JPWO2004096473A1 - 高速加工工具 - Google Patents
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Abstract
Description
従来の切削方法では、潤滑作用の促進と刃先冷却を目的として切削油が用いられており、高速切削では特に切削油が必要とされてきた。しかし、切削油を使用すると異臭、汚れ、及び油煙の発生等により作業環境の悪化を招き、廃油処理に伴い環境汚染の問題が生じるだけでなく、工具の腐食が生じることもある。そこで、切削油を用いない乾式切削が望まれており、そのためには耐摩耗性、耐欠損性、潤滑性、及び耐熱性を有する切削工具の開発が必要となる。そして、高速域でも上記の特性を有することが望ましい。
乾式切削のための工具としては、硬質材料に硬度の高い被膜を予め形成させ耐久性を向上させた工具が報告されている。例えば、Ti−Al−N−C系のコーティングを施した高速度工具鋼(特開平11−300518号公報を参照)、TiCN、TiAlN、SiC、及びAl2O3といった成分の被覆層を有する超硬合金(特開2000−336489号公報及び特開2001−293611号公報を参照)が挙げられる。これらの被覆層の形成には、CVDやPVDといった方法が用いられている。さらに、タングステンカーバイドにClやSといった元素をイオン注入して耐摩耗性を向上させる試みも為されている(米国特許第5038645号明細書を参照)。
しかし、母材に被覆を施す従来の方法では、母材とは異なる材質である被覆層を成膜する結果、両者の間で剥離が起こりやすい。接着性を高めるため複数の層を形成させる方法も試みられているが、工程が複雑になる。さらに、高硬度の被覆層を形成しても靱性が低く、被切削材によっては欠損が発生して工具寿命が充分ではない場合がある。それに加え、高硬度被覆層で被削体を切削すると切屑が被覆層に付着するため、高速域での切削抵抗が充分に低減されないという問題が生じる。タングステンカーバイドのイオン注入では中速域(例えば、切削速度91m/分まで)の条件で耐摩耗性の改善がみられるものの、その性能は被覆工具には及ばない。
このような問題のため、現在の鋼の切削加工速度は切削油を用いた場合でも最大で150〜200m/minとすることが多く、乾式切削では100/min以下とすることが多い。従って、高速域での乾式切削が困難であるのが実状である。
本発明者らは鋭意研究の結果、加工用部品の表層にハロゲン元素を添加して被加工材を高速で接触させると、該ハロゲン元素の酸化促進効果に伴って耐摩耗性や潤滑性といった特性が改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明によれば、加工用部品及び被加工材を高速で摩擦させて界面反応を起こし、それにより加工用部品表面を修飾して摩耗特性を改善することができる。従って、修飾表面が摩耗した場合には適宜高速処理を行うことにより、修飾表面を再生することができる。本発明の加工工具を使用すると、その優れた潤滑性により、潤滑油を使用することなく高速加工が可能となる。
上記の様な本発明の利点は、Ti酸化物相及び/又はTi含有複合酸化物相(ただしTiの原子価が2価より大きく4価未満である)を含む自己潤滑層に起因すると考えられる。そして、該自己潤滑膜が高速域での加工工程においてインプロセスで生成及び再生しうる点にも特徴を有する。
即ち本発明の要旨は、硬質材料を母材とし、母材表面から1μm以内において、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素の濃度が0.2mol%から10mol%の範囲にある高速加工用部品に存する。母材の外側にTiとC及び/又はNとを含むコーティング層を有する場合には、コーティング層の表面から1μm以内において、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素の濃度が0.2mol%から10mol%の範囲にある高速加工用部品にも存する。フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素は、イオン注入により添加できる。本発明の加工用部品を被加工材に対して150m/分以上の速度で接触させ、高速加工用部品を製造することができる。
