JPWO2004106251A1 - ディスプレイ基板用ガラス板 - Google Patents
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Abstract
黄色着色問題を解決したディスプレイ基板用ガラスの提供を目的とする。Ti、Mn、Zn、Y、Nb、La、CeおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を、酸化物換算にして0.1〜10質量%含有するディスプレイ基板用ガラス板。
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等として好適なディスプレイ用ガラス基板、特にフロート法により製造されるディスプレイ用ガラス基板に関する。
近年、薄型平板型ガス放電表示パネルの1種であるPDPが、特に大型フラットテレビジョン受像機として普及しており、生産量が増大している。PDPは、前面ガラス基板、背面ガラス基板および隔壁によりセルが区画形成されており、セル中でプラズマ放電を発生させることによりセル内壁の蛍光体層が発光し画像を形成する。
このようなディスプレイ用ガラス基板には、大型化が容易であり、かつ平坦性と均質性に優れるフロート板ガラスが使用されている。このフロート板ガラスは、溶融したガラスを溶解槽から、溶融スズ等の溶融金属が満たされたフロートバスの溶融金属の上に送り出し、該溶融金属上を浮かばせながら搬送し、板状ガラスに成形した後、該板状ガラスをフロートバスから取り出し、徐冷炉を通して板ガラスを製造する、フロート法により製造された板ガラスである。このフロート板ガラスは、その製造工程のフロートバスの雰囲気が通常還元雰囲気に維持されているため、還元雰囲気に曝された板状ガラスの表面は還元されて、製造されたフロート板ガラスの表面層はその内部に比べ還元度の高い層となっている。
PDP用前面ガラス基板の表面には、通常ITO(インジウムがドープされたスズ酸化物)などからなる透明電極が形成され、その上にスクリーン印刷法などにより銀ペーストを塗布後550〜600℃で焼成してバス電極(母線電極)が形成される。
従来のフロート板ガラスからなるガラス基板に前記バス電極形成処理を行うと、該バス電極周辺のガラス基板が黄色に着色し画像表示の輝度やコントラストを低下させるという問題が生じる。この黄色着色は次のようにして起っているものと考えられる。すなわち、バス電極からガラス基板中に拡散したAgイオンが、その拡散層に存在するFe2+、Sn2+等によって還元されてAg0となり、このAg0が凝集して生成したコロイドが黄色発色をもたらしていると考えられる。
Fe2+、Sn2+等は還元度の高いガラスではより安定に存在することが知られており、そのため前記の理由でフロート板ガラスでは表面近傍にこれらのイオンがより多く存在している。
フロート板ガラスの表面層には前記溶融スズに起因するSnが侵入しているが、溶融スズと接触していたフロート板ガラス表面、すなわちフロート板ガラスのボトム面の表面層には特に多量のSnが侵入している。そのため、このボトム面に対して前記バス電極形成処理を行うと、前記黄色着色がより顕著となる。通常は、溶融スズと接触していなかったフロート板ガラスの表面、すなわちフロート板ガラスのトップ面に対して前記バス電極形成処理が行われるが、トップ面にもFe2+、Sn2+、等が存在しており、前記黄色着色の問題が発生することがあった。
特開平10−255669号公報には、このような問題を避けるために、上記還元度の高い表面層を研磨によって除去するという手段が記載されているが、大面積の板ガラスの表面を研磨により除去する事は多大な時間とコストを費やし、生産効率を著しく低下させることは明白である。
特開平11−11975号公報には、ガラスに含有されるFe2O3の濃度を減少させることによって、銀による黄色着色を抑えるという手段が記載されているが、Fe2O3を減少させるとガラスの溶解性が低下するという問題がある。
また、特開2001−213634号公報には、ハロゲン種をガラスに含有させることで上記黄色着色を抑えるという手段が記載されているが、ハロゲン含有基板ガラスを用いるとPDP製造工程における真空排気工程において脱ガス現象が発生し、ディスプレイの品質を著しく低下させるおそれがある。
本発明は、前記黄色着色問題を解決するディスプレイ基板用ガラス板、特にフロート法により成形されたディスプレイ基板用ガラス板の提供を目的とする。
このようなディスプレイ用ガラス基板には、大型化が容易であり、かつ平坦性と均質性に優れるフロート板ガラスが使用されている。このフロート板ガラスは、溶融したガラスを溶解槽から、溶融スズ等の溶融金属が満たされたフロートバスの溶融金属の上に送り出し、該溶融金属上を浮かばせながら搬送し、板状ガラスに成形した後、該板状ガラスをフロートバスから取り出し、徐冷炉を通して板ガラスを製造する、フロート法により製造された板ガラスである。このフロート板ガラスは、その製造工程のフロートバスの雰囲気が通常還元雰囲気に維持されているため、還元雰囲気に曝された板状ガラスの表面は還元されて、製造されたフロート板ガラスの表面層はその内部に比べ還元度の高い層となっている。
