JPWO2004099761A1 - スポット溶接構造の疲労寿命予測方法 - Google Patents

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Abstract

スポット溶接構造に対して有限要素法解析用シェルモデルを作成し、作成した有限要素法解析用シェルモデルを用いて有限要素法線形弾性解析を行ってスポット溶接部中央のナゲット部の分担荷重、そのナゲット部を中心に描いた直径(D)の円周上の変位とに基づいて前記ナゲット部における公称構造応力を弾性学の円板曲げ理論および2次元弾性論を用いて求め、該公称構造応力よりスポット溶接構造の疲労寿命を予測する溶接構造の疲労寿命予測方法。本法によれば、スポット溶接構造の疲労寿命を簡易迅速正確に予測することができる。

Description

本発明は、スポット溶接構造の疲労寿命予測方法に関し、更に詳細に説明すると、2枚以上の板をあわせてスポット溶接構造を形成し、該スポット溶接構造に対して有限要素法解析用シェルモデルを作成し、前記スポット溶接構造のナゲット部の分担荷重を用いて公称構造応力を求め、該公称構造応力よりスポット溶接構造の疲労寿命を予測するスポット溶接構造の疲労寿命予測方法に関する。
自動車の開発において、軽量化、開発期間短縮、試作車両の削減の課題に応えるため、近年コンピュータを用いたCAEによる各性能の予測が積極的に推進されている。車体の強度評価についても例外ではなく、その技術も加速的に進歩している。
自動車車体は薄板で構成され、その板は一般的にスポット溶接で結合される。車体に作用する荷重は、この溶接部を通じて各部材に伝達されるため、溶接部に応力が集中し強度上の弱点となる場合が多い。しかもその数は膨大で、更にきまざまな形態の複合荷重が作用することから、スポット溶接部の疲労寿命を簡便に、かつ精度良く予測できる手法の開発要求が高まっている。
この要求に対して、ディ.ラダイ(Dieter Radaj;Design and Analysis of Fatigue Resistant Welded Structures,Abington Publishing,1990 378p)らは自動車車体をスポット溶接構造から切り出したナゲットを中心とした直径(D)の円板を想定してFEMシェル解析より得られたナゲット部の分担荷重とデータベースに格納した直径Dの値とを用いて公称構造応力σnsを求め、これを用いてスポット溶接部の疲労寿命を予測する手法を提案している。自動車技術会疲労信頼性部門委員会においても、新たにねじり成分による影響を取り入れて同様な手法を提案している。ここで公称構造応力σnsとはスポット溶接部(ナゲット部)端に生する最大主応力である。
これらの手法は、図22に示す如く、ステップS1でスポット溶接構造を形成し、ステップS2で有限要素法解析用シェルモデル(FEMモデル)を形成したFEMモデルに荷重データD1を与えることにより、ステップS3でスポット溶接部(ナゲット部)の6分力を求め、次いで、ステップS4でD値を格納したデータベースD2を参照して板理論より公称構造応力σnsを求め、ステップS5で公称構造応力σns−破断繰り返し数Nの関係を表すデータベースD3からなるマップを公称構造応力σnsをもとに参照して疲労寿命を予測するものである。
これら従来の手法では、分担荷重のうちはく離荷重と曲げモーメントに対しては、ナゲット部を剛体とし、これを中心とした外周直径(D)の円板を考え、弾性学の円板曲げ理論を適用して公称構造応力を求めている。この円板外周条件は変位と放射方向傾斜をゼロとする固定条件、すなわち全自由度拘束条件を用いている。これを実際のスポット溶嬢構造に適用して公称構造応力を求めようとすると、円板直径(D)をいくらにしたらよいかという非常に難しい問題が生じる。現状では図22にフローチャートで示す如く、D値データベースD2を作成することで対処している。このD値データベースD2の作成には非常に労力を要する。
図23には、スポット溶接構造から切り出されたナゲット部(1)(Nugget,スポット溶接部)を中心とした直径(D)の円板(2)が示されており、ナゲット部(1)には、一般に、
▲1▼はく離荷重 Fz
▲2▼曲げモーメント Mx, My
▲3▼せん断力 Fx, Fy
▲4▼ねじりモーメント Mz
の6分力が作用する。
ディ.ラダイらは,ナゲット分担荷重のうち曲げモーメントとはく離荷重に対して、疲労強度パラメータである公称構造応力σnsを次のように求めている。
Figure 2004099761
Figure 2004099761
ここで、D,d,tは図23のナゲット部(1)を中心に持つ円板(2)の外周直径、ナゲット径、板厚である。FzとMはナゲット部(1)に作用するはく離荷重、曲げモーメントである。
〔数1〕、〔数2〕は図23の円板2でナゲット部(1)は剛体とし、円板(2)外周では変位完全拘束として導かれている。
従って、〔数1〕、〔数2〕を用いて、実際のスポット溶接構造の公称構造応力σnsを求めようとするとき、円板外周の変位完全拘束条件が満たされる場合にはD値を必然的に決めることができ、公称構造応力σnsを精度良く推定することができる。しかし一般には実構造のナゲット部(1)周辺の円周(D)上の変位が完全に拘束されている場合は少なく、このような場合上式に含まれる円板(2)の外周直径(D)をいくらにすればよいのかという問題が生ずる。
