JPH0726386A - 耐酸化性および耐摩耗性に優れた硬質皮膜 - Google Patents
耐酸化性および耐摩耗性に優れた硬質皮膜Info
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Abstract
膜の優れた特徴を生かしつつ、耐酸化性および耐摩耗性
を更に改善した硬質皮膜を提供する。 【構成】 TiN皮膜または(Ti,Al)N皮膜に、
Ta,Niおよび白金族元素よりなる群から選ばれる1
種以上の元素を5〜60原子%の割合で含有させたもの
である。あるいは、Ta,Niおよび白金族元素よりな
る群から選ばれる1種以上の元素の全部又は一部に替え
て、ハロゲン元素を0.05〜30原子%となる様に含
有させたものである。
Description
工,穿孔加工等の加工に使用される切削工具の表面コー
ティング材として有用な硬質皮膜に関し、特に耐酸化性
および耐摩耗性を改善した硬質皮膜に関するものであ
る。
耗性部材を製作する場合は、耐摩耗性等の性能をより優
れたものとする目的で、工具基材の表面にTi等の窒化
物や炭化物よりなる耐摩耗性皮膜を形成することが行な
われている。
成時の熱的脆化によって昇温する工具すくい面に生じる
クレータ摩耗と、被削材との機械的な擦り摩耗によって
工具逃げ面に生じるフランク摩耗がある。そしてクレー
タ摩耗を低減する上で必要な特性は、耐熱性および耐酸
化性であり、フランク摩耗を低減する上で必要な特性は
高硬度であるということができる。従って、表面被覆切
削工具を更に高性能化するためには、上記の様な諸特性
を全て満足する耐摩耗性皮膜を工具基材表面に形成して
やる必要がある。
ティング法によるTiNやTiCが汎用されている。な
かでもTiNは、ビッカース硬度(Hv)が2000k
g/mm2 以下であり、TiCに比べると低硬度である
ため、フランク摩耗に対して耐久性が低いという欠点が
あるにも拘らず、TiCに比べると高温耐酸化性(耐熱
性)に優れており、切削時の加工熱や摩擦熱によって昇
温する工具すくい面をクレータ摩耗から保護する機能を
発揮する。TiN皮膜は基材に対する密着性に優れてお
り、且つ基材の種類如何に関わらず被覆膜を形成し易い
という長所を有するため、これらの点が評価されて、T
iN皮膜を基材表面に被覆した切削工具が多く使用され
ている。
ており、切削条件がより過酷化する傾向にある為、上記
した様な従来のTiN皮膜程度ではこの要請に応えきれ
なくなっている。例えば、TiN皮膜は600℃までは
耐酸化性に優れているが、600℃を超えると分解し始
めてTi酸化物となり、更に高温でTiO2 となる。そ
こで耐熱性や硬度が更に優れた皮膜として、TiNにT
iやN以外の第3の元素を添加することが試みられてお
り、化学的蒸着法(CVD法)や物理的蒸着法(PVD
法)によりTiとAlの複合窒化物固溶体の皮膜が提案
されている(特公平4−53642号)。
i,Al)N皮膜は、大気中で昇温してやると、800
℃程度までは表面にAl酸化皮膜(Al2 O3 )を形成
し、このAl2 O3 皮膜が酸化抑制の働きをする。この
様に(Ti,Al)N皮膜は高温での耐酸化性に優れて
いるとはいうものの、硬度に関してはHvが2500k
g/mm2 に届かない。さらに(Ti,Al)N皮膜
は、TiN皮膜に比べて内部応力が2倍以上も高く、耐
摩耗性を改善する目的で厚膜化するにつれて皮膜の内部
応力が増大し、クラックが発生したり膜密着性が低下し
て皮膜剥離の原因になる。従って、(Ti,Al)N皮
膜はTiN皮膜を形成する場合よりもできるだけ薄い膜
厚を形成するということで実用化されており、その為
(Ti,Al)N皮膜の有する優れた特性が十分に発揮
されているとは言えず、より一層優れた特性を発揮する
様な皮膜の開発が望まれている。また上記TiN皮膜に
ついても、基材に対する優れた密着性を維持しつつ、且
つ耐酸化性や耐摩耗性を改善した皮膜の開発が望まれて
いる。
に着目してなされたものであって、その目的は、基本的
にはTiN皮膜や(Ti,Al)N皮膜の優れた特徴を
