JPWO2004102822A1 - 携帯用無線機 - Google Patents

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Abstract

送話回路部、受話回路部、無線回路部のいずれかを有する第1の筺体(2)と第2の筺体(3)、上記第1の筺体(2)の回路部と上記第2の筺体(3)の回路部を接続するフレキシブルケーブル(11)、上記無線回路部と電気的に接続され、上記第2の筐体(3)の、上記第1の筺体(2)から遠い端に設置されたアンテナ(4)、上記第1の筐体(2)と第2の筐体(3)の地板同士を接続する地板ケーブル(25)、及び上記地板ケーブル(25)に直列に挿入された可変負荷(27)を備えたもので、無線機の使用条件に応じて自動的にアンテナの位相調整を行い、安定した通信を確保できる。

Description

この発明は、携帯電話機などの携帯用無線機に関するものである。
図2(a)に示すように、一般に無線機1は、基地局13の電話回線14を利用する通信機能を持ち、図2(a)(b)に示すように、第1の筺体2と第2の筺体3からなる本体前面に、受話器5、送話器6、キー部8、表示器10、ブザー7などを設け、収納や持ち運びのための小形化機能と、アンテナ4による基地局13との通信のための必要十分な利得保持機能を持つ。
図3は、一般的な無線機1の内部を示す図であり、第1の筺体2には受話回路部17と表示器10が収容されている。第2の筺体3には無線部16、ロジック制御部9、送話回路部18、キー部8、及び無線部16から接続端子20を介して接続されるアンテナ4が収容されている。第1の筺体2内の電気回路と第2の筺体3内の電気回路はフレキシブルケーブル11により接続されている。
それぞれの筺体2、3は内側の金属筺体15とそれを覆う樹脂筺体19で構成されている。第1の筺体2と第2の筺体3はヒンジ等で連結されて、折畳み開閉可能な構造になっている。
従来のアンテナ装置の形状として、例えば特開平06−31920号公報に示されたものがあり、図4はその概略構成図である。これは、主金属筺体22と副金属筺体23とを受動素子24で結合し、主金属筺体22にモノポールアンテナ21を設けた構造である。
モノポールアンテナ21を励振した場合に主金属筐体22、副金属筐体23上に電流が誘起される。この際に受動素子24の状態を変化させることにより主金属筐体22、副金属筐体23の電位を制御し、流れる電流分布を変化させ、アンテナパターンを所望の形状に変化させることが可能である。
一方、上記図3に示す2つの筐体から構成される無線機の構成を考えた場合、図で下側の第2の筺体3に電池、無線回路部16、ロジック制御部9などが配置され、上側の第1の筐体2に表示器10が配置される場合が多い。表示器10の表示信号を伝達するためにフレキシブルケーブル11内の線路は40〜80本程度必要である。図3の構成の無線機に図4の構成を採用するとすれば、アンテナパターンを変化させるためには受動素子24を全ての線路に配置する必要がある。
これらの欠点を除去するため、図5のように、等価回路を図5(b)に示すフレキシブルケーブル11の多数の線路を有する2個の筐体から構成される無線機1において、各筺体の地板(Gnd)同士を結ぶ地板ケーブル25を設け小形のダイバーシチアンテナを実現するものもある。
一般的に、図2に示すシステムにおいて、使用者は無線機1からの発呼時、キー部8から電話番号を入力する発呼動作を行い、基地局13と発呼処理のための通信を行った後、自機が電話回線14上で通話相手と接続され、通話状態になる。また、基地局13からの着呼時、着信を知らせるブザー7の鳴動などの着呼動作後、基地局13と着呼処理のための通信を行った後、自機が電話回線14上で通話相手と接続され、通話状態になる。
無線回路部16より給電されるアンテナ4は、たとえばλ/4の長さに設計されている場合、電気長約λ/4のモノポールアンテナとして動作する。また、樹脂筐体19により使用者の手から絶縁された電気長λ/4の金属筐体15は、アンテナ4の地板として動作し、全体としてλ/2ダイポールアンテナ相当の放射パターンが得られる。
ところで、図5に示すようにアンテナ1を筺体2と3の連結部に近い中央配置にした場合、周波数が高いと表1のようにアンテナ性能が劣化する傾向が見られる。
Figure 2004102822
これに対して、図6のように、アンテナ4を筺体2と3の連結部から遠い第2の筺体3の端部(折畳みの口元に相当する部分)に配置(下配置)することによりアンテナ性能を維持することができる(表1参照)。しかしながら、地板ケーブル25に直列接続された負荷26が1値固定の場合、表2に示すように自由空間におけるアンテナ性能の周波数による影響が大きい上、同時に筐体の電流分布も周波数特性を持っているので、通話時及び自由空間の放射特性に周波数特性を持ってしまう。
Figure 2004102822
また、下配置のアンテナでは、中央配置のアンテナに比べ、筐体折畳み開閉での特性の変化を比較的抑えることが可能であるが、帯域が狭く帯域内の全てをカバーすることはできない。
800MHz帯における表2の検証結果によると、負荷を1値に固定して、通話時利得が−13dBdを満足できる周波数範囲は概ね42MHz程度(885MHz−843MHz)であると考えられる。負荷の多値切り替えを行って、800MHz帯の周波数範囲を全てカバーするには、地板ケーブルの負荷の切り替え諸元を4分割以上にすることが必要となる
本発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、常に良好なアンテナインピーダンス状態を得ることで、通信性能を安定させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る携帯用無線機は、いずれかの筺体に送話回路部、受話回路部、無線回路部を有し、筺体間の回路部がフレキシブルケーブルで接続されている第1の筺体と第2の筺体、上記無線回路部と電気的に接続され、上記第2の筺体の、上記第1の筺体から遠い端に設置されたアンテナ、上記第1の筐体と第2の筐体の地板同士を接続する地板ケーブル、及び上記地板ケーブルに直列に挿入された可変負荷を備えている。
この発明によれば、無線機の使用条件を検出し、その使用条件に応じて予め設定されている負荷設定条件でアンテナの位相調整を行い、最適な状態で安定した通信を行うことが可能である。