さらに本発明の要旨は、被加工材に対して150m/分以上の速度で接触させる処理を行った上記の高速加工用部品にも存する。
また本発明の要旨は、被加工材と接する面に自己潤滑膜をさらに有する上記の高速加工用部品にも存する。自己潤滑膜は、被加工材に対して150m/分以上の速度で接触させることにより生成する。自己潤滑膜の生成に用いる被加工材として、表層にTiを含有する材が挙げられる。自己潤滑膜はTi酸化物及び/又はTi含有複合酸化物を含有し、該酸化物及び/又は複合酸活物におけるTiの平均原子価が2価より大きく4価未満であり、自己潤滑膜中のTiの量をTiO2に換算した場合、(換算TiO2重量/自己潤滑膜の重量)で表される重量比が5%以上である。
本発明の要旨は、上記の加工用部品を用いた高速加工方法にも存する。また、上記の加工用部品を含む高速切削工具にも存する。本発明の高速切削工具では、切り込み深さ1.0mm、送り0.1mm/rev、切削速度400m/min、及び切削距離500mの条件で切削を行った後の工具逃げ面の摩耗幅VBを70μm以下にすることができる。また、切削油を用いずに切削速度150m/分以上で切削することができる。
図2は、イオン注入P10工具、TiNコーティングP10工具、及び未処理のP30工具について、切削抵抗合力の切削速度依存性を示す。
図3は、イオン注入P10工具、TiNコーティングP10工具、及び未処理のP30工具について、送り分力の切削速度依存性を示す。
図4は、イオン注入P10工具について、摩擦係数の切削速度依存性を示す。
図5は、イオン注入P10工具の摩耗試験の結果を示す。
図6は、Ti脱酸鋼の切削に使用したイオン注入P10工具の断面観察の結果を示す。
図7は、Ti脱酸鋼の切削に使用したイオン注入P10工具の断面についてXMAにより元素分析を行った結果を示す。
図8は、切削後のTiNコーティング工具(上段)及びイオン注入TiNコーティング工具(下段)の表面について測定したXPSの結果を示す。
図9は、切削後のイオン注入TiNコーティング工具表層について4カ所で行った視野制限電子回折の結果を示す。
図10は、イオン注入を行ったTiCNコーティング工具及びイオン注入を行わなかったTiCNコーティング工具について行った切削試験の結果を示す。
図11は、イオン注入を行ったTiCNコーティング工具を用いて切削した後の工具逃げ面摩耗幅を示す。切削速度を500m/min、切削距離を500m又は1000mとした。
図12は図11の条件で切削した後の逃げ面摩耗状態を観察した断面図である。
図13は、イオン注入を行ったTiCNコーティング工具についてTi脱酸鋼を被削材として行った切削試験後、逃げ面と工具断面(挿入図)を観察した結果を示す。逃げ面の観察はレーザー顕微鏡により、工具断面の観察は光学顕微鏡により行った。挿入図の上図は縦26mmx横60mmの領域に対応し、下図は縦80μmx横100μmに対応する。
図14は、イオン注入を行わなかったTiCNコーティング工具についてAl脱酸鋼を被削材として行った切削試験後、逃げ面と工具断面(挿入図)を観察した結果を示す。逃げ面の観察はレーザー顕微鏡により、工具断面の観察は光学顕微鏡により行った。挿入図の上図は縦26mmx横60mmの領域に対応し、下図は縦80μmx横100μmに対応する。
詳細な説明
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高速加工用部品の母材は、被加工材の材質や加工形状に応じて適宜選択することができ、硬質材料が好ましい。硬質材料はJIS B 4053に規定される超硬質工具材料、セラミックス、及び超高圧焼結体を含み、溶融法によって作られる金属材料よりも硬い焼結材料を指す。例えば、合金工具鋼、炭素工具鋼、高速度工具鋼、粉末高速度工具鋼、超硬合金、サーメット、セラミックス、鍛造用型鋼、熱間ダイス鋼、冷間ダイス鋼、軸受鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼、アルミニウム及びその合金、チタン及びその合金、モリブデン及びその合金、タングステン及びその合金を使用することができる。
