’との間に上記の高周波電圧Ehが印加
され、セル22内に高周波電場が形成される。ここで、
イオン化されなかった中性分子35は、上記高周波電場
の作用を受けることなくそのまま開孔40B等を通して
セル22外に排出される。また、イオン化によって生成
されたイオンの中には、導入分子35がそのままイオン
化して生じた親イオン36とフラグメントイオン38と
があるが、上記高周波電場内では質量数の異なるイオン
は異なる軌道を運動するので、印加する高周波電場の振
幅および周波数を調整することにより、捕捉条件に適合
した特定の質量数のイオン(図ではイオン36)のみを
捕捉することができる。また、捕捉条件に適合しないイ
オン(図ではイオン38)は上記高周波電場の作用によ
ってセル外に飛散してしまう。従って、内部状態のでき
るだけ揃った特定の質量数のイオンのみをイオントラッ
プセル22内に捕捉できることになる(図4の(c))。
なお、このイオントラップの技術に関しては、“質量分
析”Vol.36, No.5, 187-195 (1988)に詳しい。
【0031】次に、化学種励起工程(3)においては、上
述のようにしてセル22内に捕捉されたイオンを光によ
って励起し、特定の振電状態にあるイオンないしイオン
の解離種を生成させる。なお、この化学種励起工程(3)
は、上述した化学種生成工程(1)における特定のイオン
種の生成の直後において行われても良い。ここでは、一
例として、エネルギーの異なる三種類の光を用いて、特
定の分子を励起して特定のイオン種を生成させると共
に、この特定のイオン種をさらに励起して特定の振電状
態にあるイオンとする方法について、図3を用いて説明
する。
【0032】図3に示すように、先の化学種生成工程
(1)において発生された超音速のパルス分子線中の分
子35は断熱膨張に伴い冷却されて基底状態にある。こ
の基底状態の分子35は、第一の光(エネルギー:hν
1 )を吸収することにより、より高いエネルギーをもつ
特定の中間状態へと遷移する。この中間状態にある分子
35’は、さらに第二の光(エネルギー:hν2 )を吸
収して電子を放出し、正イオン36の基底状態へと遷移
する。この基底状態の正イオン36は、さらに第三の光
(エネルギー:hν3 )を吸収し、特定の振電状態にあ
るイオン36’となる。エネルギーの高い分子イオンで
は、イオンの種類によっては解離などの緩和過程がある
ために特定の振電状態に留まれないものもある。この場
合には、化学種の内部状態に分布が生じるが、可能な限
り状態選択を行うことができる。また、必要に応じて励
起光のエネルギーを変えることにより、任意の中間状態
を経由して特定の振電状態にあるイオンを生成できる。
好適には、化学種の50%以上が同一の内部状態にある
ことが望ましい。また、内部エネルギーの大きさは、エ
ッチングの際に基板損傷を与えないという観点から、並
進エネルギーと合わせて100eVよりも小さいことが
望ましい。
【0033】次に、化学種引き出し工程(4)において
は、セル22内に捕捉されている特定の振電状態に励起
された特定のイオン種をセル外に引き出す。この方法を
図5を用いて説明する。イオントラップセル22内のイ
オン36’は、リング電極40とキャップ電極39,3
9’と間に高周波電圧Ehが印加されている間は、セル
22内に捕捉され続ける(図5の(a))。なお、この捕
捉時間は、数ミリ秒から数百ミリ秒の範囲内とされるの
が望ましい。
【0034】捕捉イオン36’の引き出しは、高周波電
源37による高周波電圧Ehの印加を停止する前、ある
いは停止後に、直流電源37’を用いてキャップ電極3
9,39’間にイオン引き出し電圧Eを印加して行う。
好適には、並進速度の分布は設定した平均の速度を中心
として±5%の範囲内に揃える。これは、表面処理の均
一性を高めるためである。また、表面処理の際に基板に
与える損傷を抑えるため、並進エネルギーは100eV
以下であることが望ましい。図2に示した装置構成のよ
うに分子線31’の方向とは異なる方向にイオン36’
を引き出して試料に照射することにより、必要のないイ
オン化しなかった化学種35等が試料表面に到達するの
を防止できる。
【0035】以上述べた一連の操作により、内部エネル
ギー、および、並進速度(大きさと方向)の分散の小さ
な、エッチングに有効な化学種のみのイオン流36’が
形成される(図5の(b))。これにより、異方性および
選択性に優れたドライエッチングが可能となる(図5の
(c))。また、均一な膜質のデポジションも可能となる
(図5の(d))。
【0036】中性原子(または中性分子)を用いて表面
処理を行う場合には、図2と同様な装置構成において、
イオントラップセル22は動作させずに、原子線(また
は分子線)31’中の中性原子(または中性分子)をレ
ーザ冷却法により減速して捕捉し、その後この捕捉され
た中性原子(または中性分子)を光の輻射圧を利用して
