JP7363964B1 - 車体の接合位置の最適化解析方法、装置及びプログラム - Google Patents

車体の接合位置の最適化解析方法、装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】変動荷重条件下での疲労寿命と剛性を向上させつつ、接合線の長さを最小化する接合線の最適位置を求め、同時に剛性向上に寄与しない部品の軽量化を達成する車体の接合位置の最適化解析装置、方法及びプログラムを提供する。【解決手段】方法は、車体モデルを解析対象モデルとして設定し、解析対象モデルに接合候補線を設定して接合線最適化解析モデルを生成し、変動荷重条件と目標疲労寿命を設定し、部品剛性感度解析を行い、剛性性能に対する感度の低い剛性低感度部品モデルを選定し、接合線・部品形状最適化解析モデルを生成し、残存させる接合候補線の累積損傷度に関する条件と、接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性に関する条件と、最適化解析により残存させる接合候補線の長さに関する条件と、剛性低感度部品の体積率に関する条件と、を最適化解析条件として設定し、変動荷重条件を接合線・部品形状最適化解析モデルに与えて最適化解析を行う。【選択図】図13

Description

本発明は、車体の接合位置の最適化解析方法、装置及びプログラムに関し、特に、自動車の車体の剛性と該車体における部品組みを接合する接合線近傍の疲労寿命とを向上させる接合線の最適な位置を求める車体の接合位置の最適化解析方法、装置及びプログラムに関する。
近年、特に自動車産業においては環境問題に起因した車体の軽量化が進められており、車体の設計にコンピュータ支援工学による解析(以下、「CAE解析」という)は欠かせない技術となっている。
このCAE解析では数理最適化、板厚最適化、形状最適化、トポロジー最適化等の最適化技術を用いることによって剛性の向上や軽量化が図られることが知られている。
車体のような構造体は、複数の部品を部品組みとして溶接等で接合することによって形成されており、部品組みとして接合する部位における接合量を増やせば(例えば、アーク溶接やレーザー溶接による連続接合線を増加すれば)、車体全体としての剛性は向上することが知られている。剛性が向上すれば部品全体の発生応力も抑えられ、部品の疲労寿命は改善する方向である。しかし、逆に、局所的な応力増加により疲労寿命が低下するケースもある。さらに、車体の製造コストの観点から接合量をできるだけ少なくすることが望まれる。
また、複数の入力条件に対して同時に疲労性能を向上させるような最適な溶接位置の配置も求められる。
そこで、車体の製造コストを抑えつつ、車体の剛性と疲労寿命を向上させるために、部品同士を接合する接合位置(レーザーやアークなどの連続接合溶接位置)を求める方法として、経験や勘等により接合位置を決める方法や、応力解析により応力が大きい部位に接合位置を増加させて対処する方法や、また、複数性能に対応する場合、あるひとつの性能を満足するために、配置した溶接位置、別の性能評価を行って確認するというトライアンドエラーによって決定されることもある。
しかしながら、経験や勘により接合位置を決める方法では、剛性と疲労寿命の双方を向上させるのに必要な接合線の位置を求めるものではないため、剛性と疲労寿命の向上に不要な位置を接合線とする場合もあり、試行錯誤を繰り返してコストの面からも効率が悪いと言わざるを得ない。
また、応力解析により応力が大きい接合位置の周囲に接合線を増やす方法では、当該方法により接合位置を求める前と比較すると剛性や疲労寿命に変化は見られるものの、当該部位の変形が抑制されることで逆に、局所的な応力が増加する場合も多々あり、当該方法により求めた接合位置が必ずしも最適とはいえず、結局トライアンドエラー設計となり、効率が悪い。
これに対し、特許文献1には、平面要素及び/または立体要素からなる構造体モデルを構成する複数部品の接合に用いられるスポット溶接などの点接合や、レーザー溶接、アーク溶接、またはウェルドボンド接合などの連続接合の接合位置の最適化解析方法及び装置が開示されている。
また、特許文献2には、部品を構成する平面要素及び/又は立体要素を備えてなる構造体モデルにおいて、煩雑な作業を要せず容易に連続接合に適した部位を特定する構造体モデルの連続接合適用部位特定装置及び方法が開示されている。
特開2013-025593号公報 特開2016-71770号公報
自動車の走行中においては、振幅や方向等が時間的に一定ではなく複雑に変動する変動荷重が車体に入力する。そのため、複雑な変動荷重が車体に入力する場合において、車体の剛性と連続接合線近傍の疲労寿命とを向上することができる接合線の最適な長さや配置を求める技術が望まれていた。
自動車のシャシー・足回り部品では、部品同士をアーク溶接によって接合する構造体が多くみられるが、アーク溶接部まわりの疲労強度は、部品の母材強度が向上しても、アーク溶接止端部の切欠き形状の影響で、疲労性能が向上しないということが知られている。そこで、今後、シャシー・足回り部品に対しても、ハイテン材の適用拡大が期待される中、アーク溶接接合配置の最適化は重要となってくる。
一方、車体軽量化のニーズから、シャシー足回り部品の軽量化を推進するためにも、アーク溶接接合配置の最適化により、シャシー・足回りの部品組み全体の剛性向上及び疲労性能の向上は重要な課題であった。
しかし、特許文献1および特許文献2に開示されている技術は、最適化計算を行うための解析条件として、材料体積率、剛性を最大にする、変位を最小にする、応力を最小にする等を設定し、点接合または連続接合の最適位置を求めるものであり、点接合や連続接合の疲労寿命の向上については何ら考慮されていなかった。
また、特許文献2に開示されている技術は、主にスポット溶接により接合する自動車車体を対象とし、所定値以下のスポット接合間隔を有するスポット接合要素を連続接合に適した部位と特定するというものであり、部品同士をアーク溶接等により連続接合する自動車のシャシー・足回り部品に対して適用できない問題もあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、自動車の車体に単純、或いは変動的な荷重が入力する場合において、車体の剛性と該車体における部品組みを接合する連続接合線の疲労寿命とを向上させつつ、接合線の長さを最小化する接合線の最適な配置を求めると同時に剛性向上に寄与しない部品の軽量化を達成する車体の接合位置の最適化解析方法、装置およびプログラムを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る車体の接合位置の最適化解析方法は、梁要素および平面要素からなる複数の部品モデルを有してなり、複数の前記部品モデルを部品組みとして接合する初期接合線を有する自動車の車体モデルの全部又は一部について、コンピュータが以下の各ステップを実行し、前記車体モデルの剛性向上、前記車体モデルにおける前記部品組みを接合する接合線近傍の疲労寿命の向上、前記接合線の長さの最小化のいずれかを目的として達成する前記接合線の最適配置を求め、剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状を求める最適化解析を行うものであって、
前記車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとして設定する解析対象モデル設定ステップと、
前記解析対象モデルに対して前記最適配置の接合線の候補となる全ての接合候補線が設定された接合線最適化解析モデルを生成する接合線最適化解析モデル生成ステップと、
前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重を複数の異なる振動パターンの荷重条件に分けて、該各振動パターンの荷重条件を所定のサイクル数組み合わせて1シークエンスとする変動荷重条件を設定する変動荷重条件設定ステップと、
前記接合線最適化解析モデルの目標疲労寿命を前記変動荷重条件のシークエンス回数で設定する目標疲労寿命設定ステップと、
前記接合線最適化解析モデルの剛性性能に関する目的関数及び前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの体積に関する制約条件と、前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重条件を設定し、該変動荷重条件と前記制約条件の下で前記目的関数を満たす前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの感度解析を行い、前記部品モデルの感度に基づいて、剛性性能に対する感度の低い剛性低感度部品モデルを選定する部品剛性感度解析ステップと、
前記接合線最適化解析モデルの前記接合候補線および前記剛性低感度部品モデルを構成する平面要素を設計空間として設定された接合線・部品形状最適化解析モデルを生成する接合線・部品形状最適化解析モデル生成ステップと、
前記接合線・部品形状最適化解析モデルを最適化の対象とする最適化解析を行うために、前記各振動パターンの荷重条件ごとに各接合候補線近傍の破断繰り返し数を求め、前記各振動パターンの荷重条件の前記所定のサイクル数と前記破断繰り返し数との比の、前記目標疲労寿命設定ステップにより設定された前記変動荷重条件のシークエンス回数分の総和を各接合候補線の累積損傷度として求め、最適化解析により残存させる前記接合候補線の累積損傷度に関する条件と、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性に関する条件と、最適化解析により残存させる前記接合候補線の長さに関する条件と、を最適化解析条件である目的関数又は制約条件として設定し、前記剛性低感度部品モデルの体積率に関する制約条件を設定する最適化解析条件設定ステップと、
前記変動荷重条件設定ステップにおいて設定した前記変動荷重条件を前記接合線・部品形状最適化解析モデルに与え、前記最適化解析条件の下で最適化解析を行い、前記接合候補線の累積損傷度低減、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性向上、前記残存させる前記接合候補線の長さの最小化、のいずれかを目的として達成する前記接合候補線の配置を前記接合線の最適配置として求め、前記剛性低感度部品モデルの残存形状を剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状として求める最適化解析ステップと、を含むことを特徴とするものである。
(2)上記(1)に記載のものにおいて、前記最適化解析ステップは、密度法によるトポロジー最適化を行うものであり、該トポロジー最適化においてペナルティ係数を4以上に設定して離散化することを特徴とするものである。