せん断荷重F,Fに対する応力は、ナゲットに相当する直径dの円形剛体介在物を有する無限板に、その中心にx軸方向のせん断荷重Fが作用する問題として取り扱い、剛体介在物を除く領域におけるx軸上の応力成分σは、
Figure 2004099761
として与えられる。νはポアソン比である。公称構造応力はナゲット端の最大主応力であるとして、この場合、
Figure 2004099761
となる。
図24は引張せん断を受ける等厚三枚重ね一点スポット溶接継手の中央板外表面の負荷方向垂直応力分布である。σは一様負荷引張応力である。式(3)による理論解はFEM三次元弾性解析の結果と比較すると、公称構造応力に相当するナゲット端の応力は近い値を示すが、ナゲット端から離れるにつれて両者の差異が大きくなる。これは、ナゲット端から遠方で零に漸近する式(3)では負荷応力σがナゲット近傍に及ぼす影響が計算上現れてこないためである。
例えば、内外圧を受ける中空円板の応力分布を考えてみる。この問題の厳密解は式(5)となる。
Figure 2004099761
これを無限平板に内径と同径の穴がある問題の解である式(6)
Figure 2004099761
と比較したのが図26である。外圧が内圧に比べて小さいときには無限平板の解は厳密解と良く一致するが、内圧と同程度の大きさになると、両者の解には大きな差異が見られる。これと同じ現象が三枚重ね継手の応力分布である図24に現れていると考えられる。したがってこのような場合無限平板の解では精度の良い応力を得ることが難しい。
図27はブラケット付きスポット溶接継手を想定した大小2枚の平板を一点スポット溶接した継手に、その両端に一様引張応力σが負荷したときの負荷方向垂直応力分布である。負荷の作用している平板はそれ自身で平衡状態にあるので、これをシェル要素でモデル化し有限要素法解析を行うと、ナゲットの分担荷重は零となる。したがって式(3)ではこの場合の応力を計算することができない。
本発明の目的は、D値決定問題を解消するために、円板のたわみ、放射方向の傾斜、曲げモーメント、はく離荷重、せん断力及びねじりモーメントに基づいて公称構造応力を求め、この公称構造応力からスポット溶接構造の疲労寿命を簡易迅速に予測することができる経済性に優れたスポット溶接構造の疲労寿命予測方法を提案するものである。
また、従来の一様負荷引張応力の値がナゲット端から離れるにつれて誤差が多くなるという問題を解決する新しい方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るスポット溶接構造の疲労寿命予測方法は、複数、例えば2枚の板をあわせてスポット溶接構造を形成し、該スポット溶接構造に対して有限要素法解析用シェルモデルを作成し、作成した有限要素法解析用シェルモデルを用いて有限要素法線形弾性解析を行ってスポット溶接部中央のナゲット部の分担荷重、そのナゲット部を中心に描いた直径(D)の円周上の変位とを算出し、算出した分担荷重、円周上の変位とに基づいて前記ナゲット部における公称構造応力を弾性学の円板曲げ理論および2次元弾性論を用いて求め、該公称構造応力よりスポット溶接構造の疲労寿命を予測することを特徴とする。
この請求項1に係る発明では、スポット溶接構造から切り出したナゲット部を中心とする直径Dの円板を想定し、この円板外周部にスポット溶接構造における変位を与え、その円板中央にあるナゲット部にははく離荷重及び曲げモーメント、せん断力及びねじりモーメントを与えることによりこれらに基づく公称構造応力を求めることができるので、D値データベースを作成する必要がなく、D値決定問題を解消することができ、スポット溶接構造の疲労寿命を簡易迅速に予測することができる。
また、本発明の請求項2に係るスポット溶接構造の疲労寿命予測方法は、請求項1に係る発明において、前記2枚の板が平板とL型板とからなり、前記有限要素法解析用シェルモデルがスポット溶接構造のナゲット部のL型板のフランジ幅を一辺とする正方形内を細かく分割し、放射方向にナゲット内を2分割、外側を4分割し、周方向に8分割したことを特徴とする。
更に、本発明の請求項3に係るスポット溶接構造の疲労寿命予測方法は、請求項1または請求項2に係る発明において、前記スポット溶接構造の疲労寿命の予測は、予めスポット溶接構造品について引張せん断疲労試験、はく離疲労試験及び複合荷重疲労試験を行って、公称構造応力と破断繰り返し数との関係を表すマップを形成し、該マップを公称構造応力をもとに参照して破断繰り返し数を算出することにより行うことを特徴とする。