PDP用前面ガラス基板の表面には、通常ITO(インジウムがドープされたスズ酸化物)などからなる透明電極が形成され、その上にスクリーン印刷法などにより銀ペーストを塗布後550〜600℃で焼成してバス電極(母線電極)が形成される。
従来のフロート板ガラスからなるガラス基板に前記バス電極形成処理を行うと、該バス電極周辺のガラス基板が黄色に着色し画像表示の輝度やコントラストを低下させるという問題が生じる。この黄色着色は次のようにして起っているものと考えられる。すなわち、バス電極からガラス基板中に拡散したAgイオンが、その拡散層に存在するFe2+、Sn2+等によって還元されてAg0となり、このAg0が凝集して生成したコロイドが黄色発色をもたらしていると考えられる。
Fe2+、Sn2+等は還元度の高いガラスではより安定に存在することが知られており、そのため前記の理由でフロート板ガラスでは表面近傍にこれらのイオンがより多く存在している。
フロート板ガラスの表面層には前記溶融スズに起因するSnが侵入しているが、溶融スズと接触していたフロート板ガラス表面、すなわちフロート板ガラスのボトム面の表面層には特に多量のSnが侵入している。そのため、このボトム面に対して前記バス電極形成処理を行うと、前記黄色着色がより顕著となる。通常は、溶融スズと接触していなかったフロート板ガラスの表面、すなわちフロート板ガラスのトップ面に対して前記バス電極形成処理が行われるが、トップ面にもFe2+、Sn2+、等が存在しており、前記黄色着色の問題が発生することがあった。
特開平10−255669号公報には、このような問題を避けるために、上記還元度の高い表面層を研磨によって除去するという手段が記載されているが、大面積の板ガラスの表面を研磨により除去する事は多大な時間とコストを費やし、生産効率を著しく低下させることは明白である。
特開平11−11975号公報には、ガラスに含有されるFe2O3の濃度を減少させることによって、銀による黄色着色を抑えるという手段が記載されているが、Fe2O3を減少させるとガラスの溶解性が低下するという問題がある。
また、特開2001−213634号公報には、ハロゲン種をガラスに含有させることで上記黄色着色を抑えるという手段が記載されているが、ハロゲン含有基板ガラスを用いるとPDP製造工程における真空排気工程において脱ガス現象が発生し、ディスプレイの品質を著しく低下させるおそれがある。
本発明は、前記黄色着色問題を解決するディスプレイ基板用ガラス板、特にフロート法により成形されたディスプレイ基板用ガラス板の提供を目的とする。
本発明は、Ti、Mn、Zn、Y、Nb、La、CeおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を酸化物換算にして0.1〜10質量%を含有することを特徴とするディスプレイ基板用ガラス板を提供する。
また、本発明は、前記ディスプレイ基板用ガラス板が、フロート法によって成形されたことを特徴とするディスプレイ基板用ガラス板を提供する。また、本発明は、ガラス板の表面から50μmの深さの表面層のガラスの還元度が、該表面層より内部のガラスの還元度に比べ高いことを特徴とする上記ディスプレイ基板用ガラス板を提供する。
また、本発明は、上記ディスプレイ基板用ガラス板が、質量%表示で、実質的に、SiO2 45〜72%、Al2O3 0〜15%、Li2O+Na2O+K2O 6〜24%、MgO+CaO+SrO+BaO 4〜31%、ZrO2 0〜10.5%、TiO2+MnO2+ZnO+Y2O3+Nb2O5+La2O3+CeO2+WO3 0.1〜10%からなるガラス板であることを特徴とするディスプレイ基板用ガラス板を提供する。
本発明者らは、上記したようにPDPやFEDの等のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板として、Ti、Mn、Zn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有するガラス板を用いることにより前記黄色着色問題を解決できることを見出した。
また、本発明は、前記ディスプレイ基板用ガラス板が、フロート法によって成形されたことを特徴とするディスプレイ基板用ガラス板を提供する。また、本発明は、ガラス板の表面から50μmの深さの表面層のガラスの還元度が、該表面層より内部のガラスの還元度に比べ高いことを特徴とする上記ディスプレイ基板用ガラス板を提供する。
また、本発明は、上記ディスプレイ基板用ガラス板が、質量%表示で、実質的に、SiO2 45〜72%、Al2O3 0〜15%、Li2O+Na2O+K2O 6〜24%、MgO+CaO+SrO+BaO 4〜31%、ZrO2 0〜10.5%、TiO2+MnO2+ZnO+Y2O3+Nb2O5+La2O3+CeO2+WO3 0.1〜10%からなるガラス板であることを特徴とするディスプレイ基板用ガラス板を提供する。