母材にはコーティングを行ってもよいし、行わなくてもよい。コーティング層の材料としては、TiとC及び/又はNとを含む材料といった高硬度材料が好ましい。例えば、TiC、TiN、TiCN、及びTiAlCNなどが挙げられる。上記の材料において、Tiの一部が他の金属元素で置換されてもよい。また、複数のコーティング層を積層してもよい。
母材にコーティングを行わない場合、該母材表面から10μm以内、好ましくは5μm以内、さらに好ましくは1μm以内の表層において、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素が添加される。母材にコーティングを行う場合には、該コーティング層の表面から10μm以内、好ましくは5μm以内、さらに好ましくは1μm以内の表層において、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素が添加される。上記元素がコーティング層だけでなく母材に及んでもよい。上記元素の存在する領域が薄すぎると耐久性が悪くなり、厚すぎると元素の注入工程が煩雑となる。
フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素の濃度は0.2mol%以上、好ましくは0.5mol%以上、さらに好ましくは1mol%以上であり、20mol%以下、好ましくは10mol%以下、さらに好ましくは8mol%以下である。濃度が低すぎると潤滑性が改善され難くなり、高すぎると母材及び/又はコーティング層の結晶構造に損傷を与えることがある。ここでxμm以内での該元素の濃度とは、XPSにより元素濃度の深さ方向の分布を測定し、元素濃度を深さに対してプロットした場合の、深さ0−xμmの範囲における最大元素濃度をいう。
フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素の添加方法としては、イオン注入法が挙げられる。イオン注入にあたり各種公知の装置及び条件を使用することができ、イオン注入の表面濃度及びエネルギーは、上記の表層濃度を充たすよう母材及び/又はコーティング層に依存して選択することができる。例えば、表面濃度は1x1015ions/cm2以上、好ましくは1x1016ions/cm2以上であり、1x1018ions/cm2以下、好ましくは5x1017ions/cm2以下である。加速エネルギーは20keV以上、好ましくは30keV以上、500keV以下、好ましくは200keV以下にすることができる。
上記以外の元素であっても、加工工程で酸化剤として寄与しうる状態で加工用部品の表層に含有される元素であれば、上記元素に代えて又は上記元素と併せて使用することができる。
母材には、さらにTiが含有されてもよい。Tiの形態として特に制限はないが、例えば炭化チタン、金属Ti、酸化チタン、窒化チタンが挙げられる。これらのTi化合物は少なくとも母材表層に存在すればよく、母材の特性に影響が生じなければTi濃度に特に制限はない。例えば母材が超硬合金である場合、0.2mol%以上、好ましくは1.0mol%以上であり、30mol%以下、好ましくは15mol%以下にすることができる。
本発明の加工用部品がTi含有コーティング層を有しない場合には、母材がTiを含有することが好ましく、母材表面から20μm、好ましくは10μm、さらに好ましくは1μmの表層において、Tiを上記の濃度で存在させることができる。Ti濃度が低すぎると耐摩耗性、潤滑性、耐欠損性等の特性の改善が充分でないことがあり、Ti濃度が高すぎると母材の硬度や強度といった特性が損なわれることがある。ただし、Tiを含有する被加工材を使用するといった方法で外部からTiを供給してもよい。ここで表面からyμmの表層におけるTi濃度とは、表面からyμm以内の領域における平均Ti濃度をいう。
加工用部品がコーティング層を有する場合、部品表面から20μm、好ましくは10μm、さらに好ましくは1μmの表層において、Ti濃度が0.2mol%以上、好ましくは1.0mol%以上であり、80mol%以下、好ましくは60mol%以下、より好ましくは30mol%以下、さらに好ましくは15mol%以下である。Tiが上記濃度で存在する領域がTi含有コーティング層であってもよい。
該フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される1種以上の元素を添加した加工用部品を高速で被加工材と接触させる表面処理により、耐摩耗性、耐欠損性、潤滑性、及び耐熱性等の特性を改善することができる。ここで高速とは、加工用部品と被加工材との相対速度が150m/分以上、好ましくは200m/分以上、さらに好ましくは250m/分以上であることをいう。相対速度に上限はないが、1000m/分以下である場合には、加工用部品の耐久性を保持しやすい。この高速での表面処理は、潤滑油なしで行うことができる。
加工用部品がTi含有コーティング層を有さず、母材がTiを実質的に含まず、かつTiを含有しない被加工材に使用する場合には、加工用部品をTi含有被加工材と予め高速接触させて(以下、この処理を「予備高速処理」と表記する)潤滑性を向上させておくことが好ましい。母材がTiを含有している場合には、予備高速処理をしなくても加工プロセス中に潤滑性を向上させることができる。ただし予備高速処理を行うことにより、使用開始直後から優れた特性が得られるだけでなく、潤滑性等の特性を最適化することができる。
加工用部品がTi含有コーティング層を有する場合、予備高速処理なしで加工プロセス中に潤滑性の向上を図ることができる。ただし予備高速処理を行うことにより、使用開始直後から優れた特性が得られるだけでなく、潤滑性等の特性を最適化することができる。
被加工材に特に制限はないが、Ti脱酸鋼といったTi含有材料である場合には潤滑性の向上において有利である。特に被加工材の表層にTiが存在すると、予備高速処理における潤滑性の付与及び加工プロセスにおける潤滑性の保持において有利である。
加工用部品に潤滑性を付与した後、被加工材との接触面が摩耗して潤滑性が低下した場合には、再度Ti含有被加工材と高速接触させて潤滑性を付与することもできる。界面反応にTiを供給するという観点からは、該Ti含有被加工材が少なくとも表層にTiを含有することが好ましい。
上記の処理によって耐摩耗性や潤滑性が改善される理由は必ずしも明らかではないが、加工用部品が被加工材と接触する面に形成される自己潤滑膜が寄与しているとも考えられる。ここで自己潤滑膜とは、加工用途に供する前に外部から付着させた被覆層(例えばTi含有コーティング層)ではなく、加工用部品自体に由来した反応により生成する潤滑膜を指す。加工用部品がコーティング層を有する場合には、そのコーティング層の上に自己潤滑膜が形成され、コーティング層を有さない場合には、母材上に自己潤滑膜が形成される。
この様な過程で生成される潤滑膜は、従来の被覆層と異なり、摩耗が生じても随時再形成されて安定な性能を示すという利点がある。さらにコーティング層を形成する工程を省略することができ、保護層と母材との接着性も強化することができる。また、該自己潤滑膜は、被削材が加工用部品の表面に堆積することを抑制できる。
該自己潤滑膜の厚みには、本発明の効果を奏すれば特に制限はないが、例えば0.05μm以上10μm以下である。
該自己潤滑膜の成分としては、耐摩耗性、潤滑性等を付与する成分であれば特に制限はないが、負荷する面圧に応じて剪断変形可能である場合には、潤滑性が向上できるため好ましい。そのような成分としては、例えばTiOx(1<x<2)で表されるTi酸化物、各種のMo酸化物、W酸化物、及びNb酸化物が挙げられる。Ti酸化物相としては、TinO2n−1(n:整数)で表されるMagneli相が挙げられる。また、Ti、Mo、W、及びNbからなる群より選択される1種以上の元素を含有する複合酸化物も挙げられる。複合酸化物の場合、Si及び/又はMnが含まれてもよく、例えばMnTiO3であってもよい。自己潤滑膜が上記の相の1種類のみを含有してもよく、複数の種類を含有してもよい。
自己潤滑膜のTiは本発明の加工用部品から供給されてもよく、被削材から供給されてもよい。加工用部品がコーティング層を有する場合、Tiはコーティング層から供給でき、加工用部品がコーティング層を有さない場合、Tiは母材から供給できる。