第1図は、本発明に係わるスポット溶接構造の疲労寿命予測方法のLPモデルを示す斜視図であり、第2図は、本発明に係わるスポット溶接構造の疲労寿命予測方法の有限要素法解析用シェルモデルのナゲット周辺の拡大斜視図であり、第3図は、本発明に係わるスポット溶接構造の疲労寿命予測方法の直径Dの円板の説明図であり、第4図は、本発明に係わるスポット溶接構造の疲労寿命予測方法のフローチャートであり、第5図は、本発明に係わるはく離荷重及び曲げモーメントが個々に作用したときのたわみ分布の厳密解との比較を行った図でああり、第6図は、本発明に係わるスポット溶接構造の疲労革命予測方法によって求めたナゲット中心を通るX軸上の応力σr分布をFEMソリッド解と比較したもので、図1でθx,θy方向に負荷した場合を夫々示し、(a)はLP#90#90、(b)はLP#45#90の応力σr分布図であり、第7図は、本発明に係わるスポット溶接構造の疲労寿命予湘方法によって求めた中央ナゲットの公称構造応力を示すグラフ、第8図は、本発明における等厚な3枚の短冊形平板を一点でスポット溶接して継手に引張せん断が作用する場合を取り上げた図であり、第9図は、本発明における三枚重ね継手のFEMシェル解析モデルを示した図であり、第10図は、本発明に係る等厚三枚重ね一点スポット溶接継手の応力分布を示した図であり、第11図は、本発明に係るシェル要素で解析モデルを作成した図であり、第12図は、本発明に係るブラケット付き平板の応力分布を示した図であり、第13図は、本発明に係わるFEMシェル解析モデルとしてL形板の一部を示した図であり、第14図は、本発明に係わるシェル解析モデルを示した図の一例であり、第15図は、本発明に係わる解の精度を検証するために行った3次元弾性解析用FEMソリッドモデルで、L形板の一部を示した図であり、第16図は、本発明に係わる解析結果を示した図であり、第17図は、本発明に係わる公称構造応力を示した図であり、第18図は、本発明に係わる種々の複合荷重疲労試験が可能となるDC試験片を示した図であり、第19図は、本発明に係わる代表的なスポット溶接疲労試験片である引張せん断(TS)と十字形引張試験片(CT)を示した図であり、第20図は、本発明に係わる各試験片に対して本手法で公称構造応力を求め、疲労試験データを整理した図であり、第21図は、本発明に係わるスポット溶接構造の疲労寿命予測法をフローチャートで示した図であり、第22図は、従来のスポット溶接構造の疲労寿命予測方法のフローチャートであり、第23図は、スポット溶接構造の疲労寿命予測方法のナゲットに作用する6分力を示す説明図であり、第24図は、本発明に係る等厚三枚重ね一点スポット溶接継手の応力分布を示した図であり、第25図は、本発明に係わる内外圧を受ける中空円板の応力分布を示した図であり、第26図は、本発明に係わる無限平板に内径と同径の穴がある問題の解と比較した図であり、第27図は、本発明に係るブラケット付き平板の応力分布を示した図である。
以下、本発明のスポット溶接構造の疲労寿命予測方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すような簡単なスポット溶接構造であるLPモデル(11)を用いて解説する。このLPモデル(11)は平板(12)とL型板(13)とをあわせて三点でスポット溶接した構造である。平板(12)の一対の辺(12a)、(12a)を変位完全拘束し、L型板(13)の垂直片(13a)の上端に荷重(P)を種々の方向に加え、中央のナゲット部(15)に注目しこの公称構造応力σnsを求めることを考える。
先ず、有限要素法解析用シェルモデル(21)を作成する。LPモデル(11)に対して有限要素法解析を実施するために通常自動車のボディ解析に用いられるシェル要素を用いて解析モデル(21)を作成する。図2にLPシェル解析モデルの中央のナゲット部(15)周りの拡大図を示す。一般部は粗い格子状に要素分割をし、ナゲット部(15)付近はフランジ幅(L1)を一辺とする正方形内を細かく分割した。図2に示す実施の形態では放射方向にナゲット内を2分割し、外側を4分割し、周方向を8分割した。
前記有限要素法解析用シェルモデル(21)を用いて有限要素法線形弾性解析を実施し、中央のナゲット部(15)に作用する分担力を算出する。更に、ナゲット部(15)中心から放射線上(図2の場合4本)にある節点のたわみ(z方向の変位)を用いて、八角形の頂点(8点)でのたわみと放射方向の傾斜を求める。このたわみと放射方向の傾斜を求めた八角形は、図1の破線で示す直径(D)の円に内接し、このたわみと傾きは次に示す直径(D)の円板の外周部の支持条件として用いられる。
図1に破線で示すように、スポット溶接構造であるLPモデル(11)からナゲット部(15)を中心とする直径Dの円板(31)を切り出して考える。この直径(D)の円板(31)を図3に示す。円板(31)の外周は前記八角形に外接する。この円板(31)の応力と変形を、弾性学における円板曲げ理論を用いて求める。この際、この円板(31)に作用する外力が前記ナゲット部(15)に作用する分担力である。この場合z方向のはく離荷重Fzと曲げモーメントM(MxとMyの合モーメント)である。
円板(31)外周の支持条件は前記八角形の頂点のたわみと傾斜である。ただし、これらは離散値であるので、その周方向分布をフーリエ級数で近似的に表し、これを境界条件、即ち外周支持条件として与える。