(3)本発明に係る車体の接合位置の最適化解析装置は、梁要素および平面要素からなる複数の部品モデルを有してなり、複数の前記部品モデルを部品組みとして接合する初期接合線を有する自動車の車体モデルの全部又は一部について、前記車体モデルの剛性向上、前記車体モデルにおける前記部品組みを接合する接合線近傍の疲労寿命の向上、前記接合線の長さの最小化のいずれかを目的として達成する前記接合線の最適配置を求め、剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状を求める最適化解析を行うものであって、
前記車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとして設定する解析対象モデル設定部と、
前記解析対象モデルに対して前記最適配置の接合線の候補となる全ての接合候補線が設定された接合線最適化解析モデルを生成する接合線最適化解析モデル生成部と、
前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重を複数の異なる振動パターンの荷重条件に分けて、該各振動パターンの荷重条件を所定のサイクル数組み合わせて1シークエンスとする変動荷重条件を設定する変動荷重条件設定部と、
前記接合線最適化解析モデルの目標疲労寿命を前記変動荷重条件のシークエンス回数で設定する目標疲労寿命設定部と、
前記接合線最適化解析モデルの剛性性能に関する目的関数及び前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの体積に関する制約条件と、前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重条件を設定し、該変動荷重条件と前記制約条件の下で前記目的関数を満たす前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの感度解析を行い、前記部品モデルの感度に基づいて、剛性性能に対する感度の低い剛性低感度部品モデルを選定する部品剛性感度解析部と、
前記接合線最適化解析モデルの前記接合候補線および前記剛性低感度部品モデルを構成する平面要素を設計空間として設定された接合線・部品形状最適化解析モデルを生成する接合線・部品形状最適化解析モデル生成部と、
前記接合線・部品形状最適化解析モデルを最適化の対象とする最適化解析を行うために、前記各振動パターンの荷重条件ごとに各接合候補線近傍の破断繰り返し数を求め、前記各振動パターンの荷重条件の前記所定のサイクル数と前記破断繰り返し数との比の、前記目標疲労寿命設定部により設定された前記変動荷重条件のシークエンス回数分の総和を各接合候補線の累積損傷度として求め、最適化解析により残存させる前記接合候補線の累積損傷度に関する条件と、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性に関する条件と、最適化解析により残存させる前記接合候補線の長さに関する条件と、を最適化解析条件である目的関数又は制約条件として設定し、前記剛性低感度部品モデルの体積率に関する制約条件を設定する最適化解析条件設定部と、
前記変動荷重条件設定部において設定した前記変動荷重条件を前記接合線・部品形状最適化解析モデルに与え、前記最適化解析条件の下で最適化解析を行い、前記接合候補線の累積損傷度低減、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性向上、前記残存させる前記接合候補線の長さの最小化、のいずれかを目的として達成する前記接合候補線の配置を前記接合線の最適配置として求め、前記剛性低感度部品モデルの残存形状を剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状として求める最適化解析部と、を含むことを特徴とするものである。
(4)上記(3)に記載のものにおいて、
前記最適化解析部は、密度法によるトポロジー最適化を行うものであり、該トポロジー最適化においてペナルティ係数を4以上に設定して離散化することを特徴とするものである。
(5)本発明に係る車体の接合位置の最適化解析プログラムは、梁要素および平面要素からなる複数の部品モデルを有してなり、複数の前記部品モデルを部品組みとして接合する初期接合線を有する自動車の車体モデルの全部又は一部について、前記車体モデルの剛性向上、前記車体モデルにおける前記部品組みを接合する接合線近傍の疲労寿命の向上、前記接合線の長さの最小化のいずれかを目的として達成する前記接合線の最適配置を求め、剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状を求める最適化解析を行うものであって、
コンピュータを、
前記車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとして設定する解析対象モデル設定部と、
前記解析対象モデルに対して前記最適配置の接合線の候補となる全ての接合候補線が設定された接合線最適化解析モデルを生成する接合線最適化解析モデル生成部と、
前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重を複数の異なる振動パターンの荷重条件に分けて、該各振動パターンの荷重条件を所定のサイクル数組み合わせて1シークエンスとする変動荷重条件を設定する変動荷重条件設定部と、
前記接合線最適化解析モデルの目標疲労寿命を前記変動荷重条件のシークエンス回数で設定する目標疲労寿命設定部と、
前記接合線最適化解析モデルの剛性性能に関する目的関数及び前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの体積に関する制約条件と、前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重条件を設定し、該変動荷重条件と前記制約条件の下で前記目的関数を満たす前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの感度解析を行い、前記部品モデルの感度に基づいて、剛性性能に対する感度の低い剛性低感度部品モデルを選定する部品剛性感度解析部と、
前記接合線最適化解析モデルの前記接合候補線および前記剛性低感度部品モデルを構成する平面要素を設計空間として設定された接合線・部品形状最適化解析モデルを生成する接合線・部品形状最適化解析モデル生成部と、
前記接合線・部品形状最適化解析モデルを最適化の対象とする最適化解析を行うために、前記各振動パターンの荷重条件ごとに各接合候補線近傍の破断繰り返し数を求め、前記各振動パターンの荷重条件の前記所定のサイクル数と前記破断繰り返し数との比の、前記目標疲労寿命設定部により設定された前記変動荷重条件のシークエンス回数分の総和を各接合候補線の累積損傷度として求め、最適化解析により残存させる前記接合候補線の累積損傷度に関する条件と、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性に関する条件と、最適化解析により残存させる前記接合候補線の長さに関する条件と、を最適化解析条件である目的関数又は制約条件として設定し、前記剛性低感度部品モデルの体積率に関する制約条件を設定する最適化解析条件設定部と、
前記変動荷重条件設定部において設定した前記変動荷重条件を前記接合線・部品形状最適化解析モデルに与え、前記最適化解析条件の下で最適化解析を行い、前記接合候補線の累積損傷度低減、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性向上、前記残存させる前記接合候補線の長さの最小化、のいずれかを目的として達成する前記接合候補線の配置を前記接合線の最適配置として求め、前記剛性低感度部品モデルの残存形状を剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状として求める最適化解析部と、して実行させる機能を有することを特徴とするものである。
(6)上記(5)に記載のものにおいて、
前記最適化解析部は、密度法によるトポロジー最適化を行うものであり、該トポロジー最適化においてペナルティ係数を4以上に設定して離散化することを特徴とするものである。
本発明においては、自動車の車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとし、該解析対象モデルに対して部品組みとして接合する接合候補線を設定した最適化解析モデルを生成し、最適化の対象とする接合候補線の長さ、接合候補線の疲労寿命、最適化解析モデルの剛性、接合線の長さに関する最適化解析条件(目的関数又は制約条件)を設定して接合候補線についての最適化解析を行うことにより、実際の自動車の走行中のように時間的に荷重が一定ではない変動荷重が車体に入力する場合において、接合候補線の長さの最小化、解析対象モデルの剛性向上、部品組みを接合する接合線近傍の疲労寿命の向上のいずれかを目的として達成とすることができる接合線の最適位置を求め、同時に剛性向上に寄与しない部品の軽量化を達成することができる。
これによって、車体構造におけるアーク溶接等の溶接(接合)位置の最適な配置、接合線近傍の疲労寿命向上、車体の剛性向上および車体構造の軽量化が可能になり、溶接コストの低減と車体の高剛性化や軽量化が実現できる。
本発明の実施の形態に係る車体の接合位置の最適化解析装置のブロック図である。 本発明の実施の形態において、解析対象モデルとしたリアサブフレームモデルを示す図である。 本発明の実施の形態において、解析対象モデルの一例として、リアサブフレームモデルに予め設定されている初期接合線を説明する図である。 本発明の実施の形態における初期接合線の疲労寿命の算出において、初期接合線をモデル化したアーク溶接部の一例を示す図である。 本発明の実施の形態において、解析対象モデルとしたリアサブフレームモデルに与える第1の振動パターン及び第2の振動パターンの荷重条件及び拘束条件の一例を示す図である。 本発明の実施の形態において、解析対象モデルに予め設定された初期接合線と該解析対象モデルに追加した追加接合線とを接合候補線として設定した最適化解析モデルの一例を示す図である((a)最適化解析モデルの全体、(b)最適化解析モデルの一部拡大図)。 本発明の実施の形態において設定した変動荷重条件の一例を示す図である。 本実施の形態において、変動荷重条件下での疲労寿命の算出に用いるS-N線図を説明する図である。 本発明の実施の形態において、変動荷重条件下での初期接合線の疲労寿命と、最も短い下位3点の疲労寿命(最短疲労寿命)の初期接合線の位置の結果の一例を示す図である。なお、図9(b)は、リアサブフレームモデルを下側から見た状態を示している。 本発明の実施の形態においてリアサブフレームモデルを対象として剛性性能に関する感度解析の結果を示す図である((a)変動荷重条件(入力1)、(b)変動荷重条件(入力2))。 本発明の実施の形態及び実施例において、リアサブフレームモデルを解析対象とし、剛性と疲労寿命に関する最適化解析条件を設定した最適化解析後の接合線と部品形状の要素密度分布の一例を示す図である((a)変動荷重条件(入力1)、(b)変動荷重条件(入力2))。なお、図11では、設計空間とした要素のみを図示している。 図11に示した最適化解析の結果に基づいて、部品形状の軽量化の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る車体の接合位置の最適化解析方法における処理の流れを示すフロー図である。 実施例において、解析対象とした車体モデルの一部であるリアサブフレームモデルにおける剛性評価点の説明図である。 実施例において、リアサブフレームモデルを解析対象とし、剛性、接合長さ及び低感度部品の体積率に関する最適化解析条件を設定した発明例における最適化解析により求められた接合線の最適配置を示す図である。 実施例において、リアサブフレームモデルを解析対象とし、剛性と接合長さに関する最適化解析条件を設定した比較例における最適化解析により求められた接合線の最適配置を示す図である。