Ti酸化物及び/又はTi複合酸化物が自己潤滑膜中に含有される場合、Tiの平均原子価は2価より大きく4価未満でありうる。加工用部品がTi含有コーティング層を有さない場合には、自己潤滑膜中のTiの量をTiO2に換算した重量(以下、換算TiO2重量とする)が自己潤滑膜中に占める割合:
換算TiO2重量/自己潤滑膜の重量×100 (%)
を5%以上、好ましくは10%以上にすることができる。Ti含有コーティング層を有する場合には、換算TiO2重量の割合を10%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは40%以上とすることができる。換算TiO2重量の上限に特に制限はなく、自己潤滑膜がTi化合物のみで構成されてもよい。ただし、被削材に由来する成分の混入等により、換算TiO2重量の割合は90%以下、例えば80%以下となることが多い。
本明細書で、自己潤滑膜の重量は実施例3の通り求めた値を用いる。つまり、XPSでW,Si,Mn,Al,及びTiについて測定を行い、それぞれWC、SiO2、MnO,Al2O3,及びTiO2として存在すると仮定してそれらの重量の総和を求め、その値を自己潤滑膜の重量とする。換算TiO2重量とは、全てのTiがTiO2として存在すると仮定した場合のTiO2の重量を指す。
高速で摩擦させることにより自己潤滑膜が生成する機構は必ずしも明確ではないが、例えば母材表層に高圧力の負荷が印加された環境下では、母材中のハロゲン元素が1価の負イオンに還元されるのに伴いTiを酸化し、上記のTi中間酸化物層が形成されているとも考えられる。
本発明において高速加工とは、加工部品と被加工材との相対速度が150m/分以上、好ましくは200m/分以上、さらに好ましくは250m/分以上での加工を指す。本発明の加工部品を使用すれば、潤滑油を使用せずに乾式加工(例えば、乾式切削)を行うことができる。
本発明の高速加工用部品は、被加工材と高速で接触して摩擦を生じる部位であれば何れの器具にも使用することができる。例えば、ドリル、フライス、シェービングカッタ、ホブ、エンドミルといった切削工具、熱間鍛造型及び冷間鍛造型といった各種の金型、及び摺動部品に使用することができる。切削工具に使用した場合、耐久性を改善して長寿命にすることができ、加工精度の向上も図ることができる。
本発明の切削工具では、工具逃げ面上に自己潤滑膜が形成されるため、摩耗が抑制される。切削工具の交換又は再研削は工具の逃げ面摩耗幅VBが200〜300μmに達した時点で行われるのが通例であり、VBは摩耗の程度を示す良い指標となる。本発明の切削工具では、切り込み深さ1.0mm、送り0.1mm/rev、切削速度400m/min、及び切削距離500mの条件で乾式切削を行った場合の摩耗幅を70μm以下、好ましくは60μm以下にすることができる。また、切削速度Vm/min及び切削距離500mの条件で乾式切削を行った後の摩耗幅VBμmについて、本発明の工具では
VB ≦VB0+0.06375・V
(ただしVは100m/min以上500m/min以下であり、VB0は30μmである)
の条件を充足しうる。この様に、高い切削速度Vでも摩耗幅VBが抑制されているため、切削工具を長寿命化することができる。なお、上記の摩耗幅の測定のための乾式切削条件は実施例1及び5に記載の通りである。
<被削材>
実施例で使用した被削材はAl脱酸鋼及びTi脱酸鋼である。これらの鋼は、100kg高周波誘導炉によってS45C組成の鋼を溶製し、50kg鋼塊に分注の際にTi及びAlで脱酸処理し、鋼塊を熱間圧延によってφ75mmとし、焼きならし処理をすることによって作成した。その化学組成は表1の通りである。脱酸処理にTiを用いると、鋼材中のTi濃度が高くなることがわかる。
<切削工具の作成>
未処理のP10種相当品工具(組成:WC−TiC(TaC)30%−Co10%、住友電工社製、形状:TNUN331(三角型チップ)、型番:ST10P)、TiNコーティングを行ったP10種相当品工具(P10種相当品工具にTiCN−Al2O3−TiNの順で多層コーティングを行ったもの、三菱マテリアル社製、形状:P10工具と同等、型番:UE6005)、及びTiCNコーティングを行ったP10種相当品工具(P10種相当工具品にTiC及びTiNの超薄膜を交互に蒸着したもの、住友電工社製、形状:TNUN331、型番:K29J)に塩素を用いてイオン注入を行った。イオン注入の条件は、何れも100keV及び1x1017ion/cm2とした。イオン注入は、すくい面のみに行った。XPSで測定した最大塩素濃度は5mol%であった。