ディ.ラダイらが提案した公称構造応力式〔数1〕、〔数2〕は、図3に示す円板(31)外周支持条件が変位完全固定のもとに導かれたのものであるので、これを用いて図1の中央ナゲット部(15)の公称構造応力を求めようとするとき、〔数1〕、〔数2〕に含まれるD値をいま図1の破線で示す円の外径(D)と同じにすると、図1のスポット溶接構造における直径(D)の円周上の変位は完全固定でなく、ディ.ラダイらの円板外周支持条件(変位完全固定)と異なることから、ディ・ラダイらの式〔数1〕、〔数2〕から図1の中央ナゲット部(15)の公称構造応力σnsが精度良く得られない。これを〔数1〕、〔数2〕のD値を補正することで対処している。この補正はスポット溶接構造や荷重条件などによって異なるため、いろいろな場合についてD値をいくらにしたら良いかを別途求め、これをD値データベースD2として公称構造応力σnsを求めている。
これに対して、本発明のスポット溶接構造の疲労寿命予測方法では図3の円板外周支持条件として、スポット溶接構造における直径(D)の円の外周上の実際の変位を与えているため、より精度の高い公称構造応力σnsが得られる。また、この方法では前記D値補正が不要で、D値をいくらにしたら良いかという非常に困難な問題も解消され、したがってD値データベースD2を作成する必要がなくなる。
ナゲット分担荷重のうち,せん断成分(Fx,Fy)とねじり成分、また、6分力が同時に作用する複合荷重に対する公称構造応力は、後述する理論式より求められる。簡単なスポット溶接継手試験片を用いて複合荷重下疲労試験を行い作成した、公称構造応力σと破断繰り返し数Nfデータベースから、前述した方法で得られた公称構造応力σnsに対応する破断寿命Nfを予測することができる。以上の流れをフローチャートにしたのが図4である。
図4に示す如く、ステップ(S11)でスポット溶接構造を形成し、ステップ(S12)で有限要素法解析用シェルモデル(FEMモデル)を形成し、ステップ(S13)で荷重データD1をFEMモデルに与えて有限要素法線形弾性解析を行うことにより、スポット溶接部(ナゲット部)の6分力と節点変位とを求める。次いで、ステップ(S14)で、算出した6分力と、節点変位に基づいて所定の演算を行って公称構造応力σnsを算出し、次いでステップ(S15)で算出した公称構造応力σnsをもとに予め実験によって作成した公称構造応力σ に対応する破断寿命NfのデータベースD3を参照して、破断寿命Nfを算出し、これに基づいて疲労寿命を予測する。
図21と比較すると公称構造応力を算出する際にD値データベースD2が不要となっていることが分かる。
前記のように、本発明においては、D値決定問題を解消するために、曲げに対する公称構造応力を求める新しい手法を提供する。
図3のように、外径(D)、厚さ(t)の円板を考え、その中心にあるナゲット(直径d)にはく離荷重F,曲げモーメントMが作用するとする。曲げモーメントは図1のM,Mの合モーメントである。また、ナゲットは剛体とする。
この新たな方法は、図3に示す如く、直径(D)、厚さ(t)の円板(31)を考える。前述したように、この円板(31)に作用する外力ははく離荷重Fz,曲げモーメントM(図1のMx,Myの合モーメント)で、これらは円形のナゲット部(15)(直径d)に作用し、円板(31)の外周の支持条件は実際のスポット溶接構造のものと合わせる。ここの解析ではナゲット部(15)を剛体として取り扱う。円板外周の境界条件は式(1),(2)のように変位完全拘束とせず、後述のようにスポット溶接構造の注目するナゲット周辺の変形状態に合わせるようにする。さらにナゲット部(15)の中心に原点を持つ極座標系(rθz)を設ける。
円板(31)は外力によって曲げられて内部にひずみと応力を生ずるので、これを求める。まず、弾性論における次の円板(31)の曲げ問題の支配方程式は次の、
Figure 2004099761
で与えられ、この〔数7〕を満たすようなたわみw(z方向の変位)の関数を見つけることが必要である。一般に〔数7〕を満足するたわみ関数は次の〔数8〕で示すように三角関数を用いたrとθの関数として表すことができる。
Figure 2004099761
〔数8〕に含まれるAn〜Dnは境界条件により定まる未知係数で4(n+1)個ある。この係数が確定ればたわみ関数〔数8〕が確定したことになる。
前記係数を決める条件は次の2種類である。
▲1▼ナゲットが剛体である条件
図3の円形なナゲット部(15)が変形せず剛体変位をすることから、円板のたわみwと半径方向の傾斜∂w/∂rはナゲット端r=d/2で、〔数9〕となる。
Figure 2004099761
Wcとθxc、θycは後述の条件より定まる未定係数である。
▲2▼円板外周支持条件
円板外周では実際のスポット溶接構造の支持条件と合わせることが必要である。したがって、円板外周(r=D/2〉ではたわみWr=D/2と傾斜∂w/∂rは〔数10〕となる。
Figure 2004099761
式(10)の右辺は図3の円板外周に課される変位であるが、これはスポット溶接構造をFEMシェル解析し、得られた節点変位から与えられる。具体的には以下のようである。
(i)注目するナゲットを中心に直径(D)の同心円を描き、FEMシェル解析により円周上の節点変位w,θの離散値を求める。wは面外変位、θは半径方向のたわみwの傾斜角
Figure 2004099761
である。
(ii)この離散値から変位w,θの周方向分布を3次の周期スプライン補間関数で補間する。例えば補間関数を構成する節点qの数を9とすると、外円周上の変位wのスプライン補間関数は次式となる。
Figure 2004099761
ここでBi,4は3次のBスプラインで次の漸化式より得られる.