本発明の実施の形態に係る車体の接合位置の最適化解析方法、装置及びプログラムの説明に先立ち、本発明で対象とする車体モデルについて説明する。
なお、本願の明細書及び図面において、車体前後方向、車体左右方向及び車体上下方向は、それぞれ、X方向、Y方向及びZ方向と表す。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能や構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<車体モデル及び解析対象モデル>
本発明において対象とする車体モデルは、車体骨格部品やシャシー部品等といった複数の部品モデルで構成されたものであり、これらの部品モデルは、梁要素および平面要素を使ってモデル化されている。
一般に、車体骨格部品やシャシー部品等は主に板厚の薄い金属板によって形成されているため、車体モデルを構成する部品モデルは、平面要素のみによって構成されたものでよい。
さらに、車体モデルは、複数の部品モデルを部品組みとして接合する初期接合線を有する。初期接合線は、複数の自動車部品を部品組みとして接合するアーク溶接やレーザー溶接の接合線を平面要素や立体要素を用いてモデル化したものである。
例えば、平面要素からなる2つの部品モデルが、平面要素でモデル化された初期接合線により接合されている場合、2つの部品モデルの平面要素双方に初期接合線の平面要素が結合されている。
また、初期接合線が立体要素でモデル化されている場合においては、初期接合線に作用する並進力を部品モデルに分配させるべく、部品モデルの平面要素と初期接合線の立体要素とが、剛体要素で結合されている。
本発明は、車体モデルの全体又は一部である解析対象モデル(後述)に変動荷重が作用して生じる変形を解析するものであるため、車体モデルにおける各部品モデルは、弾性体若しくは粘弾性体又は弾塑性体としてモデル化されたものである。
そして、車体モデルを構成する各部品モデルの材料特性や要素情報、さらには、各部品組みにおける初期接合線等に関する情報は、車体モデルファイル101(図1参照)に格納されている。
<車体の接合位置の最適化解析装置>
本発明の実施の形態に係る車体の接合位置の最適化解析装置(以下、単に「最適化解析装置」という)の構成について、以下に説明する。
最適化解析装置は、車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとし、該解析対象モデルについて車体モデルの剛性向上、車体モデルにおける部品組みを接合する接合線の疲労寿命の向上、接合線の長さの最小化のいずれかを目的として達成する接合線の最適配置を求める最適化解析を行う装置である。
図1に、本実施の形態に係る最適化解析装置1の構成の一例を示す。最適化解析装置1は、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成され、図1に示すように、表示装置3、入力装置5、記憶装置7、作業用データメモリ9及び演算処理部11を有している。
表示装置3、入力装置5、記憶装置7及び作業用データメモリ9は、演算処理部11に接続され、演算処理部11からの指令によってそれぞれの機能が実行される。
以下、本実施の形態に係る最適化解析装置1の各構成要素の機能を説明する。
≪表示装置≫
表示装置3は、車体モデルや解析対象モデル、さらには解析結果等の表示に用いられ、液晶モニター等で構成される。
≪入力装置≫
入力装置5は、車体モデルファイル101(図1)の読み出しや、車体モデルや解析対象モデルの表示等といった操作者による指示の入力等に用いられ、キーボードやマウス等で構成される。
≪記憶装置≫
記憶装置7は、車体モデルファイル101(図1)等の各種ファイルや解析結果の保存等に用いられ、ハードディスク等で構成される。
≪作業用データメモリ≫
作業用データメモリ9は、演算処理部11が使用するデータの一時保存や演算に用いられ、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
≪演算処理部≫
演算処理部11は、図1に示すように、解析対象モデル設定部13と、接合線最適化解析モデル生成部15と、変動荷重条件設定部17と、目標疲労寿命設定部18と、部品剛性感度解析部19と、接合線・部品形状最適化解析モデル生成部20と、最適化解析条件設定部21と、最適化解析部23と、を有し、PC等のCPU(中央演算処理装置)によって構成される。これらの各部は、CPUが所定のプログラムを実行することによって機能する。
以下、演算処理部11の各部の機能を説明する。
(解析対象モデル設定部)
解析対象モデル設定部13は、車体モデルファイル101から車体モデルを取得し、取得した車体モデルの全体又は一部を解析対象モデルとして設定するものである。
解析対象モデル設定部13による処理の一例を以下に述べる。
まず、操作者が、車体モデルファイル101から車体モデルの読み出しを入力装置5により指示することで、車体モデルが記憶装置7から読みだされる。
次に、操作者の指示により、車体モデルが表示装置3に表示される。
そして、操作者の指示により、表示装置3に表示された車体モデルにおいて最適化解析の対象とする部位が指定される。解析対象モデル設定部13は、当該指定された部位を解析対象モデルとして設定する。
図2に、解析対象モデルとして、シャシー部品であるリアのサスペンションサブフレーム(以降、リアサブフレーム)を簡易化したリアサブフレームモデル111を対象とし設定した例を示す。
図2に示すリアサブフレームモデル111は、部品モデルとして右側のサイドフレームアッパー112とサイドフレームロア113がアーク溶接で接合されてサイドフレームR211となり、同様に左側のサイドフレームアッパー114、サイドフレームロア115とがアーク溶接接合されてサイドフレームL212となり、車体前側のクロスメンバアッパー116とクロスメンバロア117がアーク溶接接合されクロスメンバ―フロント213となり、車体後ろ側のクロスメンバフロント118とクロスメンバリア119がアーク溶接接合されてリアクロスメンバ214となり、これらサイドフレームR211、サイドフレームL212、クロスメンバ―フロント213及びリアクロスメンバ214がさらにアーク溶接接合されて井桁構造となっている。
そして、この井桁構造にサスペンションを支持する部品やタイヤまでの接合リンクを取り付けるための部品であるブラケット120、121、122がアーク溶接によって接合されている。(図2では右側のみ示したが、左側も同様のブラケットが取り付いている)。これらの各部品モデルは平面要素でモデル化されている。
なお、図2においては、タイヤ入力点100と、ブラケット120、121、122、及びリアクロスメンバ214を繋ぐ部品がバー要素を示す直線によって簡略化して示されている。
そして、リアサブフレームモデル111は、図3に示すように、各部品モデルを部品組みとして接合する初期接合線131があらかじめ設定されており、その初期接合線の長さは6540mmであった。また、初期接合線131は、図4に示すように、部品モデルの平面要素と節点共有で結合する平面要素でモデル化されている。
なお、初期接合線131の厚みは、接合対象となる部品モデルの板厚のうち薄い方の板厚とする。さらに、初期接合線131の材料特性値は、部品モデルと同様とする。
また、後述する変動荷重条件設定部17によりリアサブフレームモデル111に与える変動荷重条件及び拘束条件を設定するため、図5に示すように、ブラケット120、121、122及びリアクロスメンバ214とタイヤ入力点100(図2参照)がバー要素で結合されている。
ここで、タイヤ入力点100を荷重入力点Aとし、図中マウントブッシュa、b、c、dの4点を完全拘束点とする。
(接合線最適化解析モデル生成部)
接合線最適化解析モデル生成部15は、図6に示すように、解析対象モデルに対して最適配置の接合線の候補となる全ての接合候補線、すなわち設定可能な最大の接合候補線が設定された接合線最適化解析モデル151を生成するものである。
図6に、リアサブフレームモデル111に接合候補線155を設定して生成した接合線最適化解析モデル151を示す。図6(b)は接合線最適化解析モデル151の一部を拡大して示すものであり、実線が初期接合線131を示し、破線が追加接合線153を示している。そして、図6(a)においては、これら初期接合線131と追加接合線153を接合候補線155として示している。
追加接合線153は、間欠的に設定されている初期接合線131の間を結ぶように追加する場合(b-1、b-2)や、初期接合線131の端部を延長して設定する場合(b-3)や、あるいは、追加接合線153を設定するスペースがない場合は部品形状を変更して追加接合線153を設定する場合等がある。
なお、追加接合線153は、前述した初期接合線131と同様、平面要素でモデル化してもよいし、立体要素でモデル化してもよい。
(変動荷重条件設定部)
変動荷重条件設定部17は、最適化解析モデルに与える変動荷重を複数の異なる振動パターンの荷重条件に分けて、該各振動パターンの荷重条件を所定のサイクル数組み合わせて1シークエンスとする変動荷重条件を設定するものである。
変動荷重とは、解析対象モデルに入力する荷重の大きさ、位置及び方向の一つ又は複数が異なる振動パターンに分け、各振動パターンをそれぞれ所定のサイクル数組み合わせたものであり、実際の自動車が走行する際に車体に入力する時間的に変動する変動荷重を模擬したものである。そして、変動荷重条件は、後述する初期接合線131や接合候補線155の疲労寿命の算出において与える。
なお、変動荷重条件設定部17は、変動荷重を複数の異なる振動パターンの荷重に分けて、これらを組み合わせた変動荷重条件と、変動荷重条件ごとの解析対象モデルを拘束する拘束条件と、を設定してもよい。
本実施の形態において、変動荷重条件は、リアサブフレームモデル111において、車体と取り付けるマウントブッシュa~dを完全拘束し、車体右側のタイヤ入力点100を荷重入力点Aとして、図5(a)に示すように、前後方向(入力1)へ±2.5kNの変動荷重が入力する第1の振動パターンの荷重条件と、図5(b)に示すように、内側・外側方向(入力2)へ±6.0kNの変動荷重が入力する第2の振動パターンの条件とした。
そして、変動荷重条件は、図7に示す変動荷重履歴の模式図のように、第1の振動パターンの荷重条件・1サイクルと第2の振動パターンの荷重条件・5サイクルとを組み合わせて1シークエンスの変動荷重条件とする。そして、負荷される変動条件における疲労寿命を考える。