引き出し、この引き出された中性原子(または中性分
子)を用いて表面処理を行う。これにより、より損傷の
少ない表面処理が可能となる。
【0037】このように表面処理に必要な化学種を分離
・捕捉し、捕捉された化学種を光により励起し、励起さ
れた化学種を速度を揃えて引き出すことにより、内部エ
ネルギーおよび並進エネルギーの揃った化学種のビーム
とすることができる。以下、エッチングマスクとして表
面に微細なレジストパターンを形成したSi基板を試料
とし、上述したイオントラップ法を利用して該試料表面
のドライエッチングを行う場合を例にとって、本発明の
作用効果について説明する。
【0038】第一に、イオントラップ法を用いることに
よって目的とするSi基板のエッチングに有効な化学種
のみを選択して利用することができる。また、マスクや
下地に与える影響の少ない化学種を選択して利用するこ
とができるので、エッチングにおける材料選択性が向上
する。原子イオンや分子が解離せずに直接イオン化した
親イオンでは、内部エネルギー状態も選択されているの
で、エッチングに有効な内部状態のイオンを選んで用い
ることによって、さらに材料選択性を向上させることが
可能である。これは、同じ化学種でも内部エネルギーの
違いによって化学反応の起こり易さが異なるためであ
る。
【0039】また、エッチングに用いる化学種の並進速
度の制御も可能である。すなわち、選択した化学種を一
旦捕捉した後に改めて引き出すことにより、化学種の並
進エネルギーと運動の方向を揃えることができる。その
ため、化学種間の衝突による運動方向の拡がりを小さい
範囲に抑えることができるので、エッチング加工の垂直
性が向上する。つまり、エッチングの異方性が向上す
る。また、選択した化学種を一旦捕捉した上で改めて引
き出すことにより、該化学種に付与するエネルギーを小
さくできるので、基板損傷を抑えることができる。
【0040】なお、表面処理に利用するイオンは、上記
した分子線の光イオン化により生成させるのみでなく、
電子衝撃、リュードベリ原子および分子(高励起リュー
ドベリ状態にある原子および分子)の衝撃によって生成
させてもよいし、さらには、RF放電、アーク放電、グ
ロー放電、あるいは電子サイクロトロン共鳴(ECR)に
よって生起されるプラズマ中で生成されるイオン(正イ
オンまたは負イオン)を引き出してきて捕捉する手法に
よっても良い。これらいずれの場合も全く同様の効果が
得られる。
【0041】上記した本発明の表面処理装置における個
々の構成手段はいずれも従来技術によるものであるが、
本発明ではそれらを巧みに組み合わせることにより、こ
れまでにない高度な表面処理を可能にしている。表面処
理に必要なイオンをイオントラップセル内で生成させ、
これを長時間捕捉することにより他の不必要なイオンか
ら選別し、その間に光照射により所望とする特定の振電
状態にイオンを励起する。このイオンの捕捉・励起の過
程は、従来技術の項で述べた四重極質量分離器やウィー
ンフィルター等の通過型の質量分離器を用いる方法によ
っては実現困難である。また、本発明におけるイオンの
励起は、ただ光を照射するだけの光アシスト法とは異な
り、所望とする特定のイオンを最も効率良く励起するこ
とのできる波長の光を選択して行われる。また、イオン
を一旦捕捉した後に改めてそれを引き出すようにしてい
るので、内部エネルギーと並進エネルギーの揃ったイオ
ンビ−ムを形成できる。このように、イオンの捕捉によ
って該イオンの状態の制御が可能となり、この状態制御
されたイオンを用いることによって初めて高い材料選択
性と高い異方性とを有する微細かつ良質な表面処理が可
能となるのである。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て、詳細に説明する。
【0043】<実施例1>図2に本発明の一実施例にな
る表面処理装置の概略構成を示す。本装置には、三つの
真空チャンバ、すなわち、ガス導入室12,中間処理室
13,試料処理室26が設けられている。ガス導入室1
2はバルブ17を介して真空ポンプ14に接続され、中
間処理室13はバルブ18を介して真空ポンプ15に接
続されている。ガス導入室12と中間処理室13の間に
はスキマー21が設けられており、両室はスキマー21
の細孔を介して連通しており、ガス導入室12側よりも
中間処理室13側の方がより高真空となるように差動排
気される。試料処理室26内は真空ポンプ16によって
真空排気される。中間処理室13と試料処理室26との
間にはバルブ19が設けられており、それによって両室
間の開閉ができるようになっている。
【0044】ガス導入室12内にはガスボンベ25から
供給されるガスをパルス超音速ジェット31として噴射
させるためのパルス超音速ジェット発生器20が設けら
れており、中間処理室13内にはイオントラップセル2
2,電子銃30およびイオンレンズ系34が設けられて
いる。また、試料処理室26内には、試料27を導入保