また、この発明の第2の特徴は、上記無線機において、上記負荷のリアクタンス成分の調整を、使用する周波数、無線機の待ちうけまたは通話状態、あるいは無線機筺体の開閉状態を検出し、その検出結果により行う。
この発明の第2の特徴によれば、各使用態様に応じて、自動的に安定した通信が可能となる。
また、この発明の第3の特徴は、上記負荷として電圧制御により容量変化するバリキャップダイオードなどの能動素子を用い、この素子への印加電圧により負荷のリアクタンス成分を調整する。
この発明の第3の特徴によれば、調整が極めて簡単にできる。
図1はこの発明に係る無線機の構成(a)、及び無線機に使用される負荷の等価回路(b)、及び負荷の回路例(c)を示す図である。
図2は一般的な無線機の通信システム(a)、及び無線機の構成(b)を示す図である。
図3は一般的な無線機の内部構成を示す図である。
図4は従来の無線機を示す斜視図である。
図5は従来の無線機の構成(a)、及びそのフレキシブルケーブルの等価回路(b)を示す図である。
図6は従来の無線機の構成を示す図である。
実施の形態1.
図1はこの発明に係る無線機を示す略線図である。無線機1は、第1の筺体2と第2の筺体3とを有している。筺体2と筺体3はヒンジ等により折畳み開閉可能に連結されている。図2、図3と同様に、第1の筺体2には送話器、表示器、ブザー及びそれらに対する受信回路部が設けられるが、簡略化のため図示を省略している。
同じく第2の筺体3には送話器、キー部、無線回路部が設けられるが、簡略化のため図示を省略している。第2の筺体3には上記の他、ロジック制御部9、アンテナ4が収容されている。アンテナ4は第2の筺体3の図で下部、すなわち第2の筺体3の、第1の筺体2から遠い端、さらに言い換えるなら筺体を折り畳んだ時のいわゆる口元の部分に配置されている。
従って、図1に示す無線機の構成は、アンテナ4の配置及び後述する地板ケーブルの回路を除けば、図2及び図3に示した構成と同一である。
第1の筺体2と第2の筺体3との間にはフレキシブルケーブル11が接続されて、各筺体間の電気回路を多数の線路で接続している。筺体2と筺体3の間は、さらに、地板ケーブル25で筺体の地板(Gnd)同士が接続されており、この地板ケーブル25には直列に可変値(Z)の負荷27が挿入されている。
この発明は、上述のように、第2の筐体3下部にアンテナ4が配置される構成とした場合、第1の筐体2と第2の筐体3の地板同士を地板ケーブル25で接続し、無線機使用時の周波数や人体への近接によるインピーダンスの変化等に応じてケーブル25のリアクタンス成分を自動的に変えることによりアンテナ位相条件を変化させる。アンテナの位相条件を変化させることにより周波数帯域を変化させ、使用周波数に合った特性を確保するものである。
次に、ケーブル25の負荷部分である負荷27のリアクタンス成分を変える構成につき説明する。図1(b)は負荷27の等価回路を、図1(c)は負荷27の実際の回路例を示している。
図1(b)において、チップの静電容量を用い、負荷27のリアクタンス成分を調整する場合、コイルLを47nHとすると、使用帯域である810MHzから958MHzまで共振を変化させるためには、Cは、open〜0.5pF程度が必要である。
これを実回路では図1(c)で実現する。5pFのコンデンサC1とバリキャップダイオードVCを直列に接続し、これと並列に22nHのコイルL1を接続する。コンデンサC1とバリキャップダイオードVCの接続点に47kΩの抵抗R1を接続し、この抵抗R1の他端に100pFのコンデンサC2を接続する。抵抗R1とコンデンサC2との接続点Pに制御電圧Vを印加し、バリキャップダイオードVCの容量を変化させる。
いま、P点への印加電圧Vを0.5V、2.5VとしたときのバリキャップダイオードVCの容量をそれぞれC(0.5)、C(2.5)で表すとすると、バリキャップダイオードVCをチップの静電容量に置き換えた場合、C(0.5)=3.0pF〜C(2.5)=1.2pFとなり、C1との合成容量値は、V=0.5〜2.5で1.9pF〜1.0pFとなる。これをL1によりOPEN〜0.5pF相当にシフトさせる。この結果、負荷27のリアクタンス分調整による共振は、1.5pFで958MHz以上、4pFで810MHz以下となりバリキャップダイオードVCの可変範囲と概ね一致する。
この結果、地板ケーブルの負荷調整の共振は、1.5pFで958MHz以上、4pFで810MHz以下となりバリキャップダイオードの可変範囲と概ね一致する。
また、810MHz、885MHz、958MHzで負荷27の値を調整し、共振を合わせ、同様な特性が得られるか測定した結果、表3に示すように周波数による特性の変化を抑えることができた。また、筐体開閉による特性の差も、更に抑えることができた。
Figure 2004102822
負荷27にはロジック制御部9から制御電圧Vを加えてそのリアクタンス成分を制御する。ロジック制御部9では、無線機の使用周波数に対する発生制御電圧を設定しておくことにより、待ちうけ時、あらかじめ使用周波数に応じて設定されている印加電圧設定条件を、ロジック制御部9から反映させ、ロジック制御部9が自動的に使用周波数に応じた制御電圧を発生し、負荷27のリアクタンス成分を調整し、無線機筺体上の電流分布を変化させることにより、最適なインピーダンス条件にしてアンテナ1の位相条件を変える。位相条件を変化させることで帯域を変化させ、使用周波数に合った特性を確保することができる。
実施の形態2.
通話時、アンテナ1部分を手で覆うなど、アンテナ性能へ影響が出てしまう場合、通話状態になったことをロジック制御部9にて検知し、あらかじめ使用周波数に応じて設定されている通話状態の印加電圧設定条件を、ロジック制御部9から地板ケーブル25の負荷27に反映させ、無線機筺体上の電流分布を変化させることにより、アンテナ4を最適なインピーダンス条件にする。
実施の形態3.
筐体の開閉状態に応じアンテナ特性が変化する場合、筐体が開状態であるか閉状態であるかをロジック制御部9にて検知し、あらかじめ使用周波数に応じて設定されている開または閉状態の印加電圧設定条件を、ロジック制御部9から地板ケーブル25の負荷27に反映させ、無線機筺体上の電流分布を変化させることにより、アンテナ4を最適なインピーダンス条件にすることができる。
この発明は、携帯電話機などの携帯用の無線機に用いられるものである。