ここで、図7に示すグラフは、1シークエンスの変動荷重条件における第1の振動パターンの荷重条件と第2の振動パターンの荷重条件それぞれのサイクル数を示すために、第1の振動パターンの荷重条件と第2の振動パターンの荷重条件のそれぞれにおける荷重の大きさを振幅とする両振りの変動荷重を模式的に表したグラフである。
(目標疲労寿命設定部)
目標疲労寿命設定部18は、接合線最適化解析モデル151の目標疲労寿命を前記変動荷重条件のシークエンス回数で設定するものである。
接合線最適化解析モデル151の目標疲労寿命としては、変動荷重条件設定部17により設定された変動荷重条件における振動パターンの荷重条件を解析対象モデルに与えて応力解析を別途行い、市販の疲労寿命予測ソフトを用いて疲労寿命を算出し、最も短い疲労寿命に基づいて目標疲労寿命を設定した。
また、従来の経験則から所定のシークエンス回数を接合線最適化解析モデル151の目標疲労寿命としてもよい。
一般に、実際の自動車の車体に入力する荷重は時間的に一定ではないため、初期接合線131においてもさまざまな振幅の応力がランダムに発生する応力状態とみなすことができる。このような応力状態における初期接合線131の疲労寿命を評価するには累積疲労損傷則が用いられる。
累積疲労損傷則においては、まず、種々の振幅の応力がランダムに発生している状態を、σ1、σ2、σ3・・σm等の異なる振幅の応力が単独に繰り返されたものと考える。
次に、各応力振幅σ1、σ2、σ3、・・σmが単独で発生していたとし、各応力振幅での破断(疲労破壊)までの繰り返し回数(破断繰り返し数)N1、N2、N3・・Nmを図8に示すようなS-N線図から読み取る。
これらの各応力振幅がそれぞれn1、n2、n3・・nm繰り返されたときの損傷度をn1/N1、n2/N2、n3/N3・・nm/Nmと考える。
累積疲労損傷則では、式(1)に示すように、個々の応力振幅での損傷度の総和である累積損傷度dmを求める。そして、累積損傷度dm≧1となったときに、疲労破壊が生じる。
なお、不規則な繰返し変動荷重を受ける変動荷重条件においては、レインフローカウント法を用いて、各応力振幅σ1、σ2、σ3、・・σm及び繰り返し回数n1、n2、n3・・nmを決定しても良い。
Figure 0007363964000002
目標疲労寿命設定部18により、変動荷重条件下における初期接合線131の目標累積損傷度を算出する具体的な手順は以下のとおりである。
まず、変動荷重条件における各振動パターンの荷重条件ごとに応力解析を行って求められた各初期接合線131に作用する応力を、変動荷重条件下において初期接合線131に発生する異なる応力振幅σ1、σ2、σ3・・σmとする。
次に、目標疲労寿命設定部18は、各応力振幅が単独で初期接合線131に発生していたときに初期接合線131が破断するまでの繰り返し回数(破断繰り返し数)N1、N2、N3、・・NmをS-N線図(図8)から求める。
続いて、各応力振幅での破断までの繰り返し回数(破断繰り返し数)N1、N2、N3、・・Nmと、変動荷重条件の1シークエンスにおける各振動パターンの荷重条件のサイクル数n1、n2、n3、・・nmを式(1)に代入し、1シークエンスでの累積損傷度dmを算出する。さらに、変動荷重条件の1シークエンスを連続してK回繰り返した(Kシークエンス)時の累積損傷度DMを式(2)より算出する。
Figure 0007363964000003
そして、累積損傷度DMが1以上となるときのシークエンス回数Kを、変動荷重条件下での初期接合線131の疲労寿命として算出する。
このように算出した各初期接合線131の疲労寿命に基づいて、目標疲労寿命設定部18は接合線最適化解析モデル151の目標疲労寿命を設定する。
目標疲労寿命は、最適化解析により残存する接合候補線155(後述)が満たすべき疲労寿命である。本実施の形態において、目標疲労寿命は、少なくとも、目標疲労寿命設定部18により算出した各初期接合線131のうち最も短い疲労寿命(最短疲労寿命)以上の疲労寿命とする。
図9に、リアサブフレームモデル111に対して図7に示す変動荷重条件及び図5に示す拘束条件を与えた応力解析の結果を用いて求めた初期接合線131の疲労寿命のうち、最も短い方から3つの初期接合線131の位置とその疲労寿命の結果の一例を示す。
図9に示す初期接合線131の疲労寿命は、リアサブフレームモデル111において、車体と取り付けるマウントブッシュa~dを完全拘束し、車体右側のタイヤ入力点100を荷重入力点Aとして、前後方向(入力1)へ±2.5kNの変動荷重が入力する第1の振動パターンを1サイクルと、内側・外側方向(入力2)へ±6.0kNの変動荷重が入力する第2の振動パターンを5サイクルとを組み合わせて1シークエンスとする変動荷重条件下で算出したものである。
リアサブフレームモデル111の初期接合線131について求めた疲労寿命は、図9に示すように、サイドフレームロア113とブラケット122との接合部が44000シークエンス、53000シークエンスで、サイドフレームアッパー112とブラケット120との接合部が64000シークエンスで、これらが疲労寿命の短い方から3つの接合線であった。
この結果から、目標疲労寿命設定部18は、サイドフレームロア113とブラケット122とを接合する初期接合線131の44000シークエンス以上の疲労寿命を目標疲労寿命として設定する。
目標疲労寿命設定部18による疲労寿命の算出には、前述したように、市販の疲労寿命予測解析ソフトを用いるようにすればよい。例えば、平面要素でモデル化された初期接合線131の疲労寿命を市販の疲労寿命予測解析ソフトを用いて算出する場合においては、初期接合線131の応力等の条件を疲労寿命予測解析ソフトに入力することにより、初期接合線131の疲労寿命を算出することができる。初期接合線131の応力としては、初期接合線131の平面要素が結合している各部品モデルの平面要素の応力値、又は、初期接合線131の平面要素の両端に作用する力とモーメントから求められる公称構造応力を用いることができる。
また、S-N線図は、荷重の負荷状態、例えば同じ応力振幅であっても平均応力が圧縮応力であるか引張応力であるか等、によって変わる場合もあるが、疲労寿命予測解析ソフトの値や実験値を参照すればよい。もしくは、公称構造応力を用いて疲労寿命を算出する場合は、異なる負荷状態を含む一本のS-N線図を用いてもよい。
さらに、S-N線図は、図8に示すように、低応力側においては疲労限度以下では破断判定をしないマイナー則や、疲労限度以下でも損傷としてカウントする修正マイナー則など、種々の法則を適用して表したものであってもよい。
(部品剛性感度解析部)
部品剛性感度解析部19は、接合線最適化解析モデル151の剛性性能に関する目的関数及び接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの体積に関する制約条件と、接合線最適化解析モデル151に与える変動荷重条件を設定し、該変動荷重条件と前記制約条件の下で前記目的関数を満たす接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの感度解析を行い、部品モデルの感度に基づいて、剛性性能に対する感度の低い剛性低感度部品モデルを選定する。
本実施の形態において、部品剛性感度解析部19により設定する剛性性能に関する目的関数として、例えば、接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルにおけるひずみエネルギー総和の最小化、変位の最小化、最大主応力の最小化、剛性の最大化などがある。また部品剛性感度解析部19により設定する制約条件としては、接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの体積率を規定する体積制約率などがある。
また、部品剛性感度解析部19は、接合線最適化解析モデル151に与える変動荷重条件として、例えば、図5(a)および図5(b)に例示する変動荷重条件(入力1、入力2)と拘束条件を設定する。
さらに、部品剛性感度解析部19は、トポロジー最適化における密度法を用いて、該トポロジー最適化により算出される接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの各要素(平面要素のメッシュ)の密度(要素密度)を感度として算出する。なお、要素密度は、各要素における材料の充填状態を表す仮想的な密度であり、0から1までの値をとる。すなわち、要素の密度が1であれば、要素には材料が完全に充填されている状態、0であれば要素に材料が充填されておらず完全に空洞の状態を表し、要素の密度が0から1の中間値であれば、その要素は材料とも空洞ともつかない中間的な状態を表す。
そして、トポロジー最適化により算出される要素密度においては、剛性性能に対する寄与が大きい要素では要素密度は1に近い値となり、剛性性能に対する感度が高いことを示す。これに対し、剛性性能に対する寄与が小さい要素では要素感度は0に近い値となり、剛性性能に対する感度が小さいことを示す。このように、トポロジー最適化により算出した要素密度は、剛性性能に対する各要素の感度を表す指標となる。
部品剛性感度解析部19により算出される接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの感度解析の一例として、剛性性能に関する目的関数として、接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルにおけるひずみエネルギー総和の最小化、制約条件として接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの体積制約率を50%とし、接合線最適化解析モデル151に与える変動荷重条件として、図5(a)および図5(b)に示す変動荷重条件(入力1、入力2)及び拘束条件を設定し、トポロジー最適化における密度法を用いて、該トポロジー最適化により算出される接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの密度(要素密度)を感度として算出した。図10に、接合線最適化解析モデル151の要素密度の結果の一例を示す。図10(a)は変動荷重条件(入力1)の結果であり、図10(b)は変動荷重条件(入力2)の結果である。
変動荷重条件(入力1)の感度解析では、クロスメンバアッパー116、クロスメンバロア117及びブラケット122などの要素密度が0.5以下となり、感度が低いことがわかった。また、変動荷重条件(入力2)の感度解析では、クロスメンバフロント118とクロスメンバリア119も低感度であることがわかった。
そこで、本例では、感度解析結果において、要素密度が0.5以下の要素の合計面積が部品全体の表面積の50%以上を占める部品と剛性低感度部品モデルとして選定することとし、その結果、クロスメンバアッパー116、クロスメンバロア117、ブラケット122、クロスメンバフロント118及びクロスメンバリア119の部品モデルを剛性低感度部品モデルとして選定した。