本発明者らは、上記したようにPDPやFEDの等のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板として、Ti、Mn、Zn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有するガラス板を用いることにより前記黄色着色問題を解決できることを見出した。
図1は、銀焼成膜を除去した例1、例2、例5のガラス板の吸光度曲線である。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板の50〜350℃における平均線膨張係数(以下、50〜350℃における平均線膨張係数を単に膨張係数という。)は、PDP、FED等の製造に使用されるガラスフリットの焼成体の膨張係数と整合させるために、60×10−7〜100×10−7/℃であることが好ましく、より好ましくは70×10−7〜90×10−7/℃である。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板のガラス転移点(Tg)は、580℃以上であることが好ましい。このガラス転移点が580℃未満ではバス電極形成処理時にAgイオンが拡散しやすくなるおそれがある。ガラス転移点が600℃以上であればより好ましい。以下の説明ではガラス転移点をTgと記す。
また、本発明のディスプレイ基板用ガラス板の20℃における比重は、2.9以下であることが好ましい。比重が2.9超ではガラス基板が重くなりすぎるおそれがある。比重はより好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.7以下、最も好ましくは2.6以下である。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、例えばガラス表面のFe2+の濃度分布を測定することでガラス表面の還元度を測定することができる。すなわち、Fe2+はジピリジル吸光光度法により定量し、全FeイオンすなわちFe2++Fe3+はICP発光分光分析法で定量し、Fe2+量/全Feイオン量(Fe2++Fe3+)を求めることにより還元度を測定することができる。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、ケイ酸塩ガラスであり、必須成分として、SiO2の他に、Al2O3と、Li2O、Na2OおよびK2Oからなる群から選ばれる1種以上と、Ti、Mn、Zn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群から選ばれる少なくとも1種以上とを含有する。
次に、本発明のディスプレイ基板用ガラス板のガラスの成分とその含有量割合を、質量%表示(以下、単に%と表記)して説明する。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、酸化物換算で実質的に、SiO2 45〜72%、Al2O3 0〜15%、Li2O+Na2O+K2O 6〜24%、BaO 0〜10%、MgO+CaO+SrO+BaO 4〜31%、ZrO2 0〜10.5%、TiO2+MnO2+ZnO+Y2O3+Nb2O5+La2O3+CeO2+WO3 0.1〜10%からなることが好ましい。
SiO2はネットワークフォーマーであり、45%以上含有することが好ましい。SiO2の含有量はより好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは55%以上である。一方、SiO2の含有量が72%超では膨張係数が小さくなりすぎるので、該含有量は72%以下であるのが好ましく、より好ましくは70%以下である。
Al2O3はTgを高くする成分である。Al2O3の含有量は、より好ましくは2%以上であり、更に好ましくは3%以上である。また、その含有量は15%以下であることが好ましい。一方、Al2O3の含有量が15%超では、溶融ガラスの粘度が高くなりすぎ、フロート法によるガラス板の成形が困難になるおそれがある。この含有量はより好ましくは12%以下である。
Li2O、Na2OおよびK2Oは溶融ガラスの粘度を低下させ、また膨張係数を大きくする成分である。Li2O、Na2OおよびK2Oの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。かかるLi2O、Na2OおよびK2Oの含有量、すなわちLi2O+Na2O+K2Oの合計の割合は、6%〜24%であるのが好ましい。これら成分の含有量の合計が6%未満では、膨張係数を所望の範囲にすることが困難になる、または溶融ガラスの粘度が高くなりすぎる。これらの成分の合計含有量は好ましくは7%以上、より好ましくは8%以上である。一方、前記含有量の合計が24%超では、前記黄色着色が強くなる、または、化学的耐久性および/または電気絶縁性が低下する。該含有量の合計は好ましくは22%以下、より好ましくは20%以下である。なお、これら3成分によって黄色着色が強くなるのは、Li、Na、Kが相互拡散によってAgイオンの拡散を促進するためであると考えられる。