コーティングを行っていないP10種相当品工具のTi濃度は23mol%であり、コーティングを行った工具の表面Ti濃度は50mol%であった。なお、コーティング膜厚は1−5μmであった。
<実施例1> 非コーティング工具の切削抵抗試験
イオン注入を行ったP10工具及びイオン注入を行わずTiNコーティングを行ったP10工具について、低速から高速域での乾式切削試験を行い切削抵抗を測定した。比較のため、幅広い切削用途に用いられるP30工具(イオン注入や被覆処理をしていない未処理品、組成 WC−TiC(TaC)8%−Co10%、三菱マテリアル社製、形状:P10工具と同等、型番:UT20T)についても併せて試験を行った。切削条件は、以下の通りであった。
切り込み深さ Dc:1.0mm
送り f:0.1mm/rev
被削材 表1のAl脱酸鋼及びTi脱酸鋼
切削速度 同一の工具で10m/分から300m/分まで増加
切削時に工具に加わる力や自己潤滑膜の生成について、図1に示す。
図2に、切削抵抗合力(R)の切削速度依存性を示す。何れの工具も中速域(40〜100m/min)に極大値を有し、高速になるにつれて減少するが、イオン注入工具は高速域で特徴的な挙動を示した。
まず20から50m/minでは、イオン注入工具の方がTiNコーティング工具と比較して切削抵抗合力が大きく、しかも速度の増加に伴う抵抗合力の上昇の割合も大きいことがわかる。しかし切削速度をさらに上げると、イオン注入工具の方が低いRを示した。つまり中速域の結果とは異なり、高速域ではイオン注入工具の方が高い潤滑性が得られることがわかる。例えば300m/minにおけるイオン注入工具でのRの値は、TiNコーティング工具の値から12%減少した。
P30種相当工具と本発明の工具を比較すると、中速域でも有利な効果が得られる。切削速度50m/min以上では、P30種工具と比較して本発明の工具ではRが約20%低下した。
同様の現象は、送り分力(Fs;図3)でも観測された。切削速度300m/minにおいて、本発明の工具では、TiNコーティング工具と比較してFsを10〜15%削減することができた。P30種相当工具と比較しても、切削速度50m/min以上でFsを約25%削減することができた。この様に、本発明により、コーティングを行わなくても母材にイオン注入を行うことにより、加工力を大きく減じることができる。
さらに、主分力(Fc)及び送り分力(Fs)から幾何学的に算出される工具−切屑接触面の摩擦係数(μ;図4)でも、高速域でイオン注入工具が優れた特性を示した。例えば300m/minにおける摩擦係数について、イオン注入工具の値がTiNコーティング工具と比較して10%減少し、耐摩耗性に優れていることを示している。P30種相当工具と比較しても、切削速度50m/min以上において摩擦係数が約10%減少した。この様に、本発明により、工具−切削接触面の摩擦係数も低減することができる。
イオン注入工具の切削試験では、Ti濃度の異なる2種類の被削材(Ti脱酸鋼及びAl脱酸鋼)を用いたが、Ti含有量が多い被削材(Ti脱酸鋼)の方が高い性能が得られた。この結果は、被削材にTiが存在すると本発明の切削工具の潤滑性がさらに向上することを示している。
<実施例2> イオン注入を行った非コーティング工具の摩耗特性
P10イオン注入工具について乾式切削による摩耗試験を行った。試験の条件は下記の通りである。
切削速度 V:50〜250m/分
切削距離 500m
(切削時間は切削速度に依存し、例えばV=50m/minでは10分、250m/minでは2分となる)
被削材:上記のAl脱酸鋼及びTi脱酸鋼
その他の条件は実施例1と同様にした。
試験後の工具すくい面摩耗深さ(kT)と逃げ面摩耗幅(VB)を測定し、摩耗を評価した(図5)。図5に示す通り、Ti脱酸鋼を被削材とした方がkT及びVBが小さく、摩耗特性が改善されることがわかる。
<実施例3> イオン注入を行った非コーティング工具の自己潤滑膜の分析