Figure 2004099761
式(12)の係数αはθ=qでw(θ)r=D/2がその節点値になるように決める。
変位θ(θ)r=D/2についても同様にしてスプライン補間関数で表す。
(iii)これらの補間式をフーリエ級数で表し、式(10)右辺のように円板外周の変位境界条件として与える。式(10)に含まれるフーリエ級数の係数は次式より計算される。
Figure 2004099761
境界条件を用いると,たわみ関数式(8)に含まれる未定定数はすべて決定する。
たわみ関数が決まると、これを用いて円板の断面力、断面モーメントは次式のように得られる。
Figure 2004099761
ここで、Dは板の曲げ剛性
Figure 2004099761
で、Eはヤング率、νはポアソン比である。
式(15)の断面モーメントを使うと板の応力成分は次式で与えられる。
Figure 2004099761
さらに、図3の円板についてz軸方向の内外力の釣り合いと、x、y軸に関するモーメントの釣り合いを考えると、
Figure 2004099761
が得られる。境界条件によって決定した係数An〜Dnを式(8)のたわみ関数に代入した後、これを式(18)に代入すると、式(9)に含まれる定数wとθcx、θcyはナゲットに作用するはく離荷重Fと曲げモーメントM、Mで表すことができる。
したがって、スポット溶接構造のFEMシェル解析を実施し、その結果、注目するナゲットの分担荷重とそれを中心とした直径(D)の円周上の節点変位が与えられると、式(8)の未定係数はすべて定まる。
本論文で提唱したはく離荷重と曲げモーメントに対する公称構造応力は、式(1)、(2)のように簡単な形に表わせないが、実構造に適用する際に円板外径Dをいくつにしたら良いかという問題がなくなる。さらにスポット溶接構造のナゲット周辺の変形状態を境界条件として与えることができるので、公称構造応力の精度向上を計ることができる。
本理論の解析プログラムは簡単であり、これをCAEに組み込むことによりスポット溶接構造の寿命予測が容易になる。
次に、せん断荷重とねじりモーメントによる公称構造応力の理論解について、図23に基づいてせん断力とねじりモーメントによる公称構造応力を求める方策について述べる。この問題は弾性論の平面応力問題として取り扱える。基礎方程式は、
Figure 2004099761
与えられ,これを満足する応力関数は一般に次のようになる。
Figure 2004099761
式(20)に含まれる係数a〜d’は未定係数で境界条件から決まる。応力成分は応力関数φを用いると、
Figure 2004099761
と表される。ひずみ成分と変位成分との関係は、
Figure 2004099761
である。u,νはそれぞれγ,θ方向の変位である。平面応力問題における応力とひずみの関係は、
Figure 2004099761
となる。Eはヤング率、Gはせん断弾性係数である。
応力関数式(20)を式(21)に代入すると応力成分は次のように表せる。
Figure 2004099761
これらを式(23)の第一、二式に代入してひずみε,εを求め、このひずみを式(22)の第一、二式に代入し積分をすることにより変位u,νが得られる。
Figure 2004099761
f(θ)はθのみの未知関数、g(r)はrのみの未知関数である。変位式(25)を式(22)の第三式に代入してせん断ひずみを求め、式(23)の第三式を用いるとせん断応力が得られる。これは式(24)の第三式と等しくなければならないから、両式を比較することにより未知関数f(θ)、g(r)は次のように求まる。
Figure 2004099761
H,K,Fは未知定数である。
境界条件は、ナゲット端(r=d/2)で、
Figure 2004099761
である。式(27)のuxc,uyc,θは後述の条件より定まる定数で、ナゲットを剛体と仮定していることから、その外周上における変位u、vの周方向分布は式(27)のように与えられる。
円板外周(r=D/2)では、
Figure 2004099761
となる。
式(27)右辺は円板外周に課さられる変位であるが、これはスポット溶接構造をFEMシェル解析し、得られた節点変位から与えられる。具体的には以下のようである。
▲1▼注目するナゲットを中心に直径(D)の同心円を描き、FEMシェル解析により得られた直径(D)の円周上の節点変位u,νの離散値を求める。
▲2▼この離散値から変位u,νの周方向分布を3次の周期スプライン補間関数で補間する。例えば補間関数を構成する節点qの数を9とすると、外円周上の変位uのスプライン補間関数は次式となる。