Ti、Mn、Zn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の酸化物は、銀コロイドの生成を抑制する成分であり、かかる酸化物を少なくとも1種以上を含むことが好ましい。かかるTi、Mn、Zn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の酸化物の合計量、すなわちよりTiO2+MnO2+ZnO+Y2O3+Nb2O5+La2O3+CeO2+WO3の合計の割合は、0.1〜10%であるのが好ましい。好ましくは、Ti、Mn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群の中から少なくとも1種以上の酸化物を含むことが好ましい。さらに好ましくは、Mn、Y、Nb、Ce、Wからなる群の中から少なくとも1種以上の酸化物を含むことが好ましい。特に好ましくはMn、Y、Nb、Wからなる群の中から少なくとも1種以上の酸化物を含むことが好ましい。最も好ましくはYの酸化物を含むことが好ましい。これら成分の含有量の合計の割合が、0.1%未満では銀コロイドによる黄色着色を抑制できないおそれがある。これら成分の合計含有量は、より好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.5%以上、特に好ましくは0.8%以上である。一方、前記含有量の合計が10%超では、ガラス溶解用原料中のこれら成分の量が多くなりすぎ、その結果ガラスの溶解性が悪化するおそれがある。前記含有量の合計は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、特に好ましくは5%以下である。
MgO、CaO、SrOおよびBaOはいずれも必須ではないが、溶融ガラスの粘度を低下させる効果がある。MgO、CaO、SrOおよびBaOの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。かかるMgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量、すなわちMgO+CaO+SrO+BaOの合計の割合は、4〜31%であるのが好ましい。かかる成分が多すぎると比重が大きくなるため、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計割合は、31%以下であることが好ましく、より好ましくは27%以下、特に好ましくは25%以下である。一方、前記含有量の合計割合は5%以上であることが好ましく、より好ましくは8%以上、特に好ましくは10%以上である。
ZrO2は必須ではないが、Tgを高くするために10%まで含有してもよい。ZrO2の含有量が10%超では比重が大きくなりすぎるおそれがある。この含有量は好ましくは7%以下、より好ましくは4%以下である。
好ましい態様の本発明のディスプレイ基板用ガラス板のガラスは実質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を含有してもよい。これら他の成分の含有量の合計の割合は、20%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。前記他の成分を以下に例示する。
ガラスを着色するためにFe2O3、NiO、CoO、等の着色成分を含有してもよい。これら着色成分の含有量の合計の割合は1%以下であることが好ましい。ガラスの溶解、清澄、成形性を改善する成分であるSO3、Cl、F、SnO2、As2O3、Sb2O3等を含有してもよい。PDP、FED用のディスプレイ基板用ガラス板の場合、ディスプレイ品質や、有害性等を考慮するとSO3が好ましい。
これら成分の含有量の合計割合は3%以下であることが好ましい。
PDP、FED用のディスプレイ基板用ガラス板の場合、ガラスにハロゲンが含有されているとPDP、FED製造工程における真空排気工程において脱ガス現象が発生し、ディスプレイの品質を著しく低下させるおそれがあるので、この用途においては実質的にハロゲンは含まないことが好ましい。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、たとえば次のようにして製造される。目標組成となるように通常使用される原料を調合し、これを溶解炉中で1500〜1600℃に加熱して溶融する。バブリングや清澄剤の添加や撹拌などによってガラスの均質化を行い、周知のフロート法により所定の板厚に成形し、徐冷後所定寸法に切断してガラス基板を得る。勿論、フロート法以外の板ガラス成形方法で板ガラスを製造してもよい。