Claims (5)

  1. 送話回路部、受話回路部、無線回路部のいずれかを有する第1の筺体(2)と第2の筺体(3)、上記第1の筺体(2)の回路部と上記第2の筺体(3)の回路部を接続するフレキシブルケーブル(11)、上記無線回路部と電気的に接続され、上記第2の筐体(3)の、上記第1の筺体(2)から遠い端に設置されたアンテナ(4)、上記第1の筐体(2)と第2の筐体(3)の地板同士を接続する地板ケーブル(25)、及び上記地板ケーブル(25)に直列に挿入された可変負荷(27)を備えたことを特徴とする携帯用無線機。
  2. 使用する周波数を検知し、検知した周波数に応じて上記可変負荷(27)のリアクタンス成分を変えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯用無線機。
  3. 待ちうけ状態か通話状態かを検知し、検知した状態に応じて上記可変負荷(27)のリアクタンス成分を変えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯用無線機。
  4. 上記第1の筺体(2)と第2の筺体(3)を折り畳み開閉可能とし、上記筺体が開状態か閉状態かを検知し、検知した状態に応じて上記可変負荷(27)のリアクタンス成分を変えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の携帯用無線機。
  5. 上記可変負荷(27)として、バリキャップダイオードなどの能動素子を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の携帯用無線機。
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