(接合線・部品形状最適化解析モデル生成部)
接合線・部品形状最適化解析モデル生成部20は、接合線最適化解析モデル151の接合候補線155および剛性低感度部品モデル(ロスメンバアッパー116、クロスメンバロア117、ブラケット122、クロスメンバフロント118及びクロスメンバリア119の部品モデル)を構成する平面要素を設計空間として設定された接合線・部品形状最適化解析モデル156(図11参照)を生成する。
(最適化解析条件設定部)
最適化解析条件設定部21は、接合線・部品形状最適化解析モデル156を最適化の対象とする最適化解析を行うために、変動荷重条件設定部17により設定された各振動パターンの荷重条件ごとに各接合候補線155近傍の破断繰り返し数を求め、各振動パターンの荷重条件のサイクル数と破断繰り返し数との比の、目標疲労寿命設定部18により設定された変動荷重条件のシークエンス回数分の総和を前記各接合候補線155の累積損傷度DMとして求め、最適化解析により残存させる接合候補線155の累積損傷度に関する条件と、接合線・部品形状最適化解析モデル156の剛性に関する条件と、最適化解析により残存させる接合候補線155の長さに関する条件と、を最適化解析条件である目的関数又は制約条件として設定し、さらに剛性低感度部品モデルの体積率に関する制約条件を設定する。
最適化解析条件には、目的関数と制約条件の2種類がある。
目的関数は、最適化解析の目的に応じて一つだけ設定されるものである。目的関数としては、剛性に関する条件、疲労寿命に関する条件、接合長さに関する条件が挙げられる。
剛性に関する条件としては、例えば、解析対象モデルにおける所定の位置を剛性評価点とし、該剛性評価点の変位又はひずみを指標にするとよい。そして、変動荷重条件においては、例えば、各振動パターンの荷重条件における剛性評価点Aの変位を足し合わせた値の最小化、又は、各振動パターンの荷重条件での剛性評価点Aの変位の最小化、を剛性に関する条件とすればよい。
疲労寿命に関する条件としては、目標疲労寿命設定部18により設定された目標疲労寿命よりも大きいとする条件とすればよい。また、接合長さについては、例えば全接合長に対する割合等とすればよい。
制約条件は、最適化解析を行う上で課す制約であり、必要に応じて複数設定されるものである。
本実施の形態においては、接合候補線155の疲労寿命が、目標疲労寿命設定部18により設定された目標疲労寿命よりも大きいとする条件を制約条件として設定するとよい。
接合候補線155の破断繰り返し数は、前述した初期接合線131の変動荷重条件下での破断繰り返し数と同様、図8に示すS-N線図を用いて算出することができる。
なお、疲労寿命に関する条件は、目標疲労寿命設定部18により設定された目標疲労寿命をそのまま制約条件として与えるものに限らず、変動荷重条件下での接合候補線155の目標疲労寿命設定部18により目標疲労寿命として設定されたシークエンス回数分の累積損傷度DMが疲労破壊の生じない累積損傷度DM<1とする制約条件を与えてもよい。
ここで、接合候補線155の累積損傷度DMは、例えば、接合候補線155としてモデル化した平面要素が結合する部品モデルの平面要素の応力や、平面要素の両端に作用する力とモーメントから算出される公称構造応力、等を用いて、前述した初期接合線131の累積損傷度DMと同様、図8に示すS-N線図及び式(2)を用いて算出することができる。
さらに、接合候補線155の長さに関する条件は、残存させる接合候補線155の長さを所定の値に設定することができる。本実施の形態においては、残存させる接合候補線155の長さを初期接合線131の長さ以下とする制約条件を設定した。さらに、個々の接合候補線155が細かく分断された接合線とならないよう30mm以上とする制約条件を設定した。
なお、接合候補線155の線長に関する最適化解析条件については、最適化解析部23による最適化解析においてトポロジー最適化で密度法を適用する場合にあっては、接合候補線155としてモデル化する要素(平面要素や立体要素等)の密度に基づいて算出される接合候補線155の体積を制約条件として与えてもよい。
また、剛性低感度部品の体積率に関する制約条件については、残存させる剛性低感度部品の体積率を所定の値に設定することができる。本実施の形態においては、残存させる剛性低感度部品(クロスメンバアッパー116、クロスメンバロア117、ブラケット122、クロスメンバフロント118及びクロスメンバリア119)の体積率を50%以下とする制約条件を設定した。
(最適化解析部)
最適化解析部23は、変動荷重条件設定部17により設定された変動荷重条件を最適化解析モデルに与え、最適化解析条件の下で最適化解析を行い、接合候補線155の累積損傷度低減、最適化解析モデルの剛性向上、残存させる接合候補線155の長さの最小化、のいずれかを目的として達成する接合候補線155の配置を接合線の最適配置として求め、前記剛性低感度部品の残存形状を剛性性能に対する感度の低い部品モデルの最適形状として求めるものである。
最適化解析部23による最適化解析としては、トポロジー最適化を適用することができる。
トポロジー最適化において密度法を用いる場合、接合候補線155としてモデル化した要素(平面要素や立体要素等)に対して、0から1までの値をとる正規化された仮想的な密度を設計変数として与え、最適化解析条件を満たす密度の値を算出する。
そして、算出された密度の値が1であれば接合候補線155が完全に存在している状態、0であれば接合候補線155が存在していない状態であり、その中間値であれば接合候補線155による部品組みの接合が中間的な状態となる。
そのため、トポロジー最適化で密度法を適用する中間的な密度が多い場合には、式(3)に示すように、ペナルティ係数を用いて離散化することが好ましい。
Figure 0007363964000004
離散化によく用いられるペナルティ係数は2以上であるが、本発明に係る接合位置の最適化解析においては、ペナルティ係数は4以上であることが好ましい。
なお、最適化解析部23は、上記のとおりトポロジー最適化による最適化解析を行うものであってもよいし、他の計算方式による最適化解析を行うものであってもよい。
図11に、最適化解析部23によりトポロジー最適化において密度法を適用して最適化解析を行って求められた接合候補線155および剛性低感度部品モデル(クロスメンバアッパー116、クロスメンバロア117、ブラケット122、クロスメンバフロント118及びクロスメンバリア119の部品モデル)の要素密度分布を示す。剛性低感度部品モデルにおいて要素密度が小さい部分は軽量化のために穴開けや薄肉化をすることができる。
例えば、要素密度0.40を閾値として、要素密度0.40以下を不要部と判断し、穴あけや、TWB(テーラードウェルドブランク)による薄肉化する。このような軽量化した部品形状の一例を図12に示す。図12に示す例では、ロスメンバアッパー116、クロスメンバロア117、クロスメンバフロント118及びクロスメンバリア119に穴Hを設け、ブラケット122をTWBによる薄肉化した。
TWB(テーラードウェルドブランク)とは、板厚の異なる素材をレーザー接合した部材をいう。この例では、元部品の板厚が2.6mmだったのを1.0mmとした。このような軽量化により、後述の実施例で示すように、元部品の重量が16.2kgを650g軽量化して15.5kg(重量4.0%削減)にできた。
なお、本実施の形態において求められた接合線の最適配置の作用効果については、後述する実施例にて述べる。
<車体の接合位置の最適化解析方法>
本発明の実施の形態に係る車体の接合位置の最適化解析方法(以下、単に、「最適化解析方法」という)は、梁要素および平面要素からなる複数の部品モデルを有してなり、複数の部品モデルを部品組みとして接合する初期接合線131を有する自動車の車体モデルの全部又は一部について、コンピュータが以下の各ステップを実行し、車体モデルの剛性向上、車体モデルにおける部品組みを接合する接合線近傍の疲労寿命の向上、接合線の長さの最小化のいずれかを目的として達成する接合線の最適配置を求める最適化解析を行うものであって、図13に示すように、解析対象モデル設定ステップS1と、接合線最適化解析モデル生成ステップS3と、変動荷重条件設定ステップS5と、目標疲労寿命設定ステップS7と、部品剛性感度解析ステップS7と、接合線・部品形状最適化解析モデル生成ステップS8と、最適化解析条件設定ステップS9と、最適化解析ステップS11と、を含むものである。
以下、これらの各ステップについて説明する。なお、以下の各ステップは、コンピュータによって構成された最適化解析装置1(図1)が行うものとする。
≪解析対象モデル設定ステップ≫
解析対象モデル設定ステップS1は、車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとして設定するものである。
本実施の形態において、解析対象モデル設定ステップS1は、解析対象モデル設定部13が、車体モデルの一部であるリアサブフレームモデル111を解析対象モデルとして設定する。
≪接合線最適化解析モデル生成ステップ≫
接合線最適化解析モデル生成ステップS3は、解析対象モデルに対して最適配置の接合線の候補となる全ての接合候補線155を設定して接合線最適化解析モデルを生成するものである。
本実施の形態において、接合線最適化解析モデル生成ステップS3は、接合線最適化解析モデル生成部15が、リアサブフレームモデル111に予め設定された初期接合線131の間に追加接合線153を生成し、初期接合線131と追加接合線153との双方を接合候補線155として設定する。
≪変動荷重条件設定ステップ≫
変動荷重条件設定ステップS5は、接合線最適化解析モデル151に与える変動荷重を複数の異なる振動パターンの荷重条件に分けて、該各振動パターンの荷重条件を所定のサイクル数組み合わせて1シークエンスとする変動荷重条件を設定するものである。
本実施の形態において、変動荷重条件設定ステップS5は、最適化解析装置1の変動荷重条件設定部17が、図5(a)に示す第1の振動パターンの荷重条件・1サイクルと、図5(b)に示す第2の振動パターンの荷重条件・5サイクルとを組み合わせて1シークエンスとした変動荷重条件を設定し(図7参照)、さらに、図5に示すように拘束点a~dを拘束する拘束条件を設定する。
≪目標疲労寿命設定ステップ≫
目標疲労寿命設定ステップSは、接合線最適化解析モデル151の目標疲労寿命を変動荷重条件設定ステップS5において設定する変動荷重条件のシークエンス回数で設定するものである。
接合線最適化解析モデル151の目標疲労寿命としては、変動荷重条件設定ステップS5において設定した変動荷重条件における振動パターンの荷重条件を解析対象モデルに与えて応力解析を別途行い、該応力解析の結果を用いて、解析対象モデルの初期接合線131の変動荷重条件下における疲労寿命となる変動荷重条件のシークエンス回数を算出し、算出した初期接合線131の疲労寿命となる変動荷重条件のシークエンス回数に基づいて目標疲労寿命となる変動荷重条件のシークエンス回数を設定してもよいし、従来の経験則から所定の変動荷重条件のシークエンス回数を目標疲労寿命としてもよい。