PDPの前面ガラス基板においては、前記したようにバス電極からガラス基板中に拡散したAgイオンが、その拡散層に存在するFe2+、Sn2+、等によって還元されてAg0となり、このAg0が凝集して生成したコロイドが黄色発色をもたらすと考えられている。フロート板ガラスの表面には、フロート法の製造過程で板状ガラスの表面が還元性雰囲気に曝されるため、Fe2+、Sn2+等のイオンがより多く存在している。そのため、黄色着色は、還元度の高い層においてより強く発現するので、フロート板ガラスにおいて該層の厚さ(深さ)は薄いことが好ましい。具体的には、この層の厚さはガラス板の表面から50μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以下、最も好ましくは25μm以下である。かかるガラス板の表面から50μm以下、30μm以下、25μm以下の層内においては、当該表面層のガラスの還元度は、該表面層より内部のガラスの還元度に比べ高くなっている。これは、フロート法以外の板ガラス製造方法によるガラス板であっても、表面側のガラスの還元度が内部のガラスの還元度より高いガラス板であれば同様である。
本発明においては、ディスプレイ基板用ガラス板にTi、Mn、Zn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の酸化物が含まれている。これらの酸化物は銀コロイドの生成を抑制する作用があるため、本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、特に黄色着色が発生しやすい、PDP用の前面ガラス基板用のガラス板として有用に使用することができる。また、本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、特にFED用の前面ガラス基板用のガラス板としても有用に使用できる。また、その他ディスプレイ用の前面ガラス基板用のガラス板として有用に使用することができる。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板のガラス転移点(Tg)は、580℃以上であることが好ましい。このガラス転移点が580℃未満ではバス電極形成処理時にAgイオンが拡散しやすくなるおそれがある。ガラス転移点が600℃以上であればより好ましい。以下の説明ではガラス転移点をTgと記す。
また、本発明のディスプレイ基板用ガラス板の20℃における比重は、2.9以下であることが好ましい。比重が2.9超ではガラス基板が重くなりすぎるおそれがある。比重はより好ましくは2.8以下、さらに好ましくは2.7以下、最も好ましくは2.6以下である。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、例えばガラス表面のFe2+の濃度分布を測定することでガラス表面の還元度を測定することができる。すなわち、Fe2+はジピリジル吸光光度法により定量し、全FeイオンすなわちFe2++Fe3+はICP発光分光分析法で定量し、Fe2+量/全Feイオン量(Fe2++Fe3+)を求めることにより還元度を測定することができる。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、ケイ酸塩ガラスであり、必須成分として、SiO2の他に、Al2O3と、Li2O、Na2OおよびK2Oからなる群から選ばれる1種以上と、Ti、Mn、Zn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群から選ばれる少なくとも1種以上とを含有する。
次に、本発明のディスプレイ基板用ガラス板のガラスの成分とその含有量割合を、質量%表示(以下、単に%と表記)して説明する。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、酸化物換算で実質的に、SiO2 45〜72%、Al2O3 0〜15%、Li2O+Na2O+K2O 6〜24%、BaO 0〜10%、MgO+CaO+SrO+BaO 4〜31%、ZrO2 0〜10.5%、TiO2+MnO2+ZnO+Y2O3+Nb2O5+La2O3+CeO2+WO3 0.1〜10%からなることが好ましい。
SiO2はネットワークフォーマーであり、45%以上含有することが好ましい。SiO2の含有量はより好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは55%以上である。一方、SiO2の含有量が72%超では膨張係数が小さくなりすぎるので、該含有量は72%以下であるのが好ましく、より好ましくは70%以下である。
Al2O3はTgを高くする成分である。Al2O3の含有量は、より好ましくは2%以上であり、更に好ましくは3%以上である。また、その含有量は15%以下であることが好ましい。一方、Al2O3の含有量が15%超では、溶融ガラスの粘度が高くなりすぎ、フロート法によるガラス板の成形が困難になるおそれがある。この含有量はより好ましくは12%以下である。