生かしつつ、耐酸化性および耐摩耗性をさらに改善した
硬質皮膜を提供することにある。
発明とは、TiN皮膜又は(Ti,Al)N皮膜に、T
a,Niおよび白金族元素よりなる群から選ばれる1種
以上の元素を5〜60原子%の割合となる様に含有させ
たものである点に要旨を有する硬質皮膜である。又は、
上記硬質皮膜においてTa,Niおよび白金族元素より
なる群から選ばれる1種以上の元素の全部又は一部に替
えて、ハロゲン元素を0.05〜30原子%の割合とな
る様に含有させたものである点に要旨を有する硬質皮膜
である。
皮膜の特性を更に向上するという観点から、特に特性向
上に有効な第3、第4の添加元素を検索し、検討を重ね
た。その結果、TiN皮膜や(Ti,Al)N皮膜に、
Ta,Niおよび白金族元素よりなる群から選ばれる1
種以上の元素、又はこれら元素の全部又は一部に替えて
ハロゲン元素を所定量含有させてやれば、上記目的が見
事に達成されることを見出し、本発明を完成した。即
ち、TiN皮膜にあっては、上記元素を所定量含有させ
てやれば、TiN皮膜は勿論のこと従来の(Ti,A
l)N皮膜よりも酸化開始温度を高くすることができ、
且つ硬度も上昇させることができる。更に、密着性が良
いというTiN皮膜本来の特性も損なうことがないの
で、剥離の問題も生じない。一方、一般的に耐酸化性が
良いと言われている(Ti,Al)N皮膜においても、
Ta,Ni,Pd,Pt,ハロゲン元素等を所定量含有
させてやることによって、従来の(Ti,Al)N皮膜
よりも酸化開始温度を高くすることができ、且つ硬度も
更に上昇させることができたのである。尚Ta,Niお
よび白金族元素、これら元素の全部又は一部に替えて用
いられるハロゲン元素は、夫々単独で添加しても良い
が、これらの1種以上を適宜選択して複合添加してもよ
いことは勿論である。また本発明における白金族元素と
は、Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Ptの全てを含む
趣旨であり、ハロゲン元素とは、F,Cl,Br,I,
Atの全てを含む趣旨である。
中に含有されるTa,Niおよび白金族元素の量は、単
独又は合計で5〜60原子%となる様にする必要があ
る。即ち、Ta,Niおよび白金族元素の含有量が5原
子%未満若しくは60原子%を超えると、これらの元素
を含有させない場合よりも却って酸化開始温度が低下
し、且つ硬度も低下する。あるいは、上記Ta,Niお
よび白金族元素の全部又は一部に替えて添加されるハロ
ゲン元素の量は、単独又は合計で0.05〜30原子%
となる様にする必要がある。即ち、ハロゲン元素の含有
量が0.05原子%未満若しくは30原子%を超える
と、これらの元素を含有させない場合よりも却って酸化
開始温度が低下し、且つ硬度も低下し、特に30原子%
を超えた場合には皮膜が脆化する。
a,Niおよび白金族元素の全部を置換してハロゲン元
素のみを添加するというケースが最も代表的な実施態様
となり、この場合のハロゲン元素の含有量は上記の通り
となる。これに対し、上記Ta,Niおよび白金族元素
の一部をハロゲン元素に置換した皮膜、すなわち、Ti
N皮膜又は(Ti,Al)N皮膜に、Ta,Niおよび
白金族元素よりなる群から選ばれる1種以上の元素と、
ハロゲン元素を併用する場合も本発明の範囲内に包含さ
れる。この場合においても上記効果を発揮させる為に
は、Ta,Niおよび/又は白金族元素の量を、単独又
は合計で5〜60原子%、またハロゲン元素の量を、単
独又は合計で0.05〜30原子%となる様にすること
が好ましい。より好ましくは、例えばTaの一部をハロ
ゲン元素で置換する場合には、Taの量は10〜50原
子%であり、ハロゲン元素の量は単独又は合計で0.0
5〜20原子%であり;Niの一部をハロゲン元素で置
換する場合には、Niの量は10〜50原子%であり、
ハロゲン元素の量は単独又は合計で0.05〜20原子
%であり;Ptの一部をハロゲン元素で置換する場合に
は、Ptの量は10〜50原子%であり、ハロゲン元素