ここで、目標疲労寿命は、最適化の対象とする接合候補線155が満たすべき疲労寿命であり、少なくとも、目標疲労寿命設定ステップSにおいて算出した各初期接合線131の最も短い疲労寿命(最短疲労寿命)となる変動荷重条件のシークエンス回数以上のシークエンス回数を、目標疲労寿命として設定する。
≪部品剛性感度解析ステップ≫
部品剛性感度解析ステップS7は、接合線最適化解析モデル151に対し、剛性性能に関する目的関数を設定し、変動荷重条件に対する接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの感度解析を行い、該部品モデルの感度に基づいて、剛性性能に対する感度の低い剛性低感度部品モデルを選定するステップである。
≪接合線・部品形状最適化解析モデル生成ステップ≫
接合線・部品形状最適化解析モデル生成ステップS8は、接合線最適化解析モデル151の接合候補線155および剛性低感度部品モデルを構成する平面要素を設計空間として設定された接合線・部品形状最適化解析モデル156を生成するステップである。
≪最適化解析条件設定ステップ≫
最適化解析条件設定ステップS9は、接合線・部品形状最適化解析モデル156を最適化の対象とする最適化解析を行うために、変動荷重条件設定ステップS5における異なる複数の各振動パターンの荷重条件ごとに各接合候補線155の破断繰り返し数を求め、各振動パターンの荷重条件のサイクル数と破断繰り返し数との比の、目標疲労寿命設定ステップS7により設定された変動荷重条件のシークエンス回数分の総和を各接合候補線155の累積損傷度DMとして求め、最適化解析により残存させる接合候補線155の累積損傷度に関する条件と、接合線最適化解析モデル151の剛性に関する条件と、最適化解析により残存させる接合候補線155の長さに関する条件を最適化解析条件である目的関数又は制約条件として設定し、さらに前記剛性低感度部品モデルの体積率に関する制約条件を設定するものである。
本実施の形態において最適化解析条件設定ステップS9は、最適化解析条件設定部21が、接合線・部品形状最適化解析モデル156の剛性最大化(剛性評価点Aの変位の最小化)を目的関数とし、接合候補線155の疲労寿命が目標疲労寿命よりも大きいとする制約条件と、残存させる接合候補線155の長さを初期接合線131の長さ以下とし、個々の接合候補線155の長さを30mm以上とする制約条件と、さらに残存させる剛性低感度部品モデルの体積率を50%以下とする制約条件を、最適化解析条件として設定する。
剛性に関する条件としては、例えば、解析対象モデルにおける所定の位置を剛性評価点とし、該剛性評価点の変位又はひずみを指標にするとよい。そして、変動荷重条件において、例えば、変動荷重を各振動パターンに分けて各振動パターンの荷重条件における剛性評価点Aの変位を足し合わせた値の最小化、又は、変動荷重条件での剛性評価点Aの変位の最小化、を剛性に関する条件とすればよい。
また、疲労寿命に関する条件としては、目標疲労寿命設定ステップSにおいて設定した目標疲労寿命をそのまま制約条件として与えるものに限らず、例えば、接合候補線155の累積損傷度DMが目標疲労寿命に相当する累積損傷度以下とする制約条件を与えてもよい。
≪最適化解析ステップ≫
最適化解析ステップS11は、変動荷重条件設定ステップS5において設定した変動荷重条件を接合線・部品形状最適化解析モデル156に与え、最適化解析条件の下で最適化解析を行い、接合候補線155の累積損傷度低減、接合線・部品形状最適化解析モデル156の剛性向上、残存させる接合候補線155の長さの最小化、のいずれかを目的として達成する接合候補線155の配置を接合線の最適配置として求め、前記剛性低感度部品モデルの残存形状を剛性性能に対する感度の低い部品モデルの最適形状として求めるものである。
本実施の形態において、最適化解析ステップS11は、最適化解析部23がリアサブフレームモデル111に設定された接合候補線155および剛性低感度部品モデル(クロスメンバアッパー116、クロスメンバロア117、ブラケット122、クロスメンバフロント118及びクロスメンバリア119の部品モデル)を最適化の対象として最適化解析を行い、最適化解析条件を満たす接合候補線155の配置を接合線157の最適配置として求め、クロスメンバアッパー116、クロスメンバロア117、クロスメンバフロント118及びクロスメンバリア119に穴Hを設け、ブラケット122をTWBにより薄肉化した(図12)。
<車体の接合位置の最適化解析プログラム>
本発明の実施の形態は、コンピュータによって構成された車体の接合位置の最適化解析装置1の各部を機能させる車体の接合位置の最適化解析プログラムとして構成することができる。
すなわち、本発明の実施の形態に係る車体の接合位置の最適化解析プログラムは、車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとし、該解析対象モデルについて車体モデルの剛性向上、車体モデルにおける部品組みを接合する接合線近傍の疲労寿命の向上、接合線の長さの最小化のいずれかを目的として達成する接合線の最適配置を求め、剛性性能に対する感度の低い部品モデルの最適形状を求める最適化解析を行うものであって、コンピュータを、図1に一例として示すように、解析対象モデル設定部13と、接合線最適化解析モデル生成部15と、変動荷重条件設定部17と、目標疲労寿命設定部18と、部品剛性感度解析部19と、接合線・部品形状最適化解析モデル生成部20と、最適化解析条件設定部21と、最適化解析部23と、して実行させる機能を有するものである。
以上、本実施の形態に係る車体の接合位置の最適化解析方法、装置及びプログラムによれば、自動車の車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとし、該解析対象モデルに対して部品組みとして接合する接合候補線155を設定した接合線最適化解析モデル151を生成し、最適化の対象とする接合候補線155の残存させる線長、疲労寿命及び接合線・部品形状最適化解析モデル156の剛性に関する最適化解析条件(目的関数又は制約条件)を設定して接合候補線155についての最適化解析を行うことにより、振幅や方向等が時間的に変動する変動荷重が車体に入力する場合において、接合候補線155の長さの最小化、解析対象モデルの剛性向上、部品組みを接合する接合線の疲労寿命の向上のいずれかを目的として達成とする接合線の最適配置を求め、同時に剛性向上に寄与しない部品の軽量化を達成することができる。
このように、接合線と部品形状を同時に最適化の対象とすることで、相互に影響し合う両方(接合線と部品形状)の最適化を効率よく実現することができる。
なお、上記の説明は、車体全体をモデル化した車体モデルを取得し、車体モデルの一部であるリアサブフレームモデル111を解析対象モデルとしたものであった。もっとも、本発明は、車体モデルの全体を解析対象モデルとしてもよいし、車体モデルにおけるリアサブフレームモデル111以外の部位を解析対象モデルとしてもよい。また、車体モデルの一部である車体部分モデルを取得し、該取得した車体部分モデルを解析対象モデルとしてもよい。
また、上記の説明は、リアサブフレームモデル111に初期接合線131はあらかじめ6540mmに設定されている場合を例に挙げたが、初期接合線131の長さはこれに限定されるものではない。
さらに、初期接合線131は、操作者又は他の手段によりリアサブフレームモデル111に予め設定されている場合についてのものであった。もっとも、本発明は、解析対象モデル設定部により、又は、解析対象モデル設定ステップにおいて、操作者が新たに初期接合線131を設定するものや、初期接合線131がすでに設定されている解析対象モデルにさらに追加して初期接合線131を設定してもよい。
なお、本実施の形態は、リアサブフレームモデル111に対して、図5に示す荷重条件及び拘束条件を設定するものであったが、本発明は、解析対象とする車体の部位や実際の車体に作用する変動荷重を想定して、変動荷重条件と拘束条件を適宜設定すればよい。
また、本実施の形態及び実施の形態2の例においては、接合候補線155の疲労寿命の目標性能は、解析対象モデルに設定された初期接合線131の最も短い疲労寿命(最短疲労寿命)に基づいて設定するものであった。
もっとも、本発明は、最適化解析を行う前の初期接合線131に追加接合線153を設定(図6参照)した接合線最適化解析モデル151における接合候補線155の疲労寿命を算出し、該算出した接合候補線155の疲労寿命のうち最短疲労寿命を決定し、以下の関係を満たすように、最適化解析における目標疲労寿命を設定するとよい。
(初期接合線の最短疲労寿命)≦(接合候補線の目標疲労寿命)≦(最適化解析前の接合線を設定した接合候補線の最短疲労寿命)。
さらに、上記の説明は、初期接合線131と追加接合線153の双方を接合候補線155として最適化解析を行うものであったが、追加接合線153のみを接合候補線155とし、初期接合線131は最適化解析の対象とせず、初期接合線131に追加する接合線の最適配置を求めるものであってもよい。
さらに、初期接合線131を接合候補線155に含ませるように設定して最適化解析を行うと、最適化解析において部品組みとして接合する接合候補線155が消失して部品組みがバラバラになり、最適化解析を行うことができなくなってしまうことがある。このような場合には、最適化解析の対象とはしない固定接合線を、各部品組みに少なくとも1つ設けるとよい。
ここで、固定接合線は、例えば、初期接合線131の中から任意に選択してもよいし、固定接合線の候補となる固定接合候補線を設定して解析対象モデルの応力解析又は最適化解析を別途行い、その結果に基づいて固定接合候補線の中から固定接合線を選出してもよい。
また、上記の説明は接合候補線155の疲労寿命又は接合線最適化解析モデル151の剛性を目的関数とするものであったが、接合候補線155の線長を目的関数とし、疲労寿命と剛性を制約条件としてもよい。
本発明の効果を確認する解析を行ったので、これについて説明する。
解析では、図14に示すように、リアサブフレームをモデル化したリアサブフレームモデル111を対象とし、リアサブフレームモデル111を構成する部品モデルを部品組みとして接合する接合線の最適配置を最適化解析により求めた。
リアサブフレームモデル111は、実施の形態で述べたように、部品モデルとして、サイドフレームアッパー112とサイドフレームロア113がアーク溶接で接合されてサイドフレームR211となり、サイドフレームアッパー114、サイドフレームロア115とがアーク溶接接合されてサイドフレームL212となり、クロスメンバアッパー116とクロスメンバロア117がアーク溶接接合されクロスメンバ―フロント213となり、クロスメンバフロント118とクロスメンバリア119がアーク溶接接合されてリアクロスメンバ214となり、これらサイドフレームR211、サイドフレームL212、クロスメンバ―フロント213及びリアクロスメンバ214がさらにアーク溶接接合されて井桁構造となっている。これらの各部品モデルは、平面要素でモデル化されている。