持するための試料導入器23と質量分析器24とが設け
られている。
【0045】なお、上記のイオントラップセル22は、
具体的には図5の(a)に示されるように、二枚のキャッ
プ電極39,39’と、両キャップ電極39,39’間
に設けられた回転双曲面状に形成されたリング電極40
とからなっている。リング電極40と両キャップ電極3
9,39’との間には、高周波電源37が接続されてい
る。この高周波電源37は、接地電位に置かれた両キャ
ップ電極39,39’に対してリング電極40に、Eh
=U+Vsinωtなる電圧(Uは直流電圧、Vsin
ωtは高周波電圧)を印加して三次元四重極電界を形成
し、特定のイオン種を選別して捕捉するためのものであ
る。また、直流電源37’は、スイッチSwを介してキ
ャップ電極39に正電圧Eを印加して、セル内にイオン
引出し電界を形成させるためのものである。なお、リン
グ電極40の側壁には分子ビーム31’を通すための開
孔40A,40Bが設けられており、キャップ電極3
9’にはイオン引出し用の開孔39’Aが設けられてい
る。
【0046】本装置には、また、可視または紫外領域の
パルスレーザ光32を放射するパルスレーザ11および
内部状態励起用のレーザ光32’を放射する波長可変レ
ーザ33とが設けられており、両レーザ光32,32’
は、それぞれ、ミラー28,28’およびレンズ29,
29’を介して中間処理室13内に設けられたイオント
ラップセル22内に導入される。なお、イオントラップ
セル22内にレーザ光32,32’を導入するために
は、上記したキャップ電極39に開孔を設けておいても
よいが、キャップ電極39の一部または全部をレーザ光
を透過させ得る物質で構成してもよい。
【0047】本装置の動作に当たっては、先ずバルブ1
7,18,19を開放し、真空ポンプ14,15,16
によってガス導入室12,中間処理室13,試料処理室
26内を高真空に保つ。次に、パルス超音速ジェット発
生器20を用いて、ガスボンベ25からのSF6ガスを
3 atm の圧力でピンホールから真空中にパルス状に噴
出することにより SF6ガスのパルス超音速ジェット3
1を生成する。このパルス超音速ジェット31をさらに
スキマー21の細孔に通すことによって SF6ガスのパ
ルス分子ビーム31’を形成させ、該パルス分子ビーム
31’をイオントラップセル22中に導入する。なお、
場合によっては、スキマー21を取り外して SF6ガス
をジェット噴流のままでイオントラップセル22中に導
入するように構成してもよい。
【0048】次に、 イオントラップセル22内に導入
されたSF6ガスのパルス分子ビーム31’に、該パル
ス分子ビーム31’の導入タイミングに同期したパルス
レーザ光32を照射して SF6ガス分子をイオン化す
る。そして、高周波電源37を動作させることによっ
て、例えばSF5+などの特定のイオン種36を選択し、
それを1ミリ秒から100ミリ秒の間セル22内に捕捉
する。さらに、この捕捉された特定のイオン種36に波
長可変レーザ33からのレーザ光32’を照射して、上
記特定のイオン種36を特定の振電準位に励起し、内部
状態の揃った特定のイオン種36’とする。
【0049】この状態で、図5の(b)に示すように、ス
イッチSwを直流電源37’側に切り換えてキャップ電
極39に正電位( +E)を与えてキャップ電極39,3
9’間に50V/m〜200V/m程度の直流電界を形
成し、上記した特定のイオン種36’を開孔39’Aを
通して引き出す。これにより、引き出されたイオンには
数10eV程度の運動エネルギーが与えられる。イオン
の運動方向に関しては、セル22内の真空度を向上させ
たり、電場の乱れを抑えるなどして、技術的に可能な限
り揃えるのが望ましい。
【0050】この引き出されたイオンは、次いで、試料
処理室26内に導入され、該室内に設けられた質量分析
器24によって、実際に引き出されたイオンが所望のイ
オン種であるかどうかの確認がなされる。しかる後に、
試料導入器23によって表面処理されるべき試料27が
イオン照射位置に導入され、該試料表面のドライエッチ
ング加工が行われる。なお、この場合の試料(被エッチ
ング物質)は、その表面に厚さ0.3μm、開口幅0.1
μmのレジストパターンを設けたSi基板とした。
【0051】上記の条件で60分間のドライエッチング
を行った結果、Si基板表面に溝幅が0.1μmで深さ
が0.5μm(アスペクト比:5)のエッチング溝を形
成することができた。なお、必要に応じてイオンレンズ
系34を用いてセル22からのイオンを収束させれば、
さらに短い時間で上記と同等のドライエッチング加工が
可能となる。また、試料表面へのイオン照射に際して、
試料表面近傍に、光を照射したり、原子,分子,電子,
イオン,ラジカルなどのアシストビームを導入すること
により、エッチング速度のさらなる向上を図ることも可
能である。