の量は単独又は合計で0.05〜20原子%である。
れた耐酸化性および耐摩耗性を発揮することができる理
由は、高温酸化時にTiの酸化を抑制したり、Al酸化
皮膜等の保護皮膜が著しく緻密化するためであると考え
られる。この緻密化する機構については未解明である
が、例えばTiN皮膜の場合は添加元素が酸素の内部拡
散を抑え、Tiの酸化を抑制する;ハロゲン元素がTi
酸化物と反応し、ガス化することによって皮膜表面上に
保護皮膜のみが残る;Ta,Ni,白金族元素およびハ
ロゲン元素が何らかの作用でTiの拡散を抑えること等
が考えられる。
えばカソードを蒸発源とするアーク放電によって金属成
分又はハロゲン元素をイオン化する方法、即ちイオンプ
レーティング法やスパッタリング法等に代表されるPV
D法によって行なうことができる。これらの方法のうち
例えばイオンプレーティング法で行なう場合は、前記の
様にイオン化した金属成分又はハロゲン元素をN2 雰囲
気中で反応させて窒化物を被覆するものである。このと
きカソードとしては、Ti,Al,Ta,Ni,白金族
元素およびハロゲン元素等を個別に使用することができ
るが、目的組成そのものからなるターゲット(Ti・N
iターゲット若しくはTiAl・Niターゲット等)と
すれば、皮膜組成のコントロールが容易である。
るときの膜厚については、特に限定されるものではない
が、1〜10μmが好ましい。即ち、1μm未満では皮
膜による耐摩耗性付与効果が発揮されず、一方膜厚があ
まり大きくなって10μmを超えると硬質皮膜の全体の
厚みが大きくなり過ぎ、却って強度を低下させる。
下記の実施例に限定されるものではなく、前・後記の趣
旨に徴して適宜設計変更することは本発明の技術的範囲
に含まれる。
をカソード電極とするカソードアーク方式イオンプレー
ティング装置の基板ホルダーに超硬チップを取付けた。
皮膜に当たっては、400 ℃に加熱保持したまま、蒸発源
よりTiとTa,Ni,白金族元素等を蒸発させると共
に、装置内に高純度N2 ガスを導入して7×10-3To
rrの雰囲気とし、且つ基材に−70Vの電圧を印加
し、アーク放電を開始して基材表面にTa,Ni,白金
族元素等を含有させたTiN皮膜を形成した。
o.1〜28)を製作した。また従来例として同一の基材
上に、Tiカソードを用いて蒸発源よりTiのみを蒸発
し、N2 導入圧7×10-3Torrの条件でTiN皮膜
も製作した(No.29)。
し、FC25鋼材を摩耗相手材として皮膜の比摩耗量を
測定したところ、表1に併記する結果が得られた。尚摩
耗試験は、荷重2.2kgf、摩擦速度3.5m/秒の
条件下で行なった。
族元素等を5〜60原子%含有させた実施例のTiN皮
膜(No.2〜5,8〜11,14〜17,20〜23,
25〜28)は、従来のTiN皮膜や比較例の皮膜より
耐摩耗性に優れていることが分かる。尚実施例の皮膜
は、後記実施例2で示す結果と比較して明らかな様に、
従来の(Ti,Al)N皮膜よりも優れた耐摩耗性を示
している。
方式イオンプレーティング装置の基板ホルダーに超硬チ
ップを取付けた。皮膜に当たっては、400 ℃に加熱保持
したまま、蒸発源よりTiを蒸発させると共に、N2 /
Cl2 ,N2 /F2 ,N2 /Br2 ,N2 /I2 ,N2
/Atの各混合ガスを導入して7×10 -3Torrの雰
囲気とし、且つ基材に−70Vの電圧を印加し、アーク
放電を開始して基材表面にハロゲン元素を含有させたT
iN皮膜を形成した。上記方法により表2に示す組成の
皮膜(No.30〜54)を製作した。これらの試料を実
施例1と同じ条件で摩耗試験を行ったところ、表2に併
記する結果が得られた。
0.05〜30原子%含有させた実施例のTiN皮膜
は、従来のTiN皮膜や比較例の皮膜より耐摩耗性に優
れていることが分かる。
ットをカソード電極として、蒸発源からTi,Alと、
Ta,Ni,白金族元素等を蒸発させること以外は実施
例1と同様にして、表3に示す組成の皮膜(No.56〜
83)を製作した。このとき従来例として、同一の基材