Li2O、Na2OおよびK2Oは溶融ガラスの粘度を低下させ、また膨張係数を大きくする成分である。Li2O、Na2OおよびK2Oの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。かかるLi2O、Na2OおよびK2Oの含有量、すなわちLi2O+Na2O+K2Oの合計の割合は、6%〜24%であるのが好ましい。これら成分の含有量の合計が6%未満では、膨張係数を所望の範囲にすることが困難になる、または溶融ガラスの粘度が高くなりすぎる。これらの成分の合計含有量は好ましくは7%以上、より好ましくは8%以上である。一方、前記含有量の合計が24%超では、前記黄色着色が強くなる、または、化学的耐久性および/または電気絶縁性が低下する。該含有量の合計は好ましくは22%以下、より好ましくは20%以下である。なお、これら3成分によって黄色着色が強くなるのは、Li、Na、Kが相互拡散によってAgイオンの拡散を促進するためであると考えられる。
Ti、Mn、Zn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の酸化物は、銀コロイドの生成を抑制する成分であり、かかる酸化物を少なくとも1種以上を含むことが好ましい。かかるTi、Mn、Zn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群から選ばれる少なくとも一種以上の酸化物の合計量、すなわちよりTiO2+MnO2+ZnO+Y2O3+Nb2O5+La2O3+CeO2+WO3の合計の割合は、0.1〜10%であるのが好ましい。好ましくは、Ti、Mn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群の中から少なくとも1種以上の酸化物を含むことが好ましい。さらに好ましくは、Mn、Y、Nb、Ce、Wからなる群の中から少なくとも1種以上の酸化物を含むことが好ましい。特に好ましくはMn、Y、Nb、Wからなる群の中から少なくとも1種以上の酸化物を含むことが好ましい。最も好ましくはYの酸化物を含むことが好ましい。これら成分の含有量の合計の割合が、0.1%未満では銀コロイドによる黄色着色を抑制できないおそれがある。これら成分の合計含有量は、より好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.5%以上、特に好ましくは0.8%以上である。一方、前記含有量の合計が10%超では、ガラス溶解用原料中のこれら成分の量が多くなりすぎ、その結果ガラスの溶解性が悪化するおそれがある。前記含有量の合計は、好ましくは10%以下、より好ましくは7%以下、特に好ましくは5%以下である。
MgO、CaO、SrOおよびBaOはいずれも必須ではないが、溶融ガラスの粘度を低下させる効果がある。MgO、CaO、SrOおよびBaOの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。かかるMgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量、すなわちMgO+CaO+SrO+BaOの合計の割合は、4〜31%であるのが好ましい。かかる成分が多すぎると比重が大きくなるため、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計割合は、31%以下であることが好ましく、より好ましくは27%以下、特に好ましくは25%以下である。一方、前記含有量の合計割合は5%以上であることが好ましく、より好ましくは8%以上、特に好ましくは10%以上である。
ZrO2は必須ではないが、Tgを高くするために10%まで含有してもよい。ZrO2の含有量が10%超では比重が大きくなりすぎるおそれがある。この含有量は好ましくは7%以下、より好ましくは4%以下である。
好ましい態様の本発明のディスプレイ基板用ガラス板のガラスは実質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を含有してもよい。これら他の成分の含有量の合計の割合は、20%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。前記他の成分を以下に例示する。
ガラスを着色するためにFe2O3、NiO、CoO、等の着色成分を含有してもよい。これら着色成分の含有量の合計の割合は1%以下であることが好ましい。ガラスの溶解、清澄、成形性を改善する成分であるSO3、Cl、F、SnO2、As2O3、Sb2O3等を含有してもよい。PDP、FED用のディスプレイ基板用ガラス板の場合、ディスプレイ品質や、有害性等を考慮するとSO3が好ましい。
これら成分の含有量の合計割合は3%以下であることが好ましい。
PDP、FED用のディスプレイ基板用ガラス板の場合、ガラスにハロゲンが含有されているとPDP、FED製造工程における真空排気工程において脱ガス現象が発生し、ディスプレイの品質を著しく低下させるおそれがあるので、この用途においては実質的にハロゲンは含まないことが好ましい。