【0052】なお、イオントラップセル22内で導入分
子をイオン化させるための励起用ビームとしては、上記
したレーザ光32に限らず、その他一般のランプ光、シ
ンクロトロン放射光、さらには、電子、高励起リュード
ベリ原子および分子などを用いても良い。
【0053】本実施例では、試料表面に照射するイオン
の質量数、並進速度、内部状態の三条件を選択したが、
これら三条件のうち一つあるいは二つの条件を満たすだ
けでも良い場合もある。また、セル内でのイオン生成の
際に、反跳によりわずかなイオンがイオン引き出し電圧
Eの印加タイミングとは無関係にセル外に出てくるの
で、イオンレンズ系34への印加電圧を適宜変調してで
きるだけ試料表面にエッチングに無関係なイオンが到達
しないようにすることが望ましい。なお、イオン生成の
ための原料物質としてはF2,Cl2,Br2,I2,CC
4,CHCl3,CCl3,CHF4,SF6,HF,H
Cl,HBr,HI,NF3,WF6 などのハロゲン化
物、酸化物、水素化物、窒化物、無機錯体のうちのいず
れか、またはそれらのいずれかを含む混合物であって気
体または液体の状態にあるものを適宜選択して用いるこ
とができる。
【0054】ここで、上記した一連の工程を図10のタ
イミング図を用いて説明する。先ず基準となるクロック
信号Scを発生させ(同図の(a))、このクロック信号
Scと同期してパルス超音速ジェット発生器20を動作
させて、パルス超音速ジェット31を発生させ、スキマ
ー21を介してパルス分子ビーム31’を発生させる
(同図の(b))。このパルス分子ビーム31’がイオン
トラップセル22内に到達するまでの時間差をおいた
後、セル22内にパルスレーザ光32を照射して該セル
内の分子をイオン化させる(同図の(c))。このパルス
レーザ光照射によるイオン化と同時あるいはそれより少
し前にセル22のキャップ電極39,39’とリング電
極40との間に高周波電圧Ehを印加し、上記イオン化
により生成されたイオンのうちの特定のイオンをセル2
2内に捕捉する(同図の(d))。この高周波電圧Ehが
印加されている間は上記した特定のイオンは捕捉され続
ける。この捕捉時間内に、捕捉イオンの励起を行ったり
セル内の真空度が向上するのを待つ。必要な捕捉時間の
後に、上部キャップ電極39にイオン引出電圧Eを印加
してセル内に捕捉されている特定のイオンをセル外に引
き出す(同図の(e))。このイオン引出電圧Eの印加タ
イミングは、高周波電圧Ehが印加されている時でも良
いし、イオン濃度は多少低下するが高周波電圧Ehの印
加を止めた後でも良い。もちろん、高周波電圧Ehの印
加を止めると同時にイオン引出電圧Eを印加するように
しても良い。このようにして引き出されたイオンは、そ
の速度と飛行距離に応じた時間の後に試料27表面に到
達し、イオン電流Iiとして観測される(同図の
(f))。
【0055】<実施例2>本発明の他の一実施例を、実
施例1の場合と同様に図2および図5を用いて説明す
る。本実施例においては、先ず、バルブ17,18,1
9を開放し真空ポンプ14,15,16によってガス導
入室12,中間処理室13,試料処理室26内を高真空
に排気する。次に、パルス超音速ジェット発生器20に
よって、ボンベ25からのHeとSF6との混合ガスを
3 atm の圧力でピンホールから真空中にパルス状に噴
出させてパルス超音速ジェット31を発生させる。この
パルス超音速ジェット31をさらにスキマー21の細孔
に通すことによってHe/SF6混合ガスのクラスタービ
ーム31’とする。このクラスタービーム31’に電子
銃30からの電子線を照射することによって、該クラス
タービーム31’中の中性クラスターをイオン化させ、
このイオン化で生じたクラスターイオンをイオントラッ
プセル22中に導入する。なお、電子銃30はイオント
ラップセル22の中に置いても良い。また、上記した電
子衝撃によるイオン化法に限らず、高励起原子あるいは
高励起分子の衝撃によるイオン化技法を用いても良い。
【0056】イオントラップセル22内では、実施例1
の場合と同様に高周波電圧印加の方法により、例えば
(SF6)SF5+ などの特定のクラスターイオンを選別し
1ミリ秒から100ミリ秒の間セル22内に捕捉する。
そして、実施例1の場合と同様に、キャップ電極39,
39’間にイオン引出電圧Eを印加して、セル22内に
50V/m〜200V/mの電界を形成することによ
り、セル内に捕捉されているクラスターイオンをセル外
に引き出す。これにより、引き出されたクラスターイオ
ンには数10eV程度の運動エネルギーが与えられる。
この引き出されたクラスターイオンは、次いで試料処理
室26内に導入され、質量分析器24で所望とする特定
のクラスターイオンであるかどうかの確認がなされる。
その後、試料導入器23で試料27を所定のイオン照射
位置に導入して、70分間試料表面のドライエッチング
を行う。その結果、試料(Si基板)の表面に溝幅が 0.