上にTiAlカソードを用いて蒸発源よりTiとAlの
みを蒸発し、N2 導入圧7×10-3Torrの条件で
(Ti,Al)N皮膜も製作した(No.84)。得られ
た試料について、実施例1と同じ条件で摩耗試験を行な
ったところ、表3に併記する結果が得られた。
族元素等を5〜60原子%含有させた実施例の(Ti,
Al)N皮膜は、従来の(Ti,Al)N皮膜や比較例
の皮膜より耐摩耗性に優れていることが分かる。
らTiとAlを蒸発させること以外は実施例2と同様に
して、表4に示す組成の皮膜(No.85〜109)を製
作した。得られた試料について、実施例1と同じ条件で
摩耗試験を行なったところ、表4に併記する結果が得ら
れた。
0.05〜30原子%含有させた実施例の(Ti,A
l)N皮膜は、従来の(Ti,Al)N皮膜や比較例の
皮膜より耐摩耗性に優れていることが分かる。
ンプレーティング装置の基板ホルダーに取付け、400
℃に加熱保持したまま、蒸発源よりTiとTa,Ni,
白金族元素等を蒸発させると共にN2 ガスを導入して7
×10-3Torrの雰囲気とし、且つ基材に−70Vの
電圧を印加してTa,Ni,白金族元素を含有させたT
iN皮膜を形成した。上記方法により表5に示す組成の
皮膜(No.111〜138)を製作した。また従来例と
して、同一の基材上に、蒸発源よりTiのみを蒸発し、
N2 導入圧7×10-3Torrの条件でTiN皮膜も製
作した(No.139)。
験に供したところ、表5に併記する結果が得られた。 <酸化条件> 昇温範囲:室温〜1300℃ 昇温速度:5℃/min 雰囲気 :乾燥空気 流量 :50cc/min
では約600℃で、また比較例の皮膜では約490℃で
酸化が始まるのに対して、実施例の皮膜(No.112〜
115,118〜121,124〜127,130〜1
33,135〜138)の様にTa,Ni,白金族元素
等を5〜60原子%含有させることによって酸化開始温
度を高め、耐酸化性を向上させることができる。尚実施
例の皮膜は、後記実施例7で示す結果と比較して明らか
な様に、従来の(Ti,Al)N皮膜よりも優れた耐酸
化性を示すものである。
2 /F2 ,N2 /Br 2 ,N2 /I2 ,N2 /Atの各
混合ガスを導入したこと以外は実施例5と同様にして、
表6に示す組成の皮膜(No.140〜164)を製作し
た。得られた試料について、実施例5と同じ酸化条件で
酸化試験を行なったところ、表6に併記する結果が得ら
れた。
では約600℃で、比較例の皮膜では約460℃で酸化
が始まるのに対して、実施例の様にハロゲン元素等を
0.05〜30原子%含有させることによって酸化開始
温度を高め、耐酸化性を向上させることができる。
蒸発させること以外は実施例5と同様にして、表7に示
す組成の皮膜(No.166〜193)を製作した。この
とき従来例として、同一の基材上に、蒸発源よりTiと
Alのみを蒸発し、N2 導入圧7×10-3Torrの条
件で(Ti,Al)N皮膜も製作した(No.194)。
得られた試料について、実施例5と同じ酸化条件で酸化
試験を行なったところ、表7に併記する結果が得られ
た。
l)N皮膜では約800℃で、また比較例の皮膜では約
500℃で酸化が始まるのに対して、実施例の様にT
a,Ni,白金族元素等を5〜60原子%含有させるこ
とによって酸化開始温度を高め、耐酸化性を向上させる
ことができる。
と同様にして、表8に示す組成の皮膜(No.195〜2
19)を製作した。得られた試料について、実施例5と
同じ酸化条件で酸化試験を行なったところ、表8に併記
する結果が得られた。
l)N皮膜では約800℃で、また比較例の皮膜では約
630℃で酸化が始まるのに対して、実施例の様にハロ
ゲン元素を0.05〜30原子%含有させることによっ
て酸化開始温度を高め、耐酸化性を向上させることがで
きる。
するカソードアーク方式イオンプレーティング装置の基
板ホルダーに取付け、400℃に加熱保持したまま、蒸
発源よりTiとTa,Ni,白金族元素等を蒸発させる
と共にN2 ガスを導入して7×10-3Torrの雰囲気