本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、たとえば次のようにして製造される。目標組成となるように通常使用される原料を調合し、これを溶解炉中で1500〜1600℃に加熱して溶融する。バブリングや清澄剤の添加や撹拌などによってガラスの均質化を行い、周知のフロート法により所定の板厚に成形し、徐冷後所定寸法に切断してガラス基板を得る。勿論、フロート法以外の板ガラス成形方法で板ガラスを製造してもよい。
PDPの前面ガラス基板においては、前記したようにバス電極からガラス基板中に拡散したAgイオンが、その拡散層に存在するFe2+、Sn2+、等によって還元されてAg0となり、このAg0が凝集して生成したコロイドが黄色発色をもたらすと考えられている。フロート板ガラスの表面には、フロート法の製造過程で板状ガラスの表面が還元性雰囲気に曝されるため、Fe2+、Sn2+等のイオンがより多く存在している。そのため、黄色着色は、還元度の高い層においてより強く発現するので、フロート板ガラスにおいて該層の厚さ(深さ)は薄いことが好ましい。具体的には、この層の厚さはガラス板の表面から50μm以下であることが好ましく、より好ましくは30μm以下、最も好ましくは25μm以下である。かかるガラス板の表面から50μm以下、30μm以下、25μm以下の層内においては、当該表面層のガラスの還元度は、該表面層より内部のガラスの還元度に比べ高くなっている。これは、フロート法以外の板ガラス製造方法によるガラス板であっても、表面側のガラスの還元度が内部のガラスの還元度より高いガラス板であれば同様である。
本発明においては、ディスプレイ基板用ガラス板にTi、Mn、Zn、Y、Nb、La、Ce、Wからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の酸化物が含まれている。これらの酸化物は銀コロイドの生成を抑制する作用があるため、本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、特に黄色着色が発生しやすい、PDP用の前面ガラス基板用のガラス板として有用に使用することができる。また、本発明のディスプレイ基板用ガラス板は、特にFED用の前面ガラス基板用のガラス板としても有用に使用できる。また、その他ディスプレイ用の前面ガラス基板用のガラス板として有用に使用することができる。
表1のSiO2からTiO2までの欄に質量%表示で示す組成となるように原料を調合し、白金坩堝を用いて1550〜1600℃で溶解した。次いで溶融ガラスを流し出し、板状に成形後、徐冷して9種類のガラス板を得た。この各ガラス板から、鏡面研磨された厚さ2.8mmのガラス板を作製した。このガラス板について、アルキメデス法により比重を測定し、示差熱膨張計により膨張係数(単位:10−7/℃)を測定し、また、示差熱膨張計により得られた膨張曲線の屈曲点からTg(単位:℃)を読み取った。結果を表1に示す。例1〜4および例6〜8は実施例であり、例5および9は比較例である。
このガラス板を用いて、フロート法により成形されたガラス板、すなわちフロート板ガラスを模擬するために、以下のような還元熱処理を行った。前記鏡面研磨された厚さ2.8mmの各ガラス板を、体積百分率表示で水素10%、窒素90%からなる還元雰囲気中で725℃まで90分で昇温した。前記雰囲気中で725℃に5時間保持後、室温まで冷却した。
例1〜5のガラス板についてジピリジル吸光光度法およびICP発光分光分析法を用いてガラス表面のFe2+の濃度分布を調べ、ガラス板の厚み方向の還元度を調べると、ガラス表面から0〜25μmの深さでは76%、26〜50μmの深さでは57%、51〜85μmの深さでは24%であり、ガラス内部に比べ、還元度の高い層がガラス表面からおよそ50μmの深さの表面層まで存在することが判る。
還元熱処理した各ガラス板の一方の面に、大気中で銀ペースト(藤倉化成社製、商品名:ドータイトD−550)を塗布した。次に、同じく大気中で、200℃/時の昇温速度で580℃まで昇温後580℃に1時間保持して焼成した。その後、60℃/時の降温速度で冷却した。
次に、前記焼成したガラス板上の銀焼成膜を、重量百分率表示の濃度が20%である硝酸により除去した。
前記厚さ2.8mmのガラス板の銀焼成処理前後についてそれぞれ吸光度を、自記分光光度計(日立製作所製、商品名:U−3500)により測定した。
銀焼成処理後の各サンプルの吸光度値より、JIS Z 8729(1994年)に記載の方法によりb*の値を求め、黄色着色度の評価とした。実施例1〜4のb*はそれぞれ4.9、3.5、6.7、7.2であり、比較例5のb*は8.3であり、実施例1〜4のb*は比較例5に比べて小さく、黄色着色を抑えることができた。また同様に実施例6〜8のb*は比較例9に比べて小さく、黄色着色は抑えられる。黄色着色を抑える効果はY2O3が最も高い。
例1、例2、例5について、前記銀焼成処理前後の吸光度の差を算出した結果を図1に示す。
410nm付近における吸収ピークは銀コロイドによるものであるが、図1からもわかるように、例1、2の吸収ピークは例5に比べて小さく、黄色着色は顕著に抑えられている。