1μmで深さが 0.6μm(つまり、アスペクト比:
6)の溝パターンを形成することができた。
【0057】<実施例3>図6に、本発明のさらに他の
一実施例を示す。本実施例は、本発明を原子層デジタル
エッチングに適用した場合についてのものである。本実
施例においては、先の実施例1および実施例2と同様な
方法により、先ずGaAs基板43表面に対向して、塩
素イオン42を生成し捕捉する。この時、塩素イオン4
2をできるだけ試料表面と平行な二次元平面内に捕捉し
た方が良い。次いで、この捕捉した塩素イオン42を、
予めパターン形成されたマスク41を介して、GaAs
基板43の表面に照射する(図6の(a))。基板43表
面に到達した塩素イオン42は、該基板の最表面層の原
子43’と反応して反応生成物44を形成し(図6の
(b))、この反応生成物44が基板43の表面から脱離
する(図6の(c))。この時、基板表面に照射する塩素
イオン42には、基板表面第一層のエッチングに最適な
エネルギーを与える。好適には、塩素イオン42の持つ
並進エネルギーを数十eVとするのが良い。
【0058】先に説明したように、イオントラップセル
から引き出されたイオンはその速度が揃っているので、
一回のイオン照射では基板表面の同一地点に複数の塩素
イオンが時間差をおいて到達すると云うことは殆どな
い。従って、基板表面第一層のみを選択的にデジタルエ
ッチングすることが可能である。なお、反応の効率を高
めるために、あらかじめ適量の塩素を基板表面に吸着さ
せておき、そこにイオントラップセルより引き出してき
た速度の揃った特定のイオンを照射してもよい。なお、
この場合の照射イオンは上例の塩素イオンに限られるも
のではない。
【0059】<実施例4>図7に、本発明のさらに他の
一実施例を示す。本実施例は、本発明を基板上への薄膜
の堆積に適用した場合についてのものである。本実施例
においては、イオン生成用の原料ガスとして有機金属錯
体の気体を用いて、先の実施例1および実施例2と同様
な方法により、解離金属イオン45を生成し捕捉する。
この時、解離金属イオン45を可能な限り試料表面と平
行な二次元平面内に捕捉した方がよい。次いで、この捕
捉した解離金属イオン45をSi基板46の表面に照射
する(図7の(a))。この時、基板表面のスパッタなどが
副次的に生じるのを抑えるために、照射イオンに与える
エネルギーはできるだけ小さい方がよい。基板46の表
面に到達した解離金属イオン45はそこで解離して金属
原子45’となって基板表面に堆積する(図7の(b))。
先に説明したようにイオントラップセルから引き出され
る解離金属イオンの速度は揃っており、したがって一回
のイオン照射では基板表面上の同一地点に複数の解離金
属イオンが時間差をおいて到達することは殆どない。し
たがって、基板46の表面上には解離して生じた金属原
子45’を一原子層だけ堆積させることが可能である。
もちろん、解離金属イオン45の照射を繰り返すことに
よって、照射回数に応じた複数の原子層を堆積させるこ
とが可能である(図7の(c),(d))。したがって、イオ
ン照射の回数を調節することによって、堆積膜の厚さを
原子層単位で制御できる。
【0060】<実施例5>図8に、本発明のさらに他の
一実施例を示す。本実施例では、イオントラップセル2
2内に捕捉されているイオンの運動を抑えるのにレーザ
冷却法を利用している。すなわち、ここでは、レーザ4
7から放射されるレーザ冷却用のレーザ光32”をミラ
ー28”,レンズ29”を介してイオントラップセル2
2内に導入している。その他の装置構成は図2に示した
ものと同じである。
【0061】この場合、イオン生成用のガスとしては、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の蒸気を選び、実
施例1の場合と同様にして、パルス分子ビーム31’と
してイオントラップセル22内に導入する。そして、こ
のパルス分子ビームの導入に同期して短波長のレーザ光
32あるいはシンクロトロン放射光の照射を行い導入さ
れた金属分子をイオン化し、生成された金属イオンをイ
オントラップセル22内に捕捉する。次いで、この捕捉
された金属イオンにレーザ光32”を照射して該金属イ
オンをレーザ冷却する。このレーザ冷却とは、イオンが
光を吸収、放出する際に受ける輻射圧を利用してイオン
を減速する技術である。これによって、イオントラップ
セル22内に捕捉されている金属イオンは、その運動を
抑えられてほぼ停止状態となる。このようなほぼ停止状
態にある金属イオンを電界で引き出すことにより、先の
実施例4で述べたデポジションなどの表面処理をより高
精度で行うことができる。
【0062】<実施例6>本実施例は、本発明を新物質
(化合物)の合成に適用した場合についてのものである。
本実施例では、イオントラップセル22内に捕捉される
イオンの化学種を捕捉の度毎に任意の化学種に切替選択
できるよう構成している。すなわち、捕捉の度毎に異
なる化学種のイオンを生成する物質からなる超音速ジェ
ットを切替発生させる;複数のイオン生成物質を含む
単一の超音速ジェットを発生させ、イオン化のために用
いるレーザ光32の波長を変えることにより任意の化学
種のイオンを切替生成させる;イオントラップセル内
でのイオンの捕捉条件を変えることにより、任意の化学
種のイオンを切替捕捉する;のうちのいずれか、また
は、それらを組み合わせた手法を採ることによって、イ
オントラップセル22内に捕捉されるイオンの化学種を
捕捉の度毎に変えることができる。その結果、イオント
ラップセル22からはその都度異なる化学種のイオンが
引き出されて試料27表面に供給され、先の実施例5で
説明したような原子レベルでのデポジションがその都度