さらに、リアサブフレームモデル111は、部品モデルを部品組みとして接合する初期接合線131が予め設定されている。初期接合線131は、部品モデルの平面要素の節点を結合する平面要素でモデル化され、初期接合線131の長さは6540mmであった。
<発明例>
発明例では、まず、図7に示す変動荷重条件下での初期接合線131の疲労寿命に基づいて目標疲労寿命を設定した。
図7に示す変動荷重条件は、前後方向(入力1)へ±2.5kNの変動荷重が入力する第1の振動パターンの荷重条件(図5(a)参照)と、内側・外側方向(入力2)へ±6.0kNの変動荷重が入力する第2の振動パターンの条件(図5(b)参照)とする。そして、変動荷重条件は、第1の振動パターンの荷重条件を1サイクルと第2の振動パターンの荷重条件を5サイクルとを組み合わせて1シークエンスの変動荷重条件とする。
次に、第1の振動パターンの荷重条件(図5(a))及び第2の振動パターンの荷重条件(図5(b))ごとにリアサブフレームモデル111の応力解析を行い、各振動パターンの荷重条件において初期接合線131に発生する応力を求めた。
続いて、変動荷重条件下において初期接合線131に発生した異なる応力振幅σ1及びσ2が単独で初期接合線131に発生していたときに初期接合線131が破断するまでの繰り返し回数N1及びN2をS-N線図(図8)から求めた。
そして、各応力振幅での破断までの繰り返し回数N1及びN2と、1シークエンスの変動荷重条件における第1の振動パターンの荷重条件及び第2の振動パターンの荷重条件のサイクル数n1(=1サイクル)及びn2(=20サイクル)とを式(1)に代入し、1シークエンスでの累積損傷度dmを求めた。
さらに、式(2)を用いて算出される累積損傷度DMが1以上となるときのシークエンス回数Kを変動荷重条件下での初期接合線131の疲労寿命として算出し、各初期接合線131の疲労寿命のうち最も短い疲労寿命に基づいて目標疲労寿命を設定した。
次に、図6に示すように、リアサブフレームモデル111における初期接合線131の間等に追加接合線153を設定し、初期接合線131と追加接合線153とを接合候補線155として設定した接合線最適化解析モデル151を生成した。
そして、接合線最適化解析モデル151の剛性性能に関する目的関数及び接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの体積に関する制約条件と、接合線最適化解析モデル151に与える変動荷重条件を設定し、変動荷重条件と制約条件の下で目的関数を満たす接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの感度解析を行い、部品モデルの感度に基づいて、剛性性能に対する感度の低い剛性低感度部品モデルを選定する。
具体的には、上述した実施の形態で示したように、接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルにおけるひずみエネルギーの総和の最小化、制約条件として接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの体積制約率を50%、接合線最適化解析モデル151に与える変動荷重条件として、図5(a)および図5(b)に示す変動荷重条件(入力1、入力2)及び拘束条件を設定し、トポロジー最適化における密度法を用いて、該トポロジー最適化により算出される接合線最適化解析モデル151を構成する部品モデルの密度(要素密度)を感度として算出する。
感度解析の結果、要素密度が0.5以下の要素の合計面積が部品全体の表面積の50%以上を占める部品と剛性低感度部品モデルとして選定することとし、その結果、クロスメンバアッパー116、クロスメンバロア117、ブラケット122、クロスメンバフロント118及びクロスメンバリア119の部品モデルを剛性低感度部品モデルとして選定した。
そして、接合線最適化解析モデル151の接合候補線155および剛性低感度部品モデル(ロスメンバアッパー116、クロスメンバロア117、ブラケット122、クロスメンバフロント118及びクロスメンバリア119の部品モデル)を構成する平面要素を設計空間として設定された接合線・部品形状最適化解析モデル156を生成した。
発明例は、この接合線・部品形状最適化解析モデル156を最適化の対象とした。
<比較例>
比較例は、部品形状を最適化の対象としていないので、前述した接合線最適化解析モデル151を最適化の対象とした。
次に、発明例、比較例共に、図5に示す各荷重条件と拘束条件とを与えて最適化解析を行い、最適化解析条件を満たす接合候補線155を求めた。最適化解析には、密度法に基づいたトポロジー最適化を適用し、トポロジー最適化においてペナルティ係数を4に設定して離散化した。
表1に、最適化解析条件の目的関数と制約関数の組み合わせを示す。
Figure 0007363964000005
剛性に関する目的関数は、第1の振動パターンの荷重条件と第2の振動パターンの荷重条件のそれぞれにおける剛性評価点A(図14参照)の変位が、初期接合線131が設定されたリアサブフレームモデル111について応力解析を行ったときの剛性評価点Aの変位以下とするものとした。
また、疲労寿命に関する制約条件は、前述した初期接合線131と同様に、変動荷重条件下における接合候補線155の累積損傷度DMを算出した。そして、各接合候補線155の累積損傷度DMから算出される疲労寿命が目標疲労寿命よりも大きいとするものした。
さらに、接合候補線155の長さ、すなわち接合長さに関する目的関数及び制約条件は、最適化解析により残存させる接合候補線155の長さを初期接合線131の長さ以下とする条件とした。
発明例における部品形状の制約条件は、剛性低感度部品の体積率を50%以下とした。
図15に、発明例における残存した接合候補線155と部品形状の結果の結果を、図16に、比較例における残存した接合候補線155の結果を示す。
なお、図15では、前述した図12で示した例に習い、低感度部品において要素密度が低い部分を穴空き形状として示している。
発明例では、図15に示されるように、ブラケット121とサイドフレームアッパー12の接合部、クロスメンバフロント118とクロスメンバリア119の接合部、クロスメンバフロント118とサイドフレームロア113の接合部等(図15(b)において黒矢印で示す箇所)に接合線が疎に配置された。
これに対して、比較例では、図16に示されるように、ブラケット120、121、122回りには接合線が密に配置され、その他の部位でも発明例よりも全体に密に配置された。
具体的には、後述の表2にも示すように、比較例の溶接長さ(接合線の長さ)が6340mmであるのに対して、発明例の溶接長さが6040mmであった。
次に、発明例及び比較例について性能評価を行うため、発明例については最適化解析により残存した接合候補線155を最適配置の接合線157とし、かつ、要素密度が0.2以下を穴開き形状とした部品形状を設定した最適リアサブフレームモデル158(図15参照)を対象とし、比較例については最適化解析により残存した接合候補線155を設定した解析モデルを対象として剛性と接合線の疲労寿命を算出した。
剛性と疲労寿命の算出においては、図5に示した第1の振動パターンの荷重条件及び第2の振動パターンの荷重条件と拘束条件とを最適接合線リアサブフレームモデル161に与えて応力解析を行った。
剛性については、第1の振動パターンの荷重条件及び第2の振動パターンの荷重条件それぞれでの応力解析により求められた剛性評価点A(図5参照)の変位をそれぞれ指標とした。
疲労寿命については、最適接合線リアサブフレームモデル161の応力解析により求めた接合線の応力を用いて算出した疲労寿命のうち、最短疲労寿命を指標とした。
評価結果を表2に示す。
なお、表2には、溶接長さ及び部品重量も記載している。
Figure 0007363964000006
なお、入力1、2における剛性向上率は、下式によって求めた。
Figure 0007363964000007
発明例の疲労寿命は、元部品に対して大きく向上し、比較例とほぼ同じであった。また、剛性向上率に関し、発明例、比較例ともに元部品に対して向上した。さらに、部品重量に関しては、比較例が16.2kgであったのに対して、発明例は15.5kgであった。発明例の部品重量は、元部品に対して0.7kg(4%)の低減となっている。
このように、本発明によれば、溶接長さ及び部品重量を低減しつつ疲労寿命及び剛性を向上させることができることが実証された。
1 最適化解析装置
3 表示装置
5 入力装置
7 記憶装置
9 作業用データメモリ
11 演算処理部
13 解析対象モデル設定部
15 接合線最適化解析モデル生成部
17 変動荷重条件設定部
18 目標疲労寿命設定部
19 部品剛性感度解析部
20 接合線・部品形状最適化解析モデル生成部
21 最適化解析条件設定部
23 最適化解析部
31 最適化解析装置
33 演算処理部
34 最適化解析部
100 タイヤ入力点
101 車体モデルファイル
111 リアサブフレームモデル
112 サイドフレームアッパー
113 サイドフレームロア
114 サイドフレームアッパー
115 サイドフレームロア
116 クロスメンバアッパー
117 クロスメンバロア
118 クロスメンバフロント
119 クロスメンバリア
120、121、122 ブラケット
131 初期接合線
141 アーク溶接部
151 接合線最適化解析モデル
153 追加接合線
155 接合候補線
156 接合線・部品形状最適化解析モデル
157 接合線
158 最適リアサブフレームモデル
201 車体モデル
203 サイドシル
211 サイドフレームR
212 サイドフレームL
213 クロスメンバ―フロント
214 リアクロスメンバ

Claims (6)

  1. 梁要素および平面要素からなる複数の部品モデルを有してなり、複数の前記部品モデルを部品組みとして接合する初期接合線を有する自動車の車体モデルの全部又は一部について、コンピュータが以下の各ステップを実行し、前記車体モデルの剛性向上、前記車体モデルにおける前記部品組みを接合する接合線近傍の疲労寿命の向上、前記接合線の長さの最小化のいずれかを目的として達成する前記接合線の最適配置を求め、剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状を求める最適化解析を行う車体の接合位置の最適化解析方法であって、
    前記車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとして設定する解析対象モデル設定ステップと、
    前記解析対象モデルに対して前記最適配置の接合線の候補となる全ての接合候補線が設定された接合線最適化解析モデルを生成する接合線最適化解析モデル生成ステップと、
    前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重を複数の異なる振動パターンの荷重条件に分けて、該各振動パターンの荷重条件を所定のサイクル数組み合わせて1シークエンスとする変動荷重条件を設定する変動荷重条件設定ステップと、
    前記接合線最適化解析モデルの目標疲労寿命を前記変動荷重条件のシークエンス回数で設定する目標疲労寿命設定ステップと、