Figure 2004099761
ここでBi,4(θ)は3次のBスプラインで次の漸化式より得られる。
Figure 2004099761
式(29)の係数αはθ=qでu(θ)r=D/2がその節点値になるように決める。
変位ν(θ)r=D/2についても同様にしてスプライン補間関数で表す。
(iii)これらの補間式をフーリエ級数で表し、境界条件として与える。
式(27)のuxc,uyc,θは、ナゲットに作用する分担荷重とナゲット端周辺の応力分布との釣合式を解くことによって得ることができる。そのつり合い式は、
Figure 2004099761
となる。
したがって、スポット溶接構造のFEMシェル解析を実施し、その結果、注目するナゲット部の分担荷重と、ナゲット部を中心とした直径(D)の円周上の節点変位が与えられると、式(20)の未定係数はすべて定まり、ナゲット周りの変位場と応力場が求まることになる。
次に、複合荷重下の公称構造応力について説明する。
図22のように,はく離荷重、曲げモーメント、せん断荷重、ねじりモーメントが同時に作用するとき、次式で表されるナゲット端での最大主応力を公称構造応力とし、疲労強度パラメータとして用いる。
Figure 2004099761
ここで、σrsum,σsum,τr sumはそれぞれの分担荷重の解析結果を重ね合わせたものである。
ここで本発明の有効性を確認するために、図1のLPモデル(11)の中央ナゲット部(15)の公称構造応力を求める。解の精度を検証するためにLPモデル(11)の詳細な三次元ソリッドモデルを作成し有限要素法解析でも公称構造応力を求めた。通常自動車のボディの解析ではこのような詳細なソリッドモデルは使わず、計算負荷が軽いシェルモデルを用いる。
スポット溶接構造へ適用する前に本手法による解を検証するために、図3の円板で外周の変位を完全拘束とし、はく離荷重及び曲げモーメントが個々に作用したときのたわみ分布の厳密解との比較を行ったのが図5である。
本手法の解は、円板の外周条件(式(6)右辺)として、厳密解の円板中間円周上(はく離荷重:r=3.82(d/2)、曲げモーメント:r=3.82(d/2))のたわみと傾斜を用いたもので、厳密解とよく一致している。
図6(a),(b)は本発明によって求めたナゲット部(15)の中心を通るx軸上の応力σ分布をFEMソリッド解と比較したものである。図1でθx,θy方向に負荷した場合をLP#θ θで表している.図6(a)はLP#90#90、図6(b)はLP#45#90であり、いずれの場合も両者は良く一致している。
図7は本発明で求めた中央ナゲットの公称構造応力を示す。いずれの荷重の場合も、本発明で求めた公称構造応力はソリッドモデルによるFEM解とよく一致している。以上から本発明によって寿命予測パラメータである公称構造応力が精度良く得られることが分かる。尚、本実施の形態では、スポット溶接構造にLPモデル11を用いたが、これに限定されるものではなく、2枚以上の板のスポット溶接構造であれば、どのような構成であっても適用することができる。
〔例2〕
上記例1は分担荷重のうちはく離荷重または曲げモーメントに対する公称構造応力を求めるためのものであるので、この例2では分担荷重としてせん断力が支配的となる場合について考える。この典型的な例として、等厚な3枚の短冊形平板を一点でスポット溶接した継手に引張せん断が作用する場合を取り上げる(図8)。
境界条件として用いる節点変位データを得るために、有限要素法シェル解析を実施する。図9は三枚重ね継手のFEMシェル解析モデルである。一般部は粗い格子状に要素分割をし、ナゲット付近はラップ長さを一辺とする正方形内を、放射方向にナゲット内を2分割、外側を4分割し、周方向に8分割した。さらにナゲット内では放射方向にシェル要素の辺に沿ってバー要素を設け、ナゲット相当の剛性を持つビーム要素を用いて上下の板をナゲット中心で結合した。FEMソルバーにCOSMOS/Mを用いて、線形弾性解析を行った。
ここで、理論を適用してナゲット周辺の応力分布を求める手順について、図9のシェル解析モデルを用いて説明する。
▲1▼図9のようなシェルモデルを作成し、FEM解析を実施する。
▲2▼▲1▼の解析から、ナゲット部の分担荷重と、直径(D)の同心円周上の8節点の半径方向および周方向変位u,νを求める。
▲3▼▲1▼で求めた節点変位については変位u,νの周方向分布を3次の周期スプライン補間関数で補間する。さらに、これをフーリエ級数で表し、これを図23の円板外周の境界条件とする。
▲4▼▲3▼の境界条件の下で、上記の理論よりナゲット周辺の応力分布を求める。