行われる。
【0063】このように、本実施例によれば、各層ごと
に異なる化学種を任意の層数で堆積させることが可能で
ある。これにより、任意の組成比の新化合物の合成が可
能となる。組成比は、各化学種のイオンの照射回数の比
とほぼ等しくなるが、さらに各化学種のイオンの照射の
順序を変えることにより、組成比は同じでありながら異
なった機能を持つ新物質の合成が可能である。
【0064】<実施例7>本実施例は、本発明を試料表
面の改質処理に適用した場合についてのものである。本
実施例では、超音速ジェット発生器20に供給されるイ
オン生成用ガスとして酸素ガスを用い、この酸素ガスを
実施例1と同様な方法によりイオン化し、生成した酸素
イオンを捕捉して、引き出す。この引き出された酸素イ
オンを試料(Si基板)27の表面に照射して、該試料
表面を酸化させる。二次元平面状に配列捕捉された酸素
イオンを極低速で引き出してSi基板表面に一括照射す
ることにより、Si基板の最表面層のみを均一に酸化
(改質)させることが可能である。
【0065】<実施例8>本実施例は、本発明を中性原
子からなる化学種を用いる表面処理に適用した場合につ
いてのものである。本実施例では化学種としてアルゴン
を用いる。先ず、実施例1の場合と同様にして、アルゴ
ンガスの原子ビーム31’を生成させ、それをイオント
ラップセル22内に導入する。ただし、本実施例では、
イオントラップセル22は動作させない。このイオント
ラップセル22内に導入されたアルゴン原子ビーム3
1’に対して、その進行方向とは反対方向からレーザ光
32”を照射し、レーザ冷却法によりビーム中のアルゴ
ン原子の運動を停止させて、停止位置にアルゴン原子を
捕捉する。そして、この捕捉されたアルゴン原子に、そ
れを移動させたい方向に進行する光を照射して、光の輻
射圧によりアルゴン原子を低速で移動させて、試料27
の表面に照射する。これにより、低損傷での試料表面の
クリ−ニングが可能となる。
【0066】<実施例9>図9に、本発明のさらに別の
一実施例を示す。本実施例では、試料表面に供給すべき
化学種のイオンを発生させるのにプラズマ発生装置を利
用している。すなわち、ガス導入部56から SF6など
のガスをプラズマ発生部48に導入して、該プラズマ発
生部48中でこの導入ガスのプラズマを発生させる。こ
の発生プラズマ中では種々の化学種のイオンが生成され
る。プラズマ発生部48の下方には真空チャンバ49が
接続されている。該真空チャンバ49にはゲ−トバルブ
50を介して真空ポンプ51が接続されており、真空チ
ャンバ49の内部はこの真空ポンプ51によって高真空
に排気されている。上記のプラズマ中で生成された化学
種の流れは、真空チャンバ49内に設けられたイオント
ラップセル52内に導かれ、そこで特定の化学種のイオ
ンが捕捉される。その後、この捕捉された特定の化学種
のイオンがプラズマからの化学種の流れの方向とは異な
る方向へ引き出され、イオンレンズ53を通して試料台
54上に置かれた試料55の表面に照射される。これに
より、試料表面の極微細加工を行うことが可能である。
【0067】
【発明の効果】以上、種々の実施例を挙げて説明してき
たところから明らかなように、本発明によれば、ドライ
エッチングにおいては、エッチングに効果の少ない化学
種をできるだけ排除することによりエッチングの選択比
を向上させ、さらに化学種の並進速度を揃えることによ
りエッチングの異方性を向上させることが可能となる。
さらにまた、より低速の化学種を試料表面に照射できる
のでより低損傷でのエッチング加工が可能となる。ま
た、デポジションにおいては、均一な薄膜生成を妨げる
化学的性質を持つイオンをできるだけ排除し、また、イ
オンの並進速度を揃えることにより、より均一な膜質の
薄膜を堆積させることが可能となる。さらには、任意の
組成比を持つ化合物の合成や均一な表面改質も可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表面処理方法の基本概念を示す工
程模式図。
【図2】本発明によるイオントラップ法を利用した表面
処理装置の基本的構成を示す断面概略図。
【図3】三種類のエネルギーの光を用いた分子あるいは
クラスターのイオン化の様子を示す模式説明図。
【図4】本発明におけるイオントラップセル内での光照
射によるイオンの生成と高周波印加によるイオンの捕捉
の様子を示す模式説明図。
【図5】本発明におけるイオントラップセル内でのイオ
ンの捕捉と該セルからのイオンの引き出しの様子、およ
び、引き出されたイオンによる表面処理の様子を示す模
式説明図。
【図6】本発明の一実施例としての原子層エッチングの
概念を示す模式説明図。
【図7】本発明の他の一実施例としての原子層レベルで
のデポジションの概念を示す模式説明図。
【図8】本発明のさらに他の一実施例としてのレーザ冷
却法とイオントラップ法とを利用した表面処理装置の基
本的構成を示す断面概略図。
【図9】本発明のさらに他の一実施例としてのプラズマ
発生装置を利用した表面処理装置の基本的構成を示す断
面概略図。
【図10】本発明による表面処理方法における一連の工
程間の時間関係を示すタイミング図。
【符号の説明】
(1)…化学種生成工程、 (2)…化学種捕
捉工程、(3)…化学種励起工程、 (4)…
化学種引き出し工程、(5)…表面処理工程、
6,7,8,9…種々の化学種、10…試料(被
処理物)、 11…パルスレーザ、12…
ガス導入室、 13…中間処理室、1
4,15,16…真空ポンプ、 17,18,19
…真空バルブ、20…パルス超音速ジェット発生器
21…スキマー、22…イオントラップセル、
23…試料導入器、24…質量分析器、