とし、且つ基材に−70Vの電圧を印加してTa,N
i,白金族元素等を含有させたTiN皮膜を形成した。
o.221〜248)を製作した。また従来例として、同
一の基材上に、蒸発源よりTiのみを蒸発し、N2 導入
圧7×10-3Torrの条件でTiN膜も製作した(N
o.249)。これらの試料を、下記条件の切削試験に供
したところ、表9に併記する結果が得られた。 <切削条件> 被削材 :S50C 切削速度:170m/min 送り速度:0.25mm/rev 切り込み:0.1mm 切削時間:15分
a,Ni,白金族元素等を5〜60原子%含有させた実
施例の皮膜(No.222〜225,228〜231,2
34〜237,240〜243,245〜248)で
は、逃げ面摩耗量、すくい面摩耗深さ共に従来のTiN
皮膜に比べて改善され、また比較例の皮膜に比べても優
れていることが分かる。尚実施例の皮膜は、後記実施例
11で示す結果と比較して明らかな様に、従来の(T
i,Al)N皮膜と同等若しくはそれ以上の耐摩耗性を
示すものである。
2 /F2 ,N2 /Br 2 ,N2 /I2 ,N2 /Atの各
混合ガスを導入したこと以外は実施例9と同様にして、
表10に示す組成の皮膜(No.250〜274)を製作
した。得られた試料について、実施例9と同じ条件で切
削試験を行なったところ、表10に併記する結果が得ら
れた。
膜にハロゲン元素等を0.05〜30原子%添加させた
実施例の皮膜では、逃げ面摩耗量、すくい面摩耗深さ共
にTiN皮膜に比べて改善され、また比較例の皮膜に比
べて優れていることが分かる。
蒸発させること以外は実施例9と同様にして、表11に
示す組成の皮膜(No.276〜303)を製作した。こ
のとき従来例として、同一の基材上に蒸発源よりTiと
Alのみを蒸発し、N2 導入圧7×10-3Torrの条
件で(Ti,Al)N皮膜も製作した(No.304)。
得られた試料について、実施例9と同じ条件で切削試験
を行なったところ、表11に併記する結果が得られた。
Al)N皮膜にTa,Ni,白金族元素等を5〜60原
子%添加させた実施例の皮膜では、逃げ面摩耗量、すく
い面摩耗深さ共に(Ti,Al)N皮膜に比べて改善さ
れ、また比較例の皮膜に比べても優れていることが分か
る。
0と同様にして、表12に示す組成の皮膜(No.305
〜329)を製作した。得られた試料について、実施例
9と同じ条件で切削試験を行なったところ、表12に併
記する結果が得られた。
Al)N皮膜にハロゲン元素等を0.05〜30原子%
添加させた実施例の皮膜では、逃げ面摩耗量、すくい面
摩耗深さ共に従来の(Ti,Al)N皮膜に比べて改善
され、また比較例の皮膜に比べて優れていることが分か
る。
来のTiN皮膜や(Ti,Al)N皮膜における耐酸化
性および耐摩耗性を更に向上させた硬質皮膜が得られ
た。
Claims (2)
- 【請求項1】 TiN皮膜又は(Ti,Al)N皮膜
に、Ta,Niおよび白金族元素よりなる群から選ばれ
る1種以上の元素を5〜60原子%の割合となる様に含
有させたものであることを特徴とする耐酸化性および耐
摩耗性に優れた硬質皮膜。 - 【請求項2】 前記Ta,Niおよび白金族元素よりな
る群から選ばれる1種以上の元素の全部又は一部に替え
て、ハロゲン元素を0.05〜30原子%の割合となる
様に含有させたものであることを特徴とする請求項1に
記載の硬質皮膜。
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JP27274593A JP3351054B2 (ja) | 1993-02-16 | 1993-10-29 | 耐酸化性および耐摩耗性に優れた硬質皮膜 |
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JP11191093 | 1993-05-13 | ||
JP5-26987 | 1993-05-13 | ||
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