以上の手順で求めた解析結果を図10に示す。これは三枚重ね継手中央板外表面の中心軸に沿った軸応力分布で、FEMソリッド解析の結果と比較した。図24に示したように従来の理論ではナゲットから離れるにつれて応力は減衰してゼロとなり、FEMソリッド解と合わなかったが、本手法ではFEMソリッド解と良い一致を示している。
〔例3〕
図27に示した大小2枚の平板を一点スポット溶接した継手に、その両端に一様引張応力σが負荷した場合について負荷方向垂直応力分を求める。まず、図11に示すようにシェル要素で解析モデルを作成し、ナゲット周りの八角形の頂点に位置する節点変位を用いて上に述べた理論で応力分布を求めた結果を図12である。本理論を用いると従来法では得られなかった応力分布が求められており、FEMソリッド解とも良く一致していることが分かる。
〔例4〕
スポット溶接構造例として図13に示すLPモデルを取り上げる。平板とL形板とをあわせて三点でスポット溶接し、平板の一対の辺を全自由度拘束とし、L形板の上端に荷重Pを種々の方向に負荷する。荷重Pがθ,θ方向に作用する場合をLP_θ_θと表すことにする。L形板のフランジ幅15mm、長さ135mm、平板の幅は45mmである。スポット溶接ピッチ45mmで、板厚は両方とも0.8mmである。
FEMシェル解析モデルとしてL形板の一部を図14に示す。一般部は粗い格子状に要素分割をし、ナゲット付近はフランジ幅wを一辺とする正方形内を細かく分割し、放射方向にナゲット内を2分割、外側を4分割し、周方向に4分割したShell_04と8分割したShell_08モデルである。さらにナゲット内では放射方向にシェル要素の辺に沿ってバー要素を設け、ナゲット相当の剛性を持つビーム要素を用いて上下の板をナゲット中心で結合した。
図15は本手法の解の精度を検証するために行った3次元弾性解析用FEMソリッドモデルで、L形板の一部を示す。板厚方向に4分割し、ナゲット周辺は詳細に分割した。平板も同様である。荷重条件(LP_θ_θ)と変位拘束条件は図13に示すとおりである。
上記理論を用いてナゲット周辺の応力分布を求める手順について、図14(a)のシェル解析モデルShell_04を用いて説明する。
▲1▼図14(a)のようなシェルモデルを作成し、FEM解析を実施する。
▲2▼▲1▼の解析から、ナゲット中心から放射線上(図14(a)の場合AC,BDの2本)にある節点のたわみ値を用いて、多角形と正方形とが接する節点(A,B,C,Dの4点)におけるたわみとその放射方向の傾斜を求める。
▲3▼これら4点のたわみと傾斜から周方向の分布を補間し(式(12))、これをフーリエ級数で表し、図3の円板の外周境界条件(式(10))とする。
▲4▼▲1▼のFEMシェル解析から注目するナゲットの分担力を求め、このうちはく離成分Fと曲げ成分MとMを式(9)で用いる。
▲5▼▲3▼▲4▼で与えられた円板外周境界条件と荷重条件のもとで、円板外径D=wとし、上記理論よりはく離成分と曲げ成分に対してナゲット周辺の応力分布を求める。
▲6▼ナゲット分担荷重のせん断成分(F,F)とねじり成分Mに対しては曲げの場合と同じように▲2▼〜▲5▼の操作を行い、ナゲット周辺の応力分布を求める。
▲7▼▲5▼▲6▼の解析結果を重ね合わせることで複合荷重下の応力が得られ、上記公称構造応力(式(32))を求める。
以上の手順で求めた解析結果を図16に示す。これは荷重LP_90_90の場合で、L形板中央ナゲットのx軸上の曲げ応力σ分布で、要素分割の影響をみるためにシェル解析モデルShell_04とShell_08の結果を比較したものである。両者の結果には大きな差異は見られず、粗い要素分割であるShell_04モデルでもFEMソリッド解と良く一致し、良好な結果が得られている。以後Shell_04モデルを用いて解析した結果を示す。図中のσは荷重をL形板上面の作用面積で除した平均応力である。
図17は本手法によって求めた公称構造応力をFEMソリッド解析の結果と比較したもので、いずれの荷重の場合も良好な解が得られていることが分かる。
また、同一形状の試験片にて、種々の複合荷重疲労試験が可能となるGieke,Hahnにより考案されたDC試験片(単点スポット溶接した対向カップ形試験片)を図18、代表的なスポット溶接疲労試験片である引張せん断(TS)と十字形引張試験片(CT)を図19に示す。
これらの試験片に対して本手法で公称構造応力を求め、疲労試験データを整理したのが図20で、狭いバンド幅内に整理出来ていることが分かる。
本手法を用いたスポット溶接構造の疲労寿命予測法をフローチャートで示すと図21となる。