25…ガスボンベ、26…試料処理室、
27…試料、28,28’,28”…ミラ
ー、 29,29’,29”…レンズ、30…電子
銃、 31…超音速ジェット、3
1’…分子ビーム、 32,32’,3
2”…レーザ光、33…波長可変レーザ、
34…レンズ系、35…分子、
35’…中間状態の分子、36…基底状態の分子イ
オン、 36’…励起状態の分子イオン、37…
高周波電源、 37’…直流電源、S
w…スイッチ、 38…フラグメン
トイオン、39,39’…キャップ電極、 40
…リング電極、41…マスク、
42…塩素イオン、43…GaAs基板、
43’…最表面層原子、44…反応生成物、
45…解離金属イオン、45’…堆積金属
原子 46…Si基板、47…レーザ冷
却用のレーザ、 48…プラズマ発生部、49…
真空チャンバ、 50…ゲートバルブ、
51…真空ポンプ、 52…イオント
ラップセル、53…イオンレンズ、 5
4…試料台、55…試料、 5
6…ガス導入部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23F 4/02 8414−4K 4/04 8414−4K

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面処理用のガスを電離して表面処理に必
    要な特定の化学種を含む種々の化学種を生成する化学種
    生成工程と、生成した種々の化学種の中から上記特定の
    化学種を選択して所定の捕捉位置に捕捉する化学種捕捉
    工程と、捕捉した特定の化学種を上記捕捉位置から引き
    出す化学種引き出し工程と、引き出した特定の化学種を
    試料表面に供給して該試料表面を処理する表面処理工程
    とを含んでなることを特徴とする表面処理方法。
  2. 【請求項2】上記した特定の化学種の内部状態のエネル
    ギーを100eV以下に励起する化学種励起工程をさら
    に含んでなることを特徴とする請求項1に記載の表面処
    理方法。
  3. 【請求項3】上記の化学種生成工程は、上記表面処理用
    ガスを細孔を通して真空中に噴射することによって該表
    面処理用ガスの分子ビームを形成する段階と、該分子ビ
    ームを電離して表面処理に必要な特定の化学種を含む種
    々の化学種を生成する段階とからなることを特徴とする
    請求項1に記載の表面処理方法。
  4. 【請求項4】上記した分子ビームの電離は、上記分子ビ
    ームに光を照射することによって行われることを特徴と
    する請求項3に記載の表面処理方法。
  5. 【請求項5】上記の化学種捕捉工程は、内部状態のエネ
    ルギーが100eV以下である化学種を選択して捕捉す
    るものであることを特徴とする請求項1に記載の表面処
    理方法。
  6. 【請求項6】上記の化学種励起工程は、上記化学種引き
    出し工程によって引き出された後の上記特定の化学種を
    励起することからなることを特徴とする請求項2に記載
    の表面処理方法。
  7. 【請求項7】上記の化学種引き出し工程は、上記の特定
    の化学種をその並進エネルギーを揃えて引き出すもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
  8. 【請求項8】上記の特定の化学種の並進エネルギーは、
    100eV以下であることを特徴とする請求項7に記載
    の表面処理方法。
  9. 【請求項9】上記の特定の化学種の並進エネルギーは、
    その平均値を中心として±5%の範囲内に揃えられてい
    ることを特徴とする請求項7に記載の表面処理方法。
  10. 【請求項10】上記の化学種捕捉工程は、イオントラッ
    プ法を用いて上記特定の化学種を選択して捕捉するもの
    であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方
    法。
  11. 【請求項11】上記の化学種捕捉工程は、レーザ冷却法
    を用いて上記特定の化学種を選択して捕捉するものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
  12. 【請求項12】上記の化学種励起工程は、励起すべき特
    定の化学種に所定波長のレーザ光あるいはシンクロトロ
    ン放射光を照射して、該化学種を光励起することからな
    ることを特徴とする請求項2に記載の表面処理方法。
  13. 【請求項13】上記の化学種生成工程は、上記表面処理
    用ガスの原子ビーム、分子ビーム、またはクラスタービ
    ームを形成する段階と、該ビームを電離して表面処理に
    必要な特定の化学種を含む種々の化学種を生成する段階
    とからなることを特徴とする請求項1に記載の表面処理
    方法。
  14. 【請求項14】表面処理に用いる化学種を中性原子の形
    で真空室内に導入する化学種導入工程と、導入された中
    性原子からなる化学種を所定の捕捉位置に捕捉する化学
    種捕捉工程と、捕捉された中性原子からなる化学種を上
    記捕捉位置から引き出す化学種引き出し工程と、引き出
    された中性原子からなる化学種を試料表面に照射する化
    学種照射工程とを含んでなることを特徴とする表面処理
    方法。
  15. 【請求項15】上記の中性原子からなる化学種の内部状
    態のエネルギーを100eV以下に励起する化学種励起
    工程をさらに含んでなることを特徴とする請求項14に
    記載の表面処理方法。
  16. 【請求項16】上記の化学種励起工程は上記の化学種捕