実施例1と同様の切削に用いたイオン注入P10工具について、生成した自己潤滑膜を光学顕微鏡により観察した(図6)。その結果、被削材との接触面に膜が形成されていることが観察された。
該膜組成をXAMにより測定した(図7)。図7に示すように、被削材との接触面近傍にTi−Mn−Si複合酸化物が生成していることがわかる。
なお図7では、該膜領域でW、Si、Mn、Al、及びTiについて測定を行い、それぞれWC、SiO2、MnO、Al2O3、及びTiO2として存在すると仮定して重量を計算し、その総和を100%とした。そして、上記のように仮定した各化合物について求めた重量%の値を、図7中に各元素について表記した。例えばTiについて、
TiO2/(WC+SiO2+MnO+Al2O3+TiO2)×100 (%)
で表される重量比を表記した。ただし、W、Si、Mn、Al、及びTiは、実際にはWC、SiO2、MnO、Al2O3、及びTiO2と異なる形態で存在しうる。図7中における(aSiO2−bMnO−cTiO2)という表記は、Si/Mn/Tiのモル比が概略a/b/cであることを示す。
<実施例4> イオン注入TiNコーティング工具の自己潤滑膜分析
イオン注入TiNコーティング工具を用いて実施例1と同様にして切削を行った後、自己潤滑膜についてXPSにより元素分析を行い(図8)、結晶構造を制限視野電子回折(SAED)により調べた(図9)。図8には、イオン注入を行わなかったTiNコーティング工具の結果も比較のため示した。図9の上段及び下段のスペクトルは同一の分析装置及び条件で測定しており、両者でピークの絶対強度を比較することができる。Tiに由来するピークの強度を比較すると、イオン注入を行った工具では、行わなかった工具と比較して表面のTi濃度が高いことがわかる。イオン注入を行わなかった工具ではFe由来の強いピークが観測され、表層に被削材が堆積していることを示唆している。それに対し、本発明のイオン注入工具ではTiのピークが強く観測され、被削材の堆積が抑制されると共にTi含有自己潤滑膜が形成されることを示唆している。
図8にはTiO2とTiNのピークのみ帰属を示したが、Ti原子価が2価より大きく4価未満であるTi酸化物及び/又は複合酸化物相のTiのピークは、TiO2のピークより低束縛エネルギー側のショルダーになっていると推測される。そして、これらのTi酸化物相が存在することは図9の電子回折より裏付けられる。
図9中には、回折パターンから同定した相も表記した。Tiの原子価が2価より大きく4価未満であるTi酸化物相(Magneli相を含む)が形成されることがわかる。図9の結果は、Ti酸化物相を含む自己潤滑膜が生成していることを示している。
<実施例5> イオン注入を行ったTiCNコーティング工具の切削試験
イオン注入したTiCNコーティングP10工具について、切り込み深さ(Dc)1.0mm、送り(f)0.1mm/rev、切削距離500mの条件で切削を行い、摩耗特性を調べた(図10)。被削材としては、前述のAl脱酸鋼及びTi脱酸鋼を用いた。比較のため、イオン注入を行わなかったTiCNコーティング工具についても試験を行った。
イオン注入を行わなかった場合、切削速度が300m/minを超えると摩耗幅VBが急増し、500m/minでは切削が困難となった。それに対し本発明のイオン注入工具では、切削速度が500m/minでも切削が可能であり、摩耗が抑制されていることがわかる。特に被削材がTi脱酸鋼である場合には、切削速度が300m/min以上でも摩耗幅の増加が緩慢であり、高速域である切削速度500m/minで500m切削後のVBが57μmに留まっている。工具の交換をVB=200μmで行うとしても、1700m以上の切削を行うことができると予想される。
切削速度500m/minにおける工具摩耗幅VBと切削距離との関係を図11に示す。被削材がAl脱酸鋼である場合、VBは切削距離の増加にほぼ比例して増加した。それに対しTi脱酸鋼では、切削距離が500mを超えるとVBの増加が鈍化することがわかる。切削距離500m〜1000mの間のVB増加量について比較すると、Ti脱酸鋼での値はAl脱酸鋼での値の1/6にすぎない。