▲1▼スポット溶接構造に対してシェルモデルを作成し、有限要素法弾性解析を実施する。
▲2▼注目するナゲットの分担荷重とナゲットを中心とした同心円周上の節点変位値を求める。
▲3▼上記で述べた理論に基づき公称構造応力σnsを算出する。
別途用意したDC試験片によるσns−N線図より疲労寿命を予測する。
以上説明したように、本発明の請求項1に係るスポット溶接構造の疲労寿命予測方法によれば、スポット溶接構造から切り出したナゲット部を中心とする直径Dの円板を想定し、この円板外周部にスポット溶接構造における変位を与え、その円板中央にあるナゲット部にははく離荷重、曲げモーメント、せん断力及びねじりモーメントの分担荷重を与えることにより公称構造応力を求めることができるので、D値データベースを作成する必要がなく、D値決定問題を解消することができ、スポット溶接構造の疲労寿命を簡易迅速に予測することができる。
また、本発明の請求項2に係るスポット溶接構造の疲労寿命予測方法によれば、複数枚、例えば前記2枚の板が平板とL型板とからなり、前記有限要素法解析用シェルモデルがスポット溶接構造のナゲット部のL型板のフランジ幅を一辺とする正方形内を細かく分割し、放射方向にナゲット内を2分割、外側を4分割し、周方向に8分割したので、簡易迅速にスポット溶接構造の疲労寿命を予測することができる。
更に、本発明の請求項3に係るスポット溶接構造の疲労寿命予測方法によれば、スポット溶接構造の疲労寿命の予測は、予めスポット溶接構造品について引張せん断疲労試験、はく離疲労試験及び複合荷重疲労試験を行って、公称構造応力と破断繰り返し数との関係を表すマップを形成し、該マップを公称構造応力をもとに参照して破断繰り返し数を算出することにより行うので、疲労寿命を正確に推定することができる。
【0016】
【数16】
Figure 2004099761
で、Eはヤング率、νはポアソン比である。
式(15)の断面モーメントを使うと板の応力成分は次式で与えられる。
【数17】
Figure 2004099761
式(17)に式(15)を代入して整理すると(z=t/2)、
【数17−1】
Figure 2004099761
さらに、図3の円板についてz軸方向の内外力の釣り合いと、x、y軸に関するモーメントの釣り合いを考えると、
【数18】
Figure 2004099761
が得られる。境界条件によって決定した係数An〜Dnを式(8)のたわみ関数に代入した後、これを式(18)に代入すると、式(9)に含まれる定数wとθcx、θcyはナゲットに作用するはく離荷重Fと曲げモーメントM、Mで表すことができる。
したがって、スポット溶接構造のFEMシェル解析を実施し、その結果、注目するナゲットの分担荷重とそれを中心とした直径(D)の円周上の節点変位が与えられると、式(8)の未定係数はすべて定まる。

Claims (3)

  1. 複数の板をあわせてスポット溶接構造を形成し、該スポット溶接構造に対して有限要素法解析用シェルモデルを作成し、作成した有限要素法解析用シェルモデルを用いて有限要素法線形弾性解析を行ってスポット溶接部中央のナゲット部のはく離荷重、曲げモーメント、せん断力及びねじりモーメントの分担荷重、そのナゲット部を中心に描いた直径(D)の円周上の変位を算出し、算出した該分担荷重、円周上の変位とに基づいて前記ナゲット部におけるはく離荷重、曲げモーメント、せん断力及びねじりモーメントの公称構造応力を弾性学の円板曲げ理論および2次元弾性論を用いて求め、該公称構造応力よりスポット溶接構造の疲労寿命を予測することを特徴とするスポット溶接構造の疲労寿命予測方法。
  2. 前記複数の板が平板とL型板とからなり、前記有限要素法解析用シェルモデルがスポット溶接構造のナゲット部のL型板のフランジ幅を一辺とする正方形内を細かく分割し、放射方向にナゲット内を2分割、外側を4分割し、周方向に8分割したことを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接構造の疲労寿命予測方法。
  3. 前記スポット溶接構造の疲労寿命の予測は、予めスポット溶接構造品について引張せん断疲労試験、はく離疲労試験及び複合荷重疲労試験を行って、公称構造応力と破断繰り返し数との関係を表すマップを形成し、該マップを公称構造応力をもとに参照して破断繰り返し数を算出することにより行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスポット溶接構造の疲労寿命予測方法。
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