    前記接合線最適化解析モデルの剛性性能に関する目的関数及び前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの体積に関する制約条件と、前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重条件を設定し、該変動荷重条件と前記制約条件の下で前記目的関数を満たす前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの感度解析を行い、前記部品モデルの感度に基づいて、剛性性能に対する感度の低い剛性低感度部品モデルを選定する部品剛性感度解析ステップと、
    前記接合線最適化解析モデルの前記接合候補線および前記剛性低感度部品モデルを構成する平面要素を設計空間として設定された接合線・部品形状最適化解析モデルを生成する接合線・部品形状最適化解析モデル生成ステップと、
    前記接合線・部品形状最適化解析モデルを最適化の対象とする最適化解析を行うために、前記各振動パターンの荷重条件ごとに各接合候補線近傍の破断繰り返し数を求め、前記各振動パターンの荷重条件の前記所定のサイクル数と前記破断繰り返し数との比の、前記目標疲労寿命設定ステップにより設定された前記変動荷重条件のシークエンス回数分の総和を各接合候補線の累積損傷度として求め、最適化解析により残存させる前記接合候補線の累積損傷度に関する条件と、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性に関する条件と、最適化解析により残存させる前記接合候補線の長さに関する条件と、を最適化解析条件である目的関数又は制約条件として設定し、前記剛性低感度部品モデルの体積率に関する制約条件を設定する最適化解析条件設定ステップと、
    前記変動荷重条件設定ステップにおいて設定した前記変動荷重条件を前記接合線・部品形状最適化解析モデルに与え、前記最適化解析条件の下で最適化解析を行い、前記接合候補線の累積損傷度低減、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性向上、前記残存させる前記接合候補線の長さの最小化、のいずれかを目的として達成する前記接合候補線の配置を前記接合線の最適配置として求め、前記剛性低感度部品モデルの残存形状を剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状として求める最適化解析ステップと、を含むことを特徴とする車体の接合位置の最適化解析方法。
  2. 前記最適化解析ステップは、密度法によるトポロジー最適化を行うものであり、該トポロジー最適化においてペナルティ係数を4以上に設定して離散化することを特徴とする請求項1に記載の車体の接合位置の最適化解析方法。
  3. 梁要素および平面要素からなる複数の部品モデルを有してなり、複数の前記部品モデルを部品組みとして接合する初期接合線を有する自動車の車体モデルの全部又は一部について、前記車体モデルの剛性向上、前記車体モデルにおける前記部品組みを接合する接合線近傍の疲労寿命の向上、前記接合線の長さの最小化のいずれかを目的として達成する前記接合線の最適配置を求め、剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状を求める最適化解析を行う車体の接合位置の最適化解析装置であって、
    前記車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとして設定する解析対象モデル設定部と、
    前記解析対象モデルに対して前記最適配置の接合線の候補となる全ての接合候補線が設定された接合線最適化解析モデルを生成する接合線最適化解析モデル生成部と、
    前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重を複数の異なる振動パターンの荷重条件に分けて、該各振動パターンの荷重条件を所定のサイクル数組み合わせて1シークエンスとする変動荷重条件を設定する変動荷重条件設定部と、
    前記接合線最適化解析モデルの目標疲労寿命を前記変動荷重条件のシークエンス回数で設定する目標疲労寿命設定部と、
    前記接合線最適化解析モデルの剛性性能に関する目的関数及び前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの体積に関する制約条件と、前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重条件を設定し、該変動荷重条件と前記制約条件の下で前記目的関数を満たす前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの感度解析を行い、前記部品モデルの感度に基づいて、剛性性能に対する感度の低い剛性低感度部品モデルを選定する部品剛性感度解析部と、
    前記接合線最適化解析モデルの前記接合候補線および前記剛性低感度部品モデルを構成する平面要素を設計空間として設定された接合線・部品形状最適化解析モデルを生成する接合線・部品形状最適化解析モデル生成部と、
    前記接合線・部品形状最適化解析モデルを最適化の対象とする最適化解析を行うために、前記各振動パターンの荷重条件ごとに各接合候補線近傍の破断繰り返し数を求め、前記各振動パターンの荷重条件の前記所定のサイクル数と前記破断繰り返し数との比の、前記目標疲労寿命設定部により設定された前記変動荷重条件のシークエンス回数分の総和を各接合候補線の累積損傷度として求め、最適化解析により残存させる前記接合候補線の累積損傷度に関する条件と、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性に関する条件と、最適化解析により残存させる前記接合候補線の長さに関する条件と、を最適化解析条件である目的関数又は制約条件として設定し、前記剛性低感度部品モデルの体積率に関する制約条件を設定する最適化解析条件設定部と、
    前記変動荷重条件設定部において設定した前記変動荷重条件を前記接合線・部品形状最適化解析モデルに与え、前記最適化解析条件の下で最適化解析を行い、前記接合候補線の累積損傷度低減、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性向上、前記残存させる前記接合候補線の長さの最小化、のいずれかを目的として達成する前記接合候補線の配置を前記接合線の最適配置として求め、前記剛性低感度部品モデルの残存形状を剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状として求める最適化解析部と、を含むことを特徴とする車体の接合位置の最適化解析装置。
  4. 前記最適化解析部は、密度法によるトポロジー最適化を行うものであり、該トポロジー最適化においてペナルティ係数を4以上に設定して離散化することを特徴とする請求項3に記載の車体の接合位置の最適化解析装置。
  5. 梁要素および平面要素からなる複数の部品モデルを有してなり、複数の前記部品モデルを部品組みとして接合する初期接合線を有する自動車の車体モデルの全部又は一部について、前記車体モデルの剛性向上、前記車体モデルにおける前記部品組みを接合する接合線近傍の疲労寿命の向上、前記接合線の長さの最小化のいずれかを目的として達成する前記接合線の最適配置を求め、剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状を求める最適化解析を行う車体の接合位置の最適化解析プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記車体モデルの全部又は一部を解析対象モデルとして設定する解析対象モデル設定部と、
    前記解析対象モデルに対して前記最適配置の接合線の候補となる全ての接合候補線が設定された接合線最適化解析モデルを生成する接合線最適化解析モデル生成部と、
    前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重を複数の異なる振動パターンの荷重条件に分けて、該各振動パターンの荷重条件を所定のサイクル数組み合わせて1シークエンスとする変動荷重条件を設定する変動荷重条件設定部と、
    前記接合線最適化解析モデルの目標疲労寿命を前記変動荷重条件のシークエンス回数で設定する目標疲労寿命設定部と、
    前記接合線最適化解析モデルの剛性性能に関する目的関数及び前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの体積に関する制約条件と、前記接合線最適化解析モデルに与える変動荷重条件を設定し、該変動荷重条件と前記制約条件の下で前記目的関数を満たす前記接合線最適化解析モデルを構成する前記部品モデルの感度解析を行い、前記部品モデルの感度に基づいて、剛性性能に対する感度の低い剛性低感度部品モデルを選定する部品剛性感度解析部と、
    前記接合線最適化解析モデルの前記接合候補線および前記剛性低感度部品モデルを構成する平面要素を設計空間として設定された接合線・部品形状最適化解析モデルを生成する接合線・部品形状最適化解析モデル生成部と、
    前記接合線・部品形状最適化解析モデルを最適化の対象とする最適化解析を行うために、前記各振動パターンの荷重条件ごとに各接合候補線近傍の破断繰り返し数を求め、前記各振動パターンの荷重条件の前記所定のサイクル数と前記破断繰り返し数との比の、前記目標疲労寿命設定部により設定された前記変動荷重条件のシークエンス回数分の総和を各接合候補線の累積損傷度として求め、最適化解析により残存させる前記接合候補線の累積損傷度に関する条件と、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性に関する条件と、最適化解析により残存させる前記接合候補線の長さに関する条件と、を最適化解析条件である目的関数又は制約条件として設定し、前記剛性低感度部品モデルの体積率に関する制約条件を設定する最適化解析条件設定部と、
    前記変動荷重条件設定部において設定した前記変動荷重条件を前記接合線・部品形状最適化解析モデルに与え、前記最適化解析条件の下で最適化解析を行い、前記接合候補線の累積損傷度低減、前記接合線・部品形状最適化解析モデルの剛性向上、前記残存させる前記接合候補線の長さの最小化、のいずれかを目的として達成する前記接合候補線の配置を前記接合線の最適配置として求め、前記剛性低感度部品モデルの残存形状を剛性性能に対する感度の低い前記部品モデルの最適形状として求める最適化解析部と、して実行させる機能を有することを特徴とする車体の接合位置の最適化解析プログラム。
  6. 前記最適化解析部は、密度法によるトポロジー最適化を行うものであり、該トポロジー最適化においてペナルティ係数を4以上に設定して離散化することを特徴とする請求項5に記載の車体の接合位置の最適化解析プログラム。
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