この様な差異が生じる原因としては、工具逃げ面に形成する自己潤滑膜の性質の違いが挙げられる。自己潤滑膜は、図12中にBelagと表記した領域に該当する。被削材としてTi脱酸鋼といったTi含有材を使用すると、Ti含有酸化物相を含む自己潤滑膜が形成され、切削仕上げ面の擦過から工具逃げ面を有効に保護していると推測される。
実施例5の切削試験に使用した工具について、逃げ面の表面をレーザー顕微鏡で観察し、工具断面を光学顕微鏡で観察した。
図13は、イオン注入したTiCNコーティングP10工具について、Ti脱酸鋼を被削材とし切削距離を500mとする条件で上記試験を行った後、レーザー顕微鏡(走査型レーザー顕微鏡、レーザーテック社製、1LM21W)及び光学顕微鏡で観察した結果を示す。逃げ面の表面に生じている斜面が、切削中に生成した自己潤滑膜を反映する。断面図で観察される濃い領域が、自己潤滑膜に対応すると考えられる。
図14は、イオン注入を行わなかったTiCNコーティングP10工具について、Al脱酸鋼を被削材とし切削距離を500mとする条件で上記試験を行った後、レーザー顕微鏡及び光学顕微鏡で観察した結果を示す。図14では、図13と異なり、明瞭な自己潤滑膜の生成が認められない。これらの結果は、ハロゲンをイオン注入し、Tiを含有する被削材を用いることによって、自己潤滑膜の生成が促進されることを示唆する。
Claims (16)
- 硬質材料を母材とし、母材表面から1μm以内において、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素の濃度が0.2mol%から10mol%の範囲にある高速加工用部品。
- 硬質材料を母材とし、母材の外側にTiとC及び/又はNとを含むコーティング層を有し、コーティング層の表面から1μm以内において、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素の濃度が0.2mol%から10mol%の範囲にある高速加工用部品。
- コーティング層がTiC、TiN、TiCN、及びTiAlCNからなる群より選択される1種以上を含有する請求項2に記載の部品。
- フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素がイオン注入により添加された請求項1−3の何れかの部品。
- 加工用部品表面から1μm以内において、Tiの濃度が0.2mol%から80mol%の範囲にある請求項1−4の何れかの部品。
- 母材が超硬合金である請求項1−5の何れかに記載の部品。
- 請求項1−6の何れかに記載の部品を被加工材に対して150m/分以上の速度で接触させることにより製造した高速加工用部品。
- 被加工材と接する面に自己潤滑膜をさらに有する請求項1−6の何れかに記載の部品。
- 自己潤滑膜が被加工材に対して150m/分以上の速度で接触させることにより生成した膜である請求項8に記載の部品。
- 自己潤滑膜の生成に用いる被加工材が表層にTiを含有する請求項9に記載の部品。
- 自己潤滑膜がTi酸化物及び/又はTi含有複合酸化物を含有し;該酸化物及び/又は複合酸活物におけるTiの平均原子価が2価より大きく4価未満であり;自己潤滑膜中のTiの量をTiO2に換算した場合、(換算TiO2重量/自己潤滑膜の重量)で表される重量比が5%以上である請求項8−10の何れかに記載の部品。
- 請求項1−11の何れかに記載の部品を物品と相対速度150m/分以上の速度で接触させて該物品を加工する工程を含む、高速加工方法。
- 請求項1−11の何れかに記載の部品を含む高速切削工具。
- 切り込み深さ1.0mm、送り0.1mm/rev、切削速度400m/min、及び切削距離500mの条件で切削を行った後の工具逃げ面の摩耗幅VBが70μm以下である請求項13又は14の高速切削工具。
- 請求項13又は14に記載の切削工具により、切削油を用いずに切削速度150m/分以上で物品を切削する工程を含む、切削方法。
- 請求項1−6の何れかに記載の部品を被加工材に対して150m/分以上の速度で接触させる工程を含む、高速加工用部品の製造方法。
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