    捉工程によって捕捉された状態にある中性原子からなる
    化学種を励起するものであることを特徴とする請求項1
    4に記載の表面処理方法。
  17. 【請求項17】上記の化学種励起工程は上記の化学種引
    き出し工程によって引き出された後の上記中性原子から
    なる化学種を励起するものであることを特徴とする請求
    項14に記載の表面処理方法。
  18. 【請求項18】上記の化学種捕捉工程は、上記の導入さ
    れた中性原子からなる化学種にその進行方向とは反対の
    方向から光をあてることによって該中性原子からなる化
    学種を捕捉するものであることを特徴とする請求項14
    に記載の表面処理方法。
  19. 【請求項19】上記の化学種引き出し工程は、上記の捕
    捉された中性原子からなる化学種に光をあてることによ
    って該中性原子からなる化学種を上記の捕捉位置から引
    き出すものであることを特徴とする請求項14に記載の
    表面処理方法。
  20. 【請求項20】上記の化学種捕捉工程は、内部状態のエ
    ネルギーが100eV以下である化学種を選択して捕捉
    するものであることを特徴とする請求項14に記載の表
    面処理方法。
  21. 【請求項21】上記の化学種励起工程は、上記中性原子
    からなる化学種に光あるいは原子、分子、電子、イオン
    あるいはラジカルからなるアシストビームを照射するこ
    とからなることを特徴とする請求項17に記載の表面処
    理方法。
  22. 【請求項22】上記の化学種引き出し工程は、上記の捕
    捉された中性原子からなる化学種をその並進エネルギー
    を揃えて引き出すものであることを特徴とする請求項1
    4に記載の表面処理方法。
  23. 【請求項23】上記の化学種引き出し工程によって引き
    出された中性原子からなる化学種の並進エネルギーは1
    00eV以下であることを特徴とする請求項14に記載
    の表面処理方法。
  24. 【請求項24】上記の化学種引き出し工程によって引き
    出された中性原子からなる化学種の並進エネルギーは、
    その平均値を中心として±5%の範囲内に揃えられてい
    ることを特徴とする請求項22に記載の表面処理方法。
  25. 【請求項25】表面処理用のガスを電離して表面処理に
    必要な特定の化学種を含む種々の化学種を生成する化学
    種生成手段と、生成した種々の化学種の中から上記特定
    の化学種を選択して所定の捕捉位置に捕捉する化学種捕
    捉手段と、捕捉した特定の化学種を上記捕捉位置から引
    き出す化学種引き出し手段と、引き出した特定の化学種
    を試料表面に供給して該試料表面を処理する表面処理手
    段とを含んでなることを特徴とする表面処理装置。
  26. 【請求項26】上記の化学種生成手段は、上記表面処理
    用ガスを細孔を通して真空室中に噴射することによって
    該表面処理用ガスの分子ビームを形成する分子ビーム形
    成手段と、該分子ビームを電離して表面処理に必要な特
    定の化学種を含む種々の化学種を生成する電離手段とか
    らなることを特徴とする請求項25に記載の表面処理装
    置。
  27. 【請求項27】上記の分子ビーム形成手段は、上記真空
    室中に上記表面処理用ガスをパルス状に噴射することに
    よってパルス状の分子ビームを形成するものであること
    を特徴とする請求項26に記載の表面処理装置。
  28. 【請求項28】上記の電離手段は、上記分子ビームに光
    を照射することによって該分子ビームを電離させるもの
    であることを特徴とする請求項26に記載の表面処理装
    置。
  29. 【請求項29】上記の光は、レーザ光であることを特徴
    とする請求項28に記載の表面処理装置。
  30. 【請求項30】上記の光は、シンクロトロン放射光であ
    ることを特徴とする請求項28に記載の表面処理装置。
  31. 【請求項31】上記の電離手段は上記分子ビームに電子
    線を照射することによって該分子ビームを電離させるも
    のであることを特徴とする請求項26に記載の表面処理
    装置。
  32. 【請求項32】上記の電離手段は、上記分子ビームに高
    励起リュードベリ状態にある原子または分子を照射する
    ことによって該分子ビームを電離させるものであること
    を特徴とする請求項26に記載の表面処理装置。
  33. 【請求項33】上記の化学種生成手段は、RF放電、ア
    ーク放電、グロー放電、あるいは電子サイクロトロン共
    鳴(ECR)によるプラズマ中で上記表面処理用ガスを
    電離させるものであることを特徴とする請求項25に記
    載の表面処理装置。
  34. 【請求項34】上記の化学種捕捉手段は、上記分子ビー
    ムにその進行方向とは反対の方向からレーザ光を照射す
    ることによって上記特定の化学種をレーザ冷却して捕捉
    するものであることを特徴とする請求項26に記載の表
    面処理装置。
  35. 【請求項35】表面処理に用いる化学種を生成する化学
    種生成手段と、生成した化学種を捕捉する化学種捕捉手
    段と、捕捉した化学種を励起する化学種励起手段と、励
    起した化学種を引き出す化学種引き出し手段と、引き出
    した化学種を試料に照射する化学種照射手段とを含んで
    なることを特徴とする表面処理装置。
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