このガラス板を用いて、フロート法により成形されたガラス板、すなわちフロート板ガラスを模擬するために、以下のような還元熱処理を行った。前記鏡面研磨された厚さ2.8mmの各ガラス板を、体積百分率表示で水素10%、窒素90%からなる還元雰囲気中で725℃まで90分で昇温した。前記雰囲気中で725℃に5時間保持後、室温まで冷却した。
例1〜5のガラス板についてジピリジル吸光光度法およびICP発光分光分析法を用いてガラス表面のFe2+の濃度分布を調べ、ガラス板の厚み方向の還元度を調べると、ガラス表面から0〜25μmの深さでは76%、26〜50μmの深さでは57%、51〜85μmの深さでは24%であり、ガラス内部に比べ、還元度の高い層がガラス表面からおよそ50μmの深さの表面層まで存在することが判る。
還元熱処理した各ガラス板の一方の面に、大気中で銀ペースト(藤倉化成社製、商品名:ドータイトD−550)を塗布した。次に、同じく大気中で、200℃/時の昇温速度で580℃まで昇温後580℃に1時間保持して焼成した。その後、60℃/時の降温速度で冷却した。
次に、前記焼成したガラス板上の銀焼成膜を、重量百分率表示の濃度が20%である硝酸により除去した。
前記厚さ2.8mmのガラス板の銀焼成処理前後についてそれぞれ吸光度を、自記分光光度計(日立製作所製、商品名:U−3500)により測定した。
銀焼成処理後の各サンプルの吸光度値より、JIS Z 8729(1994年)に記載の方法によりb*の値を求め、黄色着色度の評価とした。実施例1〜4のb*はそれぞれ4.9、3.5、6.7、7.2であり、比較例5のb*は8.3であり、実施例1〜4のb*は比較例5に比べて小さく、黄色着色を抑えることができた。また同様に実施例6〜8のb*は比較例9に比べて小さく、黄色着色は抑えられる。黄色着色を抑える効果はY2O3が最も高い。
例1、例2、例5について、前記銀焼成処理前後の吸光度の差を算出した結果を図1に示す。
410nm付近における吸収ピークは銀コロイドによるものであるが、図1からもわかるように、例1、2の吸収ピークは例5に比べて小さく、黄色着色は顕著に抑えられている。
本発明のディスプレイ用ガラス基板は、PDPやFEDの製造過程において該ディスプレイ用ガラス基板に銀ペーストを塗布して焼成しても、銀ペーストの塗布部分に銀による黄色着色が起こらない、または黄色着色が少ないという効果を有している。このガラス基板を用いたPDP、FED等のフラットパネルディスプレイにおいては黄色着色のない高品質の画像が得られ、有用である。
Claims (9)
- Ti、Mn、Zn、Y、Nb、La、CeおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を、酸化物換算にして0.1〜10質量%含有することを特徴とするディスプレイ基板用ガラス板。
- Mn、Y、Nb、CeおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を、酸化物換算にして0.1〜10質量%含有することを特徴とする請求の範囲1に記載のディスプレイ基板用ガラス板。
- Mn、Y、NbおよびWからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を、酸化物換算にして0.1〜10質量%含有することを特徴とする請求の範囲1または2に記載のディスプレイ基板用ガラス板。
- 請求の範囲1〜3のいずれかに記載のディスプレイ基板用ガラス板は、フロート法によって成形されたガラス板であることを特徴とするディスプレイ基板用ガラス板。
- 請求の範囲1〜4のいずれかに記載のディスプレイ基板用ガラス板は、ケイ酸塩ガラスであり、Li2O、Na2OおよびK2Oからなる群から選ばれた少なくとも1種以上を合計量で6〜24質量%含有することを特徴とするディスプレイ基板用ガラス板。
- ガラス転移点が580℃以上であることを特徴とする請求の範囲1〜5のいずれかに記載のディスプレイ基板用ガラス板。
- ガラス板の表面から50μmの深さの表面層のガラスの還元度が、該表面層より内部のガラスの還元度に比べ高いことを特徴とする請求の範囲1〜6のいずれかに記載のディスプレイ基板用ガラス板。
- 請求の範囲1〜7のいずれかに記載のディスプレイ基板用ガラス板は、質量%表示で、実質的に、SiO2 45〜72%、Al2O3 0〜15%、Li2O+Na2O+K2O 6〜24%、MgO+CaO+SrO+BaO 4〜31%、ZrO2 0〜10.5%、TiO2+MnO2+ZnO+Y2O3+Nb2O5+La2O3+CeO2+WO3 0.1〜10%からなるガラス板であることを特徴とするディスプレイ基板用ガラス板。
- 請求の範囲1〜8のいずれかに記載のディスプレイ基板用ガラス板は、PDP用またはFED用のディスプレイ基板用ガラス板であることを特徴とするディスプレイ基板用ガラス板。
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